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消防と医療の連携を促す ICT 活用のベスト プラクティスの

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消防と医療の連携を促す ICT 活用のベスト プラクティスの
群馬県
消防と医療の連携を促す ICT 活用のベスト プラクティスの実現
へ。耐薬品性に優れた Windows タブレットを要として、救急医
療を円滑化する情報共有環境を構築、活用
群馬県 健康福祉部 医療介護局 医務課では、救急・災害医療を支援する「統合型医療情報システ
ム 」を補完し、全国の事例を参照したベスト プラクティスを実現させるために、日々 119 番通報
に対応する救急医療の最前線で携帯されるタブレット端末を新たに導入。
「現場に負担をかけな
ソリューション概要
○プロファイル
群馬県 (http://www.pref.gunma.jp) には、世界
遺産に認定された「富岡製糸場と絹産業遺産群」
に象徴されるように、自然風土や文化歴史など
の恵まれた地 域資 源を活かし、繊 維・木工・食
品をはじめとした多種多様な地場産業がありま
す。高速交通網の結節点としての高い利便性、豊
富な観光資源など、県経済の発展につながる高
いポテンシャルを活かし、行政機関、関連団体、
大学、企業など関係者の連携の下、明日への成
長につながる産業振興に全力を尽くしています。
○導入製品とサービス
・ Windows ®
・ Microsoft Office 365 TM
○パートナー企業
株式会社 NTT ドコモ
富士通株式会社
○メリット
・日常業務で使い慣れた PC と同一の操作性
・Word や Excel ® など使い慣れたアプリケー
ションによって、日常的に活用可能
・取り外し可能なキーボードで、長文も快適に入
力
・耐薬品性に優れた端末など、幅広いビジネス
用途に適したパートナー製品がラインアップ
・Office 365 との親和性が高く、高度な情報共
有環境を柔軟に活用可能
・4G 通信機能内蔵で、どこからでもすぐにクラ
ウドにアクセス可能
○ユーザー コメント
「多忙を極める現場に抵抗なく受け入れてもらう
ためには、普段使い慣れている PC 環境と同じ
操作性である Windows 搭載タブレットが適して
いました。さらに、Word や Excel などが利用
できれば、日頃から活用されやすくなるでしょう。
広域災害のような緊急時に威力を発揮できるの
は、" 使い慣れたツール " だけですから、この点
は非常に重要です。」
群馬県 健康福祉部 医療介護局
医務課 救急災害医療係
係長
太刀川 裕之 氏
い操作性」や「医療現場で求められる耐薬品性」、
「優れた拡張性」など、厳しい条件をクリアし、
採用されたのが、Windows 搭載タブレットと、ビジネス向けクラウド サービス Office 365 を活
用するソリューションでした。
導入背景とねらい
増加する 119 番に、迅速かつ円滑に対応するべく
「消毒可能なタブレット」を選定
1 人でも多くの命を守るために、群馬県が新たに推進している試みがあります。それが、消防お
よび医療における " モバイル & クラウド活用 " です。
救急医療・災害医療においては、常に " 迅速かつ正確な判断と対応 " が求められており、群馬県
でも 1980 年以降、改修を重ねながら「広域災害・救急医療情報システム 」を運用されてきまし
たが、救急現場における情報の即時性と双方向性に課題が残っていました。
群馬県 健康福祉部 医療介護局 医務課 救急災害医療係 係長 太刀川 裕之 氏は次のように説明し
ます。
「広域災害・救急医療情報システムは、インターネットのない時代から運用が開始され、システ
ムの更新年度ごとに改修を加えて少しずつ進化してきました。しかし、インターネットの利便性
は、救急車の中まで届いておらず、患者受け入れ先の確保等に時間を要していたのです。そして、
2014 年末に『統合型医療情報システム 』へと名称を変更し、さらに機能を充実させたことを機に
4G 回線で通信できるモバイル端末を広範に導入するに至りました。」
群馬県が初めて救急の現場にタブレット端末を配備したのは、2013 年 1 月にさかのぼります。
この時にまず県内 11 消防本部で保有する全救急車へタブレット端末を導入し、救急車の中で病
院側が事前に登録した情報を基にした「受け入れ病院の検索」などに役立てられてきました。
しかし、受け入れ先となる病院側には有線 LAN でつながれた専用端末しか配備されていなかっ
たため、病院側の状況については旧来通り、個別に電話をかけて確認するほかなく、患者の容態
などについても口頭説明に頼るほかありませんでした。
こうした不便を解消し、モバイル活用の
メリットを最大化するために 2015 年 2
月に消防本部や災害 拠 点病院にも、タ
ブレット端末を配備されたのです。
大小さまざまなタブレット端末が市場に
あふ れている今、上 述のような環 境整
備も気 軽に行えるように思われ がちで
すが、
「救急の現場に導入するタブレッ
トに求められた要件は厳しく、対象とな
群馬県
ドとともに、県内すべての消防本部および、すべての災害拠点病院と救
急医療機関に配備。救急隊員が、搬送先医療機関が見つからない場合
などに、既存のタブレットから複数の病院に一斉に患者受け入れの可否
を打診すると、医師の手元にあるタブレットにアラートが表示され、返
信を即座に受け取れるようになっています。
群馬県 健康福祉部
医療介護局
医務課 救急災害医療係
係長
太刀川 裕之 氏
群馬県 健康福祉部
医療介護局
医務課 救急災害医療係
主任
武井 伸門 氏
株式会社 NTT ドコモ
第三法人営業部
群馬法人営業担当 主査
森本 晃司 氏
る製品は限られていた 」と、同 救急災害医療係 主任 武井 伸門 氏は振
り返ります。
「まず、医師や看護師が携帯する上では、日常的な消毒にも耐える耐薬
搬送患者の容態を確認し、タブレットから近隣の病院に受け入れを確認
品性が必須でした。また、統合型医療 情報システムへの情報入力は、
手早く済ませられるように項目のチェック入力が主体となっています
が、それだけでは伝えられない特記事項などはキーボードで入力する方
が、早くて確実です。さらに、平時から活用されるように、多彩な業務
に対応できる汎用性が求められました。」
武井 氏はタブレット活用を拡大する意義について、次のように続けます。
「群馬でも、高齢化の影響による救急搬送件数の増加と、それに伴う搬
送時間の長時間化が課題となっています。この傾向は今後も続くでしょ
う。こうした問題に対応するためには、消防と医療の密接な情報連携
必要に応じてキーボードを着脱して携帯。救急車からの連絡に対応
が欠かせません。救急現場におけるタブレットなどの ICT 活用につい
て、総務省消防庁によって検討が重ねられ全国にモバイル活用事例が
広がっている現在、私たちはそのすべてを参考としながら、良いと思え
る施策は、できる限り取り入れたいと考えました。そのため広範な用途
に対し、長期間、確実に活用されるよう、タブレット活用に関する調達
の要件は慎重に定めました。」
こうした数々の条件を満たすものして群馬県が採用に至ったのが、株式
会社 NTT ドコモ の提案による Windows 搭載タブレットをフロントと
して、ビジネス向けのクラウド サービス、Microsoft Office 365 を活
用するソリューションでした。
消防本部から Skype for Business を使ったビデオ会議などを活用
システムの概要と導入の効果
使い慣れた OS と充実のクラウド サービスで
円滑な情報共有を助け、救急搬送を円滑化
この取り組みによって、救急患者搬送の効率化が実現。従来は、携帯
救急医療・災害医療の支援のために今回群馬県が整えたソリューショ
15 分はロスしていた時間が一気に短縮されて、複数病院への打診が一
ンでは、優れた耐薬品性を誇る 12.5 型の高性能タブレット「ARROWS
度に完了するようになりました。また、この受け入れ可否の判断を支
Tab Q704/H 」( 富士通株式会社製 ) を、オプションのスリム キーボー
援するために、事故現場や心電図などの画像を共有。口頭説明では伝
電話から各病院に順番に打診していた
ため、1 病院あたりの連絡確認に 2 ~ 3 分、5 件ほど確認にかかれば
群馬県
えられない膨大な情報を医師に提供することで、即時の判断と受け入
群馬県では現在、下記のように Office 365 を適所活用しています。
れ後の対応をスムーズにしています。
こうしたタブレット活用による効果は大きく、
「一刻を争う脳卒中の患
■ Office 365 活用
者搬送時にも即座に受け入れ先が決まり、円滑な対応が行われた実例
1. 容量無制限のクラウド ストレージ、OneDrive for Business に、病
もある」( 太刀川 氏 ) と言います。
院と消防が 1 対 1 で共有するフォルダを作成し、デジタル ノート
ブック アプリ Microsoft OneNote を使って 1 事案ごとに、画像な
どのデータを共有
2. Skype ® for Business を活用して、消防本部と各消防署間を結ぶビデ
オ会議を実施
「OneNote であ れば、タッチペンを使ってテキストを手 書きできる
ほ か、画 像 を 貼り付けて共 有 することが 簡単 な 操 作 で完了します。
OneDrive for Business のアクセス権限を設定することで、安心して 1
対 1 の情報共有が行えます。また Skype for Business は、インスタン
ト メッセージによるコミュニケーションができるだけでなく、タブレッ
ト内蔵カメラを使って、手軽にビデオ会議を行うことができます。こう
したサービスがあることで、私たちも、さまざまなアイデアにトライす
ることは素晴らしいと思います。」( 武井 氏 )
特に下記の 3 点を挙げています。
山間部の災害対策にも有効な通信環境と
高いセキュリティで、安心して活用
■ Windows 搭載タブレットの優位点
そして、今回の " モバイル & クラウド活用 " を実現する上で、もう 1 つ
1. 病院や消防本部にて、特別な研修も必要なく受け入れられる操作性
重要なポイントとなっているのが " 電波 " です。
2. キーボード入力や、Word や Excel などの使い慣れたソフトウェアが
タブレットなどのモバイル端末は、災害発生時には DMAT ( 災害派遣
太刀川 氏は、今回 Windows 搭載タブレットが採用された理由として、
利用可能
3. Office 365 と親和性が高く、長期にわたって柔軟な活用が可能
医療チーム ) が携帯し、活用します。平時から電波状況の悪い山間部な
どで活用されることが前提となっていると、武井 氏は強調します。
「前橋赤十字病院を始めとする約 80 の救急医療機関や 11 の消防本
「緊急時に肝心の電波がつながらなければ意味がありません。その点
部には、県から端末を貸与することになります。多忙を極める現場に
について、山間部の消防署から『NTT ドコモ 』を指名するリクエスト
抵抗なく受け入れてもらうためには、普段使い慣れている PC 環境と
が挙げられていました。群馬は山間地が多いこともあり、消防隊員た
同じ操作性である Windows 搭載タブレットが適していました。さら
ちが経験上 " つながる " と分かっている電波でなければ、実用に足り
に、Word や Excel などが利用できれば、日頃から活用されやすくな
ません。」
るでしょう。広域災害のような緊急時に威力を発揮できるのは、" 使
い慣れたツール " だけですから、この点は非常に重要です。最後に、
ソリューションを提案した株式会社 NTT ドコモ 第三法人営業部 群馬法
Windows と親和性の高い Office 365 があれば、大げさなシステム開
人営業担当 主査 森本 晃司 氏は、次のように話します。
発の必要もなく、効率的な情報共有環境を実現できました。」
「多彩な製品を取り揃えている中にあって、Windows 搭載モデルは今
さらに、群馬県が Office 365 に求めた要件について武井 氏は次のよう
回のニーズに対する最善の選択肢であったと思います。Office 365 を
に説明します。
併用することで、既存の Web システムを改修することもなく、新たな
ニーズを満たすことができたのも大きなポイントです。さらには、当社
「先ほどもお話した通り、全国の事例を参照し、" 良いと思えることはす
べて取り入れたい " というのが私たちの想いです。しかし、遠隔地を結
のネットワークによって、場所にとらわれないリアルタイム コミュニ
ケーションを支えることができたことは非常に良かったです。」
ぶビデオ会議システムや、被災や事故の現場写真などを共有するシステ
ムを個別に構築すれば、それだけで莫大な費用がかかります。ところが、
確かにつながるネットワーク環境でスムーズな情報共有を実現したこと
Office 365 を利用すると、ビデオ会議に画像共有、そしてメールやポー
に対する満足度は高く、クラウド サービスのセキュリティに関しても「不
タル サイトまで、すべて少額の月額利用費で実現します。県として、最
安は特にない」と武井 氏は言います。
善の環境を、最小のコストで実現できることが、大きなメリットです。」
群馬県
「そもそも、今回の情報共有においては、個人情報は扱っていません。
はなく、
『いかに現場に負担をかけることなく、要件を満たすか 』とい
救急現場の画像共有に関しても、患者の顔や、個人を特定するような
うことです。そのために、消防本部や病院に頻繁に出かけていき、情
画像を共有することはありません。しかも、クラウド サービスはマイク
報交換を行っています。また、現場での活用が進むことで、夜間救急
ロソフトが管理しています。信頼材料ばかり揃っていて、データセンター
の多忙さやプレッシャーが可視化されますので、行政と消防、医療が
の安全対策などに、誰も不安を感じていませんよ。」
より深く連携し、課題を解決していく端緒となるかもしれません。」
今後の展望
県と消防、医療の連携を密にして
さらに使いやすいシステムを目指す
最後に太刀川 氏は、群馬県の広域災害・救急医療における " モバイル
& クラウド活用 " は、今後、現場からのフィードバックを活かしてさら
に洗練させていく予定であると言います。
「今回、救急担当医にリアルタイムの返信を求めたほか、Web 会議や
画像共有などさまざまなしくみを一度に導入しています。すでに、活用
が進められていますが、何よりも大事なことは、機能を詰め込むことで
導入についてのお問い合わせ
本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/
本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2015 年 5 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
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