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資料1-3 管制情報処理業務・システムの選定について 2008(平成20

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資料1-3 管制情報処理業務・システムの選定について 2008(平成20
資料1-3
管制情報処理業務・システムの選定について
2008(平成20)年 7月 3日
国土交通省情報化政策委員会決定
国土交通省は、
「業務・システム最適化指針」
(2006(平成18)年3月31日各府省情報
化統括責任者(CIO)連絡会議決定)の主旨を踏まえ、管制情報処理業務・システムを最適化
対象業務・システムとして選定し、同指針に沿って必要な見直しを行い、最適化に取り組むこと
とする。
第1 管制情報処理業務・システムの概要
1. 業務の概要
国土交通省は、昭和40年代に航空交通管制情報処理システム(以下、
「本システム」という。)
を導入し、航空交通の安全運航及び定時運航を確保する航空管制業務の円滑な実施を支援して
いる。これまで、航空交通量の増大に対応し、航空管制サービスの高度化を図るために、適宜、
システムの増設及び機能拡張を図りながら適正なシステムを導入し、管制情報処理業務を行っ
ている。
本業務により、航空管制官等の運用者に適切な情報を提供することによって、航空交通の安全
と迅速かつ秩序ある交通流を確保している。
2.システムの概要
本システムは、航空交通管理センター、航空交通管制部及び全国の空港に設置されており、飛
行情報管理システム(FDMS)、洋上管制データ表示システム(ODP)、航空路レーダー情
報処理システム(RDP)、ターミナルレーダー情報処理システム(ARTS)、空港レーダー
情報処理システム(TRAD)、運航情報提供システム(FIHS)、航空交通流管理システム
(ATFM)、空域管理システム(ASM)で構成され、それぞれのシステムがネットワークを
形成し、有機的に連接することにより、航空管制業務等に必要となる各種データを提供してい
る。
従ってシステムに障害等が発生し、機能が停止した場合の社会的影響は非常に大きいものとな
ることから、安定的な運用を図るために、極めて高い信頼性が求められ、また、今後予想され
る航空交通需要の増大に適切に対応するため、本システムには極めて高い機能が求められる。
第2 選定理由
平成15年3月の管制システム障害により、航空機の運航に多大な影響を及ぼしたことから、
学識経験者によりフェールセーフ機能の拡充等の再発防止策をまとめ、対策を実施してきた。
しかしながら、飛行情報管理システム(FDMS)等の次期管制システムは、既に整備が進め
られていたため、技術的なフェールセーフ・アーキテクチャーを構築するため、平成17年度
から「新システム技術検討会」を設置し、運用要件の再確認を行うとともに、航空交通の安全
と定時運航の確保、増大する航空交通需要への対応と管制サービスの継続性確保の実現のため、
新システムの全体に係る基本コンセプト及びその構築に向けてのプロセスを整理した。今後、
この整理を踏まえ、新システム構築に関する各種検討が必要である。
なお、航空交通の安全運航及び定時運航を確保する航空管制業務等に必要な各種データを提供
する本業務・システムは、複数の府省等で行われている業務・システムではなく、国土交通省
固有の業務・システムであり、「個別府省業務・システム」に分類される。
さらに、「最適化計画の策定対象とする業務・システムの考え方」に記載の「③現に設置して
いる電子計算機、周辺機器及びネットワーク並びにこれらで使用するソフトウェアを運用する
1
ための経常的な経費が1億円以上の情報システム」に該当するため、最適化の対象として選定
する。
第3 業務・システムの対象範囲
本システムの目的は、飛行計画、航空機の位置、高度等の管制指示、気象情報、その他の運航
に必要となる膨大な情報をリアルタイムでコンピュータ処理し航空管制官、航空会社、防衛省等
の運用者等に的確な情報を提供することによって、航空管制官等による航空交通の安全と迅速か
つ秩序ある流れを確保するものである。
本システムの再構築にあたっては、運用者等に提供する情報等のあり方及び管制情報処理に関
わる業務を詳細に分析のうえ、システムを構築する必要がある。
よって、本業務・システムの対象範囲は、本システムを構成する各システム及び本システムを
活用して実施する管制情報処理業務を対象範囲とする。
第4 スケジュール
新システムへの移行計画(予定)
(年度)
H19
見直し方針、及
H20~H24
H25~H26
H27
H34~
H20.8 見直し方針策定
び最適化計画
H20.12 最適化計画策定
現システム
注1
新システム
注2
~H33
一部システムの継続運用
設置・評価・慣熟
設計・開発
新システム運用開始
H21~
注1)現システム
航空交通管制情報処理システムは、機器・装置の老朽化等により十年程度で換装しており、
設置時期が異なることから平成27年度以降も一部においては更新するまでの間、新システム
と並行的に運用される。
注2)新システム
新システムの運用プログラムは現状とおり、予め、関係するシステムを連接し、航空管制
業務等で要求される機能について性能及び信頼性等の評価をシステム開発評価・危機管理セン
ター(SDECC)にて実施する必要があり、評価実施後に各官署にプログラム配布すること
から、評価・開発用機材を製造する必要がある。
評価用機材については、平成22年度から3ヶ年で製造、官署機材については平成25年
度に製造し、運用評価及び慣熟訓練等を実施後の平成27年度から新システムを運用する。
見直し方針及び最適化計画策定時期
見直し方針の策定を2008(平成20)年8月、最適化計画の策定時期を2008 (平成
20)年12月とする。
2
第5 見込まれる費用及び効果
1. システムの統合
高度な信頼性・安定性を確保し、十数年先の航空交通需要の増大に適切に対応していくた
め、平成27年度に運用開始を計画している新システムは、これまでのシステム構成を再
編し、飛行情報管理システム(FDMS)、洋上管制データ表示システム(ODP)、航空
路レーダー情報処理システム(RDP)、ターミナルレーダー情報処理システム(ARTS)、
空港レーダー情報処理システム(TRAD)、運航情報提供システム(FIHS)の個別に
整備していたシステムを統合することにより、「統合管制情報処理システム」として再構築
を図り、整備費用及び運用経費の削減を図る。
2. 管制サービス継続性の向上
統合管制情報処理システムの構築にあたっては、飛行計画、航空機の位置等の情報をデー
タベースとして一元管理することにより、システムの一部に障害が発生、またはシステム
の再起動等が発生しても、航空機の情報は失われずにデータベースの情報を活用できるシ
ステム構成とする。
また、各システムでデータ形式を共通化させ、複数拠点での相互バックアップを可能とし、
さらにシステムの致命的な障害等においても、管制サービスを継続できる最低限の機能を
持たせたフォールバックシステムを整備する。
これらの新たなシステム構成により、いかなる場合においても管制サービスの継続性の確
保が可能となる。また、統合管制情報処理システムは社会的にも重要なインフラであるた
め、震災等によりシステムが壊滅的な被害を受けた場合の抜本的な危機管理を考慮する必
要があり、費用対効果に十分配慮しつつ、地理的冗長性を持たせた構成とすることを想定
している。
3. 汎用機器によるシステム構成
電子計算機の処理能力は近年、飛躍的に向上していることから、既存メインフレームをオ
ープンシステムに置き換えることにより、経費削減が考えられる。
統合管制情報処理システムの構築にあたり、航空管制業務等に必要となる高度な機能を確
保し、更にはシステムの信頼性を確保することを前提としつつ、可能な限り、汎用的な通
信技術及び調達が容易な汎用機器を用いた構成によりシステムの可用性を向上させるとと
もに、必要な拡張等に柔軟かつ低コストに対応できる環境となるシステム構築を行う。
4. 調達の透明性確保
現システムは、昭和40年代から継続的に性能向上したシステムで運用されていることか
ら、継続的にシステムの品質及び信頼性を維持したサービス提供を受けることが可能等の
利点がある一方で、長期に渡って特定の製造業者がサービス提供を行うことから、競争性
が低くなる傾向にある。
新システムは、これまでのシステム構成を再編するものであることから、基本的にシステ
ムの調達は一般競争入札(総合評価方式)によることとし、経費削減及び調達の透明性・
公平性の確保に努めたい。なお、統合管制情報処理システムは極めて高い機能が求められ
ることから、コスト面に留意しつつ、既存資産の活用についても視野に入れた十分な検証
を行う。
3
参考
航空交通管制情報処理システム
① 飛行情報管理システム(FDMS)
飛行情報管理システムは、管制情報処理部(FDPS)及び運航情報処理部(FIMS)
で構成される。
・管制情報処理部(FDPS)
航空交通管理センターに設置された電子計算機により、札幌・東京・福岡及び那覇の各航
空交通管制部に係る飛行計画情報を集中的に管理・処理し、運航票等の航空管制業務に必要
なデータを各管制部に設置された集配信装置を経由して管制官に提供するととともに、他の
航空管制システムに対しても必要な情報を提供するシステムである。
・運航情報処理部(FIMS)
航空会社から受け付ける飛行計画報(フライトプラン)のフォーマットチェック、二重チ
ェックを行うとともに、空港の滑走路閉鎖情報等の航空情報、気象情報を一元的に管理、提
供するデータベース、及び外国の管制機関等との国際固定通信の機能を持つシステムである。
② 洋上管制データ表示システム(ODP)
航空交通管理センターに設置された電子計算機を使用して、太平洋上の広大な空域を飛行
する航空機の位置を予測計算し、その交通状況及び衛星を利用した自動位置情報伝送・監視
機能等により得られた航空機位置情報を表示装置に表示するシステムである。
③ 航空路レーダー情報処理システム(RDP)
札幌・東京・福岡及び那覇の各航空交通管制部に設置され、全国20カ所の航空路レーダ
ー等からのレーダー情報を電子計算機により処理し、各管制卓に設置された表示装置上に航
空機の位置を示すシンボルに加えて英数字により便名等の情報を表示するシステムである。
④ ターミナルレーダー情報処理システム(ARTS)
空港監視レーダーの情報を電子計算機により処理し、ターミナル管制所の管制卓に設置さ
れた表示装置上に航空機の位置を示すシンボルに加えて英数字により便名等の情報を表示す
るシステムである。設置官署は、成田、東京、中部、関西、福岡、宮崎、鹿児島、那覇の8
官署である。
⑤ 空港レーダー情報処理システム(TRAD)
ARTSの設置されていない空港の空港用監視レーダーの情報を電子計算機により処理
し、ターミナル管制所の管制卓に設置された表示装置上に航空機の位置を示すシンボルに加
えて英数字により便名等の情報を表示するシステムである。設置官署は、函館、仙台、新潟、
広島、高松、高知、大分、長崎、熊本、下地島の10官署である。
⑥ 運航情報提供システム(FIHS)
日本全国の空港等に設置されたデータ端末等と情報通信ネットワークを形成し、航空機の
運航に必要な飛行計画、ノータム、気象情報、捜索救難に必要な情報をはじめとする多種多
様な情報の伝送、交換、通信処理、情報処理を行うシステムである。
⑦ 航空交通流管理システム(ATFM)
飛行情報管理システム(FDMS)、航空路レーダー情報処理システム(RDP)等の情
報に基づいて、航空交通管制部のセクター(管轄空域の最小単位)や空港への交通量の過度
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な集中を防止するために、飛行経路の変更調整や交通流制御(フローコントロール)を行う
ための情報を提供するシステムである。
⑧ 空域管理システム(ASM)
航空路及びセクター、進入管制区、訓練空域等、各種空域の運用に関する情報を収集・管
理し、運航者や管制機関等へ情報提供を行うシステムである。
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