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第1回 ニコ生 書店員井戸端会議
特集:「どっこい、生きてる映画雑誌」 メジャーどころからマイナーまで オススメ本 「犬の伊勢参り」 twitter発 雑にジャンク出版ネタ 出しコーナー 週刊ニコ生書店員井戸端会議 ニコ生書店員井戸端会議 私自身が零細書店経営者(と三文ライター)で、リ スナーさんにも書店員さんや本好きの方 が多くいらっしゃるので、毎回テーマに 沿って出版業界について自由にコメを頂 きながらワイワイやっていこう、といういき あたりばったり企画。 毎号1本は書評もやります。 注:内容がマニアックになる場合がありま す。分からないことはコメで質問頂ければ できる範囲で解説いたします。 週刊ニコ生書店員井戸端会議 1947年、戦後まもなくに創刊された老舗洋画専門誌。盟友 「ロードショー」を失ってからは伝統あるメジャー誌として孤軍奮 闘を続ける。 映画好きの方ならば、以前は毎月この雑誌と「ロードショー」の どちらを買うか悩まれた方も多いのでは。洋画専門誌として主に ハリウッド映画を舞台に活躍する映画監督や俳優にクローズ アップし、毎号のスターロングインタビューは見応えのある記事 になっています。 「SCREEN」 月刊 近代映画社 標準定価 840円 最近ではヨーロッパやアジア映画も採り上げるようにはなってき ましたが、まだまだ扱いは小さく総合映画誌というにはややバラ ンスを欠いた誌面になっているかとは思います。逆に考えれば、 ハリウッド映画を主に好むファンならば決定版とも言える雑誌に はなっています。「読者が選んだゴールデングランプリ」という 人気投票が名物企画になっており、この企画の歴代受賞者を紹 介した「映画ファンが選んだ生涯忘れられない名作と愛しの名優 たち」というムック本を何冊か発行しています。 総合誌なのでスターにまつわるゴシップ記事も控えめながら掲 載。ワイドショーのようにあけすけなものはあまりないですが。。 週刊ニコ生書店員井戸端会議 映画雑誌の不振を示す象徴的な出来事だった「ROADSHOW」 の休刊。ネットや趣味嗜好の多様化に対応できなかった影響か。 「ROADSHOW」 (月刊) 集英社 2009年1月号で休刊 1972年創刊の「ROADSHOW」。前述の「SCREEN」と並ぶ二 大洋画専門雑誌として確固たる地位を確立していたが、販売不 振のあおりを受けて2009年惜しくも休刊。洋画ファンに衝撃が 走りました。「SCREEN」と違い、映画そのものよりも映画ス ターのグラビア記事などが中心の誌面構成でうまく差別化も図 られていたものの、90年代から部数は漸減。発行者が集英社と いう総合出版社だったことも災いしてか、不採算部門の合理化 という形であっさりと休刊が決定してしまいました。ちなみに最 大発行部数は、E.T.特集が組まれた1983年2月号の35万部で す。 比較的SCREENに比べて購読者層がやや若年に偏る傾向が あったとのリサーチもあり、ネットの普及や志向する映画の多様 化に対応できなかったとの指摘もあります。最近の映画ファンは 洋画邦画分け隔てなく観に行くという報告もあり、このような専 門誌には苦しい時代だったのかもしれませんね。 週刊ニコ生書店員井戸端会議 通称、「キネジュン」。日本の映画雑誌の泰斗であるキネジュン も、紆余曲折を経てたくましく残った映画雑誌です。 「キネマ旬報」 月刊 キネマ旬報社 標準定価 890円 邦画専門誌の印象が強いキネマ旬報ですが、1919年に創刊さ れた当初は外国映画専門誌として出発。しかも月に3回発行する 見開き2ページのみのミニコミ誌のようなペーパーだったとい います。(今の映画館にもそういうヤツ、ありますよね)その後関 東大震災や戦時統制などの苦難に遭う度に休刊と復刊を繰り返 し、会社の所有権もセゾン・角川・GAGAと転々とすることに。 それでも雑誌として体を保ってきたのは、ひとえに掲載される記 事のクオリティの高さ、豪華執筆陣による確かな批評によるもの でした。 邦画ブームに乗って、邦画の紹介を中心にした誌面でしたが、 ミニシネブームやアジア映画ブームに乗って、非ハリウッド系洋 画にもポイントをシフトしつつあるようです。キネジュンが選ぶ映 画ベスト・テンは、日本アカデミー賞に並ぶ邦画で最も権威のあ るランキングで、かつては映画好きを自認する大物作家や翻訳 家などが選考委員を務めるなど、今でも新聞やテレビで順位が 紹介されるほど大きなインパクトを持っています。 週刊ニコ生書店員井戸端会議 洋画スター専門のインタビュー誌。新作映画情報とセットでロン グインタビューを多数掲載する中堅映画誌。 「グラビアよりもスターの内面を伺うことができるロング・インタ ビューを中心に」という編集スタンスの映画雑誌。その方針通り、 1万字オーバーのインタビュー記事が内容の多くを占め、他紙で 見られるような大判のグラビアなどは控えめです。 「MOVIESTAR」 月刊 イン・ロック 標準定価 980円 映画のプロモーションというよりは、スターの素顔や内面をえぐ り出すような濃いインタビューが信条で、プライベートのことな どかなり突っ込んだ内容が読めるのも特徴。ゴシップ記事なども 遠慮することなくガツンと掲載。現地に契約特派員を多く抱えて いるようで、テレビではあまり紹介されない細かい情報などの ウォッチ情報も網羅されています。 他誌に比べやや薄い雑誌ではありますが、広告を抑えめにして あることと上記のような編集方針なので、かなり読み応えはある 雑誌になっています。映画そのものよりも映画スターに興味が ある方なら一読の価値ありですよ。 週刊ニコ生書店員井戸端会議 エロ・ホラー・B級にも強い!男性映画ファンをターゲットにした ややサブカル色も持ち合わせた異色の映画雑誌。 映画雑誌の多くが女性読者を意識した構成になっているのに比 べ、この雑誌はハッキリ「おとこのこ向け」の誌面を意識して個 性ある雑誌として異彩を放っています。取り扱う映画もセク シー・ホラー・アメコミ・B級、そして邦画も極道もの・時代劇な ど明らかに他誌とは一線を画したものばかり。 「映画秘宝」 月刊 洋泉社 標準定価 1,050円 色物路線かと思われがちですが、日本映画の歴史を研究したり、 まだ注目はされていないものの今後期待できる若手映画人への インタビューを行うなどの映画ウンチク路線も追求。ハイソで綺 麗な映画雑誌なんてコリゴリだ!もっとこう色んな意味で「グッ とくる」映画情報を見たい!というファンの声に応え、今部数も 伸びつつある、元気のある映画雑誌です。スタッフもクセのある 映画フリークが集合。別冊で面白い映画本などもガンガン出して います。 週刊ニコ生書店員井戸端会議 エロ・ホラー・B級にも強い!男性映画ファンをターゲットにした ややサブカル色も持ち合わせた異色の映画雑誌。 映画雑誌の多くが女性読者を意識した構成になっているのに比 べ、この雑誌はハッキリ「おとこのこ向け」の誌面を意識して個 性ある雑誌として異彩を放っています。取り扱う映画もセク シー・ホラー・アメコミ・B級、そして邦画も極道もの・時代劇な ど明らかに他誌とは一線を画したものばかり。 「映画秘宝」 月刊 洋泉社 標準定価 1,050円 色物路線かと思われがちですが、日本映画の歴史を研究したり、 まだ注目はされていないものの今後期待できる若手映画人への インタビューを行うなどの映画ウンチク路線も追求。ハイソで綺 麗な映画雑誌なんてコリゴリだ!もっとこう色んな意味で「グッ とくる」映画情報を見たい!というファンの声に応え、今部数も 伸びつつある、元気のある映画雑誌です。スタッフもクセのある 映画フリークが集合。別冊で面白い映画本などもガンガン出して います。 週刊ニコ生書店員井戸端会議 映画・音楽・ファッションの舞台で活躍する「旬な人」をテーマに したインタビュー誌。辛口で批評的な切り口に定評アリ。 「CUT」 月刊 ロッキング・オン 標準定価 690円 この雑誌を発行している「ロッキング・オン」社は邦楽批評誌 「ROCKIN‘ON JAPAN」が有名ですが、この雑誌も同社の方 針を色濃く反映させた雑誌に仕上がっています。ロング・インタ ビューでは記者との対話感を重視して、あたかも自分がそのス ターと話をしているような錯覚さえ覚えます。また、編集チェッ クについては相手事務所に目は通させず、できるだけナマの声 を読者に届ける方針。誌面構成や表紙はデザイン性が高いので 美しく、内容の素晴らしさはもちろんのことただ置いていてもイ ンテリアになる雑誌として、美容室などで見かける機会も多い雑 誌かと思います。 いわゆる提灯記事を思わせるヌルい記事はあまり無く、基本的 にプロモーション色を極力排した映画批評には定評があります。 洋画邦画分け隔てなく採り上げ、最近はアニメも多く紹介する などの柔軟さも持ち合わせているように思います。映画をエンタ メだけではなく、表現・文化として消費したい層には訴求力の高 い映画雑誌ではないでしょうか。 週刊ニコ生書店員井戸端会議 日本唯一の「純然たる映画批評誌」。地味で偏屈、へそまがりで はあるが骨太な映画批評が読みたいなら、是非注文で。 「映画芸術」 雑誌の名前から察することができるように、まるまる一冊映画批 評、という硬派な雑誌。邦画のみを扱い、遠慮無くつまらない作 品はバッサバッサと斬り捨て、誰も目をつけないようなポイント を見つけては褒めたり批評する他誌ではまず見られない孤高の 存在です。映画ベストテンを発表する雑誌は多いですが、この 雑誌は「ワーストテン」も堂々と掲載。(「家電批評」みたいです な)なかなか他誌では見られません。宣伝色皆無の「文化・芸術 としての映画・映画表現」に興味がある人を対象とした雑誌です。 実際、広告ページはほとんど見られません。(その分お値段チョ イ高め) 季刊 編集プロダクション映芸 標準定価 1,500円 唯一の季刊映画雑誌。書店で見かけることは稀だと思います! 興味を持たれた方は是非書店で注文を。「コイツ、できる」一目 置かれる(かも)。 週刊ニコ生書店員井戸端会議 1771年、江戸時代の「犬」たちが突如お伊勢参りを始める。しか も、一匹や二匹ではなく、ぞくぞくと犬が参詣したという。なぜ? 誰も知らなかったこの「真実」の話を紐解くことで、江戸時代の 人々が犬と、そしてお伊勢様とどう関わって生きてきたのかを紐 解く興味深い検証本。 「犬の伊勢参り」 仁科邦男 平凡社新書 840円 2013年 江戸時代に多くの犬たちが「お伊勢参り」をしていたことを知って いますか?きっかけは忙しくて自らが伊勢参りできないひとりの 庶民が、「参宮」と書かれた木札を下げさせ、幾ばくかの小銭を つけて犬を伊勢に送り出した一件からといいます。道中見ず知ら ずの多くの人々が宿や食事の手配をして、その犬は無事に伊勢 まで着き、なんと参詣の証として犬はお札を持ち帰り、無事に送 り出した人の元まで戻ってきたというのです。この話が評判とな り、全国津々浦々の人たちが、それでは私も、ということで犬を 伊勢まで向かわせたのでした。 参宮する犬が通ると野犬が吠えない、世話をすると御利益がある という伝説をも生みだし、多くの犬が伊勢に参詣し、故郷へ帰っ て行った・・・。良くできた作り話のようですが、本書では信頼で きる資料にあたりこれが「事実」だと突き止めました。江戸時代の 大らかな人間と犬との関わり、大いに興味が湧いてきませんか? 週刊ニコ生書店員井戸端会議 twitter @budou_pan 発 雑 に ジ ャ ン ク 出 版 ネ タ 出 し コ ー ナ ー 週刊ニコ生書店員井戸端会議 twitter @budou_pan 発 雑 に ジ ャ ン ク 出 版 ネ タ 出 し コ ー ナ ー 週刊ニコ生書店員井戸端会議 twitter @budou_pan 発 雑 に ジ ャ ン ク 出 版 ネ タ 出 し コ ー ナ ー 週刊ニコ生書店員井戸端会議 twitter @budou_pan 発 雑 に ジ ャ ン ク 出 版 ネ タ 出 し コ ー ナ ー 週刊ニコ生書店員井戸端会議 twitter @budou_pan 発 雑 に ジ ャ ン ク 出 版 ネ タ 出 し コ ー ナ ー 週刊ニコ生書店員井戸端会議 twitter @budou_pan 発 雑 に ジ ャ ン ク 出 版 ネ タ 出 し コ ー ナ ー 週刊ニコ生書店員井戸端会議 「雑誌を定期購読する」 アナタは定期購読している雑誌、 ありますか? 週刊ニコ生書店員井戸端会議