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佐賀県 唐津市
[佐賀県 唐津市] ○ 官民EVシェアリング事業について 1 官民EVシェアリング事業の概要について 官民EVシェアリングとは、平日に市役所が公用車として使用し、休日に一般客がレンタカー として利用する制度である。平成22年度に唐津市CSO提案型協働創出事業募集として株式会 社平岡石油店が、市民との電気自動車のカーシェアリングを提案してきたのがきっかけである。 唐津市CSO提案型協働創出事業は、市が行っている市民サービスに関する情報を公表し、市 民自らが、望み考えた市民サービスへの取り組みを実現するために、これまで市が実施していた 事業について、市民が企画立案し、実施していく提案を募集するものである。この提案が、唐津 市地域新エネルギービジョンに掲げる重点プロジェクトである「クリーンエネルギー自動車の導 入推進」に合致し、平成23年4月から事業開始となったものである。唐津市内のイベントでの EV試乗会や株式会社平岡石油店のスタンド内でのEV試乗会を数多く開催している。 ① 市役所本庁舎に配置しており、市施設の中でも最も職員数が多く、使用頻度が高い。 市役所利用(開庁日)は月平均21日~22日 土・日・祝日レンタル利用は月平均6日~8日 ② 市の中心部に位置し、啓発効果が高い。 ③ 使用頻度(稼働率) :約62%(平成27年度) ④ 所有は事業者(株式会社平岡石油店)、わナンバーのレンタカー 2 電気自動車の利用状況について (1)唐津市内における充電器設置状況 ① 唐津市 平成26年度 ○電気自動車用急速充電器の公共施設等への設置(事業費16,989千円) ○国、自動車メーカーの助成制度を利用し、市の施設3箇所に急速充電器を設置(助成額14, 884千円) ② 佐賀県 平成22年度(平成23年3月) ○佐賀県内7箇所のファミリーマート(うち唐津市内1箇所唐津佐志店) 平成23年度(平成24年3月) ○ふるさと会館アルピノ (2)電気自動車を官庁利用された際のメリットについて ○1日定額のレンタル料で電気自動車を使用できるので、開庁日のみのレンタル料ができ、無駄 が無い。(閉庁日は民間で活用できる) ○レンタル料には、車両の維持管理・車検整備点検・保険・洗車等が含まれており、庁用車の所 有・維持・管理にかかるコスト・労力を大幅に削減できる。 ○庁用車は、前もって決まった場所への移動の利用が多く(唐津市は佐賀県庁への利用が多い傾 向)電気自動車の利点を活かしやすく、ガソリン代も不要でランニングコストも大幅に削減で きる。160km走行で、電気代300円、ガソリン燃費16kmで 10ℓ 約1,500円約 5分の1のランニングコスト。CO2排出も大幅に抑えられる。 (3)EV利用のお客様からの声 ○予想以上の出足と加速のスムーズさに満足 ○電気代が空から満充電まで約300円と大変お得 (300円で160㎞走行できるので、ガソリンに換算するとリッター約80㎞) ○航続距離が160㎞(リーフ)と短く、長距離や予定外の移動が不便 (急速充電器設置場所が少ない。充電に30分かかる。先約があればさらに待たされる。) ○逆に毎日決まった場所の往復(通勤・決まったルートセールス)には最適 ○車両代金がガソリン車・ハイブリッド車に比べて割高 3 公用車における燃料費の低減等の実績について 燃料費低減等実績効果 同等クラス(日産シルフィ2,000cc)の平均燃費は15.6km/ℓ 現在リーフの走行距離が44.961㎞ ガソリン単価@150円で計算すると、ガソリン代約433,000円(①) 一方で、満充電で8時間、航続距離150㎞、電気代@22円/kwh と計算すると 電気代は約53,000円(②) 削減費①-②=約380,000円/台 4 唐津市再生可能エネルギーの導入等による低炭素社会づくりの推進に関する条例について (官民EVシェアリング事業との関連及び低炭素社会づくりに向けた取り組み等あれば) 再生可能エネルギー導入に係る構想として、平成18年度に『唐津地域産業振興ビジョン』が でき、地域の産業振興の方向性として「産学官の連携による新エネルギー産業の創出」を打ち出 した。平成19年度には『唐津市地域新エネルギービジョン』として、基本方針を「産学官の連 携により、新エネルギー産業の創出、育成に努め、活力のあるまちづくり」を進めていくことと し、クリーンエネルギー、マリーンバイオマス、グリーンバイオマスの3つの重点プロジェクト を示した。平成20年度には『唐津市バイオマスタウン構想』として、市内におけるバイオマス 利活用について、現状を整理し全体プランを示した。平成24年度には『唐津市再生可能エネル ギーの導入等による低炭素社会づくりの推進に関する条例』を制定し、再生可能エネルギーの導 入、エネルギー使用の合理化などで、市、市民、事業者が協力して、低炭素社会づくりに取り組 むことを明記した。条例を受けて、平成25年度に『唐津市再生可能エネルギー総合計画』を策 定した。それにより、電気自動車用急速充電器の設置や電気自動車の導入などを行っている。 5 官民EVシェアリング事業の課題と今後の方針について 課題は、事業的には観光唐津と行政との連携事業であるため、非常に有効な施策と考えている。 やはり、電気自動車の航続距離が問題であり、今後の技術開発に期待するところである。今後に ついては、水素社会の到来が予想されているため、燃料電池車は唐津市内でどう進めていくのか、 水素ステーションはどうするのかを議論していきたいと考えている。さらに、水素を含む再エネ のあり方を産学官で組織した、平成28年度新規事業、「唐津市地域エネルギー推進戦略会議」 で決定していく見込みである。