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安心して機器をお使いいただくために Biacore
! 長く機器を使っていただくための One Point 定期的に機器のメンテナンスを行っていただくことは、トラブルの防止やより正確な実験結果を得る上で非常に有効です。 Biacore をお使いいただく上でおすすめしているメンテナンスのためにご用意していただくバッファー、試薬等をご紹介します。 メンテナンスの方法については、製品に付属している日本語マニュアルの「メンテナンス」の章をご参照ください。 Prime /実験前後に行っていただく洗浄 新しいセンサーチップを Dock した時やランニング緩衝液を交換するときに行います。ポンプや IFC(マイクロ流路系) 、オートサンプラー等 をランニング緩衝液(実験前)または超純水(実験後)で置換洗浄します 弊社販売のランニング緩衝液 HBS-EP HBS-P HBS-N 10mM HEPES / 0.15 M NaCl / 3 mM EDTA / 0.005 % Surfactant P 20 ( pH 7.4 ) フィルターろ過・脱気済み 10mM HEPES / 0.15 M NaCl / 0.005 % Surfactant P 20 ( pH 7.4 ) フィルターろ過・脱気済み 10mM HEPES / 0.15 M NaCl ( pH 7.4 ) フィルターろ過・脱気済み HBS-N 10X 0.1 M HEPES / 1.5 M NaCl ( pH 7.4 ) 超純水で 10 倍希釈して使用 HBS-P+ 10X 0.1 M HEPES / 1.5 M NaCl / 0.5 % v/v Surfactant P20 超純水で 10 倍希釈して使用(pH 7.4) HBS-EP+ 10X 0.1 M HEPES / 1.5 M NaCl / 30 mM EDTA / 0.5 % v/v Surfactant P20 超純水で 10 倍希釈して使用(pH 7.4) フィルターろ過済み・脱気必要 Biacore シリーズ フィルターろ過済み・脱気必要 フィルターろ過済み・脱気必要 PBS 10X 0.1 M phosphate buffer / 27 mM KCl / 1.37 M NaCl 超純水で 10 倍希釈して使用(5 % DMSO 混合条件で pH 7.4) フィルターろ過済み・脱気必要 メンテナンス情報 実験目的に応じて、緩衝液を変更することも可能です。各自で調製する場合は、0.22 µm フィルター(Whatman ザップキャップ CR NL カタ ログ番号 10 443 421)でろ過を行い、さらに十分脱気を行ってから使用してください。 Desorb /毎週 1 回を目安に行っていただく洗浄 IFC やフローセル等に付着したタンパク質や脂質を洗浄する操作です。 所要時間約 25 分 ●用意するもの ・Sensor Chip Maintenance、あるいは洗浄用のセンサーチップ(洗浄前に入れ替える) ・メンテナンスキット*(キット中の BIAdesorb solution 1、2 を使用) ・超純水 *機種専用のキットをご用意しています。詳細は p.59 価格表をご参照ください。 。 ※ BIAdesorb solution 1 は室温保存してください(4℃で保存すると結晶が析出します) ※設定温度は 20℃以下にしないでください。 ※ Desorb 終了後、超純水あるいはランニング緩衝液で Prime を1∼ 2 回行ってください。 Sanitize または Desorb and Sanitize /毎月 1 回を目安に行っていただく洗浄 IFC やフローセルを滅菌します。病原性があるサンプル等を使用したときは、適時 Sanitize を行ってください。 所要時間約 1 時間 ●用意するもの ・Sensor Chip Maintenance、あるいは洗浄用のセンサーチップ(洗浄前に入れ替える) ・メンテナンスキット* ・超純水 *機種専用のキットをご用意しています。詳細は p.59 価格表をご参照ください。 ※ Sanitize 終了後、超純水あるいはランニング緩衝液で Prime を1∼ 2 回行ってください。 システムチェック ベースラインがドリフトするなどシステムの調子が思わしくない場合に行います。定期的に実施することをおすすめします。 ●用意するもの ・新しいセンサーチップ CM5 *(すでに固定化を行っているチップは使用できません) ・バッファー(機種ごとに指定。Biacore3000, 2000, 1000, X, J, X100 をお使いの場合はメンテナンスキットと別に必要です。 ) ・バイアル(機種ごとに指定) ・機種ごとに指定されているメンテナンスキット(キット中の BIAtest solution を使用) * Biacore Q の場合は Sensor Chip System Check をご使用ください。 51 トラブル発生 でもその前に確認 機器が止まってしまった時にエラー番号が表示される場合がございます。このエラー番号でどの部分が故障しているか分かるため、必ずエラー番 号をひかえるようお願いいたします。 操作ミスで起こるエラーの対処法 ① オートサンプラー関係のトラブル (オートサンプラーは、指定されたサンプルの位置に動き、ニードルが下がりサンプルを吸い上げ、インジェクションポートの位置に動きサンプル をインジェクションします。Biacore Upgrade, Biacore1000, Biacore2000, Biacore3000, Q, C, X100 の装置のみです。 ) オートサンプラーの停止には、下記のような原因が考えられます。 ・オートサンプラーの可動領域に物が置いてあり指定された場所に移動できない場合。 ・サンプルに固い蓋(エッペンチューブ)をしてしまいニードルが蓋を貫通する事ができない場合。 ・多数のサンプルを測定する場合、ほかのサンプルチューブの蓋が邪魔をし、ニードルがぶつかった場合。 ・Control ソフトで指定したラックベースと違うラックを設置した場合。 ・サンプルチューブの底が浅くニードルがぶつかってしまった場合(指定以外の製品を使用) 。 Biacore シリーズ 一度オートサンプラーが止まってしまうと操作が出来なくなってしまいます。このような状態になった場合一度 Biacore 本体の電源を切ります。 約10秒後再び電源を入れます。機器に問題がなければオートサンプラーのアームが初期状態の位置に戻ってきます。もし、動かなくエラーがで るようでしたら機器が故障している可能性がありますので技術サービス部までご連絡ください。 次にニードルが曲がっていないかチェックします。Control ソフトのメニューバーから Tools>Service Tools>Needle replacement/positioning を 選んでください。英語の説明の画面が表示されますので指示に従ってください。指示に従って操作するとニードルが中央の位置に移動してきま すのでニードルが曲がっていないか確認してください。曲がっている場合は交換が必要です。曲がっていなければニードルのポジションが合ってい るか確認します。引きつづき、画面表示に従ってください。 (Biacore3000 をご使用の方は Reag ラックを必ずはずしてください)。ニードルの位 置がずれていないようであれば System Check を行い異常がないことを確認してください。 ②メンテナンス実行の記録機能について メンテナンス情報 Biacore ではメンテナンスとして週に1回 Desorb、月に1回 Sanitize または Desorb and Sanitize の操作を行うようにおすすめしています。 Control ソフトではこれらの操作をいつ実行したか記録する機能があります。長期間メンテナンスを実行しないと自動的にメンテナンスをしてく ださいと警告が表示されます。この警告はチップを Dock して Prime の操作を実行させるときに表示されます。 センサーチップの中身の置き忘れ センサーチップが入らない、Dock が出来ない、Run センサーグラムをしたとき初めから灰色のセンサーグラムになる、Dip が見られないなどの 場合、センサーチップの中身が機器の中に入ったままになっていることが多いようです。 図 1 は、センサーチップガイドからシートを取り外した状態です。左がセンサーチップガイド、 右は金膜が付いているセンサーシートです。 (センサー シートは通常、チップガイドに収まっています) 図2 図1 ガイドホール センサーチップガイド センサーシート A B 機器のコンベアについているガイドピンがチップのガイドホールにはまり、コンベアの出し入れによりセンサーシートだけを動かす仕組みです。こ のときガイドピンがガイドホールに入っていない状態でコンベアを押すと、センサーシートは機器の中に入っていきますが、コンベアを引き出して もシートは戻りません。この状態が「センサーチップの中身の置き忘れ」です。 「センサーチップの中身の置き忘れ」となってしまうと、機器からセンサーシートを抜き取るのは大変です。 チップをコンベアにのせる前に指でシートの先端を押す習慣をつけることでこのようなトラブルを防ぐことができます。 センサーシートがセンサーガイドからはみ出た状態(図 2A)でセンサーチップを置くと、ガイドピンがシートのガイドホールに入らずシートのお尻 を押すことになります。この状態を防ぐためには、チップをコンベアにのせる前に図 2B の様にセンサーガイドからシートがはみ出ていないか指 で押してチェックすることをおすすめします。 52 洗浄用チップについて 洗浄用のチップとして使い古しのチップをお使いになっている場合、何ヶ月も同じチップをお使いになると、不具合が生じる場合があります。 センサーシートでは、金が蒸着されたガラスが接着剤によってプラスチックに付いています。長い間チップを使用していると接着が弱くなり剥が れ易くなります。ガラスは、 特殊な材料でできた Opto-interface と呼ばれるものを介してプリズムに密着されます。接着が弱くなるとガラスが、 この Opto-interface に付いてしまうことがあります。ガラスが付いたまま新しいチップを入れてもセンサーグラムはでてきません。 また、洗浄用チップのガラス面が汚れていると Opto-interface も汚れデータに影響を与える恐れが出てきます。時々洗浄用チップを洗浄するか 定期的に洗浄用チップを交換することをおすすめします。 システムチェック Kit をご購入いただきますとメンテナンス用チップが同梱されております。このチップは金の薄膜ではなく石英ガラスになってい るため表面が汚れた場合には簡単にふき取り洗浄ができます。 コンプレッサーが頻繁に動作する場合 Biacore シリーズ Biacore 製品では、流路の切り換えにエアーバルブを採用しています。このエアーバルブを動作させるためにコンプレッサーを使用し圧縮空気を 利用しています。バルブが動作すると圧力は低くなり、ある一定値以下になるとコンプレッサーが動き出し(“ブー”という音がします)、圧力を 加えます。これらの動作を繰り返すことにより常に圧力がある範囲内になるようになっています。圧力が低くなりすぎるとバルブが働かず流路 の切り換えがうまくいかなくなる可能性があります。 圧力が低くなる原因は、流路切り換え時のバルブ動作以外に、バルブを制御しているブロック部分からと Check Valve(エアーが逆流しない様 にするための弁)の目詰まりによるエアー漏れが考えられます。特に Check Valve の目詰まりによる原因が多くみられます。エアーが漏れ出す とコンプレッサーが1分間隔で頻繁に動くようになり、コンプレッサー自体に負担がかかります。また、このような状態が続くようであれば、コ ンプレッサーに関係する部分が故障する原因となります。エアーの漏れがひどくなると、エラーメッセージが表示され本体が正常に起動しなくな る可能性がでてきます。こういったケースでは、修理が必要になります。このような故障を未然に防ぐために、コンプレッサーが通常より多く音 を出していないか(動いているか)注意してください。もし、頻繁に動いているようであれば、本体の点検が必要になります。技術サービス部ま でご連絡ください。 システムチェックについて メンテナンス情報 センサーグラムがおかしい、ベースラインのノイズが大きいなど機器の調子がおもわしくない場合は、まず初めにシステムチェックを行うことを おすすめします。 システムチェックは機器のパフォーマンスを判断するテストです。 このテストによりサンプルが正しくインジェクションされているのか?流路の切換が正しく行われほかのフローセルに漏れだしていないのか? IFC (流路系)は汚れていないのか?などの情報が得られます。 システムチェックを行うときの注意点 、BIAtestsolution です(BIAtestsolution 準備する物は、新しいセンサーチップ(CM5)、新しいバッファー、バイアル(機種によって異なります) は BIA メンテナンスキットの中に入っています) 。特にセンサーチップとバッファーは新しいものを使用してください。古いものでチェックすると 正しい判断ができない場合があります(System Check で使用したチップは、ほかの実験に使用することができます) 。 テストプログラムが実行されるとテストの結果が表示され何処がおかしいか表示されます。表示に従いメンテナンスを行ってください。 システムチェックの内容について Biacore 2000 のシステムチェックを例に説明します。 (Biacore3000, X100, T100 についてもほぼ同様です。) ① 100 µl/min の流速で Testsolution をフローセル 1 からフローセル 4 に順番に 100,75,50,25 µl 連続して全フローセルに 50 µl COINJECT します。 ② ①でインジェクションした Testsolution を 110µl 回収します。 ③フローパスを 1 にし 5 µl/min の流速で②で回収したものを 5 µl QUICKINJECT します。 ④同様にフローパスを 2, 3, 4 に変更し Testsolution を 5 µl QUICKINJECT します。 ⑤フローパスを 1-2-3-4 に変更し流速を 20 µl/min にします。 ⑥約 10 分間バッファーだけを流しベースラインをみます。 ⑦ Testsolution とバッファーを 1:1 に混合し 2 回 10 µl INJECT します。 以上が、System check の内容で、正常であれば、図 1 の様なセンサーグラムになります。 図1 53 システムチェック後の Evaluation の見方 前項と同様 Biacore 2000 を例にして説明します。 (Biacore3000, X100, T100 についてもほぼ同様です。)結果は5つの項目で評価されます。 ① IFC ●評価内容 連続してフローセル( 「Serial」)に、またフローパスを変えて ( 「Sequential」 )BIAtest solution をインジェクションしたと きの各フローセルのレスポンスを表示し適切な値に入ってい るか評価します。 「Clip」は、各フローセルにおいて見られ るインジェクション前と後のベースラインの戻りを示してい ます。 「Leaks」は全フローセルにおけるインジェクション 前後のベースラインの戻りの合計値を示しています。 ●判断結果 この項目で次のことが判断できます。 ・各フローセルに正しく BIAtest solution がインジェクショ ンされているか? ・他のフローセルに漏れ出していないか? ・インジェクション後バルブの切替がうまくできているか? A. IFC Serial Sequential Fc1: 22165 OK 19141 OK Fc2: 22469 OK 21141 OK Fc3: 22501 OK 21193 OK Fc4: 22461 OK 21159 OK Fc1-2-3-4: 22439 OK Leaks: -34 OK Clip 16 OK 17 OK 26 OK 20 OK 25 OK Biacore シリーズ ② Refractometer test ●評価内容 各フローセル同時に BIAtest solution をインジェクションし たときのレスポンス( 「15% Sucrose」)の値を表示していま す。また、各フローセル間のレスポンスの差を評価していま す。Baseline level では、各フローセルのベースラインの実 際の値を表示して各フローセル間の差を評価しています。 メンテナンス情報 ●判断結果 この項目で次のことが判断できます。 ・各フローセル間でのレスポンスのばらつきがあるか? B. Refractometer test 15% Sucrose Baseline level Fc1: 22209 Fc1: 15246 Fc2: 22510 Fc2: 15334 Fc3: 22538 Fc3: 15435 Fc4: 22499 Fc4: 15390 Average: 22439(22000-23000)Average: 15351 Stdev: 154 (<200) Stdev: 82 (<300) ③ Mixing ●評価内容 BIAtest solution とバッファーを1:1で機器的に混合したものを2回インジェクション した時の値とその差を評価しています。 ●判断結果 この項目で次のことが判断できます。 ・Mixing がうまくできているか? C. Mixing 11496 Mix 1: Mix 2: 11432 Average: 11464 Difference(%): 0.6 OK Dilution factor:-0.02 OK ④ Noise ●評価内容 インジェクション前のベースラインの傾き( 「Short tem」)と 10 分間バッファーだけを流した時の傾き(「Long tem」)を 評価しています。 ●判断結果 この項目で次のことが判断できます。 ・バッファーの送液がうまくできているか? D. Noise Short tem Fc1: Fc2: Fc3: Fc4: Stdev Long tem 0.21 (<0.3RU) Fc1: 0.20 (<0.3RU) Fc2: 0.12 (<0.3RU) Fc3: 0.19 (<0.3RU) Fc4: Slope 0.01 (<0.05RU/s) 0.01 (<0.05RU/s) 0.00 (<0.05RU/s) 0.00 (<0.05RU/s) ⑤ Recovery ●判断結果 この項目で次のことが判断できます。 ・回収機能を使い BIAtest solution が回収されているか ? ・実際に回収できているか ? E. Recovery Recovery: Dilution: 19141 OK 0.09 OK 以上が Evaluation の内容です。 各値が適切な値に入っていれば「OK」が表示され、外れていれば「Check」が表示されます。 「Check」が表示された場合は Evaluation の結 果の2枚目に各項目ごとにメンテナンスの指示がありますので、指示に従ってメンテナンスを行ってください。また、メンテナンスを行っても改 善されないようであれば流路の一部が消耗している可能性があります。IFC(流路系)は消耗品ですので、定期的に交換することが重要です。 54 特殊な洗浄方法 通常の Desorb や Sanitize による洗浄では流路に付着した汚れが取り除けない場合があります。その場合には以下のような洗浄を試してみてく ださい(Superclean) 。IFC(流路系)やチュービングに付着したタンパク質、脂質を 4 種類の溶液で強力に洗浄します。 注意! Desorb や Sanitize の代わりになる洗浄法ではありません。必ず、日常的に Desorb や Sanitize による定期的な洗浄を行ってください。 PRIME コマンドを使用した強力な洗浄方法 ●準備するもの ・Maintenance Chip(又は不要なセンサーチップ) ・40-50℃に加熱した超純水 ・1% acetic acid ・0.2M sodium bicarbonate (NaHCO3) ・6M guanidine-HCl ・10mM HCl Biacore シリーズ ●洗浄手順 ①超純水をランニング緩衝液としてセットして、Maintenance Chip を Dock する。 ② Desorb, Sanitize を実行する(Biacore J に関してはコマンドがありません。マニュアルを参考にして実行してください)。 ③順次以下の溶液をランニング緩衝液としてメニュー Tools → Working Tools… → Prime を実行する。 1. 40-50℃に加熱した超純水 2. 1% acetic acid 3. 0.2M sodium bicarbonate (NaHCO3) 4. 6M guanidine-HCl 5. 10mM HCl 6. 超純水(3 回) ※ 2 ∼ 5 に下記溶液を用いることもできます。 2. 0.5% SDS 3. 6M Urea(もしくは 6M Guanidine-HCl) 4. 1% Acetic acid 5. 0.2M NaHCO3 ④終了後にシステムチェックを行うことをおすすめします。 メンテナンス情報 注意! 操作を途中で放置しないでください。流路系内に試薬を満たしたまま長時間放置すると、流路系を傷める恐れがあります。 インジェクションポートプラグの洗浄 − Biacore J 専用 インジェクションポートの汚染はサンプルのクロスコンタミネーションの原因となります。 通常のメンテナンス(Desorb, Sanitize)以外に、インジェクションポートプラグの洗浄をおすすめします。 (図 1、2) ①インジェクションポートプラグを手で回してはずす。 ② 試験管あるいは小ビーカーで BIAdesorb solution 1(BIA メンテナン スキット , BR-1006-66)をとり、プラグを 5 分間程度浸して洗浄する。 ③プラグを超純水に移してソニケーションする。 ④ BIAdesorb solution 2 に移して 5 分間程度浸して洗浄する。 ⑤ 超純水ですすいだ後、再びポートへ取り付ける。 図1 図2 55 コネクター , リカバリーブロックの洗浄 まず Biacore 本体の電源スイッチを切ります。 作業中は怪我をしないようにご注意ください、使用サンプルが危険なものである場合はお客様ご自身での交換はお控えください。 トラブルにより交換が出来ない場合や不明な点は技術サービス部にお問合せください。 Biacore X/ J の場合: ① チュービングコネクターを外す。 (図 3)チュービングコネクターを外 す際、フェラールをなくさないように注意してください。 (チューブの 先端についています)Biacore J の場合、 チューピングコネクターが 3 ヶ 所あります。 (p.55“インジェクションポートプラグの洗浄”図 1 参照) ②コネクターブロック下方のレバーを手前に引きコネクターブロックをそ のまま上に上げて外します。 (図 4) ③ 軽く水洗いし、ビーカーにコネクターブロックを入れ、超純水を入れて、 超音波洗浄器で 15 分程洗浄します。 (図 5) 図3 図4 図5 図6 Biacore シリーズ ④コネクターブロックを外した後の IFC 部分を水で湿らせた紙製のウエ ス(キムワイプ等)で軽く拭きます。 (図6)傷がつかないように軽く 拭いてください。 ⑤コネクターブロックを紙製のウエス(キムワイプ等)で軽く拭き、元の 取り付け位置に合わせ、下方のレバーで固定します(中央の金属製ピ ンにブロック中央の穴を合わせます) 。 (図 4)傷つけないように軽く 拭いてください。取り付ける際、接触面を傷つけないようにご注意く ださい。 FAQ メンテナンス情報/ ⑥チュービングを接続します(フェラールから 1cm 程チューブを出し、 そのままコネクターをしめる) (図 7)。フェラールの方向に注意してく ださい(先端が平面) 。ネジ穴の中にフェラールが残った場合は、フェ ラールの穴に通し、チューブの先端が奥に当たった状態でコネクター を締めてください。 図7 ? FAQ Q 日常のシステムのメンテナンスで注意することは? A 緩衝液を利用したまま、流速を止めて放置すると塩が析出して詰まります。システムを放置する際には、必ず超純水で置換してください。 また、定期的に洗浄コマンドを実行してください。 Q システムの洗浄方法は? (詳細は p.51 または日本語操作マニュアルをご参照 A 週 1 回 Desorb、月 1 回 Sanitize または Desorb and Sanitize を実施してください。 ください。 ) Q ベースラインのノイズやドリフトが大きい。要因と対処方法は? A 以下の要因と対処方法があります。 ①ランニング緩衝液の脱気が不十分(Biacore J, 1000, 2000, 3000, X, Q, C, X100, S51)・・・脱気を十分行ってください。 ②システムが汚れている・・・システムの洗浄を行ってください。 ③センサーチップが汚れている・・・チップの洗浄を行うか新しいチップに変更してください。 ④流路系の劣化・・・流路系を交換が必要です。 Q 流路系はどの程度で交換するの? (使用頻度によって異なります。) A 1 年程度が目安です。 Q 固定化したリガンドは保存して再度測定に利用できる? A サンプルにより異なります。ある抗体では、4℃、1 ヶ月保存で 80% 活性が保持されているというデータがあります。再利用する際には、 ポジティブコントロールで活性チェックを行うことをおすすめします。 Q 固定化したリガンドを剥がしてセンサーチップを再利用することは可能? A 共有結合で固定化したリガンドや、センサーチップ SA に固定化したビオチン化リガンドを剥がすことはできません。 Q メンテナンスチップは Dock したままで放置できる? A センサーチップを Dock したままで長期間放置した場合、取り出せなくなることがあるため、基本的には Undock してください。 56 Q センサーグラムが灰色の太線になる。対処方法は? A 以下の要因が考えられます。 ①エアーがフローセルに入っている・・・十分脱気したランニング緩衝液で Prime を実施してください。 ②ランニング緩衝液に高密度の成分が含まれる・・・グリセロールなど高密度の成分が含まれる場合には、検出限界を超えます。 除くか、濃度を下げてください。 ③センサーチップに問題がある・・・メンテナンスチップや SIA kit Au で金基盤の貼り付け向きを間違った場合には検出できません。 センサーチップを確認してください。 Q センサーグラムのベースラインが安定しない。対処方法は? A 以下の要因が考えられます。 ●センサーチップが新しく未固定の場合 ①ランニング緩衝液の脱気が不十分・・・十分脱気したランニング緩衝液で Prime を実施してください。 ②システムが汚れている・・・洗浄(Desorb)を実施してください。 ③システムの状態が悪い・・・システムチェックを実施して、トラブル箇所を確認してください。 ●固定化済みセンサーチップの場合 ①リガンドの劣化・・・固定化し直してください。 ②システムが汚れている・・・洗浄(Desorb)を実施してください。 ③チップ表面が汚れている・・・再生溶液を数回添加してください。 Q 測定中のスパイク状のノイズが入る。要因と対策は? Biacore シリーズ A ベースラインにノイズが入る; ①ランニング緩衝液の脱気が不十分・・・十分脱気したランニング緩衝液で Prime を実施してください。 ②システムの状態が悪い・・・システムチェックを実施して、トラブル箇所を確認してください。 Q サンプル添加中にノイズが入る。 A サンプル中にエアーが含まれている・・・オートサンプラータイプのシステムでは、バイアル内にエアーが入らないように注意してください。 セミオートタイプではサンプルおよび添加時にエアーが入らないよう注意してください。 FAQ Q サンプルが添加できない。要因は? A インジェクションポート、ニードル、流路系が詰まっている可能性があります。技術サービス部へご連絡ください。 Q シリンジポンプが液漏れしている。問題ある? A サンプルが添加できないなどの要因となります。技術サービス部へご連絡ください。 Q 設定した温度に達しない。要因は? A 設定した温度と室温の差が 10℃以上ある場合には安定しません。室温を調節してください。 57 バッファー試薬、メンテナンスキットご注文情報 製品名 製品概要 包装 コード番号 価格(円) ランニングバッファー(ベースライン安定化のため開封後 1 日以上経過したものはその都度脱気してお使いください。) HBS-EP (formerly HBS) *1 6 200 ml BR-1001-88 7,500 6 200 ml BR-1003-68 7,500 6 200 ml BR-1003-69 7,500 1 1000 ml BR-1006-69 50,000 10 倍濃縮ストック溶液。 0.1 M HEPES, 1.5 M NaCl, 0.5% v/v Surfactant P20, (10 倍希釈後 pH 7.4) 1 1000 ml BR-1006-71 50,000 10 倍濃縮ストック溶液。 0.1 M HEPES, 1.5 M NaCl, (10 倍希釈後 pH 7.4) 1 1000 ml BR-1006-70 50,000 10 倍濃縮ストック溶液。 0.1 M リン酸バッファー、27 mM KCl, 1.37 M NaCl, (5% DMSO 添加, 10 倍希釈後 pH 7.4) 1 1000 ml BR-1006-72 20,000 0.01 M HEPES pH 7.4, 0.15 M NaCl, 3 mM EDTA, 0.005% Surfactant P20 Biacore システムを用いて生体分子相互作用を測定するための 標準バッファーとしてお使いください。 滅菌フィルターろ過、脱気済み。室温に戻してすぐに使えます。 Biacore シリーズ HBS-P 0.01 M HEPES pH 7.4, 0.15 M NaCl, 0.005% Surfactant P20 *1 滅菌フィルターろ過、脱気済み。 室温に戻してすぐに使えます。 バッファー試薬、メンテナンスキットご注文情報 HBS-N *1 0.01 M HEPES pH 7.4, 0.15 M NaCl 滅菌フィルターろ過、脱気済み。 室温に戻してすぐに使えます。 HBS-EP+ 10X *2 Biacore システムを用いて生体分子相互作用を測定するための 標準バッファーの 10 倍濃縮ストック溶液。 0.1 M HEPES, 1.5 M NaCl, 30 mM EDTA, 0.5% v/v Surfactant P20, (10 倍希釈後 pH 7.4) HBS-P+ 10X HBS-N 10X PBS 10X *3 *2 *2 低分子化合物のアッセイにお使いください。 *1 *2 *3 Biacore 3000, Biacore 2000, Biacore 1000, Biacore C, Biacore X, Biacore J にお使いください。 Biacore A100、Biacore T100 にお使いください。 Biacore Flexchip 以外のシステムにお使いください。 ※価格は 2008 年 12 月現在の希望小売価格であり、予告なく変更する場合があります。 58 製品名 製品概要 包装 コード番号 価格(円) バッファー用試薬 Surfactant P20 Biacore システム用ランニングバッファーに用いられているポリオキ 20 ml BR-1000-54 19,500 シエチレンソルビタン非イオン性界面活性剤です。過酸化物質および カルボニル基に対する試験済み。 滅菌フィルターろ過済み。 10% 水溶液。バッファー 40 リットル分。 製品名 製品概要 コード番号 価格(円) コンポーネント メンテナンスキット BR-1006-66 20,000 Biacore Maintenance Kit (Biacore C, Biacore Q を お使いの方) 65 ml BIAtest solution (15% (w/w) sucrose in HBS-EP buffer) BR-1006-67 30 ml BIAnormalizing solution (40% (w/w) glycerol) Biacore Q/Biacore C 用 30 ml BIAnormalizing solution (70% (w/w) glycerol) 90 ml BIAdesorb solution 1 (0.5% (w/v)) (SDS) 90 ml BIAdesorb solution 2 (50 mM glycine-NaOH pH 9.5) 10 ml BIAdisinfectant solution (conc.) (Sodium hydrochloride with 8-12% active chlorine) 200 ml HBS-EP buffer 30 ml - plastic tube with stand and label, Sensor Chip Maintenance, plastic bag for sensor chip storage, Sensor Chip System Check, 2.0 ml - polypropylene screw top vials (11 mm) with screw caps, 4.0 ml - glass vials (16 mm), Rubber caps type 2 (penetrable, ventilated kraton G caps) 20,000 Biacore Maintenance Kit, type 2 (Biacore A100, Biacore T100, Biacore S51 をお使いの方) 65ml BIAtest solution in HBS-N 90 ml BIAnormalization solution, 2 95 ml BIAdesorbe solution 1, 2 95 ml BIAdesorbe solution 2 3 10 ml BIAdisinfectant solution (conc.) 50 ml HBS-N buffer 10 , Sensor Chip Maintenance BR-1006-51 40,000 Desorb Kit Flexchip の接液部分の滅菌と洗浄にお使いください。 BR-1008-23 20,000 BR-1007-24 15,000 BR-1007-03 160,000 BIAmaintenance Kit (Biacore 3000, Biacore 2000, Biacore 1000 をお使いの方) ただし、システムチェックの際は、それぞれのお使いのシステムに合わせて別途バッ ファーをご購入ください。 Biacore シリーズ HBS-EP バッファー(BR-1001-88), バイアル 9mm(BR-1002-07), バイアル 16mm(BR-1002-09)が 別途必要です。 Biacore システムのメンテナンスに必要なキットです。6 ヶ月分の試薬が入っています。 バッファー試薬、メンテナンスキットご注文情報 65 ml BIAtest solution (15% (w/w) sucrose in HBS-EP buffer) 30 ml BIAnormalizing solution (40% (w/w) glycerol) Biacore Upgrade/ Biacore 1000/Biacore 2000 用 (Biacore X, Biacore J をお使いの方) 30 ml BIAnormalizing solution (70% (w/w) glycerol) Biacore 3000/Biacore X/Biacore J 用 HBS-EP バッファー(BR-1001-88)が 90 ml BIAdesorb solution 1 (0.5% (w/v) sodium dodecyl sulphate (SDS)) 別途必要です。 90 ml BIAdesorb solution 2 (50 mM glycine-NaOH pH 9.5) (Biacore X100 をお使いの方) HBS-EP+10X バッファー(BR-1008-26), 10 ml BIAdisinfectant solution (conc.) (Sodium hydrochloride with 8-12% active chlorine) バイアル 11mm(BR-1002-87), 30 ml - plastic tube with stand and label, Sensor Chip Maintenance, plastic bag バイアル 15mm(BR-1006-54), for sensor chip storage キャップ(BR-1004-11)が別途必要です。 500 ml BIAdesorb Solution 1 (0.5% SDS), 500 ml BIAdesorb Solution 2 (50 mM glycine-NaOH) Flexchip Test Solution Kit Flexchip の性能チェックにお使いください。 100 ml Flexchip Test Solution 1, 100 ml Flexchip Test Solution 2 Flexchip Startup Kit Flexchip の実験を始めるために必要なものがすべて揃っています(機器に付いています) Gold Affinity Chip Set, 10 blocking buffer, Flexchip Test Solution Kit, Flexchip Getting Started Kit (BR-1008-22) Running Buffer, サンプルチューブ 25 本 ※価格は 2008 年 12 月現在の希望小売価格であり、予告なく変更する場合があります。 59 攻略ガイド・アプリケーションブック ご請求ください 生体分子相互作用解析攻略ガイド with Biacore Biacore 各機器の特長、18 の解析アプリケーション例、 生体分子相互作用解析 攻略ガイド with Biacore(ビアコア) Biacore シリーズ サンプル ・ 用途から最適な固定化法を選択できるガイドなどを網羅した、 180 頁のカタログです。 弊社 Web サイトからご請求ください。 71-3036-01 攻略ガイド・アプリケーションブック Web でダウンロード Biacore アプリケーションブックレット 2008 年に完成した Biacore アプリケーションブックレットの ファイル(PDF)をダウンロードいただけます。 研究目的ごとの Biacore 応用解析例がたっぷり詰まった 1 冊です。 ・Cancer research and proteomics ・Immunology and infectious diseases ・Neuroscience ご興味のある方は下記 URL にアクセスしてください http://www.gelifesciences.co.jp/bdm/bia_booklet.asp 60