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持続可能な農業

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持続可能な農業
持続可能な発展における FAO の 14 領域
FAO's 14 themes in sustainable development
●食料安全保障との権利 20150318
●栄養
●貧困の撲滅
●回復力 回復力
●社会的保護
●気候変動
●漁業、 養殖、五大海、海
●森林と山岳
●土地と土壌
●持続可能な農業 20150329
●就業権(Tenure rights)
●水
●生態系、生物学的多様性、遺伝
持続可能な農業
Sustainable agriculture
●
●
●
●
●
国際的食料安全保障を支える生産システムと政策および制度は、益々不適
切になっている。
持続性のある農業は、世界の食料安全保障を確保する一方で、健康な生態
系を育み、土地、水および天然資源の適切な管理を支えるものでなければ
ならない。
持続性であるために、農業は、生産物とサービスにおいて現在および将来
の世代の必要性を満たし、その一方で利益性、環境の健全性ならびに社会
経済的公平性を確保しなければならない。
食料と農業を持続可能にする国際的移行には、環境保全とシステムの快復
に利用する資源の効率を大きく改善することが求められている。
持続可能な農業は、貿易制度と貿易政策に関わる食料安全保証を推進し、
地元と地域の農業市場を推進する農業政策を再検討する国際的統治システ
ムを必要としている。
概要
2012~2014 年に世界で 8 億 500 万人もの慢性的な飢餓に苦しむ人々、飢餓
と栄養失調の持続的高止まり、ならびに地球の収容能力に対する持続不可能な
人間活動は、農業の主要な課題を提示した。2050 年までに存在して予想される
90 億以上の人々の食の需要および食事の変化を満たすために、農業は同じ期間
に 60%以上多くの食料を世界的に生産する必要がある。同時に、1 年間で生産
された症食料の約 3 分の 1、13 億トンが膨大な金融と環境の対価として食料供
給網を通して国際的に喪失または無駄にされている。
農業の成長と飢餓と貧困の撲滅との間には際立った関連性が存在している。
作物や家畜の生産、水産業および林業と広く理解されている農業は、現在貧困
-1-
の中で暮らしている人々の大半に対して、収入、仕事、食料ならびにその他の
商品やサービスを提供している。その結果、農業に由来する全体の GDP 成長率
は、平均して、非農業部門で生成された成長と比較して貧困を減らす効果が少
なくとも 2 倍、資源の乏しい低所得国のその他の部門よりも最大 5 倍も効果的
である。
鍵となる課題
農業生産の成長の現在の軌跡は、天然資源および環境に対する悪影響のため、
持続可能とは言えない。農地の 3 分の 1 が劣化し、作物の遺伝的多様性が最大
75%失われており、動物の品種の 22%がリスクに曝されている。半分以上の魚
種資源が完全に悪用され、過去 10 年間に亘って約 1300 万ヘクタールの森林が
毎年別の土地利用に変えられた。
直面している包括的な課題は、食料、飼料、繊維および農業に由来する商品
(作物、家畜、林業、漁業および養殖を含む)とサービスの需要が急増する際
の、天然資源の欠乏の進行と急速な劣化である。人口増が最も高いいくつかは、
農業に依存し、既に高い食料不足を抱えている地域で予測されている。その多
くが相互に関連しているその他の要因は、状況を複雑化している。
● 天然資源をめぐる競争は、激化を続けていくだろう。これは、都市の拡大、
様々 な農業部門間の競争、森林を犠牲にした農業の拡大、水の工業的使用、
あるいは土地の娯楽的使用に起因している。多くの場所で、このことが伝
統的な利用者を資源と市場の利用から排除している。
● 農業は、気候変動への主要な加害者であるが、その影響の犠牲者でもある。
気候変動は、生産システムの弾力性を減らし、天然資源の劣化に寄与して
いる。気温の上昇、変更された降水型、ならびに極端な気象現象は、将来
的に大幅に深刻になると予想されている。
● 人々と商品の移動の増加、環境の変化、および生産慣行の変化は、病気(高
●
病原性鳥インフルエンザなど)や侵入生物種(フルーツミバエなど)の新
たな脅威を引起しており、それらは食品の安全性、ヒトの健康および生産
システムの有効性と持続可能性に影響を与え得る。脅威は不適切な政策と
技術的能力によって悪化させられ、それは食料供給網全体にリスクをもた
らす。生態系と景観の明確な統合された管理は存在しない。
生産と資源保全のための政策課題と仕組みは、ほとんどが切り離されてい
る。
何をすべきか?What needs to be done?
上記に概説した課題は、新たな取組み方および持続可能性への移行の戦略的
-2-
な発展を導く 5 つの主要原則を浮かび上がらせる。
原則 1:資源の利用効率を改善することが、持続可能な農業にとって必須で
ある。
原則 2:持続可能性は、天然資源を節約、保護、強化する直接的活動を必要
とする。
原則 3:農村の生活と社会福祉の保護と改善に失敗した農業は、持続可能性
がない。
原則 4:持続可能な農業は、地域社会および生態系、とりわけ気候変動と市
場の不安定性の回復力を強化しなければならない。
原則 5:良好な統治は、自然と人間の両方のシステムの持続可能性のために
不可欠である。
変化の速さおよび増大した不確実性と取組むために、持続可能性は、達成す
べき単独に定義された終了点ではなく、過程として理解しなければならない。
このことは、回りまわって、技術革新の動的過程に従事している農業生産者と
資源管理者を支援する技術、政策、統治および資金調達の枠組みの進展を求め
る。とりわけ、
●
天然資源を枯渇または劣化させる行為に対する規制と対価を課し、必要と
される知識と資源の入手を促進するため、持続可能な慣行の採用のための
刺激を提供する政策と制度が必要とされる。
● 持続可能な農業慣行は、過去よりも多くの地元の知識の統合を通して、技
術、研究および開発の全面的活用をしなければならない。これには、技術
と投資を指向する組織の間の新たなより強固な協力が求められる。
● 農業部門の証拠に基づく計画と管理は、適切な統計、地理空間情報と地図、
定性的情報および知識を必要とする。解析は、生産システムおよび基本的
な自然および社会経済資源の両方に焦点を当てなければならない。
●
天然資源の備蓄と利用率に関連する課題は、しばしば国境を超越する。国
際的統治の仕組みと手順は、全ての農業部門における持続可能な成長(お
よび利益の公平な共有)を支え、天然資源を保護し、巻き添え被害を防が
なければならない。
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