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(第19講 第二次世界大戦とドイツの戦略(3) / 1614KB)

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(第19講 第二次世界大戦とドイツの戦略(3) / 1614KB)
第19講
第二次世界大戦とドイツの戦略
(3)
1940年7月のヨーロッパ
http://www.ushmm.org/wlc/es/media_nm.php?ModuleId=10007556&MediaId=6799
1940年7月のヒトラーの情勢判断
「なぜイギリスは抵抗を続けるのか?」
http://www.giervalk.bravepages.com/GreatBritain/Great-Britain-Map-1.jpg
ヒトラーの判断
1940年7月31日
「イギリスの希望はロシアとアメリカである。も
しロシアへの希望が潰えれば、アメリカも潰え
去る。なぜならロシアが脱落すると東アジア
において日本の価値が飛躍的に高まるから
である」。
「ロシアは日本に向けられた英米の剣」
対ソ政策 2つの選択肢
1) ソ連を味方に惹きつけて
「日独伊ソ」四国同盟を結成する
外務大臣リッベントロップの路線
2) ソ連を軍事的に打倒する
ヒトラーの路線
アメリカ牽制・イギリス屈服の手段
日独伊三国同盟調印
1940年9月27日
http://www.reformation.org/atomic-bomb.html
モロトフ=ヒトラー会談
1940年11月12日
http://stevenlehrer.com/reich_chancellery.htm
総統司令第21号 バルバロッサ計画
1940年12月18日
「ドイツ国防軍は対英戦終了以前の段階であっ
てもソヴィエト・ロシアを迅速に打倒するため
の準備を整えなければならない」
「 41年5月15日までにその準備を終える」
「攻撃意図を察知されないことが決定的に重要
である 」
ヒトラーの対ソ「聖戦」論(1)
(1941年3月30日)
この戦争は二つの世界観
の戦いであり、絶滅戦争
である。ボリシェヴィキ政
治委員と共産主義的イン
テリゲンツィアは根絶しな
ければならない。
総統指令 第24号 「日本との協力」
1941年3月5日
「バルバロッサ計画については日本にいかなる示唆も与えては
ならない」
「三国同盟に基づく協力の目的は、極東において可及的速やか
に日本に積極的な行動をとらせること」
「極東におけるイギリスの最重要拠点シンガポールの奪取」
「強力なイギリスの戦力が釘付けにされ、アメリカ合衆国の関心
の重点が極東に向けられる」
松岡のベルリン訪問
(1941年3月)
独ソ戦について何も知らされない松岡
日ソ関係の
改善のため
ドイツの仲介を
お願いしたい
もう独ソ戦を
戦うことは
決まってるんだ
けどね・・・
http://www.artehistoria.com/frames.htm?http://www.artehistoria.com/batallas/contextos/4428.htm
日ソ中立条約の成立
1941年4月13日
ドイツは協力
してくれなかった
けど、何とか
うまくいったな
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2001/gallery/domei/
日独伊ソ四国同盟の一部としての
日ソ中立条約
私も大変
満足です
これで
日独伊ソが
うまくいく
http://www.tabiken.com/history/doc/N/N377R100.HTM
独ソ戦勃発
1941年6月22日
http://www.stern.de/politik/historie/537931.html?eid=537265&nv=fs&cp=5
ドイツ軍のソ連侵攻
http://carlisle-www.army.mil/usawc/Parameters/99spring/barbaro2.gif
ドイツ軍を花で迎えるウクライナ人
http://www.vho.org/VffG/2001/4/Michaels431-437.html
近衛首相の怒り
ドイツが日本を
裏切るのはこれで
2度目だ!
リッベントロップ、(独断で)
日本に対ソ戦への参戦を要求
(1941年6月28日)
ロシア問題の最終的除去は、日本とドイツが協同する
ことにより最も迅速かつ最も決定的に実現される。・・
冬の到来の前に西進する日本軍と東進するドイツ軍が
途中で握手し、シベリア鉄道と空路を用いてロシアをま
たがる日独の直接の連絡を作り出し、日独に対するロ
シアの脅威を永遠に除去することがこの作戦の目的で
ある。
リッベントロップの「ソ連なき」ユー
ラシア大陸ブロック構想
ドイツ
ソ 連
イタリア
日 本
ヒトラー激怒しリッベントロップを罵倒
何ということをするんだ!
日本にはシンガポールを
叩かせればよいのだ!
日本政府内の分裂
君子は
豹変する!
対ソ戦を
やるべきだ
北進論
やれやれ
松岡にも
困ったものだ
南進論
www.mofa.go.jp
ndl.go.jp
ヒトラーの対ソ「聖戦」論(2)
この戦争には日
本の支援が必要
なわけではない。
この戦争はドイツ
単独で遂行しうる。
「情勢の推移に伴う帝国国策要領」
(1941年7月2日御前会議決定)
1. 帝国は世界情勢の如何に拘らず大東亜共
栄圏を建設し以て世界平和の確立に寄与せ
んとする方針を堅持す。
2. 帝国は依然支那事変処理に邁進し且つ自
存自衛の基礎を確立する為南方に歩を進め、
又情勢の推移に応じ北方問題を解決す。
第三次近衛内閣の成立
(1941年9月18日)
松岡には辞
めてもらわな
ければなら
ぬ。
『朝日新聞』1941年9月19日朝刊
北部フランス領インドシナ占領
(1940年9月)
海南島占領
(1939年2月)
南部フランス領インドシナ占領
(1941年7月)
南部仏印進駐 1941年7月28日
ローズヴェルト、石油禁輸で対抗
日本への
石油輸出を
禁止する!
http://www.mbe.doe.gov/me70/manhattan/einstein_letter.htm
1941年9月6日 御前会議
帝国国策遂行要領を決定
1. 帝国は自存自衛を全うする為対米(英蘭)
戦争を辞せざる決意の下に概ね十月下旬を
目途とし戦争準備を完整す。
2. 帝国は右に竝行して米英に対し外交の手
段を尽して帝国の要求貫徹に努む。・・・・
3. 前号外交交渉に依り十月中旬頃に至るも
尚我要求を貫徹し得る目途なき場合に於て
は直ちに対米(英蘭)開戦を決意す。・・・
1941年11月2日
帝国国策遂行要領を決定
1. 帝国は現下の危局を打開して自存自衛を完ふし、
大東亜の新秩序を建設する為、此の際対英米蘭戦
争を決意し、左記の措置を採る。
⑴武力発動の時期を12月初頭と定め陸海軍は作戦
準備を完整す。
⑵対米交渉は別紙要領により之を行う
⑶独伊との提携強化を図る。・・・・
2. 対米交渉が12月1日午前零時迄に成功せば武力
発動を中止す。
大本営政府連絡会議
「対米英蘭蔣戦争終末促進に関する腹案」
1941年11月15日
独伊と提携して先ず英の屈服を図り米の継戦意志を喪失せ
しむるに努む
独『ソ』両国の意嚮に依りては両国を媾和せしめ『ソ』を枢軸
側に引き入れ、他方日ソ関係を調整しつつ場合に依りては
『ソ』連の印度『イラン』方面進出を助長することを考慮す
モスクワ戦線での冬将軍
http://www.weltchronik.de/dch/dch_3273.htm
ヒトラー、モスクワ攻撃中止を指令
総統指令 第39号
1941年12月8日
大規模な攻撃作戦を
即座に停止し、
防衛体制に
移行せよ!
http://www.badeagle.com/journal/archives/2003_12.html
日本海軍、真珠湾を奇襲
1941年12月8日
http://www.stern.de/politik/historie/537931.html?eid=537265&nv=fs&cp=6
「三国同盟は僕一生の不覚だった」
http://art-random.main.jp/samescale/066.html
参考文献
田嶋信雄「総説:東アジア国際関係のなかの日独関係」
工藤章・田嶋信雄(編)『日独関係史 1890-1945』
第Ⅰ巻 東京大学出版会 2008年
田嶋信雄「総説:国際関係のなかの日中戦争」
西村成雄・石島紀之・田嶋信雄(編)『国際関係のなか
の日中戦争』慶應義塾大学出版会 2011年
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