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近鉄駅長お薦めフリーハイキング 「カレーパンウォーク

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近鉄駅長お薦めフリーハイキング 「カレーパンウォーク
平成 27 年度
大阪商業大学 横見ゼミナール
近鉄ユニット活動報告書
近鉄駅長お薦めフリーハイキング
「カレーパンウォーク・司馬遼太郎
が暮した東大阪を訪ねて」に関する
活動報告書
平成 28 年 3 月
大阪商業大学 総合経営学部
横見ゼミナール
もくじ
はじめに……………………………………………………
3
第 1 章:ハイキングの概要………………………………
4
第 1 節 ハイキングの目的……………………………… 4
第 2 節 先行・関連事例………………………………… 5
第 3 節 ハイキングの企画……………………………… 6
第 2 章:ハイキングの実施手法…………………………
8
第 3 章:アンケートの分析結果………………………… 10
第 4 章:取り組みの評価………………………………… 28
第 5 章:まとめ…………………………………………… 30
第 1 節 取り組みを振り返って……………………… 30
第 2 節 今後の課題…………………………………… 30
1
【執筆者一覧】
横見ゼミナール近鉄ユニット
リーダー
後藤
寛也
副リーダー
平山
英明
(誘導班)
同上
森崎
颯
(ガイド班)*第4章
北村
勇太
(ガイド班)*第1章
第1節
田邊
駿輔
(ガイド班)*第1章
第2節
仲間
涼
(ガイド班)*第1章
第3節
松河
菜乃香
(ガイド班)*第3章
松田
正太
(ガイド班)*第5章
平岡
伸梧
(ガイド班)*第2章
指導教員
*はじめに
*第5章
第2節
第1節
大阪商業大学 総合経営学部 公共経営学科 准教授 横見宗樹
2
はじめに
私たち横見ゼミナールは、
「フィールドワークゼミナール」として、観光を通
じた地域活性化をテーマに活動している。その目的は、地域活性化の取り組み
を通じて観光地域づくりの手法と意義を習得することである。
近畿日本鉄道(以下、「近鉄」)とは、2012 年度から八戸ノ里駅、2015 年度
からは布施駅と共同でプロジェクトを実施している。その目的は、近鉄が主催
するフリーハイキングの企画・実施を通じて、地域活性化に繋げることである。
今年度は、9 月 19 日に、近鉄駅長お薦めフリーハイキング「~カレーパンウ
ォーク~司馬遼太郎が暮した東大阪を訪ねて」を実施した。このハイキングは、
3 年生が「企画班」として主体的役割を担い、イベント班、紙芝居班、マップ作
成班に分かれて 2 年生から 4 年生まで合同で活動を実施した。
このハイキングは、東大阪市が「カレーパンのまち」であることをアピール
するとともに、司馬遼太郎記念館をはじめとする東大阪市の文化的・歴史的資
源に親しむという趣旨で企画したものである。東大阪に人を呼び込むだけでな
く、地域に経済効果をもたらすために、学生は各ポイントでのガイドにくわえ
て、カレーパンを販売しているパン屋さんでの呼び込みを実施した。さらに、
コース通りに歩いていただくための工夫として、コースの要所ごとに文字を一
文字ずつ配置して、これを繋げて言葉を完成させていく「文字集め」という企
画を実施した。また、前回と同様に紙芝居も実施し、カレーパンの歴史と、ど
のようにカレーパンが東大阪に広まったのかについても披露した。
コースの距離は約 9km で、759 名のお客様に参加していただいた。ガイドポ
イントは、波牟許曽神社、樟徳館、木村重成炊飯場跡、司馬遼太郎記念館、延
命寺、鴨高田神社、宝樹寺、谷岡記念館(大阪商業大学)である。あらかじめ
現地の下見を通じて情報を収集し、学生自身がガイドを行った。
今回のハイキングの目標は、
「東大阪はカレーパンのまち」であることを周知
するなかで、カレーパンの売上最大化を達成することである。本報告書では、
参加者に対するアンケート調査の結果を分析することを通じて、こうした目標
がどの程度達成され、またどのような課題が見いだされたかについて検討する
ことを目的とする。
3
第1章
ハイキングの概要
第 1 節 ハイキングの目的
1.取り組みの背景
私たち横見ゼミナールは、「観光を通じた地域活性化」を目的として、2012
年度から近鉄と共同でハイキング・イベントの企画・運営を行っている。今年
度においても、ハイキングの企画段階から参画し、
「東大阪はカレーパンのまち」
を認知してもらうなかで、ハイキング参加者にカレーパンを買ってもらうこと
で東大阪の経済的な活性化を狙うことを目的として取り組んだ。
2.目的を達成するための工夫
カレーパンの販売を促進するために、協力店舗の PR を掲載した「カレーパン
マップ」
(図 1-1、図 1-2)を作成し、そのマップを協力店舗に提示すると割引が
適用されるという企画を考えた。そこでまず、ハイキングのコース上にあるパ
ン屋さん 6 店舗をピックアップし、次いでカレーパンマップ作成の趣旨を伝え
るために「東大阪カレーパン会」を訪問した。そして、ピックアップした店舗
に学生が交渉に行くことを会から各店舗に伝えてもらった。
学生が企画書を作成し、各店舗に対してカレーパンマップ掲載のお願いと割
引交渉を実施した結果、6 店舗すべてが協力してくれることになった。
図 1-1 カレーパンマップ
の店舗紹介ページ(金太郎パン)
図 1-2 カレーパンマップ
の店舗紹介ページ(Matsuya)
4
第 2 節 先行・関連事例
私たちが実施するハイキングのように、鉄道会社が主催する沿線のハイキン
グは全国的に数多くみられる。今回のハイキングの実施に先立ち、他の鉄道会
社の事例を調べてみた。
1.阪急電鉄の事例
阪急電鉄では、
「阪急ハイキング」という沿線のハイキング・イベントを実施
している。そのなかで、特筆すべきは、平日に開催する「ウイークデーシリー
ズ」である。2015 年 12 月には第 8 回目を迎えて、毎回大勢の参加者が集まっ
ているようである。ハイキングでは、商店街での抽選や、ゴールでのお土産の
無料配布などが行われており、第 8 回目のハイキングでは 1,081 名もの参加者
が集まった。同社のハイキングでは、参加者の安全確保のために、係員の指示
や注意事項は必ず守ってもらうようにしており、万が一、参加者が別行動を取
った場合には、
「阪急ハイキング参加者に関係のない者とみなす」と規定に示す
など、徹底した対応を取っている。
2.京王電鉄の事例
とくに大手私鉄が主催するハイキングでは、参加者数が多くなることによる
トラブル等の発生が懸念される。このことでハイキング・イベント自体を中止
にした事例が京王電鉄である。
同社の「京王沿線ウォーキング」は平均で約 9km であり、2015 年度で 19 年
目を迎え、非常に人気のハイキングであった。しかし同年 10 月から開催が中止
されることとなった。その理由は、同社ホームページによると、
「参加人数が増
え、ウォーキングに参加されていない沿道の皆様から歩行マナーや運営に対す
る厳しいご意見・ご要望が多数寄せられてきた」からであるとされており、誘
導員の配置による運営経費の増大やスタッフの増加などもあり、
「当社単独で行
っている沿線ウォーキングを継続することができなくなった」のが原因とされ
ている。
このウォーキングは私たちの近鉄ハイキングと比べると距離に大差はないが、
首都圏ということもあり、毎回 2,000~2,500 人の人数が参加している。しかし、
参加人数が多いことで、様々な厳しい意見、問題点が出てきており、これは私
たちの近鉄ハイキングでも予想される共通の問題点と考えられる。
近鉄の場合は、歩行者のマナーに関しては、フリーハイキングであるがゆえ
に監視・監督することは難しい。しかし、近鉄と私たち学生がこれからも向き
合って考えていかなければならない重要な問題点であると考えられる。そして、
誘導員の配置が少ないという点に関しても、今回の近鉄ハイキングでは非常に
5
問題として挙げられた点である。京王電鉄の事例は、私たちのハイキングと比
べて規模が大きいウォーキングであるものの、共通点は多く存在しており、こ
うした事例等を参考にしながら、近鉄と協力しながら問題点の抽出と解決に努
めていかなくてはならない。
第 3 節 ハイキングの企画
1.このハイキングはどのように企画されたか
このハイキングの準備において、東大阪カレーパンの会が製作したカレーパ
ンマップをもとに、コース上の店舗に協力の許可を得るための事前交渉を実施
した。具体的には、カレーパンを値引きできるのか、お店の前で呼び込みして
もいいのかという点について交渉を実施した。その結果、値引きに関しては、
すべてのお店で同意していただけなかったこと、一部のお店ではカレーパンを
作る時間が決まっていてカレーパンをハイキング開始時に売ることができなか
ったという問題に直面した。
また、コース上の文化的・歴史的資源に関しては、東大阪市には寺社仏閣も
数多くあることをお客様に知っていただくために、布施駅を中心とした地域の
寺社仏閣について調べた。まずお寺や神社については、大まかなコースを作成
するなかで、コース上にあるお寺や神社をマップに落とし込んでいった。近鉄
布施駅の植田助役が今までに調べてくださった情報と布施駅周辺の寺社仏閣に
ついて書かれた書籍や、実際にお寺や神社を訪れて関係者からお話しを聞かせ
ていただくことを通じて、ガイドを作成した。しかし、今まで行ってきた近鉄
ハイキングと同じお寺や神社がコース上に含まれていることもあり、これに関
しては、過去に参加経験のある方には面白くないのではないかということが懸
念された。
2.企画段階における課題
このハイキングの企画に関しては、まず近鉄側からハイキングの共同実施の
お話しをいただき、これまでと同じく企画から運営までを携わらせていただい
た。企画においては、ハイキングのコース、タイトル、コンセプト、ターゲッ
ト層を考えなければならず、試行錯誤を重ねながら検討した。
コースについては、過去と同様のコースにするか、過去のコースと全くの逆
方向にするのかを考えた。タイトルについては、何人かの学生にいくつかの候
補を出してもらい、それを近鉄の担当者の方と会議を重ねることで選定した。
コンセプトについては、参加者の皆様に東大阪を知っていただきたいとの意見
で全員が一致したため、東大阪といえばカレーパンのまちであることについて
ハイキングを通じて知っていただくことをメインテーマに据えることにした。
6
そして、学生の目標として、カレーパンの売り上げ最大化を目指すこととした。
課題として挙げられたことは、ターゲット層の絞り込み、コース作成におけ
るコンセプトづくりであり、とりわけ、東大阪の「文化・歴史」と「カレーパ
ンのまち」という 2 つの異なるコンセプトを同時に内包しながら企画を進めて
いくのが最も困難であった。
くわえて、若者の誘致について、「東大阪の文化・歴史の認知」に関しては、
歴史に対する興味が相対的に低いと推測される若年層に対して、どのように訴
求していくかが困難であった。
7
第 2 章 ハイ
イキング
グの実施
施手法
本
本章では、ど
どのような
な方法でハイ
イキングを
を実施したか
かについて
て紹介をする
る。
まず、横見ゼ
ゼミナール
ルの学生がハ
ハイキング
グで行った活動は、受
受付、お客
客様の
誘導
導、ガイド、
、パン屋さ
さんの前での
の呼び込み
み、紙芝居である。ハ
ハイキング
グの距
離は
は約9km であり、その
で
のコースは
は、布施駅に
に集合した
たのち、まず
ず、三ノ瀬
瀬公園
でカレーパンの
の由来と、なぜ東大阪
阪がカレー
ーパンのまちとして売
売り出して
ている
かに
について、学
学生の自作
作による紙芝
芝居を披露
露した。つぎに、波牟
牟許曽神社
社、樟
徳館
館、木村重成
成炊飯場跡
跡、司馬遼太
太郎記念館
館、延命寺、鴨高田神
神社、宝樹
樹寺、
谷岡
岡記念館でガ
ガイドを行
行った。これ
れらのガイ
イドは、あらかじめ現
現地の下見
見を通
じて
て学んだ知識
識や東大阪
阪市の歴史に
に関する書
書籍などをもとに作成
成をした。そし
て最
最後に、大阪
阪商業大学
学でお客様に
にアンケー
ートを回答していただ
だいたのち
ち、八
戸ノ里駅で解散
散をした(
(図2-1を参 照)。
な
なお、司馬遼
遼太郎記念
念館と谷岡記
記念館では
は学生によるガイドを
を行わず(
(司馬
遼太
太郎記念館に
については
は、学芸員に
による解説
説)、ハイキ
キング参加者
者に自由に
に館内
を見
見学していた
ただくこと
ととした。学
学生が出入
入口で実施した調査に
によると、それ
ぞれ
れの来場者数
数は、司馬
馬遼太郎記念
念館が148人
人、谷岡記念館が1499人であった
た。
図2
2-1 ハイキ
キングのマッ
ップ(近鉄作
作成)
8
カレーパンの
の食べ歩きに関しては
は、金太郎パン、Mattsuya、ガン
ンジー倶楽
楽部、
VIE DE FRAN
NCE、Coo
ok house、 鳴門屋の
の6店舗のパ
パン屋さんを
をルート上
上に組
み込
込み、そのうちの一部
部の店舗につ
ついては、交渉の結果、カレー
ーパンの値
値引き
を実
実施していた
ただけるこ
こととなった
た。金太郎パンは、
「大
大辛口」、
「マ
マイルド」
、
「焼
きカレーパン」などの種
種類があり、
、一人あた
たり5個を限
限度に100円
円の値引き
きを実
施し
していただい
いた。また
た、ガンジー
ー倶楽部は
は、りんごとはちみつ
つを使った
たルー
と、コクと辛さ
さをもった
た濃厚なルー
ーが入って
ている「熟成」、「激辛
辛」、「チー
ーズ」、
「牛
牛すじ」の4
4種類のカレーパンを
を2割引とし
していただいた。それ
れぞれのパ
パン屋
さん
んの協力のも
もと、お店
店の前で学生
生が呼び込
込みをするなどして、 カレーパ
パンの
みな
ならず、他の
の種類のパ
パンを含めた
た売上の最
最大化を狙っ
った。
そ
そして、新し
しい試みと
として、「文
文字集め」というイベ
ベントを実
実施した(図
図2-2
を参
参照)。これ
れは、コース
ス上の7箇
箇所にひらが
がなを一文
文字ずつ配置
置(学生が
が看板
を掲
掲示)して、
、これを繋
繋げて完成 した言葉を
をゴール地点の手前に
にある大阪
阪商業
大学
学で学生に提
提示すると
と、正解者に
に景品を渡
渡すというイベントで
である。文
文字集
めの
の言葉は、司
司馬遼太郎
郎の本名であ
ある「ふく
くだていいち」とした
た。これは
は、ハ
イキ
キングのタイ
イトルにも
もなってい る司馬遼太
太郎に関して、さらな
なる知識を
を広げ
てい
いただくこと
ととともに
に、ゲーム として、多
多少は難易度のある解
解答にする
るとい
う意
意図のもとに
に考え出し
したものであ
ある。
図2-2 学生作
作成のしお
おりにおける「文字集
集め」のペ
ページ
9
第 3 章 アン
ンケートの分析
析結果
このハイキン
ングは、近
近鉄の集計に
によると、参加人数は
は 759 名で
であった。この
参加
加者の一部に
に対して、私たち学生
生が作成し
したアンケート票に基
基づき、ア
アンケ
ート調査を実施
施した。
本
本章では、ア
アンケート
ト調査の結果
果を提示す
するとともに、それぞ
ぞれについ
いて、
簡単
単な考察を加
加える(図
図中の「N」 は「サンプル数」を
を示す)。
図 3-1 と図 3-2
3 は、回答
答者の属性を
を示したものである。
これらの図
図で見る限
限り、
アン
ンケート回答
答者の性別
別はおよそ 4 人に 3 人が男性であ
人
あるという 結果になっ
った。
その
のなかでも夫
夫婦でハイ
イキングに参
参加された
た方が数組いたため、 女性が単
単独で
参加
加しているケ
ケースは相
相対的に少な
ないことが
が示唆される。男性の
のほうが圧
圧倒的
に多
多いために、女性には
は来づらい印
印象を与え
えている可能
能性も考え
えられる。
また、年代別
別グラフで
でも分かるよ
ように 40 代以下が圧
代
圧倒的に少な
なく、参加
加者の
4 分の 3 が 60 歳以上とい
いう結果と なった。
し
したがって、
、女性や若
若者にターゲ
ゲットを絞
絞ってハイキング企画
画を練るこ
ことが
今後
後の課題とし
して挙げられる。
図 3-1
図 3-2
3
回答者の属
属性(年代別
別) N=242
回答者の
の属性(男女
女別)
N
N=244
0.8%
29.5%
0.4%
%
5.8%
16.5%
70.5%
%
男
76.4%
女
20代
30代
40代
50代
60歳以
以上
図 3-3~図 3-6 は、年齢
齢別の男女比
比を示した
たものである
る。これらの
のグラフよ
より、
すべ
べての世代で
で男性が半
半分以上を 占めている
ることがわかる。しか
かし、ほか
かの年
代と比べると、50 代だけ
けが女性の
の割合が他よ
より多いことが明らか
かである。その
理由
由は、このア
アンケート
ト調査だけで
では分析で
できないため、今後ア
アンケート
トを作
成す
する際に項目
目を増やす
すことも検討
討すべきで
である。
10
図 3-3
図 3-4
図 3-5
図 3-6
3
図 3-7 は、
「
「カレーパン
ンのまち」 の認知度を
を示したものである。
。今回のハ
ハイキ
ング
グの主題であ
ある「カレ
レーパンのま
まち」につ
ついて、これを「知っ
っている」と答
えた
た人がおよそ
そ半分しか
かいないとい
いう結果を
を得た。
「東大阪・カレ
レーパンのま
まち」
をインターネッ
ットで検索
索すると約 1 千万件の
の検索結果
果がヒットし
したにもか
かかわ
らず
ず、この数字
字は予想を
を下回る結果
果となった
た。
そ
その理由は、
、やはり地
地元でしか知
知れ渡って
ていないのではないだ
だろうかと推測
する。とはいえ
え、
「知らな
なかった」と答えた人
人たちは、少なくとも
も今回のハ
ハイキ
ング
グを通じて「東大阪は
はカレーパ ンのまち」と認知してもらえた
たのではな
ないか
と考
考えられる。
11
図 3-7
カレーパ
パンのまちの認
認知度 N=2
239
46.4%
53.6
6%
知っ
っていた
知ら
らなかった
図 3-8 は、参
参加者の交
交通手段を示
示したもの
のである。こ
このグラフ
フより、10 人の
うち
ち 9 人は電車
車を利用し
しており、す
すなわち近
近鉄電車を利
利用したと
と推測される。
また、図 3-9
9 は、参加者の居住都
都道府県を示したもの
のである。回答者数 86
8 人
のうち近鉄線利
利用者は 85 人であっ
った。地域別
別の内訳は
は、大阪、そ
その次に奈
奈良か
らの
の参加者が多
多く、全般
般的な傾向 として大阪
阪以東からの参加者が
が多いなか
か、大
阪以
以西からの参
参加者はほ
ほとんどいな
なかった。したがって、兵庫や
や和歌山か
からも
多く来てもらえ
えるよう広
広告・宣伝の
の方法を検
検討すべきか
かもしれな
ない。
また、数パー
ーセントで
ではあるが、
、三重など
ど遠方から来訪する人
人もいた。近鉄
の目標のひとつ
つと考えら
られる運賃収
収入の増加
加に関しては、遠方か
から来る人
人たち
に、いかに興味
味を持って
ていただける
るかが重要
要な要素にな
なると考え
えられる。
図 3-8
9.2
2%
図 3-9
3
交通
通手段 N=
=240
参加者の居住都
都道府県
N=86
5.8
8%
90.8%
%
電車
1.2%
33.7%
3.5%
3
大阪
大
55.8%
奈良
奈
京都
京
兵庫
兵
徒歩・バス
ス・自転車
12
表 3-1 は、アンケート回答者における乗車区間と支払運賃の一覧を示したも
のである。近鉄線の運賃合計が 31,500 円、その他の鉄道会社線の運賃合計が
5,700 円となった。これに基づき、ハイキング参加者(759 名)全体の運賃収入
を推計すると、近鉄にもたらされた運賃収入は約 24 万円となった。
表 3-1 アンケート回答者における乗車区間と支払運賃
※乗車駅もしくは乗換駅と下車駅記入のみの回答を掲載(「不明」は掲載せず)
乗車駅
乗換駅
下車駅
近鉄線運賃
その他線運賃
南森町
布施
150
240
久宝寺
布施
150
160
近鉄大阪線長瀬
近鉄大阪線布施
150
久宝寺
布施
150
近鉄奈良線菖蒲池
近鉄奈良線布施
400
近鉄奈良線大和西大寺
近鉄奈良線布施
440
道明寺
近鉄奈良線布施
600
近鉄奈良線布施
150
近鉄奈良線布施
150
近鉄奈良線鶴橋
大日
160
280
久津川
近鉄奈良線西大寺
近鉄奈良線布施
690
久津川
近鉄奈良線西大寺
近鉄奈良線布施
690
久津川
近鉄奈良線西大寺
近鉄奈良線布施
690
近鉄奈良線布施
150
280
近鉄奈良線布施
880
500
近鉄奈良線若江岩田
近鉄奈良線布施
210
近鉄奈良線若江岩田
近鉄奈良線布施
210
近鉄奈良線新大宮
近鉄奈良線布施
440
近鉄奈良線布施
260
近鉄奈良線学園前
近鉄奈良線布施
400
近鉄奈良線学園前
近鉄奈良線布施
400
近鉄奈良線新大宮
近鉄奈良線布施
440
近鉄奈良線学園前
近鉄奈良線布施
440
近鉄奈良線布施
150
近鉄奈良線大阪難波
近鉄奈良線布施
260
近鉄奈良線河内小阪
近鉄奈良線布施
150
近鉄奈良線布施
380
大日
八木
近鉄奈良線大阪難波
地下鉄御堂筋線桃山台
南海高野線北野田
地下鉄御堂筋線なんば
近鉄奈良線大阪難波
13
320
260
鶴橋
近鉄奈良線布施
150
近鉄奈良線布施
600
近鉄南大阪線布施
150
近鉄奈良線富雄
近鉄奈良線布施
350
近鉄長野線河内長野
近鉄大阪線布施
650
近鉄奈良線奈良
近鉄奈良線布施
490
吹田
近鉄奈良線布施
150
300
地下鉄谷町線阿倍野
近鉄大阪線布施
210
180
近鉄奈良線学園前
近鉄奈良線布施
440
近鉄奈良線布施
460
近鉄奈良線大阪難波
近鉄奈良線布施
260
近鉄大阪線安堂
近鉄大阪線布施
300
近鉄奈良線大和西大寺
近鉄奈良線布施
440
近鉄大阪線下田
近鉄大阪線布施
400
八尾
布施
150
近鉄大阪線弥刀
近鉄大阪線布施
210
地下鉄四つ橋線花園
近鉄大阪線布施
150
近鉄奈良線若江岩田
近鉄奈良線布施
210
川西駅
鶴橋
近鉄けいはんな線白庭台
近鉄奈良線生駒
JR 阪和線富木
JR 大阪環状線天王寺
近鉄奈良線布施
150
近鉄山田線宇治山田
近鉄大阪線伊勢中川
近鉄大阪線布施
1800
近鉄奈良線河内花園
近鉄奈良線布施
210
大阪線大和高田
近鉄大阪線布施
440
大阪線大和高田
近鉄大阪線布施
440
近鉄京都線東寺
近鉄奈良線布施
880
地下鉄今里筋線緑橋
地下鉄千日前線
近鉄大阪線鶴橋
小路
150
近鉄大阪線布施
260
近鉄大阪線布施
260
近鉄奈良線布施
350
近鉄大阪線大阪上本町
近鉄大阪線布施
210
近鉄大阪線名張
近鉄大阪線布施
940
近鉄奈良線布施
400
近鉄奈良線布施
350
近鉄奈良線布施
150
近鉄大阪線布施
150
なんば駅
近鉄大阪線大阪難波
生駒線南生駒
生駒線萩の台
近鉄奈良線生駒
奈良線生駒
近鉄奈良線富雄
JR 阪和線杉本町
近鉄大阪線鶴橋
JR 大阪環状線天王寺
14
240
300
240
近鉄大阪線布施
地下鉄四ツ橋線花園町
180
180
近鉄大阪線鶴橋
近鉄大阪線布施
150
近鉄奈良線布施
400
近鉄奈良線布施
150
近鉄奈良線布施
490
近鉄大阪線布施
150
180
阪急千里線北千里
近鉄大阪線布施
460
150
近鉄奈良線石切
近鉄奈良線布施
300
近鉄奈良線東花園
近鉄奈良線布施
210
近鉄奈良線東花園
近鉄奈良線布施
210
近鉄大阪線布施
620
近鉄奈良線八戸ノ里
近鉄奈良線布施
150
近鉄奈良線八戸ノ里
近鉄奈良線布施
150
近鉄奈良線奈良
近鉄奈良線布施
490
近鉄大阪線大阪難波
近鉄大阪線布施
260
近鉄関谷
近鉄布施
350
近鉄奈良線布施
620
近鉄大阪線布施
940
近鉄奈良線布施
150
近鉄奈良線大和西大寺
近鉄奈良線布施
440
京阪藤森
近鉄布施
150
近鉄大阪線鶴橋
近鉄大阪線布施
150
近鉄大阪線長瀬
近鉄大阪線布施
150
近鉄大阪線長瀬
近鉄大阪線布施
150
八尾
近鉄奈良線布施
330
近鉄奈良線新大宮
近鉄奈良線布施
440
近鉄奈良線若江岩田
近鉄奈良線布施
210
近鉄奈良線布施
260
近鉄奈良線大和西大寺
近鉄奈良線布施
440
近鉄大阪線大和高田
近鉄大阪線布施
440
近鉄奈良線菖蒲池
京阪本線樟葉
JR 京橋
近鉄京都線高の原
JR 大阪
近鉄田原本
田原本
近鉄大阪線大和八木
西大寺
近鉄大阪線名張
JR 四条畷
南海高野線堺東
JR 河内永和
JR 新今宮
510
220
560
260
図 3-10 と図 3-11 は、それぞれコースの距離に対する感想と、コースの構成
に対する感想を示したものである。距離に関しては、約 85%が「適度な距離」
と回答したこともあり、距離はおおむね適切だったといえる。
15
図 3-10
図 3-11
距離の感想 N=239
N
コース構成
成の感想 N
N=235
10.9%
% 4.6%
2.6
6%
長い
い
適度
度
短い
い
84.5%
44.7%
52.8%
満足
一部満足
足
不満足
図 3-12 と図
図 3-13 は、それぞれ
れハイキング
グを知った
たきっかけと
と、ハイキ
キング
の参
参加回数を示
示したもの
のである。ハ
ハイキング
グを知ったきっかけに
については
は、約
82%
%が近鉄のハ
ハイキング
グ情報誌を見
見て参加し
している。また、参加
加回数につ
ついて
は、3~10 回目
目の参加者
者層が最も多
多いことが
がわかる。
図 3-12
図 3-13
ハイキング
グを知ったき
きっかけ
N=235
0
0.4% 0.0%
5%
5.5
5.5%
6.4%
%
82.1%
参加回
回数 N=2224
1.3%
%
8.9%
10.3%
1
4.9%
5.4%
%
1回目
2回目
ハイキング情報誌
3~10回目
駅の広告
11~30回目
10.7%
1
インターネット
カレーパンのお店
25.0%
大阪商業大学の広告
告
33.5%
31~50回目
51~100回目
101回以上
その他
不明
図 3-14~図 3-18 は、参
参加回数別
別の年齢構成
成比を示し
したものであ
ある。これ
れらの
グラフから、ど
どの参加回
回数において
ても 60 歳以
以上が大半
半を占めてい
いるが、初
初参加
に関
関しては 50
0 代が相対
対的に多く、 また、30
0 代の参加
加者もみられ
れるのが特
特徴的
であ
ある。
16
図 3-14
参加回数別の年齢構成比
図 3-16
図 3-15
参加回数別の年齢構成比
図 3-17
参加回数別の年齢構成比
参加回数別の年齢構成比
図 3-18
参加回数別の年齢構成比
図 3-19 と図
図 3-20 は、
「カレーパ
パンのまち」の認知有
有無別にみた
た参加回数
数の内
訳を
を示したもの
のである。アンケー ト回答者の
のおよそ半数
数(125 名
名)が、「カ
カレー
パン
ンのまち」を
を知っており、残りの
の半数(110 名)は知
知らないとい
いう結果となっ
てい
いる。11 回以
以上の参加者
者に関して
て、
「知っていた」とする比率は、全体の 63..2%、
「知
知らなかった
た」とする比率は全体
体の 44.5%
%と差が出る結果とな
なった。
17
図 3-19
図 3-20
認知度と参加
認
加回数(知らな
なかった)
N=110
認知度と参
参加回数(知っ
っていた)
N=125
9.6% 4.8% 8.0%
%
4.0%
8.0%
12.0%
%
初めて
0.9%
9.1%
2.7%
8.2%
36.8%
20.9%
6~10回
初めて
2~5回
2~5回
16.8%
11.8%
23
3.6%
11~30回
22.7%
11~30回
6~10回
31~50回
31~50回
51~99回
51~99回
100回以上
図 3-21 と図
図 3-22 は、
「カレーパ
パンのまち」の認知度
度について男
男女別に示
示した
もの
のである。
「知っていた
た」と回答 したのは、男性が 56
6.3%、女性
性が 47.9%
%であ
り、こうした行
行政が中心となって推
推進する地域の PR については、
に
、女性よりも男
性の
のほうが相対
対的に高く認知してい
いるものと
と推測される
る。
図 3-21
図 3-22
カレーパンのまちの認知
知度(男性)
N=167
カレーパンのまちの認知
知度(女性)
N=71
43.7%
56.3%
52.1%
知っていた
た
知らなかっ
った
47.9%
知っていた
た
知らなかった
図 3-23~図 3-26 は、
「カレーパ
パンのまち」の年代別
別の認知度を
を示したも
もので
ある。これらの
のグラフに
によると、6
60 代とそれ
れ以外の年
年齢層で認知
知度に大き
きな差
のみ
みられること
とが確認で
できる。若年
年層ほど「カレーパンのまち」 の浸透率
率が低
いように推測さ
されるため
め、今後は S
SNS やチラ
ラシなどを
を通じて若年
年層をター
ーゲッ
トに
にさらに PR
R する必要
要がある。
18
図 3-23
図 3-24
図 3-25
図 3-26
図 3-27~図 3-30 は、参
参加のきっ
っかけとなっ
った媒体に
に関して、年
年代別に示
示した
もの
のである。
「
「ハイキング
グ情報誌」の集客力が
が最も高く、すべての
の年代で大
大半を
占め
めていること
とが明らか
かとなった。つぎに多
多いのが「駅
駅の広告」 であり、
「カレ
「
ーパ
パンのお店」に関して
てはゼロとい
いう結果に
になった。
し
したがって、パン屋さんに対して
ても、ハイキ
キングの PR
P 活動に取
取り組んで
でいた
だくよう学生か
から積極的
的に働きか ける必要性
性があったのではなか
かったかと考え
られ
れる。今後は
は、それぞ
ぞれのパン屋
屋さんにお
おける来店客の年齢層
層を事前に
に把握
した
たうえで、そ
そのボリュ
ュームゾー ンに訴えか
かけるような広告・宣
宣伝方法を
を考え
ることも視野に
に入れるべ
べきであると
と考える。
19
図 3-27
図 3-28
図 3-29
図 3-30
図 3-31~図 3-36 は、訪
訪問したパ
パン屋さんの
の店舗数に
について、年
年代別に示
示した
もの
のである。あ
ある程度のサンプルが
が取れている「40 代」
」、
「50 代」、
「60 歳以
以上」
につ
ついてみてみ
みると、
「1 軒もしくは
軒
は 0 軒」だけ
けで全体の 60%程度と
となってい
いる。
実際
際に、ハイキ
キング参加
加者のなかに
にはあまりカレーパン
ンに興味が
がない人もお
おり、
むし
しろカレーパ
パンそのも
ものに興味が
がある人は
はハイキングに参加せ
せずとも直
直接店
に買
買いに行くで
であろう。
「カレーパ
パン」と「ハ
ハイキング
グ」という異
異なるキー
ーワー
ドを
をうまく融合
合して、双
双方ともに関
関心を示し
していただけるような
なターゲッ
ット層
を発
発見していく
く作業が今
今後において
て必要と考
考えられる。
20
図 3-31
図 3-32
図 3-33
図 3-34
図 3-35
図 3-36
図 3-37~図 3-40 は、カ
カレーパン
ンの購入数に
について、年代別に示
示したもの
のであ
る。サンプルが
が比較的に
に多い「50 代」と「6
60 歳以上」を比較し
してみると、60
歳以
以上の年齢層
層は、カレ
レーパンの購
購入数が相
相対的に著しく少ない
い結果とな
なった
21
(全
全体の 57.3%
%が購入な
なし)。しか し、これは
はある程度は
は予想され
れたことであ
あり、
年齢
齢層が上がる
るにつれて
て、油で揚げ
げたカレー
ーパンのような食品は
は苦手とな
なる傾
向に
にあると考え
えられる。
また、各店舗
舗における
るカレーパ ンの売上個
個数と金額に関しては
は、学生が
が店頭
で実
実施した調査
査によると、
「金太郎
郎パン」が 40
4 個で 4,0
000 円、
「M
Matuya」が
が 28
個で
で 4,340 円、
「ガンジー
ー倶楽部」が 49 個で
で 6,527 円、
「VIE DE
E FRANCE
E」が
16 個
個で 2,560 円、
「Cook
k house」が 36 個で 6,560
6
円、
「鳴門屋」が 26 個で 4,160
4
円という結果と
となった。全 6 店舗の
の合計は、売上個数が 195 個、
、売上合計
計金額
が 28
8,147 円で
であった。
図 3-37
図 3-38
図 3-39
図 3-40
図 3-41 と図
図 3-42 は、
「カレーパ
パンのまち」の認知有
有無別にみた
た購入数の
の内訳
を示
示したもので
である。カレーパンの
のまちと「知
知っていた」と答えた
た人(図 3-41)
のほ
ほうが「知ら
らなかった」と答えた
た人(図 3-
-42)より全体での購
購入数が多
多い結
果となっている
る。また、一部の店舗
舗ではカレ
レーパンが途中で売り
り切れるという
事態
態が発生した
たため、参
参加人数を店
店舗に逐一
一報告するなど、より
り一層に店
店舗と
22
の連
連携を図る必
必要があったと考えら
られる。
図 3-41
図 3-42
カレーパ
パン購入数(知
知っていた)
N=128
0
0.8%
4.7%
13.3%
1
カレーパン
ンの購入数(知
知らなかった)
N=111
0.0%
6個以
以上
3.6% 5.4%
3~5個
個
3~55個
18.0%
50.0%
13.3%
6個以
以上
15.3%
2個
54.1%
1個
21.6%
%
2個
1個
0個
0個
不明
明
不明
図 3-43~図 3-46 は、カ
カレーパン
ン以外のパン
ンの購入数
数について、
、年代別に
に示し
たものである。
。販売個数
数の集計結果
果より、全
全体としてはカレーパ
パンの購入
入数の
ほうが多い結果
果となって
ている。サン
ンプルが比較
較的に多い
い「50 代」と「60 歳以
以上」
を比
比較してみる
ると、
「購入
入なし(0 個
個)」の比率
率は、後者
者のほうが多
多い結果となっ
た。そもそも「食べ歩き」
」というイ
イベント自体
体が、年齢
齢層が高くな
なるにつれ
れて、
その
の関心が低下
下するのか
かもしれない
い。
図 3-43
図 3-44
23
図 3-45
図 3-46
図 3-47~図 3-52 は、ハイキング
グ・コース
スの距離(約
約 9km)に
に対する感
感想を
示し
したものであ
あり、図 3--47 と図 3--48 は男女
女別、図 3-4
49~図 3-522 は年代別
別に集
計を
をしたもので
である。
まず、男女別
別のグラフ
フについては
は、やはり
り男性のほうが「距離
離が短い」と感
じる比率の高い
いことが理
理解できる。
。その一方
方で、年代別に関して
ては、年代
代が上
がるにつれて、「距離が短
短い」と感
感じる比率が
が高くなっ
っている(440 代=7.1
1%、
50 代
代=10.0%
%、60 歳以
以上=11.4%
%)。近年の
の「アクテ
ティブ・シニ
ニア」とい
いう言
葉が
が示すとおり
り、60 歳を
を超えてい
いても、普段
段から健康
康増進等を目
目的として
て日常
的に
にウォーキン
ングを習慣
慣づけてい る人たちに
にとっては、今回のハ
ハイキング
グ・コ
ースの距離は不
不十分であ
あったのかも
もしれない
い。
図 3-47
図 3-48
24
図 3-49
図 3-50
図 3-51
図 3-52
図 3-53~図 3-57 は、コ
コース構成
成の満足度に
について、参加頻度別
別に示した
たもの
であ
ある。「初参
参加」が最も
も「満足」 の比率が低
低い(31.8
8%)結果と
となった。これ
は、リピーター
ーに繋がるか否かを決
決定づける重要なポイ
イントと考
考えられるた
ため、
初参
参加者の満足
足度を高め
めることが今
今後の課題
題である。
図 3-53
図 3-54
25
図 3-55
図 3-56
図 3-57
図 3-58~図 3-61 は、コ
コース構成
成の満足度に
について、年代別に示
示したもの
のであ
る。「50 代」と
と「60 歳以
以上」にお
おいて「不満
満」と感じ
じる比率が一
一定程度に
に観察
され
れることが明
明らかとな
なった。その
の理由とし
して、先に指
指摘したよ
ように、50 代と
60 歳
歳以上の人
人は「距離が
が短い」と 答えた比率
率が他より多かったた
ため、それ
れが不
満に
につながった
た可能性が
が考えられ る。したが
がって、こうしたハイ
イキングに
におい
ては
は、
「距離の設
設定」が予
予想以上に重
重要な要素
素となってい
いる可能性
性が考えられ
れる。
26
図 3-58
図 3-59
図 3-60
図 3-61
27
第4章
取り組みの評価
本章では、これまでの分析等を踏まえて、このハイキングにおける取り組み
について評価をする。
私たちは、このハイキングにおいて、
「東大阪はカレーパンのまち」というこ
とを認知してもらうとともに、
「東大阪の経済的な活性化」を推進することを目
的として取り組みを実施した。しかしながら、参加者の立場から見ると、ハイ
キングのメインは東大阪市の歴史的建造物を歩いて見て回ることであり、カレ
ーパンと東大阪の関係や歴史を知ること、実際に購入して食事をすることはあ
くまで付属のようなものだったのではないだろうかと推測される。
ハイキング当日の参加者 759 名に対して、カレーパンマップを受け取ってく
ださった人数は 350~400 名であり、さらにアンケートに回答くださった人数は
246 名であった。この数字をみると、ハイキング開始の時点で約半数の参加者が
横見ゼミが企画したイベント(カレーパンマップによる食べ歩き)に興味を持
たなかったのではないかと考えられる。
さらには、前章の分析結果より、アンケート回答者の半数以上がカレーパン
を購入しておらず、カレーパンの売上最大化という今回の目的は十分には達成
できなかったかもしれない。
他方で、
「東大阪はカレーパンのまち」を認知してもらうという目的に関して
は、約半数の参加者が「今回はじめて知った」ということがアンケート結果よ
り明らかとなり、これについては、ある程度は成功したのかもしれない。しか
しながら、ハイキング参加者の約半数にカレーパンマップを受け取ってもらえ
なかったことを考えると、もっと多くの人に認知してもらえる機会を逃してい
たともいえる。
私たちは、このハイキングの準備段階において、いかにカレーパンを購入し
てもらうかについて考えて、カレーパンマップを作成し、
「東大阪カレーパン会」
に協力依頼をすることで、各店舗に協力ならびに割引交渉等を実施した。その
なかで、まずは 1 人でも多くの参加者に興味をもってもらえるような仕掛けを
第一に考えなければならなかったのかもしれない。つまり、参加者からの目線
で考えることが抜けていたことが反省点である。
第 1 章第 3 節でも指摘したように、このハイキングではターゲット層を絞り
込むことが難しく、東大阪の「文化・歴史」と「カレーパンのまち」という 2
つの異なるコンセプトを両立しようとしたために、どの年齢層をターゲットに
したいのか結局曖昧なまま計画が進んでしまい、これが参加者の興味を引くこ
とができなかった原因の 1 つと思われる。
28
コンセプトを決める際に東大阪を知ってもらいたいという意見で一致したこ
とは良かったと思うが、その先の議論として、
「東大阪はカレーパンのまち」を
知ってもらうことがカレーパンの売り上げ向上につながるという考え方は、少
し短絡的であったかもしれない。単に知ってもらうだけで購買意欲を持たせる
ことは難しいと考えらえる。
東大阪市はカレーパンで売り出しをしており、他の地域とはここが違う、と
いった差別化をすることで、イベント自体に希少性をもたせるなど、あともう
一歩、参加者の心を掴む何かがあればよかったのではないかと考える。
29
第5章
まとめ
第 1 節 取り組みを振り返って
第 1 章で述べたとおり、私たち横見ゼミナールは「東大阪はカレーパンのま
ち」と認知してもらうとともに、ハイキング参加者にカレーパンを購入しても
らうことで「東大阪の経済的効果」に繋げることを目標に、このハイキング企
画がスタートした。
そのために、私たち学生が企画書を作成し、カレーパンを販売している 6 店
舗にカレーパンマップへの掲載や値引き交渉のお願いをしてまわり、協力店舗
を PR した「カレーパンマップ」を完成させた。
ハイキング・コースの策定にあたっては、東大阪市の 8 つの歴史的建造物へ
下見に行き、由緒等について学習した。ハイキング参加者に対して歴史を分か
りやすく伝えることは非常に難しいことであるが、どのような工夫をすれば、
分かりやすく伝えることができるかを全員で考えて、難しい内容は噛み砕き、
納得のいくガイドを完成させた。
くわえて、カレーパンを題材にした手作りの紙芝居も作成した。どのような
紙芝居にするのかなど、学生自身で考え、様々なアイディアを出し合い、練習
を重ねた。また、今年度から「文字集め」という新しいイベントも実施した。
なによりも、すべてが私たちにとって初めての試みだったため、企画を完成さ
せるまでが大変であったが、参加者の皆様にはハイキングを楽しんでいただく
ことができたと考えている。
ハイキング当日は、私たちの印象として、ガイドや紙芝居を聞いてくださっ
ている参加者の表情や、カレーパンを購入して店舗から出てくる参加者の表情
は、常に笑顔であったと思う。アンケート調査の結果からは、いくつかの課題
や改善点が浮かび上がってきたものの、私たち学生にとっては、参加者の皆様
から言ってもらえる「ありがとう」や「たのしかった」の一言が何よりの収穫
ではなかったかとも思う。
第 2 節 今後の課題
さいごに、今後の課題について、先に指摘した課題や改善点のほかに、
「企画
力不足」を指摘しておきたい。
今回の取り組みを実施して、
「各パン屋さんがコースから外れたところに位置
していること」や、
「カレーパンが途中で売り切れている」といった問題点が発
生した。これらはすべて、活動以前の企画段階による考察不足、すなわち「企
画力不足」が原因であったと考える。この「企画力不足」のために、私たち横
30
見ゼミナールが掲げた「地域における経済的な活性化」も十分に達成すること
ができなかったと考えられる。
今回の活動における「地域における経済的な活性化」とは、カレーパンの売
上最大化であり、第 3 章のアンケート分析で記載したように、私たちの実際の
成果は、全 6 店舗の売上個数が 195 個、売上合計金額が 28,147 円であった。こ
の結果は、過去に横見ゼミナールが実施した「カレーパンいつ買うの?今でし
ょう!ハイキング」の全 5 店舗カレーパンの売上個数 386 個、売上金額 64,198
円を大きく下回る結果となった。
このことから、今後においては、パン屋さんを主体としたコース編成、パン
屋さんを目的地とする企画、前回比などを用いて事前にパン屋さんとの連携を
深めた仕入れ量の検討、パン屋さんに対する参加者数のきめ細かい報告など、
企画の段階から当日の運営に至るまで、多数の改善が必要となるであろう。
その一方で、今回の取り組みでは、ハイキング終了後のアンケート調査によ
り、多くの参加者から「東大阪の歴史について知ることができた」、「東大阪が
カレーパンで売り出していることをはじめて知った」といった感想を得ること
ができた。これは、今回の大きな成果のひとつではないだろうかと考える。
今回の取り組みを通して得ることができた課題等を踏まえて、今後の活動で
は、より一層の成果を得られるように取り組んでいきたい。
31
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