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2 - 経済産業省
経済産業省 通商政策局 アジア大洋州課 御中
平成26年度日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
(日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査)
最終報告書
デロイト トーマツ コンサルティング株式会社
2015年2月27日
【最終報告のポイント】(1/6)
 1 JIEPAの実績評価:
マクロ経済的観点

【日本からインドネシアへの二国間フロー】
• JIEPA発効後は日本からインドネシアへの直接投資の成長率が特に高く(CAGR70%)、両国の経済的連携強化に貢献
 日本からインドネシアへは、自動車産業を中心とする日系企業の現地生産の拡大に起因し、直接投資が大幅に増加
• 日本からインドネシアへの貿易構造は、「輸出型」から「現地化」にシフト
 貿易収支においては、日本からインドネシアに対し、現地生産の拡大に伴う工場機械の輸出が拡大

【インドネシアから日本への二国間フロー】
• JIEPA発効後はインドネシアから日本への貿易収支は依然輸出超過となっており、インドネシアの対日黒字を下支え
インドネシアから日本への鉱物性燃料を中心とした輸出超過が依然大きく、引き続き拡大
• (参考)他方、日本はインドネシアの最大の輸出相手国であるものの、資源の輸出先として中国の位置づけが急速に向上
2
企業行動の観点−物品分野−
 「実際に活用されているか」【日本側視点・インドネシア側視点】
• 原産地証明書の発給件数は、2008年の発効以降、日本及びインドネシア両国において堅調に増加
• 日本とインドネシアの原産地証明書の発給件数では、インドネシアから日本への輸出時の方が多い
 「ニーズとマッチしているか」
• リーマンショックの影響を勘案し、JIEPA貿易拡大効果指数(JIEPA締結前後のCAGRの伸び) により関税削減の貿易拡大効果を測定
A :全体/分野別:関税削減が貿易拡大に寄与しやすい分野はあるか−関税削減と貿易拡大の相関分析
A
【日本側視点】
• 高付加価値分野で日本からの輸出が引き続き多い品目について、関税削減と貿易拡大効果指数の相関あり
 鉄鋼、医薬品、精密機器・計測機器、自動車関連製品(一部)など
• 他方、現地生産が進む分野では相関なし
 冷蔵庫等の家電製品、プラスチック製品、化学製品など
【インドネシア側視点】
• 価格センシティビティが高い分野で関税削減と貿易拡大効果指数の相関あり
 水産品、木材、皮・革製品、繊維、衣類など
【最終報告のポイント】(2/6)
B :品目別:関税削減された品目の貿易は拡大しているか−関税削減品目の貿易額増加の状況分析
【日本側視点】
• JIEPAの貿易拡大効果が大きかった品目カテゴリは、鉄鋼、機械類及びその部品、電気機器及びその部品、自動車及びその製品
 JIEPA貿易拡大効果指数ベースでは、冷却圧延をした鉄鋼、黒色インク、エレベータ・コンベヤ・ベアリング等の機械類及び
その部品、高炉などが上位
 貿易額(2013年)ベースでは、エンジン、フラットロール製品、ギヤボックス及びその部品、測定用または検査用の機器、
黒色インク、ハンドル、ステアリングコラムなどの自動車部品、アクリル樹脂、射出式又は圧縮式の成型用の型、再生繊維又は半合
成繊維の長繊維のトウが上位
【インドネシア側視点】
• JIEPAの貿易拡大効果が大きかった品目カテゴリは、水産品、水産調整品、木材及びその製品、綿及び綿織物、人造繊維の
長繊維、人造繊維の短繊維、衣類、紡織用繊維、履物
 JIEPA貿易拡大効果指数ベースでは、綿製の男性用シャツ、綿製のトレーナー、その他綿製のカーディガン・ベスト等に類するもの
など、上位10品目が全て繊維・衣類が独占(JIEPAの貿易拡大効果は、繊維・衣類が最大)
 貿易額(2013年)ベースでは、シュリンプ及びプローン、合板、シューズ、ズボン・ショーツやスーツ・ジャケットを含む衣類などが上位
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析:
②
2008年以降の消費市場としてのインドネシアの変化
(1) 政治: 政権交代/規制制度の変化
国内産業保護・育成のための規制強化の動きや食の安心・安全に関する規制強化などが顕著
(2)経済: 所得拡大(中間層拡大・富裕層の拡大)
中間層世帯が31%から46%にまで拡大することにより、ボリュームゾーンとなる消費者層が拡大するとともに、消費がより多様化/
高所得者世帯が9%から21%に拡大することにより、高付加価値の商品・サービスの消費者層が拡大
(3)社会: 社会課題の変化/インフラ整備
国内需要拡大に伴う電力不足・価格高騰や、食料流通の高度化に伴う食の安心・安全問題、大気汚染・水質汚染や交通渋滞など
による環境問題が深刻化
(4)技術: 技術革新・新技術の普及
モバイル端末によるSNSやeコマースの利用が進展。eコマースの広がりでチャネル構造が変化することから、日用品・化粧品などで
新たなシェアを獲得するチャンスが拡大。スマートシティ関連の取組みが拡大
⇒ これらから、「インドネシアにおける有望市場の変化」 、「日本企業が求めるビジネス環境の内容の変化」を分析・示唆を導出
3
【最終報告のポイント】(3/6)
2008年以降の消費市場としてのインドネシアの変化(続き)
 消費市場としてのインドネシア変化分析例−自動車分野
• 「インドネシアにおける有望市場の変化」
 低価格セグメントのボリュームゾーン化が進展
 中古車市場の拡大による参入機会の拡大
 低燃費・環境対応車の人気の拡大
• 「日本企業が求めるビジネス環境の変化」
 小売・サービス業の外資規制撤廃
 次世代車の整備・解体業者への技術協力による自動車産業の周辺事業機会の確保
 コア技術のリバースエンジニアリングを防ぐ知的財産保護環境の整備
 消費市場としてのインドネシア変化分析例−エレクトロニクス
• 「インドネシアにおける有望市場の変化」
 競争力のある製品の変化・・・洗濯機、冷蔵庫、エアコンなどの日系企業のシェアが拡大
 省エネ製品の人気拡大・・・電力不足による省エネ家電の人気拡大/(制度未整備・競争激化により)高い省エネ技術による
商品品質訴求が困難となる可能性も
 将来的なチャネル構造の変化・・・eコマース普及に伴う高度物流事業の立ち上がりへの期待
• 「日本企業が求めるビジネス環境の変化」
 電力インフラ整備・・・地方における電化率の向上、安定供給を実現する電力インフラ整備
 省エネレベルの評価環境の整備・・・日系企業にとって強みの省エネ技術が適切に評価されるための規制・人材・設備の整備
 新チャネルの立ち上げ支援・・・チャネル構造の変化のドライブとなるデジタル技術などのICTインフラ、決済、物流の支援
4
【最終報告のポイント】(4/6)
 消費市場としてのインドネシア変化分析例−食品
• 「インドネシアにおける有望市場の変化」
 食品流通のグローバル化・・・進出食品企業が自社で直販可能な配送網を整備するほか、日系物流企業の進出が進展
 小売業態の変化・・・CVS、ミニマーケット、高級スーパーなどの近代的小売店が増加
 高付加価値食品市場の拡大・・・健康や美容に資する食品や高級食材などへの需要が増加
 安全性の高い食品の人気拡大・・・食品の安心・安全への関心の高まり、ハラル認証食品の需要の拡大
• 「日本企業が求めるビジネス環境の変化」
 小売・サービス業の外資規制緩和・・・CVSをはじめとする小売・レストラン業などの外資規制の緩和/投資奨励条件の明確化
 近代的な流通プロセス整備支援・・・港湾・道路インフラの整備、コールドチェーンを構築するための企業間連携支援
 食品の安全性・機能性を認証する制度の整備・・・健康効果表示制度、品質レベルやハラルなどの認証基盤の整備
2008年以降の生産拠点としてインドネシアの変化
(1) 政策の変化:
 政権 (大統領選後の新政権によるインドネシアの産業育成・輸出構造転換に向けた政策の維持・変化)
 規制・制度 現地調達要求、現地加工義務、輸入ライセンス規制などの国内産業保護・育成のための規制強化/
インドネシア規格(SNI)の活用を推奨・義務化
(2) バリューチェーン上の変化:
 開発・設計 製品・部品の開発・設計が現地化の方向へ転換/当局の執行能力の欠如によるデザイン侵害などの知的財産侵害
事例が増加
 調達 地場裾野産業は、QCDを満たせず、依然未成熟/完成品メーカーが育成も兼ね、地場裾野産業からの調達を拡大する方
向/日本からの中間財の輸入が、加工が容易なものを中心にASEAN域内・中国へシフト
 生産 内需拡大・現地調達奨励策によって、完成品メーカーに加え、サプライヤーの進出が進み、現地生産が拡大/
近年、賃金コストの上昇により、地方への拠点移転の増加、加工プロセスにおける機械化志向の高まり
 物流 物流インフラ不足による生産拠点・輸出拠点としての制約の深刻化
 流通 主として内需向けであるものの、近年最終財の輸出が拡大・輸出先も多様化
5
⇒ これらから、「インドネシアにおける生産拠点としての位置づけの変化」、「日本企業が求めるビジネス環境の内容の変化」を分析・示唆を
導出
【最終報告のポイント】(5/6)
• 「インドネシアの生産拠点としての位置づけの変化」
 日本からの輸入品目の変化・・・コア部材を含む現地生産の進展、各種生産機械の輸出の増加
 輸出拠点としての位置づけの向上・・・現地生産拡大に伴い、内需対応に加え、輸出拠点としての利用が拡大
 現地生産拡大ニーズと裾野産業の実態の乖離拡大・・・裾野産業による生産制約から、引き続き高付加価値部材は日本からの
輸入頼み
• 「日本企業が求めるビジネス環境整備内容の変化」
 日系中小企業がより進出しやすい環境整備・・・ファシリティマネジメント、レンタルオフィス・倉庫の拡充など中小企業が進出
しやすい環境の整備
 現地生産ネットワークの補完・拡大・・・裾野産業の強化及び開発・設計などの現地化拡大のための産業人材育成への協力
 港湾・経済回廊・工業団地などのインフラ整備の加速・・・地方を含めた港湾整備、工業団地との連結の円滑化、経済回廊など
のインフラ整備への経済協力
2008年以降のインドネシア経済の変化
(1) 財政赤字の深刻化
 原油価格の上昇による国内価格抑制のため補填する補助金単価の上昇、国内エネルギー需要拡大による石油輸入量の拡大を
原因としたエネルギー補助金の増大
(2) 経常赤字への転落:
 旺盛な内需による中間財・最終財の輸入拡大、未熟な国内産業に起因する国内生産・供給力不足による輸入の増大
 内需拡大による(資源中心の)輸出余力の低下、国際市況の影響による資源輸出の不安定化に起因する輸出力の低下
(3) 貿易相手国としての中国の台頭
 中国はインドネシアからの資源輸入を拡大。インドネシアも、国内需要の拡大に伴い、中国からの中間財・最終財の輸入を拡大し
ており、中国との貿易相互依存が進行
(4) ASEANとの貿易・投資の拡大
 経済成長・産業発展に伴うサプライチェーンの相互補完性が強まると同時に、AECに向けてASEANとの貿易円滑化の取組みが
進展していることから、ASEANとの経済統合が加速
6
【最終報告のポイント】(6/6)
2008年以降のインドネシア産業政策の変化
(1) 国内インフラ整備への外資呼び込み加速・・・PPPを通じた、外国投資促進によるインフラ整備の推進
(2) 資源・エネルギー政策の転換・・・エネルギー源の多様化・石油消費抑制による石油依存からの脱却、
石炭・天然ガスの国内供給の優先
(3) 重点産業の高付加価値化
 資源加工業・・・優遇措置による資源加工業への投資拡大、未加工資源の輸出禁止などのを通じた、付加価値産業としての資源
加工業の育成
 製造業・・・優遇措置による製造業への投資拡大、現地調達・加工の義務化による製造業の育成・強化(輸送機械、電子・ICT、
医薬品)、流通製品の安全性向上のための国内規格・認証の推奨・義務化(SNI規格、ハラル認証)
 小売・サービス業・・・内資保護・外資規制強化による地場小売業・サービス業の保護・育成
2008年以降のインドネシア通商政策の変化
(1) 経済協力:協力分野における中国シフト
 中国の経済協力拡大・・・対インドネシア経済協力(経済合作)は急速に拡大しており、援助額は33億ドル(2008年)から87億ドル
(2010年)へ(契約額ベース)/国家間協力プロジェクトが増加
 日本のプレゼンスの低下・・・対インドネシア経済協力(ODA)は減少しており、援助額は13.6億ドル(2008年)から8.2億ドル
(2010年)へ/国家間協力プロジェクトは減少しており、民間投資活用へシフト
7
最終報告書 目次
1
JIEPA活用実績評価
9
1-1. JIEPA活用実績評価アプローチ
9
1-2. マクロ経済的観点による実績評価
11
1-3. 企業行動の観点による実績評価
59

2
物品貿易
優遇関税の活用実績の分析
62
関税削減と貿易拡大の相関分析
65
関税削減品目の貿易額の変化分析
79
日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-1 2008年以降の変化に対する日本の視点


8
87
87
消費市場としてのインドネシア
87
変化分析例−自動車
109
変化分析例−エレクトロニクス
135
変化分析例−食品
151
生産拠点としてのインドネシア
177
2-2 2008年以降の変化に対するインドネシアの視点

59
インドネシアの経済・産業政策・通商政策の変化−全体像
248
248
インドネシア経済の変化
250
インドネシアの産業政策の変化
286
インドネシアの通商政策の変化
306
1 JIEPA活用実績評価
1-1. JIEPA活用実績評価アプローチ
1-2. マクロ経済的観点による実績評価
1-3. 企業行動の観点による実績評価
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価アプローチ
アプローチの観点
JIEPA活用実績評価のステップ
経済データの
選定
マクロ経済的観点
 貿易収支
 投資・サービス収支 等
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
調査・分析の実施
実績評価の実施
 グローバル経済
における日本と
インドネシアの
連携(結びつき)
の変化分析
調査・分析方法の
選定
企業行動の観点
活用実績評価は、マクロ経済的観点から、貿易・投資・サービス収支等の統計データに基づく評価を行うとともに、
企業行動の観点からは、特に物品貿易分野について、評価軸を設定し、調査・分析を実施し、実績評価を行う
10
1 JIEPA活用実績評価
1-1. JIEPA活用実績評価アプローチ
1-2. マクロ経済的観点による実績評価
1-3. 企業行動の観点による実績評価
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価アプローチ
アプローチの観点
JIEPA活用実績評価のステップ
経済データの
選定
マクロ経済的観点
 貿易収支
 投資・サービス収支 等
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
調査・分析の実施
実績評価の実施
 グローバル経済
における日本と
インドネシアの
連携(結びつき)
の変化分析
調査・分析方法の
選定
企業行動の観点
活用実績評価は、マクロ経済的観点から、貿易・投資・サービス収支等の統計データに基づく評価を行うとともに、
企業行動の観点からは、特に物品貿易分野について、評価軸を設定し、調査・分析を実施し、実績評価を行う
12
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
論点
分析すべき経済データ
1
分析実施方法(詳細)
貿易収支
二国間の財貨(モノ)の
輸出入収支の変化分析
2
サービス収支
二国間のサービス取引の
収支の変化分析
←→
二国間国際収支
JIEPAは
グローバル経済における
日本とインドネシアの
連携(結びつき)に寄与したか
3
所得収支
尼で日系資産が生み出す利益・配当
(主な投資収益)と国内尼側資産による
利益・配当それぞれの差額の変化分析
4
5
 JIEPA発効後の二国間収支
の対世界成長率との比較
分析
• 【国際収支比較基準】
政府間の無償資金援助、出稼ぎ
就労者の母国への送金の変化分析
 二国間国際収支の増減の
ベンチマークとして、対世界
データを参照し、2009-2013
年のCAGRを比較・分析
直接投資
 マクロ動向変化の背景となる
個別事情を精査
経常移転収支
国境を越えた経営への支配を目的とした
投資の変化分析
(参考)企業/人の移動
JIEPAによる優遇関税の
活用実績の推移分析
︵
参考︶
二国間
貿易構造
(参考)東アジアにおける財別貿易動向
東アジアにおける
輸出入構造の変化分析
 素材・中間財・最終財の
輸出入動向の把握
• 2008年と2012年の東アジア内
貿易動向比較
13
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点
実績評価サマリ(1/3):全体分析・評価
日本側視点
インドネシア側視点
全体分析・
評価
 JIEPA発効後は日本からインドネシアへの直接投資の成長率が特に高く(CAGR70%)、両国の経済的連携強化に貢献
• 日本からインドネシアへは、自動車産業を中心とする日系企業の現地生産の拡大に起因し、直接投資が大幅に増加
 日本からインドネシアへの貿易構造は、「輸出型」から「現地化」にシフト
• 貿易収支においては、日本からインドネシアに対し、現地生産の拡大に伴う工場機械の輸出が拡大
 JIEPA発効後はインドネシアから日本への貿易収支は依然輸出超過となっており、インドネシアの対日黒字を下支え
• インドネシアから日本への鉱物性燃料を中心とした輸出超過が依然大きく、引き続き拡大
 (参考)他方、日本はインドネシアの最大の輸出相手国であるものの、資源輸出先として中国の位置づけが急速に向上
インドネシアの対日輸出額の推移
日本の対インドネシア直接投資額の推移
18
(10億USD)20
(100万USD)
日本以外から
の投資
15
10
20%
0
40
32
5
5
その他
2009
日本からの
投資 33%
30
90%
製造業
2013
その他
22
20
(参考)日本からインドネシアに対する工場機械の輸出
(10億円)
97
100
10
72
53
50
26
33
0
0
2009
14
54%
48%
2010
2011
出所:Bank Indonesia、日本銀行等の資料を基にDTC作成
2012
2013
*: 工場機械は、HS8454-8463,8477、8480を例として集計
2009
2012
鉱物性燃料
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点
実績評価サマリ(2/3):個別収支の分析サマリ−日本側視点(日本からインドネシアへのフロー)による分析
経済データ及び収支
収支
(日本側視点)
1
貿易収支
+18%
+18%
+6%
+19%
+14%
+14%
•
•
黒字
-2%
+11%
+3%
+3%
0%
+7%
+18%
+18%
(受取超過)
日本にとっては、日系メーカーの海外生産の増加を受けた特許等使用
料の受取が増加/また、現地インフラ建設の増加に伴う建設サービス
収支による受取が増加
•
日本にとっては、日系メーカーによる現地工場新設・増産による直接
投資収益の拡大によって、日本への収益送金による受取が増加
他方、インドネシアにとっては、日系メーカーのみならず、外資系企業
の投資による世界への収益送金が増加
•
赤字
•
日本にとっては、インドネシアにおける日系企業及び在留日本人増加
等に伴うインドネシアからの労働者送金受の受取が増加
•
日本にとっては、日系メーカーによる現地工場新設・増産による
対インドネシア投資が大幅に増加/また、自動車・二輪車・建設機械
を中心とした部品メーカーの進出による投資が拡大
(支払超過)
+4%
+13%
+70%
+70%
(対外投資
超過)
+20%
 日本は、世界と比べ、モノ・サービス・投資いずれも
インドネシア重視であり、「稼ぎ先」として
15 インドネシアシフトが鮮明
+40%
+40%
日本からは、インドネシアに対する自動車産業を中心とする投資拡大
に伴い、生産機械・原材料品の輸出が増加/また、インドネシアの
インフラ整備に伴い、インフラ・鉱業分野の建設機械の輸出が増加
他方、インドネシアにとっては、内需拡大によって、日本を含め、世界
からの輸入も同程度に成長
•
(受取超過)
5
直接投資
インドネシアにとっての
日本の位置付け
 市場としてのインドネシアは、世界からモノを輸入・消費。
他方、現地産業育成の観点からは、世界に比べ、
日本からの直接投資が大きく貢献
直接投資拡大の効果が
他収支へ波及
黒字
4
経常移転収支
二国間フロー変化の背景となる経済・産業動向
赤字
3
所得収支
日本にとっての
インドネシアの位置付け
(輸入超過)
2
サービス収支
日本側の経常黒字(受取)に貢献する
二国間フローのCAGR(2009-2013年間)の比較
日本から見た、インドネシアとの
二国間関係は、特に直接投資
によって強化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点
実績評価サマリ(3/3):個別収支の分析サマリ−インドネシア側視点(インドネシアから日本へのフロー)による分析
経済データ及び収支
収支
(インドネシア側視点)
1
貿易収支
日本にとっての
インドネシアの位置付け
•
インドネシアからは、液化天然ガス、石炭・原油などを中心とした鉱物性
燃料が対日輸出の5割強を占め、増加が継続
+0%
•
+14%
-3%
•
インドネシアにとっては、従来、日本からの受取の大きな割合を占めていた
旅行収支が、日本人訪問者の減少に伴い黒字幅が縮小。他方、従来から訪
問者の多い国(星・豪州)に加え、中国からの訪問者も増加し、受取が拡大
日本は、海外旅行者数の減少に伴い、対世界の旅行収支の支払も減少
+33%
+33%
+9%
+9%
+11%
+14%
+0%
黒字
赤字
(支払超過)
3
所得収支
インドネシアにとっての
日本の位置付け
二国間フロー変化の背景となる経済・産業動向
(輸出超過)
2
サービス収支
インドネシア側の経常黒字(受取)に貢献する
二国間フローのCAGR(2009-2013年間)の比較
赤字
•
インドネシアにとっては、日本からの受取が増加しているが、これはリーマ
ンショックからの復帰による伸びと推定される (∵インドネシア企業の日本
進出は進んでいない)
•
インドネシアとっては、日本からの対インドネシアODAが縮小し、支払は減少
傾向である一方、日系企業の進出に伴う海外事業リスク関連の保険金の支
払に伴い、日本からの受取が増加
•
インドネシアも含め、日本への対内直接投資は、依然低迷。2013年に
前年を上回る対内直接投資額を記録するものの、本邦株価上昇に伴う
増加であり、簿価ベースでは前年並み
(支払超過)
+13%
-6%
+7%
+7%
+3%
-2%
(+35%)
(+35%)
4
経常移転収支
黒字
(受取超過)
5
直接投資
(対内投資
超過)
(+25%)
(+50%)
+40%
 インドネシアにとって、世界と比べ、日本は鉱物性燃料を  市場としての日本は、世界からモノを輸入・消費するものの、
中心としたモノの輸出先としての重要性が依然高い
インドネシアは鉱物性燃料の輸入元として重視/日本への
投資では、特段大きなフローはなし
16
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点
中国
日本
貿易構造の変化
(参考)東アジアにおける財別貿易動向:対尼貿易構造の変化サマリ
 インドネシアからの素材輸入への依存を強め、貿易量ベースで、素材輸入が中間財輸入を上回るなど、二国間貿易構造が変化
しつつある
 加えて、中国から、消費市場としてのインドネシアに対し、最終財の輸出が大きく拡大している
 日本からの全体の貿易量は全体的に増加しているものの、インドネシアの中国・ASEANとの取引増加に伴い、相対的にインドネ
シアの貿易量に占める割合は減少傾向
 貿易構造としては、貿易量ベースで引き続きインドネシアからの素材の輸入が多い一方、中間財の輸入は減少。他方、進出メーカ
ーによる現地調達が進むものの、日本からインドネシアへの中間財の輸出は増加傾向を維持
素材*の流れ
中間財*の流れ
 インドネシアからは素材の輸出が拡大
 貿易量は、中国・ASEAN域内との間で倍増
単位:100万USD
財ごとの貿易動向サマリ
韓国
中国
6,115
4,814
523
6,019
12,017
25
ASEAN域内
2008年
日本
 インドネシアは、日中韓・ASEAN域内の
中間財の生産・供給拠点化が進む
 相対的に中国・ASEANとの関係が強化
韓国
中国
6,557
105
5,885
8,715
16,796
インドネシア
13,119
韓国
551
ASEAN域内
12,493
14,043
519
2,094
22,020
17
インドネシアの輸出
1,514
10,602
76
韓国
8,461
15,891
ASEAN域内
20,143
38,204
4,421
6,863
24,683
中国
日本
14,018
韓国
2,141
13,930
9,848
10,385
1,088
11,587
40,203
ASEAN域内
10,178
日本
3,972
1,533
6,443
11,068
インドネシア
インドネシア
17,672
2,750
インドネシア
28,464
12,357
日本
928
ASEAN域内
6,594
39,544
インドネシアの輸入
*: 素材、中間財(加工品、部品)、最終財(資本財、消費財)の区分は国連分類に基づき、貿易財の生産工程における性質から、各産業の貿易データを3つのカテゴリーに集約し、分類したもの(RIETI分類)
出所:RIETI-TIDを基にDTC作成
610
6,011
29,563
中国
インドネシア
凡例:
17,608
29,896
日本
6,074
2012年
韓国
中国
インドネシア
18,367
17,281
 インドネシアは、最終財は主に内需向けで
あり、輸出規模は小規模
 中国・ASEAN域内からの輸入量が拡大
日本
5,972
ASEAN域内
4,515
中国
最終財*の流れ
29,119
17,370
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
1
貿易収支の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間貿易収支
日本の対世界貿易収支
日本からインドネシアへの輸出
(億円)
日本から世界への輸出
(億円)
世界から日本への輸出
インドネシアから日本への輸出
日本側視点:
40,000
1,000,000
+6%
32,018
500,000
+18%
29,294
30,000
26,557
25,998
23,492
26,952
24,456
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
21,616
20,000
16,355 16,889
13,962 14,151
13,080
10,000
9,495
インドネシアの対世界貿易収支
19,152
18,603
10,499
9,962
8,501
(100万USD)
インドネシアから世界への輸出
世界からインドネシアへの輸出
300,000
+19%
8,674
200,000
100,000
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
日本の対インドネシア輸出は成長率18%(2009-2013年)であり、
これは日本の対全世界輸出成長率6%を上回ると同時に、世界の対インドネシア輸出成長率19%と同水準
18
出所:日本銀行、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
1
貿易収支の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間貿易収支(再掲)
日本の対世界貿易収支(再掲)
日本からインドネシアへの輸出
(億円)
(億円)
インドネシア側視点:
インドネシアから日本への輸出
1,000,000
40,000
日本から世界への輸出
世界から日本への輸出
+14%
32,018
500,000
+9%
29,294
30,000
26,557
23,492
26,952
25,998
24,456
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
21,616
20,000
16,355 16,889
13,962 14,151
13,080
10,000
9,495
インドネシアの対世界貿易収支(再掲)
19,152
18,603
10,499
9,962
8,501
(M USD)
インドネシアから世界への輸出
世界からインドネシアへの輸出
300,000
+11%
8,674
200,000
100,000
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
インドネシアの対日輸出は成長率9%(2009-2013年)であり、
これはインドネシアの対全世界輸出成長率11%及び世界の対日輸出の成長率14%も少し下回る水準
19 出所:日本銀行、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
1
貿易収支の推移(内訳)
実績評価の実施
日本からインドネシアへの輸出内訳
輸出が拡大したセグメント例*
日本からインドネシアへの輸出内訳
(10億円)
(100万USD)
工場機械
25,000
20,337
20,000
その他
17,733
15,000
20%
電気機器
12%
19%
12%
9,334
5,000
27%
22%
33
2009
2010
2011
2012
97
107
104
一般機械
30%
30%
原料別製品
22%
化学製品
7%
23%
23%
0
150
100
2010
2011
2013
66
40
(10億円)
2009
2010
2011
232
244
2012
2012
2013
400
300
200
274
155
302
鉄鋼
100
アルミ
0
2009
97
0
13%
31%
53
26
50
自動車素材
16%
14%
72
(10億円)
建設機械
輸送用機器
22%
15,857
10,000
150
100
50
0
2009
2010
2011
2012
2013
日本からのインドネシアへの輸出は、一般機器、電気機器、輸送機器等の機器類、
鉄鋼・非鉄金属・化学等の原材料品が多い
*: 建設機器は、HS8425-8431を集計、工場機械は、HS8454-8463,8477、8480を例として集計している
20 出所:JETRO資料、財務省データを基にDTC作成
プラスチック
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
1
貿易収支の推移(内訳)
実績評価の実施
インドネシアから日本への輸出内訳
輸出が拡大したセグメント例*
インドネシアから日本への輸出内訳
(100万USD)
(100万USD)
40,000
20,000
17,792 17,638
33,923
30,000
28,002
21,825
20,000
52%
48%
47%
13,089
石油製品
10,533
類を集計︶
27
10,000
原油および粗油
鉱物性燃料 ︵
輸送用機器
その他 電気機器
5%
一般機械
原料別製品
(非鉄金属・繊維製品等)
原料品 化学製品
15%
食料品
4%
液化天然ガス(LNG)
鉱物性燃料
54%
石炭
鉱物性燃料その他
0
0
2009
2010
2011
2012
2009
2010
2011
2012
インドネシアから日本への輸出は、全体の5割強を鉱物性燃料が占め、拡大が継続している
21 出所:JETROデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
1
貿易収支の推移
実績評価の実施
(参考)インドネシアの輸出先の内訳推移
(参考)インドネシアの輸入元の内訳推移
(10億USD)
(10億USD)
250
250
200
150
190
200
192
その他
35%
150
その他
38%
100
50
11%
6%
22%
8%
21%
8%
8%
22%
21%
10%
8%
10%
20%
16%
16%
17%
中国
11%
マレーシア
6%
インド
7%
アメリカ
8%
韓国
8%
シンガポール
9%
100
50
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
22 出所:ADBのデータを基にDTC作成
11%
12%
0
日本への輸出額が依然大きいものの、
中国の伸び率が高い
9% 10%
13%
日本
16%
0
マレーシア
6%
インド
2%
アメリカ
6%
韓国
6%
シンガポール
14%
12%
9%
11%
9%
12%
15%
15%
中国
15%
11%
日本
12%
14%
10%
13%
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
中国が日本を上回り最も高い構成比を占めており、
日本の輸入額は相対的に低下傾向
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
2
サービス収支の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間サービス収支
(億円)
日本の対世界サービス収支
日本からインドネシアへの輸出(日本の受取)
(億円)
インドネシアから日本への輸出(インドネシアの受取)
日本の世界への輸出(世界の受取)
世界の日本への輸出(世界の受取)
日本側視点:
200,000
-2%
4,000
+14%
100,000
3,273
3,103
3,000
0
2,042
2,330
1,980
2,216
2,051
1,915
1,724
1,825
2,000
1,868
1,729
2,560
1,531 1,568
1,455
1,384
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2,319
インドネシアの対世界サービス収支
1,904
インドネシアの世界への輸出(インドネシアの受取)
1,511
(100万USD)
40,000
世界のインドネシアへの輸出(世界の受取)
+11%
1,000
20,000
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
日本の対インドネシア輸出は成長率14%(2009-2013年)であり、
これは日本の対全世界輸出成長率−2%を上回ると同時に、世界の対インドネシア輸出成長率11%を上回る
23 出所:日本銀行、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
2
サービス収支の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間サービス収支(再掲)
(億円)
日本の対世界サービス収支(再掲)
日本のインドネシアへの輸出(日本の受取)
日本の世界への輸出(日本の受取)
(億円)
インドネシアの日本への輸出(インドネシアの受取)
4,000
世界の日本への輸出(世界の受取)
インドネシア側視点:
200,000
-3%
0%
3,273
100,000
3,103
3,000
2,042
2,330
1,980 2,216
2,051
1,915
1,825 1,724
2,000
1,868
1,729
2,560
1,531 1,568
1,455
1,384
2,319
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
1,904
インドネシアの対世界サービス収支(再掲)
インドネシアの世界への輸出(インドネシアの受取)
1,511
(100万USD)
40,000
世界のインドネシアへの輸出(世界の受取)
+14%
1,000
20,000
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
インドネシアの対日輸出は成長率0%(2009-2013年)であり、
これはインドネシアの対全世界輸出成長率14%に及ばないものの、世界の対日輸出の成長率−3%を上回る
24 出所:日本銀行、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
2
サービス収支の推移(内訳)
実績評価の実施
インドネシアの日本からの受取内訳
日本のインドネシアからの受取内訳
その他サービス収支
旅行収支
その他サービス収支
旅行収支
特許使用料
輸送収支
特許使用料
輸送収支
建設収支
(億円)
建設収支
(億円)
4,000
4,000
3,271
3,104
3,000
3,000
2,562
2,000
1,980
1,825
1,727
1,916 1,868
2,042 2,051
1,904
1,532 1,568 1,455
2,331
2,214
2,000
1,383
1,000
37%
6%
0
海外生産の増加を
受けた特許等使用
料の受取増加
1,722
1,511
1,000
2,319
25%
26%
9%
4%
18%
6%
28%
5%
31%
7%
33%
47%
4%
4%
36%
31%
5%
現地インフラ建設の増
加に伴う受取増加
7%
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
インドネシア・首都圏投資促進
特別地域(MPA)策定
経済開発迅速化・拡大
マスタープラン(MP3EI)策定
日本からインドネシアへのサービス収支は、日系企業の現地生産の拡大等に伴う特許等使用料の
受取の増加、現地インフラ建設の増加に伴う建設収支による受取が拡大している
25 出所:日本銀行データを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
2
サービス収支の推移
実績評価の実施
(参考)日本の対世界サービス収支:世界の日本からの受取(=日本の支払)内訳
(億円)
200,000
178,996
167,599
161,301
150,000
144,642
150,239
137,709
138,036
145,648
133,255
121,967
その他サービス収支
100,000
29%
26%
20%
17%
特許等使用料
16%
50,000
17%
17%
16%
15%
建設収支
13%
旅行収支
輸送収支
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
日本の対世界サービス収支のうち、日本からの支払では、旅行収支は継続的に減少している
26 出所:日本銀行データを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
2
サービス収支の推移
実績評価の実施
(参考)日本の対世界サービス収支:日本の世界からの受取(=世界の支払)内訳
(億円)
200,000
153,034
150,000
147,130
138,323
128,679
119,521
125,304
114,991
108,694
120,231
108,092
その他サービス収支
100,000
50,000
11%
10%
7%
33%
32%
33%
2004
2005
2006
7%
33%
特許等使用料
建設収支
7%
29%
8%
9%
26%
27%
27%
28%
27%
2009
2010
2011
2012
2013
8%
10%
11%
0
2007
2008
日本の対世界サービス収支のうち、日本の受取では、
2009年以降、輸送収支、旅行収支ともに増加傾向にある
27 出所:日本銀行データを基にDTC作成
旅行収支
輸送収支
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
2
サービス収支の推移
実績評価の実施
(参考)各国の年間インドネシア訪問人数
(千人)
9,000
8,044
8,000
7,650
7,003
7,000
6,234
6,000
5,321
5,000
その他
3%
米国
14%
欧州
42%
ASEAN
6,324
5,506
5,002
24%
4,871
4,000
3,000
2,000
中国
1,000
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
9%
韓国
4%
6%
日本
2012
日本からの訪尼人数は低迷し、一方で中国やアセアンからの訪尼人数が増加している
28 出所:Statistics Indonesiaデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
2
サービス収支の推移(内訳)
(参考)その他サービス収支(建設):MPA(ジャカルタ首都圏投資促進特別地域)構想によるインフラ投資の拡大
プログラム
既着手
/合計
PJT数
都市高速鉄道(MRT)を中核とした新都市交通システ
ム
2/5
都市内および周辺道路網の整備
1/3
都市再開発の推進
0/1
上水および下水の改善
1/4
廃棄物処理
1/2
洪水管理
1/3
新港湾・新空港周辺地域の開発
0/2
アカデミック・リサーチ・クラスター
0/1
新しいサブ成長回廊内の道路および鉄道網の整備
2/5
新しいサブ成長回廊内の道路および鉄道網の整備
0/1
ジャカルタ首都圏第二港湾(チラマヤ新港)の開発
1/3
 ジャカルタ近郊における、2020年までの、投資促進・インフラ
整備支援のビジョン(2010年策定)
 チラマヤ新港や首都高速鉄道(MRT)の建設プロジェクトは、早
期実施案件として優先的に着手
 2020年までに、約440兆ルピア規模の資金が必要。内、約125
兆ルピアは、外国援助による資金協力を期待。
⇒ 日本政府は、ODAの活用を積極的に検討
MPA構想の予算配分
 総予算:
441 ,200 BIL IDR
123.200
(30%)
110.500
(27%)
111.200
(27%)
66.400
(16%)
都市環境開発
Jabodetabek
地域開発
都市環境
開発
Jabode
tabek
地域開発
ジャカルタ港の改善(タンジュンプリオク地区・北カリバ
マルチ
ゲートウェ ル地区開発など)
新国際空港の開発
イ
マルチゲートウェイ
低酸素社会
低酸素
社会
1/2
0/1
スカルノ・ハッタ空港の改善
2/2
低炭素型電力の開発
6/8
スマートグリッドの開発
1/2
※太字は既に、着手済みのインフラ関連PJT
インドネシア政府は、2010年から、首都圏を中心とした、湾岸、上下水道、及び航空インフラ整備に着手
29 出所:JICAデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
2
サービス収支の推移(内訳)
(参考)その他サービス収支(建設):MP3I(経済開発迅速化・拡大マスタープラン)によるインフラ投資の拡大
6つの経済回廊に対する必要投資
MP3EI概要
 2011年5月にインドネシア政府が発表した経済開発のマスター
プラン
 2025年までに名目GDPを4.0-4.5兆ドルにまで引き上げ、世界経
済トップ10の高所得国入りを目指すことを明記
21%
1,290
945 309
8%
3%
民間
622
パプア∼
マルク
24%
SOE
政府
51%
133
バリ∼ヌサ・
トゥンガラ
32%
スラウェシ
18%
カリマンタン
投資
割合
ジャワ
 インフラ投資のうち、約3割はPPPを含む民間資金による建設を
計画している
6つの経済回廊
Mix
18%
10%
714
スマトラ
4,000
3,000
2,000
1,000
0
4,012
合計
 経済発展の手段として、6つの経済回廊を定義し、各回廊におけ
る代表的な産業の育成とインフラ整備を両立させることを提唱
(IDR Tn)
セクター別
投資割合
15%
インフラに対する必要投資
(IDR Tn)
1
6
4
スラウェシ
5
バリ−ヌサ・
トゥンガラ
6
パプア−マルク
投資
割合
19%
7%
38%
2%
18%
1%
MP3EIによりインフラ投資が加速。このうち、約3割はPPPを含む民間資金による建設を計画
30 出所:MASTERPLAN, Acceleration and expansion of indonesia economic development 2011-2025、JICA資料のデータを基にDTC作成
14%
31
その他
カリマンタン
242
ICT
3
18
水道
ジャワ
鉄道
2
航空
スマトラ
32
326
電力
1
681
港湾
5
117
道路
2
339
合計
2000
1500
1000
500
0
4
3
1,786
2%
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
2
サービス収支の推移(内訳)
(参考)その他サービス収支(建設):インフラ投資案件(例)
インドネシアにおけるPPP案件事例
セクター
上水道
政府契約機関
申請企業名
• 水道公社(PDAM) • バンダルランプン市・ウンブランの案件をはじめ、
複数の案件がP/Q段階
または
•
西スマランなど、P/Q段階直前の案件も存在
• 地方政府
•
電力
• PT PLN
•
•
電力
(地熱)
• 地方政府(事業許
可)
•
• PT PLN(PPA)
• 公共事業省道路
有料道路
総局有料道路管
理庁(BPJT)
空港
• 運輸省下の航空
総局
港湾
• 運輸省下の港湾
総局
• Port Authority
•
•
•
•
•
•
•
鉄道
• 運輸省鉄道総局
(都市間鉄道)
•
• 州政府(州内鉄道)
中部ジャワ石炭火力発電事業において民間事業
者が選定され、PPAと保証契約が締結
南スマトラ山元石炭火力発電事業9 号10 号の案
件はP/Q を発行
試掘前での事業許可の入札が進められてきたが、
一部の例外を除き、試掘は進められていない
地熱ファンドを利用したPPP パイロットプロジェクト
を開始予定
複数のPPP 案件のパイプラインが存在
BOT 案件が多数融資契約締結に至らず停滞
クルタジャティ空港がPPP 案件として検討中
スカルノハッタ国際空港の拡張等で
SOE(PTAngkasa Pura2)が実施
タンジュン・プリオク港北カリバル地区拡張計画が
PPP で検討されたものの、SOE(PT Pelindo 2)と
の随意契約となった
チラマヤ港については、ODA とPPP の組み合わ
せも検討中
空港連絡線(既存のタンゲラン線利用)が検討され
たものの、SOE(PTKAI)が実施
中央カリマンタン石炭輸送鉄道は、PPP 案件とし
て検討され、P/Q が完了
日系企業のインフラ開発関与例
種別
企業名
案件概要
•
• 三井住友建設 •
• 八千代エンジ
ニヤリング
• 間組
•
•
タンジュンブリオク港緊急リハビリ事
業(2011年)
•
•
クラマサン火力発電所拡張事業
現地企業(PT.WASKITA KARYA、
PT. JAYA KONSTRUKSI
MANGGALA PRATAMA TBK)と共
同実施(2011年)
ジャワ幹線鉄道電化・複々線化事業
(I)(2012年)
円借款 • 東洋建設
• 鹿島建設
(フェーズI)
• 大林組
(フェーズII)
• 三菱重工
• 三井住友建設
無償
協力
•
• オリエンタルコンサル • マラッカ海峡及びシンガポール海峡
船舶航行安全システム計画
タンツ、日本航
(2011年)
路標識協会
•
PPP
タンジュンプリオク港アクセス道路建
設事業
現地企業HUTAMA KARYAと共同実
施(2010年)
プルイット排水機場緊急改修計画
(詳細設計)(2010年)
• Jパワー
• 伊藤忠商事
•
高効率石炭火力IPP事業で現地企業
Adaro Energy TBkと組み受注(2011
年)
石炭火力発電所2基を建設、操業か
ら発電事業まで一括実施
日系企業は、ODAから現地政府系機関とのPPP方式による契約まで、幅広くインフラ開発に関与
出所:インドネシア共和国PPPハンドブック、JICA、各社プレスリリース等を基にDTC作成
31 出所:PPP Infrastructure Projects Plan in Indonesia 2013, Ministry of National Development Planning
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
3
所得収支の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間所得収支
日本の対世界所得収支
日本のインドネシアからの受取
(億円)
日本の世界からの受取
(億円)
日本側視点:
インドネシアの日本からの受取
300,000
+3%
6,000
世界の日本からの受取
0%
200,000
5,051
5,000
4,483
4,359
4,008
3,941
4,000
100,000
3,538 3,616
3,552
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
3,108
3,000 2,883
インドネシアの対世界所得収支
世界のインドネシアからの受取
(M USD)
2,000
インドネシアの世界からの受取
+7%
30,000
20,000
1,000
10,000
24
20
31
28
17
9
11
12
17
28
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
日本のインドネシアからの受取は成長率+3%(2009-2013年)であり、これは世界のインドネシアからの受取の成長率
+7%に及ばないものの、日本の世界からの受取の成長率0%を上回る
32 出所:日本銀行、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
3
所得収支の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間所得収支(再掲)
日本の対世界所得収支(再掲)
日本のインドネシアからの受取
(億円)
(億円)
日本の世界からの受取
インドネシア側視点:
インドネシアの日本からの受取
300,000
世界の日本からの受取
6,000
+4%
200,000
100,000
5,051
5,000
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
4,483
インドネシアの対世界所得収支(再掲)
4,359
4,000
3,538
(M USD)
4,008
3,941
3,616
3,552
+33%
20
31
28
17
9
インドネシアの世界からの受取
+15%
30,000
20,000
3,108
3,000 2,883
24
0
世界のインドネシアからの受取
11
12
10,000
17
28
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
日本の対インドネシア支払は成長率+33%(2009-2013年)であるが、
日本からインドネシアへの支払は依然小規模に留まっている
33 出所:日本銀行、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
3
所得収支の推移(内訳)
実績評価の実施
インドネシアの日本からの受取(=日本の支払)内訳
(億円)
雇用者収益
証券投資収益
その他投資収益
直接投資収益
100
日本のインドネシアからの受取内訳
(億円)
雇用者収益
証券投資収益
その他投資収益
直接投資収益
6,000
5,051
5,000
80
4,482
4,362
4,009
3,942
4,000
3,539 3,617
60
3,555
3,108
3,000 2,882
40
28
23
20
28
26
19
16
15
9
9
2,000
44%
1,000
9
29% 26% 25%
0
30%
41%
41%
42%
24% 28%
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
インドネシアの日本からの所得収支の受取は、
直接投資収益(配当金および再投資収益)が大きな影響を与えている
34 出所:日本銀行データを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
所得収支の推移(内訳)
3
実績評価の実施
(参考)世界の日本からの受取内訳
(億円)
250,000
(参考)日本の世界からの受取内訳
雇用者報酬
証券投資収益
その他投資収益
直接投資収益
(億円)
250,000
239,885
証券投資収益
その他投資収益
直接投資収益
207,698
202,440
200,000
雇用者報酬
200,000
193,050
182,233
169,408
150,000
164,231
163,067 163,096
150,000
128,682
64%
65%
64%
67%
100,000
100,000
67%
66%
68%
63%
71%
70,565
59,104
50,000
42,909
31,958
43%
44%
71%
59,455
36,739 36,979
45%
43%
53%
62%
66%
45,599
43,155
42,164
63%
61%
50,000
66%
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
日本の対世界所得収支は、支払・受取とも証券投資収益の割合が高い
35 出所:日本銀行データを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
3
所得収支の推移(内訳)
実績評価の実施
(参考)日系自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況(1/3)
メーカー
概要
動向
•
生産体制整備計画
第一工場の能力増強
2013年から5年間で、トヨタグループ6社(トヨタ、ダイハツ、トヨタ車体、デンソー、アイシン精機、豊田通商)は、尼に13兆ル
ピア(約1,040億円)を投資し、生産・開発体制を拡充する方針(2012年)
• 2017年までに生産能力を2011年時点の約11.6万台から30万台以上に引き上げる方針(2012年)
− 第二工場稼動、第一工場の能力増強、効率化により30万台とする
•
2013年9月をめどに、第1工場の年産能力を11万台から13万台に引き上げ
− 投資額は、3,000億ルピア(約25.6億円)。新規雇用人数は190人
•
2013年3月、Karawang第二工場を本格稼動
− 稼動当初の年産能力は7万台で、2014年初には12万台に引き上げる計画
− 投資額は3.3兆ルピア(約330億円)。1,100人を新規雇用
− 生産モデルは、Etios Valco
− Etios Valcoの現地調達率を55%から80%以上に引き上げる計画
− 生産車両に占める輸出比率を35%に高める考え
2012年10月の一部報道によると、2015年を目処にJakarta近郊で第三工場を稼動する計画
− 年産能力は10万台。投資額は200億∼300億円の模様
− Etiosシリーズ、Yaris、Viosを始めとした小型車を生産予定
2013年7月、西ジャワ州Karawang共に2拠点目となるエンジン工場を新設すると発表。Etios Valcoを生産する第二場に接
続して建設する
− 投資額は約230億円で、2016年までに稼動予定
− 年産能力は稼動当初は21.6万基で、25万基まで引上げ予定
− 生産品目はEtiosシリーズなど小型乗用車用の排気量1.2-1.58の小型エンジン
− 2013年11月、エンジン工場建設のための用地を取得
2012年12月、トヨタ車体が出資するSugity CreativesのCKD組立ラインを再稼動
− MPV Nav1を年6,000台生産する。投資額は約20億円
2013年9月、トヨタ車体は、Sugity Creativesにおいて金型を全量内製化すると発表
− 従来は日本や韓国から金型を輸入していたが、現地生産に切替
− 2013年11月から金型加工を開始。金型の製造から部品生産まで行う一環体制を構築
2013年3月、Karawang第二工場においてハッチバックEtios Valcoの生産開始
2013年9月、Astra Daihatsu Motor (ADM)においてAgyaの生産を開始
2013年末には、Vios、2014年にはYarisを生産開始する予定
2011年9月、アルゼンチン向けに年間7,000基規模のエタノールエンジンを輸出
2013年9月、南米、カリブ諸国向けに完成車の輸出を開始
2013年10月、カザフスタンへのガソリンエンジンの輸出を開始
第二工場の本格稼動
•
第三工場予定
•
トヨタ
エンジン第二工場を新設
•
グループ会社の工場稼
動
生産開始
輸出拡大
36
•
•
•
•
•
•
•
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
3
所得収支の推移(内訳)
実績評価の実施
(参考)日系自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況(2/3)
メーカー
概要
Sunter組立工場の生産
能力引き上げ
動向
•
2011年5月までにSunter組立工場の完成車組み立て能力を28万台から33万台に引き上げ
− 2011年1月にまず、23万台から28万台に引き上げ
− Xenia、トヨタAvanzaなどの好調な販売による供給能力逼迫に対応
•
新型Xenia/Avanzaの
投入
2011年11月、小型MPVのXeniaを全面改良。引き続きトヨタAvanzaとしてOEM供給を実施
− 2004年に投入以来初のフルモデルチェンジ。今回の更新では、好調を得ている地上高とパッケージを維持しながら、
シートアレンジの拡充と荷重の拡大、燃費、乗り心地、静粛性など総合的に性能を向上
− 月販目標は、7,000台。2012年の平均月販売数は6,100台強
•
2012年10月、西ジャワ州Karawang県のSurya Cipta工業団地で第二組立工場が稼動
− 投資額は約200億円
− 年産能力は12万台で、インドネシア全体の能力が46万台へ増強
− 従業員は1,700人、九州工場に導入したSSCコンセプトに基づき海外初のフレキシブル生産ラインを導入
− 稼動時はXeniaとAvanzaを生産。2013年初にLCGCのAylaとトヨタAgryaの西安を開始
•
•
•
2012年10月に稼動したKaawang第二組み立て工場の隣接地にテストコースを開設
2014年6月に設計・研究等が稼動予定
2015年までにインドネシア全土の同慮環境を再現したコースが最終的に完成予定
− 日本と同じようなレベルの研究開発能力を整備。インドネシア向けの製品の研究開発を主導する方針
•
2013年7月、西ジャワ州Karawang共に2拠点目となるエンジン工場を新設すると発表。Etios Valcoを生産する第二場に接
続して建設する計画を発表
− 投資額は最大で200億円を計画、稼動は2015年を予定
− 年産能力は年産20万基で、既存のラインから新ラインへ生産を移管し、生産コストを引下げる考え。
− 新生産ラインでは、現状で50%の現地調達率を80%に高める
− 新生産ラインでは、現在生産する1.0/1.3/1.5ℓGEの生産を行う
•
2013年9月、LCGCに対応するAylaを投入。トヨタへやAgyaとしてOEM供給
− アッパーボディのデザインにインドネシア人デザイナーを起用し、現地の人が好む力強いデザインを実現
− 新規のサプライヤーの開拓などで現地調達率85%を達成
•
2014年、ダイハツ工業の子会社である明石機械工業が新型MTを生産開始する計画
− 新型MTは、ダイハツ本社工場で開発。Akashi Wahana Indonesiaが生産を担当
新工場稼動
ダイハツ
研究開発体制整備
エンジン工場の能力
増強
Ayla/Agyaの投入
グループ会社による
新型MT生産
37
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
3
所得収支の推移(内訳)
実績評価の実施
(参考)日系自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況(3/3)
メーカー
概要
動向
•
タイとの相互供給拡大
•
•
2012年3月、Ertigaを組立て開始
− インドからKDを調達し組み立てる
2012年5月、Ertigaのシートを全量内製化
− インドネシア市場ニーズに合うコストと品質を両立するため、生産子会社P.T. Suzuki Indomobil Motorで生産
− シートの組立て、シート表皮の縫製、ウレタン発泡などの工程も順次自社工場で行う考え
2013年内に、Tambun第二工場の生産能力を15万台から20万台に増強する計画
− さらに塗装設備を増強し能力を引き上げる
− Ertigaを増産するほか、Wagon Rベースの排気量1,000cc車の生産を開始予定
− 新工場の稼動後は、月間8,000台生産しているErtigaを新工場に移管する計画
2014年11月、西ジャワ州Bekasiにエンジン・トランスミッション新工場が稼動する計画
− 土地代を含めた総投資額は400億円。2012年1月に約100億円を投資し、Greenland工業団体内に130万㎡を取得
− 同工場の生産能力はエンジン10万基
− 鋳造品や鍛造品などエンジン部品も生産し、エンジンの一貫生産体制を構築。現地調達率を引き上げる考え
2015年1月を目処に、西ジャワ州Bekasi県のエンジン工場敷地内に完成車工場を稼動する予定
− エンジンから車両までの一貫生産体制を構築する
− Ertigaの生産をTambun第二工場から移管する。投資額は約600億円(既存拠点の能力増強を含む)
− 年産能力は約12万台
タイとの相互供給を拡大し、車種を増やす考え。エンジンについても相互に共有することでコスト削減を図る
2013年3月、マツダ向けにErtigaのOEM供給を開始。年間1万台を供給予定
OEM供給
•
2013年5月、マツダ向けにErtigaのOEM供給を開始。年間1万台を供給予定。
•
•
2011年9月、Cikampek工場の年産能力を5万台から10万台に引き上げ
2014年にCikampek工場の年産能力を10万台から25万台に引き上げる計画
− 投資額は、4億米ドル (エンジン工場親切分を含む)
− 当初、年産10万台程度に能力増強する予定であったが、インドネシアの市場拡大が予想を上回る速度で進んでいる
ため、能力増強の規模を拡大
•
2012年6月、Evaliaの生産を開始
− 2012年時点で現地調達率は76%だが、向こう2-3年で、90-95%を実現する計画
Ertiga生産
•
•
既存工場の能力増強
•
スズキ
エンジン・トランスミッショ
ン新工場稼動
•
新工場稼動
能力増強
日産
38
Evalia生産
Datsun生産
2014年下期、Datsunブランド車の生産を開始する計画。尼における生産能力の3割弱をDatsunブランドに充てる方針
エンジン工場稼動計画
2014年3月までにエンジンを生産開始予定。年産規模は10万基
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
4
経常移転収支の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間経常移転収支
日本の対世界経常移転収支
日本のインドネシアからの受取
(億円)
(億円)
インドネシアの日本からの受取
日本側視点:
2,000
世界の日本からの受取
30,000
1,737
日本の世界からの受取
+4%
20,000
1,494 1,473
1,500
10,000
1,365
1,266 1,298
1,281
0
1,122
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
1,009
インドネシアの対世界経常移転収支
1,000
(M USD)
682
10,000
インドネシアの世界からの受取
世界のインドネシアからの受取
+13%
500
+18%
5,000
195
90
47
46
49
76
101
85
86
105
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
日本のインドネシアからの受取の成長率18%(2009-2013年)であり、
これは日本の対全世界受取の成長率4%を上回ると同時に、世界の対インドネシア受取の成長率13%を上回る
39 出所:日本銀行、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
4
経常移転収支の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間経常移転収支(再掲)
日本の対世界経常移転収支(再掲)
日本のインドネシアからの受取
(億円)
日本の世界からの受取
(億円)
世界の日本からの受取
インドネシアの日本からの受取
日本側視点:
2,000
30,000
1,737
-2%
20,000
+7%
1,500
1,494 1,473
10,000
1,365
1,266 1,298
1,281
0
1,122
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
1,009
インドネシアの対世界経常移転収支(再掲)
1,000
(M USD)
682
10,000
インドネシアの世界からの受取
世界のインドネシアからの受取
+3%
500
195
90
47
46
49
76
101
85
86
5,000
105
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
インドネシアの日本からの受取の成長率は7%(2009-2013年)であり、
これは全世界の対日本受取の成長率−2%を上回ると同時に、インドネシアの対受取の成長率3%を上回る
40 出所:日本銀行、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
4
経常移転収支の推移
経常移転収支の内容(定義)と傾向
経常移転収支の
内容(定義)
 個人または政府間の無償資金援助、国際機関への拠出金、労働者送金、生命保険以外の保険金受払が含まれる
日本の尼からの
受取拡大要因
 インドネシアにおける在留日本人の増加に伴う、インドネシアからの労働者送金の受取が増加
尼の日本からの
受取拡大要因
 日本の年度別・援助形態別の対インドネシア援助実績は、全体として減少傾向
 他方、日系メーカーなどの尼進出が進み、これに伴う事業リスク等の保険金の支払拡大による増加などが、尼の日本
からの受取(=日本から尼への支払)拡大の要因と推察される

(参考)所得収支のうち、労働者送金の増減
(単位:億円)
(参考)日本の年度別・援助形態別の対インドネシア援助実績
(単位:億円)
36
60
36
1,500
10
40
20
18
24
24
29
30
36
45
60
60
日本の受取
-32
-39
-44
-51
-8
-21
-15
-60
-38
-35
-24 インドネシアの受取
無償資金協力
1,271
技術協力
1,000
848
1,148
-24
1,323
1,188
1,252
930
-60
-40
1,410
1,102
0
-20
円借款
1,454
1,060
1,206
1,139
588
500
-2
-21
-36
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
439
0
185
121
109
2004
2005
63
739
123
54 67 61
37
33
28
10 61 62
112
104
99
98
89
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
Note: 金額は、円借款及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績及び各府省庁・都道府県等
の技術協力経費実績ベースによる。2012 年度の日本全体の実績については集計途上のものであるため、JICA実
績のみを示し、累計についてはJICAが実施している技術協力事業の実績の累計となっている点に注意
日本の対インドネシア援助実績は、金額ベースで年々減少傾向。
尼の日本からの受取拡大の要因は、日系メーカーの尼進出に伴う、日本からの保険金支払い増加に撚るものと推察される
41 出所:外務省国別データブック、ODA白書、日本銀行ヒアリング等に基づきDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
5
直接投資の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間直接投資*
日本の対世界直接投資
日本からインドネシアへの直接投資
(億円)
インドネシアから日本への直接投資
日本から世界への直接投資
世界から日本への直接投資
日本側視点:
150,000
+20%
100,000
(億円)
3,821
4,000
50,000
+70%
3,500
2,876
3,000
0
3,039
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
インドネシアの対世界直接投資
2,500
インドネシアから世界への直接投資
2,000
1,500
-18%
1,341
世界からインドネシアへの直接投資
1,207
864
1,000
(M USD)
459
500
2
0
+40%
739
4
2
1
0
20,000
409
38
94
1
10,000
-1
0
-500
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
※ 2004年の日インドネシア間の直接投資は当該データなし
日本の対インドネシア直接投資は成長率70%(2009-2013年)であり、直前の5年間(2004-2009年)の−18%を大幅に上回る
これは、日本の対全世界直接投資の成長率20%を上回ると同時に、世界の対インドネシア直接投資の成長率40%をも上回る
42 出所:日本銀行、財務省統計、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
5
直接投資の推移
実績評価の実施
日本-インドネシアの二国間直接投資*(再掲)
世界の対日直接投資(再掲)
日本からインドネシアへの直接投資
(億円)
インドネシアから日本への直接投資
インドネシア側視点:
世界から日本への直接投資
+50%
150,000
100,000
(億円)
+35%
4,000
3,821
50,000
3,500
0
2,876
3,000
3,039
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
本邦株価上昇に伴う増加であり、簿価ベースでは前年並み
2,500
インドネシアの対世界直接投資(再掲)
2,000
-21%
1,500 1,341
(M USD)
1,207
864
1,000
459
2
4
2
1
インドネシアから世界への直接投資
世界からインドネシアへの直接投資
+25%
739
500
0
日本から世界への直接投資
0
20,000
409
38
94
1
-1
10,000
-500
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
※ 2004年の日インドネシア間の直接投資は当該データなし
※ 2009年のインドネシア→日間の投資額は統計上0である、CAGRは2010年の値で算出
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
インドネシアから日本への直接投資は低水準で推移
(2013年に増加しているものの、日本の株価上昇に伴う増加であり、簿価ベースでは前年並み)
43 出所:日本銀行、財務省統計、Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
5
直接投資の推移
実績評価の実施
インドネシアに対する対内直接投資の国別推移及び内訳
(100万USD)
その他
韓国
欧州
中国
その他アジア諸国
日本
ASEAN諸国
25,000
19,242
20,000
15,000
19,138
18,819
1,943
1,385
13,771
10,000
8,336
6,928
4,914
5,000
10,471
9,319
861 73
4,877
1,895
5,783
0
-1,697
-5,000
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
かつては欧州からの投資が多かったが、近年ではASEAN諸国と日本からの投資が大半を占めている
44 出所:Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
5
直接投資の推移
実績評価の実施
インドネシア対する日本・世界の業種別FDI(直接投資)の推移
(100万USD)
20,000
日本側視点:
18,661
15,000
18,325
17,979
その他
13,741
金融業
交通・倉庫・通信
卸売・小売
9,521
10,000
建設業
8,320
7,961
6,933
6,176
1,913
1,543
1,064
5,785
1,126
1,145
94%
896
2012
日本からインドネシアへの直接投資は、日本の対世界直接投資に比べ、
製造業の割合が94%と極めて高くなっている
45 出所:Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
世界
日本
2011
世界
日本
2010
世界
日本
2009
世界
日本
2008
世界
日本
2007
世界
日本
2006
世界
日本
2005
世界
日本
2004
世界
日本
世界
日本
-5,000
製造業
農林水産業
0
-31
電気、ガス、水道業
鉱業
4,901
3,721
4,928
5,000
48%
2013
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
5
直接投資の推移
実績評価の実施
インドネシア対する日本・中国・韓国・世界の業種別FDI(直接投資)の推移
(100万USD)
日本
中国
韓国
7,961
8,000
7,000
6,176
6,000
5,785 1,000
1,000
861
724 693
5,000
531
3,721
4,000
500
295 298
3,000
123
2,000
1,000
1,543 1,126 1,145
1,064
896
500
360 352
117
336
321
228
238
216
73
0
341
247
186
81
0
0
-31
-500
-1,000
-500
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
日本と韓国は製造業に対する投資が大半であるが、
中国は鉱業に対する投資が多い(ただし2013年度は大幅に減少)
46 出所:Bank Indonesiaのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
経済データの
選定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
6
日系企業のインドネシア進出状況
実績評価の実施
インドネシア進出日系企業の業種内訳
(企業数)
インドネシア進出日系企業の年商別内訳
建設業
製造業
2,000
(企業数)
2,000
卸売業
1,763
78
小売業
1,760
運輸・通信業
サービス業
1,600
不動産業
340
(19%)
1000億円以上
597
(34%)
100億-1000億円
552
(31%)
10億-100億円
220
(18%)
271
(15%)
10億円未満
2012
2014
1,600
その他
1,200
800
1,267
59
製造業
53%
製造業
55%
1,222
1,200
275
(23%)
800
345
(28%)
22%
400
22%
20
0
81
63
87
63
8
2012
27
400
144
11
94
382
(31%)
0
2014
製造業の進出が多く、50%以上を占めている
また、企業規模では、大企業から中小企業まで万遍なく進出している
47 出所:帝国デーバタンクのデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
6
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
在日インドネシア人/在留邦人数の推移
在インドネシア日本人
在日インドネシア人
在邦インドネシア人
在インドネシア日本人
(人)
(人)
30,000
30,000
25,000
25,000
20,000
20,000
15,000
14,720
11,221
11,225 11,453 11,701 12,469
11,403 11,090
11,263
27,210
27,250
24,895 25,530
25,546
24,660
15,000
10,000
10,000
5,000
5,000
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
25,620
24,858
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
※ 2004-2005年の在インドネシア日本人、2013年の在日インドネシア人は当該データなし
2009年以降、それまで横ばいで推移していた在日インドネシア人数が増加を始めている
48 出所:外務省統計、在インドネシア日本国大使館統計のデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点(再掲)
中国
日本
貿易構造の変化
(参考)東アジアにおける財別貿易動向:対尼貿易構造の変化サマリ
 インドネシアからの素材輸入への依存を強め、貿易量ベースで、素材輸入が中間財輸入を上回るなど、二国間貿易構造が変化
しつつある
 加えて、中国から、消費市場としてのインドネシアに対し、最終財の輸出が大きく拡大している
 日本からの全体の貿易量は全体的に増加しているものの、インドネシアの中国・ASEANとの取引増加に伴い、相対的にインドネ
シアの貿易量に占める割合は減少傾向
 貿易構造としては、貿易量ベースで引き続きインドネシアからの素材の輸入が多い一方、中間財の輸入は減少。他方、進出メーカ
ーによる現地調達が進むものの、日本からインドネシアへの中間財の輸出は増加傾向を維持
素材*の流れ
中間財*の流れ
 インドネシアからは素材の輸出が拡大
 貿易量は、中国・ASEAN域内との間で倍増
単位:100万USD
財ごとの貿易動向サマリ
韓国
中国
6,115
4,814
523
6,019
12,017
25
ASEAN域内
2008年
日本
 インドネシアは、日中韓・ASEAN域内の
中間財の生産・供給拠点化が進む
 相対的に中国・ASEANとの関係が強化
韓国
中国
6,557
105
5,885
8,715
16,796
インドネシア
13,119
韓国
551
ASEAN域内
12,493
14,043
519
2,094
22,020
49
インドネシアの輸出
1,514
10,602
76
韓国
8,461
15,891
ASEAN域内
20,143
38,204
4,421
6,863
24,683
中国
日本
14,018
韓国
2,141
13,930
9,848
10,385
1,088
11,587
40,203
ASEAN域内
10,178
日本
3,972
1,533
6,443
11,068
インドネシア
インドネシア
17,672
2,750
インドネシア
28,464
12,357
日本
928
ASEAN域内
6,594
39,544
インドネシアの輸入
*: 素材、中間財(加工品、部品)、最終財(資本財、消費財)の区分は国連分類に基づき、貿易財の生産工程における性質から、各産業の貿易データを3つのカテゴリーに集約し、分類したもの(RIETI分類)
出所:RIETI-TIDを基にDTC作成
610
6,011
29,563
中国
インドネシア
凡例:
17,608
29,896
日本
6,074
2012年
韓国
中国
インドネシア
18,367
17,281
 インドネシアは、最終財は主に内需向けで
あり、輸出規模は小規模
 中国・ASEAN域内からの輸入量が拡大
日本
5,972
ASEAN域内
4,515
中国
最終財*の流れ
29,119
17,370
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
7
財別貿易動向−素材
インドネシアを中心とする全産業中の素材の貿易動向:2008年と2012年の比較
素材の流れ:2008年
中国
韓国
6,115
523
4,814
ASEAN域内
日本
12,017
25
Gg
105
中国
551
インドネシアの輸入
14,043
519
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
76
インドネシア
22,020
2013年における取引額が2008年から倍以上に増加したもの
インドネシアと日中韓各国及びASEAN域内の素材貿易は、
インドネシアから中国・ASEAN域内への輸出が、貿易量で約2倍と大きく拡大している
50
日本
12,493
2,094
13,119
インドネシアの輸出
6,074
ASEAN域内
インドネシア
凡例:
韓国
17,281
6,019
4,515
18,367
単位:100万USD
素材の流れ:2012年
17,672
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
7
財別貿易動向−素材
素材の輸出
各国への輸出内訳(%)
単位:100万USD
80,000
77,661
2010
2012
26,138
(34%)
53,214
50,000
40,000
・窯業・土石製品
及び関連の鉱業
・鉄鋼、非鉄金属・
金属製品及び関連の
鉱業
18,367
(39%)
6,115
(13%)
4,814
(10%)
10,000
12,017
(25%)
11,344
(15%)
39,375
60%
80%
木材・製紙・パルプ
鉄鋼・非鉄金属
石油・石炭
2011
12,493
ASEAN
(17%)
2012
0%
5,031
(13%)
6,036
(15%)
5,097
(13%)
8,291
(21%)
6,084
(11%)
20%
40%
60%
80%
100%
17,281
中国
(24%)
80%
100%
11,129
(21%)
80%
100%
2009
2010
2011
10,685
(20%)
7,360
(14%)
石油・石炭
2008
18,455
(24%)
2012
7,674
(10%)
6,074
(8%)
0%
20%
40%
鉄鋼・非鉄金属 木材・製紙・パルプ
韓国
14,050
(18%)
14,043
日本
(20%)
60%
石油・石炭
2008
2009
2010
2011
2012
0
2008
2009
2010
2011
2012
0%
20%
40%
60%
インドネシアと東アジア及びASEAN域内の素材貿易は、インドネシアから中国・ASEAN域内への輸出が、
貿易量で約2倍以上に拡大。中国の鉱物性燃料のインドネシア依存が進展
51
100%
鉄鋼・非鉄金属 木材・製紙・パルプ
14,920
(38%)
6,019
(13%)
・輸送機械
40%
2010
30,000
20,000
20%
2009
47,330
17,955
(34%)
・化学製品
・石油・石炭製品
及び関連の鉱業
0%
22,020
その他
(31%)
2008
・食料品及び関連の
農林水産業
・パルプ・紙・木製品
及び関連の農林水
産業
2011
70,000
60,000
・繊維製品
窯業・土石製品
2009
71,910
全産業合計
のうち素材
鉄鋼・非鉄金属 木材・製紙・パルプ
食料
石油・石炭
2008
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
7
財別貿易動向−素材
素材の輸入
各国からの輸入内訳(%)
単位:100万USD
鉄鋼・非鉄金属
25,000
石油・石炭
2008
窯業・土石製品
2009
2010
22,389
全産業合計
のうち素材
2011
20,912
2012
20,000
0%
20%
40%
60%
18,288
・繊維製品
・パルプ・紙・木製品
及び関連の農林水
産業
石油・石炭
2010
2011
15,000
18,109
(81%)
13,090
13,119
(72%)
2012
17,672
その他
(85%)
12,022
(74%)
10,000
0%
2008
20%
40%
60%
80%
鉄鋼・非鉄金属
繊維
食料 木材・製紙・パルプ
100%
窯業・土石製品
石油・石炭
2009
2010
・窯業・土石製品
及び関連の鉱業
・鉄鋼、非鉄金属・
金属製品及び関連の
鉱業
食料
2009
16,330
・化学製品
・石油・石炭製品
及び関連の鉱業
化学
2008
・食料品及び関連の
農林水産業
80%
100%
窯業・土石製品
9,869
(75%)
2011
2012
5,000
・輸送機械
ASEAN
4,515
(25%)
0
523
(3%)
2,506
(19%)
505
(4%)
2008
2009
3,791
(23%)
412
(3%)
2010
3,337
(15%)
484
(2%)
2011
中国
2,094
(10%) 韓国
551
日本
(3%)
2012
0%
40%
60%
80%
繊維 鉄鋼・非鉄金属 木材・製紙・パルプ
2008
窯業・土石製品
100%
2009
2010
石油・石炭
2011
2012
0%
20%
40%
60%
80%
100%
インドネシアの素材の輸入は小規模に留まる。
内訳としては、ASEAN域内からの鉱物性燃料の輸入が多いほか、中国からの輸入も近年徐々に拡大
52
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
7
財別貿易動向−中間財
インドネシアを中心とする全産業中の中間財の貿易動向:2008年と2012年の比較
中間財の流れ:2008年
中国
中間財の流れ:2012年
韓国
6,557
日本
5,972
8,715
5,885
10,602
17,608
中国
12,357
8,461
14,018
13,930
40,203
20,143
16,796
インドネシア
29,896
インドネシアの輸出
日本
ASEAN域内
29,563
凡例:
9,848
15,891
Gg
ASEAN域内
韓国
単位:100万USD
インドネシア
28,464
インドネシアの輸入
38,204
39,544
2013年における取引額が2008年から倍以上に増加したもの
インドネシアと日中韓各国及びASEAN域内の中間財貿易は、
インドネシアと日本の関係は経年で大きく変動がない一方、中国・ASEAN域内との貿易量が拡大している
53
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
7
財別貿易動向−中間財
中間財の輸出
各国への輸出内訳(%)
単位:100万USD
電気機器 一般機器 鉄鋼・非鉄金属
全産業合計
のうち中間財
100,000
2008
96,251
93,095
2010
2011
2012
・食料品及び関連の
農林水産業
80,000
76,741
76,028
・繊維製品
・パルプ・紙・木製品
及び関連の農林水
産業
38,978
(40%)
0%
38,204
その他
(41%)
70,000
・化学製品
60,000
60%
80%
木材・製紙・パルプ
50,000
・鉄鋼、非鉄金属・
金属製品及び関連の
鉱業
40,000
29,896
(39%)
石油・石炭
2010
29,556
(39%)
57,414
2011
21,813
(23%)
23,543
(41%)
16,796
(22%)
30,000
6,557
(9%)
5,884
(8%)
・電気機械
20,000
・輸送機械
・精密機械
10,000
17,608
(23%)
20,143
ASEAN
(22%)
18,376
(24%)
6,274
(11%)
8,537
(11%)
5,829
3,618 (8%)
(6%)
10,785
(19%)
13,729
(18%)
2008
2009
2010
2009
8,464
(9%)
16,217
(17%)
12,357
中国
(13%)
8,461
(9%)
2011
韓国
2012
0%
20%
40%
60%
80%
鉄鋼・非鉄金属 木材・製紙・パルプ
2008
石油・石炭
100%
2009
2010
13,930
日本
(15%)
2012
2011
2012
0%
20%
40%
60%
80%
中間財の輸出相手国として、中国の割合が高まるとともに、日本の存在感が徐々に低下。
中国へは、木材・製紙・パルプ、化学関連の中間財の輸出が多い
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
100%
2011
10,779
(11%)
13,194
(23%)
0%
20%
40%
60%
80%
鉄鋼・非鉄金属 木材・製紙・パルプ
2008
石油・石炭
2010
0
54
100%
2012
・窯業・土石製品
及び関連の鉱業
・玩具・雑貨
2008
20%
40%
鉄鋼・非鉄金属
電気機器
化学
2009
・石油・石炭製品
及び関連の鉱業
・家庭用電気機器
石油・石炭
2009
90,000
・一般機械
木材・製紙・パルプ
化学
100%
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
7
財別貿易動向−中間財
中間財の輸入
各国からの輸入内訳(%)
単位:100万USD
全産業合計
のうち中間財
・食料品及び関連の
農林水産業
39,544
その他
(33%)
100,000
2012
0%
84,127
83,317
2008
20%
40%
60%
電気機器 一般機器 鉄鋼・非鉄金属
繊維
100%
化学
2010
29,003
(34%)
28,464
(34%)
・家庭用電気機器
20,000
・精密機械
・玩具・雑貨
2012
37,016
(34%)
21,603
(37%)
40,000
2011
57,688
60,000
29,563
(35%)
・電気機械
8,715
(10%)
5,972
(7%)
10,602
(13%)
0
2008
18,382
(32%)
7,268
(13%)
0%
20%
40%
鉄鋼・非鉄金属
繊維
2008
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
60%
化学
80%
100%
石油・石炭
2009
2010
26,686
(32%)
2011
13,876
(13%)
10,835
(13%)
6,485
(8%)
3,778
(7%) 11,120
6,657
(13%)
(12%)
2009
40,203
ASEAN
(34%)
2010
15,891
中国
(13%)
11,099
(10%)
9,848
(8%)
12,042
(11%)
14,018
日本
(12%)
韓国
2012
0%
20%
40%
60%
80%
電気機器
輸送機器
2008
一般機器
鉄鋼・非鉄金属 化学
100%
2009
2010
2011
2011
2012
2012
0%
20%
40%
中国からの中間財の輸入も拡大している。
他方、日本からの中間財の輸入は、割合としてほぼ横ばいで推移
55
80%
2009
80,000
・一般機械
・輸送機械
石油・石炭
2011
34,945
(32%)
・窯業・土石製品
及び関連の鉱業
・鉄鋼、非鉄金属・
金属製品及び関連の
鉱業
化学
2009
2010
・化学製品
・石油・石炭製品
及び関連の鉱業
電気機器
2008
108,976
・繊維製品
・パルプ・紙・木製品
及び関連の農林水
産業
119,504
120,000
60%
80%
100%
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
7
財別貿易動向−最終財
インドネシアを中心とする全産業中の最終財の貿易動向:2008年と2012年の比較
最終財の流れ:2008年
中国
韓国
1,514
6,011
最終財の流れ:2012年
日本
928
ASEAN域内
610
4,421
2,750
Gg
中国
韓国
2,141
11,587
1,533
ASEAN域内
1,088
単位:100万USD
日本
6,443
3,972
11,068
6,863
10,178
6,594
インドネシア
24,683
インドネシア
10,385
29,119
17,370
10,3854 (36%)
凡例:
インドネシアの輸出
インドネシアの輸入
2013年における取引額が2008年から倍以上に増加したもの
インドネシアと日中韓各国及びASEAN域内の最終財貿易は、
インドネシアと日本の関係は経年で大きく変動がない一方、中国・ASEAN域内との貿易量が拡大している
56
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
7
財別貿易動向−最終財
最終財の輸出
各国への輸出内訳(%)
単位:100万USD
50,000
輸送機器
全産業合計
のうち最終財
電気機器
2008
46,498
家電
食料
玩具・雑貨
2009
43,669
2010
2011
40,000
・食料品及び関連の
農林水産業
36,151
・繊維製品
・パルプ・紙・木製品
及び関連の農林水
産業
2012
38,277
0%
32,033
1,258
(4%)
28,290
(65%)
30,000
その他
・窯業・土石製品
及び関連の鉱業
・輸送機械
・精密機械
・玩具・雑貨
2009
40%
家電
2008
60%
80%
100%
食料 木材・製紙・パルプ
玩具・雑貨
2009
2010
2011
・一般機械
・家庭用電気機器
一般機器
0%
20%
繊維 電気機器
・鉄鋼、非鉄金属・
金属製品及び関連の
鉱業
・電気機械
10,000
6,594
(18%)
5,293
(17%)
7,287
(19%)
8,920
(20%)
10,178
(22%)
ASEAN
2009
2010
2011
2012
中国
韓国
2,141
1,885
(5%)
1,424
1,088
1,514
(4%) 1,049
610
532 (4%) 775
(4%)
(2%) 3,972 (2%)
2,750 (2%) 2,602 (2%) 2,999 (2%) 3,525
日本
(9%)
(8%)
(8%)
(8%)
(8%)
0
2008
0%
繊維
20%
40%
60%
40%
60%
電気機器 家電
2008
80%
100%
木材・製紙・パルプ
食料
玩具・雑貨
2009
2010
2011
2012
2012
0%
20%
80%
最終財の輸出は、規模として少なく、いずれの国へも玩具・雑貨、食料、電気機器等が多い
57
100%
2012
22,347
(70%)
20,000
80%
食料
2011
25,792
(67%)
24,683
(68%)
60%
2010
・化学製品
・石油・石炭製品
及び関連の鉱業
40%
家電
電気機器
2008
29,119
(63%)
20%
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
100%
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
JIEPA活用実績評価−マクロ経済的観点:
1
7
財別貿易動向−最終財
最終財の輸入
各国からの輸入内訳(%)
単位:100万USD
全産業合計
のうち最終財
電気機器
50,000
48,001
・化学製品
2011
17,370
その他
(36%)
40,000
36,710
14,559
(34%)
30,000
・石油・石炭製品
及び関連の鉱業
・鉄鋼、非鉄金属・
金属製品及び関連の
鉱業
10,385
(36%)
10,144
(37%)
20,000
20%
40%
電気機器
60%
一般機器
80%
100%
輸送機器
食料
2010
2011
2012
8,403
(23%)
10,463
(25%)
11,068
ASEAN
(23%)
0%
20%
40%
電気機器
2008
60%
80%
100%
輸送機器 食料
一般機器
2009
2010
2011
6,863
(24%)
・一般機械
6,804
(25%)
・電気機械
・家庭用電気機器
0%
2009
12,170
(33%)
28,609
2012
2008
27,119
・窯業・土石製品
及び関連の鉱業
食料
2010
・繊維製品
・パルプ・紙・木製品
及び関連の農林水
産業
輸送機器
2009
42,388
・食料品及び関連の
農林水産業
一般機器
2008
10,000
・輸送機械
6,011
(21%)
928
(3%)
・精密機械
・玩具・雑貨
6,229
(23%)
9,178
(25%)
1,181
(3%)
10,474
(25%)
1,522
(4%)
11,587
中国
(24%)
0%
20%
電気機器
韓国
日本
4,421
(15%)
5,369
(13%)
6,443
(13%)
2008
2009
2011
2012
2010
40%
60%
一般機器
2008
1,533
(3%)
814
5,777
3,128 (3%) (16%)
(12%)
0
2012
80%
100%
輸送機器
2009
2010
2011
2012
0%
20%
40%
60%
80%
100%
最終財の輸入は、中国からの輸入が拡大しており、電機機器、一般機械、輸送機器、食料などの
輸入が増えている
58
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
1 JIEPA活用実績評価
1-1. JIEPA活用実績評価アプローチ
1-2. マクロ経済的観点による実績評価
1-3. 企業行動の観点による実績評価
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価アプローチ
アプローチの観点
JIEPA活用実績評価のステップ
経済データの
選定
マクロ経済的観点
 貿易収支
 投資・サービス収支 等
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
調査・分析の実施
実績評価の実施
 グローバル経済
における日本と
インドネシアの
連携(結びつき)
の変化分析
調査・分析方法の
選定
企業行動の観点
活用実績評価は、マクロ経済的観点から、貿易・投資・サービス収支等の統計データに基づく評価を行うとともに、
企業行動の観点からは、特に物品貿易分野について、評価軸を設定し、調査・分析を実施し、実績評価を行う
60
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:調査・分析方法の選定−物品分野−
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
分野
調査・分析の実施
実績評価の実施
適用すべき
評価軸
論点
分析方法
i
全体
実際に活用
されているか
優遇関税の活用実績の分析
優遇関税はどの程度
活用されているか
 原産地証明書発給件数の推移及び他国EPAとの比較
 JIEPA利用状況をヒアリング調査
全体/分野別
物品貿易
ii
A 関税削減と貿易拡大の相関分析*
 全品目におけるJIEPA発効前後での関税率変化及び貿易額の
年平均成長率(CAGR)変化との相関関係を分析
ニーズと
マッチ
しているか
品目別
61
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
関税削減された品目の
貿易は拡大しているか
* 日本側はHS9桁ベース、インドネシア側はHS10桁ベースの数値を使用
B 関税削減品目の貿易額の変化分析*
 関税削減品目ごとにJIEPA発効前後での貿易額のCAGR変化
を分析
全体
優遇関税はどの程度
活用されているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:優遇関税の活用実績の分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
インドネシアにおける原産地証明書発給件数推移
日本における原産地証明書発給件数推移
(千件)
(千件)
80
80
60
63
65
2012
2013
58
60
53
46
40
40
33
40
29
22
20
20
13
16
5
0
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2008
2009
2010
2011
日本及びインドネシアにおいて、原産地証明書の発給件数は堅調に増加しており、
2008年以降日本・インドネシア両国の企業によって盛んにEPAが活用されている
注:日・尼EPAは2008年7月に発効されたことから、2008年の数値は7月から12月の合計値となる
出所:経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 原産地証明室の資料、JETRO EPAアドバイザーによる情報
62
全体
優遇関税はどの程度
活用されているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:優遇関税の活用実績の分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
インドネシア及びASEAN4ヵ国*に対する
日本の原産地証明書の発給件数累積の比較
(千件)
(千件)
ニーズと
マッチ
しているか
インドネシア及びASEAN4ヵ国*に対する
日本の原産地証明書の発給件数の経年比較
70
300
ii
実際に活用
されているか
インドネシア
タイ
257
マレーシア
60
250
ベトナム
フィリピン
50
200
40
40
33
141
150
29
30
22
100
20
58
13
50
22
10
0
マレーシア
2006年7月
発効
タイ
2007年11月
発効
インドネシア
2008年7月
発効
5
15
フィリピン
ベトナム
2008年11月
発効
2009年10月
発効
0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
日本における対インドネシアの原産地証明書の発給件数は、対タイに次いで多く、
堅調に伸びていることから、JIEPAは日系企業に活用されている
* 日本からのASEAN主要輸出国(直近2013年で5,000億以上の輸出額)を選択。シンガポールについては、当該ソースにてデータが存在しなかったため、
分析より除外
63
出所:経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 原産地証明室の資料等を基に、DTC分析
全体
優遇関税はどの程度
活用されているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:優遇関税の活用実績の分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
(千件)
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
インドネシア及びASEAN4ヵ国*に対する
日本の原産地証明書の発給件数と日本の輸出額との相関分析
(2013年の数値)
(兆円)
4
EPA利用率
60
高
ニーズと
マッチ
しているか
日本の対主要ASEAN諸国
への輸出額(参考)
70
インドネシア
タイ
輸出額に対する原産地証明書
発給件数の平均線
ii
実際に活用
されているか
タイ
マレーシア
R² = 0.8839
ベトナム
原産地証明書発給件数
3
50
フィリピン
インドネシア
40
2
1.6
30
1.4
1.3
20
EPA利用率
マレーシア
10
1
1.7
1.4
0.9
低
ベトナム
フィリピン
0
0.5
1.0
0
1.5
2.0
2.5
日本の輸出額
3.0
3.5
4.0
2008 2009 2010 2011 2012 2013
(兆円)
日系企業によるJIEPAの利用率は、他のEPAと比較して高い。
対インドネシアへの輸出は増加傾向にあり、原産地証明書の発給は今後も増えることが予想される
* シンガポールについては、当該ソースにてデータが存在しなかったため、分析より除外している
64 出所:財務省貿易統計、貿易経済協力局 貿易管理部 原産地証明室の資料等を基に、DTC分析
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1
JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減による貿易拡大効果の考え方
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
JIEPAの関税削減による貿易拡大効果をどのように測るか
背景
“JIEPA貿易拡大効果指数”の考え方
CAGR: 年平均成長率
比較
 リーマンショックの影響を
控除した分析が必要
“JIEPA貿易拡大効果指数”
算出
• JIEPA発効年がリーマン
ショックの発生年
• リーマンショックの影響で、
多くの品目において2009年
の貿易額は急減
CAGR A
リーマンショック
JIEPA発効
• JIEPA発効後のCAGRを
2009年基点で算出すると、
数値が過剰に算出される懸
念があり、これを回避するた
めの対応が必要
CAGR B
貿易額
2004
2007
2008
2010
2013
(EPA発効年)
関税削減前
関税削減後
今回の分析では、JIEPA締結前後のCAGR(2004-2007年のCAGR・2010-2013年CAGR)を比較*から
算出された数値を「JIEPA貿易拡大効果指数」とし、この指数を用いて関税削減による貿易拡大の効果を測る
65
* JIEPA貿易拡大効果指数= {(CAGR B) – (CAGR A) } / | CAGR A |+1
B
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関性の考え方
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
JIEPAの関税削減と貿易拡大の相関性をどのように分析するか
相関分析で用いる変数
 X軸(独立変数):関税削減(※)
• 関税削減なしの品目
(例:X、R)
• 関税撤廃された品目
(例:A、B3)
(※) 日本の関税率は2014年1月時点
の関税率を用い、インドネシアの関税率
は、データの制約により、2012年12月時点
の関税率を用いて、カテゴライズしている。
 Y軸(従属変数):貿易拡大
• JIEPA貿易拡大効果指数
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
貿易拡大効果指数
• 関税削減の途中の品目
(例:B7、B10、Q)
JIEPAにおける “関税削減と貿易拡大” の相関性の考え方
関税削減
なしの品目
関税削減
途中の品目
貿易自由度の高さ
JIEPAの関税削減と貿易拡大の相関性の分析において、
関税が削減される程、貿易拡大の効果があった場合に「相関あり」と定義する
66
* JIEPA貿易拡大効果指数= {(CAGR B) – (CAGR A) } / | CAGR A |+1
関税撤廃
された品目
A
B
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
分野別にみた関税削減と貿易拡大の相関分析結果
日本からインドネシアへの貿易
関税削減と貿易拡大の相関あり
1
インドネシアから日本への貿易
5
水産品
鉄鋼
6
2
医薬品
3
精密機器・計測機器
高い技術力・ノウハウ
及び設備を要し、
インドネシアでの調達
・生産が困難なため、
日本からの輸出が
多い品目
4
木製品・合板
7
皮・革製品
8
繊維
価格センシティビティ
が高く、他の新興国
(中国やベトナム等)と
の価格競争にさらされ
ている品目
9
自動車関連製品(一部)
︵参考︶
相関なし
冷蔵庫・ドライヤー・
電子レンジ等の家電製品
プラスチック製品
衣類
インドネシアでの
現地調達・生産が
進んでいる品目
日本からインドネシアの貿易では「現地生産・調達の難しい品目」、インドネシアから日本への貿易では
「価格センシティビティの高い品目」にて関税削減と貿易拡大の相関がみられた
67
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
1 日本からインドネシアへの貿易: 鉄鋼
具体的品目
関税削減と貿易拡大の相関分析
背景
(2013年の貿易額の大きい順)
関税削減途中の品目(34品目)
7210.49.10.00
15%
→
2
総額の貿易拡大効果指数: 0.7
8.2%
 インドネシアは鋼
板の生産能力が
不十分であるた
め、冷延鋼板や亜
鉛めっき鋼板など
の高技術・設備を
要する鋼板を日本
から輸入
(亜鉛めっきしたフラットロール製品)
5%
→
2.7%
10%
→
5.5%
7228.30.00.00
(熱間圧延をした合金鋼)
7229.90.00.00
7210.49.10.00
7228.30.00.00
7229.90.00.00
7210.30.11.00
7224.90.00.00
7219.33.00.00
7219.34.00.00
7223.00.00.00
7220.90.90.00
7210.50.00.00
7222.20.00.00
7227.90.00.00
7226.92.00.00
7220.20.10.00
7220.90.10.00
7228.20.00.00
7219.35.00.00
7226.91.00.00
7216.99.00.00
7219.90.00.00
7222.30.00.00
7216.21.00.00
7222.19.00.00
7228.80.00.00
7228.60.00.00
7222.11.00.00
7221.00.00.00
7216.10.00.00
7222.40.10.00
7219.32.00.00
7219.31.00.00
関税削減なしの品目(62品目)
7209.17.90.00
7208.27.00.00
7209.16.90.00
7208.26.00.00
7208.51.00.00
7214.99.90.00
7208.52.00.00
7208.90.00.00
7213.91.00.00
7208.25.00.00
7208.37.00.00
7213.99.00.00
7208.36.00.00
7208.38.00.00
7210.90.00.00
7210.70.00.00
7210.12.10.00
7210.61.00.00
7216.50.00.00
7216.33.00.00
7214.20.00.00
7217.10.39.00
7211.14.10.00
7212.60.10.00
7209.15.00.00
7212.20.00.00
7214.91.10.00
7210.11.90.00
7210.69.00.00
7220.20.90.00
7215.10.00.00
7210.20.10.00
7214.30.00.00
7214.91.20.00
7214.10.00.00
7209.18.99.00
7213.20.00.00
7216.31.00.00
7217.90.10.00
7208.53.00.00
7228.70.00.00
7211.19.10.00
7216.32.00.00
7217.10.10.00
7217.10.22.00
7216.40.00.00
7208.54.00.00
7208.10.00.00
7209.27.90.00
7215.90.90.00
7208.40.00.00
7212.30.90.00
7211.29.90.00
7209.26.90.00
7209.90.90.00
7209.25.00.00
7212.10.00.00
7212.40.90.00
7216.69.00.00
7209.28.90.00
7211.90.10.00
7216.91.00.00
1.2
貿易拡大効果指数
(合金鋼の線)
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
0.5
(該当なし)
0
関税削減
なしの品目
(62品目)
関税削減
途中の品目
(34品目)
関税撤廃
された品目
貿易自由度の高さ
貿易額 2010年
(USD) 2013年
774,583,095
321,122,182
N/A
888,193,458
491,635,687
N/A
高い技術やノウハウを要する高付加価値の鉄鋼は、日本からの輸入が多くを占め、
関税が下がるにつれ、貿易が拡大
68
出所:日インドネシアEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析
(参考)
• 新日鉄住金は現
在八幡製作所に
自動車鋼板製造ラ
インを置いている
が、2017年半ばに
亜鉛めっき鋼板の
現地生産を予定
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
2 日本からインドネシアへの貿易: 医薬品
具体的品目
背景
関税削減と貿易拡大の相関分析
(2013年の貿易額の大きい順)
4
総額の貿易拡大効果指数: 2.1
関税撤廃された品目(4品目)
2941.10.90.00
→
0%
3002.90.00.00
5%
→
0%
5%
→
0%
5%
→
0%
(その他ワクチン)
3002.30.00.00
(動物用ワクチン)
3002.20.90.90
(人用ワクチン)
関税削減途中の品目(8品目)
3003.40.00.90
5%
→
1.9%
(アルカロイド又はその誘導体を含有する医薬品)
3005.90.00.00
5%
→
0.8%
(脱脂綿、ガーゼ、包帯その他これらに類する製品)
3003.90.00.00
5%
→
2.7%
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
2.6
貿易拡大効果指数
5%
(ペニシリン及びその誘導体)
2
1.0
(該当なし)
0
関税削減
なしの品目
(その他の医薬品)
3003.10.00.00
2936.27.00.00
3003.20.00.00
3005.10.00.00
3004.10.00.00
 医薬品の需要が
拡大する中、イ
ンドネシアは、ペ
ニシリンなどの
抗生物質をはじ
め、製薬の原薬・
ワクチン類・ビタ
ミン剤などを日
本から輸入
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
(8品目)
(4品目)
貿易自由度の高さ
貿易額 2010年
(USD) 2013年
N/A
7,463,222
2,841,669
N/A
10,490,413
4,166,081
現地における医薬品需要の拡大を受け、製薬の原薬、ワクチン類、ビタミン剤などの
日本からの輸入が拡大している
69
出所:日インドネシアEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
3 日本からインドネシアへの貿易: 精密機器・計測機器
具体的品目
(2013年の貿易額の大きい順)
8
総額の貿易拡大効果指数: 7.1
関税撤廃された品目(36品目)
9031.80.00.00
→
0%
5%
→
0%
5%
→
0%
6.8
(自動調整機器の部品 )
9032.10.00.00
(温度調整機器)
9029.90.00.00
9031.20.00.00
9032.89.00.00
9031.10.00.00
9024.80.00.00
9024.10.00.00
9015.90.00.00
9029.10.00.00
9029.20.20.00
9025.19.00.00
9022.90.00.00
9030.89.00.00
9027.10.00.00
9024.90.00.00
9032.81.00.00
9015.40.00.00
9030.39.00.00
9015.30.00.00
9025.90.00.00
9028.10.00.00
9028.30.00.00
9030.20.00.00
9032.20.00.00
9022.30.00.00
9030.31.00.00
9028.20.00.00
9015.10.00.00
9030.10.00.00
9015.80.90.00
9028.90.00.00
9025.11.00.00
9014.80.00.00
9014.90.00.00
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
6
貿易拡大効果指数
5%
(測定用又は検査用の機器)
9032.90.00.00
5%
→
0.8%
5%
→
0.8%
 温度調整機器や
検査用機器等、
高付加価値な分
析機器の利用は
増えており、日
本を含む先進国
からの輸入によ
り調達
4
1.8
2
(該当なし)
0
関税削減
なしの品目
関税削減途中の品目(2品目)
9015.20.00.00
背景
関税削減と貿易拡大の相関分析
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
(2品目)
(36品目)
貿易自由度の高さ
(経緯儀及び視距儀)
9014.10.00.00
(羅針盤)
貿易額 2010年
(USD) 2013年
N/A
136,285
144,844,496
N/A
1,064,223
203,003,544
検査機器や調整機器等の精密機器類は、インドネシアでの調達が難しく、
日本からの輸入が多くを占め、関税が下がるにつれ、貿易が拡大
70
出所:日インドネシアEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
関税削減と貿易拡大の相関分析
具体的品目
(2013年の貿易額の大きい順)
6
関税撤廃された品目(7品目)
5%
→
0%
5%
→
0%
(エンジン用部品)
8407.90.10.00
(ピストン式火花点火内燃機関)
5%
→
0%
(船外機用エンジン)
8407.29.20.00
8407.90.90.00
8407.34.10.00
8407.34.20.00
関税削減途中の品目(1品目)
8408.90.99.90
10%
(ピストン式圧縮点火内燃機関)
→
3.8%
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
B
背景
総額の貿易拡大効果指数: 15.3
4
 産業用を含む
高付加価値なエ
ンジン・関連部品
あるいは現地で
の需要が逼迫し
ている部品は日
本から輸入
2.5
2
(該当なし)
0
関税削減
なしの品目
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
(1品目)
(7品目)
貿易自由度の高さ
貿易額 2010年
(USD) 2013年
N/A
394,803
1,213,094
N/A
1,213,094
353,029,331
インドネシアでの調達が困難な部品(中でも高付加価値製品)は、
関税が削減されるにつれ、日本からの輸入が拡大
71
A
4.1
貿易拡大効果指数
8407.21.10.00
ニーズと
マッチ
しているか
日本からインドネシアへの貿易: 自動車関連部品: ピストン・エンジン・同部品
4
8409.91.90.00
ii
実際に活用
されているか
出所:日インドネシアEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
4 日本からインドネシアへの貿易:自動車関連部品: 原動機付シャーシ・車体 /ギアボックス等自動車用部品
具体的品目
(2013年の貿易額の大きい順)
4
関税撤廃された品目(5品目)
8708.40.90.00
5%
→
0%
→
0%
(ギヤボックス及びその部分品)
8708.94.90.00
5%
(ステアリングコラム及びステアリングボックス)
5%
→
0%
(車体)
8708.70.90.00
8708.21.00.00
関税削減途中の品目(10品目)
8708.30.90.00
→
8.2%
10%
→
8.2%
15%
→
8.2%
15%
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
総額の貿易拡大効果指数: 2.5
3.6
2.5
貿易拡大効果指数
8708.29.90.00
背景
関税削減と貿易拡大の相関分析
 現地調達が困難
なギアボックスな
どの組立部品あ
るいは現地での
需要が逼迫して
いる部品は日本
から輸入
2
(該当なし)
(ブレーキ及びサーボブレーキ)
8708.50.90.00
0
(駆動軸)
8708.80.90.00
関税削減
なしの品目
(懸架装置及びその部分品)
8708.91.90.00
8708.92.90.00
8708.93.90.00
8708.99.99.00
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
(10品目)
(5品目)
貿易自由度の高さ
8707.90.00.00
8706.00.00.00
8707.10.00.00
貿易額 2010年
(USD) 2013年
N/A
186,616,760
96,483,367
N/A
60,812,861
255,138,361
インドネシアでの調達が困難な部品(中でも高付加価値製品)は、
関税が削減されるにつれ、日本からの輸入が拡大
72
出所:日インドネシアEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
(参考) 日本からインドネシアへの貿易:
冷蔵庫・ドライヤー・電子レンジ等の家電
総額の貿易拡大効果指数: -2.3
2.8
相関なし
2
(該当なし)
0
-2
-2.8
-4
15
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
総額の貿易拡大効果指数: 0.3
相関なし
10
5
0.6
0.1
0
貿易自由度の高さ
関税削減
なしの品目
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
関税削減
なしの品目
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
(X品目)
(2品目)
(22品目)
(4品目)
(85品目)
(33品目)
N/A
412,596
10,633,422
N/A
962,116
5,559,879
貿易額 2010年
(USD) 2013年
1,480,049
316,511,167
107,594,871
3,358,645
380,242,554
127,929,248
家電製品やプラスチック製品のような現地生産が拡大している品目においては、
関税削減と貿易拡大の相関性が見られなかった
73
B
12.2
貿易自由度の高さ
貿易額 2010年
(USD) 2013年
A
(HS コード 第39類)
貿易拡大効果指数
貿易拡大効果指数
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
ニーズと
マッチ
しているか
(参考) 日本からインドネシアへの貿易:
プラスチック製品
(HS コード 8418、8450、8509∼8516)
4
ii
実際に活用
されているか
出所:日インドネシアEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
5 インドネシアから日本への貿易: 水産品
関税削減と貿易拡大の相関分析
具体的品目
背景
(2013年の貿易額の大きい順)
6
関税撤廃された品目(7品目)
0306.17.200
→
0%
0306.11.200
1%
→
0%
→
0%
(いせえびその他のいせえび科のえび)
0304.89.290
3.5%
(ぶり)
0306.19.190
0307.79.120
0306.12.200
0303.53.200
関税削減途中の品目(3品目)
0304.99.999
3.5%
→
0.6%
5%
→
0.6%
7%
→
3.5%
(その他の魚のフィレ)
0307.59.100
(いか)
0307.79.120
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
4.8
貿易拡大効果指数
1%
(シュリンプ及びプローン)
4
2
(クラム、コックル及びアークシェル)
0
関税削減なしの品目(24品目)
0302.34.000
0302.32.000
0303.43.000
0303.44.000
0304.89.210
0307.49.190
0304.99.993
0303.42.000
0302.36.000
0307.99.121
0303.89.299
0305.71.090
0302.47.000
0305.71.090
0303.81.000
0307.99.129
0302.89.291
0303.89.291
0303.89.293
0307.49.110
0306.14.090
0306.14.030
0306.24.130
0302.31.000
総額の貿易拡大効果指数: 2.5
0.0
関税削減
なしの品目
(24品目)
0.1
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
(3品目)
(7品目)
貿易自由度の高さ
貿易額 2010年
(USD) 2013年
19,280,847
763,218
30,959,817
17,747,122
900,158
40,809,987
価格センシティビティが高く、他国との価格競争にさらされている水産品は、
関税コストが減少するにつれ、貿易が拡大
74
出所:日インドネシアEPA譲許表、 財務省貿易統計等を基にDTC分析
 調達自由度が高
く、また価格セン
シティビティの高
いエビ等の水産
品は、ベトナム、
タイ、中国、イン
ドとの価格競争
にさらされている
 2010年から
2013年にかけ
て、水産品にお
けるインドネシア
製品のシェアは
5%から7%に拡
大し、順位は
Top9からTop6
に上昇
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
6
【物品貿易】
(2013年の貿易額の大きい順)
関税撤廃された品目(9品目)
3.6% →
4412.94.110
3.0% →
0%
(化粧ばり用単板)
4408.39.910
4407.26.090
4407.25.090
4407.29.190
4408.90.510
4408.90.520
関税削減途中の品目(6品目)
4412.32.991
15%
→
6%
(その他針葉樹以外の合板:6mm~12mm)
4412.32.190
15%
→
6%
15%
→
6%
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
2
-2
(その他針葉樹以外の合板:3mm~6mm)
4412.32.911
4412.32.992
4412.32.993
関税削減なしの品目(2品目)
4412.32.110
4412.39.991
(2品目)
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
(6品目)
(9品目)
貿易自由度の高さ
貿易額 2010年
(USD) 2013年
 価格センシティブ
な木製品及び合
板は、マレーシ
ア、中国等の新
興国との価格競
争にさらされてい
る
-1.5
関税削減
なしの品目
16,249
5,151,356
2,286,982
2,068
14,659,654
4,180,438
他国との競争が激化する中、価格競争にさらされている木製品・合板は、
関税コストが減少するにつれ、貿易が拡大
75
B
 2010年から
2013年にかけて
日本の合板の総
輸入額は、1,500
億円から2,120
億円に拡大
0
(ワニス塗装の合板)
4412.32.912
5.6
5.7
4
貿易拡大効果指数
0%
(その他の合板)
4408.90.610
6
総額の貿易拡大効果指数: 2.5
0%
3.6% →
A
背景
関税削減と貿易拡大の相関分析
(ブロックボード、ラミンボード及びバッテンボード)
ニーズと
マッチ
しているか
インドネシアから日本への貿易: 木製品及び合板
具体的品目
4412.94.900
ii
実際に活用
されているか
出所:日インドネシアEPA譲許表、 財務省貿易統計等を基にDTC分析
 マレーシアはシ
ェアを45%から
41%に落とす一
方で、インドネシ
アは32%から
34%に拡大
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
7 インドネシアから日本への貿易: 皮・革製品
具体的品目
(2013年の貿易額の大きい順)
2
関税削減途中の品目(27品目)
4202.92.000
6.4% →
0.8%
(外面がプラスチックシート製又は紡織用繊維製のバッグ)
4202.91.000
8.0% →
1.0%
(外面が革製又はコンポジションレザー製のバッグ)
6.4% →
0.8%
(外面が革製又はコンポジションレザー製のバッグ)
4202.99.090
4202.12.220
4202.22.200
4203.10.200
4202.31.200
4112.00.212
4113.30.222
4107.12.219
4303.90.090
4203.29.110
4106.40.211
4202.39.000
4202.11.200
4203.40.200
4202.32.200
4202.12.210
4201.00.000
4113.30.211
4113.30.212
4107.99.212
4113.90.212
4202.21.220
4105.30.112
4106.40.214
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
貿易拡大効果指数
4202.21.210
総額の貿易拡大効果指数: 0.8
 価格センシティブ
な皮・革製品は、
中国やバングラ
ディッシュとの価
格競争にさらさ
れている
1.1
0.4
(該当なし)
0
関税削減なしの品目(6品目)
4203.21.290
4203.29.200
4203.21.210
4203.30.200
4112.00.211
4303.90.010
背景
関税削減と貿易拡大の相関分析
関税削減
なしの品目
(6品目)
関税削減
途中の品目
(27品目)
関税撤廃
された品目
貿易自由度の高さ
貿易額 2010年
(USD) 2013年
515,561
1,745,652
N/A
688,563
2,568,176
N/A
他国との競争が激化する中、価格競争にさらされている皮・革製品は、
関税コストが減少するにつれ、貿易が拡大
76
出所:日インドネシアEPA譲許表、 財務省貿易統計等を基にDTC分析
 2010年から
2013年にかけ
て、日本の皮・革
製品の総輸入額
は、200億円から
280億円に拡大
し、インドネシア
製品のシェア自
体も0.7%から
1.4%に伸張
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
8 インドネシアから日本への貿易: 繊維
具体的品目
背景
関税削減と貿易拡大の相関分析
(2013年の貿易額の大きい順)
関税撤廃された品目(240品目)
5.7% →
5515.12.090
4
総額の貿易拡大効果指数: 3.5
3.5
0%
(混用繊維の全部又は大部分が人造繊維の長繊維)
1.9% →
5205.12.021
0%
(232.56デシテックス以上714.29デシテックス未満の綿糸)
4.0% →
5402.47.910
0%
5504.10.000
5509.53.010
5509.51.010
5902.20.011
5407.91.099
5603.94.290
5402.33.021
5205.14.021
5205.24.021
5514.12.090
5512.11.020
5407.61.021
5509.21.000
5513.11.090
5402.45.991
5208.12.093
5402.46.910
5205.13.021
5205.23.021
5510.11.090
5509.32.000
5703.30.100
5509.61.010
5510.11.020
5603.11.220
5513.12.090
5516.11.099
5209.12.090
5509.31.000
5509.69.010
5202.99.000
5209.11.091
5516.91.099
5510.11.010
5703.30200
5205.33021
5407.81090
5205.44021
5208.12091
5208.12099
5208.19.091
5208.22.020
5911.20.000
5503.20.010
5608.11.000
5205.22.021
5516.21.099
5508.10.000
5902.10.010
5911.90.090
5509.22.000
5205.27.021
5407.51.023
5205.26.021
5509.41.000
5211.12.020
5208.19.099
5514.11.090
5208.29.090
5603.12.230
5208.13.090
5903.90.000
5515.11.090
5407.10.089
5404.90.000
5603.12.220
5203.00.000
5516.21.091
5206.24.010
5503.20.090
5208.11.093
5509.53.020
5209.19.090
5205.47.021
5206.22.010
5208.11.092
5513.23.090
5206.23.010
5513.13.090
5210.11.020
5510.12.000
5205.48.021
5601.21.000
5407.20.091
5205.34.021
5702.49.010
5601.22.000
5608.19.011
5210.21.020
5806.32.090
5402.20.021
5208.11.099
5208.11.091
5209.11.099
5703.20.290
5205.43.021
5703.20.100
5603.11.230
5208.42.092
5208.12.092
5206.12.010
5209.51.099
5401.10.021
5208.52.099
5407.61.022
5205.12.029
5513.41.090
5402.61.021
5407.93.099
5603.12.290
5206.44.010
5516.43.099
5516.91.091
5516.41.099
5206.43.010
560313.230
5208.52.094
5603.13.220
5903.10.000
521031.020
5513..21.090
5206.14.010
5603.13.290
5209.21.090
5509.61.020
5704.90.200
5514.21.090
5407.61.023
5205.28.021
5402.51.021
5201.00.000
5407.91.091
5208.32.099
5703.90.010
5208.32.092
5514.22.090
5608.19.091
5607.50.000
5509.42.000
5210.39.020
5603.94.230
5911.90.010
5510.90.000
5702.99.010
5208.22.099
5513.31.090
5607.49.090
5407.73.021
5806.20.000
5205.32.021
5810.92.000
5407.92.099
5604.10.000
5209.31.099
5402.59.021
5810.10.000
5407.84.090
5509.51.020
5512.19.020
5505.10.000
5407.20.099
5208.51.099
5609.00.010
5208.52.093
5906.99.000
5206.42.010
5209.32.090
5208.31.091
5903.20.000
5516.12.099
5202.10.000
5702.42.200
5509.62.010
5407.83.090
5208.52.091
5208.21.099
5211.11.020
5407.82.090
5206.13.010
5208.39.099
5209.39.090
5407.61.029
5210.32.020
5705.00.022
5807.10.000
5303.10.000
5208.32.091
5516.23.091
5210.51.029
5606.00.020
5208.43.090
5516.93.099
5603.11.290
5603.93.220
5007.20.039
5107.10.090
5205.11.021
5205.22.022
5205.23.022
5206.25.010
5206.34.010
5208.31.099
5208.49.090
5208.51.091
5208.59091
5209.31.091
5209.41.090
5210.11.010
5210.11.030
5210.31.010
5211.32..020
5211.49.010
5308.90.091
5311.00.030
5402.49.021
5402.52.021
5402.62.021
5407.42.021
5407.72.021
5514.19.911
5514.23.090
5515.19.090
5516.13.099
5516.23.099
5603.92.220
5609.00.020
5702.10.000
5702.20.000
5702.42.100
5703.10.000
5704.90.100
5810.91.000
5810.99.020
5901.90.000
5906.10.000
5906.91.020
5907.00.000
貿易拡大効果指数
(ポリエステルの合成繊維の長繊維の糸)
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
2
(該当なし)
(該当なし)
0
関税削減
なしの品目
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
(240品目)
貿易自由度の高さ
貿易額 2010年
(USD) 2013年
N/A
N/A
28,796,346
N/A
N/A
39,379,846
他国との競争が激化する中、インドネシア産品は関税コストが削減され、貿易が拡大
77
出所:日インドネシアEPA譲許表、 財務省貿易統計等を基にDTC分析
 労働集約的な産
業である繊維産
業は価格競争が
激しく、常に中国
やベトナムとの
価格競争にさら
されている
 2010年から
2013年にかけ
て、日本の繊維
製品の総輸入額
は、623億円から
850億円に拡大
し、インドネシア
からの輸入額も
371億円から522
億円に伸張
全体/
分野別
関税削減が貿易拡大に
寄与しやすい分野は何か
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減と貿易拡大の相関分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
インドネシアから日本への貿易: 衣類
9
具体的品目
背景
関税削減と貿易拡大の相関分析
(2013年の貿易額の大きい順)
関税削減途中の品目(253品目)
6203.43.200
9.1%
→
総額の貿易拡大効果指数: 17.4
0%
(男子用のスーツ)
6204.63.200
9.1%
→
0%
9.1%
→
0%
(女子用のスーツ)
6205.20.000
(男子用のシャツ)
6104.63.020
6211.42.200
6104.43.010
6112.41.010
6104.43.020
6109.90.016
6204.69.200
6108.22.000
6110.11.010
6204.42.200
6203.41.200
6103.43.020
6106.10.011
6108.21.000
6110.30.029
6108.31.000
6201.92.200
6210.40.200
6107.11.000
6202.13.200
6116.93.095
6111.20.310
6104.62.020
6111.20.390
6202.92.200
6303.92.090
6104.42.020
6202.11.200
6207.21.000
6109.10.011
6208.21.000
6203.31.200
6202.91.200
6107.12.000
6114.30.021
6006.31.021
6107.21.000
6104.42.010
6204.51.200
6204.43.200
6204.61.200
6105.10.012
6116.92.015
6203.49.210
6210.50.200
6102.30.011
6203.33.200
6204.44.200
6204.53.200
6104.44.020
6204.52.200
6101.30.011
6211.32.200
6108.92.020
6104.33.010
6201.12.200
6204.33.200
6104.53.010
6101.20.010
6105.20.013
6114.20.020
6208.91.210
6103.42.020
6104.69.020
6204.32.200
6203.32.200
6006.31.010
6110.30.015
6110.19.020
6202.12.200
6209.20.222
6110.30.016
6303.12.010
6111.30.310
6304.93.090
6104.53.020
6302.91.000
6209.30.222
6102.10.010
6112.12.010
6103.22.010
6104.52.010
6103.32.020
6208.92.220
6203.39.290
6205.30.090
6006.32.010
6217.10.019
6103.32.010
6110.90.020
6109.90.013
6207.91.220
6203.49.290
6108.11.000
6114.20.010
6005.32.000
6104.69.010
6101.30.020
6110.30.025
6201.13.200
6103.23.010
6204.59.200
6210.20.200
6107.22.000
6110.19.010
6006.21.020
6104.32.010
6204.49.200
6110.90.010
6006.22.020
6116.10.251
6104.44.010
6006.31.029
6105.10.020
6109.90.017
6203.23.200
6117.10.013
6201.11.200
6104.52.020
6108.92.014
6113.00.099
6006.21.010
6307.10.020
6104.23.010
6302.21.000
6302.31.000
6301.40.010
6206.90.210
6104.33.020
6102.30.021
6203.39.210
6112.31.010
6116.10.152
6114.30.019
6104.59.020
6211.12.000
6104.32.020
6206.20.210
6117.10.093
6206.10.210
6104.22.010
6301.40.090
6112.12.020
6201.93.100
6302.51.000
6204.39.200
6108.91.020
6304.91.010
6110.20.021
6104.59.011
6217.10.090
6114.30.029
6204.12.200
6006.32.021
6303.91.000
6101.20.020
6103.33.010
6001.21.000
6206.40.220
6304.92.000
6201.92.100
6302.53.099
6112.41.020
6214.20.200
6301.30.099
6117.10.019
6211.49.210
6103.41.010
6211.49.290
6304.99.029
6211.20.310
6302.32.090
6214.10.290
6106.90.019
6204.22.200
6206.30.220
6304.91.090
6006.22.010
6108.91.011
6214.30.200
6214.10.210
6202.99.200
6301.90.000
6001.22.000
6003.30.010
6004.10.030
6102.10.020
6102.20.020
6102.30.019
6103.33.020
6104.31.010
6105.20.012
6112.49.020
6201.13.100
6201.91.200
6201.99.200
6204.23.200
6207.19.000
6211.11.010
6211.11.090
6211.20.390
6302.10.010
6302.93.090
6303.99.029
6304.99.010
6304.99.021
6306.12.000
6307.10.010
18
F
T
A
に
よ
る
貿
易
拡
大
の
効
果
16
14
貿易拡大効果指数
6203.42.200
6206.40.210
6205.30.010
6110.30.014
6204.62.200
6206.30.210
6210.10.210
6103.43.010
6104.63.010
6110.20.029
6207.11.000
6110.20.019
6114.30.011
6104.62.010
6110.30.012
6106.20.018
6203.11.200
6203.12.200
6110.30.024
6109.90.021
6110.30.022
6116.10.252
6102.20.010
6201.93.200
6211.43.200
6109.10.020
6208.91.220
6302.60.000
6109.10.012
6105.20.011
6211.33.200
6110.20.011
6110.30.011
6115.96.000
6106.10.012
6116.93.015
6202.93.200
6109.90.012
6103.42.010
6110.11.020
6105.10.011
6115.95.000
17.4
12
10
8
6
4
(該当なし)
(該当なし)
2
0
関税削減
なしの品目
関税削減
途中の品目
関税撤廃
された品目
(253品目)
貿易自由度の高さ
貿易額 2010年
(USD) 2013年
N/A
N/A
17,049,553
N/A
N/A
79,487,345
 労働集約的な産
業である衣類製
品は価格競争が
激しく、常に中国
やベトナムとの
価格競争にさら
されている
 2010年から
2013年にかけ
て、インドネシア
製品のシェアは
0.8%から3%に
拡大し、順位は
Top8からTop4
に上昇
•
中国は依然とし
てTop1であるも
のの、シェアは
82%から75%に
減少
労働集約的でかつ、価格センシティビティが高い衣類製品は、他国との価格競争にさらされており、
関税コストが減少するにつれ、貿易が拡大
78
出所:日インドネシアEPA譲許表、 財務省貿易統計等を基にDTC分析
品目別
関税削減された品目の
貿易は拡大しているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減品目の貿易額の変化分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
分析手法(詳細)及び結果サマリ
分析手法︵
詳細︶
1. HSコード10桁ベースでインドネシアから日本への貿易額を入手
2. 各品目(HSコード10桁ベース)における関税削減状況を整理
• 貿易統計の実行関税率及び日インドネシアEPA譲許表に基づき、各品目におけるEPA前後の関税率を整理
3. 関税削減による貿易拡大の効果が大きかった主要品目の特定及び評価分析
【抽出条件】
•
•
関税削減された品目
直近年(2013年)において、貿易額がUS$ 5 million以上の品目
•
JIEPA貿易拡大効果指数が1.5以上の品目
品目カテゴリー
関税削減による効果が
大きかった品目︵
151品目︶
2804.61.00.00
2916.20.00.00
3214.90.00.00
3304.99.00.00
2820.10.00.00
2917.35.00.00
3215.11.00.00
2924.29.10.00
洗剤・潤滑剤
3402.13.00.00
3403.11.90.00
3403.99.00.00
たんぱく系物質製品
3506.91.00.00
写真用又は映画用
の材料
3707.90.90.00
化学工業製品
プラスチック及び
その製品
ゴム及びその製品
紙又はパルプ製品
人造繊維 長繊維
及びその
短繊維
織物
セメント・石綿に類す
る材料の製品
79
該当HSコード
無機化学品
有機化学品
着色料・ペイント
精油及び調整香料
3812.10.00.00
3812.20.00.00
3818.00.00.00
3824.90.99.00
3902.90.90.00
品目カテゴリー
鉄鋼
2930.90.90.00
鉄鋼製品
銅及びその製品
アルミニウム及びその製品
工具・道具
各種卑金属製品
3815.19.00.00
3815.90.00.00
3903.20.90.00
3906.90.90.00
3907.30.90.00
3909.50.00.00
3910.00.90.00
3911.10.00.90
3911.90.00.00
3917.32.00.00
3917.40.00.00
3919.10.90.00
3920.20.90.00
3920.30.00.00
3920.61.90.00
3920.69.00.00
3926.90.99.00
4002.39.90.00
4002.70.90.00
4002.99.90.00
4005.10.00.00
4008.21.00.00
4011.10.00.00
電気機器及び
その部品
5402.49.00.00
5407.61.00.00
自動車及びその製品
5502.00.00.00
5503.20.00.00
6804.22.00.00
6806.90.00.00
光学機器・医療用機器
及びその製品
楽器及びその製品
雑品
機械類及び
その部品
4821.10.00.00
6813.89.00.00
出所:日インドネシアEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析
7210.30.11.00
7229.90.00.00
7304.31.00.00
7307.91.00.00
7407.21.00.00
7607.19.00.00
8208.10.00.00
8301.20.00.00
8404.20.00.00
8414.80.90.00
8424.30.00.00
8438.90.00.00
8462.21.00.00
8466.10.00.00
8477.30.00.00
8479.90.00.00
8482.40.00.00
8505.90.00.00
8514.10.00.00
8522.90.99.00
8547.20.00.00
8705.10.00.00
8708.50.90.00
9001.10.00.00
9031.20.00.00
9209.91.00.00
9607.20.00.00
7210.49.10.00
該当HSコード
7220.20.10.00
7304.49.00.00
7309.00.00.00
7409.40.00.00
7304.49.00.00
7320.90.10.00
7411.29.00.00
8302.30.90.00
8409.91.90.00
8417.80.00.00
8424.89.00.00
8454.20.00.00
8463.10.00.00
8466.20.00.00
8479.50.00.00
8480.30.00.00
8482.80.00.00
8506.50.00.00
8514.20.00.00
8536.49.90.00
8307.10.00.00
8413.19.00.00
8419.39.00.00
8426.41.00.00
8458.99.90.00
8463.30.00.00
8466.92.00.00
8479.81.00.00
8480.71.90.90
8483.90.00.00
8506.80.00.00
8514.30.00.00
8536.69.00.00
8705.90.00.00
8708.91.90.00
9017.30.00.00
9031.80.00.00
8708.10.90.00
8708.94.90.00
9024.10.00.00
9032.10.00.00
7220.90.90.00
7226.92.00.00
7306.30.20.00
7307.29.90.00
8413.60.90.00
8419.89.90.00
8426.91.00.00
8459.10.00.00
8463.90.00.00
8466.94.00.00
8479.82.00.00
8481.20.00.00
8484.10.00.00
8511.30.00.00
8515.21.00.00
8538.90.00.00
8413.70.19.00
8419.90.00.00
8428.20.00.00
8459.29.00.00
8465.94.00.00
8468.80.00.00
8479.89.90.00
8481.30.00.00
8708.29.90.00
8708.40.90.00
9024.80.00.00
9032.90.00.00
9029.90.00.00
9033.00.00.00
8511.50.90.00
8515.90.00.00
8543.30.00.00
品目別
関税削減された品目の
貿易は拡大しているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減品目の貿易額の変化分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
関税削減による貿易拡大効果が大きかった品目のTOP10
直近の貿易額(2013年)に基づくランキング
JIEPA貿易拡大効果指数に基づくランキング
順位
HS
コード
分類
品目内容
1
7226.92
鉄鋼
.00.00
冷間圧延をした製品
2
3215.11
着色料・ペイント
.00.00
黒色インク
機械
3
8428.20 機械類及び
.00.00 その部品
機械
4
機械
2013年
貿易額
(USD)
JIEPA
2012年
EPA前
貿易拡大
時点の
関税率
効果指数*
関税率
順位
HS
コード
分類
品目内容
2013年
貿易額
(USD)
JIEPA
2012年
EPA前
貿易拡大
時点の
関税率
効果指数*
関税率
5%
1.9%
機械
1
8409.91 機械類及び
.90.00 その部品
ピストン式火花点火
351,655,575
内燃機関のエンジン
3.1
69,921,720
82.5 10%
1.7%
鉄鋼
2
7210.49
鉄鋼
.10.00
鉄又は非合金鋼のフ
156,939,695
ラットロール製品
5.0 15%
8.2%
エレベーター及びコ
ンベヤ
10,701,611
72.5
5%
0%
機械
3
8708.40 自動車及び
.90.00 その製品
ギヤボックス及びそ
148,785,228
の部品
3.8 10%
0%
8482.40 機械類及び
.00.00 その部品
針状ころベアリング
20,575,034
55.5
5%
0%
4
9031.80 光学機器・医療用 測定用又は検査用
.00.00 機器及びその製品 の機器
87,958,268
3.1
5%
0%
5
8479.81 機械類及び
.00.00 その部品
金属の処理用の機
械
15,545,795
52.3
5%
0%
5
8479.89 機械類及び
.90.00 その部品
固有の機能を有する
機械類の部品
71,260,759
2.6
5%
0%
6
6804.22 セメント・石綿に類 一般回転研削用砥
.00.00 する材料の製品 石
10,893,795
36.0
5%
1.9%
6
3215.11
着色料・ペイント
.00.00
黒色インク
69,921,720
82.5 10%
1.7%
機械
7
8514.30 電気機器及び
.00.00 その部分品
その他高炉
13,743,610
30.5
5%
0%
7
8708.94 自動車及び
.90.00 その製品
ハンドル、ステアリン
グコラム及び部品
66,639,774
5.8 10%
0%
機械
8
8536.69 電気機器及び
.00.00 その部品
スイッチ、ヒューズ等
の電気回路機器
27.5 10%
0%
8
3906.90 プラスチック及びそ
アクリル重合体
.90.00 の製品
63,084,733
2.8
5%
0%
機械
9
8458.99 機械類及び
.90.00 その部品
その他旋盤
18,792,979
27.5
5%
0%
9
8480.71 機械類及び
.90.90 その部品
60,126,874
3.3
5%
0%
機械
10
8482.80 機械類及び
.00.00 その部品
ベアリング
39716445
24.1
5%
0%
10
5502.00 人造繊維の短繊維 再生繊維又は半合
成繊維の長繊維のト
.00.00 及びその織物
ウ
57,472,499
2.5
5%
0%
鉄鋼
6,742,900
8,331,695
352.2
機械
機械
機械
射出式又は圧縮式
の成形用の型
関税削減による貿易拡大効果が大きかった品目のうち、特に鉄鋼や機械類の貿易拡大の効果が高かった
80
* JIEPA貿易拡大効果指数= {(CAGR B) – (CAGR A) } / | CAGR A |+1
出所:JIEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析
5%
0%
品目別
関税削減された品目の
貿易は拡大しているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減品目の貿易額の変化分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
関税削減による貿易拡大効果が大きかった品目の変化分析(例) 1/2
無水フタル酸(有機化学品)
HS 2917.35.00.00
非耐火性調製上塗り材(着色料・ペイント)
HS 3214.90.00.00
CAGR
+29%
CAGR
60%
2004
2007
関税5%
EPA発効前
CAGR
-4%
US$ 19m
2010
2013
関税0%
EPA発効後
再生繊維のトウ(人造繊維(短繊維))
HS 5502.00.00.00
2004
2007
関税5%
EPA発効前
EPA発効後
鉄鋼製品(鉄鋼製のカップリング)
HS 7307.29.90.00
EPA発効前
81
EPA発効後
EPA発効前
2004
2007
関税5%
US$ 3m
2010
2013
関税0%
EPA発効前
注:EPA締結後の関税率は2012年時点のものである。
出所:JIEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析・作成
EPA発効後
US$ 9m
2010
2013
関税1.7%
EPA発効後
アルミニウムのはく(アルミニウム及びその製品)
HS 7607.19.00.00
CAGR
+10%
US$ 20m
US$ 15m
CAGR
+16%
2010
2013
関税0%
2004
2007
関税10%
CAGR
+69%
US $57m
2007
関税5%
CAGR
-4%
2010
2013
関税0.8%
US$ 43m
2004
US$ 24m
US$ 3m
CAGR
+10%
CAGR
-19%
CAGR
+41%
US$ 6m
US$ 41m
CAGR
-35%
プラスチック及びその製品(プラスチック製の板)
HS 3919.10.90.00
US$ 15m
CAGR
+2%
2004
2007
関税10%
EPA発効前
2010
2013
関税1.7%
EPA発効後
品目別
関税削減された品目の
貿易は拡大しているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減品目の貿易額の変化分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
関税削減による貿易拡大効果が大きかった品目の変化分析(例) 2/2
炉(工業用)(機械類及びその部品)
HS 8417.80.00.00
数値制御式鍛造機(機械類及びその部品)
HS 8462.21.00.00
CAGR
+152%
CAGR
176%
2007
関税5%
EPA発効前
US$ 20m
CAGR
-12%
US$ 1m
2004
CAGR
+116%
US$ 21m
US$ 22m
CAGR
17%
リチウム電池(電気機器及びその部品)
HS 8506.50.00.00
2010
CAGR
+9%
US$ 1m
2013
2004
2007
関税5%
関税0%
EPA発効後
ギアボックス部品(自動車及びその部品)
HS 8708.40.90.00)
2010
2013
関税0.8%
EPA発効前
EPA発効後
EPA発効前
マイクロメーター(測定機器)
HS 9017.30.00.00
CAGR
+190%
2010
2013
関税0%
EPA発効後
検査機器(測定機器)
HS 9031.80.00.00
CAGR
+48%
CAGR
+25%
US$ 149m
CAGR
+50%
2004
2007
関税10%
US$ 2m
US$ 88m
US$ 10m
CAGR
-8%
US$ 5m
CAGR
+16%
US$ 27m
US$ 6m
2004
2007
関税10%
EPA発効前
82
2010
2013
関税0%
EPA発効後
2004
2007
関税5%
2010
2013
関税0%
EPA発効前
注:EPA締結後の関税率は2012年時点のものである。
出所:JIEPA譲許表、 Indonesia foreign trade statistics. Import等を基にDTC分析・作成
EPA発効後
2004
2007
関税5%
EPA発効前
2010
2013
関税0%
EPA発効後
品目別
関税削減された品目の
貿易は拡大しているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減品目の貿易額の変化分析
評価軸の
設定
i
調査・分析方法の
選定
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
分析手法(詳細)及び結果サマリ
分析手法︵
詳細︶
1. HSコード9桁ベースでインドネシアから日本への貿易額を入手
2. 各品目(HSコード9桁ベース)における関税削減状況を整理
• 貿易統計の実行関税率及び日インドネシアEPA譲許表に基づき、各品目におけるEPA前後の関税率を整理
3. 関税削減による貿易拡大の効果が大きかった主要品目の特定及び評価分析
【抽出条件】
•
•
関税削減された品目
直近年(2013年)において、貿易額が5億円以上の品目
•
JIEPA貿易拡大効果指数が1.5以上の品目
品目カテゴリー
関税削減による効果が
大きかった品目︵ 品目︶
63
83
該当HSコード
水産品
0306.17.200
木材及びその製品
4412.32.190
4412.32.911
4412.32.912
4412.32.991
綿及び綿織物
5205.12.021
5205.13.021
5205.14.021
5205.23.021
人造繊維の長繊維
5402.45.991
5402.47.910
5407.61.021
人造繊維の短繊維
5509.32.000
5509.61.010
5510.11.020
5510.11.090
6102.20.010
6103.42.010
6103.43.010
6106.20.018
6109.10.012
6110.30.011
衣類(メリヤス編み又
はクロセ編みを除く)
紡織用繊維
6302.60.000
履物
6402.19.000
衣類(メリヤス編み又
はクロセ編みに限る)
5205.24.021
5208.12.093
6104.62.010
6104.63.010
6105.10.011
6105.20.011
6106.10.012
6109.10.020
6109.90.021
6110.11.020
6110.20.011
6110.20.019
6110.20.029
6110.30.012
6110.30.014
6110.30.022
6110.30.024
6114.30.011
6115.96.000
6116.93.015
6201.93.200
6203.11.200
6203.12.200
6203.42.200
6203.43.200
6204.62.200
6204.63.200
6205.20.000
6205.30.010
6206.30.210
6206.40.210
6207.11.000
6208.91.220
6211.33.200
6211.43.200
6402.91.000
6402.99.010
6404.11.000
6404.19.290
出所:日インドネシアEPA譲許表、 財務省貿易統計等を基にDTC分析
品目別
関税削減された品目の
貿易は拡大しているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減品目の貿易額の変化分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
関税削減による貿易拡大効果が大きかった品目のTOP10
直近の貿易額(2013年)に基づくランキング
JIEPA貿易拡大効果指数に基づくランキング
順位
HSコード
分類
品目内容
2013年
貿易額
(千円)
JIEPA
EPA前 現状の
貿易拡大
関税率 関税率
効果指数*
繊維
衣類
1
6205.20.000 衣類
綿製の男性用シャ
ツ
3,651,189
513.9 7.4%
0%
繊維
衣類
2
6110.20.019 衣類
綿製のトレーナー
1,401,989
119.8 10.9%
0%
1,492,682
91.5 9.1%
0%
順位
HSコード
分類
品目内容
2013年
貿易額
(千円)
シュリンプ及びプロー
40,224,396
ン
1
0306.17.200 水産品
2
4412.32.991 その製品 12mm未満の合板
3
6404.11.000 履物
4
JIEPA
EPA前 現状の
貿易拡大
関税率 関税率
効果指数*
4.4
1%
0%
9,365,453
6.3 15%
6%
本底がゴム製の
シューズ
7,745,288
4.9
1%
6203.43.200 衣類
合成繊維製のズボ
ン・ショーツ
6,638,928
5
6402.99.010 履物
その他シューズ
6,034,665
木材及び 厚さが6mm以上
繊維
衣類
3
6110.20.029 衣類
その他綿製のカー
ディガン・ベスト等
に類するもの
繊維
衣類
4
6104.62.010 衣類
綿製ズボン及び
ショーツ
1,310,490
61.0 10.9%
0%
繊維
衣類
5
6110.30.012 衣類
アクリル製のトレー
1,262,282
ナー
57.7 10.9%
0%
繊維
衣類
6
6109.90.021 衣類
人造繊維製のT
シャツ
1,160,076
56.5 7.4%
0%
繊維
衣類
6
6204.63.200 衣類
合成繊維製の女性用
スーツ・ジャケット
3,924,136
19.4 9.1%
0%
繊維
衣類
7
6203.43.200 衣類
合成繊維製のズボ
6,638,928
ン・ショーツ
43.4 9.1%
0%
繊維
衣類
7
6205.20.000 衣類
綿製の男性用シャツ
3,651,189
513.9 7.4%
0%
繊維
衣類
8
6110.20.011 衣類
綿製のカーディガ
ン・ベスト
716,719
24.7 10.9%
0%
繊維
衣類
8
6203.42.200 衣類
綿製のズボン・ショー
ツ
2,965,707
2.2 9.1%
0%
繊維
衣類
9
5509.61.010 の短繊維 合成繊維の紡績糸
632,489
24.0 4.0%
0%
9
6404.19.290 履物
皮を使用したシュー
ズ
2,955,245
2.7
8%
1%
2,053,610
21.8 9.1%
0%
10 4412.32.190
ワニス塗装の合板
その製品
2,826,775
2.5 15%
6%
繊維
衣類
人造繊維
10 6206.30.210 衣類
綿製の女性用ブラ
ウス・シャツ
繊維
衣類
木材及び
関税削減による貿易拡大効果が大きかった品目のうち、
特に繊維・衣類関連品目において貿易拡大の効果が高かった
84
* JIEPA貿易拡大効果指数= {(CAGR B) – (CAGR A) } / | CAGR A |+1
出所:JIEPA譲許表、 財務省貿易統計等を基にDTC分析
8%
43.4 9.1%
2.2
8%
0%
0.8%
品目別
関税削減された品目の
貿易は拡大しているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減品目の貿易額の変化分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
関税削減による貿易拡大効果が大きかった品目の変化分析(例) 1/2
合板(木材及びその他製品)
HS 4412.32.991
シュリンプ及びプローン(水産品)
HS 0306.17.200
CAGR
-4%
CAGR
10%
漂白していない綿糸(綿及び綿製品)
HS 5205.12.021
CAGR
+52%
CAGR
-12%
402億円
CAGR
+56%
94億円
27億円
2004
2007
関税1%
EPA発効前
2010
2013
関税0%
2004
EPA発効前
EPA発効後
漂白していない綿糸(綿及び綿製品)
HS 5205.14.021
2007
関税15%
4億円
2010
2013
関税6%
EPA発効後
合成繊維糸の織物(人造繊維(長繊維))
HS 5407.61.021
CAGR
+48%
CAGR
+25%
CAGR
-23%
2007
関税2.3%
EPA発効前
85
2010
2013
関税0%
EPA発効後
EPA発効前
2010
2013
関税0%
EPA発効後
合成繊維の紡績糸
HS 5509.61.010 (人造繊維(短繊維))
CAGR
+21%
CAGR
-1%
6億円
4億円
3億円
6億円
2004
2004
2007
関税2.3%
10億円
CAGR
-8%
11億円
17億円
CAGR
-67%
304億円
2004
2007
関税4.56%
EPA発効前
出所:JIEPA譲許表、 財務省貿易統計等を基にDTC分析・作成
2010
2013
関税0%
EPA発効後
2004
2007
関税4%
EPA発効前
2010
2013
関税0%
EPA発効後
品目別
関税削減された品目の
貿易は拡大しているか
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
1 JIEPA活用実績評価−企業行動の観点:関税削減品目の貿易額の変化分析
評価軸の
設定
調査・分析方法の
選定
i
調査・分析の実施
実績評価の実施
【物品貿易】
ii
実際に活用
されているか
ニーズと
マッチ
しているか
A
B
関税削減による貿易拡大効果が大きかった品目の変化分析(例) 2/2
合成繊維製ジャケット及びブレザー(衣類)
HS 6103.43.010
綿製トレーナー(衣類)
HS 6110.20.019
合成繊維製ズボン・ショーツ(衣類)
HS 6203.43.200
CAGR
53%
CAGR
96%
14億円
66億円
CAGR
0%
17億円
CAGR
6%
CAGR
+136%
CAGR
-3%
4億円
2億円
2004
2007
2010
5億円
2013
2004
2007
2010
2013
関税10.9%
関税0%
関税10.9%
関税0%
EPA発効前
EPA発効後
EPA発効前
EPA発効後
綿製の男性用シャツ(衣類)
HS 6205.20.000
スポーツシューズ(履物)
HS 6402.19.000
2004
2007
関税9.1%
EPA発効前
2013
関税0%
EPA発効後
本底がゴム製のシューズ(履物)
HS 6404.11.000
CAGR
+35%
CAGR
41%
CAGR
45%
2010
77億円
24億円
37億円
CAGR
0%
CAGR
15%
12億円
2004
2007
関税7.4%
EPA発効前
86
2010
2013
関税0%
2004
2007
関税6.7%
EPA発効後
出所:JIEPA譲許表、 財務省貿易統計等を基にDTC分析・作成
EPA発効前
CAGR
-12%
9億円
2010
2013
関税0.8%
EPA発効後
2004
2007
関税8%
EPA発効前
32億円
2010
2013
関税1%
EPA発効後
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-1 2008年以降の変化に対する日本の視点
 消費者市場としてのインドネシア
変化分析例−自動車
変化分析例−エレクトロニクス
変化分析例−食品
 生産拠点としてのインドネシア
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像
2008年以降のインドネシア消費市場の変化
トピック
日本企業にとっての示唆
概要/例
政権交代
• (大統領選後の新政権による政策の維持・
変化)
政治
Politics
経済
Economy
社会
Society
技術
Technology
88
規制・制度の
変化
所得
拡大
中間層の
拡大
富裕層の
拡大
社会課題
変化
• 国内産業保護・育成のための規制強化
(例:小売外資規制、LCGC政策)
• 食品輸入の拡大に伴い、ハラル認証・有機認証
等の食の安心・安全に関する規制強化
• 中間層世帯が31%から46%に拡大
(年収USD5,000-10,000)
• ボリュームゾーンとなる消費者層が拡大
• 消費がより多様化(例:健康志向の高まり)
• 高所得者世帯が9%から21%拡大
(年収USD10,000以上)
• 高付加価値商品・サービスの消費者層が拡大
インドネシアにおける
有望市場(商品・
サービス)の変化
• 国内需要拡大に伴う電力不足・価格高騰
• 食品輸入の拡大に伴う食の安心・安全問題
• 産業化に伴う大気汚染・水質汚染や
交通渋滞などの環境問題の深刻化
インフラ整備
• 物流インフラ不足による課題の顕在化
(例:交通渋滞、コールドチェーンの未整備、
港湾キャパシティ不足、低い鉄道輸送力)
技術革新・
新技術の普及
• モバイル端末によるSNSやeコマースの拡大
• Eコマースの拡大によるチャネル構造が変化
• スマートシティ関連の取組み拡大
日本企業が求める
ビジネス環境整備
内容の変化
• JIEPA見直しにおいて、
新たに自由化すべき
モノ・サービスの要望への
示唆
• JIEPA見直しにおける、
インドネシアのビジネス環境
整備に関する要望への示唆
− 投資環境
− 知的財産保護・競争環境
− 基準・規格等のルール環境
(貿易の技術的障害(TBT))
− 衛生植物検疫措置(SPS)等
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:政権交代
歴代大統領の変遷と新政権
▼1945
▼1968
スカルノ
Sukarno
1945∼67
▼1998
スハルト
Suharto
1968∼98
・インドネシア
独立宣言
・経済開発
路線確立
・スハルト退陣時
、 副大統領
・独立戦争
(対オランダ)
・外資導入
(華人系コング
ロマリット成長)
・民主化勢力
の 要求で民
主化実施
ハビビ
Habibie
1998∼99
・イスラム指導者
▼1999
ワヒド
メガワティ
Wahid
Megawati
1999∼01 2001∼04
・民主化に向
けた 憲法改正
(正副大統領
の公選制度)
・権力基盤
不安定
▼2001
▼2004
▼2014
ユドヨノ
Yudhoyono
2004∼13
ジョコ
Joko
2014∼
・直接選挙での
初の大統領
・2014年7月の
選挙で当選
・現在2期目
(2009∼)
・2014年10月
就任
インドネシアにおける国会勢力図の推移
*民主党は2001年、グリンドラ党は2008年(前身の農民漁民党は2007年)結成
100.0%
15.4%
80.0%
11.6%
10.2%
60.0%
0.0%
40.0%
1.4%
6.8%
0.0%
24.0%
その他
13.0%
民主党(PD)
18.9%
16.3%
グリンドラ党
19.8%
16.8%
19.5%
2004-2009
2009-2014
2014-2019
23.1%
20.0%
30.6%
3.1%
6.8%
10.2%
5.0%
8.2%
9.0%
7.0%
7.1%
8.4%
8.8%
10.9%
9.0%
10.6%
8.2%
9.5%
9.6%
10.2%
0.0%
26.4%
4.6%
2014年7月の選挙により、ジョコ新大統領が10月より就任
89 出所:JETRO資料、政府HPを基にDTC作成
福祉正義党(PKS)
民族覚醒党(PKB)
国民信託党
ゴルカル党(Golkar)
0.0%
1999-2004
開発統一党
闘争民主党(PDIP)
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:政権交代
2014年7月の大統領選
闘争民主党(PDIP)連合
議席率:37.1%
グリンドラ党連合
議席率:52.2% (民主党を含めると63.1%)
グリンドラ党(GERINDRA)
議席率:13.0%
闘争民主党(PDIP)
議席率:19.5%
メガワティ党首(元大統領)
イスラム政党
ゴルカル党(GOLKAR)
議席率:16.3%
民族覚醒党(PKB)
議席率:8.4%
政党
イスラム政党
国民信託党(PAN)
議席率:8.8%
イスラム政党
福祉正義党(PKS)
議席率:7.1%
イスラム政党
開発統一党(PKS)
議席率:7.1%
政党
ナスデム党(NASDEM)
議席率:6.3%
民主党(PD) 選挙直前に
議席率:10.9% 支持表明
ユドヨノ大統領
ハヌラ党(HANURA)
議席率:19.5%
プラボウォ・スビアント大統領候補
ジョコ・ウィドド大統領候補
擁立候補
擁立候補
ユスフ・カラ副大統領候補
90 出所:JETRO資料を基にDTC作成
ハッタ・ラジャサ副大統領候補
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
P: Politics
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:政権交代
ジョコ・ウィドド氏の略歴および公約
 1961年6月21日生まれ(53歳)
• 貧困家庭に生まれ、家具業経営を経る
 2005年にソロ市長選挙で初当選
• 保険・教育無料プログラム等、改革を実施して市民から圧倒的な支持を得る
 2010年に90%超の支持率を得て再当選
 2012年にジャカルタ特別州知事選で「庶民派」をアピールして当選
 2014年10月より、新大統領に就任
略歴
目的
「独立的、自立的で、相互扶助に基づいた個性あるインドネシアの実現」
① 領土保全と経済的独立を保持できる国防の実現
② 法治国家を基盤とする先進的でバランスの取れた民主的な社会の実現
③ 自由闊達で海洋国家としての固有性によった外交の実現
④ 高水準、先進的で豊かな生活の質の実現
⑤ 競争力ある国民の実現
⑥ 独立的、先進的、強力で、国益を基盤とする海洋国家の実現
⑦ 文化における個性的な社会の実現
公約
(ミッション)
9つの優先
アジェンダ
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
全ての人々の安全が保護された国への回帰
清く、効率的で、民主的で信頼できる政府作り
インドネシア人として、農村地方も含めた統一的な国づくり
腐敗のない、尊厳と信頼のある法制度整備
インドネシア人の生活の質向上
国際市場における生産性と競争力の向上
国内産業の戦略セクターを集中させることによる、経済的自立の実現
州の財政強化
インドネシアの社会的統一性の強化
91 出所:JETRO資料、政府HPを基にDTC作成
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:所得拡大
中間層の拡大
 毎年700万人が中所得者入りしており、ボリュームゾーンとなる消費者層の拡大が見込まれる
(千世帯 )
インドネシアの所得別世帯数の推移
75,000
US$25,000超
60,000
58,590
8%
1%
59,260
59,920
60,580
61,260
3%
61,940
3%
62,620
3%
8%
14%
18%
19%
19%
21%
63,320
5%
64,020
64,730
65,450
6%
9%
12%
US$5,000~US$10,000
US$3,000~US$5,000
US$3,000未満
31%
45,000
US$10,000~US$25,000
39%
31%
31%
47%
53%
41%
46%
46%
46%
30,000
37%
47%
48%
37%
46%
33%
15,000
41%
29%
(24%)
29%
23%
10%
0
2008
29%
2009
2010
34%
28%
17%
4%
3%
2011
2012
3%
0%
0%
2013
2014
2015
9% 0%
2016
2%
2017
中間層
0%
2018
(2013年以降予測値)
中間層世帯は、31%から46%に拡大しており、ボリュームゾーンとなる消費者層の拡大が見込まれる
出所:EIU及びEuromonitorのデータ
92
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:所得拡大
(参考)一人当たり国民総所得(GNI)の比較
(USD)
11,000
10,400
8,830
9,000
8,000
マレーシア
9,820
10,000
8,150
7,500
7,590
7,000
6,000
3,000
2,000
5,370
3,420
3,580
タイ
4,620
5,000
4,000
5,250
4,320
3,750
2,230
1,950
1,000
3,860
2,480
2,740
2,920
3,270
2,160
1,120
2,500
1,270
2,610
1,390
1,550
1,730
2009
2010
2011
2012
2013
一人当たりGNIは、ゆるやかに成長を継続している
93
出所:Worldbankデータ
フィリピン
2,950
ベトナム
1,000
0
2008
インドネシア
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:所得拡大
消費がより多様化(例:健康志向の高まり)
健康ブームの動向
健康ブーム
の到来
 中間層・富裕層の増加により、健康に気を遣う
市民が増加
例1:
自転車
 健康維持のために機能性食品に注目する
インドネシア人が増加
 交通量が減る深夜や休日
などに自転車を利用する
市民が増加
例:
機能性食
品
• 低価格のものから
スピードバイクまで多様
例2:
フィットネス
 富裕層の間では、ショッ
ピン モール内に入居する
ットネスクラブ利用の習慣
化が増加
 食における健康志向の高まり
 「健康意識の高まりがインドネシア国民の加工
食品の選択に大きな影響を与えるようになった。
つまり・・・健康によいというのも今や加工食品選択
のポイントの1つとなっている」(国家食品医薬品
監督庁(BPOM))
フィ
例3:
健康食品
 健康ブームに伴い、ビタミン剤などの栄養補給
剤など健康食品・機能性食品の販売も増加
 ハーブ類への普及の期待の高まり
 この動きに化粧品等メーカーが注目
例:
ハーブ類
 政府としても、国内で(伝統生薬の一部として)
ハーブ紹介・開発等に注力
• 食品医薬品監督庁(BPOM)が13種の植物産業
開発を振興
中間層の拡大によって、健康志向の高まりなどが見られ、消費が多様化してきている
94
出所:JETRO資料等を基にDTC作成
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:所得拡大
富裕層の拡大
(千世帯 )
インドネシアの所得別世帯数の推移
75,000
US$25,000超
60,000
58,590
8%
1%
59,260
59,920
60,580
61,260
3%
61,940
3%
62,620
3%
8%
14%
18%
19%
19%
21%
63,320
5%
64,020
64,730
65,450
6%
9%
12%
US$5,000~US$10,000
US$3,000~US$5,000
US$3,000未満
31%
45,000
US$10,000~US$25,000
39%
31%
31%
47%
53%
41%
46%
46%
46%
30,000
37%
富裕層
47%
48%
37%
46%
33%
15,000
41%
29%
(24%)
29%
23%
10%
0
2008
29%
2009
2010
34%
28%
17%
4%
3%
2011
2012
3%
0%
0%
2013
2014
2015
9% 0%
2016
2%
2017
0%
2018
(2013年以降予測値)
中間層世帯は、31%から46%に拡大しており、ボリュームゾーンとなる消費者層の拡大が見込まれる
出所:EIU及びEuromonitorのデータをもとに、DTC作成
95
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:社会課題の変化
大気汚染・水質汚濁
現状
大気汚染
原因
 化石燃料の燃焼過程から排出される窒素酸化物
や二酸化硫黄の増加により、ジャカルタなど人口
密度の高い都市部における大気汚染が顕在化
 都市域以外のカリマンタン等一部地域では野焼き
シーズンに煙霧(ヘイズ)による高濃度の浮遊粒
子状物質が観測
 有機性汚濁負荷の内訳として、
• 50~75%が生活排水
• 25~50%が産業排水
 全国的に、河川の汚濁が特に進んでいる
• カリマンタン島、ジャワ島等ではより深刻
(%)
水質汚濁
100
64
61
76
 自動車やオートバイからの排出増加が顕著
• 低所得者層の一部も経済成長を背景に購入可能
な所得に達したため
 鉄道などの大量輸送システムが未整備なため、過度の
道路輸送依存や慢性的な渋滞が発生
 工場の数は増加傾向にあり、中でも食品・飲料と繊維関
係の工場で約70%を占めている
• これら産業は、共に用廃水量が多い
• 工場の他、農業、家畜等も汚染の原因となっている
(工場数)
15,000
82
10,000
12,306
9,958
50
5,000
0
2008
2009
2010
2011
Fig. .水質環境基準類型Ⅱ*を超過する拠点割合
※ レクリエーション、淡水魚養殖、農業・プランテーション灌漑用
食品・飲料
繊維関係
その他
0
2004
2010
Fig. 流水汚染を生じる可能性のある大中工場数
インドネシアでは経済成長や産業の発展に伴い、環境汚染が進行している
96 出所:環境省データを基にDTC作成
5,864
(47.7%)
3,248
(26.4%)
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:社会課題の変化
交通渋滞の深刻化(1/2)
渋滞が深刻な地域
渋滞解消に向けた取組と状況
1台あたり道路距離が短いエリア
凡例
渋滞が深刻なエリア
○:規制・施策導入済
△:規制・施策の導入を検討している
×:規制・施策を導入する計画はない
1.0
0.9
0.8
インドネシア
0.7
フィリピン
ムンバイ・デリー等の都
市部では渋滞が深刻化
中国
インド
マレーシア
0.6
フィリピンの経済損失:
24.5 億ドル(GDP比0.9%)
0.5
規制未整備
台あたり道路距離の短縮率︵ 年比︶
深
1
刻
さ
が
加
速
し
て
い
90 る
エ
リ
ア
タイ
0.4
0.3
タイの経済損失:
30億米ドル(GDP比1.1%)
0.2
0.1
ベトナム*
0
機能
している
機能
して
いない
整備
したいが
出来て
いない
整備する
意志なし
日本
0.0
50
100
需要
抑制
需要
分散
モーダル
シフト
推進
道路空間
の効率的
利用
シンガポール
○
(規制)
○
(対策)
○
(対策)
−
フィリピン
(マニラ)
○
(規制)
−
△
○
(対策)
インドネシア
(ジャカルタ)
△
○
(規制)
○
(対策)
タイ
(バンコク)
△
△
△
△
マレーシア
(クアラルン
プール)
△
−
○
(対策)
△
カンボジア
(プノンペン)
−
−
−
−
カンボジア
規制導入済
インドネシアの経済損失:
15 億米ドル(GDP比0.2%)
該当国
(都市)
150
*ベトナムは90年のデータが無いため深刻さの加速度は不明
200
国独自の施策を講じている
が、渋滞解消や財源の確
保に繋がっていない
施策や提案されているもの
の、財源不足や国民との
合意形成が難航
都市人口が少なく渋滞の
深刻さではバンコク等には
及んでおらず、取組みは
本格化していない
アジア各国で交通渋滞が国家財政を圧迫する要因のひとつとして課題視され始めており、
フィリピンやインドネシアで既に規制が導入されているが、機能していない状況である
97
出所:日経新聞、Clean Air Asia estimates ,2012 等よりDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:社会課題の変化
交通渋滞の深刻化(2/2)
ジャカルタの交通規制と課題:3in1 Policyの運用と課題
制度概要
課題
98
 ジャカルタ都心部の主要幹線道路において、1990年代に導入されたHOVレーン施策
 タクシーや公共交通を除き、3人以上の乗客を乗せた車両のみ朝夕ピーク時通行可能
 HOVレーンにバスウェイサービスであるトランスジャカルタ(1号線)を導入し、需要転換の
受け皿となる公共交通を整備
渋滞解消
効果
 並行する他の道路における交通混雑の悪化
税収確保
 3人の乗車に満たない車両が3in1エリアに乗
り入れる為に、ジョッキーと呼ばれる同乗をビ
ジネスにする人々を雇う。彼らが道に出るこ
とでまた渋滞の原因になり、かつ本来掲げて
いた“1台当たりの乗車数を増やす”という目
的も達成出来ない
 ジョッキーの料金は2万∼3万ルピア(約200
∼300円)程度
その他
課題
 ジョッキーの多くは女性と子どもであるが、そ
の子どももレンタルしている場合があり、かつ
騒がないように風邪薬等で眠らせている等の
社会問題も生じている
出所:JICA 都市交通計画策定にかかるプロジェクト研究(2011)等
▲指で数字を示し「XX人乗車可能」とい
うことをアピールする
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:社会課題の変化
食の安心・安全
食の安心・安全を脅かす事例
国内の小売店で販売されていた飲食品10種
類から有害物質メラニンを検出(2009年)
 インドネシア消費者協会(YLKI)が中央ジャカルタ
のバサールバルやチュンバカマス、西ジャカルタ・
マンガブサール、北ジャカルタのクラバガディンな
どの地区から28種の商品をサンプル調査

輸入禁止措置
中国産牛乳から有害物資 検t出

当局・消費者団体の動向
(2013年)
 インドネシアで流通する粉ミルクの22%以上が
ニュージーランド産、15%が豪州産
法的措置は講じず/
消費者団体は抗議
豪州・ NZ
産牛乳
からバクテリア検出
豪州産、ニュージーランド産粉ミルクから
ボツリヌス中毒を起こすバクテリアを検出
 中国産の輸入品は、正規認可を示すMLコードの
登録番号を付与しない
 中国以外で生産されたこれら食品の輸入に際し、
輸出書類に原産地証明の添付を義務付け
 牛乳、アメ、ビスケット等の10種類の商品からメラミ
ンが検出(このうち3種は国内の流通許可を未取
得、1種類は、他の商品の認可番号を取得)

食品医薬監督庁(BPOM)は、有害物質の検
出を理由として、中国産の牛乳、重炭酸アンモ
ニウム、卵粉の国内流通を禁止する通達
(No.PO.0102.51.0499)を発布(2009年)

BPOMは、該当製品の輸入元となる企業に
対し、バクテリアが混入した粉ミルクのロットは
インドネシアに輸出されて
いないと確認したと発表

インドネシア消費者協会(YLKI)は、企業の
言い分を鵜呑みにすべきでなく、輸入停止等
の措置を採るべきとして抗議
輸入食品に関し、食の安心・安全を脅かす事例が継続的に発生しており、
当局のみならず、消費者側も食の安心・安全への意識が高まっている
99 出所:中国商務部資料、各種ニュースソースに基づきDTC作成
S: Society
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:インフラ整備(電力)
 インドネシアでは、これまで補助金により電気料金が低く抑えられてきたが、増大する補助金による財政負担を抑制するため、
電気料金の値上げが国会で採択されており、継続的に電気料金が引き上げられていく見込み
電力販売価格の推移
(Rp/kWh)
1,000
最大電力*の見通しと既存設備容量
*最大電力は年間で最も大量の電力を消費する
*瞬間の電力を示す
*(夏期ノエアコンフル回転、工場フル操業等)
(GW)
平均
公共
家庭
官庁
工業
70
最大電力
60
既存設備容量
800
50
600
増設が必要な容量
40
30
400
20
200
10
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
0
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
電力価格はこれまで上昇を続けており、今後の需要に備えるべく、設備の増設が求められる
100 出所:PLN STATISTICS 2012、インドネシアエネルギー鉱物資源省講演資料を基にDTC作成
S: Society
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:インフラ整備(電力)
地方電化計画
インドネシアの各地域の電化状況
 地方の電化率は、2012年時点で75.3%に留まる
 政府は、国家電化率目標を2014年までに80%、2020年
までに99%とし、全国の未開発地域、へき地等の社会開
発を促進する
計画電化率
(%)
100.0%
99.2%
100
75.3%
75
50
25
0
2012
2016
2020
2024
2028
2032
一部電化率の低い地方が存在し、2020年に99%超を目指す計画が立てられている
101 出所:インドネシアエネルギー鉱物資源省講演資料を基にDTC作成
S: Society
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:インフラ整備(港湾・鉄道)
主なインフラ整備指標(港湾・鉄道)
良
(7段階評価)
6.0
各インフラの現況と課題
マレーシア

港湾
5.5
ジャカルタ北部・インドネシア最大の港
湾であるタンジュンプリオク港は、コン
テナ貨物全取扱量の約半分を担うが、
近年キャパシティ不足が深刻化
タイ
5.0
4.5
インドネシア
4.0
3.5
悪
3.0
 キャパシティ(500万TEU(20フィートコンテ
ナ換算の単位))以上の取扱い量に達す
ベトナム
(単位:TEU)
コンテナ取扱量の推移
8,000
6,000
4,000
2,000
0
2009
0.0
2008
2009
2010
2011
2012
2010
2011
2012
2013
100%
80%
東京
(884万人)

輸送分担率
鉄道
ジャワ島及びスマトラ島で鉄道が運行。旅客輸送・貨物輸送とも
輸送分担率が低い
60%
40%
20%
0%
ムンバイ
(1884万人) シンガポール
(474万人)
上海
(1634万人)
ソウル
(978万人)
ホーチミン
(598万人)
バンコク
(690万人)

ジャワ島(3,425km)の長距離鉄道の年間乗客数は平均9%と堅調な伸
び(2006-2010年)である一方、人口密度に比し、旅客輸送の鉄道分担
率は約6%と低い

鉄道貨物輸送の伸びているものの、分担率は依然低水準
ジャカルタ
(960万人)
2,000 4,000 6,000 8,000 10,00012,00014,000 16,000
人口密度(人/km2)
物流インフラ不足による課題が顕在化。
港湾のキャパシティ不足、低い鉄道の輸送分担率の改善が今後の課題
102 出所:World Bank Index、World Economic Forum, Global Competitiveness Report 2011-2012等を基にDTC作成
S: Society
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:インフラ整備(コールドチェーン)
コールドチェーンの現状
ジャカルタ首都圏内の
コールドチェーン

約40社の冷凍・冷蔵倉庫業者が存在
 首都圏西エリア、東エリア、タンジュン・プリオク港に
近い北エリア及び南エリアに分布
 40社の冷凍・冷蔵倉庫の総面積は、41,376m2、
総容量は62,265トン
 このうち、全国展開する最大手PT. Sukanda Djaya
が45,000トン(総容量の約72.1%)を占める

全国規模の
コールドチェーン
最大手PT.Sukanda Djaya1社のみが
全国規模のネットワークを展開
 アイスクリーム製造大手PT. Diamond Cold Strage
の子会社
 国内に17拠点、保冷車を100台規模で所有
 親会社の製品流通を担うほか、PizzaHut、
McDonald、Sizzler、A&Wなどの大手食品チェーン
に冷蔵・冷凍倉庫を貸出
大手コールドチェーン(PT. Sukanda Djaya)と取引できる企業
は少数であり、自社で冷蔵・冷凍倉庫を所有するか、
コールドチェーンが不要となる調達(地産地消)が主流
冷凍・冷蔵倉庫業者/自社対応企業(例)
 約40社のうち、自社倉庫の一部又は全部を貸し出している事業者(11社)
企業名
業態
倉庫面積(m2) 倉庫容量(トン) 地域
PT.Sukanda Djaya
ディストリビュータ
PT.Bonecom Serbista
Compindo (BOSCO)
14,000
45,000
東エリア
倉庫業
8,750
6,000
北エリア
PT.Wirontono Cold
Storage & Industry
倉庫業
1,600
3,840
東エリア
PT. Yap Cwe Hok
Indonesia (YCH)
物流業
8,000
2,000
東エリア
PT. Wira Logitama
Saksama
物流業
1,200
1,600
西エリア
PT.GB Tuna
倉庫業
2,100
1,500
北エリア
PT. Pincuran Mas
Bina Usaha
倉庫業
3,000
700
南エリア
PT. Karunia Segar
Utama
輸入業者
700
560
東エリア
PT.West Side
Agritama
ディストリビュータ
1,134
400
東エリア
PT. Pluit Cold Storage
倉庫業
400
225
北エリア
PT.AGB Ice&
Fisheries Indonesia
倉庫業
852
300
西エリア
 自社コールドチェーンを保有する大手スーパー
(例:INDO、カルフール、Giant、Hero)
全国展開する冷凍・冷蔵倉庫業者は1事業者であり、コールドチェーンの整備がビジネス展開上の課題
103 出所:Jetroジャカルタ事務所調査等
S: Society
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:インフラ整備(通信)
(参考)携帯端末経由でのインターネット利用状況
通信インフラの整備状況
︵ 100
人あたり︶
携帯電話加入者数
(人)
160
140
タイ
マレーシア
 インドネシアにおけるインターネット利用は、他のASEAN諸国に比しても
携帯端末経由が圧倒的に多い状況
インドネシア 122人*
120
(%)
100
ベトナム
80
50
48
45
0
2008
150
2009
2010
2011
2012
2013
40
(人)
36
ト
ッ
ネ
ー
タ
ン
イ
利用者数
︵ 100
人あたり︶
35
35
100
29
30
マレーシア
24
25
ベトナム
50
21
タイ
インドネシア 16人
固定
利用者数 ︵
0
2008
20
2009
2010
2011
2012
2013
20
15
13
9
10
6
゙
ト
ン
゙
ハ
゙
ト
ー
ロ
゙
フ
人あたり︶
100
10
5
マレーシア
ベトナム
インドネシア 1.3人
0
2009
2010
携帯電話以外の
ハンドセット
タイ
5
2008
携帯電話
12
(人)
15
16
15
2011
2012
2013
0
インド
ネシア
タイ
シンガ
ポール
ベトナム フィリピン
マレー
シア
* :ただしプリペイド利用が多いことに留意
固定網よりもモバイルインフラの整備が進んでおり、携帯電話加入は、1人1台を超える状況
104 出所:World Bank Index、ITUデータベース、ニールセン調査等を基にDTC作成
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:技術革新・新技術の普及
モバイル端末によるSNSやeコマースの拡大(1/2)
(参考)SNS利用拡大の背景
インドネシアにおけるSNS利用状況

モバイル端末を媒体としたSNSの利用が進んでおり、
端末として人気のBlackberryは利用者数は
アジア1となっている
利用時間


インドネシア人はSNS利用時間が長い
端末の
利用価格
100
32.6%
(%) 50
•
1ヶ月10万ルピア前後でインタネット
が使い放題で、ネット通信を介した
文字通信が無料である
•
冷蔵庫もない低所得者層の家庭の
子供が、親からの小遣いを貯金し
て、端末からSNSを使用しているケ
ースもある
13.9%
0
インドネシア
リーズナブルな価格設定であり
世界平均
Fig. インターネット利用時間のうち、SNS利用時間の割合(2011年)
•

Facebookのユーザー数は世界第4位

(100万人)
200
159
ユーザー数
100
72
64
48
43
ブラジル
インド
インドネシア
メキシコ
•
0
アメリカ
Fig. Facebookユーザー数上位5ヶ国(2014年)

国民性
Twitterユーザー数は世界第5位
(100万人)
200
141
100
41
34
31
29
ブラジル
日本
イギリス
インドネシア
人との繋がりを大事にする国民性
週末にはモールのカフェに集まり、
スマホの内臓カメラによって撮影し
た写真をSNSで交流し、友人とのコ
ミュニケーションを図っている光景
が見られる
0
アメリカ
Fig. Facebookユーザー数上位5ヶ国(2012年)
インドネシアではモバイル端末を利用しやすい環境にあり、世界に比べてもSNS利用が拡大している
105 出所:JETRO資料、日系ビジネス、CNN記事等を基にDTC作成
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:技術革新・新技術の普及
モバイル端末によるSNSやeコマースの拡大(2/2)
インドネシアにおけるeコマースによる販売製品の傾向
インドネシアにおけるeコマースサイトの動向
 インターネット販売商品では、金額としては未だ小規模であるものの、
家電・ビデオゲーム機が多く、次いでメディア関連製品(書籍、CD/DVD
等)のが多い (注:化粧品・食品等はデータ欠損である点に留意)
 地場企業が多く活用されてきたが、近年、Zalora(シンガポール)や
楽天(日本)など海外eコマースサイトのブランドの人気も上昇している
(10万ルピア)
6,000
その他
伝統玩具・ゲーム
5,000
食品・飲料
4,651
(データなし)
メディア製品
4,000
家庭用品・家具
3,666
上位の コ
eマース企業
5,887
家庭用工具・ガーデニング
ホームケア用品
2,820
3,000
電気機器
1,654
衣類・靴類
(データなし)
化粧品・ケア用品
1,000
家電・ビデオゲーム機
662
0
2008
(データなし)
2009
2010
2011
2012
インフラ制約を
補完する取組み︵例︶
ヘルスケア用品
2,000
•
Bhinneka Mentari Dimensi PT (Bhinneka)
•
Gramedia Asri Media PT(Gramedia)
•
Rakuten-MNC PT (Rakuten)
•
Fashion Eserves Indonesia PT (Zalora Indonesia)
•
Naramitha Tarra PT (Disc Tarra)
•
Metranet PT (Plasa.com)
•
Global Digital Niaga PT (Blibli.com)
•
Paramitra Media Perkasa PT (FastWorld)
•
楽天は、現地企業と合弁で、Rakuten Indonesiaを設立
•
ジャカルタの交通事情の悪さを考慮し、50cc バイクによ
る自社配送体制を整備
•
低いクレジットカード普及率への対応として、配送員に
カード読み取り機を持たせるなど、物流・決済面で工夫
2013
Eコマースの普及は、未だ黎明期。
他方、インフラ制約を補った形でのサービス展開が図られつつある
106 出所:Euromonitor、経済産業省データを基にDTC作成
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:技術革新・新技術の普及
チャネル構造の変化による競争環境の変化
現状
今後
インターネット利用の拡大や
オンライン決済システムの普及に伴い、
Eコマースの普及拡大
欧米メガリテーラーはベンダとの共同による
チャネルマネジメントが主流
欧米メガリテーラーによるチャネルマネジメント
チャネル
構造
• カテゴリごとにカテゴリ・リーダを決定
カテゴリ・リーダ
の選任
Eコマース市場の拡大
(10万ルピア)
5,887
• カテゴリ・リーダにセールス情報全体
を開示
CAGR
55%
4,651
3,666
2,820
• セールス情報全体を分析
カテゴリ・リーダ
による管理
1,654
• 棚割の決定などカテゴリ全体を管理
Eコマースの普及拡大のドライブ
662
2008 2009 2010 2011 2012 2013
通信
インフラ
オンライン
決済
システム
物流
インフラ
• 携帯電話によるインターネット
利用率はASEAN1位(48%)
• 携帯電話を中心としたインター
ネット利用の拡大に伴い、通信
インフラの拡充が進む
• デビットカード、クレジットカード
の普及に伴い、オンライン決済
システムの整備が進む
• 道路・港湾・鉄道など各種物流
インフラの整備が進む
カテゴリ・リーダには欧米ベンダがなる傾向
このため、日系企業は競争劣位
インドネシアにおける市場シェアの現状
凡例(メーカ):
11.8%
3,5% 7.5%
4%4.4%
1位 ユニリーバ
2位 Wings(地場)
48%
・・・
5位 ジョンソン
18%
6位 花王
3.4%
4.4%
日用品
4.9%
1位 ダノン
2位 Sosro(地場)
3位 アサヒ
4位 コカコーラ
︵
バス用品︶
食品
︵
飲料︶
その他 40%
1位 ユニリーバ
2位 P&G
3位 ロレアル
4位 マンダム
日用品
その他 38%
日系
︵
ホームケア︶
化粧品
消費財の
競争環境
欧米系
29%
5.2%
24.5%
8.7%
Eコマースの普及拡大によって
日系企業が市場シェアを巻き返す
チャンスが拡大する
1位 ユニリーバ
2位 Wings(地場)
3位 ジョンソン
4位 花王
注)化粧品、日用品(ホームケア)は2013年、食品(飲料)、日用品(バス用品)は2014年
流通チャネル構造の変化により、リテール業界の競争環境が変わり、eコマース普及拡大による
市場シェア挽回のチャンスが拡大する
107
出所:Euromonitorデータ等を基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
T: Technology
消費市場としてのインドネシアの変化−全体像:技術革新・新技術の普及
スマートシティ関連の取組み:インドネシアにおける電力需給緩和型ソリューションに関する事業性調査(2013年)
概要
• 「ジャカルタ首都圏投資促進特別地域(MPA: Metropolitan Priority Area)」構想に関する協力覚書をベースにした産学官
共同プロジェクトとして、経産省からの委託を受けた東芝が実施
• バンドン市において深刻化する交通渋滞や自動車の排気ガス、電力不足などの問題が深刻化に対応するため、
• 架線レス次世代型路面電車等の電力需給緩和型都市交通システム
• CEMSによる公共施設などのビル群を対象にしたエネルギー最適化ソリューション
を提案。交通量や電力事情の調査を実施
• 電力マネジメントシステムの一環として、将来的な電気自動車・バスの導入の可能性調査も実施している
都市交通における電力・情報通信マネージメントのコンセプト
108 出所:東芝プレスリリース
スマートコミュニティ向けエネルギー最適化ソリューションの例
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-1 2008年以降の変化に対する日本の視点
 消費者市場としてのインドネシア
変化分析例−自動車
変化分析例−エレクトロニクス
変化分析例−食品
 生産拠点としてのインドネシア
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
消費市場としてのインドネシアの変化分析例−自動車市場サマリ
2
日本企業にとっての示唆
2008年以降のインドネシア消費市場の変化
トピック
概要/例
•
(LCGC政策や燃料補助金に否定的な
ウィドド政権の成立後、自動車普及に
マイナスの影響が出る可能性)
•
•
LCGC政策導入による低価格車普及
リテールローン制度整備による購入層
の拡大
政権交代
政治
Politics
経済
Economy
社会
Society
規制・制度の
変化
所得
拡大
中間層の
拡大
富裕層の
拡大
社会課題
変化
インフラ整備
技術
Technology
110
•
•
世帯所得の底上げに伴う自動車購買
人口の増加
新興中間層の小型車選好
•
高級車市場の堅調な成長
•
国内エネルギー不足による低燃費車
の需要増加
大都市圏での渋滞問題深刻化
排気ガス問題の深刻化
•
•
•
•
幹線道路網整備の進展
BRTなど、都市内・都市間高速バス網
の整備開始
技術革新による • スマート・コミュニティ実証実験の取り
組み開始
新商品・サービス
方向性
インドネシアに
おける
有望市場
(商品・
サービス)の
変化
日本企業が
求める
ビジネス
環境整備
内容の
変化
概要
低価格
セグメントの
ボリューム
ゾーン化
 LCGC適合の小型・低価格なハッ
チバック市場の成長。(将来的に
は、MPV市場から一定数の移行
ユーザーが発生する見込み)
中古車市場の
拡大
 修理工場・中古車ディーラーの参
入機会拡大
 残価設定ローンなど、新たなリテ
ール金融スキームの需要増加
低燃費・環境対応
車の人気拡大
 排ガス問題の深刻化、燃料価格上
昇により、低燃費自動車需要増
 (将来的にはEV・PHEV連携EMS
市場の拡大の可能性)
小売・
サービス業の
外資規制撤廃
 新車・中古車ディーラー、アフター
サービスの外資規制を撤廃し、日
系企業が参入できる環境を整備
リサイクル関連
技術協力
 次世代車(EV/HEV/FCV等)の整
備・解体業者への技術協力
知財保護環境の
整備
 コア技術のリバースエンジニアリン
グを防ぐ知財保護制度
 模倣・偽造品の取り締まり強化
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】LCGC政策による消費市場の変化(1/2)
インドネシア自動車産業におけるLow Cost Green Car (LCGC)政策の概要
Low Cost Green Car 政策導入までの流れ
Low Cost Green Car 政策内容
 ガソリン価格を補助金により廉価にする
政策によって、国家財政が圧迫
背景
•
ガソリン価格を補助金により廉価に抑制し
経済活動を刺激する政策を継続実施中
•
一方、補助金予算は2.7兆円ほどであり、国家予算
の16%に達する(2013年)
<エコカー規格>
税制優遇の
主な条件
(AT車は、最大15% 安全装備付の場合は最大10
*: LCGC人停車は、政府補助金対象外
のハイオクガソリンの使用が条件
%まで上乗せ可能)
 大多数の消費者に手が届く廉価車の生産・販売
を支援
政策
方針
<認可条件>
• 自動車構成部品のうち、現地調達化が推奨される
品目を定め、1年目に40%、5年以内に全品目の
達成を要求)
 燃費の悪いMPV(多目的自動車)中心から燃費の
良い小型車の普及を支援
• 中間層(エントリー層)が購買可能で普及が見込ま
れることから注目
認可条件
 低価格・低燃費車について税制優遇措置
Low Cost
Green Car
政策の導入
※ほぼ全ての部品が対象(エンジン/トランスアクス
ル/クラッチシステム/ボデー&シャシー/ステアリン
グシステム/ブレーキシステム/その他(内装、タイヤ
、トリム、ECU等)の105品目を指定。すべてを現地化す
れば、現地調達率8割程度の見込み)
• 申請時に現地調達化の実行計画の提出と、以後6
ヶ月ごとの実施状況監査が義務付け
• 低価格・低燃費小型車の国産の実現を狙い、低燃
費車の製造にて条件を満たせば、奢侈税および設
備輸出関税を免税する政策
• 2013年5月発布済み。工業省、財務省からの細則
が7月に発布され発効
• インドネシアに関連するロゴ・モデル名の使用
• 排気量:ガソリン車:980∼1200cc以下*
/ディーゼル車:1400cc以下
• 燃費性能:20km/ℓ 以上
• 車両価格(登録税等課税前):9,500万ルピア
ジョコ・ウィドド
大統領
• (LCGCを批判して)「政府が採るべき施策は、む
しろ低価格公共交通機関の整備である」
• (高速道路開通式にて)「これからもずっと公共交
通機関の開発に集中する。それが最優先だ。」
インドネシア政府は、自動車の低価格化・低燃費化・小型化を支援するとともに、現地生産化を進める方針
111出所:各所資料、政府HP、有識者へのヒアリングに基づきDTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】LCGC政策による消費市場の変化(2/2)
インドネシア自動車産業におけるLow Cost Green Car (LCGC)認定車種
認定自動車
LCGC
車種
販売時期
Toyota Agya
2013.9
9,900万ルピア∼
2万2,376台
2万6,852台
Daihatsu Ayla
2013.9
7,600万ルピア∼
1万9,141台
1万6,729台
Honda Brio Satya
2013.9
10,600万ルピア∼
1万7,165台
6,007台
Suzuki Wagon R
2013.10
7,700万ルピア∼
8,500台
Datsun Go
2013.9
∼10,000万ルピア
Not available
(~2014.5)
2013.9
8,500万ルピア∼
Not available
Not available
Datsun Go + Panca
2014.5
8,500万ルピア∼
Not available
Not available
Datsun Go +
販売価格
2013年販売実績
(Brioシリーズ全体)
2014年販売実績(1-4月)
8,060台
Not available
インドネシアの新車(四輪車)販売の5%以上
これまでLCGC認定車は6モデル。特にAgya, Ayla, Wagon Rは大きな売上台数の伸びが予想される
112出所:各社プレスリリース、Marklines、GAIKINDO等の資料を基にDTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】リテール金融制度整備による消費市場の変化(1/3)
自動車ローン市場規模の推移*
(兆ルピア)
120
自動車ローンに係る規制動向及び今後の見通し
(千台)
10,000
自動車ローン合計額(左軸)
新車販売台数(右軸)
100
ローン融資
規制
導入前
8,000
80
6,000
60
108.7
112.5
115.8
4,000
88.3
40
63.7
 頭金に関する規制を導入することで、返済能力のな
い顧客への過剰な貸付を防止
• 自動車や二輪車の購入時に、それぞれ25%、
20%以上の頭金支払い義務を設定
• 規制導入以前の頭金支払い額は、自動車で10∼
25%、二輪車で5∼10%程度
71.1
2,000
20
0
0
2008
ローン融資
規制導入
(2012年)
 二輪車・乗用車の購入者増加に伴い、自動車ローン
利用者も増加(自動車購入者の8割がローン利用)
 審査に関する厳密なルールの未整備や地場企業と
の過当競争から、頭金なしでローンを組んだ個人に
よる「貸し倒れ」が増加。事業は頭打ちに
 特に日系非キャプティブ系販売金融の主要
顧客であるTier 2層の貸し倒れが頻発
2009
2010
2011
2012
残る課題
 車両保有台数制限のため、2台目以降の購入時の
ローン頭金を引き上げる方針
 サービサー(取り立て業者)には法規制や登録制度
が存在せず、過酷な取立てが問題になることも
 信用機関にはいまだに登録されていない顧客が多く
、今後の整備が必要
2013
インドネシア政府は、より低リスクでサステイナブルな自動車ローン市場の形成に向けた制度整備を実施している
* 自動車ローン及び新車販売台数には、二輪車購入に係るローン及び二輪車の新車販売台数がそれぞれ含まれる
113 出所:JETRO、EIU、Euromonitorの情報・データを基に、DTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 【変化分析例:自動車市場】リテール金融制度整備による消費市場の変化(2/3)
乗用車購入にかかる自動車ローンの概要
二輪車購入にかかる自動車ローンの概要
市場の特徴
 乗用車購入におけるファイナンスの利用率は80%
 自動車ローン顧客の獲得においては、顧客を斡旋するディーラー販
売員との関係構築が重要
 中古車の価格落ちが小幅に止まっていることから、中古車のファイ
ナンス金利は新車とほとんど変わらない水準
 乗用車よりも二輪車の購入人口の方が多いことから、自動車ロー
ンの顧客は二輪購入者が主要
 二輪車購入におけるファイナンス利用者は80%
 自動車ローン顧客の獲得においては、顧客を斡旋するディーラー
販売員との関係構築が重要
 信用度の低い顧客層を対象にすることで貸し倒れが増加
新車
Toyota
Astra
Auto
Finance
Suzuki
Astra Sedaya Finance (ACC)
銀行系
BCA Finance 他
日系事業者
トヨタ車に
ついては、
ATF及び
ACCが
ほぼ独占
Honda
Dipo Star
メーカー
系
キャプティブ以外
主な販売金融事業者
Astra
Toyota
Finance
(ATF)
キャプ
ティブ*
Daihatsu Mitsubishi
Kita Finance 他 (丸紅49%、他)
中古車
キャプ
ティブ*
Honda
Yamaha
Suzuki
FIF
(Astraグループ)
Bussan Oto
(三井物産90%、
ヤマハ10%)
Suzuki Finance 他
(伊藤忠86%、
スズキ14%)
Wom
(Bank International Indonesia 50%超、
ホンダディーラーWahana16%超)
銀行系
Oto Multiartha 他(住友商事83.68%、他)
Adira
(Bank Danamon 95%)
BCA
(Bank Central Asia 99%)
Mitsui leasing 他(JA三井85%、他)
Orix 他(オリックス85%、他)
日系
事業者
Oto Summit
(住商99超)
乗用車・二輪車ともに購入者の80%は自動車ローンを利用しており、
今後乗用車・二輪車の購入者が増加するにつれ、自動車ローンの金融市場はますます拡大する見込み
* キャプティブとは、自社系列の販売金融事業者を指す
114 出所:経済産業省の資料をもとに、DTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 【変化分析例:自動車市場】リテール金融制度整備による消費市場の変化(3/3)
(参考)乗用車における主要な販売金融業者の構成イメージ
新車中古車別クレジットイメージ
マーケット3
日系事業者が主要ターゲットにしているのはクレジットランクが低いTier 2顧客層であり、
「貸し倒れ」を防ぐための規制整備を今後も進めていくことが必要
出所:経済産業省の資料をもとに、DTC作成
115
地場独立系事業者
中
古
車
日系事業者
マーケット2
地場キャプティブ
顧客のクレジット
日系キャプティブ
マーケット1
低
販売金融業者イメージ
銀行系
新車
高
顧客クレジット層イメージ
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】中間層拡大による消費市場の変化(1/5)
乗用車普及率と一人当たりGDPの関係
インドネシア自動車産業の現状と潜在的成長性
1,000人当たりの
乗用車普及台数
300
250
マレーシア
277
現状
モータリゼーション
到来基準*
 自動車の普及率は未だ低水準に留まっており、ASEAN
の隣国であるマレーシアやタイからは大きく引き離され
ている
 他方、インドネシアはモータリゼーション到来の基準とさ
れる一人当たりGDP USD3,000を突破
200
150
モータリゼーション到来
ベトナム
50
60
フィリピン
11
タイ
65
インドネシア
37
0
0
3,000
6,000
9,000
一人当たり実質GDP(2013)
12,000
今後の成長性
100
 今後も引き続き高い経済成長率が予想され、失業率も
約6%に抑えられていることから、一人当たりの所得は
引続き増加する見込み
 個々人の所得が増えるにつれ、乗用車の普及が急速に
進む見込み
*一人当たりGDPがUSD3,000を超えると、自動車の普及が急速に
進展することから、モータリゼーションの基準と呼ばれる
インドネシアは、自動車の普及が急速に進展するモータリゼーションの基準を突破。
現時点の乗用車普及は限定的であるが、引き続き高い経済成長が予想され、今後の自動車普及の成長余地は大きい
出所:EIUのデータをもとに、DTC作成
116
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 【変化分析例:自動車市場】中間層拡大による消費市場の変化(2/5)
所得別世帯数の推移
75
100世帯当たり乗用車・二輪車の普及台数
US$3,000~US$5,000
US$10,000~US$25,000
US$3,000未満
US$5,000~US$10,000
59
60
61
61
62
乗用車購入者層
45
百世帯当たり台数︵
台︶
二輪車
15
8%
20
15
17.2
12.8
13.4
2008
2009
18.7
15.8
14.8
10
5
0
30
二輪車購入者層
所得別世帯数︵百万世帯︶
乗用車
60
59
百世帯当たり台数︵
台︶
US$25,000超
2010
2011
2012
11%
150
2013
138
125
114
102
100
81
89
50
0
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2008
2009
2010
2011
全世帯的に、所得水準が上昇。その結果、乗用車・二輪車とも購入者層が拡大している
出所:EIU及びEuromonitorのデータを基にDTC作成
117
2012
2013
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】中間層拡大による消費市場の変化(3/5)
タイプ別新車(四輪車)販売の傾向
新車市場全体
 新車販売台数はリーマン危機の影響
の大きい2009年を除き、高成長率で
伸張(2008-2013年CAGR15%)
•
低排気量車
(非セダン)
台数ベースで、2008年から2013年間
に約2倍に成長
 乗用車における、小型・低排気量車(
A/Bセグメント)の市場シェアが拡大
•
一方でCセグメント以上の中∼大型車の
市場シェアは減少
新車(四輪車)販売のタイプ別内訳
(千台)
1,200
1,066
990
1,000
+15%
145
 半年でシェア4%を獲得
LCGC認定車
•
•
現在は富裕層の2台目需要および新興
中間層の1台目需要として購入するケ
ースが多い
3年後には15%の販売シェアを占める
という政府見通し
791
800
168
694
600
ミニバン
CAGR+9%
539
500
MPV
CAGR+18%
400
27
200
193
38
0
2008
2009
2010
2011
乗用車
(Cセグメント以上)
CAGR+5%
乗用車
(A, Bセグメント)
CAGR+23%
うちLCGC
2012 2013E
*1・・・非セダンはMPVやハッチバック車を含む
*2・・・「新車(四輪車)販売の価格帯別内訳」と出所が異なるため、累計値に相違
自動車(四輪車)市場は成長を続け、特に非セダンの低排気量車や
省エネ性・利便性の高いLCGC認定車のシェアが半年で4%にまで拡大
118 出所:IDNデータに基づき、DTC作成
ピックアップ
CAGR+5%
SUV
CAGR+9%
443
 LCGC政策の税制優遇措置に対応し
た低燃費・小型のLCGC認定車が市場
に投入(2013年6月∼)
32
スポーツ
CAGR +48%
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】中間層拡大による消費市場の変化(4/5)
タイプ別新車(二輪車)販売の傾向
 ローン販売の拡大、製品の低価格化に
より、低所得者層へも販売が拡大
新車(二輪車)販売のタイプ別内訳
(百万台)
• ローン規制導入前、売価の10%以下の
頭金での購入者が約半数
市場全体
 道路・交通インフラ不足による道路渋滞
のため、機動性・実用性から今後も需
要が継続する見込み
•
8.0
8
7.3
7.8
7.3
6
日系メーカー各社は、中長期的には、
1,000万台規模/年の規模へ拡大する
と見込む
1.1
(14%)
スポーツ
1.8
(23%)
アンダーボーン
4.9
(63%)
スクーター
4
スクーター
 新車販売の半分以上のシェアを占め、
拡大傾向
 市場を占有する日系メーカー各社は、
低燃費製品への対応を強化
•
•
•
市場シェア首位のホンダは、燃料噴射装
置(FI)を全製品に搭載(2013年)
ヤマハもFI搭載比率を70%へ引上げ
スズキは、手薄であった低燃費・低価格
製品の投入し、拡販を目指す
2
0
2010
2011
低所得者層を中心に、スクーターを中心とした二輪車需要は堅調
出所: Indonesian Motorcycle Industry Association (AISI) and Astra International、JETRO資料等に基づきDTC作成
119
2012
2013
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】中間層拡大による消費市場の変化(5/5)
インドネシア中古車市場の状況
インドネシア中古車市場の課題
その結果
起こっている問題
情報の不足
• 中古車情報専門誌が存在せず、買い手側が情報を得
る手段は現物を見る以外にない
• 主な情報源は新聞の中古車売買コーナーや、インター
ネットの個人売買サイトだが、嘘や情報不足の広告が
大半
• 自動車の状態や価格を事前に比較することが
できず、買い手の「目利き」が頼りに
• 「ボッタクリ」の横行
売買
インフラの
未整備
• 大型店舗が少ない
• ジャカルタなど都市部を除き、中古車オークションなど
の中古車売買市場が未整備
• ブローカーとの個人的な関係に依存した流通
により、ブローカーに多額のマージンを払う必
要
• 地方部への中古車流通の遅れ
中古車の
不足
• 中間層を中心に、低価格な中古車への需要は高い
• 中古車として流通する商品の絶対数が不足しており、
売り手市場である
 モータリゼーションが開始直後であり、商品中古車
の絶対数が少ない
 中古車輸入が禁止されている
• 慢性的な中古車の高値止まり
• 売り手側のサービス改善に向けた取り組みの
遅れ
消費者保護
制度の欠如
• 保障期間、事故車両の瑕疵申告義務、走行距離巻き
戻しへの罰則などが存在せず
• 一般乗用車の車検制度の不備により、過去の整備状
況が不透明
• 売り手側の不正が横行。その結果、売り手の
信頼性はきわめて低く、「自己責任」での購入
を強いられることに
中古車に対する需要の大きさに対し、整備やインフラ面での制度整備は遅れている
120
出所:塩山和宏「インドネシアの中古車市場」に基づきDTC作成
中古車
ビジネス
環境の
整備が
求められて
いる状況
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】富裕層拡大による消費市場の変化(1/3)
高級車セグメントのブランド別売上台数
高級車セグメントのブランド別売上台数
(千台)
75
高級車購買者層
60
59
59
60
61
61
62
10
US$25,000超
CAGR+22%
所得別世帯数︵百万世帯︶
US$10,000~US$25,000
CAGR +21%
8.6
8.3
+18%
8
7.2
6.0
6
0.6
その他
CAGR +24%
1.3
Volkswagen
CAGR +45%
1.8
BMW
CAGR +21%
4.0
Mercedes-Benz
CAGR +11%
1.6
1.0
45
1.5
1.1
0.7
0.4
US$5,000~US$10,000
CAGR +10%
4.4
30
4
3.8
0.4
0.2
0.5
0.2
0.9
1.5
1.2
2.1
0.7
15
US$3,000~US$5,000
CAGR -4%
2
3.8
4.0
2010
2011
3.5
2.9
2.4
US$3,000未満
CAGR-32%
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
0
2008
2009
2012
2013E
富裕層の拡大に伴い、高級車(プレミアム)セグメントは年率18%で成長
同セグメントではドイツ系OEMが支配的であり、日系OEMはプレゼンスを発揮できていない
121 出所:IDNデータに基づき、DTC作成。価格別セグメントの定義は、同資料に基づく
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】富裕層拡大による消費市場の変化(2/3)
(参考)インドネシアにおける主要ブランドの自動車価格帯分布
(億ルピア)
12
9
6
3
LCGC優遇
適用条件
9,500万ルピア
0
トヨタ
ダイ
ハツ
スズキ
三菱
ホンダ
日産
マツダ スバル ダイム
ラー
BMW
ドイツ
VW Chevrolet Ford
米国
日系OEM
起亜
現代
韓国
Proton
マレー
シア
非日系OEM
ダイムラー・BMWは高価格セグメントに注力しており、高級車としてのステータスが高い
122 出所:FOURIN 2014データに基づき、DTC作成
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】富裕層拡大による消費市場の変化(3/3)
インドネシア模倣品市場の概況
現状
• 米国政府は、インドネシアはアジアにおける最も深刻な著
作権侵害市場の一つであると指摘
• 過去3年間で、著作権侵害状況は横ばい、あるいは悪化
 製薬業界においては、市場の25%から40%が模倣品
であると報告されている。
 市場調査では、ジャカルタの自動車部品販売店97店
舗において、店頭製品の48%が模倣品又は互換品
• オートバイの模倣に関しては、部品単位ではなく、外観ま
たはオートバイそのもののコピーが流通
法整備の
遅れ
背景
執行機関の
脆弱さ
侵害行為の
巧妙化
• 知財権侵害発生時の臨時の差止命令
による救済措置は、実施規定の欠如し
ていることで実行不可能
• 汚職の横行により、税関で輸入模倣品
を防ぐことが困難
• 裁判官は知的財産裁判審理の経験が
少ないことから、裁決の予測は困難
• 頻繁に模倣品を正規品と混合して流通・
販売
• 過去の摘発事例から学び、権利所有者
の商標ポートフォリオの欠陥を見つける
アドバイスを得ている組織も
自動車分野の主な模倣品
侵害の形態
製品例
生産地
販売形式
点火プラグ、エン
使用済み部品 ジンオイル、ドラ 通常は国内生産。一般修理工場や
主要都市。小さな
を新品として イブシャフト、ブ 国内の小規模、 低クラスの市場、
町、村に多い。
レーキディスク、 町工場で製造。 部品店で販売。
販売
ブレーキドラム。
一般修理工場、
中・上クラス市場
フロントガラス、点
本物と全く同一 火プラグ、オイル
の部品、アクセサ
の外見を持つ フィルター、エア 輸入品。主に中 リー店で卸売業
主要都市、町、村。
ハイレベルな フィルター、タイミ 国、タイ、その他。 者を通じて販売。
ングベルト、ブ
本物と混同して販
模倣品
売されている場合
レーキパッド。
もあり。
粗悪な品質の オイルフィルター、主に中国、インド
低・中クラス市場
模倣品(地元で エアフィルター、 からの輸入。約
の修理工場、部 主要都市、町、村。
Quality 2として ブレーキパッド、 5%がインドネシ 品店で販売。
ア製。
知られる) ゴムベルト。
フィルター、ブ
主として中国、タ
レーキパッド、ベ
イからの輸入。台 一般修理工場、
互換性のある ルト、トリム、パネ
湾、インド製も見 低・中クラス市場 主要都市、町、村。
ル、給排気管、バ
製品
られる。インドネ の部品店で販売。
ンパーなどの消
シア製は少量。
耗品。
模倣品は広く市場に出回っており、早急な制度整備とエンフォースメントの強化が必要
123
出所:特許庁資料に基づき、DTC作成
販売地域、場所
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2v 【変化分析例:自動車市場】富裕層拡大による消費市場の変化(3/3)
インドネシアガソリン価格と
燃料補助金支出額の推移
インドネシアガソリン価格と
補助金制度(2012年11月現在)
• ガソリン「PREMIUM」および軽油「SOLAR」を公定価格で販売。市
場価格との差額は補助金により補填する
• 補助金燃料は、市場のガソリン・軽油販売量の96%を占める
• 燃料補助金は国家予算の22%(2012年度)を占めており削減が急
務だが、貧困層の反対も根強い
(ルピア/ℓ)
7,000
ガソリン小売価格
6,000
2008年
29%引き上げ
5,000
(USD/ℓ)
1.20
4,000
2013年
3月:33%引き上げ
2,000
燃料小売価格
3,000
2005年
3月:29%引き上げ
10月:114%引き上げ
補助金
63セント
0.80
補助金
58セント
0.40
1,000
0
1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013
乗用車の利用を抑えるため、首都では燃料補助金
をなくすべきだと政府に通達した(2013. 12)
ジョコ・ウィドド
大統領
0
補助金
なし
補助金
あり
インドネシア
ディーゼル
(参考)
米国
補助金
なし
補助金
あり
インドネシア
ガソリン
インドネシアのガソリン価格は、多額の政府支出(補助金)により他国と比較しても低い水準。
近年徐々に補助金削減が進んでおり、今後廃止されれば低燃費車需要がさらに高まる見込み
124
出所:みずほ総研「インドネシアの燃料補助金の弊害」、政府HPに基づき、DTC作成
(参考)
米国
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2v 【変化分析例:自動車市場】社会課題の変化による消費市場の変化(1/2)
公共交通による渋滞解消の取り組みと、
その課題(ジャカルタ)
都市部での慢性的な渋滞
1台あたり道路距離が短いエリア
渋滞が深刻なエリア
1.0
インドネシアの経済損失: カンボジア
15 億米ドル(GDP比0.2%)
0.9
台あたり道路距離の短縮率︵ 年比︶
深
刻
さ
が
加
速
し
て
い
90 る
エ
リ
ア
1
0.8
インドネシア
0.7
フィリピン
ムンバイ・デリー等の都
市部では渋滞が深刻化
中国
インド
マレーシア
0.6
▲低価格路線
フィリピンの経済損失:
24.5 億ドル(GDP比0.9%)
0.5
タイ
0.4
▲大型路線バス
タイの経済損失:
30億米ドル(GDP比1.1%)
0.3
0.2
日本
0.1
ベトナム*
0.0
0
50
100
150
200
 ジャカルタ特別州では昨年、燃料の無駄遣いや大気汚染など渋
滞による経済的な損失が68兆ルピアに到達(約5850億円)
▲BRT
 BRT(トランスジャカルタ)の機能低下
 自家用車の増加によって専用バスレーンが占領され、事
故が多発している為、BRTとしての機能が失われている
 複数の公共交通システムを統合的に機能化させない事によ
る投資対効果の低減
 政府は公共交通の利用率の低さを課題視しており更なる
投資を呼び掛けているが、道路インフラへの投資は都市レ
ベルで行われる為、複数の公共交通システムが混在し統
一が取れなくなる可能性がある
インドネシアでは自動車の増加に都市部の渋滞がASEAN内でも特に深刻であり、大きな社会課題となっている
*ベトナムは90年のデータが無いため深刻さの加速度は不明
125
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2v 【変化分析例:自動車市場】社会課題の変化による消費市場の変化(2/2)
大気汚染
の現状
• インドネシア政府は大都市部を中心に大気汚染調査を開始。一部ではWHO基準を超える汚染物質、粒子状物質を検出するなど、環境
悪化が深刻化
• 環境団体などによると呼吸器疾患は増加傾向にあり、ジャカルタ市民の半分以上が大気汚染のため何らかの病気にかかった経験があ
るとの推計も存在
• 特に、燃料補助金対象の「Premium」「Solar」の精製度の低さが問題となっており、硫黄分は3,500ppmと日本の90年代初期の水準にと
どまり、ASEAN諸国と比較しても「一番汚い燃料を使っている」(環境省 カリアンシャ汚染抑止担当審議官)状況
大気汚染の深刻化(2012年調査による)
(μg/m3/24h ave.)
日本国内汚染基準
51
51
50
50
44
40
PM10
30
44
28
24
28
24
20
粒子状物質
汚染物質
インドネシア国内汚染基準
60
0
20
20
15
PM2.5
10
10
19
20
17
15
12
12
10
9
8
5
基準
WHO
マカッサル
126 出所:環境省資料による
デンパサール
近年大都市部を中心に、大気汚染が深刻化。主な原因として自動車が挙げられており、
今後環境規制強化や安価な低精製度ガソリンの流通制限が実施される可能性
タンゲラン
ジャカルタ
バンドン
ペカンバル
パランカラヤ
スラバヤ
スマラン
ジョグジャカルタ
0
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2v 【変化分析例:自動車市場】自動車に関わるインフラ整備
道路総延長距離の拡大
(千km)
4.3%
487
476
500
422
公共交通機関の整備
497
(百万台)
25
438
道路総延長距離(左軸)
400
20
四輪車保有台数
15
200
10
14.0
14.6
15.8
16.8
100
5
0
0
2007
ジョコ・ウィドド
大統領
2008
2009
2010
四輪車保有台数
道路総延長距離
6.2%
300
 MRT(都市高速鉄道)の建設開始
 JICA円借款事業の一環として、南北線(2016年第一期運
用開始予定)・東西線(2024-27年運用開始予定)を建設
2011
 建設が凍結されていたモノレール路線の建設が、中国企業に
より再開
2,000キロメートルの道路や港湾・空港の整備に向
け、土地収用や予算消化を加速させる
(大統領選での公約にて)
(高速道路開通式にて)「これからもずっと公共交通
機関の開発に集中する。それが最優先だ。」
ジョコ・ウィドド
大統領
自動車保有台数の急増に伴い道路建設が進んでいるものの、追いついていない状況
ジョコウィ大統領候補は、道路整備を公約化する一方、公共交通機関への優先投資を名言しており、今後も注視が必要
127 出所:World Bank、Euromonitor、JICA資料、各種報道、政府HPを基にDTC作成
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2v 【変化分析例:自動車市場】技術革新・新技術普及による消費市場の変化
インドネシアにおける電力需給緩和型ソリューションに関する事業性調査(2013年)(再掲)
概要
• 「ジャカルタ首都圏投資促進特別地域(MPA: Metropolitan Priority Area)」構想に関する協力覚書をベースにした産学官
共同プロジェクトとして、経産省からの委託を受けた東芝が実施
• バンドン市において深刻化する交通渋滞や自動車の排気ガス、電力不足などの問題が深刻化に対応するため、
• 架線レス次世代型路面電車等の電力需給緩和型都市交通システム
• CEMSによる公共施設などのビル群を対象にしたエネルギー最適化ソリューション
を提案。交通量や電力事情の調査を実施
• 電力マネジメントシステムの一環として、将来的な電気自動車・バスの導入の可能性調査も実施している
都市交通における電力・情報通信マネージメントのコンセプト
128 出所:東芝プレスリリース
スマートコミュニティ向けエネルギー最適化ソリューションの例
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】(参考)自動車市場規模の拡大
インドネシアと主要ASEAN諸国の自動車市場規模*の比較
(10億USD)
50
タイ市場規模
4.9兆円 (2018年推計)
CAGR +4%
インドネシア
タイ
45
マレーシア
ベトナム
40
フィリピン
マレーシア市場規模
1.6兆円(2018年推計)
CAGR +4%
35
ベトナム市場規模
1.3兆円(2018年推計)
CAGR +10%
30
15
10
6.2
6.9
7.9
9.0
9.8
10.1
10.2
10.8
11.3
12.0
12.9
インドネシア市場規模
12.9兆円(2018年推計)
CAGR +7.6%
フィリピン市場規模
0.9兆円(2018年推計)
CAGR +10%
5
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
インドネシアの市場規模としては、現時点で、タイやマレーシアに及ばないものの、
人口増加とともに拡大し、2018年には約1.3兆円ほどの規模へ達する見込み
*自動車市場規模には、自動車及び保守・メンテサービス等に使用される自動車部品を含む
129 出所:EIUのデータをもとに、DTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】 (参考)自動車市場規模の拡大
インドネシアにおける
四輪車の新車販売台数推移
インドネシアにおける
二輪車*の新車販売台数推移
(百万台)
乗用車
10
商用車(バス・トラック等)
(千台)
二輪車
+7%
8.7
1,000
852
6.3
5.9
6
604
600
548
4
407
400
200
7.6
7.4
772
乗用車
+16%
800
8.0
8
353
商用車
+10%
218
187
214
2
146
132
90
0
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2008
2009
2010
2011
2012
一時的に販売台数が減少する年はあるものの、四輪車・二輪車ともに新車の販売台数は堅調に伸びており、
中でも乗用車は過去6年において年平均15%以上の販売台数の成長率となっている
* 二輪車には、原動機付自転車も含まれる
130 出所:IDN、Euromonitorのデータをもとに、DTC作成
2013
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
【変化分析例:自動車市場】 (参考)自動車市場規模の拡大
2
(参考)インドネシアにおける四輪車の保有台数推移
(参考)インドネシアにおける二輪車*の保有台数推移
 二輪車は、中国・インドに次ぐ、世界第3位の市場規模
 日本メーカーが市場シェアの約99%を占有
 日本メーカーが市場シェアの約80%を占有
(千台)
乗用車
(千台)
商用車(バス・トラック等)
乗用車
+9.08%
12,000
10,000
11,569
85,713
二輪車
+12.44%
80,000
9,549
8,891
8,000
90,000
10,564
68,839
70,000
7,910
61,078
7,490
6,512
6,659
76,854
7,213
6,938
7,287
7,333
52,767
50,000
商用車
+2.41%
6,000
60,000
47,684
40,000
4,000
30,000
20,000
2,000
10,000
0
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2008
2009
2010
2011
四輪車・二輪車ともにインドネシアにおける保有台数は拡大傾向にあり、
特に二輪車の保有台数は年平均で10%以上の増加を記録する程に著しく増加している
* 二輪車には、原動機付自転車も含まれる
131 出所:Euromonitorのデータをもとに、DTC作成
2012
2013
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】 (参考)主要日系OEMによる近年の対インドネシア投資
(参考)日系自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況(1/3)
メーカー
概要
動向
•
生産体制整備計画
第一工場の能力増強
2013年から5年間で、トヨタグループ6社(トヨタ、ダイハツ、トヨタ車体、デンソー、アイシン精機、豊田通商)は、尼に13兆ル
ピア(約1,040億円)を投資し、生産・開発体制を拡充する方針(2012年)
• 2017年までに生産能力を2011年時点の約11.6万台から30万台以上に引き上げる方針(2012年)
− 第二工場稼動、第一工場の能力増強、効率化により30万台とする
•
2013年9月をめどに、第1工場の年産能力を11万台から13万台に引き上げ
− 投資額は、3,000億ルピア(約25.6億円)。新規雇用人数は190人
•
2013年3月、Karawang第二工場を本格稼動
− 稼動当初の年産能力は7万台で、2014年初には12万台に引き上げる計画
− 投資額は3.3兆ルピア(約330億円)。1,100人を新規雇用
− 生産モデルは、Etios Valco
− Etios Valcoの現地調達率を55%から80%以上に引き上げる計画
− 生産車両に占める輸出比率を35%に高める考え
2012年10月の一部報道によると、2015年を目処にJakarta近郊で第三工場を稼動する計画
− 年産能力は10万台。投資額は200億∼300億円の模様
− Etiosシリーズ、Yaris、Viosを始めとした小型車を生産予定
2013年7月、西ジャワ州Karawang共に2拠点目となるエンジン工場を新設すると発表。Etios Valcoを生産する第二場に接
続して建設する
− 投資額は約230億円で、2016年までに稼動予定
− 年産能力は稼動当初は21.6万基で、25万基まで引上げ予定
− 生産品目はEtiosシリーズなど小型乗用車用の排気量1.2-1.58の小型エンジン
− 2013年11月、エンジン工場建設のための用地を取得
2012年12月、トヨタ車体が出資するSugity CreativesのCKD組立ラインを再稼動
− MPV Nav1を年6,000台生産する。投資額は約20億円
2013年9月、トヨタ車体は、Sugity Creativesにおいて金型を全量内製化すると発表
− 従来は日本や韓国から金型を輸入していたが、現地生産に切替
− 2013年11月から金型加工を開始。金型の製造から部品生産まで行う一環体制を構築
2013年3月、Karawang第二工場においてハッチバックEtios Valcoの生産開始
2013年9月、Astra Daihatsu Motor (ADM)においてAgyaの生産を開始
2013年末には、Vios、2014年にはYarisを生産開始する予定
2011年9月、アルゼンチン向けに年間7,000基規模のエタノールエンジンを輸出
2013年9月、南米、カリブ諸国向けに完成車の輸出を開始
2013年10月、カザフスタンへのガソリンエンジンの輸出を開始
第二工場の本格稼動
•
第三工場予定
•
トヨタ
エンジン第二工場を新設
•
グループ会社の工場稼
動
生産開始
輸出拡大
132 出所:Fourin等
•
•
•
•
•
•
•
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】 (参考)主要日系OEMによる近年の対インドネシア投資
(参考)日系自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況(2/3)
メーカー
概要
Sunter組立工場の生産
能力引き上げ
動向
•
2011年5月までにSunter組立工場の完成車組み立て能力を28万台から33万台に引き上げ
− 2011年1月にまず、23万台から28万台に引き上げ
− Xenia、トヨタAvanzaなどの好調な販売による供給能力逼迫に対応
•
新型Xenia/Avanzaの
投入
2011年11月、小型MPVのXeniaを全面改良。引き続きトヨタAvanzaとしてOEM供給を実施
− 2004年に投入以来初のフルモデルチェンジ。今回の更新では、好調を得ている地上高とパッケージを維持しながら、
シートアレンジの拡充と荷重の拡大、燃費、乗り心地、静粛性など総合的に性能を向上
− 月販目標は、7,000台。2012年の平均月販売数は6,100台強
•
2012年10月、西ジャワ州Karawang県のSurya Cipta工業団地で第二組立工場が稼動
− 投資額は約200億円
− 年産能力は12万台で、インドネシア全体の能力が46万台へ増強
− 従業員は1,700人、九州工場に導入したSSCコンセプトに基づき海外初のフレキシブル生産ラインを導入
− 稼動時はXeniaとAvanzaを生産。2013年初にLCGCのAylaとトヨタAgryaの西安を開始
•
•
•
2012年10月に稼動したKaawang第二組み立て工場の隣接地にテストコースを開設
2014年6月に設計・研究等が稼動予定
2015年までにインドネシア全土の同慮環境を再現したコースが最終的に完成予定
− 日本と同じようなレベルの研究開発能力を整備。インドネシア向けの製品の研究開発を主導する方針
•
2013年7月、西ジャワ州Karawang共に2拠点目となるエンジン工場を新設すると発表。Etios Valcoを生産する第二場に接
続して建設する計画を発表
− 投資額は最大で200億円を計画、稼動は2015年を予定
− 年産能力は年産20万基で、既存のラインから新ラインへ生産を移管し、生産コストを引下げる考え。
− 新生産ラインでは、現状で50%の現地調達率を80%に高める
− 新生産ラインでは、現在生産する1.0/1.3/1.5ℓGEの生産を行う
•
2013年9月、LCGCに対応するAylaを投入。トヨタへやAgyaとしてOEM供給
− アッパーボディのデザインにインドネシア人デザイナーを起用し、現地の人が好む力強いデザインを実現
− 新規のサプライヤーの開拓などで現地調達率85%を達成
•
2014年、ダイハツ工業の子会社である明石機械工業が新型MTを生産開始する計画
− 新型MTは、ダイハツ本社工場で開発。Akashi Wahana Indonesiaが生産を担当
新工場稼動
ダイハツ
研究開発体制整備
エンジン工場の能力
増強
Ayla/Agyaの投入
グループ会社による
新型MT生産
133 出所:Fourin等
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:自動車市場】 (参考)主要日系OEMによる近年の対インドネシア投資
(参考)日系自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況(3/3)
メーカー
概要
動向
•
タイとの相互供給拡大
•
•
2012年3月、Ertigaを組立て開始
− インドからKDを調達し組み立てる
2012年5月、Ertigaのシートを全量内製化
− インドネシア市場ニーズに合うコストと品質を両立するため、生産子会社P.T. Suzuki Indomobil Motorで生産
− シートの組立て、シート表皮の縫製、ウレタン発泡などの工程も順次自社工場で行う考え
2013年内に、Tambun第二工場の生産能力を15万台から20万台に増強する計画
− さらに塗装設備を増強し能力を引き上げる
− Ertigaを増産するほか、Wagon Rベースの排気量1,000cc車の生産を開始予定
− 新工場の稼動後は、月間8,000台生産しているErtigaを新工場に移管する計画
2014年11月、西ジャワ州Bekasiにエンジン・トランスミッション新工場が稼動する計画
− 土地代を含めた総投資額は400億円。2012年1月に約100億円を投資し、Greenland工業団体内に130万㎡を取得
− 同工場の生産能力はエンジン10万基
− 鋳造品や鍛造品などエンジン部品も生産し、エンジンの一貫生産体制を構築。現地調達率を引き上げる考え
2015年1月を目処に、西ジャワ州Bekasi県のエンジン工場敷地内に完成車工場を稼動する予定
− エンジンから車両までの一貫生産体制を構築する
− Ertigaの生産をTambun第二工場から移管する。投資額は約600億円(既存拠点の能力増強を含む)
− 年産能力は約12万台
タイとの相互供給を拡大し、車種を増やす考え。エンジンについても相互に共有することでコスト削減を図る
2013年3月、マツダ向けにErtigaのOEM供給を開始。年間1万台を供給予定
OEM供給
•
2013年5月、マツダ向けにErtigaのOEM供給を開始。年間1万台を供給予定。
•
•
2011年9月、Cikampek工場の年産能力を5万台から10万台に引き上げ
2014年にCikampek工場の年産能力を10万台から25万台に引き上げる計画
− 投資額は、4億米ドル (エンジン工場親切分を含む)
− 当初、年産10万台程度に能力増強する予定であったが、インドネシアの市場拡大が予想を上回る速度で進んでいる
ため、能力増強の規模を拡大
•
2012年6月、Evaliaの生産を開始
− 2012年時点で現地調達率は76%だが、向こう2-3年で、90-95%を実現する計画
Ertiga生産
•
•
既存工場の能力増強
•
スズキ
エンジン・トランスミッショ
ン新工場稼動
•
新工場稼動
能力増強
日産
Evalia生産
Datsun生産
2014年下期、Datsunブランド車の生産を開始する計画。尼における生産能力の3割弱をDatsunブランドに充てる方針
エンジン工場稼動計画
2014年3月までにエンジンを生産開始予定。年産規模は10万基
134 出所:Fourin等
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-1 2008年以降の変化に対する日本の視点
 消費者市場としてのインドネシア
変化分析例−自動車
変化分析例−エレクトロニクス
変化分析例−食品
 生産拠点としてのインドネシア
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
消費市場としてのインドネシアの変化分析例−エレクトロニクス市場サマリ
2
日本企業にとっての示唆
2008年以降のインドネシアエレクトロニクス市場の変化
トピック
概要/例
•
政権交代
•
政治
Politics
規制・制度の
変化
•
•
経済
Economy
所得
拡大
中間層の
拡大
富裕層の
拡大
製品競争力の
変化
社会
Society
社会課題
変化
インフラ整備
技術
Technology
136
技術革新による
新商品・サービス
•
(大統領選後の新政権によるインドネ
シア産業育成・輸出構造転換に向けた
政策の維持・変化)
省エネを目的とした、エレクトロニクス
製品への省エネ・ラベリング適用義務化
テレビ放送の2018年のデジタルへの
完全移行
エレクトロニクス製品への奢侈税の拡大
世帯所得の底上げに伴うエレクトロニ
クス製品購買人口の増加
•
高付加価値製品市場の成長
(例:液晶テレビ、LED)
•
市場において競争力を有する製品
(ブランド)の変化
•
•
道路の伸長に追いつかない道路
舗装率による物流リスクの深刻化
国内エネルギー不足による、省エネ化
の必要性
•
国内全域における電力インフラの整備
計画と地方部との不均衡の是正
•
•
•
決済手段の多様化
eコマース市場の立ち上がり
市場の嗜好性を考慮した商品の出現
方向性
インドネシアに
おける
有望市場
(商品・
サービス)の
変化
日本企業が
求める
ビジネス
環境整備
内容の
変化
概要
競争力のある
製品の変化
 市場において競争力が向上してい
る製品(洗濯機、冷蔵庫、
エアコン)と低下している製品(テレ
ビ)の二層化
省エネ製品
の人気拡大
 電力不足による省エネ家電の
人気拡大
 他方、(制度未整備・競争激化によ
り)高い省エネ技術による商品品
質の訴求が困難となる可能性
将来的な
チャネル構造
の変化
 eコマース普及に伴う、高度物流
事業の立ち上がり
電力インフラ整備
 地方における電化率向上、および
電力安定供給を実現する電力イン
フラ整備
省エネレベルの
評価環境の整備
 日系企業にとって強みである、
省エネ技術を適切に評価する
ための規制・基準、人材、設備
などの環境整備
新チャネルの
立ち上げ支援
 チャネル構造の変化をドライブ
するための、デジタル技術、
決済、物流の支援
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
P: Politics
【変化分析例:エレクトロニクス市場】規制・制度の変化−省エネラベリング
インドネシアにおける省エネ政策の推進:省エネ・ラベリング制度の義務化・運用開始
 1999年に冷蔵庫に対する省エネ・ラベリング制度の導入を検討するが、中断
 2003年、JICAの協力を得て、省エネのイニシャルスタディを行い、新ラベイング・制度を開始
省エネラベル制度
の創設
(2000年代前半)
省エネラベル制度の
義務化・運用開始
(2009年-)
• 家庭用省エネラベル・電力エネルギー利用総局(DGEEU)令(2003年)、インドネシア規格(SNI)
家電省エネラベル(2003年施行)、SNI冷蔵庫消費電力測定方法(2002年施行)を決定
• ラベルにて、各製品の省エネ性能を記載し、消費者の購入を促す制度
 当該製品の省エネ・パフォーマンス
 エネルギー効率の分類(4つ星で評価)
 最低評価の「1つ星」はMEPS(最小エネルギー効率基準)に相当
省エネラベル例
 省エネラベル制度の実運営に向けて、電球ランプに続き、冷蔵庫、テレビ、
 機器別導入スケジュール
エアコンなどについて、ラベル基準を順次制定し、ラベル添付を義務化
• 商品認証庁(LSPro)が、国家規格庁(BSN)が定めるインドネシア規格
(SNI)に基づき認証を実施
• ラベルを添付していない製品は流通禁止
 輸入も禁止されるが、規制前に輸入された製品については販売可能
 インドネシアへの製品輸出には、事前に認証を取得することが必須
•
•
•
•
•
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
電球型蛍光灯(CFL)
冷蔵庫
エアコン
TVおよび炊飯器
アイロンおよび扇風機
 電力測定方法の整備
現行制度上
の課題
• 曖昧な測定基準
 エアコンにおいて、異なる種別間(一定速機器とインバータ機器)で、別々の測定基準が設けられている
• 国際標準の最新版導入の遅れ
 冷蔵庫では、消費電力量試験方法の新国際規格“IEC62552 2nd Edit.”の重要性を理解しつつも、“1st Edit”.を導入
 試験機関の整備
• 試験機関のキャパシティ、設備、技術力の問題から、試験機関の選定が遅れている状況
 産業界、関係省庁との調整の難しさに伴う制度執行の遅れ
省エネを目的として、各商品への省エネラベルの添付の義務化が拡大している
137 出所:JETRO、日本電気工業会資料を基にDTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】規制・制度の変化−地デジへの移行
インドネシアにおける
地上デジタル放送の導入スケジュール
時期
デジタル放送への移行に伴う
テレビ買い替え需要の促進
実施内容
2004年6月
「デジタル放送導入のための検討委員会」設置
2007年3月
「固定受信用地上デジタルテレビ放送標準方式」として
政府による
市場立上げ
促進策導入の
可能性
 家電エコポイント等の政策補助を行うこと
による、液晶テレビへの買い替え需要を
促進する可能性
• 2014年FIFAワールドカップ時に、低
所得者層向けにデジタル放送向けセ
ットトップボックスを600万セット配布
DVB-T方式を採択する旨の通信情報技術省令を制定
2008年8月
機会
 大規模な液晶買い替え需要をうまく掴む
ことができれば、プレゼンスが低下してい
るインドネシアテレビ市場で勢いを取り戻
すことも可能に
• 液晶テレビ(4万円台)の売れ筋は32
インチの日本ブランドであり、技術や
アフターサービスから選好されている
• 主に富裕層向けに販売が伸長
脅威
 ブラウン管テレビへのチューナー取付によ
るデジタル放送移行時には、外国企業に
市場を奪われたままとなる
• ブラウン管テレビ(2万円以内)の売れ
筋は21インチの韓国ブランド製品で
あり、価格と品質から選好されている
DVB-T送信機をTVRIに設置して技術的な検証を行う
フィードトライアルを開始
2009年5月
技術的検証フィードトライアルを民放にも拡大
2012年7月
全国を15ゾーンに分けたうちの5ゾーンについての
日本企業
にとっての
機会と脅威
地上デジタル放送の民放局による入札結果を発表
2018年
デジタル放送への完全移行
テレビ放送のデジタル移行促進政策によっては日系企業のシェア奪回の機会が生じるため、今後の動向が注目される
138 出所:総務省、JETRO資料を基にDTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】規制・制度の変化−奢侈税
インドネシアにおける
主なエレクトロニクス製品の奢侈税
(2013年9月18日改定)
品目
税率
•
•
•
•
•
•
洗濯機
ヒーター
ビデオ機器
ラジオ受信機
カメラ
ビデオカメラ
10%
•
•
•
•
乾燥機
電子レンジ
食器洗い機
電子機器
20%
•
•
•
冷蔵庫
テレビ受信機
エアコン
•
携帯電話
奢侈税課税率の変化例
 エレクトロニクス製品の奢侈税は、課税対象とする製品及び
課税率が拡大の傾向にある
2006年10月7日規定
2013年9月18日改定
テレビ
• 29インチから43インチ
のもののみが10%課税
• 全て10%もしくは20%
課税
洗濯機
• 10キロ超のもののみが
10%課税
• 全て10%課税
カメラ
• 販売価格が2万ルピア
超のもののみ10%課税
• 全て10%課税
10% or 20%
(サイズ等による)
課税を検討中
(現在は0%)
エレクトロニクス製品は奢侈税の課税対象となっており、課税対象製品と課税率は拡大傾向にある
139 出所:JETROデータ、日本経済新聞記事を基にDTC作成
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】中間層の拡大
インドネシアにおける
エレクトロニクス製品の販売台数推移と普及率*
インドネシアにおける所得別世帯数の推移
75
US$25,000超
US$3,000~US$5,000
US$10,000~US$25,000
US$3,000未満
US$5,000~US$10,000
59
60
61
61
592
340
327
398
468
386
403
(普及率87%) 200
62
0
所得別世帯数︵百万世帯︶
エレクトロニクス製品入者層
60
59
テレビ
(万台)
600
390
400
45
30
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
400
洗濯機
(普及率17%)
200
178
186
173
213
233
249
303
322
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
200
冷蔵庫
(普及率40%)
100
64
66
69
92
116
123
149
164
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
15
200
エアコン
(普及率16%)
100
161
72
80
69
93
106
121
143
0
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
*普及率は2012年の値
所得水準の向上とともに、エレクトロニクス製品市場が伸張しており、ポテンシャルは依然として大きい
140 出所:JETRO資料、シャープ推計データを基にDTC作成
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】富裕層の拡大
インドネシアにおける高付加価値製品の販売台数推移
パソコン
液晶テレビ
(万台)
オーディオ・ホームシネマ
(万台)
(万台)
200
600
75
72
540
+22%
500
+20%
57
140
50
400
45
+60%
93
100
32
34
30
240
25
200
48
34
N/A
N/A
0
0
2008
2011
2012
0
2008
2009
2010
2011
2008 2009 2010 2011 2012 2013
富裕層の拡大に伴い、高付加価値製品の販売台数の伸びが特に著しい
141 出所:NNA記事、Euromonitorデータを基にDTC作成
E: Economy
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】製品競争力の変化(1/2)
インドネシアにおけるエレクトロクス製品のシェア推移(数量ベース)
100%
100%
80%
29%
2%
テレビ
60%
40%
20%
その他
15%
Samsung
80%
40%
16%
Hartono Istana
Teknologi PT
60%
8%
40%
30%
20%
8%
8%
14%
17%
2008
2013
25%
0%
7%
36%
23%
9%
25%
冷蔵庫
LG
シャープ
2013
100%
17%
80%
25%
10%
6%
Hartono Istana
Teknologi PT
Haier
40%
14%
8%
63%
8%
21%
Haier
80%
44%
LG
パナソニック
10%
100%
その他
40%
20%
その他
LG
パナソニック
シャープ
0%
2008
60%
17%
東芝
0%
洗濯機
12%
7%
11%
シャープ
オーディオ・
ホームシネマ
60%
40%
47%
20%
2008
2013
Hartono Istana
Teknologi PT
41%
23%
7%
5%
4%
22%
0%
その他
LG
ヤマハ
2%
13%
シャープ
11%
JVC Kenwood
0%
2008
2013
テレビにおいては海外企業にシェアを奪われている一方、洗濯機、冷蔵庫では日系企業のシェアが拡大している
142 出所:Euromonitorデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
E: Economy
【変化分析例:エレクトロニクス市場】製品競争力の変化(2/2)
インドネシアにおける企業の拠点設立事例
メーカー
概要
シャープ
工場設立
東芝
工場設立
動向
•
洗濯機、冷蔵庫の工場を設立
− 2013年9月より洗濯機、10月より冷蔵庫の生産開始
− 2015月3月には洗濯機が月産14万台、冷蔵庫が月産22万台を目指す
•
洗濯機の工場を設立
− 2012年12月より生産開始
•
販売代理店『PT.イモラマクムール社』との合弁会社『ダイキンエアコンディショニングインドネシア社』を設立
− 2012月6月より営業開始
− ダイキン側の出資率は60%
− 2016年に250億円の売上を目指す
合弁販社設立
ダイキン
販社買収
JVC
ケンウッド
販社設立
•
業務用空調機器の販売代理店『PT タタソリュシ プラタマ社』
− 2013月7月にプレスリリース
•
カーエレクトロニクスの工場を設立(将来的にはオーディオ等の販売も予定)
− 2014年7月より営業開始
日系企業は、インドネシアにおける投資活動を行っており、現地市場におけるシェア拡大を掲げている
143 出所:各社ホームページより作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】社会課題の変化−物流リスク
(参考)インドネシアにおける道路の長さ、
および舗装率の推移
インドネシアにおける物流リスクの深刻化
道路の長さ(千キロ)
破損
水濡れ・錆
盗難
 道路舗装率の低さに起因する路面状態の悪
さに加え、コンテナスペースの狭さや、荷役機
会の多さや設備の不備による製品の破損
• 物流保険の支払件数、支払額において、
最大の割合を占める
 降雨量の多さや、湿度の高さによる製品の
水濡れ・錆
• 破損に次ぐ物流保険の支払件数、支払額
を占める
舗装率(%)
(千キロ)
(%)
500
476
400
373
300
55
391
55
407
422
487
497
100
438
80
55
59
59
57
57
57
60
200
40
100
20
 輸送中の盗難に加え、保管中の従業員によ
る盗難が存在する
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
道路舗装率が低く、精密機器の輸送では、道路未舗装を一因とする製品の破損が最大の課題となっている
144 出所:The World Bankデータ、日通NECロジスティックスホームページを基にDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】社会課題の変化−電力不足(1/2)
インドネシアにおける
電力販売価格の推移(再掲)
(Rp/kWh)
1,000
インドネシアにおける
最大消費電力*の見通しと既存設備容量(再掲)
(GW)
平均
公共
家庭
官庁
80
*最大消費電力は年間で最も大量の電力を消費する
*瞬間の電力を示す
*(夏期のエアコンフル回転、工場フル操業等)
工業
800
最大消費電力
60
既存設備容量
600
増設が必要な容量
40
400
20
200
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
0
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
電気料金は上昇を続けており、電力需給も逼迫傾向であるため、省エネ製品の訴求力が高まる見通し
145 出所:PLN STATISTICS 2012、インドネシアエネルギー鉱物資源省講演資料を基にDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】社会課題の変化−電力不足(2/2)
(参考)家電製品全般購入においてインドネシア消費者が重視する事項(n=250)
(%)
100
99
94
90
84
82
80
75
72
58
60
40
20
0
品質・性能・
使い勝手
購入価格
ランニングコスト
ブランドイメージ
デザイン
人気や売れ筋
メーカーの国籍
アフターサービス
消費者はランニングコストを重視しており、省エネ商品が市場に投入された際は選好されやすい
146 出所:JETROデータを基にDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】インフラ整備(1/2)
インドネシアの地方電化計画(再掲)
インドネシアの各地域の電化状況(再掲)
 地方の電化率は、2012年時点で75.3%に留まる
 政府は、国家電化率目標を2014年までに80%、2020年
までに99%とし、全国の未開発地域、へき地等の社会開
発を促進する
計画電化率
(%)
100.0%
99.2%
100
75.3%
75
50
25
0
2012
2016
2020
2024
2028
2032
現状電化率が50%を下回っている地域もあり、地方部における製品普及の為には、電力インフラの整備が必要
147 出所:インドネシアエネルギー鉱物資源省講演資料を基にDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】インフラ整備(2/2)
(参考)インドネシアにおいて1ヶ月に1人が
経験する平均停電回数と時間(2012)
(参考)停電の原因
(回/月)
計画停電
7
ジャワ島以外
6
インドネシア全体
5
停電回数
4
ジャワ島
3
無
計
画
停
電
2
1
設備不良
 インドネシアにおいては計画停電
が年に数回あり、一回当たりの停
電時間も数時間となっている
• 電力需要が急増したことにより、
夏場を中心として計画停電を実
施せざるを得なくなっている
 発電、送電設備が整備されていな
いことによる停電
• 都市部においては、送電網等の
配電設備が古く、停電が起こり
やすい
• 地方では、ディーゼル発電が中
心であるが、需要に発電能力が
追いついていないため、より頻
繁に停電が発生している
0
0
1
2
3
4
停電時間
5
6
7
(時間/月)
自然災害
 洪水や落雷を始めとした、自然災
害による停電
インドネシアでは、特に地方部において停電が多く、電力インフラの整備が求められている
148 出所:PLN Statistics 2012、NNA記事データを基にDTC作成
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 【変化分析例:エレクトロニクス市場】技術革新による新商品・サービス(1/2)
インドネシアにおける
ペイメントカードの普及枚数の推移
(参考)携帯端末経由でのネット利用状況
 インドネシアにおいて、各種ペイメントカードはいずれもその普及枚数は年
々伸張しているが、特にデビットカードの伸張が著しい
 インドネシアにおけるインターネット利用は、他のASEAN諸国に比
して携帯端末経由が圧倒的に多い状況
(100万枚)
(%)
50
120
48
105
100
78
80
65
60
40
54
57
14
12
2
12
3
3
15
93
15
クレジットカード
15
6
ATMカード
(デビット機能なし)
5
40
35
29
携帯電話
24
4
21
73
41
36
30
83
ATM
+デビットカード
60
20
40
20
12
9
10
49
16
15
13
6
0
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
インド
ネシア
タイ
シンガ
ポール
ベトナム フィリピン
ペイメントカードはデビッドカード、クレジットカードともに利用率が徐々に拡大。
今後、eコマースの観点からも、更なる決済手段の多様化への期待が高まっている
149 出所: Bank of Indonesia データ、ニールセン調査を基にDTC作成
マレー
シア
携帯電話以外の
ハンドセット
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】技術革新による新商品・サービス(2/3)
インドネシアにおいて
eコマースによって販売されている商品
eコマースによるチャネル構造変化
(10万ルピア)
5,887
6,000
その他
伝統玩具・ゲーム
5,000
食品・飲料
4,651
家電量販店
における
日系企業
 エレクトロニクス製品は家電量販店、
ハイパーマーケットにおける販売が主流
• 消費者にとって、販売店舗における
スペース確保が重要となる
Eコマース普及
(チャネル構造変化)
の影響
 Eコマースの普及により、オンラインサイ
トを通じた製品比較が容易になる
• 消費者にとって、価格、スペック、口
コミといった情報といったインターネ
ット上の情報が商品選択において重
要になる
メディア製品
家庭用品・家具
4,000
家庭用工具・ガーデニング
3,666
ホームケア用品
3,000
電気機器
2,820
ヘルスケア用品
衣類・靴類
2,000
1,000
0
1,654
662
829
527
(50%)
(80%)
2008
2009
化粧品・ケア用品
2,957
2,514 (50%)
1,936 (54%)
(53%)
1,306
(46%)
2010
2011
2012
家電・ビデオゲーム機
2013
eコマース市場は拡大傾向であり、チャネル構造の変化に対応することが求められる
150 出所:Euromonitorデータ、NNA記事を基にDTC作成
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-1 2008年以降の変化に対する日本の視点
 消費者市場としてのインドネシア
変化分析例−自動車
変化分析例−エレクトロニクス
変化分析例−食品
 生産拠点としてのインドネシア
T: Technology
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:エレクトロニクス市場】技術革新による新商品・サービス(3/3)
インドネシア市場の嗜好性を考慮した商品の出現
ツイートのリアルタイム表示機能搭載TV
現地従業員デザインの冷蔵庫
“ソニーは、短文投稿サイトのツイッターのツイートをリアル
タイムで表示する機能を搭載した新テレビを発表。キーワー
ドをライブ表示する機種は初めてという。
調査によると、テレビを見ながらスマートフォン(高機能携
帯電話)やタブレット型端末などでメッセージを発信している
人が多いことが分かり、サッカー中継とその試合に関連した
ツイートを同時に楽しむことができる機能を開発した。
ツイッターの利用者が多い米国、ブラジルと合わせた3カ
国で投入する。世界で最もツイッターが盛んな都市とされる
ジャカルタを中心に、富裕層の若者をターゲットに浸透を目
K
指す。”
-産経ビジネス-
“シャープは、現地の従業員が企画・開発した製品を
積極的に投入することでシェア拡大を図っている。昨年
5月に発売した冷蔵庫の新モデル「サムライ」では、侍の
刀をモチーフにした取っ手を付けたところ、デザイン性や
グリップ感のよさが消費者に受け入れられ売れ行きが好
調だ。昨年半ばには、バティック(ろうけつ染め)の模様を
施した製品群の販売も開始するなど、現地仕様モデルの
投入による市場開拓に余念がない。”
-NNA-
世界の全ツイート数における上位5都市からのツイート数の割合(2012)
2%
ジャカルタ
2%
東京
2%
2%
2%
ロンドン
サンパウロ
ニューヨーク
インドネシア市場の嗜好を考慮した、現地ニーズに対応した商品が市場投入されている
152 出所:産経ビジネス記事、NNA記事、Semiocastデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
消費市場としてのインドネシアの変化分析例−食品市場サマリ
2
日本企業にとっての示唆
2008年以降のインドネシア食品市場の変化
トピック
概要/例
•
国内小売業者保護のための大規模外
資小売業の参入規制強化
国内食品業最優先とした輸入食品
関連規制の頻繁な変更
医療費負担の重さと健康意識の高さ
から、健康/機能性食品の販売増加
世帯所得の底上げに伴う加工食品(調
理済み食品)の購入量の増加
政権交代
政治
Politics
経済
Economy
社会
Society
規制・制度の
変化
所得
拡大
中間層の
拡大
富裕層の
拡大
社会課題
変化
•
•
•
•
•
•
•
インフラ整備
技術
Technology
153
•
インドネシアに
おける
有望市場
(商品・
サービス)の
変化
高級食材の消費量の増加
高価でも「健康」「安全」と謳う食品(日
本食、オーガニック食品など)が人気
食の安心・安全への脅威の高まり
− グローバルに流通する食品の
ハラル適合性への懸念
生鮮食品(冷蔵・冷凍品)を供給するコ
ールドチェーンへのニーズの高まり
水道の整備遅延によるボトルドウォー
ター需要の拡大(所得拡大に伴い、世
界第5位のボトルドウォーター市場へ)
技術革新による • 食品の常温流通を可能とする製造
・包装技術の進展
新商品・サービス
日本企業が
求める
ビジネス
環境整備
内容の
変化
製品
(大統領選後の新政権によるインドネ
シアの産業育成・輸出構造転換に向
けた政策の維持・変化)
流通
•
方向性
概要
食品流通の
グローバル化
 味の素インドネシアが小売直販可
能な配送網を構築
 日本郵船や住友商事などの日系
物流企業が進出
小売業態の
変化
 CVS、ミニマーケット、高級スーパ
ーなどの近代的小売店の増加
高付加価値
食品市場の
拡大
 健康や美容に資する食品に対す
る需要の増加
 高級食材(牛肉や生鮮果実など)
などへの需要の増加
安全性の
高い食品の
人気拡大
 食品の安心・安全性への関心の
高まり
 ハラル認証食品への需要の増加
小売・
サービス業の
外資規制緩和
 CVSをはじめとする小売業やレス
トラン業などの外資規制の緩和
 投資奨励条件の明確化
近代的な
流通プロセス
整備支援
 港湾・道路インフラの整備
 コールドチェーンを構築するノウハ
ウを持つ日本企業と現地企業との
連携支援(規制緩和、税制優遇)
食品の安全性・
機能性を認証
する基盤の整備
 健康効果表示制度の創設
 HACCPやGAPの適用促進による
品質レベルの向上
 最終製品のMUI認証統一化
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】大規模外資小売業の参入規制強化(1/3)
インドネシアにおける外資規制強化の概要
外資規制
強化の動き
規制強化の
背景

2014年大統領規定39号によって、2010年大統領規定が改定され、外資による出資制限分野の変更、
一部規制強化(11分野)が実施 (改定は2010年以来4年ぶり)
 投資ネガティブリストにより、内国・外国企業の事業参入禁止分野、条件付開放分野、外国企業の出資上限比率などを業種ごとに
規定しており、依然、外資参入制限が多数存在

「ASEAN経済の自由化を見据えて国内企業の競争力を高めるために特定の分野で規制を強化」

「輸入をある程度抑制して経常収支の改善につなげるという国策に沿った面もある」(インドネシア投資調整庁)

小売業では、7種にわたる小売業において、内資限定となるなど既存の外資規制が強化(2014年6月)
既存規制が強化された分野
外資出資上限比率、条件等
強化前
強化後
C. 商業
外資規制
(小売分野)
の概要
スーパーマーケット、ミニマーケット以外の小売業
百貨店以外の小売業
繊維小売業
化粧品小売業
(規制なし)
内資に限る
履物小売業
電化製品小売業
通信販売またはインターネットによる小売業
国内企業の競争力強化のため、チャネルとなる小売業において外資規制が強化されている
154 出所:JETRO資料、NNA News、インドネシア関係法令を基にDTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】大規模外資小売業の参入規制強化(2/3)
インドネシアにおける小売業における外資規制の状況
(参考) グロッサリー小売市場MT/TT別市場規模
 トラディショナルトレードの比率が依然高いものの、
モダントレード比率が着実に拡大
(参考)流通業における主な外資規制
業種
外資出資
上限比率
条件
(10億USD)
100
 営業床面積が1200㎡未満のスーパーマーケット
96
 営業床面積400㎡未満のミニマーケット
モダントレード (MT)
15%
トラディショナルトレード (TT)
 営業床面積が2000㎡未満のデパート
 スーパー・ミニマーケット以外の小売業
80
60
小
売
業
60
 百貨店以外の小売業
内資に限る
 繊維小売業
 店舗での玩具・子供用おもちゃの小売業
10%
 化粧品小売業、履物、電化製品小売業
 通信販売またはインターネットによる小売業
 食品・飲料小売業
85%
40
運
輸
業
90%
20
0
 ディストリビューター
33%
 倉庫業
33%
 冷蔵保管
ジャワ、スマトラ、
バリ : 33%
その他: 67%
(2014年改定ネガティブリストにて、新たに外資出資上限が設定された領域)
2007
2008
2009
2010
2011
2012
小売では、モダントレードへの移行が徐々に進行。
一方、この動きを留めるような分野において、外資規制が新たに強化された形となっている
155 出所:Euromonitor、JETRO等に基づきDTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】大規模外資小売業の参入規制強化(3/3)
(参考)インドネシアの現地企業と組んで進出する外資系企業
小売業態別の主要企業
業態
現地企業
外資企業の外食市場参入事例
外資系企業
ブランド名
主な外食形態
進出年
店舗数
ペッパーランチ
ステーキ
2006
24
(※現地企業に株を売却し
外資色は薄まっている)
吉野家
牛丼
2010
21
• 香港:Hero [Giant]
• ベルギー:Lion
[SuperIndo]
大戸屋
定食
2008
5
らんぷ亭
牛丼
2010
3
牛角
焼肉
2010
3
モスバーガー
ハンバーガー
2008
2
まる玉ラーメン
ラーメン
2010
2
博多一幸舎
ラーメン
2010
2
丸亀製麺
うどん
2013
1
KFC
フライドチキン
-
439
Dunkin’ Donuts
ドーナツ
-
255
Pizza Hut
ピザ
-
204
Starbucks
コーヒー
-
135
McDonald’s
ハンバーガー
-
130
• フランス:Carrefour
[Carrefour]
ハイパー
マーケット
• Matahari [Hypermart]
• 香港:Hero [Hero,
Giant SM]
スーパー
マーケット
• Matahari [Foodmart]
ミニ
マーケット
• Sumber Alfaria Trijaya
[Alafamart]
• Indomarco [Indomaret]
• Midi Utama [Alfa Midi]
(外資規制のため
該当なし)
• Midi Utama [Alfa
Express]
(外資規制のため
該当なし)
CVS
【日本企業が現地企業へライセンス供与して参入】
• Modern Putra [7-Eleven]
• Midi Utama [Lawson]
• Circleka Indonesia Utama [Circle K]
日
本
企
業
米
系
企
業
厳しい外資規制のため、グローバルプレーヤーの参入は未だ限定的であるが、
現地資本やASEAN資本との合弁・連携(ライセンス供与含む)が参入のカギとなっている
156
出所:各種ニュースソース、食品産業海外事業活動支援センター資料等に基づきDTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】輸入食品関連規制の頻繁な変更
インドネシアの食品関連規制の動向(1/2)
インドネシアにおける食品関連規制
インドネシアを取り巻く環境
 全輸出額のおよそ1割を占める主力輸出品パーム油の価
格下落や工業製品の内需拡大等により貿易収支が悪化
特長
 2012年にはアジア通貨危機以来、過去最大の赤字を記録
(10億ルピア)
40
経常収支
貿易収支
20
0
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
-20
-40
食品価格の高騰
 貿易赤字の是正に向け、自給率向上を目的とした農林水
産業保護政策が加速
 自給率向上に向けた輸入枠の削減により、国内小売価格
が上昇
 2014年までに牛肉自給率90%達成に向けた取組みの
一環で2012年に豪州産牛肉輸入枠を約5割削減
 55,000∼60,000ルピア/1Kgであった牛肉の2011年の
平均価格は、2012年5月には80,000ルピアまで高騰
具体的な規制︵例︶
拡大する貿易赤字
<インドネシアにおける経常収支及び貿易収支(2002-2012)>
 食糧法に基づいた国内食品業最優先の流動的な
政策運営
 1996年制定の食糧法に基づき、国内需給状況や食
品価格の連動に合わせ頻繁に大臣令が発行され輸
出入規制が変更(近年、輸入規制の強化が顕著)
 随時施行される大臣令(抜粋)
 輸入加工食品の登録に係る規制(ML番号登録制)
(1989年保険大臣令第382号)
 コメの輸出入手順の改定
(2008年商業大臣令第12号)
 豚/アルコール由来成分の表示に係る規制
(2010年国家食品・医薬品監督庁長官令)
 食品中の放射性物質に係る規制
(2011年農業大臣令第20号)
 生鮮食品中の重金属等に係る規制
(2011年農業大臣令第88号)
 輸入港の制限
(2012年農業大臣令第42号)
 輸入ライセンス(API)制
(2013年農業大臣令第86号、商業大臣令第16号)
インドネシアに向けた食品の輸出に際しては、ハラル認証をはじめ、食品関連規制が強化される方向
157 出所:JETRO、有識者インタビューによりDTC作成
P: Politics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】輸入食品関連規制の頻繁な変更
インドネシアの食品関連規制の動向(2/2)
加工食品
生鮮食品
食品関連規制
制度概要
輸入の際障壁となり得る点
ML番号の取得
 輸入を予定している包装済み食品は
国家食品・医薬品監督庁に申請し、登
録番号(ML番号)を取得することが義
務付けられている
 手続きが流動的である上、取得には最短で3ヶ月程度、原料に
よっては2年程度かかるケースも
 現地有力ディストリビューターとの繋がりが円滑な取得のKFS
となっており、中小事業者にとってボトルネックとなっている
輸入ライセンス
制度
 一定期間内における、特定の輸入製
品の販売量を輸入業者に割り当て、輸
入品量を物理的に制限する輸入規制
 前期(1∼6月)輸入分は前年の12月のみ、後期(7∼12月)輸
入分は6月のみの受付となっており、前倒しの申請が必須
 インドネシア産品の保護を主目的としており、対象品目や制限
量が流動的であるため事業者にとって把握が困難
 商取引を目的としないサンプル品の輸入に際しても申請が必
要となるため、新規参入時のボトルネックとなっている
重金属等に
係る規制
 インドネシア政府により設定された
個々の品目毎の化学物質の残留基準
を満たすもののみ輸入可
 現在日本からの輸出に際しては、輸出毎に安全性を保証する
書簡の添付が義務付けられており、負担となっている
 一般的な基準より高い基準が求められ、実際に韓国事業者が
海苔菓子の輸入を禁止された事例も
放射性物質に
係る規制
 東京電力福島第一原子力発電所事故
を受け、農林水産省及び厚生労働省
が認めた検査機関による放射線検査
証明書の添付が義務付けられた
 証明書が添付されていない場合には、国家原子力庁による放
射能測定が行われ、検査費用は輸入者負担となる
 関税以外に現地の税制により消費者
の購買を妨げるケースも存在
 (例)日本酒の輸出に際しては、関税と現地酒税で税率が
300%にものぼる
(参考)関税外税金
インドネシアへの食品輸出においては、ハラル認証以外にも多くの手続きが必要となっている
158
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】健康/機能性食品の販売増加(1/3)
インドネシアにおいて消費がより多様化:
(例)健康志向の高まり
健康ブーム
の到来
 中間層・富裕層の増加により、健康に気を遣う
市民が増加
例1:
自転車
 交通量が減る深夜や休日
などに自転車を利用する
市民が増加
• 低価格のものから
スピードバイクまで多様
 食における健康志向の高まり
 健康維持のために機能性食品に注目する
インドネシア人が増加
機能性
食品
例2:
フィットネス
 富裕層の間では、ショッピ
ン モール内に入居する
フィットネスクラブ利用の
習慣化が増加
例3:
健康食品
 健康ブームに伴い、ビタミン剤などの栄養補給
剤など健康食品・機能性食品の販売も増加
 「健康意識の高まりがインドネシア国民の加工
食品の選択に大きな影響を与えるようになった。
つまり・・・健康によいというのも今や加工食品選択
のポイントの1つとなっている」(国家食品医薬品
監督庁(BPOM))
 ハーブ類への普及の期待の高まり
 この動きに化粧品等メーカーが注目
ハーブ類
 政府としても、国内で(伝統生薬の一部として)
ハーブ紹介・開発等に注力
• 食品医薬品監督庁(BPOM)が13種の植物産業
開発を振興
中間層の拡大によって、健康志向の高まりなどが見られ、消費が多様化している
159 出所:JETRO資料等を基にDTC作成
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】健康/機能性食品の販売増加(2/3)
インドネシアの各種医療制度への加入者の状況
健康を意識して定期的に摂取している健康食品など
国庫負担
バランス
栄養食
JAMAKESMAS
/JAMKEDA
【貧困者向け】
11,000
44.5%
6.1%
41.2%
サプリメント
28.4%
37.4%
健康食品
無保険者
7.6%
ゼロ表示の
食品・飲料
9,000
保険料方式
21.1%
13.9%
21.0%
7.9%
17.4%
14.3%
14.5%
6.7%
11.4%
5.4%
9.5%
6.7%
10.8%
機能性
ドリンク
ASKES
/ASABRI
【公務員・軍人向け】
栄養
ドリンク
1,720
ゼリー飲料
JAMSOSTEK
【民間従業員】
700
ダイエット
サプリメント
茶系飲料
民間医療保険
/企業の自家保険
【民間従業員等】
1,820
0
5,000
ひとつもない
10,000
15,000
ジャカルタ
日本
45.9%
0
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
人数(単位:万人)
インドネシアには無保険者が多いうえ、保険が使える場合にも自己負担が重い。
そのため、自分の健康を自分で守るために健康食品を摂取する人の割合は日本人よりも多い
160 出所:損保ジャパン総研、日本能率協会資料によりDTC作成
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】健康/機能性食品の販売増加(3/3)
インドネシアにおける
栄養補助食品・サプリメント市場の動向
(10億ルピア)
インドネシアにおける
スポーツ飲料市場の動向
(100万リットル)
15,000
600
13,978
+14%
12,000
552
12,115 2,279 その他
+14%
432
10,540 1,955
400
9,245 1,685
9,000
346
5,903 ビタミン
8,214 1,467
7,205 1,297
5,071
4,371
1,124
6,000
3,793
3,341
200
2,906
293
69
66
10 5
8
379
77
72
12 5
490
93
86
11 6
12 6
11 5
その他
大正製薬
PepsiCo
Coca-Cola
TC Pharmaceutical
154
Danone
132
5
112
66
94
42
3,000
3,984 4,485
3,176 3,576
5,089
5,796 栄養補助食品
0
大塚HD
0
2008 2009 2010 2011 2012 2013
2008 2009 2010 2011 2012 2013
サプリメント市場やスポーツ飲料市場は大きく成長している。
また、スポーツ飲料市場では、コカコーラやペプシコを抑え、大塚HDとダノンが市場の伸びを牽引している
161
出所:Euromonitor、JETRO等に基づきDTC作成
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】加工食品(調理済み食品)の購入量の増加(1/2)
インドネシアの所得別世帯数の推移
1人当たり月間の消費支出と加工食品支出の変化
(1,000ルピア)
(千世帯 )
75,000
(%)
14
600
12.6%
+1%
60,000
58,590
8%
45,000
31%
1%
59,260
59,920
60,580
8%
14%
18%
61,260
3% US$25,000超
19%
US$10,000
~US$25,000
46%
46%
US$5,000
~US$10,000
29%
29%
23%
10%
0
2008
376
(87.4%)
150
33%
2009
2010
4%
3%
2011
2012
287
300
37%
15,000
10
8
30,000
24%
430
450
31%
41%
37%
12
11.1%
255
(88.9%)
US$3,000
~US$5,000
US$3,000未満
6
4
2
0
32
(11.1%)
54
(12.6%)
2005
2009
加工食品への
支出率
加工食品以外への
消費支出額
0
加工食品への
消費支出額
世帯所得の底上げが進み、2008年からの4年で年収5,000~10,000ドルの中間層が1,000万世帯増加した。
また、世帯所得の増加に伴い、一人当たりの加工食品支出も増加している
162 出所:Euromonitor、食品産業海外事業活動支援センター資料等に基づきDTC作成
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
【変化分析例:食品市場】加工食品(調理済み食品)の購入量の増加(2/2)
2

インドネシアにおける冷凍食品カテゴリーの市場規模は、2012年時点で5兆3000億ルピア (500億円程度)に留まって
いるが 、年平均15%を超える高い成長率で拡大をしてきており、今後も高い拡大が続くことが予想されている

CPはインドネシア冷凍食品市場において35%を超えるシェアを有しており、更にシェアを継続的に成長させている
インドネシアにおける冷凍食品の市場規模推移 (金額ベース)
(10億ルピア)
12,000
冷凍食品市場におけるシェア推移 (金額ベース)
(%)
40.0
予測値
10,181
10,000
35.0
34.3
34.8
35.2
35.7
36.3
予測値
36.5
CPグループ
9,312
8,478
Malvolia
30.0
7,685
8,000
6,935
30.2
30.7
30.8
30.9
31.1
31.5
17.8
17.5
17.3
17.1
16.7
16.9 Sierad
6.4
6.6
6.6
6.3
6.2
5.7
25.0
6,231
6,000
5,291
20.0
4,546
3,994
4,000
15.0
3,399
2,965
10.0
2,000
5.0
0
PSPグループ
0.0
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
2008
2009
2010
2011
2012
2013
冷凍食品の市場規模は高い成長率を記録。中でもCPグループがシェアにおいて高い存在感を示している
163
出所:Euromonitor
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】高級食材の消費量の増加
インドネシアにおける牛肉の生産・消費の動向
自給率(%)
(1,000トン)
700
94.7%
96.9%
100
91.8%
85.0%
600
85.8%
90
543
80
466
358
Jakarta
Yogyakarta
Surabaya
60,000
500
400
70,000
Bandung
513
428
422 409
393
インドネシア6大都市における牛肉1kgあたり価格の動向
(ルピア)
Semarang
70
436
60
339
50
300
Denpasar
50,000
40
30
200
20
40,000
100
10
0
0
2007
2008
牛肉消費量
2009
2010
牛肉生産量
2011
0
2007
2008
2009
2010
2011
自給率
高級食材の一つである牛肉の消費量は増加傾向にあるが、国内生産が需要増に追いついていない。
一方、政府は食糧自給率の向上を目指し2011年から牛肉の輸入許可量を削減し、価格高騰を助長している
164
出所:Indonesian Commercial Newsletter によりDTC作成
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】高価でも「健康」「安全」と謳う食品が人気(1/2)
所得層別人口の動向*1
所得層分類 ボリューム層の
(一人当たり
GDP(PPP))
2012年
セグメント
所得層別人口
 多くが中華
富裕層
系の非ム
(US$15,001+)
スリム
上位中間層
(US$7,50115,000)
下位中間層
(US$3,5017,500)
8
 中華系もし
くは豊かな
ムスリム
20
59%
100 200 (百万人)
17%
63
84
0
各所得層別
消費者の主な食品購入先の例
構成比
10%
34
27%
107
0
所得層別人口
10%
49
 郊外のムス
低所得層
リムや都市
(US$0-3,500)
部の貧困層
構成比
4%
18
 多くがムス
リム
2020年時点予測
32%
<超高級スーパー>
• Kem Chicks
<高級スーパー>
• Ranch Market
• Food Hall
<一般向けスーパー>
• Lotte Mart
• HyperMart
• Carrefour
<CVS/minimarket>
• Alfamart
<ワルン>
• Indomaret
• 地場零細
小売
42%
50 100 150 (百万人)
所得ギャップの大きいインドネシアにおいては、所得層別に食品購入先が大きく異なる
165
出所:Euromonitor、現地視察によりDTC作成 *1:一人当たりGDP(PPP)ベース
M
T
T
T
E: Economics
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】高価でも「健康」「安全」と謳う食品が人気(2/2)
インドネシアにおいて人気の食品事例
概況
日本食
健康食品
オーガニック食品
 ジャカルタ市内の日本食レストラ
ンはおよそ350軒
 ヘルシーな料理として親しまれる
 所得の上昇を背景として、富裕層
を中心に健康への意識が上昇
 食の安全への懸念を背景に、オー
ガニック食品へのニーズが拡大
 カルシウムやプロテイン含有量を
強みとした健康促進フードが広い
棚を占有しており、消費者の健康
意識の高さが伺える
 「オーガニック」を謳う商品が多品
目に渡り棚を占め、商品によって
は通常価格の4倍程度のものも
 オーガニックであることが高い価
格訴求力を有していることが推察
される
 高級スーパーから一般向けスー
パーまで、ほとんどの大規模スー
パーでは寿司コーナーが設けら
れ、人気の高さが伺える
 寿司及びさしみの単価は日本より
高いものの、贅沢品として広く受
け容れられている模様
具体事例
下:スーパー内の寿司売り場の様子
右:インドネシアの人気
健康食品ブランド
「Tropicana Slim」
下:健康食品売場の様
子(Food Hall)
下:国産通常品の約4倍程度で取り扱わ
れている「オーガニック」茶そば(オースト
ラリア産)
高価でも「健康」、「安全」をキャッチフレーズとした食品が大人気
健康的なイメージを持つ日本食品にとって大きなチャンスとなる可能性
166
出所:現地視察、有識者インタビューによりDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】食品の安全性に対する関心の高まり
食の安心・安全
インドネシアにおける食の安心・安全を脅かす事例
豪州・NZ産牛乳
からバクテリア検出

2008年、中国産牛乳・乳製品に、タンパク質
増量剤として有害物質のメラニンが意図的に
混入される事件が発生
 中国国内で死者が発生したほか、海外へも輸出さ
れたため、世界的スキャンダルに発展

インドネシア国内の小売店で販売されていた
飲食品からも有害物質メラニンを検出
輸入禁止措置
中国産牛乳から有害物資検出

インドネシア当局・消費者団体の動向
 インドネシアで流通する粉ミルクの22%以上が
NZ産、15%が豪州産であることから不安が広がる

食品医薬監督庁(BPOM)は、有害物質の検
出を理由として、中国産の牛乳、重炭酸アンモ
ニウム、卵粉の国内流通を禁止する通達
(No.PO.0102.51.0499)を発布
 中国以外で生産されたこれら食品の輸入に際し、
輸出書類に原産地証明の添付を義務付け
輸入禁止措置は講じず
/消費者団体は抗議
 バクテリアが混入したおそれのある製品は中国・マ
レーシア・ベトナム・タイ・サウジアラビアなどに輸
出されており、中国とロシアは輸入を禁止
インドネシア消費者協会(YLKI)は、非正規ル
ートを含め、中国産食品が広く流通している状
況に懸念を表明
 中国産の輸入品は、正規認可を示すMLコードの
登録番号を付与しない
 ナビスコのオレオ、マーズフードのM&M’sなどの有
名ブランドを含む16種類以上の飲食品から検出
(これらには、流通許可が未取得であったり、他商
品の認可番号を流用した違法食品も含まれる)
2013年、NZの大手乳業メーカーFonterra社
の豪州産、ニュージーランド産の乳製品から
ボツリヌス中毒を起こすバクテリアを検出


BPOMは、Fonterra社・豪州政府・NZ政府に
照会し、バクテリアが混入したおそれのある乳
製品のロットはインドネシアに輸出されていな
いことを確認

インドネシア消費者協会(YLKI)は、企業の言
い分を鵜呑みにすべきでなく、輸入停止等の
措置を採るべきとして抗議
輸入食品に関し、食の安心・安全を脅かす事例が継続的に発生しており、
当局のみならず、消費者側も食の安心・安全への意識が高まっている
167
出所:中国商務部資料、各種ニュースソースに基づきDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】ハラル認証制度の構築(1/3)
食品輸入の拡大に伴う規制強化:ハラル認証
ハラル認証義務化の動向
インドネシアにおけるハラル認証への政府スタンスと普及促進策
 最大のムスリム人口を有するインドネシアが、MUIと政府の
連携によりマレーシアに追随しハラル・ハブの地位強化を目
指す
ハラル認証
に対する
政府スタンス
 2005年にHalal Assurance systemを導入し、ハラル認証制
度を成文化(2008年に第4版を公開)
 輸入食品の増加及び海外ハラル認証食品の流入を背景
として、食品のハラル適合性への懸念から、国内ハラル
認証手続きの加速化を目指すとともに、ハラル取得の
義務化を検討
 LPPOM-MUI が海外向けトレーニングプログラムを実施
 海外ハラル認証発行機関や海外企業オーディター(検査員)向
けにハラル認証制度の基本や認証制度情報の更新を行う
 現状任意取得であるハラル認証の取得を義務化する
法案審議中
 主な内容
• 医薬品、食品、化粧品を対象に認証の取得をすべきとの
規定
• ハラル認証権限は、政府機関が持つべきとして議論が
継続・対立
- 現行の認証機関であるイスラム指導者会議(MUI)は
認証を推薦する役割
 対立が継続し、法案成立の見通しは立たず
 外国企業の数は年々増加している
 MUIとインドネシア観光省が連携し、インドネシアへのシャリーア
(イスラム法)観光を強化
 国内旅行代理店やホテル、飲食店などと提携し、ハラル食品・
飲料提供、礼拝施設の準備など、ムスリムが安心して旅行でき
る環境の整備を進める方針
 INDHEX(Indonesia Halal Expo)を開催
 ハラル商品の認知度向上を目的として8つの省庁や外郭団体
の連携により開催食品のみならず最新の技術、化粧品、金融、
観光、ファッション、医薬品、物流や他のハラル製品を紹介
主な対立軸
政府による
ハラル認証
普及促進策
(例)
 MUIは生活必需品に加え、医薬品や予防注射
ワクチンを含めて義務化することを望む
 保健省・医療業界は、「薬品やワクチンがハラル
かどうかを判断することは困難」
 宗教省はハラル発行の権限委譲を要求
 MUIはハラル発行の権限維持を要求
食品輸入の拡大に伴い、ハラル認証の制度化・普及促進が推進されるとともに、
ハラル認証の義務化を巡る議論が継続している
168 出所:MUIホームページ、各種報道記事等によりDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】ハラル認証制度の構築(2/3)
(参考)インドネシアにおけるハラル認証取得による購買者への訴求力
前提条件
カテゴリ
1
食肉
<ハラル認証>
• 最終製品における
MUI認証統一化
の動き
<消費者動態>
• 短期:富裕層のボ
リュームゾーンは
非ムスリム
• 長期:厳格なムス
リム消費者の購買
力向上
ハラル認証取得が購買者へ与える訴求力
短期
長期
○
 インドネシアへの食肉輸出にお
けるハラル認証取得は輸入規
制上必須
有効な認証
○
 インドネシアへの食肉輸出にお
けるハラル認証取得は輸入規
制上必須
B to C
MUI直接認証
加工食品
 富裕層をターゲットとした場合、
ハラル認証取得はプレミアム要
件にもなり得ない可能性
 厳格なムスリム消費者の高所
得化によりハラル認証取得が
更なる消費者開拓に繋がる可
能性
HORECA
 ハラル認証を取得している
HORECAはほとんどおらず、
バイヤーに対するハラル認証
の訴求力は限定的
 HORECAにおけるハラル認証
取得の普及が拡大した場合、
バイヤーに対する訴求力強化
の可能性
食品
メーカー
 マス消費者を対象としている現
地メーカーは、MUI認証取得の
ためにMUI公認のハラル認証
機関認証済み原料を選好
 厳格なムスリム消費者の購買
力向上に伴い、より認証取得
原料が好まれる可能性
2
△∼× ○∼△
△∼× ○∼△
B to B
○
○
MUI直接認証
/MUI公認の認
証機関(日本ム
スリム協会)の
認証
<凡例>○:ハラル認証取得が必須要件 △:ハラル認証取得が好ましい
×:ハラル認証取得による訴求力は限定的
富裕層をターゲットとした場合、ハラル認証取得が与える訴求力は限定的
一方でハラル認証の厳格化のトレンドに乗じ、中・長期的には認証取得が消費者開拓を後押しする可能性
169
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】ハラル認証制度の構築(3/3)
(参考)イスラム諸国*1における高所得層人口ランキング
 世界のイスラム諸国の中でも、インドネシアは年一人当たりGDP150,000US$(PPPベース)以上の高所得層人口が多く、
高品質かつ高価である日本食品へ需要が高い可能性が考えられる
(百万人)
50
2012年
43
40
30 27
24
18
20
19
15
12
7
11
6
12
11
12
11
11
01
01
00
バーレーン
ヨルダン
ウズベキスタン
アゼルバイジャン
トルクメニスタン
5
アルジェリア
1
カタール
24
モロッコ
UAE
マレーシア
サウジアラビア
エジプト
インドネシア
イラン
トルコ
34
クウェート
46
チュニジア
7
パキスタン
7
10
0
2030年予測
赤字 ASEAN諸国
青字 湾岸協力会議(GCC)諸国
インドネシアは、イスラム諸国の中でも、ムスリム人口が多く、かつ購買力の高い層が厚い
出所:PEW FORUM ON RELIGION & PUBLIC LIFE、Euromonitor
*1:ムスリム人口比率70%以上(2010年時点)諸国を抽出 *2:高所得層は購買力平価ベース年一人当たりGDP15,000USドル以上と定義(参考:インドネシアジャカ
170 ルタにおける平均月収は約300USドル)
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】日系企業によるハラル認証への対応
ムスリム人口ランキング上位10カ国(2010年)と将来予測
インドネシアにおける日系企業のビジネス事例
(百万人)
味の素
300
2010年
256
239
2030年時点予測
236
205
200
178
177
約35億円を投じてジャワ島西部カラワン工業団地に風
味調味料(HALAL認証取得済み)工場を新設し、
2012年9月に稼動
188
Pasco(敷島製パン)
149
105
100
80
現地企業との合弁により会社設立、
SARI ROTIブランド(HALAL認証取得済み)で展開、
2010年にはインドネシア証券取引所に上場
117
90
76
75
89
75
35
44
0
インド パキ インド バン
ネシア スタン
グラデ
シュ
エジ
プト
ナイジ イラン トルコ アルジ
ェリア
ェリア
インドネシアは、2010年時点で最もムスリム人口が
多く、今後もムスリム人口は増加見込み
出所:PEW FORUM ON RELIGION & PUBLIC LIFE、Euromonitor
171
壱番屋
2013年12月8日に、1号店(フランチャイズ店)を
オープン。HALAL未対応だが、
イスラム圏対応として豚肉未使用のメニュー構成で展開
日系企業によるインドネシア進出は加速しており、
各社イスラム国家向けに商品ラインナップを展開
出所:各種報道記事よりDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】インドネシア企業が他のムスリム国家へと進出(1/2)
インドネシアからナイジェリアへの輸出が成功した即席麺「インドミー」

インドネシアとナイジェリアの共通項「イスラム教」に着眼
し、ハラル認定された即席麺を打ち出すことで圧倒的な
シェアを獲得
 インドネシアの食品大手インドフード・スクセス・マク
ムールはナイジェリアの即席麺市場のうち74%を占
め、現在では16品目もの即席麺を販売している
 2012年だけで16億食を売り上げ、ナイジェリア人の2
人に1人は口にしたことがある計算になる
ナイジェリアの即席麺市場における
インドミーのシェア(2013年現在)
その他即席麺
26%
インドミー
74%
172
出所:インドフード・スクセス・マクムールHP、現地視察より
 ハラル商品
 イスラム教で戒律されている豚由来の成分やアル
コールを含まない製品をハラル商品と呼ぶ
 食品においては、製造・輸送・保管の過程で豚肉と一
緒に保管しない、豚肉を揚げた油を使用しないなどの
条件をクリアしなければならない
 各国に独自の認証機関があり、特にマレーシアでは
公的機関による厳しい審査が実施される
 ハラル市場は食品だけで全世界で60兆円規模とい
われている
 インドフード・スクセス・マクムール企業概要
 売上高: 444,216(百万円)*
 営業利益:61,041(百万円)*
 売上高営業利益率:13.7%
 概要:
• 1990年設立。即席麺の加工以外に、乳製品の
製造・販売も実施している。年間およそ130億食
分(360万トン)の加工が可能で、そのキャパシ
ティは世界最大規模
• 大規模生産によるコスト安と、インドネシアでの
巨大な物流網、さらに強いマーケティング力が同
社のブランド力を高めている
• 121種もの即席麺を製造する為に34の工場を保
有し、2013年6月期の社員数は78,788人に上る
*1インドネシアルピア= 0.00881229805 円で計算
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
【変化分析例:食品市場】インドネシア企業が他のムスリム国家へと進出(2/2)
2
(代表例) Indofood CBP 企業概要
主要販売国・地域 及び 今後の進出予定地域
:主要販売国・地域
企業名
PT Indofood CBP Sukses Makmur Tbk
設立年
2009年
業種
加工食品製造・販売
(インスタント麺、乳製品、調味料、菓子等)
• 1,500億円を投資し、セルビアにIndomie (インスタント麺)の新工場を
設立予定 (2015年稼動予定)。バルカン半島諸国への進出計画
概要・特徴
インドネシア最大の食品コングロマリッド
Indofood Sukses Makmurの一般消費者
向け食料品・飲料部門
• ケニアに年間1億袋以上のIndomie生産能力を持つ新工場設立予定
従業員数
32,011人(2013年末時点)
:今後の海外投資地域
(USD Million)
売上推移*1
2.500
サウジアラビア
売上構成比:3%
(第2位)
2.199
2.000
1.570
1.696
1.890
ナイジェリア
売上構成比:1%
(第3位)
1.500
1.000
500
0
2010
2011
*1: Rp. 100 = 0.0087USDとして換算
173
アジア大洋州地域にとどまらず、中東・アフリカのイスラム圏へ進出済み
2012
2013
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】コールドチェーンへのニーズの高まり
インドネシアにおけるコールドチェーンの現状
ジャカルタ首都圏内の
コールドチェーン

約40社の冷凍・冷蔵倉庫業者が存在
 首都圏西エリア、東エリア、タンジュン・プリオク港に
近い北エリア及び南エリアに分布
 40社の冷凍・冷蔵倉庫の総面積は、41,376m2、
総容量は62,265トン
 このうち、全国展開する最大手PT. Sukanda Djaya
が45,000トン(総容量の約72.1%)を占める

全国規模の
コールドチェーン
最大手PT.Sukanda Djaya1社のみが
全国規模のネットワークを展開
 アイスクリーム製造大手PT. Diamond Cold Strage
の子会社
 国内に17拠点、保冷車を100台規模で所有
 親会社の製品流通を担うほか、PizzaHut、
McDonald、Sizzler、A&Wなどの大手食品チェーン
に冷蔵・冷凍倉庫を貸出
大手コールドチェーン(PT. Sukanda Djaya)と取引できる企業
は少数であり、自社で冷蔵・冷凍倉庫を所有するか、
コールドチェーンが不要となる調達(地産地消)が主流
冷凍・冷蔵倉庫業者/自社対応企業(例)
 約40社のうち、自社倉庫の一部又は全部を貸し出している事業者(11社)
企業名
業態
倉庫面積(m2) 倉庫容量(トン) 地域
PT.Sukanda Djaya
ディストリビュータ
PT.Bonecom Serbista
Compindo (BOSCO)
14,000
45,000
東エリア
倉庫業
8,750
6,000
北エリア
PT.Wirontono Cold
Storage & Industry
倉庫業
1,600
3,840
東エリア
PT. Yap Cwe Hok
Indonesia (YCH)
物流業
8,000
2,000
東エリア
PT. Wira Logitama
Saksama
物流業
1,200
1,600
西エリア
PT.GB Tuna
倉庫業
2,100
1,500
北エリア
PT. Pincuran Mas
Bina Usaha
倉庫業
3,000
700
南エリア
PT. Karunia Segar
Utama
輸入業者
700
560
東エリア
PT.West Side
Agritama
ディストリビュータ
1,134
400
東エリア
PT. Pluit Cold Storage
倉庫業
400
225
北エリア
PT.AGB Ice&
Fisheries Indonesia
倉庫業
852
300
西エリア
 自社コールドチェーンを保有する大手スーパー
(例:INDO、カルフール、Giant)
全国展開する冷凍・冷蔵倉庫業者は1事業者であり、コールドチェーンの整備がビジネス展開上の課題
174 出所:Jetroジャカルタ事務所調査等よりDTC作成
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】ボトルドウォーター需要の拡大
ボトルドウォーターの市場規模(国別比較)
インドネシアの水道事情概況
水道接続戸数(2010)
8,741,297
水道普及率(2009)
14.6%
410
PDAM(水道公社)数(2012)
平均水道料金(2010)
1,673Rp./㎥
8,255
9,107
米国
4,163
中国
7,686
5,360
メキシコ
7,521
3,302
4,501
ブラジル
インドネシア国民の主な飲料水の入手先
その他
18%
ボトルドウォーター
13%
2,156
インドネシア
3,761
1,426
タイ
水道水
ドイツ
1,524
1,515
スペイン
井戸水
2011
2,285
2,291
フランス
36%
2006
3,116
3,035
2,809
2,954
イタリア
15%
3,119
18%
ポンプ
0
2,000
4,000
6,000
8,000
(100万ガロン)
近代的な上水道整備の遅れから、国民の13%がボトルドウォーターを主な飲料水としている。
また、所得増に伴ってボトルドウォーターの需要が拡大を続けており、世界第5位の規模に達している
175 出所:厚労省水道課資料、世銀資料、IWBA資料よりDTC作成
10,000
S: Society
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
【変化分析例:食品市場】製造・包装技術の進展
インドネシアにおける加工食品(Packaged Food)市場の動向
製造・包装技術進展の事例
(10億ルピア)
 雪印メグミルクは、常温で
取扱が可能だが柔らかい
チーズが主流のインドネ
シアのチーズ市場で独自
性を発揮するため、常温
でも硬いチーズを開発
300,000
253,383
+12.8%
200,000
161,645
138,519
100,000
87,547
65,946
26,472
26,152
34,781
25,844
85,425
39,833 21,347
14,976
45,020
13,592
13,292
 香川の中小企業「㈱サム
ソン」は、JICAと提携し、
パウチに入れたまま、食
材の加熱調理と殺菌が可
能な食品加工機器を用い
て、常温保存可能なレトル
ト食品製造技術をインドネ
シアに導入
0
Packaged Food
2008
Dried Processed
Food
Nutrition
/Staples
Impulse and Indulgence
Products
Bakery
Dairy
2013
Baby Food
Meal
Solutions
コールドチェーンの整備は遅れているが、コールドチェーンを必要としない加工食品の市場が大きく伸張。
日本企業の食味向上/品質保持期間の延長技術が有効である可能性
176
出所:Euromonitor,各社ホームページ等よりDTC作成
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-1 2008年以降の変化に対する日本の視点
 消費者市場としてのインドネシア
変化分析例−自動車
変化分析例−エレクトロニクス
変化分析例−食品
 生産拠点としてのインドネシア
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化
日本企業にとっての示唆
2008年以降の生産拠点としてのインドネシアの変化
トピック
政策の変化
政権
• 現地調達要求、現地加工義務、輸入ライセンス規制
などの国内産業保護・育成のための規制強化
• インドネシア規格(SNI)の活用の推奨・義務化
開発・設計
• 製品・部品の開発・設計が現地化の方向へ転換
• 当局の執行能力の欠如によるデザイン侵害などの
知的財産侵害事例の増加
バリューチェーン上の変化
調達
生産
物流
方向性
• (大統領選後の新政権によるインドネシアの産業
育成・輸出構造転換に向けた政策の維持・変化)
規制・制度
流通
178
概要
• 地場裾野産業は、QCDを満たせず、依然未成熟
• 完成品メーカーが育成も兼ね、地場裾野産業からの
調達を拡大する方向
• 日本からの中間財の輸入が、低迷する一方、加工が容易
なものを中心にASEAN域内・中国からの調達が拡大
• 内需拡大・現地調達奨励策によって、完成品メーカーに
加え、中小企業を含むサプライヤーの進出が進み、
現地生産が拡大
• 近年、賃金コストの上昇により、地方への拠点移転の
増加、加工プロセスにおける機械化志向の高まり
• 物流インフラ不足による生産拠点・輸出拠点としての
制約の深刻化
• 主として内需向けであるものの、近年最終財の輸出
が拡大・輸出先も多様化
インドネシアの
生産拠点としての
位置づけ
の変化
日本からの
輸入品目の変化
•
コア部材を含む現地生産の
進展、各種生産機械の輸出
の増加
現地生産拡大ニーズ
と裾野産業の
実態の乖離拡大
•
現地調達要求・市場拡大の
一方、裾野産業による生産
制約から、引き続き高付加
価値部材は日本からの
輸入頼み
•
現地生産拡大に伴い、内需
対応に加え、輸出拠点とし
ての利用も拡大(例:自動
車の豪州への輸出拡大)
•
ファシリティ・マネジメント、レンタルオフ
ィス・倉庫の充実など、中小
企業の進出環境の整備
在留者増加に伴う周辺産業
拡大支援(例:外食サービス)
輸出拠点としての
位置づけの向上
日系中小企業が
より進出しやすい
環境整備
日本企業が
求める
ビジネス環境
整備内容
の変化
概要
裾野産業の育成及び
企業連携の強化
港湾・経済回廊・
工業団地などの
インフラ整備の加速
•
•
•
•
開発・設計を含めた裾野産業
強化のための人材育成支援
地場企業とのマッチング支援
(例:信用データベース構築)
地方を含めた港湾整備、工
業団地との連結の円滑化、
経済回廊などのインフラ整
備への経済協力
政策の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:政権
(再掲)ジョコ・ウィドド氏の略歴および公約
新政権発足に向けた最近の動向(例)
略歴
 1961年6月21日生まれ(53歳)
• 貧困家庭に生まれ、家具業経営を経る
 2005年にソロ市長選挙で初当選
• 保険・教育無料プログラム等、改革を実施し
て市民から圧倒的な支持を得る
 2010年に90%超の支持率を得て再当選
 2012年にジャカルタ特別州知事選で「庶民派」
をアピールして当選
 2014年10月より、新大統領に就任
つの優先
アジェンダ
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
全ての人々の安全が保護された国への回帰
清く、効率的で、民主的で信頼できる政府作り
インドネシア人として、農村地方も含めた統一的な国づくり
腐敗のない、尊厳と信頼のある法制度整備
インドネシア人の生活の質向上
国際市場における生産性と競争力の向上
国内産業の戦略セクターを集中させることによる、経済的自立実現
州の財政強化
インドネシアの社会的統一性の強化
179 出所:JETRO資料、政府HPを基にDTC作成
インフラ建設へ注力する方針
目的
公約
︵
ミッション︶
9
「独立的、自立的で、相互扶助に基づいた個性あるインドネシアの実現」
① 領土保全と経済的独立を保持できる国防の実現
② 法治国家を基盤とする先進的でバランスの取れた民主的な社会の
実現
③ 自由闊達で海洋国家としての固有性によった外交の実現
④ 高水準、先進的で豊かな生活の質の実現
⑤ 競争力ある国民の実現
⑥ 独立的、先進的、強力で、国益を基盤とする海洋国家の実現
⑦ 文化における個性的な社会の実現
 ウィドド政権では、省庁数を削減するとと
もに、インフラなど注力分野で省を新設
• 関連分野を手がける省を統合し、現行の34機関
から27機関に削減
• 海運・インフラなど注力分野では専門とする省を
新設
「農業省と海洋・水産省と
いった食料自給率に係わる
分野の統合や新省の設置
などの改革を進める。」
アンディ・ウィジャジャント
政権移行チーム副長
 9月までに内閣構成を確定し、10月20日
までに各大臣を選定
政策の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:政権
(参考)新産業法に基づく国家産業開発計画(RIPIN)の概要及び策定見通し
RIPINの概要
位置づけ
 将来20年(2015-2035年)にわたる産業開発のための
ビジョン、ミッション、戦略、優先プログラムを明確化
 新産業法によって制定が義務付けられており、
現在ドラフト検討段階
策定の見通し
 工業省が検討中であり、6月にドラフトが完成。
新政権発足までに完成させたい意向
「工業省は、ドラフトの作成を完了した。関連規制の準備も完了
している。RIPINは、2035年に産業立国となることを目指し、ミッ
ション、目標、政策、産業開発戦略を掲げている。RIPINは、政
府による産業政策への積極的な関与を奨励する内容である。」
(2014年6月)
 6つの基幹産業について
想定される
構成内容
• エネルギー、輸送機械、電子・ICT、エネルギー、
食品、医薬品・化粧品、衣料・履物
RIPIN案公表のためのフォーカス・グループ討議(2014年6月)
 3つの裾野産業について
• 資本財、部品産業、機械部品・部材
 3つの上流産業について
• 農業関連、鉱業、ガス・石炭
 6つの基本要求について
サンワニ・マフムド
工業省企画局長
アンサリ・ブクハリ
工業省事務次官
• 天然資源、人材、技術・イノベーション・創造性、
インフラ、政策・規則、金融
6つの基幹産業などを定める国家産業開発計画が新政権発足までに策定される見通し
180
出所:Antaran News、GRIPS資料等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:開発・設計
インドネシアにおける進出日系企業の今後の事業拡大方針
2010年
(%)
2011年
2013年
80
80
80
70
70
70
60
60
71
52
50
50
43
50
43
37
40
40
30
30
30
20
20
20
4
1
40
40
7
7
3
38
5
3
ス
゙
ヒ
ー
サ
ス
゙
ヒ
ー
サ
181 出所:JETRO「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を基にDTC作成
その他
インドネシアにおける進出日系企業の今後の事業拡大方針として、開発・設計を挙げる企業が一定数存在
4
事務機能
物流機能
地域統括機能
研究開発
生産︵
高付加価値品︶
生産︵
汎用品︶
0
11
9
10
販売機能
その他
設計・
研究開発/企業機能の強化
新規市場の開拓︵
営業・
販売
ネットワーク拡充︶
他社への出資もしくは
による事業規模・
領域拡大
M&A
生産品目/
内容の
多角化︵
分野の拡大︶
特定品目の生産拠点/
拠点を自社に集約
0
追加投資による既存の事業拡大
その他
設計・
研究開発/企業機能の強化
新規市場の開拓︵
営業・
販売
ネットワーク拡充︶
他社への出資もしくは
による事業規模・
領域拡大
M&A
生産品目/
内容の
多角化︵
分野の拡大︶
特定品目の生産拠点/
拠点を自社に集約
追加投資による既存の事業拡大
0
10
ス
゙
ヒ
ー
サ
2
8
5
ス
゙
ヒ
ー
サ
10
56
c
60
ス
゙
ヒ
ー
サ
65
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:開発・設計
トヨタによる現地デザイン化
ダイハツによる現地デザイン化
 概念設計を現地にて本格的に開始
概要
• 2013年、現地デザイナーが概念設計を本格的
に手がけた初のモデルである多目的車(MPV)
「キジャン・イノーバ」(2,000cc、2,500cc)の
新モデルを市場へ投入
• インドネシア人顧客の要望聞き取りからスケッ
チなど概念設計を現地スタッフからなる
チームが開発を担当
• 現地嗜好に合わせ、重厚な印象に外装を変更・
内装も、エアバッグなどの安全装置を強化
 デザインを含めた「現地化」に着手
概要
 「将来的にインドネシアでも技術設計を可能
とする体制を整えたい」(トヨタ・モーター・マニ
 研究開発棟を建設し、より現地ニーズを採り入
れた新型車の設計を行う方向
ュファクチュアリング・インドネシア、TMMIN)
今後の
方向性
• 現在は日本などが技術設計を担当しているが、将
来的にインドネシアで実施する体制を目指す
• 第二工場(西ジャワ州カラワン)において、デザインを
含めた「現地化」を目指し、デザイナーを養成
• Ayla(LCGC適合車)での「現地化」例:
− 現地デザイナーが開発を担当し、外装を「日本のか
わいい小型車より、インドネシア人の好きな格好いい
雰囲気に仕上げた」
− 荷質の大きさは、現地の生活実態に合わせ、水タン
ク3ガロンとラーメン2箱分を積載できるよう設計
− イスラム教徒が多いため、お祈りの時間を知らせる
アラーム機能を整備
今後の
方向性
• 「国内で培った軽自動車技術を小型車に応用し、
インドネシアでの増販につなげたい」(ダイハツ工業)
トヨタ、ダイハツとも、近年開発・設計において現地デザイナーを起用。
将来的には、インドネシアにおいても技術設計を可能とする体制整備を目指す
182 出所:ニュースリリース等各所資料に基づきDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:開発・設計
パナソニックによる現地デザイン化
 現地社員による市場調査・企画を通じ、
現地で受け入れられる商品開発体制を整備
シャープによる現地デザイン化
 ジャカルタ郊外の新工場において、現地向けデザイン製
品を中心とする競争力の高い商品の生産を拡大
• 停電が珍しくない現地電力事情
開発例:
冷蔵庫
• インドネシア農村部では、野菜など食材は毎日使う分だけ
買うことが一般的であり、冷蔵保存はしないことを現地調査
により把握
開発例:
冷蔵庫
• ペットボトルが13本入り、製氷室に大きなボウルが入る
ワンドア冷蔵庫を発売(2009年)
• 島嶼部の家庭の8割は利用可能電力が900ワット
開発例:
低電力
対応家電
• 現地事情を勘案し、乏しい電力事情に対応する家電商品
「アロワ+シリーズ」を投入
− 冷蔵庫、洗濯機、エアコンを
全て利用してもブレーカーが
落ちない省エネ仕様
• 停電時にも対応できるよう、蓄冷材を搭載した冷蔵庫
(「Kirei」シリーズ)を発売
−1ドアと2ドアの2タイプ
27種(1万6,000円-4万円)
• インドネシア人は幅広い世代で歌や踊りが好まれる
ため、テレビ・オーディオ機器は低音の大きさの音質を
判断基準にする傾向が強い
開発例:
テレビ
• 商品企画からデザイン制作まで
現地で出掛け、直径8センチの水筒を
横にしたようなスピーカーを画面の
下部に設置し、音が前面に出、低音を
強調した液晶テレビ「アクオスIIOT
(いい音)」を発売
エレクトロニクス分野では、インドネシアで受け入れられる商品を目指し、現地における製品開発が進展
183 出所:ニュースリリース、現地視察等に基づきDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
生産拠点としてのインドネシアの変化:開発・設計
2
模倣品被害の状況
知的財産侵害状況の推移
被害額
︵
反模倣協会推計︶
 インドネシアにおける模倣品による被害総額は
約43兆2,000億円規模(2010年推計)
• 正規品に対する模倣品比率は、プリンターのインク
衣類、革製品、ソフトウェア、化粧品、医薬品、食品
等において高い
(件数)
70
ブランド偽装
60
デッドコピー
デザイン模倣
c
50
日系模倣品被害企業の推移
(企業数)
40
100
87
冒頭出願
89
30
技術模倣
60
20
パーツ等の
真正品の代替
40
10
80
76
72
70
ドメイン名の盗用
海賊版
その他
0
2009
20
2010
2011
2012
0
2008
2009
2010
2011
2012
模倣被害企業数は増加傾向にあり、中でも、デザイン模倣の被害が増加している
184 出所:特許庁「模倣被害報告書」、インドネシア大学経済社会研究所(LPEM)資料に基づきDTC作成
2013
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:開発・設計
インドネシアにおける知的財産保護制度
制度整備
状況
 知的財産権に対する認識の低さ、汚職な
どから、積極的な対応がなされず、現在も
制度整備が遅延
 一部国内法(部分意匠・外国周知商標)
が未整備
現行
制度上の
課題
• 部品の部分に係る意匠(部分意匠)を意匠
法の保護対象とする制度や、外国で周知
の商標について不正目的で同一又は類似
の商標が出願された場合、当該出願を拒
絶または取り消す「外国周知商標」制度な
どの導入が未整備
 商標法、意匠法における刑事規定は、と
もに親告罪扱いであり、法執行力が弱い
• 権利侵害(模倣品等)の取締りは、権利者
が申し立てない限り実行されていない
• 結果、市場で模倣品が日常的に氾濫
(参考)欧米による評価
 インドネシアを要監視国に指定(USTR Priority
Watch List, 301 report)
 当局の執行能力の欠如を課題として批判
• 現に著作権・商標侵害が多発
• 裁判システムなどの執行制度が不透明であるほ
か、執行当局が職権上の調査権限を欠くため、
関連法令の執行が不十分
 米国政府とインドネシア当局との間で、
「Intellectual Property Action Plan」を策定
 当局の執行能力の欠如及び抑止的な罰則の
不備を課題として批判
• 国内知財当局に加え、中国からの模倣品の流入の増
加の原因となる税関当局の執行能力の欠如に
ついても批判
 知的財産権の登録手続きの透明性や知的財
産保護に対する一般認識の欠如を懸念
 EUは、「EU-Indonesiaビジネス対話」やEUASEANの枠組みを通じ、改善を働きかけ
• EU-インドネシアビジネス対話
• EU-ASEAN 知的財産協力プロジェクト(ECAPIII)
インドネシアにおいては、知的財産保護制度・執行上の不備が目立ち、ビジネス環境として懸念が多い
185 出所:経済産業省「不公正貿易白書」、USTR・NTEレポート、欧州委員会資料等を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:開発・設計
インドネシアにおける知的財産侵害事例:GSバッテリーの商標侵害
GS
バッテリー
社概要
 GSバッテリー社は、ジーエス・ユアサコーポレーションと現地自動車部品大手のアストラ・オートパーツの合弁会社であり、交換
用バッテリーを現地生産
• 人件費が安く、アストラ・オートパーツの配送拠点の近い中ジャワ州スラマンに自動車用バッテリーの新工場を建設(2014年)
 同社は、現地市場に多数出回る模倣品を駆逐するため、商標侵害に対し複数の訴訟を提起
GISI商標に対する訴訟
 スラバヤの事業者が持つGISI商標の取消しを
求める訴訟を提起
• スラバヤの事業者が登録したGISI商標がジーエス社所有の
商標に酷似しているとしてその登録取消しを求め提訴
訴訟内容
• 中央ジャカルタ商業裁判所は、ジーエス商標の著名性を認め
GISI商標はそれと要部が似ていると認定、登録取消しを命令
• これに対し、最高裁判所は、この判決を覆す判断を決定
(詳細不明)
「ゴールド・シャイン」商標に対する訴訟
 地元実業家が持つ商標権(「ゴールド・シャイン」)の
取消しを求める訴訟を提起
• 法務・人権省知的財産局に対し、地元実業家ルーシー・ダルマ
ワティ・ワルヨ氏が登録している「ゴールド・シャイン」の商標の抹
消を求めて中央ジャカルタ商業裁判所に提訴(2014年)
• 過去に2回、「ゴールド・シャイン」の商標登録の抹消
を求めて提訴(1回目は敗訴、2回目は勝訴)。登録は抹消され
たものの、再度被告側が別の番号で同一商標を登録したため、
3回目の裁判を提起
現地進出企業では、複数の模倣品被害に遭い、
(権利侵害の取締りは権利者が申立てない限り実行されないため)、訴訟を複数回提起しているケースも
186 出所:NNAニュース、JETRO資料
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:開発・設計
(参考)インドネシアにおける特許・商標
の国別登録状況
(参考)インドネシア−日本の特許審査ハイウェイ
 インドネシア知的財産総局(DGIPR)は、日本の特許庁との
間で、特許審査ハイウェイ(PPH)の試行プログラムを開始
インドネシアにおける特許登録上位5カ国(2001-2010年)
(件数)
(2013年6月-2016年5月)
20,328
米国
13,466
日本
概要
 日本の特許庁で特許可能と判断された発明を有
する出願について、申請により、インドネシア知的
財産総局において簡易な手続きで早期審査が受
けられるようにする枠組みの試行運転
•
DGIPRが受理した特許協力条約(PCT)に基づく
国際出願に対する国際調査国際予備調査を特許
庁が行うことが可能となる仕組み
ドイツ
6,629
6,302
インドネシア
4,077
オランダ
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
(参考)インドネシアにおける商標登録上位5カ国(2008年)
(件数)
インドネシア
目的
 日系企業が現地で行う研究開発成果などの適切
な保護による、インドネシアにおける事業展開の
円滑化
20,643
日本
1,355
2,019
米国
ドイツ
747
中国
662
0
5,000
10,000
15,000
20,000
インドネシアにおける特許登録数は、米国が群を抜いて多く、日本は第2位。
インドネシア-日本の特許審査ハイウェイによって、円滑な特許登録、事業展開が期待される
187 出所:特許庁ホームページ、外国産業財産権制度セミナー(ハギンダ・インターナショナル)等
25,000
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
インドネシアにおける
JIEPA締結以前の裾野産業の状況
インドネシアにおける裾野産業の現況
 タイ、マレーシアに比べ、裾野産業の形成が遅延
 依然として地場資本系企業からの現地調達には課題が多い
 日系進出企業以外に、地場資本系の部品供給/
加工サービス企業の形成が欠如
概要
(2004年
JICA調査)
• 特に中小企業の裾野産業企業は極めて限定的
• 「(QCDを満たすことの出来る)現地仕入先が日系を含む89社
であり、タイと比べ約15%の数しかない」(トヨタ、2011年)
概要
 一方、現地調達拡大のため、近年、日系メーカーが現地調達
先の拡大を通じた地場裾野産業育成の方針を発表
• 自動車、電気・電子機器産業へのOEM部品供給
と係わりのない多数の零細金属・プラスチック加
工企業が形成されているが、技術レベル、経営
手法において大きなギャップあり
• 「現地日系企業との取引だけでなく、(品質などの向上のため)
トヨタ生産方式を伝授し、現地企業を育成する」(トヨタ)
原材料・部品の現地調達率拡大に必要なこと
進出日系企業(製造業)による生産面での課題(2013年)
(全製造業、2004年)
(%)100
(参考)
現地
サプライヤー
に対する
課題感
現地サプライヤー
の品質向上
現地サプライヤー
のコスト削減
(参考)
現地生産・
調達に
対する
課題感
80
60
40
20
94
87
74
58
54
39
39
9
11
9
8
4
0
現地サプライヤー
の納期厳守
地場裾野産業は、依然として限定的であり、原材料・部品調達の厳しさが継続
出所:JETRO(2004)「在アジア日系製造業の経営実態(ASEAN・インド編)」、JETRO「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」、ニュースリリース等を基に
188 DTC作成
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
2
87
90
74
80
9
特になし
その他課題
環境規制の厳格化
物流インフラ未整備
電力不足・
停電
資本財・
中間財輸入への高関税
品質管理の難しさ
短期間での生産品目の切り替え困難
原材料・
部品の現地調達の難しさ
調達コストの上昇
限界に近づきつつあるコスト削減
設備面での生産能力不足
特になし
その他課題
環境規制の厳格化
物流インフラ未整備
電力不足・
停電
資本財・
中間財輸入への高関税
189 出所:JETRO「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を基にDTC作成
品質管理の難しさ
短期間での生産品目の切り替え困難
原材料・
部品の現地調達の難しさ
調達コストの上昇
限界に近づきつつあるコスト削減
特になし
設備面での生産能力不足
その他課題
環境規制の厳格化
物流インフラ未整備
電力不足・
停電
資本財・
中間財輸入への高関税
品質管理の難しさ
短期間での生産品目の切り替え困難
原材料・
部品の現地調達の難しさ
調達コストの上昇
限界に近づきつつあるコスト削減
設備面での生産能力不足
現地進出日系企業が抱える生産面での課題では、「原材料・部品の現地調達の難しさ」が常に上位
4
2
3
3
11
9
9
39
39
40
8
4
4
5
4
4
10
31
28
30
3
0
94
100
58
54
56
60
2013年
2011年
2010年
33
36 35
32
34
37
37
40
48
48 49
50
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
(参考)インドネシア進出日系企業(製造業)による生産面での課題(一部再掲)
(%)
70
20
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
(参考)インドネシア進出日系企業の調達先
原材料・部品の調達先の内訳(国別)
原材料・部品の現地調達先の内訳
100%
80%
60%
2%
3%
16%
16%
32%
33%
その他
2%
4%
5%
中国
12%
14%
13%
ASEAN
34%
29%
33%
日本
その他外資企業
8%
6%
6%
5%
6%
46%
44%
47%
42% 現地進出日系企業
47%
46%
48%
50%
47%
2009
2010
2011
2012
80%
60%
40%
40%
20%
100%
44%
43%
41%
43%
41%
現地
0%
20%
52% 現地地場企業
0%
2009
2010
2011
2012
2013
原材料・部品の調達先は、現地調達に加え、日本からの調達が引き続き多い。
一方、現地調達では、地場企業・現地進出日系企業からの調達がほぼ横ばいで推移
190 出所:JETRO「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を基にDTC作成
2013
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
2
インドネシアにおける自動車部品メーカーの進出動向(GIMM会員ベース)*
総数
外資系企業
地場企業ほか
(PMAステータス取得企業)
(PMDN(内国投資)ステータス企業・その他)
会員数
進出日系企業の例
•
•
•
•
•
36社
35社
20社
•
•
•
•
•
市光工業
寿屋フロンテ
ミツバ
東洋電装
山登ゴム
• 武蔵精密工業
• ニチリン
36社
(うち、内国投資ステータス企業
29社)
• 明和グラビア
• 三菱電機
• 大豊工業
*: ただし、非GIMM会員をも含めた国内自動車部品関連企業数は、1次245社、2-3次950社と推定されている(2012年)
(参考)タイの場合、ティア1は約1000社、ティア2、ティア3は、1800-2000社以上
インドネシアの自動車裾野産業(自動車部品メーカー)は、
外資である日系自動車部品メーカーに比べ、地場企業は限定的
191 出所:インドネシア自動車部品工業会、JETRO資料、関連論文等
33社
(うち、内国投資ステータス企業
20社)
ティア1
71社
•
•
•
•
アイシン
タカタ
明石機械工業
曙工業
中央発條
ティア1
ユタカ技研
トヨタ紡織
トヨタ車体
スズキインドモービル
富士テクニカ宮津
38社
•
•
•
•
•
ティア1
ティア3
ホンダ・プレシジョン
イハラ製作所
ハイレックスコーポレーション
スタンレー電機
71社
ティア1
ティア2
デンソー
小糸製作所
サンスター技研
ジェイテクト
ニフコ
ティア1
ティア1
ティア1
•
•
•
•
•
会員数
16社
(うち、内国投資ステータス企業
7社)
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
トヨタによるインドネシア裾野産業育成
 トヨタグループ6社首脳は、インドネシアの
裾野産業育成のための活動強化を発表
 自動車産業の人材育成の支援プログラムの実施
(2014年2月)
(2012年11月)
• 技術支援プログラム(T-TEP(Toyota-Technical
Education Program))の対象校(職業高校(SMK))を
62校まで拡大
• トヨタ自動車、トヨタ車体、トヨタ通商、アイシン精機、
デンソー、ダイハツ工業の6社
• インドネシアは直接取引する現地仕入先(日系を含
む)が89社と「タイと比べ約15%の数しかない」点を課
題として認識
• グループ一体となった取り組みによって、現地調達率
は約75%を達成。裾野産業を育成しながら、引き続き
現地調達率を高める取組みを推進する方向
︵
参考︶
人材育成
最近の動向
 現地の日系企業との取引拡大のみならず、
トヨタ生産方式を伝授するなどして地場企業を
育成する方針
− 教育文化省と契約を交わし、教科書教材、練習用の
車両を含む機械設備を提供
• 「自動車に関する知識を深めてもらい、産業の発展に
貢献したい」(インドネシア・アストラ・モーター社長)
 人材育成センターを新設による人材育成の強化
(2012年5月)
• トヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・インドネシア
(TMMIN)がノウハウ・スキルの訓練を行う人材育成
センターを新設
トヨタは、現地調達の強化を見据え、地場裾野産業の育成、技術支援を推進している
192 出所:各社ブレスリリース、ニュースソース等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
(参考)インドネシアの自動車部品輸出入額の推移
インドネシアの自動車部品輸出額
インドネシアの自動車部品輸入額
(100万USD)
(100万USD)
3,000
2,982
3,000
2,464
2,277
48%
その他
7%
ハンドル、ステアリングコラム、
ステアリングボックス
2%
車輪及びその部分品
11%
駆動軸及び非駆動軸
並びにこれらの部分品
14%
ギヤボックス及びその部分品
ブレーキ及びサーボブレーキ
並びにこれらの部分品
5%
ブレーキ及びサーボブレーキ
並びにこれらの部分品
車体(運転室を含む)
14%
車体(運転室を含む)
2,000
1,963
2,000
1,477
その他
1,171
1,063
1,115
30%
1%
1,000
843
19%
10%
29%
2%
0
2008
2009
2010
2011
2012
ハンドル、ステアリングコラム、
ステアリングボックス
車輪及びその部分品
981
1,000
駆動軸及び非駆動軸
並びにこれらの部分品
ギヤボックス及びその部分品
8%
0
2008
2009
2010
2011
2012
インドネシアにおける自動車部品の貿易では、
車体、ギヤボックス、駆動軸、ステアリングボックスを中心として自動車部品の輸入が拡大
193 出所:Fourin、財務省貿易統計等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
インドネシアの金型産業の動向
金型産業の現状
JIEPA締結当時の金型産業の動向
概要
 インドネシア金型工業会(IMDIA、2006年設立)
の会員数は408社へ拡大(発足当初の5倍以上
 日用雑貨用金型を製作する零細企業を含め
300社程度/大手企業に供給できる品質
レベルの企業は50社程度か(IMDIA推定ベース)
• ジャカルタ市近郊に殆どが集中、ジャワ島に
100社前後、スマトラ島に10社程度とされる
が実態は不明
(2014年7月))
概要
• サムスン、LGに追従してきた韓国金型メーカー
が約25社、日系は約15社
 現地金型企業には、日系と韓国系が多い
日系
金型製作
企業の
状況
• プレス、ダイカスト、樹脂
韓国系
• ダイカスト、樹脂
地場系
• プレス単発
 「インドネシアの裾野産業はまだ弱い。中小
現状に
企業はまだ難易度の高い製品の受注が出来
ていない。中核となる人材が圧倒的に不足」
対する評価
(高橋誠IMDIA会長、2013年)
 大型部品や精密部品、プラスチック用金型は
国内調達が困難
• 進出の大手セットメーカーやサプライヤーは
金型の企業内製化のため、ある程度国内調達が
可能
• 他方、地場系企業はプレス金型が中心のため、
進出企業が高度な金型の内製化ができない場合
国内調達が不可
• ジャカルタ市近郊に殆どが集中、ジャワ島に
100社前後、スマトラ島に10社程度とされる
が実態は不明
(参考)
各種支援
措置
 IMDIAは、インドネシアの地場産業の能力開
発のコーディネーターとして機能し、各種プロ
グラムの実施を継続
• 経済産業省が支援する現地金型工場向けの
技能研修 ほか
JIEPA締結当時に比べ、金型産業に携わる企業数は増加。
一方で、裾野産業としては未だ弱く、地場企業は依然として難易度の高い製品の受注が困難な状況
194 出所:「インドネシア調査報告」(GRIPS開発フォーラム)、IMDIA会長執筆記事等を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
インドネシアの金型産業の動向:業種・分野別の現地調達率の内訳
自動車(四輪)
自動車(二輪)
電気製品
合計
(%)
100
95
95
80
68
62
56
60
52
43
41
40
36
35
28
24
20
20
0
型鍛造
鋳型
45
43
38
36
36
31
27
28
22
0
0
鋳造
鍛造
その他
合計
簡易な型鍛造が最も現地調達率が高く、分野別では、自動車(二輪)用の現地調達率が高い。
その他の現地調達率は依然低水準
195 出所:経済産業省「平成24年度経済連携促進のための産業高度化推進事業報告書」を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
インドネシアを中心とする中間財の貿易動向:2008年と2012年の比較
中間財の流れ:2008年
中国
中間財の流れ:2012年
韓国
666
日本
5,972
8,715
5,885
10,602
17,608
中国
12,357
8,461
14,018
13,930
40,203
20,143
16,796
インドネシア
29,896
インドネシアの輸出
日本
ASEAN域内
29,563
凡例:
9,848
15,891
Gg
ASEAN域内
韓国
単位:100万USD
インドネシア
28,464
38,204
インドネシアの輸入
中間財の輸入は、ASEAN域内・中国からの調達が拡大
196 出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
39,544
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
中間財の輸入
各国からの輸入内訳(%)
(100万USD)
全産業合計
のうち中間財
119,504
120,000
100,000
・パルプ・紙・木製品
及び関連の農林水
産業
2012
20%
40%
電気機器
2008
60%
化学
80%
100%
石油・石炭
2009
80,000
2010
37,016
(34%)
21,603
(37%)
29,563
(35%)
・電気機械
20,000
・輸送機械
・精密機械
8,715
(10%)
5,972
(7%)
10,602
(13%)
・玩具・雑貨
2012
57,688
60,000
40,000
2011
29,003
(34%)
28,464
(34%)
・一般機械
・家庭用電気機器
2011
0%
84,127
83,317
・窯業・土石製品
及び関連の鉱業
・鉄鋼、非鉄金属・
金属製品及び関連の
鉱業
2010
34,945
(32%)
・化学製品
・石油・石炭製品
及び関連の鉱業
全体
39,544
その他
(33%)
・食料品及び関連の
農林水産業
鉄鋼・非鉄金属 化学
石油・石炭
2009
108,976
・繊維製品
電気機器
2008
0
2008
18,382
(32%)
7,268
(13%)
(CAGR8%)
0%
2008
20%
40%
60%
電気機器 一般機器 鉄鋼・非鉄金属
繊維
100%
化学
2010
26,686
(32%)
2011
13,876
(13%)
10,835
(13%)
6,485
(8%)
2010
15,891
中国
(13%)
(CAGR16%)
11,099
(10%)
9,848
(8%)
12,042
(11%)
14,018
日本
(12%)
韓国
2012
0%
20%
40%
60%
80%
電気機器
輸送機器
2008
一般機器
鉄鋼・非鉄金属 化学
100%
2009
2010
2011
(CAGR7%)
2012
2011
2012
0%
20%
40%
60%
中間財の輸入は、日本は低迷する一方、ASEAN域内・中国からの調達が徐々に拡大
197 出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
80%
2009
3,778
(7%) 11,120
6,657
(13%)
(12%)
2009
40,203
ASEAN
(34%)
80%
100%
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
インドネシア進出日系企業の調達先(例)
中国からの原材料・部品の調達(例)
(再掲)原材料・部品の調達先の内訳(国別)
100%
80%
60%
2%
3%
16%
16%
32%
33%
その他
2%
4%
5%
中国
12%
14%
13%
ASEAN
34%
29%
33%
日本
40%
自動車
家電
シートベルト、車体、ブレーキ、
車輪などのパーツの調達が拡大
(エアコンは、製品の大半を中国
から輸入)
(2014年、四川長蛇電器)
中国から500mlPET飲料、
SOY JOYを輸入
食品加工
(PT Amerta Indah Otsuka(大塚))
20%
44%
43%
41%
43%
41%
現地
繊維
糸、生地の段階で
中国から素材・中間財として輸入
0%
2009
2010
2011
2012
2013
原材料・部品の調達先は、現地・日本からの調達は横ばいないし微減。中国からの調達が拡大傾向
198 出所:JETRO「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」、食品産業海外事業活動支援センターを基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
インドネシア繊維産業の現況
インドネシア繊維産業の特長
立地
 バンドンが繊維・ファッションの一大産地化
バリューチェーンの状況
 原糸、紡績、製織、染色、縫製と川上・川中・
川下のいずれも対応でき、一貫生産が可能
/一方、確固たるサプライチェーンは不存在
であるため、バリューチェーンは多様
• 生地を輸出し、縫製はベトナムなどで行われる
ケース
• 紡績と織布工程を有しているが、自社で生産し
た原糸は輸出しているケース
• 縫製で国産繊維を使用せず、中国などから輸
入しているケース など
 欧米系企業は、インドネシアを長期的な
生産拠点と捉え、現地事業を拡大
取引先
その他  一方、日系企業は、アジア通貨危機を機に
生産拠点を中国に移したため、現状後発組
現地維縫製企業の概要・調達先(例)
PT Eastern
Fashion
(ジャカルタ)
Binacitra
Kharisma
Lestari
(バンドン)
Dekami
(バンドン)
PT Frex
Indnnesi
(ジャカルタ)
 取扱商品:ニット衣類
 取扱いブランド:欧州カジュアルブランド
 調達:生地は輸入40%、国内60%
 取扱商品:布帛織物、ジャケット、ブラウスほか
 取扱いブランド:自社ブランド
 調達:生地は中国から70%、国内30%
 取扱商品:メンズパンツ、ジーンズ、シャツほか
 取扱いブランド:欧米カジュアルブランドが主力
 調達:日本向け製品の生地はほぼベトナム・中国製
 取扱商品:ドレスシャツ、セミカジュアルシャツほか
 取扱いブランド:日本(日系資本約80%)
 調達:ほとんどの原料は国内、ASEAN域内製
インドネシア繊維産業は、バリューチェーン全体では各プロセスが存在するが、
一気通貫の生産体制となっておらず、中国・ASEANからの調達が多い
199
出所:NNAニュース、経済産業省「平成22年度 経済連携促進のための産業高度化推進事業」報告書等を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
インドネシア鉄鋼産業(1/2):鋼種別輸入依存度
生産動向/
輸入依存度
 鉄鋼消費量の増加が継続しているのに対し、国内生産量は横ばいもしくは減少気味であり、
鋼種全体として輸入依存度が拡大
輸入依存度(%)
電磁鋼板
100
90
鋼管
80
その他表面処理鋼板
70
冷延鋼板
ブリキ
60
50
厚中板
熱延鋼板
亜鉛メッキ鋼板
40
鋼塊・半製品(ビレット・スラブ)
条鋼
30
銑鉄・DRI・HBI
20
10
0
2008
2009
2010
2011
鋼種全体として輸入依存度が拡大してきている
200 出所:経済産業省「平成25年度アジア産業基盤強化等事業(アジア地域における鉄鋼産業基盤戦略調査)報告書」を基にDTC作成
2012
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:調達
インドネシア鉄鋼産業(2/2):輸入元別の傾向
インドネシア鉄鋼産業(例):輸入相手国別
インドネシア鋼材輸入元別の傾向
EU
その他
30%
25%
各種鋼板
2003年
日本
3%
6%
シンガポール
台湾
18%
日本
8% 10%
中国
韓国
各種鋼板
冷延の割合が減少し、熱延が増加
韓国
以前は半製品であったが、
現在は条鋼、厚中板がメイン
中国
その他
30%
20%
2012年
シンガポール
台湾
中国
19% 日本
4%
6%
14%
韓国
15%
半製品がメイン
ロシア
ロシア
日本からは主に鋼板類(厚板、熱延、冷延、電磁鋼板、亜鉛メッキ)を輸入する一方、
中国からは、条鋼や厚中板を輸入している
201 出所:経済産業省「平成25年度アジア産業基盤強化等事業(アジア地域における鉄鋼産業基盤戦略調査)報告書」等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
インドネシア政府による国内生産能力増強・メーカー誘致の方針・企業進出の見通し(自動車産業)
 向こう2年でオーストラリアの自動車部品
メーカー40社を誘致する目標を発表
 完成車輸入(CBU)を減らし、国内の自動車
生産能力を引上げ、輸出増強に繋げる方針
国内の
生産能力
増強方針
• 完成車メーカーへの現地生産・調達に対する優遇措
置の付与によって、向こう5年で自動車部品産業へ
100億USドル(約1兆円)の投資を呼び込み、裾野産
業形成を加速させる方針
− LCGC政策が目標の達成に貢献するとの認識(2013年
11月、プディ工業省高度技術基盤優位産業局長)
 さらに、生産能力の引上げに加え、生産車種の
拡大をメーカーに要請
(2014年5月)
豪州部品
メーカーの
誘致方針
• オーストラリアでは、2017年までに完成車メー
カー3社(Ford、GM、トヨタ)が現地生産から撤退
するため、部品メーカーが供給先を失うことから、
研究開発施設を含め、移転を促す方針
• インドネシア政府は、オーストラリアの自動車部
品メーカー約120社のうち、3分の1にあたる約40
社を移転させるべく、関係者へ誘致活動を開始
• トヨタ自動車が現地製造子会社トヨタ・モーター・マニュ
ファクチャリング(TMMIN)が11年ぶりに2013年から
セダンの生産を再開したことを歓迎
進出
見通し
 2014年1月、上半期(1-6月)に自動車部品メー
カーが新たに40社進出するとの見通しを発表
• 2013年に新設された部品メーカーは90-100社
• 日系OEMの生産拡大、サプライヤーの積極誘致の
よって、更なる進出を見込む
「自動車部品産業は、完成車メーカーへの投
資を受け、今後、多くの投資を受け続けるだ
ろう。大手自動車部品メーカー数社による投
資は、15億米ドルに上ると期待されている。」
Budi Darmadi
工業省高度技術基盤
優位産業総局長
現地調達奨励・誘致拡大によって、完成品メーカーに加え、サプライヤーの進出を促進する方針
202 出所:Jakarta Post、NNAニュース等を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
インドネシアにおける日系自動車部品メーカーの進出状況(例)
アイシングループ
ジェイテクト
 1990年代アイシン精機、アドヴィックス、
アイシン高丘の3社が進出
進出背景
• クラッチ関連部品・ドア関連部品・クラッチ部品・
鋳鉄製品の生産を開始(1990年代後半)
• ブレーキシステムの生産を開始(2003年)
最近の動向
 当初、軸受け及びスタータクラッチの販売現地法人
のみを設立(2009年)
 自動車の需要増への対応のため、電動パワーステ
アリング、二輪車用スタータクラッチの生産を決定
(2010年)
 新工場を設立し、軸受の現地生産を開始するととも
に、これまで組立工程のみであった電動パワーステ
アリング(EPS)の現地一環生産を開始(2011年)
現地法人
概要
• PT. JTEKT INDONESIA
• 出資比率:
ジェイテクト62%、JTEKT (Thailand) Co. Ltd. 38%
• 従業員数: 約1,200人
• 売上高: 150億円
 内需拡大・現地調達奨励策を背景として現地
生産能力を増強
最近の動向
• 熱処理炉を増設し、クラッチの月産能力を向上
(2011年)
• これまで日本やタイから輸入していたがオイルポ
ンプの生産を新たに開始(2012年)
• ドアロックの生産能力を向上(2013年)
• 鋳造ラインを増設(2013年)
• 新会社を設立し、車体系製品事業を増強、新たに
ダイカスト設備を導入し、エンジン部品・ブレーキ
部品の生産を新たに開始(2014年)
 今後、調達コスト削減、リスク分散、現地裾野
部品産業の育成に向けて2014-2015年までに
現地調達先を24社から50社まで拡大する計画
• 同一部品の複数社発注等を行い、Tier2以下の
コスト競争力を高める方針
インドネシア部品産業は、Tier1メーカーであっても、JIEPA締結当時の進出は、比較的限定的。
近年になって、現地需要拡大に伴い、生産能力増強、新たな進出が加速してきている状況
203 出所:各社ニュースリリース、Fourin等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
(参考)インドネシア進出日系企業の推移と業種内訳
(企業数)
2,000
業種細分類別の上位業種
その他
(カッコ内は2012年→2014年の企業数)
不動産業
1,763
その他
5%
サービス業
8%
サービス業
1,600
運輸・通信業
小売業
卸売業
製造業
+18.3%
1,267
建設業
5%
1,200
7%
2%
運輸・通信業
5%
投資業(3社→63社)
ソフト受託開発(0社→18社)
産業用電気機器卸(5社→39社)
鉄鋼・同加工卸(7社→28社)
卸売業
22%
不動産業
1%
5%
小売業
2%
不動産業
1%
化学製品卸(9社→22社)
機械器具卸(18社→19社)
+12.9%
自動車部品製造(1社→62社)
22%
自動車操縦装置製造(1社→50社)
800
金属プレス製品製造(11社→34社)
+10.4%
400
製造業
53%
工業用樹脂製品製造(7社→30社)
金型・同部品等製造(21社→22社)
55%
工業用ゴム製品製造(11社→20社)
土木建築工事業(6社→21社)
0
5%
建設業
4%
2012
2014
機械器具設置工事業(21社→19社)
日系企業の進出の増加に伴い、システム構築や保守サービスのニーズを満たすため、
「ソフト受託開発」などの「サービス業」、「卸売業」などの企業進出も増加
204 出所:帝国デーバタンクのデータを基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
(参考)インドネシア進出日系企業の年商別内訳
(企業数)
2,000
1,760
1,600
1,222
1,200
400
345
(28%)
382
(31%)
220
(18%)
1000億円以上
597
(34%)
100億-1000億円
552
(31%)
10億-100億円
271
(15%)
10億円未満
+7.3%
275
(23%)
800
340
(19%)
+20.1%
+13.1%
+7.2%
0
2012
2014
企業規模では、年商100億-1000億円規模の中堅企業や100億円以下の中小企業の進出の伸びが大きい
205 出所:帝国デーバタンクのデータを基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
(参考)インドネシアにおける日系現地法人数の推移
(経済産業省調査ベース)
(企業数)
787
800
その他の非製造業
サービス業
5%
小売業
+8.4%
628
600
569
582
585
卸売業
13%
運輸業
5%
建設業
4%
情報通信業
鉱 業
農林漁業
その他の製造業
11%
400
輸送機械
17%
情報通信機械
5%
生産用機械
200
金属製品
4%
鉄 鋼
窯業・土石
電気機械
業務用機械
はん用機械
非鉄金属
石油・石炭
化 学
8%
繊 維
4%
0
2008
2009
2010
2011
2012
インドネシアへ進出している日系企業の数は一貫して増加傾向にある
206 出所:経済産業省「海外事業活動基本調査」を基にDTC作成
木材紙パ
食料品
製造業
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
インドネシア自動車産業におけるLow Cost Green Car (LCGC)政策の概要
Low Cost Green Car 政策導入までの流れ
Low Cost Green Car 政策内容
 ガソリン価格を補助金により廉価にする
政策によって、国家財政が圧迫
背景
•
ガソリン価格を補助金により廉価に抑制し
経済活動を刺激する政策を継続実施中
•
一方、補助金予算は2.7兆円ほどであり、国家予算
の16%に達する(2013年)
<エコカー規格>
税制優遇の
主な条件
(AT車は、最大15% 安全装備付の場合は最大10
*: LCGC人停車は、政府補助金対象外
のハイオクガソリンの使用が条件
%まで上乗せ可能)
 大多数の消費者に手が届く廉価車の生産・販売
を支援
政策
方針
<認可条件>
• 自動車構成部品のうち、現地調達化が推奨される
品目を定め、1年目に40%、5年以内に全品目の
達成を要求)
 燃費の悪いMPV(多目的自動車)中心から燃費の
良い小型車の普及を支援
• 中間層(エントリー層)が購買可能で普及が見込ま
れることから注目
認可条件
 低価格・低燃費車について税制優遇措置
Low Cost
Green Car
政策の導入
• インドネシアに関連するロゴ・モデル名の使用
• 排気量:ガソリン車:980∼1200cc以下*
/ディーゼル車:1400cc以下
• 燃費性能:20km/ℓ 以上
• 車両価格(登録税等課税前):9,500万ルピア
※ほぼ全ての部品が対象(エンジン/トランスアクス
ル/クラッチシステム/ボデー&シャシー/ステアリン
グシステム/ブレーキシステム/その他(内装、タイヤ
、トリム、ECU等)の105品目を指定。すべてを現地化す
れば、現地調達率8割程度の見込み)
• 申請時に現地調達化の実行計画の提出と、以後6
ヶ月ごとの実施状況監査が義務付け
• 低価格・低燃費小型車の国産の実現を狙い、低燃
費車の製造にて条件を満たせば、奢侈税および設
備輸出関税を免税する政策
• 2013年5月発布済み。工業省、財務省からの細則
が7月に発布され発効
ジョコ・ウィドド
大統領
• (LCGCを批判して)「政府が採るべき施策は、む
しろ低価格公共交通機関の整備である」
• (高速道路開通式にて)「これからもずっと公共交
通機関の開発に集中する。それが最優先だ。」
インドネシア政府は、自動車の低価格化・低燃費化・小型化を支援するとともに、現地生産化を進める方針
207 出所:各所資料、有識者へのヒアリング、政府HPに基づきDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
バリューチェーン
上の変化
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
日系自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況(1/3)
メーカー
概要
動向
•
生産体制整備計画
第一工場の能力増強
2013年から5年間で、トヨタグループ6社(トヨタ、ダイハツ、トヨタ車体、デンソー、アイシン精機、豊田通商)は、尼に13兆ル
ピア(約1,040億円)を投資し、生産・開発体制を拡充する方針(2012年)
• 2017年までに生産能力を2011年時点の約11.6万台から30万台以上に引き上げる方針(2012年)
− 第二工場稼動、第一工場の能力増強、効率化により30万台とする
•
2013年9月をめどに、第1工場の年産能力を11万台から13万台に引き上げ
− 投資額は、3,000億ルピア(約25.6億円)。新規雇用人数は190人
•
2013年3月、Karawang第二工場を本格稼動
− 稼動当初の年産能力は7万台で、2014年初には12万台に引き上げる計画
− 投資額は3.3兆ルピア(約330億円)。1,100人を新規雇用
− 生産モデルは、Etios Valco
− Etios Valcoの現地調達率を55%から80%以上に引き上げる計画
− 生産車両に占める輸出比率を35%に高める考え
2012年10月の一部報道によると、2015年を目処にJakarta近郊で第三工場を稼動する計画
− 年産能力は10万台。投資額は200億∼300億円の模様
− Etiosシリーズ、Yaris、Viosを始めとした小型車を生産予定
2013年7月、西ジャワ州Karawang共に2拠点目となるエンジン工場を新設すると発表。Etios Valcoを生産する第二場に接
続して建設する
− 投資額は約230億円で、2016年までに稼動予定
− 年産能力は稼動当初は21.6万基で、25万基まで引上げ予定
− 生産品目はEtiosシリーズなど小型乗用車用の排気量1.2-1.58の小型エンジン
− 2013年11月、エンジン工場建設のための用地を取得
2012年12月、トヨタ車体が出資するSugity CreativesのCKD組立ラインを再稼動
− MPV Nav1を年6,000台生産する。投資額は約20億円
2013年9月、トヨタ車体は、Sugity Creativesにおいて金型を全量内製化すると発表
− 従来は日本や韓国から金型を輸入していたが、現地生産に切替
− 2013年11月から金型加工を開始。金型の製造から部品生産まで行う一環体制を構築
2013年3月、Karawang第二工場においてハッチバックEtios Valcoの生産開始
2013年9月、Astra Daihatsu Motor (ADM)においてAgyaの生産を開始
2013年末には、Vios、2014年にはYarisを生産開始する予定
2011年9月、アルゼンチン向けに年間7,000基規模のエタノールエンジンを輸出
2013年9月、南米、カリブ諸国向けに完成車の輸出を開始
2013年10月、カザフスタンへのガソリンエンジンの輸出を開始
第二工場の本格稼動
•
第三工場予定
•
トヨタ
エンジン第二工場を新設
•
グループ会社の工場稼
動
生産開始
輸出拡大
208 出所:Fourin等
•
•
•
•
•
•
•
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
バリューチェーン
上の変化
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
日系自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況(2/3)
メーカー
概要
Sunter組立工場の生産
能力引き上げ
動向
•
2011年5月までにSunter組立工場の完成車組み立て能力を28万台から33万台に引き上げ
− 2011年1月にまず、23万台から28万台に引き上げ
− Xenia、トヨタAvanzaなどの好調な販売による供給能力逼迫に対応
•
新型Xenia/Avanzaの
投入
2011年11月、小型MPVのXeniaを全面改良。引き続きトヨタAvanzaとしてOEM供給を実施
− 2004年に投入以来初のフルモデルチェンジ。今回の更新では、好調を得ている地上高とパッケージを維持しながら、
シートアレンジの拡充と荷重の拡大、燃費、乗り心地、静粛性など総合的に性能を向上
− 月販目標は、7,000台。2012年の平均月販売数は6,100台強
•
2012年10月、西ジャワ州Karawang県のSurya Cipta工業団地で第二組立工場が稼動
− 投資額は約200億円
− 年産能力は12万台で、インドネシア全体の能力が46万台へ増強
− 従業員は1,700人、九州工場に導入したSSCコンセプトに基づき海外初のフレキシブル生産ラインを導入
− 稼動時はXeniaとAvanzaを生産。2013年初にLCGCのAylaとトヨタAgryaの西安を開始
•
•
•
2012年10月に稼動したKaawang第二組み立て工場の隣接地にテストコースを開設
2014年6月に設計・研究等が稼動予定
2015年までにインドネシア全土の同慮環境を再現したコースが最終的に完成予定
− 日本と同じようなレベルの研究開発能力を整備。インドネシア向けの製品の研究開発を主導する方針
•
2013年7月、西ジャワ州Karawang共に2拠点目となるエンジン工場を新設すると発表。Etios Valcoを生産する第二場に接
続して建設する計画を発表
− 投資額は最大で200億円を計画、稼動は2015年を予定
− 年産能力は年産20万基で、既存のラインから新ラインへ生産を移管し、生産コストを引下げる考え。
− 新生産ラインでは、現状で50%の現地調達率を80%に高める
− 新生産ラインでは、現在生産する1.0/1.3/1.5ℓGEの生産を行う
•
2013年9月、LCGCに対応するAylaを投入。トヨタへやAgyaとしてOEM供給
− アッパーボディのデザインにインドネシア人デザイナーを起用し、現地の人が好む力強いデザインを実現
− 新規のサプライヤーの開拓などで現地調達率85%を達成
•
2014年、ダイハツ工業の子会社である明石機械工業が新型MTを生産開始する計画
− 新型MTは、ダイハツ本社工場で開発。Akashi Wahana Indonesiaが生産を担当
新工場稼動
ダイハツ
研究開発体制整備
エンジン工場の能力
増強
Ayla/Agyaの投入
グループ会社による
新型MT生産
209 出所:Fourin等
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
バリューチェーン
上の変化
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
日系自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況(3/3)
メーカー
概要
動向
•
タイとの相互供給拡大
•
•
2012年3月、Ertigaを組立て開始
− インドからKDを調達し組み立てる
2012年5月、Ertigaのシートを全量内製化
− インドネシア市場ニーズに合うコストと品質を両立するため、生産子会社P.T. Suzuki Indomobil Motorで生産
− シートの組立て、シート表皮の縫製、ウレタン発泡などの工程も順次自社工場で行う考え
2013年内に、Tambun第二工場の生産能力を15万台から20万台に増強する計画
− さらに塗装設備を増強し能力を引き上げる
− Ertigaを増産するほか、Wagon Rベースの排気量1,000cc車の生産を開始予定
− 新工場の稼動後は、月間8,000台生産しているErtigaを新工場に移管する計画
2014年11月、西ジャワ州Bekasiにエンジン・トランスミッション新工場が稼動する計画
− 土地代を含めた総投資額は400億円。2012年1月に約100億円を投資し、Greenland工業団体内に130万㎡を取得
− 同工場の生産能力はエンジン10万基
− 鋳造品や鍛造品などエンジン部品も生産し、エンジンの一貫生産体制を構築。現地調達率を引き上げる考え
2015年1月を目処に、西ジャワ州Bekasi県のエンジン工場敷地内に完成車工場を稼動する予定
− エンジンから車両までの一貫生産体制を構築する
− Ertigaの生産をTambun第二工場から移管する。投資額は約600億円(既存拠点の能力増強を含む)
− 年産能力は約12万台
タイとの相互供給を拡大し、車種を増やす考え。エンジンについても相互に共有することでコスト削減を図る
2013年3月、マツダ向けにErtigaのOEM供給を開始。年間1万台を供給予定
OEM供給
•
2013年5月、マツダ向けにErtigaのOEM供給を開始。年間1万台を供給予定。
•
•
2011年9月、Cikampek工場の年産能力を5万台から10万台に引き上げ
2014年にCikampek工場の年産能力を10万台から25万台に引き上げる計画
− 投資額は、4億米ドル (エンジン工場親切分を含む)
− 当初、年産10万台程度に能力増強する予定であったが、インドネシアの市場拡大が予想を上回る速度で進んでいる
ため、能力増強の規模を拡大
•
2012年6月、Evaliaの生産を開始
− 2012年時点で現地調達率は76%だが、向こう2-3年で、90-95%を実現する計画
Ertiga生産
•
•
既存工場の能力増強
•
スズキ
エンジン・トランスミッショ
ン新工場稼動
•
新工場稼動
能力増強
日産
Evalia生産
Datsun生産
2014年下期、Datsunブランド車の生産を開始する計画。尼における生産能力の3割弱をDatsunブランドに充てる方針
エンジン工場稼動計画
2014年3月までにエンジンを生産開始予定。年産規模は10万基
210 出所:Fourin等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
日系以外の自動車メーカーによる現地工場新設・増産の状況
メーカー
現代自/起亜
動向
新工場設立を検討
ハイブリッド車生産体制
詳細
・2013年10月時点で、現代自/起亜は、完成車工場の設立を検討中
- 韓国・インドネシアのCEPA(経済貿易緊密化協定)交渉において、インドネシア政府が
CEPA妥結の前提条件として現代自のインドネシア完成車工場の設立を提示
・2012年10月、ハイブリッド車(HEV)の現地生産を検討(現地報道、その後の進捗不明)
吉利汽車
新工場稼動
・2014年、西ジャワ州Cikarangに生産能力3万台の新工場を稼動予定
- LCGC車対応として、Pandaを生産する
- ASEAN諸国、オーストラリア、ニュージーランドへの輸出を強化する方針
BMW
能力増強
・2012年、委託生産先Gaya MotorsにおけるBMW者の生産能力の倍増作業を完了
- 2011年5月に同工場での能力増強に着手。投資額は800万ユーロ(約8.7万円)
・2012年5月、SUV X3の組立を開始
- これにより、3シリーズ、5シリーズ、X1に続く4番目の現地生産モデルとなった
生産車種拡大
GM
生産開始
・2013年5月、西ジャワ州Bekasi県で組立工場を再稼動
- GMは、1990年代からOpelブランド車を中心に組立を行ってきたが、200年代前半のインドネシア経済の
低迷と本体の営業不振で2005年に一旦生産を停止
- 今後は、ASEAN諸国への輸出ハブとしての活用も市や
- 生産するChevrolet SpinのASEAN調達率は約4割で今後引き上げる方針
- 2013年5月時点で43社のローカルサプライヤーから調達、今後50社に引き上げる方針
Mercedes-Benz
SUV生産開始
・2012年12月、新型Mクラスの組立を開始。投資額2,000万ユーロ超、専用ラインを工場に導入
・2013年内にGLクラスの生産開始
VW
工場建設開始
・2013年3月に自動車工場建設計画が政府によって承認。部品の現地調達と現地企業との提携が前提条件
・215年までにTransporter/Caravelleを年1,200台組み立てる計画。2015年までにA4とA6の生産規模を
年間2,700台に引き上げる計画(うちA4が2,000台)
委託生産車種拡大
Tata Motors
拠点設立計画を発表
・2013年7月、Tata Motorsは2-3年以内に組立工場を建設する計画を発表
-インドネシア国内向けに供給し、中長期的には輸出拠点化も視野に入れる
- Nanoのほか、ピックアップトラックを投入すると見られ、現地調達率40%を目指す
日系以外の自動車メーカーも2014年以降、現地生産を本格化させる見通し
211 出所:Fourin等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
 内需拡大・現地調達奨励策、さらにはタイの政情不安・自然災害リスクによって、インドネシアへの投資・進出の拡大傾向が継続
日系自動車部品メーカーの進出・生産状況(例)(1/3)(抜粋)
メーカー
動向
詳細
相栄産業
プレス金型、プレス加工生産
会社を合弁で設立
・2013年8月、現地PT.Guna Sonaputra Sojahtera (GSS)とプレス金型生産会社とプレス加工会社の2社を設
立することで合意
- 投資額は2社合わせて760億ルピア。相栄産業の出資比率は51%
-GSSの敷地内(西ジャワ州Bogor)に工場を建設し、2014年7月に稼動予定
アイシン高丘
鋳鉄鋳造部品の生産能力増
強
・2013年5月をめどに現地子会社PT.AT Indonesia(西ジャワ州カラワン県)に1.4万トンの鋳造ラインを追加導
入し稼動
- 鋳造能力を年間10万トンに引上げる。投資額は10億円
青山製作所
ボルト、ナット清算会社を設
立
・2013年4月、現地子会社PT. Automotive Fasteners Aoyama Indonesiaを稼動
- ボルト、ナットを生産し、トヨタやダイハツに供給する。これまではタイ・日本から供給
- 工場は西ジャワ州カラワン県に立地
アクトメタル
亜鉛メッキ加工子会社設立
・2012年6月、メッキ加工を手がけるPT. Actmetal Indonesiaを設立
-資本金は1.3億円
- 工場は西ジャワ州に立地。2013年3月に稼動
アサヒフォージ
ファイナルギアを量産開始
・2013年12月、現地子会社PT. Asahi Forge Indonesiaでファイナルギアの量産開始
- 鋳造、熱処理、機械加工の一環体制を構築する。同社はローリング鍛造と熱間プレス鍛造を複合した
低コスト技術に強みを持ち、インドネシアにも同技術を導入予定
アスカ
車体プレス部品の生産子会
社設立
・2012年7月、車体プレス部品生産会社PT. Auto Aska Indonesiaを設立
- 大型プレス機や溶接設備を導入し、日系自動車メーカーに納入する
伊藤製作所
順送プレス金型
清算会社を合弁で設立
・2013年3月、現地プレス 部品メーカーPT. Mekar Armada Jayaと合弁で順送プレス金型生産会社PT. Ito
Seisakusho Armadaを設立
インドネシアでは、近年、完成品メーカーに加え、サプライヤーの進出が進展
212 出所:Fourin等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
 内需拡大・現地調達奨励策、さらにはタイの政情不安・自然災害リスクによって、インドネシアへの投資・進出の拡大傾向が継続
日系自動車部品メーカーの進出・生産状況(例)(2/3)(抜粋)
メーカー
動向
詳細
エイチワン
自動車用プレス金型の
生産子会社を設立
・2013年9月、エイチワン、虹枝、現地二輪車部品メーカーPT. Roda Prima Lancarの合弁で金型生産会社PT.
H-One Kogi Prima Auto Technologies Indonesiaを設立
エフテック
サスペンション部品
新工場稼動
・2013年9月メドに現地子会社でPT. F Tech Indonesia稼動
-サスペンション部品を年産10万台規模で生産し、ホンダに供給する2014-2015年に年産能力を20万台分の
引き上げ
岡島パイプ製作所
鋼管生産会社を設立
・2013年11月、豊田通商と抗弁で小径鋼管生産会社 PT. Top Tube Indonesiaを設立
オプコ
内装用ダクト、エンジンバッテ
リー向け機能部品の新工場
を稼動
・2013年6月、新工場を稼動。3次元にブロー形成技術を持つメーカーがインドネシアは少なく、
海外初となる拠点をインドネシア国内へ設置
河西工業
内装部品の新工場建設
・2013年8月、PT Kasai Teck See Indonesia (KTSI)で第2工場の建設を発表。2014年4月より、日産の小型
車・SUV向けを中心に内装部品の生産を開始
カツヤマファインテッ
ク
シートベルト部品生産工場
・2013年2月、現地子会社PT. Katsuyaama Finetech Indonesiaは、西ジャワ州ボカサイ県内でシートベルト
生産工場の建設に着工
協和合金
シンクロナイザーリング
生産工場の建設に着工
・2013年9月、現地子会社PT. Kyowa Synchlo Technology Indonesia (KSTI)の工場建設に着工
キャラクター
二輪車用触媒を生産開始
・2013年4月までに現地子会社PT. Cataler Indonesiaで二輪車用メタルはにかむ触媒を生産開始し、日系二
輪メーカーに供給予定
キリウ
ステアリングナックルを生産
開始
・2012年、PT Kiriu Indonesiaにおいてステアリングナックルを生産開始。日産を中心に日系自動車メーカーに
供給予定
黒田電気
現地金属プレスメーカーを
買収
・2013年3月、現地PT. Trimitra Chitrabastaの株式51%を取得すると発表。買収によりインドネシア自動車部
品事業へ参入
インドネシアでは、近年、完成品メーカーに加え、サプライヤーの進出が進展
213 出所:Fourin等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
 内需拡大・現地調達奨励策、さらにはタイの政情不安・自然災害リスクによって、インドネシアへの投資・進出の拡大傾向が継続
日系自動車部品メーカーの進出・生産状況(例)(3/3)(抜粋)
メーカー
動向
詳細
ケーヒン
二輪車用燃料噴射装置、四
輪車用ECU新工場を稼動
・2013年8月、PT. Keihin Indonesiaは、西ジャワ州ボカサイ県工業団地内に第2工場を稼動。二輪車用燃料
噴射装置及び四輪車用電子制御装置(ECU)を生産。主にホンダに供給
京浜金属工業
二輪車/四輪車用バネを
生産開始
・2013年4月、現地子会社PT. KHN-Metal Indonesiaを稼動。二輪車用キックペダル用バネ、四輪車ハンドル
周辺用バネを生産し、ホンダ等に供給する
児玉化学工業
樹脂部品を生産開始
・2012年8月、現地子会社PT. Echo Advanced Technology Indonesiaは自動車向け合成樹脂部品工場を稼
動。2013年3月、本格稼動。インバネ等ポリプロピレンやABS樹脂製部品を日系自動車メーカーに供給
三五
線材、棒鋼等鉄鋼、二次製品
を生産開始
・2013年下期、現地子会社PT. Sango Indonesiaを稼動。鉄鋼二次製品の海外生産は初であり、現地日系部
品サプライヤーに供給
サンライズ工業
カーエアコン用ホース、口金
具新工場を稼動
・2013年2月、現地子会社PT. Sunchirin Industries Indonesiaは、カーエアコン用ホース金具を生産する工場
を稼動。ホンダ、デンソー等に納入
ジーテクト
車体骨格部品、CVT用精密
プレス部品を生産開始
現地子会社を完全子会社化
・2013年初、PT. G-Tekt Indonesia Manufacturing (G-TIM)を稼動。骨格部品のスズキへの供給を開始
・2013年4月、エイチワンとの合弁PT. Auto-body Manufacturing Indonesia (AMI)を完全子会社化
ショーワ
四輪車駆動ギア新工場を稼
動
・2013年6月、現地子会社PT. Showa Autoparts Indonesiaを稼動し、四輪車駆動ギアを生産開始
シロキ工業
ウィンドウレギュレーター、
シート部品新工場を稼動
・2013年2月、現地子会社PT. Shiroki Indonesia を稼動
城南電機工業
二輪車/四輪車用ランプ新
工場を稼動
・2012年9月、現地子会社PT. Jonan Indonesiaを完工し、稼動。主にトヨタ、ホンダ、スズキに供給
インドネシアでは、近年、完成品メーカーに加え、サプライヤーの進出が進展
214 出所:Fourin等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
 内需拡大・現地調達奨励策、さらにはタイの政情不安・自然災害リスクによって、インドネシアへの投資・進出の拡大傾向が継続
日系自動車関連鉄・鋼材メーカーの進出・生産状況(例)(抜粋)
メーカー
動向
詳細
JFEスチール
自動車用溶融亜鉛めっき
鋼板
・2013年5月、溶融亜鉛鍍金鋼板事業会社PT. JFE Steel Calvanizing Indonesiaを100%出資で設立。原料
の冷延鋼板は日本から供給
JFE商事
鋼材加工
・2014年4月頃の稼動を目指して、PT. JFE Shoji Steel Indonesiaは第2工場を建設。自動車ドア用などの材
料に加工し、部品サプライヤーに供給する
新日鉄住金
冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板
・2012年12月、現地国営鉄鋼メーカーKrakatsu Steelとの自動車用鋼板の合弁生産実施に向けた検討を行う
ことで合意
古河電気工業
アルミニウム製荒引き線
・2012年末を目処に42.42%出資するPT. Tembaga Mulia Semananにおけるアルミ製荒引き線の月産能力
増強。電線メーカーに供給するほか、自社生産の自動車用電線の材料に使用
住友電機工業
オイルテンパー線
・2013年10月目処に現地子会社PT. Sumiden Serasi Wire Productsにオイルテンパー線生産ラインを導入。
エンジン用弁バネ、クラッチ、トルクコンバーター用バネ等に使用されるオイルテンパー線を生産
日鉄住金物産
自動車部品用コイル
ベアリング向け線材
・2012年7月、自動車部品向けコイルセンターPT. Indo-Japan Steel Centerの出資比率を30%から80%に引
上げ子会社化
・2013年7月、ベアリング向け線材加工会社PT. Indo-Japan Wire Productsを設立
Posco
スラブ、鋼板、熱間圧延ロー
ル等
鋼材加工
・2014年、Krekatau Steelとの合弁会社PT. Krakatau Poscoは東南アジア初の一貫製鉄所を稼動予定
・2013年3月、Posco-IJPCは鋼材加工センター第2工場の着工式を実施。自動車用鋼板専用加工センターとし
て2016年から年間12万トンの鋼材を加工予定。2013年時点で、スズキ、GM向けの鋼材を受注
Krakatau Steel
薄板、棒線、鋼管、形鋼
・2013年10月、自動車向け鋼材のシェアを11%から2016年頃までに2割に引き上げる方針を表明。新日鐵住
金やPoscoとの提携により、生産体制を強化し、目標達成に繋げたい考え。LCGC車の投入後、トヨタ向けの生
産は従来の月300tから3倍増の1,000t超に拡大。日産がDatsun車への採用を検討
インドネシアでは、近年、完成品メーカーに加え、サプライヤーの進出が進展
215 出所:Fourin等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
(参考)自動車鋼板の
各社のアジア生産体制
新日鉄住金・JFEスチールの進出動向
概要
 2017年半ばの稼動開始を目指し、海外で業界初となる冷延
鋼板と溶融亜鉛めっき鋼板の製造工程を一体化させた最新
鋭の自動車鋼板製造ラインの導入を決定(2014年8月)
新日鉄住金
新日鉄
住金
• ジャカルタ近郊業界全体で、日本以外の自動車用としては海外初
となる連続焼鈍・溶融亜鉛めっき設備(CGL)を導入
概要
背景
 日系OEMの現地生産への切替戦略へ対応
 現在インドネシア自動車市場において主流である冷延
鋼版に加え、将来的な溶融亜鉛めっき鋼版の需要増へ対応
中国
• 冷延鋼板と亜鉛めっき鋼板の生産比率を調整できる設備を導入
運営
形態
概要
• 新日鉄住金が80%、クラカタウ(国営製鉄)が20%出資
 2016年前半の稼動を目指し、インドネシア初となる自動車
用溶融亜鉛めっき鋼板の製造工場の建設を決定(2013年6月)
スチール
JFE
新日鉄
住金
 冷延鋼板、亜鉛鋼板を生産
 家電向け鋼板(スーパーダイマ)
の現地生産を発表(本年4月)
 日系OEMの現地生産への切替戦略へ対応
 将来的な溶融亜鉛めっき鋼版の需要増へ対応
タイ
運営
形態
JFE
 広州薄板と合弁を設立、
亜鉛めっき鋼板を生産
スチール
 新工場は、合弁会社クラカタウ・ニッポン・スチール・スミキン
(2012年12月設立)が運営
• 西ジャワ州ブカシ県MM2100工業団地内に建設を予定
概要
背景
 宝鋼集団との合弁を設立、
2015年までに亜鉛めっき鋼板
の生産を拡大
 100%出資の現地会社PT. JFEスチール・ガルパナイジング
・インドネシア(2013年5月設立)が運営
JFE
 亜鉛めっき鋼板製造の生産
をタイで初めて開始
スチール
日系OEMの現地生産への切替及びインドネシア国内における需要増に伴い、鋼板生産の現地化が進展
216 出所:日経新聞、NNAニュース等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
 内需拡大・現地調達奨励策、さらにはタイの政情不安・自然災害リスクによって、インドネシアへの投資・進出の拡大傾向が継続
日系自動車関連ゴム系材料・プラスチック材料メーカーの進出・生産状況(例)(抜粋)
メーカー
動向
詳細
旭化成ケミカルズ
自動車向けポリアミド66
樹脂コンパウンド
・2013年8月、日本ピグメントとの合弁会社PT. Nippisun Indonesiaにおいて自動車用ポリアミド66樹脂
コンパウンド品を生産開始。これまではタイから輸出していたが、現地生産に切り替え
JSR
カーボン配合ゴム
・2013年6月、グループ会社エラストミックスとPT. Prospect Motorがカーボン配合ゴム生産会社PT.
Elastomix Indonesiaを設立。四輪車の窓枠、二輪車部品として使用され、日系時d走者部品メーカーに供給
東レ
樹脂コンパウンド
・2013年内の稼動を目指して、現地子会社PT. Indonesia Toray SyntheticsにナイロンとPBTの樹脂
コンパウンド設備を導入。日系自動車メーカー等による現地調達ニーズに対応。
三井化学
ポリウレタン
・2015年度を目処にPT. Cosmo Polyurethane Indonesiaにおけるポリウレタンの年産能力を1.2万トンに
倍増する計画。自動車のシートクッション等向けに、需要に応じてポリウレタンを配合して提供
Michelin
タイヤ用高機能ゴム
・2013年6月、現地PT. Petrokimia Butadiene Indonesia(PBI)と合弁でタイヤ用高機能ゴム生産会社を
設立することで合意
インドネシアでは、近年、完成品メーカーに加え、サプライヤーの進出が進展
217 出所:Fourin等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
インドネシアにおける電気電子産業(携帯電話端末)の動向
スマホ部材輸入の変化(初期的)
携帯電話端末の現地生産の動向
外資企業
インドネシアへ輸出し、販売
外資企業
ハイアール
組立て工場建設を相次いで発表
• 2014年9月に月産能力20万台の携帯電話端末の
組立工場を設置する計画を発表
フォックスコン • 総額10億米ドル(約1,025億円)を投じ、ジャカルタ
にスマートフォン工場(製造・組立て)を新設予定
広東歩歩高電子 • 工場を新設し、2015年内の稼動を目指す
サムスン
(参考)現地化を
さらに後押しする
政府政策
• 携帯電話の組立て工場の建設計画を発表(2014年3月)
 国内電気電子産業の保護のため、輸入スマートフ
ォンへ20%の奢侈税の導入を検討中(現在、協議段階
(ヒダヤット産業相、2014年8月)
3
低付加価値部材
− 現地スマートフレン・テレコムへ輸入品の販売から
現地組立て端末供給へ
 リチウムイオン電池、液
晶画面、半導体、その他
(タッチパネル、多層基
盤など)高付加価値部材
は、組立ての現地化に
伴い輸入が拡大
*
需要拡大に伴い、
現地組立てを拡大
2
半導体
テラ・データ・ • 年産能力75万台を目指す旨発表
インドヌサ
アリエス・インド・
• 月産能力50-60万台を目指す旨発表
グローバル
液晶画面
中国への委託生産から国内組立てへ切替
1
︵ LCD
︶ *
地場企業
電池
中国へ委託生産・輸入し、販売
高付加価値部材
地場企業
︵ LiB
︶ *
携帯電話端末
は輸入品を販売
 組立ての現地化に伴
い、コネクタ部品など
簡易な部品の現地調
達による輸入の減少
*1: 小型リチウムイオン電池のシェアは、サムスンSDIが首位、パナソニック、LG
化学が続く(2012年)、*2: 中小型ディスプレイ生産は、日本、韓国で世界シェアの
過半。台湾、中国が続く。、*3: スマートフォン向け半導体生産のシェアは、TSMC
(台湾)が、46.3%、グローバルファンドリーズ(米)、UMC(台湾)が続く(2013年)
インドネシアにおける電気電子産業(携帯電話端末)は、外資企業・地場企業ともに現地生産を拡大する方向。
ただし、現在は、組立がメイン
218 出所:JETRO、NNAニュース、ジャカルタ・ポスト、コリアタイムズ、WSJ、The Register等を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
外資系製薬企業の進出・生産状況(例)
年度
企業
施策
概要
株式買収
• GSKのインドネシアでの売上は順調に拡大しており、Sarasvati Venture Capital Ltdから、GSKイ
ンドネシアヘルスケア事業に関する30%の株式を収得し当事業を100%保有することにより、成長
領域への投資を集中すると同時に、インドネシア内でのオペレーションを簡略化する予定である
2014
GSK
2013
田邊三菱製薬
生産拠点の増設
• 約8億円を投じて製薬工場を新設し、生産能力を現在の1億錠から75%引き上げる
• これまでと同様インドネシア国内向けに販売するほか、周辺諸国にも供給する
• 2015年5月に稼動予定
2013
ビーブラウン
生産拠点の増設
• 約100億円を投じて輸液工場を新設し、向こう2年で1億5,000万袋を製造できる体制にする
• 拡張後は1億5,000万袋の約半分を中国や欧州への輸出にあてる考え
2012
アークレイ
現地法人の設立
• 東南アジア諸国連合初の販売拠点を設立し、域内の販売強化に向けて事業基盤を構築する目的
• 3人で業務をはじめ、年内に5人体制とする予定
2012
ファイザー
生産拠点の増設
• 約2億4,000万円を投じてジェネリック医薬品工場を増設することを決定した
• ジェネリック医薬品の生産能力は3億錠となり、5割拡大する
2012
MSD
包装拠点の増設・
生産種類の増加
• 新たな包装用施設を設立予定
• 新施設の稼動と同時に20の新しい医療用医薬品製造を開始予定
2012
サノフィ
生産拠点の増設
• 2014年までに現地での生産量を年間5億錠に増加予定
2011
サノフィ
OTC市場への
参入
• インドネシアで処方箋薬のみ販売していたが、OTC市場の拡大を見込み、遅くとも2013年には
OTC市場へ参入すると発表した
2011
小林製薬
現地法人の設立
• 現地大手企業を通じて医療用医薬品を販売してきたが、拠点を開設することで販売網を強化する
ことを発表した
• 当面は、販売を手掛けるが将来的には現地生産も検討している
2011
明治製菓
ファルマ
生産拠点の増設
• 約40億円を投資してペニシリン原液製造棟を新設するとともに、ペニシリン製剤棟を拡張した
• 今後インドネシアにペニシリン製剤の生産を集中し、世界向け輸出拠点にする予定
外資系製薬企業においても、現地販売のみならず、現地生産を拡大している
219 出所: NNA Asia等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
インドネシアとアジア諸国における人件費の比較
(USD)
2,000
製造業(作業員)
製造業(エンジニア)
製造業(マネージャー)
非製造業(スタッフ)
非製造業(マネージャー)
1,500
1,220
1,000
882
706
749
500
389
439
258 259 234
0
131
2008
2013
2008
インドネシア
2013
中国
2008
2013
タイ
2008
マレーシア
インドネシアの賃金は直近5年で急上昇している
220 出所:JETROデータに基づき、DTC作成
2013
2008
2013
ベトナム
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
インドネシアにおける労使関係:概要
近年の労働争議の例
 インドネシアの労使関係は安定しているとは言えず、
労働組合が主導する激しいデモが頻発
 ジャカルタ首都特別州における最低賃金を巡って労働
組合側はデモを実施(2013年)
•
• 労働争議における労働者の要求事項は、賃金、解雇、雇用関係上の
地位に関するものが多い
•
• 特に、近年のデモにおいては、労働者側は、最低賃金の引上げやア
ウトソーシングの廃止を要求
− 2012年のジャカルタなどの大都市のデモの頻発によって、2013年
1月から適用されるジャカルタ特別州の最低賃金が前年から
約44%引上げ
ジャカルタ首都特別州における最低賃金の推移
(1,000ルピア)
+44%
•
大規模デモ
2,200
2,000
901
973
1,070
1,290
819
1,118
712
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
1,000
1,529
0
2012
300
ストライキ発生件数
•
2013年は1-6月
までの数値
200
100
0
2004
2005 2006
2007 2008
(2012年)
2012年、最低賃金を上回る額が州知事によって決定(149
万1,866ルピア、前年の最低賃金は128万6,421ルピア))
• これに対し、使用者側が決定は無効であるとして提訴した
ことに対し、ブカシ県で労働者の大規模デモが発生
• 政労使で協議が持たれ、149万1,000ルピアで妥結
 インドネシアの主要な労働組合総連合で構成されるイ
ンドネシア労働者評議会(MPBI)によって大規模デモが
敢行(2012年)
2013
• 労働争議発生件数自体は、増減を繰り返している
(件数) (労働法改正)
 西ジャワ州知事による最低賃金の引上げ決定に対する
使用者側の提訴に対して大規模労働者デモが発生
•
+19%
3,000
2013年の最低賃金を巡り、使用者側は222万9,000ルピア
を、労働組合側は370万ルピアを要求していたところ州の賃
金評議会において、月額220万ルピアに決定
これに対し、労働組合側が反発、ジャカルタ均衡の工場地
域において大規模デモを実施
2014年の最低賃金は、前年比11%の244万1,000ルピアと
ジャカルタ州知事が決定
2009 2010 2011 2012 2013
個別企業
へのデモ
MPBIは、アウトソーシングの廃止、最低賃金算定方法の変
更、健康保険の労働者負担の取りやめ等を要求
 賃金引上げ、契約社員の正社員化、労働者派遣の契約
解除などを巡って個別企業を対象としたデモも頻発
最低賃金の引上げを巡って、近年労働争議が多発。
これに伴い、最低賃金の大幅な引上げが継続している
221
出所:厚生労働省「海外情勢報告」を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:生産
賃金コスト上昇への対応
進出企業
による
現状認識
進出企業の関連動向(例)
 ジャカルタ近郊で操業していた繊維業60
社が中部ジャワ州へ移転
 賃金が大幅上昇した2013年を境として、
インドネシアの賃金はもはや低水準ではない
との認識が進出企業の間で広まる
ジャカルタ事務所
「今後販売を伸ばすためには、
『これ以上人を増やさない形で生産を
増やす』という側面が強まってきた。」
中部ジャワ
への移転
• 「事業継続のために多くの繊維工場が中部ジャ
ワ、西ジャワ、東ジャワに移転している。中部
ジャワは比較的賃金が安く、タンジュン・ウマス
港への高速道路などインフラが整っているので
人気がある。」(アデ・スドラジャットインドネシア
繊維業協会会長)
- 2013年の最低賃金は、首都ジャカルタの月
220万ルピアに対し、中央ジャワは83万ルピ
ア、西ジャワ州は85万ルピア
•
今後も5社以上が移転を予定
 中部ジャワなど地方への拠点移転
• 中部ジャワ州のクンダルやスラマンには、既にアパレル
から食品まであらゆる企業が移転してきている(2014年
進出企業
による
対応策
 トヨタは、塗装工程などにロボット導入準
備を進める
6月、インドネシア工業団地協会(HKI)サニー会長)
 製造工程の自動化の推進
• 2014年も賃金上昇率が2桁に上り、経営上の最大の課
題となっており、「機械化による企業の省力化投資が増
え、工作機械メーカーの進出が加速する」(2013年12月、
製造工程
の自動化
• 現時点では、日本などと比べると依然人件費は
安いことから、現地工場の機械の導入は少ない
• ただし、最低賃金の更なる上昇に備え、塗装工
程などにロボット導入準備を進めるほか、他の
生産プロセスにも機械導入の余地を残している
ジェトロ)
賃金コストの上昇に伴い、中部ジャワなど地方への拠点の移転が一部進むほか、
機械化による企業の省力化投資が増える見込み
222 出所:ジェトロ、じゃかるた新聞、DEBANDA、BISNIS、NNAニューズ等に基づきDTC作成
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
2
74
80
9
特になし
その他課題
環境規制の厳格化
物流インフラ未整備
電力不足・
停電
資本財・
中間財輸入への高関税
品質管理の難しさ
短期間での生産品目の切り替え困難
原材料・
部品の現地調達の難しさ
調達コストの上昇
限界に近づきつつあるコスト削減
設備面での生産能力不足
特になし
その他課題
環境規制の厳格化
物流インフラ未整備
電力不足・
停電
資本財・
中間財輸入への高関税
品質管理の難しさ
短期間での生産品目の切り替え困難
原材料・
部品の現地調達の難しさ
調達コストの上昇
限界に近づきつつあるコスト削減
特になし
設備面での生産能力不足
その他課題
環境規制の厳格化
物流インフラ未整備
電力不足・
停電
資本財・
中間財輸入への高関税
品質管理の難しさ
短期間での生産品目の切り替え困難
原材料・
部品の現地調達の難しさ
調達コストの上昇
限界に近づきつつあるコスト削減
設備面での生産能力不足
223 出所:JETRO「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を基にDTC作成
4
2
3
11
9
9
39
39
40
8
4
4
3
31
28
5
4
4
3
0
48
48 49
33
36 35
32
34
37
37
40
94
100
58
54
56
60
2013年
2011年
2010年
(%)
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
インドネシア進出日系企業(製造業)による生産面での課題(一部再掲)
87
20
現地進出日系企業が抱える生産面での課題として、電力不足・停電、物流インフラ未整備が年々上位に浮上
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
(参考)インフラにおける競争力指数の比較
インドネシア
タイ
中国
6
5
4
3
2
1
0
道路
鉄道
港湾
空港
電力供給
Note: World Economic Forumのデータ、最小1最大7として評価。2012-2013年には加重平均値を適用
インフラにおける競争力指数では、タイ・中国に比し、総じて劣後している状況
224 出所:World Economic Forum 等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
インドネシアにおける物流上の課題(例):トヨタ
トヨタの生産拠点
タンジュンプリオク港
Jakarta
Bekasi
所要2時間半(トラック運搬)
(将来的には9時間に
増える見込み)
物流上の課題認識
<Jakarta地域>
トヨタ(TMMIN) Sunter 第一工場(プレス部品)
トヨタ(TMMIN) Sunter 第二工場(IMVシリーズ向けGE)
トヨタの物流上の課題認識と対応
Karawang
解決に向けた
働きかけ
<Karawang地域>
トヨタ(TMMIN) Karawang 第一工場(Innova Fortuner生産)
トヨタ(TMMIN) Karawang第二工場(Etios Valco生産
 「インドネシアからの輸出台数を伸ばしたい。
物流インフラがボトルネックとなっている」
(トヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・インドネシア
(TMMIN)野波社長)
• Karawang県∼タンジュンプリオク港のトラック運搬は
片道2時間半。今後更に所要時間が増す見込み
− 「首都圏の渋滞が深刻化しており、2020年には9時間に
増える見込み」(トヨタ・アストラ・モーター(TAM)秋山副
社長)
 「トヨタの工場がある西ジャワ州カラワン県のチラマ
ヤに港湾の建設を進めることをお願いしている。」
(トヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・インドネシア
(TMMIN)野波社長)
トヨタにとって、インドネシアにおける生産拡大・輸出拠点化に際し、
物流インフラ不足による制約が深刻化してきている
225 出所:Fourin, NNAニュース等を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
(参考)現政権によるチラマヤ港を含むインフラ開発の動向
着工を目指す




チビトゥン∼チリンチン間の高速道路(4.22兆ルピア)
スマトラ縦断高速道路(350兆ルピア)
マナド∼ビトゥン間の高速道路(4.33兆ルピア)
バル∼バリギ間のバイパス道路(2.22兆ルピア)
チラマヤ新国際港(14.9兆ルピア)
スカルノ・張った国際空港拡張
クルタジャティ空港(8.29兆ルピア)
カリマンタン島の石炭鉄道(50兆ルピア)
ジャカルタ環状高架鉄道(8.9兆ルピア)
南スマトラ州の炭鉱付近の発電所(21.2億米ドル)
スマトラ∼ジャワ間の500キロボルトの高圧直流送電網
(21.2億米ドル)
バンカランスス石炭火力発電所(4.69億米ドル)
タカラ石炭火力発電所(2.94億米ドル)
ジャティグデ・ダム(4.12億米ドル)
大域幅に関する大統領令の発布
現状
案件











 2017年までに完成させることが目標。高速道路や
鉄道とも連結し、タンジュンプリオク港に匹敵する
設備を整えることを想定
(マンギンダアン運輸相)
新港建設への反対意見
• 優先インフラ準備委員会(KPPIP)を結成し、推進
• チラマヤ新港(MPA構想に含まれる)は、日系企業が集
積する西ジャワ州の玄関口となることが期待され、日本
政府が円借款の供与を用意。PPPでの実施を想定
• チラマヤ港の着工は、2015年中との方針を発表
(2014年8月、ヒダヤット工業省)
チラマヤ新港の開発動向(詳細)
完成目標
国家開発企画庁
による方針
15
 チラマヤ新港を含む、大型インフラ開発15案件を
現政権の任期中に着工する見通し(2014年6月)
 プルタミナ傘下が保有する石油・ガス鉱区の開発
と利害が衝突するため、石油・ガス業界は新港の
建設に難色
• プルタミナ子会社プルタミナ・フル・エネルギー
(PHE)が手かげる5箇所の油田を始めとする
20箇所に影響がある可能性を懸念
• 「建設場所を別の場所に移してもらうことが最良
だ」(グデ石油ガス上流事業実行特別部局
(SKKMigas)秘書官)
 政府は、チラマヤ新港の設置場所を再考中。建設
遅延の恐れも(2014年8月)
カラワン県におけるチラマヤ新港の開発は、2017年が完成目標であったものの、遅延する可能性も
226 出所:NNAニュース等を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
主なインフラ整備指標(港湾・鉄道)
良
各インフラの現況と課題

(7段階評価)
6.0
ジャカルタ北部・インドネシア最大の港
湾であるタンジュンプリオク港は、コン
テナ貨物全取扱量の約半分を担うが、
近年キャパシティ不足が深刻化
マレーシア
港湾
5.5
タイ
5.0
4.5
インドネシア
4.0
3.5
悪
3.0
ベトナム
0.0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
(単位:TEU)
8,000
コンテナ取扱量の推移
6,000
 キャパシティ(500万TEU(20フィートコンテ
ナ換算の単位))以上の取扱い量に達する
4,000
 荷下ろし、通関等、港湾での物流の滞留
が深刻化
0
2,000
2009
2010
2011
2012
100%
80%
東京
(884万人)

輸送分担率
鉄道
ジャワ島及びスマトラ島で鉄道が運行。旅客輸送・貨物輸送とも
輸送分担率が低い
60%
40%
20%
0%
ムンバイ
(1884万人) シンガポール
(474万人)
上海
(1634万人)
ソウル
(978万人)
ホーチミン
(598万人)
バンコク
(690万人)

ジャワ島(3,425km)の長距離鉄道の年間乗客数は平均9%と堅調な伸
び(2006-2010年)である一方、人口密度に比し、旅客輸送の鉄道分担
率は約6%と低い

鉄道貨物輸送の伸びているものの、分担率は依然低水準
ジャカルタ
(960万人)
2,000 4,000 6,000 8,000 10,00012,00014,000 16,000
人口密度(人/km2)
物流インフラ不足による課題が顕在化。
港湾のキャパシティ不足、低い鉄道の輸送分担率の改善が今後の課題
出所:World Bank Index、World Economic Forum, Global Competitiveness Report 2011-2012等を基にDTC作成
227
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
タンジュンプリオク港アクセス道路建設の動向
(再掲)日系企業のインフラ開発関与例
種別
企業名
案件概要
•
•
•
タンジュンブリオク港緊急リハビリ事
業(2011年)
•
•
クラマサン火力発電所拡張事業
現地企業(PT.WASKITA KARYA、
PT. JAYA KONSTRUKSI
MANGGALA PRATAMA TBK)と共
同実施(2011年)
ジャワ幹線鉄道電化・複々線化事業
(I)(2012年)
円借款 • 東洋建設
• 鹿島建設
(フェーズI)
• 大林組
(フェーズII)
• 三菱重工
• 三井住友建設
無償
協力
•
• オリエンタルコンサル • マラッカ海峡及びシンガポール海峡
船舶航行安全システム計画
タンツ、日本航
(2011年)
路標識協会
•
PPP
• Jパワー
• 伊藤忠商事
•
高効率石炭火力IPP事業で現地企業
Adaro Energy TBkと組み受注(2011
年)
石炭火力発電所2基を建設、操業か
ら発電事業まで一括実施
 用地買収が難航し、建設が遅延
政府方針と地権者の動向
• 八千代エンジ
ニヤリング
• 間組
現状
• 三井住友建設 •
タンジュンプリオク港アクセス道路建
設事業
現地企業HUTAMA KARYAと共同実
施(2010年)
プルイット排水機場緊急改修計画
(詳細設計)(2010年)
 北ジャカルタ行政区は、強制立ち退き執行方針を
公表(2014年8月)
• 日本の円借款で建設し、一部区間は開通したものの、
用地買収の難航により建設工事の進捗は6割程度
• ジャカルタ特別州は、地権者に対する補償金を裁判所に
預託することを決定。土地の補償金を1㎡あたり190万ル
ピアに設定し、地権を主張する住民に対し、11日以内に
立ち退くよう指示
• 用地買収の対象は18世帯であり、5世帯は既に補償金額
に合意
 地権者らは以前提示された補償額を拒否
•
土地の補償金は1㎡あたり1,500万ルピアを要求
タンジュンプリオク港への道路アクセスの改善が目指されている。
ただし、用地買収の遅延により、計画遂行が遅延している状況
228 出所:JICA、NNAニュース等各所資料を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
(参考)MP3I(経済開発迅速化・拡大マスタープラン)によるインフラ投資の拡大
6つの経済回廊に対する必要投資
MP3EI概要
 2011年5月にインドネシア政府が発表した経済開発のマスター
プラン
 2025年までに名目GDPを4.0-4.5兆ドルにまで引き上げ、世界経
済トップ10の高所得国入りを目指すことを明記
714
1,290
945 309
32%
24%
8%
3%
21%
Mix
18%
10%
SOE
政府
51%
民間
622
パプア∼
マルク
18%
133
バリ∼ヌサ・
トゥンガラ
投資
割合
スラウェシ
6つの経済回廊
カリマンタン
 インフラ投資のうち、約3割はPPPを含む民間資金による建設を
計画している
ジャワ
スマトラ
4,000
3,000
2,000
1,000
0
4,012
合計
 経済発展の手段として、6つの経済回廊を定義し、各回廊におけ
る代表的な産業の育成とインフラ整備を両立させることを提唱
(IDR Tn)
セクター別
投資割合
15%
インフラに対する必要投資
(IDR Tn)
1
6
4
スラウェシ
5
バリ−ヌサ・
トゥンガラ
6
パプア−マルク
投資
割合
19%
7%
38%
2%
18%
1%
MP3EIによりインフラ投資が加速。このうち、約3割はPPPを含む民間資金による建設を計画
229 出所:MASTERPLAN, Acceleration and expansion of indonesia economic development 2011-2025、JICA資料
のデータを基にDTC作成
31
その他
カリマンタン
242
ICT
3
水道
ジャワ
18
鉄道
2
326
航空
スマトラ
32
電力
1
681
港湾
5
117
道路
2
339
合計
2000
1500
1000
500
0
4
3
1,786
14%
2%
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
(参考)日本・インドネシア両政府によるMPA(ジャカルタ首都圏投資促進特別地域)構想によるインフラ投資の拡大
事業内容
MPAの概要
位置づけ
計画概要
 MP3EIを後押しするため、インドネシア・日本
が共同で推進する総合インフラ開発推進政策
事業内容
• 産業、人口、企業活動が集中し、投資誘致の潜在力の
高いジャカルタ首都圏をMP3EIにおけるジャワ、スマト
ラ経済回廊のハブ及び結節点として位置づけ
 ジャカルタ首都圏の港湾、道路、空港、工業団
地、都市高速鉄道(MRT)、水道、排水処理な
どを計画
都市環境
開発
• 特にチラマヤ新港や首都高速鉄道(MRT)の建設プロ
ジェクトは、早期実施案件とされ、優先的に着手
 2020年までに約440兆ルピア規模の資金が必
要であり、うち約125兆ルピアは、外国援助に
よる資金協力に期待
Jabode
tabek
地域開発
• 日本政府は、ODA活用を積極的に検討
予算方針
 総予算:441 ,200 BIL IDR
都市環境開発
30%
27%
27%
16%
Jabodetabek
地域開発
マルチゲートウェイ
低酸素社会
都市高速鉄道(MRT)を中核とした新都市交通システ
ム
2/5
都市内および周辺道路網の整備
1/3
都市再開発の推進
0/1
上水および下水の改善
1/4
廃棄物処理
1/2
洪水管理
1/3
新港湾・新空港周辺地域の開発
0/2
アカデミック・リサーチ・クラスター
0/1
新しいサブ成長回廊内の道路および鉄道網の整備
2/5
新しいサブ成長回廊内の道路および鉄道網の整備
0/1
ジャカルタ首都圏第二港湾(チラマヤ新港)の開発
1/3
ジャカルタ港の改善(タンジュンプリオク地区・北カリバ
マルチ
ゲートウェ ル地区開発など)
新国際空港の開発
イ
低酸素
社会
既着手
/合計
PJT数
1/2
0/1
スカルノ・ハッタ空港の改善
2/2
低炭素型電力の開発
6/8
スマートグリッドの開発
1/2
※太字は既に、着手済みのインフラ関連PJT
インドネシア政府は、2010年から、首都圏を中心とした、湾岸、上下水道、及び航空インフラ整備に着手。
チラマヤ新港は優先的に着手される方向
230 出所:JICAデータを基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
インドネシアにおける交通渋滞の深刻化(1/2)
公共交通による渋滞解消の取り組みと、
その課題(ジャカルタ)
都市部での慢性的な渋滞
1台あたり道路距離が短いエリア
渋滞が深刻なエリア
1.0
インドネシアの経済損失: カンボジア
15 億米ドル(GDP比0.2%)
0.9
台あたり道路距離の短縮率︵ 年比︶
深
刻
さ
が
加
速
し
て
い
90 る
エ
リ
ア
1
0.8
インドネシア
0.7
フィリピン
ムンバイ・デリー等の都
市部では渋滞が深刻化
中国
インド
マレーシア
0.6
フィリピンの経済損失:
24.5 億ドル(GDP比0.9%)
0.5
▲大型路線バス
タイ
0.4
タイの経済損失:
30億米ドル(GDP比1.1%)
0.3
0.2
日本
0.1
ベトナム*
0.0
0
50
▲低価格路線
100
150
200
 ジャカルタ特別州では昨年、燃料の無駄遣いや大気汚染など渋
滞による経済的な損失が68兆ルピアに到達(約5850億円)
▲BRT
 BRT(トランスジャカルタ)の機能低下
 自家用車の増加によって専用バスレーンが占領され、事
故が多発している為、BRTとしての機能が失われている
 複数の公共交通システムを統合的に機能化させない事によ
る投資対効果の低減
 政府は公共交通の利用率の低さを課題視しており更なる
投資を呼び掛けているが、道路インフラへの投資は都市レ
ベルで行われる為、複数の公共交通システムが混在し統
一が取れなくなる可能性がある
インドネシアでは自動車の増加に都市部の渋滞がASEAN内でも特に深刻であり、大きな社会課題となっている
*ベトナムは90年のデータが無いため深刻さの加速度は不明
231 出所:日経新聞、Clean Air Asia estimates 2012、現地視察 等よりDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
バリューチェーン
上の変化
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
インドネシアにおける交通渋滞の深刻化(2/2)
ジャカルタの交通規制と課題:3in1 Policyの運用と課題
制度概要
課題
 ジャカルタ都心部の主要幹線道路において、1990年代に導入されたHOVレーン施策
 タクシーや公共交通を除き、3人以上の乗客を乗せた車両のみ朝夕ピーク時通行可能
 HOVレーンにバスウェイサービスであるトランスジャカルタ(1号線)を導入し、需要転換の
受け皿となる公共交通を整備
渋滞解消
効果
 並行する他の道路における交通混雑の悪化
税収確保
 3人の乗車に満たない車両が3in1エリアに乗
り入れる為に、ジョッキーと呼ばれる同乗をビ
ジネスにする人々を雇う。彼らが道に出るこ
とでまた渋滞の原因になり、かつ本来掲げて
いた“1台当たりの乗車数を増やす”という目
的も達成出来ない
 ジョッキーの料金は2万∼3万ルピア(約200
∼300円)程度
その他
課題
 ジョッキーの多くは女性と子どもであるが、そ
の子どももレンタルしている場合があり、かつ
騒がないように風邪薬等で眠らせている等の
社会問題も生じている
232 出所:JICA 都市交通計画策定にかかるプロジェクト研究(2011)等
▲指で数字を示し「XX人乗車可能」とい
うことをアピールする
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
インドネシアにおける道路総延長距離の拡大
(千km)
4.3%
487
476
500
422
497
(百万台)
25
438
道路総延長距離(左軸)
400
15
200
10
14.6
15.8
16.8
100
5
0
0
2007
ジョコ・ウィドド
大統領
2008
2009
2010
四輪車保有台数
道路総延長距離
四輪車保有台数
14.0
 MRT(都市高速鉄道)の建設開始
 JICA円借款事業の一環として、南北線(2016年第一期運
用開始予定)・東西線(2024-27年運用開始予定)を建設
20
6.2%
300
公共交通機関の整備
2011
 建設が凍結されていたモノレール路線の建設が、中国企業に
より再開
2,000キロメートルの道路や港湾・空港の整備に向
け、土地収用や予算消化を加速させる
(大統領選での公約にて)
(高速道路開通式にて)「これからもずっと公共交通
機関の開発に集中する。それが最優先だ。」
ジョコ・ウィドド
大統領
自動車保有台数の急増に伴い道路建設が進んでいるものの、追いついていない状況
ジョコウィ大統領候補は、道路整備を公約化する一方、公共交通機関への優先投資を明言しており、今後も注視が必要
233 出所:World Bank、Euromonitor、JICA資料、各種報道、政府HPを基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
 インドネシアでは、これまで補助金により電気料金が低く抑えられてきたが、増大する補助金による財政負担を抑制するため、
電気料金の値上げが国会で採択されており、継続的に電気料金が引き上げられていく見込み
インドネシアにおける電力販売価格の推移
(ルピア/kWh)
1,000
最大電力*の見通しと既存設備容量
*最大電力は年間で最も大量の電力を消費する
*瞬間の電力を示す
*(夏期ノエアコンフル回転、工場フル操業等)
(GW)
平均
公共
家庭
官庁
工業
70
最大電力
60
既存設備容量
800
50
600
増設が必要な容量
40
30
400
20
200
10
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
0
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
電力価格はこれまで上昇を続けており、今後の需要に備えるべく、設備の増設が求められる
234 出所:PLN STATISTICS 2012、インドネシアエネルギー鉱物資源省講演資料を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
2
インドネシアの地方電化計画
インドネシアの各地域の電化状況
 地方の電化率は、2012年時点で75.3%に留まる
 政府は、国家電化率目標を2014年までに80%、2020年
までに99%とし、全国の未開発地域、へき地等の社会開
発を促進する
計画電化率
(%)
100.0%
99.2%
100
75.3%
75
50
25
0
2012
2016
2020
2024
2028
2032
一部電化率の低い地方が存在し、2020年に99%超を目指す計画が立てられている
235 出所:インドネシアエネルギー鉱物資源省講演資料を基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:物流
インドネシアのコールドチェーンの現状
ジャカルタ首都圏内の
コールドチェーン

約40社の冷凍・冷蔵倉庫業者が存在
 首都圏西エリア、東エリア、タンジュン・プリオク港に
近い北エリア及び南エリアに分布
冷凍・冷蔵倉庫業者/自社対応企業(例)
 約40社のうち、自社倉庫の一部又は全部を貸し出している事業者(11社)
企業名
業態
倉庫面積(m2) 倉庫容量(トン) 地域
PT.Sukanda Djaya
ディストリビュータ
PT.Bonecom Serbista
Compindo (BOSCO)
14,000
45,000
東エリア
倉庫業
8,750
6,000
北エリア
PT.Wirontono Cold
Storage & Industry
倉庫業
1,600
3,840
東エリア
PT. Yap Cwe Hok
Indonesia (YCH)
物流業
8,000
2,000
東エリア
PT. Wira Logitama
Saksama
物流業
1,200
1,600
西エリア
PT.GB Tuna
 アイスクリーム製造大手PT. Diamond Cold Strage
の子会社
倉庫業
2,100
1,500
北エリア
PT. Pincuran Mas
Bina Usaha
倉庫業
3,000
700
南エリア
 国内に17拠点、保冷車を100台規模で所有
PT. Karunia Segar
Utama
輸入業者
700
560
東エリア
PT.West Side
Agritama
ディストリビュータ
1,134
400
東エリア
PT. Pluit Cold Storage
倉庫業
400
225
北エリア
PT.AGB Ice&
Fisheries Indonesia
倉庫業
852
300
西エリア
 40社の冷凍・冷蔵倉庫の総面積は、41,376m2、
総容量は62,265トン
 このうち、全国展開する最大手PT. Sukanda Djaya
が45,000トン(総容量の約72.1%)を占める

全国規模の
コールドチェーン
最大手PT.Sukanda Djaya1社のみが
全国規模のネットワークを展開
 親会社の製品流通を担うほか、PizzaHut、
McDonald、Sizzler、A&Wなどの大手食品チェーン
に冷蔵・冷凍倉庫を貸出
大手コールドチェーン(PT. Sukanda Djaya)と取引できる企業
は少数であり、自社で冷蔵・冷凍倉庫を所有するか、
コールドチェーンが不要となる調達(地産地消)が主流
 自社コールドチェーンを保有する大手スーパー
(例;INDO、カルフール、Giant、Hero)
全国展開する冷凍・冷蔵倉庫業者は1事業者であり、コールドチェーンの整備がビジネス展開上の課題
236
出所:JETROジャカルタ事務所調査等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
2
インドネシアを中心とする最終財の貿易動向:2008年と2012年の比較
最終財の流れ:2008年
中国
韓国
1,514
6,011
最終財の流れ:2012年
日本
928
ASEAN域内
610
4,421
2,750
Gg
中国
韓国
2,141
11,587
1,533
ASEAN域内
1,088
単位:100万USD
日本
6,443
3,972
11,068
6,863
10,178
6,594
インドネシア
24,683
インドネシア
10,385
29,119
17,370
10,3854 (36%)
凡例:
インドネシアの輸出
インドネシアの輸入
インドネシアからの最終財の輸出は、規模として少ないものの、拡大傾向。
インドネシアと日本の関係は経年で大きく変動がない一方、中国・ASEAN域内との貿易量が拡大している
237
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
最終財の輸出
各国への輸出内訳(%)
(100万USD)
50,000
繊維
2008
全産業合計
のうち最終財
46,498
43,669
木材・製紙・パルプ
食料
玩具・雑貨
電気機器 家電
2009
全体
2010
2011
2012
・食料品及び関連の
農林水産業
40,000
38,277
36,151
・繊維製品
・パルプ・紙・木製品
及び関連の農林水
産業
0%
・化学製品
・窯業・土石製品
及び関連の鉱業
・輸送機械
・精密機械
・玩具・雑貨
80%
家電
食料
玩具・雑貨
2011
その他
2012
0%
20%
40%
家電
電気機器
60%
80%
食料
100%
80%
100%
一般機器
2009
2010
2011
10,000
6,594
(18%)
5,293
(17%)
7,287
(19%)
8,920
(20%)
10,178
(22%)
2012
ASEAN
2009
2010
2011
0%
中国
韓国
2,141
1,885
(5%)
1,424
1,088
1,514
(4%) 1,049
610
532 (4%) 775
(4%)
(2%) 3,972 (2%)
2,750 (2%) 2,602 (2%) 2,999 (2%) 3,525
日本
(9%)
(8%)
(8%)
(8%)
(8%)
0
2008
20%
40%
60%
繊維
木材・製紙・パルプ
電気機器 家電
2008
食料
玩具・雑貨
2009
2010
2011
2012
2012
0%
20%
40%
60%
80%
最終財の輸出は、規模として少ないものの、拡大している。
輸出品目は、玩具・雑貨、食料、電気機器等が多いが、ASEAN域内へは輸送機器の輸出も多い
238
100%
2010
2008
・一般機械
・家庭用電気機器
29,119
(63%)
25,792
(67%)
・鉄鋼、非鉄金属・
金属製品及び関連の
鉱業
・電気機械
60%
2009
22,347
(70%)
20,000
電気機器
2008
28,290
(65%)
24,683
(68%)
40%
輸送機器
32,033
1,258
(4%)
30,000
・石油・石炭製品
及び関連の鉱業
20%
出所:RIETI-TIDデータを基にDTC作成
100%
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
トヨタによるインドネシアの輸出拠点化
•
•
•
IMVプロジェクトでは、プラットフォームの共通化を図った
ピックアップトラック、ミニバン、SUVでシリーズ化し、現地
調達率100%が目標
主要ユニットのうち、インドネシアはガソリンエンジンの
供給拠点
トヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・インドネシア
(TMMIN)は、IMVのミニバンタイプであるキジャン・イノーバを
ASEAN域内へ輸出開始(2004年)
輸出拠点としての
位置づけ
 インドネシアから完成車やエンジンなどを80以上
の国・地域に輸出しており、インドネシアを重要な
グローバル生産拠点として位置づけへ
 インドネシアの輸出拠点化を促進する方針を表明
 中東9カ国への輸出を開始
• これまで中東にはタイから輸出していたが、インドネシア
の比率を増やしていく方針
最近の輸出拡大動向
一供給拠点としての位置づけ
 2002年、「海外市場専用車を海外のみで国際分
業する」ためのプロジェクトである「IMV (Innovative
International Multi-purpose Vehicle)を立ち上げ、
インドネシアを一供給拠点化
• 現地生産を開始した小型セダン「ヴィオス」を「ヤリス・セ
ダン」としてバーレーン、クウェート、オマーン、カタール、
サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダン、レバノン、
イエメンに輸出を開始(2014年3月)
− まずは月間1,000台が目標。年内に3,000台に引き上
げたい考え
 フィリピンへの輸出を開始
• ダイハツ工業のインドネシア子会社アストラ・ダイハツ・モ
ーターで生産している小型車をフィリピンに輸出し、トヨタ・
モーター・フィリピンよりトヨタブランドとして販売する方針
(2014年2月)
(2014年3月)
• 出荷する車種を拡充する方針
• インドネシア政府に港湾と工業団地を結ぶインフラの整
備を要求していく方針
トヨタは、インドネシアをグローバル生産拠点・輸出拠点化として位置づけ
239 出所:NNAニュース、トヨタプレスリリース等資料を基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
(参考)トヨタの中東への輸出を歓迎するインドネシア貿易省プレスリリース
インドネシア政府は、トヨタがインドネシアをグローバル輸出拠点として位置づけ、
中東地域への大規模輸出を開始したことを歓迎
240 出所:インドネシア貿易省資料
バリューチェーン
上の変化
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
日野自動車によるインドネシアからの
グローバルモデルの生産・輸出
ヤマハによるインドネシアからの
グローバルモデルの生産・輸出
 インドネシアを小型トラックの輸出拠点
として育成する方針を打ち出し
インドネシアを
小型トラックの
輸出拠点化
 小型トラック用エンジンの生産を開始、
供給拠点化
• タイとの相互供給を目指す
2012-2014年度 中期経営計画 (抜粋)
中期経営計画
における
インドネシア・
タイの位置づけ
 ASEAN、先進国市場への販売も
視野に入れ、グローバルに展開するス
ポーツモデル(「YZF-R25」)をインド
ネシアで製造・販売開始
• 2015年までにトラックの世界販売を2010年
度比2倍増の年23万台に引き上げる計画を
掲げ、インドネシアのトラックの年産能力を約
5万台に引き上げる方針を発表(2011年)
インドネシア
新興国向け小型トラックの生産拠点
ASEAN域内小型エンジン機械加工・組立て拠点
自国向け中型車両組立
タイ
中型エンジン機械加工・組立て拠点
デフキャリア組立て拠点
中型・小型トラック車両生産拠点
インドネシア
のグローバル
モデルの
生産開始
• 新中期経営計画(2013-2015年)の事業拡大
を担う、グローバルモデルとして開発された
モデルをインドネシア市場へ投入(2014年7
月)
− 新開発の2気筒250ccエンジンを搭載した
スーパースポーツ“YZF-R”シリーズ
日野はインドネシアを小型トラック及び小型トラック用エンジンの輸出拠点として位置づけ。
ヤマハは、グローバルに展開するスポーツモデルの生産・輸出を開始
241
出所:同社アニュアルレポート、各種ニュースソース等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
シャープの現地生産拡大・
輸出拠点化の動向
 インドネシアで白物家電の生産拠点
として世界最大の新工場を稼働。今後、
能力を更に拡大し、ASEANへ
の輸出拠点化も目指す
インドネシアに
世界最大の
新工場を稼動
• 2013年9月、カラワン県に白物家電を生産
する新工場を建設し、洗濯機、冷蔵庫の生産
を開始
東芝の現地生産拡大・
輸出拠点化の動向
インドネシアに
生産拠点を
集約(TV)
 映像事業での不振から、テレビの海外
生産をインドネシアに集中させる目的で
、世界の自社生産拠点3か所を
インドネシアに集約
•
ポーランド工場の台湾企業へ売却、中国
大連工場での薄型テレビ生産を終了
(2013年11月)
− 生産台数:(月産)冷蔵庫22万台
洗濯機14万台
• 中期経営計画では、ASEANを最重点地域と
した海外事業の拡大を重点施策の1つと定め
、新工場を基点としてASEAN地域の事業拡
大を目指すことを打ち出し(2013年5月)
2013-2015年度 中期経営計画 (抜粋)
インドネシアに
生産拠点を
集約(洗濯機)
 洗濯機の生産工場を新設し。二層式
洗濯機を中心に、タイ、中国と並び、
グローバル市場におけるグローバル
生産拠点としての位置づけ
•
タイの製造拠点からの完成品の輸入から、
インドネシアでの現地生産に切り替え
•
現地ニーズだけでなく、タイ、中国と並び、
東南アジア、中近東、日本に洗濯機を供給
するグローバル拠点
シャープは、インドネシアに世界最大の新工場を稼動させ、将来的にはASEANへの輸出拠点化をも目指す。
東芝は、テレビ・洗濯機の海外生産をインドネシアに集中させ、グローバル生産拠点として位置づけ
242 出所:各社プレスリリース、各種ニュースソース等
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
バリューチェーン
上の変化
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
マンダムの現地生産拡大・輸出拠点化の動向
マンダムのアジアにおける生産体制
 生産能力を50%高め、台頭する中間層
を取り込むとともに、フィリピンやタイなど
アジア市場への輸出強化を目指す
• インドネシアでは、身だしなみへの意識が
高まり、化粧品への支出が拡大
− 整髪料、スキンケア、売上げも上昇
インドネシアの
供給能力強化・
輸出増強
• ジャカルタ中心部にあるスンター工場に加え、
同市郊外のチビトン工場の生産能力を増強し、
主力工場へ切り替え
スンター
工場
マンダムで最大規模の工場
インドネシア国内、アセアン、インドに
商品を供給
チビトン
工場
容器成型工場として、スンター工場で
生産する製品の容器を製造
隣接地に新工場を増設予定
• 農村部での売上げ強化のため、島嶼部への
販売を強化するとともに、フィリピンやタイなど
への供給を強化する見込み
事業拠点 14社 (国内3社、海外11社)
生産拠点 3拠点(日本1工場、インドネシア2工場、中国1工場)
マンダムは、インドネシアをアジアにおける生産体制の主要拠点と位置づけ、輸出能力を強化している
243 出所:同社アニュアルレポート、各種ニュースソース等
バリューチェーン
上の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
セイコーエプソンによるインドネシアにおける生産・輸出の動向
インクジェットプリンタ事業
インドネシアにおける生産・販売拠点
 インドネシアにおける市場シェア(約3割)を大容量
インクタンク搭載のインクジェットプリンタによって拡大
生産拠点
エプソン・バタム
・インクカートリッジ生産拠点
・半導体実装、スキャナ、
真空インクタンクの生産
•
新興国市場では、インクカートリッジで収益を上げるビジネス
モデルが困難
− 独自にインクタンクを取り付けて再販する業者が登場
• 大容量インクタンク搭載インクジェットプリンタをインドネシア市場向
けに新たに開発(「Lシリーズ」)
バタム島
− 主にテキスト印刷利用中心、低ランニングコストで大量印刷が可能
− 純正品の品質の高さを訴求するとともに、オフィス向けに注力(写真の印刷機能
なし)することでシェアを拡大(インクジェットプリンター市場のシェア26.1%
→32.1%(2012年))
 インドネシア向け製品から、新興国を中心に130か国以上
に展開する製品へ
ジャカルタ
• タイやインド、中国などアジア諸国に販売エリアが拡大、さらに南米
東欧、中近東諸国へ
大容量インクタンク搭載インクジェットプリンタの販売数量と販売国数
スラバヤ
生産拠点
エプソン・インダストリー
・輸出専用工場
・インクジェットプリンターの
世界生産の4割を担う
販売・サービス拠点
エプソン・インドネシア
2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
エプソンは、インドネシア市場向けに開発した製品をインドネシアからグローバルに展開
244 出所:エプソンアニュアルレポート、NNAニュース、各種ニュースソース等を基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
明治ファルマのペニシリン生産拠点集約・生産能力拡大
拠点集約前
2011年
拠点集約・
生産能力増強
ペニシリン原薬
ペニシリン製剤
 インドネシアで生産するペニシリン製剤の原薬は日
本(岐阜県)で生産
• インドネシアの製薬業界では、原薬95%を輸
入に依存している状態であるが、低品質の
原薬が輸入されてくることがしばしばある
 インドネシアの現地子会社メイジ・インドネシア・ファ
ーマシューティカル・インダストリーズによって、ペニ
シリン製剤を生産
• 同社は1974年の設立以来、ペニシリンの他、
各種抗生物質や人体薬、動物薬を生産・販売
 インドネシアでは初となる、ペニシリン原薬の工場を
新設
• 原薬生産能力は岐阜工場の2倍となる年間
30万トン
• 製造コスト、土地の確保の容易さ、豊富な水
によって拠点設置を決定
 原薬生産拠点設置に伴い、ペニシリン製剤工場に
ついても、生産能力を2倍に拡充
 現在は主に日本とインドネシア向けにペニシリン製
剤を生産
• ベータラクタム2は日本とインドネシア向けに
生産
• ベータラクタム3は日本向けに生産
 将来的にはペニシリン製剤の拠点をインドネシアに
集約し、ASEAN、世界に向けた輸出拠点とする
明治ファルマはインドネシアにペニシリン製剤の拠点を集約し、世界向けの輸出拠点とする見通し
245 出所:NNA記事を基に、DTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
ユニチャームの子供用の紙おむつ、生理用品の拠点集約化
インドネシア
オーストラリア
拠点集約前
 ジャカルタ近郊に2つの工場を有し、インドネシア向けに紙お
むつや生理用品を生産
• 子ども用の紙おむつ、生理用品供に同国内シェアは50%
(2012年時点)を超えており、急速に伸びている製品への
需要に生産が追いついていない状態
 メルボルン南西部に工場を有し、
オーストラリア向けに紙おむつや生
理用品を生産
 2008年9月、オーストラリアのベビー
用紙おむつ2位のAPPPペアレントと
同子会社6社を完全買収
2013年
拠点集約・
生産能力増強
 インドネシアのジャワ島東部のスラバヤに第3の工場を新設
• 既存の工場と合わせ、生産能力は2倍程度まで高まる見
込み
 東南アジアにおいては、インドネシアとタイを主力供給拠点と
位置づけ
• タイにおいても、2012年度中に生産拠点を2割増強
 (参考)東南アジアに加え、インドにおいても2013年にインドに
第2工場を設置しており、同国需要獲得を狙いとする
 オーストラリアの生産拠点を2013年
に閉鎖
• 製造コスト、工場の老朽化が原
因と発表
• オーストラリアにおける需要はイ
ンドネシア、タイからの輸出で賄
い、物流や販売のコストを削減を
図る
ユニチャームは製造コストなどの観点から、インドネシアを中心とした東南アジアに拠点を集約する構え
246 出所:NNA記事を基に、DTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
生産拠点としてのインドネシアの変化:流通
森永製菓の現地製造拠点設立
拠点集約前
 ハイチュウを世界戦略商品として、ハイチュウを日本の他、中国・台湾で生産し、中国・台湾に
加えてアメリカでも販売
• 海外売上高は数%程度に留まる
• インドネシアにおいては製造・販売拠点を持たない
 2014年、インドネシアを戦略的生産拠点と設定した上で東南アジアへ進出
2014年
合弁会社設立
• インドネシアにおけるブランド力作りのため、キノ・コーポレーション・グループと手を結び、販売網やブラン
ド力を確保
− 2014年度は合弁相手企業のキノのブランド拡大に注力
− 2015年以降は「ハイチュウ」の製造・販売を開始予定
 ハラル食品を中心とした輸出拠点としてする方針
• 中部ジャワ州スマランにおいて、初めてハラル認証を取得した菓子を生産
• 現在の輸出比率は数%であるが、2-3年以内に10%まで高める考え
• ハイチュウについても認証を取得した上で、東南アジア・中東市場へ輸出予定
森永製菓はインドネシアに同社東南アジア初の生産拠点を新設し、将来的な輸出拠点と定めている
247 出所:じゃかるた新聞、NNA記事を基に、DTC作成
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-2 2008年以降の変化に対するインドネシアの視点
 インドネシアの経済・産業構造・通商政策の変化ー全体像
 インドネシアの経済の変化
 インドネシアの産業政策の変化
 インドネシアの通商政策の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済・産業政策・通商政策の変化の全体像
2008年以降のインドネシア経済の変化
トピック
原因となるインドネシアを取り巻く経済・産業実態
エネルギー
補助金の増大
A
国内エネルギー需要拡大
による石油輸入量の拡大
産業政策の
変化
輸入の増大
未熟な国内産業に起因する
国内生産・供給力不足
資源に依存した
輸出力の低下
ASEANとの
経済統合の
の加速
中国のインドネシアからの
資源輸入の拡大
インドネシアの国内需要拡大
による中間財・最終財の
中国からの輸入拡大
経済成長・産業発展に伴う
サプライチェーンの
相互補完性の強化
AECに向けた
ASEANとの貿易円滑化の進展
B
通商政策の
変化
経済協力
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
中国との
貿易相互依存
の進行
国際市況の影響による
資源輸出の不安定化
FTA
経済連携
貿易相手国として
中国が台頭
内需拡大による
(資源中心の)輸出余力の低下
保護主義的措置の強化
国内需要拡大による
中間財・最終財の輸入拡大
経常赤字への
転落
249
原油価格の上昇による
国内価格抑制 ため補填する
国内価格抑制のため補填する
補助金単価の上昇
外国投資促進
双子の赤字
財政赤字の
深刻化
2008年以降のインドネシアの政策変化
国内インフラ整備への
外資呼び込み加速
資源・エネルギー
政策の転換
(石油
(石油依存脱却・国内供給優先)
優先)
重点産業の
高付加価値化/
保護主義強化
保護主義志向の
通商スタンス
協力分野における
中国シフト
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-2 2008年以降の変化に対するインドネシアの視点
 インドネシアの経済・産業構造・通商政策の変化ー全体像
 インドネシアの経済の変化
 インドネシアの産業政策の変化
 インドネシアの通商政策の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
インドネシア経済の変化
2
2008年以降のインドネシア経済の変化
トピック
原因となるインドネシアを取り巻く経済・産業実態
i
a
輸入の増大
経常赤字への
転落
b2
ii
i
内需拡大による
(資源中心の)輸出余力の低下
中国との
貿易相互依存
の進行
中国のインドネシアからの
資源輸入の拡大
ii
インドネシアの国内需要拡大
による中間財・最終財の
中国からの輸入拡大
ASEANとの
経済統合の
の加速
ii
サプライチェーンの
相互補完性の強化
AECに向けた
ASEANとの貿易円滑化の進展
通商政策の
変化
経済協力
i 経済成長・産業発展に伴う
d
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
国際市況の影響による
資源輸出の不安定化
国内インフラ整備への
外資呼び込み加速
資源・エネルギー
政策の転換
(石油
(石油依存脱却・国内供給優先)
優先)
重点産業の
高付加価値化/
保護主義強化
i
C
D
未熟な国内産業に起因する
国内生産・供給力不足
産業政策の
変化
FTA
経済連携
貿易相手国として
中国が台頭
国内エネルギー需要拡大
による石油輸入量の拡大
国内需要拡大による
中間財・最終財の輸入拡大
資源に依存した
輸出力の低下 ii
C
251
ii
i
b1
B
原油価格の上昇による
国内価格抑制 ため補填する
国内価格抑制のため補填する
補助金単価の上昇
保護主義的措置の強化
双子の赤字
エネルギー
補助金の増大
財政赤字の
深刻化
外国投資促進
A
2008年以降のインドネシアの政策変化
保護主義志向の
通商スタンス
協力分野における
中国シフト
A
財政赤字の深刻化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
A
財政赤字の深刻化
インドネシアにおける財政収支の推移
収入
支出
(兆ルピア)
財政収支(収入-支出)
2,000
1,726
1,491
1,500
1,211
1,000
982 986
849
937
1,295
1,502
1,338
995 1,042
500
0
-4
-89
-47
-84
-153
-224
-500
2008
2009
2010
2011
2012
インドネシアでは、2008年以降財政赤字が深刻化している
252 出所:インドネシア中央統計庁データを基に、DTC作成
2013
A
財政赤字の深刻化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
A
a
エネルギー補助金の増大
政府支出におけるエネルギー補助金の推移
補助金をめぐる国内議論の加速
(兆ルピア)
これまでの
取組み・議論
 2013年6月に、5年振りの燃料補助
金の削減を実施
• ガソリンは44%、軽油は22%の
大幅値上げ
• 2011、2012年にも値上げを試み
たが、国民の反対により先送りさ
れた
最近の動向
 2014年8月現在、補助金削減が新
政権の喫緊の課題となるとして、
更なる燃料補助金の削減の検討を
開始
• ジョコ・ウィドド大統領が掲げる、
7%の成長目標の実現には、燃
料補助金の削減
が最優先事項
 2014年10月を目処とした、低価格環
境対応車(LCGC)における、補助金
付燃料の使用禁止を検討
2,000
1,726
1,491
1,500
1,295
1,000
986
1,042
その他
政府支出
937
500
その他補助金
0
223
(23%)
95
(10%)
140
(13%)
2008 2009 2010
300 エネルギー
(17%) 補助金
256
(20%)
306
(21%)
2011
2012 2013
エネルギー補助金は引き続き増大しており、エネルギー補助金の削減策をめぐる議論が加速している
253 出所:インドネシア中央統庁データ、Broomberg記事、NNA記事、産経ビジネス記事を基に、DTC作成
A
財政赤字の深刻化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
A
a
i
補助金単価の上昇
原油価格
ガソリン価格(補助金あり・なし)
インドネシア公式原油価格(ICP)
WTI*
(千ルピア/リットル)
(USD/バレル)
12
140
120
10
100
8
差額
80
6
60
4
40
2
20
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2003
2005
2007
2009
*WTI(ウェスト・テキサス・インターメディエイト):原油価格の指標として使用
原油価格の上昇によって、国内のエネルギー調整価格との差分が拡大し、
エネルギー補助金単価が上昇
254 出所:インドネシアエネルギー鉱物資源省データ、IMFデータを基に、DTC作成
2011
2013
A
財政赤字の深刻化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
インドネシアの経済の変化:
2
A
a
ii
輸入量の拡大
石油消費量推移
石油輸入量、輸入額*
輸入量
(千t)
(千t)*
輸入額
(100万USD)
輸入量
80,000
輸入額
30,000
+5%
30,000
60,000
20,000
20,000
10,000
10,000
40,000
20,000
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
*元データ(バレル)から原油における比重を用いて換算
0
2008
2009
2010
2011
2013
*HSコード上4桁が2710のもの(石油及び歴青油、これらの調製
品並びに廃油、原油は除く)を対象として集計
国内エネルギー需要拡大によって、年々石油輸入量が拡大している
255 出所:BPデータ、インドネシア中央統計庁データを基に、DTC作成
2012
B
経常収支の赤字への転落
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
経常赤字への転落
経常収支・総合収支*1
(100万 USD)
40,000
30,000
資本収支
20,000
総合収支
赤字転落
10,000
0
2004
2005
2006
-10,000
2007
2008
2009
2010
2011
2012
経常収支
赤字転落
2013
総合収支
-20,000
経常収支
-30,000
*総合収支=経常収支+資本収支
インドネシアは、2012年、(アジア通貨危機以来初めて)経常収支、総合収支が赤字に転落した
256 出所:Bank Indonesiaデータを基に、DTC作成
B
経常収支の赤字への転落
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
b1
輸入の増大
インドネシアの対世界貿易収支
(100万 USD)
300,000
輸出
輸入
貿易収支(輸出-輸入)
200,000
100,000
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
*貿易収支は2012年、通関ベースで赤字に転落
インドネシアの貿易収支は、輸出の減少に加え、輸入の増加が継続している
257
出所:UN COMTRADEデータを基にDTC作成
2013
B
経常収支の赤字への転落
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
b1
i
中間財・最終財の輸入拡大
インドネシアの中間財・最終財の輸入の推移
輸出
輸入
(100万 USD)
(100万 USD)
+17%
120,000
全産業合計
のうち中間財*1
80,000
76,741
93,095
108,976
その他
100,000
84,127
83,317
76,028
その他
57,414
60,000
119,504
120,000
96,251
100,000
+27%
ASEAN
中国
40,000
韓国
20,000
日本
0
80,000
57,688
60,000
ASEAN
中国
40,000
韓国
20,000
日本
0
2008
2009
2010
2011
2012
2008
(100万 USD)
2009
2010
50,000
全産業合計
のうち最終財*2
2012
(100万 USD)
+13%
40,000
2011
+21%
43,669
42,388
38,277
36,151
48,001
50,000
46,498
40,000
その他
32,033
30,000
ASEAN
中国
20,000
韓国
10,000
30,000
その他
36,710
28,609
27,119
ASEAN
20,000
中国
韓国
10,000
日本
0
日本
0
2008
2009
2010
2011
2012
2008
2009
2010
2011
2012
国内需要の大幅な拡大に伴い、中間財・最終財の輸入が拡大している
*1、2: 次の産業の中間財・最終財が含まれる:食料品及び関連の 農林水産業、繊維製品、パルプ・紙・木製品及び関連の農林水産業、化学製品、石油・石炭製品及び関連の鉱業、窯業・土石製品及び関連の鉱業、鉄鋼、非鉄金属・金属製
品及び関連の鉱業、一般機械、電気機械。家庭用電気機器。輸送機械。精密機械。玩具・雑貨
258 出所:RIETI-TIDを基にDTC作成
B
経常収支の赤字への転落
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
b1
ii
国内生産・供給力不足
小規模・未成熟な地場裾野産業
裾野産業の現況
JIEPA締結以前の裾野産業の状況
 タイ、マレーシアに比べ、裾野産業の形成が遅延
 依然として地場資本系企業からの現地調達には課題が多い
 日系進出企業以外に、地場資本系の部品供給/
加工サービス企業の形成が欠如
概要
(2004年
JICA調査)
• 特に中小企業の裾野産業企業は極めて限定的
• 「(QCDを満たすことの出来る)現地仕入先が日系を含む89社
であり、タイと比べ約15%の数しかない」(トヨタ、2011年)
概要
 一方、現地調達拡大のため、近年、日系メーカーが現地調達
先の拡大を通じた地場裾野産業育成の方針を発表
• 自動車、電気・電子機器産業へのOEM部品供給
と係わりのない多数の零細金属・プラスチック加
工企業が形成されているが、技術レベル、経営
手法において大きなギャップあり
• 「現地日系企業との取引だけでなく、(品質などの向上のため)
トヨタ生産方式を伝授し、現地企業を育成する」(トヨタ)
原材料・部品の現地調達率拡大に必要なこと
進出日系企業(製造業)による生産面での課題(2013年)
(全製造業、2004年)
(%) 100
(参考)
現地
サプライヤー
に対する
課題感
現地サプライヤー
の品質向上
現地サプライヤー
のコスト削減
(参考)
現地生産・
調達に
対する
課題感
94 87
74
80
60
40
20
58
54
39
39
9
11
9
0
現地サプライヤー
の納期厳守
地場裾野産業は、依然として限定的であり、国内生産・供給拡大の制約となっている
259 出所:JETRO(2004)「在アジア日系製造業の経営実態(ASEAN・インド編)」、JETRO「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」、ニュースリリース等を基にDTC作成
8
4
74
80
9
特になし
その他課題
環境規制の厳格化
物流インフラ未整備
電力不足・
停電
資本財・
中間財輸入への高関税
品質管理の難しさ
短期間での生産品目の切り替え困難
原材料・
部品の現地調達の難しさ
調達コストの上昇
限界に近づきつつあるコスト削減
設備面での生産能力不足
特になし
その他課題
環境規制の厳格化
物流インフラ未整備
電力不足・
停電
資本財・
中間財輸入への高関税
260 出所:JETRO「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」を基にDTC作成
品質管理の難しさ
短期間での生産品目の切り替え困難
原材料・
部品の現地調達の難しさ
調達コストの上昇
限界に近づきつつあるコスト削減
特になし
設備面での生産能力不足
その他課題
環境規制の厳格化
物流インフラ未整備
電力不足・
停電
資本財・
中間財輸入への高関税
品質管理の難しさ
短期間での生産品目の切り替え困難
原材料・
部品の現地調達の難しさ
調達コストの上昇
限界に近づきつつあるコスト削減
設備面での生産能力不足
地場裾野産業は、依然として小規模・未成熟であり、国内生産・供給拡大の制約となっている
4
2
3
11
9
9
39
39
40
8
4
4
3
31
28
5
4
4
3
0
48
48 49
33
36 35
32
34
37
37
40
94
100
58
54
56
60
2013年
2011年
2010年
(%)
国内生産・供給力不足
ii
b1
B
インドネシアの経済の変化:
2
経常収支の赤字への転落
B
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
(参考)インドネシア進出日系企業(製造業)による生産面での課題
87
20
B
経常収支の赤字への転落
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
b1
ii
国内生産・供給力不足
(参考)インドネシア内国投資における内資・外資の内訳
(10億USD)
45
42
40
35
35
30
28
25
67.8%
外国直接投資(FDI)
32.2%
内国投資(DDI)
23
70.7%
20
15
10
15
69.9%
70.9%
72.0%
5
28.0%
29.1%
30.1%
29.3%
2010
2011
2012
0
2009
2013
インドネシア国内における投資は、外国投資がリードしており、国内企業による投資は3割程度
261 出所:BKPM資料
B
経常収支の赤字への転落
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
b2
資源に依存した輸出力の低下
インドネシアからの産業別輸出額の推移
インドネシアの財別輸出額の推移
(10億USD)
(10億USD)
100
78
300
270
258
繊維
3.4% 電気機器
4.2%
200
154
47
53
39
0
2008
鉄鋼・非鉄金属
11.9%
化学
7.2%
205
201
素材
50
鉄鋼・非鉄金属
13.2%
木材・製紙・パルク
13.3%
石油・石炭
69.5%
72
2009
2010
100
77
2011
96
93
鉄鋼・非鉄金属
11.4%
化学
9.9%
木材・製紙・パルク
35.8%
76
57
中間財
2012
50
木材・製紙・パルク
29.5%
石油・石炭
22.4%
0
100
2008
2009
2010
2011
2012
60
44
石油・石炭
35.6%
40
36
最終財
46
38
32
20
0
0
2008
2009
2010
2011
2012
2008
2009
2010
2011
2012
インドネシアの輸出は資源を中心に拡大してきたが、近年は、資源関連の輸出が減少している
262 出所:RIETI-TIDデータを基に、DTC作成
繊維
21.1%
電気機器
11.9%
食品
17.7%
木材・製紙・パルク
12.8%
玩具・雑貨
11.9%
B
経常収支の赤字への転落
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
b2
i
資源の輸出余力の低下
原油・石油製品の輸出入収支の推移
(100万USD)
輸出
20,000
石油製品
石油製品収支
原油
原油収支
原油・石油収支
10,000
0
-10,000
-20,000
-30,000
-40,000
輸入
OPEC脱退
-50,000
2008
2009
2010
2011
2012
*HSコード上4桁が2709、2710をそれぞれ原油、石油製品としてグラフを作成
原油・石油製品の輸入拡大に伴い、年々原油・石油製品に関する貿易赤字が拡大している
263 出所:UN COMTRADEデータを基に、DTC作成
2013
B
経常収支の赤字への転落
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
b2
ii
輸出の不安定化
(参考)インドネシアの主要輸出品目の国際市場における価格変動*
(2008年1月の価格を1.0とする)
2.5
石炭
LNG
パーム油
2.0
原油
天然ゴム
1.5
1.0
0.5
0.0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
*石炭はオーストラリア産、LNGはインドネシア産、パーム油はマレーシア産、原油はWTI(アメリカ西テキサス)産、天然ゴムはシンガポール産の価格を引用
インドネシアの主力輸出品目である石炭、LNG、パーム油、原油、天然ゴムは、国際市況による価格変動幅が大きい
264 出所:IMFデータを基に、DTC作成
B
経常収支の赤字への転落
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
b2
ii
輸出の不安定化
(参考) 国家開発企画庁(Bappenas)「欧州金融危機:インドネシア経済へのインパクト」
(Krisis Keuangan Eropa: Dampak Terhadap Perekonomian Indonesia)
インドネシア政府による同国の輸出構造分析
インドネシア政府
の基本現状認識
 中長期的には米国・欧州の輸出が回復し、中国やインドネシアなど新興国の輸出が減退する
グローバル・リバランシングが予想される
 米国・欧州域内の需要は減退傾向にあるため、輸出国は輸出先の転換(reorientation)を行うこと
が予想され、インドネシアはそのターゲットとなる可能性が高い
 政府は、輸出市場を新たに開拓して多角化させること、国際商品市況に依存しない
輸出構造に転換していくべき
 先進輸出国からの輸入の増大への対抗
 資源依存の輸出構造からの脱却
− 未加工の鉱物等資源の輸出の制限
− 輸出品の高付加価値化
インドネシアの
輸出構造転換の
必要性
(輸出増加すべきとして明記されているもの)
 生活必需品
 コーヒー
 カカオ
 粗製パーム油
 繊維製品
 シューズ
 魚介類・関連加工品
 インドネシアに競争優位性がある製品
 ゴム
 鉄鋼、すず、銅製品
 石炭
 地域生産ネットワークに係わる製品
 電気製品部品
 エンジン部品
欧州危機を受け、「資源依存の輸出構造からの脱却」によって、国際市況に影響されない
輸出構造を実現すべき、との政府認識となっている
265
貿易相手国として
中国の台頭
C
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
B
貿易相手国として中国が台頭
インドネシアの輸出相手国
インドネシアの輸入相手国
(100万USD)
(100万USD)
250,000
250,000
200,788
200,000
200,000
188,496 183,344
179,878 177,328
166,005
158,074
26%
その他
150,000 139,606
23%
100,000
119,646
13%
0
11%
欧州
9%
6%
米国
15%
日本
韓国
21%
2008
127,447
116,690
12%
欧州
100,000
5%
7%
16%
13%
7%
88,714
10%
10%
12%
2009
2010
2011
11%
2012
ASEAN
12%
中国
(22,363)
2013
50,000
韓国
11%
日本
31%
ASEAN
33%
0
13%
(15,334)
2008
16%
16%
16%
16%
2009
2010
2011
2012
輸出・輸入双方において、中国との貿易の取引額・割合が共に増加している
266 出所:Bank Indonesiaデータを基に、DTC作成
米国
6%
13%
20%
20%
9%
(11,944)
その他
150,000
9%
7%
50,000
18%
17%
中国
(29,790)
2013
貿易相手国として
中国の台頭
C
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
C
c
i
中国の資源輸入の拡大
インドネシアの中国向け主要輸出品目*の相互依存状況(まとめ)
中国の輸入元
(中国政府統計ベース)
(100万 USD)
60,000
(100万 USD)
60,000
インドネシアの輸出先
(インドネシア政府統計ベース)
57,689
53,127
47,265
44,800
45,000
48,950
45,499
45,000
39,839
78%
30,512
30,000
64%
65%
68%
その他
30,000
29,450
76%
77%
27,714
その他
80%
18,995
69%
15,292
15,000
70%
内訳データ
なし
74%
36%
35%
31%
0
84%
15,000
30%
26%
2008
2009
32%
(14,357)
インドネシア
0
2010
2011
2012
2013
22%
24%
23%
(11,443)
2011
2012
2013
20%
16%
2008
2009
2010
*インドネシアから中国への輸出金額が上位5品目の石炭、ニッケル鉱石、褐炭、パーム油、天然ゴムの5製品を対象とする
JIEPA締結時と比べ、中国のインドネシアからの資源輸入(インドネシアから中国への輸出)が拡大している
267 出所:UN COMTRADE・各国政府統計データを基に、DTC作成
中国
貿易相手国として
中国の台頭
C
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
C
c
i
中国の資源輸入の拡大
(参考)インドネシアの中国向け主要輸出品目の相互依存状況の推移(1/2)
インドネシアの輸出先
(インドネシア政府統計ベース)
中国の輸入元
(中国政府統計ベース)
(千トン)
(千トン)
400,000
400,000
234,283
石炭
200,000
125,834
164,568 182,054
その他
40,340
0
33%
28%
35%
291,171
266,734
29%
25%
石炭
0
24%
71,240
48,024
50,000
12,298 16,421
24,981
49%
60%
(7,376)
その他
53%
54%
ニッケル
鉱石
58%
インドネシア
(41,052)
8%
24%
23%
24%
中国
17%
64,803
40,792
50,000
0
44%
17,566
82%
62%
(6,594)
89%
48,449
89%
その他
90%
中国
(58,605)
73%
100,000
40,181
50,000
3,286
0
23%
10,592 10,437
100,000
褐炭
その他
100,000
62,441
0
201,104
381,520
234,253
インドネシア
100,000
ニッケル
鉱石
200,000
323,592 347,576
6,051
90%
84%
2008
2009
20,107
86%91%
54,126 60,284
93%
96%
その他
インドネシア
褐炭
50,000
0
2010
2011
2012
2013
268 出所:UN COMTRADE・各国政府統計データを基に、DTC作成
内訳データ
なし
56
673
7,783
95%
42,941
29,964 36,803
95%
93%
91%
2010
2011
100%
2008
2009
2012
2013
その他
中国
貿易相手国として
中国の台頭
C
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
C
c
i
中国の資源輸入の拡大
(参考)インドネシアの中国向け主要輸出品目の相互依存状況の推移(1/2)
インドネシアの輸出先
(インドネシア政府統計ベース)
中国の輸入元
(中国政府統計ベース)
(千トン)
(千トン)
30,000
30,000
20,000
20,000
パーム油
パーム油
10,000
18,845
20,578
16,829 16,292 16,436
14,291
その他
10,000
5,282
6,441
5,696
5,912
6,341
5,979
その他
インドネシア
0
32%
(1,683)
39%
39%
36%
45%
中国
0
41%
(2,427)
3,000
2,101
13%
12%
15%
2,557
2,446
1,681
1,711
2,353
2,296
2,177
1,861
その他
1,000
11%
(2,343)
2,703
1,992
2,000
天然ゴム
その他
天然ゴム
1,000
22%
0
16%
3,000
2,473
2,000
12%
(1,767)
20%
(343)
25%
2008
2009
21%
インドネシア
19%
17%
(417)
2010
2011
269 出所:UN COMTRADEデータを基に、DTC作成
2012
2013
18%
0
14%
(319)
23%
2008
2009
16%
中国
18%
19%
(512)
2010
2011
2012
2013
貿易相手国として
中国の台頭
C
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
C
c
インドネシアの中国からの輸入拡大
ii
インドネシアの、中間財・最終財の中国からの輸入拡大
凡例:
インドネシアの輸出
インドネシアの輸入
素材の流れ
中間財の流れ
インドネシアの財ごとの貿易動向サマリ
 インドネシアからは素材の輸出が拡大
 貿易量は、中国・ASEAN域内との間で倍増
単位:100万USD
韓国
中国
6,115
4,814
523
6,019
12,017
25
ASEAN域内
2008年
日本
 インドネシアは、日中韓・ASEAN域内の
中間財の生産・供給拠点化が進む
 相対的に中国・ASEANとの関係が強化
韓国
中国
6,557
105
5,885
8,715
インドネシア
13,119
韓国
551
ASEAN域内
12,493
1,514
610
6,011
14,043
519
2,094
76
8,461
15,891
ASEAN域内
20,143
38,204
日本
13,930
9,848
14,018
40,203
10,385
中国
韓国
2,141
1,088
11,587
ASEAN域内
10,178
日本
3,972
1,533
6,443
11,068
インドネシア
39,544
29,119
インドネシアの国内需要の拡大に伴い、中間財・最終財の中国からの輸入が拡大している
270 出所:RIETI-TIDを基にDTC作成
4,421
6,863
24,683
インドネシア
17,672
2,750
インドネシア
韓国
12,357
日本
928
ASEAN域内
6,594
28,464
中国
インドネシア
22,020
10,602
韓国
中国
29,563
29,896
日本
6,074
2012年
17,608
 インドネシアは、最終財は主に内需向けで
あり、輸出規模は小規模
 中国・ASEAN域内からの輸入量が拡大
インドネシア
18,367
17,281
日本
5,972
ASEAN域内
16,796
4,515
中国
最終財の流れ
17,370
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
D
ASEAN域内との貿易・投資の拡大
(再掲)インドネシアの輸出相手国
(再掲)インドネシアの輸入相手国
(100万USD)
(100万USD)
250,000
250,000
200,788
200,000
188,496
200,000
183,344
179,878 177,328
166,005
158,074
26%
150,000 139,606
100,000
50,000
0
150,000
119,646
11%
欧州
9%
6%
米国
13%
9%
7%
15%
日本
23%
韓国
127,447
20%
20%
(28,046)
9%
21%
21%
21%
21%
ASEAN
(39,338)
12%
100,000
50,000
中国
0
2009
2010
2011
2012
2013
12%
5%
116,690
13%
7%
33%
(38,018)
88,714
11%
32%
31%
米国
日本
31%
ASEAN
(55,704)
31%
17%
2009
2010
2011
2012
2008年以降、輸出・輸入双方において、ASEANとの貿易割合は横ばいながら、取引額が増加
271 出所:Bank Indonesiaデータを基に、DTC作成
欧州
31%
13%
2008
その他
韓国
16%
13%
20%
2008
18%
その他
2013
中国
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
D
ASEAN域内との貿易・投資の拡大
インドネシアに対するFDIの推移
(100万 USD)
20,000
19,242
15,000
10,000
19,138
18,819
14%
その他
31%
日本
56%
ASEAN
13,771
9,318
51%
4,877
5,000
12%
43%
40%
2011
2012
43%
36%
28%
0
2008
2009
2010
2013
2008年以降、インドネシアに対するASEAN諸国のFDIはその金額・割合共に増加している
272 出所:Bank Indonesiaデータを基に、DTC作成
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
d
ASEANとの経済統合の加速
インドネシアのASEAN域内取引の深化
インドネシアのASEAN域内への輸出
インドネシアのASEAN域内からの輸入
(100万USD)
60,000
(100万USD)
+8%
60,000
55,495 55,704 ブルネイ
52,883
フィリピン
マレーシア
25%
+7%
39,665 40,408 39,338 ブルネイ
40,000
28,046
フィリピン
10%
マレーシア
27%
33,646
7%
25,621
20,000
+9.4%
シンガポール
39%
カンボジア
24%
+2.8%
39,298+12.0%
37,964
21%
27,278
シンガポール
48%
+5.8%
20,000
カンボジア
53%
ラオス
ラオス
48%
ミャンマー
タイ
16% ベトナム
7%
+10.1%
14%
0
2008
40,000
2009
2010
2011
2012
2013
+13.6%
タイ ミャンマー
19%
ベトナム
5%
17%
0
2008
2009
2010
2011
2012
2013
*メコン地域:タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオス
2008年以降、輸出・輸入双方において、従来から貿易額の大きかったマレーシア・シンガポールに加え
メコン地域との取引が成長してきている
273 出所:Bank Indonesiaデータを基に、DTC作成
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
d
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
i 経済・産業発展に伴う域内の相互補完性の強化
ASEAN地域の経済成長・産業発展:ASEANの名目GDP推移(2004-2013年)
(100万USD )
3,000,000
名目GDP(ASEAN)
名目GDPのCAGR(2004~2013):11.6%
※世界平均:7.0%
名目GDP成長率(ASEAN)
2,500,000
30%
名目GDP成長率(世界平均)
25%
2,000,000
20%
1,500,000
15%
1,000,000
10%
500,000
5%
0
0%
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
-5%
-10%
ASEANはこの10年近く、世界平均を大きく上回る高成長を実現
274 出所:IMFよりDTC作成
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
d
i 経済・産業発展に伴う域内の相互補完性の強化
ASEAN地域の経済成長・産業発展:(参考)1人当たりGDPとGDPに占める製造業の割合
GDPに占める
製造業の割合
ID
PH
TH
VN
MM
KH
*カンボジア
35%
ID ‘97
TH’12
30%
TH’97
25%
ID ‘12
MM ‘10
20%
KH ‘03
15%
VN ‘12
PH ‘12
SG
MY
30%
VN ‘97
25%
KH ‘11
SG ‘12
MY ‘12
20%
15%
10%
MM ‘03
10%
5%
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
5%
0
1,000
注:ブルネイ、ラオス経年データなし
2,000
3,000
4,000
5,000
ASEAN各国において、1人当たりGDPが高い国ほど、
GDPに占める製造業の割合が高く、国内産業が発展してきている
275 出所:EIU, JETROよりDTC作成
6,000
一人当たりGDP(USD)
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
d
i 経済・産業発展に伴う域内の相互補完性の強化
サプライチェーンの相互補完性の強化(1/2)
凡例:
インドネシアの輸出
インドネシアの輸入
素材の流れ
中間財の流れ
インドネシアの財ごとの貿易動向サマリ
 インドネシアからは素材の輸出が拡大
 貿易量は、中国・ASEAN域内との間で倍増
単位:100万USD
韓国
中国
6,115
4,814
523
6,019
12,017
25
ASEAN域内
2008年
日本
 インドネシアは、日中韓・ASEAN域内の
中間財の生産・供給拠点化が進む
 相対的に中国・ASEANとの関係が強化
韓国
中国
6,557
105
5,885
8,715
インドネシア
13,119
韓国
551
ASEAN域内
12,493
1,514
610
6,011
14,043
519
2,094
76
8,461
15,891
ASEAN域内
20,143
38,204
日本
13,930
9,848
14,018
40,203
10,385
中国
韓国
2,141
1,088
11,587
ASEAN域内
10,178
日本
3,972
1,533
6,443
11,068
インドネシア
39,544
29,119
経済成長・産業発展に伴ってサプライチェーンの相互補完性が強化してきている
276 出所:RIETI-TIDを基にDTC作成
4,421
6,863
24,683
インドネシア
17,672
2,750
インドネシア
韓国
12,357
日本
928
ASEAN域内
6,594
28,464
中国
インドネシア
22,020
10,602
韓国
中国
29,563
29,896
日本
6,074
2012年
17,608
 インドネシアは、最終財は主に内需向けで
あり、輸出規模は小規模
 中国・ASEAN域内からの輸入量が拡大
インドネシア
18,367
17,281
日本
5,972
ASEAN域内
16,796
4,515
中国
最終財の流れ
17,370
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
d
i 経済・産業発展に伴う域内の相互補完性の強化
サプライチェーンの相互補完性の強化(2/2)
中間財
素材
(100万USD )
最終財
(100万USD )
25,000
(100万USD )
25,000
25,000
+4.6%
インドネシアの
域内輸出額
20,000
15,000
木材・製紙・パルプ
27.6%
15,000
+20.0%
10,000
石油・石炭
86.9%
食料
5.3%
5,000
インドネシア
ASEAN域内
0
2009
インドネシアの位置づけ
2010
2011
インドネシア
5,000
2012
2008
2009
2010
2011
20,000
+11.5%
10,000
5,000
0
2008
2012
70,000
60,000
60,000
50,000
50,000
40,000
40,000
30,000
30,000
20,000
石油・ 20,000
石炭 10,000
58.5%
0
-17.5%
10,000
0
2008
インドネシアの位置づけ
2009
2010
2011
2012
2009
2010
2011
2012
生産・輸出拠点
(100万USD )
70,000
玩具・雑貨
15.0%
食料
23.3%
輸送機器
14.0%
電気機器
16.1%
15,000
資源を中心とした素材・中間財の供給拠点
(100万USD )
ASEAN域内
10,000
0
2008
インドネシアの
域内輸入額
石油・石炭
13.3%
化学
10.4%
鉄鋼・
非鉄金属
18.4%
一般機器
9.6%
電気機器
9.9%
20,000
(100万USD )
70,000
60,000
+11.1%
石油・石炭
33.0% 化学
10.6%
鉄鋼・
非鉄金属
4.5%
一般機器
電気機器
40.5% 3.2%
50,000
40,000
30,000
20,000
一般機器
26.0%
電気機器
11.3%
+12.7%
10,000
0
2008
2009
2010
生産拠点
2011
2012
2008
2009
2010
2011
2012
最終消費地
インドネシアは、鉱物・木材などの資源を中心とした素材・中間財の供給拠点としての位置づけが向上するとともに
中間財輸入が増加し、生産・輸出拠点としての位置づけも向上している
277 出所:RIETI-TIDを基に、DTC作成
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
i 経済・産業発展に伴う域内の相互補完性の強化
d
サプライチェーンの相互補完性の強化:(参考)国別傾向−シンガポール
中間財
素材*
最終財
*: 素材の石油・石炭には、天然ガスも含まれる(RIETI-TDデータ)
(100万USD )
(100万USD )
10,000
(100万USD )
-0.8%
10,000
8,596
インドネシアの
対シンガポール輸出額
8,000
8,000
+41.2%
6,000
5,863
10,000
8,588
7,194
8,310
7,429
8,000
6,368
6,000
6,000
+8.1%
4,624
4,000
インドネシア
シンガポール
2,000
1,604
1,074
1,325
2009
2010
0
0
2008
2011
2012
2008
(100万USD )
2010
2011
4,000
3,383
3,690
3,944
3,047
2,000
電気機器
25.6%
0
2012
2008
2009
2010
2011
2012
(100万USD )
30,000
30,000
+5.2%
22,704
20,000
20,000
18,687
5,863
20,000
16,979
10,000
6,368
石油・石炭
67.6%
インドネシア
1,604
1,074
1,325
2008
2009
2010
22,862
11,898
-100.0%
10,000
シンガポール
2009
(100万USD )
30,000
インドネシアの
対シンガポール輸入額
鉄・鉄鋼・
非鉄金属
16.3%
石油・
石炭
25.1%
4,000
石油・石炭
87.4%
2,000
0
0
2011
2012
2013
+0.4%
10,000
2,820
3,490
2,965
2,904
2,869
2008
2009
2010
2011
2012
0
2008
2009
2010
2011
2012
石油精製能力が低いインドネシアは、天然ガスを含む資源をシンガポールに輸出し、
石油精製能力の高いシンガポールから再度輸入。インドネシアの国内需要の増大に伴い、輸入量は増加傾向
278 出所:RIETI-TID、石油エネルギー技術センター資料を基に、DTC作成
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
d
i 経済・産業発展に伴う域内の相互補完性の強化
サプライチェーンの相互補完性の強化:(参考)国別傾向−タイ
中間財
素材
(100万USD )
インドネシアの
対タイ輸出額
(100万USD )
8,000
8,000
6,000
6,000
6,000
+7.0%
2,000
3,637
4,000
3,056
+18.5%
1,294
タイ
1,250
1,497
2,553
1,565
石油・石炭
96.8%
0
3,382 輸送機械
2,584
化学
15.4%
鉄・鉄鋼・
非鉄金属
30.4%
1,718
2,000
0
2008
インドネシアの
対タイ輸入額
(100万USD )
8,000
4,000
インドネシア
最終財
2009
2010
2011
2012
2008
(100万USD )
(100万USD )
8,000
8,000
2009
2010
+8.8%
2,147
2,000
1,512
813
1,096
輸送機械
31.3%
0
2012
2008
2009
2010
6,052
6,000
+14.9%
4,000
4,054
3,658
4,000
2,690
2,000
輸送機械
16.5%
2,000
+7.7%
インドネシア
136
125
135
217
183
2008
2009
2010
2011
2012
0
2012
8,000
4,145
タイ
2011
6,773
6,000
4,000
2,120
(100万USD )
+16.7%
6,000
2011
4,000
3,192
一般機械
23.3%
2,543
1,798
2,000
輸送機械
49.9%
化学
29.3%
0
4,430
0
2008
2009
2010
2011
2012
2008
2009
2010
2011
2012
インドネシアからタイへの輸出、タイからの輸入のうち、中間財・最終財のいずれも輸送機械の割合が比較的大きく、
自動車産業におけるサプライチェーンの補完性が高い
279 出所:RIETI-TIDを基に、DTC作成
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
d
i 経済・産業発展に伴う域内の相互補完性の強化
サプライチェーンの相互補完性の強化:(参考)国別傾向−マレーシア
中間財
素材*
最終財
*: 素材の石油・石炭には、天然ガスも含まれる(RIETI-TDデータ)
(100万USD )
(100万USD )
8,000
(100万USD )
8,000
8,000
+12.5%
7,027
インドネシアの
対マレーシア輸出額
6,000
-0.7%
4,000
4,000
2,359
2,000
鉄・鉄鋼・
4,000
非鉄金属
16.8%
3,657
2,000
マレーシア
パルプ・紙・木材
52.5%
石油・石炭
79.3%
0
0
2008
2009
2010
2011
2009
2010
2011
10,000
8,000
8,000
+9.1%
9,067
4,000
1,434
1,575
1,330
0
2008
2009
2010
2009
1,542
食品
33.9%
2010
2011
2012
1,800
2,083
10,000
4,000
3,241
石油・石炭
56.5%
2011
2,000
1,023 石油・石炭
78.4%
0
2012
2,000
+17.5%
1,094
1,117
1,451
2008
2009
2010
一般機械
37.5%
0
2008
2009
2010
2011
2012
2011
インドネシアからマレーシアへは、紙・パルプなどの輸出が多く、食品輸出も小規模ながら増加傾向。
マレーシアからの輸入は、石油関連製品や一般機械が増加している
280 出所:RIETI-TIDを基に、DTC作成
1,639
6,000
2,560
2,000
2008
1,277
4,637
-8.1%
インドネシア
936
8,000
6,988
6,000
4,000
マレーシア
944
(100万USD )
6,395
6,000
2,000
2012
(100万USD )
10,000
+14.8%
0
2008
2012
(100万USD )
インドネシアの
対マレーシア輸入額
3,748
2,348
1,916
6,000
5,472
2,840
2,419
インドネシア
6,008
6,000
2012
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
d
i 経済・産業発展に伴う域内の相互補完性の強化
サプライチェーンの相互補完性の強化:(参考)国別傾向−ベトナム*
中間財
素材
*: 2009年は、データ欠損
(100万USD )
最終財
(100万USD )
(100万USD )
2,000
2,000
2,000
+1.9%
1,596
インドネシアの
対ベトナム輸出額
1,500
1,500
+17.6%
500
ベトナム
85
0
2008
0
2009
87
2010
2011
162 石油・石炭
85.9%
0
2008
1,000
+21.3%
616
469
500
2010
2011
2012
(100万USD )
食品
48.3%
0
0
2009
465
284
パルプ・紙・木材
32.0%
0
2012
(100万USD )
インドネシアの
対ベトナム輸入額
鉄・鉄鋼・
非鉄金属
15.5%
化学
20.8%
500
180
1,500
1,346
1,000
1,000
インドネシア
1,462
1,354
2008
2009
2010
2011
+65.3%
1,443
2012
(100万USD )
2,000
2,000
2,000
1,500
1,500
1,500
1,000
1,000
1,329
1,099
+33.7%
1,000
779
ベトナム
インドネシア
-5.3%
500
196
214
62
500
151
0
2008
2009
2010
2011
157 石油・石炭
9.8%
2012
344
繊維
14.1%
鉄・鉄鋼・非鉄金属
31.9%
250
0
2008
2009
2010
2011
2012
500
178
190
2008
2009
食品
47.5%
0
インドネシアからベトナムへは、素材・中間財では、資源関連製品や食品の輸出が増加。
ベトナムからは、鉄鋼を中心とした資源加工製品のほか、繊維や食品の輸入が拡大
281 出所:RIETI-TIDを基に、DTC作成
一般機械
11.4%
557
523
2010
2011
2012
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの経済の変化: D
d
i 経済・産業発展に伴う域内の相互補完性の強化
サプライチェーンの相互補完性の強化:(参考)国別傾向−フィリピン
中間財
素材
*: 2009年は、データ欠損
(100万USD )
最終財
(100万USD )
(100万USD )
+15.0%
1,200
インドネシアの
対フィリピン輸出額
1,200
+13.9%
1,000
792
800
805
1,200
1,051
1,040
941
鉄・鉄鋼・1,000
非鉄金属
800
18.3%
879
600
石油・石炭
76.4%
400
200
0
2010
2011
2009
2010
2011
2012
2008
50
38
72
94
49
0
2008
2009
2010
2011
2012
2011
2012
1,500
1,000
479
300
402
484
+11.3%
393
500
電気機器
26.3%
0
227
206
233
259
2008
2009
2010
2011
348
食品
20.3%
0
2008
2009
2010
2011
2012
対フィリピンの貿易規模は大きくないものの、輸出は高い成長率で拡大
特に最終財では、自動車(特に二輪)関連の輸出が増加
282 出所:RIETI-TIDを基に、DTC作成
2010
2,000
-4.8%
500
2009
(100万USD )
1,000
-0.3%
輸送機械
47.8%
0
2008
1,500
500
498
200
化学
28.3%
2,000
1,500
470
400
(100万USD )
1,000
インドネシア
パルプ・紙・木材
19.7%
400
2012
2,000
フィリピン
600
514
0
2009
(100万USD )
インドネシアの
対フィリピン輸入額
693
614
200
2008
+20.3%
625
600
インドネシア
986
1,000
800
618
フィリピン
899
2012
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
D
d
ii
ASEANとの貿易円滑化の進展
AECに向けたASEANとの貿易円滑化の進展
ASEAN統合におけるドライバー



ASEAN共同体構想
グローバルマネーが中国/インドへ流れたことによる両国の急
激な経済成長・軍事力の強化、そして両国からの対ASEAN投
資が大幅に増加
中国・インドによるASEAN諸国の経済支配、また拡大する軍
事力に対し安全保障上の観点から、ASEAN諸国での危機感
が醸成
上記の理由から、ASEAN諸国間には、政治的スタンス、経済
レベル、文化の違いなどの利害対立が存在するが、中国とイ
ンドの脅威に対し統合することで対等することを選択

ASEAN共同体を通じての地域統合は1997年に決定され、
2015年末における統合完了を目指している

ASEAN共同体は以下三つの柱で構成されている
• ASEAN政治安全保障共同体(APSC)
• ASEAN経済共同体(AEC)
• ASEAN社会文化共同体(ASCC)
ASEAN共同体
経済成長
軍事力強化
中国・インドの
脅威
ASEANにおける
利害衝突
経済格差
文化相違
政治
スタンス
ASEAN
政治安全保障
共同体
(APSC)
ASEAN
経済共同体
(AEC)
ASEANはテーマごとに共同体を形成し2015年末までに地域統合の実現を目指す。
地域経済共同圏の実現を目指すAECが共同体構想の中核
283
ASEAN
社会文化
共同体
(ASCC)
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
インドネシアの経済の変化:
2
D
d
ii
ASEANとの貿易円滑化の進展
AECに向けたASEANとの貿易円滑化の進展:AECブループリント
AEC Pillar I
AEC Pillar II
AEC Pillar III
AEC Pillar IV
単一市場と生産基地
競争力ある経済地域
均等な経済発展
グローバル経済への統合
(Single Market and Production Base)
(Competitive Economic Region)
(Equitable Economic Development)
(Integration into the Global Economy)
① 物品の自由な移動
‒ 関税/非関税障壁の排除
‒ 原産地規則/税関手続の改善
② サービスの自由な移動
‒ 越境サービス提供の自由化
③ 投資の自由な移動
‒ 投資要件の緩和
④ 資本の自由な移動
‒ ASEAN共通為替市場の創出
⑤ 熟練工の自由な移動
‒ 熟練労働者ビザ取得の容易化
⑥ 優先統合分野
‒ 12の重点業界の統合加速
⑦ 食料・農業・林業
① 競争政策
‒ 反トラスト政策の実施
② 消費者保護
‒ 消費者保護の
地域ネットワークの確立
③ 知的財産権
分野別の課題解決を実施
‒ 中小企業の資金調達(融資確保)の
しやすい環境整備
② ASEAN統合イニシアティブ
‒ 不平等を減らす為に途上国の成長
を支える
① 外部経済地域に対する
一貫したアプローチ
‒ ASEAN外との貿易自由化(FTA)の
推進
② グローバルサプライ
ネットワークへの参入強化
‒ 生産・供給の
ベストプラクティスの採用
‒ 模倣品対策の強化
④ インフラ開発
‒ 輸送、エネルギー
インフラの改善
⑤ 税制
‒ 二国間の二重課税への同意
⑥ E-Commerce
‒ 地域における
電子商取引スキームの確立
優先統合分野
関税撤廃の優先実施や
① 中小企業開発
i.
ii.
iii.
iv.
v.
vi.
農業産品
航空旅行業
自動車
e-ASEAN (ICT)
エレクトロニクス
漁業
調整国
ミャンマー
タイ
インドネシア
シンガポール
フィリピン
ミャンマー
vii.
viii.
ix.
x.
xi.
xii.
優先統合分野
保健医療
物流
ゴム製品
繊維・アパレル
観光
木材産品
調整国
シンガポール
ベトナム
マレーシア
マレーシア
タイ
インドネシア
AECを実現する為に全分野(4領域17行動目標)を対象とする統合対象分野を定め、取組みを推進
AECに向けてASEAN域内との貿易円滑化が進展していく見通し
284
出所:AECブループリント
D
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの経済の変化:
D
d
ii
ASEAN域内との
貿易・投資の拡大
ASEANとの貿易円滑化の進展
(参考)ASEAN諸国における規制・標準のハーモナイゼーションに向けた検討枠組み
ASEAN 経済大臣会合
ASEAN高級実務者会合(SEOM)
• 国際規格を活かした標準のハーモナイ
ゼーションの推進
ASEAN・相互承認協定に関する事項
• 共通の適合性評価制度の構築
ASEAN品質標準諮問委員会(ACCSQ)
• 技術協力の仕組みの構築
• 加盟国規制機関への助言 等
WG1
標準とMRA
WG2
認証と
適合性評価
WG3
法的手法
JSC EE MRA
電気電子機器
のMRA
ACC
化粧品
PPWG
医薬品
PFPWG
調理済食品
•
WBPWG
木製品
RBPWG
ゴム製品
MDPWG
医療機器
出所:「Overview of the Global harmonization Task Force for Medical Device Regulation and Related Initiatives」
285 (Institute of medicine Washington, D,C;2011)等に基づきDTC作成
•
APWG
自動車製品
TMHSPWG
伝統医薬品・
健康補助製品
薬事承認用共通申請書式(CSDT)検討
• 医療機器の統一システムの採用
欠陥品・安全性のある医療機器に対する
市販後警告システムの構築
• 国際整合性の確保等
•
(AHWPと協働)
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-2 2008年以降の変化に対するインドネシアの視点
 インドネシアの経済・産業構造・通商政策の変化ー全体像
 インドネシアの経済の変化
 インドネシアの産業政策の変化
 インドネシアの通商政策の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
PPPによる民間投資を活用したインフラ整備推進のための制度整備
政府支援の内容(詳細)
PPP活用のための法令整備
PPP事業の
実現のため
制度改革を
相次ぎ実施
資金調達
 PPP事業における民間企業のリスク低減の
ため、建設用地の提供など政府支援を強化
1• 政府側が用地取得を実施するとともに、
2• 投資コストの政府財政支援を行うこと
などを規定(修正大統領令2010年第13号)
3• 政府保証制度の整備の一貫として、インフラ
保証基金(IIGF)、融資機関である国営インフラ
投資会社(PT.SMI)を設立
建設
政策リスク保証・
投融資
2010年∼
土地収用
建設コスト補助
2005年第67号)
PPPを法令
• 政府・国営企業のみを想定して作られていた
で初規定
鉄道、港湾、空港等の分野の各事業法を改正
するものの
事業は未実現  法制度整備に係わらず、第一次ユドヨノ政権
(2004-2009年)では具体的なPPP事業は実
現せず
土地取得・
収用支援
JIEPA締結前後
 PPPの大枠を初めて法令で規定し、民間企業
の参入を想定して関連法令を改正(大統領令

1 インフラ開発のボトルネックとなっていた実効性
の乏しい土地収用の法令を改正し、用地取得の
手続きを明確化
•
メリット
土地収用の手続き・期間の明確化
- 「土地所有者と事業主体との合意形成期間が最長400日
から583日に長期化したが、手続きの明確化は前進」
(経営者協会(APINDO))
2 税制優遇あるいは補助金の形態によるPPP案件

の建設コストに対する政府支援の提供
• Viability Gap Funding(VGF)を設立し財政支援
• 1,000USのコストを要する投資案件が対象
- (参考) VGFは建設コストへの支援のため、運営費用
(OPEX)に対する支援の拡充要望あり
3 税制優遇あるいは補助金の形態によるPPP案件

の建設コストに対する政府支援の提供
• インフラ保証基金(IIGF)によって政府契約機関
の契約履行違反への保証を提供
• PT.SMIは、PPT事業への投融資サービスを提供
政府は、財政逼迫を背景として、民間投資を活用し、インフラ整備を推進していく方針。
2010年以降、相次いで支援策を拡充し、PPP実施のための制度を整備
287 出所:JICA資料、JETRO資料、インドネシア財務省資料等を基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
インフラ整備における外国投資の促進
国家中期計画
(RPJMN、2010-2014)
におけるPPPの
位置づけ
 優先分野の一部として「インフラ」、「投資・ビジネス環境」を設定
 国家開発を進め、インフラを充実させるためには、内国投資のみならず、外国投資を拡大すべき
 国家開発の資金調達には、政官財の各アクターの関与を拡大すべきであり、PPPを活用すべき
• PPPの関連法制度を整備すべき
• PPP関連機関の機能強化を図るべき
世界からのインドネシア直接投資
(100万USD)
19,241
20,000
19,138
18,817
インドネシアのPPI*投資金額推移
(100万USD)
20,000
*Private Participation in Infrastructure :
民間参加のインフラ開発プロジェクト
Energy
外国直接投資
及び
インフラ開発
における
民間参入実績
Telecom
15,000
13,771
15,000
Transport
Water and sewerage
10,000
9,318
8,336
10,000
6,928
4,914
5,000
4,877
5,079
5,000
1,896
1,220 1,570
2,530
5,761
3,545
3,408
2,053
1,865
0
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
政府は、財政逼迫を背景として、民間投資を活用し、インフラ整備を推進していく方針。
2010年以降、相次いで支援策を拡充し、PPP実施のための制度を整備
288 出所: インドネシア国家中期計画、World Bank and PPIAF, PPI Project Databaseを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
2
インドネシアにおける投資案件(例)
インドネシアにおけるPPP案件事例
セクター
上水道
政府契約機関
申請企業名
• 水道公社(PDAM) • バンダルランプン市・ウンブランの案件をはじめ、
複数の案件がP/Q段階
または
•
西スマランなど、P/Q段階直前の案件も存在
• 地方政府
•
電力
• PT PLN
•
•
電力
(地熱)
• 地方政府(事業許
可)
•
• PT PLN(PPA)
• 公共事業省道路
有料道路
総局有料道路管
理庁(BPJT)
空港
• 運輸省下の航空
総局
港湾
• 運輸省下の港湾
総局
• Port Authority
•
•
•
•
•
•
•
鉄道
• 運輸省鉄道総局
(都市間鉄道)
•
• 州政府(州内鉄道)
中部ジャワ石炭火力発電事業において民間事業
者が選定され、PPAと保証契約が締結
南スマトラ山元石炭火力発電事業9 号10 号の案
件はP/Q を発行
試掘前での事業許可の入札が進められてきたが、
一部の例外を除き、試掘は進められていない
地熱ファンドを利用したPPP パイロットプロジェクト
を開始予定
複数のPPP 案件のパイプラインが存在
BOT 案件が多数融資契約締結に至らず停滞
クルタジャティ空港がPPP 案件として検討中
スカルノハッタ国際空港の拡張等で
SOE(PTAngkasa Pura2)が実施
タンジュン・プリオク港北カリバル地区拡張計画が
PPP で検討されたものの、SOE(PT Pelindo 2)と
の随意契約となった
チラマヤ港については、ODA とPPP の組み合わ
せも検討中
空港連絡線(既存のタンゲラン線利用)が検討され
たものの、SOE(PTKAI)が実施
中央カリマンタン石炭輸送鉄道は、PPP 案件とし
て検討され、P/Q が完了
日系企業のインフラ開発関与例
種別
企業名
案件概要
•
• 三井住友建設 •
• 八千代エンジ
ニヤリング
• 間組
•
•
タンジュンブリオク港緊急リハビリ事
業(2011年)
•
•
クラマサン火力発電所拡張事業
現地企業(PT.WASKITA KARYA、
PT. JAYA KONSTRUKSI
MANGGALA PRATAMA TBK)と共
同実施(2011年)
ジャワ幹線鉄道電化・複々線化事業
(I)(2012年)
円借款 • 東洋建設
• 鹿島建設
(フェーズI)
• 大林組
(フェーズII)
• 三菱重工
• 三井住友建設
無償
協力
•
• オリエンタルコンサル • マラッカ海峡及びシンガポール海峡
船舶航行安全システム計画
タンツ、日本航
(2011年)
路標識協会
•
PPP
タンジュンプリオク港アクセス道路建
設事業
現地企業HUTAMA KARYAと共同実
施(2010年)
プルイット排水機場緊急改修計画
(詳細設計)(2010年)
• Jパワー
• 伊藤忠商事
•
高効率石炭火力IPP事業で現地企業
Adaro Energy TBkと組み受注(2011
年)
石炭火力発電所2基を建設、操業か
ら発電事業まで一括実施
日系企業は、ODAから現地政府系機関とのPPP方式による契約まで、幅広くインフラ開発に関与
出所:インドネシア共和国PPPハンドブック、JICA、各社プレスリリース、PPP Infrastructure Projects Plan in Indonesia 2013, Ministry of National Development Planning等を基にDTC作成
289
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
MP3I(経済開発迅速化・拡大マスタープラン)による投資の拡大(1/3)
MP3Iの概要
(2011年5月制定)
 世界経済トップ10の高所得国入りを目指し、インドネシア政府が発表した経済開発のマスタープラン
• 2025年までに名目GDPの4.0-4.5兆ドルまでの引上げを目指す
• 2011年から2025年までの各種プロジェクトにおいて、約4,000兆インドネシアルピア(約43.5兆円)を投資額として投入
 6つの経済回廊(スマトラ、ジャワ、カリマンタン、スラウェシ、バリ-ヌサ・トゥンガラ、パプア-マルク)に沿って、
8つの重点分野に基づき、22の主要な経済活動を発展させることが目標
経済回廊に沿ったインフラ整備・産業育成
6つの経済回廊の開発
•
経済発展の手段として、6つの経済回廊を定義し、
各回廊について開発テーマを設定
開発の重点
(8分野)
•
農業、鉱業、エネルギー、工業、海運、
観光、通信、戦略的地域の発展
スラウェシ
カリマンタン
目標の詳細
パプア−マルク
4
3
1
スマトラ
2
ジャワ
輸送機械 ICT
Sunda
海峡戦略地域
6
5
開発の重点
の達成に向け
充実すべき
22の主要な
経済活動分野
物流
繊維
食品・飲料
鉄鋼
Jabodetab地域
防衛機材
農業・食品
パーム油
観光地
ゴム
漁業
ボーキサイト
バリ−ヌサ・トゥンガラ
カカオ
畜産
銅
ニッケル
木材
鉄鋼 石油・ガス
6つの経済回廊に沿ってインフラ整備・産業育成が行われ、総額4,000兆ルピアが投じられる見込み
290
出所:MASTERPLAN, Acceleration and expansion of indonesia economic development 2011-2025、JICA資料を基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
2
MP3I(経済開発迅速化・拡大マスタープラン)による投資の拡大(2/3)
(兆ルピア)
5,000
総投資額の経済回廊別内訳
4,000
3,000
4,013
インフラ投資
44.5%
2,000
1,000
1,290
産業振興
55.5%
714
58.0%
42.0%
0
1
合計
全体に占める割合
開発テーマ
スマトラ
18%
天然資源の生産・加工
/エネルギー
66.4%
33.6%
2
ジャワ
32%
産業・サービス
供給の推進者
945
17.7%
82.3%
309
64.1%
3 カリマンタン
24%
35.9%
133
49.6%
4 スラウェシ 5
パリ-ヌサ・
トゥンガラ
8%
3%
50.4%
622
27.5%
72.5%
6 パプア-マルク
15%
鉱業の生産・加工/エ 農業・漁業、石油・ガス、 観光業、国内食糧支援 食料、漁業、エネル
ネルギー
鉱業の生産・加工
のゲートウェイ
ギー、鉱業
各回廊について開発テーマを定め、予算を配分。産業・サービス業を牽引するジャワ島に厚く予算を配分
291
出所:MASTERPLAN, Acceleration and expansion of indonesia economic development 2011-2025、JICA資料を基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
2
MP3I(経済開発迅速化・拡大マスタープラン)による投資の拡大(3/3)
4,013
(兆ルピア)
4,500
3,500
3,000
2,500
2,000
MIX
21.0%
SOE
18.0%
政府
10.0%
1,500
1,000
1,800
1,786
4,013
インフラ投資の内訳
総投資額の投資主体別内訳
4,000
(兆ルピア)
産業振興
55.5%
インフラ投資
44.5%
総投資額
339
1,600
1,400
117
1,200
1,000
681
800
32
600
326
400
民間
51.0%
18
200
242
500
合計 道路 港湾 電力 航空 鉄道 水道 ICT
0
投資主体別
投資に占める割合
19%
7%
38%
2%
18%
1%
投資主体別では、過半が民間資本の呼び込みを期待。PPPなど官民連携によるものが21%。
また、インフラ投資では、電力、道路、鉄道など課題の大きいところから重点配分
292
31
0
出所:MASTERPLAN, Acceleration and expansion of indonesia economic development 2011-2025、JICA資料を基にDTC作成
14%
その
他
2%
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
MPA(ジャカルタ首都圏投資促進特別地域)構想によるインフラ投資の拡大
事業内容
MPAの概要
位置づけ
計画概要
 MP3EIを後押しするため、インドネシア・日本
が共同で推進する総合インフラ開発推進政策
事業内容
• 産業、人口、企業活動が集中し、投資誘致の潜在力の
高いジャカルタ首都圏をMP3EIにおけるジャワ、スマト
ラ経済回廊のハブ及び結節点として位置づけ
 ジャカルタ首都圏の港湾、道路、空港、工業団
地、都市高速鉄道(MRT)、水道、排水処理な
どを計画
都市環境
開発
• 特にチラマヤ新港や首都高速鉄道(MRT)の建設プロ
ジェクトは、早期実施案件とされ、優先的に着手
 2020年までに約440兆ルピア規模の資金が必
要であり、うち約125兆ルピアは、外国援助に
よる資金協力に期待
Jabode
tabek
地域開発
• 日本政府は、ODA活用を積極的に検討
予算方針
 総予算:441 ,200 BIL IDR
都市環境開発
30%
27%
27%
16%
Jabodetabek
地域開発
マルチゲートウェイ
低酸素社会
都市高速鉄道(MRT)を中核とした新都市交通システ
ム
2/5
都市内および周辺道路網の整備
1/3
都市再開発の推進
0/1
上水および下水の改善
1/4
廃棄物処理
1/2
洪水管理
1/3
新港湾・新空港周辺地域の開発
0/2
アカデミック・リサーチ・クラスター
0/1
新しいサブ成長回廊内の道路および鉄道網の整備
2/5
新しいサブ成長回廊内の道路および鉄道網の整備
0/1
ジャカルタ首都圏第二港湾(チラマヤ新港)の開発
1/3
ジャカルタ港の改善(タンジュンプリオク地区・北カリバ
マルチ
ゲートウェ ル地区開発など)
新国際空港の開発
イ
低酸素
社会
既着手
/合計
PJT数
1/2
0/1
スカルノ・ハッタ空港の改善
2/2
低炭素型電力の開発
6/8
スマートグリッドの開発
1/2
※太字は既に、着手済みのインフラ関連PJT
インドネシア政府は日本と共同でMPA構想を立ち上げ、ODA・外国投資をはじめとする
外国資金の活用を視野に入れ、インフラ開発を加速
293 出所:JICAデータを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
(参考)MPAにおける取組み具体例:
インドネシアにおける電力需給緩和型ソリューションに関する事業性調査(2013年)
概要
• 「ジャカルタ首都圏投資促進特別地域(MPA: Metropolitan Priority Area)」構想に関する協力覚書をベースにした産学官
共同プロジェクトとして、経産省からの委託を受けた東芝が実施
• バンドン市において深刻化する交通渋滞や自動車の排気ガス、電力不足などの問題が深刻化に対応するため、
• 架線レス次世代型路面電車等の電力需給緩和型都市交通システム
• CEMSによる公共施設などのビル群を対象にしたエネルギー最適化ソリューション
を提案。交通量や電力事情の調査を実施
• 電力マネジメントシステムの一環として、将来的な電気自動車・バスの導入の可能性調査も実施している
都市交通における電力・情報通信マネージメントのコンセプト
294 出所:東芝プレスリリース
スマートコミュニティ向けエネルギー最適化ソリューションの例
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
工業団地整備への政府関与の拡大
工業団地関連の政策動向
 工業団地の約9割が民間企業によって開発・
運営され、特段の法規制なし
位置づけ
• 従前、工業用地の提供など工業団地整備に
ほとんど政府の関与なし
目的
民間企業
主導の
開発・運営
新産業法の概要
外資製造業  2009年から全ての製造業外国企業は工業団
への
地に入居することが義務付け(ただし例外あり)
工業団地
• 義務付けの目的は、電力などを含めたワンス
入居義務化
トップサービス提供の確保、環境保護など
 20年間の長期マスタープランである国家産業開
発計画(RIPIN)の法的根拠
 新産業法は、基本方針を打ち出し、詳細は、今後
定める17-19の政令、大統領令、大臣令で具体化
される予定
 天然資源の付加価値を高めるため、国内
加工産業の発展を進める(第31条)
 工業団地開発を進める(第63条)
主な内容
工業団地  新産業法によって、インフラ整備を中心に
工業団地開発を推進すべき旨を規定
開発への
政府関与の
• 遠隔島嶼部を含め、工業団地及び関連インフラ
拡大
の建設における政府の役割を拡大
 国内市場を保護し産業競争力を高めるとともに、
政府の役割強化を目指し、改正・制定(2014年1月)
• インフラなど工業団地における工業成長センターとなる
産業の効率的・効果的支援
• 指定エリアにおいて工業団地を設置
• 政府、民間企業、国営企業が協力して開発すべき
• 政府が工業団地建設をリードすべき
 戦略産業を育成する(第84条)
 各閣僚の勧告により、産業保護措置を決定す
る(第97条)
 世界経済の影響に対し、あらゆる産業保護が
可能(第100条)
本年1月の新産業法によって、工業団地整備に対する政府の関与が拡大が明確化。
政府リードの下、工業団地・工業団地関連インフラの開発が進展する見込み
295 出所:JETRO資料、GRIPS開発フォーラム資料、新産業法原文に基づきDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
(参考)インドネシアにおける工業団地(1/2)
 スマトラ
• Medan Industrial Estate
• Pulahan Seruai Industrial Estate
• Medan Star Industrial Estate
• Kawasan Industri Dumai
• Padang Industrial Park
 バタム島
• Kabil Industrial Estate
• Batamindo Industrial Park (BATAMINDO)
• Bintang Industri II
• Spinindo Mitradaya Batam Industrial Estate
• Batamasia Industrial Park
• Kawasan Bintang Industri II
•
•
•
•
•
•
Panbi Industrial Estate
Puri Industrial Park 2000
Tunas Industrial Estate
Kawasan Industri Hijrah
Union Industrial Park
Kawasan Industri Bintan
スラウェシ
 バンテン州
• CCM Balaraja Industrial Estate
• Kawasan Industri &
Pergudangan Cikupamas
• Millennium Industrial Estate
• Soewana Integrated Business
Park
• Taman Tekno BSD
• Kawasan Industri Terpadu
MGM Cikande
 東ジャワ州
• Ngoro Industrial Park
• Gresik Industrial
Estate
• Surabaya Industrial
Estate Rungkut
• PIER
マルク
ジャカルタ
 ジャカルタ首都特別州
• Jakarta Industrial Estate
Pulogadung
• Cakung Bonded Zone
• Tanjung Prioku Bonded
Zone
• Marunda Bonded Zone
• Marunda Bonded Zone
• Cilandak Commercial Estate
スラバヤ
スマトラ
ジャワ
 西ジャワ州
• Krakatau Industrial Estate-Cilegon
• Pasar Kemis Industrial Estate
• Modern Cikande Industrial Estate
• Jababeka Industrial Park
• MM2100 Industrial Town
• Bekasi International Industrial
Estate(BIIE)
• Bekasi International Industrial Estate
• East Jakarta Industrial Park (EJIP)
• Karawang International Industrial City
• Suryacipta City of Industry
• Bukit Indah Industrial Park
•
•
•
•
•
•
•
•
•
小スンダ
Cirebon Industrial Estate
Cibinong Center Industrial Estate
Greenland International Industrial
Center
Kawsan Industri Gobel
Kawasan Industri Jababeka Cikarang
& Cilegon
Lippo Cikarang Industrial Park
Patria Manunggal Java Industrial
Estate
Marunda Center
Kawasan Industri Indotaisei Kota
パプア
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
Bukit Indah
Kawasan Industri Kujang Cikampek
Kawasan Indusri KIIC
Kawasan Industri Mandalapratama
Permai
Kawasan Industri Mitrakarawang
Kawasan Industri Daya Kencanasia
Kota Bukit Indah Industrial City
Kawasan Industri Lion
Kawasan Industri Sentul
Cibinong Centre Industrial Estate
Kawasan Industri Kujang Cikampek
 中部ジャワ州
• Ngoro Industrial Park
• Cilacap Industrial Estate
• Turboyo Industrial Estate
• Tanjung Emas Export
Processing Zone
• Guna Mekar Industrial
Estate
• Kawasan Industri Tugu
Wijayakusuma
• Kawasan Industri Candi
• Taman Industri BSB
• Kawasan Industri Terovo
• Lik Bugangan Baru
Semarang
工業団地は、特にジャカルタ東部(西ジャワ州)に多数立地。シンガポールに近いバタム島にも多い
296 出所:白地図、日アセアン資料データ、JETRO資料を基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
(参考)インドネシアにおける工業団地(2/2)
ジャカルタ首都特別州・西ジャワ州の工業団地の現況
工業団地内
工業団地外
工業団地外
 ジャカルタ市の交通渋滞が深刻/高い交通事故発生率
 港湾キャパシティが限界(タンジュンプリオク港)
 工業用水の大量汲みあげによる地盤沈下
東ジャワ州では、スラバヤ市郊外のPIER工業団地が、州政府
より日系企業指定を受けており、日系企業が多数入居
 進出企業数の大幅増加に伴い、空きスペースの減少
が加速(2014年)
•
工業団地における課題
工業団地内
工業団地における課題
 工業団地の用地価格が高騰
 中小企業にとって適した小規模の用地が工業団地内に
なし/レンタル工場も限定的
• (例)ミトラ・カラワン工業団地(豊田通商)で20社程度レン
タル工場を募集した際、開始後すぐに入居枠が埋まった
 電力需給が逼迫し、周波数・電圧も不安定。ガスも不足
 日系商社の開発による細やかな対応を期待
できる工業団地はなし
 日系企業の進出は製造業が最多で、東ジャワ約
31社、中部ジャワ約10社(2012年)
•
空き
状況
空き
状況
 進出企業数の大幅増加に伴い、ジャカルタ至近の工業団
地には既に空きなし
 ジャカルタ地区の労働コスト上昇に伴う移転先として注目
され、インドネシア企業が移転をリード。工業団地は少数
日系企業の
動向
日系企業
の動向
 MM2100工業団地に日系企業が最も多く(約117社)、
東ジャカルタ工業団地(同75社)、ジャバベカ工業団地、
カラワン工業団地など
 日系企業の進出は、製造業が最多であり、特にジャカル
タ首都特別州・西ジャワ州に集中。合計約327社(2012年)
概要
概要
 インドネシアの産業の中心であり、工業団地が集中。
特にジャカルタ・チカベック高速道路沿いに多数立地
東ジャワ州・中部ジャワ州(一部)の工業団地の現況*
拡張計画があるが、需要に追いついていない状況
 工業団地の用地価格が徐々に高騰
 コンサルタント会社を含め、日系企業の進出をサポートす
る企業がごくわずか
• 東ジャワ州では、レンタルオフィスが何社かオープンしたと
ころであり、充実が課題
 電力は、一部で不測かつ突発的事故等により遮断される
ことがあり
 工業団地と港湾を結ぶ幹線道路の渋滞が加速
 地方都市の場合は、道路が未舗装・未整備
 地場産業が極端に少ない
ジャワ島における工業団地内においても、電力需給リスクなどのインフラ面の課題が存在。
工業団地を取り巻く課題としては、港湾へのアクセス等、物流に関する課題が顕著
297 出所:JBIC「インドネシアの投資環境」、JETRO資料等に基づきDTC作成
*:JETROによる「インドネシア東ジャワ州・中ジャワ州の工業団地」に拠る
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:国内インフラ整備への外資呼び込み加速
(参考)新産業法に基づく国家産業開発計画(RIPIN)の概要と策定見通し
RIPINの概要
位置づけ
 将来20年(2015-2035年)にわたる産業開発のための
ビジョン、ミッション、戦略、優先プログラムを明確化
 新産業法によって制定が義務付けられており、
現在ドラフト検討段階
策定の見通し
 工業省が検討中であり、6月にドラフトが完成。
新政権発足までに完成させたい意向
「工業省は、ドラフトの作成を完了した。関連規制の準備も完了
している。RIPINは、2035年に産業立国となることを目指し、ミッ
ション、目標、政策、産業開発戦略を掲げている。RIPINは、政
府による産業政策への積極的な関与を奨励する内容である。」
(2014年6月)
 6つの基幹産業について
想定される
構成内容
• エネルギー、輸送機械、電子・ICT、エネルギー、
食品、医薬品・化粧品、衣料・履物
RIPIN案公表のためのフォーカス・グループ討議(2014年6月)
 3つの裾野産業について
• 資本財、部品産業、機械部品・部材
 3つの上流産業について
• 農業関連、鉱業、ガス・石炭
 6つの基本要求について
サンワニ・マフムド
工業省企画局長
アンサリ・ブクハリ
工業省事務次官
• 天然資源、人材、技術・イノベーション・創造性、
インフラ、政策・規則、金融
6つの基幹産業などを定める国家産業開発計画が新政権発足までに策定される見通し
298 出所:Antaran News、GRIPS資料等
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:資源・エネルギー政策の転換−石油依存脱却
エネルギー消費量(原油換算)の現状と予測・計画
インドネシアの資源・エネルギー政策
(100万バレル)
4,000
現状・予測
3,298
3,000
政策目標
3%
3,200
21%
17%
35%
1,176
1,000
25%
再生可能
エネルギー
20%
天然ガス
32%
24%
24%
0
33%
5%
42%
(1,375)
47%
(553)
2011
*2025予測
20%
(640)
エネルギー源
多様化
(2006年)
2,785
30%
2,000
 インドネシア政府は石油依存の脱却を
掲げ「国家エネルギー政策に関する大
統領令2006年5号」を制定
23%
(641)
石炭
石油
エネルギー源
多様化の加速・
省エネの推進
(2010年)
2025目標
2025目標
(2006年版) (2010年版)
•
•
•
•
石油消費の大幅削減
石炭の主要エネルギーとしての使用
天然ガスの拡大
再生可能エネルギーの拡大
− 内訳として、「バイオ」、「地熱」、
「その他」を各5%、「液化石炭」を2%に
割当
 エネルギー鉱物資源省に設立された
新・再生可能エネルギーおよび省エネ
ルギー総局によりビジョン25/25が制定
• 総エネルギー消費の大幅削減
− 2025予測値(BAUケース)、大統領令(
2006年版目標)に対する、約15%の省
エネルギー
− 2006年版に対しては、天燃ガスの消費
を削減
• 再生可能エネルギーの更なる拡大
*2025予測値はBAU(Business As Usual)ケース
石油依存からの脱却を図るため、エネルギー源の多様化と省エネルギーの推進を政策目標に掲げている
299 出所:エネルギー鉱物資源省資料、塚田学「インドネシア経済の基礎知識」を基に、DTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:資源・エネルギー政策の転換−石油依存脱却
(再掲)エネルギー消費量(原油換算)の予測と計画
(100万バレル)
4,000
現状・予測
3,298
3%
3,000
21%
発電技術
3,200
35%
(1,141)
1,176
1,000
20%
33%
(1,056)
5%
24%
24%
(282)
30%
再生可能
エネルギー
天然ガス
エネルギー効率
35-40%
 2016/2017年、中部ジャワに
USC 2機(1,000MW × 2)
USC
エネルギー効率
43%
32%
(891)
石炭
23%
石油
2016~
 2017/2020年、インドラマユに
USC 2機(1,000MW × 2)
42%
20%
47%
0
2011
CCT導入ロードマップ
SC
2,785
25%
2,000
 高効率性の実現とCO2排出量の削減を目的に、ジャワでは現
在のSC(超臨界圧)から、USC(超々臨界圧)およびIGCC(石
炭ガス化複合サイクル) 石炭火力発電のみを開発予定
政策目標
17%
CCT(クリーンコールテクノロジー)による
石炭火力発電
2025予測
IGCC
エネルギー効率
45-48%
2025~
 IGCC (1,000MW規模)
2025目標
2025目標
(2006年版) (2010年版)
2010
2015
2020
2025
石炭を石油に代わる最重要エネルギーとして位置づけた上で、
高効率石炭火力発電設備の導入など、高効率なエネルギー利用への転換に向けた取り組みが行われている
300 出所:エネルギー鉱物資源省講演資料を基に、DTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:資源・エネルギー政策の転換−石油依存脱却
(再掲)エネルギー消費量(原油換算)の予測と計画
天然ガス利用促進プロジェクト例
(100万バレル)
4,000
現状・予測
3,298
3%
3,000
21%
(679)
政策目標
3,200
17%
35%
1,176
1,000
30%
(960)
20%
(557)
天然ガス
33%
32%
石炭
47%
20%
23%
石油
0
2025予測
都市ガス
インフラ開発
 2009年より、中央政府はパイロット事業として
の都市ガスのインフラ建設を開始
• パレンバン、スリバヤ、タラカン、デボック、
ブカシ、シドアルジョの6都市で実施
• 近郊にガス田・ガス輸送インフラを有してい
ることから対象都市を選定
再生可能
エネルギー
24% 5%
(282)
24% 42%
2011
天然ガス
自動車
 政府はガソリンよりも安価で環境負荷の少な
い、天然ガスを輸送用機器の燃料として推進
• 2012年大統領令第64号にて、電源・配電・
道路輸送のための燃料ガス価格を規定
• ガソリン車を天然ガス車へ改造する際の補
助金の支出を検討
2,785
25%
2,000
灯油の
LPG転換
 2007年より、政府は家庭で使用していた灯油を
全てLPGに転換するプロジェクトを開始
• 家庭用灯油への補助金撤廃
• 富裕層以外の全世帯へのガスボンベ、小
型コンロを無償配布
2025目標
2025目標
(2006年版) (2010年版)
インドネシア政府は、石油に代わるエネルギー源として天然ガスの利用拡大・インフラ開発を進めている
301 出所:経済産業省資料、JOGMEC資料を基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:資源・エネルギー政策の転換−石油依存脱却
(再掲)エネルギー消費量(原油換算)の予測と計画
再生可能エネルギーへの主な切替促進政策
(100万バレル)
4,000
現状・予測
3,298
3%
(102)
21%
3,000
3,200
17%
(544)
再生可能
エネルギー
20%
天然ガス
1,000
33%
32%
石炭
20%
23%
石油
35%
1,176 5%
24% (59)
24%
2,785
25%
(696)
30%
2,000
再生可能
エネルギー
全般
政策目標
地熱
 買取価格の引き上げ
• エネルギー鉱物資源省(MEMR)は2012
年6月、地熱発電の買取価格を9.7セント
/kWhから15セント/kWhに引き上げ
 大型開発プロジェクトの始動
• 2013年4月、北スマトラ州サルーラ地区
に世界最大規模の地熱発電所
(330MW)を建設するPJが始動
バイオ
 バイオ燃料活用義務の強化
• 輸送機器や発電用ディーゼル燃料の混
合比率を改正し、従来は3-10%であった
バイオディ−ゼル燃料の割合を10%(発
電用は20%)に高め、2013年9月から
実施
個別
42%
47%
0
2011
 税制優遇措置の導入
• 2010年、財務相令No.24/pmk011/
2010において、再生可能エネルギーを
利用した発電事業における所得税、付
加価値税、関税等の優遇措置を導入
2025予測
2025目標
2025目標
(2006年版) (2010年版)
インドネシア政府は再生可能エネルギーを大幅に拡大させるために、各種切替促進政策を導入している
302 出所:インドネシアエネルギー鉱物資源省データ、JETRO資料、IEEJ資料を基に、DTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:資源・エネルギー政策の転換−石油依存脱却
自動車の奢侈税
(再掲・参考)LCGC政策内容
 自動車の奢侈税は、排気量が多いほど税率が高くなっている
座席数
種類
駆動数
エンジン
10以下
セダン・ステーション
ワゴン
全種
ガソリン
セダン・ステーション
ワゴン以外
4×2
4×4
排気量
(CC)
税率
(%)
1,500以下
1,500-3,000
3,000超
30
40
75
ディーゼル・
1,500以下
セミディーゼル 1,500-2,500
2,500超
30
40
75
ガソリン
1,500以下
1,500-2,500
2,500-3,000
3,000超
10
20
40
75
ディーゼル・
1,500以下
セミディーゼル 1,500-2,500
2,500超
10
20
75
ガソリン
1,500以下
1,500-3,000
3,000超
30
40
75
ディーゼル・
1,500以下
セミディーゼル 1,500-2,500
2,500超
30
40
75
10-15
全種
全種
全種
全種
10
ダブル
キャビン
全種
全種
全種
全種
20
 LCGC(低価格環境)としての規格が認可されることにより、奢
侈税が免除される
<エコカー規格>
税制優遇の
主な条件
• インドネシアに関連するロゴ・モデル名の使用
• 排気量:ガソリン車:980∼1200cc以下*
/ディーゼル車:1400cc以下
• 燃費性能:20km/ℓ 以上
• 車両価格(登録税等課税前):9,500万ルピア
(AT車は、最大15% 安全装備付の場合は最大10%
まで上乗せ可能)
<認可条件>
• 自動車構成部品のうち、現地調達化が推奨される
品目を定め、1年目に40%、5年以内に全品目の達
成を要求(指定105品目中102品目)
※ほぼ全ての部品が対象(下記7領域)
• エンジン
認可条件
シリンダーヘッド、クランクシャフト、ベアリング など
•
•
•
•
•
•
トランスアクスル
クラッチシステム
ボデー&シャシー
ステアリングシステム
ブレーキシステム
その他(内装、タイヤ、トリム、ECU等)
• 申請時に現地調達化の実行計画の提出と、以後6
ヶ月ごとの実施状況監査が義務付け
奢侈税は自動車の排気量が多いもの程税率が高く設定されているほか、
環境に配慮したLCGCに対しては奢侈税を引下げる措置を取り、省エネを推進している
303 出所:JETRO資料を基に、DTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:資源・エネルギー政策の転換−石油依存脱却
省エネ政策の推進
 2007年に省エネが政府、地方自治体、企業、社会の義務であると規定されるエネルギー法第30号が制定
 これを受け、2009年に省エネルギーに関する政令第70号が制定され、省エネ義務が強化
• アジア開発銀行(ADB)はこの政令の実施に伴い、各事業者から商業ビルや産業施設のエネルギー効率改善に40億米ドルの投資
の可能性を示唆
概要
省エネルギー
に関する政令
2009年第70号
省エネ成功基準
(優遇措置適用
の条件)
 大口消費者を対象として、省エネプログラムの作成、定期的な報告等を義務付
• 年間エネルギー消費量が 6,000TOE(石油換算トン) 以上の消費者
(約650社)が対象
 第20条において、インセンティブとして、省エネ設備に対する優遇税制およ
び低金利融資が規定
① 特定エネルギーの消費
② エネルギー消費のGDP弾性値
インセンティブ
インセンティブと
罰則
①
②
③
④
⑤
税務便宜
地方税の軽減、免除
関税便宜
低利融資
エネルギー監査費用の政府負担
罰則
①
②
③
④
警告
メディアへの公表
罰金
エネルギー供給の削減
インドネシア政府は、政府・企業などの省エネ義務を明示的に規定し、
省エネ設備を促進するために、インセンティブや罰則を導入
304 出所:JOGMEC資料、IEEJ資料を基に、DTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2
インドネシアの産業政策の変化:資源・エネルギー政策の転換−国内供給優先
天然ガスの国内供給優先
国内供給義務
(2008年以前)
概要
事例
輸出削減
による
国内供給
確保推進
(2008年
以降)
LNGの輸入開始に向けた動向
 石油と同様、天然ガスについてもPSC(生
産者分配契約)内に、採掘業者に対し、生
産量のうち一定量の国内供給を義務づけ
LNGの
輸入開始決定
 初の輸入契約および輸入拡大
• 2013年12月、国営石油ペルタミナがシ
ェニエール・エナジーからのLNG輸入
契約に調印したことを発表
− 2018年から20年間、年間80万トン
のLNGを輸入
• 2014年7月、シェニエール・エネジーか
らのLNG輸入の拡大の契約を締結
− 2019年からの購入量を年間76万ト
ン増やし、年間156万トンとする
輸入に向けた
インフラ整備
 輸入に向けたインフラ開発
• 輸出基地として活用されていたが、近年
は天然ガス田の生産減退が著しいアル
ン LNG輸出基地の受入基地への転用
が進行
• 西ジャワのFSRU(洋上・貯蔵・再ガス化
装置)プロジェクトの稼動(2012年5月時
点)が進行中
 天然ガス輸出を削減し、国内需要向けに
転換する方針へと転換
 インドネシア国営石油会社プルタミナ,トタ
ールE&Pインドネシア社、国際石油開発
帝石株式会社は、最大の輸出相手国であ
った日本の大阪ガスら6社に対して、2010
年以降のLNG契約の期間を短縮、および
販売量を削減
− 契約期間は30年から10年に短縮
− 販売量は年間1,200万トン(-2010)
から、前半5年間(2011-2015) 300
万トン、後半5年間(2016-2020)に
削減
国内需要の増大を受け、天然ガスの輸出削減に加え、輸入開始を行う動きが見られる
305 出所:JOGMEC資料、ANA記事、経済産業省資料を基に、DTC作成
2 日尼産業構造(サプライチェーン)の変化分析
2-2 2008年以降の変化に対するインドネシアの視点
 インドネシアの経済・産業構造・通商政策の変化ー全体像
 インドネシアの経済の変化
 インドネシアの産業政策の変化
 インドネシアの通商政策の変化
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの通商政策の変化:協力分野における中国シフト−中国の経済協力拡大
中国の対外援助と経済協力(対外経済合作)拡大
中国の対外経済協力の概要
(参考) 西欧ドナーと中国援助の比較
 中国は、対外援助を一部含む対外経済協力
(「対外経済合作」*)を急速に拡大
• 中国は、対外直接投資総額(878億ドル(2012年))に対し、
経済協力の一形態である対外請負プロジェクト実績額総額
(1,166億ドル(2011年))のみで、対外直接投資の約1.5倍の
規模を計上
「対外経済合作」のうち対外工事請負額総額の推移
中国
先進国ドナー
範囲
ODAの概念なし
貿易・投資・援助の
境界が不明確
OECD・DAC(開発援助
委員会)の政府開発援助
の概念に基づく
重点分野
経済・生産セクター
(インフラ、産業、農業
開発等)
社会セクター(基礎教育・
保健等)、国連・MDGs
達成が最上位目標
政策上の
条件・制約
政策上の条件・
制約なし
グッドガバナンス重視
政策上の条件・制約あり
援助形態
プロジェクト型援助及び
他の形態の金融支援
(輸出信用、インフラに
よる資源獲得等)
プログラム型援助(財政
支援等)を重視
タイド条件
自国の労働者や資機
材調達とのタイド化の
場合あり
アンタイド
(1億USD)
2,000
対外工事請負(契約額)
1,500
対外工事請負(実績額)
1,000
500
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
*: 中国の対外援助の概念は明確ではなく、国・地域別対外援助配分は
非公表。一方、非援助型対外経済協力(「対外経済合作」)は、中国
の対外経済戦略において極めて重要であり、一部対外援助として
供与している援助資金なども含まれ、対外援助と深い関連性がある。
中国は、近年対外援助を含む対外経済協力(「対外経済合作」)を急速に拡大。
インドネシアは、中国の対外経済協力において第4位の被ドナー国となっている
307
出所: 「2013中国統計年鑑」 、JETRO・IDE「インドネシアから見た対中国経済関係」、日本国際問題研究所資料を基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの通商政策の変化:協力分野における中国シフト−中国の経済協力拡大
中国からインドネシアへの「対外経済合作」の拡大
(参考)中国の「対外経済合作」の概要
(1万USD)
4,000
 中国の建設・土木請負業者が実施する
プロジェクト
3,518
3,500
3,459
•
3,464
対外工事請負
対外工事請負(実績)
(CAGR 31%)
(「対外承包工程」)
3,000
2,647
外国投資家によってファイナンスされた国外の土木
建設プロジェクト
• 中国政府の対外援助としてファイナンスされた国外
のプロジェクト
• 中国の外交ミッション、貿易事務所、その他国外駐
在機構の建設プロジェクト
• 外国請負事業者との共同プロジェクトで中国の請負
業者が担当する下請けプロジェクト
など
2,500
2,237
1,217
対外労務協力
1,000
(「対外劳务合作」)
709
 給与や賃金の見返りとして雇用者・請負
業者に技術・労働サービスを提供する活動
• 中国の国際請負企業が国外で事業家した共同事
業で提供された労働サービス
524
500
8 3
1610
6 9
2121
2
1
2009
2010
対外設計
コンサルティング
0
(「対外設計咨询」)
2005
2006
2007
2008
対外労務協力(実績)
2011
2012
 国外の業者に対して提供された技術
サービスに対する収入
(注:ただし、2010年の中国統計の再編成により、
2009年分から「対外経済合作」統計に含まれないこ
ととなった)
対外設計コンサルティング(実績)
中国からインドネシアへの「対外経済合作」は、その大部分を占める対外工事請負が急成長している
出所:「2013中国統計年鑑」、JETRO・IDE「インドネシアから見た対中国経済関係」、日本国際問題研究所資料を基にDTC作成
308
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの通商政策の変化:協力分野における中国シフト−中国の経済協力拡大
(参考)中国の「対外経済合作」の受入国比較
 インドネシアは、中国の「対外経済合作」による実績額(2012年)で第7位/アジアではインドに次ぐ2位
• 1位アンゴラ、2位インド、3位ベネズエラ、4位ナイジェリア、5位サウジアラビア、6位アルジェリアに次ぐ
• インドネシアに対しては、請負プロジェクト実績額で35億ドル(2012年)の規模であり、中国の対世界請負プロジェクト実績額で
約3%のシェア
(万USD)
800,000 755,642
「対外経済合作」のうち対外工事請負(実績額)の各国比較(2012年)
669,331
600,000
515,259
499,481
462,231
446,553
400,000
346,415
299,763 278,729
288,006 277,832 240,345 229,168
237,311 219,811 190,523 170,054
164,606 160,815 154,369 152,503 151,785 146,176
179,449 164,631
130,637
156,766 153,025
149,418 130,727
200,000
309
出所: 「2013中国統計年鑑」 を基にDTC作成
ケニヤ
中国の「対外経済合作」では、インドネシアは、アジアではインドに次ぐ2位。世界でも7位であり、
中国の経済協力におけるインドネシアのプライオリティは高い
トルクメニスタン
バングラデシュ
イラン
カタール
ガーナ
スリランカ
UAE
カザフスタン
エクアドル
ブラジル
ロシア
イラク
赤道ギアナ
ラオス
ミャンマー
エチオピア
マレーシア
スーダン
パキスタン
香港
シンガポール
ベトナム
インドネシア
アルジェリア
サウジアラビア
ナイジェリア
ベネズエラ
インド
アンゴラ
0
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの通商政策の変化:協力分野における中国シフト−中国の経済協力拡大
中国−インドネシアの国家間プロジェクトの拡大
中尼首脳会談
合意内容
(2013.10)
 習近平国家主席がインドネシア国会で「手を携えて中国・ASEAN運命共同体を建設」という演説を
実施(2013年10月)。このときの首脳会談において、以下に合意
• 2015年に二国間貿易額を800億ドルに引き上げ
• 計282億ドルの事業協力(契約文書へ調印)
 事業協力案件例:パルプ工場の建設、ジャカルタモノレールの建設ほか
 ジャカルタモノレールと中国通信建設会社(CCCC)がモノレールプロジェクトの資金、設計、建設
に関する合意文書を締結(ウィドドジャカルタ州知事(当時)、2013.10)
 CCCCは、150億米ドルの資金を拠出
 CCCCが建設プロジェクト全体をリード
• CCCCのほか、以下の企業が参加
ジャカルタ
モノレール
プロジェクト
−
インドネシア通信企業・インドサット
−
ドイツTuVラインランドグループ
−
タイ・バンコク・マス輸送システム者
−
シンガポールSTエレクトロニクス、SMRTインターナショナル
−
中国長春鉄道車両
 CCCC及びジャカルタモノレールは、メンテナンス・組立を行うプラントを合同で設立予定
• ジャカルタモノレールは、国営の車両メーカー(PT Inka)を戦略パートナーとして選定する権利を留保
(⇒中国から車両の直輸入量は限定的)
貿易額の引き上げ、巨額の事業協力など、中国はインドネシアとの関係強化を図り、
国家間プロジェクトを拡大させている
310出所:Jakarta Globe等各種ニュースリリースを基にDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの通商政策の変化:協力分野における中国シフト−日本のプレゼンスの低下
日本の対インドネシア経済協力(ODA)の推移
 インドネシアは、長期にわたってインドネシアにとっての最大の政府開発援助(ODA)(OECD定義ベース)ドナー国
• インドネシアは累計ベースでは、日本のODAの最大の受取国となっている
 近年、援助実績は、金額ベースで近年は減少傾向にある
日本の年度別・援助形態別の対インドネシア援助実績
(100万USD)
2,000
-11.8%
1,594
27
88
111
59
1,014
1,000
1,213
822
24
110
1,300
無償資金協力
111
1,361
37
1,416
技術協力
132
1,424
880
19
貸付実行額
672
0
2008
2009
2010
2011
2012
Note: 金額は、円借款及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績及び各府省庁・都道府県等の技術協力経費実績ベースによる。2012 年度の日本全体の実績については
集計途上のものであるため、JICA実績のみを示し、累計についてはJICAが実施している技術協力事業の実績の累計となっている点に注意
日本の対インドネシア援助実績は、金額ベースで近年は減少傾向
311 出所:外務省国別データブック、ODA白書等に基づきDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの通商政策の変化:協力分野における中国シフト−日本のプレゼンスの低下
(参考)日本のODA供与国比較(贈与ベース上位10カ国(2008年・2012年))
 インドネシアは、ODA供与額(贈与額および政府貸付実行額)において、金額が約4割減少し、
順位が2位から4位へ後退
(100万USD)
ODA・贈与額および政府貸付(実行額)上位10カ国
3,000
無償資金協力
2,000
1,324
1,255
2008年 1,000
457
330
208
ベトナム
フィリピン
トルコ
スリランカ
アフガニスタン
822
471
バングラ
デッシュ
中国
873
795
532
449
437
434
375
289
2,036
1,542
1,000
フィリピン
スリランカ
イラク
タイ
バングラ
デッシュ
中国
インドネシア
アフガニスタン
インド
ベトナム
0
インド
2012年
インドネシア
3,000
2,000
政府貸付実行額
1,200
809
イラク
0
技術協力
1,920
インドネシアは、その経済発展に伴い、日本のODA対象国としての位置づけが相対的に低下
312 出所:外務省国別データブック、ODA白書等に基づきDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの通商政策の変化:協力分野における中国シフト−日本のプレゼンスの低下
日本の対インドネシア開発援助の重点分野・留意点(抜粋)(外務省):官民連携(PPP)の活用重視
 更なる経済成長への支援
•
民間セクター主導の経済成長の加速化を図るため、ジャカルタ首都圏を中心にインフラ整備支援やアジア
地域の経済連携の深化も踏まえた各種規制・精度の改善支援等を実施することにより、ビジネス・投資環境
の改善を図ると同時に、高等人材の育成支援等を行う
 不均衡の是正と安全な社会造りへの支援
重点分野
•
国内格差を是正し、均衡の取れた発展と安全な社会の構築に寄与するため、主要な交通・物流網等の整備
や地方の拠点都市圏の整備等国内の連結性(コネクティビティ)強化に向けた支援、地方開発のための
制度・組織の改善支援及び防災・災害対策支援等を行う
 アジア地域及び国際社会の課題への対応能力向上のための支援
•
•
•
留意点
•
アジア地域の抱える海上安全やテロ、感染症等の問題や、環境保全・気候変動等の地球規模課題への
対応能力や援助国(ドナー)としての能力の向上に寄与するための支援等を行う
政府内での煩雑な手続き等、プロジェクト案件の円滑な実施に懸念もあるため、実施の迅速化
について引き続き協議し、より円滑に案件を実施する必要がある。
インフラ整備支援については、官民連携(PPP)の枠組みの強化を促すことで、民間資金の動員
を図ることに留意しつつ、可能な限り、我が国の技術力を活用できるよう、我が国企業との連携も十分
視野に入れることとする。
ビジネス・投資環境改善を促進するためにも、法的予見可能性・安定性の向上を含むガバナンス改善
が重要との指摘にも留意する。
日本の対インドネシアODAの留意点としても、PPPの活用が掲げられている
313 出所:外務省国別データブック、ODA白書等に基づきDTC作成
日インドネシアEPAの活用状況等に関する調査
2 インドネシアの通商政策の変化:協力分野における中国シフト−日本のプレゼンスの低下
(参考)MPA(ジャカルタ首都圏投資促進特別地域)構想によるインフラ投資の拡大
事業内容
MPAの概要
位置づけ
計画概要
 MP3EIを後押しするため、インドネシア・日本
が共同で推進する総合インフラ開発推進政策
事業内容
• 産業、人口、企業活動が集中し、投資誘致の潜在力の
高いジャカルタ首都圏をMP3EIにおけるジャワ、スマト
ラ経済回廊のハブ及び結節点として位置づけ
 ジャカルタ首都圏の港湾、道路、空港、工業団
地、都市高速鉄道(MRT)、水道、排水処理な
どを計画
都市環境
開発
• 特にチラマヤ新港や首都高速鉄道(MRT)の建設プロ
ジェクトは、早期実施案件とされ、優先的に着手
 2020年までに約440兆ルピア規模の資金が必
要であり、うち約125兆ルピアは、外国援助に
よる資金協力に期待
Jabode
tabek
地域開発
• 日本政府は、ODA活用を積極的に検討
予算方針
 総予算:441 ,200 BIL IDR
都市環境開発
30%
27%
27%
16%
Jabodetabek
地域開発
マルチゲートウェイ
低酸素社会
都市高速鉄道(MRT)を中核とした新都市交通システ
ム
2/5
都市内および周辺道路網の整備
1/3
都市再開発の推進
0/1
上水および下水の改善
1/4
廃棄物処理
1/2
洪水管理
1/3
新港湾・新空港周辺地域の開発
0/2
アカデミック・リサーチ・クラスター
0/1
新しいサブ成長回廊内の道路および鉄道網の整備
2/5
新しいサブ成長回廊内の道路および鉄道網の整備
0/1
ジャカルタ首都圏第二港湾(チラマヤ新港)の開発
1/3
ジャカルタ港の改善(タンジュンプリオク地区・北カリバ
マルチ
ゲートウェ ル地区開発など)
新国際空港の開発
イ
低酸素
社会
既着手
/合計
PJT数
1/2
0/1
スカルノ・ハッタ空港の改善
2/2
低炭素型電力の開発
6/8
スマートグリッドの開発
1/2
※太字は既に、着手済みのインフラ関連PJT
インドネシア政府は日本と共同でMPA構想を立ち上げ、ODA・民間投資をはじめとする
外国資金の活用を視野に入れ、インフラ開発を加速
314 出所:JICAデータを基にDTC作成
担当者:
デロイト トーマツ コンサルティング株式会社
レギュラトリストラテジー
リーダー
羽生田慶介 ([email protected])
シニアコンサルタント 白壁依里
([email protected])
シニアコンサルタント 石曽根道子 ([email protected])
デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)は国際的なビジネスプロフェッショナルのネットワークであるDeloitte(デロイト)のメンバーで、有限責任監
査法人トーマツのグループ会社です。DTCはデロイトの一員として日本におけるコンサルティングサービスを担い、デロイトおよびトーマツグループで
有する監査・税務・コンサルティング・ファイナンシャル アドバイザリーの総合力と国際力を活かし、日本国内のみならず海外においても、企業経営に
おけるあらゆる組織・機能に対応したサービスとあらゆる業界に対応したサービスで、戦略立案からその導入・実現に至るまでを一貫して支援する、
マネジメントコンサルティングファームです。1,800名規模のコンサルタントが、国内では東京・名古屋・大阪・福岡を拠点に活動し、海外ではデロイト
の各国現地事務所と連携して、世界中のリージョン、エリアに最適なサービスを提供できる体制を有しています。
Deloitte(デロイト)は監査、税務、コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスをさまざまな業種にわたる上場・非上場クライアン
トに提供しています。全世界150を超える国・地域のメンバーファームのネットワークを通じ、デロイトは、高度に複合化されたビジネスに取り組むクラ
イアントに向けて、深い洞察に基づき、世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを提供しています。デロイトの約200,000名を超える人材は、
“standard of excellence”となることを目指しています。
Deloitte(デロイト)とは、英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)ならびにそのネットワーク組織
を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します。DTTLおよび各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個
の組織体です。DTTL(または“Deloitte Global”)はクライアントへのサービス提供を行いません。DTTLおよびそのメンバーファームについての詳細
は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。
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