HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers ユーザーガイド
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HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers ユーザーガイド HP 部品番号: 5900-1983 2011 年 9 月 第1版 ご注意 1. 本書に記載した内容は、予告なしに変更することがあります。 2. 本書は内容について細心の注意をもって作成いたしましたが、万一ご不審な点や誤り、記載もれなど、お気付きの点がございましたら 当社までお知らせください。 3. 当社は、お客様の誤った操作に起因する損害については、責任を負いかねますのでご了承ください。 4. 当社では、本書に関して特殊目的に対する適合性、市場性などについては、一切の保証をいたしかねます。また、備品、性能などに関 連した損傷についても保証いたしかねます。 5. 当社提供外のソフトウェアの使用や信頼性についての責任は負いかねます。 6. 本書の内容の一部または全部を、無断でコピーしたり、他のプログラム言語に翻訳することは法律で禁止されています。 7. 本製品パッケージとして提供した本書や媒体は本製品用だけにお使いください。プログラムをコピーする場合はバックアップ用だけに してください。プログラムをそのままの形で、あるいは変更を加えて第三者に販売することは固く禁じられています。 U.S. Government License Confidential computer software. Valid license from HP required for possession, use or copying. Consistent with FAR 12.211 and 12.212, Commercial Computer Software, Computer Software Documentation, and Technical Data for Commercial Items are licensed to the U.S. Government under vendor's standard commercial license. 著作権 © Copyright 2005-2011 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 本書には著作権によって保護されている内容が含まれています。本書の内容の一部または全部を著作者の許諾なしに複製、改変、および翻訳 することは、著作権法下での許可事項を除き、禁止されています。 商標 Intel®、Itanium® は、米国ならびに他の国における Intel Corporation の商標です。 原典 本書は、『HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers User Guide』(HP Part No. 5900-1966) を翻訳したものです。 納入後の保証について • 保証の期間は、ご購入時に当社よりお出しした見積書に記載された期間とします。保証サービスは、当社の定める休日を除く月曜日か ら金曜日までの、午前 8 時 45 分から午後 5 時 30 分の範囲で無料で行います。当社で定めたシステム製品については出張修理を行い、 その他の製品については当社にご返却いただいた上での引取り修理となります。当社が定める地域以外における出張修理対象製品の修 理は、保証期間中においても技術者派遣費が有料となります。 • ソフトウェア製品の保証は上記にかかわらず、下記に定める範囲とさせていただきます。 • ソフトウェア製品およびマニュアルは当社が供給した媒体物の破損、資料の落丁およびプログラムインストラクションが実行でき ない場合のみ保証いたします。 • • • バグおよび前記以外の問題の解決は、別に締結するソフトウェアサポート契約に基づいて実施されます。 次のような場合には、保証期間内でも修理が有料となります。 ◦ 取扱説明書等に記載されている保証対象外部品の故障の場合。 ◦ 当社が供給していないソフトウェア、ハードウェア、または補用品の使用による故障の場合。 ◦ お客様の不適当または不十分な保守による故障の場合。 ◦ 当社が認めていない改造、酷使、誤使用または誤操作による故障の場合。 ◦ 納入後の移設が不適切であったための故障または損傷の場合。 ◦ 指定外の電源 (電圧、周波数) 使用または電源の異常による故障の場合。 ◦ 当社が定めた設置場所基準に適合しない場所での使用、および設置場所の不適当な保守による故障の場合。 ◦ 火災、地震、風水害、落雷、騒動、暴動、戦争行為、放射能汚染、およびその他天災地変等の不可抗力的事故による故障の場合。 当社で取り扱う製品は、ご需要先の特定目的に関する整合性の保証はいたしかねます。また、そこから生じる直接的、間接的損害に対 しても責任を負いかねます。 • 当社で取り扱う製品を組み込みあるいは転売される場合は、最終需要先における直接的、間接的損害に対しては責任を負いかねます。 • 製品の保守、修理用部品の供給期間は、その製品の製造中止後 5 年間とさせていただきます。 本製品の修理については取扱説明書に記載されている最寄の事業所へお問い合わせください。 目次 1 HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers.........................................5 概要.......................................................................................................................................5 利点.......................................................................................................................................5 依存関係.................................................................................................................................5 前提条件.................................................................................................................................5 HP Integrity VM Serviceguard ツールキットと SG IVS ツールキットの比較....................................5 2 サポートされる構成..................................................................................8 3 HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers のインストールとアンイン ストール....................................................................................................10 インストール後に SG IVS ツールキット用に作成されるファイルとディレクトリ........................10 4 SG IVS ツールキットの使用.....................................................................12 パッケージの作成..................................................................................................................12 Serviceguard コマンドの使用.............................................................................................12 簡易配備の使用................................................................................................................13 パッケージの管理..................................................................................................................14 パッケージの起動.............................................................................................................14 パッケージのメンテナンス................................................................................................14 パッケージの停止.............................................................................................................14 パッケージの削除.............................................................................................................15 パッケージの変換.............................................................................................................15 5 ゲストアプリケーション監視サービスの構成.............................................17 cmappmgr/cmappserver の組み合わせのアップグレード..........................................................26 6 7 8 9 VM ゲストパッケージのオンライン移行....................................................28 トラブルシューティング..........................................................................29 制限事項.................................................................................................30 サポートとその他のリソース...................................................................31 ご連絡の前にご用意いただく情報...........................................................................................31 HP へのご連絡方法................................................................................................................31 ソフトウェアテクニカルサービスとアップデートサービスの登録..............................................31 ソフトウェアテクニカルサポートとアップデートサービスの利用方法..................................31 保証情報..........................................................................................................................31 HP 認定販売代理店................................................................................................................32 マニュアルについてのご意見・ご質問.....................................................................................32 関連情報...............................................................................................................................32 表記規約...............................................................................................................................32 A HP Integrity VM ゲストパッケージ用のパッケージ構成ファイルの例............34 用語集.......................................................................................................36 索引..........................................................................................................37 4 目次 1 HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers 概要 HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers (SG IVS ツールキット) は、HP Integrity Virtual Machines と HP Serviceguard をシームレスに統合できるようにするツールキットです。ここに は、VM 用の Serviceguard パッケージ (Serviceguard パッケージとしての VM) の作成を支援 し、VM ホスト上の VM の起動、停止、監視を行うためのシェルスクリプトのセットが含まれ ます。このツールキットを使用すると、VM をパッケージとして構成し、HP-UX サーバー内で 構成される仮想マシンに高可用性を提供することができます。 SG IVS ツールキットは Serviceguard パッケージとしての VM 構成のオンライン VM 移行で使 用でき、VM ホストに対する計画的メンテナンス作業のためのダウンタイムを最小限に抑える ことができます。このツールキットを使用することで、計画外の VM ホストのハードウェアま たはホストウェア障害や仮想マシンの障害から、仮想マシンが保護されます。 また、VM ゲストアプリケーションモニターを構成して VM ゲスト上でアプリケーションを監 視することもできます。起動および障害検出機能があり、HP Serviceguard を使用して監視対 象 VM ゲストアプリケーションの VM フェイルオーバーも行えます。 利点 SG IVS ツールキットを使用して Serviceguard クラスターに VM を配備することには、次のよ うな利点があります。 • VM に高可用性を提供します。 • VM ゲストアプリケーション監視サービスにより、VM ゲスト内で動作するアプリケーショ ンに高可用性を提供します。 • オンライン VM 移行と HP Serviceguard を使用することにより、VM ゲストの計画的/計画 外ダウンタイムを最小限に抑えることができます。 • Integrity VM と Serviceguard を使用することにより、ワークロードの移行が容易になりま す。 • ビジネスクリティカルな顧客のためのハードウェアとソフトウェアの統合が可能になりま す。 依存関係 VM ホストに、以下のものをインストールする必要があります。 • HP Integrity Virtual Machines B.04.30 • HP Serviceguard A.11.20 前提条件 VM ホスト上で SG IVS ツールキットを動作させるには、次の前提条件を満たす必要がありま す。 • サポートされているバージョンの HP Integrity Virtual Machines ソフトウェアがインストー ルされていること • サポートされているバージョンの HP Serviceguard がインストールされていること HP Integrity VM Serviceguard ツールキットと SG IVS ツールキットの比 較 SG IVS ツールキットは、HP Integrity VM Serviceguard ツールキットの機能を継承する新製品 です。 概要 5 ここでは、HP Integrity VM Serviceguard ツールキットと SG IVS ツールキットの違いについて 説明します。 HP Integrity VM Serviceguard ツールキット SG IVS ツールキット HP Integrity VM バンドルの B.04.30 以前のバージョン の一部です。 HP の新製品で、別にインストールする必要があります。 従来の VM パッケージおよびモジュラー方式の VM パッ モジュラー方式のパッケージのみをサポートしていま ケージをサポートしています。 す。 モジュール (ADF ファイル) は提供していません。 ツールキット/ツールキット固有属性の 1 つのモジュー ルを提供しています。 オンライン VM 移行 (OVMM) 用の hpvmsg_move コマ オンライン VM 移行 (OVMM) 用の cmmovevpkg コマン ンドが用意されています。 ドが用意されています。 VM パッケージを管理するための hpvmsg_package コ VM パッケージを管理するための cmdeployvpkg コマ マンドが用意されています。 ンドが用意されています。 従来のパッケージを作成するための -L オプションが使 -L オプションは廃止される予定です。 用できます。 -C オプションは利用できません。 -C オプションが追加されています。これは、HP Integrity VM Serviceguard ツールキットを使用して作成された パッケージ (古いパッケージ) を、SG IVS ツールキット を使用するパッケージ (新しいパッケージ) に変換するた めのオプションです。 SG IVS ツールキットのファイルと HP Integrity VM Serviceguard ツールキットは、別の場所に インストールされ、共存が可能です。相互に影響を及ぼすことなく、個別にアップグレードす ることができます。また、2 つの異なる VM 用にこれらのツールキットを使用して作成した パッケージを共存させ、その後もそれぞれのファイルとコマンドを使用することができます。 重要: hpvmsg_move コマンドと hpvmsg_package コマンドは新しいパッケージ (SG IVS ツールキットを使用して作成したパッケージ) では使用せず、cmmovevpkg コマンドと cmdeployvpkg コマンドは古いパッケージ (HP Integrity VM ツールキットを使用して作成した パッケージ) では使用しないことをお勧めします。 注記: • cmmovevpkg コマンドを古いパッケージで使用した場合、オンライン VM 移行は正常に 行えますが、対象ノード (-h オプションまたは -n オプションで指定したノード) 上で手 動でパッケージを再度有効にする必要があります。cmmovevpkg コマンドの実行時に次の エラーが表示されます。 ERROR (cmmovevpkg): Unable to start package <package_name> • hpvmsg_move コマンドを新しいパッケージで使用した場合、hpvmsg_move コマンドの 実行に失敗することがあります。 • HP Integrity VM ツールキットと SG IVS ツールキットで提供される、vswitch を管理する ための 2 つの管理スクリプト vswitchmon および vswitchmgr では、今後も vswitch の管理が行えます。LAN の切り替えが発生した場合、一方のスクリプトで vswitch が再 構成され、他方のスクリプトでは syslog に次の警告が記録されます。警告メッセージを記 録したスクリプトでは、他方のスクリプトで行われた構成が受け入れられます。 警告! IP Address mis-match : <ip-address> found on interface <from_lan_id> expected <to_lan_id> 古いパッケージを新しいパッケージに変換することをお勧めします。 6 HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers 古いパッケージから新しいパッケージへの変換に関する詳細は、「パッケージの変換」 (15 ペー ジ) を参照してください。 HP Integrity VM Serviceguard ツールキットと SG IVS ツールキットの比較 7 2 サポートされる構成 ここでは、Serviceguard パッケージとしての VM 用にサポートされる構成を説明します。図 1 「Serviceguard パッケージとしての VM」に、SG IVS ツールキットでサポートされる基本的な Serviceguard パッケージとしての VM(またはパッケージとしての VM ゲスト) モデル構成を示 します。 図 1 Serviceguard パッケージとしての VM この構成では、VM ホストシステムをクラスター内のノードとして使用して、Serviceguard ク ラスターを形成します。VM ゲストは Serviceguard パッケージ内にカプセル化され、アプリ ケーションを実行する VM ゲストの高可用性を実現します。 Serviceguard パッケージ内の VM ゲストは、VM の障害のほか、VM ホストシステムのハード ウェアおよびソフトウェアの障害に対して保護されます。VM で障害が発生した場合、VM ゲ ストを含む Serviceguard パッケージは Serviceguard クラスター内の他方の VM ホストにフェ イルオーバーすることができます。 注記: SG IVS ツールキットで制御できるのは、VM の起動のみです。そのため、VM ゲスト 内のアプリケーションは、cmappmgr および cmappserver を適切に使用することにより、ま たはオペレーティングシステムのネイティブコマンドを使用することにより、定義された初期 化シーケンスを通して起動する必要があります。 Serviceguard パッケージとしての VM 構成では、VM ゲストのバッキングストアがサポートさ れています。このパッケージ構成は、Cluster File System (CFS) および次のストレージタイプの ファイルをサポートしています。 8 • ディスク全体 • LVM • SLVM • VxVM 論理ボリューム • NFS サポートされる構成 Serviceguard クラスター内のすべての VM ホストにアクセスでき、VM ゲストのフェイルオー バーが可能となるように、VM ゲストのバッキングストアを共有ストレージに配置することを お勧めします。このパッケージを実行し、VM ゲストのフェイルオーバーが行えるように構成 された VM ホストの共有ストレージは、標準的な Serviceguard クラスターの構成方法と同様 の方法で構成しますが、この場合は、特定の VM ゲストが排他的に使用する VM ゲスト スト レージデバイスとして共有ストレージを定義する必要があります。 ツールキットが提供する簡易配備スクリプト cmdeployvpkg は Serviceguard パッケージ構成 を作成するのに使用され、Serviceguard 環境内の VM ゲストに高可用性ソリューションを提供 します。このスクリプトで、パッケージ化する VM ゲストで使用される、クラスターの共有 バッキングストアおよびアプリケーションデータストレージが規定されます。また、適切な論 理ボリュームとマウントポイントエントリーが VM ゲストのフェイルオーバー用のパッケージ 構成ファイルに追加されます。 HP Serviceguard クラスター用の共有ストレージの構成方法に関する詳細は、http://www.hp.com/ go/hpux-serviceguard-docs にある『Serviceguard の管理』(2011 年 8 月の第 20 版) を参照し てください。 注記: VM を Serviceguard パッケージとして構成した後は、hpvmstart や hpvmstop など の HP Integrity VM のコマンドによって VM ホストから VM の起動や停止を直接行わないでく ださい。cmdeployvpkg に「-m 1」 オプションを指定してスクリプトを実行してメンテナン スモードに切り替えてから、HP Integrity VM のコマンドを実行してください。 たとえば、# cmdeployvpkg -m 1 -P vm1 のようにします。 9 3 HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers のイ ンストールとアンインストール HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers をインストールするには、以下の手順に従っ てください。 1. 次のコマンドを実行します。 # swinstall -s <depot path> 「SD Install - Software Selection」 ユーザーインターフェースが表示されます。 2. 3. 4. 「SD Install - Software Selection」 画面で、製品「 SG-IVS-Toolkit」 にマークを付けます。 インストールする製品にマークを付けるには、Action > Mark For Install (m) を選択します。 Action > Install を選択して、インストールを開始します。 インストールが完了したことを確認するには、次のコマンドを実行します。 # swlist -l product SG-IVS-Toolkit インストールが正常に行われていれば、このコマンドによりエントリー SG-IVS-Toolkit が返さ れます。 SG IVS ツールキットをアンインストールするには、次のコマンドを実行します。 #swremove SG-IVS-Toolkit インストール後に SG IVS ツールキット用に作成されるファイルとディ レクトリ SG IVS ツールキットをインストールすると、スクリプトディレクトリ /etc/cmcluster/ scripts/tkit/vtn/とモジュールディレクトリ /etc/cmcluster/modules/tkit/vtn が作成されます。スクリプトディレクトリには、ツールキットのスクリプトと、サポートされ るコマンドスクリプトが格納されます。 表 1 SG IVS ツールキットのインストール後に作成されるファイル ファイル名 10 説明 格納されるディレクトリ tkit_module.sh HP Serviceguard Toolkit for Integrity /etc/cmcluster/scripts/tkit/ Virtual Servers のモジュールスクリプ vtn/ ト。 havtn.sh このスクリプトは、Integrity VM を開 始、停止、検証するために使用され ます。 havtn.mon このスクリプトには、VM ゲストの ステータスを監視する関数が含まれ ます。 cmdeployvpkg HP Integrity VM 用の Serviceguard パッケージ構成の作成と管理を支援 します。 cmmovevpkg HP Serviceguard に統合された VM ゲストのオンライン移行を行うのに 使用します。 HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers のインストールとアンインストール 表 2 属性定義ファイル (ADF) モジュールのためのファイル ファイル名 説明 vtn vtn.1 へのソフトリンク vtn.1 SG IVS ツールキットの ADF モジュー ル定義 格納されるディレクトリ /etc/cmcluster/modules/tkit/ vtn 表 3 仮想スイッチの監視用のスクリプト ファイル名 説明 格納されるディレクトリ vswitchmgr このスクリプトは、物理ネットワー /sbin/init.d/ クリンク (NIC) のフェイルオーバー 中に「 vswitch」 の監視と再構成を 行うために使用します。 K004vswitchmgr 「vswitchmgr」 へのソフトリンク /sbin/rc2.d/ S802vswitchmgr 「vswitchmgr」 へのソフトリンク /sbin/rc3.d/ インストール後に SG IVS ツールキット用に作成されるファイルとディレクトリ 11 4 SG IVS ツールキットの使用 パッケージの作成 まず事前構成手順を実行してから、次のいずれかの方法で HP Serviceguard パッケージに VM ゲストを構成する必要があります。 • Serviceguard コマンドの使用 • 簡易配備の使用 事前構成手順の詳細は、http://www.hp.com/go/virtualization-manuals → HP Integrity Virtual Machines and Online VM Migration > HP Integrity Virtual Machines 4.3: インストール/構成/管 理ガイド > パッケージ構成の作成を参照してください。 Serviceguard コマンドの使用 VM パッケージの作成手順 1. /etc/cmcluster に VM 名に対応するディレクトリ名を作成します。 例: /etc/cmcluster/<vm_name> 2. cd コマンドで /etc/cmcluster/<vm_name> に移動します。 3. VM パッケージを作成します。次のコマンドを実行します。 cmmakepkg –m tkit/vtn/vtn –n <vm_name> pkg.conf このコマンドの意味は次のとおりです。 • cmmakepkg はパッケージを作成するための HP Serviceguard コマンドです。 • tkit/vtn/vtn は SG IVS ツールキットモジュールの名前です。 <vm_name> はパッケージの名前です。VM 名とパッケージ名は同じでなければなり ません。 • 4. pkg.conf はパッケージ構成ファイルの名前です。 パッケージを適用する前に、パッケージ構成ファイル (pkg.conf) 内の次の属性を手動で 編集します。 項目 説明 package_name パッケージ名は、クラスター内で一意でなければなり ません。パッケージ化するゲストの名前とする必要が あります。 package_type パッケージはフェイルオーバーパッケージでなければ なりません。 node_name パッケージを実行するクラスターノードの名前。クラ スター内のすべてのノードを指定する場合、値を「 *」 とするか、次のようにプライマリノードとセカン ダリノードを明示的に指定する必要があります。 node_name node_1 node_name node_2 script_log_file パッケージログを保存するパッケージログファイルの パスです。 TKIT_DIR パッケージをメンテナンスモードにするために作成す る必要があるメンテナンスファイルを格納するディレ クトリです。 パッケージのメンテナンスに関する詳細は、「パッ ケージのメンテナンス」 (14 ページ) を参照してくだ さい。 12 SG IVS ツールキットの使用 項目 5. 6. 説明 MAINTENANCE_FLAG メンテナンスモードでの VM ゲストパッケージの動 作が可能かどうかを示すため、この属性を使用しま す。デフォルト値は[ yes] です。 MONITOR_INTERVAL 監視サイクル間の間隔(秒単位)で、デフォルト値は 30 秒です。ツールキットは、[MONITOR_INTERVAL] 秒ごとにパッケージの状態を監視します。 vg VM ゲストまたは VM ゲストアプリケーションでバッ キングストア用にボリュームグループが使用されてい る場合、ボリュームグループ名にこの属性を割り当て る必要があります。 service_name パッケージがアップの状態のときに Serviceguard で 監視されるサービスの名前。この名前は、HP Serviceguard クラスター内の VM ゲストパッケージ で一意でなければなりません。デフォルト値は「 vm_name」 です。cmdeployvpkg コマンドの使用 時、この属性の値として <vm_name> が追加されま す。 パッケージ構成ファイルの編集が完了したら、ファイルを保存します。 パッケージ構成ファイルを検証するには、次のコマンドを実行します。 cmcheckconf –P pkg.conf 7. cmcheckconf コマンドの正常終了後、パッケージ構成ファイルを適用するには、次のコ マンドを実行します。 cmapplyconf -P pkg.conf 8. 9. パッケージの構成を変更するかどうかを確認します。デフォルト値は[ yes] です。 自動起動とパッケージのフェイルオーバーを有効にするには次のコマンドを実行します。 • $ cmmodpkg -e -n <node_1> -n <node_n> <package name> • $ cmmodpkg -e <package name> 10. パッケージのステータスを確認するには、コマンド cmviewcl を実行します。 簡易配備の使用 cmdeployvpkg コマンドを使用すると、HP Integrity VM 用の Serviceguard パッケージ構成の 作成と管理が容易に行えます。このコマンドでは、Serviceguard コマンドを使用して実行する 構成手順が自動化されます。 仮想マシンを Serviceguard パッケージとしてパッケージ化するには、cmdeployvpkg -P <vm_name> [....] を実行します。 構成を適用する前に、生成したパッケージ構成ファイルを見直し、論理ボリュームとマウント ポイントが正しく指定され、パッケージ構成ファイルに記述されていることを確認する必要が あります。 cmdeployvpkg コマンドの動作は以下のとおりです。 • Serviceguard クラスター環境を検証します。 • 仮想マシン環境を検証します。 • Serviceguard のモジュールと属性値を特定します。 • Serviceguard パッケージ構成ファイルを作成します。 • HP Integrity VM サーバーのセットを構成し、HP Integrity VM マルチサーバー環境としてグ ループ化します。 パッケージの作成 13 cmdeployvpkg コマンドの実行後に、CVM または CFS のバッキングストアエントリーを持 つ VM ゲストをパッケージ化するため、パッケージ構成の確認と修正を行います。CVM また は CFS、あるいは両方のバッキングストアエントリーをこれらのファイルに追加します。 cmdeployvpkg コマンドの詳細は、「cmdeployvpkg(1)」 のマンページを参照してください。 注記: • このスクリプトでは、テープ、DVD、バーナー、チェンジャーデバイスなど、接続された I/O デバイスに関する情報はパッケージ構成ファイルに組み込まれません。 • cmdeployvpkg コマンドを実行するには、VM ゲストが動作していなければなりません。 パッケージの管理 パッケージの起動 VM ゲストパッケージを起動するには、次のコマンドを実行します。 # cmrunpkg <package_name> パッケージのメンテナンス パッケージをメンテナンスモードに設定すると、ツールキットは VM のステータスの監視を停 止します。パッケージを停止することなく、VM ゲストのメンテナンス作業が行えます。 メンテナンスモードは、ローカルノードでのみ有効にできます。VM ゲストパッケージに対し てメンテナンスモードを有効または無効にするたびに、パッケージログファイルにイベントが 記録されます。メンテナンスモードが有効になった状態で、VM ゲストが動作している Serviceguard ノードで障害が発生すると、VM ゲストパッケージはセカンダリノードにフェイ ルオーバーされます。フェイルオーバーの前に、VM ゲストまたはパッケージ構成の変更内容 がセカンダリノードに配布されるかどうかは、プロセスのどの段階で障害が発生したかによっ て決まります。リカバリの後に、VM ゲストパッケージがメンテナンスモードでなく、すべて のノードで構成が整合していることを確認してください。 パッケージをメンテナンスモードにするには、次の手順を実行します。 1. パッケージ構成ファイルでメンテナンスモード機能を有効にするには、MAINTENANCE_FLAG 属性を「 yes」 に設定し、cmapplyconf コマンドを適用します。 2. パッケージに対してメンテナンスモードを開始するには、次のコマンドを実行します。 #cmdeployvpkg -m 1 -P <vm name> 3. メンテナンスモードを終了してパッケージを実行状態に戻すには、次のコマンドを実行し ます。 #cmdeployvpkg -m 0 -P <vm name> 注記: • VM ゲスト構成環境または Serviceguard 環境を変更した場合、cmdeployvpkg コマンド を使用して再度パッケージ化し、cmapplyconf コマンドを使用して再度適用することを お勧めします。 • メンテナンスモードが無効になっていない場合、VM の障害時に、VM ゲストパッケージ は他方のホストにフェイルオーバーされません。VM ゲストのメンテナンスが完了するた びに、メンテナンスモードを無効にすることをお勧めします。 パッケージの停止 パッケージを停止するには、次のコマンドを実行します。 # cmhaltpkg <package_name> 14 SG IVS ツールキットの使用 このコマンドを実行すると、パッケージを停止させるために、特定の VM 上で hpvmstop コ マンドが呼び出されます。 パッケージの削除 クラスターからパッケージを削除するには、cmdeployvpkg コマンドに -U オプションを指定 して実行します。 たとえば、#cmdeployvpkg -P vm1 -U のようにします。 注記: HP Serviceguard コマンド cmdeleteconf を使用すると、Serviceguard パッケージか ら VM の割り当てを解除する必要があるため、このコマンドの使用はお勧めできません。 パッケージの変換 HP Integrity VM Serviceguard ツールキットを使用して作成したパッケージを、SG IVS ツール キットを使用するパッケージに変換することができます。変換の方法は、VM ゲストで動作し ているアプリケーションのダウンタイムの重大度によって決まります。 • オフラインパッケージ変換: アプリケーションのダウンタイムが許容される場合、オフラ インパッケージ変換を選択することができます。 オフラインでのパッケージの変換手順 1. VM ゲストパッケージを停止して、VM ゲストとそのゲスト上で動作しているアプリ ケーションを終了します。 2. 新しいパッケージを作成します。 たとえば、オフラインモードで新しいパッケージを作成するには、以下のコマンドを実行 します。 1. cmhaltpkg <vm_name> コマンドを実行します。 2. パッケージディレクトリをバックアップします。 3. オプション: hpvmsg_package -U -P <vm_name> を実行します。 4. cmdeployvpkg -P <vm_name> [...] コマンドを実行します。このコマンドを実 行すると、既存の構成ファイルが上書きされます。 5. オプション: 作成されたパッケージ構成ファイルを確認し、編集します。 6. cmcheckconf -P <vm_name.conf> コマンドを実行します。 7. cmapplyconf -P <vm_name.conf> コマンドを実行します。 8. cmrunpkg <vm_name> コマンドを実行します。 新しいパッケージの作成に関する詳細は、「パッケージの作成」 (12 ページ) を参照して ください。 • オンラインパッケージ変換: ゲストアプリケーションのダウンタイムが許容されない場合、 オンラインパッケージ変換を選択することができます。 古いパッケージを、SG IVS ツールキットモジュールを使用する新しいパッケージに変換 するには、cmdeployvpkg コマンドに -C オプションを指定して実行します。 cmdeployvpkg コマンドを実行すると、コマンドは次のように動作します。 1. 内部的に hpvmmigrate コマンドを実行します。 2. OVMM の正常終了後に、このパッケージ上で cmdeleteconf コマンドを実行しま す。 3. cmdeployvpkg -P {vm_name} -n {source-node} -n {target-node} コマ ンドを実行します。 注記: 新しい構成ファイルには、最小限の構成情報しか記述されません。そのため、 cmdeployvpkg -P {vm_name} -n {package-nodes} コマンドに適切なオプショ ンを指定して実行することをお勧めします。 4. パッケージ構成ファイルを確認し、編集します。 パッケージの管理 15 注記: cmdeployvpkg コマンドを使用して古いパッケージを新しいパッケージに 変換した場合、古い構成ファイルは新しい構成ファイルに置換されます。新しいファ イルが作成される前に、古い構成ファイルは (パッケージディレクトリ内の) .backup ディレクトリに移されます。必要に応じて、新しいパッケージ構成ファイルを確認 し、編集する必要があります。 5. 「Serviceguard コマンドの使用」 (12 ページ) の説明に従って、手順 5~10 を手動で 実行します。 例: オンラインモードでの古いパッケージから新しいパッケージへの変換手順 1. #cmdeployvpkg -C -P <vm_name> [...] コマンドを実行します。 2. パッケージ構成ファイルを確認し、編集します。 3. cmcheckconf -P <vm_name.conf> コマンドを実行します。 4. cmapplyconf -P <vm_name.conf> コマンドを実行します。 5. cmrunpkg <vm_name> コマンドを実行します。 注記: この方法では、OVMM 技法が利用されます。そのため、OVMM のすべての要件 を考慮する必要があります。 cmdeployvpkg コマンドを実行する前に、パッケージディレクトリのバックアップを保 存してください。cmdeployvpkg コマンドで新しいパッケージ構成ファイルが作成され た後、パッケージの編集、適用、起動を行う必要があります。 パッケージの作成と管理に関する詳細は、「パッケージの作成」 (12 ページ) と「パッケー ジの管理」 (14 ページ) を参照してください。 16 SG IVS ツールキットの使用 5 ゲストアプリケーション監視サービスの構成 HP Serviceguard VM ゲストアプリケーション監視サービスは、同じ VM ゲスト内に構成され ているアプリケーションのステータスをチェックするための、VM ゲスト内に構成されたプロ グラムまたはエージェントです。HP では、HP Serviceguard パッケージとして構成された VM ゲスト内のアプリケーションの監視と制御をサポートしています。この機能は、JRE (Java ラン タイム環境) を使用して HP-UX、Linux、または Windows ゲスト上で動作するアプリケーショ ンで利用でき、次のような利点があります。 • Serviceguard で制御される VM ホストから、VM ゲスト内のアプリケーションのステータ スをチェックします。 • HP Serviceguard 機能を使用して、監視対象 VM ゲストアプリケーションの起動および障 害検出を行う機能 (再起動、ゲストフェイルオーバー) があります。 • カスタム記述ソフトウェアに依存しない、アプリケーション監視フレームワークがサポー トされます。 アプリケーションを監視するための方法は、監視対象のアプリケーションによって異なりま す。既存のプロセス ID を検証する場合もあれば、アプリケーションのパフォーマンスを検証 する場合もあります。また、アプリケーション監視サービスでは、アプリケーションの障害発 生中のリカバリ処理が行われます。検出された障害のタイプに基づいて、リカバリ処理を変え ることができます。指定の回数だけアプリケーションの再起動や、VM ゲストの停止を試行し ます。この処理がトリガーとなって、HP Serviceguard が VM ゲストパッケージを他の引き継 ぎ VM ホストクラスターメンバーにフェイルオーバーします。 Serviceguard VM ゲストアプリケーション監視アーキテクチャー 図 2 Serviceguard VM ゲストアプリケーション監視アーキテクチャー 図 2 「Serviceguard VM ゲストアプリケーション監視アーキテクチャー」では、VM ゲスト パッケージは cmappmgr サービスとゲストサービスを含む Serviceguard パッケージです。 HP Serviceguard ゲストアプリケーション監視の主要コンポーネントは、次のとおりです。 • アプリケーションマネージャー cmappmgr (VM ゲストアプリケーションごとに 1 つ): こ のアプリケーションは、VM ゲストパッケージによって制御されるサービスとして動作し ます。 17 注記: 1 つの VM ゲストパッケージ内で複数の cmappmgr サービスを構成することがで きます。監視対象の VM ゲストアプリケーションごとに 1 つずつ構成可能です。 • アプリケーションサーバー cmappserver (VM ゲストごとに 1 つ): このアプリケーショ ンは、VM ゲスト内のプロセスとして動作し、アプリケーションマネージャーに割り当て られたアプリケーションを監視します。 このアーキテクチャーでは、アプリケーションマネージャーとアプリケーションサーバーは、 JSSE を使用して SSL 接続によって通信します。 アプリケーションマネージャー cmappmgr は、通信用に TCP または IP ポート 5315 を使用し て、監視対象 VM ゲスト内のアプリケーションサーバープロセス cmappserver との接続を開 始し、維持します。その主な機能は、以下の処理により、指定のコマンドを実行して、同コマ ンドの実行を監視することです。 • 指定のプロセスを実行するよう cmappserver に要求を送信 • 監視対象プロセスのステータスをチェックするため、定期的に cmappserver にポーリン グメッセージを送信 cmappmgr には、次の機能もあります。 • Serviceguard のパッケージログファイルと syslog にエラーメッセージを記録 • 終了する監視対象プロセスから受信した理由のコードを付けて終了 • 監視対象プロセスの終了時に終了 cmappmgr は、HP Serviceguard 監視対象サービスとして実行するように構成したり、VM ホ ストクラスター上の VM ゲストパッケージのカスタマー定義スクリプトまたは外部実行スクリ プトから呼び出すように構成したりすることができます。 アプリケーションサーバー cmappserver は、VM ホスト上で動作するアプリケーションマ ネージャープロセス cmappmgr からの要求に対応します。要求されるのは、VM ゲスト上で指 定のプロセスを実行し、監視対象プロセスのステータスを定期的にチェックし、プロセスの終 了時に終了コードを返すことです。cmappserver は、cmappmgr で監視可能な最大 30 の同 時処理可能プロセスへの接続が行える、監視対象 VM ゲスト上で動作する軽量のデーモン (約 36k) です。 図 2 「Serviceguard VM ゲストアプリケーション監視アーキテクチャー」で、app1 および app2 は、VM ホストクラスター上で動作する HP Serviceguard によって監視される VM ゲス ト内で動作する 2 つのアプリケーションです。VM ゲスト内で動作する cmappserver デーモ ンプロセスは、2 つの cmappmgr プロセスとの通信接続を行います。1 つの通信接続は、VM ゲストパッケージによって監視される HP Serviceguard サービスとして動作する各監視対象ア プリケーション (app1 および app2) 用に行われます。SG IVS ツールキットの一部である VM ゲストサービスにより、VM ゲスト全体が監視されます。 18 ゲストアプリケーション監視サービスの構成 図 3 監視対象 VM ゲストアプリケーションの障害 VM ゲスト内の監視対象アプリケーション (たとえば、図 3 「監視対象 VM ゲストアプリケー ションの障害」に示す app1) で障害が発生すると、このイベントとアプリケーションの終了 コードが、VM ホスト上で動作中の該当する cmappmgr プロセスに通知されます。監視対象ア プリケーションの cmappmgr プロセスで障害が発生すると、HP Serviceguard により cmappmgr が再起動されます。VM ゲスト上のアプリケーションも再起動されます。HP Serviceguard が cmappmgr と VM ゲストアプリケーションの再起動を試みる回数は、ゲストパッケージ内の cmappmgr サービスに対して設定される service_restart 値によって定義されます。再起 動を試みる回数が service_restart 値を超えると、図 4 「アプリケーションの障害による VM ゲストのフェイルオーバー」に示すように、HP Serviceguard により、VM ゲストパッケー ジが構成済みの VM ホストフェイルオーバーノードにフェイルオーバーされます。 図 4 アプリケーションの障害による VM ゲストのフェイルオーバー ゲストゲストアプリケーション監視サービスの構成手順 クライアントまたはサーバーのセキュリティキーを作成し、配布します。 VM ホスト上で cmappmgr.conf ファイルを構成します。 VM ゲスト上で cmappserver デポをインストールします。 VM ゲスト上で cmappserver.conf ファイルを構成します。 VM ゲスト内の特定のアプリケーションを起動または監視するには、VM ゲストパッケー ジを修正します。 6. アプリケーション監視および VM ゲストのフェイルオーバー動作をテストします。 VM 1. 2. 3. 4. 5. 19 VM ホストクラスターノードに HP Serviceguard A.11.19 以降をインストールすると、cmappmgr または cmappserver ソフトウェアがインストールされ、次のファイルとディレクトリが作成 されます。 • /etc/cmappmgr.conf (セキュリティ構成ファイル) • /usr/sbin/cmappmgr (cmappmgr デーモン) • /opt/hp/serviceguard/cmappserver (HPUX、Linux、および Windows ゲスト用 の cmappserver ソフトウェアデポを含む) アプリケーション監視の構成手順 1. クライアントまたはサーバーのセキュリティキーを作成し、配布します。 cmappmgr デーモンと cmappserver デーモンは、JSSE および JRE を使用し、セキュア な SSL 接続によって通信します。システム管理者は、SSL セキュリティキーを生成し、ク ラスターの VM ホストおよび VM ゲストに配布する必要があります。セキュリティキー は、cmappmgr または cmappserver の初期接続中に、認証のために使用されます。キー の管理には、JRE に付属している keytool プログラムを使用します。 SSL の設定の概要 クライアントとサーバーの通信のため、公開鍵と秘密鍵のペアを生成する必要がありま す。VM ゲストアプリケーション監視では、VM ゲストの cmappserver がサーバーとし て機能し、VM ホストの cmappmgr がクライアントとして機能します。署名付き公開認証 情報は、Java keytool プログラムを使用して生成されます。セキュアな通信を確立するた め、署名付き公開認証情報を最初に VM ホストと VM ゲストに配布する必要があります (つまり、クライアントに配布されるサーバー公開認証情報、およびサーバーに配布される クライアント公開認証情報)。生成されたキーファイルのデフォルトの格納場所は、次のと おりです。 • VM ホストの場合: /etc • VM ゲストの場合: ◦ HP-UX Linux: /opt/hp/cmappserver ◦ Windows: C:\Program Files\Hewlett-Packard\cmappserver VM ホストでのキー生成 keytool プログラムを使用して client.private、client.public、および temp.key セキュリティキーを生成するには、1 つの VM ホスト上で次の 3 つのコマンドを実行する 必要があります。 これらのコマンドの詳細は、http://java.sun.com/j2se/1.4.2/docs/tooldocs/solaris/ keytool.html. を参照してください。 これらのコマンドでは、アプリケーション監視の構成を正しく行うためのデフォルトの キー名と場所が作成されます。 HP Serviceguard コマンドでは、パッケージ化された VM ゲストの起動とシャットダウン が制御されます。 注記: これらのコマンドを実行する前に、現在のディレクトリを作成 し、/etc/cmcluster/cmappmgr に設定してください (HP-UX の cd コマンド)。 a. 20 keytool -genkey -alias clientprivate -keystore client.private -storepass clientpw -keypass clientpw -validity 400 ゲストアプリケーション監視サービスの構成 警告! Linux システムでは、キーの生成中や Java の"gcj"バージョン ("jre-1.4.2-gcj"な ど) の使用中に問題が発生することがあります。問題が発生した場合、別のバージョ ン Java™ と、それに対応する keytool を使用する必要があります。 注記: b. c. • このコマンドでは、キーの使用を明文化するために、ユーザー名、組織、物理的 な位置情報を求められます。 • キーの有効日数を指定するため、—validity パラメーターを使用します。これ は秘密鍵には影響しませんが、必須のパラメーターです。 keytool -export -alias clientprivate -keystore client.private -file temp.key -storepass clientpw keytool -import -noprompt -alias clientpublic -keystore client.public -file temp.key -storepass public VM ゲストでのキー生成 server.private、server.public、および temp.key セキュリティキーを生成する には、各 VM ゲスト上で次の 3 つのコマンドを実行する必要があります。これらのコマン ドを実行する前に、HP-UX/Linux ゲストでは現在のディレクトリを /opt/hp/ cmappserver に、Windows ゲストでは現在のディレクトリを C:\Program Files\ Hewlett-Packard\cmappserver に設定してください。 a. keytool -genkey -alias serverprivate -keystore server.private -storepass serverpw -keypass serverpw -validity 400 注記: このコマンドでは、キーの使用を明文化するために、ユーザー名、組織、物 理的な位置情報を求められます。 b. c. keytool -export -alias serverprivate -keystore server.private -file temp.key -storepass serverpw keytool -import -noprompt -alias serverpublic -keystore server.public -file temp.key -storepass public SSL キーの配布 1 つの VM ホスト上でキーを作成したら、他のすべての VM ホストで同じ client.public キーを使用する必要があります。各 VM ゲストでは独自の server.public キーが生成 されるため、server.public をリネームする場合は、それぞれの VM ゲスト用の一意の 名前を使用する必要があります。たとえば、# mv server.public server_[guest name].public のようにします。 VM ホストと VM ゲスト間でのキーの配布手順 a. client.public ファイルを、VM ホストの /etc/cmcluster/cmappmgr ディレク トリからすべての VM ゲストの /opt/hp/cmappserver ディレクトリにコピーしま す。 b. 一意の名前の server.public ファイルを、すべての VM ゲストから VM ホストの /etc/cmcluster/cmappmgr ディレクトリにコピーします。たとえば、 server.public は server_mmpf121.public にリネームします。 c. すべてのキーファイルを、最初の VM ホストの /etc/cmcluster/cmappmgr ディ レクトリから他のすべての VM ホストノードの同じディレクトリにコピーします。 2. VM ホスト上で cmappmgr.conf ファイルを構成します。 VM ホスト上の /etc/cmappmgr.conf ファイルは、VM ホストからの cmappmgr と cmappserver の通信に使用される SSL キーの位置情報を指定するのに使用されます。 keyStore の位置 (client.private など)、trustStore の取得元となった VM ゲストの名前 21 (ゲスト mmpf121 など)、trustStore ファイルの名前 (server_mmpf121.public など) の例を 以下に示します。 ############################################################### # (C) Copyright 2008 Hewlett-Packard Development Company, L.P. # @(#) SG cmappmgr Configuration File # @(#) Product Name : HP SG cmappmgr conf file # @(#) Product Version : %%SG_VERSION%% # @(#) Patch Name : %%SG_PATCH%% # ############################################################### keyStore=/etc/cmcluster/cmappmgr/client.private # If unspecified, the default value is /etc/client.private keyStorePassword= # If unspecified, the default value is clientpw # Specify node name where the trustStore comes from, followed by a ":", e.g., mmpf121: trustStore=/etc/cmcluster/cmappmgr/server_mmpf121.public trustStorePassword=public # If unspecified, the default value is /etc/server.public # If unspecified, the default value is public 3. VM ゲスト上で cmappserver デポをインストールします。 アプリケーションを実行している VM ゲスト上で cmappserver をインストールするに は、cmappserver デポソフトウェアを、VM ホストの /opt/hp/serviceguard/ cmappserver ディレクトリから監視対象の VM ゲストにコピーする必要があります。デ ポソフトウェアのコピー先は、監視対象となる VM ゲストのタイプによって異なります。 HP-UX ゲスト (サブディレクトリ 11iv2 または 11iv3) の場合: • デポ cmappserver.depot を、VM ホストから VM ゲストの /tmp ディレクトリに コピーします。 • 必要なファイルを VM ゲストの /opt/hp/cmappserver ディレクトリにインストー ルするには、swinstall -s /tmp/cmappserver.depot CMAPPSERVER コマン ドを実行します。 Linux VM ゲスト (サブディレクトリ redhat または sles) の場合: • rpm ファイルを、VM ホストから VM ゲストのローカルディレクトリにコピーしま す。 • 必要なファイルを VM ゲストの /opt/hp/cmappserver ディレクトリにインストー ルするには、rpm -i cmappserver_rhel5_ia64.rpm コマンド (Red Hat の場合)、 または rpm -i cmappserver_sles_ia64.rpm コマンド (SLES 10 の場合) を実行 します。 注記: cmappserver がインストールされている場合、—I の代わりに —u を使用し ます。 • パスに /opt/hp/cmappserver を追加します。 • Java 1.4.2、1.5、または 1.6 がインストールされ、パスに組み込まれていることを 確認します。 Windows VM ゲスト (サブディレクトリ windows) の場合: 22 • cmappserver.exe ファイルを、VM ホストから VM ゲストのローカルディレクトリ にコピーします。 • 必要なファイルを VM ゲストの C:\Program Files\Hewlett-Packard\ cmappserver ディレクトリにインストールするには、cmappserver.exe ファイル を実行します。 • Java 1.4.2、1.5、または 1.6 が VM ゲストにインストールされていることを確認し ます。 ゲストアプリケーション監視サービスの構成 4. VM ゲスト上で cmappserver.conf ファイルを構成します。 cmappmgr.conf ファイルと同様に、VM ホスト上の cmappserver.conf ファイルは、 VM ホストからの cmappmgr と cmappserver の通信に使用される SSL キーの位置情報 を指定するのに使用されます。以下に cmappserver.conf ファイルの例を示します。 ############################################################### # (C) Copyright 2008 Hewlett-Packard Development Company, L.P. # # Serviceguard cmappserver Configuration File # cmappserver.conf version 1.0 ############################################################### keyStore= # If unspecified, the default value is /opt/hp/cmappserver/server.private on # HP-UX and Linux systems, Program Files\Hewlett-Packard\cmappserver\server.private # on Windows. keyStorePassword= # If unspecified, the default value is serverpw trustStore= # If unspecified, the default value is /opt/hp/cmappserver/client.public on # HP-UX and Linux systems, Program Files\Hewlett-Packard\cmappserver\client.public # on Windows. trustStorePassword= # If unspecified, the default value is public 5. VM ゲスト内の特定のアプリケーションを起動または監視するよう VM ゲストパッケージ を修正するには、次のいずれかを実行します。 • 既存の VM ゲストパッケージ構成ファイルを手動で編集します。 VM ゲスト内の特定のアプリケーションを監視する場合は、各監視対象アプリケーショ ンに対する VM ゲストパッケージのサービスセクションに cmappmgr エントリーを 追加します。 以下の例には、VM ゲスト mmpf121 を監視するためのサービスエントリー (HP Serviceguard または HP Integrity VM Serviceguard ツールキットを使用して自動的に 構成されたもの) と、HP Serviceguard モジュラー形式のパッケージ内で VM ゲスト パッケージ mmpf121 用の監視対象サービスとして xclock アプリケーションを追加す る方法を示します。 service_name mmpf121 service_cmd /etc/cmcluster/mmpf121/hpvmsg_mon mmpf121 #service_restart #service_fail_fast_enabled service_halt_timeout 300 service_name mmpf121-xclock service_cmd "/usr/sbin/cmappmgr -node mmpf121 -cmappserver_timeout 240 -service /usr/bin/X11/xclock -display 16.213.12.70:0.0" service_restart 3 #service_fail_fast_enabled service_halt_timeout 300 以下の例には、HP Serviceguard の従来の形式のパッケージで Windows VM ゲスト上 で Apache Web サーバーを監視する方法を示します。 SERVICE_NAME[1]=v-smp25_guest_apache SERVICE_CMD[1]=/usr/sbin/cmappmgr –node v-smp25 –service "\”C:\\Program Files\\apache group\\apache\\apache\"” SERVICE_RESTART[1]="-r 1“ • 既存の VM ゲストパッケージ構成ファイルを自動的に編集します。 既存の VM ゲストパッケージ構成ファイルにゲストアプリケーションモニターを追加 するには、cmdeployvpkg コマンドに -x appmon オプションを指定して実行しま す。 23 注記: 既存のパッケージ構成ファイルに新しい構成を追加するには、-x merge オ プションを使用します。その VM ゲスト用にすでにパッケージが作成されている場 合、cmdeployvpkg コマンドに -x merge オプションを指定して実行します。 例: ◦ 対話型モードで cmdeployvpkg コマンドを実行するには、次のコマンド例を使 用します。 #cmdeployvpkg -P vm1 -x merge -x appmon ◦ クワイエットモードで cmdeployvpkg コマンドを実行するには、次のコマンド 例を使用します。 #cmdeployvpkg -Q -P vm1 -x merge -x appmon=app_mon:/application/directory/app-mon-script:10:1:300 cmappmgr では、次のオプションが使用できます。 • -node: 監視のためのアプリケーションを実行している VM ゲスト • -cmappserver_timeout: cmappserver の接続タイムアウト (秒) • -service: VM ゲスト内で実行および監視するためのアプリケーションの実行文字列 cmappmgr コマンド行の cmappmgr_timeout オプションには、秒単位の時間を指定しま す。cmappmgr は、cmappserver からの応答を待って、終了します。この終了により、 service_restart 値と HP Serviceguard で cmappmgr が再起動された回数に基づいて、 サービスの再起動または VM ゲストのパッケージのフェイルオーバーがトリガーされま す。cmappmgr_timeout 値は、VM ゲストと cmappserver デーモンの両方を起動する のに必要な十分な時間を考慮して初期設定しておく必要があります。監視対象アプリケー ションの誤った障害検出が行われないように、VM ゲスト内でこの値を設定する必要があ ります。 注記: HP Serviceguard A.11.20 リリースでは、VM ゲストのオンライン移行を使用して いる VM ゲストを対象に、アプリケーション監視がサポートされています。HP Serviceguard A.11.19 ではサポートされていません。VM ゲストのオンライン移行をサポートするに は、VM ゲストに送信されるすべてのサービスコマンド文字列が一意でなければなりませ ん。そのため、cmappmgr を使用して VM ゲスト内で同一アプリケーションの 2 つのイ ンスタンスが起動され、監視される場合、2 つのいずれかにスペースが追加されているだ けであっても、サービス文字列は異なっていなければなりません。 6. アプリケーション監視および VM ゲストのフェイルオーバー動作をテストします。 VM ゲストアプリケーション監視を構成した後、VM ゲスト上で監視対象のアプリケーショ ンを終了し、以下を検証することにより、アプリケーションの再起動と VM ゲストのフェ イルオーバーをテストする必要があります。 • cmappmgr の SERVICE_CMD 用の SERVICE_RESTART カウンターにより、アプリケー ションの増加が監視されていること • SERVICE_RESTART 値の超過後に、VM ゲストがスタンバイ VM ホストノードにフェイ ルオーバーされること アプリケーション監視サービスの構成例 # cmdeployvpkg -P slvm1 -x merge -x appmon This is the HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers package creation script. This script assists you to create and manage HP Serviceguard package configurations for VM guest and associated toolkit configuration files. HP recommends that you review and modify the configuration file created by this script, as needed, for your particular environment. Do you wish to continue? (y/n):y 24 ゲストアプリケーション監視サービスの構成 [Virtual Machine Details] Virtual Machine Name VM # OS Type State ==================== ===== ======= ======== slvm1 8 HPUX On (OS) [Storage Interface Details] Guest Physical Device Adaptor Bus Dev Ftn Tgt Lun Storage Device ======= ========== === === === === === ========= ========================= disk scsi 0 2 0 2 0 disk /dev/rdisk/disk109 [Network Interface Details] Interface Adaptor Name/Num PortNum Bus Dev Ftn Mac Address ========= ========== ========== ======= === === === ================= vswitch lan localnet 2 0 0 0 0a-49-5b-35-75-27 vswitch lan myswitch 1 0 1 0 f2-54-d5-3b-fd-c7 Modify the packaged Virtual Machine Summarized above? (y/n):y Checking the virtual machine and cluster configuration Configure an application monitor service? (y/n):y Enter the name for this application monitor name [appmon0]:ping_mon You have entered: ping_mon Hit return to confirm your entry: Enter the command line of the run command on the guest[]:/apps/ping_mon You have entered: /apps/ping_mon Hit return to confirm this entry: Enter the number of seconds to elapse before timeout. [10]: You have entered: 10 Hit return to confirm this entry: Enter the number of time the application monitor should restart [none]: You have entered: none Hit return to confirm this entry: Enter the number of seconds to wait before terminating the application monitor [300]: You have entered: 300 Hit return to confirm this entry: You have enter the following application monitor values: Name: Run command: Application timeout: Service restart: Service halt timeout: ping_mon /apps/ping_mon 10 none 300 Hit return to confirm this entry: Enter an additional application monitor? (y/n):n Checking communications with the application monitor server on : slvm1 Merging application monitor service with existing package configuration file Review and/or modify the package configuration file (optional)? (y/n):y Invoking editor : vi on file /etc/cmcluster/slvm1/slvm1.conf "/etc/cmcluster/slvm1/slvm1.conf" 637 lines, 26089 characters . . ~ :q Copy the package files to each cluster member? (y/n):y Configure this virtual machine as a distributed guest? (y/n):y The virtual machine has been successfully configured as a Serviceguard package. Use cmcheckconf check the package configuration file (optional)? (y/n):y cmcheckconf: Verification completed with no errors found. Use the cmapplyconf command to apply the configuration Apply the package configuration file to the cluster (optional)? (y/n):y One or more of the specified packages are running. Any error in the proposed configuration change could cause these packages to fail. Ensure configuration changes have been tested before applying them. Modify the package configuration ([y]/n)? y 25 Completed the cluster update Please see the HP Serviceguard Toolkit for Integrity Virtual Servers user guide for additional instructions on configuring Virtual Machines as Serviceguard packages. Before running this package: 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. Review the files located in /etc/cmcluster/slvm1/. Add new LVM Volume Groups to the cluster configuration file, if any. Check the cluster and/or package configuration using the cmcheckconf command. Apply the cluster and/or package configuration using the cmapplyconf command. Unmount file systems and deactivate non-shared volumes used by the virtual machine. Start dependent packages associated with shared LVM, CVM or CFS backingstores. Start the package using: cmrunpkg slvm1 # cmappmgr/cmappserver の組み合わせのアップグレード HP Serviceguard のアップグレード中に、2 つの方法で VM ゲスト監視機能をアップグレード できます。この 2 つの方法の違いは、VM ゲストアプリケーションのダウンタイムと比較した ライブ移行の回数です。 プロセス 1: このプロセスでは、cmappserver の動作状況を利用します。cmappserver が cmappmgr と通信できない場合、監視していたアプリケーションを停止しませんが、監視機能 が働いていません。 このプロセスでは、以下が実行されます。 • すべてのノードでのアプリケーション管理の無効化 • 段階的アップグレードの実行 • すべての VM ゲスト上での cmappserver のアップグレード • アプリケーション監視の再有効化 VM ゲスト監視機能をアップグレードするためのこのプロセスの適用手順 1. オプション: HP Serviceguard A.11.19 から HP Serviceguard A.11.20 へのアップグレード の場合、余分なスペースが追加されているだけであっても、VM ゲストへのすべてのサー ビスコールが一意でなければなりません。 注記: 2. 3. これは HP Serviceguard A.11.20 の要件です。 アプリケーション監視を無効にする (cmappmgr コールのコメントアウト) には、すべての パッケージを編集します。 パッケージを再適用します。 再適用中はアプリケーション監視が使用されないため、これらの VM ゲストはライブ移行 が可能です。 注記: 4. 各種 cmappmgr サービスが停止していることを確認してください。 1 つのノードのすべての VM ゲストをライブ移行し、そのノードの HP Serviceguard を アップグレードします。ノードのアップグレードが完了すると、他の HP Integrity VM ゲ ストパッケージをこのノードにライブ移行できます。 注記: ライブ移行で問題があった場合はパッケージを移動できますが、最後の手順が完 了するまで、サービスは停止し、再起動できません。 5. 6. 7. 8. 26 アップグレードが必要な各ノードのパッケージをライブ移行し、そのノードをアップグ レードします。 オプション: クラスターと VM ゲストのバランスを取るため、ノード間のパッケージをラ イブ移行します。 すべての VM ゲスト内で cmappserver を更新します。 ゲスト監視を使用していた HP Integrity VM ゲストパッケージの場合、以下を実行します。 a. パッケージを停止します。 ゲストアプリケーション監視サービスの構成 b. c. d. 各パッケージですべての cmappmgr コールを再度有効にします。 パッケージを再度有効にします。 パッケージを起動します。 注記: ライブ移行の間と、パッケージの停止と再起動の間は、一時的に VM ゲストのアプリ ケーションは利用できません。 プロセス 2: このプロセスでは、ライブ移行ではなく、VM ゲストのリブートが可能です。最初 のリブートの後、VM ゲストのサービスが停止し、アップグレードが完了するまでは再起動さ れません。 このプロセスでは、以下が実行されます。 • すべてのノードでのアプリケーション管理の無効化 • 段階的アップグレードの実行: パッケージを停止すると VM ゲストアプリケーションも停 止します。 • すべてのゲスト上での cmappserver のアップグレード • アプリケーション監視の再有効化 アップグレードのためのこのプロセスの適用手順 1. オプション: HP Serviceguard A.11.19 から HP Serviceguard A.11.20 へのアップグレード の場合、余分なスペースが追加されているだけであっても、VM ゲストへのすべてのサー ビスコールが一意でなければなりません。 注記: 2. 3. これは HP Serviceguard A.11.20 の要件です。 アプリケーション監視を無効にする (cmappmgr コールのコメントアウト) には、すべての パッケージを編集します。 パッケージを再適用します。 注記: 各種 cmappmgr サービスが停止していることを確認してください。停止していな い場合は停止してください。 4. 5. 各ノードで段階的アップグレードを実行します。 すべての HP Integrity VM ゲストパッケージが動作していることを確認します。 注記: 6. 7. VM ゲストのサービスは動作しません。 すべてのゲスト内で cmappserver を更新します。 VM ゲスト監視を使用していた HP Integrity VM ゲストパッケージの場合、以下を実行しま す。 • パッケージを停止します。 • 各パッケージですべての cmappmgr コールを再度有効にします。 • パッケージを再度有効にします。 • パッケージを起動します。 cmappmgr/cmappserver の組み合わせのアップグレード 27 6 VM ゲストパッケージのオンライン移行 オンライン VM 移行 (OVMM) では、サービスを中断させることなく、動作中の VM ゲストと そのアプリケーションをある VM ホストから別の VM ホストに移動させることができます。 SG IVS ツールキットを使用すると、HP-UX ゲスト用の Serviceguard パッケージとしての VM の OVMM が行えます。 OVMM では、VM ホストでの計画的メンテナンス中および手動での VM ホスト間のワークロー ドの調整中にアプリケーションのダウンタイムを最小限に抑えることができ、HP Serviceguard により計画外のハードウェアおよびソフトウェアの障害に対する保護も行われます。また、ゲ ストが計画外の VM ホストのハードウェアまたはホストウェア障害や VM ゲスト自体の障害か ら保護されます。移行の期間全体を通して、ストレージやネットワークに対するすべての仮想 マシンの I/O 接続はアクティブな状態が維持されます。 cmmovevpkg では HP Serviceguard によって保護される仮想マシンのオンライン移行が実行さ れますが、このとき、VM ゲストの計画的/計画外ダウンタイムが最小限に抑えられます。こ の場合、計画したイベントの間、最小限の中断で VM ゲストをオンライン移行しながら、仮想 マシンは HP Serviceguard によって通常動作中の計画外の障害から保護されます。 たとえば、# cmmovevpkg -v -P slvm1 -h xyzo2 のようにします。 注記: SG IVS ツールキットは、実際の移行プロセス中に VM の監視ができないため、このプ ロセス中の保護は行いません。 cmmovevpkg コマンドの詳細は、「cmmovevpkg(1m)」 のマンページを参照してください。 Serviceguard パッケージとしての VM のオンライン移行を行うには、cmmovevpkg コマンド を実行します。このコマンドは次の処理を行います。 1. Serviceguard VM ゲストパッケージの切り替えを無効にします。そのため、監視およびフェ イルオーバー機能も無効になります。ただし、VM ゲストはソース VM ホスト上では動作 を続行します。 2. cmmovevpkg コマンドから自動的に呼び出される hpvmmigrate コマンドを使用して、 VM ゲストをオンラインでターゲット VM ホストに移行します。 3. VM ゲストパッケージの切り替えを再度有効にします。そのため、HP Serviceguard による VM ゲストの監視とフェイルオーバーが可能になります。 注記: • オンライン VM 移行で許可されるバッキングストアのタイプには、「ディスク全体」と 「共有 LVM 論理ボリューム」があります。Serviceguard パッケージとしての VM でオン ライン VM 移行を行う場合、VM ゲストの構成をこれらのいずれかのバッキングストアの タイプに制限する必要があります。 • Integrity VM のオンライン移行をサポートするには、「T8718AC」 製品をインストールし てください。 SLVM の構成手順と SLVM の制限事項に関する詳細は、HP Integrity Virtual Machines 4.3: イン ストール/構成/管理ガイド > 論理ボリュームバッキングストアを使用する VM の移行を参照 してください。 Integrity VM の OVMM の制限事項に関する詳細は、HP Integrity Virtual Machines 4.3: インス トール/構成/管理ガイド > オンライン VM マイグレーションの制限事項を参照してください。 28 VM ゲストパッケージのオンライン移行 7 トラブルシューティング ここでは、Serviceguard クラスターで SG IVS ツールキットを使用しているときに発生する可 能性のある問題のシナリオをいくつか紹介します。 問題:のシナリオ 考えられる原因 syslog/パッケージログに以下のエ ラーが記録された場合: パッケージの起動時に VM ゲストの VM ホストまたは VM ゲストのネット OS が起動されていなかったため、 ワークか DNS の構成、または SSL の cmappmgr が VM ゲスト上で 設定を確認してください。 cmappserver と通信できませんで した。このエラーが繰り返し発生す る場合、VM ホストまたは VM ゲス トのネットワークか DNS の構成に 問題があるか、SSL の設定に問題が ある可能性があります。これは cmappmgr から記録されます。その ため、使用法とトラブルシューティ ングについては cmappmgr のガイド を参照してください。 Jul 28 17:26:06 node1 cmappmgr[5654]: Could not connect to the node slvm1 Connection timed out (errno:238) Jul 28 17:26:06 node1 cmappmgr[5654]: java.net.ConnectException: Connection timed out (errno:238) — Jul 28 17:26:06 node1 cmappmgr[5654]: PROGRAM EXIT CODE 1 推奨の対処法 パッケージログに以下の警告が記録 パッケージの起動中に、パッケージ cmdeployvpkg コマンドに —m 0 オ された場合: のディレクトリ内にメンテナンス プションを指定して実行してくださ ファイルが検出されました。 い。 <hostname> WARNING: Maintenance mode is enabled 注記: メンテナンスモードが無効に for the package なっておらず、MAINTENANCE <hostname> Disable the _FLAG の構成が yes になっている maintenance mode to start 場合、VM ゲストの障害時に、VM service monitoring ゲストパッケージは他方のホストに フェイルオーバーされません。 パッケージログに以下のエラーが記 VM ゲストプロセスで予期しない障 録された場合: 害が検出されました。サービス監視 Service monitor detected a 中に、特定の VM ゲストプロセスが failure in guest <vm_name>. 検出されず、メンテナンスモードが 有効になっていません。 HP Serviceguard によってパッケージ のフェイルオーバーが行われない場 合、パッケージを再起動してくださ い。 cmdeployvpkg コマンドでパッケー ジのディレクトリを作成しました が、十分なパーミッションが与えら れていませんでした。 以下のように chmod コマンドを使用 して、各クラスターメンバーのパッ ケージディレクトリにパーミッション を与えてください。 # cmapplyconf -P /etc/cmcluster/hpvm-sg1-g4 /hpvm-sg1-g4.conf コマンドの実 行時、次のエラーが表示される。 Incorrect permissions for /etc/cmcluster/hpvm-sg1-g4 (40777). Directory must be executable for owner, and not writable by group and others on node hpvm-sg1-h1. # chmod go-w /etc/cmcluster/<vm_name> 29 8 制限事項 ここでは、Serviceguard クラスターでの SG IVS ツールキットの制限事項を示します。 30 • オンラインパッケージ変換では、アプリケーションモニターサービスなど、古いパッケー ジ用に構成されたカスタムサービスや構成は追加されません。 • cmdeployvpkg コマンドでは、NFS はバッキングストアとして構成ファイル内に追加さ れません。手動で構成ファイルに追加する必要があります。 制限事項 9 サポートとその他のリソース ご連絡の前にご用意いただく情報 ご連絡いただく前に、次の情報をお手元にご用意ください。 • ソフトウェアの製品名 • ハードウェアの製品モデル番号 • オペレーティングシステムの種類とバージョン • 該当するエラーメッセージ • 他社のハードウェアまたはソフトウェア • テクニカルサポートの登録番号 (該当する場合) HP へのご連絡方法 HP テクニカルサポートには、次の方法でお問い合わせください。 • 米国の場合、Customer Service / Contact HP United States の Web サイトで連絡方法を確 認してください。 http://welcome.hp.com/country/us/en/contact_us.html • 米国の場合、1-800-HP-INVENT (1-800-474-6836) に電話で問い合わせてください。この サービスは年中無休の 24 時間体制で対応しています。品質向上のため、会話を録音また は監視することがあります。 • それ以外の地域では、Contact HP Worldwide の Web サイトで問い合わせ方法を確認して ください。 http://welcome.hp.com/country/us/en/wwcontact.html ソフトウェアテクニカルサービスとアップデートサービスの登録 HP Insight software では、年中無休の 24 時間体制のソフトウェアテクニカルサポートおよび アップデートサービスが 1 年間利用できます。このサービスを利用すると、ソフトウェアの実 装または操作に関する問題を解決するのに役立つ HP テクニカルリソースにアクセスできます。 また、電子形式のソフトウェアアップデートとリファレンスマニュアルが HP から提供された 時点で、このサービスを利用してこれらにアクセスすることもできます。電子ライセンスを購 入したユーザーは電子アップデートを行うことができます。 このサービスにより、Insight software のユーザーは迅速な問題の解決のほか、ソフトウェア アップデートの事前通知と提供を利用できます。このサービスの詳細は、以下の Web サイト を参照してください。 http://www.hp.com/services/insight このサービスの登録は、ライセンス証明書をオンライン取得することにより完了します。 ソフトウェアテクニカルサポートとアップデートサービスの利用方法 登録が完了すると、カスタマーサービスの電話番号とサービス契約 ID (SAID) が記載されたサー ビス契約が電子メールで送信されます。この SAID は、テクニカルサポートに連絡する際に必 要となります。SAID を使用して、http://www.hp.com/go/hpsc にある Software Update Manager (SUM) の Web ページにアクセスし、契約をオンラインで確認することもできます。 保証情報 不具合のある提供メディアは、購入日から 90 日間は交換が可能です。この保証はすべての Insight software 製品に適用されます。 ご連絡の前にご用意いただく情報 31 HP 認定販売代理店 最寄りの HP 認定販売代理店については、以下を参照してください。 • 米国の場合、HP U.S. service locator の Web サイトを参照してください。 http://www.hp.com/service_locator • それ以外の地域では、Contact HP Worldwide の Web サイトを参照してください。 http://welcome.hp.com/country/us/en/wwcontact.html マニュアルについてのご意見・ご質問 このマニュアルについてのお客様のご意見をお待ちしています。製品マニュアルに関してご意 見やご提案がある場合は、以下のアドレス宛にメールで送信してください。 [email protected] (英語) コメントや誤訳、改善に関する提案がございましたら、マニュアルのタイトルおよび製造製品 番号とともにお知らせください。お客様からのご意見はすべて当社にとっての貴重な資産とな ります。 関連情報 • HP Integrity サーバー: http://www.hp.com/jp/integrity • HP NonStop サーバー: http://www.hp.com/jp/nonstop 表記規約 このマニュアルでは、次の表記規約を使用します。 『マニュアル名』 マニュアルのタイトルです。Web 上では、マ ニュアル本体へのハイパーリンクを設定するこ とができます。 32 コマンド コマンド名またはコマンドのフレーズです (ls -a など)。 Computer output コンピューターが表示する情報です。 Ctrl+x またはCtrl-x キーボードの Ctrl キーを押しながら文字x を押 すことを示すキーシーケンスです。 ENVIRONMENT VARIABLE 環境変数の名前 (PATH など) です。 Key キーボード上のキーの名前です。Return と Enter は同じキーを指しています。 用語 用語集ではなく、マニュアルの本文で定義され る用語またはフレーズです。 User input 指示どおりに入力するコマンドやテキストを示 します。 Replaceable 実際の値に置換するプレースホルダーの名前で す。 [] コマンド構文で、これらの文字でオプションの 内容を括ります。 {} コマンド構文で、これらの文字で必須の内容を 括ります。 | 選択リスト内の項目を区切る文字です。 ... 先行する要素を 1 回以上反復できることを示し ます。 サポートとその他のリソース 警告 理解していないと、または従わないと作業者が けがをする危険のある重要な情報への注意を促 す警告です。 注意 理解していないと、または従わないと、データ の損失、データの破損、ハードウェアまたはソ フトウェアの破損につながる可能性のある重要 な情報への注意を促す警告です。 重要 重要な情報への注意を促す警告です。 注記 追加情報や補足情報を含む警告です。 ヒント 有益な情報を提供する警告です。 表記規約 33 A HP Integrity VM ゲストパッケージ用のパッケージ構成 ファイルの例 ここでは、HP Integrity VM ゲストパッケージ用のパッケージ構成ファイルの例を示します。 # # # # # # # ********************************************************************** ****** HIGH AVAILABILITY PACKAGE CONFIGURATION FILE (template) ******* ********************************************************************** ******* Note: This file MUST be edited before it can be used. ******** * For complete details about package parameters and how to set them, * * consult the Serviceguard manual. ********************************************************************** package_name slvm1 package_description "Serviceguard Package" module_name module_version module_name module_version module_name module_version module_name module_version module_name module_version module_name module_version module_name module_version sg/basic 1 tkit/vtn/vtn 1 sg/priority 1 sg/failover 1 sg/external 1 sg/service 1 sg/monitor_subnet 1 package_type failover node_name node1 node_name node2 auto_run yes node_fail_fast_enabled no run_script_timeout no_timeout halt_script_timeout no_timeout successor_halt_timeout no_timeout script_log_file $SGRUN/log/$SG_PACKAGE.log operation_sequence operation_sequence operation_sequence $SGCONF/scripts/tkit/vtn/tkit_module.sh $SGCONF/scripts/sg/external.sh $SGCONF/scripts/sg/service.sh failover_policy configured_node failback_policy manual dependency_name dependency_condition dependency_location hpvm_slvm hpvm_slvm = up same_node # ********************** VTN TOOLKIT PARAMETERS********************** tkit/vtn/vtn/TKIT_DIR /etc/cmcluster/slvm1 tkit/vtn/vtn/MAINTENANCE_FLAG yes tkit/vtn/vtn/MONITOR_INTERVAL 30 priority no_priority #VM Service service_name service_cmd service_restart service_fail_fast_enabled service_halt_timeout slvm1 "$SGCONF/scripts/tkit/vtn/tkit_module.sh guest_monitor" none no 300 local_lan_failover_allowed yes monitored_subnet 15.154.112.0 #Guest Application Monitor service_name 34 ping_mon HP Integrity VM ゲストパッケージ用のパッケージ構成ファイルの例 service_cmd service_restart service_fail_fast_enabled service_halt_timeout ~ /usr/sbin/cmappmgr -node slvm1 -cmappserver_timeout 10 -service /apps/ping_mon none no 300 35 用語集 ADF 属性定義ファイル Integrity VM HP Integrity Virtual Machines 製品 JRE Java ランタイム環境 JSSE Java Secure Socket Extension LVM 論理ボリュームマネージャー MSE マルチサーバー環境 NFS ネットワークファイルシステム OVMM オンライン仮想マシン移行 SLVM 共有論理ボリュームマネージャー SSL セキュアソケットレイヤー VM 仮想マシン ソフトウェアが実装され、仮想ハードウェアデバイスのまとまりを示す仮想ハードウェアシ ステム VM ゲスト VM と、VM ホスト上で動作するオペレーティングシステム VM ホスト HP Integrity VM ソフトウェアがインストールされ、VM ゲストが作成される物理ノード ゲスト OS VM 上にインストールされているオペレーティングシステムインスタンス パッケージ Serviceguard 下のアプリケーションサービス (個々の HP-UX プロセス) のグループ 物理ノード 1 台のサーバーまたは nPartitions(ハードパーティション) 36 用語集 索引 S SG IVS ツールキット HPVM ツールキットと SG IVS ツールキットの比較, 6 VM パッケージのオンライン移行, 28 依存関係, 5 概要, 5 制限事項, 30 前提条件, 5 トラブルシューティング, 29 利点, 5 い インストール アンインストール, 10 インストール後の SG IVS ツールキット ファイルとディレクトリ, 10 こ 構成 Serviceguard ゲストアプリケーション監視アーキテク チャ, 17 ゲストアプリケーション監視サービス, 17 さ サポートされる構成, 8 は パッケージの管理 パッケージの起動, 14 パッケージの停止, 14 パッケージのメンテナンス, 14 パッケージの作成 Serviceguard コマンドの使用, 12 簡易配備の使用, 13 ひ 表記規約, 32 37