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クリニックにおける静脈瘤治療- 皮膚科・形成外科が知っておくべき下肢
第 2 会場/ 13:00 13:30 クリニックにおける静脈瘤治療 - 皮膚科・形成外科が知っておくべき下肢静脈瘤 - TOSHIFUMI SAGA 佐賀 俊文 帝京大学医学部 心臓血管外科学講座 助手 あらおクリニック じめに:2011年4月にインテグラ は 時大伏在静脈、及び小伏在静脈に逆流を認め、 ル社の ELVeS® レーザー980 nm が、 静脈瘤の重症度を表す SEAP 分類では6と最 静脈瘤治療の機器としては初めて 重症の診断となった。治療は皮膚潰瘍の治療 医療機器承認を取得して以降、下肢静脈瘤血 を先行し、潰瘍の活動性が落ち着いたのちに、 管内焼灼術は急速に広まった。現在ではデバ 2回に分けて血管内焼灼術を中心とした治療 イスもさらなる進歩を遂げ、より合併症の少 を行った。疼痛により歩行困難であったが、 ない ELVeS® レーザー 1470nm、及び Closure 術後は症状が改善し、徒歩にて通院された。 FAST と呼ばれるラジオ波装置による血管内 まとめ:本症例は総合病院勤務時に経験し 焼灼術が登場した。これらの治療も健康保険 た症例であり、形成外科からのコンサルトの 適応となっている。 おかげで、当科の治療介入をすることができ 静脈瘤クリニックが増加し、医療関係者の た。クリニックでの治療を行っている現在で 間では静脈瘤治療は血管外科クリニックで行 は、近隣の整形外科、及び当院皮膚科形成外 うことが周知となった。しかし、一般患者の 科、近隣皮膚科等と連携し、下肢の様々な症 認知としてはまだ十分普及しているとは言え 状に対し、総合病院に遜色のない診断治療を ない。場合によってはその症状から皮膚科や 行うことを目標とし、診療を行っている。形 整形外科を受診し、治療が後手に回ってしま 成外科、皮膚科の専門医が静脈瘤を疑う目を うケースも少なくない。実際の症例と共に望 持ち、また逆にわれわれ血管外科医が、形成 ましい静脈瘤治療のあり方を検討する。 外科、皮膚科、美容外科領域での静脈瘤の合 症例:54 歳男性。職業大学講師。10 年以 併症状の治療、及び血管外科以外の持つ静脈 上前より右下腿の難治性潰瘍を認めていた。 瘤治療の手段を理解することによって、これ これまでに数度皮膚科を受診するも症状せ は実現可能と考える。 ず、形成外科より紹介受診となる。当科受診 20