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市販インドメタシン坐剤のラット体内動態の比較
1 1
◯寺島 朝子 1 ,
荻野 弘美 1 ,
前澤 佳代子 1 ,
木津 純子(
慶応大薬)
【目的】インドメタシン(IM)坐剤は局方に収載され、現在 12 の製薬会社から 25
品目が販売されている。坐剤の製造方法は製薬会社により異なり、基剤、添加剤
等は製剤ごとに異なっている。さらに、坐剤は、先発品との生物学的同等性試験
として血中濃度での比較が求められていないことから、人や動物における体内動
態を示すデータがほとんどないのが実状である。今回、各製剤の体内動態を比較
するために、基剤の異なる 5 種類の IM 坐剤について、ラットを用いて検討した。
【方法】市販製剤の中から、脂溶性基剤として(A)ハードファット、(B)ハードファ
ットに賦形剤と分散剤を添加、(C)ハードファットと硬化油等の混合、乳剤性基剤
として(D)マクロゴールとハードファットの混合、親水性基剤として(E)マクロゴー
ルからなる IM50mg 坐剤を選択した。Wistar 系雄性ラット(160∼240g)を用い、
試験前 24 時間絶食後、体重 1kg 当りの IM 投与量が 10mg となるよう坐剤(先端
部)を直腸内投与した後、シアノアクリレートで肛門部を塞いだ。採血は投与直前
および投与後一定時間ごとに 36 時間まで尾静脈から行い、分取した血清中の IM
濃度を HPLC 法にて測定した。得られた血清中濃度曲線から Tmax、Cmax、
AUC0-4h、AUC0-36h を求めた。
【結果および考察】Tmax は D<B<E<C<A の順であった。Cmax は B<C<A
≪E<D で、D、E は B の約 1.5 倍であった。AUC0-4h は B<C<A≪D<E で Cmax
を反映していた。一方、AUC0-36h は製剤間に大きな差は認められなかった。以
上より、IM 坐剤は基剤の種類により体内動態が異なり、少なくとも投与 4 時間後
までの吸収量は脂溶性<乳剤性<親水性基剤であることが示唆された。
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