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第1回JNTO 特別顧問会議開催報告(PDF 68KB)

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第1回JNTO 特別顧問会議開催報告(PDF 68KB)
第一回 JNTO 特別顧問会議開催報告
1.概要
独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)の中期計画における目標である、「JNTO
に対する外部有識者の評価を含む業績評価制度を充実する」ため、JNTO の組織運営
や事業展開に関する御提案・御助言を得ることを目的とした JNTO 特別顧問会議を
設置し、第一回会合を開催しました。
同会議は、社団法人日本経済団体連合会会長の奥田碩氏を座長に、観光・旅行・
運輸関連業界・団体や自治体の長、学識経験者の方々15 名により構成されています。
2.委員
座長
奥田 碩
(社)日本経済団体連合会会長
副座長 木村 尚三郎
東京大学名誉教授
大塚 陸毅*
東日本旅客鉄道(株)代表取締役社長
小倉 和夫
独立行政法人国際交流基金理事長
佐藤 義正
(社)国際観光旅館連盟会長
新町 光示
(社)日本旅行業協会会長
新町 敏行
定期航空協会会長
寺嶋 潔
(財)運輸政策研究機構会長
飛田 克夫
ジャパニーズ イン グループ会長
中村 徹
(社)日本観光協会会長
舩山 龍二
(社)日本ツーリズム産業団体連合会会長
向山 秀昭
帝京大学教授
山口 弘毅
(社)日本ホテル協会会長
山田 啓二
京都府知事
田 二郎*
(社)日本民営鉄道協会会長
(*印の委員は第一回会合に欠席)
3.第一回 JNTO 特別顧問会議概要
1)開催日時:平成16年9月21日
2)会場:
経団連会館会議室
午後3時∼5時
(901 号室
室町)
3)議事次第:
・主催者挨拶 国際観光振興機構理事長
・座長挨拶
日本経済団体連合会会長
・JNTO の活動状況等について
・各委員からの意見・助言等
1
中村 稔
奥田 碩
4)委員意見(要約)
・観光客を呼ぶことは日本の新しい国づくりであり、本当の意味の構造改革ではない
かと思う。そのためには、私達自身が自分達の良い生き方を知る必要がある。日本
文化を活用し、わかりやすくする努力が必要。美しさ、心地良さに力をいれるべき
で、「美しくする」、「わかりやすくする」、「動きやすくする」という3つが基本で
ある。このような努力を通して、日本全体を変える必要がある。省庁、民間に働き
かけ、国民運動として日本の体質改善を図ることが日本人にとっても外国人にとっ
ても幸せになる道である。
・インフラの整備が大切。JNTO は長期的な視野にたって、インフラ整備についてどの
ように有効に働きかけていくかを検討し、土台から整備していく必要がある。具体
的な実行力ある働きかけが必要と思う。
・JNTO の京都 TIC(Tourist Information Center)が、今年閉鎖された。そこで府と
市が話し合い、新たに TIC を立ち上げたが、不便であるといった苦情があったり、
観光客への情報提供も十分できず苦慮している。JNTO の弱点は国内と国外の連携に
あるのではないか。十分な連携のないまま TIC が閉鎖されたため、その後もうまく
いっていないのではないか。先日京都を訪れた英国のトーマスクック社の社長は、
ヨーロッパからの訪日旅行者にとって言葉のバリア、案内が充実していないことが
問題と言っていた。「JNTO は地方自治体等の共有資産」とパンフレットに書かれて
いるが、国内でのインフォメーション提供に関し、もっと地方自治体との連携、サ
ポート、基盤提供をお願いしたい。
・これから海外からの修学旅行誘致に力を入れたいと思っている。中国では、アジア
カップで見られたように反日感情が強い面もあるが、修学旅行生に来てもらい日本
の高校生と交流すれば、相互理解という新しい側面が開けるのではないだろうか。
ご支援お願いしたい。
・国際交流基金も観光立国に何かお役に立たないかとやっている。障害としては、美
術品等の翻訳をどのようにするかといった問題がある。また、国際会議等で外国人
を招待する時に同行する配偶者は、観光という観点では重要であるのに、その旅行
経費が出ないという問題がある。
日本に関心がある人、研究者、日本語学習者、日本への留学経験者など、日本に
来てもらえる人がどこにいるのかのデータベースも必要ではないかと思う。
ガイドブックに関しても、日本人向けのものを単に外国語に直しただけで、本当
に良いガイドブックがない。ミシュランなどを参考に、モデル的なものを作るべき
である。
・外国に行くと、政府からその国を紹介した重たい本をもらうが、ああいう本は日本
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では JNTO が作ったりあっせんしているのか。日本にはあのような、国を紹介した
本があるのか。
・航空に関して、乗り継ぎのことをよく言われる。成田から羽田、羽田でまた国内線
で北海道へ。なぜ同じ空港で乗り継ぎができないのかという話が出てくる。大阪も
同じ。同じ空港で乗り継ぎができないのはハンディキャップではないのか。
・海外から地方直行路線をできるだけ多く育てるべきと思うが、それには航空路線を
維持しうる需要が必要。そのために地方の方々にアジアの方々を受け入れる素地を
作ってもらわなければならない。
これは JNTO と日本観光協会の共同作業と考える。
地域における受け入れの問題に関して言えば、受け入れようという気持ちを育てる
こと、地域とのつながり、地方公共団体とのコラボレーションが大事。
・JNTO は職員の能力を出し切っていないのではないか。来年 VJC 予算が40億円にな
り、カナダ、オーストラリア、タイ、シンガポールが対象になると、また、VJC 市
場部会ができる。部会には民間の旅行代理店、宿屋、IT 関連が入っているが経験が
なく、情報もない。国の予算を JNTO の海外経験により生かしてもらいたい。JNTO
の海外事務所、JNTO の力が必要になる。JNTO に情報を報告してもらい、関係者が
共有しながら提案をしてもらいたい。アジアのビザを解禁すれば訪日客は 1,000 万
人になると思うが長続きしない。欧米のお客さんをロングスパンで呼んでくること
が重要。JNTO にリーダーシップをとって欲しい。
・JNTO の歴史と海外のネットワークをフルに活用し、サポートしていただきたい。日
本旅館は、日本固有の良い観光素材と思う。これをいかにして海外に発信し、商品
に結び付けて外国人観光客に訪れてもらうかが重要である。ジャパニーズイングル
ープは、規模が小さい宿泊施設の集まりなので、そのようなことがなかなかできな
い。JNTO に期待したい。
・日本全体として JNTO の認知度が十分ではない。JNTO を活用する体制を作らなけれ
ばいけない。JNTO は、外国マーケットへのアクセス、旅行業界、メディアとの接点
を持っている。日本の財産である。それをもっと活用する体制を考えていく必要が
ある。国、民間、業界の資産である JNTO をもっと活用するような体制作りを業界
全体、国、地方で考えて欲しい。
・総理大臣自らが観光立国に取り組んだ最大のメリットは、省庁の壁を超えて観光に
取り組む動きが出てきたこと。特に外務省では、大使、領事等がアクティブな動き
をされていることが一番大きなポイントである。JETRO,国際交流基金など、他省庁
管轄の JNTO と同じような団体が海外の同じ地域に事務所を持っている。これらの
横の連携も必要である。
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・通訳ガイドの問題。試験は JNTO が国からの委託でやっているが、JNTO の意思を感
じない。例えば、グッドウィルガイド、日本観光協会の観光ボランティアガイド、
難しい国家試験を必要とする通訳ガイドなどがあるが、それぞればらばらであり、
整理をする必要がある。JNTO が意思を持って国家試験をどうするか考えてほしい。
ガイドを試験で養成するが、そのデリバリーシステム(利用してもらうための環境)
がない。中国からのツアーは、なるべく安くしたいのでガイドを使うことを考えて
いない。いかにガイドも含め良質な旅行を提供するか、システムを変える必要があ
る。
・JNTO の新しい進み方に期待している。以前と比べてだいぶ変わったなと思っている。
向山前理事長の時、USTOA(米国ツアーオペレータ協会)に働きかけ、それまで日
本にお客を送ろうという考えがなかった米国の有力ツアーオペレーターに、これか
らは日本に送客すると言っていただけた。JNTO に仕事らしい仕事をしてもらった。
他省庁との連携も大事だが、民間にもっと呼びかけをして、民間の声を聞いてほ
しい。そして、民間関連団体との連携を強化してもらいたい。
・よそものが見る目は私たちとちがう。ポテトサラダ、鳥居の赤、お寺の鎖状の雨ど
いなどから外国人が受けるイメージは、日本人が感じているものとは異なる。いか
に日本を売り込むのかも大事だが、よそ者の目(外国人がどのように感じるのか)
を大事にする必要があるのでは。
日本の絵葉書は山紫水明ばかりであるが、日本ばかりが美しいわけではない。暮
らしぶりがわかる絵葉書であればそこに行ってみたいと思うのではないだろうか。
日本にはあまりよい絵葉書がない。また、どこに売っているかわからない。絵葉書
と地図くらい日本中で整備してほしい。安くておいしいもの、安くてよいお土産が
一番よい。地方にはなかなかないが、地方の食のレベル向上、郷土料理の創造、地
産地消を進めたい。
・どの企業でも CS を真剣にやっている。日本に来た外国人旅行者の日本旅行につい
ての満足度を調べていない。ホテルには必ずそのようなアンケートがあり、エアラ
インもある。国全体としての顧客満足度を図る調査は JNTO の本来の仕事ではない
かと思う。観光産業ではお客様の満足度が一番大事であり、観光立国というからに
はこれが必要。JNTO が調査を行い、その結果を国・民間等関係先に伝えるというフ
ィードバックすれば日本の観光がよくなる。
・JNTO の職員は小天地に安住しているという批判を受けていたこともある。独立行政
法人への移行で人事管理の自由度が増えたと思われる。職員の意識を変える一つの
手段として、関連業界、官庁から人を受け入れ、JNTO の職員を関連業界に送り出し
てはどうか。人的なつながりも広がり、JNTO の職員の意識も違ってくるのではない
かと思う。
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・日本の観光はスポット毎でやっており、面として広がっていない。関空がもたもた
していると中部に人をとられると言ったら、京都や奈良からは大阪が近いから大丈
夫と言われた。中部で降りて、伊勢志摩を通って京都、奈良、瀬戸内海、別府など
の面としてのパッケージツアーを作っていかないといけない。
・観光面からの道路の整備ができていない。道路はスポットを結ぶだけになっている。
北海道の公共事業に関する地図は、北海道をぐるっと回っているだけ。北海道の温
泉と温泉をつなぐ道路の地図はまるっきり違う。観光に必要な道路、観光から見た
道路を考えてはどうかと思う。
・JNTO の果たすべき大事な役割は海外における営業活動である。観光立国ということ
だが、日本は遅れている、ハンディキャップを負っていることを認識すべき。海外
にある旅行会社が積極的に日本行き商品を開発し、お客に勧めるという営業活動を
してもらわないと集客にはつながらない。JNTO の海外事務所の大きな仕事である。
海外における旅行会社に対する支援や日々の PR 活動など、海外における活動を強
化していただく必要がある。
以上
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