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国際誌に論文を投稿する意義と 投稿に際しての注意点
国際誌に論文を投稿する意義と 投稿に際しての注意点 バイオセラピー学科 佐々木 剛 もし あなたが当該研究分野で 注目されている現象の証拠を 発見したならば、、、、 英文国際誌へ投稿すべき • 誰もが知りたがっている謎を一番に伝える • それこそが研究の醍醐味 なぜ英文国際誌か? 新たな発見を世に知らしめる手段 • Q.日本語でも論文は論文? – A.はい。しかし、多くの研究者の目に触 れないことには、いかに素晴らしい発見 であっても世に出ることなく埋もれてし まう可能性もあります。 • Q.英文国際誌だから何? – A.世界中の研究者に評価され、末永く その価値が認められることになります。 国際誌の価値 • 世界の最先端で活躍する喜び – 論文が掲載されるということは、その研究業 界で研究が認められたことを意味する – 読者人口が多い雑誌であればあるほど達 成感は大きい • 世界で共通の認識をもって切磋琢磨する – 国という枠を超えて知識を共有することで科 学的真理の探求は遂行される – マイナーな言語による読者対象の制限は閉 ざされた世界 あらゆる価値を高める • 研究の価値 – 世界に認められる研究は誰もが無視できない成果となる – それはときに 新しい研究分野を生み出す • 研究者としての価値 – 論文に対する評価はその論文を執筆した研究者の評価に直 結する – どんなに素晴らしい発想、結果を持っていても論文として発表 していないことには、誰からも評価されない 結論 • 同じ成果で論文を書くなら、その価値を最大 限に評価してくれる英文国際誌に書くべきで はないか。 Nature Science 投稿に際しての注意点 研究のスタンス • いきなり大論文を書こうとしないこと! – 研究は登山と同じだと思う – 究極目標が頂上ならば、そこを目指すために必要な通過点で 1つ1つ論文を仕上げる – 一気に頂上を目指していつまでもデータを集めていては、たど り着けるものもたどり着けない – 要所要所にベースキャンプを築いて頂上を目指す=要所要所 で論文を仕上げる データは生もの!消費期限がある! – 今の画期的なデータも3年後には 普通のデータになっている – 発表するタイミングを見誤ってはいけない データ1年目 ~ • データ3年目 論文執筆の準備 データを整理する データ⑤ – Supplement:補足資料(主にweb upload) データ④ – 本文:必要十分な図表 データ③ • 図表が多い場合は本文用とSupplement用を分ける データ② – 疑わしいデータはないか? データ① – 証拠が十分に足りているか? データ⑥ • 図表でストーリーが見えるはず データ⑪ • まずデータを整理して図表をつくる 投稿する雑誌の選び方 アクセプト・・・ • 雑誌の違いに注意 投稿! – 週刊、月刊、季刊 – (個人的な経験ではあるが)発行 間隔が長い雑誌はレビュープロセスにも 時間がかかる(気がする) • IF(インパクトファクター)は影響力 – (高ければいいという訳ではないが) 論文の重要度を示す一つの指標 • 費用(掲載料)に注意 – 雑誌によって掲載料は異なる – カラーFigureは高額なので要注意 IF 投稿のルール • まずは投稿規定 を確認しましょう • Guide for Authors • Author instruction その雑誌が求める 研究分野が示されて いる http://www.elsevier.com/journals/molecular-phylogeneti evolution/1055-7903/guide-for-authors 投稿のルール: MSの体裁について • Author Instructionに論文体裁 の細かい指示がある • 雑誌によって指定するスタイル がある。それを確認してから論 文を執筆すること! よく読め! はい!教授! 雑誌の略語表記abbreviationに注意 • 雑誌の略語表記に気をつけること – 引用文献リストに載っている個々の 雑誌の略称は決まっている • 例)Molecular Phylogenetics and Evolution →Mol. Phylogenet. Evol. – 専門サイトを参照すること(Web of Science: Journal Title Abbreviationサ イト) – 専門サイトに略語表記が載っていな い雑誌 • 世界標準として扱われていない・・・ 論文を執筆する~私の場合~ • 中身はどこから書く? • 1)Material and Methods – まずは肩ならしに • 2)Result and Discussion – Discussionは関連論文を読みあさらないと生まれてこない • 3)Introduction – 論文の背景であり、これまでの知見を集約する場所である。 – 執筆の過程でより深く広く関連論文を読むことで当該研究に 関する知識は体系化される。 • 4)Abstract 英文を書く方法~私の場合~ 私が使っている英訳サイト • 1)関連論文を読み込む – お決まりの表現方法に気付く – 関連論文は知識の源であると ともに文章の用例集でもある • 2)英訳サイトを使う – たくさんの用例を参照できるサ イトがよい – 和文を英訳するサイトは× http://www.alc.co.jp/ その他 • 証拠となる生データ、サンプルは永久保存のつもりで管理 – いつ、どこで指摘されるかわからない – 真実であることの証拠は、それが証明されるまで保持することが自己防衛でもある • 想定外のデータにもあわてない – データに対して忠実に – 歪んだ解釈を加えないこと • 指導教員、共同研究者と常に相談 – 未熟な研究者であることを自覚すること • 常日頃から関連雑誌をチェックする – 競争相手の動向を確認 – 新しい考え方、新しい技術を発見できる