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平内海岸 海岸高潮対策事業
大規模公共事業再評価調書の概要 (平内海岸 海岸高潮対策事業) 担当部課:県土整備部 河川課 1 事業概要 (海岸名:三陸北沿岸 平内地区海岸、所在市町村:種市町) ○ 事業目的:平内海岸は、岩手県沿岸北部に位置し、背後地は、種市町平内地区の中心部である。 これまで明治 29 年の三陸沖地震津波など、過去に幾度も津波による甚大な被害を受けて いる。その後、防潮堤等の海岸保全施設を築造してきたが、現況の海岸保全施設は、計画 津波高に対し機能を満足していないことから、早急に計画津波高対応とし、地域住民の生 命や財産を守る必要がある。 ○事業内容:延長 1,420m(防潮堤 1,390m、水門工 1 基、陸閘4基、離岸堤 5 基、防護面積 76.1ha) ○事業期間:昭和 61 年度∼平成 20 年度(平成 14 年度再評価時:昭和 61 年度∼平成 17 年度) ○総事業費:5,780 百万円(平成 14 年度再評価時:5,150 百万円) 平成 17 年度までの投資額 5,150 百万円、進捗率 89.1% 2 事業の進捗状況等 ○平内海岸海岸高潮対策事業は平成 17 年完了予定で事業を進めてきた。 ○しかし、南側に隣接する川尻漁港海岸(管理者:種市町)は事業着手の見通しが立たず、平内海岸の み事業完了しても一連の防護効果は期待できず、施設背後は津波による浸水の恐れがあった。 ○そこで、平成 16 年度に海岸法第 40 条第 2 項に基づく主務大臣間(国土交通大臣と農林水産大臣)の 協議(以下、 「大臣間協議」という)手続きを行い、平内海岸海岸高潮対策事業で、川尻漁港海岸区域 内の海岸保全施設築造を行うこととした。 ○このことにより、川尻漁港海岸区域内における整備延長が増となることから、平内海岸海岸高潮対策 事業の全体計画変更が必要となり、今回、大規模公共事業再評価を行ったものである。 ○なお、大臣間協議手続きについては、平内海岸管理者(県知事) 、川尻漁港海岸管理者(種市町長)双 方が合意のもとで進められたものである。 3 社会経済情勢等の変化 ○過去に明治 29 年、昭和 8 年三陸津波、昭和 35 年チリ地震津波などにより、甚大な被害を受けている。 ○宮城県沖では今後 30 年以内に 99%の確率で地震津波の発生が想定されているなど、対策工は急を要 している状況にある。 ○今回、川尻漁港海岸を含めて費用便益比(B/C)を算出した結果は「1.09」であった。 ○平成 13 年度、15 年度に、種市町から当該地区における事業促進について要望書、陳情書が出される など、地元からの強い要望がある。 4 コスト縮減対策及び代替案 ○コスト縮減では、①残土、既設防潮堤の取り壊しにより発生するコンクリート殻を防潮堤の盛土に利 用する②止水矢板の設置において仮締切で使用した鋼矢板を再利用する などを検討している。 ○代替案については、現地状況から現計画が最も経済的であり、代替案の可能性はないと考えられる。 5 総合評価 ○事業区間は、過去に甚大な被害を受けていること、また三陸沿岸における地震津波対策は緊急を要す ることから、引き続き整備を進めていく必要がある。 ○事業計画の大幅な変更があるが、変更案で事業を進めることにより、一連の防護効果を発揮できる。 ○以上のことから、県として事業の対応方針は、事業計画の変更が大幅であることから「要検討」とし、 事業の必要性、事業計画変更の妥当性から判断して「見直し継続」とするものである。