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第23号(2015.2.24) [PDFファイル/1.3MB]

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第23号(2015.2.24) [PDFファイル/1.3MB]
第 23 号
登録
ボランティア通信
2015.2.24
愛護動物の遺棄の考え方
第 23 号 目次
1-2 愛護動物の遺棄の考え
方
3-4 ドッグ・トラスト
トレーニング・プログラ
ムレポート その2
動物保護センター業務課
動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動愛法」といいます。)
第 44 条第3項に基づく愛護動物の遺棄については、条文上定義がな
く、各自治体が遺棄の判断に苦慮してきました。国(環境省)の見解
がずっと求められてきましたが、昨年 12 月 12 日付けで環境省自然
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神奈川県庁で音楽劇
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県議会定例会から
環境局総務課長から各都道府県・指定都市・中核市動物愛護主管部あ
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最新統計
てに「動物の愛護及び管理に関する法律第 44 条第 3 項に基づく愛護
動物の遺棄の考え方について」が発出され、環境省の遺棄に対する考
え方が示されました。
環境省通知の概要
通知の概要は次のとおりです。
(基本的な考え方)
動愛法に規定される「遺棄」とは、愛護動物を移転又は置き去りにして場所
的に隔離することにより、当該愛護動物の生命・身体を危険にさらす行為のこ
とで、生命・身体を危険にさらす行為に該当するか否かを判断する際は、隔離
された場所の状況、動物の状態、目的等の諸要素を総合的に勘案する必要があ
ります。
(具体的な判断要素)
① 隔離された場所の状況
● 飼養されている愛護動物については、移転又は置き去りにされて場所的に隔離された時点では健康な
状態であっても、隔離された場所の状況に関わらず、その後、飢え、疲労、交通事故等により生命・身
体に対する危険に直面するおそれがあると考えられます。
● 野良犬、野良猫など人の保護を受けずに生存できる愛護動物に
ついては、隔離された場所の状況によっては、生命・身体に対す
る危険に直面するおそれがあると考えられます。生命・身体が危
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2
登録ボランティア
通信
登録簿ランティア通信
険に直面する具体的な例として、生存に必要な餌や水を得ることが難しい場合、厳しい気象(寒暖、風
雨等)にさらされるおそれがある場合、事故(交通事故、転落事故等)に遭うおそれがある場合、野生
生物に捕食されるおそれがある場合などが挙げられています。
● なお、仮に第三者による保護が期待される場所に隔離された場合であっても、必ずしも第三者に保護
されるとは限らないことから隔離された場所が上記の例のような状況の場合、生命・身体に対する危険
に直面するおそれがあるという考えが示されました。
② 動物の状態
自由に行動できない状態にある場合、老齢や幼齢の場合、障害や疾病がある場合などの愛護動物を隔離
した場合は、隔離された場所の状況に関わらず生命・身体に対する危険に直面するおそれがあるとされま
した。
③ 目的
法令に基づいた業務又は正当な業務として以下のような目的で愛護動物を生息適地に放つ行為は遺棄に
該当しないとされました。
● 動愛法第 36 条第 2 項の規定に基づいて収容した負傷動物等を治療後に放つこと … *
● 治療した傷病鳥獣を野生復帰のために放つこと
● 養殖したキジ・ヤマドリ等を放鳥すること
● 保護増殖のために希少野生生物を放つこと
* “負傷動物等を治療後に放つこと”について
犬猫等の負傷動物を治療後もとの保護した場所に放つことは良いように思えますが、「遺棄」にあたる
可能性がありますので注意が必要です。
負傷等して路上で動けなくなっている猫(以下「負傷猫」といいます。)を保護して治療後、その負傷
猫を保護した場所に放す(戻す)ことについて考えてみます。
本通知で示された「隔離された場所の状況」の判断基準では、飼養されている愛護動物は隔離された場
所の状況に関わらず “移転又は置き去り”にすることは「遺棄」にあたるとされていますので、負傷猫が
飼い猫の場合は、保護した場所に放つ(戻す)ことは「遺棄」になります。また、負傷猫が野良猫の場合
は、隔離された場所の状況によって判断することになりますが、都市部などでは交通事故等の事故に遭遇
するおそれがあり「遺棄」にあたる可能性があります。
環境省自然環境局総務課長通知は、環境省ホームページに掲載されています。
こちらから閲覧できます。
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/files/n_23.pdf
神奈川県動物保護センター
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ドッグトラスト・トレーニング・プログラムレポート
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その2
ドッグトラスト・インターナショナル・シェルター運営プログラムーDay 1
通訳/翻訳家 ノーマンテイラー邦子
8時半ホテル出発。前日の長いフライトにも関わらず、エネルギーあふれる使節団メンバーを乗せたタク
シーはロンドン郊外にあるへアフィールド・センターへ移動。
当センターは国内20箇所あるリホーム・センターのひとつで、16エーカー(6 万4750平方メート
ル)の敷地内に75の犬舎を有しています。床暖房、ガラス張りの犬舎、6箇所の犬の運動場、4エーカー
の野原、子犬専用ケンネル、美しい庭、カフェなどがあり、現在お
よそ150頭の犬が保護されています。
白いしっくいの壁に黒い梁をめぐらせた高い天井の高いチューダ
ー朝の建物の中、美しいイギリスの庭園を眺めつつ、コースは行わ
れます。隣接するカフェから談笑が聞こえてきます。実に心穏やか
なのどかな風景で、自分がレスキュー・センターにいることを忘れ
てしまいそうです。
これから4日間繰り広げられるプログラムの幕開けは使節団の皆さんの自己紹介からです。
それぞれのお国の動物福祉状況やシェルター活動内容の様子、
そして今回の研修で何を国に持って帰りたいかなどを話すのです
が、皆さん本当に力が入っています。特に最初から最後まで情熱
的だったのはルーマニアで犬シェルターを運営している女性で
す。シェルター譲渡という概念がない国でのシェルター活動がど
んなにご苦労か、察して有り余るものがあります。国内で犬を引
き取る人は皆無なので、イギリスやドイツに送っているとのこ
と。またアフリカやインドからの方々はシェルター運営に加え
て、狂犬病予防注射の TNR 活動も大々的に行っている模様でし
た。
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登録ボランティア
通信
登録簿ランティア通信
そしてドッグトラスト・インターナショナルの部長さん、ガレス・トマス
氏のご自身の自己紹介。「それぞれの専門分野の中でも超スーパー・エキス
パートを講師陣にお願いしていますので、皆さん、しっかりお国に持って帰
ってくださいね」と結ばれましたが、これは受講しているうちにひしひしと
感じました。内部からだけではなく、猫レスキューセンターや海外派遣の獣
医チャリティなど外部からの団体も迎え、総合的なプログラムが組まれてい
るのです。
その後動物救急車を見学。
写真を見ていただけるとお分かりですが、救命設備も備わっ
た犬のための救急車です。数台保有している模様です。ドッグ
トラストの全般に言えることですが、すべてクリーンで清潔感
あふれ、古臭さや動物臭さがまったくありません。
説明してくださった救急隊員はこの道何十年のベテランの方
で、仕事への情熱と誇りをひしひしと感じました。今や解決で
きない問題はないと言うほどありとあらゆる苦難の雨が降りか
かって
かってきたそうです。「多頭飼いで放棄された仔犬たちをウェ
ールズまで救出に行き、戻りかけたら、野生保護センターから
の緊急要請で、キツネの子供も保護したこともあるんだ」とエ
ピソードは尽きません。現在もあちこち飛び回って休む暇はな
いそうです。「しかし実に楽しい。本当に報われる仕事ができ
てとても幸せだ」と仰っていました。
さてここでランチ・タイムです。普通食とベジタリアンとビーガ
ン食が用意されています。コーヒー、紅茶とケーキ、デザートもつ
いて、全部無料です!!!ちなみに中間の休憩のドリンクもスイー
ツも全部無料!「空港からホテルまでの交通費も立て替えた人はお
支払するので教えてください」と担当の人が声をかけていました。
ホテルの朝食はもちろん無料ですし、夕食も2回ウエルカム・パー
ティとフェアウエル・パーティということでレストランでごちそう
してくれます。ロンドンにいる間は参加者はお金を一銭も使わないようになっています。ドッグ・トラス
ト、太っ腹! 午後からはシェルター内見学ですが、これはまた次回に!
神奈川県動物保護センター
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神奈川県庁で音楽劇『ぼくの声きこえる?』を上演します
動物保護センター業務課
3月 15 日(日)の神奈川県庁公開日にあわせ、県庁本庁舎3階の大会議場で“音楽劇「ぼくの声きこ
える?」”の公演があります。音楽劇「ぼくの声きこえる?」は本誌第 18 号でもご紹介させていただき
ましたが、“tumugu=つむぐ=プロジェクト”さんと“みゅーまる”さんが動物と音楽を通じて命の大切さ
や人と動物が共に暮らせる社会の実現のための啓発活動として取り組んでいる音楽劇です。
当日は入場無料、事前の申し込みも不要ですので、この機会に是非ご覧いただければ幸いです。
なお、当日は県庁譲渡会も開催されます。
音楽劇『ぼくの声きこえる?』
日時 平成 27 年3月 15 日(日)11 時 30 分から 12 時 15 分
場所 神奈川県庁本庁舎3階 大会議場(横浜市中区日本大通1)
参加 自由入場制(事前の申し込みは不要です)
費用 無料
主催 神奈川県
共催 みゅーまる、tumugu=つむぐ=プロジェクト
葉山町教育委員会での上演の様子
お子様から大人の方までお楽しみいただけるミニコンサートもございます。
春のひととき、ご家族で楽しみながら、動物を飼うこと(命)について考えてみませんか?
神奈川県庁本庁舎
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登録ボランティア
通信
登録簿ランティア通信
平成 26 年第 3 回神奈川県議会定例会から
動物保護センター業務課
平成 26 年第 3 回神奈川県議会定例会(会期 9 月 8 日~12 月 25 日)で 12 月 16 日に行われた一般質問
において、西村くにこ議員(公明党・川崎市川崎区選出)から犬猫の殺処分ゼロを目指した取り組みにつ
いての質問がありました。この中で西村議員は動物保護センターの整備についても言及され、動物保護セ
ンターの建てかえについて黒岩知事に質問しました。これに対して黒岩知事は「動物保護センターは野犬
等を収容する施設として昭和 47 年にオープンしました。殺処分を前提とした施設であるため現在は使用し
ない機能がある一方で犬や猫を飼育する個室が不足するなど、課題が明らかになっています。こうした課
題を改善し、動物愛護の拠点としてふさわしい施設に建てかえる必要があると認識しています。厳しい財
政状況のもと、建てかえに向け、ご提案いただきました基金の創設も含め、さまざまな手法を検討してい
きます。」と答弁しました。
平成 26 年第 3 回神奈川県議会定例会での質疑詳細は神奈川県議会ホームページからご覧いただけます。
神奈川県議会ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/gikai/
西村議員の一般質問の詳細
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgibin/WWWframeNittei.exe?USR=kankank&PWD=&A=frameNittei&XM=000100000000000&L=1&S
=15&Y=%95%bd%90%ac26%94%4e&B=255&T=0&T0=70&O=1&P1=&P2=&P3=&P=1&K=180
&N=1548&W1=%90%bc%91%ba&W2=&W3=&W4=&DU=1&WDT=1
最新統計 平成 26 年度
平成 26 年 4 月 1 日~平成 27 年1月 31 日の相模原市、藤沢市分を含む速報値
(犬)
原稿
迷子犬の保護 417 頭 飼い主へ返還 235 頭 飼い主から引取り 103 頭
県民へ譲渡 27 頭 ボランティア等へ譲渡 221 頭 致死処分 0 頭
運搬・収容中の死亡 48 頭
捨てられた猫 560 匹 飼い主から引取り 71 匹 県民へ譲渡 24 匹
ボランティア等へ譲渡 530 匹 致死処分 0 匹 運搬・収容中の死亡 73 匹でした。
☆なお、この他に飼い主不明として警察から当所が収容し、その後、飼い主が判明し
たために飼い主に返還した猫が1匹います。
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