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平成20年3月期ZAOH LETTER (PDFファイル、2.55MB)

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平成20年3月期ZAOH LETTER (PDFファイル、2.55MB)
ZAOH LETTER
第52期
2007.4.1〜2008.3.31
証券コード:9986
トップメッセージ
高付加価値の新商品を積極的に投入し、
さらなる販路拡大に邁進いたします。
ごあいさつ
株主の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より
当社の事業に格別のご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。第52期(平成19年4
月1日から平成20年3月31日まで)のご報告にあたって、一言ご挨拶を申し上げます。
平成19年5月8日、当社はジャスダック証券取引所から市場替えし、東京証券取引所市場
第二部に上場いたしました。これを果たせたのも、ひとえに皆様からの暖かいご支援、ご
指導の賜物であることを心より感謝するとともに、社会的責任の重さを再認識した次第で
あります。そして、皆様の期待にお応えすべく、第52期も業容の拡大と企業価値の向上に
努めてまいりました。
代表取締役社長
土方孝悦
平成19年度は世界経済が厳しい局面を迎え、日本もその例外ではありませんでした。こ
うした環境下における当社の1年間の歩みについて、簡潔にわかりやすくご報告いたしま
す。さらに今回の報告書におきましては、足下の経営環境や業績の状況などに関するご報
告だけにとどまらず、環境クリーニング機器業界における当社ならではの強みや、中期的
な成長戦略についてもご紹介させていただきます。
ご一読いただいたうえで、より一層のご支援、ご鞭撻を賜りたく、何卒よろしくお願い
申し上げます。
第52期の業績と今後の見通し
サブプライム問題に端を発した金融市場の混乱や、原油価格
をはじめとする商品市況の高騰などを受けて、第52期は特に
後半から世界的に景気減速懸念が高まりました。こうした状況
から、特に汎用品においては価格競争が今までにも増して熾烈
になりました。しかしながら当社は利益重視の方針を貫いてお
り、あえてダンピングによる販売拡大という手段は選択しませ
んでした。
加えて、他社との差別化を図った高付加価値の新商品を発表
予定でしたが、海外メーカーとの品質調整等に想定外の時間を
要し、結果的に当期中の投入を果たせませんでした。さらに、
平成20年4月からの日本版SOX法施行を踏まえて内部管理体制
を強化し、その一環として取引先を厳格に見直したことで、収
益の柱となるべき搭乗式大型清掃機の受注が伸び悩みました。
これらの要因から、残念ながら連続増収増益は8期で途絶え、当
1
期は9年ぶりの減収減益となりました。
なお、子会社のエタニ産業株式会社におきましては、電磁
サーバーをはじめとするビジネスホテル向け客室関連商品や、
プール向け水質浄化剤などの化成品関連商品の売上が伸び、
増収を達成しておりますが、当社グループとしての売上高は
6,529百万円と減収になり、経常利益は946百万円、当期純利
益は508百万円となりました。
今後に関しましても、世界的経済は引き続き数々の不安要因
を抱え、景気の下振れリスクも高まっておりますが、当社は市
場のニーズを捉えた商品を提供し、業績拡大に注力してまいり
ます。第53期におきましては、投入が遅れていた新商品も出揃
うことで、高付加価値商品からバリュー商品まで幅広いライン
アップを提供できる見込みです。
また、包括的な業務提携を結んでいるジョンソンディバー
ZAOH LETTER
■売上高の推移
(単位:百万円)
8,000
■当期純利益の推移
(単位:百万円)
1,200
6,874
6,000
■経常利益の推移
(単位:百万円)
5,600
5,904
6,529
6,191
1,000
1,002
1,043
800
1,108
946
900
800
4,000
581
600
643
592
508
461
400
600
400
200
2,000
200
0
第 48 期 第 49 期 第 50 期 第 51 期 第 52 期
(2004.3)
(2005.3)
(2006.3)
(2007.3)
(2008.3)
0
0
第 48 期 第 49 期 第 50 期 第 51 期 第 52 期
(2004.3)
(2005.3)
(2006.3)
(2007.3)
(2008.3)
(注)第51期より連結計算書類を作成しているため、第50期以前は単体の数値を記載しております。
シー株式会社とのクロスセリングも本格展開を図る一方、OEM
供給によるオリジナル商品(独占販売権付卸売販売)でも主力の小
型高圧洗浄機等の好調を持続させつつ、新たな取引先の開拓に
努めます。さらに、アフターサービスにおいても技術力・品質
の向上を図ることで顧客重視のサービスに徹し、子会社のエタ
ニ産業株式会社との連携もいっそう密にして、販路拡大に邁進
いたします。
こうしたことから、第53期における当社グループの売上高は
7,293百万円、経常利益は1,047百万円、当期純利益は577
百万円の増収増益を見込んでおります。
株主様への還元策について
株主の皆様のご期待に対しては、継続的に利益成長を
遂げて業容を拡大させるとともに、安定的な配当を通じ
た利益の還元によってお応えしたいと考えております。
当社は配当性向30%という明確な目標を掲げており、今
■1株当たり配当金の推移
(単位:円)
普通配当
60
20
記念配当
後ともその達成に努めてまいります。当期におきまして
は、1株につき年間30円の普通配当に加えて、20円の
東証二部上場記念配当を実施いたしました。来期につき
ましては、1株につき年間30 円を計画しております。
■配当金総額の推移
■配当性向の推移
(単位:百万円)
(単位:%)
60
400
50.5
20
50
309
300
291
30
30
33
33
30
192
200
175
138
25
57.5
50
40
40
20
第 48 期 第 49 期 第 50 期 第 51 期 第 52 期
(2004.3)
(2005.3)
(2006.3)
(2007.3)
(2008.3)
30
31.5
30.9
32.5
20
100
10
10
0
第 48 期 第 49 期 第 50 期 第 51 期 第 52 期
(2004.3)
(2005.3)
(2006.3)
(2007.3)
(2008.3)
0
第 48 期 第 49 期 第 50 期 第 51 期 第 52 期
(2004.3)
(2005.3)
(2006.3)
(2007.3)
(2008.3)
0
第 48 期 第 49 期 第 50 期 第 51 期 第 52 期
(2004.3)
(2005.3)
(2006.3)
(2007.3)
(2008.3)
2
特集1
●——
蔵王産業のビジネスモデル
商品開発にも積極的な提案を行う
「環境クリーニング機器の専門商社」
昭和31年4月に機械・器具商社として設立された頃から、従来の日本には存在しなかった
商品をいち早く紹介し、新たな市場を開拓してきたのが蔵王産業です。当初の主力商品であ
ったエンジン溶接機はもとより、昭和40年代後半から販売の中心となった業務用の清掃・洗
浄機器の分野においても、次々と“日本初”の商品を国内に紹介し、市場を開拓してきました。
そして今日では、海外十数社のメーカーから清掃・洗浄機器を輸入し、販売やメンテナンス
を手掛ける一方、商品開発に関しても積極的な提案を行い、メーカー機能も兼ね備えた「環
境クリーニング機器の専門商社」として、海外をはじめすでに高い評価を獲得しています。
蔵王産業はい
ち早く日本に
洗浄機器を紹介
し、その普及に
大きく貢献して
きました。特に
スチーム洗浄機の分野では先駆者的存
在で、数千台以上の販売実績を誇って
います。また、床洗浄機や高圧洗浄機
も手掛けており、ユーザーニーズに応
えて海外メーカーとの共同開発体制も
とりながら、積極的に新商品を投入し
ています。
■清掃機器売上高
■洗浄機器売上高
1,501
1,500
1,175
(単位:百万円)
3,000
3,000
1,860
2,732
1,578
蔵王産業では
定期点検等ア
フターサービス
にも注力してお
り、修理工賃や
各種パーツの売
上が安定的に確保できています。一
方、平成18年3月にはエタニ産業株
式会社を傘下に収めました。同社は宿
泊施設やスポーツ施設を中心に、電磁
サーバーをはじめとする客室用品や、
プール・浴場用の水質浄化剤を販売し
ています。
■その他売上高
(単位:百万円)
1,808
洗浄機器
38.8%
その他
手押し式と自
走式、搭乗式で
は大型・中型・
小型と、多彩な
タイプの清掃機
器を取り扱って
います。また、真空掃除機は一般的な
清掃用のみならず、工場の生産ライン
で切粉等の回収のために設置する据置
型タイプも取り揃えており、メンテナ
ンス不要で連続運転可能な商品は、24
時間操業の工場で好評を得ています。
(単位:百万円)
清掃機器
24.2%
その他
37.0%
洗浄機器
清掃機器
2,000
■品目別売上高の割合
2,718
2,651
2,701
2,531
2,312
2,000
2,000
1,693
1,684
2,419
1,732
1,000
1,000
1,000
0
0
500
0
3
第 48 期 第 49 期 第 50 期 第 51 期 第 52 期
第 48 期 第 49 期 第 50 期 第 51 期 第 52 期
(2004.3)
(2005.3)
(2006.3)
(2007.3)
(2008.3)
(2004.3)
(2005.3)
(2006.3)
(2007.3)
(2008.3)
(注)第51期より連結計算書類を作成しているため、第50期以前は単体の数値を記載しております。
第 48 期 第 49 期 第 50 期 第 51 期 第 52 期
(2004.3)
(2005.3)
(2006.3)
(2007.3)
(2008.3)
ZAOH LETTER
蔵王産業の強み
実際、蔵王産業が世に送り出してきた新商品の多くは、こ
うした「売れない情報」から生まれたものです。たとえば、
最近の高層ビルに設置されているエレベータは省スペース化
が図られており、人が乗って操作する搭乗式の床洗浄機を乗
り入れることは不可能でした。そこで、蔵王産業では他に先
駆けて小型のタイプを投入し、ユーザーから高い評価を受け
ています。また、食品関連メーカーの間では、相次ぐ不祥事
の発覚を機に衛生管理体制の強化が重要課題となり、高温水
高圧洗浄機に対する需要が高まってきました。しかし、食品
関係の現場には水を使えない場所が多くあり、こうした現場
向けに海外メーカーと共同で高圧スチーム洗浄機を開発し、
衛生管理に大きく貢献してきました。
このように現場のニーズをメーカーにフィードバックする
ことは、商品の品質向上、初期トラブルの防止にもつながりま
す。そして、ニーズを的確に捉えた高付加価値商品であるから
こそ、蔵王産業は価格競争にも巻き込まれにくい体制を整えて
います。
加えて、一定の販売ルートを有する大手取引先に対して、
オリジナル商品をOEM供給で販売(独占販売権付卸売販売)
していることも、蔵王産業の大きな特色です。こうした取引
先では1社当たりの販売金額が数億円単位に達することもあ
り、売上にも大きく寄与しています。
業務用の清掃・洗浄機器といった環境クリーニング機器の
用途は非常に幅広く、蔵王産業の取引先も第一次産業から第
三次産業まで、多方面の分野に渡っています。しかも、潜在
的なニーズを開拓するうえで大きな強みとなっているのが、
独自のノウハウを確立させた「提案営業」です。
蔵王産業では、全国各地で頻繁に取り扱い商品のプレゼン
テーションを行っており、その回数は年間2万件にも及びま
す。現場で潜在的ユーザーと直接コミュニケーションをとり
ながら、提案型の営業を展開しているのです。もちろん、最
後までユーザーの意向と提案の内容がマッチしないこともあ
りますが、そのようなケースこそ、むしろ大きな収益機会と
なると考えています。「買わない理由」の裏側には、「買い
たい商品に対するニーズ」が隠れているからです。つまり、
「売れない情報=真のお客様のニーズ」であり、「提案営
業」を通じてそれを確実に吸い上げることができています。
「提案営業でいち早くユーザーのニーズを察知し、 新商品
開発に結びつける」のが蔵王産業ならではのビジネスモデル
であり、最大の強みです。現場の声を的確に捉えた商品を提
供することで景気の波に大きく左右されない営業基盤を構築
できることに加えて、競合他社が見逃しているようなニッチ
な市場を開拓することが可能となります。
提案販売・
メンテナンス
商品
蔵王産業
お客様
現場情報
現場情報・日本市場の
販売チャネル
OEM供給
販売
他社
運輸・倉庫
農林水産 5% 4%
その他
10%
レンタル・産廃
11%
仕入先
共同開発
その他
8.5%
製造業
39%
ビルメンテナンス業
31%
販売市場別売上構成比
日本
30.0%
中国 4.1%
イギリス 4.5%
イタリア
34.7%
アメリカ
18.2%
国別仕入先構成比
4
特集2
●——
中期経営計画
現在、日本における環境クリーニン
■環境クリーニング機器業界
グ機器市場は約500億円規模と推定さ
ハコ
れています。このうち、蔵王産業が獲
グループ
得しているシェアは約13%に達し、
(独)
業界トップとなっています。得意とす
ケルヒャー
テナント
る「提案営業」でユーザーから様々な
ニルフィスク グループ
グループ
ニーズを吸い上げることでニッチな分
グループ
(独)
(アメリカ)
野の開拓がいっそう進み、今後もさら
(デンマーク)
にシェアを伸ばしていく可能性を秘め
日本市場
IPクリーニング
●蔵王産業のシェア●
ています。
グループ
約500億円
蔵王産業は平成15年に発表した中
(伊)
期経営計画において、「7年後に売上
高100億円、売上高経常利益率15%
13%で
以上、販売管理費率40%以下の達
トップシェア
成」という経営目標を掲げました。こ
世界市場約 7,000億円
のうち、売上高経常利益率と販売管理
費率に関しては達成しており、残るは
「2年後の売上高100億円」を達成す
るのみでした。
改めました。
しかし、新商品投入の延期や日本版SOX法への対応に伴う
とはいえ、蔵王産業の高い利益率を維持する経営に揺るぎ
取引先の見直しなどの影響で第52期が減収に転じたこともあ
はありません。第一に、汎用性よりも高付加価値を追求して
り、やむをえず目標達成の時期を1年先送りして平成23年に
いますし、それだけに価格の安さではなく商品開発力の高
■売上高の推移
(単位:百万円)
12,000
エタニ産業
トップサービス
商事部
営業部
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
5
第47期
第48期
第49期
第50期
第51期
第52期 第53期(予)第54期(予)第55期(予)
(2003.3)(2004.3)(2005.3)(2006.3)(2007.3)(2008.3)(2009.3)(2010.3)(2011.3)
(注)第51期より連結計算書類を作成しているため、第50期以前は単体の数値を記載しております。
ZAOH LETTER
■ポジショニング
高付加価値
さで差別化を図っており、結果的に競合他社とは異なる“土
俵”で勝負していることから、つねに利益を追求できる環境
にあります。
そのうえで、「既存事業の深耕」と「新市場の創出」とい
う両輪が揃えば、十分に達成可能な目標であると考えていま
す。まず「既存事業の深耕」において重要なカギを握るのが
商社事業の拡大で、一定の販売ルートをもった大手取引先へ
のOEM供給を推進できれば、業績を力強く牽引することとな
ります。また、すでにエタニ産業株式会社の子会社化が奏功
しているように、M&Aも大きな効果が期待できる手段です。
一方、「新市場の創出」においては、包括的な業務提携を
結んでいるジョンソンディバーシー株式会社とのアライアン
ス戦略が大きな意味をもってくると思われます。そして、こ
れらの両輪を力強く稼動させる原動力となるのが「営業力の
強化」と「新商品開発」です。
商品開発力で勝負
市場ニーズをくみ取った
高付加価値商品の提供
価格競争力で勝負
同機能であるならば
コストキラー商品の提供
当社の
戦略商品
当社の
戦略商品
他社との競合
ゾーン
拡大
汎用性
汎用品
低価格低スペック対応
価格競争力があり利益確保もできる商品の提供 P9参照
低価格
高価値
■中期戦略概念図
営業力・提案力
新商品開発
既存事業の深耕
蔵王産業株式会社
新市場の創出
製造業・
ビルメンテナンス
(中小)
商社事業拡大
M&A
ホテル・スポーツ施設
エタニ産業株式会社
提携
ビルメンテナンス
(大)
ジョンソンディバーシー株式会社
6
特集2
●——
中期経営計画
営業力・提案力
中期経営計画を達成する原動力と
なるのが日頃の営業活動です。ユー
ザーニーズを的確に把握し、最適な
機器を提供することをつねに心がけ
ており、そのためにも現場でのプレ
ゼンテーションは不可欠です。蔵王
産業では全国20カ所に営業拠点を設
け、全営業員にリフト付きの大型バ
ンを貸与し、さらに拠点ごとに大型
トラックも配し、どのような地域に
も2時間以内に到着して、実演依頼に
迅速に対応しています。
また、それぞれの拠点をネット
ワークで結び、お互いに情報を共
有し合っていることも大きな強みで
す。現場から寄せられた年間2万件に
も及ぶ情報をすべての拠点が自由に
活用でき、ユーザーニーズを敏感に
捉えた提案を行うための重要なヒン
トとなっています。
たとえば、某週刊誌に掲載された
「岩盤浴には雑菌やカビが多い」
という内容の記事をきっかけに、各
拠点は新たなユーザー層の開拓に着
手。全国の主要な岩盤浴チェーンに
スチーム洗浄機を提案し、20カ所以
上での販売に結びつきました。
しかも、成約に至らなかったケー
スを次なるビジネスチャンスに生かせる
ことも蔵王産業の強力な武器です。「売
れない情報=真のお客様のニーズ」とし
て、着実に新商品の開発に反映させてい
ます。
提案事例紹介
食品工場をはじめとする各種製
造業の生産現場向けに提供して
いるスチーム洗浄機は、大型ボイ
ラーを採用したことによって従来
比1.7倍の吐出量を実現するとと
もに、ボディーも防錆仕様のステ
ンレスにするなど、細かいところ
にも気を配った設定になっていま
す。
一方、歩行手押し式清掃機は駐
車場やショッピングモールなど
での使用を想定して開発した商品
で、無動力バキュームファンの採
用で埃の吹出しが最小限に抑えら
れる点が評判です。
また最近、蔵王産業が訴えかけ
ているのが、「汚れたら洗浄」の
7
スチーム洗浄機“ウルトラスチームバック”
歩行手押し清掃機“シルバーEVプラス”
特別洗浄から脱皮し、「汚れるエ
リア」を日常的に清掃することで
汚れの拡散を防ぐという新清掃シ
ステムの提案です。カーペットの
中に染み込んだ汚れや残留洗剤を
専用液でカプセル上に包んで乾燥
させ、マイクロファイバーパッド
で捕集するバルチャーカプセルシ
ステムは、バルチャーカプセル、
マイクロファイバーパッド、スプ
レーバルチャー(ジュータン洗浄
機)の3アイテムで経済的な清掃を
提案し、大規模商業施設などで採
用されています。
ZAOH LETTER
M&A・提携戦略
1つの事業をゼロから立ち上げて
軌道に乗せるには、膨大な時間を要
するものとなります。迅速かつ効率
的に事業領域を拡大できるという点
で、M&Aも利益成長のための重要
な選択肢と考えています。無借金経
営によって積み上がる資金を有効活
用する手段の一つにもなります。ま
た、お互いにシナジー(相乗効果)が得
られる提携戦略も、必要に応じて積
極的に検討してまいります。
ホテル業界でのシェア獲得
エタニ産業株式会社
平成18年3月、蔵王産業はエタニ
産業株式会社の全株式を取得しまし
た。同社は主に宿泊施設やスポーツ
施設に電磁サーバーなどのホテル客
室用品、プール・浴場用の水質浄化
剤を販売しており、このM&Aで蔵王
産業はホテル業界での販売ルートを
獲得しました。
エタニ産業(株)の電磁サーバー
大手ビルメンテナンス業界との取引強化 ジョンソンディバーシー株式会社
M&Aのみならず、競合他社や異業種との提携ビジネスも成
長ドライバーのひとつとなります。平成19年11月には、蔵
王産業は業務用清掃洗剤やワックス、除菌剤、清掃用機器な
どの製造・輸入・販売を手掛けるジョンソンディバーシー株
式会社と包括的な提携を結びました。
新商品開発
蔵王産業の大きな特徴は、「メーカー機能を有する専門商
社」であること。専門商社でありながら研究開発部門を設け
ており、現場から寄せられたユーザーの声をもとに、かゆい
商社事業拡大
「売上高100億円」達成の大きなカギを握るのは、コン
シューマールートを有する大手販売代理店向けに、OEM供給
によるオリジナル商品(独占販売権付卸売販売)を提案する商
ところに手が届く新商品の開発に取り組んでいます。近年、
特に新商品売上の占めるウエートは高くなってきており、業
績にも大きく寄与しています。
社事業の動向です。 高圧洗浄機をはじめとするコストキラー
商品を積極的に活用するとともに、競合他社の販売ルートを
有する代理店に対しても、積極的に新規取引先開拓を図って
まいります。
8
注目商品紹介
ユーザーニーズを最重視する蔵王産業にとって、新商品はまさに生命線といえます。事実、予定していた新商品の投入が
遅れたことから、第52期の業績は減収に甘んじました。しかし、第53期には積極的に新商品を発表する予定ですし、従来
までの高付加価値商品に加えて低価格の入門機も投入し、いっそうの売上拡大を図ってまいります。これまで、「他社と同
程度の価格でもより高機能な商品」や「同じ機能でもより安価な商品」を提供することが蔵王産業のポリシーでした。しかし、
今後は若干の軌道修正を行ない、スペックよりも低価格を重視するユーザーの声にも応えてまいります。
新戦略型商品
低価格高利益商品 バリューシリーズ
高付加価値よりも低価格を求めるユーザーの声に応じて、
第53期から新たに投入を予定しているのがバリューシリー
ズです。床洗浄機・高圧洗浄機・スィーパー・リンサーの4
つのカテゴリーで低価格商品を販売し、今まで以上に幅広
いニーズに応えてまいります。
スクラブメイト500 バリュー
バッテリー駆動式の自動床洗浄機で、吸水性能抜
群のカーブドスクイージーを採用。スプリング加圧
機構で、つねに最適な接地圧で汚水を回収します。
操作も簡単で、キースイ
ッチ一つでブラシの着脱
も可能で、回収タンクの
開口部も広く、作業後の
洗浄が楽で衛生的です。
充電器内蔵で、100Vの
コンセントがあれば、どこ
ででも充電可能です。
従来戦略型商品
高価格高付加価値商品
もちろん、今後も今までと同様、競合他社よりも優れた
スペックの高付加価値商品の取り扱いにも注力する方針で
す。より多くのユーザーや取引先から高い満足が得られる
よう、高付加価値商品においても積極的に魅力的な新商品
を投入してまいります。
スクラブメイトWBシリーズ
バッテリー駆動の自走式自動床洗浄機で、床面の
凹凸に追随するセルフレベリング・システムを搭載
し、ムラのない洗浄を実現しました。大型機の作業
効率と小型機の小回り性を兼ね備えムラのない洗浄
を可能としました。700WB(洗浄幅:700mm)に加
えて、洗浄幅:550mmの550WBと洗浄幅:600mm
の600WBが新たにラインアップ入りしています。
CMT1613 バリュー
小型・軽量でありながら、高圧・少水量タイプ
の常温水高圧洗浄機です。自社で開発した独自構
造(特許出願中)のプレミア
ムポンプによって、耐久性
が大幅に向上し、噴射のオ
ン・オフ、圧力調整、洗
剤・薬液噴射などが手元操
作で簡単かつ安全に行えま
す。しかも、小型・軽量タ
イプなので、移動、運搬、
収納が容易です。
9
スクラブメイト1000XRB
バッテリー駆動の搭乗式自動床清掃・洗浄機で、
洗浄幅:1,000mmという大型機器です。外観から
も想像がつく頑丈なミリタリースペックが特長で、
洗浄しながら粗ゴミはホッ
パー、汚水は回収タンクに
回収できるので効率的で
す。タンクも大容量です
し、サイドブラシで壁際な
どのゴミも掃き出せる設計
になっています。
トピックス
ZAOH LETTER
ジョンソンディバーシー株式会社と業務提携
平成19年11月、蔵王産業はジョンソンディバーシー株式会社と業務提携を結びました。それぞれが有する経営資源を有効に生か
し、お互いが得意としている分野で販売やアフターサービスの体制強化を図ることがその目的です。具体的には、1 相互の保有
技術を生かした清掃製品・洗浄用製品の共同開発、2 共同開発品の調達・販売、3 相互の清掃・洗浄用製品のクロスセリング、
4 共同調達等のメリットを生かしたコスト削減、5 アフターサービス体制の向上・強化――に関して基本合意がなされています。
この提携戦略を通じて、多様化するニーズに幅広く応え、ユーザーや取引先からより高い満足が得られれば、おのずと業績の向上
にも結びついていくものと考えています。
ジョンソンディバーシー株式会社がケミカル製品やワックスなど
を蔵王産業に提供する一方、同社がカバーしていない商品を蔵王産
業が供給し、食品加工をはじめとする製造業の生産現場やビルメン
テナンスなど、両社が得意とするルートにおいて販売力の強化を図
ります。両社が有する情報をもとに、共同商品を開発するのも大き
な目的のひとつです。
大手クライアント
ビルメンテナンス業者
顧客共有
販売力強化
クライアント
工場(主に食品関係)
ジョンソン
ディバーシー
蔵王産業
商品
JD 社が保有していない
清掃・洗浄機器
商品
ケミカル、ワックス
10
財務諸表
■連結貸借対照表
区分
前期
(第51期)
平成20年3月31日現在
平成19年3月31日現在
金額
■連結損益計算書
単位:百万円
当期
(第52期)
構成比(%)
金額
前期
(第51期)
自 平成19年4月 1日
至 平成20年3月31日
区分
構成比(%)
資産の部
単位:百万円
当期
(第52期)
金額
自 平成18年4月 1日
至 平成19年3月31日
構成比(%)
金額
構成比(%)
売上高
6,529
100.0
6,874
100.0
売上原価
3,043
46.6
3,197
46.5
3,485
53.4
3,676
53.5
2,568
39.3
2,584
37.6
営業利益
917
14.1
1,091
15.9
0.4
流動資産
4,522
45.9
4,434
45.9
固定資産
5,329
54.1
5,231
54.1
有形固定資産
4,746
48.2
4,831
50.0
無形固定資産
74
0.8
92
0.9
営業外収益
30
0.4
26
507
5.1
308
3.2
営業外費用
1
0.0
9
0.1
9,851
100.0
9,665
100.0
経常利益
946
14.5
1,108
16.1
特別利益
0
0.0
2
0.0
1,018
10.3
1,133
11.7
特別損失
0
0.0
0
0.0
税金等調整前当期純利益
946
14.5
1,110
16.1
法人税等
438
6.7
517
7.5
当期純利益
508
7.8
592
8.6
投資その他の資産
資産合計
負債の部
流動負債
固定負債
704
7.2
463
4.8
負債合計
1,723
17.5
1,596
16.5
105.2
10,044
103.9
△ 22.7 △ 1,975
△ 20.4
純資産の部
株主資本
評価・換算差額等
10,359
△ 2,231
純資産合計
8,128
82.5
8,069
83.5
負債・純資産合計
9,851
100.0
9,665
100.0
売上総利益
販売費及び一般管理費
■連結キャッシュ・フロー計算書
当期
(第52期)
自 平成19年4月 1日
至 平成20年3月31日
区分
金額
985
402
投資活動によるキャッシュ・フロー
△ 218
△ 329
財務活動によるキャッシュ・フロー
△ 211
△ 269
554
△ 196
現金及び現金同等物の期首残高
1,328
1,524
現金及び現金同等物の期末残高
1,882
1,328
当期
(第52期)自 平成19年4月1日 至 平成20年3月31日
単位:百万円
株主資本
資本金
平成19年3月31日残高
資本剰余金
1,797
金額
営業活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の増加額及び減少額(△)
■連結株主資本等変動計算書
単位:百万円
前期
(第51期)
自 平成18年4月 1日
至 平成19年3月31日
2,122
利益剰余金
6,125
評価・換算差額等
自己株式
△0
株主資本合計
10,044
繰延ヘッジ
損益
14
土地再評価
差額金
△1,989
評価・換算
差額等合計
△1,975
純資産合計
8,069
連結会計年度中の変動額
剰余金の配当
当期純利益
△192
△192
△192
508
508
508
株主資本以外の項目の
連結会計年度中の変動額(純額)
連結会計年度中の変動額合計
平成20年3月31日残高
11
△0
△0
△22
△234
△256
−
−
315
△0
315
△22
△234
△256
△256
58
1,797
2,122
6,440
△0
10,359
△7
△2,223
△2,231
8,128
ZAOH LETTER
■個別貸借対照表
区分
前期
(第51期)
平成20年3月31日現在
平成19年3月31日現在
金額
構成比(%)
■個別損益計算書
単位:百万円
当期
(第52期)
金額
単位:百万円
当期
(第52期)
前期
(第51期)
自 平成19年4月 1日
至 平成20年3月31日
区分
構成比(%)
資産の部
金額
自 平成18年4月 1日
至 平成19年3月31日
構成比(%)
金額
構成比(%)
売上高
6,120
100.0
6,472
100.0
売上原価
2,787
45.5
2,945
45.5
3,333
54.5
3,527
54.5
2,420
39.6
2,438
37.7
営業利益
912
14.9
1,088
16.8
0.5
流動資産
4,338
44.6
4,234
44.5
固定資産
5,393
55.4
5,272
55.5
有形固定資産
4,602
47.3
4,685
49.3
無形固定資産
12
0.1
9
0.1
営業外収益
33
0.6
35
777
8.0
578
6.1
営業外費用
−
−
9
0.1
9,732
100.0
9,507
100.0
経常利益
946
15.5
1,115
17.2
特別利益
0
0.0
2
0.0
863
8.9
957
10.1
特別損失
0
0.0
0
0.0
税引前当期純利益
946
15.5
1,116
17.2
法人税等
417
6.9
503
7.8
当期純利益
528
8.6
612
9.4
投資その他の資産
資産合計
売上総利益
販売費及び一般管理費
負債の部
流動負債
固定負債
695
7.1
456
4.8
負債合計
1,559
16.0
1,413
14.9
株主資本
10,404
106.9
10,068
105.9
資本金
1,797
18.5
1,797
18.9
資本剰余金
2,122
21.8
2,122
22.3
利益剰余金
6,485
66.6
6,149
64.7
△0
△ 0.0
△0
△ 0.0
△ 22.9 △ 1,975
△ 20.8
純資産の部
自己株式
評価・換算差額等
△ 2,231
純資産合計
8,173
84.0
8,093
85.1
負債・純資産合計
9,732
100.0
9,507
100.0
■個別株主資本等変動計算書
当期
(第52期)自 平成19年4月1日 至 平成20年3月31日
資本剰余金
資本金
平成19年3月31日残高
1,797
単位:百万円
株主資本
利益剰余金
その他利益剰余金
評価・換算差額等
株主資本
利益剰余金 自己株式
合計
資本準備金 利益準備金
繰越利益
繰延ヘッジ 土地再評価 評価・換算
合計
別途積立金
剰余金
損益
差額金 差額等合計
2,122
402
4,942
14 △1,989 △1,975
純資産
合計
805
6,149
△0 10,068
8,093
△192
△192
△192
△300
−
−
−
528
528
528
528
36
841
336
6,485
△0
336
△0 10,404
事業年度中の変動額
剰余金の配当
別途積立金
300
当期純利益
株主資本以外の項目の
事業年度中の変動額(純額)
事業年度中の変動額合計
平成20年3月31日残高
△0
−
1,797
−
2,122
−
402
300
5,242
△0
△192
△256
△256
△22
△234
△256
△7 △2,223 △2,231
△22
△234
79
8,173
12
株式状況 (平成20年3月31日現在)
■株式の状況
■株式分布状況
発行可能株式総数
22,000,000株
発行済株式総数
自己株式数
5,840,000株
1,050株
外国人
12.31%
■株主の状況
総株主数
証券会社
0.63%
国内法人
4.24%
金融機関
16.17%
2,679名
個人・その他
66.65%
■大株主の株式所有状況
所有者別株式数構成比
(単位:株)
持株数
佐
1,470,200
25.2%
ゴールドマン・サックス・インターナショナル
717,500
12.3%
株
式
株
式
会
木
社
会
式
三
社
井
み
社
住
ず
行
276,000
4.7%
行
230,000
3.9%
230,000
3.9%
189,080
3.2%
悦
134,200
2.3%
東 京 海 上 日 動 火 災 保 険 株 式 会 社
土
員
持
方
平
葉
銀
銀
行
業
千
友
ほ
会
従
会
健
出資比率
二
株
々
銀
株
孝
井
照
井
雅
合
計
■株価の推移
120,000
2.1%
博
97,620
1.7%
夫
89,820
1.5%
3,554,420
60.9%
50 単元以上
3.65%
5 単元以上
3.47%
500 単元以上
4.24%
1 単元以上
4.68%
100 単元以上
8.71%
所有株数別株主数構成比
10 単元以上
17.59%
1,000 単元以上
57.66%
(平成19年5月〜平成20年3月)
株価(円)
1,500
1,200
900
出来高
(千株)
13
600
120
300
60
0 平成19 年
5月
6月
7月
8月
9月
10 月
11 月
12 月
平成20年
1月
2月
3月
0
会社情報 (平成20年6月27日現在)
ZAOH LETTER
■会社の概況
社 名
蔵王産業株式会社
本 社
東京都江東区毛利一丁目19番5号
TEL 03-5600-0311
資 本 金 17億9,768万円
役 員
代表取締役社長
土方孝悦
常 務 取 締 役 高田雄次
常 務 取 締 役 篠原 明
取
締
役 北林恵一
取
締
役 根谷俊行
取
締
役 沓澤孝則
常 勤 監 査 役 田口 稔
監
査
役 木澤克之
監
査
役 牛村 敦
営業品目
動力清掃機、ジュータン清掃機、泥層・氷層除去
営業所
札幌営業所
仙台営業所
宇都宮営業所
水戸営業所
船橋営業所
川越営業所
東京営業所
横浜営業所
新潟営業所
静岡営業所
金沢営業所
名古屋営業所
京都営業所
大阪営業所
神戸営業所
岡山営業所
広島営業所
高松営業所
福岡営業所
鹿児島営業所
配送センター及び試験研究室
グループ会社 エタニ産業株式会社
石狩市新港西
仙台市泉区
鹿沼市流通センター
水戸市小吹町
船橋市潮見町
川越市問屋町
東京都江東区
横浜市戸塚区
新潟市中央区
静岡市駿河区
金沢市神野
春日井市味美白山町
京都市山科区
大阪市東成区
神戸市須磨区
岡山市大内田
広島市西区
高松市国分寺町
福岡市東区
鹿児島市東谷山
船橋市潮見町
東京都目黒区
機、真空掃除機、自動床洗浄機、ジュータン洗浄
機、ジュータン濯ぎ洗い機、高圧洗浄機、スチー
ム洗浄機、部品及びメンテナンスサービス、清
掃・洗浄機用消耗品及びアクセサリー、その他
■ホームページ
http://www.zaohnet.co.jp/
14
株主メモ
事業年度
定時株主総会
株主名簿管理人
同事務取扱場所
同取次所
毎年4月1日から翌年3月31日まで
毎年6月
東京都港区芝三丁目33番1号
中央三井信託銀行株式会社
東京都杉並区和泉二丁目8番4号 中央三井信託銀行株式会社 証券代行部
中央三井信託銀行株式会社 全国各支店
日本証券代行株式会社 本店及び全国各支店
住所変更、単元未満株式買取請求、名義書換請求等につきましては、下記中央三井信託銀行
のフリーダイヤルまたはホームページをご利用ください。
●TEL:0120-78-2031(有人対応)(受付時間:平日9:00〜17:00)
TEL:0120-87-2031(自動音声案内)
●ホームページ http://www.chuomitsui.co.jp/person/p_06.html
〒135-0001 東京都江東区毛利1-19-5 TEL:03-5600-0311 FAX:03-5600-0516
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