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琉球大学工学部 電気電子工学科
琉球大学工学部 電気電子工学科 琉球大学工学部 電気電子工学科 2012 GUIDANCE 情報社会を支える最先端の 技術を修得し、広く世界で活躍できる 技術者・研究者を育成する。 学 科 概 要 現代社会は人々の日々の生活から経済活動や産業に至るま で高度ICT技術によって形成されています。高度ICT技術の基 盤となる電気・電子・通信及びシステム工学は社会の進化、産業 発展を担う学問分野であり、持続的に新規の研究開発を進める と同時にそれを推し進めることができる人材の育成が強く要望 されています。これらの学問分野の教育・研究を担う本学科で は、この社会的要請に応えるため、電気電子工学に関する基礎 的な知識から高度の専門知識を備え、幅広い視野と柔軟な適応 能力を有し、広く世界で活躍できる技術者・研究者を育成するこ とを目指しています。 本学科では、日本技術者教育認定機構(JABEE)教育プログラ ムの審査に認定されたカリキュラムを編成し、共通教育と専門教 育の連携・充実を図り、幅広い教養と豊かな知性を身につけたバ ランスのとれた人間性を培うことに努めています。専門科目で は、実験、演習、プログラミング等の実践的科目も重視すること で、創造力豊かな高度電気電子技術者・研究者を養成していま す。さらに、教育を受ける機会の多様化を図るために夜間主コー スを設置して勤労者に対しても就学の道を開き、社会人教育を 実施しています。本学科は、電気主任技術者免状の認定校であ り、また、電気通信主任技術者試験の一部が在学中でも免除に なる認定を受けています。 学 科 長 からのメッセージ 物理現象である電気や磁気を応用して、動力や照明、温度を容易に制御し、 電磁波によって情報通信を行なうなど、電気電子の果たす役割は大きく、社会 の基盤を根底から支えています。また、 ここ数十年の間に離散数学やアルゴリ ズムに裏打ちされたコンピュータの発達には目を見張るものがあります。さら に将来の技術発展を支える人材を基礎から応用まで育成する本学科では、皆 長田 康敬 教授 02 さんのような希望に満ちたエンジニア志向の若人を広く求めています。 琉球大学工学部 電気電子工学科 2012 GUIDANCE 電気電子工学科の学習・教育目標 (A)電気電子技術者としての基礎学力の修得 (1) 自然科学、数学といった技術者の基礎知識・能力を修得する (2)電磁気学、回路理論、電気電子計測といった電気電子工学の基礎を修得する (3) コンピュータの操作とプログラミングの基礎を修得する (4) データを正確に解析できる能力を修得する (B)電気電子分野の広がりの理解と専門的な課題に取り組む素地の獲得 (1)電磁エネルギー工学分野に関する知識を修得する (2)電子物性工学分野に関する知識を修得する (3)電子システム工学分野に関する知識を修得する (C)幅広い教養と豊かな知性および柔軟な思考力の修得 (1)地域に根ざした歴史や文化、多様な価値観を理解する (2)幅広い教養を修得し、国際的・多角的に物事を考える能力を身につける (D)技術者としてのコミュニケーション能力の向上 (1)論理的な記述、口頭発表、討論などのコミュニケーション能力を身につける (2)国際的なコミュニケーションを可能とする英語を中心とした語学力を身につける (E)技術者と社会との接点および技術者の倫理観および責任の理解 (1)科学技術が社会に及ぼす影響を理解する (2)技術者に必須となる法規や倫理規範に関する基礎的な知識を修得する (3)技術者としての責任感を身につける (F)問題理解、課題解決能力の向上 (1)与えられた課題について問題点を理解する能力を修得する (2)現有環境や現有知識を有効に活用する能力を修得する (3)制約条件の下で問題点を解決するための計画立案能力を修得する (4)計画を具体的に実行する能力を修得する (5) チーム作業における協調性と自主性について理解し、実践できる能力を修得する (G)自主学習能力の向上 (1)期限内に課題を仕上げる習慣を修得する (2)演習などをとおして、自主的に調査・学習する能力を修得する 03 琉球大学工学部 電気電子工学科 2012 GUIDANCE カリキュラム 本学科の教育プログラムは日本技術者教育認定機構(JABEE)に認定されてお り、入学から卒業まで各教員が学生をきめ細かく指導しながら本学科の学習・教育目 標を達成するためのカリキュラムを提供しています。まず、電気電子技術者としての 基礎学力の修得から始まり、幅広い電気電子工学の広がりを理解するとともに興味 深い分野を特化しながら専門的な課題に取り組む素地の獲得を目指します。次に、実 験や演習を通して養う自主学習能力や技術者としての倫理観を修得し、最終的には、 卒業研究を通して技術者には欠かせない問題解決能力の獲得を目指します。さらに、 幅広い教養を身につける人文・社会科学や国際的なコミュニケーション能力の向上の ための外国語を提供し、国際的に活躍できる電気電子技術者を育成します。 ○指導教員によるサポート 学業面や生活面等、学生生活をサポートするための指導教員を配置しています。 特に本学科では、各学年に5∼6名と多く配置しており、少人数クラスのようなきめ 細かな指導を実践しています。 ○基礎学力を修得するための演習が充実 電磁気学、回路理論、電気数学など電気電子工学の基礎科目を中心に、その十分 な修得を図るための演習を設けています。 ○興味から実践力へ 1年次に開設する電気電子工学概論においては、各専門分野の概説と各研究室で の体験型授業があり、電気電子工学にさらなる興味をもってもらい、学生自身が目 的を明確にして学習計画をたてられるように工夫しています。さらに、 3年次におい ては、実験科目にエンジニアリングデザイン教育を提供し、製品開発における企画・ 設計・試作等を体験させることにより技術者としての実践的能力を養います。 ○卒業研究による総仕上げ 卒業研究では、専門的な課題を解決するため、自ら研究を計画・実行し、その結果 を発表し論文にまとめるという、技術者には欠かせない一連の問題解決能力を養い ます。 04 琉球大学工学部 電気電子工学科 2012 GUIDANCE 講座紹介 本学科は3つの講座で構成され、次のような教育・研究を担っています。 電磁エネルギー工学講座 電子物性工学講座 電子システム工学講座 エネルギーの有効利用を支える電 力システム工学、電気−機械エネル ギー変換機器、電気電子材料なら びにパワーエレクトロニクス キーワード:電力システム、電力変 換、放電、プラズマ、磁性材料、電池 材料 最先端のエレクトロニクスを担う半 導体・有機デバイス、プロセス技術、 マイクロ化技術を支援する電子回 路工学を基礎とした回路設計理論 キーワード:ダイアモンド薄膜、薄膜 トランジスタ、集積回路、量子計算 機、有機デバイス 情報化社会を支える電気及び光通 信、計測、制御、システム制御、コン ピュータ、医用電子工学、 ロボット キーワード:光ファイバ、 リモートセ ンシング、多値論理、制御理論、機能 的電気刺激、再構成可能回路 研究紹介 ∼雷画像を撮影するための光学システムの構築∼ 雷現象は古くから研究されてきたテーマではあるが、大規模であること、 ミリ秒オーダーで の瞬間的現象であること、 どこで起こるか予測できないことなどから研究対象としては、現在 でもまだまだ未解決な部分が多く残っています。我々の研究室では、 この雷の現象に取り組 むため、光学的側面からアプローチしています。雷は雲と大地、 または雲間等で起こる絶縁破 壊現象ですが、 この時の絶縁路はプラズマ状態となっています。このプラズマ状態となって 電磁エネルギー工学講座 下地 伸明 助教 いる発光を映像として記録し、そこから物理的情報を得るのが研究の目的です。琉球大学工 学部電気電子工学科では他にもおもしろい研究をしている先生方が沢山いますので、興味 がある方は是非電気電子工学科に来てください。 ∼高性能放射線計測素子の開発∼ 皆さんは放射線についてどの様なイメージをお持ちでしょうか。先の東日本大震災で起き た原発事故により、怖いものという印象を持たれているかもしれません。一方で医療分野に おけるレントゲンや放射線療法、空港での手荷物検査、自動車部品製造の他、沖縄県におい てはウリミバエの根絶にも用いられる等、生活にかかせないものともなっています。この様に 私たちにとって有用でもあり有害ともなる放射線ですが、 これを感度良く計測する技術が必 要とされています。私たちは、半導体を用いた放射線検出素子の開発を行っており、人体へ 電子物性工学講座 山里 将朗 教授 の影響の少ない医療診断や、環境保護、宇宙を観測する人工衛星等にも用いることのできる 素子の研究を進めています。 ∼賢く動くロボットを実現する技術∼ 多くの工業製品、機械は単に動くだけではなく、 うまく効率的に働くよう設計されていま す。そのために用いられているのが「制御」です。皆さんの身近にある家電製品にも、 この制 御が多く使われています。エアコンは室内を冷やしたり温めたりするだけでなく、希望する温 度に保つことができます。またロボットは転倒することの無いよう、関節にあるモータを制御 しています。このように制御は色々な分野で活躍しています。本研究室では、制御理論の研 電子システム工学講座 長堂 勤 准教授 究に加え、電動車いすのパワーアシスト制御、 カメラにより対象物を追跡するビジュアルサー ボシステム、電磁石により物体を空中に浮かせる磁気浮上システムなど実験装置を使った研 究も進めています。 05 琉球大学工学部 電気電子工学科 2012 GUIDANCE 在 学 生 に 聞 い て み よ う ! 答えてくれる学生は 4年次 宮城 正弥 君です。 1. なぜ電気電子工学科を選んだのですか? 私は幼いころミニ四駆が好きな子どもで、速く走らせるにはどうすればよいかと考 えていました。そこから少しずつ電気を使用した機器に興味を持つようになり、同時に 自然エネルギーについても興味を持つようになりました。近年は地球温暖化が懸念さ れていますが、私は高校生の時に自然エネルギーを使った環境を汚染しないクリーン な発電方法に魅力を感じて、琉球大学工学部電気電子工学科で多くの知識を学びた いと思い進学することを決めました。 2. 現在取り組んでいる卒業研究課題って何ですか? 住宅の屋根にソーラーパネルを載せたスマートハウスの研究を行っています。自然災害が発生した時に、 ソー ラーパネルで発電した電気を使用して、停電を防ぐことができるようになります。 3. 一日の主なスケジュールを教えて下さい。 7:00頃に起床して、8:30から開講する1時限目を受講したり、1時限目が無い日は10:30までに大学へ行き ます。12:00から13:00頃に昼食をとり、午後は講義、卒業研究、 レポート作成等で18:00頃まで大学にいま す。帰宅後はゼミの発表資料作成、宿題、音楽鑑賞など行い23:00頃に就寝しています。 4. 休日は何をして過ごしていますか? 実験レポートの作成や講義で出された宿題、ゼミの発表資料作成などに取り組んでいます。また、英語や資格 取得の勉強を行ったり、 ショッピングや趣味の時間を楽しんだりもしています。 5. 将来の夢は何ですか? 私は将来、自然エネルギーを効率よく活用することで環境を汚染することなく、 また災害時にも電気を十分利 用できる社会を築いていけるエンジニアになりたいです。 6. 大学入学前にやっておくべき事があれば教えて下さい。 英語の勉強はとても大事です。大学では、英語で論文を作成したり、発表を行ったりするからです。また、エンジ ニアの海外での仕事が増えてきていますので、英語の習得は非常に重要なことです。実践的な英語を身につけ るために日頃から英語の勉強をしておいた方がよいでしょう。また物理や数学、化学等の知識が基礎となってい ますので、公式を暗記するのではなく、理解して公式を使用できたら最高です。高校で学ぶ公式が、工学の世界 では実践的に利用されていることが理解できる日がきっと来るので、頑張って勉強して下さい。これがエンジニ アになる第一歩です。 主な資格取得情報 ・高等学校教諭一種免許状 (工業) 資格取得 ・電気主任技術者(実務経験必要) ・技術士補(JABEE認定修了者:昼間主コースのみ) ・電気通信主任技術者(一部受験科目の免除) 受験資格 06 ・第二種電気工事士(筆記試験免除) ・技術士 (実務経験必要) 琉球大学工学部 電気電子工学科 2012 GUIDANCE 卒業生からの応援メッセージ 2012年3月 工学部 電気電子工学科卒 栗栖啓 (西日本旅客鉄道株式会社) 現在私は、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)に勤務しております。JR西日本 は鉄道を中心とした事業を展開しており、安全を第一に、お客様に快適なサービス を提供することを目指した業務を行っております。また、鉄道事業には、運輸、営 業、車両、施設、電気、ITといった各部門があり、私は電気部門に所属しておりま す。電気部門の業務は、安全な列車運行に欠かせない信号・通信設備や、列車や駅 などに電力供給を行う電気設備といった電気設備全般のメンテナンスを行うこと です。私は中でも、新幹線設備に電力を供給する変電所等の設備の検査に今後携わる予定です。現在はまだ研修 中のため、一日でも早く安全を第一とした一人前の技術者になれるよう日々努めております。また、私たちの業務は 電気を中心としていますが、それだけでは鉄道を動かすことができず、先ほど述べました他部門の方との連携が必 要です。そのため、色々なことに興味を持ちコミュニケーション をとることが重要になってきます。日々業務を行う中で、電気電 子工学科で学んだ電気の基礎的な知識やコミュニケーション能 力など多くの経験が今に生きていることを実感しています。 受験生の皆さんは、これから入試に向けてつらい時期が来る と思います。 しかし、辛いことを乗り越えた時、人は成長できると 思います。また、大学生になると、新たな人との出会いやこれま でにない経験を得ることができるなど楽しいことがたくさんあり ます。是非大学に入って色々な経験をして頂きたいです。心より 受験生の皆さんの合格を祈っています。 最近の主な就職先・進学先(大学院修了生含む) 県内 アクシオヘリックス(株) NECソフト沖縄(株) (株)沖電工 (株)沖縄タイムス社 沖縄テレビ放送(株) 沖縄電力(株) (株)沖縄富士通システム・エンジニアリング 沖縄菱電ビルシステム(株) 興南施設管理(株) (株)国際システム (株)創和ビジネス・マシンズ 拓南製鐡(株) 日本流通システムズ(株) 満喜(株) (株)リウコム 琉球放送(株) 東京計装沖縄(株) ヤシマ工業・沖縄(株) 沖縄県庁 沖縄税関 琉球大学工学部 県外 アイティーアイ(株) 荏原環境プラント(株) NTTコムウェア九州(株) (株)協和エクシオ (株)きんでん 九州電力(株) (株)九電工 コアテクノ(株) ソニーセミコンダクタ九州(株) デンソーテクノ(株) (財)電力中央研究所 東京計装(株) 東京電力(株) (株)東芝 東芝三菱電機産業システム(株) 日進電機(株) 能美防災(株) (株)ハンモック (株)VSN (株)日立エンジニアリング・アンド・サービス 日立コンピュータ機器(株) 富士通テレコムネットワークス(株) (株)ホンダロック 三重金属工業(株) 三菱電機ビルテクノサービス(株) (株)メイテック 横河フィールドエンジニアリングサービス(株) 菱栄テクニカ(株) 経済産業省 琉球大学大学院 大阪大学大学院 新潟大学大学院 進学 九州工業大学大学院 07 電気電子工学科のアドミッションポリシー 豊かな教養と国際性を身につける意欲を持ち、かつ次のような 電気・電子・通信システム工学に関心が強い人を求めます。 ・自然エネルギーや高効率エネルギー変換技術 ・新しい電子デバイスやナノテクノロジー、電子回路 ・高性能コンピュータ、制御、計測、電気及び光通信・ネットワーク 入試情報 (平成25年度) コース 一般選抜 昼間主コース (80名) 定員 センター試験 個別学力試験 前期 66名 5教科7科目 数学・物理 後期 10名 5教科7科目 なし 種別 書類審査、 AO入試 4名 なし 面接(口頭試問含む)、 プレゼンテーション 昼間主コース 第3年次特別編入 5名 なし 数学・専門基礎・面接 前期 7名 5教科7科目 数学・物理 後期 2名 5教科7科目 なし 1名 なし 面接 (口頭試問含む) 一般選抜 (5名) 夜間主コース (10名) 一般選抜 社会人選抜 ○志願者は必ず選抜要項・募集要項にて詳細を確認してください。 学生部入試課 TEL:098-895-8141・8142 E-mail: [email protected] 琉球大学工学部 電気電子工学科 〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町千原1番地 TEL:098-895-8643 FAX:098-895-8708(学科事務室) http://www.eee.u-ryukyu.ac.jp