和田隆司氏が厚生労働大臣表彰を受賞 - 一般社団法人 日本航空宇宙

平成23年12月　第696号
和田隆司氏が厚生労働大臣表彰を受賞
―「平成23年度卓越した技能者」（現代の名工）―
11月15日、「平成23年度卓越した技能者」
彰を受けました。
の表彰式が京王プラザホテル「ルミネンス
当工業会からは、平成11年以降13人目の受
ホール」において開催され、当工業会推薦に
賞となります。また、三菱重工業㈱名古屋誘
よる三菱重工業㈱名古屋誘導推進システム製
導推進システム製作所からの受賞は平成19年
作所の和田隆司（わだ たかし）氏が、“旋
から連続5年の受賞となります。名古屋誘導
盤工”部門で厚生労働大臣表彰を受賞しまし
推進システム製作所の冨永所長より次のコメ
た。
ントがありました。
この賞は、厚生労働省の技能者表彰規定に
『5年連続で弊所社員を表彰頂き、誠にあり
もとづき、広く社会一般に技能尊重の機運を
がとうございます。本表彰は本人のこれまで
高めるとともに、技能労働者の地位の向上を
の努力はもちろんのこと、新入社員教育の時
図ることを目的として、毎年、我が国最高水
点から技能検定等の公的資格取得を経て「名
準の技能を有し、他の技能者の模範となるに
誘の匠」へと育て上げる、幣事業所の人材育
ふさわしい卓越した技能者の方々を表彰して
成取り組みの成果として現れたものと考えて
います。
います。今後も技能者の模範かつ大きな目標
全国都道府県、全国的な事業主団体等、ま
として「名誘の匠」を育てていく所存です。
』
たは一般（賛同者）の推薦を受けた候補者の
中から、厚生労働大臣が選定し授与しており、
今回は、全国で150名の「現代の名工」が表
今回表彰を受けた和田氏は現在57歳で、昭
和44年三菱重工業㈱名古屋航空機製作所に入
名誘冨永所長（左）と今回表彰された和田氏
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トピックス
表彰式場での和田氏
厚生労働大臣表彰状及び
卓越技能章を前にした和田夫妻
社し、同工場と名古屋機器製作所で機械工と
極的に係ってきており、名誘社員はもとより
して汎用旋盤による旋削加工に従事してきま
協力工場の従業員に対し技術・技能の指導育
した。平成5年に名古屋誘導推進システム製
成を図り、切削加工技術の中心的な役割を果
作所に転任となって以降、高精度の技能が要
たしてきました。中堅・若手技能者の育成を
求される航空機ジェットエンジン部品の加工
図る上で、その核となるリーダー層のスキル
業 務 に 携 わ っ て き ま し た。デ ィ ス ク 等 の
を向上させるべく、各職場で必要とする技能
ジェットエンジン部品は、高温、高速で長時
伝承への積極的な支援・情報提供と技能検定
間回転するため高精度の品質要求が求めら
受検・職業訓練指導員試験受験の推進と援助
れ、尚且つ、加工の難しいインコ材（ニッケ
を行ってきました。
ル基耐熱合金）等を素材とします。そのため
和田氏の作業に当たってのモットーは、
『効
加工にあたっては長年の実績に基づくノウハ
率的で、品質の高い加工法を常に考える』で
ウを駆使してそれらの困難な要求に対処して
す。技能訓練生時に社内技能競技会旋盤の部
きました。具体的には治具や工具の選定、加
に、又20代前半に三菱重工名古屋地区3事業
工速度、加工時の温度管理等にノウハウを駆
所の同じく技能競技会旋盤の部に出場し優勝
使し、直径・平面度等の大変厳しい要求誤差
することが出来ました。しかし、同時期に3
範囲をクリアしてきました。更に、安定した
年間連続で出場した技能五輪愛知県予選で
品質を維持しつつ複数の生産ラインを構築し
は、他の参加企業（トヨタ系企業）が強くて
ました。
入賞するには至りませんでした。その時に強
このように和田氏は日々技術・技能の研鑽
く感じたことが、加 工方法、工具の選定等、
に努め、豊富な経験、知識を生かして機械加
参加企業間で大きな違いがあり、金属加工は、
工技術の改善と標準化、品質の安定化と向上
無限の加工方法があり、如何に、効率的で品
を図り、生産効率向上に大きく寄与してきま
質の高い加工方法を考えることが重要か思い
した。
知らされました。その経験がその後の会社生
活で自分自身のものの見方、考え方の基本に
和田氏は範師係長として後進の育成にも積
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なったとのことです。
平成23年12月　第696号
専用測定器による測定の指導をしている和田氏
和田氏はこれといった趣味はないそうです
今後も、これまでに培ってきた卓越した技
が、健康管理のため近くの公園や山を歩いた
能と豊富な経験・実績を職場の部下に伝えて
り、小旅行
（日帰り温泉）で気分転換をはかる
いっていただきたいと思います。
のが最近の休日の主な過ごし方だそうです。
〔（社）日本航空宇宙工業会 広報部長 岡田 孝一〕
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