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欧州における再生可能エネルギー政策について

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欧州における再生可能エネルギー政策について
情報報告 ウイーン
●欧州における再生可能エネルギー政策について
欧州では、エネルギー安全保障という観点および競争力の面から再生可能エネルギーへの注目
が高まってきている。そんな中、2007年1月29~31日にかけて欧州再生可能エネルギー評議会(E
REC)とドイツ連邦環境省の主催のもと、
「2007 European Renewable Energy Policy Conference」
が開催された。本会議の開催にあたり、ERECのザボス会長、ドイツのガブリエル環境相をは
じめとした欧州各国の環境相がパネリストとして参加し、VIPが数多く出席しており、欧州の
再生可能エネルギーに対する意気込みが伺えた会議であった。会議では8つのテーマに分類され、
それぞれについてセッションが開催され、最後に宣言が出された。なお、本レポートは同会議に
おける配布資料を元に作成している。
1.エネルギー安全保障
欧州におけるエネルギー供給システムの特徴は、化石燃料による依存が非常に大きく、EU-
25ヵ国1次エネルギーの80%(鉱物由:37%、天然ガス:24%、石炭:18%)を化石燃料に依存
している。再生可能エネルギーの割合はわずか8%となっている。
商業原油については、これから先20年、30年が生産のピークを迎えると言われており、有限で
あることを肝に銘じる必要がある。しかしながら、欧州における全石油需要の8割は輸入に依存
しており、これは2030年になると94%まで跳ね上がると予想されている。しかも、石油について
はOPEC諸国で4分の3が生産されているといわれており、天然ガスについては現在わずかロ
シア、ノルウェー、アルジェリアの3ヵ国からしか輸入していない現状があり、エネルギー安全
保障上非常に不安定であるといえる。
そこで、EUは自生であり、またクリーンなエネルギー源である再生可能エネルギーに注目し
て、EUにおけるエネルギー構成について再生可能エネルギーの比重を大きくするよう取り組む
こととなった。そして、エネルギー効率向上や気候変動問題へも取り組むことでEUのエネルギ
ー安全保障に対し利益をもたらすと考えたのである。
目標として、2020年までに全体エネルギーに対する再生可能エネルギー割合を20%まで引き上
げることを掲げている。ただ、それを達成するためには多大な努力が必要である。まずは、長期
的な公約を掲げることであり、それに向けて再生可能エネルギーに対する研究開発および導入を
進めていくことが必要である。
会議では、スロベニア経済相より以下の具体的な報告が行われた。
・ 戦略エネルギー技術計画の策定
・ 持続可能なエネルギー目標に向けた、特別計画の策定
・ 知識と技術、環境のバランスを考慮した取り組み
また、共催のシェルからの報告では、3つのEsおよびCsが必要と述べた。
それは、効率(Efficiency)/経済性(Economy)⇒ 安さ(Cheap)
、環境(Environment)⇒ ク
リーン(Clean)
、エネルギー安全保障(Energy security)⇒ 便利性(Convenient)
それに向けた具体例として、CO2隔離・貯留技術、再生可能エネルギーの利用が挙げられた。
2.環境保護
20世紀になってから、世界の平均気温は約0.8℃上昇したと言われている。これは、前の1,000
年間より速くその急速な変化が伺える。IPCCの予測では、温室効果ガス排出を削減しなけれ
ば2100年にさらに1990年比から1.4~5.5℃上昇すると言われている。こうした温暖化は、世界の
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気候変動に変化をもたらしている。海面の上昇、氷河の溶解、集中豪雨、洪水、干ばつなどであ
る。こうした変化から環境避難者が生まれ、都市部への集中や肥沃な土地への移動、他国への移
動を強いられている。こうした環境変化がさらに続くと水のような自然資源を求めて紛争が起こ
るかもしれない。また、最近Sir Nicholas Sternによると気候変動対策を実行する方が、何もし
ない場合と比較しコストが安いと報告されている。つまり、何か問題が発生後に対処するコスト
よりも、事前に対策を行う投資コストの方が安いということである。現在、米国は一人あたり20
トン/年のCO2を放出しており、それは世界平均の4倍である。EUは、8トン/年である。下図
に、人口を横軸、CO2排出量を縦軸とした各国のCO2排出状況を示す。EUは、先進国が2050年時
点で1990年比の60-80%まで削減する必要があると試算している。CO2低減には、エネルギー効率
化と再生可能エネルギー利用が中心的な役割を果たすであろうし、エネルギー安全保障問題解決
にもつながっていく。今後10年から15年は、環境保護に必要な排出削減に関連のエネルギーシス
テムの投資は必須であると考える。
会議では、スウェーデンのエネルギー政務次官より、地域暖房のインフラ改善を説明し、熱電
併給プラントや廃棄物発電施設、地熱発電等の再生可能エネルギー供給網を整備することで、大
幅に石油依存に成功した事例について報告があった。
出典:IEA, CO2 emissions from fuel combustion 1971-2004, 2006 edition
図
各国(地域)の 1 人あたりの年間 CO2 排出量と人口(棒グラフ幅)
3.競争力
今後の見通しは、原油価格の高騰が続く限り、個人消費は好調と思われる。そして、政府中期
見通しでは、2006-2008年において、実質GDP成長率は5%台を維持し、もし原油価格が下落
しても4%台の成長を予測している。固定資本投資は8.7~11.1%、
小売商品売上高は8.1~11.2%
で、どちらもGDPを上回る成長が予想されている。ただ、不安材料もある。新規参入する企業
が増え、競争が激化するため新規参入コストが増大すること、もし原油価格が下落した場合、政
府部門は4%台の成長率を維持できると予想されるが、個人消費に依存している民間部門につい
ては影響が大きいと予想される。なお、原油価格が高騰すればするほど経済成長する時代はすで
に数年前に終わっており、油価が高騰による経済成長の牽引力も小さくなってきている。そして、
2008年に行われる大統領選挙も少なからず影響を与えるものと予想される。
本セッションでは、風力発電大手のVESTAS社より風力発電も石炭ガス化複合発電(IGCC)
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や複合サイクルガスタービン(CCGT)と比較しても、化石燃料に対し炭素税の加算と化石燃
料の高騰を考慮すれば、風力発電でも十分競争性があることが報告された(言い換えれば、現段
階ではそのような状況下でなければ競争力はない)。そのため、政策面での支援が重要であるとの
ことであった。
4.再生可能エネルギーロードマップ
1997年にEUが再生可能エネルギーに関する目標設定を開始し、それは2020年までに最終エネ
ルギー消費における再生可能エネルギーの割合を倍増させるというものであった。それ以来、再
生可能エネルギー発電による電力およびバイオ燃料に関して新たな法的枠組みの設定に取り組ん
できた。ただ、冷暖房部門については法的な枠組みは今のところないのが現状である。
エネルギー投資家にとって常に長期投資を行うためには、現在の目標値は決して十分なもので
はない。そして、再生可能エネルギーポテンシャルを十分生かすためには、政策枠組みが支援す
べき対応を採る必要がある。現在こそ、2020年における再生可能エネルギーに関する新規目標値
を設定すべき時期であり、2007年1月にそれは発表された(2020年までに総エネルギー消費に対す
る再生可能エネルギー割合を20%とする)
。
本会議で発表した、バルバッソ欧州委員会エネルギー・運輸総局副代表によれば、現状の再生
可能エネルギーロードマップに関して、以下に報告された。
¾ 2020年までに現在の6.5%から20%まで増加させる。
¾ 加盟諸国に対して再生可能エネルギー目標を締結させる。なお、数値は20%にする必要はな
く、それより高い数値でも全く問題ない。
¾ 電力部門、冷暖房部門、バイオ燃料部門における国家のアクションプランを受け入れる。
¾ 加盟諸国に対するバイオ燃料割合目標値を最小で10%とする。
そして、上記ロードマップがうまくいけば結果として以下の項目を挙げた。
¾ 2020年で600~900MtのCO2排出が削減可能となる。
¾ 大気質の改善
¾ 2020年以降において、年間の化石燃料需要が約250Mtoe削減可能
¾ ただし、2020年まで年間100億~180億ユーロのコストが追加
¾ 再生可能エネルギーにおける売上200億ユーロ増加、30万の雇用創出
5.冷暖房部門における再生可能エネルギー
EUにおける最終エネルギー需要における暖房用のエネルギー割合は48%であり、これは、電
力部門(同20%)、輸送部門(32%)よりも占める割合が大きい。しかしながら、加盟諸国間では
再生可能エネルギー電力よりも注目されず、再生可能エネルギーの冷暖房部門に対する政策枠組
みは存在せず、ただコージェネレーション推進指令(Directive 2004/8/EC)や建物エネルギー効
率指令(Directive 2002/91/EC)が暖房における再生可能エネルギー利用促進に効果をあげただ
けであり、同部門のおける再生可能エネルギー利用増加は緩慢であった。今までの経験から、E
Uレベルでの政策枠組みがなければ、同部門の発展は一部諸国に限定されてしまうことは明らか
である。また、同部門の政策をより素晴らしい計画にして、そして円滑にすすめていくためには
継続性が重要である。短期間での助成金制度では、一時の需要は喚起されるかもしれないが、健
全な市場構築までには至らないであろう。
同セッションに参加したパネリストより、同分野は加盟諸国間でもつ有用な再生可能エネルギ
ー利用がそれぞれ異なっており(例:キプロスは太陽熱利用、アイスランドは地熱利用)
、それぞ
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れの加盟諸国のポテンシャルに対応した再生可能エネルギー利用があることが報告された。
6.電力部門における再生可能エネルギー
EUは、2001年に電力における再生可能エネルギーの割合を2010年までに現在の14%から21%
に引き上げる目標を再生可能エネルギー推進指令にて設定した。しかしながら、この目標達成に
向けて各国での対応にばらつきが見られており、ドイツ、スペイン、デンマークなどは順調に目
標到達に向かっているが、その他は遠い道のりとなっており早急に何らかの対策を講じる必要が
ある。目標を立てたものの具体策がないのが現状で、市場関係者は財政スキーム、行政上の障壁
除外、電力網接続ルールの構築などを期待している。現状の指令改正も、加盟諸国でのより効率
的な実施のための現状規制と同様に必要であろう。また、電力自由化についても検討する必要が
あるだろうし、再生可能エネルギーの割合増加のためには、電力インフラへの投資や財政支援と
いった挑戦的事項も必要だろう。今後の新規発電施設における再生可能エネルギーの寄与度を以
下の表に示す。
1995-2000
2001-2010
2011-2020
2001-2020
風力
10.3
62.2
105
167.2
太陽光
0.06
3.0
32
35
バイオマス
2.6
18.3
27
45.3
小型水力
2.7
10.2
9.0
19.2
地熱
EU15ヵ国における再生
可能エネルギー割合
新発電容量
0.14
0.3
1.0
1.3
15.8
94
174
268
71.9
225
285
510
再生可能エネルギー割合
22.0%
41.8%
61.0%
52.5%
表
新規発電施設における再生可能エネルギーの貢献度(単位:GW、出典:EREC)
7.バイオ燃料部門における再生可能エネルギー
EUの輸送部門における鉱物油のエネルギー占有率は90%を超えており、温室効果ガスの排出
についても全排出量の21%が同部門に起因していると概算されている。2003年に設定されたバイ
オ燃料推進指令では、当時0.6%であった輸送部門におけるバイオ燃料比率を2010年までに6%近
くまで引き上げるものであった。公共交通機関をはじめ、各方面で環境に優しい対策を講じてい
るものの、さらにエネルギー使用を削減する必要がある。EUは、温室効果ガス排出削減という
観点から石油燃料からバイオ燃料への転換を推進している。そして、第2世代バイオ燃料の研究
もコスト効率面からも重要であると考えている。
ディスカッションの中で、第2世代バイオ燃料の利用についていつから利用が可能になるか議
論されたが、具体的な答えは出ず悲観的な回答も見られた。
8.再生可能エネルギー市場における世界の概況
1
IEAが報告している2050年の基本シナリオ によると、世界のエネルギー利用量は2倍となり、
石油・天然ガスの値段が高騰、エネルギー安全保障における懸念が増大し、一方CO2排出量は、2003
年で24.5Gtであるのが2050年には137%増の58Gtになると報告されている。ただ、今後エネルギー
1
Energy Technology Perspectives: Scenarios and Strategies to 2050(IEA)
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情報報告 ウイーン
効率化、低炭素技術を駆使すればこの予測は大きく変わり、2050年における世界のCO2排出量は現
在の水準を保持し、化石燃料の需要量は半分となると報告されている。具体策は、省エネルギー
化、発電施設のCO2貯蔵・隔離技術利用、再生可能エネルギー、特に道路輸送におけるバイオ燃料
利用増加、許容可能な国では原子力の利用が重要であると報告されている。
EUとしては、IEAのシナリオはやや野心的ではあるが、CO2排出を1990年比の50%削減する
目標とは異なるため、それについては受け入れることはできない。このIEAシナリオ以上を達
成するには唯一再生可能エネルギー資源の利用のほかにないだろう。そのためには、各国家の再
生可能エネルギーのポテンシャルをできる限り利用することが非常に重要である。そして、より
効果的な対応のため、すべての諸国がこれに同意することが必要であり、現在のイニシアチブや
協力関係を追及し、拡大していくべきであろう。具体的な取り組みとして、再生可能エネルギー
ネットワークであるREN21があげられる。REN21は、再生可能エネルギーの発展のため、政府、国
際機関、産業、科学、地域社会をすべて巻き込んだネットワークである。2005年に世界的な再生
2
可能エネルギーに関する調査報告を行い、2006年には最新版が発行されている 。
ディスカッションでは、いかに発展途上国において再生可能エネルギー利用促進を図っていく
ことについて話し合われた。
9.結論および提案
本会議における結論および提案事項については、以下の通り。
¾ 産業革命以前の気温プラス2℃を越えない必要性の強調
¾ 先進国における2020年の温室効果ガス排出量の1990年比30%削減に対する欧州委員会提案の
国際的合意に対する承認
¾ 政治的不安定諸国・地域からの輸入化石燃料依存の増加と、欧州の脆弱なエネルギー供給体
制に起因するエネルギー安全供給危機に対する高まりに対する熟考
¾ 再生可能エネルギーについて、環境保護、エネルギー安全保障や非依存性、特に地方におけ
る雇用創出、経済発展への強い貢献に対する認識
¾ 欧州および世界的に広がる再生可能エネルギーの劇的成長(1997年以来55%増)と産業分野
における革新的特長に対する考慮
上記について、3つのエネルギー政策目標(持続可能な発展、エネルギー安全保障、競争性)
に関する再生可能エネルギーの将来の役割について議論し、国際レベルでもある現在進行中の欧
州新エネルギー政策議論に対する提案として、以下の結論を記載する。
1. 再生可能エネルギーは、EUと世界における、気候変動およびエネルギー安全保障、雇用創
出、経済成長に取り組むための、欧州エネルギー対策および気候政策の統合的部分を担って
いる。
2. 再生可能エネルギーは、どのその他エネルギーよりも急速に成長するポテンシャルを持って
おり、各政府や産業へ取り上げられるための特別な機会を提供すべきである。安定した政策
枠組み状況や、種々のエネルギーに関する外部性を含む真のコストを反映した市場価格が、
より必要とされる投資保障を提供するであろう。
3. 再生可能エネルギーが、欧州のエネルギー輸入依存度の低減やエネルギー資源の多様化、分
散発電の推進を行う上で相当なポテンシャルを保持している点を明確に示すことで、EU内
の結束強化余地について話し合われた。
2
2006 年 10 月、11 月号の情報報告参照。
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情報報告 ウイーン
4. 強く法的拘束力のある目標(2020年までにEUにおけるエネルギー消費に占める再生可能エ
ネルギー割合を少なくとも20%とする)を支援し、EU委員会の再生可能エネルギー割合に
対して提案している国内目標を通じて、また加盟諸国の異なる事情やポテンシャルを考慮し
ながら、成し遂げるべきである。
5. こうした趣旨で、長期的政策および対策を呼びかけ、3部門(電力、冷暖房、バイオ燃料)
における再生可能エネルギー資源利用に対するまとまりのある理解しやすい法律制定提案を
EU委員会が早急に提出することを希望する。EU委員会は、法的拘束力のある目標は、エ
ネルギー政策目標の確保にとって適切でもあり必要でもある。
6. 特に、バイオ燃料に対する大規模投資(「第2世代」バイオ燃料で覆ってしまうほどのやり方)
の必要性を強調する。これを実現するためには、本会議では欧州委員会の提案する、2020年
までに輸送部門における燃料消費量の10%をバイオ燃料にするという提案を支持する。会議
では、バイオエネルギーの推進が環境への負の影響(例:原生林の伐採)を与えることは避
けなければならず、欧州および国際レベルでバイオエネルギー世代のためのバイオマスの栽
培および利用のための、持続可能性に対する基準や認可システムの整備について支援する。
7. 加えて、加盟諸国政府に対し、いまだにある場合(特に計画や承認手続き)において見受け
られる障壁克服に向け、現在の目標を達成するための既存の法律実施や強化を促す。
8. 大規模な再生可能エネルギーの電機網(グリッド)への統合には、欧州全体でインテリジェ
ントグリッドインフラが必要である。特に、洋上風力発電割合の増加は、隣国の加盟諸国へ
提供するための電力供給に対する中核部分として、新送電系統の必要性を高めていくだろう。
9. 再生可能エネルギーおよびエネルギー効率化を推進に向けた計画された地球規模の行動の必
3
4
5
6
7
8
要性に対して賛同する。REN21 やREEEP 、MEDREP 、JREC 、GEEREF 、REEGLE 、再生可能エネル
ギー開発に対するIEA実施協定といった国家支援スキームの最適化、最良実施例や技術進
歩の交流に向けた協力は、この問題に関しては非常に重要である。
10. 再生可能エネルギーの投資について、公的・民間部門共に多くの財政源の必要性を認識して
いる。これは、革新的な融資メカニズムや市場を基盤とした手段を用いるべきである。今回
の会議参加者は、再生可能エネルギーへの民間資本を引き付ける投資環境の構築に熱心な
方々である。
11. 全体として、EUにおける特に輸出機会を通じて新規雇用創出や経済成長保証に向けて、再
生可能エネルギー技術に対する指導的立場の強化と「リスボン戦略」に対する再生可能エネ
ルギーの寄与増加の必要性について強調する。
上記に記した政策および対策を実行することで、再生可能エネルギーは持続可能的、安全、そ
して競争力のある欧州のエネルギー戦略の土台になりうる。2020年までにEUにおける再生可能
エネルギー割合が20%になった場合、以下のような結果が予想される。
¾ 600~900万トンの温室効果ガス削減となる。これは、EUの野心的な将来削減目標の実施の
主要要素となりうる。
¾ 年間200億ユーロの売上だけでなく、現在30万以上ある高度な技術を要する仕事が3倍に増加
3
4
5
6
7
8
REN21: Renewable Energy Policy Network for the 21st Centry
REEEP: Renewable Energy and Energy Efficiency Partnership
MEDREP: Mediterranean Renewable Energy Programme
JREC: Johannesburg Renewable Energy Coalition
GEEREF: Global Energy Efficiency and Renewable Energy Fund
REEGLE: Information Gateway for Renewable Energy and Energy Efficiency
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情報報告 ウイーン
し、そして欧州産業が世界市場において非常に良い立場となる。
9
¾ EUへのエネルギー輸入低下により、EU経済で200Mtoe(550億ユーロ に相当)分を削減し、
エネルギー安全保障や結束が強化される。
2020年までの目標を達成することは、Sir Nicholas Stern(元世界銀行の主任経済学者)の報
告書にも記載されているように、気候変動の軽減や対応が遅れると結局コストが高くつくことが
証明されたことで、経済成長および社会福祉面での長期的レベルにおいても好都合となるであろ
う。
それゆえ、会議参加者はEU理事会に対し、明確な政略の必要性と野心的エネルギー行動計画
を春季EU理事会会合にて欧州議会と同意し、EU委員会によって提案されている再生可能エネ
ルギーの割合増加目標に向けた法的拘束を持つ目標承認について要求する。
9
1 バレル 48 ドルという仮定に基づく。
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