...

EMC®VNX™シリーズ VNX™上でのボリュームとファイルシステムの

by user

on
Category: Documents
280

views

Report

Comments

Transcript

EMC®VNX™シリーズ VNX™上でのボリュームとファイルシステムの
EMC®VNX™シリーズ
リリース 7.0
VNX™上でのボリュームとファイル システムの手動による管理
P/N 300-011-808
リビジョン A03
EMCジャパン株式会社
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-1-1新宿マインズタワー
http://japan.emc.com
お問い合わせは
http://japan.emc.com/contact
Copyright © 1998 - 2012 EMC Corporation.不許複製。
January 2012 発行
EMC Corporationは、この資料に記載される情報が、発行日時点で正確であるとみなしていま
す。この情報は予告なく変更されることがあります。
このドキュメントの情報は「現状のまま」提供されます。EMC Corporationは、このドキュメ
ントに記載されている情報についていかなる種類の表現または保証もいたしかねます。また、
特に、特定の目的のための、市販性または適合性の暗黙の保証を否定します。
この資料に記載される、いかなるEMCソフトウェアの使用、複製、頒布も、当該ソフトウェア
ライセンスが必要です。
製品ラインに関する最新版の安全規格情報については、EMC Powerlinkの[テクニカル ドキュ
メントおよびアドバイザリ]セクションを参照してください。
EMC製品名の最新のリストについては、EMC.comサイトの「EMC Corporation Trademarks」を
参照してください。
他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者の商標または登録商標
です。
2
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
目次
序文.....................................................................................................................................................7
第 1 章 : はじめに.......................................................................................................................11
概要.............................................................12
システム要件.....................................................12
制限事項.........................................................12
注意事項.........................................................13
ユーザー インタフェースの選択....................................14
関連情報.........................................................15
第 2 章 : 概念...............................................................................................................................17
概要.............................................................18
ファイル システム................................................18
inode.......................................................19
ファイル システムの監視と修復...............................19
ボリューム.......................................................20
ディスク ボリューム.........................................21
スライス ボリューム.........................................21
ストライプ ボリューム.......................................22
メタボリューム..............................................23
BCV.........................................................25
プランニングの考慮事項...........................................27
サポートされているファイル システム アクセス プロトコル
...........................................................2 7
ファイル システム サイズのガイドライン......................28
NMFS........................................................28
ボリューム構成ガイドライン..................................29
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
3
目次
ストライプ ボリューム構成に関する考慮事項...................31
統合時の考慮事項............................................31
第 3 章 : ボリュームの構成....................................................................................................35
ストレージの可用性を決定.........................................36
ボリュームの作成.................................................37
ボリュームの一覧............................................37
スライス ボリュームの作成...................................38
ストライプ ボリュームの作成.................................39
メタボリュームの作成........................................39
VNXまたはレガシーCLARiXシステムからゲートウェイ システムへのス
トレージの提供................................................40
RAIDグループとストレージ特性................................42
統合システムにディスク ボリュームを追加..........................43
第 4 章 : ファイル システムの構成......................................................................................45
ファイル システムの作成..........................................46
(オプション)マウント ポイントの作成............................47
ファイル システムのマウント......................................48
(オプション)NMFSの作成.........................................49
新しいコンポーネント ファイル システムの作成................51
第 5 章 : ボリュームの管理....................................................................................................53
ボリュームの容量をチェック.......................................54
ボリュームの名称変更.............................................54
ボリュームのクローン.............................................55
メタボリュームまたはストライプ ボリュームの削除..................56
メタボリューム情報の一覧....................................56
メタボリュームまたはストライプ ボリュームの削除.............57
スライス ボリュームの削除........................................58
スライス ボリューム情報の一覧...............................58
スライス ボリュームの削除...................................59
第 6 章 : ファイル システムの管理......................................................................................61
ファイル システムのエクスポート..................................62
NFSアクセス用にData Moverからファイル システムをエクス
ポート...................................................62
CIFSアクセス用にData Moverからファイル システムをエクス
ポート...................................................63
4
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
目次
NMFSのエクスポート..........................................63
ファイル システムの一覧..........................................64
ファイル システム構成情報の表示..................................65
マウント ポイントの一覧表示......................................65
マウント済みファイル システムの一覧..............................66
マウントされているファイル システム1つのディスク領域の容量を
チェック......................................................67
マウントされているファイル システムすべてのディスク領域の容量を
チェック......................................................67
inodeの容量をチェック............................................68
Data Mover上のある1個のファイル システムのinode容量を表示
...........................................................6 8
Data Mover上のファイル システムすべてのinode容量を表示......69
ファイル システムの拡張..........................................70
レプリケートされたファイル システムの拡張........................72
ファイル システム サイズのしきい値を調節.........................74
すべてのファイル システムのファイル システム サイズしきい
値を調整.................................................74
単一Data Mover上でファイル システム サイズのしきい値を調
整.......................................................75
NMFSに既存のファイル システムを追加..............................75
NMFSの移動.......................................................76
ファイル システムの名称変更......................................77
ファイル読み取り/書き込みパフォーマンスの改善....................78
特定のファイル システムに対する読み取りプリフェッチの無効
化.......................................................78
Data Mover上のすべてのファイル システムに対する読み取りプ
リフェッチの無効化.......................................79
キャッシュされていない書き込みメカニズムの有効化............80
Data Moverからすべてのファイル システムをアンマウント............80
すべてのファイル システムを一時的にアンマウント.............81
すべてのファイル システムを永続的にアンマウント.............81
ファイル システムまたはNMFSの削除................................82
第 7 章 : ファイル システムの監視と修復........................................................................85
ファイル システム チェックの実行.................................86
このファイル システムでACLチェックを開始.........................86
ファイル システム チェックの一覧.................................87
ファイル システムにファイル システムのチェック情報を表示.........87
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
5
目次
現在のファイル システム チェックすべてに関する情報の表示.........88
第 8 章 : トラブルシューティング...........................................................................................89
EMC E-Lab Interoperability Navigator.............................90
VNXユーザー カスタマイズ ドキュメント............................90
既知の問題と制限事項.............................................90
エラー メッセージ................................................91
EMCトレーニングおよびプロフェッショナル サービス.................92
付録 A : GIDサポート................................................................................................................93
概要.............................................................94
GIDサポートに対する制約..........................................94
用語集.............................................................................................................................................97
索引................................................................................................................................................101
6
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
序文
製品ラインのパフォーマンスと機能を継続的に改善および強化するための努力の一環とし
て、EMCではハードウェアおよびソフトウェアの新規バージョンを定期的にリリースして
います。そのため、このドキュメントで説明されている機能の中には、現在お使いのソフ
トウェアまたはハードウェアのバージョンによっては、サポートされていないものもあり
ます。製品機能の最新情報については、お使いの製品のリリース ノートを参照してくだ
さい。
製品が正常に機能しない、またはこのマニュアルの説明どおりに動作しない場合には、EMC
の担当者にお問い合わせください。
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
7
序文
注意事項の表記法
EMCでは、特別な注意を要する事項に次の表記法を使用します。
注: 非常に重要または重大な事項を示していますが、けがやビジネス上の損害またはデータの
消失にはつながりません。
ビジネス上の損害またはデータの消失の可能性を警告します。
注意 誤った使い方により、軽度のけがにつながるおそれのある危険な状況を示します。
誤った使い方により、死亡事故や重大なけがにつながるおそれのある危険な状況を示しま
す。
危険 誤った使い方により、死亡事故や重大なけがにつながる危険な状況を示します。
情報の入手方法
EMCのサポート情報、製品情報、ライセンス情報は、次の場所で入手できます。
製品情報:ドキュメント、リリース ノート、ソフトウェアの更新、またはEMC製
品、ライセンス、サービスに関する情報については、http://Support.EMC.comにあ
るEMCオンライン サポートWebサイトをご覧ください(登録が必要です)。
トラブルシューティング:EMCオンライン サポートのWebサイトにアクセスします。
ログインした後、該当する[Support by Product]ページを検索してください。
テクニカル サポート:テクニカルサポートおよびサービス リクエストについて
は、EMCオンライン サポートのWebサイトにあるEMCカスタマー サービスを参照し
てください。ログインした後、該当する[Support by Product]ページを検索し、
[ライブ チャット]または[サービス リクエストの作成]のいずれかを選択します。EMC
Online Supportを通してサービス要求を開始するには、有効なサポート契約が必要
です。有効なサポート契約の入手方法の詳細や、アカウントに関する質問について
は、EMC販売担当者にお問い合わせください。
注: お客様の個別のシステム問題に担当者がすでに割り当てられている場合を除き、特定のサ
ポート担当者へのお問い合わせはご遠慮ください。
8
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
序文
ご意見
マニュアルの精度、構成および品質を向上するため、お客様のご意見をお待ちしてお
ります。
本書についてのご意見を以下のメール アドレスにお送りください。
[email protected]
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
9
序文
10
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
第1章
はじめに
次のようなトピックが含まれています。
トピック :
●
●
●
●
●
●
概要(12ページ)
システム要件(12ページ)
制限事項(12ページ)
注意事項(13ページ)
ユーザー インタフェースの選択(14ページ)
関連情報(15ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
11
はじめに
概要
EMC VNXシステム では、 VNX ボリュームおよびファイル システムを手動または自動的に
作成および管理できます。
このドキュメントでは、次に示すように、ボリュームおよびファイル システムの作成、
構成、管理の手動プロセスについて説明します。
●
NMFS(ネスト マウント ファイル システム)の作成および管理
●
基本的なファイル システム管理タスクの実行
「Managing Volumes and File Systems with VNX AVM」 では、 VNXシステム して、AVM
(自動ボリューム管理)ストレージ プールを使用してこれらのタスクを実行する方法に
ついて説明しています。
このドキュメントは、 VNX のマニュアル セットの一部であり、 VNX のボリュームとファ
イル システムの手動による作成および管理を担当するシステム管理者を対象としていま
す。
システム要件
表 1(12ページ) には、EMC® VNX™ シリーズ のソフトウェア、ハードウェア、ネッ
トワーク、ストレージの構成が記載されています。
表 1. システム要件
ソフトウェア
VNXシリーズ バージョン7.0
ハードウェア
固有のハードウェア要件なし
ネットワーク
固有のネットワーク要件なし
ストレージ
VNX 認定のストレージ システム
制限事項
12
●
EMC Symmetrix® ストレージ システムに接続されている VNXシステム 上にボリューム
を作成する場合は、Symmetrixメタボリュームではなく、標準のSymmetrixボリューム
(ハイパーボリュームとも呼ばれる)を使用します。
●
LUNは、データ サービス ポリシーが同じものを使用する必要があります。ポリシーが
異なるLUNを混在させると、ディスクマーク中に警告が表示されます。
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
はじめに
注意事項
この情報について不明な点がある場合は、EMCカスタマー サポート担当者にお問い合わせ
ください。
●
EMCでは、ファイル システム(チェックポイント ファイル システムを含む)を複数
のストレージ システムにまたがって配置することは推奨していません。ファイル シ
ステムのすべての部分は、同じタイプのディスク ストレージを使用し、単一のスト
レージ システムに格納する必要があります。 複数のストレージ システムに分散さ
せると、データが消失したり、データが利用できなくなる、またはその両方が生じる
可能性が増えます。これは主に高可用性機能の問題です。あるストレージ システムに
障害が発生しても他のシステムが動作を続けていると、フェイルオーバーが難しくな
るからです。この場合、ターゲットの整合性が損なわれる可能性があります。さらに、
複数のストレージ システムにまたがるファイル システムは、システム間のパフォー
マンスや機能セットの相違の影響を受けることになります。
●
ファイル システムのルート(/)にあるファイルが多すぎる場合、システム パフォー
マンスに影響を与えることがあります。最適なパフォーマンスを実現するため、オブ
ジェクト(ファイルおよびサブディレクトリ)の数は500を超えないようにします。
●
ファイル システムで、国際文字セット、EMC SnapSure™ 、EMC TimeFinder® /FS、
クォータ、 VEE CAVA(アンチウイルス エージェント) などの VNX の機能を使用す
る場合は、 統合時の考慮事項(31ページ) を参照してください。
●
ファイル システム上でクォータを設定して、ユーザーおよびグループが消費する容量
を制御する場合は、ファイル システムの作成直後にクォータをオンにします。ファイ
ル システムの使用中にクォータをオンにすると、バージョン6.0.40以前を使用してい
るシステムでファイル システムのアクセスの低速化をはじめとした、一時的なファイ
ル システム障害が発生することがあります。 バージョン6.0.41以降を使用している
システムのシステム パフォーマンスに影響を及ぼすことがあります 。クォータをオ
ンにする方法と、クォータに関する一般的な情報については、 「VNXでのクォータの
使用方法」 を参照してください。
●
ユーザー環境で国際文字サポート(英語のアルファベット以外の文字コードやUnicode
文字のサポート)が必要な場合、この機能をサポートするようにシステムを構成して
から、ファイル システムを作成します。国際文字サポートのサポートおよび構成の手
順については、 「VNX for Fileでの国際文字セットの使用方法」 を参照してくださ
い。
●
TimeFinder/FS(ローカル、NearCopy、FarCopy)のスナップショットを作成する場合、
PFS(本番ファイル システム)の作成時にスライス ボリューム(nas_slice)を使用
しないでください。代わりに、システムに存在するディスクの全体を使用します。ス
ナップショットのソースとして予定されているPFSにスライス ボリュームを使用する
と、ストレージ領域を浪費することになり、PFSデータが失われる可能性があります。
●
Symmetrix TimeFinderツールやユーティリティでは、 VNX TimeFinder/FSによって作
成されたファイル システムのコピーを使用しないでください。データが失われる可能
性があります。
注意事項
13
はじめに
●
EMCカスタマー サポートに問い合わせることなくnas_dbデータベースを手動で編集し
ないでください。このデータベースを変更すると、システムのインストール時に問題
が発生することがあります。
●
Data Moverからすべてのファイル システムを完全にアンマウントする場合、マウント
テーブルの内容が削除されるため、注意してください。この操作を実行した後でファ
イル システムへのクライアント アクセスを再確立するには、Data Moverで各ファイ
ル システムを再マウントして、マウント テーブルを再構築します。
●
fsck(ファイル システム チェック)中は、ユーザーはファイル システムを使用でき
ません。NFSクライアントは、「NFSサーバが応答しません」というメッセージを受け
取ります。CIFSクライアントは、サーバ接続を失うため、共有を再マップする必要が
あります。
●
ファイル システムのサイズによっては、fsckユーティリティがシステムのリソース
(メモリとCPU)をかなりの割合で使用し、システム パフォーマンス全体に影響する
場合があります。
●
単一Data Moverで同時に実行できるfsckプロセスは2つだけです。
●
完全にアンマウントされたファイル システムのファイル システム チェックは、スタ
ンバイData Moverで実行できます。
●
アンマウントされたファイル システムでfsckユーティリティを実行中に、Data Mover
が再起動したり、フェイルオーバーやフェイルバックが発生した場合は、アンマウン
トされたファイル システムでfsckユーティリティをリスタートさせます。
ユーザー インタフェースの選択
システムでは、サポート環境やインタフェース設定に応じてネットワーク ストレージを
柔軟に管理することができます。このドキュメントでは、CLI(コマンド ライン インタ
フェース)を使用してファイル システムとその基礎となるボリュームを作成および管理
する方法について説明します。それらのタスクの多くは、以下の管理アプリケーションの
いずれかを使用して実行することもできます。
●
EMC Unisphere™ ソフトウェア
●
Celerra Monitor
●
MMC(Microsoft管理コンソール)スナップイン
●
ADUC(Active Directoryのユーザーとコンピュータ)の拡張機能
Unisphereソフトウェアのオンライン ヘルプには、システムの管理についての詳細情報が
提供されています。
Unisphereソフトウェアの起動手順や、MMCスナップインおよびADUC拡張機能のインストー
ル手順については、 「Installing Management Applications on VNX for File」 を参照
してください。
システム管理アプリケーションに関する最新の追加情報については、 「VNXリリース ノー
ト」 を参照してください。
14
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
はじめに
関連情報
このドキュメントで解説されている機能に関連する具体的な情報については、次の資料を
参照してください。
●
「VNX Command Line Interface Reference for File」
●
「Parameters Guide for VNX for File」
●
「VNX用語集」
●
「VNX CIFSの構成と管理」
●
「VNX NFSの構成」
●
「VNXでのマルチプロトコル環境の管理」
●
VNXのオンライン マニュアル ページ
関連性はあるが本書の範囲外のボリュームおよびファイル システム情報については、「VNX
AVMによるボリュームとファイル システムの管理」に記載されています。
その他に次のEMCの関連資料があります。
●
「Using FTP and TFTP on VNX」
●
「Using MPFS on VNX」
EMCオンライン サポートWebサイト上のEMC VNXドキュメント
EMC VNXシリーズのカスタマー向け資料一式は、EMCオンライン サポートWebサイトか
ら入手できます。テクニカル ドキュメントを検索するには、http://Support.EMC.com
にアクセスします。Webサイトにログインした後、VNXの[Support by Product]ペー
ジをクリックし、必要な特定機能に関する情報を見つけます。
VNXウィザード
Unisphereソフトウェアでは、セットアップ作業および構成作業を行うためのウィザー
ドが使用できます。ウィザードの詳細については、Unisphereのオンライン ヘルプを
参照してください。
関連情報
15
はじめに
16
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
第2章
概念
次のようなトピックが含まれています。
トピック :
●
●
●
●
概要(18ページ)
ファイル システム(18ページ)
ボリューム(20ページ)
プランニングの考慮事項(27ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
17
概念
概要
システムは柔軟性の高いボリュームおよびファイル システム管理を実現します。
手動のボリューム管理により、さまざまなボリューム タイプを作成して、構成ニーズを
満たす使用可能なファイル システム ストレージに統合できます。ボリュームを手動で作
成および管理すると、ファイル システムに割り当てられるストレージの位置を詳細にコ
ントロールできます。ファイル システムのストレージ能力を最適化するために選択でき
る、さまざまなボリューム タイプおよび構成があります。特定の構成ニーズに合わせて、
ボリュームを分割、組み合わせ、グループ化できます。
また、基礎となるボリュームを作成および管理することなく、 VNX ボリュームおよびファ
イル システムを管理することもできます。AVMは、使用可能なファイル システム スト
レージを自動的に作成および管理する機能です。AVMはボリュームおよびファイル システ
ムを作成する単純な方法ですが、自動化により、ファイル システムに割り当てられるス
トレージの位置のコントロールを制限できます。システムのAVM機能の詳細については、
「VNX Automatic Volume Managementによるボリュームとファイル システムの管理」 を
参照してください。
ファイル システム
ファイル システムとは、ストレージ システム上でファイルやディレクトリに名前を付け
たり、論理的に編成したりする方法のことです。 ファイル システム (Celerra Network
Server上) は、メタボリュームに作成し格納する必要があります。メタボリュームは次
のことを提供します。
●
動的なファイル システムの拡張が必要となる可能性がある拡張可能ストレージ容量
●
単体ディスクより大規模な論理ボリュームを形成する方法
メタボリュームには、ディスク容量、スライス ボリューム、ストライプ ボリューム、ま
たはその他のメタボリュームを含めることができます。
VNXシステム は、ファイル システムの用途に応じてさまざまなファイル システムを作成
します。 表 2(18ページ) に、ファイル システムのタイプを示します。
表 2. ファイル システムのタイプ
18
ファイルシステム タイプ
ID
説明
uxfsuxfs
1
デフォルトのファイル システム
rawfsrawfs
5
未フォーマットのファイル システム
mirrorfsmirrorfs
6
ミラーリングされたファイル システム
ckptckpt
7
チェックポイント ファイル システム
mgfsmgfs
8
移行ファイル システム
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
概念
表 2. ファイル システムのタイプ (続き)
ファイルシステム タイプ
ID
説明
グループぐるーぷ
100
ファイル システム グループのメンバー
vpfs
--
ボリューム プール ファイル システム(単一のメタボリュームを共有す
る複数のサービス)
rvfs
--
レプリケーション固有の内部情報の格納に使用されるローカル構成
ボリューム
nmfsnmfs
102
NMFS(ネスト マウント ファイル システム)
inode
inodeとは、NFSファイル システムにあるファイル、およびファイル ブロックの場所に関
する情報を格納するデータ構造のことです。 VNX システム では、ファイルが通常のファ
イルか、ディレクトリか、シンボリック リンクかを判別するときにこの情報を使用しま
す。
各ファイルに少なくとも1つのinodeが必要です。inodeがないと、ハード ディスク ドラ
イブにスペースがあっても新しいファイルを作成することができません。inodeあたりの
バイト数(nbpi)では、ファイル システム内の密度を指定します。nbpi値は、ファイル
システム内の予想される平均ファイル サイズを示します。nbpi値は2,048バイト~8,192
バイト(デフォルト)です。nbpi値は、8,192バイトごとにinodeを1つ指定することを推
奨します。nbpi値は、ファイル システムの作成時だけに変更できます。
ファイル システムの監視と修復
システムが正しくシャット ダウンされない場合、またはディスクでミラー障害が発生し
た場合、ファイル システムが破壊されていることがあります。このような場合、fsckユー
ティリティを使用して、ファイル システムを修復する必要があります。 注意事項(13
ページ) では、fsckプロセス中のファイル システムの動作について説明しています。
fsckユーティリティは、ファイル システム ストレージ エラーを検出および修正して、
ファイル システムのファイル システムの一貫性をチェックします。
実行中にファイル システムの破壊が検出された場合、Data Moverがパニックになり、再
起動またはフェイルオーバー プロセスが起動します。
再起動プロセス中、破壊されていることがわかったファイル システムはマウントされま
せん。このようなファイル システムでは、適宜、nas_fsckコマンドを手動で実行します。
nas_fsckコマンドを使用して、Control Stationを介してステータスをチェックすること
もできます。
ufs.skipFsckパラメータがTrue(デフォルト)に設定されている場合、再起動プロセス
は、fsckを実行せず、壊れているファイル システムはマウントされません。この動作を
ファイル システム
19
概念
上書きするには、このパラメータをFalseに設定します。パラメータの詳細については、
「VNX for Fileパラメータ ガイド」 を参照してください。
マウント済みファイル システムでfsckが開始されると、fsckユーティリティはファイル
システムを自動的にアンマウントし、fsckを実行して、そのファイル システムを再マウ
ントします。ファイル システムは、fsck中には使用できなくなります。NFSクライアント
には、「NFSサーバが応答しません」というメッセージが表示されます。CIFSクライアン
トは、サーバとの接続が切断されるため、共有を再マッピングする必要があります。
サーバのリソースが不足するのを防ぐため、サーバに大きな負荷がかかっている状態では
fsckユーティリティは実行しないでください。通常、fsckを実行するだけの十分なメモリ
が使用できない場合、ユーザーに通知されます。このような場合、ユーザーは次のいずれ
かを実行できます。
●
低負荷の時間帯にfsckを起動する。
●
サーバを再起動し、fsckをすぐに起動する。
●
ファイル システムがアンマウントされている場合は、別のサーバでfsckを実行する。
fsckユーティリティは、読み取り専用ファイル システムでは実行できません。通常の再
起動またはシャットダウン操作には、fsckを実行する必要はありません。ファイル シス
テムの一貫性は、ログ メカニズムにより保守され、再起動およびシャットダウン操作に
より一貫性が壊れることはありません。
fsckプロセスの最初のステップでは、サーバをダウン状態にさせずに、破壊を安全に修正
できるか確認されます。fsckプロセスは、ACL(アクセス コントロール リスト)データ
ベースの一貫性も修正します。壊れたファイル システムは、fsckプロセス中ユーザーに
は使用できなくなります。fsckユーティリティが破壊を検出および修正したら、ユーザー
は、ファイル システムへのアクセスを再取得します。fsckの実行中、同じサーバにマウ
ントされている他のファイル システムには影響はなく、ユーザーはこれらを使用できま
す。
ボリューム
ボリュームとは、ファイル システムがデータを配置する仮想ディスクのことです。ボ
リュームはファイル システムの基盤です。ファイル システムのストレージ領域を割り当
てるためのボリュームとメタボリュームを作成します。
VNXシステム は、 表 3(20ページ) に示されているボリューム タイプをサポートして
います。それぞれのボリューム タイプには、ストレージの必要条件を満たすさまざまな
機能が備わっています。システム ボリュームを除き、すべてのボリュームは最初、デー
タ ストレージとして使用できます。
表 3. ボリューム タイプ
ボリューム タイプ
説明
ディスク ボリューム ストレージ システム上の基本的なディスク構成を表します。
スライス ボリューム 通常、小規模なディスク セクションを指定します。
20
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
概念
表 3. ボリューム タイプ (続き)
ボリューム タイプ
説明
ストライプ ボリュー
ム
ボリューム パフォーマンスを改善するインターレースされたスト
ライプのセットに編成されるボリューム配置を指定します。
メタ ボリューム
スライス、ストライプ、ディスクまたはメタボリュームの結合を指
定します。メタボリュームは、ダイナミック ファイル システム ス
トレージに必要です。
BCV(ビジネス継続 TimeFinder/FSファイル システム コピーを使用できるようにしま
性ボリューム)
す。
BCVは、Symmetrixシステムに接続されている VNXシステム で
のみサポートされます。
ボリューム構成ガイドライン(29ページ) に、一般的なボリューム構成および各ボリュー
ム タイプに関連する考慮事項に関する追加情報を示します。
ディスク ボリューム
ディスク ボリュームは、ストレージ システムから VNX for File にエクスポートされる
物理ストレージ ユニットです。ディスク ボリュームは、その他すべてのボリューム タ
イプの基礎となるストレージです。
ディスク ボリュームは、ストレージ システムにより VNX for File に提供されるLUNで
す。各LUNは、 VNX for File にディスク ボリュームとして表示される使用可能なスト
レージ システム ボリュームです。ディスク ボリュームは、通常、EMCサポート担当者が
VNXシステム の初期インストールおよび設定時に作成します。初期インストールおよび設
定後は、LUNをストレージ システムに追加する場合のみディスク ボリュームを構成しま
す。
スライス ボリューム
スライス ボリュームは、別のボリューム コンポーネントから切り取られた、論理的で重
複がないセクションです。スライス ボリュームを作成する場合、オフセットを示すこと
ができます。オフセットは、ディスクとスライス ボリュームの開始点とのMB単位での距
離です。オフセットを指定しない場合、First-Fitアルゴリズム(デフォルト)が適用さ
れ、つまり、次に使用できるボリューム スペースにスライスが配置されます。通常、オ
フセットは指定しません。
まず、スライス ボリュームが作成されるボリュームを指定する必要があります。インス
トール中に作成されるルート スライス ボリュームは、ボリューム構成を一覧表示すると
きに表示されます。ただし、システムを保護するために、ルート スライス ボリュームに
はアクセスできず、コマンドも実行できません。
ボリューム
21
概念
スライス ボリュームは、任意のサイズに構成できますが、通常、小規模で管理しやすい
ストレージ ユニットを作成するために使用されます。「管理しやすい」論理ボリューム
サイズは、システム構成や保存するデータのタイプにより異なります。スライシングは、
EMC VNX for Block ストレージ システムでは一般的です。これは、大規模なLUNが VNX
for File に提供されるためです。
図 1(22ページ) に、2 GBスライスが定義される18 GBボリュームを示します。
図 1. スライス ボリューム
BCV(ビジネス継続性ボリューム)の一部として使用されるディスク ボリューム、ストラ
イプ ボリュームまたはメタボリュームはスライシングしないでください。 BCV(25ペー
ジ) では、BCVの使用について説明しています。
メタボリュームの一部としてスライス ボリュームを構成して、これらにファイル システ
ム データを保存する必要があります。詳細については、 メタボリューム(23ページ)
を参照してください。
ストライプ ボリューム
ストライプ ボリュームは、参加しているディスク ボリューム、スライス ボリューム、
またはメタボリュームからなる論理的な配列であり、それらをできるだけ均等に編成し
て、インターレースされたストライプ セットにしたものです。参加しているすべてのボ
リュームを同時にアクティブにできるため、卓越したパフォーマンスと高スループットを
提供します。
図 2(22ページ) に、ストライプ ボリュームの例を示します。ストライプは、サイズが
同じ4つの参加ボリューム上に作成されます。
図 2. ストライプ ボリューム
ストライプ ボリューム は、パフォーマンスを改善します。これは、ディスク ボリュー
ム、スライス ボリューム、メタボリュームとは異なり、ストライプ ボリューム内でのア
ドレス指定は、シーケンシャルにではなく、ボリューム上でインターレースされて行われ
るためです。
22
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
概念
ストライプ ボリュームでは、読み取り要求は、すべてのコンポーネント ボリュームに同
時に広がります。 図 3(23ページ) に、ストライプ ボリューム内のアドレス指定を示
します。
図 3. ストライプ ボリュームのアドレス指定
ストライプ ボリューム内でのデータのインターレースは、最初の参加ボリュームのスト
ライプ ユニット0から始まり、次の参加ボリュームのストライプ ユニット1に続き、その
後もこのように行われます。必要な場合、データは、最初の参加ボリュームにラップバッ
クされます。これは、ストライプ深度により制御されます(ストライプ制御は、次の参加
メンバーに移動する前に、参加ストライプ ボリューム メンバーに書き込まれるデータの
量です)。 ストライプ ボリューム構成に関する考慮事項(31ページ) に、ストライプ
ボリュームの構成に関するガイドラインを示します。
メタボリューム
ファイル システムは、メタボリュームにのみ作成および格納できます。 メタボリュー
ムとは、1つ以上のディスク ボリューム、スライス ボリューム、ストライプ ボリュー
ム、またはメタボリュームをエンド ツー エンドで連結したものです。メタボリューム
は、ファイル システムの作成に必要です。それはメタボリュームが、ファイル システム
をダイナミックに拡張するときに必要となる拡張可能なストレージ容量を提供するためで
す。また、メタボリュームにより、単体ディスクより大きい論理ボリュームを構成するこ
とができます。
EMCでは、メタボリューム内で使用するボリュームのタイプを1つだけにすることをお勧め
します。たとえば、ストライプ ボリュームを作成して結合し、それをメタボリュームと
して定義します。次に、そのメタボリュームの容量を使用してファイル システムを作成
します。
メタボリュームの構成
メタボリュームは、ディスク ボリューム、ストライプ ボリューム、スライス ボリュー
ム、または他のメタボリュームから作成できます。ファイル システムはメタボリューム
上に作成されます。
メタボリュームは、ディスク ボリューム、ストライプ ボリューム、スライス ボリュー
ムまたはメタボリュームを追加することで拡張できます。
ボリューム
23
概念
メタボリューム上でのファイル システムが拡張されると、そのメタボリュームが自動的
に拡張されます。 図 4(24ページ) に、3つのディスク ボリュームを使用するメタボ
リューム構成を示します。
図 4. メタボリューム構成
メタボリューム内でアドレス指定
メタボリューム内に保存されているすべての情報は、アドレス可能な論理ブロックに配置
され、エンド ツー エンドでシーケンシャルで編成されています。 図 5(24ページ)
に、メタボリューム アドレス指定を示します。
図 5. メタボリューム アドレス指定
メタボリュームは、スライスおよびストライプ ボリュームを使用して作成できます。
各ディスクに3 GBスライスを作成して、4つのディスク ボリュームに12 GBのメタボリュー
ムを作成できます。次に、 図 6(24ページ) に示すように、このメタボリュームにファ
イル システムを作成できます。
図 6. スライス ボリュームから作成されたメタボリューム
24
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
概念
32 KBストライプ深度を定義して、指定数のディスク ボリュームでストライプ ボリュー
ムを作成します。これらストライプ ボリュームをまとめて、ストライプ メタボリューム
を作成します。次に、 図 7(25ページ) に示すように、このメタボリュームにファイル
システムを作成できます。
図 7. ストライプ ボリュームから作成されたメタボリューム
注: メタボリュームの合計容量は、メタボリュームを構成するすべてのボリュームの合計と等しく
なります。
BCV
BCVは、ファイル システムが存在する標準ボリュームに接続できる専用ボリュームです。
VNXシステム のTimeFinder/FS機能は、BCVを使用して、ファイル システム コピーを作成
し、ファイル システムを動的にミラーリングします。EMCカスタマー サポート担当者は、
VNX ソフトウェアをインストールする前に、ストレージ システムにBCVを作成します。
注: BCVは、Symmetrixストレージ システムだけでサポートされています。
BCVを計画する場合、最大のファイル システムで使用される標準ディスク ボリュームと
同じ数のBCVを使用します。 図 8(25ページ) に、標準ボリュームとBCVの関係を示しま
す。
図 8. BCV
注: 図 8(25ページ) では、サイズはディスク ボリュームのジオメトリを指します。
BCVは、 VNXシステム に提供されるLUN(ディスク ボリューム全体)に基づきます。BCV
にはスライス ボリュームを使用できません。これは、TimeFinder/FS操作がディスク ボ
ボリューム
25
概念
リューム全体に対して実行されるためです。BCVで使用されるディスク ボリューム、スト
ライプ ボリューム、メタボリュームはスライスされません。
TimeFinder/FS機能は、BCVを使用して、ファイル システム コピーを作成し、ファイル
システムをダイナミックにミラーリングします。
●
ファイル システム コピー機能を使用することで、ファイル システムの追加コピーを
作成して、アプリケーション開発やテスト目的で、バックアップまたはリストア処理
の入力として使用できます。
●
ミラー機能を使用して、元のファイル システムに対するすべての変更が、ミラーリン
グされたファイル システムに反映されるファイル システム コピーを作成できます。
BCVが作成されたら、fs_timefinderコマンドを使用して、ファイル システム コピーを作
成します。
注意 Symmetrix TimeFinderツールやユーティリティでは、 VNX TimeFinder/FSによって作成
されたファイル システムのコピーを使用しないでください。データが失われる可能性があり
ます。
26
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
概念
プランニングの考慮事項
ここでは、 VNXシステム のファイル システムを計画するときに役に立つ情報を提供しま
す。
●
サポートされているファイル システム アクセス プロトコル(27ページ)
●
ファイル システム サイズのガイドライン(28ページ)
●
NMFS(28ページ)
●
ボリューム構成ガイドライン(29ページ)
●
ストライプ ボリューム構成に関する考慮事項(31ページ)
●
統合時の考慮事項(31ページ)
サポートされているファイル システム アクセス プロトコル
VNXシステム は、NFS、CIFS、FTP、TFTP、MPFSプロトコルを使用して、ファイル システ
ムへのアクセスをサポートします。環境で使用されるプロトコルは、ユーザーがファイル
システムにどのようにアクセスするかに影響を与えるため、環境のユーザーがどのような
タイプかを理解しておくことが重要です。ファイル システムの基礎となるボリューム構
造では、使用するプロトコルがサポートされ、ユーザーが通常の方法でファイル システ
ムにアクセスできなければなりません。
次のドキュメントでは、特定のプロトコルを使用したファイル システムへのアクセスの
設定および管理に関する詳細について説明しています。
●
「VNX NFSの構成」
●
「VNX CIFSの構成と管理」
●
「VNXでのマルチプロトコル環境の管理」
VNXシステム では、WindowsユーザーおよびグループをUNIX UID(ユーザーID)および
GID(グループID)にマッピングして、共有ファイル システム データへのシームレス
なアクセスをユーザーに提供できます。詳細については、 「VNXユーザー マッピング
の構成」 を参照してください。
●
「Using FTP and TFTP on VNX」
FTPは、TCP/IPを使用して動作するクライアント/サーバ プロトコルで、異機種システ
ム間でファイルをアップロードおよびダウンロードできます。FTPには、リモート シ
ステムへのログイン、ディレクトリの一覧表示、ファイルのコピーの機能が含まれま
す。
TFTP(Trivial File Transfer Protocol)は単純で、ファイルを読み取りおよび書き
込むためのUDPに基づいたプロトコルです。TFTPは、ネットワーク サーバからリモー
ト クライアントをブートするときに使用できます。TFTPは、ユーザーを認証せず、ア
クセス コントロールも提供しません。
プランニングの考慮事項
27
概念
●
「VNXマルチパス ファイル システムの使用」
MPFS(Multi-Path File System)は、NFSおよびCIFSなどの VNX プロトコルと機能し
メタデータ処理を制御する、FMP(ファイル マッピング プロトコル)としても知られ
る、軽量(シン)プロトコルを追加します。FMPは、ファイル レイアウト情報を交換
し、クライアントと VNXシステム 間の共有競合を管理します。クライアントは、この
ファイル レイアウト情報を使用して、ストレージ システム間で直接ファイル データ
の読み取りおよび書き込みを行います。
ファイル システム サイズのガイドライン
ファイル システムのサイズは、ビジネス組織のさまざまな要因により異なります。実際
の環境でファイル システムを作成する場合、次の一般的なガイドラインに従ってくださ
い。
●
PFSのサイズを考慮し、バックアップおよびリストア戦略を計画します。ファイル シ
ステムの規模が大きくなるほど、バックアップおよびリストアに時間がかかります。
ファイル システムが不安定になった場合、ファイル システムの規模が大きいほど、
一貫性チェックに時間がかかります。
●
データの成長速度を考慮し、データ増加に応じて領域を増加します。
●
各Data Moverにおいて、全ファイル システムの合計サイズ、SnapSureで使用される全
SavVolのサイズ、EMC VNX Replicator 機能で使用される全SavVolのサイズは、その
Data Moverでサポートされる総容量未満でなければなりません。
EMC E-Lab™ Interoperability Navigator(EMC オンライン サポート Webサイトから入
手可能)には、ファイル システム サイズのガイドラインの詳細が記載されています。
NMFS
NMFSでは、コンポーネント ファイル システムのコレクションを単一ファイル システム
として管理できます。CIFSおよびNFSクライアントは、コンポーネント ファイル システ
ムを単一の共有または単一のエクスポートとして認識します。
ファイル システム容量は、各コンポーネント ファイル システムで個別に管理されます。
つまり、NMFSの合計容量は、既存のコンポーネント ファイル システムを拡張、または新
しいコンポーネント ファイル システムを追加することで増加できます。
NMFSまたはコンポーネント ファイル システムの数は、Data Moverで許可されているファ
イル システムの数に限定されます。コンポーネント ファイル システム間でのハード リ
ンク(NFS)、名前変更、単純な移動はできません。
次に、NMFSをサポートする VNX の機能を示します。
28
●
SnapSureSnapSure
●
VNX Replicator
●
クォータ
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
概念
●
セキュリティ ポリシー
●
バックアップ
●
SRDF® (EMC Symmetrix Remote Data Facility)
●
TimeFinder/FSTimeFinder/FS
●
MPFS対応ファイル システムへのMPFSアクセス
●
ファイル システムの移行
●
FileMoverFileMover
●
EMC MirrorView™ /Synchronous
ボリューム構成ガイドライン
ボリューム構成ガイドラインは、ファイル システムのストレージ構造を計画するときに
役に立ちます。 表 4(29ページ) は、各ボリューム タイプと関連づけられている共通
ボリューム構成と考慮事項をまとめたものです。
表 4. ボリューム構成ガイドライン
ボリューム構成
考慮事項
ディスク->ストライプ->メ ディスク サブシステムのロード バランシングが可能です。
タ
すべてのディスクにデータが分散されます。
ランダム読み取り処理に効率的です。
TimeFinder/FSおよびBCVとともに使用できます。
ディスク->メタ
管理が簡単です。
たとえば、情報記録など、シーケンシャル読み取りおよび書き込み処
理に効率的です。
他の部分がアイドル状態であるのに、メタボリュームの一部のディスク
にアクセスが頻繁に行われることがあります。
TimeFinder/FSおよびBCVとともに使用できます。
ディスク->ストライプ->ス ストライピングにより、パフォーマンスが向上します。
ライス->メタ
スライシングにより、小型のファイル システムを作成できるようになり
ます。
ボリューム構造が簡素化されます。
ボリュームの一部だけを使用してファイル システムを作成し、残りのボ
リューム スペースを他の目的に使用できます。
BCVを使用している場合のスライシングはお勧めしません。
プランニングの考慮事項
29
概念
表 4. ボリューム構成ガイドライン (続き)
ボリューム構成
考慮事項
ディスク->スライス->スト スライシングにより、小型のファイル システムを作成できるようになり
ライプ->メタ
ます。
ストライピングにより、パフォーマンスが向上します。
ボリュームの一部だけを使用してファイル システムを作成し、残りのボ
リューム スペースを他の目的に使用できます。
BCVを使用している場合のスライシングはお勧めしません。
30
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
概念
ストライプ ボリューム構成に関する考慮事項
以下は、 ストライプ ボリュームを構成するためのガイドラインです。
●
使用するストライプ サイズは、使用するアプリケーションにより異なります。ストラ
イプ深度は、8,192バイト単位で指定する必要があります。Symmetrixまたは VNX for
Block ストレージ システムを使用するCIFSまたはNFS環境で稼働するファイル システ
ムの推奨ストライプ サイズは32,768バイト(デフォルト)です。MPFSiおよびMPFS環
境には256 KBのストライプ サイズが推奨されますが、ATAベースのファイル システム
にはRAID 3および64 KBのストライプ サイズが推奨されます。EMC FLARE® 24以降の場
合、ストライプ サイズが64 KBのATAベースのファイル システムにはRAID 5が推奨さ
れます。
●
ストライプ ボリュームのサイズを考慮します。ストライプ ボリュームを作成すると、
サイズは変更できなくなります。ただし、追加のストライプ ボリュームと結合または
連結することで、ストライプ ボリューム上のファイル システムを拡張できます。
●
最適なパフォーマンスを実現するため、さまざまなボリューム上でストライプを構成
します。単一のボリュームでストライプを構成することもできますが、この場合、パ
フォーマンスが改善されません。
●
次のように、ディスク領域の最大容量を使用するようにストライプを構成します。
●
•
ストライプ内の参加ボリュームのサイズは、同じで、ストライプのサイズで均一に
分けられる必要があります。
•
各参加ボリュームには、同じ数のストライプが含まれている必要があります。
•
ストライプ サイズでボリュームが均一に分けられるが、容量が等しくない場合、ス
ペースは浪費されます。常駐スペースは構成には含まれず、データ ストレージで使
用できません。
使用できるボリュームが8以上ある場合、8ボリュームの倍数でストライプ ボリューム
を構築すると、通常の環境で、適切なパフォーマンスが実現されます。8ボリュームが
十分なファイル システム容量を提供しない場合、8ボリュームのセットを必要なだけ
組み合わせて単一のメタボリュームを構成します。
統合時の考慮事項
ここでは、次のものを使用する場合にファイル システムを正常に稼働および統合するた
めの考慮事項について説明します。
●
クォータ(32ページ)
●
TimeFinder/FSTimeFinder/FS(32ページ)
●
ファイルレベル リテンション設定(32ページ)
●
SRDF(33ページ)
プランニングの考慮事項
31
概念
●
MPFS(33ページ)
●
VNX Replicator/SnapSure(33ページ)
●
MirrorView/SynchronousMirrorView/Synchronous(34ページ)
クォータ
ファイル システムがいっぱいにならないようにするには、ディレクトリ ツールにファイ
ルを作成するユーザーおよびグループにクォータ制限を設定します。ハード クォータ制
限をユーザー、グループまたはディレクトリ ツリー クォータに設定することで、ファイ
ル システムのすべてのスペースが割り当てられないように防ぐことができます。ハード
クォータ制限に達した場合、システムは、追加ファイルを保存するユーザー要求を拒否し
て、ハード クォータ制限に到達したことを管理者に通知します。この場合、既存のファ
イルを読み取ることはできますが、ユーザーまたは管理者がファイルをファイル システ
ムから削除するか、ハード クォータ制限を増加して追加ファイルの保存を許可する必要
があります。
ファイル システム パフォーマンスの低下を防ぐためには、ハード クォータ制限合計ファ
イル システム スペースの80~85%に設定します。ハード クォータ制限を設定するほか、
ハード クォータ制限に近づいていることを管理者に通知されるように、これより低いソ
フト クォータ制限を設定します。
たとえば、100 GBのストレージを含むファイル システムがいっぱいにならないようにす
るには、80 GBのソフト クォータ制限を設定し、ユーザー、グループまたはディレクトリ
ツリー クォータを使用して85 GBのハード クォータ制限を設定します。ファイル システ
ムの使用スペースが80 GBに到達すると、ソフト リミットに到達したことが管理者に通知
されます。使用スペースが85 GBになると、システムは、追加ファイルを保存するユーザー
要求を拒否して、ハード クォータ制限に到達したことを管理者に通知します。
クォータの詳細情報、およびユーザー、グループ、またはディレクトリ ツリー クォータ
の設定方法については、 「VNXでのクォータの使用方法」 を参照してください。
TimeFinder/FSTimeFinder/FS
PFSの複数のコピーを作成する場合、その数のBCVを計画します。たとえば、単一のPFSか
ら、10のコピーを作成できます。ただし、1つではなく、10のBCVを計画します。
TimeFinder/FSは、BCVコピーの作成時に論理ボリュームではなく、物理ディスクを使用し
ます。コピーは、トラックごとに行われるため、未使用の容量はBCVに引き継がれます。
BCVに使用されるボリュームは、標準ボリュームと同じサイズでなければなりません。
TimeFinder/FSの詳細については、 「VNXでのTimeFinder/FS、NearCopy、FarCopyの使用
方法」 を参照してください。
ファイルレベル リテンション設定
ファイル システムのFLR(ファイルレベル リテンション設定)機能は、作成時だけ有効
にできます。ファイル システムが作成され、FLRが有効化されると、FLRファイル システ
ムであることを示すマークが付いたままになります。このFLR設定は変更できません。ファ
イル システムを作成し、FLRを有効にした後で、管理者はFLRの保護をそれぞれのファイ
32
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
概念
ルに適用できます。FLR(ロック)状態のファイルは、保存期間格納でき、有効期限が切
れるまで、ファイルを削除できなくなります。
FLRストレージおよびFLRファイル システムの動作の詳細については、 「VNXファイルレ
ベル リテンション設定の使用方法」 を参照してください。
SRDF
Data Moverのすべてのファイル システムは、 SRDFボリュームに作成する必要がありま
す。SRDF/Sの詳細については、 「VNXでのSRDF/Sを使用した災害復旧」 、SRDF/Aの詳細
については、 「VNXとSRDF/Aの使用方法」 を参照してください。
AVM機能を使用してファイル システムを作成する場合、symm_std_rdf_srcストレージ プー
ルを指定します。このストレージ プールは、インストール時にSRDFを使用したリモート
モニタリング用に構成されたボリュームからスペースを割り当てるようにAVMに指示しま
す。
ファイル システムの自動拡張は、RDF(Remote Data Facility)構成の一部であるファイ
ル システムには使用できません。
注: RDF構成と関連づけられたファイル システムでは、nas_fsコマンドを -auto_extendオプショ
ンを指定して使用しないでください。これを実行すると、次のエラー メッセージが生成されます。
Error 4121: operation not supported for file systems of type SRDF.
MPFS
読み取り専用でマウントされているファイル システムは、 MPFSを使用するクライアン
トには認識されないため、クライアントはそのファイル システムに書き込むことができ
ます。
ストライプ深度32 KB未満のファイル システムへのMPFSアクセスを有効にすることはでき
ません。MPFSの詳細については、 「VNXマルチパス ファイル システムの使用」 を参照
してください。
VNX Replicator/SnapSure
VNX Replicatorを使用することで、 ソース ファイル システムでファイル システムの
自動拡張を有効にできます。ソース ファイル システムがHWM(High Watermark)に達す
ると、まず宛先ファイル システムが自動的に拡張します。その後で、ソース ファイルシ
ステムが自動的に拡張します。宛先ファイル システムの拡張に成功しても、ソース ファ
イル システムの拡張に失敗すると、ファイル システムのサイズが異なり、レプリケー
ション障害が発生します。nas_fs -xtend <fs_name> -option src_onlyコマンドを使用す
ると、ソース ファイル システムのサイズを手動で調整できます。この状況からのリカバ
リ手順については 「VNX Replicatorの使用方法」 を参照してください。ファイル シス
テムの自動拡張の詳細については、 「VNX Automatic Volume Managementによるボリュー
ムとファイル システムの管理」 を参照してください。
VNX ReplicatorおよびSnapSureの操作をサポートするための十分なファイル システム ス
ペースとディスク ストレージを使用できる必要があります。全体のファイル システム
サイズを確認するには、nas_fs -listコマンドを使用します。SavVolファイル サイズを
計算するには、nas_disk -sizeコマンドを使用します。SnapSureと VNX Replicatorに関
プランニングの考慮事項
33
概念
連するコマンドの構文の詳細については、 「EMC VNX for Fileコマンド ライン インタ
フェース リファレンス」 を参照してください。
MirrorView/SynchronousMirrorView/Synchronous
Data Moverのすべてのファイル システムは、MirrorView/Synchronous LUNに基づいてい
る必要があります。MirrorView/Synchronousの詳細については、 「VNXでの
MirrorView/Synchronousを使用した災害復旧」 を参照してください。
AVM機能を使用してファイル システムを作成する場合、RAID構成に適したMirrorView AVM
ストレージ プールを使用する必要があります。MirrorView AVMストレージ プールの一覧
については、 「VNX Automatic Volume Managementによるボリュームとファイル システ
ムの管理」 を参照してください。
34
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
第3章
ボリュームの構成
ボリュームを手動で構成する場合のタスクは、次のとおりです。
トピック :
●
●
●
●
ストレージの可用性を決定(36ページ)
ボリュームの作成(37ページ)
VNXまたはレガシーCLARiXシステムからゲートウェイ システムへの
ストレージの提供(40ページ)
統合システムにディスク ボリュームを追加(43ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
35
ボリュームの構成
ストレージの可用性を決定
ディスク ボリュームを手動ボリューム管理またはAVMユーザー定義ストレージ プールで
の使用のために予約する場合、同じRAIDタイプ、ディスク数、サイズのSPバランス ペア
でディスク ボリュームを予約します。使用可能なすべてのディスク ボリュームをAVMユー
ザー定義ストレージ プールで使用することもできますが、ボリュームがこのように構成
されていない場合、パフォーマンスに影響を与えることがあります。
新しいボリュームを作成する前に、未使用のディスク領域を識別します。ディスクが未使
用の場合、その領域をボリュームおよびファイル システム作成に使用できます。 未使
用ディスクを特定して、システムで使用できるストレージを判別します。
アクション
未使用ディスクおよびそのサイズのリストを表示するには、次のように入力します。
$ nas_disk -list
出力
id inuse sizeMB storageID-devID type name servers
1 y 4153 000183501491-000 STD root_disk 1,2,3,4
2 y 4153 000183501491-001 STD root_1disk 1,2,3,4
3 y 8631 000183501491-00C STD d3 1,2,3,4
4 y 8631 000183501491-00D STD d4 1,2,3,4
5 y 8631 000183501491-00E STD d5 1,2,3,4
6 y 8631 000183501491-00F STD d6 1,2,3,4
7 n 8631 000183501491-010 STD d7 1,2,3,4
8 n 8631 000183501491-011 STD d8 1,2,3,4
9 n 8631 000183501491-012 STD d9 1,2,3,4
10 n 8631 000183501491-013 STD d10 1,2,3,4
11 n 8631 000183501491-014 STD d11 1,2,3,4
注
列定義:
id:ディスクのID(自動的に割り当てられる)
inuse:ディスクがファイル システムで使用されているかどうか
sizeMB:ディスクの合計サイズ(MB単位)
storageID-devID:ストレージ システムのIDとディスクに関連するデバイスのID
type:ディスクのタイプ
name:ディスクの名前
servers:ディスクにアクセスできるData Mover
36
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ボリュームの構成
ボリュームの作成
次の3種類のボリュームを作成できます。
●
スライス ボリューム
●
ストライプ ボリューム
●
メタボリューム
各ボリューム タイプには、ストレージ要件を満たす、それぞれのメリットがあります。
ボリューム(20ページ) では、ボリューム タイプの詳細について説明しています。 ボ
リューム構成ガイドライン(29ページ) は、各ボリューム タイプと関連づけられている
共通ボリューム構成と考慮事項をまとめたものです。
ボリュームの一覧
アクション
システム上のすべてのボリュームを一覧表示するには、次のように入力します。
$ nas_volume -list
出力
これは、ボリューム一覧の一部として表示されるボリューム テーブルの一覧の一部です。
id inuse type acl name cltype clid
1 y 4 0 root_disk 0 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,
14,15,16,17,18,19,20,21,22,
23,24,25,26,27,28,29,30,31,
32,33,34,35,36,37,38,39,40,
41,42,43,44,45,46,47,48,49,
50
2 y 4 0 root_ldisk 0 51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,
61,62,63,64,65,66
3 y 4 0 d3 1 246
4 y 4 0 d4 1 246
5 y 4 0 d5 1 246
6 y 4 0 d6 1 246
7 y 4 0 d7 0 67,68
8 y 4 0 d9 1 248
10 y 4 0 d10 1 257
11 y 4 0 d11 1 249
12 y 4 0 d12 1 249
13 y 4 0 d13 1 249
14 y 4 0 d14 1 249
15 y 4 0 d15 1 257
.
.
.
246 y 2 0 stv1 1 247
247 n 3 0 mtv1 0
248 n 4 0 mtv2 0
ボリュームの作成
37
ボリュームの構成
注
nas_slice -listコマンドを使用して、スライス ボリュームだけを一覧表示することもできます。
列定義:
id:ボリュームのID(自動的に割り当てられる)
inuse:ボリュームがファイル システムで使用されているかどうか(yの場合は使用中、nの場合は未使用)
type:ボリュームのタイプ
acl:ボリュームに割り当てられているアクセス コントロール値
name:ボリュームの名前
スライス ボリュームの作成
アクション
スライス ボリュームを作成するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_slice -name <name> -create <volume_name> <size>
ここで:
<name> = スライス ボリュームの名前
<volume_name> = ボリュームの名前
<size> = スライス ボリュームのサイズ(MB単位)
例:
slv1という名前のスライス ボリュームを作成するには、次のように入力します。
$ nas_slice -name slv1 -create d8 1024
出力
id = 76
name = slv1
acl = 0
in_use = False
slice_of = d8
offset(MB) = 0
size (MB) = 1024
volume_name = slv1
38
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ボリュームの構成
ストライプ ボリュームの作成
ストライプ ボリュームを作成する場合、ストライプ ボリュームの名前を指定しないと、
デフォルト名が割り当てられます。詳細については、ストライプボリューム構成に関する
考慮事項(31ページ)を参照してください。
アクション
ストライプ ボリュームを作成するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_volume-name<name>-create-Stripe<stripe_size> [<volume_name>,...]
各変数の意味を以下に示します。
<name> = ストライプ ボリュームの名前
<stripe_size> = ストライプ エレメントのサイズ(バイト単位)(8の倍数、192バイトである必要があります)
<volume_name> = ボリュームの名前(コンマで分けて列挙)
例:
stv1という名前のストライプ ボリュームを作成するには、次のように入力します。
$ nas_volume -name stv1 -create -Stripe 32768 d10,d12,d13,d15
出力
id
= 125
name
= slv1
acl
=0
in_use
= False
type
= stripe
volume_set = d10,d12,d13,d15
disks
= d10,d12,d13,d15
メタボリュームの作成
メタボリュームを作成する場合、メタボリュームの名前を指定しないと、デフォルト名が
割り当てられます。
複数のボリュームを
メタボリュームに統合するには、コマンド シンタクスで
<volume_name>オプションを連続して使用します。
アクション
ストライプ ボリュームからメタボリュームを作成するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_volume -name <name> -create -Meta [ <volume_name> ,...]
ここで:
<name> = ストライプ ボリュームの名前
ボリュームの作成
39
ボリュームの構成
アクション
<volume_name> = メタボリュームの名前(コンマで分けて列挙)
例:
slv1、slv2、slv3という名前のメタボリュームをディスク ボリュームd7に作成するには、次のように入力しま
す。
$ nas_volume -name mtv1 -create -Meta slv1,slv2,slv3
出力
id = 268
name = mtv1
acl = 0
in_use = False
type = meta
volume_set = slv1, slv2, slv3
disks = d8, d19, d9
VNXまたはレガシーCLARiXシステムからゲートウェイ システムへのストレー
ジの提供
はじめに
VNX for Fileゲートウェイ システムがVNX for Blockストレージ システムに接続されて
いて、ディスク ボリュームを構成に追加する場合は、この手順を実行します。
ゲートウェイ ネットワークに接続されているストレージ システムであり、EMC Symmetrix
およびVNX for Blockストレージ システムに接続されているEMC VNX for Fileネットワー
ク サーバは、次のとおりです。
●
VNX VG2
●
VNX VG8
VNX for Fileゲートウェイ システムは、VNX for BlockユーザーLUNまたはSymmetrixハイ
パーボリュームにデータを格納します。ユーザーLUNまたはハイパーボリュームがストレー
ジ システムに正しく構成されていない場合、AVMとUnisphere for Fileソフトウェアを使
用してストレージを管理することはできません。
通常、これらのゲートウェイ ストレージ システムのディスク ボリュームの初期セット
アップは、EMCカスタマー サポート担当者が行います。
次の手順を使用して、ディスク ボリュームを構成に追加します。
1. ユーザーLUNの作成には、UnisphereソフトウェアまたはVNX for Block CLIを使用しま
す。
2. VNX for Fileでディスク ボリュームとして使用可能な新しいユーザーLUNを作成する
には、UnisphereソフトウェアとVNX for File CLIのいずれかを使用します。
ファイル システムを作成する前にユーザーLUNを作成します。
40
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ボリュームの構成
ユーザーLUNを追加するためには、次の点に精通している必要があります。
●
UnisphereソフトウェアまたはVNX for Block CLI。
●
VNX for Fileボリューム用のRAIDグループおよびユーザーLUNの作成処理。
UnisphereおよびVNX for Block CLIのマニュアルに、RAIDグループとユーザーLUNの作成
方法が説明されています。
手順
1. 必要に応じて、VNX for FileボリュームのRAIDグループとユーザーLUNを作成します。
VNX for Fileゲートウェイ システムのストレージ グループにLUNを追加し、HLUを16
以上に設定します。
•
ユーザーLUNは常に、1つがSP Aによって所有され、もう1つがSP Bによって所有され
る、バランシングされたペアとして作成します。また、ペアになったLUNは、同じサ
イズでなければなりません。
•
FCまたはSASディスクは、RAID 1/0、RAID 5、またはRAID 6として構成する必要があ
ります。ペアになったLUNが同じRAIDグループにある必要はありません。ただし、
RAIDタイプは同じである必要があります。RAIDグループとストレージ特性(42ペー
ジ)に、有効なRAIDグループとストレージ システムの組み合わせの一覧がありま
す。ゲートウェイ モデルは、NS-80(CX3™シリーズ ストレージ システム)または
NS-960(CX4™シリーズ ストレージ システム)と同じ組み合わせを使用します。
•
SATAディスクは、RAID 1/0、RAID 5、RAID 6のいずれかで構成されている必要があ
ります。1つのRAIDグループ内のLUNはすべて、同じSPに属していなければなりませ
ん。ペアは、2つのRAIDグループからのLUNを使用して作成してください。RAIDグルー
プとストレージ特性(42ページ)に、有効なRAIDグループとストレージ システム
の組み合わせの一覧があります。ゲートウェイ モデルは、NS-80(CX3 シリーズ ス
トレージ システム)またはNS-960(CX4 シリーズ ストレージ システム)と同じ組
み合わせを使用します。
•
ユーザーLUNの場合、HLU(ホストLUN識別子)は16以上でなければなりません。
注: nas_disk -delete -permコマンドを使用して、VNX for FileまたはレガシーCelerraか
ら永続的にディスク ボリュームを削除する場合、後からnas_diskmarkコマンドを使用して、
削除されたディスク ボリュームの基盤となっているLUNと同じHLUでLUNを検出およびマーク
しないでください。これを行うと、VNX for FileまたはレガシーCelerraで、データ消失や
データ使用不能につながる原因になります。VNX for FileまたはレガシーCelerraのディスク
ボリュームの基盤となるHLUを再使用するためには、-permオプションを使用しないでくださ
い。ディスク ボリュームを削除するために-permオプションを使用する場合、重複するHLUで
LUNを再マークする前にData Moverを再起動します。
RAIDグループ ユーザーLUNを作成する場合は、次の設定を使用します。
•
RAID Type: FCディスクまたはSASディスクの場合は、RAID 1/0、RAID 5、RAID 6の
いずれか、SATAディスクの場合は、RAID 1/0、RAID 5、RAID 6のいずれか
•
LUN ID: 使用できる最初の値を選択
•
リビルドの優先度: ASAP
VNXまたはレガシーCLARiXシステムからゲートウェイ システムへのストレージの提供
41
ボリュームの構成
•
ベリファイの優先度: ASAP
•
リード キャッシュの有効化: オン
•
ライト キャッシュの有効化: オン
•
自動割り当ての有効化: オフ
•
バインドするLUNの数: 2
•
配列オフセット: 0
•
LUNサイズ: 14 TB以下
2. VNX for Fileで新しいユーザーLUNを使用できるようにするには、次の手順のいずれか
を実行します。
•
Unisphereソフトウェアを使用している場合、
a. [ストレージ] ➤ [ストレージ構成] ➤ [ファイル システム]を選択します。
b. タスク リストから[ファイル ストレージ] ➤ [ストレージ システムの再スキャン]を選
択します。
•
VNX for File CLIを使用するには、次のコマンドを入力します。
nas_diskmark -mark -all
注: 再スキャン後は、VNX for File LUNのHLUを変更しないでください。データ消失やデータ使
用不能につながる可能性があります。
RAIDグループとストレージ特性
次の表に、ストレージ アレイとRAIDグループの関係を示します。
表 5. RAIDグループの組み合わせ
ストレージ
RAID 5
RAID 6
RAID 1
NX4 SASまたは
2+1 RAID 5
4+2 RAID 6
1+1 RAID 1/0
SATA
3+1 RAID 5
1+1 RAID 1
4+1 RAID 5
5+1 RAID 5
NS20/
4+1 RAID 5
4+2 RAID 6
NS40/
8+1 RAID 5
6+2 RAID 6
NS80 FC
42
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
12+2 RAID 6
ボリュームの構成
表 5. RAIDグループの組み合わせ (続き)
ストレージ
RAID 5
RAID 6
RAID 1
NS20/
4+1 RAID 5
4+2 RAID 6
NS40/
6+1 RAID 5
6+2 RAID 6
サポートされていない機
能
NS80 ATA
8+1 RAID 5
12+2 RAID 6
NS-120/
4+1 RAID 5
4+2 RAID 6
NS-480/
8+1 RAID 5
6+2 RAID 6
NS-960 FC
1+1 RAID 1/0
12+2 RAID 6
NS-120/
4+1 RAID 5
4+2 RAID 6
1+1 RAID 1/0
NS-480/
6+1 RAID 5
6+2 RAID 6
NS-960 ATA
8+1 RAID 5
12+2 RAID 6
NS-120/
4+1 RAID 5
1+1 RAID 1/0
NS-480/
8+1 RAID 5
サポートされていない機
能
3+1 RAID 5
4+2 RAID 6
1+1 RAID 1/0
4+1 RAID 5
6+2 RAID 6
NS-960 EFD
VNX SAS
6+1 RAID 5
8+1 RAID 5
VNX NL SAS
サポートされていない機能
4+2 RAID 6
6+2 RAID 6
サポートされていない機
能
統合システムにディスク ボリュームを追加
ファイル用のディスク プロビジョニング ウィザードを使用して、VNX for Blockストレー
ジ システムに未使用または新しいディスク デバイスを構成します。このウィザードは、
単一のVNX for Blockストレージ システムに接続されたファイバ チャネル対応モデルを
含む統合型のVNX for Fileモデル(NX4およびNS80以外のNS非ゲートウェイ システム)で
のみ使用できます。
注: VNXシステムでは、FASTや圧縮などのAdvanced Data Service Policy機能は、プール ベースの
LUNに対してのみサポートされています。RAIDベースのLUNではサポートされていません。
Unisphereソフトウェアでファイル用のディスク プロビジョニング ウィザードを開くに
は、次の手順に従います。
1. [ストレージ] ➤ [ストレージ構成] ➤ [ストレージ プール]の順に選択します。
統合システムにディスク ボリュームを追加
43
ボリュームの構成
2. タスク リストから[ウィザード] ➤ [ファイル用のディスク プロビジョニング ウィザード ]の順
に選択します。
注: ファイル用のディスク プロビジョニング ウィザードを使用するには、グローバル システム
管理者ユーザー アカウントまたはストレージ管理権限があるユーザー アカウントを使用して、
Unisphereにログインする必要があります。
ファイル用のディスク プロビジョニング ウィザードの代わり
に、/nas/sbin/setup_clariionにあるVNX for File CLIを使用できます。このCLIは、統
合VNXシステムには使用できません。スクリプトは以下のアクションを実行します。
●
構成するバインド解除されたディスクが存在する場合、統合型(非パフォーマンス)
VNX for Blockストレージ システムでディスクをプロビジョニングする。このスクリ
プトは、PEおよびDAEでデータLUNをバインドして、Data Moverにアクセスできるよう
にします。
●
RAIDグループおよびLUN設定がVNX for Fileサーバ構成に適しているか確認する。
Unisphere for Fileソフトウェアは、レガシーEMC CLARiX CX™ およびCX3ストレージ シ
ステムのアレイ テンプレートだけをサポートします。CX4およびVNXシステムは、
User_Definedモードで/nas/sbin/setup_clariion CLIスクリプトを使用する必要がありま
す。
setup_clariionスクリプトを使用すると、事前に定義されている構成テンプレートを使用
して、シェルフ単位でVNX for Blockストレージ システムを構成できます。各エンクロー
ジャ(xPEまたはDAE)に対して、このスクリプトは、特定のハードウェア構成を検証し
て、適切なテンプレートの選択肢を提供します。同じストレージ システムにRAID構成の
組み合わせを混在させることができます。次に、スクリプトは、各VNX for Blockシステ
ムのカスタムUser_Definedアレイ テンプレートにシェルフ テンプレートを組み込み、ア
レイを構成します。
44
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
第4章
ファイル システムの構成
ファイル システムを構成する場合のタスクは、次のとおりです。
トピック :
●
●
●
●
ファイル システムの作成(46ページ)
(オプション)マウント ポイントの作成(47ページ)
ファイル システムのマウント(48ページ)
(オプション)NMFSの作成(49ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
45
ファイル システムの構成
ファイル システムの作成
ファイル システムは、使用中ではない、ルート以外のメタボリューム上だけに作成でき
ます。メタボリュームは、ファイル システムに対応するため少なくとも2 MB必要です。
ファイル システム名は、特定のシステム上で一意にする必要があります。名前の長さは
240バイトに制限されています(240 ASCII文字またはUnicodeマルチバイト文字の変数名
として表されます)。ファイル システム名には、大文字と小文字、数字、ハイフン(-)、
下線(_)、ピリオド(.)を含めることができます。英数字名は使用できます。
ファイル システム名では次のことは許可されていません。
●
ハイフン、ピリオド、語根で開始する
●
空白文字またはコロン(:)を含める
●
数字1文字にする
●
すべて数字で構成する
アクション
ファイル システムを作成するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_fs -name <fs_name> -create <volume_name>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
<volume_name> = 既存のボリュームの名前
例:
既存のボリュームを使用してufs1という名前のファイル システムを作成するには、次のように入力します。
$ nas_fs -name ufs1 -create mtv1
出力
id = 18
name = ufs1
acl = 0
in_use = False
type = uxfs
volume = mtv1
rw_servers=
ro_servers=
rw_vdms =
ro_vdms =
symm_devs =
002806000209-006,002806000209-007,002806000209-008,002806000209-009
disks = d3,d4,d5,d6
46
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの構成
(オプション)マウント ポイントの作成
新しく作成したファイル システムを使用する前に、Data Moverにマウント ポイントを作
成することもできます。 server_mountコマンドは、マウント ポイントが存在しない場
合にマウント ポイントを作成します。
マウント ポイント名は、スラッシュ(/)で始め、その後に英数字を続ける必要がありま
す(例:/new)。名前には、マウントされるファイル システムが論理サブディレクトリ
として表される複数のコンポーネントを含めることができます(例:/new1/new2また
は/new1/new2/new3/new4)。マウント ポイント名には、最大7つのコンポーネントを含め
ることができます(例:new1/new2/new3/.../new7)。
NMFSは例外ですが、ファイル システムは、マルチコンポーネント マウント ポイント名
の最後のコンポーネントだけにマウントします。ファイル システムは、マウント ポイン
ト名の中間コンポーネントにはマウントされません。たとえば、/new1マウント ポイント
にファイル システムをマウントした場合、/new1/new2という名前のマウント ポイントに
はファイル システムをマウントしないでください。
アクション
Data Moverでマウント ポイントを作成するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ server_mountpoint <movername> -create <pathname>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
<pathname> = マウント ポイントへのパス
例:
server_3という名前のマウント ポイントを作成するには、次のように入力します。
$ server_mountpoint server_3 -create /ufs1
出力
server_3: done
(オプション)マウント ポイントの作成
47
ファイル システムの構成
ファイル システムのマウント
はじめに
特定のマウント ポイントにファイル システムをマウントする前に、次の名前を認識して
おく必要があります。
●
マウント ポイントを含むData Mover
●
Data Moverのマウント ポイント
●
マウントするファイル システム
注: マウント ポイントが存在しない場合、server_mountコマンドはマウント ポイントを作成しま
す。
次に、ファイル システムのマウントに必要な情報を取得するコマンドを示します。
●
既存のファイル システムを一覧表示するnas_fs -listコマンド
●
Data Mover名を表示するnas_server -listコマンド
●
Data Moverのマウント ポイントを表示するserver_mountpoint <movername> -listコ
マンド
ファイル システムは、単一Data Mover上だけ(デフォルト)に読み取り/書き込みとし
て、または複数台のData Mover上に読み取り専用としてマウントできます。ファイル シ
ステムがData Mover上に読み取り/書き込みでマウントされると、そのData Moverだけが
ファイル システムにアクセスできます。その他のData Moverはアクセスできません。
ファイル システムがData Mover上に読み取り専用でマウントされると、クライアントは
持っているアクセス権にかかわらず、ファイル システムに書き込みできません。ファイ
ル システムは同時に複数のData Mover上に読み取り専用でマウントできます。これは、
チェックポイントおよびTimeFinder/FSファイル システムのデフォルトです。
ファイル システムは、デフォルトでは永続的にマウントされます。ファイル システムを
一時的にアンマウントした場合、ファイル サーバを再起動すると、ファイル システムは
自動的に再マウントされます。
手順
Data Mover上にマウント ポイントを作成する場合、そのマウント ポイントにファイル
システムをマウントします。
-option引数は、多くのマウント オプションの指定に使用されます。使用できるマウント
オプションの詳細なリストについては、 「EMC VNX for Fileコマンド ライン インタ
フェース リファレンス」 を参照してください。
アクション
Data Mover上のマウント ポイントにファイル システムをマウントするには、次のコマンド シンタクスを使用
します。
48
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの構成
アクション
$ server_mount <movername> -option <options> <fs_name> <mount_point>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
<options> = マウント オプションのリストをコンマで区切って指定
<fs_name> = ファイル システムの名前
アクション
<mount_point> = Data Moverのマウント ポイントへのパス。<mount_point>はスラッシュ(/)で始める必要が
あります
例:
アクセス チェック ポリシーをNATIVEに設定し、nooplockを有効にして、マウント ポイント/ufs1にufs1をマウ
ントするには、次のように入力します。
$ server_mount server_2 -option accesspolicy=NATIVE,nooplock ufs1 /ufs1
出力
server_2: done
(オプション)NMFSの作成
NMFSは、Data Moverで読み取り専用でマウントする必要があります。
ファイル システムへの読み取り専用アクセス権を提供する各Data Moverで、読み取り専
用でファイル システムをマウントするには、server_mountコマンドを使用します。 Data
Moverからすべてのファイル システムをアンマウント(80ページ) では、Data Moverか
らファイル システムをアンマウントする方法について説明しています。
1. 次のコマンド シンタクスを使用して、NMFSを作成します。
$ nas_fs -name <name> -type nmfs -create
ここで:
<name>
= NMFSの名前
例:
nmfs1という名前のNMFSを作成するには、次のように入力します。
$ nas_fs -name nmfs1 -type nmfs -create
出力:
(オプション)NMFSの作成
49
ファイル システムの構成
id = 26
name = nmfs1
acl = 0
in_use = False
type = nmfs
worm = off
volume = 0
pool =
rw_servers=
ro_servers=
rw_vdms =
stor_devs =
ro_vdms =
stor_devs =
disks =
注: ボリューム割り当てはありません。
2. 新しいファイル システムの指定Data Moverのルートにマウント ポイントを作成しま
す。
3. 次のコマンド シンタクスを使用して、NMFSを読み取り専用でData Moverに作成しま
す。
$ server_mount <movername> -option <options> <fs_name> <mount_point>
ここで:
<movername>
= Data Moverの名前
<options>
= マウント オプションのリストをコンマで区切って指定
<fs_name>
= NMFSの名前
= Data Moverのマウント ポイントへのパス。
(/)で始める必要があります
<mount_point>
<mount_point>
はスラッシュ
例:
nmfs1という名前のNMFSを読み取り専用でserver_3にマウントするには、次のように入
力します。
$ server_mount server_3 -option ro nmfs1 /nmfs1
出力:
server_3: done
4. NFSアクセスの新しいファイル システムをエクスポートします。
または
CIFSアクセスのファイル システムを共有します。
50
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの構成
新しいコンポーネント ファイル システムの作成
新しいコンポーネント ファイル システムを作成し、NMFSにマウントするステップは、任
意のファイル システムをマウントするステップに似ています。
1. コンポーネント ファイル システムのボリュームを作成します。
2. 次のコマンド シンタクスを使用して、新しいボリュームにコンポーネント ファイル
システムを作成します。
$ nas_fs -name <name> -create <volume_name>
ここで:
<name>
= ファイル システムに割り当てられる名前
= ボリュームの名前
<volume_name>
例:
ufs1という名前のコンポーネント ファイル システムをボリュームmtv1に作成するに
は、次のように入力します。
$ nas_fs -name ufs1 -create mtv1
3. 次のコマンド シンタクスを使用して、コンポーネント ファイル システムをNMFSにマ
ウントします。
$ server_mount <movername> -option <options> <fs_name> <mount_point>
ここで:
<movername>
= Data Moverの名前
<options>
= マウント オプションのリストをコンマで区切って指定
<fs_name>
= NMFSの名前
<mount_point>
= NMFSのパス名。「/nmfsパス/コンポーネント ファイル システム名」の
形式で指定
例:
NMFS nmfs1の一部としてufs1をマウントするには、次のように入力します。
$ server_mount server_2 ufs1 /nmfs1/ufs1
出力:
server_2: done
(オプション)NMFSの作成
51
ファイル システムの構成
52
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
第5章
ボリュームの管理
ここでは、既存のボリュームを手動で管理する方法について説明します。
特別に指定されていない限り、これらの手順は、すべてのシステム モデ
ルに適用されます。
注: ボリュームの一覧(37ページ) では、ボリュームのリストを表示する方法
について説明しています。
ボリューム管理に関するタスクは、次のとおりです。
トピック :
●
●
●
●
●
ボリュームの容量をチェック(54ページ)
ボリュームの名称変更(54ページ)
ボリュームのクローン(55ページ)
メタボリュームまたはストライプ ボリュームの削除(56ページ)
スライス ボリュームの削除(58ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
53
ボリュームの管理
ボリュームの容量をチェック
アクション
ボリューム容量をチェックするには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_volume -size <volume_name>
ここで:
<volume_name> = ボリュームの名前
例:
mtv1のボリューム容量をチェックするには、次のように入力します。
$ nas_volume -size mtv1
出力
size = total = 34524 avail = 34524 used = 0 ( 0% )
(sizes in MB)
ボリュームの名称変更
アクション
ボリュームを名称変更するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_volume -rename <old_name> <new_name>
ここで:
<old_name> = ボリュームの現在の名前
<new_name> = ボリュームの新しい名前
例:
メタボリュームの名前をmtvからmtv1に変更するには、次のように入力します。
$ nas_volume -rename mtv mtv1
出力
id = 247
name = mtv1
acl = 0
in_use = False
type = meta
volume_set = stv1
disks = d3,d4,d5,d6
54
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ボリュームの管理
ボリュームのクローン
ストライプ ボリューム、スライス ボリューム、またはメタボリュームのクローンを作成
することで、これらの正確なコピーを作成できます。クローン作成では、ボリューム構造
だけが複製されます。ファイル システムまたはクローン作成時のファイル システムの
データはコピーされません。
-option disktypeおよびsource_volume:destination_volumeがいっしょに使用されている
場合、どちらのオプションが最初に指定されているかにより動作が異なります。
アクション
ボリュームのクローンを作成するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_volume -Clone <volume_name> -option disktype= <disktype>
<source_volume> : <destination_volume> ,...
ここで:
<volume_name> = クローン作成するボリュームの名前
<disktype> = 作成されるディスクのタイプ
<source_volume> = ソース ボリュームの特定のディスク ボリュームセット
<destination_volume> = 宛先ボリュームの特定のディスク ボリューム セット
例:
メタボリュームmtv1のクローンを作成するには、次のように入力します。
$ nas_volume -Clone mtv1
出力
id = 127
name = mtv1
acl = 0
in_use = False
type = meta
volume_set = d7
disks = d7
id = 128
name = v128
acl = 0
in_use = False
type = meta
volume_set = d8
disks = d8
注
この例では、メタボリュームmtv1のクローンが作成されます。作成されるメタボリュームのデフォルト名は
v128です。
ボリュームのクローン
55
ボリュームの管理
メタボリュームまたはストライプ ボリュームの削除
ファイル システムで使用されているメタボリュームまたはストライプ ボリュームは削除
できません。メタボリュームまたはストライプ ボリュームを削除する場合のタスクは、
次のとおりです。
●
メタボリューム情報の一覧(56ページ)
●
メタボリュームまたはストライプ ボリュームの削除(57ページ)
メタボリューム情報の一覧
削除するメタボリュームまたはストライプ ボリュームが使用中でないことを確認するに
は、ボリューム情報を一覧表示して、in_useパラメータをチェックします。
アクション
ボリューム情報を一覧表示するには、このコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_volume -info <volume_name>
ここで:
<volume_name> = メタボリュームまたはストライプ ボリュームの名前
例:
mtv1のボリューム情報を一覧表示するには、次のように入力します。
$ nas_volume -info mtv1
出力
id = 247
name = mtv1
acl = 0
in_use = False
type = meta
volume_set = stv1
disks = d3,d4,d5,d6
注
mtv1メタボリュームのin_useパラメータはFalseです。これは、このメタボリュームがファイル システムにより
使用されていないことを示します。
56
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ボリュームの管理
メタボリュームまたはストライプ ボリュームの削除
削除するボリュームからすべてのファイル システムを削除します。ボリュームが大規模
なメタボリューム構成の一部である場合、そのメタボリュームからファイル システムを
削除して、メタボリュームを削除してから、ボリュームを削除します。
アクション
メタボリュームを削除するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_volume -delete <volume_name>
ここで:
<volume_name> = 削除するメタボリュームの名前
例:
mtv1という名前のメタボリュームを削除するには、次のように入力します。
$ nas_volume -delete mtv1
出力
id = 146
name = mtv1
acl = 1432, owner=nasadmin, ID=201
in_use = False
type = meta
volume_set = d7,mtv1
disks = d7,d8
注
mtv1メタボリュームのin_useパラメータはFalseです。これは、このメタボリュームがファイル システムにより
使用されていないことを示します。
メタボリュームまたはストライプ ボリュームの削除
57
ボリュームの管理
スライス ボリュームの削除
ファイル システムまたはメタボリュームで使用されているスライス ボリュームは削除で
きません。スライス ボリュームを削除する場合のタスクは、次のとおりです。
●
スライス ボリューム情報の一覧(58ページ)
●
スライス ボリュームの削除(59ページ)
スライス ボリューム情報の一覧
削除するスライス ボリュームが使用中でないことを確認するには、ボリューム情報を一
覧表示して、in_useパラメータをチェックします。
アクション
ボリューム情報を一覧表示するには、このコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_slice -info <slice_name>
ここで:
<slice_name> = スライス ボリュームの名前
例:
slv1のスライス ボリューム情報を一覧表示するには、次のように入力します。
$ nas_slice -info slv1
出力
id = 67
name = slv1
acl = 0
in_use = False
type = slice
slice_of = d7
offset(MB)= 0
size (MB) = 2048
volume_name = slv1
注
slv1スライス ボリュームのin_useパラメータはFalseです。これは、このスライス ボリュームがファイル シス
テムにより使用されていないことを示します。
58
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ボリュームの管理
スライス ボリュームの削除
スライス ボリュームが大規模なメタボリューム構成の一部である場合、そのメタボリュー
ムからファイル システムを削除して、メタボリュームを削除してから、スライス ボリュー
ムを削除します。
アクション
スライス ボリュームを削除するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_slice -delete <slice_name>
ここで:
<slice_name> = 削除するスライス ボリュームの名前
例:
slv1のスライス ボリューム情報を削除するには、次のように入力します。
$ nas_slice -delete slv1
出力
id = 67
name = slv1
acl = 0
in_use = False
slice_of = d7
offset(MB)= 0
size (MB) = 2048
注
slv1スライス ボリュームのin_useパラメータはFalseです。これは、このスライス ボリュームがファイル シス
テムにより使用されていないことを示します。
スライス ボリュームの削除
59
ボリュームの管理
60
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
第6章
ファイル システムの管理
ここでは、既存のファイル システムを管理する方法について説明しま
す。特別に指定されていない限り、これらの手順は、すべてのシステム
モデルに適用されます。
ファイル システムを管理する場合のタスクは、次のとおりです。
トピック :
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
ファイル システムのエクスポート(62ページ)
ファイル システムの一覧(64ページ)
ファイル システム構成情報の表示(65ページ)
マウント ポイントの一覧表示(65ページ)
マウント済みファイル システムの一覧(66ページ)
マウントされているファイル システム1つのディスク領域の容量を
チェック(67ページ)
マウントされているファイル システムすべてのディスク領域の容
量をチェック(67ページ)
inodeの容量をチェック(68ページ)
ファイル システムの拡張(70ページ)
レプリケートされたファイル システムの拡張(72ページ)
ファイル システム サイズのしきい値を調節(74ページ)
NMFSに既存のファイル システムを追加(75ページ)
NMFSの移動(76ページ)
ファイル システムの名称変更(77ページ)
ファイル読み取り/書き込みパフォーマンスの改善(78ページ)
Data Moverからすべてのファイル システムをアンマウント(80ペー
ジ)
ファイル システムまたはNMFSの削除(82ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
61
ファイル システムの管理
ファイル システムのエクスポート
ファイル システムをNFSユーザーに使用できるようにするには、server_exportコマンド
を使用して、Data Moverからファイル システムにパスをエクスポートする必要がありま
す。server_exportコマンドが実行されるたびに、エントリーは、エクスポート テーブル
の既存のエントリーに追加されます。テーブルへのエントリーは永続的であり、システム
が再起動すると自動的に再エクスポートされます。
-option引数を使用して、次のものを指定します。
●
アクセス レベル
●
エクスポートされる各ファイル システムの認証方法
●
エクスポートされるファイル システムがNFSv4だけを使用してアクセスできるように
するかどうか
CIFSクライアントの場合、コンポーネント ファイル システムは共有されます。
ファイル システムをエクスポートする場合のタスクは、次のとおりです。
●
NFSアクセス用にData Moverからファイル システムをエクスポート(62ページ)
●
CIFSアクセス用にData Moverからファイル システムをエクスポート(63ページ)
●
NMFSのエクスポート(63ページ)
NFSアクセス用にData Moverからファイル システムをエクスポート
アクション
NFSアクセス用にファイル システムをエクスポートするには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ server_export <movername> -Protocol nfs -option <options> / <pathname>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
<options> = NFSエクスポート オプション
<pathname> = マウントするファイル システムのパス名
例:
ファイル システムufs2をNFSクライアントにエクスポートするには、次のように入力します。
$ server_export server_3 -Protocol nfs -option root=10.1.1.1 /ufs2
出力
server_3: done
62
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
CIFSアクセス用にData Moverからファイル システムをエクスポート
アクション
CIFSアクセス用にファイル システムをエクスポートするには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ server_export <movername> -Protocol cifs -name <sharename> / <pathname>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
<sharename> = 共有コンポーネント ファイル システムの名前
<pathname> = マウントするファイル システムのパス名
例:
ファイル システムufs2をCIFSクライアントにエクスポートするには、次のように入力します。
$ server_export server_3 -Protocol cifs -name ufs2 /ufs2
出力
server_3: done
NMFSのエクスポート
NMFSをエクスポートする場合、すべてのコンポーネント ファイルにアクセスを提供する
NMFSルートをエクスポートおよびマウントします。NMFSルートで設定されているオプショ
ンは、コンポーネント ファイル システムに反映されます。ただし、さまざまなエクス
ポート オプションを使用して、コンポーネント ファイル システムをエクスポートでき
ます。
NMFS階層でコンポーネント ファイル システムをエクスポートする場合、コンポーネント
ファイル システムのマウント ポイント パスだけをエクスポートできます。コンポーネ
ント ファイル システムのサブディレクトリはエクスポートできません。
ファイル システムのエクスポート
63
ファイル システムの管理
ファイル システムの一覧
アクション
すべてのファイル システムの一覧を表示するには、以下のように入力します。
$ nas_fs -list
出力
id inuse type acl volume name server
1 n 1 0 166 root_fs_1
2 y 1 0 168 root_fs_2 1
3 y 1 0 170 root_fs_3 2
4 y 1 0 172 root_fs_4 3
5 y 1 0 174 root_fs_5 4
6 n 1 0 176 root_fs_6
7 n 1 0 178 root_fs_7
8 n 1 0 180 root_fs_8
9 n 1 0 182 root_fs_9
10 n 1 0 184 root_fs_10
11 n 1 0 186 root_fs_11
12 n 1 0 188 root_fs_12
13 n 1 0 190 root_fs_13
14 n 1 0 192 root_fs_14
15 n 1 0 194 root_fs_15
16 y 1 0 196 root_fs_common 4,3,2,1
17 n 5 0 245 root_fs_ufslog
18 n 1 0 247 ufs1
注
列定義:
id:ファイル システムのID(自動的に割り当てられる)
inuse:ファイル システムがData Moverのマウント テーブルに登録されているかどうか(yの場合、登録され
ている、nの場合、登録されていない)
type:ファイル システムのタイプ
acl:ファイル システムのアクセス コントロール値
volume:ファイル システムが存在するボリューム
name:ファイル システムに割り当てられている名前
server:ファイル システムにアクセスするData MoverのID
64
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
ファイル システム構成情報の表示
ファイル システムがAVM機能を使用して作成された場合、ストレージ プールが関連づけ
られます。プール オプションは、そのファイル システムに関連づけられたストレージ
プールを識別します。そうでない場合、プール オプションの値がないか、空白になりま
す。
アクション
特定のファイル システムの構成情報を表示するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_fs -info <fs_name>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
例:
ufs1の構成情報を表示するには、次のように入力します。
$ nas_fs -info ufs1
出力
id = 18
name = ufs1
acl = 0
in_use = False
type = uxfs
volume = mtv1
pool =
rw_servers =
ro_servers =
rw_vdms =
ro_vdms =
symm_devs =
002806000209-006,002806000209-007,002806000209-008,002806000209-009
disks = d3,d4,d5,d6
マウント ポイントの一覧表示
アクション
Data Moverのマウント ポイントを一覧表示するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ server_mountpoint <movername> -list
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
例:
server_3のマウント ポイントを一覧表示するには、次のように入力します。
ファイル システム構成情報の表示
65
ファイル システムの管理
アクション
$ server_mountpoint server_3 -list
出力
server_3:
/.etc_common
/ufs1
/ufs1_snap1
マウント済みファイル システムの一覧
特定のData Moverに現在マウントされているすべてのファイル システム、およびそれぞ
れに割り当てられているオプションを一覧表示できます。
アクション
Data Moverにマウントされているすべてのファイル システムの一覧を表示するには、次のコマンド シンタ
クスを使用します。
$ server_mount <movername>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
例:
server_3にマウントされているすべてのファイル システムを一覧表示するには、次のように入力します。
$ server_mount server_3
出力
server_3:
fs2 on /fs2 uxfs,perm,rw
fs1 on /fs1 uxfs,perm,rw
root_fs_3 on / uxfs,perm,rw
66
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
マウントされているファイル システム1つのディスク領域の容量をチェック
ファイル システム領域は、限られたリソースであるため、注意して保守する必要があり
ます。nas_fsコマンドを使用すると、ファイル システムのディスク領域、つまり、割り
当てられている領域の合計量、現在空いている未使用の領域、使用されている領域の割合
を表示できます。
アクション
ファイル システムのディスク領域を表示するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_fs -size <fs_name>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
例:
ufs1で使用できる合計領域を表示するには、次のように入力します。
$ nas_fs -size ufs1
出力
total = 2041959 avail = 2041954 used = 6 ( 0% )(sizes in MB)
(blockcount = 4246732800 )
volume: total = 2073600 (sizes in MB) ( blockcount = 4246732800 )
root_fs_3 on / uxfs,perm,rw
マウントされているファイル システムすべてのディスク領域の容量をチェック
アクション
Data Moverのすべてのファイル システムの合計ディスク領域を表示するには、次のコマンド シンタクスを
使用します。
$ server_df <movername>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
例:
server_2のすべてのファイル システムの合計ディスク領域を表示するには、次のように入力します。
$ server_df server_2
マウントされているファイル システム1つのディスク領域の容量をチェック
67
ファイル システムの管理
出力
server_2: Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on
root_fs_common 15360 1392 13968 9% /.etc_common
ufs1 34814592 54240 34760352 0% /ufs1
ufs2 104438672 64 104438608 0% /ufs2
ufs1_snap1 34814592 64 34814528 0% /ufs1_snap1
root_fs_2 15360 224 15136 1% /
inodeの容量をチェック
inodeの数は、ファイル システムに含めることができるファイル名およびディレクトリ名
の数を定義します。inodeの容量は、特定のData Moverの単一ファイル システムまたはす
べてのファイル システムでチェックできます。作成時に、一定数のinodeがファイル シ
ステムに割り当てられます。
nas_fsコマンドは、ファイル システムに割り当てられているinodeの合計数、使用可能な
inodeおよび使用されているinode、ファイル システムで使用中のinodeの合計割合をリス
トします。
Data Moverでファイル システムのinode容量をチェックする場合のタスクは、次のとおり
です。
●
Data Mover上のある1個のファイル システムのinode容量を表示(68ページ)
●
Data Mover上のファイル システムすべてのinode容量を表示(69ページ)
Data Mover上のある1個のファイル システムのinode容量を表示
アクション
単一のData Mover上のinode容量を表示するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ server_df <movername> -inode <fs_name>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
<fs_name> = ファイル システムの名前
例:
ufs2のinode割り当ておよび可用性を表示するには、次のように入力します。
$ server_df server_2 -inode ufs2
68
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
出力
server_2: Filesystem inodes used avail capacity Mounted on
ufs2 12744766 8 12744758 0% /ufs2\
注
列定義:
Filesystem:ファイル システムの名前
inodes:ファイル システムに割り当てられているinode数の合計
used:ファイル システムにより使用されているinode数
avail:ファイル システムにより使用できる空きinode数
capacity:使用しているinode数の合計の割合
Mounted on:Data Moverのファイル システム マウント ポイントの名前
Data Mover上のファイル システムすべてのinode容量を表示
アクション
Data Mover上のファイル システムすべてのinode容量を表示するには、次のコマンド シンタクスを使用しま
す。
$ server_df <movername> -inode
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
例:
server_2上のファイル システムすべてのinode容量を表示するには、次のように入力します。
$ server_df server_2 -inode
出力
server_2: Filesystem inodes used avail capacity Mounted on
root_fs_common 7870 14 7856 0% /.etc_common
ufs1 4250878 1368 4249510 0% /ufs1
ufs2 12744766 8 12744758 0% /ufs2
ufs1_snap1 4250878 8 4250870 0% /ufs1_snap1
root_fs_2 7870 32 7838 0% /
inodeの容量をチェック
69
ファイル システムの管理
ファイル システムの拡張
はじめに
ファイル システムがその最大容量に到達しそうな場合、ボリュームを追加して、ファイ
ル システム サイズを増加できます。NMFSの合計容量を増加させるには、 既存のコン
ポーネント ファイル システムを拡張するか、新しいコンポーネント ファイル システム
を追加します。また、未使用のディスク ボリューム、スライス ボリューム、ストライプ
ボリューム、メタボリュームを使用してファイル システムを拡張することもできます。
ボリューム領域をファイル システムに追加すると、構築されるメタボリュームに領域が
追加されます。そのため、ファイル システムを拡張すると、その基礎となるメタボリュー
ムの合計サイズも拡張されます。
ファイル システムを拡張する場合、元のファイル システムと同じボリューム タイプで
拡張します。たとえば、ファイル システムの基礎となるメタボリュームがストライプ ボ
リュームで構成されている場合、同じサイズおよびタイプのストライプ ボリュームでファ
イル システムを拡張する必要があります。
AVMで作成されたファイル システムには、ストレージ プールが関連づけられています。
このようなファイル システムは、サイズを拡張できます。 ファイル システム構成情報
の表示(65ページ) では、ファイル システムにプールが関連づけられているかどうかを
判別する方法を説明しています。AVMで作成したファイル システムの拡張の詳細について
は、 「VNX Automatic Volume Managementによるボリュームとファイル システムの管理」
を参照してください。
手順
1. ファイル システムの拡張前に、次のコマンド シンタクスを使用して、そのサイズを
チェックします。
$ nas_fs -size <fs_name>
ここで:
<fs_name>
= ファイル システムの名前
例:
ufs1という名前のファイル システムのサイズをチェックするには、次のように入力し
ます。
$ nas_fs -size ufs1
出力:
total = 67998 avail = 67997 used = 0 (0%) (sizes in MB)
volume: total = 69048 (sizes in MB)
2. 次のコマンド シンタクスを使用して、ファイル システムを拡張します。
$ nas_fs -xtend <fs_name> <volume_name>
ここで:
<fs_name>
70
= ファイル システムの名前
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
<volume_name>
= ボリュームの名前
例:
ファイル システムufs1を拡張するには、次のように入力します。
$ nas_fs -xtend ufs1 emtv2b
出力:
id = 18
name = ufs1
acl = 0
in_use = True
type = uxfs
volume = mtv1, emtv2b
profile =
rw_servers= server_2
ro_servers=
rw_vdms =
ro_vdms =
symm_devs = 002804000190-0034,002804000190-0035,002804000190-0036,
002804000190-0037,002804000190-0040,002804000190-0041,002804000190-0042,
002804000190-0043
disks = d3,d4,d5,d6,d15,d16,d17,d18
disk=d3 symm_dev=002804000190-0034 addr=c0t3l8-15-0 server=server_2
disk=d4 symm_dev=002804000190-0035 addr=c0t3l9-15-0 server=server_2
disk=d5 symm_dev=002804000190-0036 addr=c0t3l10-15-0 server=server_2
disk=d6 symm_dev=002804000190-0037 addr=c0t3l11-15-0 server=server_2
disk=d15 symm_dev=002804000190-0040 addr=c0t4l4-15-0 server=server_2
disk=d16 symm_dev=002804000190-0041 addr=c0t4l5-15-0 server=server_2
disk=d17 symm_dev=002804000190-0042 addr=c0t4l6-15-0 server=server_2
disk=d18 symm_dev=002804000190-0043 addr=c0t4l7-15-0 server=server_2
3. ファイル システムの拡張後に、次のコマンド シンタクスを使用して、そのサイズを
チェックします。
$ nas_fs -size <fs_name>
ここで:
<fs_name>
= ファイル システムの名前
例:
拡張後にufs1という名前のファイル システムのサイズをチェックするには、次のよう
に入力します。
$ nas_fs -size ufs1
出力:
total = 138096 avail = 138096 used = 0 ( 0% ) (sizes in MB)
volume: total = 138096 (sizes in MB)
ファイル システムの拡張
71
ファイル システムの管理
レプリケートされたファイル システムの拡張
レプリケートされたファイル システムは、 VNX Replicatorの実行中に手動で拡張できま
す。スライス ボリュームは、ソース ファイル システムの拡張に必要です。
ソース ファイル システムを拡張する前に、次のことを実行します。
●
nas_fs -sizeコマンドを使用して、ファイル システムの現在のサイズを確認します。
nas_fsコマンドの-xtendオプションを使用して、ソース ファイル システムを拡張す
る場合、宛先ファイル システムが拡張されてから、ソース ファイル システムが拡張
されます。この処理により、ソースと宛先のファイル システム サイズが同一に保た
れます。
●
-xtend src_onlyオプションを使用すると、宛先ファイル システムに影響を与えるこ
となく、ソース(本番)ファイル システムのサイズを拡張できます。 VNX Replicator
に関連するコマンドの構文の詳細については、 「EMC VNX for Fileコマンド ライン
インタフェース リファレンス」 を参照してください。
●
ソースおよび宛先ファイル システムを拡張するだけの十分なボリューム領域があるか
確認します。
1. プライマリ サイトで、次のコマンド シンタクスを使用して、ソースおよび宛先ファ
イル システムの現在のサイズを確認します。
$ nas_fs -size <fs_name>
ここで:
<fs_name>
= ファイル システムの名前
例:
ソース ファイル システムsrc_ufs1の現在のサイズを確認するには、次のように入力
します。
$ nas_fs -size src_ufs1
出力:
total = 67998 avail = 67997 used = 0 (0%) (sizes in MB)
volume: total = 69048 (sizes in MB)
2. リモート サイトで、次のコマンド シンタクスを使用して、ソースおよび宛先ファイ
ル システムの現在のサイズを確認します。
$ server_df <fs_name>
ここで:
<fs_name>
= ファイル システムの名前
例:
ソースおよび宛先ファイル システムdst_ufs1の現在のサイズを確認するには、次のよ
うに入力します。
$ server_df server_2 dst_ufs1
72
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
出力:
Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on
ppfs1 4130288 97392 4032896 2% /pfs1
3. 次のコマンド シンタクスを使用して、ソース ファイル システム(プライマリ サイ
ト)を拡張します。
$ nas_fs -xtend <fs_name> <volume_name>
ここで:
<fs_name>
= ソース ファイル システムの名前
<volume_name>
= ボリュームの名前
例:
ソース ファイル システム(プライマリ サイト)を拡張するには、次のように入力し
ます。
$ nas_fs -xtend src_ufs1 mtv4
4. ファイル システムの拡張後に、次のコマンド シンタクスを使用して、そのサイズを
チェックします。
$ nas_fs -size <fs_name>
ここで:
<fs_name>
= ソース ファイル システムの名前
例:
拡張後にソース ファイル システムsrc_ufs1のサイズをチェックするには、次のよう
に入力します。
$ nas_fs -size src_ufs1
出力:
total = 138096 avail = 138096 used = 0 ( 0% ) (sizes in MB)
volume: total = 138096 (sizes in MB)
レプリケートされたファイル システムの拡張
73
ファイル システムの管理
ファイル システム サイズのしきい値を調節
使用容量が100%に到達すると、ファイル システムのパフォーマンスが低下するため、 VNX
システム は、ファイル システムで使用されている容量を監視し、ファイル システムの
使用容量が90%を超えると、イベントをトリガーします。このイベントの通知を取得する
には、 「Configuring Events and Notifications on VNX for File」 で説明されている
ように、イベント ログ(SNMPトラップまたはメール通知)を設定します。
ファイル システム サイズのしきい値が超えた場合、この問題を管理するために実行でき
る対処方法があります。ファイル システムからファイルを移動するか、ファイル システ
ム サイズを拡張できます。いずれの方法でも、使用容量率をしきい値よりも下げること
ができます。
たとえば、ファイル システムの使用容量が急速に増加すると予想した場合、ファイル シ
ステム サイズのしきい値を下げることができます。
ファイル システム サイズのしきい値を調整する場合のタスクは、次のとおりです。
●
すべてのファイル システムのファイル システム サイズしきい値を調整(74ページ)
●
単一Data Mover上でファイル システム サイズのしきい値を調整(75ページ)
すべてのファイル システムのファイル システム サイズしきい値を調整
1. すべてのファイル システムのサイズしきい値を変更するには、次のコマンド シンタ
クスを使用します。
$ server_param ALL -facility <facility_name> -modify <param_name>
-value <new_value>
ここで:
<movername>
= Data Moverの名前
<facility_name>
= パラメータが属するファシリティの名前
<param_name>
= パラメータの名前
<new_value>
= このパラメータの新しい値
例:
すべてのファイル システムのサイズしきい値を85%に変更するには、次のように入力
します。
$ server_param ALL -facility file -modify fsSizeThreshold -value 85
2. 次のように入力して、Data Moverを再起動します。
$ server_cpu ALL -reboot now
74
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
単一Data Mover上でファイル システム サイズのしきい値を調整
1. 単一Data Moverでファイル システム サイズのしきい値を変更するには、次のコマン
ド シンタクスを使用します。
$ server_param <movername> -facility <facility_name> -modify <param_name> -value <new_value>
ここで:
<movername>
= Data Moverの名前
<facility_name>
= パラメータが属するファシリティの名前
<param_name>
= パラメータの名前
<new_value>
= このパラメータの新しい値
例:
server_2のすべてのファイル システムのサイズしきい値を変更するには、次のように
入力します。
$ server_param server_2 -facility file -modify fsSizeThreshold -value 85
2. 次のコマンド シンタクスを使用して、Data Moverを再起動し、変更を有効にします。
$ server_cpu <movername> -reboot now
ここで:
<movername>
= Data Moverの名前
例:
server_2を再起動して変更を有効にするには、次のように入力します。
$ server_cpu server_2 -reboot now
NMFSに既存のファイル システムを追加
既存のファイル システムをNMFSに追加、あるいはファイル システムを修正または変更せ
ずに、NMFSから削除できます。
1. ファイル システムをData Moverから完全にアンマウントするには、次のコマンド シ
ンタクスを使用します。
$ server_umount <movername> -perm <fs_name>
ここで:
<movername>
<fs_name>
= Data Moverの名前
= アンマウントするファイル システムの名前
ファイル システム サイズのしきい値を調節
75
ファイル システムの管理
注: マウント ポイント パスを指定してData Moverからファイル システムを完全にアンマウン
トするには、-perm <fs_name>オプションではなく、-perm <mount_point>オプションを使用しま
す。
例:
fs1という名前のファイル システムを完全にアンマウントするには、次のように入力
します。
$ server_umount server_2 -perm /fs1
出力:
server_2: done
2. NMFSでファイル システムの新しいマウント ポイントを作成します。
3. 次のコマンド シンタクスを使用して、NMFSでファイル システムをマウントします。
$ server_mount <movername> -option <options> <fs_name> <mount_point>
ここで:
<movername>
= Data Moverの名前
<options>
= マウント オプションのリストをコンマで区切って指定
<fs_name>
= NMFSの名前
<mount_point>
= NMFSのパス名。「/nmfsパス/コンポーネント ファイル システム名」の
形式で指定
例:
nolockオプションを使用して、server_3のマウント ポイントにファイル システムを
マウントするには、次のように入力します。
$ server_mount server_3 -option nolock fs5/nmfs4/fs5
出力:
server_2: done
NMFSの移動
NMFSは、Data Mover間で移動できます。
1. 各コンポーネント ファイル システムを完全にアンマウントします。
2. NMFSを完全にアンマウントします。
3. NMFSを新しいData Moverにマウントします。
4. 新しいData MoverのNMFSに各コンポーネント ファイル システムをマウントします。
76
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
ファイル システムの名称変更
アクション
ファイル システムの名前を変更するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_fs -rename <old_name> <new_name>
ここで:
<old_name> = ファイル システムの既存の名前
<new_name> = ファイル システムの新しい名前
例:
ファイル システムの名前をufsからufs1に変更するには、次のように入力します。
$ nas_fs -rename ufs ufs1
出力
id = 18
name = ufs1
acl = 0
in_use = False
type = uxfs
volume = mtv1
rw_servers=
ro_servers=
rw_vdms =
ro_vdms =
symm_devs =
002806000209-006,002806000209-007,002806000209-008,002806000209-009
disks = d3,d4,d5,d
ファイル システムの名称変更
77
ファイル システムの管理
ファイル読み取り/書き込みパフォーマンスの改善
システムには、特定のタイプのファイルの読み取り/書き込みパフォーマンス特性を向上
させる内部メカニズムが装備されています。読み取りプリフェッチ メカニズムは、大規
模なファイルの読み取り処理を最適化します。これにより、大規模なファイルの読み取り
速度が最大100%向上します。このメカニズムは、デフォルトでは、サーバで有効にされて
います。ファイル システムのファイルの読み取りアクセス パターンが、主に小規模なラ
ンダム アクセスで構成されている場合だけ、このメカニズムを無効にしてください。ファ
イル読み取り/書き込みパフォーマンスを向上する場合のタスクは、次のとおりです。
●
特定のファイル システムに対する読み取りプリフェッチの無効化(78ページ)
●
Data Mover上のすべてのファイル システムに対する読み取りプリフェッチの無効化
(79ページ)
●
キャッシュされていない書き込みメカニズムの有効化(80ページ)
特定のファイル システムに対する読み取りプリフェッチの無効化
アクション
読み取りプリフェッチ メカニズムを無効にするには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ server_mount <movername> -option <options> , noprefetch <fs_name> <mount_point>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
<options> = マウント オプションをコンマで区切って指定
<fs_name> = ファイル システムの名前
<mount_point> = Data Moverのマウント ポイントへのパス。<mount_point>はスラッシュ(/)で始める必要が
あります
例:
ufs1の読み取りプリフェッチ メカニズムを無効にするには、次のように入力します。
$ server_mount server_3 -option rw,noprefetch ufs1 /ufs1
出力
server_3: done
78
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
Data Mover上のすべてのファイル システムに対する読み取りプリフェッチの無効化
1. 次のコマンド シンタクスを使用して、Data Mover上のすべてのファイル システムの
読み取りプリフェッチ メカニズムを無効にします。
$ server_param <movername> -facility <facility_name> -modify
prefetch -value 0
ここで:
<movername>
<facility_name>
= Data Moverの名前
= パラメータのファシリティ
例:
server_2のすべてのファイル システムのプリフェッチ メカニズムを無効にするには、
次のように入力します。
$ server_param server_2 -facility file -modify prefetch -value 0
2. 次のコマンド シンタクスを使用して、Data Moverを再起動します。
$ server_cpu <movername> -reboot
ここで:
<movername>
= Data Moverの名前
例:
server_2を即時に再起動するには、次のように入力します。
$ server_cpu server_2 -reboot now
ファイル読み取り/書き込みパフォーマンスの改善
79
ファイル システムの管理
キャッシュされていない書き込みメカニズムの有効化
書き込みメカニズムは、大容量ファイルへの接続がたくさんある、データベースのような
アプリケーションのパフォーマンスを改善します。これらのメカニズムにより、NFSプロ
トコルを介したデータベース アクセスが30%以上向上します。このメカニズムはデフォル
トでは無効にされています。ただし、ファイル システムで有効にできます。
アクション
ファイル システムのキャッシュされていない書き込みメカニズムを有効にするには、次のコマンド シンタク
スを使用します。
$ server_mount <movername> -option <options> , uncached <fs_name> <mount_point>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
<options> = マウント オプションをコンマで区切って指定
<fs_name> = ファイル システムの名前
<mount_point> = Data Moverのマウント ポイントへのパス。<mount_point>はスラッシュ(/)で始める必要が
あります
例:
ufs1というファイル システムのキャッシュされていない書き込みメカニズムを有効にするには、次のように
入力します。
$ server_mount server_3 -option rw,uncached ufs1 /ufs1
出力
server_3: done
Data Moverからすべてのファイル システムをアンマウント
Data Moverですべてのファイル システムをアンマウントする場合、特にファイル システ
ムを完全にアンマウントする場合、ファイル システムからNFSエクスポートをアンエクス
ポートし、CIFS共有を非共有にします。
ファイル システムのマウント方法を変更するには、server_umountコマンドを使用して
Data Mover上のファイル システムを完全にアンマウントしてから、ファイル システムを
再マウントします。
コンポーネント ファイル システムをNMFSからアンマウントすることもできます。
すべてのファイル システムをアンマウントする場合のタスクは、次のとおりです。
80
●
すべてのファイル システムを一時的にアンマウント(81ページ)
●
すべてのファイル システムを永続的にアンマウント(81ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
すべてのファイル システムを一時的にアンマウント
server_umountコマンドの-tempオプションは、デフォルトで使用されため、コマンドの一
部として指定する必要はありません。
アクション
すべてのファイル システムをData Moverから一時的にアンマウントするには、次のコマンド シンタクスを使
用します。
$ server_umount <movername> -temp -all
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
例:
server_2からすべてのファイル システムを一時的にアンマウントするには、次のコマンドを入力します。
$ server_umount server_2 -temp -all
出力
server_2: done
すべてのファイル システムを永続的にアンマウント
すべてのファイル システムをData Moverから完全にアンマウントすると、マウント テー
ブルの内容も削除されます。ファイル システムへのクライアント アクセスを再確立する
には、各ファイル システムをData Moverから再マウントして、マウント テーブルを再構
築する必要があります。
アクション
すべてのファイル システムをData Moverから完全にアンマウントするには、次のコマンド シンタクスを使用
します。
$ server_umount <movername> -perm -all
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
アクション
例:
server_2のすべてのファイル システムを完全にアンマウントするには、次のように入力します。
$ server_umount server_2 -perm -all
Data Moverからすべてのファイル システムをアンマウント
81
ファイル システムの管理
出力
server_2: done
ファイル システムまたはNMFSの削除
ファイル システムを削除して、そのディスク領域を解放するには、次に示す、ファイル
システムに関連づけられているすべてのエンティティを削除または切断する必要がありま
す。すべてのチェックポイント、BCV、スライス ボリューム、ストライプ ボリューム、
メタボリューム すべてのファイル システム エンティティを削除または切断すると、ス
トレージ領域をファイル システムに提供するディスク ボリュームは、ファイル サーバ
で使用可能な空き領域の一部になります。
ファイル システムを削除すると、ファイル システムのすべてのデータが削除されます。
そのファイル システムにチェックポイントが関連づけられている場合、ファイル システ
ムを削除する前にチェックポイントを削除します。ファイル システムを削除しても、ファ
イル システムに関連づけられているBCVからデータは削除されません。BCVのミラーリン
グを解除する方法については、 「VNXでのTimeFinder/FS、NearCopy、FarCopyの使用方
法」 を参照してください。
NMFSを削除するには、まずNMFSにマウントされているすべてのコンポーネント ファイル
システムを完全にアンマウントしてから、NMFSを完全にアンマウントします。nas_fsコマ
ンドの-deleteオプションを使用して、ファイル システムを削除します。 Data Moverか
らすべてのファイル システムをアンマウント(80ページ) では、ファイル システムの
完全なアンマウントの詳細について説明しています。
1. 保持するすべてのデータをバックアップします。
2. 次のコマンド シンタクスを使用して、ファイル システム構成をチェックし、ファイ
ル システムに関連づけられているストレージ プールがあるかどうか確認します(こ
の情報は後で必要になります)。
$ nas_fs -info <fs_name>
ここで:
<fs_name>
= ファイル システムの名前
プール出力ラインに値が表示された場合、ファイル システムにストレージ プールが
関連づけられています。
ファイル システムにストレージ プールが関連づけられていない場合、ステップ3に進
みます。ファイル システムにストレージ プールが関連づけられている場合、ステッ
プ4に進みます。
3. ファイル システムが構築されるメタボリューム名を判別して記録しておきます。この
メタボリューム名はステップ10で提供する必要があります。
$ nas_fs -info <fs_name>
ここで:
<fs_name>
82
= ファイル システムの名前
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの管理
注: ボリューム フィールドには、メタボリューム名が示されます。ディスク フィールドには、
ファイル システムのディスク プロビジョニング ストレージがリストされます。
4. ファイル システムにチェックポイントが関連づけられている場合、これらのチェック
ポイントおよび関連するボリュームを完全にアンマウントしてから削除します。
5. ファイル システムにBCVが関連づけられている場合、ファイル システムとそのBCV間
の接続を解除(アンミラーリング)します。
BCVのミラーリングを解除する方法については、 「VNXでのTimeFinder/FS、NearCopy、
FarCopyの使用方法」 を参照してください。
6. ファイル システムが、NFSエクスポート ファイル システムの場合、次のコマンド シ
ンタクスを使用して、ファイル システムへのクライアント アクセスを完全に無効に
します。
$ server_export <movername> -Protocol nfs -unexport -perm
<pathname>
ここで:
<movername>
<pathname>
= Data Moverの名前
= NFSエントリー
7. ファイル システムが、CIFSエクスポート ファイル システムの場合、次のコマンド
シンタクスを使用して、ファイル システムへのクライアント アクセスを完全に無効
にします。
$ server_export <movername> -Protocol cifs -unexport <sharename>
ここで:
<movername>
= Data Moverの名前
<sharename>
= 共有コンポーネント ファイル システムの名前
8. 次のコマンド シンタクスを使用して、ファイル システムをその関連づけられている
Data Moverから完全にアンマウントします。
$ server_umount <movername> -perm <fs_name>
ここで:
<movername>
<fs_name>
= Data Moverの名前
= ファイル システムの名前
注: NMFSを削除するには、NMFSのすべてのコンポーネント ファイル システムを完全にアンマ
ウントします。
9. 次のコマンド シンタクスを使用して、ファイル システムまたはNMFSを VNXシステム
から削除します。
ファイル システムまたはNMFSの削除
83
ファイル システムの管理
$ nas_fs -delete <fs_name>
ここで:
<fs_name>
= ファイル システムの名前
ファイル システムにストレージ プールが関連づけられている場合、ファイル システ
ム削除操作の一部として、AVMは、すべての基礎となるボリュームを削除して、他の
ファイル システムで使用できるように領域を解放します。
ファイル システムにストレージ プールが関連づけられていない場合、ステップ10に
進みます。ファイル システムの基礎となるボリュームが手動で作成されている場合、
手動で削除する必要があります。
10. 次のコマンド シンタクスを使用して、ファイル システムが作成されたメタボリュー
ムを削除します。
$ nas_volume -delete <volume_name>
ここで:
<volume_name>
= ボリュームの名前
11. メタボリュームにストライプ ボリュームが含まれている場合、ディスク領域が解放さ
れるまで、次のコマンド シンタクスを使用して、メタボリュームに関連づけられてい
るすべてのストライプ ボリュームを削除します。
$ nas_volume -delete <volume_name>
ここで:
<volume_name>
= ボリュームの名前
12. メタボリュームにスライス ボリュームが含まれている場合、ディスク領域が解放され
るまで、次のコマンド シンタクスを使用して、メタボリュームに関連づけられている
すべてのスライス ボリュームを削除します。
$ nas_volume -delete <volume_name>
ここで:
<volume_name>
= ボリュームの名前
13. ディスク領域を解放したら、次のコマンドを使用して、未使用のスライス ボリュー
ム、ストライプ ボリューム、メタボリュームをチェックします(これは、コマンド出
力の [inuse] 列の [n] で示されます)。
$ nas_volume -list
$ nas_slice -list
必要なすべてのディスク領域を解放するまで、未使用ボリュームを削除します。
84
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
第7章
ファイル システムの監視と修復
ファイル システムの整合性をチェックする場合、および損傷したファイ
ル システムを修理する場合のタスクは、次のとおりです。
トピック :
●
●
●
●
●
ファイル システム チェックの実行(86ページ)
このファイル システムでACLチェックを開始(86ページ)
ファイル システム チェックの一覧(87ページ)
ファイル システムにファイル システムのチェック情報を表示(87
ページ)
現在のファイル システム チェックすべてに関する情報の表示(88
ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
85
ファイル システムの監視と修復
ファイル システム チェックの実行
アクション
ファイル システムに対するfsck を開始および監視するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_fsck -start <fs_name> -monitor
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
例:
fsckをufs1で開始し、進行状況を監視するには、次のように入力します。
$ nas_fsck -start ufsl -monitor
出力
id = 27
name = ufs1
volume = mtv1
fsck_server = server_2
inode_check_percent = 10..20..30..40..60..70..80..100
directory_check_percent = 0..0..100
used_ACL_check_percent = 100
free_ACL_check_status = Done
cylinder_group_check_status = In Progress..Done
このファイル システムでACLチェックを開始
nas_fsckコマンドを使用すると、指定のファイル システムでfsckを手動で開始できます。
nas_fsckコマンドは、fsckおよびaclchkのステータスも一覧表示します。aclchkユーティ
リティは、ACLデータベースのエラーを検出および修正して、ファイル システムに保存さ
れている重複ACLレコードを削除します。aclchkonlyオプションは、マウントされている
がエクスポートされていないファイル システムだけに対して使用できます。アンマウン
トされたファイルシステムに対しては実行できません。デフォルトでは、fsckおよびaclchk
ユーティリティは有効にされています。
アクション
指定のファイル システムでACLチェックを開始するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_fsck -start <fs_name> -aclchkonly
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
例:
ACLチェックをufs1で開始し、進行状況を監視するには、次のように入力します。
$ nas_fsck -start ufsl -aclchkonly
86
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
ファイル システムの監視と修復
出力
ACLCHK: in progress for file system ufs1
ファイル システム チェックの一覧
アクション
現在のファイル システム チェックを一覧表示するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ nas_fsck -list
例:
現在のすべてのファイル システム チェックを一覧表示するには、次のように入力します。
$ nas_fsck -list
出力
id type state volume name server
23 1 FSCK 134 ufs2 4
27 1 ACLCHK 144 ufs1 1
ファイル システムにファイル システムのチェック情報を表示
アクション
単一ファイル システムにファイル システム チェック情報を表示するには、 次のコマンド シンタクスを使用
します。
$ nas_fsck -info <fs_name>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
例:
ufs2のファイル システム チェックに関する詳細を表示するには、次のように入力します。
$ nas_fsck -info ufs2
ファイル システム チェックの一覧
87
ファイル システムの監視と修復
出力
name = ufs2
id = 23
volume = v134
fsck_server = server_5
inode_check_percent = 100
directory_check_percent = 100
used_ACL_check_percent = 100
free_ACL_check_status = Done
cylinder_group_check_status = In Progress
現在のファイル システム チェックすべてに関する情報の表示
アクション
現在実行されているすべてのファイル システム チェック に関する情報を表示するには、次のコマンド シ
ンタクスを使用します。
$ nas_fsck -info -all
例:
現在実行されているすべてのファイル システム チェックに関する情報を表示するには、次のように入力し
ます。
$ nas_fsck -info -all
出力
name = ufs2
id = 23
volume = v134
fsck_server = server_5
inode_check_percent = 30
directory_check_percent = 0
used_ACL_check_percent = 0
free_ACL_check_status = Not Started
cylinder_group_check_status = Not Started
name = ufs1
id = 27
volume = mtv1
fsck_server = server_2
inode_check_percent = 100
directory_check_percent = 0
used_ACL_check_percent = 0
free_ACL_check_status = Not Started
cylinder_group_check_status = Not Started
88
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
第8章
トラブルシューティング
製品ラインのパフォーマンスと機能を継続的に改善および強化するため
の努力の一環として、EMCではハードウェアおよびソフトウェアの新規
バージョンを定期的にリリースしています。そのため、このドキュメン
トで説明されている機能の中には、現在お使いのソフトウェアまたはハー
ドウェアのバージョンによっては、サポートされていないものもありま
す。製品機能の最新情報については、お使いの製品のリリース ノートを
参照してください。
製品が正常に機能しない、またはこのドキュメントの説明どおりに動作
しない場合には、EMCカスタマー サポート担当者にお問い合わせくださ
い。
「VNXの問題解決ロードマップ」には、EMCオンライン サポートWebサイ
トの使用および問題の解決の詳細が記載されています。
次のようなトピックが含まれています。
トピック :
●
●
●
●
●
EMC E-Lab Interoperability Navigator(90ページ)
VNXユーザー カスタマイズ ドキュメント(90ページ)
既知の問題と制限事項(90ページ)
エラー メッセージ(91ページ)
EMCトレーニングおよびプロフェッショナル サービス(92ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
89
トラブルシューティング
EMC E-Lab Interoperability Navigator
EMC E-Lab™ Interoperability Navigatorは検索可能なWebベースのアプリケーションで
す。このアプリケーションから、EMC相互運用性サポート マトリックスにアクセスできま
す。これは、EMC Online Support Webサイト(http://Support.EMC.com)から入手できま
す。ログイン後、該当する[Support by Product]ページを探し、[Tools]を見つけて
[E-Lab Interoperability Navigator]をクリックします。
VNXユーザー カスタマイズ ドキュメント
EMCでは、ご使用の環境に合わせた手順ごとの計画、インストール、保守手順を作成する
機能を利用できます。VNXユーザー カスタマイズ ドキュメントを作成するには、次のア
ドレスに進みます: https://mydocs.emc.com/VNX。
既知の問題と制限事項
表 6(90ページ) では、ボリュームおよびファイル システムの使用時に発生する可能性
がある既知の問題について説明し、その解決策を示しています。
表 6. 問題と解決策
既知の問題
現象
Unisphereソフトウェアに、ファイル
システムの名前を変更するインタ
フェースがありません。
解決策
ファイル システムの名前を変更す
るには、Unisphereソフトウェアで使
用できるCLIコマンド エントリー
ページから、またはCLIで直接、適
切なCLIコマンドを入力します。
ファイル システムをマウントできま 多くの原因が考えられます。通常、 server_mount -allを実行して、マウ
せん。
エラー メッセージが表示されます ント テーブルのすべてのエントリー
が、表示されない場合もあります。 をアクティブにします。マウントされ
るファイル システムのリストを取得
この場合、マウント テーブル エン
し、エントリーを確認します。問題
トリーがすでに存在しています。
のファイル システムが(一時的ま
たは完全に)すでにマウントされて
いる場合、必要なステップを実行
してこれをアンマウントして、再試
行します。
アンマウントされるファイル システ ファイル システムが、システム再 永続的アンマウントを実行して、エ
ムが、システム再起動後にマウン 起動前に一時的にアンマウントさ ントリーをマウント テーブルから削
ト テーブルに再表示されます。
れていた可能性があります。
除します。
90
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
トラブルシューティング
表 6. 問題と解決策 (続き)
既知の問題
現象
解決策
新しいファイルをNMFSルート ディ NMFSルート ディレクトリは読み取 ファイルまたはフォルダをNMFS
レクトリで作成すると、ファイルが り専用です。
ルート ディレクトリに作成しようと
すでに存在しているというエラーが
しないでください。
発生します。
ディスク ボリュームをスライスでき エラー メッセージが表示され、スラ スライスするディスク ボリュームに
ません。
イスが作成されません。
十分な未使用領域があるか確認
するには、次のコマンド シンタクス
を使用します。
$ nas_volume -size
<volume_name>
エラー メッセージ
すべてのイベント メッセージ、アラート メッセージ、ステータス メッセージには、問
題のトラブルシューティングに役立つ詳細情報と推奨されるアクションが提供されていま
す。
メッセージの詳細を表示するには、次のいずれかの方法を使用します。
●
Unisphereソフトウェア:
•
●
CLI:
•
●
nas_message -info <MessageID>と入力します。<MessageID>は、メッセージのID番
号です。
「Celerra Error Messages Guide」:
•
●
イベント、アラート、ステータス メッセージを右クリックして選択し、[Event
Details]、[Alert Details]、[Status Details]を表示します。
このガイドで、それ以前のリリースのメッセージ形式でのメッセージに関する情報
を見つけます。
EMC Online Support Webサイト:
•
EMCオンライン サポートのWebサイトで、エラー メッセージの概要説明のテキスト
またはメッセージIDを使用してナレッジベースを検索してください。EMCオンライン
サポートログインした後、適切な[Support by Product]ページにアクセスし、エラー
メッセージを見つけます。
エラー メッセージ
91
トラブルシューティング
EMCトレーニングおよびプロフェッショナル サービス
EMCカスタマー エデュケーション コースは、インフラストラクチャに対する投資全体の
効果を最大限に高めるために、自社の環境内でEMCストレージ製品群を連携させる方法に
ついて学ぶのに役立ちます。EMCカスタマー エデュケーションの利点は、世界各国に設置
された便利な最新のラボで、オンライン トレーニングや実地トレーニングを受けられる
ことです。EMCカスタマー トレーニング コースは、EMCのエキスパートによって開発およ
び提供されています。コースおよび登録の情報については、EMC Online Support Webサイ
ト(http://Support.EMC.com)をご覧ください。
EMCプロフェッショナル サービスは、システムの効率的な導入を支援します。コンサルタ
ントがお客様のビジネス、ITプロセス、およびテクノロジーを評価し、所有する情報を最
大限に活かせる手法をお勧めします。ビジネス プランから導入まで、ITスタッフを酷使
したり新たな人材を採用したりせずに、必要な各種サポートを受けることができます。詳
細についてはEMCカスタマー サポート担当者にお問い合わせください。
92
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
付録 A
GIDサポート
次のようなトピックが含まれています。
トピック :
●
●
概要(94ページ)
GIDサポートに対する制約(94ページ)
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
93
GIDサポート
概要
システム ソフトウェアは、NFSおよびCIFSファイル システムで32ビットGID(グループ
ID)をサポートします。このサポートにより、最大2,147,483,647(約20億)のGID値が可
能になります。
GIDサポートに対する制約
GIDサポートには、次の制限事項が適用されます。
●
16ビットGIDサポートをData Moverで有効にしても、ファイル システムあたりの最大
GID 64,000は低下しません。GIDサポートの設定(32ビットまたは16ビット)に関係な
く、ファイル システムあたりの最大GIDは64,000です。
●
16ビットおよび32ビットGIDを有効にしたファイル システムは、単一Data Moverで混
在できます。gid32パラメータ設定を1から0に変更しても、パラメータを1に設定して
すでに作成されているファイル システムで32ビットGIDを無効にせずに、16ビットGID
でファイル システムを作成できます。また、gid32パラメータ値を0から1に変更して
も、既存のファイル システムで16ビットGIDサポートを無効にせずに、32ビットGIDの
ファイル システムを作成できます。
●
32ビットGIDサポートで作成されたファイル システムを16ビットGIDを使用するように
変換することはできません。16ビットGIDサポートで作成されたファイル システムを
32ビットGIDを使用するように変換することはできません。32ビットGIDサポートは、
パラメータを1に設定して作成されたファイル システムだけで機能します。16ビット
GIDサポートは、パラメータを0に設定して作成されたファイル システムだけで機能し
ます。
●
32ビットGIDのファイル システムをバックアップする場合、次のサーバ アーカイブ形
式を使用していると、データのリストア時にGID値が切り捨てられる危険性がありま
す。
•
emctar、最大31ビット
•
ustar、最大21ビット
•
cpio、最大15ビット
•
bcpio、最大16ビット
•
sv4cpio、最大21ビット
•
sv4crc、最大21ビット
•
tar、最大18ビット
このようなサーバ アーカイブ形式を使用して、32ビットGIDのファイル システムを
バックアップする場合、UIDが0に、またGIDが1に強制設定されることを示すメッセー
ジが表示されます。
94
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
GIDサポート
●
バックアップ アプリケーションによっては制限があります。アプリケーションが、32
ビットUID/GIDに対応できることを確認します。
ファイル システムが16ビットまたは32ビットGIDをサポートするか確認するコマンドはあ
りません。
GIDサポートに対する制約
95
GIDサポート
96
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
用語集
A
AVM(自動ボリューム管理)
管理者が手動でボリューム管理することなく、自動的にボリュームを作成して管理す
るVNX for Fileの機能。AVMは、ファイル システムへの割り当てが可能なストレージ プール
にボリュームを編成します。
シン プロビジョニングも参照してください。
B
business continuance volume (BCV)(ビジネス継続性ボリューム)
VNX for File上の本番(ソース)ボリュームに接続して完全に同期する、ミラーとして使用
されるSymmetrixボリューム。同期されたBCVはソース ボリュームから切り離され、ホストか
ら直接アドレス指定されて、バックアップおよびリストア処理、意思決定支援、アプリケー
ションのテストについてサービスを提供します。
I
-inode
ファイル システム内のファイルについての情報を保持する [オン ディスク] データ構造。
この情報で、 VNX FileMoverのスタブ ファイル、ディレクトリ、シンボリック リンクを含
むファイルのファイル タイプを識別します。
V
volume
VNX for File上で、ファイル システム、データベース管理システム、その他のアプリケー
ションがデータを配置する仮想ディスク。ボリュームには、単一のディスク パーティション
または1台以上の物理ドライブ上での複数のパーティションが含まれます。
ディスク ボリューム、メタボリューム、スライス ボリューム、ストライプ ボリュームも参
照してください。
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
97
用語集
き
期限切れ状態
保存期間が過ぎたファイルの状態。期限切れ状態のファイルはロック状態に戻すか、または
FLRが有効なファイル システムから削除できますが、変更することはできません。
こ
コンポーネント ファイル システム
ネスト マウント ルート ファイル システムにマウントされたファイル システム。ネスト
マウント ファイル システムの一部を構成します。
す
ストライプ ボリューム:
単一ボリュームとして認識されるボリュームの配置。ボリューム全体におよぶ、インターレー
ス方式で処理されるストライプ ユニットを使用できます。ストライプ ボリュームを使用す
ると、ロード バランシングが可能になります。
ディスク ボリューム 、メタボリューム 、スライス ボリューム も参照してください。
ストレージ プール
利用可能なストレージをファイル システムに割り当てるために使用するAVMによって編成さ
れる利用可能なディスク ボリュームのグループ。これらのグループは、AVMを使用して自動
的に作成することも、ユーザーが手動で作成することもできます。
自動ボリューム管理も参照してください。
スライス ボリューム
VNX for File上で、小規模で管理しやすいストレージ単位を作成するのに使用されるボリュー
ムの論理部分または指定された領域。
ディスク ボリューム、メタボリューム、ストライプ ボリューム、ボリュームも参照してく
ださい。
つ
追加専用状態
ファイル内のデータの変更はできないが、ファイルの末尾に新しいデータの追加は可能であ
るファイルの状態。また、ファイル自体は削除できません。追加専用状態のファイルの書き
込みが完了するとすぐに、そのファイルを読み取り専用にすることでロック状態にし、保存
期間を経過するまで追加専用状態が維持されます。
て
ディスク ボリューム:
VNX for File上で、ストレージ アレイからエクスポートされる物理ストレージ ユニット。
他のすべてのボリューム タイプは、ディスク ボリュームから作成されます。
メタボリューム、スライス ボリューム、ストライプ ボリューム、ボリュームも参照してく
ださい。
98
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
用語集
ね
ネスト マウント ファイル システム(NMFS)
ネストされたマウント ルート ファイル システムとコンポーネント ファイル システムを含
むファイル システム。
ネスト マウント ファイル システム ルート
コンポーネント ファイル システムが読み取り専用として(コンポーネント ファイル シス
テムのマウント ポイントを除く)マウントされているファイル システム。
ひ
非ロック状態
作成時のファイルの初期状態。ロックされていないファイルは、FLR(ファイルレベル リテ
ンション設定)が有効になっていないファイル システムに存在するファイルと同様に扱われ
ます。これは、ファイルがロックされない限り、ファイルの名前変更、修正、削除が可能で
あることを意味します。
ふ
ファイル システム
システム上でファイルとディレクトリをカタログ化して管理する方式。
ファイルレベル リテンション設定(FLR)
NFSまたはCIFSオペレーションを使用して、標準の再書き込み可能な磁気ディスクにデータを
保存し、永続的で不変のファイル セットやディレクトリ セットを作成するための機能。
追加専用状態 、期限切れ状態 、ロック状態 、非ロック状態 、保存期間 も参照してくださ
い。
ほ
保存期間
FLRが有効なファイル システム内のロック状態のファイルが保護される期限。ユーザーおよ
びアプリケーションは、NFSまたはCIFSを使用してファイルの保存期間を管理し、ファイルの
最終アクセス時間をこれから先の日時に設定します。ファイルの保存期間が経過しているか
を判断するために、保存期間のタイムスタンプがファイル システムのFLRクロックと比較さ
れます。
本番ファイル システム(PFS)
VNX for Fileの本番ファイル システムです。PFSはSymmetrixボリューム、またはVNX for Block
LUN上に構築され、VNX for File内のData Mover上にマウントされます。
め
メタボリューム
VNX for File上で、ディスク ボリューム、スライス ボリューム、またはストライプ ボリュー
ムから構成される連結ボリューム。ハイパーボリュームまたはハイパーとも呼ばれます。ファ
イルシステムはそれぞれ、固有のメタボリューム上に作成する必要があります。
ディスク ボリューム、スライス ボリューム、ストライピング ボリューム、ボリュームも参
照してください。
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
99
用語集
ろ
ロック状態
ファイルレベル リテンション設定が有効になっているファイル システムにおいて、読み取
り/書き込み権限が読み取り専用に変更されたときのファイルの状態。ロック(WORM)状態に
コミットされたファイルは、その保存期間が経過するまで、変更または削除することができ
ません。
論理ユニット番号(LUN)
SCSIコマンドを処理するSCSIまたはiSCSIオブジェクトの識別番号。LUNとは、SCSIオブジェ
クトのSCSIアドレスの最後の部分です。LUNは論理ユニットのIDですが、この用語はしばしば
論理ユニット自体のことを指す場合にも使用されます。
100
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
索引
GIDサポート(続く)
制限事項 94
B
BCV(ビジネス継続性ボリューム)
構成 25
M
MPFS。「MPFS(Multi-Path File System)」を参
照 28
MPFS(マルチパス ファイル システム) 28, 33
統合時の考慮事項 33
C
CAVA
統合時の考慮事項 13
D
N
一覧表示
マウント済みファイル システム 66
マウント ポイント 65
Data Moverからファイル システムをアンマウン
ト
一時的 81
永続的 81
nas_dbデータベース
注意事項と制限事項 14
nas_fsck 86, 87, 88
NMFS、エクスポート 63
NMFS(ネスト マウント ファイル システム)
詳細 28
NMFSのエクスポート 63
E
R
EMC E-Lab Navigator 90
RAIDグループの組み合わせ 42
Replicator
統合時の考慮事項 33
F
fsck
ACLチェックの開始 20
システム パフォーマンス 14
注意事項 14
ファイル システム チェックの実行 20
ファイル システムの修復 19
fsSizeThresholdパラメータ 74, 75
S
server_mountコマンド 47, 78, 80
SnapSure
統合時の考慮事項 13, 33
SRDF
G
GIDサポート
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
101
索引
SRDF(続く)
統合時の考慮事項 33
T
TFTP。「TFTP(Trivial File Transfer
Protocol)」を参照 27
TFTP(Trivial File Transfer Protocol)
プロトコル 27
TimeFinder/FS
統合時の考慮事項 13, 32
せ
制限事項
GIDサポート 94
nas_dbデータベース 14
TimeFinder/FS 13
ち
V
VNX Replicator 33
え
エラーメッセージ 91
く
注意事項 13, 14
fsck 14
fsckプロセス 14
nas_dbデータベース 14
ストレージ システムの分散 13
スライス ボリューム 13
ファイル システム 13
て
クォータ
統合時の考慮事項 13, 32
こ
国際文字サポートUnicode文字 13
コンポーネント ファイル システム
アンマウント 80
拡張 70
作成 51
さ
削除
ストライプ ボリューム 56
ファイル システム 82
メタボリューム 56
作成
ストライプ ボリューム 39
ボリューム 36
す
ストライプ ボリューム
削除 56
作成 39
説明 22
パフォーマンスの改善 22
名称変更 54
スライス ボリューム
102
スライス ボリューム(続く)
仕組み 21
名称変更 54
ディスク ボリューム
説明 21
ファイル システム領域の解放 82
未使用 36
名称変更 54
と
統合時の考慮事項
Replicator 33
SnapSure 33
SRDF 33
TimeFinder/FS 32
クォータ 32
ファイルレベル リテンション設定 33
トラブルシューティング 89
は
パラメータ
fsSizeThreshold 74, 75
ふ
ファイル システム
永続的
マウント 48
概念 18
クォータ 13, 32
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
索引
ファイル システム(続く)
サイズのガイドライン 28
削除 82
すべてアンマウント
一時的 81
永続的 81
マウント済みの表示 66
ミラーリング 26
割り当て済みディスク領域の解放 82
ファイル システム サイズのしきい値 74, 75
fsSizeThresholdパラメータ 74, 75
変更
Data Mover用 74, 75
ファイル システム サイズのしきい値を調整 75
ファイル システム サイズのしきい値を調節 74
ファイル システムのクォータ 13
ファイル システムの自動拡張 33
ファイルレベル リテンション設定
統合時の考慮事項 33
プロトコル
MPFS(マルチパス ファイル システム) 28
TFTP(Trivial File Transfer Protocol) 27
ボリューム(続く)
スライス 21
ディスク 21
名称変更 54
メタボリューム 23, 24
アドレス指定 24
メタボリュームの構成 23
容量、チェック 54
ボリュームのクローン作成 55
ほ
名称変更
ストライプ ボリューム 54
スライス ボリューム 54
ディスク ボリューム 54
メタボリューム 54
メタボリューム 18, 23, 24, 39, 54, 56
アドレス指定 24
概念 18
構成ガイドライン 23
削除 56
作成 39
名称変更 54
メッセージ、エラー 91
ボリューム
BCV 25
BCV構成 25
概念 18
管理、作成
ストライプ ボリューム 39
メタボリューム 39
クローン作成 55
サイズ 54
削除 56
作成 36
使用可能領域 54
ストライプ 22
ストライプ ボリューム
構成ガイドライン 31
パフォーマンス 22
ま
マウント ポイント
一覧表示 65
作成 47
み
ミラーリングされたファイル システム 26
め
よ
容量
ボリューム 54
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
103
索引
104
VNX上でのボリュームとファイルシステムの手動による管理 7.0
Fly UP