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イオンクロマトグラフによる清涼飲料水の分析 - Thermo Fisher Scientific
199208 200006R 200210R イオンクロマトグラフによる清涼飲料水の分析 【はじめに】 飲料水に含まれる無機の陰イオンと有機酸をイオン クロマトグラフを用いて測定しました。 【試料】 今回測定に用いた試料は次の 5 種類の清涼飲料水です。 ・炭酸水 ・10%果汁飲料 ・スポーツドリンク ・栄養ドリンク ・ウーロン茶 前処理として、マイクロメンブランフィルタ(0.22 μm) によりろ過後、超純水で適宜希釈しました。 【測定条件】 <陰イオン> カラム :IonPac AG4A-SC(4×50 mm) 溶離液 :1.5 mmol/L Na2CO3 IonPac AS4A-SC(4×250 mm) 図 1 無機陰イオン混合標準液のクロマトグラム ①F- 3 ②Cl- 4 ③NO2- 5 ④Br- 10 ⑤NO3- 20 ⑥PO43- 25 ⑦SO42- 20 (単位:mg/L) 1.0 mmol/L NaHCO3 溶離液流量:1.5 mL/min 検出器 :電気伝導度(サプレッサ使用) <有機酸> カラム :IonPac ICE-AS1 溶離液 :1.0 mmol/L オクタンスルホン酸 溶離液流量:0.8 mL/min 検出器 :電気伝導度(サプレッサ使用) 【結果】 各試料中のイオン濃度を表 1、表 2 に、またクロマ トグラムを図 1 から図 4 に示します。 この結果から、体液に近い組成ということで販売さ れてるスポーツドリンクは、他の飲料に比べて Cl-と 乳酸の含有量が非常に高く、一方ウーロン茶以外のす べての飲料にクエン酸が多く含まれていることが分か ります。 図 2 ウーロン茶の陰イオン測定クロマトグラム ②Cl- ⑤NO3- ⑥PO43- ⑦SO42- 図 4 スポーツドリンク有機酸測定クロマトグラム ①クエン酸 ③乳酸 ④ギ酸 ⑤酢酸 図 3 有機酸混合標準液のクロマトグラム ①クエン酸 20 ②リンゴ酸 20 ③乳酸 50 ④ギ酸 20 ⑤酢酸 20 (単位:mg/L) 表 1 清涼飲料水中の無機陰イオン濃度 Cl - Br 炭 酸 水 - - - 0.43 - (単位:mg/L) 10%果汁飲料 スポーツドリンク 31.5 - - - 栄養ドリンク 695 114 1.09 0.23 ウーロン茶 4.51 - - - - - - - 0.27 3.86 3.01 0.22 PO43- - - - 28.3 1.31 0.54 8.49 5.7 15.6 7.75 13.4 NO3 SO4 2- 11.3 表 2 清涼飲料水中の有機酸イオン濃度 炭 酸 10%果汁飲料 998 クエン酸 リンゴ酸 水 - - (単位:mg/L) スポーツドリンク 3182 1.77 乳 酸 ギ 酸 - - - 酢 酸 - - - 2145 129 - 栄養ドリンク - - ウーロン茶 9.97 83 8.86 - 1076 122 1.53 44.9 6.52 4.40 4.98 2.76 6.00 - 5.93 - - - - - 15.3 イオンクロマトグラフを用いることにより、試料に 含まれているイオン成分の組成比も簡単に測定するこ とができます。 今回測定した成分以外にもアルカリ土類金属や遷移 金属など、さまざまな成分を測定することができます。 電子署名者 : Jun Kato DN: CN = Jun Kato, C = JP, L = Yodogawa-ku Osaka-city, S = Osaka, O = Nippon Dionex k.k. 理由 : この文書の承認者 場所 : 大阪市淀川区西中島6-314 日付 : 2007.08.02 13:21:31 +09'00'