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第 2 部

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第 2 部
第 2 部
国家公務員倫理規程質疑応答集
1
利害関係者の定義
【利害関係者全般】
問1
倫理法及び倫理規程の「事業者等」には地方公共団体は含まれるの
か。地方公共団体の首長、議会議員はどうか。
答
地方公共団体は「事業者等」に含まれる。地方公共団体の首長、議会
議員は、地方公共団体の利益のためにする行為を行う場合は、
「事業者
等」とみなされる。
問2
各府省の地方支分部局は単体として「事業者等」に該当するのか。
答 「事業者等」とは、倫理法第2条第5項により「法人その他の団体」と
規定されている。各府省の地方支分部局は国の機関であり、それ自体
「団体」であることから、
「事業者等」に該当する。
問3
答
政治家は利害関係者に該当するのか。
政治家は、通常は倫理規程第2条第1項各号のいずれにも該当しない
ので、利害関係者に該当しない。
問4
政治家は通常は利害関係者とはならないとのことであるが、政治家
が事業も行っている場合に、その事業との関係でも利害関係者とはなら
ないのか。
答
政治家が事業者として職員と接触する場合には、当該事業に係る許認
可等、補助金等の交付等の事務に携わる職員の利害関係者となる。
問5
報道関係者は利害関係者に含まれるのか。
―7
5―
答
取材活動をしている記者は一般には利害関係者に該当しない。
問6 「事業」の定義について、営利を目的とするものに限定し、公益法
人が行う事業は含まれないと解釈してよいのか。
答
第2条第1項第1号の「事業」は営利を目的とするものに限定されず、
公益法人が行う事業も含まれる。第2条第1項第6号の「事業」は、営
利を目的とするものに限られる。
問7
同一省庁の職員同士であっても、第2条第1項各号に掲げる事務に
携わる職員にとってその相手方となる職員は利害関係者となるのか。
答
基本的に省庁内部の職員同士は利害関係者にはならないものとして取
り扱うこととしている。
問8
許認可等、不利益処分、行政指導については、行政手続法第2条の
定義に当てはまるものであれば、同法第3条で同法第2章から第4章ま
での規定が適用除外されているものについても、その相手方が利害関係
者に含まれるものと解釈してよいか。
答
そのような解釈で差し支えない。
【補助金等の交付】
問9
補助金等の交付をする事務に携わる職員にとっては、間接補助金等
の交付を受ける者も利害関係者となるのか。
答
間接補助金等の交付を受ける者のうち、第一段階までの者(国からの
補助金等を直接にその財源の全部又は一部とする間接補助金等の交付を
受ける者)が、利害関係者に含まれる。
―7
6―
【立入検査】
問1
0 立入検査の対象となる事業者について、立入検査をするという意思
決定から検査が終了するまでが利害関係者か、それともいつでも検査を
し得るという観点から一年中利害関係者とされるのか。
答
原則としては、法令の規定により立入検査をし得る状態にあるときは
利害関係者となる。しかし、各省各庁の長が、利害関係が潜在的なもの
として訓令で規定したものについては、当該訓令に定める期間だけが利
害関係者に該当することとなる。したがって、立入検査の性質等によっ
ては、立入検査をするという意思決定から検査が終了するまでの期間だ
けを利害関係者とすることも可能である。
【事業の発達、改善及び調整】
問1
1 第2条第1項第6号について、
「所掌する事務のうち事業の発達、
改善及び調整に関する事務」とは各省の設置法で「○○の発達、改善及
び調整」と規定されている場合にそれに関する事務を指すという解釈で
よいのか。
答
そのような解釈で差し支えない。
【契約】
問1
2 契約を締結した事業者の下請企業や孫請企業は利害関係者には含ま
れないと解釈してよいか。
答
直接には含まれないが、
「事業者等の利益のためにする行為を行う場
合における役員、従業員、代理人その他の者」
(倫理法第2条第6項)に
―7
7―
該当して利害関係者となる場合もある。例えば親会社のために接待をす
る場合等は利害関係者となる。
問13 利害関係者に該当する事業者の中でも、例えば営業部門と契約部門
等、部門によって利害関係者かどうか分けて判断することは可能なのか。
答
利害関係者である企業の全従業員が利害関係者になるわけではなく、
一般には職員の所掌事務に関係する部門の従業員が当該職員の利害関係
者となる。ただし、職員の所掌事務とは関係しない部門の従業員が特命
を受けて企業の利益のために職員と接触するような場合には、所属する
部門にかかわらず、職員の利害関係者となる。また、利害関係者である
企業の従業員で通常は職員の属する官庁に接触しない部署に勤務する者
に対して、接待や借財を職員がその権限を背景にして強要する場合にも、
その従業員はその職員にとっての利害関係者となる。
問14 共同研究契約を特殊法人あるいは公益法人等と結んだ場合、その相
手方は利害関係者に該当するのか。研究者は利害関係者には含まれない
として、契約担当者間では利害関係は発生するのか。無償契約の場合は
どうなるのか。
答
契約事務に携わる職員にとって、契約先機関及び当該機関の契約担当
者は利害関係者に該当する。共同研究に従事する研究者は、契約締結事
務に携わっていなければ利害関係者には該当しない。契約の有償、無償
は、利害関係の有無とは関係しない。
問15 契約履行の監督、検査の事務も第2条第1項第7号の「契約に関す
る事務」に該当するのか。
答
該当する。したがって、これらの事務に携わる職員にとって、契約関
―7
8―
係にある事業者等は利害関係者となる。
問1
6 用地交渉のように国の側から契約の申込みをする契約の相手方は、
いつの時点から契約担当職員の利害関係者に該当することとなるのか。
答
契約のための交渉から契約締結までの間は利害関係者には該当せず、
契約の締結から債権債務関係の終了までの間、利害関係者に該当するこ
ととなる。
問1
7 人材派遣会社から労働者派遣契約に基づき派遣された派遣職員は
「利害関係者」に該当し、課内旅行に一緒に行くことなどは、禁止行為
に該当するのか。
答
派遣職員は、一般には「利害関係者」に該当しないため、職員は派遣
職員との間の行為について倫理規程の規制を受けない。
問1
8 国の機関から職員の健康管理を委嘱されて月数回程度勤務する嘱託
医(国家公務員ではなく、かつ、有給)と当該機関の職員が会食等をす
る場合、委嘱の契約事務に携わる職員にとって嘱託医は「利害関係者」
に該当するのか。
答
そのような嘱託医は、嘱託医という立場で行動している限りにおいて
は、同一省庁の職員に準ずると解されるので、利害関係者には該当しな
い。
【予算、級別定数、定員の査定】
問1
9 予算、定数、定員の査定に係る利害関係者の範囲について、原局原
課は含めなくともよいのか。
―7
9―
答
会計課・人事課の職員のみならず、予算等の折衝のために査定官庁と
接触する原局原課の職員も利害関係者に含まれる。
【異動後3年間の利害関係者のみなし規定】
問2
0 辞職した場合及び公団等に出向した場合についても、過去3年間の
利害関係者は引き続き利害関係者とみなされるのか。
答
辞職して国家公務員の身分を失っている間は、倫理法、倫理規程の適
用は受けないため、過去3年間の利害関係者が引き続き利害関係者とみ
なされることはない。
したがって、出向期間中は過去3年間の利害関係者が利害関係者とみ
なされることはないが、職員として復帰すると、出向期間を含めて過去
3年間国家公務員として在職した官職の利害関係者が利害関係者とみな
される。
問2
1 自己都合により退職した職員が1年後に別の国の機関に新規採用さ
れた場合、自己都合退職前に在職した官職に係る利害関係者は、引き続
き自らの利害関係者とみなされるのか。
答
自己都合により退職する前に在職した官職に係る利害関係者は、再び
職員となった後には利害関係者とはみなされない。
2
利害関係者との間における禁止行為
【金銭、物品等の贈与】
問2
2 職員が週末などに開催される私的な研究会やシンポジウム等(公務
―8
0―
外)に聴衆として出席するための旅費を利害関係者から受け取ることは
許されるのか。
答
このようなケースにおいて利害関係者から交通費等を受け取る行為
は、金銭の贈与を受けることに該当し、倫理規程違反となる。
問2
3 組織の長が利害関係者が持参した土産等を受領し、各職員に配布し
た場合、倫理規程上の取扱いはどのようになるのか。
答
利害関係者からの物品の贈与を受けたことにより、組織の長は倫理規
程に違反したこととなる。また、各職員についても、組織の長が倫理規
程違反の行為によって得た財産上の利益であることを知りながら、その
利益を受け取ったり、享受することは倫理規程違反となる。
問2
4 利害関係者からなま物が送られてきたので返送したが、相手方が不
在で連絡がつかず、腐りかけてきたため、配達業者が再度当方に戻して
きた場合、どのような措置をとればよいのか。
答
いったん返送したことにより必要な措置は講じたものと考えられるた
め、適宜処分して差し支えない。
問2
5 結婚披露宴に利害関係者を招待して、その利害関係者が持参する祝
儀を受け取ることはできるのか。
答
利害関係者からであっても、実費相当の祝儀を受け取ることはできる。
問2
6 職員の婚約者が勤めている会社がその職員にとって利害関係者に該
当する場合、職員が結婚披露宴で婚約者の上司・同僚等から祝儀を受け
取ることは倫理規程で禁止されているのか。
答
通常の社交儀礼の範囲内の祝儀であれば、受け取って差し支えない。
―8
1―
問2
7 職員が結婚披露宴を行う際、その父との関係に基づき出席をした者
(職員にとっては利害関係者)からの祝儀は受け取ることができるのか。
また、この場合に報告書を提出する必要はあるのか。
答
父との関係に基づき祝儀が出された場合、通常の社交儀礼の範囲内の
祝儀を受け取ることは認められる。また、利害関係者が個人として持参
した祝儀であれば、報告の必要はない。
(事業者等として持参した祝儀
は、報告の必要がある。
)
問2
8 職員の親が所管業界の業者である場合において、親の葬式の際に同
業者組合の者(職員にとっては利害関係者に当たる。
)から香典が贈ら
れた場合はどう考えるか。
答
当該香典が、親との関係に基づき出されたものであるのか、それとも
職員との関係に基づいて出されたものであるのかなど、個別の事例に即
して判断する必要がある。亡くなった親との関係に基づいて贈られた香
典は、通常の社交儀礼の範囲内のものであれば受け取ることができる。
問2
9 香典に関し、職員が亡くなり遺族が受け取ることは、禁止行為に該
当するのか。
答
倫理規程の適用を受ける職員が死亡していることから、遺族が香典を
受け取ることは認められる。
問3
0 利害関係者が喪主となっている葬式に会葬した際、通夜ぶるまいの
食事の提供を受けることは認められるか。
答
認められる。
問3
1 会葬御礼の品物を受領することは認められるか。
―8
2―
答
記念品に準ずるものとして認められる。
問3
2 香典返しを受領することは認められるか。
答
香典返しの一般的な範囲内(半返し)であれば認められる。
問3
3 弔電を受け取ることは禁止されるのか。また、弔電にふくさ等の付
属品がついているものについてはどうか。
答
弔電を受け取ることは物品の贈与を受けることには該当しない。また、
付属品についても、高価なものでない限りは受け取って差し支えない。
問3
4 利害関係者が費用を負担する旅費先方負担の出張の取扱いはどのよ
うになるのか。
答
当該旅費の負担は職員に対する金銭の贈与には該当しないので受領し
て差し支えない。また、倫理法第6条の贈与等報告の対象にも該当しな
い。
【役務の提供】
問3
5 職員が出張で、利害関係のある民間企業を訪れた際、帰りに駅まで、
偶然同方向に用務があるその企業の従業員が乗るタクシーに便乗するこ
とは、倫理規程に違反するのか。
答
職員は出張に当たり、必要な旅費を支給されているため、出張中の移
動は自らの負担で行うことが原則となる。
ただし、その職員のためにわざわざ便宜を図るものでなく、たまたま
利害関係者が利用するタクシーが職員と同じ目的地に行く場合や職員の
目的地を通過することが明らかな場合で、利害関係者に新たな追加的負
―8
3―
担もかけないときには、便乗しても問題はない。
【供応接待】
問36 外国政府との間の合意に基づく両国間の交流のための会合又は国際
会議のワーキンググループの会合の公式日程に、所管の特殊法人又は会
合開催地の自治体(いずれも利害関係者に該当)主催の多数の者を招待
した晩餐会が組まれている。自己の費用を負担せずに、この晩餐会に出
席することは倫理規程の禁止行為に該当するのか。
答
そのような晩餐会に出席することは、倫理規程の禁止行為には該当し
ない。
問37 利害関係者に該当する所管の財団法人等が主催する、国際的に高い
評価の確立している賞の記念パーティーに招待されているが、自己の費
用を負担せずに出席することは倫理規程の禁止行為に該当するのか。
答
そのようなパーティーに出席することは、倫理規程の禁止行為には該
当しない。
問38 地震等の被災地の復旧作業のために現地入りしている職員(被災地
の市が利害関係者に該当する。
)が、災害対策本部でその市から弁当の
提供を受けることは、倫理規程に違反するのか。
答
職員が職務として災害対策に従事している際、業務遂行の合間に弁当
など簡素な飲食物の提供を受けることは、倫理規程の禁止行為には該当
しない。
―8
4―
【遊技・ゴルフ】
問3
9 「遊技」の概念について、ソフトボール、ボウリング等は含まれな
いと解釈してよいのか。
答
そのような解釈で差し支えない。
問4
0 職員が、利害関係者に該当する OB 数名も参加する、OB 会のゴル
フコンペ(3
0∼40人以上が参加する規模のもの)に参加することは、倫
理規程で禁止されている「利害関係者と共にゴルフをすること」に該当
するのか。
答 利害関係者と同じ組でプレーすることを意図して参加するような場合
を除き、質問のようなゴルフコンペに参加することは倫理規程の禁止行
為に該当しないものとして取り扱って差し支えない。
問4
1 職員が、ゴルフ場が主催する月例コンペに参加しようとしたところ、
参加者の中に当該職員にとっての利害関係者に該当する者が含まれてい
ることが分かった。このコンペに参加することは倫理規程で禁止されて
いるのか。
答 このコンペに参加することは、
「利害関係者と共にゴルフをすること」
には該当しない。
【旅行】
問4
2 利害関係者と共に旅行をすることが認められている「公務のための
旅行」とは、どのような場合か。
答 出張命令が出されていて、利害関係者の同行が公務に必要な場合であ
―8
5―
る。
【第三者に利益を受けさせる行為】
問43 利害関係者に要求した時点で違反となるのか。それとも、利害関係
者に要求し、その結果第三者が利益を受けた時点で違反となるのか。
答
利害関係者に要求して、その結果第三者が当該利害関係者から利益を
受けた時点で違反となる。
問44 大規模災害の発生に際して、行政機関から所管団体に要請し、自治
体に対して救援物資を提供してもらうことは、禁止行為に該当するのか。
答
その要請が、行政目的を達成するためのもの(実質的に強制にわたる
ようなものは除く。
)であれば、禁止行為に該当しない。
【倫理規程違反をもたらす行為】
問45 甲省の職員にとって利害関係者に該当する乙省の職員が当該甲省の
職員に接待をする行為は倫理規程に違反するのか。
答
倫理規程には違反しないが、相手方に倫理規程違反をもたらすもので
あり、信用失墜行為に該当する場合がある。
3
禁止行為の例外
【宣伝用物品、記念品】
問4
6 利害関係者である OB から、在職時代の思い出などを内容とする本
―8
6―
(非売品)を自費出版したので、無償で職員に配布したいとの申し出が
あったが、受け取ることは倫理規程の禁止行為に該当するのか。
答
在職時代を私的に回顧したものを退職後に自費出版した記念品的なも
のであり、倫理規程の禁止行為には該当しない。
【立食パーティー】
問4
7 立食パーティーにも提供される飲食物の費用に幅があると思うが、
その点は制限されていないのか。また、受領することが認められている
記念品についても同様の問題があると考えられるが、どうか。
答
立食パーティーであれば、提供される飲食物の費用の多寡は問わない。
記念品についても、パーティーの参加者全員に配布されるものであれば、
利害関係者から贈与を受け取ることは許容される。
なお、自らが飲食した飲食物又は贈与を受けた記念品の価額が5千円
を超えるときは、本省課長補佐級以上の職員は贈与等報告書を提出する
必要がある。
問4
8 出席者のほとんどが利害関係者であるような立食パーティーであっ
ても、利害関係者から飲食物の提供を受けることは、禁止行為の例外と
して認められるのか。
答
立食パーティーであれば、出席者の構成にかかわらず、利害関係者か
ら飲食物の無償提供を受けること及び利害関係者から記念品を受け取る
ことが認められる。
問4
9 大広間で行われる5
0人以上の者が出席するパーティー(着席形式で
座席指定なし)に招待されているが、そのパーティーには利害関係者も
―8
7―
出席することが分かっている。立食パーティーではないので、出席する
ことは倫理規程違反となるのか。
答
そのようなパーティーは立食パーティーに準ずるものと認められるの
で、出席することは差し支えない。
【自動車の利用】
問50 大臣が地方へ出張した際に、空港まで大臣を迎えに来ていた地方自
治体の車に随行の局長等も同乗してもよいのか。また、知事(利害関係
者)が大臣を招宴した際、食事の提供を受けてよいのか。
答
地方自治体の車に同乗して差し支えない。また、華美なものでない限
り食事の提供を受けて差し支えない。
【会議における簡素な飲食】
問51 職員が、倫理監督官の承認を得て講演を行った際、講演の前後に、
利害関係者から簡素な飲食物の提供を受けることはできるのか。
答
公務として又は倫理監督官の承認を得て講演を行った際の簡素な飲食
については、職務として出席した会議における簡素な飲食物の提供に準
ずるものとして取り扱って差し支えない。
【私的な関係による例外】
問52 職員が以前勤務し、現在利害関係者に該当する企業のかつての同僚
等との関係は私的な関係に該当するのか。
答
職員としての身分にかかわらない関係なので、私的な関係に該当する。
―8
8―
問5
3 利害関係者に該当する者も出席する場合は、大学や高校の同窓会に
も出席できないのか。
答
出席できる。会費を支払って同窓会に出席し、利害関係者である友人
と共に飲食し、その費用が1万円を超える場合であったとしても、学生
時代の友人は「私的な関係」に当たるので、倫理監督官に届出をする必
要はない。
問5
4 職員が所属する府省の所管業界の会社に勤務する大学時代の友人か
ら親の葬式の際に香典をもらうことはできないのか。
答
倫理規程が定める「利害関係者」は個々の職員ごとに判断されるので、
その職員の所掌事務からみて、職員にとってその友人が利害関係者に該
当しない場合は、香典を受け取ることは差し支えない。
その職員にとってその友人が利害関係者に該当する場合でも、大学時
代の友人は倫理規程第4条第1項の「私的な関係」に当たるので、親し
い友人から社会通念上過剰でない額の香典を受け取ることは差し支えな
い。
問5
5 職員がかつて仲人をしてもらった上司が、退職して当該職員が担当
する法人に再就職して利害関係者となった。この職員は、それまで行っ
ていた仲人宅を正月に訪問して食事をよばれることもできなくなるの
か。
答
仲人をしてもらった関係は、倫理規程第4条第1項の「私的な関係」
に該当するので、国民の疑惑や不信を招くものでなければ食事をよばれ
て差し支えない。
―8
9―
4
利害関係者以外の者等との間における禁止行為
問5
6 つけ回しは親族との間、父親との間でも禁止されるのか。
答
相手が「事業者等」に該当する場合は禁止される。
5
特定の書籍等の監修等に対する報酬の受領の禁止
問5
7 作成費用の一部が、補助金等又は国が直接支出する費用による場合
であっても規制の対象となるのか。
答
対象となる。
問5
8 禁止行為に該当するかどうかを、どの時点で判断するのか。
答
補助金等をもって作成される書籍等に係る監修料は、監修を行う時点
で判断する。過半数を買い入れる書籍等に係る監修料は、監修作業が完
結した時点で購入見込み数を判断することとなるが、見込みが立たない
場合には、監修料を受領する時点における購入数(見込み数を含む。)
が、過半数に達しているかどうかで判断する。
6
利害関係者と共に飲食をする場合の届出
問5
9 職員が結婚披露宴に利害関係者を招待する場合には、倫理監督官に
届出をする必要があるのか。利害関係者が行う結婚披露宴に、職員が出
席する場合(祝儀や会費を持参するため自己費用負担)はどうか。
答
いずれの場合も、多数の者が出席する一般的な結婚披露宴であれば、
自己の飲食に要する費用が1万円を超える場合であっても、倫理監督官
に届出をする必要はない。
―9
0―
問6
0 1万円を超えるかどうかを判断するに当たって、消費税の扱いはど
うするか。
答
税・サービス料を含めて1万円を超えるかどうかを判断する。
7
報告書関係
問6
1 職員が喪主として父の葬儀を執り行う際、利害関係者が亡くなった
父との関係に基づき持参した香典(通常の社交儀礼の範囲内の金額)を
受領した場合、報告書を提出する必要はあるのか。
答
職員が喪主であるか否かにかかわらず、利害関係者が個人として持参
した香典であれば、報告の必要はない。
(事業者等として持参した香典
は、報告の必要がある。
)
問6
2 職員が喪主として父の葬儀を執り行う際、利害関係のない者が職員
本人との関係に基づき持参した香典(通常の社交儀礼の範囲内の金額)
を受領した場合、報告書を提出する必要はあるのか。
答
職員が喪主であるか否かにかかわらず、利害関係のない者が個人とし
て持参した香典であれば、報告の必要はない。
(事業者等として持参し
た香典は、報告の必要がある。
)
問6
3 職員が喪主として父の葬儀を執り行う際、利害関係のない者が亡く
なった父との関係に基づき持参した香典(通常の社交儀礼の範囲内の金
額)を受領した場合、報告書を提出する必要はあるのか。
答
職員が喪主であるか否かにかかわらず、利害関係のない者が事業者等
として持参した香典であっても、報告の必要はない。
―9
1―
問6
4 職員が、国際機関等に派遣されている場合や、休職して研究所等で
研究等に従事している場合などに、国際機関等や研究所等から贈与等を
受けたときは、贈与等報告書を提出するのか。
答
当該機関の他の職員も同様の贈与等を受けることができる場合につい
ては、当該贈与等は専ら部内の問題であり、贈与等報告書を提出する必
要はない。
問6
5 宮中晩さん会等で飲食の提供を受けたときは、贈与等報告書を提出
するのか。
答
贈与等報告書を提出する必要はない。
問6
6 職員が、自らの属する府省の外交交渉で外国に出張する際に、外交
を行うために外務省職員に併任されることになるが、出張先の在外日本
大使館から歓迎レセプションや打ち合わせにおいて飲食の提供を受けた
場合、贈与等報告書を提出するのか。
答
自らの所属する併任先からの飲食の提供であるので、贈与等報告書を
提出する必要はない。
問6
7 職務として事業者等の事務所等を訪問した際に、事業者等の自動車
を使用した場合には、贈与等報告書を提出するのか。
答
通常利用する交通機関を利用した場合の交通費に基づき算定した価額
により報告書を提出する必要がある。ただし、倫理規程第3条第2項第
4号に定める要件に該当する場合(事業者等が利害関係者でない場合も
同じ)は、周囲の交通事情その他の事情から自動車の利用が相当と認め
られる場合であり、倫理法第6条の財産上の利益の供与には該当せず、
贈与等報告書を提出する必要はない。
―9
2―
問6
8 結婚披露宴に出席した事業者等である役員から受けた祝儀について
は、社会一般の祝儀の範囲内であれば、贈与等報告書を提出する必要は
ないのか。
答
祝儀の額の全額について贈与等報告書を提出する必要がある。
問6
9 職員が外国留学するに当たり、外国政府から奨学金を受領した場合
には、贈与等報告書を提出するのか。
答
公務による留学のための外国出張において、当該出張で必要な実費弁
償として受けるものであれば、贈与等報告書を提出する必要はない。
問7
0 数人の職員からなるグループによる著作(著作者は当該グループ名)
に対する報酬がグループに対して支払われる場合に、贈与等報告書はグ
ループ一括で提出してよいか。
答
各職員が、個別に、自らに属する報酬分を提出する。
問7
1 職員が遡って本省課長補佐級以上となる給与の級に昇格した場合、
昇格した日と発令のあった日との間に受けた贈与等について、贈与等報
告書を提出するのか。
答
贈与等を受けた時点では、職員は本省課長補佐級以上ではなかったこ
とから、贈与等報告書を提出する義務は生じておらず、したがって提出
する必要はない。
問7
2 民間企業等から表彰を受けたときは、贈与等報告書を提出する必要
があるのか。
答
賞状自体については、名誉を表すもので経済的価値がないことから、
贈与等報告書を提出する必要はないが、副賞として受領する現金・物
―9
3―
品・表彰式での飲食の提供については、贈与等報告書を提出する必要が
ある。ただし、次のいずれにも該当するものについては、贈与等報告書
を提出する必要はない。
①
公的性格又は公開性を有するもの
・
国、地方公共団体、外国政府など公的性格が強い機関が授与する
もの
・
受賞者、受賞内容、副賞の額等が新聞、テレビ等により広く一般
に公表されるもの
②
有識者等により、中立的かつ厳正に表彰者の選考が行われるもの
問73 外国における贈与等の価額は、どのように換算するのか。
答
贈与等時における外国為替レートにより現地価格を邦貨に換算する。
問74 非売品で価格のない美術館の年間パスポート(有効期間1年間でそ
の間は、いつでも美術館に入場できる。
)を受領したときは、どの金額
を報告するのか。
答
パスポート1枚で、何度でも使用できるので、報告対象期間の3ヶ月
に実際に行ったときの入場料の額を合計した額を1件として報告する。
問75 「官職」としては、
「○○事務官」
、「○○技官」といった記載でよい
のか。
答 「審議官」
、
「○○課長」といった具体的な官職名を記載する。
問76 「贈与等又は報酬の支払の基因となった事実」については何を書け
ばよいのか。
答
贈与、供応接待等の事実を記入するが、その趣旨や目的が明らかな場
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合(例えば、○○社の創立記念パーティーであるような場合)は、その
旨をできるだけ具体的に記入することが望ましい。
問7
7 「贈与等又は報酬の内容」については何を書けばよいのか。
答
金銭、有価証券、有価証券以外の物品、不動産、役務の提供又は供応
接待の区分及びそれぞれの種類を記入する。
例
供応接待の場合
「供応接待(飲食物の提供)
」
有価証券の贈与を受けた場合
本の贈与を受けた場合
「有価証券(○○社の株券××株)」
「物品(本○○(書名))」
問7
8 「贈与等をした事業者等又は報酬を支払った事業者等の名称及び住
所」とあるが、事業者等について詳しく分からないときはどのように記
載すればよいのか。
答
名称等をできるだけ調べ、その結果、把握できた内容を記載する。
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