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6.物質と心

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6.物質と心
物質と心
物質と心の関係を明らかにするのは、
物理学なのか? それともやっぱり生
物学か? あくまでも二元論なのか?
心は量子で語れるか
デカルト( 1596-1650 )
↓ 方法序説・数学
ニュートン( 1642-1727 )
↓ 微積分・重力加速度 S=1/2・gt2
マックスウェル( 1841-1879 )
↓ 電磁気学・熱力学
アインシュタイン( 1879-1955 )
↓ 相対性理論 水星の運動測定で証明
etc.
E = m c2 etc.
シュレディンガー( 1887-1961 )
↓ 量子力学
ペンローズ( 1931- )
精神的世界の物理学?
(量子力学の深化による)
プランク(1858-1947) λ=h/(mv) h=6.6255x10-27:プランク常数、 電子の波長は2.4Å=240pm
ボーア(1985-1962)、
ハイゼンベルグ(1901-1976)⊿x・⊿p=h 不確定性原理
ニュートンの時空図
時間は時空図をつら
ぬき、時の経過につ
れて、ユークリッド
空間(断面)が次々
と続いて行く。
個々の観測者が時空
をどのように通過し
ようと、ある事象が
起こった時刻につい
ては、彼らすべてが
同意できる。
光円錐
アインシュタイ
ンの特殊相対論
では、このよう
な時空図が必要
である。
円錐は、因果関
係が働く限界を
示す。時空にお
ける粒子の歴史
は、上方に向か
う1本の線で表
現される。つま
り、物質粒子は、
光速より速くは
移動できない。
(光円錐の母線の傾
きの逆数が、光速)
この研究成果は、日本天文学会2007年秋季年会を代表する研究として発表されて
いる。
1910年代にアインシュタインが提唱した一般相対性理論は、物質の重力が時間や
空間におよぼす影響を説明した。そこから得られる結論の中には、質量とエネル
ギーが同一であるというものがある。つまり、質量はエネルギーに変換できるし、
エネルギーの量を質量として表すこともできる。また、一般相対性理論は「重力
レンズ」を予言した。これは、観測者の視線上に大きな質量が存在すると、その
重力がレンズのように作用し、奥からやってくる光を曲げてしまう現象だ。
ニュートン理論が、107分の1の精度であるのに対し、一般相対論による重力理論
は、 1014分の1の精度であることを示した。
しかし、提唱の中にはアインシュタインが「生涯最大の失敗」と悔やんで撤回したものがある。発表当時は宇宙のサイズは不変
だと信じられていたので、彼はそれを実現するために「宇宙項(または宇宙定数)」と呼ばれるパラメータを方程式に加えたの
だ。ところが、1929年に宇宙が膨張していることが銀河の観測から明らかにされ、宇宙項はしばらく忘れ去られた。
80年近くたった現在、宇宙論はさらなる進展を見せている。宇宙は単調にではなく、加速的に膨張していることがわかってきた
のだ。加速膨張を説明するために、重力とは逆に斥力を働かせる「暗黒エネルギー」という仮想の存在が提唱されている。すべ
ての暗黒エネルギーを質量に換算すると、われわれが観測できる物質をはるかに上回るはずだが、その正体はまったくの謎だ。
注目されるのは、暗黒エネルギーがあの「宇宙項」と性質がよく似ていることだ。アインシュタインのアイデアは、あらゆる場
所で、空間自体が一定の反発力を持っているというものだった。一方で、暗黒エネルギーの正体は「クインテセンス」と呼ばれ
る、「斥力を働かせる物質」のようなものではないかとする仮説も存在し、「宇宙項=暗黒エネルギー」というわけではない。
暗黒エネルギーの存在を確かめ、その性質を探るために、米・スタンフォード大学の大栗真宗氏と理化学研究所の稲田直久氏を
中心とした国際的な研究チームは大規模な観測検証を行った。観測したのは、先ほども登場した「重力レンズ現象」だ。はるか
遠方でよく見つかる天体として、「クエーサー」と呼ばれる(距離の割に)ひじょうに明るいものが存在するが、われわれとの
間に銀河が存在すると、クエーサーの光は重力レンズで曲げられ、あたかも同じクエーサーが複数存在するかのように見える。
さて、光学的には同じように見えるクエーサーも、もし暗黒エネルギーが存在すれば(つまり宇宙膨張が加速していれば)実質
的な距離はその分遠くなるはずだ。とすれば、ちょうどわれわれとの間に銀河が存在する割合も多くなるはずである。つまり、
すべてのクエーサーの中で重力レンズが働いているものの割合を調べれば、暗黒エネルギーがどれだけ存在するかがわかるし、
その性質につながる情報も得られる。
研究チームは全天の銀河分布図作成を目指す「スローン・デジタル・スカイ・サーベイで見つかったクエーサーのうち、約2万
3000個を調べた。これは重力レンズクエーサー探しとしては過去最大規模。選ばれた候補をすばる望遠鏡などで詳しく観測し、
計11個のクエーサーが、手前の銀河による重力レンズ効果を受けていることを突きとめた。仮に暗黒エネルギーが存在しなかっ
たとしたら、見つかる重力レンズクエーサーはせいぜい1・2個と予測されるという。こうして、暗黒エネルギーの存在を示す独
自の証拠が得られた。
さらに、研究チームは今回の結果をもとにして、宇宙全体の質量の7割が暗黒エネルギーであると結論づけた。また、その性質
は「クインテセンス」ではなく「宇宙項」とよく一致することを示した。
今回の研究に使われたSDSSは、現在も継続中のプロジェクトである。研究チームは、今後さらに多くのクエーサーを対象に重力
レンズを探すことで、さらに精度の高い情報を得たいとしている。
重力レンズ効果の概念図。手前の銀河が光を曲げ、1つのクエーサーが見かけ
上複数に見える。クリックで拡大(提供:大栗真宗氏、以下同じ)
今回の検証の原理。暗黒エネルギーが少なく宇宙膨張が加速していない場合
(左)に比べ、暗黒エネルギーが膨張を加速させている場合(右)はその分
クエーサーとわれわれとの間に銀河が入り込む確率が高くなり、多くの重力
レンズが観測される。
ボーアの水素原子模型(左)と電子の状態(右)
(原子上の電子軌道)

古典物理学(含相対論)≠ 量子力学
(古典物理学では「測定」が対象物に変化をもたらさない)

不確定性原理
ハイゼンベルグ(1901-1976)
光の2面性→粒子性・波動性
原子から出てくる光の波長がとびとびであるetc.
⊿p=h/⊿x
但し、⊿p:運動量の不確定さ
⊿x=0 → 粒子性

⊿x:位置の不確定さ
⊿p=0 → 波動性
不確定の意味
Ψ=Ψ(r)
光子・電子などはrの示す領域内に存在する。
量子とは「金属板などに当った時は、粒子的な性格を見せ、
レンズ、回折格子などを通したときは、波動的な振舞いを示す
ところのものである」
Ψ=Ψ(x)
たとえば、Xの値が1.0Åで
Ψ(x)が大きい時は、そこには
粒子は大きな確率で存在し、
1.2ÅでΨ(x)が小さいなら、そ
の場所には粒子は小さな確率で
しか存在しない。
金属板か何かで、粒子の場所を
観測した時に、X=1.1の場所で
粒子が見つかったとすれば、そ
の瞬間にΨ(x)は、x=1.1以外
の値では消えてしまう。観測す
る前に⊿xの範囲に広がってい
たものが、位置を調べた瞬間に
雲は一点に集中する。
これを波束の収縮という。
粒子の位置の測定
Schrödingerの波動方程式
U: ポテンシャルエネギー
(原子核と電子相互間)
原子軌道から分子軌道へ
(2H → H2)
Ψ = C1φ1 + C2φ2
∫Ψ2dτ=1
の条件下で下記の波動方程式を解く
【解】
C1=C2
Ψ1=1/√2・φ1 +
1/√2・φ2
Ψ2=1/√2・φ1 - 1/√2・φ2

波動方程式を解くことによる分子軌道法を使えば、原理的にはすべ
ての「分子」の性質を知ることができる。

外殻にある価電子のみを取り入れ、各原子に固有の値や実験値など
を使用するなどして、コンピューターを使う。(半経験的分子軌道
法)
(分子上の電子軌道)
Highest Occupied Molecular Orbital
Lowest Unoccupied Molecular Orbital
Specificity
Selectivity
①分子の大きさと形状、
②分子の溶解度、親油・親水性グループの位置 等の
物理化学的性質、
③分子上の荷電分布、
④Hydrogen donors とHydrogen acceptors の位置、
⑤HOMO/LUMOエネルギー
 コペンハーゲン学派(ボーア首班)
確率的表現こそが自然の姿 +
パラドックス(シュレディンガーの猫)
 アインシュタイン
神様は、サイコロ遊びをしない。自然は、確率のような蓋然性で糊
塗されない。もっと完璧な方法で語られなければならない。ただ人間
の認識が完全性を把握するまでに至っていない今日では、有効な方法
として確率あるいは統計的な方法は十分に活用されなければならない。
量子論の目覚ましい発展の後、アインシュタインの思考は、今や保守
的とされている。
 ペンローズ
量子論の深化により、精神的世界の物理学が可能となる?
(カール・ポッパー)
(ロジャー・ペンローズ)

ロジャー・ペンローズ(1931-)
イギリス・エセックス州コルチェスター生まれの数学者、宇宙物理学・理論物理学者
量子論の深化により、精神的世界の物理学が可能となる?
脳のある状態と精神状態を同一視することができる。
量子脳理論
著書『皇帝の新しい心』にて、脳内の情報処理には量子力学が深く関わっているというアイデア・仮説を提示してい
る。その仮説は「ペンローズの量子脳理論」と呼ばれている。「脳内の神経細胞にある微小管で、波動関数が収縮す
ると、意識が生起する」というのである。
この分野は未だ科学として十分に確立してはおらず、プロトサイエンス(未科学)の領域である。故国イギリスの大先輩の物理学
者ニュートンが古典力学の科学的体系を構築しつつ、その片側で錬金術の研究に手を染めていた事を思い起こさせる、と評する
者[誰?]もいる。
量子論上の観測問題
『皇帝の新しい心』以降の著書で、現在の量子力学の定式化では現実の世界を記述しきれていないという主張を展開している。
(学術論文としても提出している)
量子論には波動関数のユニタリ発展(U)と、波束の収縮(R)の2つの過程が(暗に)含まれているが、現在の量子力学の方程
式ではUのみを記述しており、それだけでは非線形なR過程は説明がつかない。すなわち、現在の量子力学の定式化はRが含まれ
ていないため不完全であるとする。そして、Rに相当する未発見の物理現象が存在していると考え、量子重力理論の正しい定式化
には、それが自ずと含まれているだろうと唱えた。
『皇帝の新しい心』の続編として出版された『心の影』では、上記の仮説をより進め、UとRを含む仮説理論として「OR理論
(Objective-Reduction、客観的収縮)」を提唱した。
量子レベルの世界から古典的なマクロ世界を作り出しているのは、重力であり、重力がRに相当する現象を引き起こすとする。量
子的線形重ね合わせとは、時空の重ね合わせであり、重ね合わせ同士の重力的なエネルギー差が大きくなると宇宙は重ね合わせ
を保持できなくなって、ひとつの古典的状態に自発的に崩壊するというモデルである。

アブナー・シモニー(ボストン大学名誉教授)
ペンローズの「物理主義」には基本的には賛同するものの、現在のペンロー
ズの姿勢には物足りなさと不完全さを感じ、新たな提案をしている。

ナンシー・カーライト(ロンドン大学社会科学部教授)
なぜ物理学か?

なぜ生物学ではないのか?
スティヴン・ホキーング(ケンブリッジ大学社ルーカス記念講座教授)
-ブラックホールを含む時空の構造などについて、ペンローズの共同研究者-
今は意見が異なる。ペンローズは、「意識は神秘であって量子重力ももう一
つの神秘であるので両者は関係があるに違いない」と思っている。「意識」は
外側から測定できる特質ではない。
観測(観察・実験)・実証
↓↑
整理・理論づけ
↓↑
還元
↓↑
還元
Humann Science (人文科学)
↓↑
生物学
↓↑ (遺伝学)
化学・生物化学
↓↑ (量子力学・分子軌道)
物理学
↓↑
数学
(各論)
応用技術
(原論)
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