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No. 147 August 2011 金沢医科大学総合医学研究所組織再編 新生 金沢医科大学氷見市民病院オープン〈予告〉 ■学事 平成 24 年度医学部・看護学部入試要項 新任教授紹介 学生支援センター生活支援室 講演会 ■学生のページ 平成23年度医学部第1学年早期臨床体験実習 ■国際交流 全国医科大学国際交流センター連絡協議会 第 2 回日中学術講演会 ■学術 第 11 回 KMU 研究推進セミナー 平成 23 年度科学研究費補助金交付決定 ■病院 特別セミナーin金沢医科大学病院 女性の健康 病院機能評価認定更新に係る職員研修会 ■管理・運営 理事長就任祝賀会並びに退任慰労会 学校法人金沢医科大学 平成 22 年度決算 ■随想・報告 武漢訪問記 華中科技大学同済医学院訪問記 東日本大震災と私(1 ) ■同窓会・後援会 金沢医科大学北辰同窓会評議会・総会 金沢医科大学看護学部後援会さくら会総会 内灘大橋に大輪の花火 金沢医科大学報 2 金沢医科大学総合医学研究所の組織再編 総合医学研究所所長 竹 上 勉 生命現象の謎解き、生命科学における新発見は 21 世紀になって次々と報告され、解明は予想以上に進展 速度が早まっています。10 年以上先と思われたヒトゲノム解読は 2003 年には完了し、遺伝子・ゲノムに 基づいた医療、オーダーメイド医療の展開が期待されています。さらには ES 細胞そして iPS 細胞の樹立 が報告されるに至り、今や再生医療における新境地が開かれようとしています。金沢医科大学総合医学研 究所は、新しい医学・医療上の諸問題に積極的に対応することを目的として 1989 年に設立されましたが、 上述したような時代に対応すべく、昨年秋から組織再編について検討を重ねて、本年 6 月 1 日から新組織 の発足となりました。 新組織は次頁の組織図のとおりです。独創性があり、かつ臨床とつながる研究を進める『生命科学研究 領域』 、 『先端医療研究領域』、および国の研究助成事業やその他の寄附による研究部を含む『プロジェクト 研究センター』並びに研究施設・機器運用のための『共同利用センター』の 4 本柱で構成されています。各 研究領域では「研究分野体制」を採用し、研究における柔軟な取り組み(共同研究)が可能となっています。 また、本学の大学院生を含む若手研究者の育成(萌芽研究の重視)等の基本的取り組み強化のために、プ ロジェクト研究センターの柱の中に「オープンラボ」を新設しました。 共同利用センターは RI 管理室、動物管理室、病理組織室に新たに「機器管理室」の部署を加え、これま での体制の中では不十分であった本学の共同利用研究機器の運用をより円滑に行えるようにし、共同利用 施設の活用と共に、いつでも良好な状態で研究者が利用できるようになっています。 総合医学研究所では、創造性ある独自の研究活動の充実を図ると共に、本学各分野の研究者の研究能力 が十分に発揮・展開できるようにいろいろな面で支援することを目的としています。こうした研究支援体 制のためのスタッフの育成や研究機器整備の充実に常に配慮し、特に臨床と直結した研究支援体制の確立 に力を注いでいます。研究活動は、教育・診療と並んで大学評価の重要な要素であり、その活性化にはス タッフの自覚と努力が必要であることは言うまでもありません。研究活動を通した教員と学生の繋がりは 大学教育の根幹であり、また、優れた医学研究成果に基盤をおいた先端医療の開発・普及は大学病院の使 命と思われます。 今後、研究所はさらに研究支援体制を充実化するとともに、全学的な研究活動の啓発・活性化を図っ ていきます。これまで行ってきた市民公開セミナー、研究所セミナーの開催や、他大学研究機関から研 究者を招聘しての学術講演の開催、研究所年報の発行に加え、ホームページからの発信や研究所だより 『KaMRI 』 (カムリ)の発行など、積極的に研究所の活用ならびに研究情報の発信交換を行っていく所存で す。 皆様からのご意見、ご指摘、ご指導をいただけますと幸いです。 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 3 金沢医科大学 総合医学研究所 新組織(平成 23 年 6 月 1 日) 総合医学研究所 生命科学研究領域 (領域長:竹上 勉教授) 分子腫瘍研究分野(責任者:竹上 勉教授) 細胞医学研究分野(責任者:藤川孝三郎教授) 腫瘍生物研究分野(責任者:太田隆英准教授) 遺伝子機能研究分野(責任者:石垣靖人准教授) 遺伝子改変動物研究分野(公募中) 先端医療研究領域 (領域長:友杉直久教授) 加齢制御研究分野(責任者:友杉直久教授) 糖化制御研究分野(責任者:竹内正義教授) 遺伝子疾患研究分野(責任者:友杉直久教授) 腫瘍制御研究分野(責任者:元雄良治教授) 単一細胞研究分野(責任者:高林晴夫准教授) プロジェクト研究センター (センター長:加藤伸郎教授) 戦略的研究部 特別研究部:環境原性視覚病態研究部(責任者:佐々木 洋教授) 寄附研究部:皮膚真菌学研究部(責任者:望月 隆教授) オープンラボ 共同利用センター (センター長:中川秀昭教授) 動物管理室(連絡先:荒井剛志主任) RI 管理室(連絡先:石垣靖人准教授) 機器管理室(連絡先:竹上 勉教授) 病理組織室(連絡先:二宮英明技能員) 研究推進課(総合医学研究所担当) 金沢医科大学報 4 〈予告〉 新生 金沢医科大学氷見市民病院オープン 金沢医科大学氷見市民病院病院長 髙島 茂樹 氷見市鞍川地内に約1年にわたる建設期間を経て新 リテーション病棟」の設置や、検診・ドックなどの予 しい氷見市民病院が竣工し、9月1日(木)に移転新築オ 防医療を推進する「健康管理センター」の新設のほか、 ープンを迎える。地上 6 階建て 250 床を擁する新病院 救急外来、手術室、集中治療室、血液浄化センター、 は、新しい時代にマッチした、人にやさしい、安心で 内視鏡センターの拡充、医療機器の整備として最新の 快適な医療環境を提供する、地域の中核病院として、 CT 装置や血管撮影装置の導入などがあげられる。ま 生まれ変わる。 た、情報システム系の整備として、電子カルテシステ 平成 20 年 4 月 1 日から金沢医科大学が指定管理者と ムの導入を中心に経営統計、医事情報、物流システム して氷見市民病院の経営立て直しに取り組んできた など、病院業務全体の情報管理に対応する医療情報シ が、築 40 数年が経過している建物は施設設備面での ステムが構築される。ほかに、医局研究室や当直室、 問題が多く、多様化する医療ニーズに対応できない状 仮眠室、ラウンジ、セミナー室など、職員の職場環境 況となっていた。また、近隣のほとんどの病院はすで の向上にも十分配慮されている。 に増改築工事を終え、機能的な病院として稼働してい 新病院における診療体制の柱となるのは、急性期医 る。こうした環境から、氷見市民病院は医療圏内の他 療と回復期医療の切れ目のない医療提供にある。急性 の急性期病院との競争力が著しく低下し、これが患者 期を脱したあとの回復期医療は、患者の早期社会復帰 の市外流出や医師・看護師確保の妨げの一因となって に大きく影響する。このため、新病院では急性期医療 いた。 の拡充とともにリハビリテーション体制を重点化し、 新病院の建設にあたっては、災害拠点病院としての リハビリの 365 日実施と患者 1 人に対し 6 単位(120 分) 立地条件を考慮しながら、過剰な設備投資にならない 以上の実施体制を構築する。こうした取り組みは当院 よう病院の将来像をしっかりと見据え、当院が必要と の大きな特徴となる。 する医療環境と職場環境の整備に重点が置かれた。建 新病院の開院はまさに地域の長年の夢であり、今後 設費の総額は 52 億円、建築面積は現病院の約 1.3 倍と の地域医療の発展に大きく関わることになる。今後と なり、病院全体の医療機能は飛躍的に向上する。新病 も地域から信頼され、また職員が生きがいと働きがい 院の特徴は、リハビリ医療に対応する「回復期リハビ を実感できる病院づくりに向け邁進したい。 新氷見市民病院 金沢医科大学報 第 147 号/2011.8 学 事 医学部 平成 24 年度 入学試験要項 ■一般入学試験 一般入試は第 1 次試験で学力試験が行われ、合 格者に第 2 次試験として小論文、面接試験を課し て最終判定が行われる。 1. 募集人員 2. 出願期間 約 70 名 平成 23 年 12 月 5 日(月)から 平成 24 年 1 月 10 日(火)まで 3. 試験期日 第1次試験 平成 24 年 1 月 19 日(木) 第2次試験 平成 24 年 1 月 30 日(月)、 31 日(火)のうち希望する日 4. 試験科目 第 1 次試験 外国語(英語) 、数学、理科(物理 ・化学・生物から2科目選択) 第 2 次試験 小論文・グループ面接 5. 試験会場 第 1 次試験 本学/金沢医科大学 東京/TOCビル本館 大阪/マイドームおおさか 名古屋/名古屋ガーデンパレス 札幌/札幌ガーデンパレス 仙台/仙台ガーデンパレス 広島/広島ガーデンパレス 福岡/福岡ガーデンパレス 第 2 次試験 本学/金沢医科大学 6. 合格者発表日 第 1 次試験 平成 24 年 1 月 24 日(火) 第 2 次試験 平成 24 年 2 月 2 日(木) ■特別推薦(AO )入学試験 学力を中心とした入学試験では評価が困難な学 習意欲、使命感、人間性の評価に重点を置いて選 考が行われる。将来への目標が明確であり、かつ その目標が本学の求めるものと合致する者につい て、書類選考や面接に十分な時間をかけ、人物本 位で選抜を行っている。 1. 募集人員 約 10 名 2. 出願資格(次の条件を満たす者) (1 ) 平成 23 年 4 月 1 日現在、25 歳以下の者 (2 ) 高等学校を卒業した者及び平成 24 年 3 月卒 業見込みの者またはそれと同等以上の学力 があると認めた者 平成 24 年度 「医学部案内」と「入試ガイド」 (3 ) 合格した場合には必ず入学することを確約 できる者 3. 出願要件(次のいずれかに該当する者) (1 ) 本学卒業後、出身地の地域医療の発展、向 上に貢献する意志の強固な者 (2 ) 本学卒業及び本学大学院修了後、本学で教 育、研究、診療に従事し、本学の発展に貢 献する意欲の旺盛な者 (3 ) 本学卒業後、発展途上国への医療援助など 国際医療援助活動に貢献する意欲の旺盛な 者 (4 ) 上記以外の出願動機で、それが本学建学の 精神に合致していると本学が特に認めた者 4. 出願期間 平成 23 年 9 月 1 日(木)から 平成 23 年 9 月 8 日(木)まで 5. 試験期日及び試験科目 第 1 次選考 書類選考 第 2 次選考 平成 23 年 10 月 16 日(日) 基礎学力テスト、グループ面接、 個人面接 6. 合格者発表日 第 1 次選考 平成 23 年 9 月22 日(木) 第 2 次選考 平成 23 年10 月20 日(木) ■公募制推薦入学試験 本学の推薦入試は、医学に対する目的意識が明 確で、人間性豊かな人物を選抜することを目的と して実施している。 5 【学事】 金沢医科大学報 学力試験のみの選抜ではなく、面接を重視し、 6 の育成を目的とし、氷見市長から推薦がある者を 例えば高等学校で指導的役割を果たした実績や、 対象としている。 クラブ活動においてよい成績を修めた実績など、 1. 募集人員 2. 出願資格 学力以外の面でも医師としての資質を備えた人材 を求めている。 1. 募集人員 2. 出願資格 3. 4. 5. 6. 約 20 名 現役及び 1 浪まで、19 歳以下の者で 全体の評定平均値が 3.8 以上である者 出願期間 平成 23 年 11 月 1 日(火)から 平成 23 年 11 月 9 日(水)まで 試験期日 平成 23 年 11 月 19 日(土) 試験科目 基礎学力テスト、小論文、 グループ面接 合格者発表日 平成 23 年 11 月 24 日(木) ■指定校・指定地域推薦入学試験 石川県内の高等学校 8 校(金沢大学附属高校、金 沢泉丘高校、金沢二水高校、金沢桜丘高校、小松高 校、七尾高校、星稜高校、金沢高校)を指定校とし て県内の地域医療を担う医師の育成を目的として おり、強い使命感と意欲のある人材を求めている。 指定地域推薦入学は富山県氷見市に在住し、氷 見市の地域医療に貢献する強い意志を持った人材 3. 4. 5. 6. 7. 約5名 上記の条件を満たし、現役及び 1 浪 で全体の評定平均値が 4.0 以上であ る者 推薦人数 1 高校につき 2 名まで 出願期間 平成 23 年 11 月 1 日(火)から 平成 23 年 11 月 9 日(水)まで 試験期日 平成 23 年 11 月 19 日(土) 試験科目 基礎学力テスト、小論文、 グループ面接 合格者発表日 平成 23 年 11 月 24 日(木) お問い合わせ及び入試要項請求は下記へ 〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学 1 − 1 金沢医科大学入学センター 直通電話:076-218-8063 FAX:076-286-6279 Eメールアドレス:[email protected] ホームページ:http://www.kanazawa-med.ac.jp/ 大学院医学研究科 平成 24 年度 1. 募集人員 35 名 選抜試験要項 3. 出願期間 平成 23 年10 月3 日 (月)から 平成 23 年10 月14 日(金)まで 2. 出願資格 ・大学の医学部、歯学部又は修業年限 6 年の 4. 試験期日 平成 23 年10 月27 日(木) 獣医学部、薬学部を卒業した者及び平成 24 5. 試験科目 筆記試験(英語)、面接試験 年 3 月卒業見込みの者 6. 合格者発表日 平成 23 年11 月11 日(金) ・外国において、学校教育における 18 年の課 程(最終の課程は医学、歯学、獣医学又は薬 学)を修了した者及び平成 24 年 3 月修了見込 なお、募集人員に満たない場合は追加募集を実 施する。 みの者 ・本大学院が個別の入学資格審査を行い、大 学の医学部、歯学部又は修業年限 6 年の獣 医学部、薬学部を卒業した者と同等以上の 学力があると認めた者で、24 歳に達した者 ・本大学院が大学の医学部、歯学部又は修業 年限 6 年の獣医学部、薬学部を卒業した者 と同等以上の学力があると認めた者 お問い合わせ及び入試要項請求は下記へ 〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学 1 − 1 金沢医科大学教学課(大学院担当) 電話:(代表)076-286-2211(内線 2522 ) FAX: 076-286-6054 Eメールアドレス: [email protected] ホームページ:http://www.kanazawa-med.ac.jp/ 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 7 看護学部 平成 24 年度 入学試験要項 看護学部アドミッションポリシー (入学者受入方針) 【教育理念と目標】 金沢医科大学看護学部は、人間性豊かな医療人 の育成、知識と技術の追求、人類社会への貢献と いう本学の建学の精神にもとづいて、安全で質の 高い信頼される看護の実務を行うことができる人 材を養成するために設立された。 本学部学生には、看護の質が医療を必要とする 人の治療の成否にきわめて重要な関係をもち、か つ生命に直接かかわるものであることを十分に心 得て、その理論、知識、技術を学ぶ事が求められ 平成 24 年度 「看護学部案内」と「入試ガイド」 ます。さらに社会における医療、保健、福祉の役 割を認識して、積極的に関与しつつ学習を進め、 日進月歩の医学、変化する社会的条件に的確に対 ■推薦入学試験 応できる資質と能力を養うことが求められる。 1. 募集人員 【求める学生像】 金沢医科大学看護学部では、上記のような条件 に沿って教育・学習を進めるため、下記のような 資質をそなえた人材を求める。 1. 基礎学力:レベルの高い看護学を学ぶために 必要となる、高等学校までに履修した全教科 (特に国語、英語、数学及び理科の各科目)に 2. 3. 2. 出願期間 約 20 名 平成 23 年11 月 1 日(火)から 平成 23 年11 月 10 日(木)まで 3. 試験期日 平成 23 年11 月 20 日(日) 4. 試験科目 基礎学力テスト、小論文、 グループ面接 5. 合格者発表日 平成 23 年 11 月 25 日(金) ■一般入学試験 亘るしっかりとした基礎学力をそなえている 1. 募集人員 約 40 名 こと 2. 出願期間 平成 24 年 1 月 4 日(水)から 知的好奇心・持続性:知的好奇心が旺盛で、 平成 24 年 1 月 31 日(火)まで 学習への集中力、忍耐力、持続性をそなえて 3. 試験期日 平成 24 年 2 月 8 日 (水) いること 4. 試験科目 英語Ⅰ・Ⅱ、数学Ⅰ・Ⅱ・A、 協調性:周囲に対する協調性や思いやりの心 を持ち、いつも自己啓発を怠らないこと 4. 尊重性:人の尊厳に敬意を持って接すること 5. 人間性:自分を含め、人間をいとおしむこと 理科(化学Ⅰ・生物Ⅰ・物理Ⅰ から1科目選択)、 グループ面接 5. 合格者発表日 平成 24 年 2 月 15 日(水) ができること ■編入学試験(第3学年次編入) お問い合わせ及び入試要項請求は下記へ 1. 募集人員 約 10 名 〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学 1 − 1 2. 出願期間 平成 23 年 8 月 16 日(火)から 平成 23 年 8 月 24 日(水)まで 3. 試験期日 平成 23 年 9 月 10 日 (土) 4. 試験科目 英文読解、小論文、個人面接 5. 合格者発表日 平成 23 年 9 月 15 日(木) 金沢医科大学入学センター 直通電話:076-218-8063 FAX:076-286-6279 Eメールアドレス:[email protected] ホームページ:http://www.kanazawa-med.ac.jp/ 【学事】 金沢医科大学報 8 新任教授紹介 医学部 うえだ 医学部 よしみち く ぼ え り 上田 善道 教授 久保 江理 特任教授 病理学Ⅱ 眼科学 平成 23 年 7 月 1 日より医学部教授(病理学Ⅱ)を拝命 しました。平成 6 年に金沢医科大学に赴任して、早い もので 16 年が過ぎました。この間、教育、研究、診 療を自由に伸び伸びとさせていただいた勝田省吾前教 授(現学長)ならびに仕事をご一緒させていただいた 多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げたいと思 います。 私は平成 13 年からの本学における problem-based learning(PBL )の導入と運営に深く関わって参りま した。しかし、医師国家試験合格率の低迷が示すよ うに「記憶中心から問題解決能力養成へ」、 「受動的学 習から能動的学習へ」という教育改革は未だ道半ばで す。病理学教員として疾患の病態生理の理解に重点を おいた、自ら考える学習のおもしろさを学生に伝えた いと思います。最近、学生も教員も互いの顔が見えな くなってしまっているように感じます。積極的にコミ ュニケーションをとり、互いを理解し合う努力が教育 の原点だと思います。 研究の推進、特に若手研究者の育成も本学の重要課 題です。着任以来 22 名の大学院生の指導と臨床各科 の若手研究者の支援を行い、幸いにも各分野のトップ ジャーナルを含む多くの研究誌に論文を発表すると共 に、潤沢な科研費を獲得してまいりました。先代の勝 田教授時代からの伝統である開かれた教室を今後も維 持するとともに、積極的に研究支援を行い、若手研究 者に研究のおもしろさを体感してもらいたいと考えて います。 今後とも皆様のご指導ご鞭撻よろしくお願い申し上 げます。 【略歴】 1981 年 3 月 金沢大学医学部医学科卒業 1981 年 4 月 天理よろづ相談所病院レジデント 1989 年 3 月 金沢大学大学院医学研究科「病理学Ⅰ専攻(中 西 功教授)」博士過程修了、医学博士所得 1989 年 4 月 独ミュンスター大学病理学研究所・研究員 1991 年 4 月 天理よろづ相談所病院医学研究所病理・研究員 1994 年 11 月 金沢医科大学病理学Ⅱ助教授 2001 年 4 月 金沢医科大学病理学Ⅱ特任教授 2011 年 7 月 金沢医科大学病理学Ⅱ教授 平成 23 年 6 月 1 日付けで、医学部特任教授(眼科学) を拝命いたしました。 私は、福井大学出身で、現在まで眼科学の臨床およ び研究に取り組んでまいりました。また 1999 年から 2 年半の間、米国ボストンのハーバード医科大学に留学 し、白内障予防のターゲットとして水晶体の抗酸化蛋 白に関する研究を中心に行ってきました。金沢医科大 学眼科学教室は白内障疫学研究において世界的に有名 です。これまでは、学会、研究会などで佐々木 洋教 授や教室の先生方と、意見交換させていただき、ご指 導も受けてまいりました。そして、今回、本学で特任 教授として、より力を発揮できる機会を与えていただ き、大変感謝しております。本学眼科学教室を世界的 に有名な白内障研究施設にすることが私の夢です。 臨床面で私が目指すところは、若い医師たちの育成 そして臨床と基礎研究の両立です。昨今、眼科領域で も、専門以外の診療はできない医師も増加しておりま す。しかし、私は、眼の前から後ろまで、ほぼ全てが 治療できるような眼科学教室、医師であることを目指 しており、難治の緑内障、網膜疾患の治療に取り組ん でいきます。さらに医師として、患者に優しく思いや りの心を持つことが重要です。後輩医師たちにも、優 しく丁寧な診察態度を指導し、立派な医師として独り 立ちできる知識・技術を身につけてもらいたいと考え ます。 今後ともご指導ご鞭撻どうかよろしくお願い申し上 げます。 【略歴】 1993 年 1993 年 1994 年 1999 年 2001 年 2009 年 2011 年 3月 3月 4月 9月 4月 1月 6月 福井医科大学卒業 福井医科大学医員(研修医) 福井医科大学眼科助手 米国ハーバード医科大学水晶体研究所研究員 福井医科大学眼科講師(現 福井大学) 福井大学医学部眼科准教授 金沢医科大学医学部眼科学特任教授 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 9 新任教授紹介 医学部 おかざき 医学部 としろう 血液免疫内科学 微生物学 【略歴】 1998 年 7 月 2005 年 1 月 2007 年 5 月 2011 年 6 月 やすし 村木 靖 特任教授 平成 23 年 6 月 1 日付けで医学部特任教授(血液免疫 内科学)を拝命しました。前任地では、実に多くの難 治性血液疾患の患者さんを診る機会が与えられ、外来 では骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、慢性リン パ性白血病、多発性骨髄腫などの患者さんを週 4 日間 診療し、病棟では、クリーン・ルーム 16 床を駆使し、 白血病、悪性リンパ腫の患者さんの化学療法を実施し ました。したがって、研究室での実験的研究実績のみ ならず臨床的な貢献も十分させていただき、自分の臨 床力もこれまでの医師生活で最も充実したものであっ たと自負しております。この度、縁あって金沢医科大 学に奉職させていただく機会を得ましたことは、この ような成果を北陸地方でさらに発展させる絶好の環境 を与えていただいたと感謝の念に堪えません。私は、 これまで京都→静岡県島田市→京都→大津市→米国ノ ースカロライナ州ダーラム市→大阪→京都→鳥取県米 子市→内灘町とほぼ 5 ∼ 6 年毎に異動して参りました。 10 階の窓から加賀平野の佇まいをながめております と、小学生時分に北陸トンネルで煤だらけになり墓参 した際の記憶が蘇り、北陸という響きになにやら懐か しいものがこみ上げます。今後、地域の皆様に医療貢 献すること、良い医療者を育てること、そして世界的 な研究を 1 つでも多く内灘の地から発信することをモ ットーに誠心誠意努めて参る所存ですので、是非、皆 様の暖かいご援助ご指導を何卒よろしく御願い申し上 げます。 1979 年 3 月 1987 年 3 月 1987 年 10 月 1991 年 8 月 1996 年 10 月 むらき 岡崎 俊朗 特任教授 このたび平成 23 年 7 月 1 日付けで、微生物学部門特 任教授を拝命いたしました。 私は山形大学医学部を卒業し、内科医として臨床医 学に携わった後、ウイルスの基礎研究の世界に入りま した。その後今日まで、インフルエンザウイルスの増 殖機構に焦点を当て、ウイルス遺伝子やウイルス蛋白 質の構造と機能について研究してまいりました。現在 は、リバース・ジェネティクスという手法を用いて変 異ウイルスを作製し、その増殖能を解析することで、 ウイルスが増殖する際の各々の遺伝子や蛋白質が果た す役割を明らかにしようとしています。将来的には、 それらを標的とした抗ウイルス薬の開発や、弱毒ウイ ルスを用いたワクチンの開発に繋がることを期待して います。また、院内感染対策委員会の一員として、感 染症のコントロールおよびインフルエンザをはじめと するウイルス性疾患の理解の普及にも尽力したいと思 います。 教育面では、主に医学部 2 年生の「微生物と生体防 御」の講義と実習に携わっております。真摯な態度で 勉学に励む学生諸君には常に刺激を受けています。リ サーチ・マインドを持ち続けることのできる医師に育 ってほしいと考えています。 本学に赴任し、1 年 8ヵ月が経過しました。この間、 常に温かいご支援をくださっている学内の各方面の先 生方に感謝いたします。今後とも、微力ではあります が本学の発展に尽力してまいります。皆様のご指導、 京都大学医学部卒業 京都大学大学院医学研究科内科系修了 米国デューク大学生化学・内科学教室研究員 大阪歯科大学内科学講座助手 京都大学大学院医学研究科血液病態学(第一内 科)助手 京都大学大学院医学研究科血液病態学(第一内 科)講師 鳥取大学医学部病態解析医学講座臨床検査医 学・血液内科教授 鳥取大学医学部病態解析医学講座臨床検査医 学・血液腫瘍科教授 金沢医科大学血液免疫内科学特任教授 ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 【略歴】 1987 年 1987 年 1990 年 1992 年 1998 年 3月 6月 4月 7月 6月 2003 年 4 月 2007 年 8 月 2009 年 11 月 2011 年 7 月 山形大学医学部医学科卒業 東京都立墨東病院臨床研修医(内科系) 筑波大学附属病院(血液内科)医員 山形大学医学部(細菌学講座)助手 英国・国立医科学研究所(ウイルス学部門)研 究員(2000 年 11 月まで) 山形大学医学部(発達生体防御学講座)講師 山形大学医学部(感染症学講座)准教授 金沢医科大学医学部微生物学准教授 金沢医科大学医学部微生物学特任教授 【学事】 金沢医科大学報 10 新任教授紹介 医学部 みやざわ 金沢医科大学氷見市民病院 かつひと 3月 3月 4月 4月 4月 1月 すなお 畑島 淳 臨床教授 泌尿器科学 麻酔科 昭和 59 年に金沢医科大学を卒業後 27 年間にわたり 本学教職員と関係各位の皆様に育てていただきまし た。津川龍三教授(現名誉教授)からは腎移植をはじ めとした泌尿器科学の臨床に加え、医師・社会人とし ての在り方について厳しくご指導いただきました。鈴 木孝治教授には大学院入学以来現在まで継続して研究 を中心にご指導いただいております。 研究のメインテーマは尿路結石形成に関する尿中高 分子物質や分子機構の解明であり病理学、総合医学研 究所など多くの部署のご支援をいただき励んでおりま す。この間、鈴木教授のご高配と本学のサポートで国 際尿路結石症学会前理事長の Rosemary Ryall 教授の 研究室へ留学の機会を与えていただきました。また、 日本尿路結石症学会奨励賞および学会賞を受賞いたし ました。 臨床では基礎研究を応用した尿路結石の効率的な砕 石・排石から再発リスク同定までの診療を行っており ます。また、前立腺癌に対してミニマム創内視鏡下手 術による低侵襲外科治療を行っています。さらに平成 19 年 3 月から放射線科、臨床病理学、麻酔科などのご 協力をいただき石川県内で最初に密封小線源療法を導 入して現在まで約 140 症例の治療を担当させていただ いております。 教育では視聴覚教材を頻用した臨場感あふれる講義 と、知識の取得だけでなく、学生の臨床医学に対する モチベーションの向上を図った臨床実習を心がけてい ます。そして光栄にも金沢医科大学優良教員賞を平成 16 年から 7 年間連続して授与していただきました。 建学の精神に基づき本学に報恩できますよう精進し て参りますので今後もよろしくご指導・ご鞭撻をお願 い申し上げます。 【略歴】 1984 年 1989 年 1989 年 1994 年 1999 年 2006 年 はたしま 宮澤 克人 特任教授 金沢医科大学卒業 金沢医科大学大学院医学研究科博士課程修了 金沢医科大学泌尿器科学助手 金沢医科大学泌尿器科学講師 フリンダーズメディカルセンター留学 金沢医科大学泌尿生殖器治療学(泌尿器科学) 助教授 2007 年 4 月 金沢医科大学泌尿生殖器治療学(泌尿器科学) 准教授 2011 年 7 月 金沢医科大学泌尿器科学特任教授 このたび平成 23 年 6 月 6 日付けで臨床教授を拝命し 金沢医科大学氷見市民病院にて麻酔科科長に就任する ことになりました。 私は昭和 61 年に金沢医科大学麻酔学教室に入局し、 森 秀麿先生・青野 允先生の指導を受け 10 年間在籍し ておりました。在籍中に薬理学教室で 2 年間、故・鈴 木史朗先生の指導のもと研究させていただき学位を取 得しました。その後、富山県高岡市の公的病院で 15 年間、臨床麻酔・集中治療・救急部門に従事し、後輩 の指導等を行ってきました。 今回、竹越 嚢理事長・髙島茂樹副理事長(氷見市民 病院院長)のご配慮等により氷見市民病院麻酔科科長 に就任いたしました。心機一転、麻酔科医人生の最後 の 10 年間を全力で尽くすつもりです。特に氷見市は 高齢化が進み、リスクの高い高齢者の手術麻酔が多 く、 「高齢者にやさしい麻酔を」と考えています。その 点で氷見市の地域医療に少しでも貢献できれば幸いで す。また、医師不足・とりわけ北陸地方の麻酔科医不 足は深刻で、今後、氷見市民病院初期研修医の麻酔教 育と、その人材の中から将来の若い麻酔科医の発掘に 全精力を注ぐつもりです。10 年後には、若い麻酔科 医が数多く育つよう、皆様方のご指導ご鞭撻をよろし くお願いいたします。 【略歴】 1985 年 1986 年 1990 年 1996 年 1998 年 2002 年 3月 4月 4月 4月 4月 4月 金沢医科大学医学部卒業 金沢医科大学麻酔科学教室入局研修 金沢医科大学麻酔科助手 富山県済生会高岡病院麻酔科医長 富山県済生会高岡病院麻酔科部長 富山県済生会高岡病院救急・集中治療部長兼 務 2004 年 4 月 富山県済生会高岡病院診療部長 2011 年 6 月 金沢医科大学氷見市民病院麻酔科臨床教授 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 11 名誉教授の称号授与式 平成 23 年 4 月 18 日(月)本部棟 2 階会議室において、 竹越 襄理事長から本年 3 月 31 日付けをもって教授職 を定年退職された先生に、金沢医科大学名誉教授の称 号が授与された。 名誉教授の選考は、去る 3 月 8 日開催の名誉教授選 考委員会において行われ、勝田省吾学長の推薦に基づ き、3 月 10 日開催の第 863 回医学部教授会で承認され た。 (学事庶務課 出雲淳子記) 名誉教授の称号を授与された方々。 称号授与された方は次のとおり。 第 76 号 松井 忍 第 77 号 勝田省吾 第 78 号 久原とみ子 第 79 号 伊川廣道 第 80 号 平口哲夫 前 総合医学研究所(先進医療研究部門)教授 前 病理学Ⅱ教授 前 総合医学研究所(人類遺伝学研究部門)教授 前 小児外科学教授 前 人間科学科目(人文科学)教授 教授会歓送迎会 教授会歓送迎会が平成 23 年 5 月 26 日(木)午後 6 時 30 分からホテル日航金沢において、総勢 110 名が出席 対象者の方々は次のとおり 【退職】 松井 忍教授 勝田省吾教授 久原とみ子教授 し開催された。 勝田省吾学長、竹越 襄理事長の挨拶に続いて送迎 者が紹介され、定年退職された松井 忍、久原とみ子、 伊川廣道、平口哲夫、北川和子、相野田紀子各先生お 伊川廣道教授 平口哲夫教授 北川和子教授 相野田紀子教授 福間和美教授 よび就任者を代表して川﨑康弘教授が挨拶を述べた。 【就任】 (平成 22 年 7 月 1 日∼平成 23 年 6 月 1 日) 川﨑康弘教授 中橋 毅教授 中村 晃教授 最後に定年退職者の先生方に記念品の目録と花束が 堀 有行教授 薄田勝男教授 長内和弘教授 贈呈され、会場から盛大な拍手が送られた。 (学事庶務課 出雲淳子記) 上田順彦教授 北山道彦教授 松木伸夫教授 中島素子教授 坂井恵子教授 竹内正義教授 岡崎俊朗教授 退職者・就任者の皆さん 【学事】 金沢医科大学報 12 平成 23 年度 金沢医科大学臨床教授(学外)委嘱状授与式 並びに学外臨床実習に係る懇談会 平成 23 年 5 月 18 日(水)午後 7 時からホテル日航金沢において、学外臨床施設の医師 24 名を招き、竹越 襄理事 長をはじめ 20 名の教職員が出席して、金沢医科大学臨床教授(学外)委嘱状授与式並びに学外臨床実習に係る懇 談会が開催された。 はじめに、竹越理事長から新任の臨床教授(学外)に委嘱状が渡され、続いて能登北部地域医療研究所長中橋 毅先生による「能登北部地域医療研究所の試み」と題した講演が行われた。 引き続き懇親会が行われ、和やかな中で活発な意見交換が行われた。最後に、学外臨床施設を代表して上田 博先生(芳珠記念病院院長)がお礼の言葉を述べられ、盛会裡に終了した。 本学では、平成 7 年度から学生が医療チームの一員となり、スチューデントドクターとして行動することを目 的とした Clinical Clerkship(CCS )を導入し、平成 11 年度からは、大学病院では得られない体験実習を学外の 医療機関において経験させる臨床実習を行っている。また、平成 12 年度から、受入施設の指導医師に臨床教授 (学外)等を委嘱しており、被委嘱者数は当初の 13 名から学外臨床実習の充実とともに増え、今年度は 43 名の方々 が臨床教授(学外)に委嘱された。 今年度、臨床教授(学外)に委嘱された先生方は次の方々で、任期は平成 23 年 4 月 1 日から平成 24 年 3 月 31 日 までである。 (学事庶務課 長井竜洋記) 興村 哲郎 千木病院病院長 関 秀俊 国立病院機構医王病院院長 宮崎 誠示 南ケ丘病院理事長 若林 時夫 石川県済生会金沢病院院長 中村 一郎 岡部病院院長 岩田 章 金沢赤十字病院院長 絈野 謙介 カセノ内科医院院長 南 眞司 南砺市民病院院長 倉知 圓 公立穴水総合病院病院長 髙田 充彦 医療法人社団 宇野気医院理事長 山田 燦 サンクリニックやまだ院長 南部 澄 なんぶこども医院院長 勝木 建一 やわたメディカルセンター院長 的場 宗敏 的場病院院長 根井 仁一 公立南砺中央病院院長 伊藤 順 伊藤病院院長 北田 博久 らいふクリニック理事長 近藤 邦夫 近藤クリニック院長 松原 三郎 松原愛育会松原病院院長 大島 譲二 医療法人くぼじまクリニック理事長 川崎 英 金沢西病院院長 神野 正博 董仙会 恵寿総合病院理事長 藤井 博之 博洋会 藤井脳神経外科病院理事長 藤井 久丈 藤聖会 八尾総合病院理事長 上野 敏男 浅ノ川総合病院院長 中藤 秀明 医療法人社団 中藤クリニック理事長 上田 博 芳珠記念病院院長 清水 淳三 北陸中央病院医務局長 倉田 孝一 県立高松病院院長 豊田 高志 町立富来病院病院長 前田 敏男 映寿会みらい病院院長 竹内 尚人 木島病院理事長 追分 久憲 珠洲市総合病院病院長 魚谷 知佳 予防医学クリニック院長 佐藤 秀次 金沢脳神経外科病院病院長 丸岡 達也 医療法人社団 まるおかクリニック理事長 小森 和俊 公立宇出津総合病院院長 佐原 博之 さはらファミリークリニック院長 亀谷 富夫 厚生連高岡病院院長 和久 祥三 兵庫県立柏原病院小児科医長 京井 優典 国民健康保険志雄病院院長 村上 智彦 医療法人財団 夕張希望の杜理事長 喜多 一郎 金沢社会保険病院病院長 (卒業年度順、敬称略) 第 147 号/2011.8 第 33 回 金沢医科大学報 納骨式 13 ただいた故人に、敬意と感謝の念を捧げ、ご冥福をお 祈りした。 続いて、学生を代表し医学部第 3 学年の小松正樹君 が、解剖学実習のために尊いご遺体をお寄せいただい 第 33 回納骨式が、平成 23 年 4 月 16 日(土)、本学慰 た故人の崇高なるご遺志と、そのことに快く同意され 霊碑(納骨堂)前において、ご遺族、天寿会役員、役 たご遺族の皆様の深いご理解に、心より尊敬と感謝の 職教員、教職員、医学部第 3 学年生、看護学部の代表 念を捧げる旨のお礼の言葉を述べた。参加した学生は、 学生等、約 200 名の参列のもと厳粛に執り行われた。 故人のご意志に報いるためにも、良医をめざし生涯に 今回、納骨が行われたのは、平成 22 年度の解剖学 実習に供させていただいた故中澤仁雄殿をはじめとす る 29 柱のご遺骨である。 わたり努力をするべく誓いをあらたにした。 最後に、解剖学Ⅰの八田稔久教授から、ご参列いた だいた皆様へ挨拶があり、式は終了した。 (教学課 森 秀男記) ご遺骨は、解剖学Ⅱの篠原治道教授の先導により医 学部第 3 学年生 29 名一人ひとりの胸に抱かれて入場、 解剖学Ⅱの木南利栄子講師による御芳名朗誦のなか、 丁重に納骨された。 納骨後、栂 博久医学部長から、 「学生は解剖学実習 において人体の構造を直接目で確かめ、手で触れさせ ていただくことにより、精妙な構造をはじめて正確に 理解することができる。また、この解剖学実習をとお して人体を観察する方法を学び、医学において、観 察することが如何に重要であるかを理解するようにな る」と、献体をされた方々のご遺志とご遺族の寛容な お志しに敬意と謝意を表する式辞が述べられた。 その後、参列者全員による献花が行われ、ご献体い 献花台の前で手を合わせるご遺族 第 39 回 解剖学実習解剖体 納棺式 平成 23 年 7 月 1 日(金)新アナトミーセンター3 階実 習室において、第 39 回解剖体納棺式が、解剖学教室 の教職員および実習を修了した医学部第 2 学年生の参 列のもと、厳粛に執り行われた。 はじめに、司会進行を務める学生の見浪実紀さんが 開式を宣言したあと各班に分かれ、学生が 18 体のご 遺体に献花を行った。 学生による献花 次に、各班学生代表により、お棺の蓋に釘を打つ「〆 釘」の儀式が行われた。 学生を代表し岡本隼樹君が「お礼の言葉」を述べ、 最後に、解剖学Ⅱの篠原治道教授から、新アナトミー センターとなって初めて行われた実習が無事修了した 解剖実習で得た多くの知識と経験を糧に一層の努力を との挨拶があり、そのあと各班の学生により順次出棺 重ね良医への道を歩んでいくことを誓い、参加者全員 が行われ閉式となった。 でご遺体に謝意を表するとともに故人のご冥福をお祈 りし、黙祷を捧げた。 (教学課 森 秀男記) 【学事】 金沢医科大学報 学生支援センター生活支援室 平成 23 年度 講演会 学生支援の観点からみた近年の 大学生像 14 1. 各学生の悩み事は多様で、しかもひとりの学生が 複数の悩み事を抱える場合が多い。その根底にはコミ ュニケーションができないという問題があり、このこ とで本人のみならず周囲の人々も悩む。この状態は、 “知的機能には問題ない発達の偏り”ととらえること ができる。 2. 富山大学ではトータル・コミュニケーション・サ 講師: 齋藤清二先生(富山大学保健管理センター所 ポートという概念で、学生と指導教員を対象に修学面、 就職面、精神面での総合的な支援態勢を実現すべく、 長・教授) 日時: 平成 23 年 7 月8日(金)午後5時 30 分 場所: 病院本館 4 階 C42 講義室 独立した支援部門を設立した。相談件数は 2008 年度 330 件、2009 年度 1,006 件、2010 年度 1,932 件と急激に 増加している。 学生支援センター生活 3. 支援の鉄則は、こちらから出向くのではなく相手 支 援 室 で は 毎 年 1 回、 本 が相談に訪れた機会を一切逃さないということであ 学学生の生活指導に役立 る。 4.“空気が読めない”というのは、独自の視点によ つ よ う な テ ー マ を 選 び、 学外講師をお招きして講 る論理の食い違いによって、コミュニケーションに支 演会を開催している。こ 障を来すことである。 “空気が読めない”学生の初めて のところ、 “現代の大学生 の実態調査(東京都内のある大学、母数 58 名)では、 の思考や感情を理解でき 半数近くの学生が、 「自分は“空気が読めない”」と思 ない”と悩む学内外の大 っており、全体の 24%がその点について悩んでいる。 学関係者の声を耳にする 学生は、教員が思う以上に自分のコミュニケーション 機会が多い。そこで今年 のテーマを「現代の若者 能力について自覚している可能性が大きい。このよう 齋藤清二先生 な学生と話す時は学生の視点でものを見ることが必須 のコミュニケーション」とし、学生相談の実例を基に であり、これは、臨床医学における医療コミュニケー した講演を企画することにした。 ションの原則と全く同じである。 講師の齋藤清二先生は消化器内科学、心身医学等 5. コミュニケーション学では、言語を文脈依存性言 を専門とする医師であり、多くの臨床経験を背景とし 語(話される時の状況を手がかりとして意味を理解す て、医学教育の分野では医療面接、ナラティブ・ベイ る)と、テキスト依存性言語(話される内容を手がか スト・メディスン(narrative-based medicine )の草 りとして意味を理解する)とに分類する。日本語は前 分けである。現在は幅広い学部の大学生と接している 者に、英語は後者に相当するが、学生との会話につい お立場から、医学部生に限らず“今どきの大学生”に て考える際にこの分類は役立つだろう。 共通の問題についてお話し下さった。 以下、講演内容および質疑応答内容を基にして、学 生支援の立場から特に有用な点について要約してみ た。 (生活支援室長 北村 修記) 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 15 看護学部 新入学生宿泊研修 看護学部第 5 期生の宿泊研修が、平成 23 年 5 月 26 日 (木)、27 日(金)の 2 日間、学生 68 名、担任 5 名、他 教職員 3 名が参加し、羽咋市の休暇村能登千里浜を主 な会場として実施された。 発表会風景 この研修は、毎年新入学生を対象としてこの時期に 分かれ、東日本大震災の新聞事例の中から選択した 1 行われており、今年も例年通り学外研修における集団 事例について個別に作文を書き、グループ内で作文に 生活を通して学生・教職員間の親睦を図り、人との交 ついての意見交換が行われた。小休憩をはさんでの研 流を広め、コミュニケーション能力を養うことを目的 修Ⅱ部では、更なるグループ討議とまとめ、および模 に行われた。 造紙を使ってのプレゼンテーションの準備に取りかか 1 日目の午前中は、看護学部で開会式の後、バスに った。夕食時には学生企画イベントがあり、研修の時 分乗して洞谷山永光寺を訪れ、座禅を体験した。約 とは違った、リラックスした学生の姿が見られ、遅く 700 年前に建立された古刹の歴史と幽遠な環境に身を まで交流を深めた。 置いて、静寂と敬虔な雰囲気の中で「無の世界」を体 2 日目の午前中は研修Ⅲ部が行われ、前日作成した 験し、また監寺の法話を伺った。座禅の後は千里浜レ グループのまとめを貼り出し、発表会では活発な意見 ストハウスに立ち寄って昼食を摂った後、宿泊・研修 交換が行われた。午前 11 時過ぎにバスに分乗して施 施設である休暇村能登千里浜へ移動した。 設を出発、正午には内灘サイクリングターミナルへ到 午後からは研修が行われた。研修テーマは「文章渡 着した。伊川廣道学部長をはじめ、当日現地に集合し し(Pass the Writing )」、研修目的は「身近な事例に た教職員を交えてバーベキューが行われ、楽しいひと ついて自分の考えをまとめ、文章にする。また自分の ときを過ごした。バーベキューの後、看護学部に移動 言葉や文章で表現して仲間とのコミュニケーションを し、閉会式が行われた。全員無事で意義ある 2 日間の 楽しむ」である。研修Ⅰ部では、学生は 10 グループに 宿泊研修を終了した。 (総合看護学 田村幸子記) 平成23年度 地域貢献型学生プロジェクト推進事業 看護学部ボランティアグループが 採択される 石川県の委託を受け大学コンソーシアム石川が助成 している「平成 23 年度地域貢献型学生プロジェクト推 進事業」に、看護学部ボランティアグループによる「高 齢者と地域学生による世代間交流」が採択(助成金15万 円)されました。本事業は学生の社会参加意欲と地域ニ 看護学部学生ボランティアグループ ーズのマッチングにより、学生の地域貢献活動を支援す フとして参加し、企画・立案や昼食等をお互いに共同で ることで、学生と地域の交流を促進し、地域の活性化を 行うことで、交流機会を創出することを計画しています。 図ることを目的としています。平成23年度は応募44件 これらの交流を通じ、双方の顔の見える関係をつくり、 から11件の課題が採択されました。私たちの採択課題 高齢者の健康不安の解消、生きがいの創出援助等、地域 では、内灘町の独居高齢者と私たち学生が、地域公民館 貢献のために何らかのお役に立てればと思っています。 で行っている「いきいきサロン」等のイベントにスタッ (看護学部第3学年 坂本文音記) 【学事】 金沢医科大学報 16 学生のページ 平成 23年度 医学部第 1学年早期臨床体験実習 (期間:2011年5月16日∼5月20日) この早期臨床体験実習は、福祉施設等での実体験を通して、将来医師となるために必要な学習の動機付けにす ることを目標に毎年行われている。 学外での実習に備えるため、4 月中は福祉施設の概要や実習の心構え、援助者としてのコミュニケーション等に ついて、看護学部の高山直子准教授、小泉由美講師、橋本智恵助教、寺井孝弘助教による演習を組み入れた講義 が行われた。さらに、実習の 1 週間前には、グループごとに情報収集・学習を行い、施設についての理解に努めた。 昨年度と同様に、一つのグループが 2 日ずつ各施設でオリエンテーションを受け、引き続き、職員の皆様のご 指導の下に、入所されている方々との多様な関わりをもった。本年度は新たに公立穴水総合病院(能登北部地域 医療研究所)において、地域に住まう高齢者との関わりの機会を得ることができた。そして、早期臨床体験実習 が始まって以来、初めての 1 泊 2 日の実習を行った。また、学内での実習は、昨年度のメニューの他に、医学教 育学講座安田幸雄教授のご協力により、病院本館 3 階の CSC(クリニカル・シミュレーション・センター)にお いて、心肺蘇生と AED の実習を実施した。 これらの体験をとおして、学生は教室では経験することができない多くのことを感じ取ったのではないかと思 う。それを、将来に役立ててくれることを願っている。 最後になりますが、お世話になった関係各位に厚くお礼申し上げます。 (医学セミナーⅠユニット責任者 松田 博男記) 〈体験実習を行った施設〉 金沢市 : ひろびろ福祉会、石川療育センター、医王病院、千木病院、 千木町ケアセンター、金沢こども医療福祉センター 穴水町 : 公立穴水総合病院・能登北部地域医療研究所 七尾方面 : 鶴友苑、青山彩光苑、和光苑、エレガンテなぎの浦 小松市 : 小松こども医療福祉センター、小松陽光苑 能美市 : 芳珠記念病院 野々市町 : 金沢脳神経外科病院 内灘町 : 内灘温泉保養館、内灘の風 氷見市 : 金沢医科大学氷見市民病院 〈実習レポートから〉 早期臨床体験実習記 実習先: 公立穴水総合病院 能登北部地域医療研究所 はしもと あきふみ 橋本 明史(医学部第 1 学年) 【実習内容】 高齢化が進む日本において 日々重要度を増している高齢医 学を中心に、僻地医療について 学ぶため穴水総合病院で実習を 行った。実習にあたって、高齢 化と過疎化が進む穴水地区の医 療の現状について話を聞いた。その後、実際の診療と、 高齢医学においての重要なポイントの一つであるイン フォームド・コンセントを実践する様子を見学した。 また、地域医療が地元住民との関わり合いの中で機能 している様子をビデオで学んだ。穴水総合病院と連携 して地域医療に取り組んでいる兜診療所を訪れた際 は、地域住民との密接な関係の中での診療所の在り方 について学び、訪問診療の際には、実際に血中酸素や 体温の測定などの簡単な手伝いをさせてもらった。実 習の最後には、老年医学を専門とされている中橋 毅 先生からお話をうかがった。資料をもとに、在宅医療 や家庭内での看取りが今後重要であること、そのため 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 17 学生のページ に我々医療者に求められるものの一つに、患者さんや その家族の心のケアも含まれるのだということなどを 知り、2 日間の実習を終えた。 【何を得たか】 今回の早期臨床体験実習にあたっての私の目標は、 高齢化や過疎化が進む地域において、医療者がどのよ うなことに注意して患者さんと接しているのかを学ぶ ことだった。今回の実習で、穴水総合病院で実際に働 く医師たちが、どのような視点で診療しているのかを 肌で感じることができたことは大きな収穫だったと感 じる。例えば兜診療所では、高齢化が進む地区の中で の健康保健情報の発信場として、有用だと思われる各 種情報を掲示している。加えて、診療所がお年寄りに とって少しでも快適で気楽に通える場所であってほし いという考えから、職員の描いた多くの絵画などを展 示して、病院の持つ無機質なイメージを払拭しようと していた。直接の診察と関係はなくとも、地域に根付 いた医療を提供しようとさまざまな模索をしている。 私には、医療に携わる人間としてとても重要なことに 思えた。さらに、全人的医療を行う姿勢と、インフォ ームド・コンセントの重要さを再認識したことが、今 実習先: エレガンテなぎの浦 回の実習での大きな成果だと思う。 【全体を通しての感想】 最先端の医療を学ぶためには、都会の方が良いに決 まっているという先入観を私はもっていたが、老年医 学では「穴水のような地方だからこそ最先端の情報を 発信できる」ことを知り、自分の視野が広がったよう に感じた。 今回の実習では(1 )インフォームド・コンセント、 (2 )全人医療の二つの大きなテーマについて、多くの 経験をさせていただいた。その中で私にとって最も印 象深かったのが、在宅診療にあたって中橋先生のおっ しゃっていた「病院での診察と在宅診療とでは、得ら れる情報の量が格段に違う」ということだ。例えば患 者さんが独りで寂しくしていないか、部屋が清潔か、 食事をしっかりと摂っているなども、健康には大切な ことだ。患者さんと診療所で会うだけでは分からない ことや、普段から気をつけていなければとっさにはと ても思いつかないような着眼点が多くあった。 この 2 日間の実習で私はとても貴重な経験をし、こ れから医学を学ぶにあたって良い刺激になったと思 う。 うでない方など実に様々な方が生活しているため、職 員は利用者の情報をしっかり把握し、職員同士で共有 (特別養護老人ホーム) する必要がある。実習中にこんな出来事があった。食 さんじ なつみ 三治 菜摘(医学部第 1 学年) 事の時間に利用者同士でトラブルが生じた。辺りがざ わついていたが、私ははじめ何が起こっているのかよ 【実習内容】 く分からなかった。一人の職員がすっと立ち上がり、 まず初めに職員の方と朝礼を 「まあまあそんなに怒らんと。気持ちは分かるけどみ 行う。施設の理念を復唱し、事 んなで仲良くしようや」と言って二人をなだめた。も 務連絡をした後、実習生の目標 しも彼の一言がなければ、不測の事態が起こっていた を発表した。その後、一時間ほ かもしれない。基本情報の共有は勿論のこと、常に利 どホールで入居者の方とコミュ 用者に目を配り、些細な変化に気づくことはとても大 ニケーションを取った。それが 切だと実感した。施設や病院で働く者にとっては、特 終わると、桜が咲いていた時期 に身に付けなければならない姿勢だと思った。 に散策に行けなかった入居者の方と一緒に、つつじの 二つ目は、役割を担うことの意義だ。施設での生活 花を見るため外に出た。入居者の方の手を取ったり車 では机を拭いたり洗濯物をたたんだりと、細かな作業 椅子を押したりしながら歩いた。昼食時には食事介助 がたくさんある。それを利用者が担うことで、全体が を見学し、職員の方から食事についての説明を受けた。 一つの集団として機能しているという印象を受けた。 昼食後は施設見学や清掃をし、レクリエーションに参 職員の話によると、一人ひとりに仕事を与えることで 加した。 協調性を高めるという目的もあるそうだ。私たち実習 【何を得たか】 生もその作業を一緒にやらせていただいた。私はタオ 今回の実習で学んだことは大きく分けて二つある。 ルをたたんだのだが、利用者の中には上手くたためな 一つ目は「気づき」の大切さだ。施設では自力で歩け い方もいた。くしゃくしゃになったタオルの山を別の る方や車椅子の方、食事や排泄の介助が必要な方とそ 利用者が綺麗にたたみ直すという一幕を見た。認知症 【学事】 金沢医科大学報 18 学生のページ であっても、体に不自由があっても、全員が各々の役 割を担っていた。 「人と人が協力し合うことが大事」と いう使い古された台詞の証明を見た気がした。 【全体を通しての感想】 施設の中は私にとってはまさに異空間そのものだっ た。車椅子に乗った高齢者が大勢いて、職員がせわし なく働いていることだけでも初めて見る光景だった。 認知症の方との会話は想像していたよりも楽しくでき クラブ 活動 た。私が積極的にコミュニケーションを図ろうとする と、利用者の方もそれにのってたくさんお話をしてく れたのが嬉しかった。将来に向けての知識や技術の修 得は勿論のこと、聞く姿勢や振る舞いなどのコミュニ ケーション能力も高めていく必要があると感じた。2 日間の実習では非常に考えさせられる点が多くあり、 私にとって有意義な時間であった。 体育系クラブ SURFERS すがい たけし 部 長 菅井 洸(医学部第 2 学年) SURFERS は現在、部員数 18 名で活動していま らしい波と道中での楽しい会話やイベントで疲れ す。部員全員が本当に仲良く、学年の隔たりもな も吹き飛びます。そして何よりも、気の合う仲間 く和気あいあいとしています。サーフィンでは県 との良い思い出がたくさんできます。また、ビー 内有数の内灘海岸がすぐ傍にあるという素晴らし チクリーンとして月に一度、日曜の朝 7 時から内 い立地条件を活かして、波のある日に楽しみなが 灘海岸の清掃活動をしています。ローカルサーフ ら練習をしています。北陸は気候的に夏よりも冬 ァーの方々も毎回参加されており、彼らの海を守 の方が良い波が上がりやすいので、寒い時はウエ ろうという心意気には頭が下がります。このよう ットスーツを着込んで海に繰り出しています。 な活動を通して、各自が自分のペースで楽しく海 夏 に は 毎 年、 宮 崎 県 で 全 国 の 医 歯 系 の 大 学 約 30 校のサーフィン部が集まる全日本医科歯科 と触れ合っているのが SURFERS です。海と共に 毎日を過ごし、とても充実しています。 大 会 が あ る の で、 そ れ に 向 け 頑 張 っ て い ま す。 さらに、この部活には先輩方も多数参加してく SURFERS は毎年良い成績を出しており、前回の ださいます。ローカルサーファーの方々も優しく、 大会ではクラス別個人部門で 2 名が優勝し、総合 温かく私達を指導してくれます。サーフィンを通 成績では第 3 位でした。大会前には宮﨑で約 1 週間 じて多くの人と豊かな自然に支えられていること の合宿を行い、キャンプ場で寝泊まりしながらひ を実感し、感謝の気持ちと共にこれからも部の発 たすら海に通います。他の大学もほとんど 1 週間 展のため精力的に活動していきたいと思います。 前から宮崎に集まるので、海では様々な大 学のサーファーと交流し、ライバルではあ りながら良い友人関係を築くことができま す。 また、サーフィン以外にもバーベキュー やサーフトリップ、ビーチクリーンなどの イベントを行っています。サーフトリップ については、近い所で福井県、遠い所で高 知県や千葉県、宮崎県に皆で短期間のサー フィン旅行に行きます。移動は車、宿泊は 安い民宿と、弾丸のような旅行なので体力 的に相当きついのですが、旅行先での素晴 第 28 回全国日本医科歯科学生サーフィン選手権大会にて優勝 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 19 学生のページ クラブ 活動 体育系クラブ 準硬式野球部 たかはし りょうすけ 主 将 高橋 亮介(医学部第 4 学年) 準硬式野球部は、現在プレーヤーとマネージャー 行っています。福井大学、富山大学、金沢大学と 合わせて 39 名で活動しています。平日 2 回と土日 いった医学部を持つ大学と医学生どうしで試合を の週 4 回ほどのペースで活動しており、大学内で 行うこともあれば、その他の学部生と試合を行う は他の部活動やサークル、同好会と比べて活動回 こともあります。どちらも試合の勝敗に関わらず、 数は多いのですが、本業である勉強をおろそかに 試合で得たものをいかに次回からの試合で活かせ することなく、文武両道を目指して日々汗を流し るか、また課題を克服していけるかをチーム全体 ています。野球に限らず、内灘祭での活動、バー で話し合い意見をまとめます。 べキュー、飲み会などいろいろな場面で部員同士 金沢医科大学の準硬式野球部は決して強豪では が触れ合うことができるため、先輩後輩の垣根を ありませんが、できないことや苦手なことを 1 つ 越えた部活であるというのも野球部の特徴だと思 でも 2 つでも減らしていけるよう日々練習に励ん います。 でいます。野球は初めてという初心者から高校野 平日は 2 年生が解剖実習、5・6 年生が臨床実習 球の経験者まで部員は様々ですが、試合で勝つと のため全員揃って練習することは困難ですが、限 いう一つの目標に向かい向上心を持って野球に取 られた時間と環境の中でいかに効率よく充実した り組むことで、まだまだレベルアップは可能だと 練習ができるか、また、チームとしてレベルアッ 考えています。医学生で構成された野球部である プができるかを念頭に練習に励んでいます。休日 以上、最も大きな大会である西医体で勝つことが は人数が揃うため、近郊の大学とよく練習試合を 我々の最大の目標です。OB の先生方をはじめ、野 球部の活動を支えてくださる方々への感謝を忘れ ず、これからも部の発展を目指して精力的に活動 していきたいと思います。 他大学との練習試合 練習試合前の時間 【学事】 金沢医科大学報 20 国際交流 全国医科大学国際交流センター 連絡協議会 づけ、留学生の日本語教育など、本学とも共通した課 題が提示された。続く 2 題の講演は、順天堂大学国際 交流センター長(順天堂大学理事長が兼務している) 代行の富野康日己教授による「順天堂大学における 国際交流センター活動−国際的な教育連携を目指し この連絡協議会は、国際人として活躍できる医学生 て−」、東京医科歯科大学国際交流センター長の森尾 や若い医師を育成し、また海外から優秀な人材を受け 郁子教授による「大学の国際化と国際交流を考える」 入れて研究面での国際交流を活発にし、医学教育のグ であった。 ローバルスタンダード化をも目指すことを目的に設立 こういう協議会が発足した背景には、各医科大学が され、第 1 回会合が 2009 年 7 月に開催された。2 回目 国際交流に関して色々な問題を抱えていること、また、 となる今回の会合は 2011 年 6 月 8 日(水)午後 5 時 30 分 政府の提唱している留学生 30 万人受け入れ計画のよ から順天堂大学カンファランスルームにて、全国から うに、人的交流を盛んにして国際人を養成していくこ 約 30 人の出席を得て開催された。 との必要性が指摘されていることがあるのであろう。 前半の活動報告では各大学が国際交流について抱え このような状況のもと、本学として今の課題をどう解 ている問題点が率直に語られた。アジア諸国から臨床 決していくのか、他大学と連携しての国際交流プロジ 研修生などを受け入れる際の体制の整備と支援、大学 ェクトへの参加の可能性など、本協議会は貴重な情報 や病院の国際化・国際基準の取得、厳しくなりつつあ 交換の場となる。今後、年 1 回開催される予定である る北米での臨床医学研修の制限に対する対策、国際交 が、本協議会に積極的に参加する必要性を感じた。 (国際交流センター 赤井卓也記) 流に関する教授同士のいわば私的なつながりから大学 間提携への発展、大学内での国際交流センターの位置 Kaleidoscope Let's expand our minds through reading and discussion In April this year, Ms. Ainoda handed over 第 21 回 2011.05.26(金)17:30 ∼ 18:30 読み物: Why don't Japanese go home right after work? the running of Kaleidoscope to Mr. Craig Woods, 担 当: T. T. Pham(大学院生) an English teacher in the general education 第 22 回 2011.06.24(金)17:30 ∼ 18:30 department. 読み物: Fruits and health 担 当: T. N. A. Nguyen(大学院生) 第 23 回 2011.07.22(金)17:30 ∼ 18:30 第 20 回 2011.04.11(金)17:30 ∼ 18:30 読み物: Sento 担 当: 植木裕子(国際交流センター事務員) 読み物: Food combinations: Goodheart's dietary rules for health 担 当: T. N. A. Nguyen(大学院生) 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 21 国際交流 ロシアヤロスラブリ医科大学 学術交流訪問 平成 23 年 6 月 29 日(水)∼ 7 月 5 日(火)の期間、本 学内視鏡科の伊藤 透教授、北方秀一講師と梅原久範 教授(国際交流委員長、血液免疫内科学)の 3 人が協定 校であるヤロスラブリ医科大学を訪問した。今回の訪 問は、伊藤教授が 5 年前から続けてこられたヤロスラ ブリ医科大学における内視鏡技術の指導と、学術交流 協定に基づく交流シンポジウム開催のためである。10 時間の飛行の後、モスクワから列車で 4 時間かけてヤ ロスラブリに到着した。到着後、ヤロスラブリ医科 大学 Alexey V. Pavlov 学長、Andrey A. Baranov 副学 長(リウマチ科教授)の出迎えを受け、その足でヤロ スラブリ州 Victor G. Kostin 副知事を訪問し、金沢医 科大学および金沢市との交流に対する強い熱意を伺っ た。その後、ヤロスラブリ医科大学腫瘍病院で、翌日 から始まる内視鏡ワークショップの準備打ち合わせ、 Senin 病院事務長の案内で関連施設の視察を行った。 訪問 2 日目には、3 日間の予定で開催される国際内 視鏡ワークショップの開会式に出席した。ロシア内 から 100 名を超える熱意ある若手内視鏡医と著名な 消化器学教授が出席しておられる中、Pavlov 学長、 Kagramanyan 保健事務局長に続き、金沢医科大学国 際交流委員長として梅原教授が、伊藤教授らの内視鏡 技術支援に加え大学間交流の発展に尽力すること、お よび日本が被った大震災に対する多大な支援に対する 謝意を述べた。その後、伊藤教授らは実際の患者の内 視鏡治療およびビデオライブ指導を行い、私は診察や 点滴などの医療技術および救急救命処置の練習用人体 左から、Baranov 副学長、伊藤教授、Kashin 医師、角谷氏、 Pavlov 学長、梅原教授、Senin 病院事務長、北方講師 模型が整備されたトレーニングセンターを視察した。 これらを使って医学部 3 年生から実地医療を学ぶとの ことであった。その後、市郊外にあるヤロスラブリ医 科大学附属病院の視察に向かった。病院長と会談後、 血液患者およびリウマチ患者病棟を中心に視察を行っ た。古い建物であるが、院内は清潔に保たれていた。 ロシアでは、医療費は無料との説明に驚いた。しかし、 ヤロスラブリ州全体で医療費額が決まっており、ロシ ア経済の不況もあって医療費が十分に使えないとのこ とであった。入院できない患者さんが廊下にベッドを 設置し治療を受けていた。さらに、市内の別の附属病 院に移り(市内に大学附属病院が 10ヵ所ほどあるとの こと) 、Baranov 副学長リウマチ科教授の担当する病 棟、病院内検査施設を視察し、講座のスタッフと会談 した。夜には知事公邸内でガーデンパーティーが主催 され、ワークショップ出席のロシア人医師と交流を行 なった。 訪問 3 日目には、金沢医科大学・ヤロスラブリ医 科大学交流シンポジウムが開催された。モスクワか らの参加者を含め多くのロシア人医師研究者が集う 中、臨床テーマとして「IgG4-related disease, a new clinical entity discovered in the 21th century 」 、基礎 テーマとして「Impaired immunological functions in SMS1-knock out mouse and its role in autoimmune disease 」の講演を行った。英語からロシア語への通訳 を含め、実に4時間におよぶ講演会であったが、ロシア 研究者の強い向学心と研究熱がとても印象的であった。 これまで、私はロシアに対して共産国というイメー ジしか持っていなかったが、今回の訪問を通じて、国 全体が民主化を望み努力している様子、ロシア人は本 来、とても穏やかで誠実な民族であることを知った。 そして、ヤロスラブリ医科大学側が金沢医科大学との 学術交流を真摯に望んでいることを感じた。ヤロスラ ブリ市と石川県との交流が始まりつつあり、小松製作 所のロシア工場(ヤロスラブリ市)の開設によって産 業界での両市の繋がりもできた。これまで伊藤教授が 尽力されてきた内視鏡分野におけるヤロスラブリ医科 大学との交流に加え、リウマチ免疫分野でも学術交流 を始めた訳であるが、他分野でも医師・研究者の相互 派遣などを行い、ヤロスラブリ医科大学との学術交流 を広げて行くことは、金沢医科大学の将来にとって有 益であると感じた。最後に、今回の訪問の期間を通じ てお世話をしていただいたオリンパスモスクワ所長の カルポバさん、オリンパスモスクワ顧問・経済産業省 コーディネータの角谷 泉氏に深謝いたします。 (国際交流委員長 梅原久範記) 【学事/学術】 金沢医科大学報 22 国際交流 華中科技大学同済医学院・金沢医科大学 中日学術講演会 70&.086FLHQWLILF-RLQW0HHWLQJ 平成 23 年 7 月 2 日(土)∼8 日(金)にわたり、山下公 一理事、森本茂人高齢医学教授、加藤伸郎生理学Ⅰ教 授、古本郁美国際交流センター事務課課長が再出発第 2 回目となる華中科技大学同済医学院・金沢医科大学 「中日学術講演会」に出席した。 7 月 3 日(日)、武漢に到着。日本語教授黄 肇栄先生 の出迎えを受け、同済医学院留学生会館のレストラン 1. Preventive medicine and preventive care for the elderly. Aims of Geriatrics in Japan (金沢医科大学高齢医学 森本茂人教授) 2. Improvement of spatial learning by magnetic stimulation in Alzheimer's model mice (金沢医科大学生理学Ⅰ 加藤伸郎教授) 3. The neurological basis of age-associated memory impairment and drug intervention (同済医学院基礎医学院神経系統重大疾病教育部 重点実験室薬理学 陳 建国教授) 4. Biomarkers of Alzheimer disease (同済医学院基礎医学院神経系統重大疾病教育部 重点実験室病態生理学 王 建枝教授) での黄 光英元院長主催の歓迎会に出席した。黄元院 講演会終了後、亜洲大酒店で馮院長主催の歓迎会に 長から 4 名それぞれに歓迎の言葉が述べられ、山下理 出席し、華中科技大学の様々な新情報について聞くこ 事から 4 度目の訪問受け入れに対する謝辞が述べられ とができた。華中科技大学は中国内で第 8 位、同済医 た。歓迎会では昨年、金沢医科大学で開催された講演 学院は医学部では第 3 位に位置し、さらに上を目指し 会に参加した先生方も出席された。歓迎会後、長江の ているとのことであった。昼食会後、王教授、陳教授 川岸で武漢の熱波に浴しながら、散策を楽しんだ。ホ の基礎医学院「神経系統重大疾病教育部重点実験室」 テルでは加藤教授、森本教授に指導を受けた 7 名の帰 を見学した。両先生は同済医学院の特に優秀な研究者 国留学生が待っていてくれ、夜遅くまで話がはずんだ。 であり、王教授は「長江学者」と呼ばれる人材とのこ 7 月 4 日(月)、同済医学院基礎医学院を訪問し、馮 とであった。さらに、同済病院の内科楼(外来)を見 友梅院長と面談した。本講演会は、馮院長の提案で実 学した。受付も外来に上がるエスカレーターも長蛇の 現されたもので、武漢にて講演会が開催できる喜びが 列をなし、1 日 1 万人の外来患者があるとのことであ 述べられ、今後さらに拡大させるため、湖北省の医学 った。元留学生たちが診療で多忙を極め、研究活動ど 会も参加できるようにしたいとの提案があった。午前 ころではないというのが良く理解できた。 9 時から、約 200 名の参加者のもと講演会が開催され 夕方、桂林へ出発し、翌日から竜脊梯田の少数民族 た。馮院長の開会挨拶に続き、本学からは加藤教授と ヤオ族の村を訪ね、また、離江から陽朔へ奇岩の山々 森本教授、同済医学院からは基礎医学院の王 建枝教 を楽しみながら川下りをした。上海を経由し、7 月 8 日、 授と陳 建国教授に代わり王 芳副教授が発表した。最 帰途についた。 〈67、68 頁に関連記事掲載〉 後に山下理事から締めくくりの挨拶があった。発表演 (国際交流センター事務課 古本郁美記) 題は以下のとおりである。 同済医学院基礎医学院を訪問し、馮院長と面談。 左から、加藤教授、森本教授、山下理事、馮院長、黄教授、王教授、李教授、万国際交流部長 金沢医科大学報 第 147 号/2011.8 23 学 術 第 11 回 KMU 研究推進セミナー 北陸がんプロ教育セミナーと合同開催 日時: 平成 23 年 5 月 17 日(火) 午後 4 時 30 分 場所: 病院新館 12 階大会議室 特別講演:眞鍋 馨先生 臨床講演:鴨田佐知子先生 臨床講演:佐川元保先生 第 11 回 KMU 研究推進セミナーと平成 23 年度北陸 がんプロ教育セミナーが合同で、5 月 17 日(火)病院 ん検診をめぐる最近の話題」で、現状の問題点の指摘 を含めた興味深い講演であった。 新館 12 階大会議室において学内外から 87 名の参加者 特別講演は、厚生労働省大臣官房厚生科学課主任科 のもと、開催された。KMU 研究推進セミナーは本学 学技術調整官の眞鍋 馨先生による「厚生労働科学研究 における研究の活性化を目指し、研究推進会議が中心 の今後の在り方−ライフイノベーションの推進」であ となり企画しているもので、国内トップの研究者によ った。この講演で先生は、厚労省での科学研究に対す る「特別講演」と前年度導入された機器を中心とした る方向性について概説され、現代の社会環境の変化は 共同利用研究機器の活用をめざす技術セミナー的要素 疾病構造の変化にもつながり、適切な行政を進めるた を組み込んだ講演の 2 部構成となっている。今回は、 めには産官学の各分野の協力が必要と力説された。眞 定期的に開催している「KMU 研究推進セミナー」に加 鍋先生の熱心な講演は厚生労働行政の表に出ている部 え、北陸がんプロフェッショナル養成プログラムの 分だけでなく、一昨年のインフルエンザ流行時におけ 「教育セミナー」 (大学院担当)を合同で行うことによ るワクチン輸入の件も含め実際にどのようなシステム り、がん医療に関する理解を深め、研究の活性化と推 が動いているか等の裏話的なことにも話がおよび、興 進を図ることを目的として開催された。 味ある内容であった。 セミナー開始にあたって、勝田省吾学長から本学に 今回のセミナーには、厚労科学研究に関わる方々や おける研究推進への期待を込めた挨拶があり、続いて 『がん』に関心のある若手研究者を中心に、多くの方 総合医学研究所の竹上 勉所長から、共同利用機器施 が参加された。開催にご協力いただいた関係者方々に 設として昨年度導入された次世代シークエンサーやオ 感謝したい。 ールインワン蛍光顕微鏡等の紹介と応用例について説 明があった。 臨床講演は今回のテーマ『がん』に関連して、厚生 労働省に出向していた鴨田佐知子助教による「我が国 のがん対策について−がん診療連携拠点病院のあり 方」並びに呼吸器外科学の佐川元保教授による「肺が なお、出席できなかった方のためにビデオ配信をし ているのでご活用いただければ幸いである。 (研究推進会議セミナー担当 竹上 勉記) ※本学イントラネット VOD にて供覧中。また、学内に おける共同利用研究機器についても本学イントラネット 「総合医学研究所」に記載。 【学術】 金沢医科大学報 24 石川県下においても日本 第15回 日本神経ウイルス研究会 第46回 日本脳炎ウイルス生態学 脳炎ウイルスの生息が確 認されており、また脳炎 患者が発生している(2007 研究会 年に 2 名)ことから、現状 について広く認識し、確 会 長: 総合医学研究所生命科学研究領域 たる感染予防対策を立て 竹上 勉教授 会 期: 平成 23 年 5 月 19 日(木)∼21 日(土) 会 場: 金沢白鳥路ホテル ることが求められている。 感染対策にはワクチン接 種と媒介蚊のコントロー 特別講演:野本明男先生 ルが必須である。またア メリカで流行している西 第 15 回日本神経ウイルス研究会並びに第 46 回日本 脳炎ウイルス生態学研究会の学術集会が上記日程で開 ナイルウイルスの日本への侵入を防ぐための対策も検 討課題である。 催された。今回は、双方の研究会に共通する中枢神経 今回はこうした諸点を含めて広範囲に議論を進めよ ウイルス感染の課題について議論できるという観点か うと、特別講演にポリオウイルス研究の第一人者であ ら、初めての合同開催となったものである。 る野本明男先生(微生物化学研究所理事長、前東京大 神経ウイルス研究会で取り上げられる神経ウイル 学教授) 、また日本脳炎については高崎智彦先生(国 スにはヘルペス等の DNA ウイルスから HTLV、ポリ 立感染症研究所ウイルス第一部室長)、ウイルス媒介 オ等の RNA ウイルスまで広く含まれ、それぞれのウ 蚊については上村 清先生(前富山大学准教授)にお話 イルス感染による病態にも多様な面がある。多くが慢 しいただいた。各先生方の重厚さのある講演内容は期 性・持続感染に至り、宿主との応答を含め複雑な感 待通り活発な議論を引き起こし、主催する側の思いが 染系となり、長期にわたる病状を呈する。本研究会は 反映されたものとなった。 それらの各ウイルスの特性、病原性および免疫応答等 今回は東日本大震災の影響もあったが、全国から について情報交換を行い、神経ウイルス感染への理解 70 名という多くの参加者に来ていただいて盛況の中 を深め、予防、治療への応用をめざしている。続いて に研究会を終えることができたことは嬉しい限りであ 開催された日本脳炎ウイルス生態学研究会における中 った。研究会開催にあたり、ご支援いただいた本学、 心課題には、本邦における日本脳炎ウイルス感染の現 並びに石川県、金沢市等の関係者に感謝します。 状ならびにウイルス生息状況の把握がある。実際に (総合医学研究所生命科学研究領域 竹上 勉記) 第 15 回日本神経ウイルス研究会・第 46 回日本脳炎ウイルス生態学研究会を終えて 第 147 号/ 2011.8 金沢医科大学報 25 大学院医学研究セミナー 出会いと連鎖が生む技術の進歩 心房細動の薬物治療ー「慢性持続性 ー産学連携による医療機器開発の事例ー 心房細動モデル」の開発と本モデルを 用いての心房細動治療標的分子の探索 講 師 講 師 日 時 場 所 担 当 澁谷 進先生(澁谷工業株式会社取締役 副会長) 平成 23 年 5 月 9 日(月)18:00∼19:30 病院新館 12 階大会議室 大学院医学研究科長 野島孝之教授 【講師紹介】 日 時 場 所 担 当 杉山 篤先生(東邦大学医学部薬理学講 座教授) 平成 23 年 5 月 12 日(木)18:00∼19:30 基礎研究棟 2 階会議室 生体情報薬理学 西尾眞友教授 【講師紹介】 1966 年 に 大 阪 府 立 大 学 工 学 部 を 1986 年に山梨医科大学を卒業後、 卒業後、澁谷工業株式会社に入社。 同大学院医学系研究科にて医学博士 1983 年立花製作所取締役。1986 年澁 を取得。同大学第 2 内科学助手、薬 谷工業常務取締役。1991 年に西独ボ 理学助教授、准教授を経て、2010 年 ッシュ社との合弁事業として設立さ に東邦大学医学部薬理学講座の教授 れた日本ヱスビー包装機株式会社の に就任。1992 年∼1996 年にはミネソ 代表取締役社長。2006 年から澁谷工業取締役副会長 タ大学医学部心血管部門不整脈センターに留学されて (経営計画推進副本部長)並びに株式会社ニーク代表 取締役社長となり現在に至る。 【セミナーの内容】 いる。 【主な研究分野】 薬物性 QT 延長症候群や慢性房室ブロックモデルな DVD 映写をまじえた澁谷工業の概要と歴史、企業 どの in vivo 不整脈モデルの開発を中心とする安全性 経営の理念と方針、医療機器事業と開発事例の三部構 薬理学、イオンチャネル作動薬の分子薬理学的解析等 成からなる。先代が醸造用品の製造・販売で北陸の の研究。 地に 1931 年に創業し、ボトリング機械の製造技術で、 【セミナーの内容】 国内のトップシェアとなった第 1 次成長期、レーザに 発作性心房細動および慢性心房細動の定義とその中 よる水虫の治療機器開発から医薬・医療機器事業に参 での持続性心房細動の位置付け、およびアコニチンモ 入し、現在に至る第 2 次成長期の経緯を説明された。 デルに始まる心房細動モデルの歴史についてまず話さ 人材が大切であり、経営者、従業員の皆が楽しく仕事 れた。 をする「今日一日喜んで働きましょう」を理念として、 次に自らのグループで 2004 年に着手して開発した 永続的な顧客の創造を目指している。具体的な医療機 慢性持続性心房細動犬モデル「慢性房室ブロックモデ 器と開発事例については、医療器本部次長の上田浩司 ル」について、開発における苦労話と共に詳細に解説 氏が人工透析システム、レーザ治療システムを開発・ された。抗インフルエンザ薬タミフルを例に、本モデ 販売し、現在は国内外の大学と連携して光線治療器や ルを用いての心房細動治療標的分子の探索について述 半導体レーザ治療装置の開発をおこなっていることを べられた。 紹介された。 「ヒト ES/iPS 由来心筋細胞オンチップモデル」につ 【セミナーの成果】 いても触れられ、in vivo だけでなく in vitro における 今回のセミナーは研究推進会議と合同で、本学に根 付きつつある産学連携の研究体制をより積極的に確立 し、地域社会の医療と福祉に貢献しようとする目的で、 学外の企業のトップをお招きし開催された第 1 回目で 病態モデルの可能性についても言及された。 【セミナーの成果】 心房細動に対する新規の治療薬物の創薬につながる 「慢性持続性心房細動モデル」の開発およびその応用 ある。大学院生、教職員 45 名の参加があり、講演後、 を話された本セミナーの内容は刺激的であり、基礎、 活発な質疑応答が行われ、大変刺激的かつ有意義なセ 臨床の両面から可能性を感じさせる有意義なものであ ミナーであったと考える。 った。 (大学院医学研究科 野島孝之記) (薬理学 西尾眞友記) 【学術】 金沢医科大学報 26 大学院医学研究セミナー インスリンシグナルと記憶調節 レトロウイルスと神経疾患 講 師 講 師 日 時 場 所 担 当 笹岡利安先生(富山大学大学院医学薬学 研究部病態制御薬理学教授) 平成 23 年 5 月 25 日(水)18:00∼19:30 病院本館 4 階 C41 講義室 内分泌代謝制御学 古家大祐教授 【講師紹介】 日 時 場 所 担 当 中川正法先生(京都府立医科大学大学院 神経内科学教授) 平成 23 年 5 月 27 日(金)18:00∼19:30 基礎研究棟 2 階会議室 生体感染防御学 大原義朗教授 【講師紹介】 笹岡先生は、1985 年に滋賀医科大 昭和 53 年鹿児島大学医学部を卒 学医学部を卒業、同大学大学院医学 業。昭和 57 年コロンビア大学医学部 研究科修了。 (詳細は学報 143 号大学 神経学研究員、平成 5 年鹿児島大学 院医学研究セミナー記事参照) 医学部第三内科講師、平成 14 年京都 【主な研究分野】 加齢と性差に着目した 2 型糖尿病 の治療法や、メタボリック症候群病態での非アルコー ル性脂肪肝炎の治療法の新規開発に向けた研究を展開 府立医科大学神経内科学部門教授。 日本末梢神経学会、日本神経感染症 学会の理事を務める。 【主な研究分野】 HAM(HTLV-1 associated myelopathy )の 病 態 発 されている。 【セミナーの内容】 インスリンは全身での代謝調節作用に加えて、脳で は神経保護作用を有し、糖尿病ではアルツハイマー型 症機序および治療法、HIV 脳症の病態、神経感染症 の発現機構と病因。 【セミナーの内容】 認知障害が多い。そこで、中枢でのインスリン抵抗性 本セミナーでは、レトロウイルス(主に HTLV-1 お が認知障害を引き起こすメカニズムとその治療戦略に よび HIV )感染により引き起こされる神経疾患につい つき解説された。インスリンの糖代謝シグナルを負に 制御するリピッドホスファターゼ SHIP2 の発現は、2 型糖尿病モデル db/db や加齢マウスの大脳皮質や海馬 で上昇する。脳室内インスリン投与により、軽度の 肥満と耐糖能異常を呈する SHIP2 過剰発現トランス ジェニックマウス(Tg )では、神経保護作用に重要な 大脳皮質や海馬での Akt や GSK3 βのリン酸化が低下 し、加齢に伴い大脳皮質でのアポトーシスが増加した。 また、モリス水迷路などの行動実験により、SHIP2Tg や db/db マウスでは認知機能が低下した。SHIP2 阻害剤を投与すると、これらの認知障害が改善し、2 型糖尿病に伴う認知障害の新規治療法としての可能性 を示された。 【セミナーの成果】 高齢化社会において今後益々増加する 2 型糖尿病と て、ウイルス発見の歴史、感染経路、疫学的データな ど、幅広い視点から、多くの臨床データを交えて、中 川先生のご経験に基づいた様々な話を聞かせていただ いた。特に、HIV 感染症は、HAART(Highly Active Anti-Retroviral Therapy )療法により長期間コントロ ールしうる慢性疾患へと変貌したといえる。その中で、 免疫再構築に伴う中枢神経における病態が、新たな問 題として浮かび上がってきたことも、症例を基にいく つか紹介された。 【セミナーの成果】 HIV および HTLV-1 が引き起こす中枢神経疾患は、 直接ウイルスが神経細胞に感染するのではなく、感染 リンパ球やマクロファージが中枢神経内に侵入し、ウ イルス抗原の発現とそれに対する宿主の免疫応答との 関連で神経障害が引き起こされるという共通の機序が 想定されている。 認知障害につき、インスリンの記憶調節と神経保護作 今後、それぞれの発症病態に特異的な機序および 用の新知見と、経鼻投与による新規認知障害治療法の 共通した機序がさらに詳細に解析されることで、HIV 可能性を理解でき、有意義な内容であった。 脳症や HTLV-1 関連脊髄症に対する、より安全で有効 (糖尿病・内分泌内科学 古家大祐記) な治療・予防法が開発されることが期待される。 (微生物学 姫田敏樹記) 第 147 号/ 2011.8 金沢医科大学報 27 大学院医学研究セミナー サイトカインの臨床応用 UV-induced Cataract ー紫外線白内障についてー 講 師 講 師 日 時 場 所 担 当 神田享勉教授(金沢医科大学大学院医学 研究科総合内科学教授) 平成 23 年 6 月 17 日(金)18:00∼19:30 病院本館 4 階 C42 講義室 総合内科学 神田享勉教授 【講師紹介】 昭和 53 年に 金沢医科大学医学部 を卒業し、昭和 57 年に群馬大学大学 院医学研究科(病理学専攻)を修了し た。その後、群馬大学第 2 内科、臨 床検査医学、総合診療部を経て、平 成 13 年 6 月から金沢医科大学総合診 療科に勤務。平成 20 年 4 月から金沢 医科大学氷見市民病院に勤務する傍ら、金沢医科大 学地域医療学部門の教授として大学院の指導もしてい る。患者さんを全人的に診ることができる総合医を養 成するべく励んでいる。 【主な研究分野】 炎症性サイトカインInterleukin-6(IL-6)による心筋炎 抑制作用、Interleukin-8, 10, 18やTNF- α、adiponectin の循環器疾患との関連を研究している。最近は脳神経再 生因子BDNFの心不全改善作用を研究している。 【セミナーの内容】 サイトカインは、免疫、炎症に関係したものが多 く、細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒 などに関係する。本セミナーでは臨床に応用されて いるサイトカインを紹介した。抗 IL-6 受容体抗体は、 Castleman 病、 関 節 リ ウ マ チ に 効 果 が あ る。TNFα受容体による治療は、関節リウマチに効果がある。 抗 ウ イ ル ス 作 用 で IFN が、 血 管 新 生 作 用 で GCSF、 HGF が、細胞増生作用で CSF が用いられている。さ らに T 細胞活性化作用で IL-2 の製剤が、アポトーシ ス誘導作用で IFN- αが応用されている。演者は心臓 粘液腫から多量の IL-6 や IL-8 が分泌されていること を発見し、その影響で心不全や塞栓症が生じると考え た所から研究が始まったと述べた。脳神経再生因子 BDNF は認知症やうつ病で欠乏するが、肥満や心不 全を改善する因子でもあるとの研究を紹介した。 【セミナーの成果】 サイトカインの臨床応用は日進月歩であるが、そ の最先端の研究を紹介した。研究において偶然や失敗 から新たな発見があることを知ってほしい。先端医療 をになう若い研究者へのメッセージとしたつもりであ る。 (総合内科学 神田享勉記) 日 時 場 所 担 当 Frank J. Giblin 先生(米国オークランド 大学眼研究所教授) 平成 23 年 6 月 20 日(月)18:00∼19:30 病院本館 4 階 C41 講義室 視覚機能病態学 佐々木 洋教授 【講師紹介】 アメリカ合衆国フロリダ州セント ピーターズバーグ出身。ニューヨー ク州立大学バッファロー校で生化学 博士号取得。1974 年からミシガン州 オークランド大学眼研究所で水晶体 および白内障の代謝生化学に関する 研究を行い、2004 年から同研究所で 所長として研究に従事。 【主な研究分野】 水晶体および白内障と酸化ストレスに関する研究で は世界的な権威で、紫外線白内障についても多くの優 れた研究がある。 【セミナーの内容】 紫外線に関する基本的な解説に始まり、眼の紫外 線防御機構、紫外線白内障の疫学、UVB、UVA によ る核白内障、皮質白内障の発症機序、眼内での酸化ス トレスと核白内障の関係、Dynamic light scattering を用いた in vivo でのクリスタリン計測による新しい 研究分野などについてご講演いただいた。特にこれ まで否定的であった UVA と白内障の関連については、 Giblin 教授や金沢医大グループが主張するように、熱 帯地域など紫外線レベルの高い地域においては UVA が核白内障の原因として極めて重要である可能性が改 めて確認できた。高齢者水晶体は抗酸化能が低いため UVA 被曝により若年者より白内障を発症しやすいこ とから紫外線予防が重要であることに加えて、小児期 からの紫外線予防がきわめて重要であることを強調さ れた。また、眼鏡やサングラスでは Coroneo 理論(側 方から入射した紫外線が対側の水晶体赤道部に集光し 白内障の原因となる)による紫外線被曝を予防できな いが、UV カットコンタクトレンズは角膜全面を覆い UVA を 90%以上、UVB を 99% 以上カットするため、 紫外線による水晶体加齢変化の抑制や白内障発症予防 に有効であることを示された。 【セミナーの成果】 英語での講演ではあったが、全てのスライドに日本 語訳を入れて紫外線と白内障に関する最新の知見を大 変わかりやすくご講演いただいた。講演終了後には英 語での活発な討論があり、大学院セミナーとして十分 な成果が得られた。 (眼科学 佐々木 洋記) 【学術】 金沢医科大学報 大学院医学研究セミナー 難治性中耳炎に対する治療戦略 講 師 日 時 場 所 担 当 伊藤真人先生(金沢大学医薬保健学域医 学系脳医科学専攻感覚運動病態学准教授) 平成 23 年 6 月 30 日(木)18:00∼19:30 病院本館 4 階 C41 講義室 感覚機能病態学 三輪高喜教授 【講師紹介】 石 川 県 金 沢 市 出 身。1987 年 山 形 大学医学部卒業。金沢大学耳鼻咽喉 科および関連病院にて臨床と研究に 従 事 し、1992 年 に は 金 沢 大 学 大 学 院を顔面神経の再生に関する研究で 修了、医学博士を取得。1993 年から 1995 年までカナダ カールトン大学 留学。2009 年 7 月から現職。 【主な研究分野】 臨床分野では耳科学を中心に、鼓室形成術などの聴 力再建手術、聴器腫瘍の手術および集学的治療に携わ るとともに、中耳炎に対する耐性菌やその治療に関す る研究を行っている。同時に聴覚、顔面神経に関する 基礎的研究も展開されている。 【セミナーの内容】 中耳炎と一口で言っても、急性中耳炎、慢性中耳 炎、滲出性中耳炎、真珠腫性中耳炎とそれぞれに病態 は異なり、近年では新たな疾患概念として「好酸球性 中耳炎」が問題視されている。急性中耳炎自体は減少 したが、乳幼児における耐性菌による難治性中耳炎の 増加が問題になっており、その一因として集団保育の 低年齢化を指摘された。慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎 では手術療法が中心となるが、手術手技の工夫として Open then close 法をご自身が編集された動画を用い て紹介し、その利点について解説された。好酸球性中 耳炎については、気管支喘息、好酸球性副鼻腔炎と相 互の関連が示唆されており、その病態と治療について 解説された。いずれも難治性の中耳炎であり、伊藤先 生のこれらの疾患に取り組む真摯な姿勢が窺われる、 充実した講演であった。 【セミナーの成果】 大学院生や医学系教員のみならず、臨床検査部の生 理機能検査技師、リハビリテーション部の言語聴覚士 も多数参加し、わかりやすい内容であるとともに、講 演終了後も直接の質問にも対応していただき、セミナ ーの目的を十分に果たせたものと思われる。 (感覚運動病態学 三輪高喜記) 28 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 29 平成 23 年度 科学研究費補助金交付決定 昨年 11 月に本学から新規で 194 件の研究課題を応募した結果、35 件 7,510 万円(直接経費)が新たに採択された。 その内訳は、医学部が 28 件、看護学部が 5 件、一般教育機構が 2 件である。これに継続分を加えると、本学全体 で 75 件、直接経費 1 億 3,140 万円、間接経費 3,942 万円、総額 1 億 7,082 万円となった。この数値は、前年度に比 べ、件数では 12 件増で 、 金額では 4,290 万円増(直接経費)となっており、件数、金額とも過去最高となった。また、 速報では、私立医科大学 29 校中 21 位(昨年 24 位)となった。 なお、7 月現在、転入出を含め 77 件、総額 1 億 8,083 万円となっている。来年度の採択向上に向け、今後もご 協力をお願いしたい。 (科研対策特別委員会委員長 伊達孝保記) 平成 23 年度科学研究費補助金交付決定状況(文部科学省・日本学術振興会) (単位:千円) 研究種目名 件 数 直接経費 1 10,200 基盤研究(B) 5 28,100 8,430 36,530 基盤研究(C) 58 80,800 24,240 105,040 挑戦的萌芽研究 5 7,300 2,190 9,490 若手研究(A) 1 3,100 930 4,030 若手研究(B) 7 9,600 2,880 12,480 77 139,100 41,730 180,830 基盤研究(A) 合 計 間接経費 金 額 3,060 13,260 〈研究種目、課題番号順〉 種目名 氏名・職名 基盤研究(A ) 梅原久範 教授 一般 (単位:千円) 所属名 血液免疫内科学 スフィンゴミエリン KO マウスを用いた自己免疫疾患の 発症機序の解明と治療法への応用 小計 1 件 基盤研究(B ) 北村 修 教授 一般 直接経費 間接経費 10,200 3,060 10,200 3,060 法医学 覚醒剤濫用の法医病理学的診断を目指した薬物依存モデ ル動物による酸化ストレスの解析 3,100 930 竹内正義 教授 総合医学研究所 生活習慣病予防における食後高血糖および食事性 AGEs の関与に関する研究 4,300 1,290 八田稔久 教授 解剖学Ⅰ 母胎間シグナルリレーの大脳皮質発生における生理学的 意義 4,400 1,320 岩淵邦芳 教授 生化学Ⅰ DNA 二重鎖切断修復からアポトーシスへのシグナル変 換における 53BP1 の機能解析 11,300 3,390 無作為化比較試験による胸部 CT 検診の感度・特異度算 出と死亡率減少効果の推定 5,000 1,500 佐川元保 特任教授 呼吸器外科学 研究課題 小計 5 件 基盤研究(C ) 渡邉直人 特任教授 放射線医学 一般 野島孝之 教授 臨床病理学 村木 靖 特任教授 微生物学 28,100 8,430 Y-90 標識抗 CD20 抗体治療におけるリンパ球の放射性組 織障害に関する検討 700 210 骨軟部腫瘍における ATBF1 遺伝子解析による悪性度評価 の研究 500 150 C 型インフルエンザウイルスの増殖過程における第二の 膜蛋白質 CM2 の役割の解明 800 240 【学術】 種目名 金沢医科大学報 氏名・職名 基盤研究(C ) 神田享勉 教授 一般 古家大祐 教授 所属名 30 直接経費 間接経費 脳ー心臓軸による心筋再生と治療;心筋内アディポネク チン発現誘導との関連 500 150 糖尿病・内分泌内科学 糖尿病腎症に対するミトコンドリア制御に基づいた新規 治療法の探索 800 240 700 210 地域医療学 研究課題 薄田勝男 臨床教授 呼吸器外科学 MR 拡散協調と水分子輸送関連遺伝子解析による肺癌悪 性度の研究 市堰 徹 講師 整形外科学 酸化ストレスの観点からステロイド誘発骨壊死の機序 解明と予防法の開発 1,000 300 志賀英明 講師 耳鼻咽喉科・ 頭頸部外科学 嗅神経経由の輸送を利用した他覚的嗅覚検査の開発 1,000 300 佐々木 洋 教授 眼科学 マネキン型紫外線測定器による眼部紫外線被曝の測定と 眼部 UV インデックスの提唱 800 240 浜崎優子 講師 看護学部 地域高齢者の介護予防事業への参加状況と生活機能の変 化に関する追跡調査 700 210 長井麻希江 講師 看護学部 職業性ストレス低減のための看護ケアプログラムの開発 とその評価 400 120 村上 学 助教 日本脳炎ワクチン未接種乳幼児の感染リスクの予見:基 礎データ収集 800 240 王 芙蓉 研究員 生理学Ⅰ アルツハイマー病の新規治療戦略:神経幹細胞の経静脈的移植 800 240 下川 隆 准教授 解剖学Ⅱ 四肢の再生メカニズムの解明:なぜ、手は手になり、足 は足になるのか? 900 270 上田善道 教授 病理学Ⅱ 骨軟部肉腫の転移と抗癌剤耐性に関わるアクアポリン分 子種の同定と分子機構の解明 1,000 300 大原義朗 教授 微生物学 ピコルナウイルス持続感染を制御する L および L *蛋白 の協調的細胞死制御機序の解明 1,100 330 中村 晃 教授 免疫学 受容体および新規分子によるプラズマサイトイド樹状細 胞の制御機構の解明 1,200 360 ダイオキシン環境暴露が小児の社会情動発達に及ぼす影響 1,200 360 総合医学研究所 西条旨子 准教授 公衆衛生学 森河裕子 教授 看護学部 男性夜勤交代勤務者における性腺機能と前立腺疾患リスク 1,900 570 山田裕一 教授 衛生学 日本人健常成人男女における喫煙習慣とその中断(禁煙) が腎機能に及ぼす影響 2,200 660 元雄良治 教授 腫瘍内科学 オキサリプラチンの末梢神経障害に対する人参養栄湯の 臨床効果とその分子機構 1,000 300 横山 仁 教授 腎臓内科学 腎移植コホートにおける機能分子発現と治療効果に関す るプロテオーム解析 1,000 300 吉村 弘 准教授 顎口腔外科学 軽度認知障害(MCI )の神経生理学的診断法の確立 1,400 420 尾崎 守 助教 羊水染色体検査の限界を MLPA 法、DNA アレイ法はどこ まで克服できるか。 1,000 300 西部明子 准教授 皮膚科学 接触アレルギーにおける角化細胞接着分子と皮膚ランゲ ルハンス細胞の経時的解析 1,000 300 道合万里子 助教 放射線医学 DNA 損傷部位に集積する蛋白質を用いたストロンチウム 治療後放射線組織障害の検討 600 180 800 240 総合医学研究所 木南伸一 准教授 一般・消化器外科学 新しいリンパ節転移診断技術の開発−抗体標識ナノビー ズを用いた迅速転移診断 立花 修 特任教授 脳神経外科学 症候性ラトケ嚢胞の増大機序における炎症性サイトカイ ンとアクアポリンの関与 1,200 360 金山景錫 講師 顎口腔外科学 性ホルモン・環境ホルモンの影響による変形性顎関節症 の病態解明 1,000 300 瀬上夏樹 教授 顎口腔外科学 顎関節症の病因病態形成への細菌の関与:患者の滑液と 滑膜における遺伝子解析 1,100 330 認知症高齢者の家族介護者のストレスが血圧に及ぼす影 響と健康支援 1,200 360 櫻井志保美 講師 看護学部 第 147 号/2011.8 種目名 氏名・職名 金沢医科大学報 所属名 基盤研究(C ) 前田修子 准教授 看護学部 一般 31 研究課題 訪問看護師向け「膀胱留置カテーテル管理」研修プログラ ムの開発と効果実証 直接経費 間接経費 800 240 690 田中惠子 特任教授 神経内科学 抗グルタミン酸受容体抗体が関与する脳炎発症機序の解明 2,300 甲野裕之 教授 看護学部 炎症関連大腸発がんにおけるレプチンシグナル系の関与 1,600 480 橋本光正 講師 生化学Ⅰ 53BP1 による DNA 二重鎖切断端の運動性亢進は、末端 結合修復能を向上させるか 1,700 510 小島正美 准教授 看護学部 赤外線曝露による眼内の三次限熱動態解析 2,900 870 倉田康孝 准教授 生理学Ⅱ ヒト心筋細胞の世界標準モデル構築:分岐解析並びに比 較生理学的手法によるアプローチ 2,300 690 吉田純子 講師 薬理学 カルシウムセンサーSTIM1 の扁平上皮がん細胞増殖にお ける機能解析 1,700 510 米倉秀人 教授 生化学Ⅱ 高転移性ルイス肺癌細胞株が類洞様腫瘍血管を誘導する 分子基盤の解明 2,100 630 湊 宏 特任教授 臨床病理学 悪性中皮腫における ATBF1 の細胞内動態解析と癌幹細 胞マーカー発現の有無 1,500 450 長澤晋哉 助教 高齢者における慢性腎臓病の指標としての ADMA と冠 動脈石灰化進展に関する追跡研究 3,300 990 540 健康管理センター 中村幸志 准教授 公衆衛生学 睡眠状況と高感度 CRP との関連の縦断的検討 1,800 石崎昌夫 准教授 衛生学 職業性ストレスが occupational injury 発生におよぼす研究 2,000 600 櫻井 勝 准教授 公衆衛生学 慢性腎臓病に伴う甲状腺機能異常と循環器疾患危険因子 に関する疫学研究 1,800 540 王 璐 講師 法医学 覚醒剤濫用によるアルファシンヌクレイン障害とエピジ ェネティックス的変化の解析 1,800 540 中島日出夫 准教授 腫瘍内科学 がん温熱療法の新規分子マーカー候補 FAM107 ファミリ ー蛋白質の発現・機能解析 1,400 420 島崎猛夫 講師 腫瘍内科学 化学療法により誘発される EMT 誘導因子の同定とその 制御による膵がん治療法の開発 1,900 570 河合康幸 准教授 循環器内科学 心疾患におけるデオキシリボ核酸分解酵素Ⅰのアポトー シス誘導効果に関する研究 2,800 840 長内和弘 特任教授 呼吸器内科学 肺サーファクタント輸送異常による間質性肺炎の病態解明 2,100 630 島村英理子 講師 解剖学Ⅰ 母胎間シグナル伝達による胎児赤血球脱核機構の解析 ∼胎盤の造血ニッチとしての役割∼ 2,200 660 的場宗孝 准教授 放射線医学 化学放射線療法の早期効果判定における biomarker imaging の定量評価 1,200 360 佐久間 勉 教授 呼吸器外科学 周術期肺傷害における RAGE の役割の研究 1,900 570 宮前俊一 講師 脂肪肝の虚血再灌流障害に対する運動トレーニングの効果 1,400 420 牧野田 知 教授 産科婦人科学 黄体化未破裂卵胞を中心とした排卵障害治療における G-CSF の有用性に関する研究 1,800 540 東海林博樹 准教授 一般教育機構 胎盤形成におけるガレクチンファミリーの機能解析 1,700 510 久保江理 特任教授 眼科学 白内障発症におけるトロポミオシン遺伝子の役割と白内 障予防に関する研究 1,100 330 紺家千津子 教授 看護学部 ストーマ周囲皮膚障害予防のためのセルフケア教育シス テムの構築 2,300 690 北岡和代 教授 働く人々のバーンアウトと循環器疾患リスクに関する縦 断研究 1,100 330 生理学Ⅱ 看護学部 小計 58 件 80,800 24,240 【学術】 種目名 挑戦的萌芽研究 金沢医科大学報 氏名・職名 安田幸雄 教授 所属名 医学教育学 32 研究課題 直接経費 間接経費 1,300 390 臨床実習中のシミュレーション学習における情報支援シ ステムの開発 梅原久範 教授 血液免疫内科学 新規疾患、IgG4 関連疾患の病因解明の為の研究 1,400 420 三輪高喜 教授 耳鼻咽喉科・ 頭頸部外科学 においセンサを用いた呼気による頭頸部癌の非侵襲的診 断法の開発 2,100 630 氷見祐二 助教 形成外科学 ヒト耳介弾性軟骨細胞の三次元形態形成に関わるアクア ポリン分子種の同定 1,800 540 田村幸子 教授 看護学部 外来化学療法を受けて生活するがん患者のサバイバーシ ップを支援する看護モデルの開発 700 210 若手研究(A) 山崎松美 助教 看護学部 2 型糖尿病患者の運動療法の捉え方からみた運動療法看 護教育プログラムの有効性の検証 小計 5 件 小計 1 件 930 3,100 930 800 240 翻訳後修飾部位の変異体を用いた C 型インフルエンザウ イルス CM2 蛋白の機能解析 1,200 360 町田雄一郎 助教 呼吸器外科学 肺腺癌におけるアクアポリン 1 の発現制御のメカニズム 1,400 420 津田龍佑 講師 一般教育機構 体力つくりを配慮したゴール型教材・サッカーの授業づ くりに関する研究 1,500 450 金﨑啓造 講師 糖尿病・内分泌内科学 COMT 不全とホモシステイン相互作用が演じる病理学的 意義の解明 1,600 480 武市敏明 助教 法医学 覚醒剤少量反復投与ラットの神経細胞障害の解析∼小胞 体ストレスからのアプローチ∼ 1,000 300 池田崇之 助教 生化学Ⅱ 眼内血管形成における可溶型 VEGF 受容体の役割:個体 レベルでの解明 2,100 630 9,600 2,880 大桑孝子 助教 2,190 中高齢者の両眼視線解析手法を用いた見え方の質に対す る新指標 若手研究(B) 初坂奈津子 助教 眼科学 7,300 3,100 微生物学 小計 7 件 合計 77 件 研究推進ガイダンスを開催 139,100 41,730 説明の後、前半の部として、加藤伸郎研究推進センタ ー長が「本学の研究推進体制について」と題して研究 のサポート体制や管理体制を説明した。 後半の部では、総合医学研究所共同利用部門の石垣 日時: 平成 23 年 5 月 23 日(月)午後 5 時 場所: 病院本館 4 階 C42 講義室 靖人准教授が「総合医学研究所共同利用機器・施設の 利用方法について」と題して、研究所の正しい使い方 〈入門編〉、研究機器の管理や使用方法、研究所はどこ 本学の研究者を対象に『研究推進ガイダンス』が、 にあり何をしているのかといった初歩的なこと、最新 平成 23 年 5 月 23 日(月)午後 5 時から 6 時にかけて、研 機器の紹介、学内研究者・大学院生に対して臨床にか 究推進センターおよび総合医学研究所の共催で開催さ かわる基礎的な研究活動支援をどのようにサポートし れた。この企画は、研究推進会議において研究に関す ているかなどについて説明が行われた。 るオリエンテーションの必要性が検討された上で、前 なお、共同利用機器、施設関連の情報について知り 年度から開催され 2 回目である。主な対象者は、大学 たい方は、研究所ホームページを閲覧していただくか、 院生、近年本学に採用された研究者、総合医学研究所 研究推進課総合医学研究所担当に直接お問い合わせい 共同利用施設の利用者または利用を予定している方 ただきたい。 で、今回の参加者は 37 名であった。 竹上 勉総合医学研究所長からのガイダンスの趣旨 (研究推進課 上埜やすこ記) 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 33 平成 22 年度 各種助成金等受託状況 【科学研究費補助金(文部科学省・日本学術振興会)】 (研究分担者分) 氏名・職名 倉田康孝 准教授 所属名 生理学Ⅱ 種目名 科学研究費分担研究 (単位:千円) 研究課題等 金額 先天性徐脈発症機構の分子生物学的解明とこれに基づくバ イオペースメーカー開発の研究 150 100 尾山 武 助教 病理学Ⅰ 〃 幹細胞をターゲットとする前立腺発がんにおける炎症の関与 村木 靖 准教授 微生物学 〃 C 型インフルエンザウイルスのイオンチャンネル蛋白の CM2 の増殖と病原性における役割 櫻井 勝 准教授 公衆衛生学 〃 各種栄養素摂取の長期変化と生活習慣病発症に関する大規 模疫学研究 300 中川秀昭 教授 公衆衛生学 〃 GIS を用いたベトナムでのダイオキシン類による環境汚染 と健康影響に関する疫学研究 1,000 中川秀昭 教授 公衆衛生学 〃 各種栄養素摂取の長期変化と生活習慣病発症に関する大規 模疫学研究 300 栂 博久 教授 呼吸器内科学 〃 極限高地生息動物の肺循環特性 -Rho キナーゼを中心とした 分子生物学的研究− 100 石垣靖人 講師 総合医学研究所 〃 ウイルス感染に対するスタチン系薬作用の分子基盤の解明 400 〃 日本人英語学習者の英語リズム・イントネーション習得 のための調音及び知覚・音響分析 140 200 澁谷良穂 特任教授 一般教育機構 50 前田修子 准教授 看護学部 〃 訪問看護師対象の「在宅ターミナルケア」に関する教育プ ログラム開発 紺家千津子 教授 看護学部 〃 褥瘡予防の体位変換時間方程式の開発−組織耐久性低下動 物モデルを用いた実証− 20 北岡和代 教授 看護学部 〃 精神科看護師における倫理的悩みとそれによるバーンアウ トを防止する要因の検討 400 紺家千津子 教授 看護学部 〃 褥瘡予防マットの圧分散機能を有効にするベッドメーキン グの開発−シーツの力学評価− 50 森河裕子 教授 看護学部 〃 各種栄養素摂取の長期変化と生活習慣病発症に関する大規 模疫学研究 300 紺家千津子 教授 看護学部 〃 末梢動脈疾患(PAD )合併透析患者の皮膚形態と色調によ る下肢血行評価指標の決定 50 北岡和代 教授 看護学部 〃 対人援助職の離職を防ぐためのバーンアウトの予防と回復 に関する研究 100 北岡和代 教授 看護学部 〃 対人援助職のワーク・ライフ・バランスへの取り組みとバ ーンアウト予防に関する研究 100 紺家千津子 教授 看護学部 〃 肥満、閉経、リンパ管、蜂蜜がきれいな皮膚創傷治療にど のように影響するのかの基礎研究 50 小計 18 件 3,810 ※学外研究代表者から配分を受けたものを記載 【文部科学省・日本学術振興会】 氏名・職名 所属名 (単位:千円) 種目名 高林晴夫 准教授 FDD-MB センター 島村英理子 講師 解剖学Ⅰ 村上 学 助教 総合医学研究所 古家大祐 教授 糖尿病・内分泌内科学 (独)日本学術振興会二国間交流 第 9 回日本韓国糖尿病腎症セミナー 事業共同研究・セミナー 文部科学省知的クラスター 創成事業 研究課題等 金額 地域イノベーションクラスタープログラム(グロ ーバル型)ほくりく健康創造クラスター「血液中の 有核赤血球の回収・DNA 分析システムの開発」 31,557 (独)日本学術振興会ひらめき☆ 人のからだってどうやってできるの?∼生命の誕 ときめきサイエンス委託事業 生を顕微鏡でのぞいてみよう∼ 410 〃 人に病気をうつす虫(蚊やダニ)がどんな奴か見てみよう 小計 4 件 410 990 33,367 【学術】 金沢医科大学報 34 【厚生労働省】 氏名・職名 森本茂人 教授 (研究代表者) (単位:千円) 所属名 種目名 研究課題等 金額 高齢医学 厚生労働科学研究費補助金 長寿科学総合研究事業 災害時高齢者医療の初期対応と救急搬送基準に 関するガイドライン作成に関する研究 3,500 和藤幸弘 臨床教授 救急医学 厚生労働科学研究費補助金 長寿科学総合研究事業 災害時高齢者医療の初期対応と救急搬送基準に 関するガイドライン作成に関する研究 2,200 中橋 毅 臨床教授 能登北部地域医療研 厚生労働科学研究費補助金 究所(総合医療学) 長寿科学総合研究事業 災害時高齢者医療の初期対応と救急搬送基準に 関するガイドライン作成に関する研究 1,250 大原義朗 教授 微生物学 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 免疫性神経疾患に関する調査研究 1,200 中川秀昭 教授 公衆衛生学 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 特定疾患の疫学に関する研究 2,000 横山 仁 教授 腎臓内科学 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 進行性腎障害に関する調査研究 7,000 梅原久範 教授 血液免疫内科学 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 IgG4 関連全身疾患の病態解明と疾患概念確立の ための臨床研究 1,000 梅原久範 教授 (研究代表者) 血液免疫内科学 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 新規疾患 ,IgG4 関連多臓器リンパ増殖性疾患 (IgG4+MOLPS )の確立のための研究 8,000 正木康史 臨床准教授 血液免疫内科学 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 新規疾患 ,IgG4 関連多臓器リンパ増殖性疾患 (IgG4+MOLPS )の確立のための研究 700 松井 真 教授 神経内科学 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 免疫性神経疾患に関する調査研究 1,200 松本忠美 教授 整形外科学 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 特発性大腿骨頭壊死症の診断・治療・予防法の 開発を目的とした全国学際的研究 1,200 高林晴夫 准教授 FDD-MB センター 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 Congenital dyserythropoietic anemia(CDA )およ びサラセミア貧血の効果的診断法確立に関する研究 1,000 友杉直久 教授 総合医学研究所 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 新規疾患 ,IgG4 関連多臓器リンパ増殖性疾患 (IgG4+MOLPS )の確立のための研究 700 竹上 勉 教授 総合医学研究所 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 新規疾患 ,IgG4 関連多臓器リンパ増殖性疾患 (IgG4+MOLPS )の確立のための研究 700 佐川元保 特任教授 呼吸器外科学 厚生労働科学研究費補助金 第3次対がん総合戦略研究 事業 標準的検診法と精度管理や医療経済的効果に関す る研究 500 森本茂人 教授 高齢医学 国立長寿医療センター長寿 医療研究委託事業 認知症、運動器疾患等の老年病罹患状況及び高齢 者の心身状況把握のための長期疫学的調査研究 4,000 中川秀昭 教授 公衆衛生学 厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患等生活習慣病対 策総合研究事業 特定検診 ・ 保険指導におけるメタボリックシンド ロームの診断・管理のエビデンス創出に関する研 究横断・縦断 1,200 中川秀昭 教授 公衆衛生学 厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患等生活習慣病対 策総合研究事業 大規模コホート共同研究による生活習慣病発症予 防データベース構築とその高度利用に関する研究 2,000 中川秀昭 教授 公衆衛生学 厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患等生活習慣病対 策総合研究事業 2010 年国民健康栄養調査対象者の追跡開始 (NIPPON DATA2010 )と NIPPON DATA80/90 の 追跡継続に関する研究 500 森本茂人 教授 高齢医学 厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患等生活習慣病対 策総合研究事業 降圧治療および抗凝固療法の個人の特性に応じた テーラーメード治療確立に関する研究 150 中村幸志 准教授 健康管理センター 厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患等生活習慣病対 策総合研究事業 各種禁煙対策の経済影響に関する研究−医療費分 布と費用効果分析− 1,000 望月 隆 教授 皮膚科学 厚生労働科学研究費補助金 新型インフルエンザ等新興 ・再興感染症研究事業 真菌感染症の病態解明に基づく検査・治療法の確 立と国内診断・治療ネットワークの構築に関する 研究 1,700 第 147 号/2011.8 氏名・職名 金沢医科大学報 所属名 種目名 35 研究課題等 金額 竹上 勉 教授 総合医学研究所 厚生労働科学研究費補助金 新型インフルエンザ等新興 ・再興感染症研究事業 我が国における日本脳炎の現状と今後の予防戦略 に関する研究 1,500 飯沼由嗣 教授 臨床感染症学 厚生労働科学研究費補助金 新型インフルエンザ等新興 ・再興感染症研究事業 新型薬剤耐性菌等に関する研究 2,500 古家大祐 教授 糖尿病・内分泌内科学 厚生労働科学研究費補助金 腎疾患対策研究事業 糖尿病性腎症の病態解明と新規治療法開発のため の評価法の開発 500 佐々木 洋 教授 (研究代表者) 眼科学 厚生労働科学研究費補助金 地球規模保健課題推進研究 事業 熱帯地域における紫外線による眼疾患の実態調査 と小児期眼部被曝の影響の解明に関する研究 3,170 元雄良治 教授 (研究代表者) 腫瘍内科学 厚生労働科学研究費補助金 地域医療基盤開発推進研究 推進事業 ISO/TC249 に資するための伝統医学関連の用語・ 疾病分類・デバイス ・ 安全性確保などの基盤整備 研究 20,000 佐川元保 特任教授 呼吸器外科学 厚生労働科学研究費補助金 がん臨床研究開発費 肺 CT 検診の有効性評価に関する研究 6,000 田中惠子 特任教授 神経内科学 厚生労働科学研究費補助金 障害者対策総合研究推進事 業 急性脳炎・脳症のグルタミン酸受容体自己免疫病 態の解明・早期診断・治療法確立に関する臨床研 究 1,000 中川秀昭 教授 公衆衛生学 厚生労働科学研究費補助金 成育疾患克服等次世代育成 基盤研究推進事業 本邦における先天異常モニタリングによる先天異 常発生要因の分析とその対応に関する研究 300 梶波康二 教授 循環器内科学 厚生労働科学研究費補助金 政策創薬総合研究事業 医薬品開発のための副作用予測法・評価法の開発 500 竹上 勉 教授 総合医学研究所 厚生労働科学研究費補助金 地球規模保健課題推進研究 事業 ウイルス感染症の診断、疫学および予防に関する 研究 − 元雄良治 教授 腫瘍内科学 厚生労働科学研究費補助金 地域医療基盤開発推進研究 推進事業 東アジア伝統医学の有効性・安全性・経済性のシ ステマティック・レビュー − 元雄良治 教授 腫瘍内科学 厚生労働科学研究費補助金 がん臨床研究開発費 地域におけるがん対策の推進と患者支援に資する 介入モデルの作成に関する研究 − 小坂健夫 教授 一般・消化器外科学 厚生労働科学研究費補助金 医療技術実用化総合研究事 業 大腸癌におけるオキサリプラチンの末梢神経障害 に対する漢方薬:牛車腎気丸の有用性に関する多 施設共同二重盲検ランダム化比較検証試験(臨床 第Ⅲ相試験) − 小計 35 件 78,170 ※金額欄の − は代表一括管理 【その他公的機関】 氏名・職名 (単位:千円) 所属名 種目名 研究課題等 金額 佐々木 洋 教授 総合医学研究所 (財)テレコム先端技術研究 支援センター委託事業(総務 省) ミリ波、準ミリ波帯電波の眼部ばく露による影響 の指針値妥当性の再評価 29,623 中川秀昭 教授 公衆衛生学 (株)東レリサーチセンター 委託事業(環境省) カドミウム汚染地域における生命予後等に関する 疫学研究 5,500 梶波康二 教授 循環器内科学 (社)医薬品開発支援機構 (APDD )NEDO 委託事業 マイクロドーズ臨床試験を活用した革新的創薬技 術の開発 2,609 小計 3 件 37,733 【学術】 金沢医科大学報 36 【その他】 (単位:千円) 氏名・職名 所属名 種目名 研究課題等 金額 中村常之 准教授 小児科学 (財)北國がん研究振興財団 北國がん基金研究助成金 小児がん生存者(Childhood Cancer Survivor )の 長期心毒性に対する新しい評価法の開発 500 宮澤克人 准教授 泌尿器科学 (財)北國がん研究振興財団 北國がん基金研究助成金 前立腺がん発症に係わる幹細胞、炎症の解明に関 する基礎的・臨床病理学的研究 1,000 荘 将也 大学院生 精神神経科学 (公)松原三郎記念精神医学 育成基金 松原記念奨励賞 非定型抗精神病薬Risperidoneと、Blonanserineの脳 内ドパミン、セロトニン濃度におよぼす影響について 藤本由貴 助教 呼吸器内科学 (財)福田記念医療技術振興 財団研究助成金 気道内伝搬音波の観測による気道断面積と気道壁 弾性特性の測定法の開発 1,000 金﨑啓造 講師 糖尿病・内分泌内科学 (財)上原記念生命科学財団 研究助成金 メタボリック症候群 ・ 脂肪肝発症機構の検討 2,000 中村 晃 教授 免疫学 東北大学加齢医学研究所共 同研究 免疫制御受容体による自己免疫疾患制御機構の解 明 NOTES 研究会研究助成金 lymphatic basin dessection 法により術中にリンパ 節転移陰性と確認された SM 胃癌に対する hybrid NOTES による胃局所全層切除術の検討 1,000 伊藤 透 臨床教授 内視鏡科 500 500 古家大祐 教授 糖尿病・内分泌内科学 鈴木万平糖尿病学国際交流 財団 第 9 回日本韓国糖尿病性腎症セミナー 1,000 金﨑啓造 講師 糖尿病・内分泌内科学 (財)かなえ医薬新興財団研 究助成 ltransferase-2methoxyestradiol 不全と葉酸および ホモシステイン代謝異常との相互作用検討 1,000 西条旨子 准教授 公衆衛生学 稲作地帯におけるカドミウム環境汚染による健康 リスクの国際比較 2,860 (財)ファイザーヘルスリサ ーチ新興財団研究助成 小計 10 件 ※職名及び所属名については、申請時のものを記載 平成 22 年度各種助成金等受託状況(総括) (単位:千円) 種目分類 文部科学省・日本学術振興会(科学研究費補助金 / 代表者分) 小計 文部科学省・日本学術振興会(科学研究費補助金 / 分担者分) 文部科学省・日本学術振興会(委託事業) 厚生労働省(厚生労働科学研究費補助金 等) その他公的機関(環境省、総務省、関係団体 等) その他(民間助成団体 等) 件数 金額 68 95,100 68 95,100 18 3,810 4 33,367 35 78,170 3 37,733 10 11,360 小計 70 164,440 合計 138 259,540 11,360 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 37 平成 23 年度 金沢医科大学「共同研究・奨励研究」 本学では、若手研究者の育成を目的とした奨励研究や、学部、大学院、総合医学研究所、他大学等との有機的 連携を目指す共同研究を支援するため、平成 15 年度からこの助成制度が開始され、本学の研究の活性化を進め ている。今年度も、引き続き共同研究および奨励研究の助成事業を実施することとし、4 月 1 日(金)付けで学内 公募(各部門教授・看護学部長・研究所部門長宛)した結果、次のとおりとなった。 なお、共同研究・奨励研究の助成予算額は昨年制定した研究助成(アシスト KAKEN )を含み、昨年同様の総 額 2,650 万円の中から交付した。 また、審査結果の詳細は、イントラネット(研究推進課ホームページ)に掲載しているので参照願いたい。 (研究推進会議委員長 加藤伸郎記) 平成 23 年度共同研究・奨励研究採択概要 (単位:千円) 区 分 医学領域 共同研究 奨励研究 申請件数 継続 2 新規 9 一般 23 萌芽 5 小 計 看護学領域 11 選定数 2 4 2 28 交付金額 3,500 9,500 6,000 10 12 2 9,000 10,600 1,600 39 16 20,100 共同研究 2 1 500 奨励研究 1 1 300 小 計 3 2 800 18 20,900 合 計 42 <医学領域> 共同研究・継続 氏名・職名 (単位:千円) 所属 研究課題 研究組織 交付額 中島日出夫 准教授 腫瘍内科学 種を越えて保存された新規がん抑制遺伝子ファミリーFAM107 分子の包括的探索 5名 2,000 甲野裕之 教授 看護学部 腫瘍血管の機構、構造、機能に対する一酸化窒素の関与とその 修飾による腫瘍血管の正常化および抗腫瘍薬効果増強への応用 4名 1,500 共同研究・新規 氏名・職名 (単位:千円) 所属 研究課題 研究組織 交付額 梶波康二 教授 循環器内科学 動脈硬化治療薬による最適化治療を目指した遺伝子・バイオマ ーカー診断法の開発 6名 3,500 古家大祐 教授 糖尿病・ 内分泌内科学 ミトコンドリア機能制御による老化 ・ 代謝疾患の新たな治療法 の確立 5名 2,500 【学術】 金沢医科大学報 38 奨励研究・新規 (単位:千円) 氏名・職名 所属 研究課題 交付額 金﨑啓造 講師 糖尿病・ 内分泌内科学 転写因子 Storkhead-protein 1 不全の糖尿病血管合併症における意義 1,000 北田宗弘 講師 糖尿病・ 内分泌内科学 血管内皮 Sirt1 を標的とした高脂肪負荷による血管内皮機能障害およびイン スリン抵抗性に対する新規治療法の開発 1,000 倉田康孝 准教授 生理学Ⅱ ヒト心筋細胞の世界標準モデル構築:非線形力学的並びに比較生理学的手 法によるアプローチ 1,000 池田崇之 助教 生化学Ⅱ 低酸素による可溶型 VEGF 受容体(可溶型 Flt-1 )産生抑制機構の解明 900 橋本優実 助教 生化学Ⅰ p53 結合タンパク質 53BP1 のアポトーシスと死細胞排除における新規機能 の解明 900 石垣靖人 准教授 総合医学研究所 ヒト培養細胞における M 期進行制御の解析 900 田中真生 准教授 血液免疫内科学 新規リウマチ関節炎制御因子 FRP/FSTL1 の機能解析 900 町田雄一郎 助教 呼吸器外科学 エピジェネティック機序に着目した肺癌先進部でのアクアポリンの発現誘 導の解明 島村英理子 講師 解剖学Ⅰ 胎児造血における ACTH の赤芽球分化誘導の生理的意義 尾山 武 助教 病理学Ⅰ 炎症性大腸腫瘍形成における NF-kappaB の役割 800 800 奨励研究・新規〈萌芽〉 氏名・職名 所属 800 (単位:千円) 研究課題 高田尊信 助教 総合医学研究所 ウェルナー症候群患者由来皮膚線維芽細胞のプロテオミクス解析 松葉慎太郎 助教 免疫学 炎症の抑制因子 SLPI によるアレルギー疾患制御機構の解明 交付額 1,000 600 <看護学領域> 共同研究・新規 氏名・職名 紺家千津子 教授 (単位:千円) 所属 看護学部 研究課題 ドレーン排液の色調モニタリングシステム開発に向けての基礎 的研究 研究組織 6名 奨励研究・新規 氏名・職名 北村佳子 助教 交付額 500 (単位:千円) 所属 看護学部 研究課題 外来で術後補助化学療法を受ける消化器がん患者のマネジメント能力、自 己効力感、QOL の関係 交付額 300 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 39 平成 23 年度 金沢医科大学「アシスト KAKEN 」 本学研究の活性化と科学研究費補助金の採択向上を れた。新学術領域研究・基盤研究(B )海外・挑戦的 図るため、平成 22 年度からアシスト KAKEN が実施 萌芽研究に 1 件 50 万円、基盤研究(C )・若手研究(B ) されている。これは、科学研究費補助金に不採択とさ には 1 件 40 万円の助成がなされることになった。 れたが、その評価が採択に準ずる課題(A 評価)に対 なお、今回から若手助成を優先するため、基盤研究 して、今後採択されるよう育成することを目的とした (C )について医学部および総合医学研究所の部門責任 者(教授)は助成対象から除くこととした。 学内助成制度である。 (研究推進会議委員長 加藤伸郎記) 平成 23 年度は、学内公募の結果 13 件の申請があり、 選考の結果、13 件全てに総額 560 万円の助成が決定さ 平成 23 年度金沢医科大学アシスト KAKEN 採択一覧 〔科研費審査機関:総合評価 A ランク〕 研究種目・分類 氏名・職名 所 属 助成額(千円) 研 究 課 題 新学術領域研究 川﨑 康弘 教授 精神神経科学 500 統合失調症患者における顔認知障害の時間−空間的解析 基盤研究(B) 海外 中川 秀昭 教授 公衆衛生学 500 タイ王国カドミウム汚染地域住民における腎障害の予後 −新しい指標による追跡調査− 挑戦的萌芽研究 森田 礼時 講師 形成外科学 500 リンパ管腫瘍・癌リンパ節転移の発病進展に関与する脈 管新生因子及び遺伝子異常の検討 挑戦的萌芽研究 岩井 邦充 教授 看護学部 500 骨格筋組織幹細胞の伸展刺激による分化開始における CTCF- 核骨格情報伝達系の解明 基盤研究(C) 須貝 外喜夫 准教授 生理学Ⅰ 400 嗅皮質がニオイを識別するしくみを内因性光および電気 信号で解明する 基盤研究(C) 中川 淳 准教授 糖尿病・ 内分泌内科学 400 糖尿病における甘味感受分子機構と GLP-1;味覚とイン クレチンの相同性からの解明 基盤研究(C) 正木 康史 准教授 血液免疫内科学 400 IgG4 関連疾患の疾患指標因子および血清対応抗原の解析 基盤研究(C) 宮澤 克人 特任教授 泌尿器科学 400 尿路結石における HMGB1 遺伝子発現と RAGE 阻害によ る発生抑制の解明 基盤研究(C) 笹川 寿之 准教授 産科婦人科学 400 婦人科悪性腫瘍に対するフェノール処置加がん免疫療法 の有効性の検討 基盤研究(C) 落合 富美江 教授 看護学部 400 妊娠期から出産後にかけて継続的「親性の発達」介入プ ログラムの開発及び有効性の検証 若手研究(B) 島崎 都 助教 病理学Ⅱ 400 肺線癌微小乳頭成分の侵襲性:アクアポリンによる移動 能亢進と EMT 関連分子の活性化 若手研究(B) 河南 崇典 助教 血液免疫内科学 400 IgG4 関連疾患の疾患特異的に変動するタンパク質群の網 若手研究(B) 守屋 純二 助教 総合内科学 400 羅解析 慢性疲労症候群に対する漢方薬効果の検証と作用機序の 解明:動物モデルとヒトでの解析 計 13 件 5,600 【学術】 金沢医科大学報 40 んプロ認定上級看護 2011 年度北陸がんプロ・FD 講演会 師である我妻氏は「安 「がん薬物療法とチーム医療」 全・ 安 楽・ 安 心・ 自 律 的 」に 化 学 療 法 が 日時:平成 23 年 6 月 24 日(金)午後 6 時 受けられるようにサ 場所:大学院セミナー室 ポートすることが看 護師の役割と明言し、 北陸がんプロフェッショナル養成プランは昨年の中 日頃集学的がん治療 間評価において FD(faculty development )が少ない センターで使用して との指摘を受けたことから、今回の講演会が企画され いる自己管理ノート た。日頃がんプロキャンサーボードで利用しているテ についてのアンケー レビ会議システムを用いて、北陸の 5 大学(金沢医科 ト調査を実施したと 大学、金沢大学、福井大学、富山大学、石川県立看護 ころ、約 7 割の患者さんが精神面での情報を求めてい 大学)が参加した。 ることを明らかにした。さらに患者さんの意思決定支 まず講演 1 として、香川大学泌尿器科の筧 善行教授 援の事例、アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO )への参加 が「がん薬物療法の現況と課題」と題して、とくに泌 体験、チーム医療のありかたなどの内容豊富な講演で 尿器科癌の薬物療法について 50 分間の講演を行った。 あり、他の大学から多くの賛辞を得た。 膀胱癌に対する標準的治療となったゲムシタビン・シ 講演 3 は福井大学医学部附属病院薬剤部の矢野良一 スプラチン療法、前立腺癌に対するアンドロゲン遮断 氏が、日本医療薬学会がん指導薬剤師として外来化学 療法、腎細胞癌に対するエべロリムスなどの分子標的 療法に深く関与している現状を 25 分間で報告した。 薬などの現状が紹介された。 最後に総合討論として、これからのチーム医療につ 講演 2 は本学病院看護師の我妻孝則氏が「がん薬物 いて、医療スタッフ間の意思疎通を向上させ、チーム 療法における看護師の役割」と題して 25 分間の講演を として患者さんに接していくことの重要性を再確認し 行った。石川県初のがん看護専門看護師で、北陸が て講演会を終了した。 (腫瘍内科学 元雄良治記) 北陸がんプロフェッショナル認定医取得 腫瘍内科学助教 中谷 直喜 2008 年から発足した北陸がんプロフェッショナ ル養成プログラム(がんプロ)において、2011 年 6 月に無事、北陸がんプロフェッショナル認定医を 取得できました。これまで e-learning での授業の 視聴および設問解答、TV 会議システムを利用し たスクーリング受講やがんプロキャンサーボード 症例検討会参加などによって認定単位を取得しま した。学習する科目には腫瘍薬物学、臨床腫瘍学、 がん緩和医療学などがありました。 しかし、がんプロ講座開始当初から e-learning システムにおいて施設間での機器設定の差異など であり、今後の受講生のためにもぜひ改善するこ が原因で、数コンテンツは視聴できない状態が生 とを要望します。 じ、がんプロキャンサーボードでも TV 会議シス 今回がんプロ認定医という資格を得ましたが、 テムの不具合のため、症例検討会が中断したこと 「がん診療」においてはまだまだ不勉強な点が多 もありました。各自が受講する e-learing システ く、取得すべき専門医も数多くあるため、今後と ムや各大学間を連携する TV 会議システムなどの も日々の診療や様々な症例検討を通して研鑽を重 ICT(情報通信技術)はがんプロの根幹をなすもの ねていきたいと決意を新たにしています。 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 41 産学官連携 メディカルテクノロジーEXPO に 出展 第 10 回国際バイオ EXPO に出展 平成 23 年 6 月 29 日(水)から 7 月 1 日(金)の 3 日間、 平成 23 年 6 月 22 日(水)から 24 日(金)の 3 日間、東 東京ビッグサイトにて開催されたアジア最大のバイオ 京ビッグサイトにて「第 2 回メディカルテクノロジー イベント「第 10 回国際バイオ EXPO(併催バイオテク EXPO(日本ものづくりワールド 2011 併催)」 (来場者 ノロジー国際会議) 」 (来場者数 63,355 人、出展企業数 数 84,509 人、出展企業数約 1,800 社)に初めて出展し 650 社以上)に、昨年に引き続き出展した。 た。 本学は、金沢市からの依頼で金沢市および金沢コン ベンションビューローと同じブースにおいて金沢工業 本学から 5 件の研究発表が特設会場にて行われた。 スライド発表の後も熱心な質問を受けるなど、本学の 研究成果に高い関心が寄せられた。 大学と共同で出展することになり、共同研究である耳 「金沢医科大学ブース」では、展示ポスターの前で 鼻咽喉科・頭頸部外科学の下出祐造講師発表のパネル 熱心に質問をする方が多く、共同研究や製品化への発 を中心に医工連携の成果について展示・PR した。こ 展が期待される話し合いが持たれた。大学全体の研究 のブースでの説明時は大勢の人が集まり盛況であっ シーズや金沢工業大学との医工連携による共同研究に た。今回の開発機器について見学者から改良提案がな 関して新聞社の取材があるなど、今後の展開が大いに されたりと、今後の展開が大いに期待される出展とな った。 また、金沢市および金沢コンベンションビューロー は、ミス百万石らの協力を得、金沢の魅力を PR する とともに、高等教育機関と行政・企業の連携に取り組 む金沢への企業進出を呼びかけた。 (研究部門・副部長 上田正博/産学連携コーディネー タ 高田律子記) 期待される展示会となった。 (研究部門・副部長 上田正博/産学連携コーディネー タ 高田律子記) 〈発表者〉 (発表順) 友杉直久教授(総合医学研究所) 「糖化蛋白質(AGE )を吸着するダイエタリーカ ーボン(純炭)」 高林晴夫准教授(FDD-MB センター) 「FDD-MB 3.0 System と Pyramid Care 」 加藤伸郎教授(生理学Ⅰ) 「経頭蓋磁気刺激によりアルツハイマー病モデル マウスの学習を改善する」 竹上 勉教授(総合医学研究所) 「KMU 遺伝子解析プラットフォームのご紹介」 八田稔久教授(解剖学Ⅰ) 「新規脱核促進技術を用いた人工培養赤芽球の最 終分化誘導法」 〈今後の予定〉 研究成果発表およびマッチングを目的とする展示会 は、今後もあります。発表を検討している方は、研究 推進センター(内線 7233 )までお問い合わせください。 本学ブース しんきんビジネスフェア 北陸ビジネス街道 2011 日時:平成 23 年 10 月 20 日(金) 場所:石川県産業展示館 3 号館・4 号館(金沢市) 第 7 回 FIT ネット商談会 日時:平成 23 年 11 月 9 日(水) 場所:石川県産業展示館 4 号館(金沢市) JST 新技術説明会 日時:平成 23 年 11 月 18 日(金) 場所:JST ホール(東京都千代田区四番町) 金沢医科大学報 42 病 院 特別セミナー in 金沢医科大学病院 「女性の健康」 藤喜代子副会長、国際ゾンタクラブ金沢クラブからは 坂矢ひろみ会長、国際ソロプチミストーくろゆりーか らは新保洋子会長がそれぞれの活動の紹介を行った。 さらに、女性起業家交流会 in Hokuriku からは萩原扶 日時:平成 23 年 3 月 2 日(水)午後 3 時 未子代表が起業したい人の交流の場や女性が輝くため 場所:病院新館 12 階大会議室 のワークライフバランスについて、加賀市各種団体女 性連絡協議会からは南出貞子会長が、男女参画活動や 金沢医科大学病院 21 世紀集学的医療センターの女 性総合医療センターでは、国が定める女性の健康週間 コーチングの大切さと、パープルリボン活動について 紹介した。 に特別セミナーを企画した。 「女性が健康で生き生き 第二部は、耳鼻咽喉科学の鈴鹿有子教授の司会に と輝き続けるために何が必要か? 女性の元気は社会 より行われ、はじめに、山下公一理事長が挨拶を行っ の元気」をテーマとして開催された。 た。講演は、日本における性差医療の第一人者である 第一部は、川上重彦病院長の挨拶の後、女性総合医 NPO 法人性差医療情報ネットワーク理事長の天野恵 療センターの赤澤純代講師の司会により行われた。講 子先生により「女性の一生と健康課題」と題して行わ 演は産婦人科学の笹川寿之准教授による「子宮頸がん れた。女性の健康の大切さや性差による男性と女性の は予防できる」、財団法人日本対がん協会小西宏広報 病気の違いおよび治療の違いなどを端的かつ明確に話 部長による「子宮頸がんの予防ワクチン接種と検診率 された。女性外来こそ少子高齢化社会に求められる総 の現状報告」であった。リラックスタイムには元モデ 合診療のモデルであり、女性医師の活躍が日本の医療 ルでウォーキングスタイリストの山本敬子先生より、 を変えていくという素晴らしい内容であった。総括は、 ポジティブスマイルと若々しい姿勢の作り方について 21 世紀集学的医療センター長の松井 忍教授が行いセ 実技も交えた指導をしていただいた。その他新たな試 ミナーを終了した。 みとして石川県で活躍されている女性の団体にも参加 していただき、レディースベンチャークラブからは安 セミナーを終えて。講師、後援企業の方々と (女性総合医療センター 赤澤純代記) 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 43 特徴とともに、慢性疼痛に 第 13 回緩和ケアオープンカンファレンス 対しても非常に効果が高い。 第 37 回がん診療連携拠点病院研修会 一方で嘔気症状は投与に伴 い必発であり、薬剤の有効 性を活かすためにも、副作 講師: 北原雅樹先生(慈恵会医科大学付属病院ペイ 用対策は前もって十分に行 ンクリニック) 日時: 平成 23 年 6 月 17 日(金)午後 5 時 30 分 う必要があると細かく説明 場所: 病院新館 12 階大会議室 いただいた。 神経障害性疼痛に対して がん性疼痛に対する新たな治療戦略として、また麻 薬処方箋不要のオピオイドとして有望視されているト 北原雅樹先生 もトラマドールは効果が非 常に高く、経口での薬剤投 ラマドールについて、本学病院においても使用が増え 与が不可能でも別剤型として注射製剤があり、積極的 ると予想されるため、東京慈恵会医科大学附属病院ペ に使用を検討していくことで患者様の QOL 改善に貢 インクリニック北原雅樹先生にご講演いただいた。 献することができるとの説明があった。 北原先生が診療に従事されているペインクリニック 今後トラマドールの合剤が様々な剤型で臨床現場で 外来では、がん性疼痛および非がん性疼痛に対し、ほ 使用できるようになるため、薬剤の特性を十分に理解 とんど外来のみで治療を行っていること、また過去に し、副作用をコントロールしながら効果を最大限利用 は、日本におけるトラマドールの半分を先生が一人で し、少しでも苦痛軽減が図れるように努力していかな 使っていたというお話があり、診療および治療法に対 くてはいけないと感じた。 (麻酔科学 土田英昭記) する先生の非常に強い信念を感じ取ることができた。 トラマドールは麻薬処方箋不要なオピオイドという ッションが行われた。その後、堤 幹宏教授(肝胆膵内 第 16 回 科)から 「 アルコール摂取が与える人体への影響 」 の 急激な経過を示したアルコール 依存症の 1 例 ミニレクチャーがあり、改めてアルコール依存症の特 日時:平成 23 年6月 15 日(水)午後 5 時 30 分 臓器の変化が観察された。脂肪変性を伴う肝硬変、心 場所:病院本館 4 階 C41 講義室 筋症に伴う洞房結節の萎縮による致死性不整脈、低カ 徴的な病態について学習した。 今回の症例では、剖検にてアルコールに伴う全身諸 リウム性周期性四肢マヒ、低カリウム性腎症と急性腎 第 16 回臨床病理検討会(CPC ) 不全などである。ミニレクチャーでは堤教授が、どの は小坂健夫教授(消化器外科学) くらい酒を飲むことができるか、なぜ肝臓が悪くなる と土原一真助教(呼吸器内科学) のか、アルコール摂取に伴う代謝異常と様々な人体へ の司会により 「 急激な経過を示し の影響、アルコール依存症の治療の難しさについて詳 たアルコール依存症の 1 例 」 とい 細に説明された。最後に美味しいお酒を楽しく、長く、 うテーマで行われた。齋藤 隆助 飲めるように、適量による飲酒の効用を述べられた。 教(消化器内科)の経過説明があ 本学の病院 CPC は症例を通して疾患、病態を多方 り、病棟担当の木村葉月看護師が 面から勉強し、最後にミニレクチャーで最新の知識に 第 4 回入院時の患者背景と看護上 藤本直子先生 の問題点および課題について説明を行った。黒瀬 望 助教(臨床病理学)の指導のもと、藤本直子初期臨床 研修医による剖検所見の説明があり、活発なディスカ 触れることができる貴重な勉強会です。今後とも皆様 の参加と活発な討議をお待ちしています。 (臨床病理学 野島孝之記) 【病院】 金沢医科大学報 44 ビでの喫煙シーンの排除などが盛り込まれている。今 5 月 31 日世界禁煙デー 回のテーマは「あらためて各国それぞれがしっかりこ 禁煙支援のための相談会 の条約を守ろう!」ということで選ばれたと思われる。 本学病院では、今年のテーマである FCTC を中心 に、これまで約 30 年間行われてきた世界禁煙デーの 日時: 平成 23 年 5 月 26 日(木) テーマにそって、5 月 23 日(月)から 5 日間、禁煙活動 場所: 金沢医科大学病院新館 1 階 に至った歴史、タバコの害、実際のタバコの止め方な どのポスターを掲示した。また、5 月 26 日(木)には 毎年 5 月 31 日は WHO(世界保健機関)世界禁煙デー で、日本では世界禁煙デーからの 1 週間を禁煙週間と して様々な啓発活動が行われている。 禁煙相談会を行い、患者や患者家族、見舞に来た人な ど 34 名もの相談者が訪れた。 喫煙率は徐々に下がってきてはいるものの、禁煙し 21 世紀集学的医療センター・生活習慣病センター たいけれどきっかけがつかめない人もまだまだ多いと でも毎年、世界禁煙デーの前後に禁煙講演会などを行 思われた。これからもこのような禁煙相談会などで禁 っていたが、喫煙者により直接禁煙方法を知っていた 煙の啓発を地道に続けていくことが大切である。 (健康管理センター 中西由美子記) だきたい思いで、昨年からはタバコに関するポスター の掲示とともに禁煙外来スタッフによる禁煙相談会を 行っている。 今年の世界禁煙デーのテーマは、 「命を守るため の対策として WHO タバコ枠組み条約(Framework Convention Tobacco on Control: FCTC )を守ろう」で あった。タバコ関連疾患のために世界中で年間 600 万 人以上の人が死亡しており、その予防のためには、喫 煙率の低下、タバコが吸えない環境づくりが大切とい うことで、FCTC が制定され、日本をはじめ 170ヵ国 以上の国が批准している。内容はタバコの健康被害の 啓発、タバコの値上げ、受動喫煙の防止、映画やテレ 禁煙ポスターの掲示 ふれあい看護体験 一人ひとりに辞令が交付された。その後各フロアの師 最初に 12 階大会議室にて森本茂人副院長より学生 長と現場へ向かい看護体験が開始された。参加した高 校生は、現場の看護師の指導を受けながら、車椅子搬 5 月 12 日は、フローレンス・ナイチンゲールの誕生 日である。それを記念して、平成 12 年から全国行事 送や清拭・足浴など清潔援助の見学・体験をした。 (看護部 宮下あき子記) として毎年 5 月に、 「看護の日」と「看護週間」が設けら れ、ふれあい看護体験を実施している。 今年度は、平成 23 年 5 月 8 日(日)から 5 月 14 日(土) が「看護週間」である。ふれあい看護体験の目的は、 市民と病院などの関係者が交流し、医療や看護のあり 方をともに考える機会を持ってもらうこと、患者との ふれあいを通して、看護することや人の命について、 理解と関心を深める機会を提供することである。 本学病院では 5 月 13 日(金)に一日看護体験が実施 された。参加者は、金沢学院東高校から 9 名、日本航 空高等学校から 3 名、穴水高校 2 名、能登高校 1 名の 計 15 名であった。 森本茂人副院長から辞令を受ける高校生 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 45 り、受講者の関心が高かったのでないかと思われる。人 放射線業務従事者への教育訓練 体に対する放射線の被曝や影響などは受講者にとって 非常に興味深い内容であり、作業従事者の被曝線量限度 (女性の5 mSv/3ヵ月、男性の50 mSv/年)などについて 日時: 平成 23 年 6 月 2 日(木) は、事故以来毎日のように報道されていたが、本講演に 場所: 病院本館 4 階 C41 講義室 よりそれぞれが認識を新たにし、仕事での自分自身の被 曝に注意できるのではないかと思われた。 今年の4月に原子力安全センターによる定期検査が行 現在、バッジ登録者(対象者)はおよそ300名であるが、 われ、業務従事者の教育訓練についての話があり、従事 当日の受講者が200名、その後のイントラネットによる 者自身が放射線の知識を習得することの重要性について ビデオ視聴者が40名であり、7月5日現在で受講率が8 再認識した。 割に達した。今後、未受講者に対するビデオ放映の案内 今年度の教育訓練は、長瀬ランダウア(株)の鈴木朗 を再度行い、受講率100%を目指したい。 史先生を講師にお招きし、 「医療における放射線防護に 最後に、対象者が正しい放射線の取扱い・防護につ ついて」と題して講演を開催した。3月11日の東日本大 いての知識を習得され、業務に従事されることをお願 震災の想定外の大津波による福島原発事故の問題もあ いしたい。 (医療技術部 宮村順二記) 中農常務理事は病院機能評価の 病院機能評価認定更新に係る 職員研修会 仕組みや自己点検・評価並びに 第三者評価の必要性、審査全体 および訪問審査の流れ等につい て具体的に説明し、特に訪問審 日時: 平成 23 年 6 月 23 日(木)午後 5 時 30 分 査時の注意事項や根拠となる資 場所: 病院本館 4 階 C41 講義室 料の重要性について強調した。 本学病院は、平成 18 年度に(財)日本医療機能評価 川上重彦病院長の挨拶 飯塚副学長からは、病院機能 評価第 5 領域(医療の質と安全の 機構が実施する病院機能評価 Ver.5 の認定を受けた。 ためのケアプロセス)の評価項目に沿った説明と、特 その認定期間が平成 24 年 1 月 21 日をもって満了する に注意すべき事項や重要なポイント等について解説が ことに伴い、平成 23 年 11 月に認定更新のため、病院 あり、参加者にとっては大いに参考になった。 機能評価 Ver.6 を受審する予定である。 最後に、森本茂人副院長(病院機能・評価管理室長) 認定更新のための訪問審査まで半年をきり、本格的 から、 「間近にせまった訪問審査に向けて、本日の講 な受審準備を前にキックオフ大会として、470 名の職 演で指摘された点を踏まえて、全領域の評価項目を達 員が参加し認定更新に係る職員研修会が開催された。 成できるように一つひとつ丁寧に取り組んでいきたい はじめに川上重彦病院長から、 「認定更新を 11 月に ので、職員の皆様の尽力をお願いしたい」との挨拶が 控え、職員が一丸となって取り組みを行うために職員 あり、研修会は盛会裡に終了した。 (病院企画室 南 英樹記) 研修会を企画したので、これを有意義なものとして認 定更新に向けて共に頑張っていきたい」との挨拶があ った。次に竹越 襄理事長からは、 「前回の受審時は初 めてということで模索しながら準備を行ったが、今回 はこれまでの経験を活かして取り組んでいただきた い。また、認定を得るということだけではなく、職 員全員が気持ちを一つにしていい病院にしようという 心構えを持って大いに気合を入れて頑張ってもらいた い」との挨拶があった。 続いて、中農理博常務理事による「病院機能評価受 審の意義と訪問審査の流れ」、飯塚秀明副学長による 「ケアプロセスの留意事項」と題した講演が行われた。 中農理博常務理事による講演 【病院】 金沢医科大学報 46 後半では、 「適切な感染症 院内感染防止に関する教育講演会 診療を実践するために」と 当院における院内感染対策の課題と対応 題し、馬場尚志感染制御室 副室長が適切な感染症診療 の基本的な流れについて解 説した。この中では、特に 講師: 不動政代課長(感染制御室) 馬場尚志准教授(感染制御室副室長、臨床感染 適切な診断の重要性が強調 症学准教授) され、診療のみならず確実 日時: 平成 23 年 6 月 22 日(水)午後 5 時 30 分 に院内感染対策を行うため 場所: 病院本館 4 階 C41・C42 講義室 にも診断が鍵となることを 説明した。さらに、薬剤耐 院内感染防止に関する教育講演会が、本学病院の医 馬場尚志准教授 性菌の対策は今や世界的な 師、看護師、医療技術者、事務職員等、計 834 名の出 重要課題の 1 つとなっており、大学病院・教育機関と 席のもとに開催された。 して積極的に取り組むことの必要性を強調した。 前半では、不動政代感染制御室課長が「手洗いの意 この講演会は、医療法により年 2 回程度開催するよ 義と実践」をテーマに、院内感染対策において最も基 う規定されている全職員対象の院内感染対策研修であ 本となる手指衛生(手洗い・手指消毒)について、必 り、当日参加できなかった職員にもイントラネット、 要とされる場面や正しい実施方法を中心に解説、医療 ビデオ上映会、DVD 貸出など様々な方法によって受 従事者として強い責任感を持って院内感染防止に努め 講する機会が与えられている。 るべきと説明した。 (臨床感染症学 馬場尚志記) がん看護専門看護師を取得して がん看護専門看護師 我妻 2009 年 12 月に石川県内で初のがん看護専門看 孝則 人的・多角的な視点でが 護師を取得して 2 年目を迎えた。県内の専門看護 ん患者と関わることで、 師数は全分野を合わせても 5 名と少なく、医療関 患者も看護師も変化・成 係者であっても十分な認知がされているとは言い 長する体験を得たことで 難い。初めに専門看護師の役割について簡単に触 あ っ た。 そ し て、 そ う れ、最後に現在の活動報告を述べたいと思う。 した体験を少しでも多く 専門看護師は日本看護協会が認定している資格 の看護師に普及させるこ で、1996 年に初めて専門看護師が誕生している。 とで、たくさんのがん患 役割としては「実践・相談・調整・倫理調整・教 者・家族を支えることが 育・研究」が求められており、県内でも徐々に増 できると考えたからである。資格を取得して立場 えている認定看護師の役割「実践・指導・相談」と 自体に大きな変化はないが、今後も原点を忘れる 比べても、高度で幅広い役割が求められていると ことなく、専門看護師の役割を意識して行動する 言える。 と共に、専門・認定看護師を目指している方のサ 私は現在、外来化学療法を主とする集学的がん ポートや、がん患者・家族に関わっている多職種 治療センターと、一般病棟の緩和ケアをサポート と協働して、少しでもより質の高い看護を提供で する緩和ケアチームを兼務している。私が専門看 きるよう精進していきたい。 護師を目指すきっかけとなったのは、看護師が全 第 147 号/ 2011.8 金沢医科大学報 47 研修医の頁 金沢医科大学病院 平成 24 年度 臨床研修医募集要項 1. 募集人員 52 名 2. 募集方法 マッチング方式による 3. 必要書類 (1 )応募時必要書類 ①臨床研修医採用願 ②履歴書 ③学業成績証明書 (2 )採用時必要書類(採用が内定した後に 提 出する書面) ①身元保証書 ②誓約書 ③健康診断書 4. 応募資格 平成24年(第106回)医師国家試験合格予定の者 第 98 回日本医師国家試験以降の合格者で臨 床研修未実施の者 5. 研修期間 2 年間 6. 研修方法 基幹型 7. 選 考 書類選考・面接 8. 応募締切 一次募集 平成 23 年 7 月 8 日(金)消印有効 二次募集 平成 23 年 9 月 15 日(木)消印有効 9. 説明会 平成 23 年 6 月 28 日(火)12 時 20 分から 病院本館 4 階 C41 講義室 10. 面 接 一次募集 平成 23 年 7 月 24 日(日) 集合場所病院 C41 講義室 集合時間8 時 45 分 二次募集 平成 23 年 9 月 22 日(木) 臨床研修プログラム 2011/12 版 11. 処 遇 (1 )給与:月額35万円程度を予定(諸手当含む) (2 )社会保険:日本私立学校振興・共済事業団 (健康保険・年金)等加入 (3 )宿舎:なし (4 )休日:土曜(隔週) 、日曜、祝日、有給休 暇有り 【お問い合わせ・申し込み先】 〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学1−1 金沢医科大学病院 臨床研修センター事務課 TEL 076-286-3511(代)内線 5482 ∼ 5484 メールアドレス [email protected] 臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会) 第 42 回、第 43 回臨床病理検討会(CPC )が病院本 館 4 階、臨床研修センターカンファレンスルームにお いて行われた。 司会者 森山 学 画像解説 釘抜康明 病理解説 佐藤勝明 泌尿器科学准教授 放射線医学講師 病理学Ⅱ准教授 (症例の概要) 第 42 回 CPC 平成 23 年 5 月 18 日(水) 17:30 80 歳代男性。慢性腎不全の診断にて血液透析中、不 明熱が出現し、その後、前立腺癌が指摘された。ホル 【症例 1 】 前立腺癌の 1 例 臨床提示 井村淳子 腎臓内科学助教 臨床提示 山田健太郎 臨床研修センター研修医 モン療法が施行されたが、多発性骨転移を来たし永眠 された。質疑応答では、骨硬化・溶骨像に関すること、 治療効果に関することが論点となった。 【病院】 金沢医科大学報 48 研修医の頁 位と臨床経過が非定型的であり診断に苦慮したが、進 行性多巣性白質脳症について理解を深めることができ た。 【症例 2 】 大動脈周囲に腫瘤を形成した 1 例 臨床提示 司会者 画像解説 病理解説 若狭 稔 島崎猛夫 釘抜康明 上田善道 循環器内科学助教 腫瘍内科学講師 放射線医学講師 病理学Ⅱ教授 (症例の概要) 30 歳代女性。20 代で高血圧症を指摘され、30 代で 大動脈炎症候群、腎血管性高血圧症を指摘されている。 【症例 2 】 急性副腎不全の 1 例 臨床提示 臨床提示 司会者 画像解説 病理解説 矢野 浩 藤田 純 澤木俊興 釘抜康明 黒瀬 望 高齢医学助教 臨床研修センター研修医 血液免疫内科学助教 放射線医学講師 臨床病理学助教 (症例の概要) 70 歳代男性。数ヵ月前より悪心・嘔吐が出現し、 精査の結果、低 Na 血症、両側副腎腫瘍が指摘された。 血清コルチゾール補充療法が行われ、全身状態は改善 した。食道下部に Ga の集積を認め、上部消化管内視 鏡検査で胃癌および悪性リンパ腫と診断された。その 後、食事摂取不能となり、経過中に突然吐血した。全 身状態が悪化し、永眠された。剖検時、全身諸臓器に 悪性リンパ腫細胞の浸潤がみられ、副腎不全の原因と して、悪性リンパ腫細胞の浸潤が考えられた。質疑応 また、腹部大動脈狭窄に対し、左腎動脈にステントも 留置されている。今回、入浴後に呼吸苦が出現し、高 血圧がみられたため、大動脈炎症候群の増悪と考えら れた。プレドニゾロンが投与されたが、CRP の上昇 と発熱、IL-6 値の上昇があり、画像上、大動脈周囲に 腫瘤が認められた。生検にて未分化肉腫と診断され、 抗がん剤が投与されたが改善がなかった。IL-6 受容体 抗体であるトシリズマブが投与され、一旦解熱したが、 腫瘍の再増悪がみられた。腹痛が出現し、翌日、心肺 停止状態で発見された。剖検にて、大動脈炎症候群の 像に加え、大動脈壁内外に増殖する大動脈内膜肉腫の 像がみられた。腹痛の原因として、上腸間膜動脈の閉 塞に伴う急性腸管虚血が考えられた。大動脈炎症候群 に大動脈内膜肉腫が合併した報告はなく、極めてまれ な症例と思われた。 答では、悪性リンパ腫の原発巣について、治療が奏効 しなかった理由について論議がなされた。 第 44 回 臨床研修医のための CPC 第 43 回 CPC 平成 23 年 7 月 20 日(水) 17:30 【症例 1 】 腎移植後、小脳失調をきたした 1 例 臨床提示 司会者 画像解説 病理解説 病理解説 山谷秀喜 長山成美 釘抜康明 野尻正史 黒瀬 望 腎臓内科学助教 神経内科学講師 放射線医学講師 医学部 6 年生 臨床病理学助教 (症例の概要) 50 歳代女性。腎移植後、小脳失調症状が急激に進 行した。病歴および画像から、様々な鑑別診断があげ られたが、最終的に JCV 感染に伴う進行性多巣性白 質脳症が疑われた。抗ウイルス薬が投与されるも改善 せず、呼吸不全にて死亡した。剖検では、進行性多巣 性白質脳症を支持する所見が得られた。本例は発生部 日 時: 平成 23 年 9 月 21 日(水) 17 時 30 分から 場 所: 臨床研修センターカンファレンスルーム 研修医には出席が義務づけられていますが、それ以 外の先生方、学生にも広く開かれていますので、ふる ってご出席ください。 (臨床病理学 黒瀬 望記) 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 49 金沢医科大学氷見市民病院 平成 23 年度 第 1 回 医療安全研修会 講師: 水野宅郎助教(金沢医科大学氷見市民病院内科) 、 藤岡仁美主任看護師(金沢医科大学氷見市民病院 看護部) 、知久田 博副技師長(金沢医科大学氷見 市民病院ME部) 日時: 平成 23 年 6 月 30 日(木)午後 5 時 30 分 場所: 金沢医科大学氷見市民病院講堂 研修会風景 確にすることであり、リーダーは全ての役割を明確に 定め、メンバーは自分の能力ににあった適切な役割を 患者さん急変時の迅速な対応についての研修会が、 果たすことであると解説された。 当院の医師、研修医、看護師、医療技術職員、事務職 続いて、藤岡看護師から 2010 年に一部変更された 員、外部施設からの 10 名の参加者を含め計 172 名の参 AHA(アメリカ心臓協会)ガイドラインの変更点につ 加のもとに開催された。 いての説明があり、知久田副技師長からモニタ管理の はじめに髙島茂樹病院長より、 「今回の研修内容は 新病院移転後を想定しており、職員一人ひとりが連携 問題点と今後の安全管理対策についての説明があっ た。 協力をし、患者さんの予期せぬ急変時に迅速な通報か 研修会終了後に回収したアンケート内容から、今回 つ適切な処置が実施できることを目指していることを の研修内容を活かして今後は医師や看護師以外であっ 認識して、学んでほしい」との挨拶があった。 ても、対応できる大切なメンバーとなることを意識し 講演では最初に、水野先生から患者さん急変時の認 識や通報、一次救命に加えて薬剤投与を行なう二次救 て行動していきたい、との意見が多く出された。 (金沢医科大学氷見市民病院事務部総務課 堤 貴夫記) 命処置についての説明があった。大切なのは役割を明 平成 23 年度 高校生一日看護見学 会で、病院や勤務に関すること、看護の進路に関する 質問をするなど、看護の道に興味を持った様子がうか がえた。終了後のアンケートでは「さらに看護職への 関心や意欲が高まった」 「看護の仕事に魅力を感じた」 平成 23 年 7 月 11 日(月)、富山県看護協会主催の「高 などの感想が多く聞かれた。彼女達には、この体験を 校生一日看護見学」が開催された。高校生が看護業務 今後の進路の参考にし、看護の道をめざして頑張って と看護に対する理解を深め、進路選択の参考にするこ いってほしいと思う。そして今度会う時には、同じ看 とを目的として毎年行われており、今年も 12 名の高 護師として出会うことを期待したい。 校生が当院での看護見学に参加した。 (金沢医科大学氷見市民病院看護部 三浦恵里子記) まず手術着に着替えた高校生らは、手術室に入り、 術前の手洗いやガウンテクニックを行い、手術器材の 説明や、手術台で横になるなど、実際に近い体験をし た。高校生らにとっては、テレビでしか見たことのな い珍しいものにふれ、貴重な体験になったようである。 その後、白衣に着替えて病棟に行き、看護見学を行っ た。高校生同士で血圧計や聴診器を用いバイタル測定 をしたり、車椅子体験をした。また、配茶や配膳の時 に患者さんと会話した際には、患者さんから「ありが とうがんばってね」と声をかけられうれしそうにする 姿も見られた。午後は看護学校の先生を交えての座談 手術室にてガウンテクニックを行う高校生 【病院/図書館】 金沢医科大学報 50 能登北部地域医療研究所 能登北部地域医療研究所・公立穴水総合病院 東日本大震災被災地医療支援 −初期臨床研修医も最前線で診療活動にあたった− 能登北部地域医療研究所の中橋 毅教授と 2 名の初 また、受診拒否など自身の健康管理に消極的な方も 期臨床研修医が、公立穴水総合病院(穴水町)との合 みられ、疾病の早期治療の困難さが感じられたが、研 同チームを編成し平成 23 年 4 月 21 日(木)、東日本大 修医は時間をかけて避難者の方々の話を聞きながら関 地震で被災した石巻市に向けて出発した。 係を築き、適切に診療していたようであった。 石川県の医療支援の一環として公立穴水総合病院チ 1 日目は主に雄勝湾の北側のエリアを巡回し、2 日 ームが被災地に向かうのは 2 回目で、今回は中橋教授 目の 4 月 23 日(土)は南側のエリアを巡回した。この をリーダーに、研修医 2 名(金沢医科大学 稲垣信吾医 地区ではすべての医療機関が津波により壊滅的被害を 師、東京大学医学部附属病院 松宮由利子医師) 、看護 受けているため、今後も長期的な医療支援活動が必要 師 2 名、調整員 2 名の編成で、石巻赤十字病院を拠点 である。 として石巻市雄勝地区の診療活動を行った。 研修医にとっては大変貴重な経験となった今回の被 4 月 22 日(金)、医療チームはまず石巻赤十字病院で 災地への医療チーム派遣であるが、これを実現できた 情報収集、処方の受け取り、装備の調達をしてから復 背景には多くの方々のご協力といくつかの要因があっ 旧されたばかりの道路を通って雄勝地区に入った。雄 た。まず、それぞれの研修医が所属する研修センター 勝地区を統括する保健師さんから各避難所の情報を得 が理解を示してくれたこと、公立穴水総合病院の理解 て、巡回診療を行った。津波で町の全域に被害が及ん と支援、両研修医が医師会員でもあることから、医師 でいるため避難所はお寺や斎場など、山の中腹に位置 会もトラブル発生時の補償などについてサポートして する建物ばかりであった。避難所では、被災後 1ヵ月 くれたこと、また、このチームが活動する時期には支 を過ぎても水道・ガス・電気などのインフラが復旧し 援活動環境も整ってきていたことが挙げられる。 ておらず、暖房も不十分で、生活用水は毎日沢から登 り坂を運ばなければならない状況であった。 現在雄勝地区は 3 月下旬の状況と比較して、インフ ラの一部復旧、交通の復旧など、生活環境が徐々に改 ここで対応した疾患は主に、高血圧症、糖尿病など 善されていているようであった。最後に、学校やコミ の生活習慣病、感冒症状など感染症、認知症などの高 ュニティーセンターなどの避難者数もかなり少なくな 齢者疾患、不眠や疲労感などのストレス関連疾患、深 ってきており、医療支援のあり方についても再検討す 部静脈血栓症(主に予防)などであったが、腹水の悪 る段階にきているようである。 化が疑われる肝硬変患者など、専門的検査・治療が必 (能登北部地域医療研究所 中橋 毅記) 要な患者もみられ、高次医療への紹介が必要な場面も あった。 診察・処置をする中橋 毅教授 被災地に向かった公立穴水総合病院チーム 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 51 図書館 新着図書の紹介( 2011.4 ∼ 2011.6 ) 新着図書は、イントラネットの図書館ホームページの 図書館資料検索(OPAC)から、いつでも確認できます。 書名/出版社/出版年/請求記号の順で記載 学生用指定図書 (洋書) Robbins and Cotran review of pathology 3rd ed/Elsevier Saunders/2010/QZ4 (和書) Essential 細胞生物学 原著第 3 版/南江堂/2011/463 イラスト解剖学 第 7 版/中外医学社/2011/QS4 ム ー ア 人 体 発 生 学 原 著 第 8 版 / 医 歯 薬 出 版 /2011/ QS604 イラストレイテッドハーパー・生化学 原著第 28 版/丸 善/2011/QU4 母子保健マニュアル 改訂 7 版/南山堂/2010/WA310 内科診断学 改訂第 17 版/南江堂/2011/WB141 人 獣 共 通 感 染 症 改 訂 版 / 医 薬 ジ ャ ー ナ ル 社 /2011/ WC950 標準整形外科学 第11版(Standard textbook) /医学書院/ 2011/WE168 臨床のための筋病理 第 4 版/日本医事新報社/2011/ WE550 医師・歯科医師のための摂食・嚥下障害ハンドブック 第 2 版/医歯薬出版/2007/WI250 産科婦人科用語集・用語解説集 改訂 2 版/金原出版/ 2008/WP15 あたらしい皮膚科学 第 2 版/中山書店/2011/WR100 聴覚検査の実際 改訂 3 版/南山堂/2009/WV272 一般教養図書 (和書) DNA 実験の基本をマスターする 改訂第 3 版(無敵のバイ オテクニカルシリーズ . 遺伝子工学実験ノート : 上) / 羊土社/2011/467.2 遺伝子の発現・機能を解析する 改訂第 3 版(無敵のバイオ テクニカルシリーズ . 遺伝子工学実験ノート : 下) /羊 土社/2010/467.2 地球との共生に向けた確かな知恵・規範・行動(環境白 書 / 循環型社会白書 / 生物多様性白書 : 平成 23 年版)/ 日経印刷/2011/519 基礎医学図書 (洋書) The developing human : clinically oriented embryology 8th ed/Saunders / Elsevier/2008/QS604 Microbiology 2nd ed : pbk( Lippincott's illustrated reviews ) /Lippincott Williams & Wilkins/2007/QW4 How the immune system works 3rd ed/Blackwell Pub./ 2008/QW504 Robbins basic pathology 8th ed/Saunders/Elsevier/ 2007/QZ4 Robbins and Cotran pathologic basis of disease 8th ed : Professional ed./Saunders/Elsevier/2010/QZ4 Pathology 4th ed(Board review series ) /Wolters Kluwer Health/Lippincott Williams & Wilkins/2009/ QZ18.2 (和書) 「図説」人体博物館/筑摩書房/1997/QS4 グレイ解剖学の誕生 : 二人のヘンリーの 1858 年/東洋書 林/2010/QS11 人体解剖図 : 人体の謎を探る 500 年史/二見書房/2007/ QS11 人体観の歴史/岩波書店/2008/QS11 グラント解剖学図譜 第 6 版/医学書院/2011/QS17 X 線画像解剖ポケットアトラス 第 3 版/メディカル・サ イエンス・インターナショナル/2011/QS17 ジュンケイラ組織学 第 3 版/丸善/2011/QS504 食品成分表 : 新しい「日本食品標準成分表 2010 」による 改訂最新版/女子栄養大学出版部/2011/QU145 看護微生物学 第 3 版/医歯薬出版/2011/QW4 がん・放射線療法 2010/篠原出版新社/2010/QZ269 臨床医学図書 (洋書) High-yield neuroanatomy 4th ed/Wolters Kluwer/ Lippincott Williams & Wilkins/2009/WL101 (和書) 「本物(プロ)」の医療者とはなにか : 映画『ディア・ドク ター』が教えるもの(へるす出版新書 :008 )/へるす 出版事業部/2009/W9 医師国家試験問題解説書 第 105 回/医学評論社/2011/ W18 Year note 内科・外科等編 2012 年版(第 21 版)/メディッ クメディア/2011/W18 感染症・血液 第 3 版(Step series. 内科 :2 )/海馬書房/ 2011/W18 眼科 第 3 版(Step series )/海馬書房/2011/W18 はじめて学ぶやさしい疫学 : 疫学への招待 改訂第 2 版/ 南江堂/2010/WA105 アトラス応急処置マニュアル/南江堂/2010/WA292 論文を正しく読み書くためのやさしい統計学 改訂第 2 版/ 診断と治療社/2010/WA950 診察と手技がみえる 第 2 版 Vol.1/メディックメディア/ 【図書館】 金沢医科大学報 2010/WB18 診察と手技がみえる Vol.2/メディックメディア/2010/ WB18 今 日 の 治 療 指 針 : 私 は こ う 治 療 し て い る 2011 年 版 (Vol.53 )/医学書院/2011/WB100 ガイドライン外来診療 : 今日の診療のために 2011(第 11 版)/日経メディカル開発/2011/WB101 神経疾患 第 3 版(新・病態生理できった内科学 :7 )医学教 育出版社/2011/WB115 マクギーの身体診断学 : エビデンスにもとづくグローバ ル・スタンダード/診断と治療社/2009/WB200 よくわかる輸液療法のすべて 改訂第 2 版/永井書店/ 2010/WD220 義肢学 第 2 版/医歯薬出版/2010/WE172 胸膜疾患のすべて 改訂第 2 版/診断と治療社/2010/ WF700 動脈硬化の内科治療に迫る : 薬物治療とインターベンシ ョン(新・心臓病診療プラクティス :16 )/文光堂/ 2011/WG100 大 動 脈 弁・ 僧 帽 弁 疾 患 を 心 エ コ ー 図 で 診 る・ 活 か す (新・心臓病診療プラクティス :17 )/文光堂/2011/ WG100 知りたいことがよくわかる腎臓病教室 第 3 版/医歯薬出 版/2010/WJ300 泌尿器科・病理・放射線科腎癌取扱い規約 第 4 版/金原 出版/2011/WJ358 泌尿器科・病理・放射線科腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規 約/金原出版/2011/WJ358 透析ハンドブック : よりよいセルフケアのために 第 4 版 増補版/医学書院/2011/WJ378 ミラーニューロン/紀伊國屋書店/2009/WL102.5 顔面神経麻痺診療の手引 : Bell 麻痺と Hunt 症候群 2011 年版/金原出版/2011/WL330 パーキンソン病治療ガイドライン 2011/医学書院/2011/ WL359 老いのこころと向き合う音楽療法 増補改訂版/音楽之友 社/2011/WM450.5 麻酔科研修ノート(研修ノートシリーズ)/診断と治療社 /2010/WO200 ワシントン外科マニュアル 第 3 版/メディカル・サイエ ンス・インターナショナル/2009/WO500 皮膚真菌症を究める(皮膚科臨床アセット : 診る・わか る・治す :4 )/中山書店/2011/WR100 ベッドサイドの新生児の診かた 改訂 2 版/南山堂/2009/ WS420 メニエール病診療ガイドライン 2011 年版/金原出版/ 2011/WV258 斜視・弱視診療アトラス 改訂第 3 版増補/金原出版/ 2010/WW415 看護関係法令 第 43 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 健 康支援と社会保障制度 :4 )/医学書院/2011/WY5 52 小児臨床看護各論 第 12 版(系統看護学講座 : 専門分野 ; 2. 小児看護学 :2 )/医学書院/2011/WY5 呼吸器 第 13 版(系統看護学講座 : 専門分野 ; 2. 成人看護 学 :2 )/医学書院/2011/WY5 循環器 第 13 版(系統看護学講座 : 専門分野 ; 2. 成人看護 学 :3 )/医学書院/2011/WY5 血液・造血器 第 13 版(系統看護学講座 : 専門分野 ; 2. 成 人看護学 :4 )/医学書院/2011/WY5 消化器 第 13 版(系統看護学講座 : 専門分野 ; 2. 成人看護 学 :5 )/医学書院/2011/WY5 内分泌・代謝 第 13 版(系統看護学講座 : 専門分野 ; 2. 成 人看護学 :6 )/医学書院/2011/WY5 腎・泌尿器 第 13 版(系統看護学講座 : 専門分野 2. 成人看 護学 :8 )/医学書院/2011/WY5 臨床外科看護総論 第 10 版(系統看護学講座 : 別巻)/医学 書院/2011/WY5 成人看護 [ 第 41 回 ]1(日本看護学会論文集)/日本看護協 会出版会/2011/WY9 老年看護 [ 第 41 回 ( ] 日本看護学会論文集)/日本看護協 会出版会/2011/WY9 地域看護 [ 第 41 回 ( ] 日本看護学会論文集)/日本看護協 会出版会/2011/WY9 看護学大辞典 第 5 版/メヂカルフレンド社/2011/WY13 看護教育学研究 : 発見・創造・証明の過程 第 2 版/医学 書院/2010/WY18 看護六法 平成 23 年版/新日本法規出版/2011/WY32 看護覚え書 : 看護であること・看護でないこと 改訳第 7 版/現代社/2011/WY86 基礎看護技術 第 2 版 1(新体系看護学全書 :11. 基礎看護学 :2 )/メヂカルフレンド社/2010/WY100 地域看護学概論 第 3 版(標準保健師講座 :1 )/医学書院/ 2011/WY100 基礎看護技術 第 3 版(ナーシング・グラフィカ :18. 基礎 看護学)/メディカ出版/2011/WY100 社会福祉 第 4 版(新体系看護学全書 :8. 健康支援と社会保 障制度 :3 )/メヂカルフレンド社/2010/WY100 看護診断ハンドブック 第 9 版/医学書院/2011/WY100.4 看護過程に沿った対症看護 : 病態生理と看護のポイント 第 4 版/学研メディカル秀潤社/2010/WY150 看護技術プラクティス 第 2 版/学研メディカル秀潤社/ 2009/WY150 急性期・周手術期 1-2(新看護観察のキーポイントシリー ズ)/中央法規出版/2011/WY150 高齢者(新看護観察のキーポイントシリーズ)/中央法規 出版/2011/WY152 小児 1-2(新看護観察のキーポイントシリーズ)/中央法 規出版/2010/WY159 グループワークで学ぶ家族看護論 : カルガリー式家族看 護モデル実践へのファーストステップ 第 2 版/医歯 薬出版/2011/WY200 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 53 《本学スタッフ新刊著書》 小倉憲一 編集 jmed 14 あなたも名医!このめまい、コワい?コワくない? めまい診療ニガテ医師も求められること 分担執筆: 小倉憲一(第 1 章 めまい診療 の前にこれだけは押さえてお こう! 01 救急外来でのめまい 診療−プロローグ、02 めまい はなぜ起こるのか?:1-11 頁) 盛 田 英 樹( コ ラ ム 眼 診 は め まいの診断に役立つのか?: 26-46 頁) 日本医事新報社 B5 判、152 頁 定価(本体 3,500 円+税) 2011 年 6 月 25 日発行 ISBN978-4-7849-6414-7 「めまいが…」と訴えて来院した患者さん。はた また、 「めまい」を訴えることすら困難な激しいめま いで救急搬送されてきた患者さん。今、目の前にい るこの患者さんは、なにゆえ「めまい」を訴えてい るのか? 緊急度・重症度の高い疾患を見逃さないようにす るには、どのような問診・診察・検査を行ったらよ いのか? そして、その鑑別診断と治療は? ジェネラリストは何をどこまでやればいいのか? 専門医にはどのタイミングでコンサルトすればよい か? これらの疑問を解決するためのエッセンスをぎゅ ぎゅっと詰め込んだ、めまい診療ニガテ医師に是非 読んでいただきたいコンパクトで実用的なお役立ち の 1 冊です! (救急医学 小倉憲一記) 《本学スタッフ新刊著書》 真田弘美、正木治恵 編集 老年看護学技術 最後までその人らしく生きることを支援する 紺家千津子 分担執筆 (第Ⅴ章 高齢者に特徴的な疾 患と看護−事例による展開 6. パ ー キ ン ソ ン 病 の 看 護: 374-386 頁) 南江堂 B5 判、422 頁 定価(本体 3,200 円+税) 2011 年 6 月 25 日発行 ISBN978-4-524-26063-8 高齢者に看護を実践する技術について、その論理 的な思考過程と技術の基本的な概念、実践に必要な 知識や考え方をまとめたテキストである。明確な根 拠をもって看護介入ができるようになることを重視 しており、疫学データ、基本的な病態生理とともに 看護介入に伴う思考プロセスを分かりやすく示し、 代表的な疾患については事例とともに具体的な看護 を解説している。 「老年看護」の全体像を把握し、発展的に考える 基礎が身につく一冊である。 (成人看護学 紺家千津子記) 【図書館】 金沢医科大学報 54 《本学スタッフ新刊著書》 シェーグレンの会 発行 シェーグレンと共に vol.2 患者編 前田書店 A5 判、221 頁 定価(本体 1,600 円+税) 2011 年 3 月 15 日発行 ISBN978-4-944121-22-9 分担執筆: 菅井 進(木が持つ偉大な力:13 頁、難病公費助成につい て:26-27 頁、自己免疫性疾患の完治に関する未来予 測について:32-33 頁、生命の不思議:71 頁、感覚の 不思議:89 頁、性の不思議:101 頁、 「うつ」にならな いために、 「うつ」になったら:102-103 頁、腸管免疫 システム:124-125 頁、カルテ開示:130-131 頁、女性 一卵性双生児の不思議:139 頁、シェーグレン症候群 1000 の顔:158-159 頁、シェーグレン症候群とチュー リップの水分子の移動:175 頁、女性の不思議:188189 頁) 正木康史(患者さんの“できる!”が大切:44-45 頁) 北川和子(目の乾燥の症状:80-81 頁、乾燥状態にあわ せたドライアイ治療を!:176-177 頁) 梅原久範(シェーグレン症候群国際登録ネットワークの 意義とその活動:198 頁) 本書は、先に刊行されている「シェーグレンと共 に」の姉妹本で、主に患者からの様々な体験談と、 それに対する医師のコメントで構成されている。 シェーグレン症候群は主として中∼高年の女性に 発症し、涙腺と唾液腺組織へのリンパ球浸潤による 眼乾燥と口腔乾燥を主徴とする臓器特異的自己免疫 疾患である。一方、本疾患では障害臓器は涙腺と唾 液腺に留まらず、全身の諸臓器に障害が及び多彩な 徴候を呈する、全身性自己免疫疾患の一つという側 面もある。障害される臓器や症状が多彩であり、ま た個人差も大きいため、専門外の医師やコメディカ ルの理解が不十分で、一般的な認知度も高くない。 目と口のみの症状の場合は一見元気に見えるため、 端からはサボっているように思われていることも多 く、患者の苦しみはなかなか周囲に理解されていな い。シェーグレン症候群において、生命の危機に陥 る可能性は少ないものの、症状のために QOL(生活 の質)が低下していることが多く、日常生活の工夫 など他の患者の体験談を聞き、お互いに悩みを打ち 明け合うことは有用である。 当科では、以前より患者会「シェーグレンの会」 を通じて、患者間のコミュニュケーションの手助け をしてきたが、本書は他の患者の生の体験を聞き、 日常生活の工夫のヒントを得る貴重なテキストとな るであろう。 (血液免疫内科学 正木康史記) 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 55 《本学スタッフ新刊著書 & 研究領域紹介》 “IgG4-Related Disease: A Unique and Emerging Entity ” 血液免疫内科学准教授 正木 康史 A B A B A B A B A B A B A B A IgG4 関連疾患のこと、覚えとるか? おう、21 世紀に日本から広まったというあれな! おー覚えとったか、少しは大人になったな。 やかましいわ、ボケ! 免疫グロブリン IgG サブクラスの中の、普通は IgG4っちゅう最もネクラな 5% もおら ん奴が、血液と組織でぎょうさん増える新しい病気で、それが IgG4 関連疾患と呼ばれて注目されとるんやろ。 よくできました、パチパチパチ…。最初は自己免疫性膵炎っちゅう病気で見つかって、2001 年に信州大学の 浜野先生が New England Journal of Medicine(NEJM )に報告したんが始まりや。この病気は CT とかで膵 臓がドドーンと腫れるんで、膵臓がんと間違われて大きな手術をされることが多かったんやが、この病気の 場合は、ステロイド治療が劇的に効くんが分かって、診断さえつけばそんな大きな手術は受けんでもいい訳や。 せやけどな、あまりに最近有名になり過ぎたもんで、逆に膵臓がんの症例まで自己免疫性膵炎としてステロ イド治療されて、手術が手遅れになるっちゅう、本末転倒も報告されてきとる。 そらあかんなー。がんは見逃してほしくないわな。 だから日本人は慎重で、診断確定前にステロイド治療を試みることは推奨しないというスタンスの先生が多 い。ところが欧米の連中がな。 奴らがどーした? 奴らは当初、この病気は日本の田舎の病気で、欧米にはないと言い張っとったんや。ところが、しばらくす ると手のひら返したように、実はこの病気は元々自分たちが見とった病気だと突然言い始めてな、更に自分 たちで勝手に診断基準も作り始める始末や。 それはズルいな。 そう、そして日本のように ERCP(胆道膵管造影)などの手技的に大変な検査を殆どやらない欧米の連中は、 ステロイド治療反応性を診断基準に入れたがる訳や。 日本人とは脳みそが違うんやな。 欧米の連中との意見の擦り合わせで、日本の自己免疫性膵炎の研究者達は大分苦労してきたみたいやわ。 この病気は、いろんな臓器に出てくるんやろ。他の臓器病変ではどうなん? よくぞ訊いてくださいました。膵臓から始まった IgG4 関連疾患やが、日本中の研究者が厚生労働省の班研究 という形で、協力し合って研究を進めとる。関西医大の岡崎教授の班と、金沢医大の我らが梅原久範教授の 班の 2 つが活動しとる。2010 年 2 月にこの 2 班合同の主な面々が金沢に集まって、あちこちで勝手な病名がつ Current Immunology Reviews,Vol.7,No.2,May 2011 IgG4-Related Disease: A Unique and Emerging Entity Guest editors: Susumu Sugai, Shigeyuki Kawa, Yoh Zen Kawa S and Sugai S: History of autoimmune pancreatitis and Mikulicz's disease.pp.137-143. Masaki Y, Sugai S et al.: IgG4-related disease(IgG4+MOLPS )- Diagnostic criteria and diagnostic problems. pp.172-177. BENTHAM SCIENCE publishers LTD. A4 判、251 頁 Personal subcription, print only: $200.00 2011 年 5 月発行 ISSN: 1573-3955 http://www.benthamscience.com/cir/ 【図書館/管理・運営】 B A B A B A B A B A B A B A B A B A B A B A B A B A B A B A 金沢医科大学報 56 けられていて混乱していたこの病気の名前を『IgG4-related disease; IgG4 関連疾患』という最もシンプルな もので統一することが決まったんや。 ふーん、ほいで? 梅原班では、全身の IgG4 関連疾患全体の診断基準を決めたり、治療指針を決めたりするための、前方視的な 多施設共同研究をやっとるんや。更に…。 さらに! 岡崎班と梅原班のコアメンバーが集まって。 集まって、宴会か? 違うわアホ! んなら、集まって、合コンか? 違うわ、だけど昔はよくそんなことやっとたな。おっと、話が脱線しすぎや。集まって、全身の IgG4 関連疾 患全体の包括診断基準を決めて、ほぼまとまっとる。近いうちに、英文論文として公表される予定や。 日本は随分と進んでいるんやな? ところがどっこい、アメリカのジョン・ストーンというおっさんが登場してな。 ジョン・レノンとローリング・ストーンズの足して 2 で割ったみたいなおっさんやな? 何のこっちゃ! とにかく、このストーンてのはやり手らしくて、IgG4 の論文を出し始めたのは、実は結構 最近なんや。ただ、1 例報告で NEJM とか、4 例の報告で A&R とかに出しとる。我らが 64 例の報告でも、あ ちこち落とされまくったのに、奴らは自分とこの雑誌やと思うて、好きなことしとるわ。 で? このおっさんが言い出しっぺで、2011 年 10 月にボストンの MGH(マサチューセッツ総合病院)で IgG4 関連 疾患の初の国際学会が開催されることが決まったんや。その中で、診断基準の話やら、治療研究の話やら、 日本と同じようなこと言い出してるから、うかうかしとられんのやわ。 美味しいとこだけ、かっさらおうっちゅう感じやな? 日本からは多くの論文だけでなく、先に前田書店より刊行された『IgG4 関連疾患への誘い』という優れたテ キストがある。しかし、日本語では、欧米の奴らに相手にされないから、英語の良いテキストを早く出す必 要があったんや。 そいで? そいで、この本や。 ほう、Current Immunology Reviews か? 多くの日本人の専門家が執筆者になった、全身の IgG4 関連疾患の特集号や。中身は非常に濃いし、勉強にな る。ただな…。 ただ? 残念なことに図表の多くが、印刷版の雑誌では白黒なんや…。IgG4 関連疾患は病理像が非常に重要だから、 HE 染色にしろ IgG4 免疫染色にしろ白黒では分かりづらい。苦労して論文を書いたにもかかわらず、カラー 印刷だと出版社からバカ高い掲載料を要求されるから、結果的にこうなる。 ほんまやなー。これはイマイチやなー。 せやからな、ほんまに読みたい人は、Web で Online Journal として必要な分をダウンロードして見た方がよ ろし(http://www.benthamscience.com/cir/ )。カネかかるのが難点やな。さらにな。 更になんや? そろそろ腹へってきたわ。 もう少し付き合えーな、我慢の足らんやっちゃな。更にな、この Current Immunology Reviews は半年以上 前に原稿の校了も終わっていたにもかかわらず、出版が何故か先延ばしにされたんや。そうこうしているう ちに、ジョン・ストーンらが多く執筆している Current Opinioin in Rheumatology という IgG4 関連疾患の 特集号が先に刊行されてな、そこでは『これが世界で初めての IgG4 関連疾患についての本である』というよ うなことが書いてあるとかないとか…。 困ったもんやな、アメリカに負けとられんな。なでしこみたいに頑張らな! おー、ようやくわてらの実情を理解してきたな、そういうこっちゃ! じゃあ、このグチの続きは、飲みながらにしよか? そやな、おれも小腹減ってきたしな、行こか! 今日はおごったるわ。 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 57 管理・運営 学校法人金沢医科大学 理事長就任祝賀会並びに退任慰労会 平成 23 年 5 月 16 日(月)午後 6 時 30 分から、ホテル らの祝電が披露され、伊藤 博理事の発声で乾杯が行 日航金沢において、本年 4 月 1 日付けで理事長に就任 われた。伊藤理事からは、山下前理事長の業績と人柄 された竹越 襄新理事長の就任祝賀会および山下公一 が称えられ、また、竹越新理事長の強いリーダーシッ 前理事長の退任慰労会が開催され、本学の理事、評議 プへの期待が述べられた。 員をはじめ教職員 191 名が出席した。 はじめに、勝田省吾学長から開会の挨拶があり、こ れまで病院長、副理事長そして理事長を歴任され長き 賑やかな歓談ののち、お二人の今後のご活躍を祈念 した川上重彦病院長の閉会挨拶で盛会のうちに閉会と なった。 (総務課 坂田真一記) にわたり本学の発展のために尽力された山下前理事長 への感謝の言葉と、本学で病院長、学長、副理事長を 経て、今回理事長に就任された竹越新理事長への祝辞 の言葉が贈られた。 退任の挨拶で山下前理事長は、 「理事長職の遂行に あたっては、皆様のご支援ご協力に感謝し、おかげで 本学の使命であり存在意義である教育、医療、研究の 3 つ柱を持って社会に貢献できるよう、諸問題に取り 組むことができた」と述べられた。続いて竹越新理事 長から、 「いろいろと課題はあるが、まずは、多くの 卒業生が臨床研修医として母校に残るような魅力あふ れる大学を作り上げたく、卒業生が本学を盛り上げて いってもらいたい」との就任の挨拶があった。 花束贈呈のあと、本学顧問の森 喜朗衆議院議員か 竹越 襄理事長による就任の挨拶 をもとに、過去の評価実績、職種間バランスおよび部 平成 22 年度 人事評価 下からの評価などが多面的に審議され、その審議結果 は、理事長に答申され承認された。 この人事評価の結果に基づき、評価が特に良好であ 平成 22 年度人事評価が、教育職を除いた事務職、 技術職、看護職および技能職 1,018 名の職員を対象と して実施された。 評価の結果は、平成 23 年 6 月 22 日(水)開催の第 12 回人事評価委員会においてまとめられたうえ、理事長 に報告された。 また、第 77 回職員人事委員会において、評価結果 った職員 42 名に対し、夏季期末手当に奨励金を付加 して支給することとなった。 評価が不良であった職員 43 名については、職員人 事委員会が該当者個々につき検討し、もっとも適切と 思われる方法によって指導することになる。 所属長の皆様には、今後も人材の育成を念頭に、人 事評価をお願いいたします。 (人事課 石田豊司記) 【管理・運営】 金沢医科大学報 58 金沢医科大学の東日本大震災被災地支援の取り組み ② 4 月 21 日(木)∼ 23 日(土) 公立穴水総合病院チーム・診療活動/石川県医療支援の一環として宮城県石巻市へ 中橋 毅医師(能登北部地域医療研究所) 稲垣信吾医師(金沢医科大学臨床研修センター) 松宮由利子医師(東京大学医学部附属病院研修医) 看護師 2 名(公立穴水総合病院) 調整員 2 名(公立穴水総合病院) 〈50 頁に関連記事掲載〉 4 月 26 日(火)∼ 30 日(土) 災害支援ナース・医療救護/石川県看護協会要請により宮城県石巻市へ 石坂祐子看護師(集中治療センター) 看護師 1 名(他医療機関) 5 月 15 日(日)∼ 21 日(土) 石川県こころのケアチーム第 4 班・こころのケア/石川県(神経科精神科医会)要請 により宮城県石巻市へ 紋川明和医師(神経科精神科) 看護師 1 名(他医療機関) 精神保健福祉士 1 名(他医療機関) 県職員 1 名 6 月 3 日(金)∼ 7 日(火) 医療救護班第 5 班・医療救護/石川県健康福祉部要請により宮城県石巻市へ 小西一典医師(内分泌・代謝科) 石丸章宏看護師(クリニカル・シミュレーション・センター) 政氏藤玄薬剤師(薬剤部) 濱 大輔調整員(地域医療連携事務課ソーシャルワーカー) 6 月 21 日(火)∼ 25 日(土) 医療救護班第 6 班・医療救護/石川県健康福祉部要請により宮城県石巻市へ 青木洋文医師(循環器内科) 松田琴美看護師(新館 9FW 病棟看護師長) 角 佳亮薬剤師(薬剤部) 中村光宏調整員(情報管理課) 6 月 27 日(月)∼ 6 月 30 日(木)放射線調査業務/文部科学省・日本学術会議を中心とした学会・大学の要請によ り宮城県・福島県へ 石垣靖人准教授(総合医学研究所) 〈59 頁に関連記事掲載〉 7 月 4 日(月)∼ 9 日(土) 宮城県スクールカウンセラー第Ⅱ期・こころのケア/石川県健康福祉部要請により宮 城県石巻市へ 小野早知子臨床心理士(医療技術部心身機能回復技術部門) 7 月 9 日(土)∼ 15 日(金) 石川県こころのケアチーム第 24 班・こころのケア/宮城県教育庁要請により宮城県 石巻市へ 新谷由加里看護師(看護部) 精神保健福祉士 1 名(他医療機関から参加) 県職員 1 名 7 月 27 日(水)∼ 30 日(土) 医療救護班第 7 班・医療救護/石川県健康福祉部要請により宮城県石巻市へ 盛田英樹医師(救命救急科) 上野佳子看護師(看護部) 中川武史薬剤師(薬剤部) 加藤勝人調整員(人事課) 本学教職員からの義援金について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災を受け、本学では全教職員に義援金を募集、4,471,673 円の募 金が寄せられた。これに大学からの義援金を加えて総額 550 万円とし、卒業生で被災した 5 名の方々と本学 の地域医療支援と関係の深い岩手県釜石市へ、また北國新聞社を通じて一般被災者へそれぞれ見舞金として お届けした。 また、金沢医科大学氷見市民病院においても 100 万円の義援金が集まり、富山新聞社を通じて一般被災者 に届けられた。 (総務課) 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 福島・宮城における放射線調査に 総合医学研究所から参加 共同利用センター准教授 石垣 靖人 59 本学総合医学研究所からも放射線取扱主任である石 垣靖人准教授らが参加し、6 月 27 日(月)∼ 30 日(木) にかけて、調査業務に従事してきました。参加者の顔 ぶれは、原子核物理、放射化学、アイソトープ管理、 原子力研究所などの専門家集団で、住民の方々の健康 影響を最優先し、何とかこの困難を収めることに少し でも役に立ちたいとの思いの方々がほとんどでした。 本年 3 月に発生した東日本大震災は、地震と津波に 特に、このプロジェクトを立ち上げ、膨大な数の機材 よる甚大な被害とともに、原子力発電所から放出され を用意し、すべての運用をお世話した本部(あだたら た放射性物質による汚染が深刻な問題となりました。 ふれあいセンター)の方々には心から敬意を表したい このため、住民の方々の安全管理のためにも、精密な と思います。 放射線量の調査と対策が緊急の課題となりました。こ 今回の測定結果は近日中に文部科学省から発表され の事態に対応するために、6 月に文部科学省、日本学 る予定ですが、今後とも継続した調査が必要になると 術会議を中心として、幾つかの学会・大学が協力して、 考えられます。また、非常に切迫したスケジュールに 福島第一原子力発電所の周辺地域の土壌および空間線 対応してくれた研究推進課の皆様と、いろいろと便宜 量調査が行われ、いわゆるホットスポットが探索され をはかってくださった総合医学研究所の竹上 勉所長、 ました。狭い範囲での放射線を見落とさないために福 中川秀昭教授に感謝いたします。調査のために訪れた 島県全域および宮城県内の一部を 2 キロメートルまた 福島や宮城は人も自然も優しげでありました。被災さ は 5 キロメートル四方で区切り、各区画で少なくとも れた方々にお見舞い申し上げるとともに一日も早い復 1ヵ所について調査を行い、約 1400 カ所で測定が行わ 興をお祈り申し上げます。 れました。 《本学スタッフ新刊著書》 古江増隆 総編集、望月 隆 専門編集 診る・わかる・治す 皮膚科臨床アセット 4 皮膚真菌症を究める 中山書店 B5 判、272 頁 定価(本体 12,500 円+税) 2011 年 3 月 22 日発行 ISBN978-4-521-73341-8 分担執筆: 望月 隆(Ⅰ総論 1. 皮膚真菌症とは:7-10 頁、Ⅲ浅在性 皮膚真菌症 24. 頭部白癬の治療:112-114 頁、Ⅳ深在 性皮膚真菌症 45. スポロトリコーシスの症状と診断: 190-192 頁) 安澤数史(Ⅱ真菌検査法・治療法 9. 真菌の同定法:40-43 頁、13. 浅在性皮膚真菌症を起こす真菌:58-61 頁) 吉村理枝子(Ⅱ真菌検査法・治療法 10. 真菌の分子同定 法の原理と適応 44-49 頁) 阿部真也(Ⅲ浅在性皮膚真菌症 20. 足・手白癬の症状と 診断:100-102 頁) 河﨑昌子(Ⅳ深在性皮膚真菌症 44. スポロトリコーシス の分子診断法:187-189 頁) 牛上 敢(Ⅳ深在性皮膚真菌症 45. スポロトリコーシスの 症状と診断:190-192 頁) 本書は最近の皮膚真菌学の進歩をもとに医療水準 を見直し、標準的と思われる知識を網羅し、かつ最 新の知見についても解説するスペースを取った。そ のため新人からエキスパートまで、それぞれの興味 に適う使い方が、開いたページから可能となろう。 執筆は本学皮膚科学部門からは河﨑准教授、阿部講 師、安澤助教、吉村医員、牛上医員が、また教室の 同窓会会員では清 佳浩帝京大学教授、田邉 洋京都 大学臨床教授が担当し、いわば部門をあげて取り組 んだ努力の結晶と考えている。 (皮膚科学 望月 隆記) 【管理・運営】 金沢医科大学報 学校法人 金沢医科大学 平成 22 年度決算 60 し、診療単価が前年比 1.7%の増加となったこと などにより、前年比 1 億 3 千 9 百万円増の 46 億 1 千 9 百万円となりました。 なお、医療収入の帰属収入に占める割合は71.1% (前年度70.0%)となりました。 【主な費用】 学校法人金沢医科大学の平成 22 年度決算が、5 月 30 (1 )人件費 日(月)開催の第 214 回理事会及び第 113 回評議員会に 人件費総額は、前年比 2 億 1 千 7 百万円増となる おいて承認されました。その概要及び収支等の状況は 121 億 5 千万円となりました。うち、教員人件費 次のとおりです。 は、前年比 2 千 6 百万円増の 36 億 8 千 8 百万円、職 員人件費は平成 22 年度問題対応のための看護師確 1.概要 保等により、前年比 1 億 3 千 1 百万円増の 76 億 3 千 私学を取り巻く厳しい経営環境が続く中、平成 22 1 百万円、役員報酬はほぼ前年同額の 8 千 8 百万円、 年度は、グランドデザイン事業(大学施設再整備計画) 退職給与引当金繰入額及び退職金は、前年比 6 千 2 の最初の事業として新アナトミーセンターを建設いた 百万円増の 7 億 4 千 3 百万円となりました。退職金 しました。同時に、グランドデザイン事業に備える が増えたのは、定年間近の任意退職者や任期満了 ための資金確保についても予定額の積立てを行いまし による役員の退職金があったためです。 た。また、受験生の確保や医師国家試験の合格者数及 び合格率の向上につながる教育、研究事業を実施し、 病院部門では、看護師不足対策や就業環境改善を行い ました。 なお、人件費の帰属収入に占める割合は 47.3% (前年度 47.7%)となりました。 (2 )教育研究経費 前年比 5 百万円増の 16 億円となり、引き続き教 育研究の充実を図りました。 2.消費収支計算書の状況 【主な収入】 (1 )学生生徒等納付金 看護学部生の増加等により、前年比 1 億 6 千 1 百万円増の 49 億 6 千 4 百万円となりました。学生 数は、医学部生 672 名、大学院生 72 名、看護学部 生 256 名の合計 1,000 名です。 (2 )寄付金 寄付金総額は、前年比 7 千 2 百万円増の 6 億 3 千 1 百万円となりました。 (3 )補助金 補助金総額は、前年比 3 億 1 百万円減の 11 億 4 千 8 百万円となりました。 うち、私立大学等経常費補助金は 9 億 4 千 6 百万 円、文部科学省研究装置設備補助金は 4 千 1 百万 円となりました。また、NICU 整備事業に係る補 助金は約 3 千 8 百万円でした。 (4 )医療収入 ここには、新アナトミーセンターの消耗備品費 やクラブハウスの改修撤去費、橘会館の解体費用 及び病院本館 5 階の学生自習室移転経費などが含 まれています。 (3 )医療経費 前年比 5 千 4 百万円減の 84 億 6 千 2 百万円となり ました。医療収入の大幅増収に対して、薬品費が 4 千万円の減、医療材料費が 3 千 6 百万円の減とな りました。これは、薬価が 5.8%下落したことに 加え、院外処方率のアップやジェネリック薬の採 用など薬品材料費のコストダウンに努力したこと が要因となっています。 なお、医療経費の医療収入に占める割合は46.3% (前年度48.7%) 、また、帰属収入に占める割合は 33.0%(同 34.0%)となりました。 (4 )減価償却額及び処分差額等 減価償却額及び資産処分差額の合計額は、前年 比 6 千 3 百万円増の 27 億 6 百万円となりました。 医療収入総額は、前年比 7 億 7 千 1 百万円増の 182 億 7 千 1 百万円となりました。 入院収入は、病床利用率が 83.9%と前年比 0.1 この結果、帰属収入の部合計 256 億 8 千 1 百万円か ら、消費支出の部の合計(有価証券評価差額を除く) ポイント減少しましたが、診療単価が前年比 4.9% 253 億 9 千 8 百万円を差引いた収支差額は、前年比 4 億 の増加となったことなどにより、前年比 6 億 3 千 2 4 千 7 百万円増となる 2 億 8 千 3 百万円の収入超過とな 百万円増の 136 億 5 千 2 百万円となりました。 りました。 一方、外来収入は、外来延患者数が 1.6%増加 なお、平成 20 年 9 月のリーマンショック以来、世 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 ᶖ 61 ⾌ ᡰ ⸘ ▚ ᦠ 㧔⥄㧕ᐔᚑ 22 ᐕ 4 1 ᣣ 㧔⥋㧕ᐔᚑ 23 ᐕ 3 31 ᣣ 㧔න㧦⊖ਁ㧕 ᶖ ⑼ ⾌ ߩ ㇱ ⋡ ㊄ 㗵 4,964 ቇ↢↢ᓤ╬⚊ઃ㊄ ᚻᢙᢱ 159 ነઃ㊄ 631 ഥ㊄ 1,148 ⾗↥ㆇ↪ 150 ᬺ 258 ක≮ 18,271 100 㔀 Ꮻዻว⸘ ၮᧄ㊄⚵㗵 ᶖ⾌ߩㇱว⸘ ᶖ ೨ᐕᲧ ⑼ ⾌ ᡰ ߩ ㇱ ⋡ ㊄ 㗵 ೨ᐕᲧ 161 ੱઙ⾌ 20 ᢎ⢒⎇ⓥ⚻⾌ 12,150 217 1,600 72 ක≮⚻⾌ ٕ 301 ▤ℂ⚻⾌ ٕ 69 ୫㊄╬ᕷ 8,462 5 ٕ 54 479 ٕ 11 1 ٕ 1 2,706 63 219 26 ᷫଔఘළ㗵߮ 771 ⾗↥ಣಽᏅ㗵╬ ٕ 14 25,681 666 ᶖ⾌ᡰߩㇱว⸘ 25,398 㧔ᡰᏅ㗵㧕 ( 283) ٌ 839 272 ଔ⸽⹏ଔᏅ㗵 1,393 1,133 24,842 938 ᶖ⾌ᡰᏅ㗵 ٕ 1,949 ٕ 414 ( 447) 㧔ᵈ㧕ٌߪ⸘▚ᦠᑼߩࡑࠗ࠽ࠬ␜ߪٕޔᲧセߩࡑࠗ࠽ࠬࠍ␜㧔એਅหߓ㧕 ޕ ೨ᐕᲧߪᐔᚑ 21 ᐕᐲ▚ߣߩᲧセߢߔޕ 界経済、金融機関等の混乱が続いていますが、本年度 円、3 次元画像システム 4 千 9 百万円、X線CT撮 はさらに円高が進み、有価証券評価差額は 13 億 9 千 3 影装置 4 千 8 百万円、循環器超音波診断装置 3 千 9 百万円となりました。 百万円(うち、補助金交付額 1 千 9 百万円) 、薬剤 管理システム 3 千 3 百万円ほかで、合計 7 億 3 千 4 3.資金収支計算書の状況 【主な資金収入・支出】 ※消費収支計算書で説明した項目については割愛させ ていただきます。 (1 )借入金等収入 期中の運転資金として銀行から 10 億円を借入れ しました。 百万円を支出しました。 (4 )資産運用支出 グランドデザイン事業に対する財源を確保する ため施設拡充引当特定資産に 7 億円を計画どおり 積立てました。 また、金沢医科大学氷見市民病院への元入金と して 4 千 1 百万円を繰り入れました。 また、教育振興資金(学校債)を募集し、4 億 4 百万円の資金調達を行いました。 (2 )借入金等返済支出 期中に借入れた短期借入金10億円を返済しました。 以上の資金収支計算の結果、平成 22 年度の次年度 繰越支払資金(手持運転資金)は前年比 9 千 5 百万円増 となる 42 億 2 千 3 百万円となりました。 また、学校債の定期償還及び繰上償還等で、4 億 8 千 2 百万円の償還を実施しました。 (3 )施設・設備関係支出 施設関係では、新アナトミーセンター建設工事 に 4 億 3 千 2 百万円、特別高圧 2 回線化受電工事に 2 億 1 百万円、クラブハウス改修工事に 4 千 3 百万 円ほかで、合計 8 億 5 千 3 百万円を支出しました。 設備関係では、乳房用X線撮影装置 7 千 7 百万 4.貸借対照表の状況 【主な増減】 (1 )資産の部 資産総額は、前年比 13 億 4 千 5 百万円減の 538 億 1 千 3 百万円となりました。 これは、建物ほかの減価償却、減価償却引当特 定資産の評価換えによるものです。 【管理・運営】 金沢医科大学報 ⾗ 62 ㊄ ᡰ ⸘ ▚ ᦠ 㧔⥄㧕ᐔᚑ 22 ᐕ 4 1 ᣣ 㧔⥋㧕ᐔᚑ 23 ᐕ 3 31 ᣣ 㧔න㧦⊖ਁ㧕 ⑼ ߩ ㇱ ⋡ ㊄ 㗵 4,964 ቇ↢↢ᓤ╬⚊ઃ㊄ ᚻᢙᢱ 159 ነઃ㊄ 618 ഥ㊄ 1,148 150 ⾗↥ㆇ↪ ᬺ 258 ක≮ 18,271 100 㔀 ୫㊄╬ 1,404 ೨ฃ㊄ 3,104 ߘߩઁߩ ⾗㊄⺞ᢛൊቯ 3,557 ٌ 6,875 ೨ᐕᐲ➅ᡰᛄ⾗㊄ ߩㇱว⸘ 4,128 30,986 ᡰ ೨ᐕᲧ ⑼ ߩ ㇱ ⋡ 161 ੱઙ⾌ᡰ 20 ᢎ⢒⎇ⓥ⚻⾌ᡰ 65 ක≮⚻⾌ᡰ ٕ 301 ▤ℂ⚻⾌ᡰ ٕ 69 ୫㊄╬ᕷᡰ 26 ୫㊄╬ᷣᡰ ㊄ 㗵 355 1,601 8,455 6 ٕ 29 479 ٕ 11 1 ٕ 1 1,482 ٕ 79 771 ᣉ⸳㑐ଥᡰ ٕ 14 ⸳㑐ଥᡰ 54 ⾗↥ㆇ↪ᡰ ٕ 387 ߘߩઁߩᡰ ೨ᐕᲧ 12,194 853 316 734 ٕ 98 741 ٕ 514 2,899 ٕ 31 ٌ 2,676 ٕ 252 ٕ 476 35 ⾗㊄ᡰ⺞ᢛൊቯ ٕ 128 ᰴᐕᐲ➅ᡰᛄ⾗㊄ ٕ 243 ᡰߩㇱว⸘ 4,223 95 30,986 ٕ 243 㧔ᵈ㧕ٌߪ⸘▚ᦠᑼߩࡑࠗ࠽ࠬ␜ߪٕޔᲧセߩࡑࠗ࠽ࠬࠍ␜㧔એਅหߓ㧕ޕ ೨ᐕᲧߪᐔᚑ 21 ᐕᐲ▚ߣߩᲧセߢߔޕ 収益事業元入金については、金沢医科大学氷見 市民病院の運転資金として新たに 4 千 1 百万円を繰 り入れました。 長期貸付金は医学部生、看護学部生及び臨床研 修医への奨学貸付金で、4 億 6 千 4 百万円となりま りました。 (3 )正味財産は、前年比 11 億 1 千万円減の 362 億 4 千 5 百万円となりました。この結果、資産総額に対 する正味財産の割合は 67.4%となり、前年度より 0.3 ポイント減少しました。 した。 退職給与引当特定資産は、前年同額の 61 億 3 千 なお、情報公開の一環として、平成 22 年度財務関 8 百万円で、これは、退職給与引当金期末残高の 係書類(財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報 81.1%に相当します。 告書及び監査報告書)を本学のホームページ上に掲載 減価償却引当特定資産は、仕組債の評価換えに より前年比 13 億 9 千 3 百万円減の 30 億 9 千 6 百万円 しています。 (http://www.kanazawa-med.ac.jp「事業 報告及び決算について」) となりました。 施設拡充引当特定資産は、7 億円をグランドデ ザイン事業に積立てました。 流動資産のうち、現金預金は 9 千 5 百万円増の 42 億 2 千 3 百万円となりました。 (2 )負債の部 負債総額は、前年比 2 億 3 千 5 百万円減の 175 億 6 千 8 百万円となりました。 退職給与引当金は、取崩しと繰入れを行った結 果、前年比 4 千 7 百万円減の 75 億 6 千 6 百万円とな 5.金沢医科大学氷見市民病院の状況 (1 )損益計算書 医業収益 42 億 5 百万円に対し医業費用が 45 億 8 百万円で、差引医業収益は 3 億 3 百万円の支出超過 となり、医業外収益 3 億 6 千 5 百万円を含めた当期 経常利益は 6 千 2 百万円の収入超過となりました。 医業収益のうち、入院収益は 25 億 1 千 3 百万円、 外来収益は 16 億 8 千 3 百万円となりました。 医業費用のうち、医薬品費や医療材料費等の 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 ⾉ ୫ ኻ ᾖ 63 ᐔᚑ 23 ᐕ 3 31 ᣣ 㧔න㧦⊖ਁ㧕 ⾗ ⑼ ↥ ߩ ㇱ ⋡ ࿕ቯ⾗↥ ⽶ ㊄ 㗵 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百万円となりました。 流動負債は 4 億 2 千 4 百万円となりました。 うち、未払金は 2 億 5 千 9 百万円、預り金は 3 千 9 百万円、賞与引当金は 1 億 2 千 6 百万円となりま した。 固定負債は退職給付引当金で、7 千 5 百万円とな りました。 純資産のうち大学会計からの収益事業元入金は 6 億 7 千 9 百万円となりました。 (経理管財部 大野木辰也記) 【管理・運営】 金沢医科大学報 64 金沢医科大学氷見市民病院 損益計算書 (自)平成 22 年 4 月 1 日 (至)平成 23 年 3 月 31 日 《損益計算書》 (単位:百万円) 科 目 科 目 決算額 医業収益 決算額 4,205 医業費用 4,508 入院収益 2,513 材料費 1,333 外来収益 1,683 給与費 2,381 2 委託費 434 7 設備関係費 受託事業収益 施設設備利用収益 経費 75 205 指定管理者負担金 医 業 利 益 医業外収益 80 △ 303 365 医業外費用 寄付金収益 8 補助金収益 354 雑益 3 0 経 常 利 益 62 金沢医科大学氷見市民病院 貸借対照表 平成 23 年 3 月 31 日現在 《貸借対照表》 科 目 流動資産 現金及び預金 未収入金 徴収不能引当金 貯蔵品 その他 固定資産 工具器具備品 (単位:百万円) 科 目 決算額 424 7 未払金 259 1,021 預り金 △6 賞与引当金 39 126 その他 0 8 固定負債 75 63 44 退職給付引当金 44 負債の部合計 純資産 元入金 利益剰余金 純資産の部合計 資 産 の 部 合 計 決算額 1,093 流動負債 1,137 負 債・純 資 産 合 計 75 499 638 679 △ 41 638 1,137 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 65 第 2 回 内灘ロマンチックウォーク −医師と看護師と共に歩くユニークなウォーキング、500 人が参加して開催ー 主催:内灘町、内灘町ウォーキング協会、金沢医科大学 日時:平成 23 年 5 月 22 日(日)午前 9 時 30 分 第 2 回内灘ロマンチックウォークが、内灘町・内灘 を目指してほしい」と激励した。午前 10 時、参加者は 町ウォーキング協会・金沢医科大学の主催で平成 23 12 キロの「まるごと内灘コース」、8 キロの「内灘眺望 年 5 月 22 日(日)に開催された。今年度は 3 月の大震災 コース」、4 キロの「ファミリー歩育コース」に分かれ、 後の催しとなり、開催の是非が検討された結果、長期 順次スタートした。今年度は、ウォーキング協会から 間の震災支援を続けていくためにも支援者が健康であ の要望もあり、ゴール前の数百メートルは医科大のキ らねばならないとの中村 進内灘町ウォーキング協会 ャンパス内を歩くことにした。 会長の強い意志を受けて開催および当日の義援金募集 が決定された。 当日は、昨年と同様悪天候にもかかわらず約 500 人 が、アカシアとハマナスの咲き誇る内灘の魅力を満喫 しながら歩いた。 本学と内灘町は、平成 18 年 10 月に包括連携協力に 勝田省吾学長、八十出町長も学生とともに 8 キロコ ースに参加した。本学医療関係者は白いビブスを着用 して、参加者と健康談議などを通じて交流を深めなが らのウォーキングとなった。 ウォーキングと共に企画された「ふれあい健康フェ ア」の本学担当部分である『金沢医科大学健康づくり 関する協定を締結しており、 「健康な町づくり」を目指 ブース』が、内灘町庁舎 1 階町民ホールに開設された。 して様々な事業を展開している。当事業もその一環の 今年度は「糖尿病の予防」をテーマに、生活習慣病セ 行事である。 ンター長の松井 忍教授の指導のもと DVD コーナーや この催しは「医師・看護師とみんなで歩こう」との 健康ステージを設け、運動指導と栄養指導とのセット サブタイトルがついており、全国的にも珍しい主旨の で 1 回約 40 分間のステージを 3 回開催し好評であった。 ウォーキングで、医科大のある内灘ならではの企画で その他、健診コーナー・医療相談・禁煙相談・栄養相 ある。西尾眞友教授が運営委員長を務め、医師、看護師、 談コ―ナーが設けられた。内灘町からも、糖尿病予防 教職員、学生約 70 名がスタッフとして協力した。さら の説明パネルの展示や、本学と提携して実施している に約 70 名が本学からの一般参加者としてウォーキング 「ライフ・ケア・オン・デマンド事業」の紹介が行わ を楽しんだ。 内灘町庁舎前で行われた開会式では、八十出泰成内 灘町町長の挨拶に続き、大会名誉顧問の竹越 襄理事長 れ、終日来訪者があり好評であった。 参加者に大きな怪我やトラブルもなく、無事終える ことができた。 (大会運営委員長 西尾眞友記) が、 「歩くことは健康の基本。元気に歩き、無事ゴール ウォーキングを楽しむ勝田学長(左)と八十出内灘町町長(中央) ふれあい健康フェアでの金沢医科大学健康づくりブースにて 【管理・運営/随想・報告】 金沢医科大学報 66 互 助 会 第 21 回 互助会 ゴルフ大会 恒例の互助会ゴルフ大会が、6 月 1 日(水)の開学 記念日に、能登カントリークラブにおいて、会員 32 名、学生 29 名の合計 61 名が参加して開催された。 互助会員の成績は次のとおり。 午前 8 時 20 分から、松本忠美副理事長の挨拶が あり、始球式のあと日本海コース 9H とはまなすコ 〈ネットの部〉 優 勝 ース 9H の計 18H で熱戦が繰り広げられた。 石田 豊司(総務部人事部門) 69.8 当日は小雨が降っておりプレイへの影響が心配 準優勝 殿田伸一郎(医療技術部診療放射線技術部門) 71.6 されたが、ラウンド中に大きく崩れることはなく、 第3位 八木 祥晴(医療技術部診療放射線技術部門) 72.0 終始和やかな雰囲気の中、会員・学生とも普段の 〈グロスの部〉 実力を十分に発揮し、充実した大会となった。 また、学生と教職員との親睦も図られた有意義 な一日となった。 (労務厚生課 坂尾光一記) 優 勝 殿田伸一郎(医療技術部診療放射線技術部門) 86 準優勝 宮村 順二(医療技術部診療放射線技術部門) 88 第3位 中橋 毅(能登北部地域医療研究所(総合医療学)) 88 《本学スタッフ新刊著書》 神田享勉 編集 地域医療学 若者のためのテキストブック 神田享勉、木越俊和、木村晴夫、 斎藤人志、髙島茂樹、竹越 襄、 利波久雄 分担執筆 金沢医科大学出版局 A4 判、69 頁 定価(本体 1,200 円+税) 2011 年 6 月 1 日発行 ISBN978-4-906394-40-1 地域医療を取り巻く情勢はいまだ厳しい。全国的 な勤務医の偏在、新臨床研修制度により、若い医師 が都会の病院へ行き、地域の病院では医師が慢性的 な不足状態にある。地域で働く医師を育成するには、 地域での早期体験実習や地域出身の学生を増やすこ となどが有効とされる。地域医療を経験した医学生 や医師は、臨床における自信度が高まるという。若 者が地域医療に早期から携わるためには、教科書が 必要と痛感した。 日本で地域医療学に関する教科書は意外と少な い。もともと全国の医学部では地域医療学を専門と する講座がなかったためでもある。本書は、医学生 を主な対象に地域医療で必要な知識をまとめてい る。地域医療を支えてくれる後輩たちに読んでもら いたい。 (地域医療学 神田享勉記) 金沢医科大学報 第 147 号/2011.8 67 随想・報告 随 想 武漢訪問記 −目覚ましいのはビルだけではない− 70&.086FLHQWLILF-RLQW0HHWLQJ 生理学Ⅰ教授 加藤 伸郎 中国旅行は 3 度目となる。初回は春爛漫の蘇州 で、梅か桃かの花の下、水鳥の運河を行くのを 眺めた。2 度目は中秋の北京にて、天壇公園で意 外な静粛を味わった。今回、夏の華中科技大学 同済医学院訪問では、空港を出た瞬間に武漢の 暑さは格別と思い知った。湿った空気の抵抗で、 歩く足取りも重い。日本語科の黄 肇栄教授の案 内で、迎えの車へ避難する。その夜、長江のほ とりでは、夕涼みに興じる人々の群れが喋り踊 る。フェーン現象下の内灘よりも暑い。はるか 対岸をながめ、火だるまとなった船団が敵陣へ 突入する「赤壁の戦い」の場面を思う。此岸では、 基礎医学院の重点実験室を見学 租界地の名残が保存建築とされている。 拡大化する路線が、先方から非公式に提示された。馮 1 日目の夕刻には医学院内のレストランで、元同済 院長主催の昼食会では、白酒の代わりに赤ワイン「長 医学院長・黄 光英教授主催のレセプションが開かれ 城」がでた。天津で醸造されたカベルネ・ソーヴィニ る。昨年も含めてここ数年の間に本学を訪問された同 ョンで、赤錆系の色調に驚いた。香りに尖りなく、さ 済の先生方と歓談した。早速、地元の白酒「白雲辺」 ながら薄味で炊き込んだ椎茸とイチゴジャムのごとく で洗礼を受けた。至るところ解体・建設工事中の中国 匂い、色調にふさわしい年代を感ずる。滑らかな舌触 にあって同済医学院も例外ではない。本学アナトミー りを愛でつつ、大学や医学院の予算規模と研究費獲得 センターを思わせる外観の新病棟が準備中の横で、本 が話題となり、中国で同済の占める高序列を思い知っ 学職員宿舎よりもはるかに老朽化した建物群が、ある た。午後は、基礎医学院の王 建枝教授と陳 建国教授 いは解体を待ち、あるいはまだまだ生き延びるように の研究室を見学した。設備の新鋭さは、2 台設置され 見えた。その後、ホテルの亜州大酒店に、森本茂人先 ていた 2 光子レーザー顕微鏡に集約的に表れている。 生と私の研究室にて短期研究員だった元留学生の面々 同じ建物にはルイジアナ大学と併任の教授もいる。超 が訪ねてくれた。武漢の暑さを誇らしく語ってくれた。 過密の院生オフィスも見た。セミナーのトークも素晴 留学生の子供たちは、残念ながら早くも日本語を忘れ らしかった。ここには質量両面での研究席巻の萌芽が たようだ。 あり、震撼した。夜はキャンパス内のレストラン周辺 2 日目午前中に合同セミナーが開かれる。馮 友梅 院長の挨拶に始まり、中国側が「還元剤による学習老 で、800 万人の大都会らしい学生の活気に触れ、武漢 滞在を終えた。 化改善」 「アルツハイマー病診断マーカーの探究」と 2 翌日、黄教授引率で桂林周辺へ行く。道中、黄教授 題の基礎研究を話し、我らは森本先生が「日本の高齢 から「西施・王昭君・楊貴妃・貂嬋の 4 人がカウント 医学臨床:現況と東北大震災への緊急対応」を、私が され虞美人は外れる」とか、 「紅楼夢の人物類型を日常 「経頭蓋磁気刺激によるアルツハイマー病治療めざす 使う」とか中国理解のヒントを得た。値切りの言葉「便 基礎研究」を話し、山下公一理事が締めの言葉を述べ 宜一点」も教わった。最後に、基礎研究で気を抜けば た。学生と若手研究者から多数の質問があった。武漢 すぐに追い越されるという危機感が、今回最大の収穫 の基礎医学者や近隣の医学会も含めてこのセミナーを 物だったと思う。 〈22 頁に関連記事掲載〉 【随想・報告】 金沢医科大学報 68 随 想 華中科技大学同済医学院訪問記 70&.086FLHQWLILF-RLQW0HHWLQJ 高齢医学教授 森本 茂人 は武漢で勃発した。古くは三国時代、孫権・劉備連合 26 年間の友好の歴史は金沢医科大学の宝物 平成 23 年 7 月 3 日より 3 日間、本校の姉妹校である 軍が曹操軍を破った赤壁の戦い(208 年)は、武漢から 華中科技大学同済医学院を訪問した。関西国際空港か 南西 100 km 程の長江のほとり、現在の赤壁市で起っ ら 2 時間半の上海で乗り継いで、さらに 1 時間半の武 た。折戟䗻沙鐵未銷 自將磨洗認前朝 東風不與周郎便 漢市にある。丁重な出迎えを受けた。到着の日には、 銅雀春深鎖二喬[折れた戟(矛)は砂に沈めども鉄未だ 中東や旧ソ連の構成国からの留学生が多数居住する留 朽ちず、自ら手に持ち研磨すれば前代王朝のものと認 学生宿舎の 2 階の大学食堂の一室で、華中科技大学前 める。東風が周郎(孫権軍の最高司令官周瑜)に(魏の 副学長が主催する歓迎会が催された。金沢医科大学と 船団を焼き尽くすという)便益を与えなければ、銅雀 同済医学院には 26 年間の友好の歴史があり、その間 台(曹操の本陣)の春深く喬二姉妹(小喬は周瑜の妻) 60 名もの医師が留学生として来日し金沢医科大学で は鎖(とざ)されていたであろう]。唐の詩人、杜牧の 学位を得、いまやその人達が同済医学院の各部署の指 詩である。喰うか喰われるか、王朝の存亡をかけて志 導者として活躍していることが語られた。翌日のシン 高く長江のほとりを駆け巡った古代人の心は、今もこ ポジウムは基礎医学棟の 2 階で 200 名もの若い研究者 の地の人に宿っている。 が集まり発表が行われた。Native speaker の如く流 辛苦了(シンクラー) 暢な英語が飛び交う。世界的にも一流の雑誌に多数の 辛苦は艱難辛苦の辛苦、了は過去形を表し、お疲れ 業績を持つ若い研究者二人からアルツハイマー病に関 さまという意味になる。同済医学院の多くの留学生が する研究の発表が行われた。午後からは基礎医学棟の 出迎えてくれた。1 年前まで金沢医科大学で私共の教 内部も案内されたが、高額の実験機器が惜しげもなく 室で研究をし、多くの英文論文の業績を上げた留学生 並び、多くの若い医師らが熱心に研究していた。華中 の一人は、今は同済医学院の部門長として一日中診療 科技大学は中国でも 8 位にランクされる理工系総合大 に当たっているのだという。3 月に博士課程を修了し 学で、同済医学院は医学部としては 3 位に位置付けら た他の留学生は香港の近くの病院から 1,300 km の距 れ、大学全体が国策としての発展校に指定されている。 離を電車で乗り継いで駆け付けてくれた。欧米と見紛 中国全土で 100 の実力ある教室に重点的に予算配分を う高速道路や都市群。上海空港には市内からリニア 行い、1,000 人の科学技術の指導者を養成し、10,000 モーターカーが疾走する。走り続ける沸騰社会、お 人の科学技術者を育成するのがその政策という。同済 疲れさま、私たちの職場と同じ言葉が語られていた。 医学院の病院の内部も案内されたが、ビル全体が外来 〈22 頁に関連記事掲載〉 という外来棟は 1 日 1 万人の患者で溢れかえり、 受付はまるで新宿の雑踏のような賑いで、電光 掲示板に掲載された多くの担当医師が満と表示 され、有名な教授はすぐに予約が埋まる。2,000 床の外科入院棟が完成間近で、この秋口からは 入院事情が多少緩和されるのだという。 赤壁の戦い 武漢市は長江(揚子江)中流部最大の重工業都 市で、人口は現在 900 万人を超え、街の至る所で ビルが建設されていた。夕刻になると長江のほ とりは大勢の若い人で溢れ、リズム体操を踊り だす。若い人たちの娯楽なのだという。古来よ り交通の要衝で、幾多の王朝や政府がこの地を 駆け付けてくれた留学生たちと。 巡って戦いを繰り広げた。孫文による辛亥革命 前列左から、筆者、古本課長、加藤教授 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 69 報 告 東日本大震災と私(1) 植田 俊郎 (昭和 55 年卒) 〒 028-1121 岩手県上閉伊郡大槌町小鎚 28-154-2 被災後2ヶ月を経過した5月11日午後2時46分、地震 の大槌の医療体制は県立大槌病院、5名の開業医、調剤 発生時刻に合わせ、やっと回復した防災サイレンが鳴 薬局はすべて被災し診療投薬不能であった。また近隣 った。救護所のある大槌町寺野弓道場の避難所で起立 の医療体制についても全く情報が入らず、まさに大槌 し手を合わせ黙祷した。思わず眼が潤んだ。 プロローグ 平成23年3月11日(金) 、地震後に発生した巨大津波 は我が町を駆け上るように襲い、市街地のほぼ全域が 瓦礫の町と化した。私が当日午後の診療中に体験した 地震は、これまでに体験したことがない揺れであり、 長く続く揺れであった。町が騒然としている中、医院 近くでおばあちゃんが倒れているという報が入った。 私は連絡してきた女性の車に同乗し、スタッフも器材 を抱え小走りで現場に駆けつけてくれた。幸い症状は 軽く、同じ女性の車で避難所への搬送を託し、徒歩で 医院に戻ることにした。途中避難を躊躇するご近所の ①土煙とともに襲来する巨大津波第1波。写真③は一夜明けての 惨状。 老女を、避難する車を止めて乗せたりして医院玄関前 に帰ってきた。そのとき医院の周りを点検していた妻 が「水が見える」と言うのである。 「まさか津波なんて」 と思いながら隣の農協職員、社会福祉協議会職員と共 に階段を登った。そして、途中、自宅4階の窓から見た 景色は、白い空間が広がっているばかりで何が起きて いるか分からなかった。しかし危険を感じ屋上まで達 したときに見た周囲の状況は、まさに忽然と海の中に 立っている我が医院であった。黒い波が渦を巻き、瓦礫、 家が沖へ流れていく光景は悪夢のようであった。そし て第2波と思われる黒い帯状の波が押し寄せてきた時 に母がつぶやいた。 「私達だめかもしれない・・・」 。幸 ②何もかも黒い濁流の中に(屋上から) いにして津波は屋上まで達することはなかった。4階も 無事だったのでここで一夜を過ごし、翌日の3月12日 自衛隊のヘリコプターに救出され、この避難所に降り 立ったのだった。 すぐに私の医療活動が始まった。医療行為というよ りは、患者さんの状態に合わせて搬送先を決めるのが 初動であった。私自身も同日夕方には2名の血液透析患 者に付き添い、ヘリコプターで青森三沢に搬送。三沢 市立病院を経て、八戸日赤病院に無事収容することが できた。同病院のご厚意で当直室に泊めていただき翌 13日早朝タクシーで大槌に帰ったのだが、この時点で ③一夜明けて。①と比較すると被害の大きさがわかる。 【随想・報告】 金沢医科大学報 70 は孤立した状態にあった。そして私はこの後約2ヶ月半 にわたる救護所での医療活動と避難所生活を送ること になるのである。 〈記 録〉 3月11日(金) : 被災当日 4階屋上からの惨状を目の前にし、皆言葉少なげであ った。私達家族3名、従業員5名、農協職員8名、社 協職員2名の計18名がこの屋上に取り残されていた。 いつの間にか夕闇が迫り、風と雪がちらつき始めた。 寒いので津波被害を免れた4階の和室(6畳と8畳の続 き間)に全員で移動した。この階は家族の寝室、風呂、 トイレがある空間で、布団、毛布等の寝具、また衣類 も十分にあった。さらにこの階には登山道具を入れて いる小さな部屋があり、ガスストーブ、ガソリンスト ーブ、コッフェル類、テント、山用の食糧等があり心 強かった。その他ホワイトデーのために用意したクッ ④ヘリでの救出 キーやチョコレートもあった。水が引いた3階のダイ ニングキッチンからはジュース、ヨーグルト、カップ麺、 お餅などを回収できた。残念ながら水の確保はできな かったが、ひっくり返った冷蔵庫の中から氷を取り出 し、これをやかんにかけお湯も沸かすことができた。 水が少ないだけで2日間程度はこの家で過ごすことが できると考えた。山でのビバーグ(緊急露営)を考えれ ば、これほど贅沢な環境はないからだ。和室の窓から は末広町方面の火災が見えたが我が家まで火が迫って くるような感じはない。私達夫婦は和室前の廊下にソ ファを移動し毛布をかぶりながら餅を焼いたり、お湯 を沸かした。私はすでに山登りの装備を身に付けてお ⑤救出されたヘリの中で り、下着から冬山仕様である。皆もダウンジャケット、 コート、雨具、ウインドブレーカーなど適当に身に付 れあい運動公園野球場に降り立ち、寺野弓道場避難所 けている。寒くはなさそうだ。何も怖くはない。 「生き に収容された。各地からの被災者で避難所はごった返 てやる」と思った。 していた。私の手元にあるのは往診鞄の中の血圧計、 3月12日(土) :救出の日 聴診器、血液ガスモニター、必要最小限の各種救急薬 静かな朝を迎えた。この朝の屋上からの光景は忘れ られない。町が消失していた。あたかも湖面に瓦礫が 散在しているようである。末広町と上町方面の火災も 品と消毒薬、包帯などだけだった。そしてAEDが1台 であった。 この震災の大きな特徴は津波被害の過酷さにある。 続いていた。そんな中、瓦礫の中を歩いている自衛隊 「生きているか、死んでいるか」なのである。私自身こ 員を見つけることができた。すでに救助の手が到着し の避難所で救命処置とか外傷の処置とかをしたわけで ているのである。夜が明けるにつれヘリコプターが飛 はない。この避難所では治療できない疾患、生活でき び回るようになった。消火活動の大型ヘリも飛んでい ないであろう方々を適当な施設に紹介搬送しただけで る。9:30頃から我が家の周囲にもヘリコプターが接近 ある。特に妊婦さん、透析患者さんの搬送にはヘリコ し、消防署、役場周辺でのピックアップを含めた救助 プターが大活躍であった。この夕方、私も透析患者さ が始まっていた。10:32我が家の屋上に航空自衛隊員 んに付き添いヘリで三沢へ飛んでいる(前述) 。 が降下してきた。農協職員の若者が隊員に声をかけら れ、救助活動に協力することになった。最初に吊り上 げられたのは母であった。 結局2機のヘリコプターによって全員無事に寺野ふ 以上3月12日(土)までの大まかな記録です。八戸か ら帰った3月13日からはメモを付けており、後日まと める予定ですが、少し時間がかかりそうです。 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 71 被災後4か月の今、皆様に感謝 被災後4ヶ月を経過した7月10日の日曜日、小鯨山 (458m)に登ってきました。 大槌の北に位置するこの山は沢山御殿とも呼ばれ、 私のトレーニングの山でもあります。 自宅から車で10分もかからず登山口に達することが できます。久しぶりの山でした。5時25分より登り始 めました。いつもは一気に頂上まで歩くのですが今回 は2度も休み、2度も立ち止まりました。大分下肢の筋 力が低下したようです。そして途中の尾根から見た大 槌の町はまるで白い砂漠のようです。瓦礫がきれいに ⑥小鯨山から見た大槌の町 撤去され、鉄筋あるいは鉄骨構造の建物しか残ってい ません。今後これらの建物も撤去されるわけですから、 町がただの平地になってしまいます。あらためて巨大 津波という自然災害の過酷さに驚愕しました。 さて、今回の山登りのように、日常は大きく変化し ています。歩みも遅く、あまり効率的とも思えません。 何もかもが違っています。そんな中私は5月いっぱいで 寺野弓道場救護所を撤収し、6月1日より大槌病院仮設 上町診療所に勤務しました。同院が6月27日からやは り仮設ですが立派なプレハブに移り、私も7月1日より 寺野弓道場のそばにささやかなプレハブの仮設診療所 ⑦仮設植田医院 を開設することができました。 「開ぐの待ってたよ」と 言って来院する患者さんをうれしく思います。 ここまで来られたのも皆様の物心からのご支援があ ったおかげと、心より感謝致します。本当にありがと うございました。これから少しずつですが自立に向け て遅い歩みを加速させ、日常診療を行いたいと思いま す。山にたとえるなら未知のルートを辿る歩みでしょ うか。 そしていつの日か生まれ変わった大槌での再会を楽 しみにしています。最後に皆様のご健康とご健勝を祈 念しつつ、ご支援に御礼を申し上げます。 ⑧仮設医院での筆者近影 【随想・報告】 金沢医科大学報 72 随 想 産学連携コーディネータとして 研究推進センター 産学連携コーディネータ 高田 平成 23 年度第 1 クオーターが終わりました。平成 有な事例として印象深 22 年 3 月に着任後、相変わらず右往左往する毎日であ いです。通常、特許が りますが、着任から 2 クオーターを経たあたりから、 その威力を発揮するの 活動内容を少しずつ意識的に集中させるよう試みてい は、ビジネスで実施す ます。 るときです。特許にま 「産学連携コーディネータ」=「産学連携をコーディ つわる侵害訴訟のやや 律子 ネートする人」ですが、 「産学連携」=「共同研究」と捉 こしさは相当なもので えるとどうしても契約書の締結作業などのピンポイン あり、民法のみならず ト業務になってしまいます。これはこれで奥深い業務 刑法で罰せられること ではありますが、実際には知財業務や展示会出展など 多種多様な業務をする立場にあるので逆に研究テーマ もあります。そのため、 高田律子コーディネータ ビジネスを始める前に を多面的に支える方針を特に意識して活動してみまし は相当念入りな特許調査が行われ、少しでもかすりそ た。いわゆるリサーチアドミニストレータ(RA )的な うな特許が見つかれば徹底して回避策が練られます。 業務と言えるかもしれません。そのうちの 1 件を紹介 どうやっても回避できそうにない場合は、何らかの実 します。 施許諾を受けることになり、場合によっては多額のラ 今から 1 年と少し前、心臓血管外科学の秋田利明教 イセンスフィーを支払うことになります。このあたり 授から特許出願に関するご相談メールをいただき、特 の交渉は、相当な時間とテクニックが必要とされ、企 許出願できそうな内容であるか(ちなみに「治療方法」 業によっては、知財管理部門とは別に知財交渉専門の などは特許にならない)、必要なデータがどれくらい 部門が設置されています。 揃っているか等々を伺う機会を得ました。ここで「特 一方、今回知った重要なポイントは、秋田教授が 許出願の手続きを学内規則に従って進める」というルー 本学に着任される前の特許出願であるため、残念なが チン的思考だけに基づいて行動すれば、業務負担量と ら本学所有の権利ではありませんが、基本的な特許が しては軽く済んでしまいます。発明届出書を提出して 権利化されていたことにあります。既存の技術を使用 もらい、発明審査委員会を開催し、審議にかける、と した新しい方法(製造方法や検査方法など)ではなく、 いう行動はすでに何度か繰り返されており、手続きミ モノ自体が新しい、いわゆる「基本特許」と呼ばれる スさえしなければ流れ作業的に進みます。しかし、そ ものです。今回の経済産業省による補助事業が、近 れで研究は推進されるでしょうか? い将来の実用化を目指すことが主目的であるため、こ そこで、研究の側面的支援を軸とし、省庁系グラン の基本特許が確立されていたことがおそらく上記補助 トを探索したり、石川県産業創出支援機構(ISICO ) 事業の採択理由の一つであったと考えています(もち へ相談したりするうちに、経済産業省の補助事業の情 ろんメインの採択理由は研究内容です)。このように、 報を得ることができました。共同研究機関との調整や ビジネスの開始にあたっての知財交渉とは別のステー 事業管理機関への依頼、申請書類の作成支援などに関 ジで特許が効力を発揮することもたまにはあるので、 わり、秋田教授を中心とする 3 大学 2 企業による研究 気を抜いてはいけないと意を強くした次第です。 連携体が、経済産業省平成 22 年度補正予算「課題解決 上述したように、世間通念的には、実用化すなわち 型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携 ビジネスを開始するにあたって、特許は不可欠です。 支援事業」に採択されました。採択後は、契約締結な 特許さえあればどうにかなるものではありませんが、 どの事務手続きのほか、知財戦略や共同研究の拡大な 特許がなければ話になりません。 「ここは私の土地で どの支援を続けています。 す」と主張しても土地の権利書がなければ意味はない 個人的には、ライセンス以外で特許が役に立った稀 し、土地の所有権を持っていても何もしなければ単→ 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 73 随 想 北陸がんプロ認定上級看護師を取得して 北陸がんプロ認定上級看護師 我妻 孝則 私は、2007 年に神奈川県にある北里大学大学院を 修了後、本学病院で勤務している。がんプロ認定上級 看護師を目指すにあたり、これまではがん看護専門看 護師や看護教員に相談することができたが、石川県に 来てからはどのようなサポート体制があり、またそれ を得ることができるのかと悩んでいた。 そうした中、北陸がんプロフェッショナル養成プロ グラムがあることを知り、その一環である、がん看護 事例検討会に 2008 年から参加している。本会は約 2ヵ 月に 1 回、石川県立看護大学の一室で開催され、大学 教員や大学院生、様々な病院の看護師が 1 回に 15 名前 後参加している。本会に参加することで、自分自身の 傾向に気付くきっかけとなり、事例を新たな視点で捉 えられ、看護実践の糧となっている。 サポート体制を得ることができたうえ、資格を取得 できたことは大変嬉しいことである。それ以上に嬉し さらに、自分のペースで時間・場所を調整して学べ いことは、当プログラムを通じて事例検討会や講演会 る e ラーニングによる学習システムがあったことは、 で、がん医療関連の医療者、教員や学生と出会えたこ 実践活動をしている私にとってはありがたいシステム とであり、さらには、市民公開講座などでがん患者を であった。こうした様々なサポートを経て、2010 年 4 含めた一般市民と交流できることである。今後もこう 月には第一号の北陸がんプロ認定上級看護師を取得す したプログラムが継続されて、がん医療の均てん化が ることができた。 進んでいくよう微力ながら尽力していきたい。 →なる荒地で何ら利益を生み出さないのと似ていま 様々です。特許出願の相談は支援メニューの一つにす す。また、やみくもに特許出願をすることは、次々と ぎません。しかし、1 件の特許相談をきっかけとして、 負債を背負いこむことに限りなく近いです。どの権利 点のつながりが面になり、補助金獲得につながったり、 が必要で、どの権利が切り捨て可能か、この見極めは 共同研究の輪が広がったりする可能性があります。窓 非常に重要であり、また、難しいです。自分で事業を を開け、外の風を入れることで頭が整理され、次の展 進める(興す)か、特許を有償譲渡するか、ある程度 開に進むことはよくある話です。 インキュベートしてからライセンスアウトするか。選 なお、上記研究に関し、その後の発展型として新た 択肢は無限にあり、しかも正解はありません。実用化 に本学帰属で出願中のものもあります。本件が実用化 へのステージ進展の折々に冷静な見直しが必要です。 の際に役立つことを期待しています。 研究が多面的であればあるほど、側面的支援の形態も 金沢医科大学報 74 資 料 理事会 第 214 回 平成 23 年 5 月 30 日(月) 議案 1 平成 22 年度事業報告について 2 平成 22 年度決算について 3 学校法人金沢医科大学職員給与規則の一部改正について 4 金沢医科大学学則の一部改正について 5 臨床研修医宿舎の建設について 評議員会 第 113 回 平成 23 年 5 月 30 日(月) 議案 1 平成 22 年度事業報告について 2 平成 22 年度決算について 規程の改正・制定・廃止 金沢医科大学名誉教授規程 (H23.2.1 改正) 金沢医科大学益谷秀次賞授与規程 (H23.2.1 改正) 金沢医科大学病院における医薬品等の臨床研究取扱要項 (H23.3.31 廃止) 学校法人金沢医科大学職員給与規則 (H23.4.1 改正) 学校法人金沢医科大学職員給与支給細則 (H23.4.1 改正) 金沢医科大学学則 (H23.4.1 改正) 金沢医科大学病院規程 (H23.4.1 改正) 金沢医科大学病院部科長会規程 (H23.4.1 改正) 金沢医科大学病院連絡会規程 (H23.4.1 改正) 金沢医科大学病院業務分掌規程 (H23.4.1 改正) 金沢医科大学における医薬品等臨床研究倫理審査委員会規程 (H23.4.1 制定) 金沢医科大学病院における病院研究倫理審査委員会規程 (H23.4.1 制定) 金沢医科大学 WEB 管理委員会規程 (H23.6.1 改正) 金沢医科大学総合医学研究所規程 (H23.6.1 改正) 医学部教授会 第 866 回(定例) 平成 23 年 4 月 14 日(木) 人事関連等議題 1 前々回(第 864 回)および前回(第 865 回)議事録確認に ついて 2 その他 〈報告事項〉 1 出向期間延長について 2 併任解について 3 非常勤講師派遣について 4 短期研究員の研究期間の延長について 5 平成 23 年度各種委員会委員(追加分)について 6 その他 教学関連議題 1 平成 23 年度医学部編入学試験(第 1 学年次後期編入)及 び平成 24 年度医学部入学試験(AO・推薦・一般)の各 委員について 2 休学願提出学生の取扱いについて 3 復学許可の取消し及び退学願いの取扱いについて 4 平成 23 年度「介護と在宅医療(実習)」の履修免除につ いて 5 その他 〈報告事項〉 1 平成 23 年度医学部入学者について 2 平成 23 年度入学試験判定委員の公表について 3 平成 22 年度成績審査委員及び卒業判定委員の公表につ いて 4 平成 23 年度教務関連各種委員会について 5 平成 23 年度学生数について 6 平成 23 年度条項該当学生の指導について 7 平成 23 年度学部学生特別講義について 8 平成 23 年度第 1 学年「アドバンストコース」について 9 平成 23 年度第 6 学年集中講義について 10 平成 23 年度指導教員について 11 平成 23 年度臨床教育担当教員について 12 平成 23 年度標準試験の試験監督について 13 「受験心得」の取扱いについて 14 オフィスアワーについて 15 平成 23 年度科学研究費補助金の交付内定について 16 平成 23 年度金沢医科大学共同研究並びに奨励研究の公 募について 17 その他 第 867 回(臨時) 平成 23 年 4 月 28 日(木) 人事関連等議題 1 前回(第 866 回)議事録確認について 2 病理学Ⅰ教授候補者の選考について 3 その他 〈報告事項〉 1 特任教授候補者について 2 教員採用について 3 辞職について 4 移籍について 5 併任について 6 その他 教学関連議題 1 復学許可の取消し及び退学願いの取扱いについて 2 その他 〈報告事項〉 1 平成 23 年度学生指導経費の使途について 2 金沢医科大学病院臨床研修奨励金貸与制度の廃止について 3 その他 第 868 回(定例) 平成 23 年 5 月 12 日(木) 人事関連等議題 1 前回(第 867 回)議事録確認について 2 その他 〈報告事項〉 1 辞職について 2 その他 教学関連議題 1 平成 24 年度医学部入学試験について 2 平成 23 年度第 3・5・6 学年標準試験実施要領及び評価 について 3 平成 23 年度第 6 学年 Advanced OSCE の実施について 4 平成 23 年度第 6 学年集中講義実施計画について 5 復学許可の取消し及び休学願いの取扱いについて 6 その他 〈報告事項〉 1 平成 23 年度第 5 学年臨床実習評価責任者について 2 第 105 回国試報告会の開催について 3 臨床教授(学外)との懇談会について 4 平成 23 年度科学研究費補助金の交付内定について 5 平成 22 年度教授会費の決算報告について 6 その他 その他 1 小児外科学教授候補者選考に係る公開面接について 第 869 回(定例) 平成 23 年 6 月 9 日(木) 人事関連等議題 1 前回(第 868 回)議事録確認について 2 その他 〈報告事項〉 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 1 特任教授候補者について 2 金沢医科大学氷見市民病院臨床教授候補者について 3 教員採用について 4 採用取り下げについて 5 辞職について 6 臨床教授(学外)委嘱について 7 協力研究員委嘱について 8 移籍について 9 勤務先移動について 10 併任について 11 非常勤講師派遣について 12 その他 教学関連議題 1 平成 24 年度医学部入学試験要項(案)について 2 その他 〈報告事項〉 1 入試説明会及びオープンキャンパスの開催日程について 2 平成 23 年度第 1 学年「医学セミナーⅠ」早期臨床体験実 習について 3 平成 23 年度医学系 CBT 問題公募等について 4 平成 23 年度第 6 学年実技試験(Advanced OSCE )実施 要領について 5 平成 23 年度第 6 学年集中講義日程について 6 平成 23 年度マッチング説明会について 7 平成 23 年度教育・実習用機器選定結果について 8 橘会総会での父母面談について 9 教室における学生の夏季研修について 10 平成 23 年度解剖研修について 11 医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成 22 年度改 訂版)の配布について 12 総合医学研究所組織改編について 13 その他 その他 1 病理学Ⅱ教授候補者選考に係る公開面接について 第 870 回(臨時) 平成 23 年 6 月 23 日(木) 人事関連等議題 1 前回(第 869 回)議事録確認について 2 病理学Ⅱ教授候補者の選考について 3 医学部長選考委員会委員の選任について 4 その他 〈報告事項〉 1 特任教授候補者について 2 教員採用について 3 昇任について 4 辞職について 5 出向について 6 客員教授委嘱について 7 非常勤講師委嘱について 8 協力研究員委嘱について 9 短期研究員の受入れについて 10 その他 教学関連議題 1 その他 〈報告事項〉 1 中国・華中科技大学同済医学院における第2回中日学 術講演会の開催について 2 ロシア・ヤロスラブリ医科大学におけるシンポジウム の開催について 3 その他 看護学部教授会 第 78 回(臨時) 平成 23 年 4 月 7 日(木) 議題 1 平成 22 年度授業科目で単位認定されなかった学生の平 成 23 年度再履修の方法について 2 平成 23 年度 3 年次編入学生の既修得単位の認定について 3 退学願提出学生の取り扱いについて 4 その他 75 第 79 回(定例) 平成 23 年 4 月 18 日(月) 議題 1 前回(第 76・77・78 回)議事録確認について 2 その他 〈報告事項〉 1 人事関係について 2 教務委員会からの報告 3 看護学部学生部連絡会からの報告 4 国家試験対策委員会からの報告 5 指定規則改正検討委員会からの報告 6 その他 第 80 回(定例) 平成 23 年 5 月 16 日(月) 議題 1 前回(第 79 回)議事録確認について 2 金沢医科大学学則の一部改正について 3 その他 〈報告事項〉 1 人事関係について 2 教務委員会からの報告 3 看護学部学生部連絡会からの報告 4 研究活性化委員会からの報告 5 研究推進会議報告 6 看護学部入試実施委員会からの報告 7 その他 第 81 回(定例) 平成 23 年 6 月 13 日(月) 議題 1 前回(第 80 回)議事録確認について 2 金沢医科大学学則の一部改正について 3 2011 年度入学生への成績通知について 4 平成 24 年度看護学部入学試験要項(案)について 5 その他 〈報告事項〉 1 総合医学研究所の組織再編について 2 人事関係について 3 教務委員会からの報告 4 看護学部学生部連絡会からの報告 5 国家試験対策委員会からの報告 6 大学院設置構想学部内検討委員会からの報告 7 看護学部教員評価委員会からの報告 8 倫理委員会からの報告 9 その他 大学院医学研究科教授会 第 404 回 平成 23 年 4 月 14 日(木) 議題 1 前回(第 403 回)議事録確認について 2 在学期間延長願提出学生の取扱いについて 3 休学願提出学生の取扱いについて 〈報告事項〉 1 平成 22 年度金沢医科大学学長賞の選考結果について 2 平成 23 年度大学院担当教員について 3 平成 23 年度大学院医学研究科入学者について 4 平成 23 年度医学研究セミナーの開講について 5 平成 23 年度北陸がんプロフェッショナル養成プログラ ム補助事業について 第 405 回 平成 23 年 6 月 9 日(木) 議題 1 前回(第 404 回)議事録確認について 2 学位論文本審査委員の選出について 3 退学願提出学生の取扱いについて 4 特別研究学生の受入れ延長について 5 科目等履修生の入学について 6 平成 24 年度大学院医学研究科学生募集について 7 第 39 回論文博士外国語試験実施要項について 〈報告事項〉 1 北陸がんプロフェッショナル専門医養成系の授業科目 受講修了者について 2 大学院医学研究科長選考委員会委員の選任について 【資料】 金沢医科大学報 総合医学研究所教授会 第 257 回 平成 23 年 4 月 21 日(木) 〈審議事項〉 1 前回(第 256 回)教授会議事録の確認について 2 平成 23 年度研究所研究費等予算の配付について 3 学外者からの施設使用許可申請について 4 平成23年度市民公開セミナー及び研究セミナーについて 5 その他 〈報告事項〉 1 外国出張について 2 客員教授委嘱及び非常勤講師の派遣について 3 学内者からの実験室使用許可申請について 4 総合医学研究所関連委員会の委員について 5 来月の教授会の開催日について 6 その他 第 258 回 平成 23 年 5 月 23 日(月) 〈審議事項〉 1 前回(第 257 回)教授会議事録の確認について 2 研究所新組織所属職員について 3 学外者からの施設使用許可申請について 4 論文の個別評価による研究費の助成について 5 その他 76 〈報告事項〉 1 外国出張について 2 客員教授の委嘱について 3 研究推進ガイダンスについて 4 常任役員会決定事項 ( 研究所新組織及び研究所規程 ) に ついて 5 学内者からの実験室使用許可申請について 6 来月の教授会の開催日について 7 その他 第 259 回 平成 23 年 6 月 16 日(木) 〈審議事項〉 1 前回(第 258 回)教授会議事録の確認について 2 平成 23 年度公開セミナーについて 3 新組織名(領域・分野)の英語表記について 4 その他 〈報告事項〉 1 教員人事(併任発令)について 2 協力研究員の委嘱について 3 研究所施設・機器使用について 4 来月の教授会の開催日について 5 その他 人物往来 □小葉松洋子先生/湯の川女性クリニック院長、函館市教育委員会委員、函館・性と薬物を考える会会長。 昭和 63 年弘前大学医学部卒業、北海道大学医学部付属病院勤務時代に現在の牧野田 知教授と同じ研究チ ームに所属していた。その後、美唄労災病院勤務、北海道対がん協会勤務、国立函館病院勤務、市立函館 病院勤務を経て、現在、湯の川女性クリニック院長の傍ら、函館市教育委員会委員、函館・性と薬物を考 える会会長などパワフルに活躍中である。/平成 23 年 6 月 17 日第 4 学年の特別講義として、産婦人科医が 行う女性外来と題し、女性外来、性差医療、Reproductive Health、思春期∼性成熟期の問題点、更年期 以降の問題点を講義された。まず、男性と女性の生理的・ホルモン的相違からはじまり、昨今注目されて いる女性外来について話された。性差を反映させた医療提供に対する女性患者のニーズの高まりから、女 性医師が診察する外来は女性外来といわれている。必ずしも診察医は女性でなくてよいが、女性外来に産 婦人科医は欠かせない。さらに、最近の性感染症事情を熱弁された。そして、女性外来を受診するメイン の年齢層が訴える更年期障害へと話は進んだ。不定愁訴、内科疾患、精神科疾患、女性特有の癌も増加し てくる年齢であり、最近増加してきている乳癌の検診も含め、女性外来はコ・メディカルスタッフを加え た多科連携のもとでの総合外来が必要と論じて講演の締めくくりとされた。/(産科婦人科学) 金沢医科大学報 80 同窓会・後援会 平成 23 年度 金沢医科大学北辰同窓会 評議員会・総会、全国支部長会 平成 23 年度北辰同窓会評議員会・総会および全国 支部長会が平成 23 年 7 月 9 日(土)金沢都ホテルにて、 全国から約 70 名の会員が参加して開催された。 例年、総会に先立ち開催される全国支部長会は、今 年 5 月 29 日(日)に大阪でも開催されたため、今回は 時間を短縮して行われた。今回の支部長会では、全国 28 支部 1 ブロックの中から 13 支部の支部長および副 支部長が出席し、各支部の活動状況と現状における問 題点等について報告並びに話し合いが行われた。次に、 坂本 滋会長が、6 月 25 日(金)に開催された常任役員 会での決定事項を報告した。 午後 5 時から、7 階「鳳凰の間」に移り平成 23 年度北 辰同窓会評議員会・総会を同時に開催。審議に先立ち、 過去 1 年間に亡くなられた会員 6 名のご芳名が読み上 げられ、全員で黙祷を捧げた。 坂本会長、竹越 襄金沢医科大学理事長の挨拶のあ と、次の 3 議案の審議に移った。 第 1 号議案 平成 22 年度事業報告、収支決算報告 第 2 号議案 平成 23 年度事業計画(案)収支予算(案) 第 3 号議案 その他 総会 坂本会長が表彰状、副賞、助成金を該当者に授与した。 引き続き、勝田省吾学長の挨拶の後、栂 博久医学 部長が、昨年総会終了後から今年 7 月までに就任した 教授 14 名を紹介し、出席した村木 靖、中村 晃、北山 道彦教授がそれぞれ挨拶した。 最後に、大学の現況報告として北村 修学生部副部 長から「学生部活動」、飯塚秀明副学長から「第 105 回 医師国家試験結果概要」 「平成 23 年度国試対策」につ いての説明が行なわれた。 総会のあとの懇親会は、坂本会長、髙島茂樹副理事 長の挨拶、伊藤 透副会長の乾杯で開会。参加した会 員は杯を交わし、大いに語りあい、久しぶりの旧交を あたためた。定刻、大島譲二副会長の挨拶と一本締め で閉会となった。(教育研究事業支援課 山本健司記) 〔北辰同窓会賞〕 第 3 号議案では、坂本会長が東日本大震災で被災し 玉井 顯先生(医療法人敦賀温泉病院理事長、昭和 53 た会員に対する義援金(見舞金)の配布方法等につい 年卒) 本学卒業後に神経精神科学の領域で研鑽をつまれ、特 に認知症サポートシステムの発案者の一人として、全国各 地において認知症サポートシステムの啓発普及に努める。 て、 常任役員会で決定された事項を報告、 説明があった。 審議後山下公一理事が挨拶、金沢医科大学創立 40 周年事業について中農理博常務理事が概要を説明し募 金への協力をお願いした。 北辰同窓会賞、北辰同窓会研究助成の授与式では、 懇親会 北山道彦先生(本学循環器内科学臨床教授、昭和 56 年卒) 長年にわたり、本学病院の心臓血管領域における冠動 脈治療の専門家として、本学の教育、研究及び診療の基 北辰同窓会賞を受けた、左から北山道彦先生、玉井 顯先生、 近藤邦夫先生 第 147 号/2011.8 金沢医科大学報 盤を支え、後進の指導にあたり学内外から高く評価され ている。 81 確立と利用による神経 - 血管相互作用を担う遺伝子の同 定と血管ネットワーク形成における役割の解明 近藤邦夫先生(医療法人社団近藤クリニック院長、昭和 54 年卒) 長年にわたり医療に従事され、石川県医師会の役員と しても地域医療に多大なる貢献をされた。また、第 24 回 日本臨床内科医学会を、会長として金沢市で主催され、 盛大かつ有意義な成果をあげた。 〔北辰同窓会研究助成〕 大桑孝子助教 微生物学 研究テーマ:インフルエンザウイルスのパッケージング 機構の解明 吉富泰央助教 生化学Ⅱ 研究テーマ:胚性幹細胞(ES 細胞)からの血管分化系の 平成 23 年度 金沢医大後援会橘会総会 北辰同窓会研究助成を受けた、左から大桑孝子助教、 吉富泰央助教 家試験結果概要」 「平成 23 年度国試対策について」を 説明した。 総会終了後、会場を移して懇親会が開催された。八 木会長の挨拶に続いて、大学役員が紹介され、竹越 襄理事長、山下公一理事から挨拶をいただいた後、伊 平成 23 年度金沢医大後援会橘会の総会、懇親会が 藤 順副会長の発声で懇親会が開会された。参加した 平成 23 年 7 月 10 日(日)午前 10 時から、ホテル金沢に 会員は、各学年担当の先生方と大学での子弟の生活等 おいて、全国から約 170 名の会員が出席し開催された。 について歓談し、大島譲二副会長による閉会の挨拶で 総会では、八木茂夫会長が議長となり、3 議案に基 づき審議が進められた。 散会となった。 懇親会終了後、4 階に設けた会場で、父母面談会が 議案 1. 平成22年度事業報告及び収支決算報告について 開催された。医学部長、各学年主任、副主任、指導教 議案 2. 平成 23 年度事業計画(案)及び収支予算(案) 員が面談にあたり、事前に申し込みのあった第 1 学年 について 議案 3. 役員の改選について 議案 3 の役員の改選については、本年 5 月末にて任 期満了となる 10 名の役員のうち 2 名が退任、8 名の役 員が再任された。また、新入生の父母の中から新たに 3 名の役員が承認された。 総会終了後、中農理博常務理事が創立 40 周年記念 事業の概要を説明され、本年 10 月から開始する募金 の協力を依頼した。 生から第 6 学年生まで 89 組の学生、ご父母が参加した。 (教育研究事業支援課 山本健司記) 〔金沢医大後援会橘会賞〕 町田雄一郎助教 呼吸器外科学 論文名:肺癌におけるアクアポリン 1、3、5 の発現と細 胞分化、浸潤、転移との関係 羽柴奈穂美研究医 神経内科学 論文名:フェニトインの至適用量は免疫調節細胞の修飾 により実験的自己免疫性脳脊髄炎を軽症化する その後、大学の役職教員が加わり、勝田省吾学長以 下副学長、医学部長、図書館長、教務部・学生部、第 1 学年∼第 6 学年主任・副主任の教員が紹介された。 はじめに勝田学長が挨拶され、教育方針について説 明を行い、栂 博久医学部長が、昨年総会終了後から 本年 7 月までに就任した 14 名の教授を紹介した。 引き続き、金沢医大後援会橘会賞の授与式が行われ た。篠原治道副学長が選考経過の説明を行い、八木会 長が受賞者に表彰状と副賞を授与した。 最後に、大学の現況報告として、森本茂人学生部長 が「学生部活動」、飯塚秀明副学長が「第 105 回医師国 橘会賞を受けた、左から町田雄一郎助教、羽柴奈穂美研究医 【同窓会】 金沢医科大学報 平成 23 年度 金沢医科大学看護学部 後援会さくら会総会 (保護者会総会) 82 代教務委員長、甲野裕之学生部長、加藤欣子国試対策 委員長がそれぞれ教務、学生関係、看護師等国試対策 支援の現況を報告し、本学病院の高田昌美看護部長が 金沢医科大学病院の紹介をした。 引き続き、午前 11 時 40 分からさくら会総会が開催 された。総会では、役員の選任および紹介に続いて、 平成 22 年度事業報告、収支決算及び平成 23 年度事業 計画、事業予算が審議され、異議なく承認された。 平成 23 年度さくら会総会 総会のあと看護学部 2 号棟ラウンジにおいて、保護 が 平 成 23 年 7 月 24 日( 日 ) 者と教職員との懇親会を兼ねた昼食会が行われた。 看護学部学生の保護者 120 午後からは希望者に対して、保護者と看護学部教員 名が出席し、本学本部棟 4 との個別面談及び学内施設見学が行われた。個別面談 階講堂で開催された。 さくら会は、平成 21 年 11 では 51 名の保護者から面談の希望があり、学業成績 月に看護学部学生の学生生 や学生生活に関する様々な事柄について質疑応答があ 活や課外活動支援等による った。熱心に質問される保護者の方が多く、個別面談 の予定時間内に終えることができなくなり、看護学部 学生の教育環境の向上と本 学の発展に寄与することを 高木俊宏さくら会会長 目的に設立され、今回で 3 回目を迎えた。午前 11 時 棟 1 号棟 1 階ラウンジに教務・学生・国試対策の相談 コーナーを設置し相談に対応した。 (看護学部事務課 岡本真一記) から始まり、高木俊宏さくら会会長、竹越 襄理事長、 勝田省吾学長、伊川廣道学部長の挨拶のあと、北岡和 総会 懇親会を兼ねた昼食会 第 147 号/ 2011.8 金沢医科大学報 83 金沢医科大学学術振興基金募金について 金沢医科大学学術振興基金募集趣意書 本学は、日本海側では初めての私立医科大学として、昭和 47 年に設立され、倫理に徹した人間性豊かな良医を育成する こと、医学の深奥をきわめ優れた医療技術を開拓すること、人類社会の医療と福祉に貢献することを建学の精神として掲 げて着実に歩み続けてまいりました。 大学、特に医科大学は国の内外を問わず日進月歩の医学・医療をリードする大切な役割を担っていることは皆様充分に ご承知のことであります。本学でも最高の教育・研究設備に加えて、先進医療機器の充実に意を尽くすとともに、基礎・ 臨床医学講座並びに総合医学研究所の各部門において、医学の進歩に貢献できる人材の育成と研究の推進に日夜努力いた しております。 教育面では、教育スタッフとしてすぐれた人材を配し、学生の教育に専念しており、昭和 53 年に第 1 回の卒業生が誕生 して以来、数多くの医師を世に送り出し、それぞれ国内国外の医学・医療の最先端で活躍しております。 研究面では、平成元年に従来の人類遺伝学研究所、熱帯医学研究所及び共同研究室を母体とし、難病治療など医療の先 端的な分野の開拓を目的とした総合医学研究所を設置し、臓器置換・難治疾患・癌・人類遺伝学・熱帯医学・基礎医学・ 共同研究の各部門を中心にプロジェクト研究の推進を図っております。また、国際舞台においても躍進を続けており、欧 米の一流大学や研究所との研究員の交流、海外からの研究員・留学生の受け入れなどを通じて国際レベルの学術環境の整 備にも意を尽くしております。 診療面では、金沢医科大学病院は日本海側随一の規模を誇るまでに成長し、最新の医療機器を整備し、医学教育のみな らず、文字どおり地域医療の基幹病院として順調に発展し、地域社会の要請に応えるべく最新レベルの医療サービスを提 供することにも十分な配慮をしてまいりました。 また、国際医療協力隊の派遣、世界各地域の種々の難病に対する国際医療協力に早くから取り組み、わが国の医科大学 の中ではトップクラスの実績を持っております。 しかしながら、この様な積極的な教育、学術及び医療活動を維持継続していくためには巨額の資金が必要で、学納金、 国庫補助金、附属病院の医療収入などの収入だけでは健全な経営は不可能であり、教育、研究、診療活動を萎縮させる恐 れがあります。 このために、本学では文部科学省の許可を得て学術振興基金の募集を行っており、広く本学教職員、卒業生、学生の父 兄をはじめ、民間企業、篤志家の多くの皆様のご支援をお願い申し上げる次第であります。 日進月歩の医学の進歩に即応した最新の教育、研究及び診療環境を維持するにとどまらず、未来に向けてさらなる貢献 と飛躍を目指して、全学を挙げて努力いたし、社会的使命を果たし得たいと念願しております。 本趣旨にご理解、ご賛同を頂き、ご協力を賜りますれば誠に幸甚に存じます。 学校法人金沢医科大学 理事長 竹 越 襄 募集要項 学術振興基金は次の要領で広く一般の方々からご協力をお願いしております。 1. 目 的: 金沢医科大学の教育・研究の振興と医 療の充実のため活用させていただきます。 2. 目標額: 10 億円 3. 募集先: 在学生、同窓生及びその父兄、教職員、 一般有志者並びに医学研究機関及び医療関係企 業・団体等 4. 学術振興基金へのご寄付は、「特定公益増進法人寄 付金(個人のご寄付)」及び「受配者指定寄付金(法 人のご寄付)」による所得税、法人税の優遇措置を 受けることが出来ます。 5. 応募方法: 寄付申込書等を本学教育研究事業支 援課あてにご請求ください。折り返し、手続方法、 税務に関することなどについてご説明いたします。 TEL 076-286-2211 内線 2720 ∼ 2724 FAX 076-286-8214 金沢医科大学教育振興資金・金沢医科大学学術振興基金寄付者ご芳名(過去 1 年間の分、敬称略) 鈴木 比佐(大阪府) 橋本 秀(秋田県) 中井 洋(神奈川県) 呉家 守二(大阪府) 藤井 博之(石川県) 大山 充徳(群馬県) 武田 隆男(京都府) 和泉 秀彦(岐阜市) 溝口敬一郎(長崎県) 武藤 順子(福井県) 三治 秀哉(石川県) ㈲ アカシア商会(石川県) 丸文通商 ㈱(石川県) ㈲ トレント(石川県) ㈱ 中島建築事務所(石川県) 山田 憲一(宮城県) 庄田 博至(奈良県) 八木 茂夫(石川県) 湯浅 幸吉(石川県) 佐々木真一(京都府) 高橋 智子(長野県) 大蔵 英世(鹿児島県) 下﨑 英二(石川県) 立石 悦子(石川県) 髙木かよ子(東京都) ㈲ 八田物産(石川県) ㈱ アクト (石川県) 医療法人社団 沖野会(石川県) 金沢医科大学病院心臓病友の会(石川県) 医療法人仁医会 ㈶ 釜石のぞみ病院(岩手県) 医療法人かぶとやま会(福岡県) 医療法人池崎内科医院(京都府) 第 147 号/ 2011.8 84 金沢医科大学報 学報 147 号全目次 金沢医科大学総合医学研究所の組織再編……………………… 2 新生 金沢医科大学氷見市民病院オープン〈予告〉 …………… 4 ■学事 平成 24 年度医学部入学試験要項 ……………………………… 5 平成 24 年度大学院医学研究科選抜試験要項 ………………… 6 平成 24 年度看護学部入学試験要項 …………………………… 7 新任教授紹介(上田、久保、岡崎、村木、宮澤、畑島) …… 8 名誉教授の称号授与式…………………………………………… 11 教授会歓送迎会…………………………………………………… 11 平成 23 年度金沢医科大学臨床教授(学外)委嘱状授与式 並びに学外臨床実習に係る懇談会…………………………… 12 第 33 回納骨式 …………………………………………………… 13 第 39 回解剖学実習解剖体 納棺式 ……………………………… 13 学生支援センター生活支援室 平成 23 年度 講演会 ………… 14 看護学部新入学生宿泊研修……………………………………… 15 平成 23 年度地域貢献型学生プロジェクト推進事業 看護学部 ボランンティアグループが採択される ……………………… 15 <学生のページ> 平成 23 年度医学部第 1 学年早期臨床体験実習………………… 16 クラブ紹介:SURFERS、準硬式野球部 ……………………… 18 ■国際交流 全国医科大学国際交流センター連絡協議会…………………… 20 Kaleidoscope …………………………………………………… 20 ロシアヤロスラブリ医科大学学術交流訪問…………………… 21 華中科技大学同済医学院・金沢医科大学 中日学術講演会 …22 ■学術 第 11 回 KMU 研究推進セミナー 北陸がんプロ教育セミナーと 合同開催 ……………………………………………………… 23 第 15 回日本神経ウイルス研究会 第 46 回日本脳炎ウイルス生 態学研究会……………………………………………………… 24 大学院医学研究セミナー………………………………………… 25 平成 23 年度科学研究費補助金交付決定 ……………………… 29 研究推進ガイダンスを開催……………………………………… 32 平成 22 年度各種助成金等受託状況 …………………………… 33 平成 23 年度金沢医科大学「共同研究・奨励研究」 …………… 37 平成 23 年度金沢医科大学「アシスト KAKEN 」 ……………… 39 2011 年度北陸がんプロ・FD 講演会 …………………………… 40 北陸がんプロフェッショナル認定医取得……………………… 40 産学官連携:メディカルテクノロジーEXPO に出展、第 10 回 国際バイオ EXPO に出展 …………………………………… 41 ■病院 特別セミナーin 金沢医科大学病院「女性の健康」 …………… 42 第 13 回緩和ケアオープンカンファレンス 第 37 回がん診療連携 拠点病院研修会 ……………………………………………… 43 金沢医科大学病院第 16 回 CPC ………………………………… 43 表紙写真 内灘大橋に大輪の花火 金沢医科大学報 第 147 号 中谷 渉 学生が夏季休暇に入る頃、内灘夏まつりが盛大に催 される。そのクライマックスがこの大輪の花火である。 キャンパスの間近で弾ける花火の音は体にも響く。ビ ューポイントを変えて見るのも面白く、今回は内灘大 橋に重ねてみた。 5 月 31 日世界禁煙デー 禁煙支援のための相談会 …………… 44 ふれあい看護体験………………………………………………… 44 放射線業務従事者への教育訓練………………………………… 45 病院機能評価認定更新に係る職員研修会……………………… 45 院内感染防止に関する教育講演会……………………………… 46 がん看護専門看護師を取得して………………………………… 46 <研修医の頁> 金沢医科大学病院平成 24 年度臨床研修医募集要項 ………… 47 臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会) ………………… 47 ■金沢医科大学氷見市民病院:平成 23 年度第 1 回医療安全研 修会、平成 23 年度高校生一日看護見学 …………………… 49 ■能登北部地域医療研究所:東日本大震災地域医療支援…… 50 ■図書館:新着図書の紹介……………………………………… 51 ■管理・運営 学校法人金沢医科大学 理事長就任祝賀会並びに退任慰労会 57 平成 22 年度人事評価 …………………………………………… 57 金沢医科大学の東日本大震災被災地支援の取り組み②……… 58 福島・宮城における放射線調査に総合医学研究所から参加… 59 学校法人金沢医科大学平成 22 年度決算 ……………………… 60 第 2 回内灘ロマンチックウォーク ……………………………… 65 互助会:第 21 回ゴルフ大会 …………………………………… 66 ■報告 武漢訪問記−目覚ましいのはビルだけではない−…………… 67 華中科技大学同済医学院訪問記………………………………… 68 東日本大震災と私(1 )…………………………………………… 69 産学連携コーディネータとして………………………………… 72 北陸がんプロ認定上級看護師を取得して……………………… 73 ■資料 理事会、評議員会、規程の改正・制定・廃止………………… 74 教授会……………………………………………………………… 74 人事………………………………………………………………… 76 ■同窓会・後援会 平成 23 年度金沢医科大学北辰同窓会 ………………………… 80 平成 23 年度金沢医大後援会橘会総会 ………………………… 81 平成 23 年度金沢医科大学看護学部後援会さくら会総会 …… 82 ■本学スタッフ・本学卒業生の学術新刊著書 「あなたも名医!このめまい、コワい?コワくない?」 (小倉)53 「老年看護学技術」 (紺家) ……………………………………… 53 「シェーグレンと共に」 (正木) ………………………………… 54 「“IgG4-Related Disease: A Unique and Emerging Entity ”」 (正木)55 「皮膚真菌症を究める」 (望月) ………………………………… 59 「地域医療学」 (神田) …………………………………………… 66 ■人物往来 小松葉洋子先生…………………………………………………… 79 □金沢医科大学教育振興資金・金沢医科大学学術振興基金募金 … 83 (辺本、坂口) 一輪の花となりたる揚花火 山口誓子 (やまぐち・せいし:1901∼1994、京都市生まれ。京大三高俳句 会、東大俳句会に入会し、 「ホトトギス」へ投句、高浜虚子に師事。 水原秋桜子と親交、 「馬酔木」の同人。戦後、伝統俳句の勃興に寄 与。芸術院賞受賞、文化功労者に。) 平成 23 年 8 月 1 日発行 発行者 金沢医科大学理事長 竹 越 襄 編 集 金沢医科大学概要・学報編集委員会 監 修 山下 公一 編集委員長 米倉秀人 副委員長 原 亮 岩淵邦芳 委 員 松井 忍 元雄良治 北村 修 八田稔久 甲野裕之 相野田紀子 竹田浩一 正木康史 森 茂樹 山下和夫 笠間孝一 宮下あき子 寺井明夫 丸谷 良 島 智一 米田正明 坂尾光一 加富喜芳 中嶋秀夫 中川美枝子 岡山 均 中谷 渉 辺本智恵美 坂口友紀子 佐野友美 発行所 金沢医科大学出版局 〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学1−1 TEL 076(286)2211 金沢医科大学報 HP アドレス http://www.kanazawa-med.ac.jp/~press/gakuho/ 印刷 能登印刷株式会社