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2. ツーウェイクラッチ

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2. ツーウェイクラッチ
Section
2
Two-way Clutch
2-1
特 長
ツーウェイクラッチとは、ワンウェイクラッチが一方向だけに駆動するのに対し、1つのクラッチで両方向に駆動と空転を切り替えるこ
とができるクラッチです。
正逆両方向にトルクを伝えたい使用条件でツーウェイクラッチを利用することにより、複雑な切替機構を組み合わせる必要がなくなり、
装置の簡素化、コンパクト化、低コスト化に貢献します。
2-2
作動機構
下図のように両方向に駆動可能な正多角形状のカム面により形成され、各カム面にローラが配置されています。保持器とカム面の位相を
切り替えることにより、中立空転状態、正駆動状態、逆駆動状態にクラッチの機能を切り替えることができます。
2-3
切替方法による多機能化
入力軸の回転方向に対応して駆動空転方向を自動的に切り替えるローラツーウェイクラッチ(摩擦切替タイプ)、外部から電気的に切り
替えられるメカニカルクラッチユニット(MCU)と、お客様のニーズに合わせ個別対応が可能です。
駆動
20
外輪
ローラ
カム
保持器
空転
駆動
Section
2
2-4
製品用途紹介
2-4-1 ローラツーウェイクラッチ(摩擦切替タイプ)
[解 説]
クラッチの作動方向が入力側の回転方向に応じて自動的に切り替わるクラッチです。
[特 長]
1 空転トルクが小さい
2 トルク容量が大きくコンパクトサイズ
3 純機械式で特別な制御が不要
[構 造]
Z-Z
出力外輪
Y
ローラ
Y-Y
スイッチングプレート
保持器
Z
波ばね
入力軸
保持器
Y
Z
スイッチングプレート
[作動原理]
1 スイッチングプレートは一端を静止系に固定され、かつ保持器に波ばねによって押し付けられています。そのため保持器は入力軸の回
転方向と逆方向の抵抗を与えられています。
2 入力軸に回転が伝えられると1により入力軸と保持器の位相差が生じます。
3 この時、2ウェイクラッチ内部では保持器ポケットに取付けられた板ばねによりローラが入力軸と出力外輪にそれぞれ接触し、駆動ス
タンバイ状態となります。
4 入力軸回転数Ni>出力外輪回転数Noの時、入力軸と出力外輪の間に形成されるくさびにローラが噛み込み入力軸から出力外輪にトル
クを伝達します。(図1参照)
5 入力軸回転数Ni<出力外輪回転数Noの時、ローラは噛合い空間から離れ出力外輪は空転します。
6 入力軸が逆回転する時も、クラッチが左右対称形であるため上記と同様の動作が逆転方向に作用します。
No
くさび
板ばね
Ni
図1 トルク伝達時(赤矢印はトルクの流れ)
図2 入力軸回転方向によるクラッチ内部
[推奨用途]
¡駆動系動力の切り替え
21
Section
2
Two-way Clutch
2-4-2 メカニカルクラッチユニット(MCU)
[解 説]
機械式ローラクラッチと電磁石を組み合わせることにより高い伝達トルク能力と電
気による制御性の容易さとの両立を可能にしました。
[特 長]
1 空転トルクが小さい
2 トルク容量が大きくコンパクトサイズ
3 電気制御による優れた応答性
4 トルク伝達時のすべりがなく高寿命
5 ローラ2WCと電磁クラッチを一体化したシンプルな構造
[構 造]
・電磁クラッチ部
駆動・空転の切替え
(電流ON・OFF制御)
アーマチュア
Z
ローラ
出力外輪
保持器
・ローラクラッチ部
駆動トルクの伝達
入力軸(カム)
スイッチばね
Z
Z-Z断面
ロータ
コイル
[技術データ]
使用温度により若干の応答速度変化が見られますが、
120
いずれも100ms以下で優れた応答速度1)を示していま
110
注1)応答速度は電磁石への通電を開始してからMCUがトルク伝
達開始するまでの時間で表しています。
100
90
応答速度(ms)
す。(右図参照、オイル潤滑下)
MCU(応答速度と温度)
80
70
60
50
40
30
20
10
0
-40
-30
-20
-10
0
温度 ℃
10
温度変化に対するMCU応答速度
22
20
30
Section
2
Two-way Clutch
[作動原理]
電磁石電流の断続制御で、ローラと入力軸(カム)の位相を変えることによりローラクラッチを入切させ、駆動と空転の切替えを行うもの
です。
電磁石に通電していない状態では、ローラと出力外輪の
間に隙間があり、出力外輪(又は入力軸)は空転が可能。
通電
通電解除+入出力間のトルク解放
電磁石に通電を行うと、ローラが出力外輪と入力軸(カ
ム)により形成される「くさび」に入り込み、外輪とカ
ムは係合し、動力が伝達可能。
逆方向の軸回転に対しても同様の作用により、両方向の
係合が可能。2)
注2)逆方向切替えの際、若干の回転方向ガタが生じます。
入力軸から出力外輪を駆動
出力外輪から入力軸を駆動
駆動
被駆動
駆動
被駆動
空転
電源OFF(非係合)
電源ON(係合)
[仕 様]
試作実績品の仕様について右表に示します。
注3)表中の試作品は各ユーザの要求によって試作したものですので、新
規設計に関しては個別対応となります。
No.
主要寸法
(外径×全長)
定格トルク4)
(N・m)
1
φ73×65
150
1.4
530
2.4
1020
4.2
2
φ82×100
3
φ104×100
消費電流(A)
(@12V)
注4)定格トルク:106回負荷可能なトルク
[推奨用途]
¡4輪駆動車の2WD−4WDの切替え
¡ハイブリッド車の動力の切替え
¡その他外部電流制御により入出力の動力伝達 遮断の用途に幅広く応用することが可能
23
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