Comments
Description
Transcript
CISTEC
部内限り on Security Trade Control クロノロジー Vol.13, No.12 2008.04.10 C ISTEC 発行:財団法人 安全保障貿易情報センター 〒105-0001 東 京 都 港 区 虎 ノ 門 1-1-21 TEL:03-3593-1149 新 虎 ノ 門 実 業 会 館 4F FAX:03-3593-1642 情報サービス・研修部 http://www.cistec.or.jp/ 2008年3月の輸出管理関連主要情報 1.中華人民共和国 ............................................................ 2 2.台湾(中華民国) .......................................................... 5 3.朝鮮民主主義人民共和国 .................................................... 6 4.インド .................................................................... 9 5.パキスタン・イスラム共和国 ............................................... 12 6.ロシア連邦 ............................................................... 13 7.イラン・イスラム共和国 ................................................... 15 8.イスラエル国 ............................................................. 18 9.シリア・アラブ共和国 ..................................................... 19 10.その他 ................................................................. 20 出典略号一覧表 ............................................................... 25 - 1 - 1.中華人民共和国 (1)輸出管理関連一般 2008/03/04 2008 年夏の北京オリンピックのテロ対策のため、約 60 万人以上の市民が警 察および軍隊と協力してボランティアで参加している。ワシントン・ポスト によると中国政府はテロ対策に自信を持っている、と伝えられた。テロ対策 コストは、そうした市民の協力にもかかわらず、最初に算定したものよりは るかに上回っている。 (WP 2008/03/11) 2008/03/04 中国の軍事動向に関する米国防省の年次報告書によると、ロシアは中国の主 な武器供給国として、技術やロジスティクス面で協力し、中国の軍事力維持 や近代化に関与しているという。2007 年のロシアの武器輸出は 70 億ドルで、 その 7 割は中国・インド向けである。具体的には、次世代戦闘機、ミサイル システム、潜水艦、戦闘艦等の兵器である。(MISC 2008/03/04) 2008/03/05 独 Cognitec Systems 社製の、顔を識別するソフトウェア、従来のビデオ監 視機能に加えて、リアルタイムの映像と事前入力している写真とを比較して、 監視項目リスト上の人物を見分けることができるソフトウェアが、2007 年 11 月から中国共産党の会議で使われているという。しかし、中国のような圧政 下でのこのような監視製品を売ることは、米国の人権委員会から非難されて いる。Morton Sklar 委員長は「米国の法律では犯罪管理や法執行に関わる製 品を中国に輸出を禁止している。その理由は、中国政府は強制連行や拷問と い っ た 人 権 抑 圧 を す る 恐 れ が あ る か ら で あ る 」 と 言 っ て い る 。 (MISC 2008/03/05) 2008/03/11 米国連邦検事は、在職中、秘密事項を漏洩しない約束をしていたにもかかわ らず米潜水艦技術を中国に流すというスパイ活動をしていた中国生まれのエ ンジニア Chi Mak 氏を 30 年以上投獄する姿勢である。これは 67 歳の Chi Mak 氏にとっては、終身刑に相当するであろう。Mak 氏の弁護士の主張は、「Mak 氏が、余生を刑務所で送っても何の得にもならないし、むしろ在職中は米国 の軍事技術に多大なる貢献をもたらした」として、10 年の減刑を要求してい る。(MISC 2008/03/11) 2008/03/13 中国国家品質監督検験検疫総局の Li Changjiang 主席監督官は、2008 年 3 月 13 日に「特定国に対し特定貨物の輸入制限をかける、国際貿易の進展を阻み むような技術障壁に反対する」と述べた。米国に中国製玩具を輸出する例を 引き出して、新しい米国基準に適合しないと輸出できないばかりか、米国マ ー ケ ッ ト で 不 正 と 扱 わ れ 回 収 し な け れ ば な ら な く な る と い う 。 (MISC 2008/03/17) - 2 - 2008/03/14 中国はミャンマーの陸海空軍に対して軍需品を売却している。たとえば 16PA 船舶用エンジンはドイツ MAN ディーゼル社のライセンスを得て製造・輸出し ている。それは資源を入手する目的のためでもあるという。中国は積極的に ミャンマーの石油や天然ガスなど天然資源を求めている。2006 年には 7.7 兆 立方フィートの天然ガスを入手し、Mandalay から雲南省までのパイプライン を建造予定である。 (UPI 2008/03/14) 2008/03/26 ダルフール紛争におけるアラブ系民兵組織ジャンジャウィードに対する 2004 年から 2006 年の中国からの手榴弾や弾薬など小火器輸出総額は約 56 億 円であり、スーダンの武器輸入のうち中国が約 90%を占めている、と中国代 表が報告している。国連決議によって兵器輸出を禁止されているにもかかわ らず、である。というのも、中国は経済発展のため石油の需要が、スーダン は紛争激化のため武器需要が依然として増加傾向にあり、紛争を後押しして いる。軍事的・経済的な関係は深い。(MISC 2008/03/26) 2008/03/26 チベット暴動事件の鎮圧のため、中国へエネルギー部門の製品だけでなくハ イ テ ク 製 品 の 一 時 的 な 輸 出 禁 止 、 経 済 制 裁 を 求 め る 声 も 出 て い る 。 (MISC 2008/03/26) 2008/03/31 米国の香港駐在総領事のジェームス・カンニンハムは 3 月 31 日、航空機、 電子機器および化学製品を取り扱う香港の輸出業者に対し、テロリストと関 係のある政府あるいは個人に機微な製品を輸出しないよう警告した。ある輸 出管理セミナーで述べたもので、同氏は「香港企業が輸出規制に違反すれば、 米 国 と の 関 係 に 悪 影 響 を も た ら す 」 と 語 っ た 。 (The Standard) (MISC 2008/04/01) (2)通常兵器関連 2008/03/02 中国は、2008 年北京オリンピックで放射能汚染に対処するため、米国専門家 の支援を受けて 2007 年秋から 12 月半ばにかけて医療機関や大学の放射性物 質の移動を行なっている。過去にも 2004 年アテネ・オリンピックで同対処を 実施している。これは必ずしも放射性物質がテロリストの手に渡る、という のではなく予防策として実施しているものである。しかし、米中両国の政府 高 官 は 協 力 の 詳 細 に つ い て は ほ と ん ど コ メ ン ト し て い な い 。 (CAP 2008/03/03) 2008/03/04 Thaindian News 報道。スリランカ陸軍参謀長は、タミルの虎に対抗するため 印に武器供与を求めるとした。両国の政治レベル及び軍の関係は良好として いるが、印は紛争地域への武器供与をしない方針であり、近い内に武器供与 が実現する可能性は低い。印はスリランカに Indra レーダー・システムを供 与したが、武器そのものの供与には消極的で、印の思惑に反しスリランカが 中国やパキスタンに接近する原因となっている。 (MISC 2008/03/04) 2008/03/24 米は、アジアの戦闘機市場において、露、中から追い上げを受けている。日、 印、豪、韓は第5世代戦闘機取得を狙う中、マレーシア、インドネシア等は 中から第4世代戦闘機導入を計画している。 (AFPR 2008/03/24) - 3 - (3)核兵器関連 2008/03/04 韓国の電力消費全体の 40%を 20 箇所の原子力発電所で生産している。(世界 第 6 位)中国は 2020 年までに 30 箇所を完成させ、将来 116 箇所の建造を計 画 し て い る 。 韓 国 の KHNP(The Korea Hydro&Nuclear Power) は 、 中 国 の Guangdong Power Engineering Corporation に対して、2013 年までに 40 人 の技術者を送り込み、原子力技術を 1550 万ドルで提供する契約を結んだ。阳 江市に韓国と同じ第 3、第 4 の原子力発電所を建設し、中国は地方の経済成 長を促進させる狙いである。KHNP の幹部によると、中国に対する原子力技術 や支援の提供はいまだかつてない規模になっているという。 (KT 2008/03/04) (4)生物・化学兵器関連 特記事項なし (5)ミサイル関連 2008/03/03 米国防省年次報告書によると、中国は航空機、戦闘艦対処の新世代弾道ミサ イル、巡航ミサイル開発に着手している。米国防省は中国の核の運用と管理 能力に懸念を抱いている。中国外交部は年次報告書を米国の事実の歪曲と国 内問題の干渉をしているため不当だと述べている。 (REUT 2008/03/04) 2008/03/04 New York Times によると、米国防省の年次報告書で中国は軍備増強の透明性 を高めるべきだとの言及を受けて、その翌日に中国は軍事予算を公開した。 2008 年度の中国の軍事予算は 2007 年度の 17.6%増加の 588 億ドルである。そ の概要は、ハイテク兵器購入と 2 陸軍軍人 230 万人の訓練、台湾独立阻止で ある。中国は、自国領土と独立を守るためとしているが、現実には年間 100 発の台湾向けミサイルを配備し、Taipei Times によると、最近の統計では 990 発から 1070 発が配備されているという。 (NYT 2008/03/05) 2008/03/07 ティモシー・キーティング太平洋艦隊司令官は、中国の軍事力の不透明性と 軍事予算の著しい増加が、米国ないし関係国の懸念となっている、と述べて いる。また AP 通信によると、米国防省は、戦略核システムを含む中国の巡航 ミサイル、弾道ミサイル開発の進展に焦点を当てて調査しているという。 (AFPR 2008/03/12) - 4 - 2.台湾(中華民国) (1)輸出管理関連一般 2008/03/25 ゲーツ国防長官は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の先端部分ノーズコーンに 関連する部品を、ヘリコプター部品と間違えて、台湾に誤送した問題を受け て、米空軍、海軍、防衛装備産業に対して徹底調査をし、60 日以内に報告書 を提出することを命じた。 (ASP 2008/03/27) 2008/03/25 米国がミサイル関連部品を台湾に誤送した事件で、事実関係が解明されてい る。2006 年 8 月に米空軍によって ICBM の先端部品が台湾に輸送され、台湾 の倉庫に現在まで誤送されたものとは気づかずに保管されていたという。台 湾 の 弁 護 士 に よ る と 、 台 湾 防 衛 産 業 で あ る Institute of Science and Technology に渡った可能性は無いという。2005 年に米空軍基地に到着し、 2006 年 8 月に輸送された。国防総省の高官は、基地の保管要領、輸送手続き に焦点を当てて調査を行う、としている。 (WP 2008/03/27) 2008/03/28 ワシントンポスト紙は 28 日、ゲーツ米国防長官が米国内にある全ての核兵 器及び関連技術の全面的な監査を要求したと報じた。核ミサイル関連部品が 2006 年に誤って台湾に輸送された問題を受けた措置で、同国防長官は 60 日 以内に結果を報告するよう国防補給庁、空軍及び海軍に指示したという。 (GSN 2008/03/28) (2)通常兵器関連 特記事項なし (3)核兵器関連 特記事項なし (4)生物・化学兵器関連 特記事項なし (5)ミサイル関連 特記事項なし - 5 - 3.朝鮮民主主義人民共和国 (1)輸出管理関連一般 2008/03/12 李韓国大統領は、米韓同盟は半島の安定のため強化されるべきと述べた。ま た軍近代化を 2020 年までに終える予定とし、軍事力維持のため高い経済成長 率を維持する必要性を説いた。2012 年までには国防産業の輸出額を 30 億ド ルとする予定で、それにより研究開発分野で 4,000 人、他分野で 10,000 人の 雇用が創出されると効果を主張した。 (MISC 2008/03/12) 2008/03/18 Pak Gil-yon 氏が、現在の北朝鮮国連大使のポストを 2008 年 4 月に交代する と報道されている。北朝鮮は路線を変更し、強硬路線の Pak 氏からの外交関 係の軟化を模索中であることが背景となっている。Pak 氏は 1991−1996 年、 2001 年から現在の 2 期にわたり、最初と 2 度目の核危機の時期に国連大使を 勤めた。米国とも関係が深い。(CHI 2008/03/19) 2008/03/20 北朝鮮の非武装地帯で、赤十字のマークの入った人道支援用の米が、北朝鮮 軍の哨所に運び込んでいる写真が公開された。これを受けて、韓国の新政府 をはじめ北朝鮮支援国家は、経済発展と非核化において北朝鮮の協力姿勢が みられなければ行わない、としている。一方では、北朝鮮のアフリカ諸国と の取引関係が強まってきている。ウガンダと国交を結び、兵器供給とウガン ダ警察の訓練を提供している。アフリカ諸国からは、食料やシルク製品を輸 入している。(MISC 2008/03/20) (2)通常兵器関連 2008/03/03 3 月 3 日から米軍は韓国軍と 6 日間の共同訓練を開始した。これに対して北 朝鮮外交部は、米韓軍による侵攻のリハーサルだと受け止めているが、米国 は韓国に 28500 人の軍人を配置しているが、北朝鮮への攻撃計画はないと断 言している。(MISC 2008/03/03) (3)核兵器関連 2008/03/04 北朝鮮は国連安保理決議1718(大量破壊兵器関連の特定貨物の北朝鮮へ の供給の禁止、及び北朝鮮からの調達の禁止、奢侈品の輸出禁止、関係公務 員等の入国・通過禁止等の措置)を遵守しているように思えるが、在韓米軍 のトップは、2005 年以来、北朝鮮にミサイル技術の移転がなされなかった形 跡はほとんどない、と述べた。2006 年 7 月に大陸間弾道ミサイル実験、現在 は環太平洋を覆う中距離弾道ミサイルの配備へと、引き続き北朝鮮のミサイ ル脅威を軽視してはならないと言っている。 2008/03/05 (KT 2008/03/13) パキスタン核科学者で拡散ネットワークを構築した A.Q. カーン博士が、入 院した。パキスタン軍発表によるもので、71 歳の博士は 2006 年に癌と診断 されてからも健康状態は良かった。低血圧と発熱のため検査を受けるという。 博士は、イラン、リビア、北朝鮮に核技術を拡散したことを認めた 2004 年以 降、自宅軟禁に置かれている。 (GSN 2008/03/05) - 6 - 2008/03/11 2008 年 3 月 13 日に米国と北朝鮮の政府高官は、ジュネーブで北朝鮮の核計 画について会合を開く。北朝鮮が完全なる核申告を成せば、米国はテロ支援 国家リストからの解除と、外交的な支援、経済制裁の解除を実施する。また、 北朝鮮がウラン濃縮技術を含む核兵器製造技術をシリアなど他国に提供して いる疑いがもたれている。 (REUT 2008/03/11) 2008/03/11 北朝鮮の寧辺核兵器施設の原子炉から約 2000 本の核燃料棒の抜き取りを終 了した。残る 6000 本は 2008 年 8 月の予定である。3 月 13 日に米国代表と北 朝 鮮 代 表 で 核 無 能 力 化 の 促 進 に つ い て 話 し 合 う 会 合 が 持 た れ る 。 (KN 2008/03/12) 2008/03/12 北朝鮮核問題をめぐる 6 カ国協議の米首席代表ヒル国務次官補と、北朝鮮代 表の金桂冠外務次官による米朝会議がジュネーブで行われた。米国側は、核 申告の形式には柔軟に対応するが、完全かつ正確な申告を求めるとしている。 (REUT 2008/03/12) 2008/03/14 ライス米国務長官は北朝鮮に核兵器開発計画をより完全かつ正確に申告す るよう要求し、米国は北朝鮮がその義務を果たした時に備えて、準備してい る、と述べた。その申告の焦点となるのは、ウラン濃縮疑惑とシリアのよう な国家への核兵器製造技術の支援である。 (ASP 2008/03/14) 2008/03/17 2008 年 3 月 17 日に米国は北朝鮮の核関連活動を完全かつ正確な申告をする よう要求した。ヒル国務次官補は、それが達成されれば北朝鮮をテロ支援国 家リストから除外することを約束する、と述べている。 (KN 2008/03/18) 2008/03/26 北朝鮮はいまだ強硬路線であり、核保有断念への意図は弱いという。朝鮮日 報によると、韓国政府高官が北朝鮮の核兵器製造施設は 6 箇所ないし 7 箇所 あると伝えた。李明博政権は、正確な核保有量と人権を含む問題の申告を要 求している。 (WP 2008/03/26) 2008/03/28 2008 年 4 月 1 日に 6 カ国協議米国代表は、残り数日で北朝鮮は完全な核申告 をしなければならないと述べた。李明博政権は、北朝鮮に対して核無能力化 を促すための経済的支援を行ってきたが、軍部は核攻撃の恐れが顕著になれ ば核施設の破壊も辞さないと述べている。この件に関しては米国及び韓国は 2007 年末の期限に間に合わなかったこともあり、非常に厳しい見方である。 (YH 2008/04/01) (4)生物・化学兵器関連 特記事項なし (5)ミサイル関連 2008/03/03 北朝鮮のミサイルは査定上、広範囲に配備されかつ旧モデルより高度化して いる。ミサイル関連レジームは、北朝鮮のミサイル輸出入の落ち込みを世界 における孤立化ゆえにだとみていた。しかし米国防情報局は、未だミサイル や関連技術をイランやシリアと関係を持ち売却していることから、強い懸念 を抱いている。 (YH 2008/03/04) - 7 - 2008/03/14 海上自衛隊は、北朝鮮からの潜在的ミサイル攻撃脅威への対応能力を向上さ せることを狙い、6隻目のイージス護衛艦を受領した。三菱重工製、14 億ド ルかけて建 造されたあ しがら(7,750t)は、佐 世保に配備 される予定 。 (GSN 2008/03/14) - 8 - 4.インド (1)輸出管理関連一般 2008/03/12 米 MTS Systems 社は 12 日の連邦裁判で、インドの核計画に用いられる装置 を違法輸出するために輸出許可申請書を改ざんしたことを認める見通しであ る。同社の顧問弁護が明らかにした。MTS Systems 社は 2006 年 3 月に、核関 連装置をインドへ違法輸出した罪で罰金 36,000 ドルを支払っているが、その 時 点 で は 輸 出 許 可 申 請 書 の 改 ざ ん は 認 め て い な か っ た 。 (TwinCities.com) (MISC 2008/03/12) 2008/03/13 米 MTS システムズ社の S・Emery 会長は、2003 年から 2004 年にかけてインド に実験装置を輸出した際に、輸出した装置が輸出規制の対象になっているイ ンドの原発会社の手に渡る可能性があることを知りながら、その事実を隠蔽 して輸出許可申請を行ったことを裁判で認めた。同社には罰金 40 万ドルと2 年間の業務停止処分が科せられた。(ST 2008/03/13) (2)通常兵器関連 2008/03/04 Thaindian News 報道。スリランカ陸軍参謀長は、タミルの虎に対抗するため 印に武器供与を求めるとした。両国の政治レベル及び軍の関係は良好として いるが、印は紛争地域への武器供与をしない方針であり、近い内に武器供与 が実現する可能性は低い。印はスリランカに Indra レーダー・システムを供 与したが、武器そのものの供与には消極的で、印の思惑に反しスリランカが 中国やパキスタンに接近する原因となっている。 (MISC 2008/03/04) 2008/03/13 シンガポール人が印に軍用品を違法に輸出することを企てたとして起訴さ れていたが、被告は有罪を認めた。ミサイル誘導装置とジェット戦闘機に用 いられる電子機器と、軍用機用夜間暗視装置の輸出先を偽り輸出しようとし た と し て 、 米 武 器 輸 出 管 理 法 (AECA) 違 反 で 起 訴 さ れ て い た 。 (ASP 2008/03/13) 2008/03/13 印は露と、同国製 MiG-29 戦闘機のアップグレードの契約を締結した。総額 10 億ドルに上る契約で、69 機の MiG-29 戦闘機を3年間かけてアップグレー ドし、使用期間を 15 年間延長する計画で、新型 Phazotron NIIR Zhuk-ME レ ーダー、Klimov RD-33 エンジン、電子機器、コクピット計器類、火気管制シ ステムの換装に加え、空中給油能力を付与するという。内 30%は印企業が受 注する契約で、Bharat Dynamics 社、Hindustan Aeronautics 社が受注してい る。また 69 機中、露でアップグレードを受けるのは僅か6機となり、残りは 印側で行われる。 (FLI 2008/03/13) - 9 - 2008/03/13 米サウスカロライナ州在住の Sudarshan 被告は、国際緊急事態経済権限法 (IEEPA)、輸出管理規則(EAR)違反の謀議、武器輸出管理法(AECA)、国際武器 取引規則(ITAR)違反で起訴、有罪を認めた。経営する会社を通じ、米政府が 印の宇宙開発計画に関与していると見て米商務省の Entity List に掲載され ている Vikram Sarabhai 宇宙センター(VSSC)、同様に弾道ミサイル計画に関 与していると見る Bharat Dynamics 社(BDL)に対し、印が開発する Tejas 戦闘 機に使用されるマイクロプロセッサーを必要な事前許可を得ずに輸出を行っ た容疑。 (DOJ 2008/03/13) (3)核兵器関連 2008/03/04 Gulf Times 報道。バウチャー米国務次官補(中央・南アジア担当)が訪印、メ ノン印外相と核協議を含む二国間・世界的課題について協議した。印政府が 与野党間でコンセンサスを目指すとコメントを発表した翌日の訪問。米印核 協議だが、印連立政権の一翼を担う左派政党が、印の戦略的独自性を脅かす と し 、 連 立 離 脱 を 示 唆 し た こ と か ら 暗 礁 に 乗 り 上 げ て い た 。 (MISC 2008/03/04) 2008/03/05 西側外交筋によると、署名には至っていないものの、印は IAEA と民生用途 の核関連活動に対する保障措置協定に関し合意に達したという。これにより 米印核協定における前提条件をクリアすることとなり、NPT 未加盟且つ核計 画全体に対する国際的保障措置がとられないままでも、米から核関連物資・ 技術の導入が可能となる。印の共産系4党は、シン印政権に対し連立政権離 脱を示唆しており、政局となる可能性がある。 (GSN 2008/03/05) 2008/03/10 豪 Australian 紙によると、印政府は米と合意した核合意に関し、早期の履 行はしないとの方針。シン印首相率いる連立与党だが、合意推進に反対する 勢力もあり早期の総選挙に追い込まれる可能性がある。政権末期に入ってい る米からは、次期米政権は合意を支持しない可能性があるとし、早期の批准 等手続を要求している。 (GSN 2008/03/11) 2008/03/12 印外務省は、同国が IAEA と合意に至った査察条件等について、印原子力委 員会らに説明が開始された。3月 17 日に、米印核協定に反対する共産党らに 向けた説明に先立って行われるもの。シン印政権は主要各党の同意を受ける のに失敗しており、政権末期に入っているブッシュ米政権の任期中の動向が 注目されている。 (GSN 2008/03/12) 2008/03/13 印政府は、仏及び露との原子力貿易協定で合意に至ったと発表した。現地 Indo-Asian 通信が報じたもので、印国内の反対から暗礁に乗り上げている米 印協定を意識して、シン印政権が発表した模様。 (GSN 2008/03/13) 2008/03/13 米 Star Tribune 紙は、ミネソタ州の MTS Systems 社が、印核施設において 使用される計測器を建物の構造検査用と偽り輸出していたことを認めたと報 じた。2000 年から取引が続いていたとされるが、軽犯罪として認め、罰金 80 万ドルと社内管理体制改善の判決を受けた。 (GSN 2008/03/13) - 10 - 2008/03/19 印幹部は詳細を明らかにしようとしていないが、印と IAEA は核査察に関し 合意に達したという。Indo-Asian 通信が報じたものだが、米印協定案に反対 する印勢力からは既に警戒する声が上がっている。 (GSN 2008/03/19) (4)生物・化学兵器関連 特記事項なし (5)ミサイル関連 特記事項なし - 11 - 5.パキスタン・イスラム共和国 (1)輸出管理関連一般 2008/03/13 Associated Press of Pakistan 報道。パキスタンのパンジャブ州知事、Maqbool 中将は、同国は外資導入を拡大するためにもテロ対策を進める必要性がある と述べた。 (MISC 2008/03/13) (2)通常兵器関連 2008/03/04 Thaindian News 報道。スリランカ陸軍参謀長は、タミルの虎に対抗するため 印に武器供与を求めるとした。両国の政治レベル及び軍の関係は良好として いるが、印は紛争地域への武器供与をしない方針であり、近い内に武器供与 が実現する可能性は低い。印はスリランカに Indra レーダー・システムを供 与したが、武器そのものの供与には消極的で、印の思惑に反しスリランカが 中国やパキスタンに接近する原因となっている。 (MISC 2008/03/04) (3)核兵器関連 2008/03/05 パキスタン核科学者で拡散ネットワークを構築した A.Q. カーン博士が、入 院した。パキスタン軍発表によるもので、71 歳の博士は 2006 年に癌と診断 されてからも健康状態は良かった。低血圧と発熱のため検査を受けるという。 博士は、イラン、リビア、北朝鮮に核技術を拡散したことを認めた 2004 年以 降、自宅軟禁に置かれている。 (GSN 2008/03/05) (4)生物・化学兵器関連 特記事項なし (5)ミサイル関連 特記事項なし - 12 - 6.ロシア連邦 (1)輸出管理関連一般 2008/03/04 中国の軍事動向に関する米国防省の年次報告書によると、ロシアは中国の主 な武器供給国として、技術やロジスティクス面で協力し、中国の軍事力維持 や近代化に関与しているという。2007 年のロシアの武器輸出は 70 億ドルで、 その 7 割は中国・インド向けである。具体的には、次世代戦闘機、ミサイル システム、潜水艦、戦闘艦等の兵器である。(MISC 2008/03/04) (2)通常兵器関連 2008/03/13 印は露と、同国製 MiG-29 戦闘機のアップグレードの契約を締結した。総額 10 億ドルに上る契約で、69 機の MiG-29 戦闘機を3年間かけてアップグレー ドし、使用期間を 15 年間延長する計画で、新型 Phazotron NIIR Zhuk-ME レ ーダー、Klimov RD-33 エンジン、電子機器、コクピット計器類、火気管制シ ステムの換装に加え、空中給油能力を付与するという。内 30%は印企業が受 注する契約で、Bharat Dynamics 社、Hindustan Aeronautics 社が受注してい る。また 69 機中、露でアップグレードを受けるのは僅か6機となり、残りは 印側で行われる。 (FLI 2008/03/13) 2008/03/19 Lanka Web 報道。露情報センターは、露がスリランカ海軍に対し MiG-29 戦闘 機5機を売却する契約を締結したと発表した。露、印で幅広く使用される同 型 機 だ が 、 タ ミ ル の 虎 (LTTE)と の 戦 闘 で 使 用 さ れ る も の と 思 わ れ て い る 。 (MISC 2008/03/19) 2008/03/21 露は BMD−4M 装甲兵員戦闘車(AIFV)を 2009 年から製造すると発表した。製 造者である Concern Tractor Plants (KTZ)社が発表したもので、空挺部隊の 火力強化を目的とし、新型シャーシとデジタル火器管制システム、100mm 砲 等を搭載している。重量 13t となり、空挺隊員 6 名を含む8名が搭乗可能。 (RIA 2008/03/21) 2008/03/24 米は、アジアの戦闘機市場において、露、中から追い上げを受けている。日、 印、豪、韓は第5世代戦闘機取得を狙う中、マレーシア、インドネシア等は 中から第4世代戦闘機導入を計画している。 (AFPR 2008/03/24) (3)核兵器関連 2008/03/11 露戦略爆撃機が米領空に接近するケースが増加しており、北米防空司令部 (NORAD)はモスクワに対し飛行計画を事前に通告するよう要求した。2007 年 において NORAD は 46 回戦闘機による迎撃体制をとったが、事故の可能性が高 まるとしてミュレン米統合参謀本部議長も警告した。露は大西洋、太平洋双 方への飛行を増加させているが、2月には米空母ニミッツに接近させ、米を 刺激している。 (GSN 2008/03/11) - 13 - 2008/03/13 印政府は、仏及び露との原子力貿易協定で合意に至ったと発表した。現地 Indo-Asian 通信が報じたもので、印国内の反対から暗礁に乗り上げている米 印協定を意識して、シン印政権が発表した模様。 (GSN 2008/03/13) 2008/03/19 米とウズベキスタンは、ウズベキスタンの研究炉を低濃縮ウラン型に改良し た。米国家核安全保障管理局(NNSA)が発表したもので、ウズベキスタンの核 物理学研究所の研究炉を 2005 年米露合意に基づき、低濃縮ウラン化と回収し た高濃縮ウランを米露への返還がなされた。 (GSN 2008/03/19) 2008/03/19 露 RIA Novosti は、露空軍の話として、Tu-95 戦略爆撃機2機が 16 時間大西 洋方面の哨戒飛行を行い、途中で NATO 軍の F-16 及びトーネードー戦闘機の 追尾を受けたと報じた。 (GSN 2008/03/19) 2008/03/19 露は4月に、シベリアにある2基の原子炉を閉鎖する予定。兵器級プルトニ ウムが製造されるこれら原子炉の閉鎖は米が求めていたもので、4月に ADE-4、6月に ADE-5 がそれぞれ閉鎖となる。米はその代償として、石炭火力 発電所の建設を支援する予定。 (GSN 2008/03/19) 2008/03/20 ラブロフ露外相は、イランの核計画を軍事的に解決しようとしても、大惨事 となるだけと警告した。イスラエルと米は、イランが核計画を止めない限り、 軍事的解決の可能性を否定しない態度を取り続けているが、露は IAEA 査察に おいて核兵器計画の兆候が見えない限り、効率的且つ重要なプロセスを尊重 すべきと述べた。 (AFPR 2008/03/20) 2008/03/25 エジプトは 25 日にロシアと原子力平和利用協定を締結した。エジプトは 15 億∼18 億ドルをかけて同国初の原子力発電所を地中海沿岸に建設する計画 で、この協定締結によりロシアの入札も可能になる。Arab world Observatory の幹部である A・Basbous は、ロシアの入札が可能になることに対して西側諸 国が懸念を示す可能性があると語った。 (GSN 2008/03/31) (4)生物・化学兵器関連 特記事項なし (5)ミサイル関連 特記事項なし - 14 - 7.イラン・イスラム共和国 (1)輸出管理関連一般 2008/03/21 米商務省産業安全保障局(BIS)は 21 日、米国の航空機をイランへ違法輸出し たとして英国とアルメニアの企業への制裁を発表した。BIS によれば、英国 の Balli Group PLC とその関連会社、アルメニアの Blue Airways、イランの Mahan Airways が、EAR の再輸出規制に違反したという。(BIS 2008/03/21) (2)通常兵器関連 特記事項なし (3)核兵器関連 2008/03/03 国連安全保障理事会は3日、ウラン濃縮を拒むイランに対して新たな追加制 裁決議案を採択した。この採決にはインドネシアが棄権したものの、出席し た 14 カ国が賛成したという。しかし、イランはこの制裁決議案を無視、原子 力プログラムの継続を宣言した。今回の制裁では、核あるいは弾道ミサイル の開発に関わるイランの 12 団体、13 人について資産を凍結すると共に渡航 監視の対象に追加した。また、原子力プログラム関係者 5 人については渡航 が禁止された。 (ASP 2008/03/03) 2008/03/05 イランのアハマディネジャド大統領は 5 日、「イラン政府は今後、国際原子 力機関(IAEA)以外の国・機関とは原子力プログラムに関する協議を行わな い」と発表した。ロイター通信が報じたもので、同大統領は更に「国連安保 理の対イラン追加制裁決議は、合法性を欠くものである。今回の決議は我々 にとって重要な意味を持たない」と語ったという。 (GSN 2008/03/05) 2008/03/05 パキスタン核科学者で拡散ネットワークを構築した A.Q. カーン博士が、入 院した。パキスタン軍発表によるもので、71 歳の博士は 2006 年に癌と診断 されてからも健康状態は良かった。低血圧と発熱のため検査を受けるという。 博士は、イラン、リビア、北朝鮮に核技術を拡散したことを認めた 2004 年以 降、自宅軟禁に置かれている。 (GSN 2008/03/05) 2008/03/05 国際原子力機関(IAEA)理事会は 5 日、原子力計画に関する情報を十分に公 開していないとイランを厳しく非難した。英国の S・Smith 代表は「我々が要 求する情報をイランが公開していないのは明らかだ。イランが非協力的な態 度をとり続ける限り、我々はイランに対して厳しい態度で臨む」と主張する など、IAEA 理事国 35 カ国の中でも英国が特に厳しい姿勢を示しているとい う。 (GSN 2008/03/05) 2008/03/11 ワシントンポスト紙は 11 日、国際原子力機関(IAEA)に提出された文書に より、多くのイラン民間人が核開発計画に関わっていたことが明らかになっ たと報じた。欧州関係者によると、新しい情報の一部は、2004 年にイランか ら密輸されたラップトップ・コンピュータから収集したものであるという。 (GSN 2008/03/11) - 15 - 2008/03/13 UAE は、原子炉等に用いられるジルコニウムの違法取引に関与した容疑で、 アラブ人1人を起訴する。国営 WAM 通信が報じたもので、240kg ものジルコ ニウムの入手元及び輸出先は発表されていないが、UAE の一部を構成するド バイ首長国は、イランを含む湾岸諸国の貿易ハブとなっている。UAE は8月 に、イランへの再輸出を防ぐため米の要請に沿い、軍用・汎用品輸出管理の 法制度を施行したばかり。 (MISC 2008/03/13) 2008/03/14 3 月 14 日に実施されたイランの総選挙で保守派が約 70%の議席を獲得し、 イランの有権者がウラン濃縮問題などで強硬な姿勢をとり続けるアフマディ ネジャド大統領を支持するという結果になった。一方、西側の情報機関関係 者は、イランが核兵器製造に用いられる可能性のある爆破技術を開発したこ とを示唆する Jane s International Defense Review の文書があることを明 らかにした。 (GSN 2008/03/20) 2008/03/19 チェイニー米副大統領は 19 日、「米国家情報評価(NIE)が 2003 年に停止し たとしているイランの核兵器開発が再開されたかどうかは明らかではない。 しかし、イランは核兵器開発に必要なウラン濃縮を試みていることは事実で ある」とし、イランが核兵器開発プログラムを再開した可能性があるとの認 識を示した。 (ASP 2008/03/19) 2008/03/20 ブッシュ米大統領は 20 日、「イランが核兵器開発を公式に認めた。米国およ び世界はこれを受け入れることはできない」と述べた。ワシントン・ポスト 紙が報じた。これに対して、イラン及び核拡散問題の専門家らは「イランは 核兵器を欲しいとは一度も言っていない。ブッシュ大統領らはイランについ て誤った認識を持っており、これは周囲を混乱させるだけだ」と主張した。 (GSN 2008/03/21) 2008/03/20 ラブロフ露外相は、イランの核計画を軍事的に解決しようとしても、大惨事 となるだけと警告した。イスラエルと米は、イランが核計画を止めない限り、 軍事的解決の可能性を否定しない態度を取り続けているが、露は IAEA 査察に おいて核兵器計画の兆候が見えない限り、効率的且つ重要なプロセスを尊重 すべきと述べた。 (AFPR 2008/03/20) 2008/03/21 サルコジ仏大統領は、イラン等への強い抑止力を維持しつつ、保有する戦略 核戦力を削減すると発表した。航空機搭載型核弾頭を3分の1とすることに より、保有する核弾頭は 300 個を下回る予定で、冷戦期の最大数の半分とな るという。 (GSN 2008/03/21) 2008/03/21 米共和党のマケイン上院議員は 21 日、パリで仏サルコジ大統領との会談に 臨んだ後、同大統領から対イラン制裁で米仏が共同歩調をとることを持ちか けられたと語った。マケイン上院議員は、 「イランに核兵器開発を断念させる ための対イラン制裁問題では、サルコジ大統領のリーダーシップが非常に重 要である」と述べた。 (REUT 2008/03/21) - 16 - 2008/03/22 サルコジ仏大統領が核弾頭を削減する計画であること発表する一方で「イラ ンのミサイルや核の潜在的脅威に対抗するために仏は核抑止力を維持する必 要がある」と述べたことに対してイランが反発している。AFP 通信が報じた もので、イランの M・A・ホセイニ外務省報道官は 22 日、 「イランは常に平和 と安定の中心であり、イランの外交政策は国際基準と完全に一致している」 と反論したという。 (GSN 2008/03/24) 2008/03/24 チェイニー米副大統領は 24 日、ABC ニュースで「イランは兵器級の高濃縮ウ ランを生産し、核兵器を開発しようとしている」とイランを批判した。AFP 通信が伝えたもので、同副大統領はイランが核兵器の開発を企てている証拠 は明示しなかったという。 (GSN 2008/03/25) 2008/03/26 イランが国連制裁の賠償を要求していると伝えた。イランの M・Mottaki 外 相は国連関係者に宛てた書簡の中で、 「 ウラン濃縮の停止を命じた安全保障理 事会の決議は国連憲章に違反しており、イランはこの決議に従わない」と主 張したという。 (ASP 2008/03/26) 2008/03/30 M・ヘイデン米 CIA 長官は 30 日、イランが 2003 年に核兵器の開発を中止し たと結論付けた国家情報評価(NIE)について疑問を投げかけた。NBC テレビで 語ったもので、同長官は個人的な見解であるとしながらも「イランが核兵器 を開発している」と考えていることを明らかにした。 (GSN 2008/03/31) (4)生物・化学兵器関連 特記事項なし (5)ミサイル関連 特記事項なし - 17 - 8.イスラエル国 (1)輸出管理関連一般 2008/03/12 全米の 300 以上の機関が、「イスラエルは米国の援助で購入した武器をガザ 地区などの違法入植の際に使用しており、米国の武器輸出規制及び海外援助 法に違反している」と主張し、イスラエルに対する軍事援助を削減するよう 米政府に要求している。2009 会計年度の予算要求では、イスラエルへの軍事 援助として 2007 年比 9%増の 25 億 5,000 万ドルが盛り込まれている。(Israel eNews) (MISC 2008/03/12) (2)通常兵器関連 2008/03/04 昨年 12 月にコロンビアはイスラエルからクフィール戦闘機 24 機を導入する ことで合意したが、国防・外交筋によると、この契約には 6,000 万ドルの B-767 空中給油機の費用も含まれていることが明らかになった。同機体はイスラエ ルの IAI 社が改造し引き渡される予定で、これによりベネズエラ、ボリビア、 エクアドル、キューバと左派政権の影響力が強まるラテン・アメリカにおい て、コロンビアの空爆能力が飛躍的に高まることとなる。両機体の輸出には 米の輸出許可が必要となるが、同国は既にクフィールを 80 年代後半から運用 しており、イスラエル側は米政府の全面的な協力が得られるとしている。 (DN 2008/03/04) (3)核兵器関連 特記事項なし (4)生物・化学兵器関連 特記事項なし (5)ミサイル関連 特記事項なし - 18 - 9.シリア・アラブ共和国 (1)輸出管理関連一般 特記事項なし (2)通常兵器関連 特記事項なし (3)核兵器関連 特記事項なし (4)生物・化学兵器関連 特記事項なし (5)ミサイル関連 特記事項なし - 19 - 10.その他 (1)輸出管理関連一般 2008/03/11 米宇宙安全保障局(NSSO)は 11 日、連邦議会で輸出管理レジームの戦略的 改定に関する公聴会を開催した。この公聴会には、産業界代表、学識経験者、 政府及び報道関係者が参加した。米航空宇宙学会(AIAA)の P・D・ニールセン 理事長は「国の輸出管理政策を改定しようとする NSSO の取り組みを支持す る」と述べた。(Sun Herald) (MISC 2008/03/11) 2008/03/11 米国航空 宇宙工業会 (AIA)の M・Blakey 最高経営責 任者(CEO)は 11 日、 Aerospace States Association(ASA)主催の公聴会で、「現在の米国の輸出 管理システムは、武器輸出が可能になるまでに多くの時間を必要とする。こ れは、米国の軍需産業が商機を逃す結果にもつながっている」とし、米国の 輸 出 管 理 シ ス テ ム を 改 善 す べ き で あ る と 主 張 し た 。 (Sun Herald) (MISC 2008/03/11) 2008/03/13 米 Cirrus Electronics 社(サウスカロライナ州)の P・スダーシャン社長は 13 日、同社がミサイル及び他の兵器技術をインドに違法輸出していたことを 認めた。ロイター通信が報じたもので、同社は 2002 年から 2006 年にかけて ヴィクラム・サラバイ宇宙センター及び国営の防衛企業であるバーラト・ダ イナミクス社に輸出許可を取得せずミサイル技術等を輸出していたという (GSN 2008/03/14) 2008/03/18 韓国政府は、中小企業経営者に対し大量破壊兵器に転用可能な製品を輸出す ることの危険性について 11 都市にわたって公知活動を行う。韓国企業の輸出 管理は、民生品が軍用に使われることは認識しているが、規制リストに掲載 されている製品の数が少ないため見落としやすい、そのため政府側は、手続 きに不安がある場合は政府に相談するよう促している。 (YH 2008/03/19) 2008/03/31 イタリアの Agusta Westland 社は、米国の T800 エンジンの技術をトルコへ 移 転 す べ く 許 可 申 請 を 行 っ て い た が 、 米 国 政 府 は こ れ を 却 下 し た 。 Augsta Westland 社は、トル コの攻撃ヘ リコプター に搭載する エンジンを トルコの Tusas Engine Industries(TEI)社と共同生産する計画だった。米国はエン ジンの技術サポートは認めたものの生産は認めなかった。(Today s Zaman) (MISC 2008/03/31) 2008/03/31 米国人夫妻が、軍事及び民生用航空機の部品をイランに違法輸出した罪で告 発された。告発されたのはシンガポールで会社を経営する Brian Woodford 及 び Laura Woodford で、Laura 夫人は香港から米国に入国したところを逮捕さ れたという。 (UPI 2008/03/31) - 20 - 2008/03/31 米国土安全保障省移民税関執行局(ICE)は 3 月 31 日、アリゾナ州ツーソン でスナイパーライフルを含む複数の武器を押収したと発表した。現在調査中 であるが、これらの武器はメキシコへ密輸される予定だったと見られている。 今回の事件は、銃を不法所持する暴力団や武器密輸業者および外国人の監視 に当たっている BEST(Border Enforcement Security Task Force) の調査 により発覚したという。 (ICE 2008/03/31) (2)通常兵器関連 2008/03/13 Aftenposten 紙報道。ノルウェー国防産業の輸出額は、昨年最高を記録、世 界第7位の武器輸出国となった。18%増となり、総額約4億 3,000 万ドルの武 器弾薬等を輸出した。その内 75%以上は NATO 加盟国向けの輸出で、米国が最 大 の 輸 出 先 と な っ た 。 同 国 の 世 界 の 武 器 市 場 で の 占 有 率 は 3.5% 。 (MISC 2008/03/13) 2008/03/19 スイスはチャド政府に対し、輸出した同国製軍用機の違法な使用に関し、公 式な誓約を求めた。スイスは Pilatus PC-9 訓練機を輸出したが、武装し軍事 作戦に使用されていることが発覚、チャド政府に対し説明を要求していた。 (MISC 2008/03/19) 2008/03/19 ブッシュ米大統領は、先月セルビアから独立したコソボに対する軍事支援を 許可した。米の国家安全保障を強化し世界平和を推進するとし、これにより 対外支援法(FAA)及び武器輸出管理法(AECA)が管理する軍用品・役務を提供で きるようになる。 (ASP 2008/03/19) (3)核兵器関連 2008/03/04 カナダ原子力安全委員会は 4 日、カナダ国内に 100 台ほどある塩化セシウム を使用した医療機器について「安全な施設で安全に使用されており問題ない」 との声明を発表した。米国では、これらの医療機器に含まれる物質が汚い爆 弾 dirty bomb の原料に使用される恐れがあるとの調査結果が報告されて いた。 (GSN 2008/03/05) 2008/03/04 コロンビアの F・サントス副大統領は 4 日、コロンビアの極左組織であるコ ロンビア革命軍(FARC)が汚い爆弾 dirty bomb に用いられる恐れのある物 質を入手しようとしていると主張した。AP 通信が報じたもので、同副大統領 によれば、コロンビア軍がエクアドルで FARC を攻撃した後に回収した2台の コンピュータから FARA が放射性物質の入手を試みていたことを示す資料を 見つけ出したという。 (GSN 2008/03/05) - 21 - 2008/03/04 米国国土安全保障省(DHS)は、小型の自家用ジェット機を使った大量破 壊 兵 器 の 密 輸 を 阻 止 す る た め 、 2008 年 中 に 追 加 措 置 を と る 計 画 で あ る 。 USA Today 紙が 4 日に報じたもので、DHS のチャートフ長官は「核、汚い爆弾(dirty bomb)あるいは生物兵器が米国に持ち込まれることを阻止するため、プライ ベートジェット機の乗客及び乗務員に対し、テロリスト監視リストに挙がっ ている人物でないことを証明する資料の提出を義務付ける計画である」と語 ったという。 (GSN 2008/03/04) 2008/03/12 カザフスタン下院は、2005 年の国連核テロ防止条約批准に向けて審議を行っ ている。近く上院に場を移し、審議は続けられる予定。 (GSN 2008/03/12) 2008/03/18 カール・レヴィン米上院議員らは 18 日、核兵器製造に用いられる原材料等 の入手に対する規制を強化するよう米連邦政府に要求した。AP 通信が 26 日 に報じたもので、同上院議員らは 2007 年に米会計検査院(GAO)が行った許 認可手続きに関する調査結果のレビューを踏まえ、許可申請者の背景チェッ ク、申請者の事業所の検査、使用目的の確認を厳格に行うよう求めていると いう。 (GSN 2008/03/26) 2008/03/24 AFP 通信は、アラブ首長国連邦(UAE)が民生用原子力発電計画を監督する原 子 力 庁 を 創 設 す る 計 画 で あ る と 報 じ た 。 UAE 原 子 力 庁 は 、 国 際 原 子 力 機 関 (IAEA)の勧告に従って安全な原子力計画を進める計画であるという。 (GSN 2008/03/24) 2008/03/24 バ ー レ ー ン は 24 日 、 核 テ ロ リ ズ ム に 対 抗 す る た め の 国 際 イ ニ シ ア テ ィ ブ (Global Initiative to Combat Nuclear Terrorism) への参加を表明し、米 国と民生用原子力協力協定を結んだ。AFP 通信が伝えたもので、米国によれ ばバーレーンは機微な核燃料サイクル技術の取得を試みることはせずに核燃 料を国際市場から調達すると断言したという。 (GSN 2008/03/25) (4)生物・化学兵器関連 2008/03/03 AP 通信は 3 日、2 月第 5 週にラスベガスのホテル Extended Stay America で見つかった物質について米疾病対策予防センター(CDC)が猛毒物質リシン であるかどうかを確認する検査を行う計画であると報じた。4 日付 UPI 通信 によると、屋外で実施した簡易検査でこの物質にリシンが含まれることを示 唆する結果が出ているという。 (GSN 2008/03/04) 2008/03/05 AP 通信は 5 日、米疾病対策予防センター(CDC)がラスベガスのホテルで見つ かった物質を猛毒物質リシンと断定したと報じた。リシンは小瓶に入ってい たが、それ以外の場所で粉末は確認されておらず、CDC のスポークスマンは 「 現 時 点 で リ シ ン に よ る 汚 染 は 確 認 さ れ て い な い 」 と 語 っ て い る 。 (GSN 2008/03/05) 2008/03/10 米ボーイング社と米国防総省(DOD)は、大気中の物質から生物兵器とな る 生物物質を検出する無人飛行機の改良を完了したことを明らかにした。UPI 通信が 10 日に報じたもので、2007 年 11 月にこの無人飛行機の試験が始めら れ、1 月に最終実証試験が完了したという。 (GSN 2008/03/11) - 22 - 2008/03/14 英カーディフ大学の炭疽菌専門家である L・Baillie 氏は、ポリフェノール のような紅茶に含まれる特定の成分が、炭疽菌の活動を抑制する働きがある ことを発見したと述べた。Cardiff Western Mail が 14 日に伝えたもので、 こ の 成 分 に よ り 炭 疽 菌 の 感 染 拡 大 を 抑 制 す る こ と が 出 来 る と い う 。 (GSN 2008/03/14) 2008/03/21 米ブリガム・ヤング大学(BYU)の科学者である M・リー氏は、次世代型の化 学物質検出器を開発した。Desert Morning News が 21 日に報じた。神経ガス や爆発性物質等を 5 分以内に検出できる携帯型の検出器で、防護服を着用し たままの状態で操作可能であるという。 (GSN 2008/03/24) (5)ミサイル関連 2008/03/10 ブッシュ米大統領は 10 日、訪米中のポーランドのトゥスク首相と会談し、 ポーランド軍の近代化を支援する考えを表明した。ワシントンポスト紙が伝 えた。トゥスク首相は、この支援がポーランドで計画するミサイル防衛(MD) 施設建設の見返りであることを示唆した。 (GSN 2008/03/11) 2008/03/13 米国のミサイル防衛関連企業である Raytheon 社は 13 日、新型のミサイル発 射探知器を開発したと発表した。同社によると、この新型探知器1台で全地 球の半分に相当する地域のミサイル発射を監視でき、米国の現在の早期警戒 衛星よりも性能が優れているという。 (GSN 2008/03/14) - 23 - - 24 - 出典略号一覧表 (参 考) 人民日 ・人民日報 共同 ・共同通信 時事 ・時事通信 新華社 ・新華社通信 タス ・タス通信 RP. ・ラジオプレス AB. ・ARABIES AFPR. ・AGENCE FRANCE-PRESSE APNW. ・ASSOCIATED PRESS NEWSWIRES AW. ・ASIAWEEK AWSJ. ・ASIAN WALL STREET JOURNAL AW&ST.・AVIATION WEEK & SPACE TECHNOLOGY BBCMS.・BBC Monitoring Service BBCMM.・BBC Monitoring Middle East BIS. ・BUREAU OF INDUSTRY AND SECURITY, US DEPT. OF COMMERCE CHD. ・CHINA DAILY CHNA. ・CHANNEL NEWS ASIA CP. ・CHINA POST CSM. ・THE CHRISTIAN SCIENCE MONITOR DD. ・DEFENSE DAILY DJN. ・DOW JONE'S NEWSWIRE DM. ・DAILY MAIL DN. ・DEFENSE NEWS DOS. ・US DEPARTMENT OF STATE DW. ・DEFENSE WEEK EM. ・ECONOMIST FAL. ・FRANKFURTER ALLGEMEINE FE. ・FINANCIAL EXPRESS FEER. ・FAR EASTERN ECONOMIC REVIEW FR. ・FOREIGN REPORT FT. ・FINANCIAL TIMES GN. ・GUARDIAN GSN. ・GLOBAL SECURITY NEWSWIRE HB. ・HANDELSBLATT HI. ・THE HINDU ICE. ・IMMIGRATION AND CUSTAMS ENFOECEMENT, US DEPT. OF HOMELAND SECURITY ID. ・INDEPENDENT IFAX. ・INTERFAX NEWS AGENCY IDR. ・INTERNATIONAL DEFENSE REVIEW IHT. ・INTERNATIONAL HERALD TRIBUNE IPR. ・IPR STRATEGIC BUSINESS INFORMATION ITCR. ・INTERNATIONAL TRADE REPORTER CURRENT REPORT ITW. ・ITAR-TASS WORLD SERVICE IUST ・INSIDE U.S. TRADE JDC. ・JANE´S DEFENCE CONTRACTS JDW. ・JANE´S DEFENCE WEEKLY JIR. ・JANE´S INTELLIGENCE REVIEW JC. ・JOURNAL OF COMMERCE LM. ・LE MONDE - 25 - LT. ・LOS ANGELES TIMES MEIW. ・MIDDLE EAST INTELLIGENCE WIRE MEN. ・MIDDLE EAST NEWSWIRE MISC. ・MISCELLANEOUS MOS. ・MOSCOW TIMES MT. ・MILITARY TECHNOLOGY NN. ・NATION NYT. ・NEW YORK TIMES NW. ・NEWSWEEK OANA. ・ORGANIZATION OF ASIA-PACIFIC NEWS AGENCIES OBS. ・OBSERVER PCN. ・PLATT'S COMMODITY NEWS RBM. ・RUSSIAN BUSINESS MONITOR REUT. ・REUTER SCMP. ・SOUTH CHINA MORNING POST SP. ・DER SPIEGEL STI. ・SUNDAY TIMES TT. ・TAIPEI TIMES TE. ・TASS ENERGY NEWS SERVICE TG. ・TELEGRAPH TIME. ・TIME TIMES.・THE TIMES USNW. ・U.S.NEWS & WORLD REPORT WP. ・WASHINGTON POST WQ. ・WASHINGTON QUARTERLY WSJ. ・WALL STREET JOURNAL WT. ・WASHINGTON TIMES XNA. ・XINHUA NEWS AGENCY YH. ・YONHAP ENGLISH NEWS *国別の担当者は次の通りです。 山下研究員: 中国、台湾、北朝鮮、インド、パキスタン、イスラエル、シリア、 イラン 風間主任研究員: 米国、国際 大森研究員: ロシア及び周辺地域、欧州、その他 - 26 -