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通貨週報(11/29)
Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ 株式会社三菱東京UFJ銀行 2010年11月29日 BTMU Emerging Markets Weekly Ⅰ.アジア通貨 【為替・金利・株式データ】 OPEN 騰落率 中銀参考 6ヶ月先物 主要金利 株価終値 前々週末比 ▲2.52% -39.16 1,144.40 1,167.30 2.6300 1,901.80 ▲0.51% 6.03 30.470 0.2310 8,312.15 ▲0.47% -18.10 6.6553 6.6395 2.7100 3,007.40 ▲0.14% -728.46 7.7538 0.1700 22,877.25 ▲0.96% -150.02 44.255 44.260 4.2500 4,053.58 ▲1.82% -39.29 1.3201 0.3125 3,158.08 ▲1.17% -14.00 3.1844 2.8400 1,492.05 ▲1.10% -17.06 30.0550 30.3600 1.7500 991.71 ▲0.90% -82.55 8,967 9,273 5.6500 3,642.50 ▲1.28% -448.83 45.7400 47.1050 6.8500 19,136.61 +0.00% 13.43 18,932 9.380 439.94 ▲0.53% 179.03 12.380 11,145.02 ※週間対ドルレート シンガポール、タイ、香港:オフショア市場レート。その他:当該国内市場レート。 ※中銀参考値 前営業日の各国中銀又は公営ブローカー発表レート(Fixingレート)。 ※6ヶ月先物 フィリピン、韓国、台湾、中国、インド:NDFレート。マレーシア、インドネシア:オンショア先物レート。その他:オフショア先物レート。 ※主要金利 シンガポール・マレーシア・香港・韓国:銀行間1ヶ月物金利, 中国:7日物レポ金利, その他:翌日物金利。 ※株式市場 当該国市場最終取引日の主要株価指数終値。 韓国・ウォン 台湾・ドル 中国・人民元 香港・ドル フィリピン・ペソ シンガポール・ドル マレーシア・リンギット タイ・バーツ インドネシア・ルピア インド・ルピー ベトナム・ドン パキスタン・ルピー 1,131.00 30.673 6.6361 7.7538 43.760 1.2965 3.1130 29.9300 8,930 45.2650 19,495 85.300 CLOSE 1,159.50 30.830 6.6675 7.7643 44.180 1.3201 3.1495 30.2600 9,010 45.8450 19,495 85.750 【アジア通貨サマリー】 先週の為替市場ではアイルランド情勢を巡ってユーロが対米ドルで1.37台後半から1.32近辺まで下落するなど軟調な値 動きを辿り、結果的に米ドルを大きく支援する材料となった。加えて23日以降は、朝鮮半島情勢を巡る地政学リスクも意識さ れると、韓国ウォンを筆頭にアジア通貨も対米ドルで概ね全面安の様相を強めた。投資家はリスク資産に対し慎重な姿勢を 強めており、週を通してみると米ドルがしっかりとした推移を辿る週となった。 アイルランドの政府債務問題に関しては、週末にかけて欧州連合(EU)がユーロ圏16ヵ国の財務相会合を開催し、同国に 対する総額850億ユーロの金融支援策を承認したことが報じられている。ただ、この報道後もユーロの対米ドル相場が大きく 反発する動きとはなっておらず、市場が依然として欧州に対して厳しい見方をしていることがうかがえる。特に今回のアイル ランド情勢を巡っては、同国の金融機関の資産内容にも焦点が当たったことから、約90行の内、「不合格行」を7行のみとし た7月の欧州金融機関のストレステストの実効性が改めて意識されている上、総額7,500億ユーロの緊急融資制度が安全網 として十分な規模かどうかを疑問視する声も少なくない。先週はポルトガルやスペインなどの周辺国に対するCDS(クレジッ トデフォルトスワップ)のスプレッドも拡大しており、欧州のソブリン問題は当面の間ユーロの上値を抑え、間接的な米ドル下 支え要因として意識されそうだ。 もっとも米国に視線を転じると、米ドルも磐石とは言いがたい。例えば、経済指標をみると足元では一部に好転の兆しもう かがえるが、米ドル市場金利の上昇は米10年物国債の利回りでみて2.9%絡みで膠着度合いを強めており、米ドルの一段 の上昇はやや息切れしつつあるとも見受けられる。特に今週、米国ではISM景況指数や雇用統計などの重要な経済指標 の発表を控え、にわか米ドルロングの持ち高調整に伴い、米ドルが小反落する可能性も高いと言えよう。 アジア通貨は、月末に絡んだ実需筋のドル買い需要が根強いことから週前半は軟調な値動きが予想されるが、その後は ある程度しっかりとしてくる展開が予想され、週を通じてみれば、大きな方向感は出づらいのではないか。また、28日から4 日間の予定で米韓軍事演習が実施されている模様である。朝鮮半島情勢を巡る緊迫感は相応に高まっており、不測の事 態を念頭に入れておく必要はあるだろう。 【通貨別動向】 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《韓国ウォン》 1350 先週の韓国ウォンは1,131で寄り付いたが、23日午後に北朝鮮が韓国の延 1950 坪島へ砲撃を実施したことから急落、24日には9月上旬以来の安値水準とな 1300 る1,175.0まで下落した。その後、軍事関連株や金融株を中心に韓国総合株 1850 1250 式指数が上昇すると、ウォンも1,130台まで急反発する場面がみられた。しか し、週末から始まる米韓合同軍事演習が再び緊迫感を増幅させた形となり、 1750 1200 朝鮮半島情勢に対する懸念が再燃、結局1,159.5まで反落して安値圏で越 1650 週した。26日に発表された10月の経常収支では黒字額が前月比14億2,000 1150 万ドル増加し53億7,000万ドルとなるなど、需給面ではウォン高圧力がかかり 1550 1100 易いと言える。ただ、今週に関しては引き続き朝鮮半島情勢が予断を許さな い状況であり、不測の事態が生じた場合の下落リスクも念頭に入れる必要が 1050 1450 あるだろう。予想レンジ:1,130~1,180 (今週の主な予定)30日(火)鉱工業 11月12月1月 2月3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月10月11月 生産(10月) 1日(水)消費者物価指数(11月)、貿易収支(11月)、輸出(11 韓国ウォン(左) 総合株価指数(右) 月)、輸入(11月) 2日(木)外貨準備高(11月)、GDP(国内総生産)(3Q) 1 / 7 ページ 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《台湾ドル》 33.0 9000 先週の台湾ドルは週初30.673で寄付き後、一旦は30.229まで上昇したが、そ の後は朝鮮半島の軍事的な緊張の高まりが嫌気され、総じてリスク資産が軟調 32.5 8500 に推移すると、4週間ぶりの安値となる30.905まで下落した。その後、30.30台ま で値を戻す場面もあったが、当局の為替介入に対する警戒感も台頭し、30.83ま 32.0 8000 で反落して越週している。週末の5直轄市長選では、与党・国民党が接戦の末、 台北市を含む3都市で勝利を納め、馬政権が推し進めてきた経済面での台中関 31.5 7500 係改善などの成果に一定の信任が得られた形となった。アイルランド情勢を巡る 問題は沈静化に向かう可能性があるものの、依然として欧州諸国の財政問題に 31.0 7000 対する懸念は燻っており、また朝鮮半島の軍事的緊張も意識される中、リスク資 30.5 6500 産選好を積極的に進められる状況ではなく、引き続き台湾ドルの上値は重いだ ろう。ただ、台湾の10月の失業率が4.96%と予想を上回って改善するなど最近の 30.0 6000 良好な経済指標が下支えとなり、台湾ドルが大きく下がる展開も予想しづらいと いえる。予想レンジ:30.20~31.00 (今週の主な予定)3日(金)外貨準備高(11 台湾ドル(左) 加権指数(右) 月) 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《中国人民元》 4000 先週の人民元相場は週間高値となる6.6361で寄り付いたが、その後は軟調に 6.8500 推移し、6.65を挟んだ値動きとなった。また、朝鮮半島情勢の緊迫化を受けて総 3750 じて米ドルが堅調に推移したこともあり、週末にかけては6.6705まで下落、そのま 6.8000 3500 ま安値圏での越週となった。中国政府は食糧生産の拡大や安定的なエネル ギー供給を義務付けるなど一連のインフレ抑制策を発表したほか、投機資金の 3250 6.7500 さらなる流入を抑制するため「ミニ適格外国機関投資家制度(QFII)」制度の導 3000 入を延期した模様であり、引き続き一般物価上昇や資産インフレへの警戒を強 6.7000 2750 めていることがうかがえる。インフレ抑制のため、ある程度の人民元高の受け入 れが今後も必要と思われるが、短期的には朝鮮半島情勢や欧州問題が燻る 2500 中、ある程度は米ドルがしっかりする展開が予想され、今週の人民元も横ばいか 6.6500 2250 ら小幅軟調な値動きとなるだろう。尚、人民元の国際化と米ドル依存軽減を目的 2000 6.6000 として、22日より中国外国為替取引センター(CFETS)では7番目の取引通貨と 11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月 なるルーブルの取引が開始されている。予想レンジ:6.6450~6.6850 (今週の 中国人民元(左) 上海A株指数(右) 主な予定)特になし 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《フィリピンペソ》 4500 週初ペソは先週末対比0.07ペソ高となる43.760で寄り付いた。欧州ソブリンリス 50 クの再燃の兆しにリスク回避姿勢が優勢となる中、ペソも下げ足を速めた。23日 49 4250 に北朝鮮による韓国への砲撃の報が伝えられると一段とリスク回避、有事の米ド 48 4000 ル買い姿勢が強まり、ペソは9月20日以来、約2ヵ月ぶりのペソ安水準に続落し 47 3750 た。同日に発表された10月の財政赤字は105億ペソとなり年度目標であるGDP 46 3500 の3.9%以内(3,250億ペソ)を達成する可能性が高まったが、相場への影響は軽 45 微。一方で、25日に発表された第3四半期のGDPは事前予想を下回る結果と 3250 44 なった上、対前期比ではマイナス成長となり、週末26日にペソは週間安値となる 3000 43 44.340まで下落した後、44.180で越週した。通常、年末に向けてOFW(海外フィ 2750 リピン人労働者)送金の増加によりペソ高に動く時期であるが、今年はまだその 42 傾向が顕在化していない。昨今のリスク要因の増加が8月以降に積み上がった 2500 41 フィリピンペソ(左) 総合指数(右) 11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月 米ドルショートの解消への格好の理由となっている面もあろうし、ASEAN全体の 景気先行きへの不安感もあろう。今週もペソは強弱材料入り混じりで現状レベル でのもみ合い推移を予想する。予想レンジ:43.90~44.50 (今週の主な予定)特 になし。 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《シンガポールドル》 3400 週初1.29台後半でスタートしたシンガポールドル(以下、SGD)は、前週末にアイ 1.48 1.46 ルランド政府が欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に正式に支援を要請したこ 1.44 3200 とを受けて欧州財政問題への不透明感が後退する中、ユーロ高米ドル安の動き 1.42 3000 に乗じて1.29台前半まで上昇した。しかし、23日シンガポール時間午後には北朝 1.40 1.38 鮮による韓国砲撃が報じられ有事の米ドル買いの動きが強まり、SGDは1.31台半 1.36 2800 ばまで急落。週末にかけては北朝鮮の「戦争」示唆やアイルランド問題のポルトガ 1.34 ルへの飛び火が懸念される中、再度下落基調を強める展開となり1.32台前半まで 1.32 2600 1.30 下落、1.32台丁度近辺で週を終えた。今週のSGDは底堅い推移を予想する。大 2400 局観として米ドルが大底を打ったと判断するには早計であると思われる一方、アジ 1.28 1.26 ア通貨はまだ割高感が強いと思われ、SGDについては、この綱引きの均衡点を求 1.24 2200 めて落ち着き所を探る展開をイメージしている。予想レンジ:1.3000~1.3350 (今 11月12月1月 2月3月 4月5月 6月7月 8月 9月10月11月 週の主な予定)30日(火)マネーサプライM2(10月) シンガポールドル(左) ST指数(右) 2 / 7 ページ 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《マレーシアリンギット》 1600 アイルランドの財政赤字問題が燻る中、北朝鮮による韓国砲撃の報にリスク回 3.7 避の動きが強まりアジア株・通貨ともに大幅下落となると、リンギットも3.14台まで 3.6 1500 急落。その後、アジア株が堅調な動きを見せたことからリンギット下落も一旦は 3.5 収まったが、26日には朝鮮半島での軍事的緊張の高まりが嫌気され再び下落 1400 3.4 圧力強まり、8月中旬以来の安値となる3.16台後半をつけた後、3.15近辺でク ローズした。今週のリンギット相場は下値を試す展開を予想。欧州債務問題に 3.3 1300 加え朝鮮半島での軍事的緊張が高まったことから、特にアジアでのリスク回避 3.2 の動きが強まっている。これまで積み上がったアジア株や通貨の買いポジショ 1200 ンの大規模な巻き戻しに繋がるリスクがあり、今週の動きはリンギット相場にとっ 3.1 て重要であろう。チャート的には3.15の支持線を明確に抜けてきたことから、 3.0 1100 3.18~3.20近辺まで下落余地が拡がっている。予想レンジ:3.1300~3.2000 11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月 (今週の主な予定)30日(火)失業率 3日(金)貿易収支(10月)、輸出(10 マレーシアリンギット(左) KLSE総合指数(右) 月)、輸入(10月) 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《タイバーツ》 34.0 1200 先週のバーツ相場は29.93で寄り付いたが、その後も欧州の政府債務問題 に対する懸念が燻った上、朝鮮半島の緊張の高まりが嫌気され、30.17まで 1100 下落した。その後、暫くはもみ合いとなったが、月曜日に迫ったタイ民主党 33.0 1000 関連(後述)の裁判の行方が警戒されバーツは続落、10月5日以来のバーツ 安水準となる30.31まで下落した。今週はバーツ相場の軟調な値動きを予想 32.0 900 する。月末週となるため輸入決済に伴う米ドル買い需要が集中し易い上、年 末を控えた外資系企業の本国送金需要もあるため、バーツ売り圧力が掛か 800 31.0 り易い。また本日(29日)は、タイ民主党による政党交付金不正流用疑惑に 700 関する判決が出される模様だ。仮に有罪判決となった場合、アピシット首相 30.0 ら当時の党幹部の政治活動が向こう5年間禁じられるため、政治的な混乱を 600 もたらす可能性が懸念されている。また12月1日には金融政策決定会合を 控えているが、政策金利の据え置き観測が高まっているとは言え、実際に利 29.0 500 11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月10月11月 上げが見送られた場合には、もう一段のバーツ売りにも警戒が必要だろう。 予想レンジ:29.90~30.50 (今週の主な予定)30日(火)貿易収支(10月)、 タイバーツ(左) SET指数(右) 輸出(10月)、輸入(10月)、経常収支(10月) 1日(水)消費者物価指数(11 月)、金融政策決定会合(11月) 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《インドネシアルピア》 10500 4000 先週のインドネシアルピアは8,930で寄り付いた後、週間高値となる 3750 8,922を記録したが、その後は欧州のソブリン問題や朝鮮半島情勢の 10000 3500 緊迫化を受けてリスク資産を回避する動きもみられる中、ルピアはやや 3250 軟調に推移した。26日には週間安値となる9,010まで下落し、そのまま 9500 安値圏で越週した。今週も引き続きリスク回避の動きが継続すると見込 3000 まれる上、月末要因の米ドル買い需要もあることから、ルピアの上値は 9000 2750 重いと予想する。尚、24日にはムルヤ中銀副総裁が現在の政策金利 2500 8500 について「2011、2012年のインフレ目標を達成する上で適切な水準に 2250 ある」と述べ、向こう2年にわたり政策金利を据え置く可能性を示唆し 8000 2000 た。予想レンジ:8,980~9,050 (今週の主な予定)1日(水)貿易収支 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 (10月)、輸出(10月)、輸入(10月)、消費者物価指数(11月) 3日(金) インドネシアルピア(左) ジャカルタ株価総合指数(右) 金融政策決定会合(11月) 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《インドルピー》 22000 50.0 先週のインドルピーは45.265で寄り付き、週初に高値となる45.21を 49.0 記録したが、その後は欧州ソブリン問題や朝鮮半島情勢の緊迫化を 20000 受けて米ドルが小じっかりと推移する中、ムンバイSENSEX株価指数が 48.0 下落したこともあり、週末に安値となる45.90まで下落し、安値圏で越週 47.0 した。今週のインドルピーは安値圏での保ち合いが予想される。依然と 18000 46.0 して投資家はリスク資産に対する慎重姿勢を強めており、ルピーの上 値は重く、46台も視野に入る。ただ、12月16日に予定されているインド 45.0 16000 中銀理事会での利上げ観測も高まっており、ある程度ルピーを下支え 44.0 すると思われ、45台半ば程度までの反発は有り得るだろう。予想レン ジ:45.50~46.10(今週の主な予定)30日(火)GDP(3Q) 1日(水)輸 14000 43.0 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 出(10月)、輸入(10月) インドルピー(左) 3 / 7 ページ SENSEX株価指数(右) Ⅱ.中東欧・トルコ・ロシア・南アフリカ通貨 【為替・金利・株式データ】 OPEN ポーランド・ズロチ ハンガリー・フォリント チェコ・コルナ 南アフリカ・ランド トルコ・リラ ロシア・ルーブル CLOSE 3.9333 273.77 24.710 6.9800 1.4410 31.010 4.0300 279.90 24.700 7.1450 1.4911 31.419 騰落率 ▲2.5% ▲2.2% +0.0% ▲2.4% ▲3.5% ▲1.3% 中銀参考 4.0275 279.90 24.725 - 6ヶ月先物 4.0731 285.33 24.713 7.3321 1.5322 31.979 主要金利 株価終値 1.990 4.000 0.700 5.200 7.800 1.750 45,641.90 20,763.54 1,126.50 27,730.43 66,147.74 1,602.00 前週末比 ▲363.90 ▲1,729.78 ▲20.60 ▲199.90 ▲3,850.33 +1.50 ※中欧4通貨(ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキア)のレートは対ユーロ、それ以外は対ドル ※ロシア・ルーブルのレートは参考気配値 ※CLOSEはLDN 16 時 ※中銀参考は ECB 発表のリファレンスレート ※主要金利は翌日物金利の週末引け値 ※株式市場は地場市場の週末引け値 【通貨別動向】 対ユーロ相場と主要株価指数(過去1年) 《ポーランドズロチ》 先週のズロチは欧州周縁国に対するソブリンリスクの高まりから軟調に推 50000 4.5 移、約4ヵ月ぶりの水準となる4.04台まで急落となった。週初3.93台で寄り 4.4 付いたズロチは、週末の地方選挙が無難な結果に終ったことから一時3.92 4.3 45000 台まで強含むも、その後はアイルランドへの信用懸念の高まりを受けて週 4.2 を通じて上値重く推移、週末には節目となる4.0を1ヵ月ぶりに割り込むと、 投資家からのズロチ売りが殺到し4.0499まで急落、そのまま安値圏で越週 4.1 40000 となった。23日に行われたMPC(金融政策決定会合)では、大方の予想通り 4.0 政策金利が据え置きとなったが、記者会見でBelka中銀総裁は「ズロチは 3.9 35000 大きく上昇する可能性があり計数化は難しいが、確実に10%を超える」と述 3.8 べるとともに、ズロチの上昇がインフレ抑制に役立つとの見方を示した。ま た総裁は、「来年は政府の国債発行増加に伴い資金流入が増加する」と 3.7 30000 の見方も示している。足元では市場のリスク回避の動きからズロチは神経 ポーランドズロチ(左) WIG指数(右) 質な値動きとなっているものの、先週発表された小売売上、失業率は共に 市場の予想を上回る良好な内容となっており、中長期的なズロチの堅調地 合いに大きな変化はないと見ている。今週発表される第3四半期GDPに期 待したい。予想レンジ:3.9800~4.0600 (今週の主な予定)30日(火)GDP (3Q) 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 対ユーロ相場と主要株価指数(過去1年) 《ハンガリーフォリント》 300 27500 先週のフォリントは273台後半で寄り付いた。前週末のアイルランド による金融支援要請が好感されリスク回避姿勢が弱まると、週初に一 時273割れまで上昇するも続かず。その後、週前半は275台を中心に 290 25000 レンジ推移となった。週後半に入ると欧州圏ソブリンリスクが再び強ま る中、同国債入札も不調となり売りが先行。更に私的年金制度に関 280 22500 する政府決定も嫌気され、週末には週間安値となる281.05を示現、 そのまま安値圏で引けた。政府は来年末までに基礎年金における私 270 20000 的年金を廃止、公的年金への一元化を目指している。同国GDPの 10%に相当する年金資産を国家管理下に戻すことで財政安定化を図 りたいとの考えだ。しかし、政府のこの動きに対しては私的年金業界 260 17500 やEUからの非難も強く、政治的な混乱を招いている。足元でユーロ 圏財政への懸念が強まる中で同問題が火に油をそそぐ形となってお 250 15000 り、今週のフォリントについても引き続き軟調な推移を予想する。尚、 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 今週初にはMPCを控えているが、引き続き政策金利は据置かれる見 ハンガリーフォリント(左) ブダペスト証取指数(右) 通し。予想レンジ:276.50~283.00 (今週の主な予定)29日(月) MPC 30日(火)製造業物価指数(10月) 4 / 7 ページ 対ユーロ相場と主要株価指数(過去1年) 《チェココルナ》 27.0 1400 先週のコルナは、朝鮮半島での緊張感の高まりやアイルランドの格下げ見 通しが強まったことから域内通貨が軟調推移となる中、逃避通貨として対域内 26.5 1300 通貨で上昇地合いとなり底堅く推移する一方、国内新規材料に乏しく、対 26.0 ユーロで24.6台半ばから24.7台半ばでの非常に狭いレンジでのもみ合いと なった。しかし週末にかけては欧州周縁国に対する不安が再燃、リスク回避 25.5 1200 地合いが強まり一時24.8台まで弱含み、そのまま安値圏で越週となった。今 週は財政収支の発表が控えているが、政府による財政緊縮策を背景に先月 25.0 1100 に続いて赤字縮小の見通しでありコルナを下支えする可能性があるが、引き 24.5 続きアイルランドを始めとする欧州圏のソブリンリスクに対する動向に注視した 24.0 1000 い。予想レンジ:24.550~24.800 (今週の主な予定)1日(水)財政収支(11 11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 月) チェココルナ(左) プラハPX50指数(右) 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《南アフリカランド》 先週のランドは6.98で寄り付いた。週初、アイルランドの格下げの可能性や 8.20 北朝鮮による韓国砲撃の報道などを受けリスク回避の動きから欧米株が急落 27500 する中、同国のGDP(3Q)が予想比大幅悪化となったことへの落胆も加わりラ 7.95 ンドは7.12近辺まで下落。週央に米国休場によるポジション調整から7.02台半 ばまでじりじりと値を戻す局面もあったが、週後半の金価格や商品価格が下 7.70 25000 落する展開にエマージング通貨全体が弱含む展開となるとランドは2ヵ月半ぶ りの安値となる7.1740の安値を示現、結局7.14台半ばで引けた。発表された 7.45 CPI(消費者物価指数)は若干上昇、PPI(生産者物価指数)は低下となったが、 いずれも予想の範囲内で相場への影響は限定的。23日、GDPの結果を受け 7.20 22500 て同国Patel経済相が「より経済を発展させるためには利下げによる金融緩和 や外貨準備金の拡大、また弱いランドが必要」と述べており、現状の米ドル買 6.95 い戻しによるランド安は南アフリカにとって好ましいものであろう。今回のGDP は下振れたものの前週の小売売上やインフレ率が安定していることもあり、極 6.70 11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 20000 端な景気腰折れも考えづらい。しかし足元では、欧州を起点とするリスク回避 南アフリカランド(左) 南アトップ40指数(右) 傾向の後退が見られなければ、引き続きランドは軟調推移を予想する。予想 レンジ:7.0800~7.2800 (今週の主な予定)29日(月)M3(マネーサプライ) 30 日(火)貿易収支(10月) 2日(木)新車販売件数(11月) 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《トルコリラ》 75000 1.65 連休明けとなった先週のリラは、アイルランドを始めとする欧州周縁国への 信用不安が燻る中、朝鮮半島での緊張感の高まりもあり週央にかけて2ヵ月 70000 1.60 ぶりの安値圏まで急落。その後一旦、Fitchがトルコの外貨建て及び自国通 65000 貨建ての長期発行体デフォルト格付けの見通しを「安定的」から「ポジティ 1.55 ブ」に上方修正したことを好感しリラは下げ止まったものの、その後Simsek首 60000 相が「トルコは短期的に見て現在の経済回復の速度を維持することは難しく 1.50 55000 なるであろう」と発言したことから上値も重く、週末にかけてアイルランド情勢 1.45 の不透明感から投資家のリスク回避の動きが強まると、リラは安値となる 50000 1.4939を示現し、そのまま安値圏で引けた。今週はインフレ指標の発表が相 1.40 次いでいるが、同国の利上げは来年後半以降との見方が中心、市場への影 45000 響は限定的となろう。今週も引き続き欧州周縁国の動向に左右されやすい 1.35 40000 展開を予想する。予想レンジ:1.4500~1.5000 (今週の主な予定)30日(火) 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 トルコリラ(左) イスタンブールナショナル100種指数(右) 貿易収支(10月) 3日(金)CPI(11月)、PPI(11月) 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 《ロシアルーブル》 33 1750 先週のルーブルは軟調推移となった。31近辺で寄り付いた対米ドルベースの ルーブルは、週初こそ一時30.9台まで強含む場面もあったものの、その後は欧 州ソブリンリスクの拡大や朝鮮半島での地政学リスクの高まりを受けて軟調に推 32 1500 移、週央にかけて31.4台まで下落した。週後半に税金支払いのためのルーブ ル買いにより31.2台まで持ち直す場面も見られたが、週末にかけて再び下落、 安値31.5台を示現し、そのまま安値圏で越週した。一方、対バスケットベースで 31 は週前半にユーロが対主要通貨で大きく下落したことからルーブルは36.2台か 1250 ら35.9台に強含んで越週となっている。週末のMPCでは予想通り政策金利が据 え置かれたものの、声明でこれまで見られた「今後数ヵ月は現状のスタンスが維 30 持されるだろう」という文言がなくなったことから、来年第1四半期の利上げに向 1000 けた地ならしが始まったとの見方もあったが相場への影響は限定的だった。尚、 29 先週より中国国内の外為市場で人民元とルーブルの取引が開始されたが、現 状中国国内での取引に限定されていることから、こちらも特段ルーブル相場へ の影響は見られなかった。今週もルーブルは引き続き外部要因に左右される神 28 750 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 経質な展開が続くと予想する。予想レンジ:31.100~31.600 (今週の主な予定) 特になし ロシアルーブル(左) RTS指数(右) 5 / 7 ページ Ⅲ.中南米通貨 【為替・金利・株式データ】 OPEN メキシコ・ペソ ブラジル・レアル アルゼンチン・ペソ チリ・ペソ 12.2660 1.7140 3.9705 478.80 CLOSE 12.4900 1.7265 3.9780 483.00 騰落率 ▲1.83% ▲0.73% ▲0.19% ▲0.88% 中銀参考 1.7298 3.9775 482.78 6ヶ月先物 主要金利 株価終値 4.50% 10.75% n/a 3.00% 12.7145 1.7920 4.1455 490.65 36,904.53 68,226.10 3,302.88 4,974.77 前々週末比 +303.13 ▲2,671.80 +42.08 +9.60 ※南米通貨の先物レートはNDFベース ※中銀参考:ブラジル・チリは前営業日の銀行間市場加重平均、アルゼンチンはEMTAによる当日のサーベイレート ※主要金利は翌日物金利の週末引け値 ※株式市場は地場市場の週末引け値 【通貨別動向】 《ブラジルレアル》 ブラジルレアルは週初、高値圏の1.71台前半で寄り付いたが、 アイルランドの財政問題や北朝鮮と韓国の軍事衝突を巡る懸念 が圧迫材料となり1.74台前半に下落した。週央にはルセフ次期 大統領が次期財務相や中銀総裁などの人事を発表。市場は現 状の金融引き締め路線の維持と受け止め長短金利が上昇する と、レアルは1.71台後半に回復した。週末にかけては、ユーロ圏 諸国の財政不安の高まりから一時1.73台後半まで売られたもの の、中銀総裁が利上げの早期再開を示唆したことなどから値を 戻し、結局1.72台後半で越週となった。追加的なレアル高抑制 措置がすぐに実施される可能性は低くなっており、従来の予想と は異なってルセフ次期大統領が利上げを継続する姿勢を示した ことから、今週のレアル相場は底堅い展開を予想する。予想レン ジ:1.6700~1.7400 (今週の主な予定)1日(水)貿易収支(11 月) 2日(木)鉱工業生産(10月)、消費者物価指数(11月) 《メキシコペソ》 メキシコペソは週初、先週高値となる12.26台で寄り付いたが、 大手格付機関がアイルランドの格下げの可能性について言及す るなど欧州諸国の財政問題への懸念が高まったことや墨GDPが 市場予想を下回ったことから上値重く推移。さらに、北朝鮮による 韓国砲撃の報道を受けてリスク回避志向が高まると、ペソは12.49 台に下落した。その後、米墨株価の上昇からやや値を戻す局面 もあったが、週末には再び欧州諸国や朝鮮半島情勢の不透明感 が嫌気されペソも先週安値となる12.52台まで売られ、そのまま安 値圏で越週した。墨経済や株価は比較的堅調に推移しているも のの、欧州の財政問題や中国の金融引き締めなどから投資家の リスク選好は高まりにくく、ペソ相場は上値の重い展開になるもの と考える。予想レンジ:12.3000~12.7000 (今週の主な予定)特 になし 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 2.1 75000 2.0 70000 1.9 65000 1.8 60000 1.7 55000 1.6 50000 11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月 ブラジルレアル(左) 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 37500 14.00 13.75 35000 13.50 13.25 32500 13.00 30000 12.75 12.50 27500 12.25 12.00 25000 11月 12月 1月 2月 3月 4月 メキシコペソ(左) 《アルゼンチンペソ》 アルゼンチンでは、債務不履行に陥った旧債務を巡る主要債 権国(パリクラブ)との交渉を開始するという政府方針を受け、国 債のCDS保証料率が大きく下落した。一方、ペソ相場は対主要 通貨で米ドル買いが進んだことや中銀のペソ安誘導政策から 上値重く推移し、週末にかけて年初来安値を更新する3.98台前 半まで下落した。外貨準備の増加によりアルゼンチンの対外債 務不履行懸念は和らいでおり、海外からの投資資金の流入も 続いている一方で、中銀によるペソ売り介入の影響は強く、ペソ 相場はレンジ内で推移するものと考える。予想レンジ: 3.80~ 4.10 (今週の主な予定)特になし ボベスパ指数(右) 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 IPC Bolsa指数(右) 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 4.00 3500 3.95 3000 3.90 3.85 2500 3.80 2000 3.75 3.70 1500 11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月 アルゼンチンペソ(左) 6 / 7 ページ Merval株価指数(右) 《チリペソ》 チリでは、株価や銅価格は比較的底堅く推移したものの欧州 諸国の財政問題や朝鮮半島情勢の緊迫化を受け投資家のリス ク選好が低下したことから、ペソは週末にかけて483台まで売ら れた。今後ペソ高抑止に向けた政策が実施される可能性は依 然残るものの、中銀声明やGDPの結果からも確認できるように経 済状況は良好であり、ペソ相場は下値の堅い展開を予想する。 予想レンジ:460~490 (今週の主な予定) 29日(月)鉱工業生 産(10月) 30日(火)失業率(10月) 対米ドル相場と主要株価指数(過去1年) 575 5500 5000 550 4500 525 4000 3500 500 3000 475 2500 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 チリペソ(左) IPSA株価指数(右) 以上 チャートデータの出所・・・トムソンロイター社データに基づき、三菱東京UFJ銀行作成。 (市場実勢に基に作成しておりますが、必ずしも高値、安値を正確に表示していない場合があります。予めご了承頂きます様、お願い致します。) その他 ・タイバーツは現地オンショア市場の為替相場水準を表示 ・チェココルナ、ハンガリーフォリント、ポーランドズロチの東欧3通貨は対ユーロ表示 作成拠点 アジア通貨・・・市場営業部(東京)、アセアン金融市場部(シンガポール)他、弊行アジア各拠点 中東欧・トルコ・ロシア南アフリカ通貨・・・欧州市場部 中南米通貨・・・米州金融市場部 重要なお知らせ 当資料は相場情報の提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定は投資家ご自身の判断でなさるよ うにお願いいたします。 当資料は信頼できる情報源から得た情報に基づき作成したものですが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、過去の結 果が必ずしも将来の結果を暗示するものではありません。 当資料は執筆者の見解に基づき作成されたものであり、弊社の統一された見解ではありません。当資料を使用することにより生ずるいかなる種類の 損失についても弊社は責任を負いません。なお、当資料の無断複製、複写、転送はご遠慮ください。当方の都合で、本レポートの全部または一部を予 告なしに変更することがありますので、予めご了承ください。 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