当社の品質保証の考え方と糖度計

東京コカ・コーラボトリング株式会社
品質保証部 清水綱秋
２０１０年１月２９日
第４回流体物性クラブ
プログラム
①コカ・コーラシステムについて
②コカ・コーラシステムにおける「品質保証と糖
度計(ブリックス計）」
③糖度計（ブリックス計）による品質管理のすごさ
世界のコカ・コーラシステム
ザ コカ･コーラカンパニーは、約５００種類の
炭酸及び非炭酸飲料ブランドで消費者にさ
わやかさをお届けする、世界最大の飲料会
社です。
世界中で親しまれている「コカ・コーラ」は、
1886年5月、米国ジョージア州アトランタで
誕生、2006年に120周年を迎えました。
全世界で１日に約５０億杯の清涼飲料が消
費されています。
そのうちのなんと・・・
約１６億杯をコカ･コーラ社の製品が占めて
います（全世界の約３分の１）。
２００７年の販売数量は、全世界の清涼飲料
において、
炭酸飲料 １位
果汁飲料 １位
スポーツ飲料 ２位
水 ３位
缶コーヒーシェアにおいても１位です。
コカ・コーラシステムは世界に約８００の工場
をもっています。
世界中でおよそ71,000人の従業員が働い
ています。
厳格な品質管理により、安全で安心できる
製品をお客様に提供することはもちろんのこ
と、変化する消費者ニーズや嗜好に応える
ために努力しています。
また製品をつくり、お客様にお届けするまで
に関わる多くのビジネスパートナーとの協働
にも積極的に取り組んでいます。
主な製品カテゴリー
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炭酸飲料
茶系飲料
果汁飲料
水
その他
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コーヒー飲料
スポーツ飲料
エネルギー飲料
アクティブライフスタ
イル飲料
ブリックス（Brix）とは
ブリックス(Brix)値は、ショ糖水溶液において
は「ショ糖（砂糖）水溶液100ｇに含まれるショ
糖のｇ数」のことで、いわゆる糖度％を表し
ます。
清涼飲料などにおいては、糖以外にも各種
成分が溶け込んでいますが、全体の濃度を
ブリックス（Brix）値として測定管理していま
す。
ブリックスを測定する器械の種類
１．屈折計
液体の屈折率を測定して、「屈折率対ブリッ
クス値」の換算から直接、ブリックス値を表
示します。
２．密度比重計
液体の密度を測定して、「密度対ブリックス
値」の換算から直接、ブリックス値を表示し
ます。
今回は、屈折計について話します。
屈折計にはインラインモデルと卓上モデル
があります。
それぞれの特長を説明します。
インラインブリックス計
(プロセス屈折計)
飲料の製造配管を流れる液のブリックスを
連続で測定します。
弊社の製造プラントに導入されています。
システムチャート
測定値表示の例
特 徴
• 缶、ビンへの充填前に全量検査ができる。
• リアルタイムでブリックス値が把握できる。
• 出力信号を利用して、液（シロップ、水)の流
れをコントロールすることも可能。
• 配管のある地点を、液が何時何分に流れた
のかを記録できるので、後日測定値とともに
確認することが可能。
卓上モデル
弊社では茶系飲料の品質管理に採用してい
ます。
具体的には茶・低糖飲料濃度計を使用して
います。
茶系飲料の場合は、ブリックス値（可溶性固
形分濃度）が１％以下なので、測定精度を
高くしなければなりません。
茶・低糖飲料濃度計はブリックス値を0.001
（小数３桁）まで表示します。
その分、測定は慎重となります
（液温度による影響等に気をつけ
ます）。
品質保証の考え方
少し前の主目的は、
●規格外をチェックする
●安全性向上
●重要品質問題への対応
でした。
現在は、
●製品の安全・安心
●信頼性向上
●トレーサブルの確実性
に重点が置かれています。
品質管理の重要性
例 え ば 、 砂 糖 10.000 ｇ 、 水 90.000 ｇ 合 計
100.000ｇの砂糖液があります。その砂糖液は
ブリックス（糖度）10.000％です。
もしこの液に砂糖が0.5ｇ多く溶けていてブリック
スが約10.5％になっても人間の舌では味の変
化は分かりません。
測定器メーカーに対するお願い
①測定値が本当に正しいのかが最も気になる
点である。正確な測定ができてほしい。
②いつでもチェックできる標準液を低価格で用
意してほしい。標準液の値が保証されている
ことが望ましい。ただし時間経過による液質
の変化で生じる値のズレが心配。
③過去の測定データをさかのぼることがあり、
弊社でもその都度、別のPC等に記録してい
るが、測定器本体でもある程度のデータを記
録・保存できてほしい。
④また、ゼロ合わせや標準液でチェックした記
録（履歴）も保存されると便利である。
終わりに
飲料メーカーである弊社においての
品質保証と糖度計（ブリックス計）に
ついて記述しました。
少しでもご参考になれば幸いです。
ご清聴ありがとうございました。