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Sales Optimization
Sales Optimization
GETTING TO WORLD CLASS
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営業部門をさらに活性化するために
中堅中小企業における営業プロセスの改善方法
A whitepaper by
および
の共同製作によるホワイトペーパー
はじめに
中堅中小企業が直面する課題とビジネス チャンスは、大企
業のそれとは異なります。たとえ俊敏性や起業家精神では大
企業に引けを取らなくても、大規模な営業部門を持たないた
め、一般的に競争力で劣っていると考えられているのです。
実際は、小回りが利くため担当者の機動力が高く、インフラ
ストラクチャも小規模で済み、企業に特化した営業ソリュー
ションを活用できるなど、大企業との競争において優位に立
てることも少なくありません。
先日、 CSO Insights は、 2015 年の営業実績の最適化 (SPO:
Sales Performance Optimization) と営業管理の最適化 (SMO:
Sales Management Optimization) に関する調査資料をリリー
スしました。さらに 1,500 名を超える営業担当者を対象に、
「所属する営業チームが直面した課題とその原因」、そして
最も重要なポイントとして、「どのようにチームを再建して
その課題を克服したか」について調査。その結果を 100 を超
える評価基準にまとめました。中堅中小企業が、持ち味であ
る俊敏性や起業家精神を競争力に活かしていくうえで、こう
した知見は今後ますます重要になるでしょう。
1
調査の詳細
企業の営業成績の分析
SPO および SMO のデータを分析するにあたり、調査対象の企業を営業成績の高い順に、上位 10% 、中位
60%、下位 30% の集団に分け、それぞれの実績を比較しました。以下の表は、個人の売上目標を達成または
超える実績をあげた営業担当者の企業内での割合、営業組織全体の売上計画の達成率、見込み案件の成約率な
ど、営業に関する 3 つの主要なパフォーマンス評価基準の分析結果をまとめたものです。
営業実績の
比較
下位 30% の
営業組織
中位 60% の
営業組織
上位 10% の
営業組織
売上目標を達成した
営業担当者の割合
47.9%
62.9%
75.1%
営業組織全体の
収益計画の達成率
57.9%
92.2%
117.7%
見込み案件の成約率
39.0%
43.9%
53.5%
2
最適な営業の方法が見えてくる
営業実績の上位 10% に入った企業に共通して見られる、業績向上を促進する特徴は何でしょう。また、彼ら
の営業方法から学んだことを、実行可能な知見として他の企業の営業部門に適用するにはどうすればよいの
でしょうか。このホワイトペーパーでは、CSO Insights が提唱する「営業を変革するピラミッド (STP: Sales
Transformation Pyramid)」モデルを紹介します。このモデルは、企業の営業実績を好転させるための効果的な
手順を段階的に示したものです。以降のセクションでは、規模に関係なくほとんどの企業で人材、プロセス、
テクノロジ、情報を効果的に活用し競争力を高めることができるしくみを提示します。
4
3
営業を変革する
ピラミッド モデルの概念
営業活動の生産性向上を目指す企業のお客様には、以下に示す構造的なアプローチ、「営業を変革するピラ
ミッド (STP)」の活用をお勧めします。STP は長年にわたる調査と、営業部門の変革を実行し見事成功させた
さまざまな企業の事例から得た所見を基に作成されました。ピラミッドの頂点に設定された最終目標を達成す
るには、最下層の取り組みから順に、確実に実行していく必要があることがベンチマーク テストの結果からわ
かっています。
エコシステムの連携強化
企業内の連携強化
営業部門の連携強化
営業担当者の業務の効率化
営業部門への CRM の導入
テクノロジの活用
営業プロセスの最適化
次にピラミッドの各ステージを紹介し、それぞれのステージで必要な工程を順番に実行していくことで、どのように営業実績を最
適化することができるかを説明していきます。
4
ピラミッドの基盤の作成: 営業プロセスの最適化
STP の基盤を構築するために、まずは既存の営業プロセスを最適化するところから始めます。社内の営業プロ
セスと顧客の購買プロセスの全ステージをリスト化して、各ステージに関与する、または関与すべき関係者を
確認しましょう。次に、時間をかけてこれらの関連部門の担当者と面談を行います。面談に使用できる質問の
例を次にご紹介します。
1.
営業プロセスの各ステージにおいて具体的にどのようなタスクを行っていますか?
2.
タスクを完了するために、どういった部門の担当者と協力していますか?
3.
ツールとコンテンツにはどういったものを使用していますか?
4.
タスクを実施するうえで簡単なこと、あるいは困難なことは何ですか?
面談から得た情報をまとめる際、担当者は以下の点に注意する必要があります。
1.
複数の部門で、役割が重複している人材またはチームが存在しないか
2.
チームのメンバーが一貫して同じプロセスに沿って作業しているか
3.
プロセス間で矛盾はないか、また、矛盾がある場合はそれがどの時点で発生しているか
この分析の詳しい実施方法については、「CSO の営業変革に関するガイド (The CSOʼs Guide to Transforming
Sales、英語)」の動画をご覧ください。
この分析を行うことで、プロセス内で、刷新する必要はないまでも、改善が必要な部分がどこにあるかがわか
ります。これは、ピラミッドを積み上げて行く過程で、「これまでどのように営業活動を行ってきたか」では
なく、「これからどのように営業活動を行っていくべきか」に基づいて作業するための、とても重要な足がか
りになります。つまり、ここで特定できた情報は、次のステージへ進むためのステップの基盤であり、どのよ
うにテクノロジを活用すれば必要な営業プロセスを最適化できるのかを示すロード マップなのです。
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1.
ピラミッドの第 1 ステージ:
テクノロジ アーキテクチャの定義
顧客管理 (CRM) は、営業担当者の生産性向上に役立つさまざまな機能を提供する主要なテクノロジです。ビジ
ネスに適したテクノロジ ソリューションをお探しの場合、まずは営業プロセスの最適化に関する評価結果をビ
ジネス関係者と共有することをお勧めします。これにより、個々の機能について検討するのではなく、問題と
その解決策を考えながらソリューションを選ぶことができます。このステージでは、「テクノロジを使ってど
れだけのことができるか」という大枠に目を向けるのではなく、「営業実績の向上のためにすべきこと」のみ
に焦点を当てることが重要です。
テクノロジに関するディスカッションの指針となる質問
そのソリューションは、簡単に導入できるものですか?
営業担当者が外出先で仕事をすることは多いですか? また各地に営業拠点はありますか?
複数の拠点を持ち、営業担当者が外出先で作業する機会が多い場合は、ソーシャル機能を持つ CRM ソリュー
ションの導入をお勧めします。
同様の企業は、どうやって CRM ソリューションを導入しているのでしょうか?
営業担当者は、社外にいるときにスマートフォン上で顧客情報を確認することはありますか? また、モバイルに
は既に対応していますか?
必要な場合は、モバイル CRM 機能を導入予定テクノロジ リストに組み込む必要があります。
自動化できるタスクで、自動化されていないものはありませんか?
具体的なビジネス プロセスに簡単に適応できる機能を持つソリューションを選択しましょう。これは営業部門
の活動を合理化するために、ぜひ注意したい点です。
今後必要になるテクノロジ機能をすべて想定し、それらをどのように連携させるべきかをしっかり時間をかけ
て考えておくことが重要です。そうすることで、長期的なニーズを満たす適切なソリューションを選択できま
す。多くの場合、テクノロジは「crawl (はいはいする)、walk (歩く)、run (走る)」モデルに沿って導入されま
す。このモデルは、導入過程をはいはいから立ち上がって歩きだし、やがて走りだす子どもの成長にたとえた
段階的なアプローチで、「run (走る)」にあたる導入の最終段階を、包括的かつ長期的な視点で計画するところ
から取り組むことができます。
6
2.
第 2 ステージ: 営業担当者への CRM の導入
中堅中小企業の経営者にとって、CRM は最も重要なビジネス ツールの 1 つです。まだ CRM を使用していない
企業は、ソリューションを実際に使用する営業担当者のことも考慮に入れて導入を検討することをお勧めしま
す。連絡先の管理、営業案件管理、タスク管理、オンライン ミーティングのサポートといった CRM の主要機
能は、どれも便利で簡単に習得できるものばかりです。営業活動全体の効率性も目に見えて向上します。
CRM ソリューションの導入企業からは、主に以下の 3 つのメリットが報告されています。
1.
営業担当者のコミュニケーションが促進された
2.
営業担当者の管理負担を軽減することができた
3.
売上予測プロセスが合理化された
営業担当者がこの新しい営業手段を日々のワークフローに確実に取り込めるよう、手動で行っているタスク
を、新しいプロセスやツールを使って自動化するトレーニングを実施しましょう。
7
3.
第 3 ステージ: 営業担当者の業務の効率化
新しいテクノロジが営業部門に定着し始めたら、次は営業に関連したより複雑な業務に役立つ追加プロセスや
その他の CRM 機能を導入します。
導入する機能の例を以下にご紹介します。
•
システムを通じて営業のインテリジェンス データや分析情報にアクセスし、より効率的に見込み客を
開拓する
•
CPQ (仕様選定、価格設定、見積作成) ソリューションを活用し、顧客に最適な提案を生みだす
•
営業のコンテンツ資産にアクセスし、顧客のニーズに合わせてカスタマイズする
企業のシステムに効率的な CRM 機能を組み込むと、次のような効果も期待できます。
•
販売サイクルの期間短縮
•
利益率や平均取引規模の拡大
•
契約更新や再注文率の増加
もう 1 つの重要なメリットが生産性の向上です。そこで 2015 年の SPO の調査結果を CRM の導入率を基に分類
し、営業担当者が業務に充てる時間配分を確認しました。以下の表は、CRM の導入と営業担当者が営業活動に
充てた合計時間の関係を示しています。
時間配分の
比較
CRM 導入率
90% 超
CRM 導入率
76 ~ 90%
CRM 導入率
51 ~ 75%
CRM 導入率
50% 以下
営業活動
40.3%
35.4%
34.2%
32.9%
リードの創出
22.9%
21.4%
20.7%
22.0%
ポストセールス タスク
16.4%
18.8%
19.5%
19.2%
管理タスク
13.5%
15.1%
15.0%
15.4%
その他のタスク
10.5%
12.3%
12.7%
13.0%
CRM 導入率が 90% を超えている企業の場合、営業担当者は平均して 63.2% の時間を見込み客の開拓や営業活
動に費やしています。これに対して、導入率が 75% 以下の企業では、この数値が 54.9% となっています。営
業担当者は、管理タスクではなく、本来の職務である営業活動に多くの時間を費やしたいと考えています。彼
らに CRM の効率性を示すことで、社内の導入率を向上させることができるでしょう。
8
4.
第 4 ステージ: 営業部門の連携強化
CRM のメリットを営業担当者たちが理解し、そのプロセスとテクノロジを全員で活用できるようになったら、
ピラミッドの次のステージに進み、営業部門の効率性の向上に取り組みましょう。このステージでは、営業
部門全体で行う共同作業や、社内の他の関連部門と連携して行う共同作業をより緊密なものにするために役立
つ、新しいプロセスとツールを導入します。
たとえば、すべての営業チームが一貫したプロセスに沿って業務を進めて、営業活動を効率化する必要があり
ます。
企業は、CRM ソリューションを採用する以前から、独自のベスト プラクティスを確立してきました。テクノロ
ジは、あくまでこうしたプロセスを自動化するためのツールにすぎません。営業部門と他の部門の担当者が共
通のガイドラインに従って仕事を進めることができれば、効率化が大幅に促進されます。
また、営業部門 (および他の関連部門) が一丸となって連携することにより、新しいプロセスとテクノロジを活
用して、管理効率を飛躍的に高められるようになります。たとえば、CRM システム内にすべてのデータを集約
することで、営業担当者やマネージャー職に就いた社員は分析ツールを活用し、営業関連の他部門の担当者と
の連携を強化することができます。
CSO Insights が実施した 2015 年の SMO の調査によると、営業マネージャーは毎週平均して勤務時間の 21%
を営業担当者の指導に費やしています。分析ツールを使用することで、マネージャーはさまざまな取引の中か
ら、いつ、どこで担当者がサポートを必要としているかを簡単に把握し、最適な指導を行えます。つまり営業
担当者がサポートを必要としている場合にのみ、手を差し伸べることができるのです。
指導を必要としている営業担当者の見極めに、営業マネージャーがどの程度積極的だったかを 2015 年の SMO
のデータを基に分類し、営業実績への影響を測定しました。また、見込み案件の結果を把握するために成約率
も確認し、下記の表に結果をまとめました。
取引の売上予測の
結果
積極的な指導:
大幅な改善が必要
積極的な指導:
改善が必要
積極的な指導:
期待を満たしている
積極的な指導:
期待以上
失注率
33.4%
31.5%
26.9%
22.9%
未成約率
33.0%
22.7%
21.1%
17.6%
上記から、積極的な指導によって、失注率や未成約率を縮小できることがわかります。
9
5.
第 5 ステージ: 企業内の連携強化
ピラミッドの最初の 4 ステージが完了したら、次はプロセスや、テクノロジ インフラストラクチャ、データを
社内の他の部門でも活用できるようにしましょう。企業全体の連携強化が対象となるこのステージでは、営業
担当者とカスタマー サービス担当者は、顧客の支払状況、製品出荷の詳細、トラブル チケットのステータスな
どの情報を 24 時間いつでも確認できるようになります。
同様に、他の部門からも営業の情報にリアルタイムでアクセスできるため、社内の共同作業やネットワークに
よって、営業担当者間のコミュニケーションを他部門にも広げ、見込み客と顧客への営業やカスタマー サービ
スの提供を強化することができます。チームの全メンバーが同じ顧客データにアクセスし、一貫したプロセス
を適用することで、顧客からの問い合わせに、実質だれでも答えられるようになります。顧客やパートナーの
通常の連絡窓口を務める担当者が外出している場合でも、別の社員がすばやく対応できれば、顧客の満足度が
上がり、企業全体の効率性が向上します。
6.
第 6 ステージ: エコシステムの連携強化
あらゆる企業の最終的な目標は、企業の枠を超えて顧客や見込み客とつながることです。こうした「カスタ
マー エンゲージメント」は、顧客視点のイントラネットの導入、ソーシャル ネットワーク コミュニティの活
用、既存の顧客ベースやパートナーとの良好な関係の構築などを通じて実現可能です。
このステージでは、リアルタイムの情報共有と共同作業によって、顧客へのサービスを大幅に改善できます。
企業の枠を超えてプロセスとテクノロジを連携させ、大企業にはまねのできない 1 対 1 のカスタマー エクスペ
リエンスを提供することで、きわめて競争力の高いエコシステムを確立し、今後何年にもわたり企業の競争力
を維持することが可能になるのです。
10
まとめ
このホワイトペーパーで皆様にお伝えしたかった重要なコンセプトは、営業実績の最適化は長期的かつ戦略的
なプロセスだということです。「crawl (はいはいする)、walk (歩く)、run (走る)」導入モデルの最終プロセスで
ある、「run (走る)」で何を達成したいかを想定して取り組むことが重要です。創業して間もない企業から、急
速な成長期に入った企業まで、あらゆる企業の営業活動を変革し、ピラミッドを完成させるために必要な期間
は、組織のニーズ、複雑さ、プロジェクトに割り当てることができるリソースに応じて異なります。すべての
ステージを完了させるには、数週間から数か月、数年かかる場合もあるため、ピラミッドの一つ一つのステー
ジをきちんと実行してから次に進むことをお勧めします。
プロジェクトの初期段階で選択するプロセスとテクノロジは、将来のフェーズの実施と、ビジネスの長期的な
成功を支える拡張可能なアーキテクチャの基盤となるため、次の条件を満たすものを選ぶとよいでしょう。
•
今後必要になる営業プロセスに対応可能な幅広い機能を提供する
•
企業全体の情報技術のニーズとの整合性がある
•
会社の成長に応じて拡張可能である
•
長期的な営業変革の目標を実現するために必要な、柔軟でカスタマイズ可能な機能を提供する
先進的な営業組織を構築するためのヒントについて以下のページでご紹介しています。
http://dyn.ms/SIEZWi
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CSO Insights について
CSO Insights は、MHI Global の一部門として営業およびマーケティングの
効果を測定する調査会社です。主に、企業が人材、プロセス、テクノロジ、
情報をどのように活用し、顧客向けのマーケティングや営業活動の改善に
役立てているかについての評価を行っています。 20 年以上にわたり、 CSO
Insights は営業活動の効率化に関する取り組みを調査してきました。その件
数は 2 万件を超え、調査結果は営業の役割の変遷を追跡したり、営業実績に
影響を及ぼす課題を特定したり、それらの課題への企業の対応方法を示す際
の基準として使用されています。
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