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通信事業者を取り巻く 未来のデジタル環境 次世代

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通信事業者を取り巻く 未来のデジタル環境 次世代
#theDigitalNetwork
Communications Industry
Network Services
通信事業者を取り巻く
未来のデジタル環境
次世代ネットワークへの転換
デジタル時代の通信事業者は、現代の「デジタル・ワールド」に
おける変革の担い手です。ここで重要な役割を果たすのが
ソフトウェアによって管理されたネットワークの機能です。
これなしではグローバルで相互接続されたデジタル・ワールドは
成立せず、
また経済と社会の水準を高めることもできません。
近年、映像配信サービス企業のネットフリックスのような新たな
企業から、アマゾンやグーグル、マイクロソフトといった大手に
至るまでのさまざまな破壊的創造者は、多彩なサービスを続け
ざまに提供することによって差別化を図ってきました。
しかし多く
の場合、その経営モデルはITオペレーションのパラダイムに基づい
た、著しく非効率的なものにとどまっているのが実状です。こうした
状況を踏まえると、2020年を前に通信事業者に今求められるのは、
ビジネスモデルと経営モデルの見直しであると言うことができるで
しょう。
データ活用に対する
ニーズの高まりにより、
今日のレガシー・ネット
ワークは容量不足の脅威
にさらされています。
新たな視点に立つために最も重要なことは、競合ひしめく未来市場
で生き抜くための、
レガシー・ネットワークからの迅速な脱却と新
たなデジタル・ネットワークへの転換です。この新たなデジタル・
ネットワークは、未来のブロードバンド要件に対応できるオープン・
を統合し、高品質なサービス
システム・インターコネクション
(OSI)
の提供と運用コストの削減、および新たなサービスの迅速な市場
投入を実現しながら、十分な利益の確保を可能にします。
• インターネットのトラフィック量は過去
5年間で7倍に増加。
• 固定ネットワークのトラフィック量は2016
年までに3倍に拡大し、年間のトラフィック
量は1,000エクサバイトにまで到達。
• 世界のモバイルデータ・トラフィックは
2013~2018年の間に約11倍に膨れ上が
1カ月当たり15.9エクサバイトに到達。
り、
トラ
• 2018 年までに、すべてのモバイル・
フィックの半数以上が4Gトラフィックに。
• アプリケーション/エンドユーザー・デバ
イスごとに異なるネットワークSLA(例:
インタ ー ネット上 の 動 画 、オンライン
ゲーム、音声)。
• データセンターにおける年間のトラフィッ
クは 2016 年までに4倍に拡大し、1,000
エクサバイトに到達の見通し。
2
「長持ちする設計」の功罪
数十年にわたるコミュニケーション・ネットワーク&サービスの継続 ブル」における現在のポジションを維持するためには、直ちに行動
的な発展により、成熟度も容量も OSI スタックのレイヤも異なる することが不可欠でしょう。
複数のレガシー・ネットワークを同時に利用するケースが急増して
います。これには、
たとえばMPLS(マルチプロトコル・レイヤ・スイッ
トランスファー・モード)、4Gワイヤ
チング)
やATM(アシンクロナス・
レスといった比較的新しいテクノロジーだけではなく、PSTN(公衆
交換電話網)
や固定/ワイヤレス用CDN(コンテンツ・デリバリー・ネ
ットワーク)、旧式な動画技術およびセキュリティー機能といった、
いわゆる
「レガシー・テクノロジー」も含まれます。
「長持ちする設計
本レポートは「デジタル・ワー ルド」に最適な OSI タイプ・レイヤ
モデルと、
「デジタル・ワールド」における通信事業者の役割、次世代
モデルを現実のものとするために必要なイニシアチブをまとめた
ものです。以下にご紹介するモデルを導入することにより、通信事
業者は真のデジタルサービス・プロバイダーへの転換を遂げること
ができるはずです。
と重厚な作り」
という通信事業者の昔からのモットーが、あまりにも
この次世代モデルは、新たなOSIレイヤモデルのテクノロジー層を
長く重視されすぎたのかもしれません。
一望するだけではありません。新たなネットワークを支えるすべて
IP ネットワークの重要性が高まる中、プロバイダーはレガシー・
ネットワークの継続的な保守を余儀なくされています。このことと
実現可能な技術の進化、さらに新規参入企業のサービスの急速
な拡大を踏まえるなら、通信事業者が「デジタル・ダイニングテー
のレイヤに対応可能なビジネスモデルをも見据えたものです。
つまり、組織とプロセスとテクノロジーを統合した上で、
パートナー
シップや必要スキル、イノベーション、またデリバリーのメソドロ
ジーを組み込んだモデルだと言えます。
図1:次世代モデル
HW&SW
• 「すべてを接続」
:テクノロジーで感じ取る
• 複数のデバイスとキャッシュ・ハイアラーキを管理
• ハイパースマートなモノ
(グーグルグラス、各種ウェアラブル、
各種コンソール)
で上り/下りのインターフェースを管理
デバイス
ソフトウェア
アプリケーション
AP
• デジタライゼーション:統合的メディア・デリバリー・プラットフォーム
• デジタル・マネタイゼーション・プラットフォーム
• アプリストア:契約や連絡先の一元管理
製品とアプリケーション
• SDN、NFVのコントロール機能
ポリシー管理、
セキュリティー
基盤技術用にサブレイヤ化された統合OSS
ネットワーク・アナリティクス
ネットワーク・サービス
(CDN、IMS)
コントロール機能
•
•
•
•
サービス・プラットフォーム、OSS、アナリティクス
ハードウェア&ソフトウェア
• トランスポート層(インターリンク・ファイバーとDWDMを含む)
エラスティックコア
• 仮想化可能なコンピュータ、
ストレージ、
ネットワーク
(クラウド)
ネットワーク、
ストレージ、
コンピュータ
•
•
•
•
アクセス
SDKとAPLの公開
上位層に管理されるAPI
ユニバーサルでシームレスに統合されたアクセス
モバイル&固定
Ultra BBが標準
SDK
3
次世代モデルの基盤コンセプト:
• コンピューティング/ストレージ/ネットワーキング層の統合。
• ミックス&マッチ、
ホワイトレーベル・ネットワーキング、ベンダー
に依存しないコントロール機能を実現するためのコントロール
機能とトランスポート機能の仮想化および分離。
• 個々の層に適したアプリケーション・プログラミング・インター
フェース
(API)の活用による仮想物理インフラを構築し、各層の
出力を社内の周辺層や提携先およびサプライヤーの周辺層で
消費できるようにする。
• あらゆるサービスに適用できる単一のシンプルな統合的アーキ
するために、今以上に完璧な管理が求められるようになります。
つまり、新たな設計に基づくライフサイクル全般を通じてのサー
ビスの計画と管理が必要されます。さらに、すべてのレイヤ同様に
アクセス・サービス層も、社内の上位層または社外のサードパー
ティを介してユーザーに共通APIを公開する必要が生じます。
こうした技術の進化は、
アクセス・サービスにどのような影響を及ぼ
すのでしょうか?第一に、あらゆる新サービスはアクセスにとらわれ
ない視点から設計されなければなりません。ウルトラ・ブロードバン
ドが新たな標準となった今、そのような設計理念を否定する理由
はありません。
一方、アクセス管理は自動化され、データ主導で行われる必要が
テクチャ。固定/モバイルサービスごとの CDNネットワークや、
生じるでしょう。より高レベルのドメインとの相関関係を築いて、
ユニッ
トコス
トやパフォーマンスのより高度な予測を実現すること
個々のネットワークやサービス専用にサイロ化されたOSSプラッ
トフォームを不要にする。
• サポートされるデバイス
(M2M)数という観点による高い拡張性
が大切です。
の確保。それによる費用効率に優れ、拡張/交換が可能な運用
エラスティックコア
を実現する。
この階層では大規模な変化が起こります。第一にIP の重要性が
• 有効化、保証、顧客管理を各層で自動的かつ相関的に実行。
高まり、
トランスポート層とネットワークおよびデータセンター内の
全層の重要性が増します。この変化を加速させるのが、以下の3つ
• ダイナミックな新しいサービスモデルを迅速に実現するための、 のテクノロジー・
トレンドです。
ビジネスとサービスとネットワークの俊敏性の確保。
次世代モデルの各層の主な要件:
• トランスポート層でのハードウェア機能の統合
光ネットワークがデジタル・ネットワークへと進化し、SDH(同期
デジタル・ハイアラーキ)や SONET( 同 期 型 光ネットワーク)
アクセスドメイン
アクセスドメインは、固定またはモバイルの物理的(ブロードバン
ド)アクセスによって構成されます。現在活用されているテクノロ
ジーとしては、固定ドメインではxDSL、光ファイバー、およびハイエ
ンド同軸ケーブル
(EuroDocsis/Docsis標準準拠)、
モバイルアクセ
スでは3G、4G、5Gがあります。
モバイル分野を中心とするテクノロジー標準の継続的な進化と並
行して、デュアルネットワーク対応モデム、あるいは地域コミュニ
ティによって提供されるオープンWi-Fiを使った、いわば「固定」
ワイヤレスが台頭しつつあります。アクセス・サービスの提供は莫
大な設備投資が必要な上に規制が厳しい分野であり、既存の通信
事業者のほぼ独占状態と言えますが、新規参入企業や新たなテク
ノロジーも誕生しつつあります。米国のグーグル・ファイバー/サテ
ライト/バルーンや、
コミュニティ・インターネット・サービス・プロバ
イダー(CISP)
がその好例です。エネルギー分野では消費者が自ら
太陽/風力発電を行って消費したり、余剰の電力を電力会社に
売ったりしていますが、それと似たような状況と言えるでしょう。
ビジネスモデルの観点から言うと、アクセス・サービスは、早晩、
ホールセールモデルの商品として取引され、
付加的サービスとバン
ドルされることになるはずです。コミュニティ・ユーザー・ネットワー
クの台頭もまた、通信事業者にとっての新たな機会を示唆するも
のであり、接続や統合化だけではなく、新しいネットワークの管理や
アクセス・ポートフォリオへの統合といったサービスも提供すること
が可能になるとみられます。これからはネットワークの耐用年限を
通して、必要なサービスレベルを実現しながらコスト予測を維持
4
といった中間層が不要になります。この進化を可能にするの
が、DWDM
(高密度波長分割多重方式)IPの新たな標準です。
• コンピューティング、ストレージ、ネットワークの統合
「ムーアの法則」に基づくハードウェアのコモディティ化により、
コンピューティング、ストレージ、およびネットワークを統合した
データセンターや、大企業向けの軽量小型で低消費電力かつ
ハイパフォーマンスなデバイスが手頃な価格で提供されるよう
になります。
• ネットワーキング・ロジックの分離:ソフトウェア・デファインド・
ネットワーキング
(SDN)
とネットワーク機能の仮想化により、
トラ
ンスポート機能とコントロール機能が分離されます。その結果、
物理的ネットワークとコンピューティングのインフラはAPIで管理
される拡張可能なマルチベンダー層となります。標準インター
フェースが用いられ、高いCAPEXが要求されますが、
コントロー
ル層は中央に集約されます。これは CDNやマルチレイヤ VPN
接続、データセンター・プロビジョニング、インターコネクティビ
ティといったネットワーク関連機能の大部分に当てはまるでしょう。
ビジネスモデルの観点から言うと、
「エラスティックコア」あるいは
そのコンポーネントは、複数の方法で提供することが可能になると
考えられます。第一に、ストレージ、
コンピューティング、ネットワー
キングの統合を踏まえて、
パブリック/プライベートクラウドからの
提供が可能になります。さらに、公開APIを用いてアクセス層と接続
されます。このような進化は、近くのPOP
(Point
of Presence)との
直接接続を提供するマルチプル(インフラ)
クラウド・プロバイダー
によってすでに実現されています。
あるいは、ベンダー経由またはパートナーシップ・モデルによって、 コントロール機能
エラスティックコアを提供することも可能です。このモデルの中心
となるのが、単一または複数のベンダー連合やオーケストレー
ション・サービスです。
APIを使って各種機能を管理するソフトウェア/コントロール層は、
いわば「エンジンの心臓部」です。この層自体は、SDN&NFVコント
ロール、エラスティックコア仮想化管理層、オープン・プロビジョニ
通信事業者には今後、
テクノロジー、
プロセスおよびスキルという
ング・インターフェース、
リアルタイム・アナリティクス機能、ポリ
観点から、ネットワークの機能とITの機能を統合することが求めら
シー/キャパシティ/セキュリティー管理層をはじめとする新たな
れます。これら2つの機能は今のところ個別に運用されており、両者
の統合は大きな課題となるでしょう。
少なくともエラスティックコアの一部は、
クラウド経由で提供でき
ます。このことを踏まえるならば、
エラスティックコアはグローバル
テクノロジー/ケイパビリティを含め、複数のサブレイヤで構成さ
れています。これらすべての機能が、SDK(ソフトウェア開発キット)
の活用によってアプリケーション層に公開されます。
コントロー ル 層 の 提 供 方 法はいくつか あります。通 信 事 業 者
リージョナル、
グローバル)が専用層として、あるいは
に普及しながら、
ローカルなアクセス業務を統合することが可能だ (ローカル、
下層のアクセス/エラスティ
ックコア層と統合して提供することも
と言えるでしょう。
あれば、
この領域を専門とするインテリジェント・サービス・プロバイ
このようなクラウドベースのオープンなエラスティックコア・アプ ダーが提供する場合もあります。ここではソフトウェア・デファイン
ローチへの転換を図るために、
プロビジョニングやベンダー管理、 ド・ネットワーキングおよびネットワーク機能の仮想化が標準で
デリバリー・プロセスという視点から、ネットワークの機能とIT の あり、
この2つにより、アプリケーション層に技術的構成要素をAPI
機能のサイロ化を解消しなければなりません。アクセンチュアでは として公開する統合的な「ビジネス・テクノロジー機能」の構築が
これまでの経験から、適切なソーシングとユニット当たりのコスト
可能となります。コントロール層には、上位層の複雑性を遮断する
削減を目指すことによって、大きな改善が望めると考えています。 役割があります。従って可能な限り、実際のアクセスやアプリケー
同時に、
ネットワーク/ITインフラの簡素化および合理化も積極的 ション、
デバイス・
ドメインに依存しない水平的な位置付けが望まし
に推し進めるべきでしょう。たとえば、固定/ワイヤレスの CDNを いと言えます。つまり、
コントロール層はM2Mにもモバイルにも固
共有化する、
プロビジョニング層を1つにする、1つのOSS層でAPIを 定にも機能を等しく公開できなければなりません。また、
アナリティ
公開する、
アナリティクス・サービス全体をカバーするデータ公開を
行うといった方法で簡素化/合理化が可能です。とはいえ、
このた
めにはオペレーションセンターの統合やサービス保証の一元化が
求められるため、簡単なことではありません。ネットワークの過度な
拡張は、費用効率に優れた方法とは言えません。むしろ、再現性が
高く迅速で拡張性の高いネットワークで柔軟性を確保し、ユニット
当たりのコストを最小化するのが望ましいでしょう。
クスAPIは実際のアナリティクス・サービスではなく、技術的構成要
素を公開することになります。スタンダードAPIはアプリケーション
開発者に活用され、
デバイス・コンフィギュレーション機能も備える
ようになるでしょう。スタンダードAPIはインフラ・サービスの割り当
ても行います
(コンピューティングやネットワークといった単独サー
ビス、もしくはメディア・アプリケーション・インフラのプロビジョニ
ネットワーク・キャパシティなどの複合サービス)。
ング、CDN、
図2:APIが可能にするコントロール機能
アナリティクス・
オーケストレーション
NW機能
サービス
ポリシー管理
コンピューティング&
NW
SDK
コントロール&サービス
NFV&SDN
SDK
エラスティックコア
5
コントロール層は時間をかけて構築する必要があります。それと デバイス層
同時に、
テクノロジー/プロセス/ビジネス層での改善も重要です。
テクノロジー層ではOSSシステムが統合され、
ソフトウェア・デファ
インド・ネットワーキングが現実のものとなり、ネットワーク機能の
仮想化によってテンプレートに基づいたCDNやメッセージ・ゲート
ウェイ、
セキュリティー機能のプロビジョニングが可能となります。
サポート・プロセスでは真のエンドツーエンド・サービスが求められ
るだけではなく、標準的なプロセスへの対処も必要となります。
ここでは、ITとネットワークの統合を踏まえたITILとeTOMの組み合
わせなどが考えられます。一方、製品開発プロセスは一層の俊敏性
が求められるようになると同時に、
インフラ開発/向上プロセスと
切り離され、後者ではユニット当たりの低コストを維持するために
低速化が起こります。ビジネスの観点から言うと、標準化と調和が
スマートデバイスが急激に増加する中、あらゆるデバイスが常に
接続される新たなパラダイムが生まれつつあります。RFIDやNFCと
いった新しいアクセス技術が広く普及する一方で、
スーパースマー
ト携帯電話からパッシブ RFID タグに至るまで、多種多様なコン
ピューティング & ストレージ機能がデバイスに搭載されるように
なります。さらにアクイジション/インタラクション機能のデバイス
への統合が加速し、実際の処理はクラウドで行われるようになるで
しょう。
デバイス当たりの入力センサー数は増加の一途をたどり、位置
情報はもちろんのこと、心拍数のようなユーザー身体情報や、天候
データ、他者とのインタラクション情報などもモニタリングされる
新たなテーマとなり、競争優位性を確保できる領域での差別化が ようになります。デバイスは、通信事業者のマーケティング業務に
重視されるでしょう。このことから、製品およびサービスは劇的に おいても重要な役割を果たすようになります(例:AT&TとTOM
簡素化され、
「顧客の喜び」に焦点が当てられると考えられます。
シューズの提携)。また、
デバイスの性能を事業者自らが認証したり
セキュリティー機能がデバイスに搭載され
「AT&T Inside」)、
つまり、
ソフトウェア/コントロール層は現代の「コネクテッド&デジ (例:
たりといった事例も増えるでしょう。最終的にはデバイス層の仮想
タル・ワールド」の「デジタル」の部分を担うのです。
化によって、デバイスのテストから認証、管理のプロセスが合理的
アプリケーション層
アプリケーション層は下位のコントロール/データ層にアクセス
するために、
より多彩なSDKを活用するようになります。既存のパ
に効率化される時代がやって来るはずです。
すべてを統合する
ラダイムは拡張され、専門的なアプリストアが生まれ、より多くの 各層の個々の機能に加えて、一連の統合層、すなわちサービス
アプリケーションが開発されて、下位層とのより高度なインタラク 管理/OSS層、顧客管理/BSS層も不可欠です。サービス管理層は
ションが可能になるでしょう。新たなパラダイムも誕生し、専門的な
各層のプロビジョニングとレポートのために、顧客管理層はプロ
検索ポータルが開発されて、認証やテストに焦点が置かれる一方
バイダーと顧客(ホールセールカスタマー、企業、消費者を含む)
を
「貨幣」も続々と誕生し、個人情報やコンテンツのアクセスに用い
ティクス主導でリアルタイムに行われる一方で、各層のAPIを統合
で、
セキュリティーおよびPIの利用も重視されるようになり、保証や つなぐために、それぞれ必要となります。OSS層は「リアルタイム」
アナリティクスに重点が置かれます。実際のお金ではない新たな 化が一層進むでしょう。フルフィルメント& 生成プロセスはアナリ
られます。
的に活用するようになります。保証をはじめとする各種OSS機能も
外部の第三者やアプリ開発者に提供され、差別化要因およびエン
アプリストアがなくなることはありませんが、デバイスや業種、 ドサービスの一環として一層重視されます。
ロケーション、アクティビティなどを専門とする多様な検索ポータ
新たなネットワークへの迅速な転換を果たすためには、投資の優先
ルが誕生します。
順位の見直しも欠かせません。向こう数年間で、自社専用ネット
ネットワークおよび通信事業者の観点から言うと、
「 信頼できる」 ワーク機器への資本投資の大部分が、コモディティ化したハード
アプリの認証サービスを提供することが重要になってきます。 ウェア/ソフトウェアならびに非バンドル型のプロフェッショナル・
また、検索およびオーケストレーション・サービス、埋め込み型課 サービスに回されるようになるでしょう。それと同時に、組織レ
金機能、顧客データの管理と精度の確保も大切です。
ベル、
ビジネスプロセス・レベル、スキルセット・レベルでの転換も
また、アプリケーション・プラットフォームの構築と収益化に関する
戦略策定が不可欠となります。ここでは、特定のデバイスデータ
(例:ジオローカライゼーション)や特定の顧客データ(例:アプリ
開発者への経済的パラメータ提供)へのアクセスを可能にするAPI
など、基盤サービスの利用可能性を考慮することが特に重要です。
また、
この領域では法規制やプライバシー保護問題についても、
モニタリングを行って対応しなければなりません。
進めなければなりません。たとえば、既存のサイロ化された IT /
ネットワーク運用をより緻密に統合して、
プロビジョニングやトラブ
ルシューティングを推進する必要があります。API、サービスカタロ
グ、およびインフラのガバナンスも今まで通りでは通用しません。
このような転換プロセスは言うなれば、段階的な実行プラン、ベン
ダー管理プログラム、優先順位に基づいた製品/サービス提供を
策定することを意味します。社内で担うべき領域と、外部の第三者
のソリューションを活用する領域のバランスをうまく取ることによっ
全体として見ると、サービスとアプリケーションは統合が進みつつ
て、
イノベーションの実践と管理/所有コストの削減に必要な柔軟
あります。提供するサービスはいずれ、外部の開発者に公開される
性を確保しなければなりません。
アプリケーション層に組み込まれることに
ものと同じAPIを使って、
なるでしょう。
6
図3:レイヤの統合
デバイス
プロビジョニング
顧客管理
アプリケーション
ホールセール
サービス管理
アプリケーション
レポーティング&
アナリティクス
(消費者と
プロバイダー)
コントロール機能
B2B
エラスティックコア
B2C
アクセス層
短期的に見ると、通信事業者は以下の行動を実践する必要がある
このような転換を実現するには、新たなアプローチと優先順位の
でしょう:
見直しが必要となります。そうすることで通信事業者は著しい付加
• 新たなデジタル・ネットワークへの積極的な転換に向けた、青写
真の策定。テクノロジーの標準化/合理化、高度な設計/運用、
新たに必要となるスキルなどを踏まえる。
価値を獲得し、新規サービスを導入する柔軟性を身につけ、ベン
ダーの多様性を高め、そして運用コストを削減することが可能と
なります。究極的にはOPEXとCAPEXの双方を削減しながら、新製
品/サービスの市場投入時間を短縮しながら、かつてないネット
• まずはSDNおよびNFVの導入に着手。
ワーク利用方法をユーザーに提供できるようになるでしょう。レガ
• ネットワーク/IT機能および組織の統合。
クへの転換を加速化させることで、未来のデジタル環境で積極的
• ネットワークの展開/生成技術の向上。
にビジネス展開することができるはずです。
シー・ネットワークからの脱却と、柔軟な次世代デジタル・ネットワー
• APIベースでアナリティクス主導のリアルタイムなOSSへの転換。
• リアルタイムなネットワーク・システムの提供。ダイナミックな
カスタマー・プロビジョニングと顧客活性化を実現することによ
り、顧客が望む方法でサービスを管理/利用できるようにする。
7
アクセンチュアについて
アクセンチュアは、経営コンサルティング、
テクノロジー・サービス、アウトソーシング・
サービスを提供するグローバル企業です。
33万6,000人以上の社員を擁し、世界120
カ国以上のお客様にサービスを提供してい
ます。豊富な経験、あらゆる業界や業務に
対応できる能力、世界で最も成功を収めて
いる企業に関する広範囲に及ぶリサーチな
どの強みを活かし、民間企業や官公庁の
お客様がより高いビジネス・パフォーマンス
を達成できるよう、その実現に向けてお客
様とともに取り組んでいます。2014 年 8 月
31日を期末とする2014年会計年度の売上
高は、300 億 USドルでした( 2001 年 7 月19
日NYSE上場、略号:ACN)。
アクセンチュアの詳細は
www.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細は
www.accenture.com/jpをご覧ください。
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