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コメディカル不足に関して ~看護師の人数と教育~ 看護師
コメディカル不足に関して ~看護師の人数と教育~ 看護師の人数と教育 1. 患者の安全性と看護師数 1. 1 2. 3. 看護師数が多くなると患者の安全性は高い(資料1) 100病床あたりの看護師数は諸外国の約1/4(資料2) 病院は様々な職種により支えられている(資料3、参考資料1、参考資料2) 2. 患者の安全性と看護師の教育水準 1. 2. 看護師の教育水準の向上は、患者死亡の減少をもたらす(資料4) 看護師の教育水準の向上は 患者死亡の減少をもたらす(資料4) 大学における看護師養成はわずか15%(資料5) 3. 看護師の離職と教育 1. 2. 離職の状況(資料6、資料7、資料8、資料9 ) 教育背景の違いによる早期離職率(資料 ) 教育背景の違いによる早期離職率(資料10) 4 対策 4. 1. 2. 短期 看護師雇用数の増加と離職防止策 中長期 看護師教育を高卒後4年間の大学教育に 資料 1 病床あたり看護師数が多いほど、患者の安全性は高い 一般病棟での最高基準は常時7対1 患者対看護師の比率と患者死亡率2) 50病床あたりの看護師配置の一例 (患者対看護師常時4対1を100とする) 日中 % 夜間 常時 7対1 対 患者死亡率 10人 7~8人 常時 10対1 出典:: 1 Evidence Report/Technology Assessment. AHRQ Publication No. 07‐E005, March 2007. 2 Aiken LH , et al. Hospital nurse staffing and patient mortality, nurse burnout, and job dissatisfaction. JAMA. 2002 Oct 23‐30;288(16):1987‐93. 6~8人 3~4人 資料 2 100病床あたりの看護師数諸外国平均の1/4 (人) 100病床あたりの看護師数 出典:OECD Health Data 2007 平成18年病院報告 資料 病院は様々な専門職種によって支えられている -100病床あたりの全職員数は諸外国平均の24% 100病床あたりの全職員数は諸外国平均の24% 歯科医師 1% 医療社会事業従事者 その他の技術員 介護福祉士 社会福祉士 精神保健福祉士 栄養士 管理栄養士 柔道整復師 あん摩マッサ ジ指圧師 あん摩マッサージ指圧師 臨床工学技士 衛生検査技師 臨床検査技師 診療エックス線技師 診療放射線技師 歯科技工士 歯科衛生士 義肢装具士 言語聴覚士 視能訓練士 作業療法士(OT) 理学療法士(PT) 事務職員 9% その他の職 員 5% 医師 11% 3 100病床あたりの全従事者数 (人) 薬剤師 2% 保健師 0.18% 助産師 1% 看護師 35% 看護業務補助者 11% 准看護師 11% 出典:平成18年度病院統計(厚生労働省) 出典:OECD Health Data 2007 平成18年病院報告 資料 4 看護者の教育水準の向上は、 患者死亡の減少をもたらす 学士または修士を持つ看護師割合と、患者死亡率及び重症合併症患者死亡率 とは 統計学的に有意な相関がある 看護師の経験年数とは相関がない とは、統計学的に有意な相関がある。看護師の経験年数とは相関がない。 95 人 患者 重症合併症患者1000人当たり 14.2人の死亡が減少 90 重症合併症患者 患者1000人当たり 3.6人の死亡が減少 が減少 人 85 人当 3.6人減 死亡者数 人当 80 90.4 75 死亡者数 83.1 14.2人減 76.2 70 65 (学士の学位を持つ看護師の割合) 20% 40% 60% (学士の学位を持つ看護師の割合) (学 の学位を持 看護師の割合) 出典: Aiken LH, et al. Educational Levels of Hospital Nurses and Surgical Patient Mortality. JAMA 2003;290(12):1617‐23 大学での看護師養成は全体の15% 資料 5 大学等の養成定員 50000 45237 44035 45000 41842 41709 40000 35000 30000 25000 20000 15000 10000 7140 6530 5950 5125 5000 0 大学 3年以下 平成15年度卒 大学 3年以下 平成16年度卒 大学 3年以下 平成17年度卒 大学 3年以下 平成18年度卒 入学時および卒業時の定員充足率 115% 大学卒業時 110% 大学卒業時 105% 100% 3年以下 入学時 95% 90% 3年以下 卒業時 85% 出典:看護師学校養成所入学状況及び卒業性就業状況調査(厚生労働省) 平成19年看護関係統計資料集 平成15年度卒 平成16年度卒 平成17年度卒 平成18年度卒 看護師養成数は十分だが、離職者が多い 資料 6 単年で見た病院就業看護師数の変化(推計) (助産師、保健師含む) 病院就業看護師数 2005年末 2006年4月 2006年 2006年末 新卒就業者 離職者 再就業者 8.13万人3) 5.93万人 病院就業看護師数 62.2万人1) 3.9万人2) (完全な)離職者 2.2万人 人 63.9万人1) 1.7万人増 出典: 1)平成18年病院報告(厚生労働省) 2)平成18度年看護師等学校養成所入学状況および卒業生就業状況調査(厚生労働省) 3)日本看護協会発表の2006年離職率12.3%より推計 他の数値は上記をもとに推計した値 離職理由から浮かび上がる問題点 離職理由 • 一人分の業務量が多い →事故への不安 – 患者ケアも、新人教育も、雑務も・・・ – 常勤看護師の離職率12.4%、新人9.2%(2007年度) – 夜間の看護職員の負担(参考資料1) • 人員の不足 ・看護師 ・事務クラーク 事務クラ ク ・看護助手 ・病棟薬剤師 余裕のないシフト →事故への不安 →キャリアアップが難しい – 卒後専門教育 機会 卒後専門教育の機会 不足 退職者が多く、まだ経験が短いのに責任あるポジ ションに – 勉強したいのに休暇を取れない 勉強 休 を な – 希望の病棟(診療科)に異動できない →結婚、育児等プライベートとの両立が困難 • 資料 7 ・キャリアアップのための教育 ・新人看護師のための研修 新人看護師のための研修 ライフスタイルに合わ イ タイ 合わ 現場で求められる能力と学んできたことのギャッ ない勤務形態 プ(卒業と同時に定員、業務内容・責任は熟練 プ(卒業と同時に定員 業務内容・責任は熟練 者と同じ) →事故への不安 看護師のキャリアパスでは、離職した後、復職しない 資料 8 一般に、働く女性は30代に離職し、30代後半~40代に復職するため、 般に 働く女性は30代に離職し 30代後半 40代に復職するため 就業率はM字カーブを描くことが知られているが、通常の看護師のキャ リアパスでは、離職した後、復職しない 年齢階級別看護師の就業者数 140,000 病 院 有床診療所 120,000 100,000 無床診療所 訪問看護ステーション 介護保険施設等 80,000 社会福祉施設 60,000 看護師等学校養成所又は 研究機関 一般女性の就業率(参考) 40,000 20,000 0 出典:平成18年度 衛生行政報告例 出典:厚生労働省「平成16年版 働く女性の実情」 ライフスタイルの変化に対応していない勤務環境 資料 9 結婚や出産等で変化するライフスタイルに勤務形態が合 わずに離職後、復職もしがたい状況を生み出している。 看護職の就業形態 54 カナダ 33 47 デンマーク 13 53 65 ドイツ アイスランド 51 ニュージーランド 50 35 49 48 35時間未満/週 43 ノルウェイ 2 57 75 スウェーデン 25 64 イギリス 36 58 アメリカ 25 35時間以上/週 日本 0% 20% 17 97 40% 21 60% 80% 100% 日本では、8時間働く夜勤や交代勤務、超過勤務を厭わない人 しか雇用されない現状。 出典:ICN ワークフォースフォーラムカントリーレポート 2007 (日本看護協会HPより) 資料 10 1 大卒者の早期離職率は養成所卒に比べ 10 早期離職率と学歴の関連 最終学歴 早期離職者/入職者 早期離職率 (%) 看護系大学卒 1/177 0.56 看護系短期大学卒 3/203 1.48 養成所卒 32/517 6.19 他学部の短大・大学卒 他学部の短大 大学卒 0/22 0 不明 1/4 25.0 出典: Eiko Suzuki et al; Factors Affecting Rapid Turnover of Novice Nurses in University Hospitals. J Occup Helth 48,49-61,2006 他職種も不足しており、当直、夜勤がいないため、 夜間は看護職が他職種の業務を代行 参考資料 1 (n=2948) ( ) (%) 出典:2001年 病院における夜間保全体制ならびに外来等夜間看護体制・関係職種の夜間対応体制に関する実態調査(日本看護協会) 薬剤師数が多いほうが患者の安全性は高い 参考資料 2 薬剤師数 増 す 薬剤師数が増加すると入院患者死亡率は低下する 入院患者 率 低 す 100床あたり薬剤師数 出典: 1 Bond CA, et al. Clinical pharmacy services, pharmacy staffing, and hospital mortality rates.Pharmacotherapy 2007;27(4):481-493 2 平成18年病院報告(厚生労働省)