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CISTEC
部内限り
on Security Trade Control
クロノロジー
Vol.16 No.12 2011.4.8
C ISTEC
発行:財団法人 安全保障貿易情報センター
〒105-0001 東 京 都 港 区 虎 ノ 門 1-1-21
TEL:03-3593-1149
新 虎 ノ 門 実 業 会 館 4F
FAX:03-3593-1642
情報サービス・研修部
http://www.cistec.or.jp/
2011年3月の輸出管理関連主要情報
3月の輸出管理関連動向の総括 .................................................. 2
1.中華人民共和国 ............................................................ 5
2.台湾(中華民国) .......................................................... 8
3.北朝鮮 .................................................................... 9
4.インド ................................................................... 11
5.パキスタン・イスラム共和国 ............................................... 13
6.ロシア連邦 ............................................................... 15
7.イラン・イスラム共和国 ................................................... 17
8.イスラエル国 ............................................................. 21
9.シリア・アラブ共和国 ..................................................... 22
10.米国 ................................................................... 23
11.その他 ................................................................. 30
出典略号一覧表 ............................................................... 32
- 1 -
3月の輸出管理関連動向の総括
★中華人民共和国
◇輸出管理関連
3/20
中国、対中貿易赤字国の対中輸出規制緩和を期待
3/21
マレーシア、WMD 関連資機材の密輸中継拠点の可能性
◇核兵器関連
3/ 4
中国の 2011 年度国防予算が前年度比 12.7%増-戦略核ミサイル部隊の予算も増加か
3/ 4
米国、中国に北朝鮮ウラン濃縮への安保理議長声明採択を期待
3/ 8
IAEA 理事会、中国による建設予定のパキスタン原子炉査察に全会一致
3/17
マレーシア、中国から到着したイラン向け貨物を押収-核関連資機材を発見
3/23
米国、中パ原子力協定は中国の NSG 参加時の誓約に違反と主張
★台湾
◇ミサイル関連
3/16
中国が台湾に向けて新型弾道ミサイルを配備-台湾国家安全局長が指摘
★北朝鮮
◇核兵器関連
3/ 4
米国、中国に北朝鮮ウラン濃縮への安保理議長声明採択を期待
3/10
北朝鮮、ミサイル等に搭載可能な核弾頭を保有か?米 DIA 長官が指摘
3/17
米国、6か国協議再開の条件として北朝鮮に非核化へ向けた具体的行動を再度要求
3/30
米国と北朝鮮がドイツで核問題等に関する極秘対話-米側に政府関係者は含まれず
★インド
◇通常兵器関連 ‐ 特記事項なし
3/28
印パ両国、『クリケット外交』で関係に進展か
- 2 -
★パキスタン
◇輸出管理関連一般
3/9
米検察、パキスタンへの核関連資機材違法輸出でパキスタン人社長を起訴
◇通常兵器関連
3/28
印パ両国、『クリケット外交』で関係に進展か
◇核兵器関連
3/8
IAEA 理事会、中国による建設予定のパキスタン原子炉査察に全会一致
3/23
米国、中パ原子力協定は中国の NSG 参加時の誓約に違反と主張
★ロシア
◇通常兵器関連
3/10
ロシア大統領、対リビア武器禁輸を発令
◇核兵器関連
3/1
ロシア、CTBT 未批准国に批准を要請
3/11
ロシア、アフリカ非核兵器地帯条約に署名
3/22
米ロ、相互の核装備における情報交換を開始
★イラン・イスラム共和国
◇核兵器関連
3/ 7
イラン外相、天野 IAEA 事務局長の発言を非難・・原子力の平和利用と主張
3/16
トルコ、武器密輸の疑いのあるシリアへ向かうイラン輸送機に強制着陸命令
3/17
マレーシア、中国から到着したイラン向け貨物を押収-核関連資機材を発見
3/17
イラン向け貨物、過去半年間に韓国とシンガポールで押収
3/21
ナイジェリアで摘発されたイランの武器輸出、裁判でイラン側の無許可輸出だった
ことが明らかに
3/23
トルコ政府、シリアに向かう武器が積載されたイラン貨物機を強制着陸--国連の対
イラン制裁に違反
★米国
◇輸出管理関連
3/ 3
米アリゾナ州の男、イランにデジタルマイクロ波無線の不正輸出で有罪判決
3/ 7
米 DOS 次官補、UAE などに貨物積替時の監視体制強化を要求
- 3 -
3/ 7
米 GAO、米 DOC が外国人の就業ビザに対する審査規模を縮小したことの危険性を指
摘
3/ 9
米、イランへのジェットエンジン違法輸出未遂容疑で4人を告発
3/ 9
米検察、パキスタンへの核関連資機材違法輸出でパキスタン人社長を起訴
3/24
中国へ軍事衛星の部品を違法輸出しようとした中国系米国人、有罪を認める見通し
3/28
米テキサス州在住のサウジアラビア人、WMD の使用未遂容疑につき無罪を主張
3/29
フィリピン人の男、米オークションサイトで”RQ-11 レイヴン”を再販売しようと
した容疑で起訴される
◇通常兵器関連
3/ 4
米国、「プレデター」や「リーパー」の輸出を緩和
◇核兵器関連
3/ 8
米、対イラン制裁措置を延長
- 4 -
1.中華人民共和国
(1)輸出管理関連一般
2011/3/20 【中国、対中貿易赤字国の対中輸出規制緩和を期待】 第 12 回中国開発フォー
ラムが3月 19 日から 21 日にかけて北京で開催された。中国の陳徳銘商務相
は3月 20 日に同フォーラムで、対中貿易赤字国による(先端技術等の)対中
輸出規制の緩和に期待を表明すると共に、
「 多くの中国企業が対中輸出規制と
なっている先端技術や装置、資源及び原材料を必要している」と述べた。中
国税関総署(GAC)によると、2010 年の中国の貿易黒字の 99%は対米輸出に
よるものであるという。 (XNA 2011/3/22)
2011/3/21
【マレーシア、WMD 関連資機材の密輸中継拠点の可能性】 マレーシア女性・
家族・社会開発省の Datuk Seri Hishammuddin Hussein 大臣は3月 21 日、
「マ
レーシアが大量破壊兵器(WMD)関連資機材の密輸の中継拠点として利用され
ている可能性がある」と語った。The Star 紙が報じた。中国から到着した船
舶(マレーシア船籍)のイラン向け貨物の中から核関連資機材が発見された
事件について、同大臣は「資機材の用途や入手ルートの調査に時間を要する」
と述べると共に、このような密輸事件が過去にもあったことを認めた。 (GSN
2011/3/22)
(2)通常兵器関連
2011/3/10 【ロシア大統領、対リビア武器禁輸を発令】ロシアのメドベージェフ大統領は
3 月 10 日、リビアへの武器の輸出を禁止する大統領令を発した。今回の武器
禁輸は、ロシアにとっては 40 億ドルの損失になるとのことであるが、今後リ
ビアへの武器や弾薬などあらゆる軍需関連の装備品を禁じるという。一方ロ
シアのラブロフ外相は、リビア上空での飛行禁止空域の設定について、慎重
な姿勢を示しているという。 またその他の関係者でも、「飛行禁止空域の設
定が提案された場合、過去のボスニアやイラクでの飛行禁止空域の事例とは
異なることを念頭に入れた方が良い。リビアはボスニアなどよりも大きい国
である」と述べ、同様に慎重な発言をしている。 (MISC 2011/3/10)
(3)核兵器関連
2011/3/1
【ロシア、CTBT 未批准国に批准を要請 】スイス・ジュネーブで開催されてい
る国連軍縮会議において、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が 3 月 1 日、全
ての「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の未批准国に、CTBT 発効の必要性を
訴え、批准に向けた協力を呼びかけた。2011 年 3 月現在、ロシアも含む 153
か国が批准している。一方 CTBT の付属書二(Annex II)に掲載されている発
効要件批准国で、実際の批准国は 35 カ国に留まっている。未批准国は、「米
国、中国、インドネシア、エジプト、イラン、イスラエル、北朝鮮、インド、
パキスタン」の 10 か国である。更にラヴロフ外相は、「ロシアが欧州に配備
したロシア製の戦術核廃絶も要請した」とのことである。 (GSN 2011/3/2)
- 5 -
2011/3/4 【中国の 2011 年度国防予算が前年度比 12.7%増-戦略核ミサイル部隊の予算も
増加か】 中国は3月4日、2011 年度の国防予算が前年度比 12.7%増の 900
億ドルに上ることを明らかにした。中国の戦略核ミサイル部隊である人民解
放軍第二砲兵部隊や海軍への予算の割り当てが増えると見られている。全国
人民代表大会の李肇星報道官は、
「 中国は防衛的な国防政策を採り続けており、
近隣諸国の脅威にはならない」と強調した。中国は 7 日、国防予算の増加を
発表する一方で、米国に対して台湾への武器売却を止めるよう求めた。 (GSN
2011/3/7)
2011/3/4
【米国、中国に北朝鮮ウラン濃縮への安保理議長声明採択を期待】聯合ニュー
スは 3 月 3 日、
「米国は、北朝鮮のウラン濃縮計画について、国連安全保障理
事会の議長声明採択に、中国の支持を呼びかけた」と報道した。 クローリー
米国務次官補(広報担当)は、
「国連安全保障理事会の全ての国が米国を支持
することを期待する」と明らかにした。一方中国側は、
「北朝鮮のウラン濃縮
計画は、国連では無く、六カ国協議の枠内で議論しなければない」と強く主
張し、国連安保理の採択に反対の姿勢を示しているという。中国の武大偉朝
鮮半島問題特別代表は、日米韓による六カ国協議再開に、北朝鮮の非核化に
ついての「具体的な措置」を条件としていることを「各国それぞれのか考え
に理解を示す」として否定はしなかったが、
「(協議再開)に前提条件を設ける
べきではない」と暗に非難した。 (GSN 2011/3/4)
2011/3/8
【IAEA 理事会、中国による建設予定のパキスタン原子炉査察に全会一致】国際
原子力機関(IAEA)理事会は 3 月 8 日、中国が建設する予定である「パキス
タンの新たな原子炉 2 基に対する査察の計画」を全会一致で承認した。一方
中国は、「中国は NSG に参加する前の 2004 年に、パキスタン・チェシェマに
2 基の原子炉を建設することで合意に至っているため、NSG ガイドライン違反
にはならい」と表明していた。更に中国は、パキスタンでの原子炉建設を「(NSG
ガイドラインの)適用を除外する措置 (既得権条項)」なども提示している。
しかし米国は中国が提示している「適用する除外」に疑問を呈しているとい
う。 (GSN 2011/3/9)
2011/3/17 【マレーシア、中国から到着したイラン向け貨物を押収-核関連資機材を発見】
マレーシア犯罪捜査局(CID)は、中国・上海からマレーシアのクラン港に到
着した船舶(マレーシア船籍)からコンテナ2つを押収した。この船舶はイ
ランに向かう途中で、2つのコンテナの中からは核燃料製造及び核兵器製造
の際に使用される機器(の部品)が発見されたという。マレーシア警察が3
月 17 日に明らかにした。CID は、積荷の送付先であるイランの受取人にも接
触する方針を示している。一方、中国・上海の地元紙によると、送付元の中
国人も地元警察の尋問を受ける予定であるという。 (ASP 2011/3/18)
- 6 -
2011/3/23
【米国、中パ原子力協定は中国の NSG 参加時の誓約に違反と主張】 中国がパ
キスタンのチャシュマ原子力発電所に原子炉(3号機及び4号機、34 万 kW、
PWR)を新設しようとしている問題について、米国のロバート・ブレイク国務
次官補(南・中央アジア担当)は「中パ原子力取引は原子力供給国グループ
(NSG)参加時の中国の誓約に反している」と主張した。同次官補は中国によ
る対パ原子炉輸出を批判する一方で、パキスタンのエネルギー開発を支援す
ることが必要であることも認めた。 (AFPR 2011/3/23)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
2011/3/16 【中国が台湾に向けて新型弾道ミサイルを配備-台湾国家安全局長が指摘】 台
湾の蔡得勝(Tsai The-sheng)国家安全局長は3月 16 日、議会で「中国共産
党が台湾に向けて新型ミサイル『東風 16(DF-16)』を配備した」とした上で、
「新型ミサイルの射程距離は従来よりも長く、台湾への脅威は増大している」
と主張した。しかし、同局長は、ミサイルの特徴や配備数など詳細について
言及を避ける一方、中国は別の新型ミサイル「東風 21D(DF-21)」の試験も
複数回実施したと述べた。米国の専門家は DF-21 の射程を 1,240~1,860 マイ
ル(約 2,000~3,000km)と見積もっている。 (GSN 2011/3/17)
- 7 -
2.台湾(中華民国)
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
特記事項なし
(3)核兵器関連
2011/3/4 【中国の 2011 年度国防予算が前年度比 12.7%増-戦略核ミサイル部隊の予算も
増加か】 中国は3月4日、2011 年度の国防予算が前年度比 12.7%増の 900
億ドルに上ることを明らかにした。中国の戦略核ミサイル部隊である人民解
放軍第二砲兵部隊や海軍への予算の割り当てが増えると見られている。全国
人民代表大会の李肇星報道官は、
「 中国は防衛的な国防政策を採り続けており、
近隣諸国の脅威にはならない」と強調した。中国は 7 日、国防予算の増加を
発表する一方で、米国に対して台湾への武器売却を止めるよう求めた。 (GSN
2011/3/7)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
2011/3/16 【中国が台湾に向けて新型弾道ミサイルを配備-台湾国家安全局長が指摘】 台
湾の蔡得勝(Tsai The-sheng)国家安全局長は3月 16 日、議会で「中国共産
党が台湾に向けて新型ミサイル『東風 16(DF-16)』を配備した」とした上で、
「新型ミサイルの射程距離は従来よりも長く、台湾への脅威は増大している」
と主張した。しかし、同局長は、ミサイルの特徴や配備数など詳細について
言及を避ける一方、中国は別の新型ミサイル「東風 21D(DF-21)」の試験も
複数回実施したと述べた。米国の専門家は DF-21 の射程を 1,240~1,860 マイ
ル(約 2,000~3,000km)と見積もっている。 (GSN 2011/3/17)
- 8 -
3.北朝鮮
(1)輸出管理関連一般
2011/3/15
【韓国、一部企業に対しステンレス鋼など戦略物資の輸出規制を緩和】 韓国
知識経済省は3月 15 日、大量破壊兵器(WMD)の製造に転用される戦略物資
(9 品目)の輸出許可申請手続きの一部免除等の輸出規制緩和を発表した。
対象となるのは、厳格に輸出管理を実施している一部優良企業。この緩和に
より一部の韓国企業は、戦略物資の輸出管理規則を有する 29 カ国の企業へ戦
略物資を(政府の許可無しに)輸出することが可能になる。対象国にはフラ
ンス、ドイツ、英国及び米国などが含まれる。また、この規制緩和により、
UAE へ の ス テ ン レ ス 鋼 板 の 輸 出 も 許 可 無 し で 可 能 に な る と い う 。 (GSN
2011/3/15)
(2)通常兵器関連
特記事項なし
(3)核兵器関連
2011/3/1
【ロシア、CTBT 未批准国に批准を要請 】スイス・ジュネーブで開催されてい
る国連軍縮会議において、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が 3 月 1 日、全
ての「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の未批准国に、CTBT 発効の必要性を
訴え、批准に向けた協力を呼びかけた。2011 年 3 月現在、ロシアも含む 153
か国が批准している。一方 CTBT の付属書二(Annex II)に掲載されている発
効要件批准国で、実際の批准国は 35 カ国に留まっている。未批准国は、「米
国、中国、インドネシア、エジプト、イラン、イスラエル、北朝鮮、インド、
パキスタン」の 10 か国である。更にラヴロフ外相は、「ロシアが欧州に配備
したロシア製の戦術核廃絶も要請した」とのことである。 (GSN 2011/3/2)
2011/3/4
【米国、中国に北朝鮮ウラン濃縮への安保理議長声明採択を期待】聯合ニュー
スは 3 月 3 日、
「米国は、北朝鮮のウラン濃縮計画について、国連安全保障理
事会の議長声明採択に、中国の支持を呼びかけた」と報道した。 クローリー
米国務次官補(広報担当)は、
「国連安全保障理事会の全ての国が米国を支持
することを期待する」と明らかにした。一方中国側は、
「北朝鮮のウラン濃縮
計画は、国連では無く、六カ国協議の枠内で議論しなければない」と強く主
張し、国連安保理の採択に反対の姿勢を示しているという。中国の武大偉朝
鮮半島問題特別代表は、日米韓による六カ国協議再開に、北朝鮮の非核化に
ついての「具体的な措置」を条件としていることを「各国それぞれのか考え
に理解を示す」として否定はしなかったが、
「(協議再開)に前提条件を設ける
べきではない」と暗に非難した。 (GSN 2011/3/4)
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2011/3/10 【北朝鮮、ミサイル等に搭載可能な核弾頭を保有か?米 DIA 長官が指摘】 米国
防情報局(DIA)の Ronald Burgess 長官(米陸軍中将)は3月 10 日、「北朝
鮮は現在、弾道ミサイルや航空機等で運搬可能なプルトニウムベースの核弾
頭を複数保有している可能性がある」と語った。同長官は米上院軍事委員会
(SASC)において、
「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)テポドン2などの
性能向上を目的としたミサイル発射実験を継続し、米国を射程に入れる ICBM
を開発する可能性がある」と指摘した。 (GSN 2011/3/11)
2011/3/17 【米国、6か国協議再開の条件として北朝鮮に非核化へ向けた具体的行動を再
度要求】 米国は3月 17 日、朝鮮半島の非核化に関する6か国協議について、
北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動を示さない限り再開には応じない姿勢
を示した。北朝鮮は3月 15 日、前提条件が無ければ6か国協議の再開に応じ
る用意があることを表明すると共に、自国のウラン濃縮問題を議論する用意
があることを明らかにしていた。しかし、韓国は北朝鮮のこの表明を一蹴、
北朝鮮に 2010 年の天安沈没事件と延坪島砲撃事件に対する謝罪を望んでい
る。 (GSN 2011/3/18)
2011/3/30 【米国と北朝鮮がドイツで核問題等に関する極秘対話-米側に政府関係者は含
まれず】 DPA 通信は、「米国と北朝鮮が3月第5週にドイツ南西部で極秘会
談を実施した」と報じた。米国の代表団は、専門家、元政府関係者及び政党
党員で構成され、北朝鮮は李根(リ・グン)外務省米州局長率いる代表団。
李局長は協議後、記者団に「率直な意見交換がなされ、対話を通じて両者の
共通の目標を達成させることで合意した」と語ったものの、詳細には言及し
なかった。独アスペン研究所の Charles King Mallory 所長によると、この協
議では(北朝鮮の)核問題と米朝二国間問題のほか、軍縮や(北朝鮮への)
経済支援なども話し合われたとされる。 (GSN 2011/3/30)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
特記事項なし
- 10 -
4.インド
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
2011/3/28
【印パ両国、『クリケット外交』で関係に進展か】 印パ両国は 2011 年 2 月、
2008 年 11 月のインド・ムンバイ同時テロによって凍結されていた対話を公
式に再開すると表明していた。3 月 28 日のロイター通信によると、「インド
とパキスタンは、2011 年 7 月に再開される両国首相レベルによる和平会議の
ための準備会議を開始した」とのことである。2011 年 7 月の印パ両国による
和平会議では、
「テロリストへの対策」や「カシミール地方を巡って対立して
きた同地域の問題」などが焦点になるという。一方、パキスタンのギラニ首
相がインドのシン首相に招待を受け、「両首相は、そろって 3 月 30 日に開催
されるパキスタン対インド戦のクリケット・ワールドカップ準決勝戦を観戦
する」と発表されている。印パ両国は、
「クリケット外交」を行ってきた歴史
があり、両首相によるクリケット観戦を機に、両国の関係進展への期待の声
が上がっているという。 (GSN 2011/3/28)
(3)核兵器関連
2011/3/1
【ロシア、CTBT 未批准国に批准を要請 】スイス・ジュネーブで開催されてい
る国連軍縮会議において、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が 3 月 1 日、全
ての「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の未批准国に、CTBT 発効の必要性を
訴え、批准に向けた協力を呼びかけた。2011 年 3 月現在、ロシアも含む 153
か国が批准している。一方 CTBT の付属書二(Annex II)に掲載されている発
効要件批准国で、実際の批准国は 35 カ国に留まっている。未批准国は、「米
国、中国、インドネシア、エジプト、イラン、イスラエル、北朝鮮、インド、
パキスタン」の 10 か国である。更にラヴロフ外相は、「ロシアが欧州に配備
したロシア製の戦術核廃絶も要請した」とのことである。 (GSN 2011/3/2)
2011/3/8
【IAEA 理事会、中国による建設予定のパキスタン原子炉査察に全会一致】国際
原子力機関(IAEA)理事会は 3 月 8 日、中国が建設する予定である「パキス
タンの新たな原子炉 2 基に対する査察の計画」を全会一致で承認した。一方
中国は、「中国は NSG に参加する前の 2004 年に、パキスタン・チェシェマに
2 基の原子炉を建設することで合意に至っているため、NSG ガイドライン違反
にはならい」と表明していた。更に中国は、パキスタンでの原子炉建設を「(NSG
ガイドラインの)適用を除外する措置 (既得権条項)」なども提示している。
しかし米国は中国が提示している「適用する除外」に疑問を呈しているとい
う。 (GSN 2011/3/9)
- 11 -
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
特記事項なし
- 12 -
5.パキスタン・イスラム共和国
(1)輸出管理関連一般
2011/3/9 【米検察、パキスタンへの核関連資機材違法輸出でパキスタン人社長を起訴】 米
連邦検察当局は、核兵器の製造に用いられる樹脂や調整機器及び放射線検出
器をパキスタンに違法輸出したとしてパキスタン人社長を起訴した。ウォー
ルストリートジャーナル紙が3月9日に報じたもので、起訴されたのはメリ
ーランド州で会社を経営する Nadeem Akhtar (45 歳)。同被告が違法輸出した
資機材は原子炉の製造等に直接或いは間接的に使用され、核物質等の加工・
製造に使用される可能性があるという。米司法省によると、輸出先にはパキ
スタンのチャシュマ原子力複合施設及びパキスタン宇宙高層大気研究委員会
(SUPARCO)などが含まれるとされる。 (GSN 2011/3/11)
(2)通常兵器関連
2011/3/28
【印パ両国、『クリケット外交』で関係に進展か】 印パ両国は 2011 年 2 月、
2008 年 11 月のインド・ムンバイ同時テロによって凍結されていた対話を公
式に再開すると表明していた。3 月 28 日のロイター通信によると、「インド
とパキスタンは、2011 年 7 月に再開される両国首相レベルによる和平会議の
ための準備会議を開始した」とのことである。2011 年 7 月の印パ両国による
和平会議では、
「テロリストへの対策」や「カシミール地方を巡って対立して
きた同地域の問題」などが焦点になるという。一方、パキスタンのギラニ首
相がインドのシン首相に招待を受け、「両首相は、そろって 3 月 30 日に開催
されるパキスタン対インド戦のクリケット・ワールドカップ準決勝戦を観戦
する」と発表されている。印パ両国は、
「クリケット外交」を行ってきた歴史
があり、両首相によるクリケット観戦を機に、両国の関係進展への期待の声
が上がっているという。 (GSN 2011/3/28)
(3)核兵器関連
2011/3/1
【ロシア、CTBT 未批准国に批准を要請 】スイス・ジュネーブで開催されてい
る国連軍縮会議において、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が 3 月 1 日、全
ての「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の未批准国に、CTBT 発効の必要性を
訴え、批准に向けた協力を呼びかけた。2011 年 3 月現在、ロシアも含む 153
か国が批准している。一方 CTBT の付属書二(Annex II)に掲載されている発
効要件批准国で、実際の批准国は 35 カ国に留まっている。未批准国は、「米
国、中国、インドネシア、エジプト、イラン、イスラエル、北朝鮮、インド、
パキスタン」の 10 か国である。更にラヴロフ外相は、「ロシアが欧州に配備
したロシア製の戦術核廃絶も要請した」とのことである。 (GSN 2011/3/2)
- 13 -
2011/3/8
【IAEA 理事会、中国による建設予定のパキスタン原子炉査察に全会一致】国際
原子力機関(IAEA)理事会は 3 月 8 日、中国が建設する予定である「パキス
タンの新たな原子炉 2 基に対する査察の計画」を全会一致で承認した。一方
中国は、「中国は NSG に参加する前の 2004 年に、パキスタン・チェシェマに
2 基の原子炉を建設することで合意に至っているため、NSG ガイドライン違反
にはならい」と表明していた。更に中国は、パキスタンでの原子炉建設を「(NSG
ガイドラインの)適用を除外する措置 (既得権条項)」なども提示している。
しかし米国は中国が提示している「適用する除外」に疑問を呈しているとい
う。 (GSN 2011/3/9)
2011/3/23
【米国、中パ原子力協定は中国の NSG 参加時の誓約に違反と主張】 中国がパ
キスタンのチャシュマ原子力発電所に原子炉(3号機及び4号機、34 万 kW、
PWR)を新設しようとしている問題について、米国のロバート・ブレイク国務
次官補(南・中央アジア担当)は「中パ原子力取引は原子力供給国グループ
(NSG)参加時の中国の誓約に反している」と主張した。同次官補は中国によ
る対パ原子炉輸出を批判する一方で、パキスタンのエネルギー開発を支援す
ることが必要であることも認めた。 (AFPR 2011/3/23)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
特記事項なし
- 14 -
6.ロシア連邦
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
2011/3/10 【ロシア大統領、対リビア武器禁輸を発令】ロシアのメドベージェフ大統領は
3 月 10 日、リビアへの武器の輸出を禁止する大統領令を発した。今回の武器
禁輸は、ロシアにとっては 40 億ドルの損失になるとのことであるが、今後リ
ビアへの武器や弾薬などあらゆる軍需関連の装備品を禁じるという。一方ロ
シアのラブロフ外相は、リビア上空での飛行禁止空域の設定について、慎重
な姿勢を示しているという。 またその他の関係者でも、「飛行禁止空域の設
定が提案された場合、過去のボスニアやイラクでの飛行禁止空域の事例とは
異なることを念頭に入れた方が良い。リビアはボスニアなどよりも大きい国
である」と述べ、同様に慎重な発言をしている。 (MISC 2011/3/10)
(3)核兵器関連
2011/3/1
【ロシア、CTBT 未批准国に批准を要請 】スイス・ジュネーブで開催されてい
る国連軍縮会議において、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が 3 月 1 日、全
ての「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の未批准国に、CTBT 発効の必要性を
訴え、批准に向けた協力を呼びかけた。2011 年 3 月現在、ロシアも含む 153
か国が批准している。一方 CTBT の付属書二(Annex II)に掲載されている発
効要件批准国で、実際の批准国は 35 カ国に留まっている。未批准国は、「米
国、中国、インドネシア、エジプト、イラン、イスラエル、北朝鮮、インド、
パキスタン」の 10 か国である。更にラヴロフ外相は、「ロシアが欧州に配備
したロシア製の戦術核廃絶も要請した」とのことである。 (GSN 2011/3/2)
2011/3/4
【米国、中国に北朝鮮ウラン濃縮への安保理議長声明採択を期待】聯合ニュー
スは 3 月 3 日、
「米国は、北朝鮮のウラン濃縮計画について、国連安全保障理
事会の議長声明採択に、中国の支持を呼びかけた」と報道した。 クローリー
米国務次官補(広報担当)は、
「国連安全保障理事会の全ての国が米国を支持
することを期待する」と明らかにした。一方中国側は、
「北朝鮮のウラン濃縮
計画は、国連では無く、六カ国協議の枠内で議論しなければない」と強く主
張し、国連安保理の採択に反対の姿勢を示しているという。中国の武大偉朝
鮮半島問題特別代表は、日米韓による六カ国協議再開に、北朝鮮の非核化に
ついての「具体的な措置」を条件としていることを「各国それぞれのか考え
に理解を示す」として否定はしなかったが、
「(協議再開)に前提条件を設ける
べきではない」と暗に非難した。 (GSN 2011/3/4)
- 15 -
2011/3/11 【ロシア、アフリカ非核兵器地帯条約に署名】 ロシアは3月 11 日、1996 年 に
アフリカ諸国 42 カ国によって調印されたアフリカ非核兵器地帯条約(2009
年発効)に署名した。ITAR-Tass 通信が報じた。ロシア外務省のセルゲイ・
リャブコフ副外相は、ロシアが核不拡散レジームの強化に貢献することを強
調する一方、同条約署名に数多くの条件を付けた。すなわち、核兵器国と同
盟関係にある国やロシアを核攻撃する可能性がある国、ロシアを核攻撃する
国と同盟関係にある国に対しては、ロシアは核兵器不使用の義務は負わない
などとする条件を付けたという。 (GSN 2011/3/14)
2011/3/22
【米ロ、相互の核装備における情報交換を開始】 2011 年 2 月 5 日に発効され
た「新戦略兵器削減条約(新 START 条約)」に基づき、2011 年 3 月 22 日に両
政府は、
「米ロ間の相互の核装備状況などの情報交換を開始した」と公表した
(ノーボスチ・ロシア通信社)。新 START 条約は、今後両国の戦略核弾頭の上
限を 1,550 発に、それらの運搬手段となるミサイルなどについても上限 700
発を配備と定める内容となっている。更に両国は相互の核施設への査察も毎
年行うことを規定しており、早ければ 4 月 6 日に開始される可能性があると
いう。同条約は核兵器の削減を目指す条約である一方、ロシアは新たな弾道
ミサイル製造について公表しており、2013 年から開始される見込みであると
のことである。ロシアは、軍近代化の一環として、弾道ミサイル製造に 26
億ドルを割り当てているという。 (GSN 2011/3/22)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
特記事項なし
- 16 -
7.イラン・イスラム共和国
(1)輸出管理関連一般
2011/3/9 【米、イランへのジェットエンジン違法輸出未遂容疑で4人を告発】 米国から
イランへ F-5 戦闘機用ジェットエンジン 22 基を 32 万ドルで違法輸出しよう
としたとして、4人が告発された。米連邦裁判所の罪状によると、告発され
た の は Felipe Echeverri 容 疑 者 と そ の 親 族 3 名 。 4 人 の う ち 、 Diego
Echeverri(42 歳)は3月8日に逮捕されて9日に拘留されたが、残り3名
を逮捕したかどうかは明らかにされていない。Felipe Echeverri 容疑者はジ
ェットエンジン売却の Web 広告を掲載、その広告を国土安全保障省の諜報員
が発見した 1月 20 日から調査が 始まった。 その後のお とり捜査 で Felipe
Echeverri ら の 容 疑 が 明 ら か に な っ た と い う 。 (Orlando Sentinel) (MISC
2011/3/11)
2011/3/21
【マレーシア、WMD 関連資機材の密輸中継拠点の可能性】 マレーシア女性・
家族・社会開発省の Datuk Seri Hishammuddin Hussein 大臣は3月 21 日、
「マ
レーシアが大量破壊兵器(WMD)関連資機材の密輸の中継拠点として利用され
ている可能性がある」と語った。The Star 紙が報じた。中国から到着した船
舶(マレーシア船籍)のイラン向け貨物の中から核関連資機材が発見された
事件について、同大臣は「資機材の用途や入手ルートの調査に時間を要する」
と述べると共に、このような密輸事件が過去にもあったことを認めた。 (GSN
2011/3/22)
(2)通常兵器関連
2011/3/15
【イスラエル海軍、イランの武器密輸船を拿捕】 イスラエル海軍は3月 15
日、武器を積載していたイランの貨物船「ビクトリア号」を拿捕した。ビク
トリア号はシリアからエジプトに向かう途中で拿捕され、積荷の武器はパレ
スチナ自治区ガザのハマスに輸送される予定だったという。イスラエル外務
省は今後数日以内にビクトリア号の武器密輸に関する全ての情報を国連安保
理のイラン制裁委員会に提出する予定である。(Haaretz) (MISC 2011/3/17)
(3)核兵器関連
2011/3/1
【ロシア、CTBT 未批准国に批准を要請 】スイス・ジュネーブで開催されてい
る国連軍縮会議において、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が 3 月 1 日、全
ての「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の未批准国に、CTBT 発効の必要性を
訴え、批准に向けた協力を呼びかけた。2011 年 3 月現在、ロシアも含む 153
か国が批准している。一方 CTBT の付属書二(Annex II)に掲載されている発
効要件批准国で、実際の批准国は 35 カ国に留まっている。未批准国は、「米
国、中国、インドネシア、エジプト、イラン、イスラエル、北朝鮮、インド、
パキスタン」の 10 か国である。更にラヴロフ外相は、「ロシアが欧州に配備
したロシア製の戦術核廃絶も要請した」とのことである。 (GSN 2011/3/2)
- 17 -
2011/3/7
【イラン外相、天野 IAEA 事務局長の発言を非難・・原子力の平和利用と主張】
イラン外相は、3 月 7 日に行われた IAEA 定例理事会での天野事務局長の発言
内容について言及し、
「 我が国に対する国際社会の弾圧の責任は天野氏の発言
にある」と強く非難した。IAEA 定例理事会で天野氏は「核物質が平和利用に
用いられているか否かを確認するための IAEA 査察にイランは十分協力して
いない」と発言したという。なお、米国と他の西側諸国は長年、イランの核
活動は核兵器に向けられているという見方をしているが、イラン側は「我が
国の核活動は平和利用のみを目的としている」と主張している。一方、118
カ国からなる非同盟運動(NAM)はイランが民生用原子力開発を行うことを支
持しているという。CIA が米国議員に提出した年次報告書では、以前は「イ
ランはその気になれば核兵器を製造する対応能力を持っている」と記述があ
ったが、削除されている。一方、カーネギー国際平和財団の Mark Hibbs 氏
は、ロシアが建設したイラン・ブシェール原子力発電所の運転再開に伴う危
険性に懸念を示している。また、イランはジンバブエと、燃料の提供を引き
換えにウラン資源購入の独占権を得たという。 (GSN 2011/3/8)
2011/3/16
【トルコ、シリアへ向かうイラン輸送機に強制着陸命令】 トルコは、武器及
び核関連物資を積んでいる可能性があるとして、イラン輸送機をトルコ南東
部のディヤルバクル空軍基地に強制着陸させた。AFP 通信が3月 16 日に報じ
たもので、Anatolia news によると、輸送機は3月 15 日にテヘランを出発し、
シリアの Aleppo に向かう途中だったという。しかし、トルコの専門家による
検査で見つかったのは食糧 150 トンであり、武器関連物資等は確認できなか
った模様である。 (GSN 2011/3/16)
2011/3/17 【マレーシア、中国から到着したイラン向け貨物を押収-核関連資機材を発見】
マレーシア犯罪捜査局(CID)は、中国・上海からマレーシアのクラン港に到
着した船舶(マレーシア船籍)からコンテナ2つを押収した。この船舶はイ
ランに向かう途中で、2つのコンテナの中からは核燃料製造及び核兵器製造
の際に使用される機器(の部品)が発見されたという。マレーシア警察が3
月 17 日に明らかにした。CID は、積荷の送付先であるイランの受取人にも接
触する方針を示している。一方、中国・上海の地元紙によると、送付元の中
国人も地元警察の尋問を受ける予定であるという。 (ASP 2011/3/18)
2011/3/17
【イラン向け貨物、過去半年間に韓国とシンガポールで押収】 韓国やシンガ
ポールでイラン向け貨物が過去半年間に押収されている。AFP 通信が3月 17
日に報じたもので、外交関係者が国連安保理イラン制裁委員会の専門家パネ
ルの発言として明らかにした。韓国当局は 2010 年 12 月にソウルの空港で、
イラン向け航空貨物の中から核関連資機材として利用可能なチューブ 400 本
を発見したという。また、シンガポールでは 2010 年9月に港に停泊している
(イラン行きの)船舶の中からロケットに使用されるアルミニウム粉が発見
されたとされる。一方、イランは、原子力用黒鉛の生産装置及び医療用同位
体製造機器を開発したと発表した。高品質の(人造)黒鉛は、核弾頭内部の
兵器級ウランの保持に使用される。 (GSN 2011/3/17)
- 18 -
2011/3/18 【イランとベネズエラが関係強化へ-米国は関係を精査】 イランのアフマディ
ネジャド大統領は3月第3週、ベネズエラの駐イラン大使と会談を実施し、
イランがベネズエラとの関係強化を望んでいることを強調した。イランの
Fars 通信が伝えたもので、同大統領は「イランとベネズエラのあらゆる分野
における協力拡大は平和や安定そして世界の安全保障に寄与する」と発言し
たという。一方、米国はベネズエラからイランへのガソリン輸出など両国の
エネルギー分野の合意(2010 年)について国連のイラン制裁決議に違反して
い る か 否 か を 精 査 し て い る 。 (The Christian Science Monitor) (MISC
2011/3/18)
2011/3/21 【ナイジェリアで摘発されたイランの武器輸出、裁判でイラン側の無許可輸出
だったことが明らかに】 2010 年 10 月にナイジェリアのラゴス港でロケット
弾や手榴弾等のイランの兵器が積載されたコンテナを差し押さえられた事件
について、ナイジェリア政府は武器売買を禁止するという国連の対イラン制
裁に基づき、国連安保理に報告を行った。イランの革命防衛隊のメンバーで
ある容疑者 2 名は、武器取引に必要な関係国政府の輸出入許可証を持ってい
なかったことを明らかにしたが、容疑を否認した。彼らは差し押さえられた
13 個のコンテナについて「建築用資材である」と虚偽申告していたことでも
告訴されている。今回の事件が国際社会の関心を引いているのは、国連の対
イラン制裁に違反しているからである。イラン側は「ガンビア共和国との間
で合意している」と主張したが、武器が反逆者の手に渡ることを懸念するセ
ネガルと共にガンビアは、イランとの取引関係を断っているため、ガンビア
は武器の受取人と指定されていたことを否定した。当該事件の裁判官による
と 、 容 疑 者 2 名 の 保 釈 聴 聞 会 は 22 日 か ら 行 わ れ る 予 定 で あ る 。 (AFPR
2011/3/22)
2011/3/23
【トルコ政府、シリアに向かう武器が積載されたイラン貨物機を強制着陸-国連の対イラン制裁に違反】 トルコは 3 月 23 日、イランからシリアに向か
う貨物機をトルコのディヤルバクラルの南西部で強制着陸させ、国連の対イ
ラン制裁に違反していたため、積載されていた貨物を差し押さえた。トルコ
のメディアによると、貨物機には自動拳銃、ロケット弾、追撃砲を含む小型
武器を積載していたという。トルコ政府は、
「我々は常にトルコ上空を飛行す
るイラン貨物機を調査・監視している」と述べた。 (AFPR 2011/3/24)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
- 19 -
(5)ミサイル関連
2011/3/17
【イラン、新型ロケット Kavoshgar 4 の試射を実施】 イラン国営放送(IRIB)
によると、イランは3月 15 日に衛星や動物を軌道上へ運ぶように設計された
新型ロケット「Kavoshgar 4」の試射を実施したという。イランは 2010 年に
「Kavoshgar 3」ロケットで小動物数匹を軌道上に運んでいる。国際社会は、
イランによるロケット開発に対し、弾道ミサイルに転用される恐れがあると
の理由で懸念を示している。 (GSN 2011/3/17)
- 20 -
8.イスラエル国
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
2011/3/15
【イスラエル海軍、イランの武器密輸船を拿捕】 イスラエル海軍は3月 15
日、武器を積載していたイランの貨物船「ビクトリア号」を拿捕した。ビク
トリア号はシリアからエジプトに向かう途中で拿捕され、積荷の武器はパレ
スチナ自治区ガザのハマスに輸送される予定だったという。イスラエル外務
省は今後数日以内にビクトリア号の武器密輸に関する全ての情報を国連安保
理のイラン制裁委員会に提出する予定である。(Haaretz) (MISC 2011/3/17)
(3)核兵器関連
2011/3/1
【ロシア、CTBT 未批准国に批准を要請 】スイス・ジュネーブで開催されてい
る国連軍縮会議において、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が 3 月 1 日、全
ての「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の未批准国に、CTBT 発効の必要性を
訴え、批准に向けた協力を呼びかけた。2011 年 3 月現在、ロシアも含む 153
か国が批准している。一方 CTBT の付属書二(Annex II)に掲載されている発
効要件批准国で、実際の批准国は 35 カ国に留まっている。未批准国は、「米
国、中国、インドネシア、エジプト、イラン、イスラエル、北朝鮮、インド、
パキスタン」の 10 か国である。更にラヴロフ外相は、「ロシアが欧州に配備
したロシア製の戦術核廃絶も要請した」とのことである。 (GSN 2011/3/2)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
特記事項なし
- 21 -
9.シリア・アラブ共和国
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
特記事項なし
(3)核兵器関連
2011/3/4
【IAEA、米国議員から核査察実施への要望書を受け取る】 IAEA の天野事務局
長は 3 月 3 日、20 数人以上の米国議員から、「非公表の核開発関連活動に関
する査察を拒み続けるシリアに対し、IAEA の特別査察の実施を要求する」と
いう内容の書簡を受け取った。シリアは、2007 年にイスラエルの空爆を受け
たダイール・アルゾル施設への IAEA 査察を 3 年にわたって拒んでいる。原子
炉を建設中だったとの疑惑がある同施設では、2008 年 6 月の IAEA 査察で人
工ウランが検出されていた。書簡には、「我々(米国)はシリアの抵抗を危惧
しており、引き続き膠着状態が続けば、IAEA の保障措置協定の信頼性を損な
い続けることになる。」と書かれていた。また、タイムズ紙によれば、「シリ
アが IAEA の核査察要求を拒否し続けた場合、IAEA 理事会は、国連安全保障
理事会に対シリア制裁を進言し、解決に導く選択をする可能性がある」とい
う。 (GSN 2011/3/4)
2011/3/16
【トルコ、シリアへ向かうイラン輸送機に強制着陸命令】 トルコは、武器及
び核関連物資を積んでいる可能性があるとして、イラン輸送機をトルコ南東
部のディヤルバクル空軍基地に強制着陸させた。AFP 通信が3月 16 日に報じ
たもので、Anatolia news によると、輸送機は3月 15 日にテヘランを出発し、
シリアの Aleppo に向かう途中だったという。しかし、トルコの専門家による
検査で見つかったのは食糧 150 トンであり、武器関連物資等は確認できなか
った模様である。 (GSN 2011/3/16)
2011/3/23
【トルコ政府、シリアに向かう武器が積載されたイラン貨物機を強制着陸-国連の対イラン制裁に違反】 トルコは 3 月 23 日、イランからシリアに向か
う貨物機をトルコのディヤルバクラルの南西部で強制着陸させ、国連の対イ
ラン制裁に違反していたため、積載されていた貨物を差し押さえた。トルコ
のメディアによると、貨物機には自動拳銃、ロケット弾、追撃砲を含む小型
武器を積載していたという。トルコ政府は、
「我々は常にトルコ上空を飛行す
るイラン貨物機を調査・監視している」と述べた。 (AFPR 2011/3/24)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
特記事項なし
- 22 -
10.米国
(1)輸出管理関連一般
2011/3/2
【EU、リビア制裁を採択】欧州連合(EU)は 3 月 2 日、リビア市民への武力行
使を続ける最高指導者カダフィ大佐およびカダフィ政権に対する「リビア制
裁((EU) No. 204/2011)」を採択した。今回の制裁では、「リビア政府関係者
の資産凍結」や、
「渡航」および「市民への弾圧に使用される可能性がある取
引」を禁止しているという。一方米国は翌日 3 日、米国商務省産業安全保障
局(BIS)が輸出許可発行済みのリビア向け輸出及び再輸出許可を全て差し止
めたという。一方、米国輸出管理規則(EAR)で規制対象外品目(EAR99 と総
称 ) は 、 特 に 差 し 止 め や 禁 止 は さ れ て い な い と の こ と で あ る 。 (MISC
2011/3/9)
2011/3/3 【米アリゾナ州の男、イランにデジタルマイクロ波無線の不正輸出で有罪判決】
米デラウェア地区連邦検事第一補と、米国土安全保障省の移民・関税執行局
(ICE)管轄の国土安全保障捜査局(HIS)の捜査官は、
「米デラウェア地区連邦
裁判所の裁判長は、デジタルマイクロ波無線(DMR)をイランへ違法輸出しよ
うとしたとして、米アリゾナ州ファウンテンヒルズ市在住の男に、6 ヶ月の
自宅禁固刑を含む 3 年間の保護観察及び 10 万ドルの罰金刑の判決を下した」
と発表した。判決が下されたのは、Vikramaditya Singh (34 歳)被告で、デ
ータ転送レートが 4×2.048Mb/s (4E1)、8×2.048Mb/s (8E1)、16×2.048Mb/s
(16E1)の DMR を、米財務省・海外資産管理局(OFAC)から輸出許可を取得す
ることなく、違法輸出しようとした容疑により、2010 年 11 月 23 日に起訴さ
れていた。HIS 捜査官の調べによると、
「 Singh 被告は、イランの調達業者 Amir
Ardebili(既に逮捕済み)と電子メールで連絡を取った後に DMR を購入し、
スロベニアやデンマークを介してイランに不正輸出した」とのことである。
(ASP 2011/3/3)
2011/3/7 【米 DOS 次官補、UAE などに貨物積替時の監視体制強化を要求】 米国務省(DOS)
のバン H. バンダイペン長官補佐代行(国際安全保障・不拡散担当)は 3 月
7 日、UAE のドバイで開催されたセミナー(“the Crossing of Global Cargo”)
の場で、UAE など貿易中継地点となる国に対し、大量破壊兵器(WMD)やその
運搬手段の拡散を阻止するため、貨物積替の監視体制を強化するよう要求し
たという。同長官補佐代行は、
「国際安全保障と経済発展を害する者達による
悪意ある貨物積替を阻止する義務がある」と述べている。UAE は地形的に輸
出入の重要な中継地点となっていることから、輸出管理や再輸出管理の実施
に加え、違法な貨物積替を阻止するための対策強化が課題となっている。
(Gulf News) (MISC 2011/3/8)
- 23 -
2011/3/7
【米 GAO、米 DOC が外国人の就業ビザに対する審査規模を縮小したことの危険
性を指摘】 米会計検査院(GAO)は 3 月 7 日に発表した報告書“Improvements
Needed to Prevent Unauthorized Technology Releases to Foreign Nationals
in the United States”で、「軍民両用技術を取り扱う米ハイテク企業での就
業を希望する外国籍従業員に対し、米商務省(DOC)は国家安全保障の観点か
ら就業ビザ審査を行っているものの、数千件にも上るビザ申請の審査ができ
ていない」と審査件数の減少を指摘している。同報告書では審査規模の縮小
を、外国籍従業員が許可なしに規制技術を入手するかもしれない危険性の一
要因に挙げている他、 ビザ審査の処理手順が変更になったことから、2009
年度の米 DOC の審査件数が 150 件と 2001 年度の 54,000 件から劇減している
ことも明らかにしている。一方の米 DOC 側は、
「規模縮小型の審査処理が、よ
り効果的な審査につながっている」と強調しているという。 (GSN 2011/3/9)
2011/3/9 【米、イランへのジェットエンジン違法輸出未遂容疑で4人を告発】 米国から
イランへ F-5 戦闘機用ジェットエンジン 22 基を 32 万ドルで違法輸出しよう
としたとして、4人が告発された。米連邦裁判所の罪状によると、告発され
た の は Felipe Echeverri 容 疑 者 と そ の 親 族 3 名 。 4 人 の う ち 、 Diego
Echeverri(42 歳)は3月8日に逮捕されて9日に拘留されたが、残り3名
を逮捕したかどうかは明らかにされていない。Felipe Echeverri 容疑者はジ
ェットエンジン売却の Web 広告を掲載、その広告を国土安全保障省の諜報員
が発見した 1月 20 日から調査が 始まった。 その後のお とり捜査 で Felipe
Echeverri ら の 容 疑 が 明 ら か に な っ た と い う 。 (Orlando Sentinel) (MISC
2011/3/11)
2011/3/9 【米検察、パキスタンへの核関連資機材違法輸出でパキスタン人社長を起訴】 米
連邦検察当局は、核兵器の製造に用いられる樹脂や調整機器及び放射線検出
器をパキスタンに違法輸出したとしてパキスタン人社長を起訴した。ウォー
ルストリートジャーナル紙が3月9日に報じたもので、起訴されたのはメリ
ーランド州で会社を経営する Nadeem Akhtar (45 歳)。同被告が違法輸出した
資機材は原子炉の製造等に直接或いは間接的に使用され、核物質等の加工・
製造に使用される可能性があるという。米司法省によると、輸出先にはパキ
スタンのチャシュマ原子力複合施設及びパキスタン宇宙高層大気研究委員会
(SUPARCO)などが含まれるとされる。 (GSN 2011/3/11)
2011/3/9
【米在住のパキスタン人、パキスタンへの核関連資材等の違法輸出で逮捕・起
訴】 米司法省(DOJ)は 3 月 9 日、
「米国からパキスタンへ核関連物資を違法
輸出したとして、米在住のパキスタン人を逮捕・起訴した」と発表した。米
メ リ ー ラ ン ド 州 シ ル バ ー ス プ リ ン グ 市 在 住 の Nadeem Select accused ( 45
歳)は、主に 2005 年から 2008 年にかけて輸出禁止となっている核関連の資
材や技術を、パキスタンの原子力発電所や研究機関へ違法輸出したとされて
いる。有罪が宣告された場合、米輸出管理法を犯した罪で懲役 5 年、違法輸
出の罪で収監 20 年等が科される見通しであるという。(All Voices) (MISC
2011/3/10)
- 24 -
2011/3/20 【中国、対中貿易赤字国の対中輸出規制緩和を期待】 第 12 回中国開発フォー
ラムが3月 19 日から 21 日にかけて北京で開催された。中国の陳徳銘商務相
は3月 20 日に同フォーラムで、対中貿易赤字国による(先端技術等の)対中
輸出規制の緩和に期待を表明すると共に、
「 多くの中国企業が対中輸出規制と
なっている先端技術や装置、資源及び原材料を必要している」と述べた。中
国税関総署(GAC)によると、2010 年の中国の貿易黒字の 99%は対米輸出に
よるものであるという。 (XNA 2011/3/22)
2011/3/24 【中国へ軍事衛星の部品を違法輸出しようとした中国系米国人、有罪を認める
見通し】 中国へ軍事衛星の部品を違法輸出しようとしたとして、米ワシント
ン州ウッディンビル在住の中国系米国人が 3 月 25 日にも有罪を認める見通し
であるという。起訴されていたのは Lian Yang(46 歳。マイクロソフト社の
元ソフトウエア技師で 2010 年 12 月 3 日に逮捕)で、軍事衛星に搭載される
耐放射線仕様のコンピュータチップ(2 万ドル相当)を購入し、中国へ密輸
しようとしたとされている。また同被告人は、米国務省の許可を得ることな
く人工衛星の部品 300 点を 62 万ドルで購入しようとしたとして、米武器輸出
管 理 法 ( AECA ) に 違 反 し た 容 疑 に も 問 わ れ て い る 。 (Seattle PI) (MISC
2011/3/24)
2011/3/28 【米テキサス州在住のサウジアラビア人、WMD の使用未遂容疑につき無罪を主
張】 AP 通信は、「大量破壊兵器(WMD)の使用未遂容疑により起訴されてい
る米テキサス州在住のサウジアラビア人の男が 3 月 28 日、無罪を主張した」
と報道している。被告人は Khalid Ali-M Aldawsari,(20 歳)で、2011 年 5
月 2 日に本事件の公判が行われるという。Aldawsari は米テキサス大の在校
生で、爆弾製造のため化学品やその他の構成品を購入した嫌疑がかけられて
いる。 (GSN 2011/3/28)
2011/3/29
【フィリピン人の男、米オークションサイトで”RQ-11 レイヴン”を再販売し
ようとした容疑で起訴される】 米国土安全保障省・移民税関執行局(ICE)
は、
「米フロリダ州タンパ市の大陪審は、フィリピン人の男を、米武器輸出管
理法(AECA)違反及び密輸の罪により起訴した」と発表している。被告人の
氏名は Henson Chua で、米国務省(DOS)からの許可を得ることなく、無人偵
察機”RQ-11 レイヴン”をフィリピンから米国へ輸入し、それらを米オーク
ションサイトの eBay で再販売しようとした嫌疑がかけられている。RQ-11 レ
イヴンは米軍需品目リスト(USML)の防衛品目に該当しており、低高度の偵
察・情報収集活動に用いられる他、手投げによる発進が可能であるという。
(TPM Muckraker) (MISC 2011/3/29)
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(2)通常兵器関連
2011/3/4
【米国、「プレデター」や「リーパー」の輸出を緩和】 米国は、自国の無人航
空機(UAV)で、軍用である無人航空機「プレデター」や「リーパー」の輸出
規制を緩和した。これまでの「プレデター」や「リーパー」シリーズの輸出
は、英国、イタリアなど、米国のいくつかの同盟国にのみ限定されていた。
しかしここ数年で(航続距離の長い)UAV がミサイル技術管理レジーム(MTCR)
のカテゴリーI からカテゴリーII の規制対象品目となっていた(カテゴリー
Ⅰに掲載されている品目は、原則として輸出が禁止されているが、カテゴリ
ーⅡの品目は、輸出の際に慎重に審査され、輸出の可否が判断される)。米国
の「プレデター」や「リーパー」シリーズの輸出は、今後は中東諸国も認め
られるという。特にアラブ首長国連邦国(UAE)は、2005 年から米国の「プ
レデター」の取得を求めているとのことである。米国の今回の規制緩和によ
って、UAV 先進国であるイスラエルからの購入を望まない国は、米国製 UAV
の取得に関心を示す可能性があるという。(AIN Online) (MISC 2011/3/4)
2011/3/9
【米テキサス州在住のサウジアラビア人、WMD の使用未遂容疑で起訴】 米テキ
サス州在住のサウジアラビア人が 3 月 9 日、大量破壊兵器(WMD)の使用未遂
容疑で起訴された。AP 通信の報道によると、被告人の Khalid Ali-M Aldawsari
(20 歳)は原子力発電所やブッシュ前大統領宅を狙った爆弾テロを目論んで
いたとされている。有罪が宣告された場合、Khalid に対して終身刑と 250,000
ドルの罰金刑が科される見通しであるという。 (GSN 2011/3/10)
(3)核兵器関連
2011/3/1
【ロシア、CTBT 未批准国に批准を要請 】スイス・ジュネーブで開催されてい
る国連軍縮会議において、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が 3 月 1 日、全
ての「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の未批准国に、CTBT 発効の必要性を
訴え、批准に向けた協力を呼びかけた。2011 年 3 月現在、ロシアも含む 153
か国が批准している。一方 CTBT の付属書二(Annex II)に掲載されている発
効要件批准国で、実際の批准国は 35 カ国に留まっている。未批准国は、「米
国、中国、インドネシア、エジプト、イラン、イスラエル、北朝鮮、インド、
パキスタン」の 10 か国である。更にラヴロフ外相は、「ロシアが欧州に配備
したロシア製の戦術核廃絶も要請した」とのことである。 (GSN 2011/3/2)
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2011/3/4
【IAEA、米国議員から核査察実施への要望書を受け取る】 IAEA の天野事務局
長は 3 月 3 日、20 数人以上の米国議員から、「非公表の核開発関連活動に関
する査察を拒み続けるシリアに対し、IAEA の特別査察の実施を要求する」と
いう内容の書簡を受け取った。シリアは、2007 年にイスラエルの空爆を受け
たダイール・アルゾル施設への IAEA 査察を 3 年にわたって拒んでいる。原子
炉を建設中だったとの疑惑がある同施設では、2008 年 6 月の IAEA 査察で人
工ウランが検出されていた。書簡には、「我々(米国)はシリアの抵抗を危惧
しており、引き続き膠着状態が続けば、IAEA の保障措置協定の信頼性を損な
い続けることになる。」と書かれていた。また、タイムズ紙によれば、「シリ
アが IAEA の核査察要求を拒否し続けた場合、IAEA 理事会は、国連安全保障
理事会に対シリア制裁を進言し、解決に導く選択をする可能性がある」とい
う。 (GSN 2011/3/4)
2011/3/4
【米国、中国に北朝鮮ウラン濃縮への安保理議長声明採択を期待】聯合ニュー
スは 3 月 3 日、
「米国は、北朝鮮のウラン濃縮計画について、国連安全保障理
事会の議長声明採択に、中国の支持を呼びかけた」と報道した。 クローリー
米国務次官補(広報担当)は、
「国連安全保障理事会の全ての国が米国を支持
することを期待する」と明らかにした。一方中国側は、
「北朝鮮のウラン濃縮
計画は、国連では無く、六カ国協議の枠内で議論しなければない」と強く主
張し、国連安保理の採択に反対の姿勢を示しているという。中国の武大偉朝
鮮半島問題特別代表は、日米韓による六カ国協議再開に、北朝鮮の非核化に
ついての「具体的な措置」を条件としていることを「各国それぞれのか考え
に理解を示す」として否定はしなかったが、
「(協議再開)に前提条件を設ける
べきではない」と暗に非難した。 (GSN 2011/3/4)
2011/3/8
【IAEA 理事会、中国による建設予定のパキスタン原子炉査察に全会一致】国際
原子力機関(IAEA)理事会は 3 月 8 日、中国が建設する予定である「パキス
タンの新たな原子炉 2 基に対する査察の計画」を全会一致で承認した。一方
中国は、「中国は NSG に参加する前の 2004 年に、パキスタン・チェシェマに
2 基の原子炉を建設することで合意に至っているため、NSG ガイドライン違反
にはならい」と表明していた。更に中国は、パキスタンでの原子炉建設を「(NSG
ガイドラインの)適用を除外する措置 (既得権条項)」なども提示している。
しかし米国は中国が提示している「適用する除外」に疑問を呈しているとい
う。 (GSN 2011/3/9)
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2011/3/8 【米、対イラン制裁措置を延長】 オバマ米大統領は 3 月 8 日、イランが中東情
勢へ及ぼす影響が米国の脅威を引き起こしていることを受け、現イラン制裁
(1995 年 3 月 15 に発効、2011 年 3 月まで有効)をさらにもう1年延長する
と発表した。米国やその同盟国がイランの核兵器開発計画を憂慮している中、
米国はさらに 3 月 7 日、ウラン採掘のためイランと協力する姿勢を見せてい
るジンバブエに対しても懸念を表明している。クローリ米国務次官補(広報
担当)は、
「イランとジンバブエの間でそのような協同事業が行われることを
確証していないものの、同行為は国連安保理制裁に背くものである」と述べ
ている。 (GSN 2011/3/9)
2011/3/10 【北朝鮮、ミサイル等に搭載可能な核弾頭を保有か?米 DIA 長官が指摘】 米国
防情報局(DIA)の Ronald Burgess 長官(米陸軍中将)は3月 10 日、「北朝
鮮は現在、弾道ミサイルや航空機等で運搬可能なプルトニウムベースの核弾
頭を複数保有している可能性がある」と語った。同長官は米上院軍事委員会
(SASC)において、
「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)テポドン2などの
性能向上を目的としたミサイル発射実験を継続し、米国を射程に入れる ICBM
を開発する可能性がある」と指摘した。 (GSN 2011/3/11)
2011/3/17 【米国、6か国協議再開の条件として北朝鮮に非核化へ向けた具体的行動を再
度要求】 米国は3月 17 日、朝鮮半島の非核化に関する6か国協議について、
北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動を示さない限り再開には応じない姿勢
を示した。北朝鮮は3月 15 日、前提条件が無ければ6か国協議の再開に応じ
る用意があることを表明すると共に、自国のウラン濃縮問題を議論する用意
があることを明らかにしていた。しかし、韓国は北朝鮮のこの表明を一蹴、
北朝鮮に 2010 年の天安沈没事件と延坪島砲撃事件に対する謝罪を望んでい
る。 (GSN 2011/3/18)
2011/3/22
【米ロ、相互の核装備における情報交換を開始】 2011 年 2 月 5 日に発効され
た「新戦略兵器削減条約(新 START 条約)」に基づき、2011 年 3 月 22 日に両
政府は、
「米ロ間の相互の核装備状況などの情報交換を開始した」と公表した
(ノーボスチ・ロシア通信社)。新 START 条約は、今後両国の戦略核弾頭の上
限を 1,550 発に、それらの運搬手段となるミサイルなどについても上限 700
発を配備と定める内容となっている。更に両国は相互の核施設への査察も毎
年行うことを規定しており、早ければ 4 月 6 日に開始される可能性があると
いう。同条約は核兵器の削減を目指す条約である一方、ロシアは新たな弾道
ミサイル製造について公表しており、2013 年から開始される見込みであると
のことである。ロシアは、軍近代化の一環として、弾道ミサイル製造に 26
億ドルを割り当てているという。 (GSN 2011/3/22)
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2011/3/23
【米国、中パ原子力協定は中国の NSG 参加時の誓約に違反と主張】 中国がパ
キスタンのチャシュマ原子力発電所に原子炉(3号機及び4号機、34 万 kW、
PWR)を新設しようとしている問題について、米国のロバート・ブレイク国務
次官補(南・中央アジア担当)は「中パ原子力取引は原子力供給国グループ
(NSG)参加時の中国の誓約に反している」と主張した。同次官補は中国によ
る対パ原子炉輸出を批判する一方で、パキスタンのエネルギー開発を支援す
ることが必要であることも認めた。 (AFPR 2011/3/23)
2011/3/30 【米国と北朝鮮がドイツで核問題等に関する極秘対話-米側に政府関係者は含
まれず】 DPA 通信は、「米国と北朝鮮が3月第5週にドイツ南西部で極秘会
談を実施した」と報じた。米国の代表団は、専門家、元政府関係者及び政党
党員で構成され、北朝鮮は李根(リ・グン)外務省米州局長率いる代表団。
李局長は協議後、記者団に「率直な意見交換がなされ、対話を通じて両者の
共通の目標を達成させることで合意した」と語ったものの、詳細には言及し
なかった。独アスペン研究所の Charles King Mallory 所長によると、この協
議では(北朝鮮の)核問題と米朝二国間問題のほか、軍縮や(北朝鮮への)
経済支援なども話し合われたとされる。 (GSN 2011/3/30)
(4)生物・化学兵器関連
特記事項なし
(5)ミサイル関連
特記事項なし
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11.その他
(1)輸出管理関連一般
特記事項なし
(2)通常兵器関連
特記事項なし
(3)核兵器関連
特記事項なし
(4)生物・化学兵器関連
2011/3/15
【G8 外相、生物兵器禁止条約第 7 回運用検討会議に関する声明を発表】 G8
外相は3月 15 日、生物兵器禁止条約(BWC)第 7 回運用検討会議に関する声
明をパリで発表した。生命科学分野の技術的進歩において起こりうる悪用や、
国家又は非国家主体による生物兵器の開発又は使用のリスクが国際社会にと
って大きな課題であるとした上で、BWC 体制の強化が、危険な生物剤の拡散
や生命科学及びバイオ技術の意図的悪用の脅威を削減する上で最も重要な役
割を果たすことを強調した。 (GSN 2011/3/16)
2011/3/26
【 ウ ズ ベ キ ス タ ン 、 米 DTRA の 支 援 を 受 け て 生 物 兵 器 防 衛 研 究 所 を 開 設 】
Central Asia Newswire は、「ウズベキスタンは 3 月 26 日、米国からの資金
援助を得て 2 地点に設立した生物兵器防衛研究所を公開した」と報道してい
る。同研究所は、中央アジア地域における疫病の感染監視力向上が期待され
ており、フェルガナ盆地のアンディジャン市とフェルガナ市に所在している
という。開設に際しては、米国防脅威削減局(U.S. Defense Threat Reduction
Agency; DTRA)から 130 万ドルの資金援助があった他、施設職員に対しても、
先進設備の運用や保守に向けた指導が行われた模様。 (GSN 2011/3/28)
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(5)ミサイル関連
2011/3/29
【ミャンマー軍、ドイツ製工作機械でミサイル部品を製造か】 国際原子力機
関(IAEA)の元査察官ロバート・(ボブ)・ケリー氏は、「ドイツ政府は、『輸
入したドイツ製品の用途は訓練用途(非軍事用途)である』とのミャンマー
の説明をそのまま受け入れている」と警告を発した。ケリー氏は、ノルウェ
ーに拠点を置くミャンマー人の反軍政メディア「ビルマ民主の声(DVB)」の
ドキュメンタリー番組(中東のアル・ジャジーラが 2010 年に放送)で、亡命
したミャンマー軍のサイ・テイン・ウィン(Sai Thein Win)元少佐が証言し
ている資料や写真を基に、
「ドイツ製品は、密かにミャンマー軍のミサイルな
どの兵器製造計画に用いられている」と主張した。ウィン元少佐は、
「ドイツ
の DMG 社エンジニアによるミャンマー軍所有施設での DMG 社製工作機械の設
置」や、
「DMG 社製工作機械が液体燃料ロケットエンジン用インペラなどの部
品製造に使用されている」といった関連の資料や写真を提示しているという。
更にドイツのトルンプ(Trumpf) 社のレーザー加工機も、ミャンマー軍によっ
て使用されているとのことである。一方ドイツの DMG 社とトルンプ社は、
「訓
練を目的として当該工作機械をミャンマーに輸出した」と主張しているとい
う。更にドイツ連邦経済技術省(BMWi)は、
「ミャンマーへの当該輸出品は、申
告されている最終用途の内容に反して使用されているという兆候は見えな
い」として、ミャンマー軍による当該製品の軍事転用を否定しているとのこ
とである。 (AFPR 2011/3/29)
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出典略号一覧表
(参
考)
人民日
・人民日報
共同
・共同通信
時事
・時事通信
新華社
・新華社通信
タス
・タス通信
RP.
・ラジオプレス
AB.
・ARABIES
AFPR. ・AGENCE FRANCE-PRESSE
APNW. ・ASSOCIATED PRESS NEWSWIRES
AW.
・ASIAWEEK
AWSJ. ・ASIAN WALL STREET JOURNAL
AW&ST.・AVIATION WEEK & SPACE TECHNOLOGY
BBCMS.・BBC Monitoring Service
BBCMM.・BBC Monitoring Middle East
BIS. ・BUREAU OF INDUSTRY AND SECURITY, US DEPT. OF COMMERCE
CHD. ・CHINA DAILY
CHNA. ・CHANNEL NEWS ASIA
CP.
・CHINA POST
CSM. ・THE CHRISTIAN SCIENCE MONITOR
DD.
・DEFENSE DAILY
DJN. ・DOW JONE'S NEWSWIRE
DM.
・DAILY MAIL
DN.
・DEFENSE NEWS
DOS. ・US DEPARTMENT OF STATE
DW.
・DEFENSE WEEK
EM.
・ECONOMIST
FAL. ・FRANKFURTER ALLGEMEINE
FE.
・FINANCIAL EXPRESS
FEER. ・FAR EASTERN ECONOMIC REVIEW
FR.
・FOREIGN REPORT
FT.
・FINANCIAL TIMES
GN.
・GUARDIAN
GSN. ・GLOBAL SECURITY NEWSWIRE
HB.
・HANDELSBLATT
HI.
・THE HINDU
ICE. ・IMMIGRATION AND CUSTAMS ENFOECEMENT, US DEPT. OF HOMELAND SECURITY
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・INDEPENDENT
IFAX. ・INTERFAX NEWS AGENCY
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IHT. ・INTERNATIONAL HERALD TRIBUNE
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ITCR. ・INTERNATIONAL TRADE REPORTER CURRENT REPORT
ITW. ・ITAR-TASS WORLD SERVICE
IUST ・INSIDE U.S. TRADE
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JIR. ・JANE´S INTELLIGENCE REVIEW
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LM.
・LE MONDE
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LT.
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MEN. ・MIDDLE EAST NEWSWIRE
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WQ.
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WT.
・WASHINGTON TIMES
XNA. ・XINHUA NEWS AGENCY
YH.
・YONHAP ENGLISH NEWS
*国別の担当者は次の通りです。
風間主任研究員: 中国、台湾、北朝鮮、その他(アジア、中東)
加藤研究員
: インド、パキスタン、ロシア、欧州
小野研究員
: イスラエル、シリア
山根研究員
: イラン、国際
内田研究員
: 米国、カナダ、その他(中南米)
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