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5級コンポジットレジン修復
5級コンポジットレジン修復 5級コンポジットレジン修復 検査・診断・治療計画・治療 1 5級コンポジットレジン修復 5級コンポジットレジン修復 1.学習目標 2.治療計画の立案 2-1 医療面接 2-2 検査 2-3 診断・治療計画 2-4 説明・同意 3.窩洞形成 3-1 準備する器具 3-2 窩洞形成時の注意点 3-3 シェードテイキング 3-4 う蝕除去 3-5 窩縁形態の付与 3-6 窩洞の確認 4.簡易防湿 4-1 準備する器具 4-2 巻き綿花の挿入・確認 5.隔壁法(透明サービカルマトリックス使用) 5-1 準備する器具 5-2 透明サービカルマトリックスの選択・試適 6.歯面処理 6-1 準備する器具・材料 6-2 セルフエッチングプライマー処理 6-3 ボンディング 6-4 光照射 7.填塞 7-1 7-2 7-3 7-4 準備する器具・材料 コンポジットレジンの填塞 透明サービカルマトリックスによる圧接 光照射 8.仕上げ 8-1 準備する器具 8-2 仕上げ(形態修正) 9.修復物のチェック・研磨 9-1 準備する器具 9-2 修復物のチェック 9-3 最終研磨 10.術後管理 使用模型歯:A26A-11V 2 5級コンポジットレジン修復 1.学習目標 歯頸部う蝕に対する 5級コンポジットレジン修復法を習得する。 3 5級コンポジットレジン修復 2.治療計画の立案 【到達目標】 検査・診断結果から適切な治療計画を立案できる。 【ポイント】 医療面接・検査から必要な情報を収集する。 得られた情報を基に適切な診断を行う。 適切な治療計画を立案する。 患者に治療計画を説明し同意を得る。 4 5級コンポジットレジン修復 2-1.医療面接 日進花子さんは1年前に、 上顎前歯部が変色しているのに気が付きました。 特に処置はせずに放置していましたが、 最近、変色度合いが強くなり、 冷たいものにもしみるようになってきたので かかりつけの歯科医に相談に行きました。 5 5級コンポジットレジン修復 どうされましたか? 先生、1年前から前歯の根元の色が気になるんです。 それについてもう少し話してくださいますか? 最近、黒くなった部分が大きくなってきて、 冷たいものを飲むとしみるんです。 1年前から歯の色が気になってきて、 最近その黒い部分が大きくなって、 冷たいものにしみるのですね。 それは困りましたね。 6 5級コンポジットレジン修復 他の症状、例えば何もしなくても痛いと いうことはありませんか。 大丈夫です。 熱いものを飲んだり、咬んだ時はどうですか? 大丈夫です。 そうですか、大丈夫ですね? はい。 では、お口の中を診てみましょう。 7 5級コンポジットレジン修復 【医療面接】 年齢:30歳 性別:女性 主訴:上顎右側中切歯歯頸部の変色部が水にしみる。 現病歴:1年前から変色があり、最近その度合いが強くなると ともに冷水痛も生じてきた。 全身的既往歴:なし 8 5級コンポジットレジン修復 2-2.検査 【検査結果】 視診 :#11( 1 )唇側歯頸部にエナメル質の実質欠損を認める。 触診 :探針での引っかかりがある。 打診 :水平(-),垂直(-) 温度診:エアにて一過性の疼痛を認める。 温熱刺激に疼痛を認めない。 歯髄電気診:生活反応を示す。(対照歯:#21・ 1 ) エックス線検査: 二等分法 隣接面に異常を認めない。 歯槽骨に吸収を認めない。 インピーダンス測定:50kΩ その他:他の歯には異常は見られない。 9 5級コンポジットレジン修復 2-3.診断・治療計画 【診断】 上顎右側中切歯(#11・ 1 ) 歯頸部う蝕 う蝕症第2度(C2) 【治療計画】 5級コンポジットレジン修復 10 5級コンポジットレジン修復 2-4.説明・同意 右上の前歯がむし歯ですね。 他の歯には異常は見られませんでした。 むし歯は、歯の表面だけにあり 歯と歯の間の面にはありませんでした。 むし歯は、比較的小さく、神経には達していません。 右上の前歯を治療していきましょう。 はい、お願いします。 11 5級コンポジットレジン修復 治療方法には、セメントを詰める方法と プラスチックを詰める方法があります。 今回は丈夫で審美性に優れたプラスチックを詰める方法で 治療を行っていきますがよろしいでしょうか? はい、お願いします。 12 5級コンポジットレジン修復 3.窩洞形成 【到達目標】 5級コンポジットレジン修復の窩洞形成ができる。 【ポイント】 う蝕範囲を考慮し、適切な窩洞外形を設定する。 適切な窩縁形態を付与する。 13 5級コンポジットレジン修復 3-1.準備する器具 基本セット デンタルミラー ピンセット スプーンエキスカベーター 練成充填器 探針 シェードガイド 14 5級コンポジットレジン修復 3-1.準備する器具 種類:ダイヤモンドポイント ペア型 EX-41 種類:スチールバー ラウンド型 #1/2~7 種類:ダイヤモンドポイント ラウンド型 BR-49 15 5級コンポジットレジン修復 3-2.窩洞形成時の注意点 作業姿勢を整える。 術者の位置 :12:00 開口度 :1横指半 患者頭部の前方傾斜 :0度 左右回転角 :0度 手指の固定位置 :#12,13( 3 2 )の切端 固定指の接触部位 :指先または第一関節外側 術者の位置 12:00 開口度 1横指半 前方傾斜 基準位(0度、前方傾斜なし) 左右回転角 0度 16 5級コンポジットレジン修復 3-3.シェードテイキング 1. シェードガイドを用いて近似色を 選択する。 ※自然光下で行うことが望ましい。 17 5級コンポジットレジン修復 3-4.う蝕除去 1. う窩の開拡を行う。 2. う蝕象牙質の除去を行う。 ※ 必要に応じ局所麻酔にて除痛を 行う。 18 5級コンポジットレジン修復 3-4-1.う窩の開拡 1. ダイヤモンドポイントを用いてう蝕 エナメル質を除去する。 ※ 高速、軽圧、注水下にて行う。 ※ カーバイドバーを用いる場合もある。 【使用するバー・ポイント】 ダイヤモンドポイント EX-41 EX-41 19 5級コンポジットレジン修復 3-4-2.う蝕象牙質の除去 1. スチールバーを用いてう蝕象牙質 を除去する。 ※ 低速 、軽圧、注水下にて行う。 ※ 臨床ではう蝕象牙質の取り残しが無い ように、う蝕検知液による染色状態を指 標とし、細菌感染して再石灰化しえない 死層であるう蝕象牙質第1層(外層)の みを除去する。 ※ 臨床では手用切削器具(スプーンエキ スカベーター)を用いる場合もある。 【使用するバー・ポイント】 スチールバー(ラウンド型)#1/2~7 #1/2~7 20 5級コンポジットレジン修復 3-5.窩縁形態の付与 1. ダイヤモンドポイントを用いて窩縁 にラウンドベベルを付与する。 エナメル質 象牙質 ラウンドベベル 【使用するバー・ポイント】 ダイヤモンドポイント BR-49 BR-49 21 5級コンポジットレジン修復 3-6.窩洞の確認 1. う蝕象牙質の取り残しがないこと を確認する。 2. 窩縁形態を確認する。 22 5級コンポジットレジン修復 4.簡易防湿 【到達目標】 適切な位置に巻き綿花を挿入し、防湿と術野の確保ができる。 【ポイント】 開口状態を保つ。 口唇を過度に引っ張らない。 23 5級コンポジットレジン修復 4-1.準備する器具 ピンセット デンタルミラー ロールワッテ 24 5級コンポジットレジン修復 4-2.巻き綿花の挿入・確認 1. 口唇をデンタルミラーなどで排除 しながら巻き綿花を唇側に挿入 する。 2. 巻き綿花が確実に挿入できている ことを確認する。 25 5級コンポジットレジン修復 5.隔壁法(透明サービカルマトリックス使用) 【到達目標】 透明サービカルマトリックスの試適ができる。 【ポイント】 適切なサイズのサービカルマトリックスを選択する。 口腔内に落とさない。 26 5級コンポジットレジン修復 5-1.準備する器具 今回は使用しない ピンセット 透明サービカルマトリックス 27 5級コンポジットレジン修復 5-2.透明サービカルマトリックスの選択・試適 1. 窩洞にあわせてサイズを選択し、 歯面に適合させる。 ※口腔内に落とさないように注意する。 28 5級コンポジットレジン修復 6.歯面処理 【到達目標】 接着システムを理解し、適切な接着処理ができる。 【ポイント】 窩洞全体に歯面処理を行う。 添付文書に記載されている操作上の注意事項を遵守する。 29 5級コンポジットレジン修復 6-1.準備する器具・材料 今回は、2ステップのセルフエッチング接着システムを用いる。 セルフエッチングプライマー マイクロブラシ ボンディング材 遮光板・混和(パイル)皿 光照射器・遮光シールド 30 5級コンポジットレジン修復 6-2.セルフエッチングプライマー処理 1. 塗布 1. マイクロブラシを用いてセルフエッチン グプライマーを窩洞全体に塗布する。 2. 乾燥 エアブローにてしっかり乾燥する。 ※水洗は行わない。 ※強くこすりつけない。 2. 20秒間放置する(添付文書に従う)。 31 5級コンポジットレジン修復 6-3.ボンディング 1. 塗布 マイクロブラシを用いてボンディング材を 窩洞全体に塗布する。 2. エアブロー 軽くエアブローを行いボンディング材の 厚みを均一にする。 ※強くこすりつけない。 32 5級コンポジットレジン修復 6-4.光照射 1. 光照射 光照射器を窩洞に近づけ、 10~20秒間 照射する(添付文書に従う)。 ※遮光シールドで目を保護し、直視はしない。 33 5級コンポジットレジン修復 7.填塞 【到達目標】 窩洞にコンポジットレジンを緊密に填塞できる。 透明サービカルマトリックスで圧接できる。 【ポイント】 自然光や無影灯でも重合が始まるので注意する。 気泡が入らないように填塞する。 硬化するまでマトリックスを保持する。 34 5級コンポジットレジン修復 7-1.準備する器具・材料 コンポジットレジン レジン充填器 遮光板・紙練板 ガーゼ 透明サービカルマトリックス 光照射器・遮光シールド 35 5級コンポジットレジン修復 7-2.コンポジットレジンの填塞 1. 採取 シリンジのプランジャーを回し、必要量を 紙練板上に採取する。 ※プランジャーは逆回しに戻して緩めておく。 ※光が当たると重合が始まるため、必ず遮光 する。 2. 填塞 コンポジットレジンを窩洞に填塞する。 ※窩洞の深さが2mm以上の場合は積層填塞 を行う。 ※充填器に付着したレジンは乾いたガーゼで 拭き取る。 36 5級コンポジットレジン修復 7-3.透明サービカルマトリックスによる圧接 1. 圧接 今回は使用しない 1. 透明サービカルマトリックスを圧接する。 ※歯肉縁下にレジンが流れ込まないように 歯肉側から歯頂側に向けて圧接する。 2. 光照射による硬化が完了するまで透明 サービカルマトリックスを保持する。 今回は使用しない ※マトリックスホルダーを使用する場合もある。 今回はレジン充填器 (平型)のみ使用して 付形する。 37 5級コンポジットレジン修復 7-4.光照射 1. 光照射 1. 光照射器を填塞部に近づけ、照射する (添付文書に従う)。 ※遮光シールドで目を保護し、直視はしない。 2. 硬化後サービカルマトリックスを除去する。 ※口腔内に落とさないように注意する。 ※照射が不十分と思われる部位があれば 追加照射する。 38 5級コンポジットレジン修復 8.仕上げ 【到達目標】 5級コンポジットレジン修復の適切な仕上げができる。 【ポイント】 歯質との境界を移行的に修正する。 摩擦熱が発生しないように考慮する。 39 5級コンポジットレジン修復 8-1.準備する器具 今回は使用しない 仕上げ用カーバイドバー 今回は使用しない 研磨用ディスク(粗) 今回は使用しない スーパーファインダイヤモンドポイント ホワイトポイント 40 5級コンポジットレジン修復 8-2.仕上げ(形態修正) 1. 形態修正を行う。 ※ 摩擦熱に注意する。 ※ 歯質との境界を移行的に修正する。 ※ 歯質を削らないように注意する。 ※必要に応じてエアタービンとマイクロ モーターを使い分ける。 【使用するバー・ポイント】 仕上げ用カーバイドバー 研磨用ディスク(粗) スーパーファインダイヤモンドポイント ホワイトポイント 41 5級コンポジットレジン修復 【患者説明】 むし歯を削って歯と同じ色 のプラスチック材料を詰め ました。 プラスチックが完全に固ま るには24時間以上かかり ます。次回磨きますので来 院してください。 はい、分かりました。 ありがとうございました。 42 5級コンポジットレジン修復 9.修復物のチェック・研磨 【到達目標】 5級コンポジットレジン修復の適切な研磨ができる。 【ポイント】 填塞後、24時間以降に研磨を行う。 摩擦熱が発生しないように考慮する。 43 5級コンポジットレジン修復 9-1.準備する器具 ホワイトポイント 研磨用ディスク(粗~細) シリコーンポイント 歯科用ゴム製研磨材 各種研磨用器具 44 5級コンポジットレジン修復 9-2.修復物のチェック 1週間経ちましたね。 いかがですか。 とくに問題はありません。 それでは仕上げの磨きをし ましょう。 お願いします。 【チェック項目】 ・歯髄の状態 ・色調の調和 45 5級コンポジットレジン修復 9-3.最終研磨 1. 各種研磨用器具を用いて、仕上げ・ 研磨を行う。 ※ 低速、軽圧にて行う。 ※ 摩擦熱に注意する。 ※ 歯肉を傷つけないように注意する。 ※ オーバーハングの取り残しが無いこ とを確認する。 【使用する器具】 各種ポイント 研磨用ディスク 46 5級コンポジットレジン修復 【患者説明】 治療はこれで終わりです。 むし歯にならないように メンテナンスを行っていきます。 半年後に来院してください。 ありがとうございました。 47 5級コンポジットレジン修復 10.術後管理 【メンテナンス時のチェック項目】 修復物の脱離の有無 辺縁の適合性 二次う蝕の有無 摩耗の有無 修復物・歯質の破折の有無 色調の調和(修復物の変色・着色、辺縁部の着色) 歯髄の状態 48