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第2章 多様な商業・サービス産業と都市・地域

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第2章 多様な商業・サービス産業と都市・地域
第2章
多様な商業・サービス産業と都市・地域
我が国の都市・地域は、地方圏も含めて、商業・サービス産業への依存を深めている。
第2章では「平成 18 年事業所・企業統計調査」の結果を中心に、商業・サービス産業の業
種別に、都市・地域における立地の特色をみる。
第1節
概況
1.都市・地域における商業・サービス産業
(1)都市・地域における商業・サービス産業の立地
1)全国に占める都市類型等別の従業者割合
(商業・サービス産業従業者の2割弱は三大都市、半数以上が三大都市圏と札仙広福)
商業・サービス産業の従業者数を産業大分類別にみると、公務を除く事業所従業者
が多い業種は、卸売・小売業(約 1,237 万人)
、サービス業(約 841 万人)
、飲食店・
宿泊業(487 万人)、医療・福祉(482 万人)などである。
都市類型等別の状況をみると、三大都市に事業所従業者数全体の2割弱、三大都市
圏全体と札仙広福に半数以上、その他の県庁所在都市及び核都市が各々約1割となっ
ている。
業種別にみると、三大都市圏が過半数を占める業種は、情報通信業、不動産業、教
育、学習支援業、金融・保険業及びサービス業である。
図表Ⅰ-2-1:都市類型等別・産業大分類別事業所従業者数
<従業者数>
0
2,000,000
4,000,000
6,000,000
8,000,000
10,000,000
卸売・小売業
約841万人
飲食店,宿泊業
約487万人
医療,福祉
約482万人
約287万人
運輸業
情報通信業
約159万人
教育,学習支援業
約159万人
金融・保険業
約143万人
不動産業
約101万人
電気・ガス・熱供給・水道業
14,000,000
約1,237万人
サービス業(他に分類されないもの)
複合サービス事業
12,000,000
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
約71万人
約18万人
17
<従業者数割合>
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
0%
10%
20%
60%
金融・保険業(1,428,448人)
31.0%
不動産業(1,010,022人)
31.0%
医療,福祉(4,822,434人)
4.9%
25.8%
8.8%
16.3%
45.6%
9.0%
5.7%
26.5%
24.8%
サービス業(他に分類されないもの,8,412,340人))
10.4%
3.6%
21.3%
10.1%
13.8%
29.3%
12.5%
5.9%
16.5%
7.6%
9.9%
11.3%
12.5%
36.8%
19.8%
教育,学習支援業(1,589,371人)
25.5%
9.4%
11.1%
5.2%
28.9%
30.2%
11.7%
24.8%
9.3%
6.8%
30.9%
4.9% 4.4%
10.2%
7.1%
15.6%
6.1%
21.6%
19.7%
飲食店,宿泊業(4,868,840人)
25.1%
10.1%
11.8%
5.6%
27.2%
19.7%
卸売・小売業(12,366,590人)
100%
27.3%
10.7%
9.9%
4.9%
32.3%
90%
11.0%
14.8%
その他の地域
80%
17.1%
17.3%
運輸業(2,870,611人)
その他核都市
70%
10.1%
10.8%
4.8%
8.5%
56.2%
情報通信業(1,592,105人)
複合サービス事業(706,523人)
50%
19.9%
20.6%
電気・ガス・熱供給・水道業(180,740人)
その他の県庁所在都市
40%
27.9%
19.1%
全産業(公務を除く,54,184,428人))
札仙広福
30%
21.2%
9.8%
11.9%
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
2)全国に占める都市圏内外別商業・サービス産業従業者割合
(商業・サービス産業は核都市に集中)
都市圏内外別1に商業・サービス産業従業者の分布をみると、都市圏、特に核都市の従
業者割合が 50.5%と過半数を占める。全産業平均よりも都市圏外の割合が大きい業種は、
複合サービス事業(17.9%)、電気・ガス・熱供給・水道業(10.7%)、飲食店、宿泊業(8.5%)、
医療、福祉(8.1%)の4業種である。
周辺市町村の割合が全産業平均よりも大きい業種は、医療、福祉(45.9%)、複合サー
ビス事業(45.5%)、運輸業(44.2%)、教育、学習支援業(42.2%)の4業種である。
図表Ⅰ-2-2:都市圏内外別・産業大分類別事業所従業者数割合
核都市
0%
複合サービス事業
10%
20%
30%
医療,福祉
全産業(公務を除く。)
卸売・小売業
運輸業
40%
36.7%
50%
都市圏外
60%
70%
80%
45.5%
59.1%
電気・ガス・熱供給・水道業
飲食店,宿泊業
周辺市町村
39.9%
45.9%
不動産業
教育,学習支援業
66.5%
28.4%
18
5.1%
3.7%
42.2%
81.9%
1 都市圏の定義は凡例参照。
5.8%
34.9%
54.3%
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
6.2%
36.5%
61.4%
情報通信業
7.2%
44.2%
57.7%
金融・保険業
7.6%
40.2%
49.5%
サービス業(他に分類されないもの)
8.1%
41.8%
52.7%
10.7%
8.5%
45.9%
50.5%
100%
17.9%
30.2%
51.6%
90%
3.5%
17.0%
1.1%
(2)都市・地域における全産業に占める商業・サービス産業の比率
1)都市類型等別にみた商業・サービス産業従業者比率
(商業・サービス産業従業者比率が最も高い札仙広福)
全産業に占める商業・サービス産業事業所従業者比率(公務を除く。)は、全国平均
では 73.5%となっている。札仙広福は 85.7%と、三大都市(83.2%)を上回っており、
その他の県庁所在都市(79.7%)がこれに続いている。三大都市圏の三大都市以外
(73.2%)、その他の核都市(71.0%)、その他の地域(63.5%)においては、全国平
均を下回る。
産業大分類別にみると、全国平均では卸売・小売業(22.8%)
、サービス業(他に分
類されないもの)
(15.5%)、飲食店、宿泊業(9.0%)、医療、福祉(8.9%)などの比
率が高くなっている。
都市類型等別にみると、サービス業及び情報通信業は三大都市(各々20.1%、8.6%)
で比率が高く、運輸業及び教育、学習支援業は三大都市圏の三大都市以外の地域で最
も比率が高い(各々6.1%、3.9%)。一方、卸売・小売業及び飲食店、宿泊業は札仙広
福(各々27.0%、9.8%)、医療、福祉はその他の県庁所在都市(10.2%)において最
も比率が高い。
図表Ⅰ-2-3:都市類型等別・サービス産業大分類別・事業所従業者比率
卸売・小売業
医療,福祉
教育,学習支援業
複合サービス事業
サービス業(他に分類されないもの)
運輸業
金融・保険業
電気・ガス・熱供給・水道業
0.0%
10.0%
全国
22.8%
三大都市
23.5%
三大都市圏の三大都市以外
22.3%
20.0%
30.0%
40.0%
15.5%
50.0%
9.0%
20.1%
飲食店,宿泊業
情報通信業
不動産業
60.0%
8.9%
9.3%
70.0%
5.3%
5.5% 4.8%
9.3%
9.6%
3.0 4.3
8.6%
1.8
14.8%
80.0%
90.0%
1.9 1.3
2.9 2.9 2.6
0.3
6.1%
0.7
3.0 0.4
1.0
3.9 2.0 2.1
0.2
1.0
札仙広福
27.0%
18.7%
9.8%
9.2%
5.5%
4.4 3.6 3.4 2.7
1.7 1.3
その他の県庁所在都市
24.9%
17.1%
9.2%
10.2%
4.9% 2.8 3.4 3.8
1.4
その他核都市
22.8%
15.0%
8.3%
10.0%
5.6%
0.5 1.8
その他の地域
21.3%
12.1%
8.5%
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
19
9.6%
4.8%
1.4 1.2
0.4
2.4
2.5
2.2 0.3
1.6 0.9
0.5
0.6
100.0%
2)都市圏内外・条件不利地域における商業・サービス産業従業者比率
(医療・福祉業従業者比率の低い特別豪雪地帯、振興山村)
都市圏内外別に全産業に占める商業・サービス産業の従業者比率をみると(公務を含
まない。)、都市圏全体では 74.2%、核都市においては 79.0%と高く、工場等が多く立地
する地域が多い周辺市町村(68.5%)及び都市圏外(65.2%)においては全国平均を下回
る。
条件不利地域に全域が指定された市町村について、全産業に占めるサービス産業の従
業者比率をみると、製造業の立地が少ない離島地域等においては、全体として三次産業
の比率が高い(73.0%)。一方、第一次産業の比率が高い振興山村においては第三次産業
の比率は低い(60.3%)。
主要な業種別の特徴をみると、卸売・小売業は、振興山村では低い。サービス業につ
いては、豪雪地帯以外は全国平均をかなり下回る。一方、飲食店・宿泊業は、豪雪地帯及
び過疎地域等以外においては、全国平均をやや上回る。
医療・福祉は、都市圏外では全国平均を上回るが、条件不利地域の中では、特別豪雪
地帯及び振興山村は全国平均を下回る。
図表Ⅰ-2-4:都市圏内外、条件不利地域別・産業大分類別・事業所従業者比率
卸売・小売業
医療,福祉
教育,学習支援業
複合サービス事業
0.0%
サービス業(他に分類されないもの)
運輸業
金融・保険業
電気・ガス・熱供給・水道業
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
飲食店,宿泊業
情報通信業
不動産業
50.0%
60.0%
全国
22.8
15.5
9.0
8.9
5.3
都市圏
22.9
15.8
8.9
8.9
5.4
核都市
23.8
17.7
9.2
70.0%
2.9 2.9 2.6 1.9
3.1 3.1
8.1
21.9
13.5
8.6
9.8
0.4
都市圏外
21.5
11.9
10.0
9.5
1.2 0.3
3.5 2.3
3.2
1.8
1.6 1.4
3.0
5.6
1.3 0.3
2. 1.9
4.8
5.2
1.2
周辺市町村
80.0%
0.2
0.9
3.1
4.3
0.5
1.3 1.8
離島地域等
半島地域
23.7
11.5
23.2
11.8
11.6
11.5
10.0
豪雪地帯
18.1
23.0
10.8
10.4
11.5
8.2
14.3
9.0
3.2
3.8
5.6
0.6
0.8 1.3
9.4
1.5
5.0
2.2 2.4
1.3
2.0
0.7 1.4 0.9
特別豪雪地帯
21.0
過疎地域等
21.9
12.1
11.5
10.2
8.5
8.6
10.9
4.5
4.2
0.3 1.3
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
20
0.4
0.4 1.8 0.9
3.8
0.1
4.6
0.4 1.6
0.6
振興山村
1.3 1.7 0.7
5.0
3.0
2.3
1.7
3.7
0.8
0.3
0.3
0.4
0.6
0.9 0.4
90.0%
2.都市類型等ごとの特色
(1)東京都特別区集中型の業種
(全国の従業者の半数以上を占める業種が 15 業種)
東京都特別区には、全国の事業所従業者(公務を除く。
)の 12.7%(6,859,800 人)が
集中する。全国に占める東京都特別区の事業所従業者数が上位の業種(産業小分類)を
みると、過半数を超える業種が 15 業種に上る。上位業種は、情報通信業、金融業などの
ほか、文化関連の業種などがあげられる。
図表Ⅰ-2-5:東京都特別区に従業者が集中する業種(小分類、上位 20 位)
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
100.0%
86.6%
証券業類似業
79.0%
音声情報制作業
75.7%
外航海運業
68.9%
映像情報制作・配給業
68.7%
インターネット附随サービス業
65.9%
出版業
65.8%
その他の非預金信用機関
60.5%
商品先物取引業,商品投資業
55.5%
各種商品卸売業
55.0%
映像等情報制作附帯サービス業
53.2%
学術・文化団体
中央銀行
52.1%
証券業 51.7%
航空運送業
51.1%
50.2%
劇場(興行場、興行団)
事務用機械器具賃貸業
48.6%
法律事務所,特許事務所
48.6%
ソフトウェア業
46.4%
情報処理・提供サービス業
45.6%
45.1%
広告代理業
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
21
(2)大阪市及び名古屋市
(卸売、金融、情報産業が集中する大阪、名古屋)
大阪市及び名古屋市は、全国の事業所従業者(公務を除く。
)の各々、3.9%(2,121,613
人)、2.9%(1,375,262 人)を占める。
全国に占める大阪市及び名古屋市の占める事業所従業者数が上位の業種(産業小分類)
をみると、大阪市については、全国の約 4 分の1を占める繊維品卸売業をはじめ、各種
卸売業が集積している。また、法律事務所等、金融、情報通信業の中にも1割以上を占
める業種がみられる。
名古屋市については、1割以上を占める業種はないが、同様に、卸売、金融、情報関
連の業種の割合が大きい。
図表Ⅰ-2-6:大阪市及び名古屋市に従業者が集中する業種(小分類、上位 20 位)
<大阪市>
<名古屋市>
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
25.0%
繊維品卸売業
0.0%
4.0%
6.0%
8.0% 10.0% 12.0%
郵便貯金・為替・振替業務取扱機関
14.1%
商品先物取引業,商品投資業
2.0%
9.5%
8.2%
保険サービス業
法律事務所,特許事務所
12.9%
移動電気通信業
化学製品卸売業
12.8%
証券業類似業
7.4%
各種商品卸売業
12.5%
商品先物取引業,商品投資業
7.2%
郵便貯金・為替・振替業務取扱機関
12.3%
繊維品卸売業
7.0%
移動電気通信業
12.2%
港湾運送業
6.8%
新聞業
11.9%
一般機械器具卸売業
広告代理業
11.9%
補助的金融業,金融附帯業
11.1%
クレジットカード業,割賦金融業
11.0%
固定電気通信業
10.8%
民間放送業(有線放送業を除く)
10.8%
不動産管理業
10.4%
公園,遊園地 10.3%
7.9%
6.6%
航空機使用業(航空運送業を除く)
6.2%
電気機械器具卸売業
6.1%
喫茶店
5.9%
クレジットカード業,割賦金融業
5.9%
化学製品卸売業
5.9%
ガス業
民間放送業(有線放送業を除く)
広告代理業
5.9%
5.8%
5.7%
旅行業
9.7%
鉱物・金属材料卸売業
9.6%
電気機械器具卸売業
9.5%
電気機械器具修理業
5.3%
その他の機械器具卸売業
9.4%
専修学校,各種学校
5.2%
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
22
家具・建具・じゅう器等卸売業
5.7%
鉱物・金属材料卸売業
5.7%
(3)札仙広福と県庁所在都市
(通信、放送、運輸、保険、金融、卸売などが集中する札仙広福)
広域的なブロックの中心的な都市である札仙広福には全国の事業所従業者(公務を除
く。)の 4.8%(2,584,908 人)が集中する。4都市を併せると大阪市の従業者数を 40 万
人以上上回る。札仙広福に従業者が集中する業種をみると(産業小分類)をみると、通
信、放送、運輸、保険、金融、卸売などに含まれる業種の従業者割合が大きい。
三大都市圏、政令指定都市以外の県庁所在都市(34 都市)は、全国の事業所従業者(公
務を除く。)の 10.8%(5,876、445 人)を占める。これらの都市に集中する業種として
は、農林水産金融業、共済事業などの金融業、放送業のほか、経済、労働、政治団体な
どが集積している。
図表Ⅰ-2-7:札仙広福と県庁所在都市に従業者が集中する業種(小分類、上位 20 位)
<札仙広福>
<その他の県庁所在都市>
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
郵便貯金・為替・振替業務取扱機関
20.0%
25.0%
0.0%
23.2%
40.0%
38.4%
37.0%
32.0%
民間放送業(有線放送業を除く)
12.6%
健康相談施設
30.0%
農林水産金融業
13.8%
下宿業
20.0%
特殊教育諸学校
21.2%
移動電気通信業
10.0%
31.5%
信書送達業
工業用水道業
30.9%
10.9%
公共放送業(有線放送業を除く)
30.4%
電気通信に附帯するサービス業
10.9%
共済事業
保険サービス業
10.8%
健康相談施設
集配利用運送業
10.6%
社会保険事業団体
貸金業
10.6%
労働団体
21.8%
土木建築サービス業
10.2%
経済団体
21.7%
クレジットカード業,割賦金融業
10.1%
小学校
21.5%
上水道業
民間放送業(有線放送業を除く)
11.5%
29.7%
27.2%
26.2%
郵便貯金・為替・振替業務取扱機関
21.5%
9.8%
他に分類されない非営利的団体
21.3%
航空機使用業(航空運送業を除く)
9.7%
その他の保健衛生
21.2%
運輸施設提供業
9.6%
政治団体
20.8%
商品先物取引業,商品投資業
9.6%
中央銀行
20.1%
医薬品・化粧品等卸売業
9.4%
補助的金融業,金融附帯業
20.0%
その他の機械器具卸売業
9.3%
集配利用運送業
20.0%
電気業
9.3%
公共放送業(有線放送業を除く)
9.8%
専修学校,各種学校
事業協同組合
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
23
20.0%
50.0%
(4)三大都市圏近郊
(三大都市圏近郊には研究所、大学、学習塾、倉庫などが集積)
三大都市圏のうち三大都市以外の地域には全国の事業所従業者(公務を除く。)の
27.9%(15,104,725 人)が集中する。
業種別事業所従業者全体のうち、この地域の割合が大きい業種(小分類)としては、
物品預り業が 69.9%と大きい他、公園、遊園地(民営のみ)
、自然科学研究所が 50%を
上回る。
大都市圏近郊には、自然科学研究所に比べると、事業所数・従業者数は少ないものの、
人文・社会科学研究所、高等教育機関が集中する。
図表Ⅰ-2-8:三大都市圏近郊に従業者が集中する業種(小分類、上位 20 位)
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
69.9%
物品預り業
51.4%
公園,遊園地 自然科学研究所
50.0%
火葬・墓地管理業
49.8%
48.3%
倉庫業(冷蔵倉庫業を除く)
47.1%
こん包業
44.6%
その他の道路旅客運送業
44.0%
学習塾
43.1%
競輪・競馬等の競走場,競技団
幼稚園
40.3%
冷蔵倉庫業
40.1%
39.1%
小学校
その他の一般飲食店
38.7%
獣医業
38.7%
中学校
38.6%
高等教育機関
38.3%
38.3%
人文・社会科学研究所
教養・技能教授業
37.5%
デザイン・機械設計業
37.1%
37.1%
百貨店,総合スーパー
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
24
(5)大都市・大都市圏以外の地域
(事業所向けのサービス業の従業者が多い大都市以外の地域)
三大都市圏、政令指定都市・県庁所在都市以外の核都市(55 都市)は、全国の事業所
従業者(公務を除く。)の 10.1%(5,486,588 人)を占め、これは、東京都特別区及び札
仙広福以外の県庁所在都市とほぼ同規模である。これらの都市に従業者が多い業種とし
ては、水運を中心とした運輸業、計量証明業、他に分類されないサービス業、産業廃棄
物処理業、機械修理業などの主として事業所向けのサービス業などである。
全国の事業所従業者(公務を除く。
)の 27.3%(14,87087 人)を擁する三大都市、政
令指定都市、県庁所在都市以外の地域には、主要な都市には少ない農業関係の農業用品
小売業、農林水産業協働組合従業者が 6 割以上集中しているほか、廃棄物処理業、と畜
場、宿泊業、料亭などの従業者が多い。
図表Ⅰ-2-9:大都市・大都市圏以外の地域に従業者が集中する業種
<政令指定都市・県庁所在都市以外の核都市に
<その他の地域に従業者が集中する業種>
従業者が集中する業種>
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
0.0%
農耕用品小売業
24.4%
下宿業
68.4%
農林水産業協同組合
63.2%
23.3%
沿海海運業
郵便局受託業
18.9%
信書送達業
熱供給業 16.9%
計量証明業
16.1%
港湾運送業
10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0%
40.1%
船舶貸渡業
60.7%
その他の廃棄物処理業
57.4%
と畜場
53.6%
旅館,ホテル
48.3%
15.8%
スポーツ施設提供業 他に分類されないサービス業
14.8%
冠婚葬祭業
14.5%
と畜場
14.4%
上水道業
13.6%
鮮魚小売業
13.6%
病 院
13.3%
産業廃棄物処理業
13.2%
バー,キャバレー,ナイトクラブ
13.1%
ガス業
13.0%
下水道業
12.9%
自動車小売業
12.8%
機械修理業(電気機械器具を除く)
呉服・服地・寝具小売業
内陸水運業
一般廃棄物処理業
燃料小売業
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
25
43.2%
43.1%
42.5%
料亭
42.3%
著述・芸術家業
42.1%
41.5%
仏教系宗教
41.3%
障害者福祉事業
40.7%
その他の宿泊業
40.2%
酒小売業
12.4%
43.6%
神道系宗教
鮮魚小売業
12.7%
47.4%
39.2%
老人福祉・介護事業
38.7%
スポーツ・娯楽用品賃貸業
37.8%
第2節
卸売・小売業
1.概況
(1)卸売・小売業と都市・地域
(都市・地域の構造、地域の産業を形づくる卸売・小売業)
我が国の小売業は、戦後、店売りからスーパー・マーケットの普及、コンビニエン
ス・ストアの増加、モータリゼーションに伴う郊外化の進展と大型化、量販店の増加、
近年ではいわゆる駅なかや、アウトレットの増加、通信販売の拡大など、いくつもの
大きな業態変化を経てきており、住民の暮らしと行動圏、都市・地域の構造に少なか
らぬ影響を与えてきた。
一方、卸売業についても、流通の変革に伴い再編が進み、従来型の地域の製造業と
結びついた専門卸売業が減少するなど、地域経済、地域の産業への影響は大きい。
(小売業のGDP比率は低下)
卸売・小売業の国内総生産(名目GDP)に占める比率をみると、平成7~8 年に
は、合わせてGDPの約 15%占めていたが、比率は低下し、平成 18 年には 13.5%に
留まる。
卸売業については8~9%台で推移してきているが、小売業は5%台から近年では
4%台へと低下傾向にある(平成 18 年は 4.4%)。
図表Ⅰ-2-10:名目 GDP に占める卸売・小売業の割合(暦年)
60,000.0
卸売業
小売業
卸売業
小売業
50,000.0
40,000.0
30,000.0
14.0%
12.0%
9.2%
5.8%
9.4%
5.6%
9.2%
5.4%
9.2%
8.7%
8.7%
5.3%
5.4%
5.4%
8.5%
8.3%
8.8%
9.3%
10.0%
9.1%
8.0%
5.3%
4.8%
5.2%
4.4%
20,000.0
6.0%
4.4% 4.0%
10,000.0
2.0%
0.0
0.0%
H8
H9
H10
H11
H12
H13
資料:内閣府「国民経済計算」
26
H14
H15
H16
H17
H18
(2) 事業所及び従業者数の推移
(卸売、小売業ともに減少傾向)
卸売・小売業の事業所及び従業者数の推移をみると、卸売業は、事業所数では昭和
61 年、従業者数では平成3年をピークに減少傾向にあり、平成 18 年には、事業所
368,592 箇所、従業者数 3,899,872 人となっている。
小売業については、事業所数では昭和 56 年をピークに減少し、平成 18 年には
1,234,520 事業所と、ピークから約 30%減、昭和 47 年よりも約4分の1少ない水準と
なっている。従業者数は、平成に入ってからも増加し、平成8年及び 13 年には 900 万
人台に上ったが、平成 18 年には減少し、8,506,238 人となった。
小売業は、GDPでは卸売業の半分以下であるが、事業所数で3倍以上、従業者数
2倍以上と、大きな雇用も生んでいる。
図表Ⅰ-2-11:卸売、小売業の事業所数・従業者数の推移
<卸売業>
6000000
事業所数
従業者数
500000
400000
452317
421632
476190
5053088
387975
361753
4378028
300000
470436
3769926
3874318
447355
5061402
5000000
403802
368592
4653938
4000000
4311468
4053691
3899872
3000000
200000
2000000
100000
1000000
0
0
S47
S50
S53
S56
S61
H3
H8
H13
H18(*)
<小売業>
事業所数
2000000
1642881 1676297
10000000
9004337
9000000
7655515
1760157 1781075
6848068
1500000
5893618
9071160
従業者数
7993869
1547533
7395977
1729248
6237197
8506238
7000000
1403482
1606368
8000000
1234520
6000000
5000000
1000000
4000000
3000000
500000
2000000
1000000
0
0
S47
S50
S53
S56
S61
資料:総務省統計局「事業所・企業統計調査」
27
H3
H8
H13
H18(*)
2.都市・地域における現状
(1)都市・地域における小売業事業所数・従業者数の比率
1) 小売業
(都市・地域の雇用の場を生む小売業)
小売業は全国平均で事業所全体の 21.6%を占め、三大都市や札仙広福以外の都市では
2割を超える。さらに、全体として企業立地の少ない条件不利地域等においては全体の
4分の1近くにも及ぶ。従業者数でみても、三大都市以外では、15%~20%と、都市・
地域における雇用の場としての意味も大きい。
図表Ⅰ-2-12:事業所数・従業者数に占める小売業の比率
(事業所数)
0.0%
5.0%
10.0%
3.0%
全国
三大都市
3.3%
三大都市圏の
三大都市以外
3.1%
札仙広福
7.5%
5.4%
1.5%
その他の県庁所在都市
3.4%
7.1%
その他核都市
3.1%
7.5%
その他の地域
2.7%
離島地域等
2.5%
半島地域
2.7%
振興山村
1.8%
2.5%
過疎地域等
2.5%
7.1%
1.9%
2.0%
7.4%
2.0%
7.6%
2.0%
2.3%
12.8%
1.8%
9.0%
8.3%
7.5%
2.2%
10.8%
8.5%
8.7%
2.2%
2.1%
1.7%
2.7%
2.5%
1.2%
8.0%
8.1%
1.5%
1.7%
11.1%
特別豪雪地帯
30.0%
6.5%
10.2%
2.9%
豪雪地帯
1.9%
1.4%
9.0%
1.8%
25.0%
7.2%
5.7%
1.7%
5.9%
20.0%
2.0%
0.8% 1.5%
7.3%
3.5%
15.0%
1.7%
7.6%
1.8%
2.6%
8.6%
各種商品小売業
織物・衣服・身の回り品小売業
飲食料品小売業
自動車・自転車小売業
家具・じゅう器・機械器具小売業
その他の小売業
(従業者数)
0.0%
全国
三大都市
三大都市圏の
三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
5.0%
1.2%
1.4%
0.9%
1.5%
1.5%
その他の地域
1.0%
0.5%0.8%
1.5%
1.2%
1.2%
6.3%
6.3%
1.2%
1.0%
4.8%
4.6%
1.1%
5.0%
1.0%
1.4%
5.1%
1.1%
9.3%
5.6%
1.3%
8.0%
1.3%
20.0%
4.7%
1.0%
1.5%
1.5%
7.1%
離島地域等 0.6% 1.2%
15.0%
1.0%
3.0%
6.2%
1.4%
半島地域
1.2%
7.0%
1.6%
1.3%
1.1%
4.1%
1.4%
1.3%
その他核都市
10.0%
6.3%
1.3%
1.6%
6.2%
1.2%
6.4%
1.0%
振興山村
0.8%
0.4%
豪雪地帯
1.0%
7.3%
1.3%
特別豪雪地帯 0.7% 1.1%
過疎地域等
0.7% 1.1%
0.8% 1.0%
6.6%
7.0%
1.4%
1.3%
7.7%
各種商品小売業
自動車・自転車小売業
6.0%
1.0%
1.1%
1.3%
5.5%
6.0%
1.2%
織物・衣服・身の回り品小売業
家具・じゅう器・機械器具小売業
資料:総務称統計局[平成 18 年事業所・企業統計調査]
28
6.3%
飲食料品小売業
その他の小売業
2)卸売業
(卸売業は大都市立地型産業)
卸売業の事業所及び従業者数の比率をみると、三大都市及び札仙広福においては、事
業所全体の約1割、従業者数の 11~13%を占める。特に、三大都市における機械器具卸
売業は、従業者比率が 4.0%と高くなっている
図表Ⅰ-2-13:事業所全体に占める卸売業の比率
(事業所数)
0.0%
全国
2.0%
0.5%
三大都市
札仙広福
0.7%
その他の県庁所在都市
0.5%
その他核都市
1.9%
2.2%
1.5%
1.7%
1.6%
1.4%
2.5%
3.5%
1.6%
1.7%
12.0%
2.6%
2.6%
2.1%
1.7%
10.0%
1.3%
1.3%
1.3%
8.0%
1.6%
2.0%
1.6%
0.4% 1.1%
6.0%
1.6%
1.4%
1.3%
1.5%
三大都市圏の
三大都市以外
4.0%
0.3%
その他の地域
1.0%
0.8%
1.1%
1.2%
0.2%
各種商品卸売業
繊維・衣服等卸売業
飲食料品卸売業 建築材料,鉱物・金属材料等卸売業
機械器具卸売業
その他の卸売業
(従業者数)
0.0%
2.0%
全国 0.5%
0.7%
その他の県庁所在都市
0.4%
1.4%
1.7%
その他核都市
3.0%
4.0%
2.6%
3.6%
1.9%
2.3%
1.5%
2.1%
12.0%
1.6%
1.9%
2.3%
10.0%
1.3%
1.4%
1.0%
8.0%
2.1%
1.8%
三大都市圏の
0.3% 1.2%
三大都市以外
札仙広福
6.0%
2.0%
1.4%
1.6%
1.6%
三大都市
4.0%
1.3%
1.7%
0.3%
その他の地域
1.3%
0.1%
1.0%
0.7% 0.9%
各種商品卸売業
繊維・衣服等卸売業
飲食料品卸売業 建築材料,鉱物・金属材料等卸売業
機械器具卸売業
その他の卸売業
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
29
14.0%
(2)都市類型等別の事業及び従業者の割合
1)小売業
(札仙広福、三大都市圏近郊の事業所は従業員規模が比較的大きい)
小売業について、全国に占める事業所数及び従業者数の都市類型等別立地割合を比
較すると、事業所数では、三大都市は 11.8%に留まり、その他の地域に 3 分の 1 以上
が立地する。一方、従業者数は、三大都市に 14.2%、三大都市圏全体で半数以上を占
める。
小売業について、1 事業所当り従業者数を都市類型等別にみると、札仙広福で 8.9
人と最も多く、三大都市圏の三大都市以外の地域、三大都市がこれに続く。
図表Ⅰ-2-14:事業所数及び事業所従業者数の都市類型別割合
0%
事業所数
従業者数
10%
20%
11.8%
30%
25.4%
14.2%
40%
50%
3.7% 11.3%
36.5%
三大都市
その他の県庁所在都市
60%
70%
11.0%
5.2%
80%
90%
100%
36.8%
12.0%
9.3%
三大都市圏の三大都市以外
その他核都市
22.9%
札仙広福
その他の地域
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
図表Ⅰ-2-15:卸売・小売業の 1 事業所あたり従業者数
0
2
4
6
全国
8
10
12
14
6.9
三大都市
7.6
三大都市圏の三大都市以外
8.2
札仙広福
8.9
その他の県庁所在都市
7.0
その他核都市
6.6
その他の地域
5.6
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
30
全産業
卸売業
小売業
16
(飲食料品小売業は 40 万事業所を超える)
小売業について、産業中分類別に都市類型等別事業所数をみると、飲食料品小売業が
最も多く、百貨店などを含む各種商品小売業が最も少ない。これに、その他小売業、織
物・衣服・身の回り品小売業が続いている。
(織物・衣服等小売業は三大都市に多い)
次に、都市類型別の全国に占める事業所数割合をみると、小売業全体として、三大都
市圏が約 3 分の1、その他の地域も 3 分の 1 強を占める。これと比較すると、織物・衣服・
身の回り品小売業は、三大都市の割合が 16.4%と大きく、その他の地域の割合は 29.1%
と小さい。また、自動車・自転車小売業は三大都市の割合が 7.0%と小さく、三大都市
圏と札仙広福以外の県庁所在都市及び核都市の割合がやや多い。
全国に占める従業者割合をみると、織物・衣服・身の回り品小売業は、三大都市が 20.6%
と事業所数割合以上に大きく、三大都市圏の三大都市以外の地域においては逆に小売業
全体の平均より割合が小さい。その他の小売業は、その他の地域で 32.5%と大きく、地
方専門店には一定程度の従業員が働いていることが窺われる。
図表Ⅰ-2-16:小売業の業種別都市類型別立地の状況(事業所数及び割合)
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
350,000
各種商品小売業
織物・衣服・
身の回り品小売業
飲食料品小売業
自動車・自転車小売業
家具・じゅう器・
機械器具小売業
その他の小売業
三大都市
その他の県庁所在都市
三大都市圏の三大都市以外
その他核都市
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
31
札仙広福
その他の地域
400,000
450,000
図表Ⅰ-2-17:小売業の業種別都市類型別立地の状況(事業所数及び割合)
<事業所数割合>
0%
10%
20%
30%
40%
50%
小売業計
11.8%
25.4%
3.7%
11.3%
各種商品小売業
10.8%
27.0%
3.4%
10.5%
織物・衣服・
身の回り品小売業
16.4%
11.0%
飲食料品小売業
3.3%
26.0%
家具・じゅう器
・機械器具小売業
11.5%
その他の小売業
12.0%
三大都市
3.8%
24.7%
25.2%
11.0%
三大都市圏の三大都市以外
100%
36.8%
10.9%
29.1%
10.6%
39.3%
12.5%
38.7%
10.9%
38.8%
11.5%
札仙広福
90%
38.2%
12.4%
12.1%
3.8%
80%
10.0%
10.6%
3.1%
70%
11.0%
4.8%
25.1%
7.0%
自動車・自転車小売業
26.3%
60%
11.1%
36.4%
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
<従業者割合>
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
小売業計
14.2%
36.5%
5.2%
12.0%
9.3%
22.9%
各種商品小売業
14.2%
36.5%
5.2%
12.0%
9.3%
22.9%
10.2%
23.3%
織物・衣服・
身の回り品小売業
飲食料品小売業
自動車・自転車小売業
家具・じゅう器
・機械器具小売業
その他の小売業
三大都市
20.6%
28.6%
12.4%
8.4%
15.2%
12.2%
5.5%
31.1%
4.7%
28.1%
4.8%
28.8%
三大都市圏の三大都市以外
14.1%
4.6%
28.3%
4.7%
札仙広福
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
32
10.8%
11.8%
10.2%
12.7%
11.6%
11.5%
10.4%
10.9%
その他の県庁所在都市
100%
30.8%
31.9%
29.3%
32.5%
その他核都市
その他の地域
2)卸売業
(ブロック中心都市に立地する商社、繊維・衣服等卸売業)
卸売業の事業所数及び従業者数の都市類型等別割合をみると、三大都市、札仙広福
は、従業者割合が事業所数割合を上回り、従業員規模の比較的大きな事業所が立地す
る。一方、県庁所在都市、その他核都市及びその他の地域においては、小規模事業所
が多いことが窺われる。
産業中分類別に都市類型等別の事業所数割合をみると、繊維・衣服等卸売業の半数
以上、商社などの各種商品卸売業の4割以上は三大都市と札仙広福が占めるのに対し、
「飲食料品卸売業」、「建築材料・鉱物・金属材料等卸売業」及び「機械器具卸売業」
の半数以上がその他の県庁所在都市、その他核都市及びその他の地域に立地する。
図表Ⅰ-2-18:卸売業の都市類型別立地割合(事業所数・従業者数)
<全体>
0%
10%
20%
30%
24.8%
事業所数
40%
21.9%
34.3%
従業者数
50%
60%
7.0%
13.7%
21.0%
70%
80%
10.8%
7.5%
12.6%
90%
100%
21.9%
9.1%
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
15.5%
<事業所数割合>
0%
卸売業計
10%
20%
24.8%
21.9%
50%
60%
7.0%
13.7%
21.4%
18.9%
23.2%
機械器具卸売業
25.2%
その他の卸売業
25.8%
三大都市
5.5%
14.1%
6.1%
22.1%
22.4%
三大都市圏の三大都市以外
33
6.8%
10.1%
9.1%
5.7%
10.9%
札仙広福
100%
17.3%
6.9%
10.1%
29.7%
11.7%
25.6%
15.8%
13.5%
90%
21.9%
11.3%
12.4%
9.5%
80%
10.8%
20.2%
20.5%
21.0%
70%
4.8%
46.3%
繊維・衣服等卸売業
建築材料,
鉱物・金属材料等卸売業
40%
37.3%
各種商品卸売業
飲食料品卸売業 30%
11.5%
10.0%
その他の県庁所在都市
15.9%
21.5%
その他核都市
その他の地域
<従業者割合>
0%
10%
20%
卸売業計
30%
34.3%
機械器具卸売業
その他の卸売業
三大都市
60%
7.5%
70%
80%
12.6%
9.1%
70.5%
繊維・衣服等卸売業
建築材料,
鉱物・金属材料等卸売業
50%
21.0%
各種商品卸売業
飲食料品卸売業 40%
8.7%
56.9%
22.5%
17.7%
22.1%
29.3%
7.0%
21.1%
39.0%
6.5%
20.5%
35.0%
三大都市圏の三大都市以外
14.5%
21.9%
札仙広福
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
34
90%
15.5%
3.4% 5.3% 3.6%
6.3%
8.0%
10.9%
12.1%
10.9%
8.8%
12.8%
7.7%
その他の県庁所在都市
12.6%
100%
8.5%
5.0% 6.2%
23.0%
20.1%
8.6%
8.3%
その他核都市
10.3%
14.4%
その他の地域
3.店舗の大型化と郊外化
(1)商業統計による店舗の立地動向
(増加するスーパー、コンビニエンス・ストア)
小売業の業態別に内訳を見ると、中小の小売店が大部分を占める専門店・中心店の売場
面積は、平成3年の 7,464 万㎡から平成 16 年には 6,926 万㎡へと微減傾向にあるのに対し
て、スーパーやコンビニエンス・ストアは拡大し、平成 16 年には各種のスーパーとコンビ
ニエンス・ストアの売場面積の合計が、6,808 万㎡に達している。
図表Ⅰ-2-19:小売業の業態別売り場面積の推移
専門店・中心店
0
百貨店
総合スーパー
2,000
4,000
その他のスーパー
6,000
8,000
専門スーパー
10,000
コンビニエンスストア
12,000
その他の小売店
14,000
16,000
万㎡
H3
H6
H9
H11
H14
H16
資料:経済産業省「商業統計」
(2)ショッピングセンターの立地動向
(急増するショッピングセンター)
ショッピングセンターとは、一つの単位として計画、開発、所有、管理運営される商
業・サービス施設の集合体で、生活者ニーズに応えるコミュニティ施設として都市機能
の一翼を担うものである2。このようなショッピングセンターの立地は、1990 年代以降、
店舗数、売場面積のともに急増している。
立地地域別にみると、1980 年代までに立地したショッピングセンターは、商店街や駅
前、その周辺地域に立地するものが過半を占めていたが、1990 年代以降になると、郊外
地域への立地が激増し、2000 年以降に立地したショッピングセンターでは、その約 7 割
が郊外地域へ立地している。
こうした背景から、平成 18 年に都市計画法が改正され、都市機能の適正立地を確保す
るため、大規模集客施設の立地に係る規制の見直しが行われ、平成 19 年 11 月に全面施
行されたところであり、今後の動向の変化が注目される。
2 (社) 日本ショッピングセンター協会「我が国 SC の現況」による。
35
図表Ⅰ-2-20:主要都市における大店立地法届出状況
1,200
中心地域
(店)
周辺地域
郊外地域
1,000
800
600
400
200
0
69年以前
70~79年
80~89年
90~99年
00~06年
資料:社団法人日本ショッピングセンター協会「我が国 SC の現況」(http://www.jcsc.or.jp/)
注::
「中心地域」とは、当該市・町・村の商業機能が集積した中心市街地、
「周辺地域」とは、中心地域に隣接した商業・
行政・ビジネス等の都市機能が適度に存在する地域をさす。
(小売店店舗面積、販売額におけるショッピングセンターの比率は拡大)
小売業店舗面積におけるショッピングセンターの比率は年々高まり、昭和 61 年には
12.9%であったが、平成 19 年には 30.8%となった。また、売上高でみても、小売販売
額に対するショッピングセンターの売上高比率は、昭和 61 年には 10.4%、平成 19 年に
は 20.2%と増加しているが、店舗面積と比べると増加率が小さい。
図表Ⅰ-2-21:ショッピングセンターの動向(S61~H19)
<店舗面積割合の推移>
<売上高割合の推移>
160,000,000
140,000,000
29.9%
26.5%
120,000,000
30.8%
1,400,000
30.0%
27.5%
18.9%
1,200,000
25.0%
24.7%
100,000,000
25.0%
1,600,000
35.0%
19.3%
19.8%
20.2% 20.0%
17.3%
1,000,000
21.3%
15.5%
15.0%
20.0%
800,000
80,000,000
11.8%
16.3%
60,000,000
15.0%
14.3%
11.4%
10.4%
10.0%
600,000
12.9%
10.0%
400,000
40,000,000
5.0%
20,000,000
0
5.0%
200,000
0.0%
0
昭和61年 平成元年 平成3年 平成6年 平成9年 平成11年 平成14年 平成16年 平成19年
小売業売場総面積
SC総面積
0.0%
昭和61年 平成元年 平成3年 平成6年 平成9年 平成11年 平成14年 平成16年 平成19年
SC面積比率
全国小売販売額
SC総売上高
SC売上高比率
資料:(社)日本ショッピングセンター協会「SC白書 2008」及び経済産業省「商業統計」
注:ショッピングセンターの面積及び売上高には、飲食業やサービス業等に係るものも含まれるのに対し、商業統計は小
売業に係るもののみであるため、あくまで便宜上、対比するものである。
36
(大型化が進むショッピングセンター)
ショッピングセンターは、近年大型化が進んでおり、既存のショッピングセンター全
体について、平均面積をみると、平成 19 年には昭和 61 年と比較して、約 1.6 倍となっ
ている。
また、開設年別に平均面積をみても、同じ期間に約 2.3 倍となっており、新たに建設
される店舗の大型化が進んできた。
図表Ⅰ-2-22:ショッピングセンターの平均面積の推移(S61~H19)
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
昭和61年
平成元年
平成3年
平成6年
平成9年
1ショッピングセンター当たり平均面積
平成11年
平成14年
平成16年
平成19年
開設年別1ショッピングセンター当たり平均面積
資料:(社)日本ショッピングセンター協会「SC白書 2008」
注:SCとは、一つの単位として計画、開発、所有、管理運営される商業・サービス施設の集合体
で、駐車場を備え
るものをいう。また、SC面積には、共用通路を含み、SC内の物品販売業、飲食業、サービス業等すべての売場に
供している面積をいい、同一敷地内にあって来客者が利用可能な公共性の強い諸施設の面積も含む。但し、ホテル・
駐車場・バックヤードは含まない。
(大規模店舗の販売額割合の増加)
売場面積規模別に商品販売額割合の推移をみると、平成 11 年から平成 16 年の間に、
500 ㎡以上の店舗の割合は、三大都市圏では 6.3 ポイント(41.8%から 48.1%)、地
方圏では 8.9 ポイント(36.5%から 45.4%)増加した。地方圏の方が、大規模店舗に
販売がシフトする傾向がやや強い。
図表Ⅰ-2-23:売場面積規模別小売業年間販売額割合の推移(H11~H16)
0%
20%
45.9%
三
大
都
市
圏
平成11年
地
方
圏
9.9%
42.4%
9.4%
48.6%
平成11年
80%
9.5%
11.3% 5.4%
11.8% 5.6%
100%
21.0%
20.5%
21.2%
7.1% 11.5% 4.6% 13.3%
11.3% 10.5%
44.4%
平成16年
8.9%
15.0%
46.0%
平成14年
60%
12.3% 5.9% 10.3%4.6%
44.1%
平成14年
平成16年
40%
10.2% 11.7%
12.9% 5.5% 13.8%
13.8% 5.8% 14.1%
250㎡未満
250㎡~500㎡
500㎡~1,000㎡
1,000㎡~3,000㎡
3,000㎡~6,000㎡
6,000㎡以上
資料:経済産業省「商業統計」
注:「面積不詳」の事業所は除く。
37
4.今後の動向
都市・地域において、小売業は雇用の場として重要な地位を占めてきたが、一方で、景
気変動に左右されやすく、最近の非正規雇用の割合の高まりに伴い、その傾向は強まるこ
とが懸念される。一方で、小売業だけにとどまらず、飲食業をはじめその他の業種も一体
となり、都市・地域一体としての魅力を高めている地域も見られ、人口減少社会において、
小売業が、まちづくり、地域づくりの取組の一翼を担いつつ、高付加価値で、魅力的な働
く場として再生していく取組が期待される。
卸売業についても、多くの企業が立地する三大都市等においては業界再編が進む中で、
事業所数は大きく減少している。一方、商品調達、商品企画力を高めるため、自社内に生
産・加工機能等をもち、製造業、小売業、サービス業へと活動領域を拡大する動きもみられ
る3。また、地方圏においても、特産品による地域振興に取り組む地域が増える中で、産地
商社的な機能を模索する地域もみられる。また、地域の製造業が変化する市場のニーズに
対応して商品を提案していくために、卸売的な機能を重視する動きもみられる。
卸売・小売業がまちづくり、地域づくりとヴィジョンを共有し、都市・地域の一次、二
次産業の付加価値を高め、また、サービス産業を多様化していく動きが期待される。
3 大阪府立産業開発研究所(2006)
38
第3節 多様な集客産業(飲食・宿泊)
飲食、宿泊、娯楽、観光といった集客産業は、小売業とともに、都市や地域の賑わいに
直接影響を与える産業であり、地域の魅力を高め、交流人口を多様化していく観点からも、
特色のあるサービスの展開が期待されている。以下では、飲食業・宿泊業を中心に都市・
地域における立地の状況をみる。
1.概況
(外食産業の市場規模は約 30 兆円)
我が国の外食産業市場規模は、昭和61年以降20兆円を超えており、平成19年には、24 兆
7,009 億円と試算されている4。持ち帰り弁当、惣菜、テイクアウト主体のファーストフー
ドなどの「料理品小売業」の市場規模、約6兆円強のうち、重複する弁当給食を除くと、
「広義の外食産業市場規模」は、30 兆3,409 億円にのぼる。
一般食堂やファミリーレストラン等を幅広く含む「食堂・レストラン」が全体の3割弱
を、「弁当(給食を除く)」が2割弱、ホテル・旅館等における食事・宴会「宿泊施設」
が約1割を占める。
図表Ⅰ-2-24:外食産業の市場規模の推移
(単位:千万円)
350,000
弁当(給食を除く)
バー・キャバレー・ナイトクラブ
料 亭
居酒屋・ビヤホール等
喫茶店
保育所給食(集団給食)
病院(集団給食)
事業所(集団給食)
学 校(集団給食)
宿 泊 施 設
国内線機内食等
その他飲食店
すし店
そば・うどん店
食堂・レストラン
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
S50
S53
S56
S59
S62
H2
H5
1
H8
H11
H14
H17
資料:財団法人外食産業総合調査研究センター「平成 19 年外食産業市場規模推計について(平成 20 年5月)」
4
財団法人外食産業総合調査研究センター試算による。
39
(飲食業は約 400 万人、宿泊業は約 80 万人の雇用を生んでいる)
飲食業について、事業所数、従業者数の推移をみると、事業所数は平成3年まで増加
し続けてきたが、その後、やや減少しており、平成 13 年には 794,890 事業所となってい
る。一方、従業者数は、一貫して増加し続けており、平成 13 年には 4,292,529 人となっ
ている。
旅館業については、事業所数は昭和 53 年移行減少しており、平成 13 年には 74,659 事
業所となっている。従業者数については平成 8 年をピークに減少し、平成 13 年には
824,054 人となっており、飲食業とともに、都市・地域に大きな雇用を生んでいる。
図表Ⅰ-2-25:飲食業・旅館業事業素・従業者数の推移
<飲食業>
5,000,000
900,000
800,000
700,000
事業所数
従業者数
4,500,000
4,000,000
3,500,000
600,000
3,000,000
500,000
2,500,000
400,000
2,000,000
300,000
1,500,000
200,000
1,000,000
100,000
500,000
0
0
S47
S50
S53
S56
S61
H3
H8
H13
<旅館業>
120,000
1,000,000
900,000
100,000
800,000
700,000
80,000
600,000
60,000
500,000
400,000
40,000
300,000
20,000
事業所数
従業者数
0
200,000
100,000
0
S47
S50
S53
S56
S61
資料;総務省統計局「事業所・企業統計調査」
40
H3
H8
H13
2.都市・地域における現状
(1)都市・地域における飲食店・宿泊業従業者数の比率
(飲食業は大都市部、宿泊業は地方で比率が高い)
都市類型等別に、全産業の事業所従業者数に占める飲食店・宿泊業の従業者数比率を
みると、飲食業は全国平均で 7.6%、三大都市圏や札仙広福で8%を越えている。
一方、宿泊業は全国では 1.4%にすぎないが、地方で比率が高く、全域が離島地域や
振興山村に指定されている市町村ではで 5%を超え、地域に雇用の場を生んでいる。
図表Ⅰ-2-26:事業所全体に占める集客産業の従業者数比率
0.0%
1.0%
2.0%
全国
三大都市
三大都市圏の
三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
3.0%
4.0%
5.0%
7.0%
8.0%
9.0%
7.6%
1.4%
8.4%
0.9%
8.6%
0.8%
8.5%
1.3%
7.8%
1.4%
7.1%
1.3%
6.1%
2.4%
離島地域等
6.4%
5.4%
5.9%
半島地域
4.0%
4.6%
振興山村
豪雪地帯
6.0%
5.8%
6.5%
2.5%
特別豪雪地帯
4.5%
5.7%
5.4%
過疎地域等
飲食業
宿泊業
3.1%
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
注:条件不利地域については、全域が各条件不利地域に指定された市町村のみの数値であり、一部指定は含まない。詳細
は凡例参照。
41
(2)飲食店・宿泊業の立地の状況
(大都市に集中する飲食業、地方にも立地する宿泊業)
飲食店・宿泊業の事業所数をみると、食堂、レストランが 20 万事業所以上、喫茶店が
約 8 万、これに対して、料亭、バー、ビヤホールなどの遊興飲食店は全体で約 30 万事業
所となっている。
全国に占める都市類型等別割合をみると、飲食店は事業所数の 4 割強、従業者の過半
が三大都市圏に立地・従業しているが、宿泊業は事業所数の 6 割以上、従業者数の半分近
くがその他の地域に立地・従業している。
図表Ⅰ-2-27:飲食店(一般飲食店・遊興飲食店)、宿泊業の都市類型別立地状況(事業所数)
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
食堂,レストラン
そば・うどん店
すし店
喫茶店
その他の一般飲食店
料亭
バー,キャバレー,ナイトクラブ
酒場,ビヤホール
旅館,ホテル
簡易宿所
下宿業
その他の宿泊業
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
図表Ⅰ-2-28:飲食店、宿泊業の都市類型別立地割合(事業所数・従業者数)
宿泊業
飲食店
0%
10%
30%
従業者
50%
4.8%
8.1%
12.1%
60%
11.5%
5.3%
31.3%
21.1%
5.3%
40%
27.4%
18.0%
事業所
事業所
20%
70%
80%
90%
27.6%
10.6%
9.4%
11.1%
62.7%
9.4%
2.4%
従業者
12.1%
15.2%
4.6%
11.2%
9.4%
47.4%
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
42
21.8%
100%
図表Ⅰ-2-29:全国に占める飲食店、宿泊業の都市類型等別立地割合
<事業所数>
0%
10%
19.6%
19.1%
酒場,ビヤホール
5.3%
その他の宿泊業
12.8%
6.3%
12.0%
29.8%
27.6%
13.9%
5.1%
11.5%
29.5%
10.2%
24.9%
62.7%
67.4%
4.7%5.1%
0.8%
27.3%
13.4%
7.9%
23.8%
47.7%
14.2%
8.1%
9.4%
2.4%
8.1%
9.2%
1.8%
27.3%
19.6%
24.5%
9.2%
10.0%
29.3%
10.9%
27.8%
28.6%
8.5%
8.7%
12.1%
6.1%
2.0%
27.7%
8.7%
11.0%
100%
29.1%
9.8%
4.4% 9.0%
簡易宿所
下宿業
5.6%
0.9%
20.9%
15.2%
バー,キャバレー,ナイトクラブ
5.5%
90%
31.1%
9.6%
10.4%
3.4%
13.3%
80%
10.1%
3.9% 9.6%
24.9%
17.2%
10.5%
4.1%
31.1%
10.8%
料亭
70%
10.7%
10.7%
34.1%
17.0%
遊興飲食店計
4.3%
30.5%
18.7%
60%
11.8%
4.5%
28.9%
21.4%
喫茶店
その他の一般飲食店
50%
4.6%
27.8%
18.2%
すし店
40%
29.2%
17.8%
そば・うどん店
宿泊業計
30%
25.8%
18.8%
一般飲食店計
食堂,レストラン
旅館,ホテル
20%
16.0%
第三次産業(公務を除く)
4.2% 7.4%
42.5%
40.2%
6.8%
43.9%
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
<従業者数>
0%
第三次産業(公務を除く)
10%
20%
21.6%
一般飲食店計
20.7%
食堂,レストラン
20.0%
そば・うどん店
すし店
遊興飲食店計
料亭
バー,キャバレー,ナイトクラブ
酒場,ビヤホール
33.8%
4.3% 10.1%
24.4%
15.2%
14.3%
4.6% 11.2%
4.6% 11.4%
下宿業 2.5% 8.0%
24.9%
24.6%
6.9%
21.9%
13.1%
11.5%
24.6%
9.0%
18.6%
47.4%
48.3%
3.3%
5.4% 5.7%
34.1%
9.9%
6.6%
37.5%
40.2%
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
43
18.5%
42.3%
24.4%
4.5%
17.0%
8.1%
10.8%
9.4%
13.8%
24.9%
8.4%
9.6%
19.3%
13.8%
13.9%
6.7%
21.8%
22.5%
10.1%
12.8%
29.8%
32.2%
簡易宿所
6.8%
15.9%
10.8%
1.2%
21.2%
7.3%
14.3%
19.5%
8.8%
9.1%
5.0% 9.2%
25.8%
90%
23.6%
4.1% 9.8%
38.7%
18.6%
80%
9.8%
4.6% 10.5%
34.1%
21.9%
12.1%
11.7%
4.6% 10.3%
31.7%
11.1%
70%
4.7% 10.5%
33.7%
20.5%
11.7%
60%
5.6%
28.0%
宿泊業計
50%
33.2%
20.6%
旅館,ホテル
その他の宿泊業
40%
27.7%
16.4%
喫茶店
その他の一般飲食店
30%
100%
コラム:おすし屋さんの多い離島
事業所・企業統計調査によれば、全国 1,818 市町村(平成 18 年 10 月現在)のうち、
1,562 市町村におすし屋さんがある。
このうち、すし店一軒あたりの人口が少ない順に上位市町村をみると、上位 15 市
町村のうち 7 町村が全域離島地域に指定された市町村であり、また、5町村は豪雪地
帯又は特別豪雪地帯に指定された北海道の町村であった。
すし店は、これらの地域の魅力を形作り、定住人口だけでなく、交流人口も対象と
していることを示唆するものである。
一方、すし店がない 256 市町村のうち、都市圏内に位置するのは 91 市町村、都市
圏外の市町村が 165、110 市町村が全域が振興山村に指定された町村となっている。
すし店が立地していない町村は殆どが人口2万人未満で、都市圏内の町村では人口
が平均 7,837 人、都市圏外で 4,479 人となっている。
図表:すし店の多い市町村
市町村名
すし すし店一
(H18.10時 都道府県 店(事 人当たり 人口
点)
業所 人口
2,068
517
4
1位 神津島村 東京都
2,723
681
4
2位 小笠原村 東京都
長野県
688
688
1
3位 平谷村
北海道
2,860
715
4
4位 積丹町
北海道
3,643
729
5
5位 奥尻町
4,775
955
5
6位 厚沢部町 北海道
東京都
8,702
967
9
7位 大島町
北海道
4,021
1,005
4
8位 古平町
和歌山県
7,179
1,026
7
9位 由良町
東京都
3,161
1,054
3
10位新島村
3,239
1,080
3
11位利尻富士町北海道
3,268
1,089
3
12位小値賀町 長崎県
沖縄県
5,110
1,278
4
13位伊江村
三重県
23,067
1,282
18
14位鳥羽市
山梨県
13
16,764
1,290
15位昭和町
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
注:全域が離島地域に指定された市町村のみを対象としている。
44
3.今後の動向
(大きく減少する遊興飲食店)
平成 13 年から 19 年の間に、飲食店、宿泊業は大きく減少した。一般飲食店は 81,264
事業所(△9.4%)、遊興飲食店 43,019 事業所(△12.2%)、宿泊業 10,811 事業所(△
14.9%)となっている。
都市類型等別に見ると、飲食店については三大都市圏の三大都市以外の地域において
約 2 万人、三大都市で約 1 万 4 千、その他の県庁所在都市で 1 万弱、その他の核都市で
約 9 千近くの事業所が減少した。
宿泊業については、その他の地域で 6 千弱、三大都市圏の三大都市以外の地域で 2 千
弱減少した。昔ながらの温泉観光地などで減少が目立っている。一方、沖縄などでは、
増加がみられる地域もある。
図表Ⅰ-2-30:飲食店、宿泊業事業所の減少数(平成 13 年→平成 18 年)
-25,000
-20,000
-15,000
-10,000
-5,000
0
-13,958
三大都市
-480
三大都市圏の
三大都市以外
-20,111
-1,949
-2,460
-312
札仙広福
-9,924
その他の県庁所在都市
-1,037
-8,857
その他核都市
-1,186
-5,847
その他の地域
飲食店
-15,143
宿泊業
飲食店、宿泊業は大きく減少している中で、特色ある飲食店、小売業などが交流人口
を招き、まちの賑わいを創出し、集客産業が厚みをましている都市・地域も少なくない。
また、都市だけではなく、自然志向や安全な国産食材への関心もあいまって、農家レス
トランに注目が集まっているなど5地域の農業、地域の産業に密接に結びついた形態の飲
食店やサービス産業、観光・交流産業も発展している。
幅広い集客・交流産業とまちづくりと結びつけたヴィジョンや、集客産業のための人材
育成の取組なども重要となり、今後の各地域の取組が期待される。
5 「2005 年農林業センサス」によれば、農業生産関連事業(農産物の加工,直売,観光農園等)を行っている経営体数は全経営体の 22.5%
にあたる 1 万 4,500 経営体にのぼる。また、財団法人 21 世紀村づくり塾「都市・地域し農村交流拠点としての農家レストランと地域経
営型グリーンツーリズム(平成 13 年 3 月)」によるアンケート調査によれば、約 366 件の回答のうち、農山村地区に 65.8%立地するほ
か、主要道路沿線に 14.8%が立地するなど、農村以外にも立地している。
45
図表Ⅰ-2-31:飲食店・宿泊業の増減の多かった市町村(平成 13 年~18 年)
<事業所>
一般飲食店
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
奈良市
つくば市
印西市
柏市
菊陽町
石垣市
東広島市
常滑市
泉南市
立川市
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
大阪市
遊興飲食店
103
68
54
51
46
40
36
36
35
34
一般飲食店
那覇市
広島市
石垣市
武蔵野市
沖縄市
鹿児島市
町田市
砺波市
四万十市
伊達市
宿泊業
236
115
52
40
36
34
33
31
24
22
石垣市
那覇市
竹富町
三宅村
屋久町
余市町
竹田市
上屋久町
座間味村
宮古島市
遊興飲食店
-3122
東京特別区部 -1626
名古屋市
-1405
横浜市
-877
京都市
-597
神戸市
-402
東大阪市
-349
堺市
-348
川崎市
-334
札幌市
-318
静岡市
-275
松山市
-269
娯楽業
53
40
28
28
22
18
15
14
12
12
宿泊業
大阪市
-3918
東京特別区部 -2474
名古屋市
-1413
横浜市
-892
札幌市
-782
福岡市
-770
北九州市
-586
京都市
-542
高知市
-467
千葉市
-463
堺市
-404
松山市
-403
大阪市
那覇市
石垣市
座間味村
竹富町
広島市
宮古島市
奈良市
恩納村
栗東市
北谷町
荒尾市
娯楽業
51
50
41
39
37
28
28
19
19
18
18
-177 東京特別区部 -771
-564
-171 名古屋市
-318
-144 横浜市
-288
-129 京都市
-198
-124 福岡市
-160
-121 堺市
-121
-117 札幌市
-112
-106 北九州市
-105
-95 川崎市
-97
-93 神戸市
-89
-90 仙台市
-88
東京特別区部 -174 大阪市
横浜市
伊東市
名古屋市
福岡市
白馬村
京都市
南魚沼市
箱根町
神戸市
熱海市
<従業者数>
一般飲食店
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
奈良市
印西市
町田市
金沢市
那覇市
広島市
鶴ヶ島市
佐野市
さいたま市
常滑市
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
大阪市
仙台市
横浜市
青森市
福岡市
札幌市
岐阜市
東大阪市
茨木市
千葉市
大東市
相模原市
高知市
1621
1227
1054
969
965
948
906
880
860
848
一般飲食店
-16888
-4578
-3049
-2022
-1606
-1370
-1285
-1118
-1069
-1041
-967
-945
-945
遊興飲食店
那覇市
広島市
武蔵野市
町田市
立川市
鹿児島市
安城市
諫早市
柏市
石垣市
宿泊業
2080
886
639
581
477
454
388
309
306
283
東京特別区部
いわき市
石垣市
名護市
洞爺湖町
北杜市
宮崎市
竹富町
熊本市
所沢市
遊興飲食店
大阪市
東京特別区部
横浜市
札幌市
千葉市
高知市
松山市
京都市
福岡市
堺市
北九州市
久留米市
娯楽業
2522
898
523
388
362
345
330
319
318
311
宿泊業
-13249
-6248
-2461
-2318
-2088
-2058
-1801
-1613
-1513
-1481
-1416
-1239
大阪市
千葉市
京都市
仙台市
横浜市
長崎市
熱海市
白馬村
大津市
成田市
日光市
那智勝浦町
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
46
宝塚市
印西市
八王子市
相模原市
栗東市
上尾市
桑名市
東京特別区部
佐世保市
那覇市
977
625
567
451
436
430
389
380
338
334
娯楽業
-3289
-2917
-2099
-1936
-1094
-1090
-1089
-852
-832
-792
-772
-723
大阪市
横浜市
府中市
船橋市
豊明市
名古屋市
倉敷市
北九州市
和歌山市
新潟市
札幌市
東大阪市
-7038
-3215
-2332
-1816
-1716
-1268
-1215
-1209
-1189
-1132
-1125
-1048
コラム:地域が育てる集客産業の人材―地元企業のCSRによる八戸屋台村「みろく
横丁」
(概要)
青森県八戸市(人口約 25 万人)は、旧来からの城下町であったが、なだらかな台
地に囲まれた平野が海に面する地形条件を活かし、港湾施設や工業団地を有する水産
都市、工業都市として発展してきた。しかし、近年、中心市街地の衰退がみられ、市
は、中心市街地活性化基本計画を策定し(平成 12 年 3 月)、活性化に取り組み、そ
の後法改正に伴い平成 19 年度から新たな計画を策定、平成 20 年7月に内閣総理大臣
の認定を受けている。
一方、八戸市では、商工会議所の有志が、活発に地域循環型社会の構築に取り組ん
でいる中で、地元企業の地域貢献、CSRの一貫として、平成 14 年 12 月に、東北新
幹線八戸駅開業に際して、「有限会社北のグルメ都市」が設立され、これにより八戸
屋台村「みろく横丁」が開設された。
(取組の経緯)
八戸市では、商工会議所の有志が連携をとりながら、地域循環型社会の構築に取り
組んできた。
平成9年4月、容器包装リサイクル法施行を機に八戸エコ・リサイクル協議会を設
立し、古紙再生トイレットペーパーの製造販売、団体や企業の参加による植林事業、
割り箸リサイクル事業、日本初のリサイクル資料館「包」パオ(平成8年4月1日開
館)の運営などに取り組むほか、協議会の活動から「環境対応型八戸屋台村」「NP
O法人 CROSS」「八戸スローフード協会」が生み出されている。
(取組の趣旨:若手起業家の育成)
八戸市の中心市街地は、面積 108ha、市域の約2%を占め、小売店 470 店舗、事業
所 1,992 箇所(八戸市全体の 2 割弱)が立地する。環境対応型八戸屋台村(以下屋台
村)は、中心市街地の中央部、三日町と六日町に位置する。
屋台村のコンセプトは、7つの柱からなる。
①新幹線開業にともなう、おもてなしの拠点
②中心商店街の活性化
③日本初の環境対応型「屋台村」
④八戸の情報発信基地
⑤若手起業家の育成
⑥八戸のオーガニック食材、新名物・郷土料理の紹介
⑦スローフード時代への象徴
屋台村の特徴は、上記のコンセプトをもとに、若手起業家を育成し、屋台村で育っ
た起業家が、周辺の空き店舗に出店したり、イベントに積極的に参加することにより、
中心市街地の活性化に寄与している点である。
そのために、屋台村の運営・管理にあたっては、エコ・リサイクル協議会、新幹線
八戸駅開業実行委員会、八戸中心商業街区活性化協議会等のメンバーが「有限会社
北のグルメ都市」を設立(基本的にはボランティア組織)、入居者が参入しやすいよ
う、同社が屋台村全体の施設整備や事業運営のすべての費用を負担している。
47
また、同社は従業員を雇用せず、役員報酬も設けず、必要最小限の費用を支払うた
めに定額賃料を入居者に課している。
(屋台村の現状:公募により未経験の出店者を募集)
屋台村は八戸市中心市街地に位置しているが、建設にあたっては、立地を重視して
必要な土地を借り、既存の家屋を撤去し、三日町と六日町を結ぶ横丁にあることから、
みろく横丁と命名(一般公募 547 通から決定)した。既存屋台のイメージではなく、
洋食、中華、和食等で八戸の食材を使う店とし、出店希望屋台を示し、営業見込み(通
行量、来客予想等)も提示、予め 25 の業種を設け、マスコミやインターネットを通
じて公募し、面接と試食会で若くてやる気のある事業者、経験のない事業者を選抜し
ている。当初の 25 店舗は、家庭料理、寿司、焼き鳥、琉球屋台、ホルモン、煮込み、
鉄板焼き、天ぷら、創作料理とカクテル、ラーメン、串上げなど多彩であり、25 店
舗中女性が 11 店舗と半数近くを占めている。屋台は3年契約で、続けたい場合は改
めて申し出る。定期的に 25 店舗の内 1/3 を入れ替え、同時に場所替えをしている。
入れ替え時の評価は、テナント会議とイベントへの参加である。また、常時、募集中
としており、34~35 人が待機している。
(屋台村の現状:公募により未経験の出店者を募集)
屋台村は、村長を任命し、問題が起きた時には笛を吹き、皆が集まり即対応するこ
とにしている。
各屋台は一(店主)対八(客)の方式を採用し、面積も多少の無駄なスペースが生
ずる 3.3 坪とし、理想的なコミュニケーションができるようにした。
テナントの現在の平均年齢は 29.5 才であるが、3年前は 26~27 才であった。各自
の開業資金の内 200~300 万円を、運営会社である(有)北のグルメ都市が保証人と
なって借り入れているが、各自半年ぐらいで返済している。施設本体は運営会社、カ
ウンター・厨房は自己資金というように、自己責任を負ってもらうことにしている。
ホームページを充実させたり、セールス・プロモーションを徹底し、月 100 万円の売
上という話題性や、アイディアを運営会社が提供し、後はテナントの努力次第として
いる。
北のグルメ都市が、ボランティアでやっていることが地域の信頼を得て、まちづく
り人材の育成や地域全体としての支援にも結びついており、それぞれの店主は、客か
ら学んで味も向上し、また、彼らを育てようとする客もいるという。
(地元企業主導の集客産業を担う人材の育成)
卒業生の中には他の空き店舗への入居が8名、屋台村で店舗をやりながら他にも店
を持っているテナントが 10 名ほどおり、それぞれ増えており、まちづくりの人材が
育ち、中心市街地の活性化にも寄与しているという。
町の活性化の取組は多数ある中で、みろく町の特色は、地元企業がCSRの一環と
して、地域の集客サービスを担う人材育成に着目し、次世代を育てている点にある。
企業主導の地域の社会的企業ともいうべき取組である(社会的企業については第Ⅱ部
第7章参照。)。このような取組の中から、地域に、特色ある、付加価値の高い飲食業、
サービス産業、職業として若者をひきつける働く場が生まれてくることが期待される。
48
(出典:みろく横丁パンフレット及びホームページ)
49
第4節
金融・保険業、不動産業
1.概況
(金融・保険業のGDP比率は1割以上)
金融・保険業の国内総生産(名目GDP)に占める比率は、1990 年代後半から、ほぼ 6%
台前半で推移し、平成 14 年以降7%前後となり、平成 18 年には 6.9%、352,184 億円、不
動産業(604,600 億円)の概ね半分強(平成 18 年は 58.3%)で推移している。
図表Ⅰ-2-32:名目 GDP に占める金融・保険業、不動産業の割合(暦年)
70,000.0
6.8%
60,000.0
7.0%
7.2%
7.0%
6.8%
6.9%
7.0%
6.8%
50,000.0
6.6%
6.4%
6.4%
6.2%
40,000.0
6.2%
6.1%
6.2%
6.1%
30,000.0
6.0%
5.9%
20,000.0
5.8%
金融・保険業(単位10億円)
不動産業(単位10億円)
金融・保険業(対GDP比)
10,000.0
5.6%
5.4%
0.0
5.2%
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
資料:内閣府「国民経済計算」
(金融・保険業従業者数は大きく減少し 40 年代末の水準)
事業所及び従業者数の推移をみると、一時は事業所数 10 万箇所、従業者数 200 万人を超
えたが、平成 8 年をピークに減少に転じ、平成 18 年には事業所数 83,995 箇所、従業者数
1,428,448 人(公務を除く。)と、従業者数は大きく減少し、昭和 40 年代末の水準となっ
ている。
図表Ⅰ-2-33:金融・保険業の事業所数・従業者数の推移
120,000
100,000
事業所数
従業者数
104,630
2,083,606
75,660
80,000
62,175
60,000
1,416,720
66,617
1,521,584
100,239
95,075
84,136
1,711,421
2,500,000
108,198
83,985
1,975,745
1,807,617
2,000,000
1,657,439
1,500,000
1,645,082
1,428,448
1,000,000
40,000
500,000
20,000
0
0
S47
S50
S53
S56
S61
資料:総務省統計局「事業所・企業統計調査」
50
H3
H8
H13
H18(*)
2.都市・地域における現状
(1)都市・地域における金融・保険業、不動産業事業所数・従業者数の比率
(ブロック中心都市の事業所の 1 割以上に上る金融・不動産業)
金融・保険業の事業所及び従業者数をみると、事業所数については、全産業の約 1.5%
となっている。これに対して不動産業は 5.6%と、4倍以上となっている。従業者数比
率は、金融・保険業全体で 2.6%、これに対して不動産業は 1.9%と、事業所数と異なり
金融・保険業が上回る。
都市類型等別にみると、事業所比率では、札幌市における不動産業の占める比率が
11.4%と特に高い。従業者数比率についてみると、銀行業の占める比率が1%以上であ
るのは、東京都特別区(1.2%)、広島市(1.0%)、県庁所在都市(1.1%)であり、そ
の他の地域では、すべての業種について全国平均以下となっている。
図表Ⅰ-2-34:都市類型等別の全産業に占める金融・保険業、不動産業の事業所数、従業者数比率
(事業所数)
0.0%
2.0%
4.0%
0.2%0.7%
全国 0.3%
0.3%
東京都特別区 0.2%
6.0%
8.0%
7.7%
0.3% 0.7%
名古屋市 0.3%
4.9%
札幌市 0.3%0.4% 0.9%
11.4%
0.9%
6.6%
広島市 0.3%0.3% 0.8%
福岡市 0.3%0.5%
14.0%
7.6%
大阪市 0.2%0.4%0.5%
0.4%
12.0%
5.6%
0.6%
仙台市 0.3%
10.0%
6.1%
0.9%
6.2%
その他の県庁所在都市 0.4% 0.4% 1.0%
5.8%
その他核都市 0.3% 0.3%0.9%
5.3%
0.1%
その他の地域 0.3% 0.7%
3.6%
銀行業
郵便貯金取扱機関,政府関係金融機関
証券業,商品先物取引業
保険業(保険媒介代理業、保健サービス業を含む)
協同組織金融業
貸金業, 投資業等非預金信用機関
補助的金融業,金融附帯業
不動産業
(従業者数)
0.0%
全国
1.0%
0.7%
東京都特別区
大阪市
2.0%
0.4% 0.3%0.2%
1.2%
0.9%
1.0%
0.4%
0.3%
0.6%
0.7%
0.3% 0.5% 0.4%
0.8%
0.3% 0.4%0.1%
仙台市
0.7%
0.2% 0.4%0.2%
福岡市
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
1.0%
0.9%
1.1%
0.6%
0.5%
0.2%
0.4% 0.2%
0.1%
0.4% 0.4%
0.0%
0.0% 0.7%
1.4%
7.0%
3.1%
2.1%
3.2%
1.6%
0.3%0.2%
0.3%
1.1%
6.0%
3.3%
1.0%
0.4%0.2%
5.0%
1.3%
1.4%
0.9%
0.5%
0.9%
0.4%
札幌市
4.0%
1.9%
0.6%
名古屋市
広島市
3.0%
2.3%
1.1%
2.3%
1.4%
2.6%
1.5%
1.7%
1.4%
0.9%
銀行業
郵便貯金取扱機関,政府関係金融機関
証券業,商品先物取引業
保険業(保険媒介代理業、保健サービス業を含む)
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
51
協同組織金融業
貸金業, 投資業等非預金信用機関
補助的金融業,金融附帯業
不動産業
8.0%
9.0%
(2)金融業・保険業の立地の状況
(東京集中の証券業、地域に根ざした雇用も生む金融業)
金融・保険、不動産業従業者の東京都特別区への集中の程度について、従業者数との
兼ね合いでみると、全体では2割以上が東京に集中しているが、業種別では違いが大き
い。
証券投資顧問業等は8割以上、ベンチャーキャピタル、証券業等は、半数以上が東京
都特別区に集中しているが、従業者数は限られている。
一方、従業者数の多い銀行業、中小企業等金融業は、その他の地域の割合がそれぞれ
17.4%、30.1%と大きく、地域に根ざした雇用を生んでいる面もある。
図表Ⅰ-2-35:金融・保険業(小分類)事業所従業者数
0
100,000
200,000
300,000
400,000
177,334
中小企業等金融業
91,029
証券業 71,783
クレジットカード業,割賦金融業
57,039
貸金業
証券取引所、預金保険機構、信用保証機関等
農林水産金融業
商品先物取引業,商品投資業
政府関係金融機関 26,115
15,870
15,484
12,324
ベンチャーキャピタル、証券金融会社等
7,502
郵便貯金・為替・振替業務取扱機関
7,274
質屋
証券投資顧問業等
500,000
382,570
銀行(中央銀行を除く)
6,709
4,987
図表Ⅰ-2-36:都市・地域類型等別金融・保険業(小分類)事業所従業者数割合
(*金融・保険業については東京都特別区の割合が大きい順)
東京都23区
三大都市圏の三大都市以外
その他核都市
大阪市
札仙広福
その他の地域
0%
全産業(公務を除く)
10%
名古屋市
その他の県庁所在都市
20%
30%
12.7%
40%
27.9%
金融・保険業
22.7%
不動産業
21.2%
4.8%
21.6%
30.9%
60%
70%
80%
10.1%
10.8%
16.5%
9.3%
13.8%
9.9% 7.6%
6.8%
100%
27.3%
15.6%
6.1%
90%
86.6%
証券投資顧問業等
8.1%
65.8%
ベンチャーキャピタル、証券金融会社等
51.7%
証券業 37.1%
証券取引所、預金保険機構、信用保証機関等
クレジットカード業,割賦金融業
26.2%
貸金業
25.9%
18.1%
質屋
18.1%
8.4%
17.2%
13.4%
7.2%
20.0%
5.7%
22.5%
6.4%
22.3%
32.4%
農林水産金融業
14.3%
17.2%
12.5%
25.4%
9.5%
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所企業・統計調査」
52
10.1%
10.6%
19.6%
中小企業等金融業
郵便貯金・為替・振替業務取扱機関
0.3%
9.6%
12.9%
22.8%
21.5%
保険業
6.1%
9.2%
15.0%
44.4%
政府関係金融機関 6.5%
14.1%
60.5%
商品先物取引業,商品投資業
銀行業
50%
7.8%
27.8%
17.0%
16.3%
6.9%
5.8%
15.0%
15.6%
6.7%
12.0%
8.5%
17.4%
10.7%
11.7%
18.6%
9.0%
37.0%
12.5%
11.7%
23.2%
7.3%
11.3%
13.7%
30.1%
21.5%
3.今後の動向
(銀行、保険の従業者は各々9 万人以上減少)
金融・保険業の事業所及び従業者数は近年、大きく減少している。平成 13 年及び 18
年の事業所及び従業者の増減をみると、銀行業は 1 万事業所近くが減少し、不動産業の
8,253 事業所を上回る減少となった。従業者数でみると、銀行業及び保険業は 9 万人以
上減少したのに対し、不動産業は、約1万2千人増加した。
図表Ⅰ-2-37:金融・保険業の事業所及び従業者数の増減(平成 13 年~18 年)
<事業所数>
<従業者数>
25.0%
12000
増加数
10000
増加率
9694
20.0%
-20.0%
8253
-140000
-120000
-100000
8000
15.0%
4000
-6.2%
-2.1%
2000
証券業等
-6.8%
-6.0%
5.0%
不動産業
1.2%
4
-10068
3
不動産 業
保険業
証券業等
銀行 業
0.0%
2
-20000
87
0
-8.0%
-60000
-40000
-2.5%
-12.0%
-94493
銀行業等
-11.0%
1
2696
-92232
-14.0%
-10.0%
-80000
6000
10.0%
-16.0%
保険業
-14.7%
増加数
増加率
0
20000
-4.0%
-2.0%
0.0%
11980
2.0%
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
注:郵便貯金・為替・振替業務取扱機関については、郵政民営化のため、平成13年当時は公務、平成 18 年においては、民営
の扱いとなっており、増減から省いた。
(地域の産業を支える金融セクターへ)
都市類型等別の特色をみると、事業所、従業者ともに、補助的金融業、金融附帯業6及
び不動産業(特に不動産取引業)が、三大都市を中心に増加したほかは、大きく減少し
ており、特に、三大都市圏やその他の地域における減少数が大きい(次頁図表参照。)。
金融業は地方都市においても、雇用を生んできたが、近年では、従業者数は大きく減
少し、一方、東京をはじめとする一部の大都市には、高度な金融サービスが集中してい
る。
都市・地域に根ざした産業を育てていく上では地方の金融機関の役割は小さくない、
また、近年では、民間企業だけではなく、NPOや社会的企業などの活動を支援してい
く役割も地域の金融機関には期待されている。金融機関での勤務経験のある地域の人材
が、地域の非営利セクターの支援を行う金融NPOなどにも、活かされていくことも、
今後の課題である。
6
補助的金融業、金融附帯業とは、手形交換所、両替商などをいう。
53
図表Ⅰ-2-38:都市類型等別金融・保険、不動産業事業所・従業者増減数(平成 13 年→18 年)
<事業所数>
-7,000
-6,000
-5,000
-4,000
-3,000
-2,000
-1,000
0
1,000
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
銀行業
証券業,商品先物取引業
不動産業
協同組織金融業
補助的金融業,金融附帯業
貸金業, 投資業等非預金信用機関
保険業(保険媒介代理業等を含む)
<従業者数>
-70,000
-60,000
-50,000
-40,000
-30,000
-20,000
-10,000
0
10,000
20,000
30,000
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
銀行業
証券業,商品先物取引業
不動産業
協同組織金融業
補助的金融業,金融附帯業
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
54
貸金業, 投資業等非預金信用機関
保険業(保険媒介代理業等を含む)
第5節 事業所向けサービス
1. 概況
(1)GDPに占める対事業所サービス
(サービス業の中では対事業所サービスの比率が最も高い)
サービス業7は国内総生産(名目GDP)の 21.4%(約 108 兆円、平成 18 年)を占め
ている。このうち、対事業所向けサービスは、平成 8 年の 7.1%から、平成 18 年には対
個人サービスを上回る 8.7%となっている。
図表Ⅰ-2-39:GDP に占める対事業所及び対個人サービスの比率の推移(単位:10 億円)
50,000.0
14.0%
45,000.0
12.0%
40,000.0
35,000.0
30,000.0
10.0%
7.3%
7.7%
7.3%
7.8%
25,000.0
20,000.0
7.4%
7.2%
7.1%
8.6%
8.4%
7.3%
7.3%
8.6%
7.5%
8.5%
7.5%
8.4%
7.3%
8.7%
8.7%
7.3%
7.2%
7.4%
8.0%
6.0%
対事業所サービス
対個人サービス
対事業所サービス
対個人サービス
15,000.0
10,000.0
5,000.0
4.0%
2.0%
0.0%
0.0
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
資料:内閣府「国民経済計算」
(2)事業所向けサービスの従業者数
(事業所向けサービス従業者数は大きく増加)
主な事業所向けサービス業の従業者数について、平成元年から平成 18 年までの増加率
をみると、土木建築サービスについては平成 16 年に一時減少したものの、主要な事業所
向けサービス業は増加しており、民間職業紹介所は 100%以上、法律事務所等は 60%以
上増加した。
図表Ⅰ-2-40:主要な事業所向けサービスの従業者数の推移
900,000
建物サービス50.7%
800,000
法律事務所,特
許事務所
公認会計士事
務所,税理士事
務所
土木建築サービ
ス業
700,000
600,000
デザイン業
500,000
土木建築サービス32.2%
400,000
警備業98.1%
300,000
建物サービス業
民営職業紹介
業
警備業
公認会計士、特許
事務所12.9%
200,000
法律事務所、特許事
務所60.3%
100,000
0
平成元年
平成6年
平成11年
平成16年
デザイン業12.8%
民営職業紹介所
126.6%
平成18年
資料:総務省統計局「事業所・企業統計調査」
7
国民経済計算におけるサービス業とは、
「広告・調査・情報サービス」
「物品賃貸サービス」
「自動車・機械修理」等の対事業所サービ
ス、
「娯楽サービス」
「飲食店」
「旅館・その他の宿泊所」等の対個人サービス及び公共サービスから成っており、日本標準産業分類の
「サービス業」
(大分類)とは異なる。
55
(雇用の多い他に分類されない事業向けサービス業、建物サービス業)
サービス業について、事業所向けのサービスを中心に、「専門サービス業」、「学術・
開発研究機関」、「広告業」、「その他の事業サービス」について、従業者数をみると、
最も従業者数が多い業種は「他に分類されない事業サービス業」(1,561,371 人)であ
り、次いで建物サービス業(762,738 人)、土木建築サービス業(342,919 人)、警備業
(338,954 人)となっている。
図表Ⅰ-2-41:主な事業所向けサービスの業種別従業者数
0
100,000
200,000
300,000
専門サービス業(他に分類されないもの)
デザイン・機械設計業
166,763
公認会計士事務所,税理士事務所
161,293
法律事務所,特許事務所
57,350
写真業
54,047
獣医業
38,383
公証人役場,司法書士事務所
38,232
学術・開発
研究機関
広告業
700,000
800,000
900,000
1,793
226,370
自然科学研究所
8,886
120,419
広告代理業
その他の広告業 600,000
306,276
その他の専門サービス業
人文・社会科学研究所
500,000
342,919
土木建築サービス業
著述・芸術家業
400,000
29,326
その他の事業サービス
他に分類されない事業サービス業
762,738 1,561,371
建物サービス業
338,954
警備業
民営職業紹介業
39,384
商品検査業
33,971
計量証明業
20,849
速記・ワープロ入力・複写業
20,596
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
56
2.都市・地域における現状
(1)都市・地域における事業所向け専門サービス事業所数・従業者数の比率
(事業所数よりも従業者数で都市・地域の差が大きい)
平成 18 年事業所・企業統計より全産業に占める「サービス業(他に分類されないもの)」
の事務所及び従業者数の比率をみると、事務所数では 19.1%と、卸売・小売業(28.0%)
に次いで高く、従業者数では 15.5%と、卸売・小売業(22.8%)、製造業(17.5%)に
次いで高い。
都市類型等別にみると、事業所数ではその他の県庁所在都市(20.4%)が多いものの、
最も少ない三大都市圏の三大都市以外(18.1%)との間に大きな差はない。一方、従業
者数では、三大都市(20.1%)で最も高く、札仙広福(18.7%)、その他の県庁所在都
市(17.1%)と都市部が続き、その他の地域(12.1%)との間に大きな差がある。
図表Ⅰ-2-42:都市類型等別全産業に占めるサービス業の比率
<事業所数比率>
0.0%
5.0%
10.0%
3.4%
全国
7.0%
1.1% 1.0%
6.3%
三大都市
4.9%
2.9%
三大都市圏の三大都市以外
7.2%
6.7%
3.9%
その他の県庁所在都市
7.5%
2.3%
その他の地域
専門サービス業
娯楽業
物品賃貸業
宗教
1.0% 0.9%
1.0% 1.0%
学術・開発研究機関
廃棄物処理業
広告業 その他のサービス業
1.6%
2.3%
1.2%
1.0% 0.9%
7.5%
1.4%
1.3%
2.2%
1.2%
0.8%
1.6%
1.4%
1.5%
0.8%
1.4%
1.1% 1.0% 0.7%
7.4%
3.1%
その他核都市
1.2%
20.0%
1.1% 1.1% 0.5%
1.1% 1.0%
4.9%
札仙広福
15.0%
1.3%
0.9%
洗濯・理容・美容・浴場業
自動車整備業 その他の事業サービス業
1.5%
1.7%
2.3%
その他の生活関連サービス業 機械等修理業(別掲を除く)
政治・経済・文化団体
<従業者比率>
0.0%
全国
5.0%
2.2%
三大都市圏の三大都市以外
その他核都市
その他の地域
専門サービス業
娯楽業
物品賃貸業
宗教
1.2%
8.4%
4.5%
2.3%
2.3%
20.0%
5.1%
2.5%
3.0%
1.8%
15.0%
1.6%
1.7%
札仙広福
その他の県庁所在都市
2.3%
4.2%
三大都市
10.0%
7.5%
2.5%
6.3%
2.4%
5.1%
2.4%
2.6%
学術・開発研究機関
廃棄物処理業
広告業 その他のサービス業
洗濯・理容・美容・浴場業
自動車整備業 その他の事業サービス業
資料:総務省統計局[平成 18 年事業所・企業統計調査]
57
その他の生活関連サービス業 機械等修理業(別掲を除く)
政治・経済・文化団体
(2)都市・地域間における事業所向けサービスを中心とした立地特性
(大多数の業種で 4 割以上は三大都市圏に集中)
主な事業所向けサービスの都市類型等別の事業所割合をみると、専門サービス業につ
いては、法律事務所、特許事務所が三大都市への集中度が最も高く(59.6%)、デザイ
ン・機械設計業(39.2%)、その他の専門サービス業8(32.7%)、公認会計士事務所、
税理士事務所(31.5%)などが続いている。
その他の事業所サービスの中では、速記・ワープロ入力・複写業が三大都市に 32.2%
が立地しているが、その他の業種は、3 割以下となっている。三大都市圏全体について
みると、全ての業種で 4 割を超えている。
一方、その他の地域の割合が大きい業種は、専門サービス業では、総数は少ないが著
述・芸術業(43.3%)、公証人役場、司法書士事務所(33.8%)、写真業(31.3%)の
割合が大きい。その他の事業サービス業としては、商品検査業(30.5%)、民間職業紹
介所(29.6%)などとなっている。
図表Ⅰ-2-43:主な事業所向けサービスの都市類型別事業所数割合
0%
10%
20%
22.1%
18.8%
4.8%
13.5%
7.1%
39.2%
14.2%
21.7%
4.6%
32.7%
19.3%
速記・ワープロ入力・複写業
32.2%
22.0%
14.9%
30.1%
17.9%
計量証明業
24.5%
建物サービス業
15.7%
他に分類されない事業サービス業
三大都市圏の三大都市以外
18.7%
6.2%
27.3%
27.0%
札仙広福
5.9%
22.6%
11.6%
9.1%
26.8%
9.1%
9.5%
11.1%
6.4%
9.5%
13.8%
7.0%
11.7%
12.9%
9.7%
15.5%
30.5%
12.9%
19.5%
9.5%
20.2%
29.6%
11.2%
12.9%
19.3%
9.1%
9.8%
13.2%
その他の県庁所在都市
13.6%
31.3%
12.7%
7.5%
6.4%
5.2%3.3%
43.3%
12.1%
12.6%
100%
16.3%
10.3%
4.6%
8.0%
27.1%
22.9%
民営職業紹介業
11.4%
15.6%
90%
33.8%
5.6%
4.0% 10.7%
28.5%
80%
6.8%
1.6%6.0% 5.3%
その他の専門サービス業
警備業
70%
10.7%
24.1%
29.6%
19.2%
写真業
商品検査業
60%
26.0%
21.3%
デザイン・機械設計業
三大都市
50%
13.6%
31.5%
土木建築サービス業
その他の事業サービス業
専門サービス業
(他に分類されないもの)
15.0%
公認会計士事務所,税理士事務所
著述・芸術家業
40%
59.6%
法律事務所,特許事務所
公証人役場,司法書士事務所
30%
27.3%
10.0%
その他核都市
21.0%
その他の地域
資料:総務省統計局[平成 18 年事業所・企業統計調査]
8 その他専門サービス業とは、興信所、社会保険労務士事務所、経営コンサルタント業、翻訳業、通信業、通訳案内業、広告制作業、
不動産鑑定業、行政書士事務所等をいう。
58
(多様な専門サービスは東京に集中)
同様に、全国に占める都市類型等別の従業者数割合をみると、計量証明業以外の業種に
ついては、事業所数割合以上に大都市への集中の程度が強い。専門サービス業では、法律
事務所、特許事務所(65.8%)のほか、その他の専門サービス業(50.9%)についても半数
を超え、多様な専門サービス業の従業者が三大都市に区集中していることがわかる。
なお、「法律事務所・特許事務所」従業者は、全体で 17 万人に満たないが、東京都都特
別区に全体の7割弱、大阪市、名古屋市、三大都市圏、札仙広福に8割以上が集中してい
る。
図表Ⅰ-2-44:主な事業所向けサービスの都市類型別従業者数割合
0%
10%
20%
30%
専 門 サ ー ビス 業
(他 に分 類 され な いも の )
18.5%
公証人役場,司法書士事務所
24.3%
60%
17.8%
33.3%
デザイン・機械設計業
14.5%
写真業
22.8%
計量証明業
36.1%
28.6%
民営職業紹介業
26.9%
他に分類されない事業サービス業
三大都市圏の三大都市以外
5.0%
32.7%
27.6%
警備業
10.2%
11.5%
8.9%
10.5%
16.3%
6.1%
28.7%
35.2%
8.2%
59
10.5%
23.9%
9.5%
6.7%
10.5%
7.6%
9.9%
25.2%
16.1%
14.3%
6.6%
その他の県庁所在都市
8.7%
10.2%
12.1%
22.8%
資料:総務省統計局[平成 18 年事業所・企業統計調査]
18.3%
13.3%
13.5%
6.1%
15.4%
42.1%
7.2%
21.9%
100%
10.2% 4.6%2.4%
9.2%
12.2%
8.4%
90%
29.1%
3.9% 6.5%
2.9% 7.9%
24.9%
24.8%
札仙広福
5.6%
15.7%
24.9%
21.0%
建物サービス業
11.4%
10.2%
4.9%
50.9%
16.4%
80%
1.5%5.2% 5.8%
25.6%
速記・ワープロ入力・複写業
70%
37.1%
30.9%
その他の専門サービス業
商品検査業
12.9%
23.8%
29.1%
土木建築サービス業
その 他 の 事 業 サ ー ビス 業
4.9%
35.2%
公認会計士事務所,税理士事務所
三大都市
50%
65.8%
法律事務所,特許事務所
著述・芸術家業
40%
11.1%
9.3%
14.3%
7.0%
17.0%
14.8%
23.7%
9.8%
12.9%
その他核都市
9.6%
15.8%
12.6%
その他の地域
(事業所規模が大きい三大都市)
都市類型等別にサービス業の事業所数及び従業者数の割合をみると、三大都市では事
業所数割合が小さく(15.9%)、従業者数割合が大きい(24.8%)のに対し、「その他
の地域」では、事業所数割合が大きく(32.0%)、従業者数割合が小さい(21.2%)こ
とから、三大都市では事業所規模が比較的大きく、「その他の地域」では事業所規模が
小さいことが窺われる。
図表Ⅰ-2-45:サービス業(大分類)の都市類型別事業所数、従業者数割合
0%
事業所数
従業者数
10%
20%
15.9%
24.8%
30%
24.6%
40%
50%
4.5%
26.5%
12.3%
5.7%
60%
70%
10.7%
11.9%
80%
90%
100%
32.0%
9.8%
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
21.2%
3.今後の動向
(事業所向けサービスの可能性)
小売業、集客サービスなど、個人向けの業主の事業所、従業者数の減少が続く中で、事
業所向けサービスの中には増加している業種も多く、人口減少社会にあっても、都市地域
の企業活動が活発であれば、今後も成長する可能性がある業種もあると考えられる。
企業においては、事業所向けサービスとして、既に増加の見られる人材派遣業のほか、
各種コンサルティングへのニーズも強い。
60
第6節 情報通信業
1.概況
(情報通信産業は実質 GDP の 12.6%)
情報通信産業の国内総生産(実質GDP)は9、総務省「平成 18 年度ICTの経済分析
に関する調査」によると、平成7年には 32.9 兆円であったが、平成 17 年は 66.8 兆円まで
拡大した。
2.都市・地域における現状
(1)都市・地域における情報通信業事業所数・従業者数の比率
(事業所の3分の1、従業者の半数近くが東京都特別区に集中)
全産業に占める情報通信業の事業所数及び従業者数の比率をみると、全国平均では、
各々1.0%(59,436 事業所)、2.9%(1,592,105 人)となっている。このうち、従業者数
比率が高い業種は、情報サービス業(1.8%)、映像・音声・文字情報制作業(0.5%)、通
信業(0.5%)となっている。
図表Ⅰ-2-46:都市類型等別全産業に占める情報通信業の事業所数及び従業者比率
<事業所数比率>
0.0%
0.5%
全国
0.2%
東京都23区
0.2%
大阪市
0.2%
名古屋市
福岡市
2.0%
1.8%
2.5%
3.0%
3.5%
0.3%
0.1%
0.3%
0.1%
1.0%
0.3%
1.0%
0.3%
0.1%
0.4%
0.1%
0.3%
0.1%
0.9%
0.3%
0.8%
0.3%
1.3%
0.5%
1.2%
0.2%
広島市
1.5%
0.3%
0.1%
0.2%
札幌市
仙台市
1.0%
0.5%
1.4%
0.4%
0.1%
0.4%
三大都市圏の三大都市以外
その他の県庁所在都市
その他核都市
0.2%
0.2%
0.1%
通信業
放送業
情報サービス業
0.2%
0.1%
0.1%
0.5%
0.2%
0.3%
インターネット附随サービス業
映像・音声・文字情報制作業
その他の地域
<従業者数比率>
0.0%
全国
2.0%
東京都23区
0.9%
大阪市
1.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
0.5%
1.8%
0.5%
0.1%
2.3%
6.5%
0.3%
3.7%
0.9%
0.2%
名古屋市
2.6%
0.7%
0.6%
0.2%
札幌市
2.3%
0.9%
0.5%
0.3%
仙台市
広島市
福岡市
三大都市圏の三大都市以外
その他の県庁所在都市
その他核都市
2.1%
1.1%
0.5%
0.2%
0.7%
0.4%
1.8%
0.3%
1.2%
0.2%
0.1%
0.3%
1.3%
0.8% 0.3%
0.4%
0.8%
3.4%
0.8%
0.2%
1.2%
通信業
放送業
情報サービス業
インターネット附随サービス業
映像・音声・文字情報制作業
0.4%
0.2%
その他の地域
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
9情報通信関連製造業等を含む数値である。
61
4.0%
情報通信業全体について、都市類型等別の事業所数・従業者数割合をみると、いずれ
も東京都特別区に大きく集中し、それぞれ 33.1%、44.8%に上る。さらに、情報通信業
について産業中分類で詳しくみると、情報サービス業(ソフトウェア業、情報処理・提
供サービス業)、インターネット付随サービス業の事業所、従業者ともに 8 割以上が三
大都市圏と札仙広福に集中している。
(インターネット付随サービス業従業者は7割弱が特別区に集中)
さらに、
「インターネット附随サービス業」は東京都特別区だけで7割弱が集中する。
一方、 情報サービス業(ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業)は、東京都特別
区の割合は5割弱に留まり、横浜、川崎を始めとする三大都市圏の三大都市以外にも約
2割が立地する。
図表Ⅰ-2-47:情報通信産業の都市類型等別立地割合
(情報通信産業全体)
0%
10%
20%
30%
40%
33.1%
事業所数
50%
7.1%
60%
17.4%
70%
7.5%
80%
11.4%
90%
7.3%
100%
12.4%
3.6%
44.8%
従業者数
7.9%
17.1%
7.1%
10.2%
4.9%
3.6%
東京都23区
三大都市圏の三大都市以外
その他核都市
4.4%
大阪市
札仙広福
その他の地域
名古屋市
その他の県庁所在都市
(事業所数)
0%
10%
通信業
20%
30%
40%
60%
70%
80%
90%
9.1%
17.8%
10.0%
17.7%
8.0%
25.4%
50%
100%
8.2%
3.6%
放送業
6.5%
25.8%
9.1%
12.9%
7.1%
27.3%
7.1%
4.1%
7.5%
6.7%
20.0%
8.2%
46.2%
情報サービス業
4.3%
3.7%
インターネット附随サービス業
7.8%
6.5%
68.7%
1.6%
映像・音声・文字情報制作業
2.7% 3.6%
9.9%
5.5%
8.6%
7.0%
58.3%
3.2%
東京都23区
三大都市圏の三大都市以外
その他核都市
大阪市
札仙広福
その他の地域
3.4%
4.8%4.3%
3.3%
4.2%
名古屋市
その他の県庁所在都市
(従業者数)
0%
通信業
10%
20%
25.4%
30%
40%
8.0%
50%
17.7%
60%
70%
10.0%
80%
17.8%
90%
9.1%
100%
8.2%
3.6%
放送業
27.3%
7.1%
12.9%
9.1%
25.8%
6.5%
7.1%
4.1%
情報サービス業
46.2%
8.2%
20.0%
6.7%
7.5%
4.3%
3.7%
インターネット附随サービス業
68.7%
6.5%
7.8%
1.6%
映像・音声・文字情報制作業
58.3%
7.0%
8.6%
3.2%
東京都23区
三大都市圏の三大都市以外
その他核都市
大阪市
札仙広福
その他の地域
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」より作成
62
5.5%
3.4%
4.8%4.3%
2.7% 3.6%
9.9%
3.3%
名古屋市
その他の県庁所在都市
4.2%
(2)情報通信業の立地における主要都市の特色
(ブロックの中心的な都市を上回る横浜、川崎)
情報サービス業等の従業者数の6割を占めるブロックの中心的な都市等の従業者数
を比較すると、横浜市、川崎市、福岡市が多くなっている。
ブロックの中心的な都市や政令指定都市以外の県庁所在都市の中で、情報産業従業
者数が多い都市は、岡山市、金沢市、那覇市などとなっている。
図表Ⅰ-2-48:都市別に見た情報通信業の従業者数
(東京都特別区、大阪市、名古屋市>
0
50,000
100,000
150,000
250,000
300,000
350,000
323,954
東京特別区部
大阪市
200,000
450,000
120,071
3,051
57,371
400,000
500,000
32,317
ソフトウェア業
情報処理・提供サービス業
インターネット附随サービス業
21,529
名古屋市 29,040 754
6,648
(三大都市以外の上位 20 都市)
0
5,000
10,000
福岡市
2,108
8,287
仙台市
36,388
新潟市
金沢市
2,114
7,097
神戸市
岡山市
35,000
4,292
45,000
3,672
6,679
505
91
377
2,373 48
6,442
3,285
40,000
741
23,163
川崎市
北九州市
30,000
870
385
横浜市
京都市
25,000
6,518
2,856 266
6,948
広島市
さいたま市
20,000
5,144
13,038
札幌市
千葉市
15,000
19,633
2,479
3,782
593
138
4,181 1,981 128
1,062
12
3,981
1,658
3,179
125
2,745
那覇市 1,658
1,599
2,618
147
ソフトウェア業
144
長野市
1,321
42
2,569
富山市
962
78
2,671
情報処理・提供サービス業
インターネット附随サービス業
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」より作成
63
(都区部が全国の 16.7%を占めるソフト系IT産業)
東京圏等における立地について、国土交通省国土計画局「平成 19 年度ソフト系IT
産業の実態把握調査」10により詳しくみると、平成 19 年9月時点の東京都のソフトウ
ェア業、情報処理サービス業、インターネット関連サービス業の事務所数は 36,433 と
なっている。
区ごとの立地をみると、千代田区、港区、渋谷区、新宿区、中央区の5区で、東京
都全体の5割以上を占め、全国の 16.7%を占める。
平成 19 年4月から9月期の半年間では、特に秋葉原(871 事業所)、茅場町(520 事業
所)など、事業所数が増加している地域においては、引き続き増加傾向がみられた反面、
それ以外のほとんどの山手線主要駅においては事業所数が減少している。
図表Ⅰ-2-49:東京都に立地する情報産業事業所数割合
東京都23区
の上位5区,
16.7%
上位5区以
外の東京都
23区 10.6%
東京都(23
区以外)
2.7%
東京都以外,
70.1%
資料:国土交通省「平成 19 年度ソフト系IT産業の実態把握調査」
注:ソフトウェア業、情報処理サービス、インターネット関連サービスの事業所数。
3.今後の動向
(ブロックの中心的な都市への集積)
以上みてきたとおり、情報通信業は東京集中が最も顕著な産業である。しかし、三大都
市圏以外の地域においても、近年では、ブロックの中心的な都市などにおいても、一定の
集積が認められる。今後は、独自の技術やサービスを核に、地域のニーズだけに依存せず、
全国市場、世界市場向けて移出型の情報サービスを提供する企業が育つことが期待される。
10「平成 19 年度ソフト系IT産業の実態調査報告書」
(平成 20 年3月):NTTが編集するタウンページのデータを使用したもので、
約 1,900 種あるタウンページの業種分類から、
「ソフトウェア業」
「情報処理サービス」
「インターネットサービス業」の3業種のいずれかに
登録している事業所を「ソフト系IT産業」として抽出。平成 13 年度調査においてソフト系IT産業は大都市のターミナル駅周辺に多
く集積していることが分かったため、都内主要駅周辺の事業所数を継続的に集計。
64
コラム:ブロック中心都市に立地する情報サービス:㈱サイエンティア(仙台市)
<概要>
■設立 1981 年 5 月 23 日
■資本金 10,650 万円
■従業員数 83 名 (2007 年 7 月現在)
■本社:宮城県仙台市、その他東京本社、京都オフィス
■事業内容:人事・人材に関するパッケージシステム(人材マネジメントシステム、国立
大学法人人事給与統合システム等)の開発・導入
(立地の背景)
サイエンティアの前身、仙台コンピュータサイエンス株式会社は昭和 56 年に設立され、
翌年には東京に営業所を開設した。平成 2 年に株式会社サイエンティアと社名を変更し、
企画商品の開発を行った。平成8年に当時の通商産業省(現経済産業省)の「創造的ソフ
トウェア育成事業」に採択され、東北大学、米国の UCLA などとの産学協同研究開発プロジ
ェクト「FASE21」でエージェント技術の開発を開始し、同年に国公立大学向け人事情報シ
ステムの販売も開始した。
その後、平成 13 年に文部科学省主導による汎用人事事務システムを受託開発し、全国立
大学・高専に配布する中で人事関連ソフトウェアの中核的な企業として全国に市場を拡大
していった。現在、同社の人材マネジメントシステムのパッケージソフトは、大手メーカ
ー、システムインテグレータにおいても採用されている。平成 15 年には、国立大学の法人
化をにらみ、クライアント/サーバー化した人事給与統合システムを開発し、京都大学な
どで運用を始めた。
(成功要因)
同社が着実に成長してきた主な要因としては、自社製品を持つことをめざし、1990 年代
初めに人事のソフトを手がけたことがあげられる。平成5年に同社の最初の企画商品であ
る戦略人事情報システムを発表したことをきっかけに、仙台をビジネスの重要拠点としな
がらも、東京を含めて全国のマーケットに事業を展開することになった。
ブロックの中心的な都市や県庁所在市程度の業務集積がある都市においては、一定程度
情報産業は立地しているが、サイエンティアのように、独自のサービス、製品をもつこと
により、全国を対象とした、ソフトウェア開発等の移出型のサービス業としていくことが
今後の課題となろう。
65
第7節
運輸業
1.概況
(運輸業のGDP比率は減少傾向)
運輸業の国内総生産(名目GDP)は、平成8年には約 25 兆3千億円であったが、平成
18 年には約 23 兆円と減少している。また、全体に占める比率についても年々減少傾向に
あり、平成8年の 5.0%から平成 18 年には 4.5%となっている。
図表Ⅰ-2-50:運輸業の名目GDPと国内総生産に占める割合
5.1%
26,000.0
25,500.0
運輸業(単位10億円)
5.0%
運輸業
4.9%
25,000.0
4.9%
24,500.0
5.0%
4.9%
4.8%
4.8%
4.8%
24,000.0
4.7%
4.7%
4.7%
4.7%
4.7%
23,000.0
4.6%
4.5% 4.5%
22,500.0
4.4%
22,000.0
4.3%
23,500.0
4.6%
4.2%
21,500.0
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
資料:内閣府「国民経済計算」
(運輸業の事業所数、従業者数も減少傾向)
運輸業の事業所数及び従業者数の推移をみると、両方とも平成8年をピークに減少に転
じ、平成 18 年には事業所が約 13 万、従業者数が約 287 万人となっている。
図表Ⅰ-2-51:運輸業の事業所数、従業者数の推移
万人
160,000
350
140,000
300
120,000
250
100,000
200
80,000
150
60,000
100
40,000
50
20,000
0
0
S47
S50
S53
S56
S61
事業所数
資料:総務省統計局「事業所・企業統計調査」
66
H3
従業者数
H8
H13
H18
2.都市・地域における現状
(1)都市・地域における運輸業の事業所数・従業者数の比率
(大都市近郊での従業者比率が高い道路貨物運送業、離島で高い水運業の比率)
運輸業は、全国平均で事業所数の 2.3%、従業者数の 5.4%を占めるが、このうち比率
が高い業種は道路貨物運送業であり、事業所数の 1.1%、従業者数の 2.8%を占める。
都市類型等別にみると、従業者比率では三大都市圏の三大都市以外(6.2%)が高く、
条件不利地域ではすべての地域において全国平均を下回っている。
業種別にみると、三大都市圏の三大都市以外では、道路貨物運送業の従業者比率が高
く、また、離島地域等において水運業の従業者数比率が高いなどの特徴がある。
図表Ⅰ-2-52:運輸業における都市類型等別事業所数及び従業者数比率
(事業所数)
0.0%
全国
0.5%
0.1%
1.2%
0.5%
0.1%
過疎地域等
0.4%
1.0%
0.2%
0.4%
0.1%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.5%
0.2%
0.1%
1.1%
0.5%
0.2%
0.2%
0.2%
1.1%
道路旅客運送業
0.3%
0.2% 0.1% 0.2%
1.2%
鉄道業
0.2%
1.3%
0.5%
0.1%
0.2%
0.3%
0.6%
0.6%
0.1%
0.1%
0.1% 0.1%
1.0%
0.2%
3.5%
0.2%
0.1%
1.3%
0.6%
特別豪雪地帯
0.1%
1.2%
0.4%
半島地域 0.1%
0.1%
0.9%
0.4%
離島地域等
豪雪地帯
1.0%
3.0%
0.2%
0.3%
0.8%
その他核都市 0.1%
2.5%
0.2%
0.9%
0.4%
その他の県庁所在都市 0.1%
振興山村
2.0%
0.1%
1.4%
0.1%
札仙広福 0.1%
その他の地域
1.5%
1.1%
三大都市 0.1%
三大都市圏の三大都市以外
1.0%
0.6%
道路貨物運送業
0.2%
水運業
航空運輸業
倉庫業
運輸に附帯するサービス業
(従業者数)
0.0%
全国
0.4%
0.4%
その他核都市
その他の地域
半島地域
振興山村
豪雪地帯
特別豪雪地帯
過疎地域等
0.3%
鉄道業
0.2%
2.5%
0.1% 0.4%
2.9%
0.1%
0.2%
2.5%
0.1%
0.3%
0.2%
2.4%
1.0%
0.2%
道路旅客運送業
0.7%
1.0%
2.1%
1.2%
0.5%
0.6%
0.1%
0.2%
0.3%
1.2%
0.4%
0.5%
0.4%
0.1%0.2%
1.8%
0.8%
0.3%
0.2% 0.2%
3.0%
0.9%
0.2%
0.1%
0.2% 0.4%
0.1%
3.1%
1.4%
離島地域等0.0%
0.8%
0.5%
2.6%
1.1%
7.0%
0.7%
0.3%
2.5%
1.6%
6.0%
0.6%
0.1% 0.3%
0.1%
3.4%
0.8%
0.2%
5.0%
2.8%
1.2%
0.3%
4.0%
1.8%
1.0%
0.4%
札仙広福
3.0%
1.2%
0.5%
その他の県庁所在都市
2.0%
1.1%
0.4%
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
1.0%
道路貨物運送業
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
67
水運業
航空運輸業
倉庫業
運輸に附帯するサービス業
(2)都市・地域間における立地特性
(大都市近郊に多い倉庫業)
都市類型等別に事業所数及び従業者数の割合をみると、倉庫業(56.6%)、道路旅客
運送業(54.9%)、航空運輸業(53.9%)、運輸に附帯するサービス業(52.7%)など
で、三大都市圏の事業所数割合が5割以上を占める。一方、その他の地域で事業所数割
合が大きい業種は、鉄道業(35.0%)、道路貨物運送業(36.4%)、水運業(39.1%)
などとなっている。
従業者数割合でみると、航空運輸業について、三大都市圏の占める割合が8割近くに
上り、また、倉庫業、運輸に附帯するサービス業において6割以上、鉄道業においても
5割を超えている。
図表Ⅰ-2-53:運輸業における都市類型等立地割合
(事業所数)
0%
鉄道業
10%
20%
30%
13.1%
40%
27.7%
道路旅客運送業
50%
3.0%
36.1%
道路貨物運送業
11.7%
8.4%
航空運輸業
3.6%
4.0%
運輸に附帯するサービス業
三大都市
9.9%
三大都市圏の三大都市以外
36.4%
39.1%
10.0%
14.7%
4.9%
3.4%
札仙広福
100%
21.5%
23.0%
32.5%
90%
8.0%
10.9%
40.5%
20.2%
80%
35.0%
5.7%
25.4%
16.1%
70%
10.4%
9.3%
6.9%
28.5%
倉庫業
10.9%
18.8%
28.1%
18.6%
水運業
60%
7.8%
7.1%
7.2%
8.6%
14.2%
22.1%
10.6%
26.2%
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
(従業者数)
0%
10%
50%
60%
7.2%
4.2%
33.1%
8.3%
29.0%
3.6%
70%
9.2%
9.9%
三大都市
21.8%
29.4%
28.4%
21.5%
6.7%
24.2%
38.9%
21.1%
4.9%
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
68
4.1%
16.0%
9.3%
11.2%
47.1%
16.8%
90%
10.4%
12.5%
54.8%
航空運輸業
80%
13.3%
5.6%
26.8%
12.3%
水運業
運輸に附帯するサービス業
40%
28.1%
21.4%
道路旅客運送業
倉庫業
30%
27.7%
鉄道業
道路貨物運送業
20%
6.7%
その他の県庁所在都市
5.6%
6.6%
11.0%
その他核都市
4.3% 2.6% 7.4%
18.9%
18.2%
その他の地域
100%
3.今後の動向
(大都市・地方都市の郊外で従業者が増加している道路貨物運送業、倉庫業)
平成 13 年から平成 18 年の間の運輸業における従業者数の増減数について、都市類型
等別にみると、三大都市圏の三大都市以外及びその他の地域において、道路貨物運送業、
倉庫業の従業者数が大きく増加しているほか、三大都市圏の三大都市では道路旅客運送
業の従業者数も増加している。一方、三大都市や札仙広福、核都市などでは、道路旅客
運送業の従業者数は大きく減少している。
今後は、物流コストの削減や機能の向上を図りつつ、様々なニーズに応えた高度なサ
ービスを提供していくことが期待される。
図表Ⅰ-2-54:都市類型等別・運輸業従業者増減数 H13→H18
-25,000
三大都市
-20,000
-15,000
-10,000
-9,830
0
5,000
10,000
15,000
20,000
308
-3,578
774
-1,243
-12,838
-1,305
三大都市圏の三大都市以外
-5,000
-368
-7,288
7,104
5,847
6,455
-4,561
-531
-97143
-287
-94
-2,121
-3,180 -4,649 449
-171
札仙広福
その他の県庁所在都市
-1,856
その他核都市
-6,108
-1,377
その他の地域
鉄道業
366
-3,763 -3,490 253
-5,685
道路旅客運送業
-5,454
道路貨物運送業
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
69
9,799
水運業
286
2,747
航空運輸業
倉庫業
25,000
第8節
医療、福祉
1.概況
(1)医療費の推移
(増大する医療費)
我が国の医療費は高齢化の進展等を背景に増加の一途をたどり、昭和 60 年度に約 16
兆円であったものが平成 11 年度には 30 兆円を超え、平成 17 年度には約 33 兆円に上っ
ている。そのうち、老人医療費の占める割合については、昭和 60 年には全体の医療費の
約 25%であったが、平成 17 年度には約 35%となっている。
また、歯科医師を除く医師数については、昭和 57 年には約 16 万8千人であったが、
昭和 63 年には 20 万人を超え、平成 18 年には約 27 万8千人になるなど毎年増加してい
る。
図表Ⅰ-2-55:医療費の推移
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
昭和60年度
老人医療費
その他
61
62
63
平成元年度
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
資料:厚生労働省大臣官房統計情報部「平成 17 年国民医療費」
厚生労働省保険局「老人医療事業報告(平成 17 年度)」
70
350,000
(2)福祉関係事業所数、従業者数
(事業所数、従業者数が大きく増加する社会保険・社会福祉・介護事業)
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設等の老人福祉・介護事業(訪問介護事業を除
く)を含む社会保険・社会福祉・介護事業の近年の事業所数、従業者数をみると、事業
所数については、平成 13 年が 44,982 であるのに対し、平成 18 年は 79,246 と約 76%の
増加率であり、また、従業者数については、平成 13 年が約 104 万人であるのに対し、平
成 18 年は約 181 万人と約 74%の増加率となっている。
図表Ⅰ-2-56:福祉関係事業所数、従業者数の増減数(H13→H18)
90,000
200
80,000
180
70,000
160
140
60,000
120
50,000
100
40,000
80
30,000
60
20,000
40
10,000
20
0
0
平成13年
平成18年
事業所数
従業者数
資料:総務省統計局「事業所・企業統計調査」
(3)都市・地域における高齢者人口の割合
(地方圏に多い高齢者)
都市類型等別、年齢階層別に高齢者割合をみると、全国の総人口の分布割合が、三大
都市 10.4%、その他の地域 32.4%であるのに対し、年齢が高くなるに従い、三大都市の
割合は小さく、その他の地域の割合が大きくなり、85 歳以上の人口については、その他
の地域の割合が4割を超えている。
図表Ⅰ-2-57:都市類型別等高齢者割合
0%
10%
総人口
10.4%
65歳-74歳人口
10.2%
75歳-84歳人口
9.3%
85歳以上人口
8.8%
三大都市
20%
30%
40%
50%
33.5%
4.3%
31.3%
25.6%
24.9%
3.6%
3.4%
3.3%
三大都市圏の三大都市以外
60%
9.9%
10.1%
10.2%
10.2%
10.2%
札仙広福
資料:総務省統計局「国勢調査報告」
71
80%
9.5%
9.8%
9.6%
70%
その他県庁所在都市
90%
32.4%
35.5%
41.3%
42.6%
その他核都市
その他の地域
100%
(4)医療・福祉業の就業者比率
(地方圏で高い医療・福祉就業者比率)
全産業の就業者に占める医療・福祉業の就業者比率をみると11、全国平均で 8.7%であ
り、地方圏では高くなっている。特に、県庁所在都市では1割を超えており、札仙広福、
その他の核都市、その他の地域で9%以上となっている。
図表Ⅰ-2-58:都市類型等別医療・福祉就業者比率
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
全国
10.0%
12.0%
8.7%
7.3%
三大都市
7.9%
三大都市圏の三大都市以外
9.5%
札仙広福
10.2%
その他の県庁所在都市
9.6%
その他の核都市
9.1%
その他の地域
資料:総務省統計局「国勢調査報告」
2.都市・地域における現状
(1)都市・地域における医療・福祉事業所数及び従業者数の比率
(老人福祉・介護事業従業者比率は、離島、過疎、半島、山村で3%以上)
平成 18 年事業所・企業統計により、医療・福祉業(公務を除く。)に係る事業所及び
事業所従業者数について、事業所全体に占める医療・福祉業の比率をみると、全国では
5.4%であり、このうち、医療業が 4.0%と約4分の3を占める。
都市類型等別にみると、三大都市圏の三大都市以外、札仙広福、県庁所在都市、核都
市においては全国平均より高いが、三大都市及びその他の地域では全国平均よりも低い。
従業者数でみると、全国平均で 8.9%に上り、うち医療業が 5.5%、福祉業が 2.4%と
なっている。
都市類型等別にみると、三大都市以外では全体の8%から 10%を占めており、条件不
利地域では、離島地域等、半島地域、過疎地域等においては、全体として1割以上とな
り、老人福祉・介護事業(訪問介護事業を除く。)の比率は、離島地域等、過疎地域等、
半島地域、振興山村で3%以上となっている。
11 公務を含む。
72
図表Ⅰ-2-59:都市類型等別事業所統計にみる医療・福祉の比率
〈事業所数〉
0.0%
全国
1.0%
0.2%
2.0%
1.3%
三大都市 0.1%
1.3%
3.0%
1.3%
0.1% 0.5%
0.3%
1.2%
1.2%
0.1%0.2% 0.3%
0.4%
1.6%
1.4%
札仙広福
0.2%
1.6%
1.3%
その他の県庁所在都市
0.2%
その他核都市
0.2%
その他の地域
0.2%
0.1%
特別豪雪地帯 0.1%
過疎地域等 0.1%
1.0%
0.4%
1.1%
0.1%
0.8%
1.0%
0.8%
0.7%
0.9%
0.5%
1.1%
1.0%
0.7%
1.1%
病 院
助産・看護業
老人福祉・介護事業(訪問介護事業を除く)
0.4%
0.3%
0.3%
0.6%
0.6%
0.6%
0.7%
0.3%
0.3%
0.7%
0.6%
0.6%
0.3%
0.6%
0.3%
0.6%
0.5%
0.2%
0.1%
0.6%
0.5%
0.6%
7.0%
0.6%
0.1%
0.7%
0.9%
0.7%
0.4%
1.1%
0.1%
0.2%
0.1%
0.7%
0.8%
0.6%
0.1%
1.2%
0.9%
0.9%
0.2%
1.2%
6.0%
0.1% 0.5%
1.2%
1.0%
0.6%
0.2%
振興山村 0.1%
豪雪地帯
0.5%
1.5%
1.0%
1.0%
離島地域等 0.1%
半島地域
1.5%
1.4%
5.0%
1.1%
0.1%
三大都市圏の三大都市以外
4.0%
0.6%
0.7%
0.1%
0.3%
0.6%
0.8%
0.4%
0.6%
一般診療所
療術業
その他の社会保険・社会福祉・介護事業
歯科診療所
医療に附帯するサービス業
その他
〈従業者数〉
0.0%
2.0%
2.8%
全国
三大都市
1.0%
0.6%
3.5%
3.7%
その他核都市
3.7%
1.4%
豪雪地帯
0.6% 0.5%0.2%
1.9%
0.7% 0.3%
1.3%
1.1%
2.7%
病 院
助産・看護業
老人福祉・介護事業(訪問介護事業を除く)
1.4%
0.6%
1.8%
2.3%
0.8%
1.0%
1.1%
0.6%
1.1%
0.7%
1.1%
1.2%
3.7%
1.7%
0.7% 0.4%
3.0%
1.3%
0.6% 0.3%
0.6% 0.2%
12.0%
1.0%
1.7%
0.7% 0.3%
3.0%
1.3%
10.0%
1.0%
0.7% 0.3%
0.6% 0.3%
1.8%
0.8%
1.6%
0.6% 0.3%
1.1%
3.0%
1.6%
0.4%
1.6%
3.1%
半島地域
0.9%
1.4%
8.0%
0.6%
1.7%
2.7%
離島地域等
0.6%
1.5%
2.8%
その他の地域
過疎地域等
0.7% 0.4%
1.7%
その他の県庁所在都市
特別豪雪地帯
0.6% 0.4%
2.9%
札仙広福
6.0%
1.5%
1.6%
三大都市圏の三大都市以外
振興山村
4.0%
2.7%
0.6% 0.3%
1.4%
1.1%
1.4%
1.2%
2.2%
0.7%
0.8%
3.1%
一般診療所
療術業
その他の社会保険・社会福祉・介護事業
1.2%
1.3%
1.1%
1.4%
歯科診療所
医療に附帯するサービス業
その他
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
注:「その他」には、社会保険事業団体、児童福祉事業所、障害者福祉事業を含む(以下同じ。)。
73
(2)医療・福祉関係施設における従業者割合
(地方に多い老人福祉・介護施設従業者)
都市類型等別に、全国に占める医療・福祉関係の主要業種の従業者割合をみると、病
院は県庁所在都市及び核都市において、老人福祉・介護事業はその他の地域に、その他
の社会福祉・介護事業等は三大都市圏の三大都市以外に多い。
図表Ⅰ-2-60:
0%
第三次産業全体(公務を除く)
病院
一般診療所
老人福祉・介護事業
その他の社会福祉・介護事業等
10%
20%
30%
21.6%
10.9%
13.4%
6.9%
40%
50%
27.7%
60%
70%
11.7%
14.3%
4.8%
31.4%
28.2%
5.6%
5.9%
28.5%
15.3%
三大都市
医療・福祉関係施設従業者割合
9.8%
12.6%
札仙広福
11.0%
その他の県庁所在都市
100%
27.2%
26.8%
38.7%
3.6%
8.6% 8.8%
35.1%
90%
23.6%
13.3%
3.8%
11.3% 11.2%
三大都市圏の三大都市以外
80%
28.6%
その他の核都市
その他の地域
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
注:1)老人福祉・介護事業とは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム等をいう(訪問介護
事業を除く。)。
2)その他の社会福祉・介護事業等とは、訪問介護事業等をいう。
3.今後の動向
(介護保険施設定員数に対する 75 歳以上人口の少ない地方圏)
三大都市圏と地方圏別に、介護保険施設定員数1名当たりの 75 歳以上人口をみると、
三大都市圏平均が 15.4 人であるのに対し、地方圏では 13.6 人と、地方圏の方が定員数
に対する 75 歳人口が少ない。
三大都市圏の中では、東京圏が最も多く(16.7 人)、関西圏では少ない(13.9 人)。
万人
図表Ⅰ-2-61:介護保険施設定員数に対する 75 歳以上人口
人
800
18.0
700
16.0
14.0
600
12.0
500
10.0
400
8.0
300
6.0
200
4.0
100
2.0
0.0
0
東京圏
名古屋圏
関西圏
三大都市圏
地方圏
介護保険施設定員数(a)
75歳以上人口(b)
介護保険施設定員数1名に対する75歳以上人口((b)/(a))
資料:総務省統計局「国勢調査報告」、厚生労働省「平成 17 年介護サービス施設・事業所調査」
注:介護保険施設とは、「介護老人福祉施設」、「介護老人保健施設」、「介護療養型医療施設」をいう。
74
(求められる地域一体となった取組)
今後、高齢化が一層進展する中で、大都市圏においても地方圏においても地域のニーズ
にあった施設及びサービスを担うことのできる人材の双方が不可欠となり、都市・地域に
おける福祉関連の多様な民間のサービス展開が期待される。
75
第9節
電気・ガス・熱供給・水道
1. 概況
(GDP比率は 2.2%、福島県では県内総生産の1割以上)
電気・ガス・熱供給・水道業は、1990 年代末には、国内総生産(GDP)の 2.8%を超
えたこともあったが、平成 18 年には 2.3%(約 11.4 兆円)を占めている。
図表Ⅰ-2-62:GDP に占める電気・ガス・熱供給・水道業の比率の推移
10,000.0
1.7%
9,000.0
8,000.0
1.8%
1.8%
1.9%
1.9%
1.8%
2.0%
1.6%
1.8%
1.8%
1.6%
1.4%
7,000.0
6,000.0
5,000.0
0.9%
0.9%
0.9%
1.0%
0.9%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.3%
1.6%
1.4%
1.2%
1.0% 1.0%
4,000.0
0.8%
3,000.0
0.6%
電気業
電気業
2,000.0
1,000.0
ガス・水道・熱供給
ガス・水道・熱供給
0.0
0.4%
0.2%
0.0%
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
資料:内閣府「国民経済計算]
(福井県は電気業が県内総生産の 1 割以上を占める)
一方、県内総生産に占める電気・ガス・熱供給・水道業の割合を都道府県別にみると、
最も割合が大きい福井県では 11.4%、以下、福島(7.8%)、佐賀(5.4%)、島根(5.1%)、
新潟(5.0%)などの各県において全国平均(2.5%)の倍以上となっている(内閣府「平
成 17 年県民経済計算」)。
(水道業は公営比率が高い)
平成 18 年事業所・企業統計調査より、電気・ガス・熱供給業の事業所全体に占める公営
事業所比率をみると、水道業は公営事業所が 88.5%を占めるが、電気業は 6.0%、ガス業は
8.9%、熱供給業は 0.0%と民営事業所が大多数を占める。
全国の民営の電気・ガス・熱供給・水道業の事業所数は 3,049 事業所、従業者数は 180,740
人と、全産業に占める比率は低い(事業所数比率 0.053%、従業者数比率 0.334%)。
76
2.都市・地域における状況
(1)都市・地域類型別にみた従業者数
電気・ガス・熱供給・水道業の従業者数を都市類型等別にみると、三大都市及び三大
都市圏の三大都市以外の地域は、各々約 37,000 人、約 35,000 人と概ね同水準となって
いる。三大都市においては、熱供給業が水道業とほぼ同数である。また、ガス業は、札
仙広福を除く地方圏でほぼ同数となっている。
図表Ⅰ-2-63:圏域別にみた電気・ガス・熱供給・水道業の事業所従業者数(公務を除く。)
0
5,000
10,000 15,000 20,000
三大都市
25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000
8,905
23,706
三大都市圏の三大都市以外
1,262
1,200
2,850
9,708
25,113
423
12,386
札仙広福
その他の県庁所在都市
1,778 981
224
20,710
1,720
4,362
42
13,736
その他核都市
4,340
1,468
421
37,829
その他の地域
電気業
3,110
4,286
180
ガス業
熱供給業
水道業
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
(2)都市・地域間における立地特性
(電気業の事業所は地方に半分以上、ガス業従業者は大都市集中)
電気・ガス・熱供給・水道業のうち、事業所数・従業者数の多い電気業及びガス業に
ついて都市類型等別の割合をみると、電気業は、事業所数では全体の半数以上の 55.2%
(844 事業所)がその他の地域に立地している。一方、従業者数でみると、全体の半数
近くが三大都市圏と札仙広福に集中しており、その他の地域は 28.3%である。
ガス業は、電気業よりも大都市集中傾向が強く、従業者数でみると6割以上が三大都
市圏と札仙広福に集中している。
図表Ⅰ-2-64:電気業、ガス業の都市類型等別立地割合(事業所数・従業者数)
ガス業
電気業
0%
事業所数
10%
7.6%
従業者数
事業所数
20%
14.0%
18.8%
30%
3.3% 10.2%
17.8%
40%
60%
70%
80%
90%
55.2%
9.7%
9.3%
13.4%
27.3%
8.9%
50%
10.3%
15.5%
28.3%
32.3%
15.7%
2.3%
従業者数
29.1%
三大都市
その他の県庁所在都市
26.7%
5.3%
三大都市圏の三大都市以外
その他核都市
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
77
13.1%
13.0%
札仙広福
その他の地域
12.8%
100%
(1事業所当り従業者数が多い電気、ガス業事業所)
業種別に1事業所当り従業者数を比較すると、全産業平均が 9.5 人であるところ、電
気業は 70.3 人、ガス業は 48.9 人と、それぞれ全業種の中で1位,2位となっている。
また、主要な都市以外の「その他の地域」、過疎地域でみても電気業は各々35.0 人、
25,2 人、ガス業は各々20.8 人、20.3 人と、条件不利地域等においても、1事業所当た
り従業者数が一定程度に上る。
図表Ⅰ-2-65:都市類型等別産業大分類別事業所当たりの従業者数地域・過疎地域)
0.0
10.0
20.0
30.0
電気業
25.2
ガス業
6.4
70.0
70.3
48.9
26.8
9.6
運輸業
18.1
13.1
22.1
18.0
18.9
15.7
製造業
17.0
9.7
8.5
金融・保険業
16.3
10.0
13.5
熱供給業
15.5
15.5
15.4
医療,福祉
水道業
10.0
8.6
15.5
14.4
12.9
12.1
複合サービス事業
13.8
13.7
13.5
漁業
農業
11.9
11.9
10.8
鉱業
11.0
10.4
12.1
10.0
9.9
10.1
林業
5.1
3.9
9.3
卸売・小売業
7.7
5.9
4.8
サービス業
(他に分類されないもの)
7.7
5.1
3.9
建設業
7.4
6.3
6.8
不動産業
60.0
35.0
20.8
20.3
情報通信業
飲食店,宿泊業
50.0
9.5
7.9
6.6
全産業(公務を除く)
教育,学習支援業
40.0
6.2
5.3
4.4
全国
3.2
2.0
1.8
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
78
その他の地域
過疎地域
80.0
3.今後の動向
(環境を意識した動き)
事業所・企業統計により平成 13 年から平成 18 年の間の、電気・ガス・熱供給・水道
業の民営事業所数・従業者数の増減をみると、特に増加が目立つのは熱供給業である。
熱供給業は全体としての事業所数等は少ないものの、5 年間で6事業所、従業者数は
613 人増加した。なお、このうち5事業所、従業者数 598 人は三大都市における増加で
ある。
一方、地方圏においても、近年、風力発電等再生可能エネルギーの利用も取組も増加
しており、地域の創意工夫も活かして、地域特性にあったエネルギーの地産地消の可能
性も期待される。
79
第10節
教育・学習支援
1.概況
(少子社会で伸びる学習塾、フィットネス)
我が国の年間の出生数は、昭和 48 年以降毎年減少し続け、平成3年以降は増加と減少を繰
り返しながら緩やかに減少している。このような少子化の進展に伴い、戦後、大きく増加し
てきた学校在学者数も昭和 60 年代以降、減少傾向が顕著になった。
大学、大学院、短期大学の学生数も、少子化の進展を背景に減少に転じ、平成 19 年現在
で約 302 万人である。
一方、学校教育以外では、近年の健康志向などを反映し、フィットネスクラブの事業所
数や学習塾の増加が顕著である。
図表Ⅰ-2-66:設置者、学校種別在学者数の推移(昭和 22 年~平成 17 年)
幼稚園
小学校
中学校
高等学校
中等教育学校
高等専門学校
短期大学
大学
専修学校
各種学校
30,000,000
25,000,000
20,000,000
15,000,000
10,000,000
5,000,000
0
25
S22年
31
28
34
37
40
43
46
49
52
55
58
61
H1
10
7
4
13
16
資料:総務省統計局「日本の長期統計系列」(文部科学省「学校基本調査報告書」、「文部科学統計要覧」)
図表Ⅰ-2-67:教育、学習支援業の拡大の例
<学習塾>
<フィットネスクラブ>
350,000
60,000
51,625
事業所数
従業者数
50,000
49,586
51,120
45,856
262,889
40,000
2,000
2,020
40,000
38,785
1,500
1,258
30,000
161,912
150,000
24,744
1,000
18,683
78,359
500
10,000
280
50,000
0
H3
H8
H13
10,000
7,782
0
0
S61
20,000
907
100,000
S56
50,000
250,000
276,518
200,000
20,000
事業所数
従業者数
300,000
34,367
30,000
60,000
54,151
315,006
276,086
2,500
0
H3
H18
資料:総務省統計局「事業所・企業統計調査」
80
H8
H13
H18
(都市・地域に一定程度の雇用を生んでいる教育)
教育・学習支援業について、国勢調査により、全就業人口に占める就業人口比率をみると、
全国平均で 4.4%であるが、札仙広福は4都市とも全国平均を上回っており(5.1%)、特
に仙台市は 6.2%と高い。その他の県庁所在都市(5.2%)においても5%を超えており、
一定の雇用を生んでいる。
一方、条件不利地域では離島地域等以外は全国平均を下回っており、振興山村、特別豪
雪地帯、過疎地域等では3%台となっている。
図表Ⅰ-2-68:国勢調査就業人口に見る教育・学習支援の比率
<都市類型等別>
0.0%
1.0%
2.0%
3.0%
4.0%
5.0%
6.0%
7.0%
4.4%
全国
4.0%
三大都市
4.6%
三大都市以外の三大都市圏
4.8%
札幌市
6.2%
仙台市
4.8%
広島市
5.1%
福岡市
5.2%
その他の県庁所在都市
4.4%
その他の核都市
4.0%
その他の地域
<条件不利地域>
0.0%
1.0%
2.0%
3.0%
4.0%
5.0%
離島地域等
6.0%
4.9%
4.1%
半島地域
振興山村
3.4%
豪雪地帯
4.2%
3.8%
特別豪雪地帯
3.7%
過疎地域等
資料:総務省統計局「平成 17 年国勢調査報告」
注:条件不利地域は、市町村の全域が当該条件不利地域に指定された市町村のみの数値である。詳細は凡例参照。
81
2.都市・地域における現状
(1)都市・地域の産業・雇用に占める重み
(三大都市圏近郊で多い教育、学習支援)
教育・学習支援業に係る民営事業所について12、教育、学習支援業(公務を除く。)の
占める事業所数及び従業者数の比率は、全国平均では各々約 3.0%、約 2.9%であり、こ
のうち、事業所数では教養・技能教授業(1.6%)、従業者数では小学校、中学校などを
含むその他(1.3%)の比率が高い。
都市類型等別にみると、三大都市圏の三大都市以外では、全体で事業所数比率、従業
者比率とも 3.5%を超えており最も比率が高く、学習塾、教育・技能教授業の比率が高
い。また、三大都市は事業所数比率が全国平均よりも低く、その他の地域は事業所数比
率と比較して従業者数比率が低い。条件不利地域は押しなべて全国平均を下回り、特に
振興山村において低い。
図表Ⅰ-2-69:教育、学習支援業の都市類型等別事業所数及び従業者数比率
(事業所数)
0.0%
0.5%
0.1%
1.5%
2.0%
2.5%
0.1%
1.1%
0.1%
半島地域
0.1%
振興山村
0.1%
豪雪地帯
0.1%
0.1%
0.1% 0.2%
1.5%
0.2%
1.2%
0.5%
0.1%
1.2%
0.6%
0.1%
過疎地域等
0.1%
0.1%
0.9%
0.7%
0.1%
特別豪雪地帯 0.1%
0.1%
0.1%
1.4%
0.8%
0.4%
専修学校,各種学校
0.3%
0.1%
0.1%
1.2%
0.5%
離島地域等
0.3%
0.1% 0.2%
1.5%
0.8%
0.1%
4.0%
0.3%
0.1%
1.6%
1.6%
0.9%
その他核都市 0.1%
その他の地域
0.1%
0.9%
0.1%
0.1%
その他の県庁所在都市
0.1%
2.0%
1.5%
0.8%
0.1%0.1%
札仙広福
3.5%
0.2%
1.2%
三大都市圏の三大都市以外
3.0%
0.1% 0.2%
1.6%
0.5%
0.1%
三大都市
1.0%
0.9%
全国 0.1%
社会教育
職業・教育支援施設
学習塾
教養・技能教授業
他に分類されない教育,学習支援業
その他
(従業者数)
0.0%
全国
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
0.5%
0.2% 0.1%
0.1%
0.1%
その他の地域
0.1%0.1%
振興山村
豪雪地帯
特別豪雪地帯
0.4%
0.1% 0.1% 0.2%
半島地域 0.1%0.1%
0.1% 0.1%
0.1%
過疎地域等 0.1%
0.6%
0.5%
0.1%
0.2% 0.1% 0.2%
0.2% 0.1%
0.1% 0.1%
1.6%
1.1%
0.4%
0.1%
0.4%
0.4%
4.0%
1.7%
0.2%
0.1%
0.1%
0.4%
3.5%
1.7%
0.1%
0.1%
0.6%
0.5%
3.0%
1.3%
0.2%
0.6%
0.6%
0.5%
2.5%
1.3%
0.8%
0.5%
0.4%
2.0%
0.1%
0.6%
0.4%
0.1%
0.1%
0.3%
0.2%
1.5%
0.6%
0.9%
0.5%
その他核都市
離島地域等
0.1%
0.1%
0.4%
0.2% 0.1%
札仙広福
その他の県庁所在都市
1.0%
0.6%
0.2%
0.2%
0.1%
0.5%
0.3%
0.3%
0.3%
専修学校,各種学校
0.1%
0.9%
0.5%
0.1%
0.4%
社会教育
職業・教育支援施設
学習塾
教養・技能教授業
他に分類されない教育,学習支援業
その他
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
12 教育、学習支援業事業所の内、民営の事業所の比率は、全体で 73.4%、中分類について、学校教育 28.8%、その他の教育、学習支
援業 89.1%となっている。
82
(2)都市類型等別の立地特性
(学習塾は大都市圏近郊に集中)
都市類型等別に、民営の主な教育・学習支援業の従業者割合をみると、全ての業種で
三大都市圏が5割を超えている。また、高等教育機関従業者は三大都市圏に6割以上が
集中し、専修学校、各種学校は札仙広福と県庁所在都市の割合が大きく、学習塾は若年
層の多い大都市近郊に4割以上が集中している。
図表Ⅰ-2-70:都市類型等別従業者数割合(教育・学習支援業)
0%
第三次産業全体(公務を除く)
高等教育機関
10%
教養・技能教授業
他に分類されない教育,学習支援業
三大都市
30%
21.6%
40%
27.7%
22.7%
13.7%
23.3%
44.0%
19.3%
37.5%
26.8%
三大都市圏の三大都市以外
26.1%
札仙広福
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
83
50%
60%
70%
5.6% 11.7%
38.3%
31.1%
専修学校,各種学校
学習塾
20%
9.8%
7.1%
9.8%
80%
13.4%
15.3%
90%
23.6%
8.4%
8.4%
10.1%
12.2%
4.2% 10.6%
8.4%
19.2%
4.9% 11.0%
8.7%
18.6%
5.3% 9.7%
その他の県庁所在都市
8.6%
100%
23.5%
その他の核都市
その他の地域
3. 今後の動向
(大都市圏近郊を中心に従業者数が増加する「その他の学習支援業」)
教育・学習支援業のうち、フィットネスクラブ、学習塾、教養・技能教授業、スポー
ツ・健康教授業などを含む「その他の学習支援業」に関する従業者数について、平成 13
年から平成 18 年の間の従業者数の増減をみると、全国で 82,391 人増加した。
都市類型等別の増減数をみると、増加数が多いのは三大都市圏の三大都市以外(36,557
人)、三大都市(19,323 人)、その他の県庁所在都市(9,830 人)の順となっており、三
大都市圏の三大都市以外の地域の増加が顕著であり、大都市圏近郊を中心に、このよう
な業種の従業者数が増加している。
教育・学習支援産業についても、都市・地域に雇用を生む新たなサービス産業として
の可能性についても注視していく必要がある。
図表Ⅰ-2-71:都市類型等別従業者数増減数「その他の学習・支援業」
0
5,000
三大都市
10,000
15,000
19,323
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
36,557
5,538
その他の県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
20,000
9,830
3,770
7,373
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
84
25,000
30,000
35,000
40,000
第11節
複合サービス事業
1. 概況
(地方に一定の雇用を生む複合サービス事業)
農業協同組合、漁業協同組合、郵便局といった事業所もまた、民間企業の立地が少ない
都市圏外や条件不利地域などにおいては、雇用の場としての大きな役割を果たしている。
協同組合及び郵便局などからなる複合サービス事業13について、国勢調査による就業者数
比率をみると、全国平均では 1.1%に留まるが、その他の地域においては 1.7%と高い。条
件不利地域に全域が指定されている市町村においては、振興山村 3.2%、離島地域等 3.0%
などと高く、公務と併せて地域に一定の雇用を生んでいる。
図表Ⅰ-2-72:都市類型等別公務、複合サービス事業就業者数比率
0.0%
2.0%
3.4%
全国
三大都市
三大都市以外の三大都市圏
札仙広福
その他県庁所在都市
その他核都市
その他の地域
4.0%
振興山村
豪雪地帯
特別豪雪地帯
過疎地域等
8.0%
1.1%
2.3%
3.1%
10.0%
12.0%
公務(他に分類されないもの)
複合サービス事業
0.7%
0.8%
3.7%
0.8%
4.2%
1.0%
3.4%
1.0%
3.8%
1.7%
6.8%
離島地域等
半島地域
6.0%
3.0%
4.4%
2.1%
5.1%
3.2%
4.3%
1.6%
4.6%
2.1%
4.4%
2.6%
資料:総務省統計局「平成 17 年国勢調査報告」
13複合サービス事業は,複数の大分類にわたる各種のサービスを提供する事業所であって、法的に事業の種類や範囲が決められている
郵便局,農業協同組合等が分類される。
1)郵便局とは,郵便事業,郵便貯金事業,郵便為替事業,郵便振替事業,簡易生命保険事業等を複合的に行う事業所をいう。
なお,主として信書の送達を行う事業所は、情報通信業に分類される。
2)協同組合とは,経営指導事業,購買事業,信用事業,共済事業,厚生事業等を複合的に行う農林水産業協同組合及び事業協同組合
の事業所をいう。なお、単一の事業を行う協同組合の事業所は,その行う事業によりそれぞれの産業に分類される。
85
2.都市・地域における現状
(1)都市・地域における複合サービス事業所数・従業者数
(条件不利地域で高い事業所、従業者比率)
平成 18 年事業所・企業統計調査により、複合サービス事業の事業所数をみると、協同
組合 24,020 事業所、郵便局 24,977 事業所と、概ね同程度である。事業所全体に占める
比率は各々0.4%、0.7%と低いが、「その他の地域」においては 1.3%と最も高くなっ
ている。
複合サービス事業の従業者数は全体で 706,523 人、全産業に占める比率は、全国平均
では、郵便局が 0.7%(372,584 人)、協同組合が 0.6%(333,939 人)となっており、
都市類型等別にみると、「その他の地域」が 2.2%で多く、条件不利地域は振興山村で
5.6%、離島地域等では 4.6%となっているなど、全ての地域で高くなっている。
図表Ⅰ-2-73:都市類型等別の複合サービス事業・事業所数
<事業所数>
0
三大都市
5,000
1,801
15,000
20,000
1,716
25,000
30,000
郵便局(別掲を除く)
4,581
三大都市圏の三大都市以外
10,000
3,632
協同組合(他に分類されないもの)
748 658
札仙広福
その他の県庁所在都市
2,374
その他核都市
2,501
3,275
2,705
その他の地域
12,015
12,991
<従業者数比率>
0.0%
全国
三大都市
三大都市圏の三大都市以外
札仙広福
1.0%
0.7%
0.6%
0.7%
その他核都市
0.6%
0.6%
1.3%
0.9%
2.0%
1.2%
1.8%
振興山村
過疎地域等
2.8%
1.8%
離島地域等
豪雪地帯
協同組合(他に分類されないもの)
0.3%
0.7%
0.8%
3.8%
1.2%
1.1%
5.0%
郵便局(別掲を除く)
0.3%
0.7%
特別豪雪地帯
4.0%
0.6%
その他の県庁所在都市
半島地域
3.0%
0.1%
0.5%
その他の地域
2.0%
1.9%
2.4%
1.3%
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
86
6.0%
(2)協同組合、郵便局の立地の状況
(地方に半数以上が立地する協同組合等)
都市類型等別に協同組合及び郵便局の事業所数、従業者数の割合をみると、いずれも
事業所数割合については「その他の地域」が過半数を占める。従業者数割合は、「その
他の地域」が協同組合 57.9%、郵便局 34.7%となっており、郵便局は大都市部の割合も
大きい。
郵便局及び協同組合について、1 事業所当り従業者数をみると、両者とも全業主平均
のほぼ 2 倍となっており、郵便局については、三大都市圏及び札仙広福における規模が
大きいことがわかる。協同組合についても、地方圏の県庁所在都市において規模が大き
い。
図表Ⅰ-2-74:都市類型等別事業所数及び従業者数割合(複合サービス事業)
三大都市
0%
郵便局 (事業所数)
三大都市圏の三大都市以外
10%
20%
7.5%
30%
19.1%
札仙広福
その他の県庁所在都市
40%
50%
9.9%
60%
その他核都市
70%
その他の地域
80%
90%
100%
50.0%
10.4%
3.1%
(従業者数)
協同組合 (事業所数)
15.7%
6.9%
4.5%
28.3%
13.1%
14.5%
8.4%
34.7%
8.3%
52.0%
10.8%
2.6%
(従業者数)
3.8%
13.4%
12.7%
57.9%
9.8%
2.5%
図表Ⅰ-2-75:都市類型等別・複合サービス事業・1事業所当り従業者数
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
9.5
全国
25.0
11.8
33.0
18.8
10.2
三大都市圏の三大都市以外
24.3
17.9
10.7
24.2
22.9
札仙広福
9.1
その他の県庁所在都市
15.2
9.0
その他核都市
35.0
18.1
17.9
三大都市
その他の地域
30.0
7.9
14.1
13.4
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
87
21.6
16.8
17.4
全産業(公務を除く)
郵便局
農林水産業協同組合
3.今後の動向
(従業者数が大きく減少する協同組合等)
都市類型等別に複合サービス業のうち協同組合の従業者数の増減率をみると14、すべて
の地域で減少しており、特に三大都市(△19.6%)、札仙広福(△17.8%)の減少率が
大きく、逆に減少率が小さいのは県庁所在都市である。条件不利地域等において、協同
組合等は地域の雇用と暮らしを支えている側面もあり、今後の動向を注視していく必要
がある。
図表Ⅰ-2-76:平成 13 年~18 年の間の増減率(協同組合事業所従業者数)
0.0%
-5.0%
-10.0%
-15.0%
-20.0%
-14.9%
全国
-19.6%
三大都市
-15.2%
三大都市圏の三大都市以外
-17.8%
札仙広福
その他の県庁所在都市
-25.0%
-7.5%
その他核都市
-15.6%
その他の地域
-15.7%
資料:総務省統計局「平成 18 年事業所・企業統計調査」
14 郵便局については、従来、公務として扱われてきたが、平成 15 年 4 月に日本郵政公社が設立されたことに伴い、平成 18 年事業所・
企業統計からは民営の事業所の扱いとなっている。このため、公務の扱いとなっている平成 13 年調査との増減数の比較は行わなかった。
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