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脳波とホルモン

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脳波とホルモン
第9章
整体教養論
脳波とホルモン
のうは
第1節
脳波
脳の神経細胞が働き出すと、電気的動きが起き、その反映として脳波が観測されます。
脳波には次のような種類があります。
α(アルファ)波
…
安らぎ脳波
リラックス脳波
と言われます。
リラックス状態の時に現れる脳波です。
感情が調和し集中しており、ひらめきや感性、記憶力などが
向上する脳波です。
とうそうてきのうは
β(ベータ)
波
…
闘争的脳波
ストレス脳波
と言われます。
不安やイライラなどストレス状態の時に現れます。
すいみん の う は
θ(シータ)
波
…
睡眠脳波
と言われます。
浅い眠りやぼんやり状態の時に現れます。
起きている時この状態になると、凡ミスしやすい。
きぜつのうは
δ(デルタ)
波
…
気絶脳波
と言われます。
気絶しているような状態で出る脳波です。
あやつ
* 整体は脳波を 操 ることで、心身のリラックスを与え、自然治癒力を
増進させることができます。
脳波を操るとは、自律神経・ホルモン分泌を調整することにつながります。
- 52 -
第2節
ホルモン
内分泌腺から血液、リンパの中に分泌される化学物質で、
発育、物質代謝、生体の環境調整・維持、自律活動などを調節する役目を持ちます。
主な内分泌器官を復習しましょう!
ししょうかぶ
視床下部
ほうしゅついんし
ほうしゅつよくせい
成長ホルモン放出因子、成長ホルモン放 出 抑 制因子、甲状腺刺激ホルモン放出因子など、
同名のホルモンの分泌を促進・抑制する因子を出します。
しようかたい
松果体
せいたい
人の生体リズムに関連したホルモンです。
体内時計をコントロールする器官ですので、正常に働かせることによって不規則な睡眠を
改善できます。
脳下垂体・松果体といわれる頭部の中央に位置する脳の器官が、体外離脱や透視などに非
常に重要な役割を果たしていることが昔から知られています。
この脳下垂体・松果体などを第三の目と称します。
松果体ホルモンのメラトニンは、哺乳類では夜間に分泌され、血中濃度が上昇し、昼間の
活動期には分泌が低くなります。
そ う きは ついく よくせ い
性腺の早期発育抑制にも働きます。
かすいちやい
下垂体
成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、メラニ
こうりによう
ン細胞刺激ホルモン、抗利尿ホルモンなどを分泌します。
- 53 -
こうじようせん
甲状腺
甲状腺は首の前、のどぼとけのすぐ下にあり、大きさが縦 4.5cm、横 4cm の臓器です。
ちよう
正面から見ると 蝶 の形に似ています。
甲状腺ホルモンは身体の隅々にいきわたり、特に「熱産生」や「生体の代謝」に関連する
ホルモンです。
じようひしようたい
上 皮 小 体(副甲状腺)
甲状腺の後ろ側にあるのが米粒大の上皮小体(副甲状腺とも呼びます)という臓器で、普
通4つあります。
血液中のカルシウムを調節するホルモンを分泌します。
すいとう
膵島(ランゲルハンス島)
血糖の低下させるインシュリン、上昇させるグルカゴンと云うホルモンを分泌します。
ふくじんずいしつ
副腎髄質
副腎髄質は、交感神経の一部が変化をしたもので、交感神経と連動して働いています。
両者はドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなど、カテコールアミンと総称され
るホルモンを産生しています。
ノ
ルアドレナリンは交感神経伝達物質として、アドレナリンは副腎髄質ホルモンとして、ド
ーパミンはこれらの原料として重要です。
しんきこうしん
心悸亢進・血圧上昇を促し、消化器官の働きを抑制するなど交感神経類似作用を持つホル
モンを分泌します。
ふくじんひしつ
副腎皮質
こうえんしよう
コルチコイドなど抗 炎 症(炎症を治すの意)、抗アレルギーホルモンや男性ホルモン(女
性にも)、尿管からのナトリウム再吸収ホルモンを分泌します。
- 54 -
副腎皮質ホルモンには糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、性ホルモンの 3 つがありま
す。
なかでも糖質コルチコイドには、免疫や炎症を抑えるはたらきがあり、これを人工的に合
成した薬を副腎皮質ホルモン薬と云います。別名副腎皮質ステロイド薬と云い、アレルギ
ー性疾患やさまざまな疾患(内分泌疾患、膠原病、血液疾患、神経疾患、消化器疾患、呼
吸器疾患、結核性疾患、循環器疾患、重症感染症、新陳代謝疾患、など)に使われます。
副腎皮質ホルモンを使いすぎると、副腎が怠けて働かなくなります。必要最小限にしなく
てはいけません。
このようなホルモンを含めて、
その他にも、
のうないまやく
心の動きによって分泌される脳内麻薬などと言われる
β-エンドルフィン・チロトロピンなどと言う物質もあります。
- 55 -
第3節
心の動きと脳波とホルモンの関係
満足感、感動、喜び
⇒ α波
⇒
βエンドルフィン(満足ホルモン)分泌
満足感や喜びを感じると、脳波はリラックス状態を示すα波となり、満足ホルモン
であるβ-エンドルフィンが分泌されます。
これでお分かりのように、整体で、心地よい刺激は自然治癒力を増進させます。
感謝の心
⇒ α波
⇒
チロトロピン分泌
感謝の気持ちで生きると(難しいですね?)、脳波はα波となり、チロトロピンが
分泌されます。
このホルモンは長生きのホルモンです。100歳以上長生きする人は
感謝しな
がら生きてきたのでしょうね…。
不満、不安、拒否反応
⇒
β波
恐れ、驚き
⇒
ノルアドレナリン分泌
⇒
β波
⇒
アドレナリン分泌
不安や驚きで、脳波はβ波となり、ストレスに対抗するためにアドレナリンやノル
アドレナリンが分泌されます。
血管が収縮し血圧が上がります。
バリバリ仕事の競争心
⇒
β波
⇒
ドーパミン(競争・仕事中毒ホルモン)分泌
ドーパミンは、出過ぎるとエネルギーを消耗します。
バリバリのビジネス戦士などは過剰分泌で早死にすることが多く、出なければパー
キンソン病や痴呆症になる可能性が高まります。
第4節
適量分泌
アドレナリン、ノルアドレナリンの働き
→
しゃっきとして活動的になります。
危険を回避する為に適量分泌は必須です。
死にかけているとき、心臓にノルアドレナリンを注射すると血圧が上が
るので、強心剤として使われます。
過剰分泌
→
血圧上昇、血管収縮、活性酸素過剰生成などに繋がります。
活性酸素は筋肉を動かしたりばい菌をやっつけるには都合がいいが、その
目的のないときに過剰生成されると脂肪と結びつき過酸化脂質と呼ばれる老
化物質となります。
この老化物質が遺伝子を攻撃して成人病や癌に関与することになります。
- 56 -
第5節
βエンドルフィンの働き
快感をもたらすのみでなく、NK細胞が活性化して免疫力を高めます。
記憶力を高めたり、鎮痛作用(針麻酔などの効果)を持ちます。
心身の健康、潜在能
第6節
力発揮、創造力やひらめき増大させます。
α波状態(リラックスして健康維持が可能な状態)になるには?
整体を始めとした、癒しや健康の手技療法は、α波状態にして、健康を維持する効果が
あります。
では、日常生活ではどのように暮らしたらよいでしょう
人間は怒ったり強いストレスを感じたり不愉快な気分でいると、ノルアドレナリンやア
ドレナリンが分泌され、病気や老化が進み早死にします。
どんないやなことがあっても、物事を前向きにとらえると、脳内には身体によいβ-エ
ンドルフィンが分泌され、健康で幸せな人生が送れます。
おいしいものを食べたり音楽を聴いたりしても快感を感じますが、スポーツや人のため
に役立つ行為も精神的喜びとなりα波状態になれます。
プラス思考かマイナス思考かで病気になりやすいかどうか、幸せななるかどうかの分か
れ目となります。
cf:
たばこは身体に悪く、肺ガンになるのではないかと思って吸うか、仕事が終わ
って「ああ旨い」と満足して吸うのでは結果が違います。
cf:
犬を見たとき、可愛いと思うのと咬まれるのではないかと恐れるのも同じ。
cf:
上司に叱られたとき、嫌われていると思うか自分のために叱ってくれたと思う
かも同じ。
病気で体調が悪いときも同じことが言えます。
暗い気持ちで病気に負けるか…、明るく病気と戦うか…で身体の持つ自然治癒力の働きは
違うのです。
この理論を、患者さんに上手く伝えられるかどうかで、整体の効果も大いに違ってくるの
です。
- 57 -
第7節
腹式呼吸でα波状態になろう
ちんせいか
腹式呼吸法
…
呼吸は、自律機能の中で意識して変えられる唯一のもので、心を沈静化
し血流や血圧をコントロールできるし、脳波や脳内ホルモンもコントロー
ルできます。
脳は体重の約1/60ながら、心臓からの血量の約15%、肺が摂る酸
素の約1/5を必要としています。
普段の呼吸で、脳は酸欠状態のはずです。又、脳細胞は再生されないか
ら、その分、腹式呼吸で活性化を計る必要があります。
腹式呼吸のやり方はいろいろありますが、正心調息法をご紹介します。
ご本人が高齢にもかかわらず健康でゴルフを楽しめるほどの健康長寿を保っています。
提唱者が健康でなければ信用できませんよね。
ちなみに2006年 1 1月現在きわめてお元気で105歳です。
せいしんちようそくほう
正心 調 息法(1902年生まれ
正心
…
東京大学医学部卒
医学博士
塩谷
信夫先生考案)
正しい心の使い方
物事を前向きにとらえる。
感謝の心を忘れない。
調息
…
腹式呼吸による調息。正座、あぐら、椅子座、仰臥位のいずれでも良い。
きゆうそく
①
吸 息(息を吸い込む
)…
鼻から。
じゆうそく
②
充 息(息を止める)
…
吸い込んだ息を丹田に押し込み、数秒息
を止める。
とそく
③
想念
…
吐息(息を吐き出す) …
腹を凹ませながら鼻から静かに息を吐く。
①では、宇宙の気を吸い込み、
②では、それを全身に充満させる。
③では、「全身の細胞が健康に生まれ変わった」と心で感謝する。
別の願いがあれば、 ③のときに想念する。
整体師を志すならいつまでも健康でなければなりません。
不健康な整体師の所に癒しや健康を求めてお客様は来てくれません。
皆さんも、いつまでも健康であるために、是非、正心調息法を試してみてください。
詳しい正心調息法については、次の章で学びます。
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