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災害と LGBT(性的少数者)
(2011/03/16 版) ■災害と LGBT(性的少数者) この文章は災害時の LGBT(性的少数者)への対応として、医療機関や行政等にお願いした いことをまとめたものです。 ○はじめに LGBT とは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(性同一性障害者 含む)の頭文字です。LGBT に限らず、多様な性のあり方があります。性のあり方は基本的 な人権の一つであり、日常時でも災害時でも守られるべきものです。 【医療機関にて】 ○病状説明や手術の同意などの現場で、同性パートナーより親族が優先される現実がありま す。同性パートナーがいることを親族が知らない場合もあります。医療関係者は、可能な限 り、患者本人の意思をより尊重して下さい。 ○同性パートナーであることを名乗り出た人がいる場合は、その人にも親族と同様の説明を 行っていただきたいと思います。 ○面会や、看護の際に、同性パートナーを排除しないでいただきたいと思います。 【避難所にて】 ○避難所では、世帯ごと、男女別で取り扱われることが多いと思います。代表者の方は、ど んな地域であっても、同性パートナーがいる人、男女別で扱われたくない人、HIV に感染し ている人がいることを前提として、当人の意志を最大限に尊重して運営していただきたいと 思います。 ○避難所では、LGBT に限らず、どんな暴力も差別も許さないことを、明言し、掲示してお いてください(性による差別、子ども、高齢者、障害者、外国籍住民、LGBT、HIV 感染者 等)。 ○避難所では対応できない問題が発生した場合に、本人が相談できる相談窓口を掲示してお いてください。 (相談窓口のリスト)http://www.nhk.or.jp/heart-net/lgbt/advice/index.html ○男女で支給物品を分けるのではなく、必要な人が必要な支給物品を、プライバシーを守っ て受け取れるように配慮して下さい。(化粧品、生理用品、防犯グッズなど) ○トランスジェンダーでホルモンの投与を受けたい人、HIV に感染していて抗 HIV 薬が必 要な人、精神疾患を抱えていて抗うつ薬が必要な人もいます。どのような薬が必要なのかを 聞く場合、また、受け渡しの場合に、プライバシーが守られるよう、配慮して下さい。 ○男女別のトイレだけではなく、大きくて非常ベルを備えた、誰でも安心して入れるトイレ を設置して下さい。これは LGBT に限らず、女性や障害者、介助が必要な高齢者にも必要な ものです。 ○避難所ではプライバシーが守りにくいため、誰かが LGBT 等であることを知る可能性があ ります。もしそれを知っても、当人の了解なしに他の人に話すことは「アウティング」とい う行為です。絶対に止めてください。 【日常の備え】 ○同性パートナーや友人が不明者の照会をする場合、本名や住所を知らないと照会が難しい ことがあります。 信頼できる相手には、できるだけ連絡先や連絡方法を伝えておきましょう。 ○自分が意識不明等の状態になった場合に備えて、「緊急連絡先カード」を携行しましょう。 //表面:私が事件や事故、その他のトラブルに遭遇し、家族への連絡が必要な場合には、裏 面の人に連絡してください。また、この人の面会も望みます。サイン(自署) //裏面:名前 XX、電話番号 XX(複数の連絡先でも可) ※「緊急連絡先カード」は QWRC(http://www.qwrc.org/)が作成、配布しています。 ○医療機関等では親族が優先されがちです。同性パートナーがいる人は、親族に誰か味方を 作っておくと心強いと思います。同性パートナーと言えない場合は、 「無二の親友で、もしも の時にも側にいてほしい人」と伝えておいても良いでしょう。