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子どもたちが係わるサイバー犯罪やネット上でのトラブルについて

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子どもたちが係わるサイバー犯罪やネット上でのトラブルについて
神奈川県警察本部
生活安全部生活安全総務課
ハイテク犯罪対策センター
子供たちが被害者となるサイバー犯
セキュリティアドバイザー
夘野 智喜(うの ともよし)
罪等としては、児童買春・児童ポルノ
法違反や県青少年保護育成条例違反の
サイバー犯罪等の現状について
サイバー犯罪は年々増加する
傾向があり、その中でもネット
ワーク利用犯罪が最も多く、パ
ソコンや携帯電話でインターネ
ットを利用して、トラブルに巻
き込まれるケースが増えてきて
被害が挙げられ、その多くは出会い系
サイトをきっかけとしています。また、
サ コンピュータ技術や電気通信技術を悪用した犯罪の総称で、大きく以下の様に分類されます。
イ (従来、「ハイテク犯罪」と呼ばれていたものを、国際情勢を鑑み、平成16年4月より、「サイバー犯罪」と置き換えています。)
バ
ー コンピュータやコンピュ
犯罪を行う上でインターネ
平成12年2月に施行された
犯 ータ内にある電磁的記録
ット等のネットワークの利
「不正アクセス行為の禁止等
罪 (データ等)を対象にした
用が不可欠であるような
に関する法律」に違反する
と 「コンピュータ及び
「ネットワーク利用犯罪」
「不正アクセス禁止法違反」
は 電磁的記録対象犯罪」
インターネットを利用した詐欺の被害
身
に
覚
え
の
な
い
料
金
請
求
まったく利用した事のないアダルトサイトや出会い系サイトの利用料金請求
メールが、子供たちのパソコンや携帯電話に届くといったことがあります。
こうした架空の料金請求メールは無差別に送られており、まったく利用した
覚えがなければ、送金したり、電話やメールで連絡したりせず、無視するのが
よいでしょう。また、20歳未満(既婚者を除く)が親の同意を得ないで行った契
約は取り消すことができる場合もあります(民法4条)ので、子供たちへの請
求を拒否する根拠とすることもできます。
なお、このようなメールを送信する業者のリストにメールアドレスが登録さ
れてしまっていると思われることから、今後も同じ様なメールが来るなどのト
ラブルを避けるため、メールアドレスを変更するのがよいでしょう。
ごめん∼!回ってきたんで勘弁
してください!!
あなたヤバイです。5人に転送
してください。このメール止め
るとみんなのパケ料を一人で全
額払わなければならなくなりま
す。チェーンメールだと馬鹿に
しないでください。
パケット通信料 △月△日∼ X
月X日、○○○万円
ハッカーが作ったから本当で
す!!
チ
ェ
ー
ン
メ
ー
ル
最終通告!
未払いの料金を
払いなさい!!
「メールを止めると通信料を全部払わなければならない」、「止めた人を殺人
犯と考え、復讐に行く」等と書かれ、メールを受信した者に、そのメールを複
数の人に転送するように仕向けるチェーンメールと呼ばれるいたずらメールが
出回っています。そのため、このようなメールが子供たちにも回ってきてしま
うことがあります。
受信した多くの子供たちが「本当かどうかわからないけど、恐いから回して
おこう」と考え、友達などに転送してしまうようです。
しかし、インターネットの仕組み上、どこでメールの転送をやめたかを始め
にメールを送信した人にはわかりません。ですからこのようなメールが来た場
合には、他の人の迷惑となるので転送するのはやめましょう。
●高校生(17)は、インターネットの
掲示板に「明日の羽田発関空行きの○
○便をハイジャックします。使用する
武器はナイフです」などと書き込みを
行い、航空会社の業務を妨害した。
(平成15年8月)
●高校生(15)と父親(52)は、パ
ソコン用のソフトウェアをソフト
ウェア会社に無断で、CD−Rに
コピーしインターネットオークシ
ョンで販売していた。
(平成15年11月)
●高校生(16)は、インターネットの
掲示板に「今週の日曜日、○○町の郵
便局及びXX郵便局に討ち入りたいと
思います」「両方の局はほぼ同時刻に
破壊する」などと書き込み脅迫した。
(平成16年5月)
に遭うといったことも起きています。
一方、子供たちがサイバー犯罪等の
被害者となるだけではなく、被疑者と
なったケースも多くあり、その罪種も
多種多様です。
います。
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
利
用
時
の
主
な
ト
ラ
ブ
ル
と
は
●中学生(14)は、友達のオンライ
ンゲームのID/パスワードを無
断で使用し、その友達のキャラク
ターが持っていたアイテムを、自
分のキャラクターのものにした。
(平成15年2月)
犯
罪
や
ト
ラ
ブ
ル
に
巻
き
込
ま
れ
な
い
た
め
に
は
神奈川県警察(県警)ハイテク犯罪対策センターでは、以下のような取組みを行っています。
サ
イ
バ
ー
犯
罪
等
防
犯
パ
ン
フ
レ
ッ
ト
スクール・ポリスネットによる情報発信
神奈川県教育庁・市町村教育委員会等を通じ、県内各小・中・高等学校等1,639
校とのメールによる情報発信網「スクール・ポリスネット」を構築し、サイバー犯
罪等の被害防止のための情報発信を行っています。
パンフレットの配布
インターネット利用上の注意事項をまとめたパンフレットを作成しています。子
供たちへの指導の際にぜひ活用してください。パンフレットは、県警ホームページ
(http://www.police.pref.kanagawa.jp/)よりダウンロードできます。
ホームページによる情報発信
県警ホームページには、上記パンフレットよりも詳しい情報を載せておりま
す。また、小学生がインターネットを利用する上での知識を学習できるページ
「ピーガル・キッズサイバースクール」もあるので、ぜひ活用してください。
情報セキュリティ対策ビデオの貸出し
セキュリティ対策ビデオ「虚構からの誘惑」及び「虚構への落とし穴」を、
神奈川県内各警察署の生活安全課にて貸出しています。
小学生向けホームページの画面
講習会・研修会等への講師派遣
神奈川県内の児童・生徒・保護者・教職員等学校関係者の
方々が、子供たちの係わるサイバー犯罪やインターネット上
のトラブルについての講習会・研修会等を行う際には、講師
を派遣することもできます。
掲示板、チャット、メールなどでのトラブル
バーカ!
掲示板やチャット、メールで、お互いの意見などの違いから口論となり、収拾
がつかなくなってしまい、そのトラブルが現実の世界まで発展するケースも存在
します。平成16年6月に長崎県佐世保市で発生した、小学校6年生の児童が同級
生をカッターナイフで殺害した事件について、児童が開設したホームページの掲
示板やチャットでのトラブルがきっかけのひとつであったと報道されております。
掲示板やチャット、メールなどは文章によるコミュニケーション媒体であるた
め、書き手の感情を判断することは難しく、ちょっとした言葉の行き違いから口
論となることがあります。ですから、自分から情報を発信する場合は、相手のこ
とを考えた上で、言葉を慎重に選ぶ必要があります。
また、自分の発信した情報は、他の多くの人が見ているということを認識し、
批判的な意見だからといって過激に反論することはやめ、故意に過激な表現を用
いる相手などとは、交信を避けるのがよいでしょう。
この他にも多くのトラブルが子供たちのまわりには存在します
2
NICE 46 2004年9月
講師派遣に関する問い合わせ先 神奈川県警察本部内 ハイテク犯罪対策センター TEL.
終
わ
り
に
internet
045−211−1212(代表)
子供たちへインターネットの利便性や危険性、インターネット上のルールやマナーについて指導する
とともに、保護者の方へもインターネットの危険性について紹介していただけますようお願いします。
また、校内のネットワークセキュリティの強化とともに子供たちがどのような情報を閲覧しているの
か注意をしてください。
神奈川県警察ホームページ http://www.police.pref.kanagawa.jp/
NICE 46 2004年9月
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