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札幌市営住宅に関する滞納整理等の状況について 1 市営住宅の供給
札幌市営住宅に関する滞納整理等の状況について 1 市営住宅の供給、入居者の状況 札幌市が管理する市営住宅は、平成24年3月31日現在で、全市内に27,412戸あり、入居 世帯数は25,654世帯となっており、入居率は93.58%となっている。 【市営住宅管理戸数及び入居世帯数(H24.3.31 現在)】 入居世帯数 入居率 入居者数 (戸) (世帯) (%) (人) 231 227 98.26 457 北区 2,611 2,424 92.83 5,038 東区 4,430 4,109 92.75 7,817 白石区 1,656 1,599 96.55 3,517 厚別区 9,620 8,765 91.11 17,672 豊平区 1,994 1,930 96.79 3,762 清田区 1,468 1,430 97.41 3,260 南区 756 660 87.30 1,357 西区 1,258 1,206 95.86 2,360 手稲区 3,388 3,304 97.52 7,385 計 27,412 25,654 93.58 52,625 中央区 2 管理戸数 市営住宅入居者の収入状況等 入居世帯数25,654世帯のうち、4,633世帯(18.06%)が生活保護を受給している ほか、65歳以上の入居名義人世帯が12,893世帯(50.26%)となっており、高齢化、低 所得者の割合が年々増加傾向にある。 市営住宅入居者の市営住宅使用料の決定については、入居者世帯全体の収入額に応じて、公営住宅 及び地域リロケーション住宅の場合は8段階、改良住宅及び更新住宅並びにコミュニティー住宅の場 合は9段階の収入分位に区分され、入居者は、毎年6月末までに、前年の世帯の所得についての申告 を行うこととなり、この申告に基づき、翌年度の市営住宅使用料が決定されている。 市営住宅使用料は、入居者世帯の現状の収入額に見合った請求額とはならない場合(平成24年4 月から平成25年3月分の市営住宅使用料は、平成22年1月1日から平成22年12月31日まで の所得により算出された額となる。 )もあることから、著しく所得額が減少した場合や失職した場合な どは、世帯所得額の修正申告を随時行うほか、札幌市営住宅条例第14条の規定に基づく減免制度に より、市営住宅入居者の現状の収入に見合った市営住宅使用料を課することができるよう努めている。 【市営住宅使用料の減免後の額の算出方法】 市営住宅使用料の額から、下記表の「減額する額」に基づき算出した額を、市営住宅使用料から減額 することにより、減免後の市営住宅使用料を算出する。なお、この算出方法で得られた額が、4,20 0円以下となった場合は、減免後の市営住宅使用料は4,200円とする。 入居者世帯の収入 家賃負担率 減免率 (円) (%) (%) 28,000 円以下の場合 40 60 28,000 円を超えて 43,000 円以下の場合 60 40 43,000 円を超えて 58,000 円以下の場合 80 20 58,000 円を超えて 74,000 円以下の場合 90 10 【市営住宅入居世帯の収入分位認定状況(H24.3.31 現在) 】 公営住宅・リロケーション住宅 分位 政令月収(円) 世帯数(世帯) 分布率(%) 1 0 ~ 104,000 20,459 82.2% 2 104,001 ~ 123,000 984 4.0% 3 123,001 ~ 139,000 696 2.8% 4 139,001 ~ 158,000 673 2.7% 5 158,001 ~ 186,000 676 2.7% 6 186,001 ~ 214,000 476 1.9% 7 214,001 ~ 259,000 412 1.7% 8 259,001 ~ 525 2.1% 合 計 24,904 改良住宅・更新住宅・コミュニティ住宅 分位 政令月収(円) 世帯数(世帯) 分布率(%) 1 0 ~ 114,000 698 93.1% 2 114,001 ~ 123,000 8 1.1% 3 123,001 ~ 139,000 10 1.3% 4 139,001 ~ 158,000 9 1.2% 5 158,001 ~ 186,000 13 1.7% 6 186,001 ~ 191,000 1 0.1% 7 191,001 ~ 214,000 4 0.5% 8 214,001 ~ 259,000 3 0.4% 9 259,001 ~ 4 0.5% 合 計 750 【市営住宅使用料の減免許可状況】 世帯数 全体の割合 件数 減免額 (世帯) (%) (件) (円) 20 8,048 31.21 13,149 1,267,423,530 21 8,446 32.82 13,620 1,346,179,010 22 8,685 33.63 14,106 1,401,621,320 23 8,912 34.71 14,587 1,450,957,430 24 8,937 34.84 14,449 1,489,565,160 前年比% 100.28 99.05 102.66 年度 3 市営住宅使用料の収納率等 収納率については、現年度分収納率は約 99%の高水準を確保しているが、滞納繰越分収納率は約 30%程度となっている。 【市営住宅使用料収納率(平成 25 年 6 月 10 日現在)】 年度 22 23 24 区分 調定額 収納済額 収納未済額 収納率 (円) (円) (円) (%) 現年度 6,093,535,015 6,041,300,366 52,234,649 99.14 滞繰分 223,324,965 52,725,206 170,599,759 23.61 計 6,316,859,980 6,094,025,572 222,834,408 96.47 現年度 6,023,784,370 5,965,128,230 58,656,140 99.03 滞繰分 168,798,168 51,860,171 116,937,997 30.72 計 6,192,582,538 6,016,988,401 175,594,137 97.16 現年度 6,046,046,620 5,989,590,190 56,456,430 99.07 滞繰分 167,700,767 51,609,438 116,091,329 30.77 6,213,747,387 6,041,199,628 172,547,759 97.22 計 市営住宅に入居中の者に対する滞納整理事務については、本市から、一般財団法人札幌市住宅管理 公社に委託しており、滞納月数1~6月以下または滞納額 20 万円未満の滞納者に対する督励は公社が 担当している。 上記の基準を超えた滞納者については、本市が督励を担当し、民事調停及び民事訴訟により、退去 滞納者が居住する市営住宅の使用権原及び滞納市営住宅使用料に関する債務名義を取得するよう努め ている。 本市と滞納者の間で、民事調停が成立した場合、滞納市営住宅使用料の支払いに関して期限の利益 を与え、分割払いで納入することとなり、また、民事調停成立後の市営住宅使用料を納入期限までに 納めることを確認している。これらの支払を3回以上怠った者(以下「調停条項違反者」という。 )は、 期限の利益を失い、滞納額の残額を一括で支払うこと及び市営住宅を明渡すこととなる。 調停条項違反者に対しては、市営住宅の契約解除を行い、この者が市営住宅を明渡さない場合は、 裁判所に対して、市営住宅の明渡しを求める強制執行を申立ている。 市営住宅退去滞納者の大半は、本市が債務名義を取得済みの者が多いが、本市には、債務者の財産 調査権等がないため、強制執行可能な財産を調査することができていないことから、強制執行により 退去した者については、多額の債務を残したままとなっているケースが多いところである。 なお、民事調停の呼び出しに、正当な事由なく応じない者に対しては、札幌市営住宅条例第32条 に基づく明渡しの請求後、明渡期限を経過しても市営住宅を明渡さない場合は、速やかに裁判所に対 して、市営住宅使用料の支払及び市営住宅の明渡し等を求める民事訴訟を提起しており、勝訴判決後 は、調停条項違反者同様に、強制執行の申立を行っている。 【民事調停、民事訴訟、強制執行件数】 民事調停処理件数 民事訴訟(滞納)処理件数 申立件数 成立件数 成立率 (件) (件) (%) 21 83 59 71.08 22 59 41 23 71 24 37 年度 申立件数 勝訴件数 勝訴率 (件) (件) (%) 21 8 8 100.00 69.49 22 6 6 100.00 52 73.24 23 6 6 100.00 27 72.97 24 8 8 100.00 年度 強制執行(市営住宅明渡)件数 年度 強制執行件数(件) 21 26 22 14 23 22 24 20 4 市営住宅からの退去者の状況 市営住宅から異動する世帯は、平均で年間約1,000世帯となっている。このうち、他の市営住 宅への住替、建替事業に伴う異動が約15%あり、実質市営住宅から退去される世帯は850世帯程 となっている。 平成24年度中の退去世帯数は897世帯であり、このうち、市営住宅使用料を滞納したまま退去 している世帯数は36世帯であり、退去した世帯に対して約4%となっている。また、市営住宅使用 料の滞納総額は、約1,200万円あり、退去滞納者1名当たりの平均滞納額は約33万円である。 5 市営住宅使用料退去滞納者の状況及び委託後の回収実績 平成24年3月31日現在の退去滞納者数は、約300名、退去滞納退去滞納者の市営住宅退去後 の居住地については、本市が住民票等を請求し、定期的に追跡調査を行っているところであるが、札 幌市内に現在も居住している者が、約92%となっている。 年齢構成では、40 歳~60 歳までの年齢層が多くを占めており、約 30%が 60 歳以上の高齢者となっ ている。 【市営住宅使用料退去滞納者の状況(H24.3.31 現在)】 退去滞納者年齢状況 年齢 滞納者数 退去滞納者居住地状況 比 率 住所区分 滞納者数 比 率 20~29 2 0.68% 札幌市内 235 80.75% 30~39 39 13.40% 道 外 16 5.49% 40~49 80 27.49% 道 内 38 13.05% 50~59 83 28.52% 居所不明(調査中) 2 0.68% 60~65 57 19.58% 合計 291 100.00% 65~ 30 10.30% 291 100.00% 合計 退去後の経過年数状況 退去後経過年数 退去者数 ~1 年 4 1 年~2 年 28 2 年~3 年 19 3 年~4 年 44 4 年~5 年 24 5 年~6 年 21 6 年~7 年 21 7 年~8 年 35 8 年~9 年 19 9 年~10 年 36 10 年~ 41 退去滞納者に対する督励事務については、本市から、本市が構築した市営住宅総合管理システム(以 下「システム」という。 )で作成する圧着ハガキタイプの催告書を毎月発送していたが、効果が認めら れないため、平成22年9月末頃より、担当職員が個別に作成した催告書と納付書を、封筒に入れ送 付する方式に変更しているところであり、これにより、退去滞納者に自主的な納付を促している。 退去滞納者への督励事務の担当者は1名のため、発送通数、頻度は、システムで送付する場合と比 べ少なくなるが、納付相談に繋がるケースが増加しており、催告書発送数の1~2割程度の相談を受 けており、平成23年3月31日までの約半年間で約100万円(32名)の収納となっている。 平成23年10月1日からは弁護士法人に対して退去滞納者に対する収納事務委託を行い、平成2 4年3月31日までに約500万円が納入となった。また、委託債権約7,000万円に対して約2 0%が折衝を行った結果、和解が成立しているが、その他約80%の中には反応すらない滞納者も多 数いる現状である。このため、今回、委託予定の債権約5,000万円の回収については、これまで 以上に困難であることが予想され、新たな受託者には、より綿密な督励方法が求められる。 なお、催告書が退去滞納者の移転等により返戻となった場合は、住民票等による調査を行い、居住 先の追跡調査を実施し、調査の結果、住民登録地を異動していない者については、一定期間後に再調 査を行い、再調査でも居所不明の場合には、地方自治法施行令第171条の5の規定に基づき徴収停 止処分としている。徴収停処分後、居住地が判明した場合は、督励再開している。 年度 基準年月日 委託金額合計 回収金額 回収率 (円) (円) (%) 65,898,806 1,731,960 67,329,296 3,142,480 (委託開始時) 平成23年度 平成23年10月1日 ~平成24年3月31日 2.63 (下半期の回収率) (6か月間) 平成24年度 6 平成24年4月1日 ~平成25年3月31日 4.67 市営住宅駐車場の供給、使用者等 市営住宅駐車場は、市営住宅敷地内に整備された駐車場であり、その使用資格は、市営住宅入居者 及び同居者であり、市営住宅駐車場使用許可は、駐車場の利用者に対して認めている。 市営住宅駐車場の供給区画数は、18,136区画であり、その内、来訪用駐車場が791区画あ り、有料使用の区画は、17,126区画である。 有料使用の区画のうち、使用区画数は13,030区画となっており、有料使用区画数に対して、 約72%の使用率である。 入居者の高齢化の影響が大きいと考えられるが、使用区画数は年々減少傾向にある。 7 市営住宅駐車場の収納率等 市営住宅駐車場は、平成17年度までは、財団法人札幌市住宅管理公社の事業であったが、平成1 8年度から本市の事業となっている。 市営住宅駐車場使用料の額は、その駐車場の土地の価額、近傍の駐車場賃借料等により算出してお り、月額3,500円、3,800円、4,600円、5,500円の4段階に分かれている。 現年度収納率99%以上、滞納繰越分収納率50%以上と高い収納率となっている。1件当たりの 調定金額が少ないことや、3月以上滞納した場合は、駐車場が使用できなくなるため、自主納付率が 高いと考えられる。 【市営住宅駐車場使用料収納率(平成 24 年 6 月 10 日現在) 】 年度 区分 収納済額 収納未済額 収納率 (円) (円) (円) (%) 現年度 656,543,360 653,921,780 2,621,580 99.60 滞繰分 4,684,320 2,395,310 2,289,010 51.13 計 661,227,680 656,317,090 4,910,590 99.25 現年度 641,031,100 638,639,630 2,391,470 99.62 滞繰分 4,891,530 2,682,950 2,208,640 54.84 計 645,922,630 641,322,580 4,600,110 99.28 現年度 633,662,700 631,094,800 2,567,900 99.59 滞繰分 4,600,110 2,367,510 1,268,530 51.46 638,262,810 633,462,310 3,836,430 99.24 22 23 24 計 8 調定額 市営住宅駐車場退去滞納者の状況 市営住宅使用料と同様に、システムで出力する催告書を毎月発送している。市営住宅駐車場滞納者 退去滞納者数は約80名、滞納額約120万円となっている。なお、退去滞納者1名当たりの平均滞 納額は約15,000円となっている。 滞納繰越分の調定額の大半は、市営住宅駐車場使用料退去滞納者が占めており、長期に渡り、納入 されないことが多い。 市営住宅退去滞納者が、市営住宅駐車場使用料についても滞納しているケースが多く、市営住宅使 用料に対する督励を優先する取扱をしていることから、滞納整理が進まない状況にある。