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カーボンナノファイバー複合材料の開発
(微細炭素繊維含有プラスチックの開発)
北川工業(株)ではプラスチックベースの機能性複合材料を開発しており、これまでにカ
ーボンナノファイバーの樹脂複合化を研究してまいりました。この中でセイコーインス
ツル(株)、昭和電工(株)、信州大学工学部遠藤守信教授らとの産学連携ユニットにより、
2002 年 2 月に世界最小レベルとなるナノコンポジットナイロン樹脂製歯車を作成し、実
際に動かすことに成功したと発表しました。
(http://www.kitagawa-ind.com/topics/020206news.html)
このナノコンポジットナイロンは、遠藤教授と昭和
電工社が共同開発し昭和電工社が製造販売しているカ
ーボンナノファイバー<VGCFⓇ>と、ナイロン樹脂とを
射出成形可能なコンポジット材料として当社が製造し
たもので、当社では極微細なカーボンナノファイバー
のエンジニアリングプラスチックへの充填や分散につ
いて研究し、さらにこのコンポジット材料を機能性プ
ラスチック部品へ応用する検討をしています。当社で
はこのカーボンナノファイバーコンポジットを
VCOMPOⓇ と名づけ様々な複合材料および応用製品の
開発を進めています。
微細樹脂歯車の射出成形例
VCOMPOⓇの特長は、ナノテクノロジーを代表するカ
ーボンナノチューブの一種であるVGCFⓇに由来する特
異的な機能の発現が期待できる点にあり、様々なプラ
スチック部品へ応用できる可能性を秘めているといえ
ます。
例えばナノスケールの単繊維をプラスチックに配合
VCOMPOⓇ断面観察例
することで、微細形状転写性に優れる精密プラスチッ
(白い筋がカーボンナノファイバー)
ク部品の射出成形が容易になると予想されます。また
成形されたプラスチック部品は、VGCFⓇの優れた機能 材料特性例(ナイロンベース)
項 目
代表値
である導電性や熱伝導性、機械強度などから、従来に
比重
1.13
ない機能部品の実現が可能になると思われます。こう
引張破壊強さ [MPa]
>45
したプラスチックとの複合化によって、プラスチック
引張破壊のび [ % ]
16
の有する多様性からその用途開発に対する期待が非常
曲げ強さ
[MPa]
>60
に高まってまいりました。
Ⓡ
体積固有抵抗 [Ω・cm]
103
当社では現在、ナイロンベースのVCOMPO を軸に機
熱伝導率
[W/m・K]
1.3
能性プラスチック部品としての用途開発や、様々なニ
※
動摩擦係数
0.25
ーズに応えるべくナイロン樹脂以外のエンジニアリン
※
3
比耐磨耗量
[mm /N・km]
10-13
グプラスチックや他の材料への適用について材料開発
を進めています。
※本特性値は、大越法での計測値です。
(S45C,50cm/s,150N,3km)
北川工業株式会社
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