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青森~佐井航路を中心とした 下北地域活性化に向けた行動計画(案)

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青森~佐井航路を中心とした 下北地域活性化に向けた行動計画(案)
資料2
青森~佐井航路を中心とした
下北地域活性化に向けた行動計画(案)
平成28年2月
目
項
次
目
1. 青森~
青森~佐井航路を
佐井航路を中心とした
中心とした下北地域活性化検討会
とした下北地域活性化検討会概要
下北地域活性化検討会概要
1.1 青森~佐井航路を中心とした下北地域活性化検討会設置の
背景と目的
1.2
構成メンバー一覧
3
4
2. 青森~
青森~佐井航路の
佐井航路の概要
2.1 航路の現況
2.2 船舶「ポーラスター」の主要目
2.3
ページ
5
6
各港の現況
7
(1)佐井港
(2)福浦港、牛滝港
7
8
(3)脇野沢港
(4)青森港
9
10
3. 青森~
青森~佐井航路を
佐井航路を取り巻く現状
3.1 青森~佐井航路の位置付け
3.2
11
青森~佐井航路の課題
12
(1)
(2)
利用者の伸び悩み
欠航率の高さ
12
12
(3)
(4)
慢性的な赤字
地域住民の減少
13
14
4. 下北地域及び
下北地域及び周辺の
周辺の概要
4.1 下北地域及び周辺の現況
15
4.1.1 下北半島の地形
4.1.2 自然条件
15
16
4.1.3
下北地域の自治体の近況
16
4.1.4 下北地域の自治体の人口
(1) 下北地域の人口の変化傾向
16
16
(2) 下北地域の将来人口
17
(3) 下北地域の産業人口割合
4.2 下北地域の観光資源
18
4.2.1 下北地域の代表的な観光資源
(1)恐山
20
20
(2)仏ヶ浦
20
-1-
(3)大間のマグロ
(4)下風呂温泉
21
22
(5)尻屋崎
4.2.2 下北地域の主な観光関連施設・公園・景勝地等と利用者
22
23
4.2.3
24
下北地域で実施される代表的な祭・イベント
(1)田名部まつり
(2)恐山大祭
24
25
(3)大間超マグロ祭り
4.2.4 下北地域で実施される主な祭・イベントと参加者数
26
26
4.2.5
着地型観光プログラム
27
4.2.6
4.2.7
訪日外国人観光客への対応
北海道新幹線新青森~新函館北斗間開業への対応
28
30
4.2.8
下北観光の対外的なPR実施状況(事例)
31
(1)「大函丸」就航後における大間町の取組
(2)下北半島ジオパーク構想の取組(むつ市)
31
31
(3)あおい環プロジェクト(Sai ツーリズム)の取組
4.2.9 下北観光の課題点
31
32
(1)交通環境の不十分さと広域にまたがる観光資源
32
(2)地域内の連携
(3)宿泊施設等の不足
32
33
5. 青森~
青森~佐井航路を
佐井航路を中心とした
中心とした下北地域活性化
とした下北地域活性化に
下北地域活性化に向けた行動計画
けた行動計画
5.1 下北地域活性化に向けた行動計画における目標
5.2 目標の実現に向けた取組方針
(1)観光客誘致の促進
35
36
36
(2)地元利用者の利用促進
37
(3)二次交通対策
(4)広報・魅力度向上を通じたPRの促進
38
38
(参考)
参考)目標を
目標を達成するための
達成するための施策
するための施策
40
-2-
1.「青森~
青森~佐井航路を
佐井航路を中心とした
中心とした下北地域活性化検討会
とした下北地域活性化検討会」
下北地域活性化検討会」の概要
1.1 青森~
青森~佐井航路を
佐井航路を中心とした
中心とした下北地域活性化検討会設置
とした下北地域活性化検討会設置の
下北地域活性化検討会設置の背景と
背景と目的
準離島航路を含めた離島航路は、全国に約 300 航路あり、そのうち東北には 9 航路
(うち国庫補助航路 5 航路)が存在し、離島住民の唯一の交通手段として、また生活
物資の輸送手段として重要な役割を果たしている。
その一方で、地域住民の人口減少と高齢化等の進行により輸送人員が減少し、さら
に、燃料費高騰等の影響もあって、航路を取り巻く環境は大変厳しい状況にあり、青
森~佐井航路もその例外ではない。
これまでの経緯を振り返ると、国は、平成 20 年 1 月に「離島航路補助制度改善検討
会」を設置し、将来にわたる離島航路の維持・活性化を図るための協議・検討を行っ
た結果、平成 21 年 7 月に離島航路補助金交付要綱が改正され、新たに離島航路構造改
革補助が設けられている。その中で、平成 25 年度までの 5 年間に「航路改善協議会」
を設置し、航路診断や経営診断などで住民の交通手段の確保や航路を維持していくた
めの取組を盛り込んだ航路改善計画を策定し、離島航路の維持・活性化などに取り組
むこととなった。
これを受け、青森~佐井航路においても、平成 22 年 5 月に「青森~佐井航路改善協
議会(事務局:東北運輸局海事産業課)」を設置し、平成 23 年 3 月に「青森~佐井航
路改善計画(以下、「改善計画」という。)」を策定し、改善計画の実現に向けた各
種施策等の取組を進めてきた。しかし、青森~佐井航路の利用者数も伸び悩んでいる。
そこで、平成 27 年 3 月、「青森~佐井航路を中心とした下北地域活性化検討会(以
下、「検討会」という。)」を新たに立ち上げ、シィライン株式会社が運航する青森
~佐井航路の維持・活性化を図るため、より幅広い観点から検討を行っていくことと
し、平成 23 年 3 月に策定した「青森~佐井航路改善計画」の検証を行いながら、北海
道新幹線新青森駅~新函館北斗間開業を契機とした、青函圏の広域周遊の促進といっ
た新たな視点を加えながら検討を行い、本行動計画を取りまとめたものである。
-3-
1.2 構成メンバー
構成メンバー一覧
メンバー一覧
構成員
所属等
役
職
氏
名
シィライン株式会社
代表取締役
山崎
隆一
下北交通株式会社
代表取締役
白濱
啓助
JRバス東北株式会社大湊営業所
営業所長
佐々木
一般社団法人下北観光協議会
事務局長
佐藤
英明
淳
青森市経済部
部
長
石澤
幸造
むつ市総務政策部
部
長
川西
伸二
むつ市経済部商工観光課
課
長
佐井村総合戦略課
課
長
東出
守男
東北運輸局
次
長
七尾
英弘
東北運輸局海事振興部
部
長
菅原
勝良
東北運輸局観光部観光地域振興課
課
長
伊藤
一哉
東北運輸局青森運輸支局
支局長
石川
智弘
青森県企画政策部
部
長
小山内
青森県観光国際戦略局誘客交流課
課
長
堀
役
職
氏
室
長
中野
役
職
氏
課
長
千葉
金澤
寿々子
豊彦
義明
オブザーバー
所属等
青森県下北地域県民局地域連携部
地域支援室
名
顕
事務局
所属等
青森県企画政策部交通政策課
(備考)平成 28 年 1 月末現在
-4-
名
功己
2. 青森~
青森~佐井航路の
佐井航路の概要
2.1 航路
航路の
の現況
青森~佐井航路は佐井港と青森港を結んでいる。運航時間は 145~150 分で、1
日に 4 便(往復 2 便)を運航しているが、冬期(10 月 1 日~4 月 30 日)はうち 2
便が脇野沢港~青森港のみの運航となる。
図 1 青森~
青森~佐井航路 航路図
青森~佐井航路
大間町
25 分
4.9km
15 分
24.7km
寄港名
風間浦村
14.2km
佐井
上段 港間距離
佐井村
下段 航海時間
福浦
牛滝
むつ市
東通村
表 1 片道旅客運賃表
45 分
東津軽郡 今別町
脇野沢
佐 井
東津軽郡 外ヶ浜町
36.1km
60 分
牛 滝
蓬田村
六ヶ所村
平内町
1,460
730
1,780
890
2,720
1,360
3,560
1,780
福 浦
横浜町
脇野沢
野辺地町
青 森
2,610
1,310
2,300
1,150
3,350
1,680
780
390
2,410
1,210
3,460
1,730
(円)
青森
※高速料金含む
上段は大人運賃、下段は小人運賃
東北町
青森市
三沢市
表 2 青森~
青森~佐井航路概要
起点
終点
所要時間
運航距離
1 日運航回数
佐井
青森
145 分
79.9km
4回
1 日総運航距離
319.6km
232.0km
期間区分
夏期 05/01~9/30
冬期 10/1~04/30
表 3 夏期時刻表(
夏期時刻表(5 月 1 日から 9 月 30 日まで)
まで)
1 便
3 便
佐井発
7:00
12:30
福浦発
7:25
12:55
牛滝発
7:40
13:10
脇野沢発
8:30
14:00
青森着
9:30
15:00
1 便
2.2
3 便
佐井発
福浦発
牛滝発 脇野沢発 青森着
8:30
9:30
船舶「
「ポーラスター」
」14:00
の主要目
船舶
ポーラスター
12:30
12:55
13:10
15:00
2 便
4 便
青森発 脇野沢発
9:40
10:40
15:10
16:20
牛滝発
11:20
17:00
福浦発
11:40
17:15
佐井着
12:05
17:40
福浦発
11:40
-
佐井着
12:05
-
表 4 冬期時刻表(
冬期時刻表(10 月 1 日から 4 月 30 日まで)
まで)
2 便
4 便
-5-
青森発 脇野沢発
9:40
10:40
15:15 16:15 着
牛滝発
11:20
-
2.2 船舶「
船舶「ポーラスター」
ポーラスター」の主要目
平成 20 年 11 月 13 日に新造船ポーラスターが就航した。旅客定員は 96 名、バリアフ
リー対応で誰もが利用しやすい仕様となっている。
図 2 高速旅客船ポーラスター
高速旅客船ポーラスター
表 5 ポーラスター概要
ポーラスター概要
船舶名
ポーラスター
就航開始日
平成 20 年 11 月 13 日
全長
32m
幅
6.5m
総トン数
101 トン
材質
高張力鋼(上部構造は軽金属)
航海速力
23 ノット
エンジン
2,100KW
旅客定員
96 人
バリアフリー
対応済
-6-
2.3 各港の
各港の現況
(1)佐井港
・ 佐井港周辺の公共交通機関として下北交通株式会社の路線バス「むつ・佐井線」が
運行されており、乗船所は最寄停留所の佐井(平成 22 年 12 月 4 日からルートの変更
に合わせて、津軽海峡文化館「アルサス」の前に移設)から徒歩 1 分の距離に位置し
ている。
下北交通
「佐井停留
図 3 佐井港乗船所
図 4 佐井バス
佐井バス停
バス停
図 5 佐井港駐車場
図 6 佐井港発券所
・ 佐井停留所を経由するバスの運行本数は平日が上り 7 本、下り 8 本。土日・祝日が
上り 6 本、下り 7 本である。
・ 佐井停留所の発着時間を見ると、青森~佐井航路の 2 便(佐井着 12:05)について
は、昼食時間を 1 時間と考えると日曜・祝日はむつ方面行バス(13:28)に接続するも
のの、その他については航路の発着時間には接続していないことがわかる。
・ 「むつ・佐井線」は、生活交通路線として国・県の補助対象路線となっていること
や、青森~佐井航路も離島航路として補助を受けて運航していることから、観光客向
けに船の発着時間に接続させることは容易ではないが、ダイヤ改正時に向けて下北交
通(株)及びシィライン(株)双方で話し合っていく必要がある。
表 6 むつ・佐井線及
むつ・佐井線及び
青森~佐井航路のダイヤ
佐井航路のダイヤ編成
佐井線及び青森~
のダイヤ編成
青森~佐井航路
佐井着時間
(青森発→)佐井着
②便(9:40→)12:05
むつ・佐井線
佐井発時間
上り
(むつ方面行)
むつ・佐井線
佐井着時間
下り
(佐井車庫前行)
5:23▲
8:39●
6:23
9:44
7:28
11:19
9:13
13:29
11:33
14:34●
13:28△
15:04○
15:43
16:24
17:08▲
18:14
④便(15:10→)17:40※
青森~佐井航路
佐井発時間
佐井発(→青森着)
①便 7:00(→9:30)※
③便 12:30(→15:00)
19:14
▲は日曜・祝日運休、△は日曜・祝日のみ運行
●は土曜・日曜・祝日運休、○は土曜・日曜・祝日のみ運行
※は冬期(10 月 1 日~4 月 30 日)の運航なし。また冬期間は、青森発 15:10 → 15:15 となる。
むつ・佐井線のダイヤは平成 27 年 4 月 1 日改正時点
-7-
(2)福浦港、
福浦港、牛滝港
・ 福浦港及び牛滝港周辺の定期的な公共交通機関は青森~佐井航路のみであったが、
過疎地有償運送(住民ボランティア運転手が会員登録をした利用者の予約に応じて、
自宅等と目的地の間の送迎を行うシステム)を平成17年11月より開始した。
・
冬期間は通行不能となる道路区間がある。
図 7 福浦港、
福浦港、牛滝港付近の
牛滝港付近の冬期閉鎖道路
表 7 福浦港、
福浦港、牛滝港付近の
牛滝港付近の冬期閉鎖道路
番
号
路線名
閉鎖区間
区間距離
(km)
閉鎖期間※
(予定)
ⓐ
国道 338 号
佐井村野平~むつ市脇野沢源藤城
18.2
11.25~4.25
ⓑ
(主)川内佐井線
むつ市川内町湯ノ川~佐井村川目
18.5
11.25~4.25
ⓒ
薬研佐井線
むつ市大畑町赤滝山~佐井村古佐井川目
20.6
11.25~5.13
ⓓ
(主)むつ恐山公園大畑線
むつ市恐山~むつ市大畑町薬研
14.5
11.25~4.20
ⓔ
(主)むつ恐山公園大畑線
むつ市恐山~むつ市長坂
7.6
11.25~4.25
ⓕ
長坂大湊線
むつ市長坂~むつ市落野沢
3.6
12.1~4.25
ⓖ
村道福浦川目線
佐井村福浦川目~佐井村野平
9.7
11.25~4.25
ⓗ
村道川磯線
佐井村磯谷~佐井村川目
2.4
11.25~4.25
※降雪の状況によって、閉鎖期間の変更あり(平成 27 年度閉鎖期間情報)
。
-8-
(3)脇野沢港
・ 脇野沢港周辺の公共交通としてJRバス東北(株)の路線バス「下北線」が運行され
ており、乗船所は最寄停留所のフェリー前から徒歩 3 分の距離に位置している。
「フェリー前」
図 8 脇野沢港乗船所
図 9 脇野沢港乗船所
図 10 脇野沢港発券所
・ フェリー前停留所を経由するバスの運行本数は、平日が通年で上下各 4 本、土日・
祝日は通年で上下各 3 本である。
・ フェリー前停留所の発着時間と見ると、青森~佐井航路の 4 便(脇野沢着 16:20)
はむつ方面行のバス(フェリー前発 16:38)に接続し、1 便(脇野沢発 8:30)は脇野沢
方面行のバス(フェリー前着 8:10)に接続するものの、その他については航路の発着
時間に接続していないことがわかる。
・ 「下北線」は生活交通路線として国・県の補助対象路線となっていることや、青森
~佐井航路も離島航路として補助を受けて運航していることから、観光客向けに船の
発着時間に接続させることは容易ではないが、ダイヤ改正時に向けてJRバス東北
(株)及びシィライン(株)双方で話し合っていく必要がある。
・ なお、脇野沢港からは、蟹田~脇野沢を結ぶむつ湾フェリー(株)も運航している。
表 8 下北本線及び
下北本線及び青森~
青森~佐井航路
佐井航路のダイヤ
航路のダイヤ編成
のダイヤ編成(
編成(平日)
平日)
青森~佐井航路
脇野沢港着時間
下北本線
フェリー前発時間
下北本線
フェリー前着時間
青森~佐井航路
脇野沢港発時間
(青森発→)脇野沢着
上り
(むつ方面行)
下り
(脇野沢行)
脇野沢発(→青森着)
6:38
8:10
①便 8:30(→9:30)
9:43
12:07
③便 14:00(→15:00)
②便(9:40→)10:40
12:43
15:07
④便(15:10→)16:20※
16:38
19:09
下北線のダイヤは平成 27 年 4 月 1 日改正時点。
④便は冬期間時間変更となり<青森 15:10→脇野沢 16:20>が<青森 15:15→脇野沢 16:15>となる。
-9-
表 9 下北本線及び
下北本線及び青森~
青森~佐井航路のダイヤ
佐井航路のダイヤ編成
のダイヤ編成(
編成(土・日祝日)
日祝日)
青森~佐井航路
脇野沢港着時間
(青森発→)脇野沢着
②便(9:40→)10:40
④便(15:10→)16:20※
下北本線
フェリー前発時間
上り
(むつ方面行)
下北本線
フェリー前着時間
下り
(脇野沢行)
6:38
8:10
10:33
―
―
14:05
16:38
18:04
青森~佐井航路
脇野沢港発時間
脇野沢発(→青森着)
①便 8:30(→9:30)
③便 14:00(→15:00)
下北線のダイヤは平成 27 年 4 月 1 日改正時点。
④便は冬期間時間変更となり<青森 15:10→脇野沢 16:20>が<青森 15:15→脇野沢 16:15>となる。
(4)青森港
・ 青森港旅客船ターミナル周辺の公共交通機関としてJR東日本(株)の奥羽本線、津
軽線および青い森鉄道(平成 22 年 12 月 4 日から)が運行されており、乗船所は青森
駅から徒歩 10 分の距離に位置している。
・ また、青森駅からは、青森市営バス、弘南バス(株)、十和田観光電鉄(株)、JRバ
ス東北(株)、下北交通(株)の各路線バスが運行されている。
図 11 青森港乗船所
・ 北海道新幹線開業後も東京~新青森間を結ぶ新幹線は1日17往復運行され、新函
館北斗~新青森間を結ぶ新幹線は1日13往復運行される。
・ 新青森~青森間は奥羽線で結ばれており、多少の乗継時間を要するものの、乗車時
間は約5分。
・ 青森の玄関口である青森駅に訪れる観光客をいかに獲得していくかが、今後の大き
な課題となる。
- 10 -
3.青森~
青森~佐井航路を
佐井航路を取り巻く現状
3.1 青森~
青森~佐井航路の
佐井航路の位置付け
位置付け
a)佐井村、
佐井村、むつ市
むつ市(脇野沢地区)
脇野沢地区)の生活航路と
生活航路と地域間交流航路
・ 下北地域住民の住民、とりわけ佐井村、むつ市脇野沢地区の住民にとって、特に医
療面の利用が多く、生活航路として必要不可欠であり、「命の航路」とも呼ばれてい
る。
・ 就職や進学等を機会に青森市を始めとした津軽地域に移住する若者も多く、津軽地
域に親戚がいる下北地域の住民もいるほか、現在も佐井村の小学生と西目屋村の小学
生が、毎年当航路を使って行き来しているなど、両地域は人的・文化的交流が盛んで
ある。
b)広域観光航路
・ 当航路は、大手旅行会社の津軽・下北周遊ツアーに組み込まれるなど、津軽半島と
下北半島を結ぶ航路として団体旅行の利用は平成 26 年度まで伸びており、平成 27 年
度は落ち込んでいるものの、今後の取組により、広域観光の大きな可能性を持ってい
る。
c)防災航路
・ 下北地域は国道 279 号、338 号が半島を一周し、むつ市を経由して上北地域に連結
する道路であり、近年、落石事故等による交通遮断も発生している。
・ 特に東通原子力発電所の立地に伴い、原子力災害時の避難手段として現在、海路避
難の 1 つとして当航路も検討されており、今後ますます重要な航路となるものと思わ
れる。
- 11 -
3.2 青森~
青森~佐井航路の
佐井航路の課題
(1) 利用者の
利用者の伸び悩み
シィライン(株)が青森~佐井航路の運航を開始した平成 18 年度からの利用者の推
移を見ると、東日本大震災のあった平成 23 年を除くと概ね 12,000 人程度であり、
「青
森~佐井航路改善計画」に沿って各種取組を進めてきたものの、利用者数は伸び悩み
を見せている。
図12 青森~佐井航路の利用者数の推移
(人)
14,000
H23年度を除く平均
(12,091人)
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26(年度)
(備考)会社決算年度(4月~3月)の利用者数
(2) 欠航率の
欠航率の高さ
月別の欠航率を青森~脇野沢間と脇野沢~佐井間で分けて見ると、青森~脇野沢間で
は、過去 5 年間において欠航率が概ね 10%未満となるのは 6~9 月だけで、それ以外の
月で欠航率が 10%を上回ってくることがわかる。さらに、多少のばらつきはあるにせ
よ、2、3 月には欠航率が 60%を超える年があるなど非常に高い欠航率となっている。2、
3 月は船の修繕時期にあたり、
「ポーラスター」ではなく代船「夢の平成号」となるが、
「夢の平成号」は「ポーラスター」よりも風等に弱く、欠航基準が低い(欠航しやすい)
ことから、2、3 月の欠航率が高くなる要因となっている。
脇野沢~佐井間でも似たような傾向にあり、欠航率がおおむね 10%未満となるのは 6
~8 月までで、それ以外の月は 10%を上回っている。青森~脇野沢間と比較すると、冬
期間の欠航率の高さが異様に高く、11~2 月にかけては平均しても欠航率は 60%を超え、
3 月に至っては 70%を超える欠航率となっている。
- 12 -
図13 青森-脇野沢間欠航率の推移
100
(%)
90
80
H22年度
H23年度
H25年度
H26年度
H24年度
70
60
50
40
30
20
10
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
1月
2月
3月
図14 脇野沢-佐井間欠航率の推移
100
(%)
90
80
H22年度
H23年度
H25年度
H26年度
H24年度
70
60
50
40
30
20
10
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
(備考)シィライン(株)提供資料「運航状況表」より作成。
(3) 慢性的
慢性的な
な赤字(
赤字(補助金除く
補助金除く部分)
部分)
平成 18 年度からの補助金を除く収支の推移を見ると、収益はほとんど変わらない
一方で、燃料費高騰等の影響もあって費用は徐々に増えてきており、補助金を除く収
支は徐々に悪化してきている。
- 13 -
図15 青森~佐井航路の収支の推移(補助金を除く)
(百万円)
100
50
0
△50
△100
△150
△200
△250
収益
費用
収支
△300
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26(年度)
(備考)シィライン(株)決算資料より作成。
(4) 地域住民
地域住民の
の減少
青森~佐井航路の寄港地である佐井村及びむつ市脇野沢地区の人口推移を見ると、
10 年前(平成 17 年)と比較して佐井村は 555 人減(△19.0%減)、むつ市脇野沢地区は
666 人減(△27.0%減)と高い減少率となっている。
寄港地の人口減少が著しいだけではなく、地域全体でも人口が減少する中、もはや
地域住民の利用だけでは当航路の維持・活性化を図ることは困難であることから、観
光客など新たな利用促進策を模索していく必要がある。
図16 佐井村及び脇野沢地区別人口の推移
(人)
3,500
3,000
2,914
2,359
2,500
2,000
2,465
1,799
1,500
1,000
佐井村
500
むつ市脇野沢地区
0
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26 (年)
(備考)1.むつ市及び佐井村の住民基本台帳人口より作成。
2.むつ市は 9 月末現在、佐井村は 3 月末(H26 年のみ 1 月)現在。
- 14 -
4. 下北地域及び
下北地域及び周辺の
周辺の概要
4.1 下北地域及び
下北地域及び周辺の
周辺の概況
4.1.1 下北半島の
下北半島の地形
下北半島は青森県北東部に位置する半島であり、図に示すように野辺地町付近から下
北丘陵が北へ向かって直線的に突き出たものである。
その北部からは、西へ向かって大きな三角形の半島がさらに突き出しており、陸奥湾
の東側半分を抱き込むような形になっている。
西にある津軽半島との間には平舘海峡があり、半島の北東端は下北丘陵の終端部に当
たる尻屋崎、北西端は本州最北端の大間崎となっており、大間崎と対岸の北海道函館市
汐首岬との間はわずか 17.5km である。
半島の中央部から西部にかけては、釜臥山(879m)を最高峰とする恐山山地が広が
っており、平地はほとんど見られない。
下北丘陵との接合部には田名部低地が広がっており、半島の中心都市であるむつ市が
ここにある。
なお、下北半島にある市町村は、むつ市、下北郡(風間浦村、大間町、佐井村、東通
村)、上北郡(横浜町、野辺地町、六ヶ所村、東北町)であるが、本検討での下北地域
とはむつ市及び下北郡の町村を指すものとする。
図 17 津軽・
津軽・下北半島と
下北半島と北海道函館市周辺
七飯町
北斗市
函館市
木古内町
汐首岬
大間崎
大間町
下北半島
風間浦村
佐井村
尻屋崎
恐山
恐山
仏ヶ浦
むつ市
津軽半島
東通村
▲釜臥山
879m
平舘海峡
横浜町
六ヶ所村
野辺地町
東北町
- 15 -
4.1.2 自然条件
下北半島は日本海気候に属しているが、山地が広がり、海に囲まれていることから、
同一半島内であっても地域によって気候に違いがある。
下北半島は、一般にむつ市中心市街地を中心として西通り、北通り、東通りの三つの
地域に区分され、地域ごとに異なる気候条件となっている。
表 10 下北半島の
下北半島の地域区分と
地域区分と気候の
気候の特徴
区
分
地
域
気候の特徴
西通り
むつ市川内町
むつ市脇野沢
陸奥湾に面している。夏は暑く、冬に雪が多い。
北通り
むつ市大畑町
風間浦村
津軽海峡に面している。冬に津軽海峡から吹きつけ
る風が強く、降雪量及び積雪量が少ない。
大間町、佐井村
東通り
東通村
津軽海峡と太平洋に面している。夏に北東から吹く
季節風(ヤマセ)の影響が強い。山間部では降雪量
及び積雪量が多いが、沿岸部では少ない。
むつ市中心市 旧むつ市
陸奥湾、津軽海峡に面している。夏に北東から吹く
街地
季節風(ヤマセ)の影響が強く、冬は雪が多い。
4.1.3 下北地域の
下北地域の自治体の
自治体の近況
下北地域は、かつては、むつ市、川内町、大畑町、大間町、東通村、風間浦村、佐
井村、脇野沢村の 8 市町村で構成されていたが、平成 7 年の市町村合併特例法の改正
による「平成の大合併」の号令の下、平成 17 年 3 月 14 日に旧むつ市、川内町、大畑
町、脇野沢村が合併し、新むつ市が誕生した。現在は、人口約 6 万人のむつ市を中心
とした 5 市町村で構成される生活圏となっている。
産業別人口では、第 3 次産業が最も多いが、第 1 次産業では漁業、第 2 次産業では
建設業の割合が突出している。
4.1.4 下北地域の
下北地域の自治体の
自治体の人口
(1) 下北地域の
下北地域の人口の
人口の変化傾向
下北地域の平成 12 年、平成 17 年、平成 22 年の国勢調査における人口の推移を市
町村別(むつ市、大間町、東通村、風間浦村、佐井村)に比較した。
大間町では原子力発電所建設関係者の転入により、平成 22 年には人口が増加
(2.1%増)しているものの、その他の市町村では、近年、人口が減少してきている
ことが分かる。
- 16 -
図18 下北地域市町村の人口の推移
(人)
80,000
70,000
67,022
64,052
H12年
H17年
H22年
61,066
60,000
△4.4%
50,000
△4.7%
40,000
30,000
20,000
△5.4%
10,000
2.1%
0.8%
6,566 6,212 6,340 7,975
△5.4%
8,042
7,252
△6.8%
△5.4%
△5.5%
△14.8%
3,010 2,843
2,793 2,603
2,463
2,422
0
むつ市
大間町
東通村
風間浦村
佐井村
(備考)総務省統計局「国勢調査」より作成
(2)
(2) 下北地域の
下北地域の将来人口
「日本の地域別将来推計人口(平成 25 年 3 月推計)」によれば、下北地域の将来人
口は、全国の総人口指数(平成 22 年国勢調査時の人口を 100 とした場合の割合)よ
りも顕著に低くなっている。例えば、20 年後にあたる 2035 年は、全国では 83.8%で
あるが、下北地域は 66.4%と、現在より 30%以上の人口が減ると予想されている。
表11 下北地域の将来人口
(単位:人、全国は千人)
市町村
青森県
下北地域
むつ市
大間町
東通村
風間浦村
佐井村
全国(千人)
2010年
(H22年)
1,373,339
79,543
61,066
6,340
7,252
2015年
(H27年)
1,305,510
75,221
58,055
5,967
6,757
2020年
(H32年)
1,236,178
71,039
55,074
5,637
6,283
2025年
(H37年)
1,161,431
66,542
51,809
5,287
5,790
2030年
(H42年)
1,085,119
61,944
48,419
4,922
5,321
2035年
(H47年)
1,008,724
57,358
45,014
4,550
4,866
2040年
(H52年)
932,028
52,782
41,599
4,171
4,424
2,463
2,422
128,057
2,252
2,190
126,597
2,065
1,980
124,100
1,876
1,780
120,659
1,687
1,595
116,618
1,512
1,416
112,124
1,336
1,252
107,276
(備考)国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成 25 年 3 月推計)」
及び「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)
」より作成。
- 17 -
図19 下北地域の総人口指数の推移
(H22年=100)
100
100.0
98.9
96.9
95.1
94.6
94.2
91.1
90.0
89.3
90
87.6
84.6
83.8
83.7
80
79.0
77.9
青森県
73.5
72.1
下北地域
70
67.9
66.4
全国
60
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
2035年
2040年
(備考)国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成 25 年 3 月推計)」
及び「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)
」より作成。
(3)
(3) 下北地域の
下北地域の産業人口割合
平成 22 年の国勢調査における産業部門別就業者数、割合を表、図に示す。
下北地域では、むつ市を除くと第 1 次産業就業者割合が概ね 20%程度を占めてお
り、下北地域全体でも約 10%と第一次産業(中でも漁業)が盛んな地域の特徴が伺
える。
表12 下北地域の産業部門別就業者数
(単位:人)
総数
青森県
下北地域
むつ市
大間町
東通村
風間浦村
佐井村
全国
639,584
36,745
27,618
3,167
3,599
1,282
1,079
59,611,311
第1次産業
81,042
3,570
1,521
624
956
229
240
2,381,415
うち漁業
8,447
2,466
795
597
665
208
201
176,885
(備考)総務省統計局「平成 22 年国勢調査」より作成
- 18 -
第2次産業
第3次産業
127,978
8,720
5,831
1,044
1,043
462
340
14,123,282
413,318
23,945
19,757
1,498
1,600
591
499
39,646,316
不明
17,246
510
509
1
0
0
0
3,460,298
図20 下北地域における産業別就業者割合
0%
20%
40%
60%
80%
100%
青森県
下北地域
むつ市
大間町
東通村
風間浦村
佐井村
全国
第1次産業
第2次産業
(備考)総務省統計局「平成 22 年国勢調査」より作成。
- 19 -
第3次産業
不明
4.2 下北地域の
下北地域の観光資源
4.2.1 下北地域の
下北地域の代表的な
代表的な観光資源
(1) 恐山
恐山(おそれざん、おそれやま)とは一般に、いわゆる蓮華八葉と呼ばれる剣山、
地蔵山、鶏頭山、円山、大尽山、小尽山、北国山、屏風山の 8 峰と、その山に囲まれ
た盆地の総称をいい、下北半島国定公園の一部をなしている。
盆地は直径約 4km のカルデラからなり、その底にエメラルドグリーンの水を静かに
たたえたカルデラ湖の、宇曽利山湖がある。
宇曽利山湖の湖畔には、高野山、比叡山と並ぶ日本三大霊山の一つに数えられる霊
場である、貞観 4 年(西暦 862 年)開山の恐山菩提寺がある。
同寺では毎年7月に恐山大祭が実施され、その際有名な「イタコの口寄せ」が行わ
れる。
開山期間は毎年 5 月 1 日~10 月 31 日で、冬季は閉山している。
図 21 恐山菩提寺山門
(2) 仏ヶ浦
仏ヶ浦とは下北半島の西海岸のほぼ中央、佐井村の福浦崎から牛滝にかけて奇岩、
断崖が続く 1.5km ほどの海岸であり、下北半島国定公園の一部をなす国の名勝および
天然記念物である。
仏ヶ浦は、昔、仏宇多と呼ばれていたが、これはアイヌ語のウタ(浜の意)に由来し
たもので、荒波や風雨によって刻まれた白い奇岩が仏像のように立ち並び、自然の造
形美をつくりだしている。
奇岩は、それぞれの形によって、仏像や仏具にちなんだ名がつけられている。
仏ヶ浦には遊歩道もあるが、海上からでなくては全体像の把握は困難であり、海上
から眺める場合、佐井港や牛滝港、脇野沢港からの遊覧船を利用することができる。
- 20 -
図 22 仏ヶ浦遠景
(3) 大間
大間のマグロ
のマグロ
「大間のマグロ」とは、一般に下北半島北端の大間町で水揚げされたクロマグロを
指し、その脂の乗りの良さで有名である。
津軽海峡の大間沖は、太平洋と日本海の海流が交わる良質な漁場であり、太平洋の
サンマやイワシを追ってきたマグロがこの津軽海峡でイカ、サンマなどを食べて、上
質な脂が乗ってくると言われている。
通常 7 月上旬~12 月下旬までが漁期であり、特に海水温が低くなる晩秋のマグロ
が一番美味であるとされている。
かつては高級食材として東京・築地に輸送され、地元で食される機会は少なかった
が、近年はマグロが大間町を象徴するようになったため、地元でも食される機会が増
え、町内には多くのマグロ料理の店が営業している。
大間町で実施されるマグロ関連のイベントとしては、8 月に実施される「大間町ブ
ルーマリンフェスティバル」と、10 月に実施される「超マグロまつり」があり、両
イベントではマグロの解体ショーなどが行われる。
図 23 大間崎のマグロのモニュメント
大間崎のマグロのモニュメント
- 21 -
(4) 下風呂温泉
下風呂温泉(しもふろおんせん)は、風間浦村にある硫黄泉の温泉であり、打撲傷、
神経痛、婦人病、皮膚病などに効能があるとされている。
室町時代から刀傷や槍傷に卓効のある湯治場として知られていた。
眼下は津軽海峡であり、対岸に北海道側の恵山、函館を望むことができる。
海岸沿いの山肌に、大湯・新湯という 2 つの共同浴場のほか、旅館や民宿が立ち並
んでおり、共同浴場は湯船が深く埋め込まれ、昔の銭湯を思わせる素朴な造りとなっ
ている。
また、温泉街では「遊めぐり」という湯巡手形が発行されており、湯めぐりを楽し
むことができる。
図 24 下風呂温泉郷
(5) 尻屋崎
尻屋崎(しりやざき)は東通村にある、下北半島の北東端をなす岬であり、岬の北
側は津軽海峡、東側は太平洋で、潮の変わり目となっている。
あたり一帯には寒立馬(かんだちめ)という馬が放牧されており、下北地域の著名
な観光スポットの一つになっている。
寒立馬を囲うため、尻屋崎の周辺にはゲートが設けられており、夜間と冬期は閉鎖
される。
また、尻屋崎には 120 年以上の歴史があるレンガ造りの灯台で、国内最大級の光度、
53 万カンデラを誇る尻屋埼灯台がある。
同灯台は、毎年 8 月末ごろに一般公開され、灯台内部を見学することができる。
- 22 -
図 25 尻屋崎灯台と
尻屋崎灯台と寒立馬
4.2.2
.2.2 下北地域の
下北地域の主な観光関連施設・
観光関連施設・公園・
公園・景勝地等と
景勝地等と利用者
下北地域の主な観光関連施設・公園・景勝地等とその利用者数について表に示す。
同表より、下北地域において近年一箇所で年間 10 万人前後の利用者を集めた実績があ
る、比較的利用者の多い箇所は、以下の 5 箇所である
・恐山(むつ市)
・むつ来さまい館(むつ市)
・尻屋崎(東通村)
・海峡保養センター(大間町)
・仏ヶ浦(佐井村)等
- 23 -
表 13 下北地域の
下北地域の主な観光関連施設・
観光関連施設・公園・
公園・景勝地等と
景勝地等と利用者数
市町村
施設等
む
つ
市
大
間
町
東
通
村
風 間 浦 村
佐
井
村
恐山
むつ来さまい館
湯の川温泉郷
薬研渓流の自然
ふれあい温泉川内
釜臥山展望台
釜臥山スキー場
道の駅わきのさわ
川内川渓谷遊歩道
道の駅かわうち湖
濃々園
奥薬研修景公園レストハウス
七引園地
夫婦かっぱの湯
海峡保養センター
大間崎公園
大間崎レストハウス
尻屋崎
野牛川レストハウス
トントゥビレッジ
下風呂温泉郷・桑畑温泉「湯ん湯ん♪」
仏ヶ浦
アルサス
願掛公園
海峡ミュウジアム
平成24年
214,715
72,360
46,908
26,756
30,782
22,159
24,825
16,540
16,287
14,758
12,106
6,701
7,163
6,745
82,110
46,687
19,764
120,281
17,490
17,108
38,687
71,299
23,109
9,272
8,005
平成25年
223,722
79,738
48,456
33,982
31,491
23,729
22,224
17,531
15,773
15,310
12,660
8,542
7,693
6,944
83,779
62,765
29,016
136,769
16,966
16,529
25,674
81,555
23,235
10,075
8,151
(単位:人)
平成26年
239,383
76,938
47,268
55,662
30,981
25,983
61,891
19,442
17,920
20,427
12,694
14,008
8,429
7,340
82,511
61,561
29,538
136,595
18,277
16,307
38,183
94,361
27,203
11,231
6,917
(備考)青森県「平成 26 年青森県観光統計概要」より作成。
4.2.3
下北地域で
で実施される
2.3 下北地域
実施される祭
される祭・イベント
(1) 田名部まつり
田名部まつり
田名部まつりとは毎年 8 月 18 日~20 日に実施される、三百数十年以上の長い歴史
をもつといわれる、むつ市にある田名部神社の例大祭である。
かつて北前船によってもたらされた、京都祇園の流れを汲む五台の山車が市内に繰
り出し練り歩くのが特色であり、京調を帯びたお囃子と山車の飾り付けは、日中は
「静」、夜は「動」の対照的な様態を見せる。
下北地域最大の祭であり、この祭が終わると、下北の夏も終わると言われている。
- 24 -
図 26 田名部まつりの
田名部まつりの山車
まつりの山車
(2) 恐山大祭
恐山大祭は、毎年 7 月 20 日~24 日に実施される恐山菩提寺の祭である。
祭の期間は、通常一日 3 回行われている法要・祈祷の他に大施餓鬼法要や大般若祈
祷が行われる。
祭の最大の見所は、7 月 22 日に行われる山主上山式(さんしゅじょうざんしき)
で、同式では三途の川から、菩提寺総門まで御詠歌を唱える集団の先導に僧侶が続き、
それに山主の乗った籠行列が厳かに進み、総門で籠を降りた山主が参道を歩き、地蔵
殿へと向かうというもので、毎年多くの見物客が集まる。
また、祭の期間中は有名な「イタコの口寄せ」も行われ、多くの希望者が列をなす。
図 27 恐山大祭
- 25 -
(3) 大間超
大間超マグロ
マグロ祭
マグロ祭り
大間超マグロ祭りとは、平成 13 年に地元有志の大間活性化委員会「やるど会」が
開始し、平成 20 年より大間町観光協会が主催するようになった大間町を代表するイ
ベントであり、現在では参加者の約半数が青森県外から参加している。
毎年 10 月中~下旬頃に実施され、イベント内容も年々変化しているが、イベント
の見所は津軽海峡の大間沖で獲れた「大間のマグロ」を豪快に包丁でさばいていくマ
グロの解体ショーである。ショーで解体されたマグロは、会場で即売される。
同イベントにおいては、ほかにも特産品の即売会、海鮮バーベキューなどが行われ
ている。
図 28 大間超マグロ
大間超マグロ祭
マグロ祭り
4.2.4 下北地域で
下北地域で実施される
実施される主
される主な祭・イベントと参加者数
・イベントと参加者数
下北地域で実施される主な祭・イベントとその参加者数について、表に示す。
同表より、最も大規模な祭・イベントは、約 10 万人が参加する田名部まつりであり、
他の祭・イベントの参加者については数千~4 万人程度であることが分かる。
また、参加者数の変化傾向としては、おおむね横ばいか減少傾向にあるものが多いが、
ブルーマリンフェスティバルについては緩やかに増加しており、比較的新しいイベントな
がら健闘を見せている。
表 14 下北地域で
下北地域で実施される
実施される主
される主な祭・イベントと参加者数
・イベントと参加者数
市町村
む
大
東
行催事名
むつ桜まつり
恐山大祭
むつ市花火大会
つ 市 大湊ネブタ祭り
田名部まつり
大畑まつり
恐山秋詣り
稲荷神社祭典
間 町 ブルーマリンフェスティバル
大間超マグロ祭り
通 村 ひがしどおり来さまいフェスタ
平成24年
15,837
21,291
42,000
17,000
98,400
9,930
10,774
6,000
13,635
13,000
16,700
平成25年
10,270
19,474
16,168
20,400
95,900
7,000
9,939
6,000
16,075
13,500
16,000
(備考)青森県「平成 26 年青森県観光統計概要」より作成。
- 26 -
(単位:人)
平成26年
46,571
21,499
14,860
20,500
95,000
7,700
10,010
6,000
16,265
12,000
16,000
26年開催月日
4/29~5/6
7/20~7/24
8/1
8/1~8/3
8/18~8/20
9/14~9/16
10/11~10/13
8/9~8/11
8/14
10/25~10/26
8/30~8/31
4.2.5 着地型観光プログラム
着地型観光プログラム
都会などの出発地の旅行会社が企画して参加者を目的地へ連れて行く従来の「発地型観
光」に対し、旅行者を受け入れる側の地域(着地)側が、その地域でおすすめの観光資源
を基に、旅行商品や体験プログラムを企画・運営する形態を「着地型観光」と言う。独自
性が高く、その地域ならではのさまざまな体験ができることから、今、全国各地で多くの
着地型観光プログラムが生まれてきている。次表で、実際に下北地域で造られ、販売され
ている主な着地型観光プログラムを紹介する。
表 15 下北半島で
下北半島で行われている着地型
われている着地型観光
着地型観光プログラム
観光プログラム体験一例
プログラム体験一例
市町村
プログラム名
下北の霊峰、釜臥山トレッキン
むつ市
(旧むつ市)
グ
むつ市
蓮華八峰大尽山トレッキング
(旧むつ市)
むつ市
(旧むつ市)
むつ市
(旧むつ市)
むつ市
(旧むつ市)
むつ市
(旧むつ市)
むつ市
(旧むつ市)
むつ市
(旧むつ市)
むつ市
(旧むつ市)
むつ市
(旧むつ市)
むつ市
(旧大畑町)
むつ市
(旧大畑町)
むつ市
(旧脇野沢村)
むつ市
(旧脇野沢村)
むつ市
(旧脇野沢村)
むつ市
(旧脇野沢村)
むつ市
(旧脇野沢村)
大間町
大間町
大間町
大間町
大間町
内 容
日本最古のアーチ式ダムから登り七面山から芦崎を眺
めるトレッキング体験。
宇曽利山湖遊歩道散策から霊場恐山の温泉入浴で、蓮
6,000円~20,500円
華八峰の癒しへと誘うトレッキング体験。
一際聳える石峰の雄姿に驚き、頂上からの眺望に大感
北天の石峰、縫道石山トレッキ
9,000円~32,500円
動のトレッキング体験。
ング
斗南丘牧場の開拓史を聞きながら、20~30分間シェイ
手作りバター体験と斗南丘酪
1,000円 ク。出来たての柔らかバターをクラッカーに塗り、飲み物
農開拓史
とミルクソフトクリームが付く体験。
ひき馬 2,000円 本州最北端の乗馬倶楽部で、お子様を含めすべての方
乗馬体験
乗馬レッスン 5,000円 に楽しんでいただける乗馬体験。
恐山菩堤寺にて亡き愛する人を偲び、併せて家内安全、
恐山菩堤寺で祈祷・供養
無病息災を祈願する体験。
心に残る思い出深い参拝をお手伝いするガイド付きの恐
恐山境内ガイドと巡る心に残る
ガイド1名(15名程度)5,000円
山散策。
参拝と恐山信仰の歴史
海上自衛隊艦艇見学
伝統工芸士が教える!斗南ど
んどこ健康村で南部裂織体験
時雨彫り体験
カモメと一緒に海峡サーモン
ウォッチング
昭和30年代の良き鉄道風景を
体験しませんか
黒ソイ釣り体験
甦れ かんなかけイモ!下北の
食文化「いももち」体験
手作り味噌体験
漁師の神業ガラス玉網細工体
験
ガラス玉網細工
アイナメ釣り、40cmアップは当
たり前?
民宿葵のオヤジと作る!大間
産天然昆布お土産作り体験
花咲かオヤジと作る!昆布の
有機肥料作り体験
大間の漁師と大間の夜を飲む
時間!
陶芸体験
料 金
5,500円~18,500円
無料 大湊地方隊での、護衛艦等の一般公開見学。
大人 1,000円 県認定の伝統工芸士の指導のもと、古い布地を裂いて織
小人 500円 り込む南部裂織を体験。
削った跡の木肌を晩秋の雨「時雨」に見たてて名がつい
500円より た「時雨彫り」。地元産のヒバ・スギ材を使用して時雨彫り
を体験。
2,000円 漁船に乗って海峡サーモンのエサやり体験。
200円 昭和の匂いのする、キハ85への乗車体験。
大人 560円 海づり公園で、管理人さんが釣りのコツを教えてくれる。
小人 470円 初心者でも気軽に楽しめる黒ソイ釣り体験。
ジャガイモをかんなで輪切りにし、天日干しして、保存し食
1,800円
していた昔の食を再現する体験。
手作り米麹を使った味噌作り体験。半年寝かせて切り返
3,500円
しした後にご自宅まで発送する。
ガラス浮き球を網細工で装飾、昔ながらの漁師にしかで
1,500円
きない網結いさばきを体験。
500円 昔ながらの漁具のガラス玉を使った装飾品作り体験。
4,000円
全日本初代渓流釣りチャンピオンが親切に指導する釣り
体験。
1,500円
民宿葵のオーナー兼漁師のオヤジと大間産天然昆布の
お土産を作る体験。
1,500円 昆布の有機肥料を民宿葵のオヤジと作る体験。
個人で来たら絶対に頼めない!大間の漁師と大間のス
ナックで楽しく過ごす体験。
大間の粘土と青森ひばの灰を使った世界に一つだけの
2,500円
自分の器を作る体験。
9,000円
- 27 -
表 15 下北半島で
下北半島で行われている着地型
われている着地型観光
着地型観光プログラム
観光プログラム体験一例
プログラム体験一例(
体験一例(続き)
市町村
プログラム名
本州最北端のパークゴルフ
東通村 場!石持グランドファームで
パークゴルフ
発行肥料「ボカシ」を使用した
東通村 野菜の収穫など季節の農業体
験
ブルーベリーに囲まれてゆっく
東通村
り癒しの空間を
東通村 田舎のアートべこもち作り体験
田舎のスイーツシフォンケーキ
東通村
づくり
「田や」そばオーナー年越しそ
東通村
ばをお届けします。
知る人ぞ知る「そば処田や」そ
東通村
ば打ち体験
そば屋の一日徹底調査!「そ
東通村
ば処田や」一日体験!!
「ゆかい村」でオリジナル塩辛
風間浦村
作り体験
風間浦村 ゆかい村で「イカ釣り体験」
風間浦村
下北ひばの木工体験、下北の
自然を満喫
風間浦村 布海苔採り体験ツアー
佐井村
佐井村
佐井村
佐井村
横浜町
木工体験
ウニむき体験
わかめ・ひじき詰め放題
レディーババに学ぶ佐井村の
歴史
オリーブオイルに負けないナタ
ネオイル作りに挑戦!!
料 金
内 容
大人 500円
本州最北端のパークゴルフ場がある石持グランドファー
小人 300円
ムでは、大自然に囲まれながらのパークゴルフ体験。
指導料 3,000円
大人 500円 石持グランドファームで発酵肥料「ボカシ」を使用して栽培
小人 300円 したトマトやジャガイモの収穫体験。
500円 31品種の大粒ブルーベリーを味比べできる体験。
2,300円 下北に伝わる郷土料理「べこもち」作り体験。
1,500円 東通村産そば粉・米粉を使ったシフォンケーキ作り体験。
5,000円
そばの種まきを体験し、そばの育成を見守った後、収穫
したそばを年越しそばとしてご自宅に発送する。
1,500円 東通村産そば粉100%つなぎなしの本格手打ちそば体験。
3,500円
そば屋で一日どのような仕事が行われるのか、調査する
体験。
1,200円 風間浦産スルメイカを使用した「マイ塩辛作り体験」。
下風呂漁港沖合へ漁港を進めて5分、昔ながらの手釣り
漁法等で漁師気分を満喫できるイカ釣り体験。
作りたいものに応じてオリジナリティに富んだ木工製品を
1,000円より
作る体験。
布海苔が一番おいしい時期に、風間浦村の布海苔を採
3,000円より
る体験。
800円より ブックスタンド、壁掛け、小箱などを作る体験。
1,500円 佐井村で水揚げされたウニの殻むき体験。
1,500円 佐井村特産わかめ・ひじきが詰め放題体験。
佐井村の街を佐井の歴史に詳しいレディーババと一緒に
1,000円
まち歩き体験。
横浜町のナタネ(菜の花の実)2キロから600gのナタネオ
4,000円
イル作り体験。
3,000円
(備考)下北観光協議会「感動半島しもきた」より作成(平成 27 年 4 月現在のプログラム)
。
後にも紹介するが、下北地域の 6 市町村等で構成される下北観光協議会が、平成 27 年
10 月 1 日に一般社団法人化して、今後、県への旅行業登録申請を経て、平成 28 年 4 月の
本格営業開始を目指している。
同法人は、平成 27 年度末の北海道新幹線開業を見据え、今後、個人客の誘客に力を入
れていくこととしており、滞在型旅行商品の企画・販売、宿泊先の手配、予約サイトの運
営などを行い、域内観光のワンストップ窓口となることを目指している。
上記に紹介した着地型プログラムは、企画されたものの利用者がほとんどいない商品も
多く、今後、同法人の活躍に皆が期待を寄せているところである。
4.2.6 訪日外国人観光客への
訪日外国人観光客への対応
への対応
政府では東京オリンピックが開催される 2020 年までには、訪日外国人旅行者数 2,000
万人という目標を掲げ、さらにその先の 3,000 万人を視野に、国を挙げて様々な取組を展
開している。青森空港では、韓国(ソウル)との国際定期便が就航している他、函館空港で
は、平成 24 年に台湾(台北)との、平成 27 年には中国(北京、天津、杭州)との国際定期便
が就航し、青森県へも多くの外国人観光客が訪れている。
- 28 -
表16 青森県における外国人延べ宿泊者数の推移
外国人延べ宿泊者数(人)
H24年
42,430
増減率(%)
H25年
62,480
25.8
H26年
74,010
47.3
18.5
(備考)1.観光庁「宿泊旅行統計調査」より作成。
2.従業員 10 人未満の宿泊施設を含む。
表17 青森県における出身地別外国人延べ宿泊者数の推移
(単位:人)
年
外国人延べ
宿泊者数
韓国
中国
国籍(出身地)(8区分)
香港
台湾
アメリカ
タイ
オーストラリア
その他
H24
39,390
8,860
4,070
2,160
6,070
9,660
310
920
7,340
H25
57,130
16,030
4,200
3,380
17,370
6,600
1,760
1,070
6,720
H26
69,670
13,630
5,080
3,850
21,920
9,850
2,640
1,930
10,770
(備考)1.観光庁「宿泊旅行統計調査」より作成。
2.従業員 10 人未満の宿泊施設は含まない。
表18 函館空港の国際定期便就航状況(H28.1.31現在)
路 線
航空会社
函館~ソウル(仁川)大韓航空
トランスアジア航空
函館~台北(桃園)
エバー航空、全日本空輸
函館~中国(天津) 天津航空
函館~中国(北京) 中国国際航空
函館~中国(杭州) 中国東方航空
運航曜日
※運休
週3便(月・水・日)運航
週3便(水・金・日)運航
週2便(火・木)運航
週2便(月・金)運航
週2便(火・土)運航
備 考
※運休
平成24年9月就航
平成24年10月就航
平成27年3月就航
平成27年7月就航
平成27年12月就航
(備考)函館空港ホームページ及び聞き取りにより作成。
青森県でもインバウンド対策や大型クルーズ船の誘致など、訪日外国人観光客をいかに
呼び込むか検討されており、下北地域でも函館を訪れる外国人観光客をターゲットとした
「台湾から来(か)さまい下北推進事業」が展開されるなど、その動きは活発化してきてい
る。
外国人観光客受入のために今後必要と考えられる整備としては、Wi-Fi環境の整備
や多言語案内標識、パンフレット、チラシ等の作成のほか、多言語対応型のレンタカーナ
ビの整備などが考えられる。
国においては、観光拠点や防災拠点における公衆無線LAN環境の整備を行う地方公共
団体等に対し事業費の一部を補助する制度(観光・防災Wi-Fiステーション整備事業
※H26 年度補正)があるほか、青森県においても外国人旅行者の受入環境を整備するた
め、観光施設等における多言語化に取り組む観光事業者等に対し補助金を交付(青森県イ
ンバウンド受入環境整備促進多言語化事業費補助金※H27 年度事業)するなど、今後さ
らに増加することが予想される外国人観光客の受入体制構築が急務となっている。
- 29 -
【事例】
事例】下北地域県民局事業「
下北地域県民局事業「台湾から
台湾から来
から来(か)さまい下北推進事業
さまい下北推進事業」
下北推進事業」イメージ図
イメージ図
(備考)下北地域県民局地域連携部「台湾から来さまい下北推進事業」ポンチ絵
4.2.7 北海道新幹線新青森~
北海道新幹線新青森~新函館北斗間開業への
新函館北斗間開業への対応
への対応
北海道新幹線新青森~新函館北斗間開業が平成 28 年 3 月 26 日に決まり、平成 27 年 10
月 13 日にはJR北海道から料金も発表された。これからの取組については、北海道新幹
線開業により増加した観光客をいかに本県に呼び込み、周遊してもらうかを考え、交流人
口の拡大を青森~佐井航路の利用増加につなげていくことが求められる。
北陸新幹線を例に見ると、北陸新幹線長野~金沢間は平成 27 年 3 月に開業し、平成 27
年 1~6 月に石川県を訪れた観光客は前年同月比 13.2%増の 1,195 万人、年間で過去最高
となるペースで推移した。アクセスが便利になった関東圏からの観光客が 1.5 倍となり、
長野や東北からの観光客も 3 割程度増えているという。
観光客が増えているのは北陸だけではなく、近隣の佐渡や上越でも観光客が増えており、
新潟県の公表資料によると、開業直後の春に行われた開業記念イベントや沿線地域の観光
施設等で多くの入込があり、宿泊客が増加傾向にある沿線地域もあるなど、北陸新幹線開
業による一定の効果がみられたとのことである。佐渡汽船(新潟県)が運航する小木~直
江津航路は離島航路に指定されているが、平成 27 年 4 月に新造船した効果もあって、4
月 21 日~5 月 31 日の輸送人員は前年同期比 48.2%増と大きく増加しているとのことであ
る。
上記のように、北陸新幹線開業後には、石川県以外の離れた地域でも開業効果が見られ
ており、周辺地域においても大きなチャンスとなっていることがわかる。
- 30 -
北陸と当地域では地理的な違いもあるため不透明な部分はあるが、当地域の強みは、津
軽海峡や陸奥湾など海を中心とした地域であり、航路を介した周遊観光が期待できるとこ
ろである。広域周遊してもらえるような体制を早期に整え、青森にも訪れてもらえるよう
な魅力の磨き上げと情報発信が急がれる。
4.2.8 下北観光の
下北観光の対外的な
対外的なPR実績状況
PR実績状況(
実績状況(事例)
事例)
(1)「
大函丸」
就航後における
における大間町
大間町の
(1)
「大函丸
」就航後
における
大間町
の取組
近年、大間のマグロにより知名度が著しく向上した大間町は、テレビの旅番組等で取
り上げられることも多く、その際に地域住民団体が観光PRを行うことも多い。
大間~函館航路が船の老朽化に伴う存続問題を乗り越え、新船「大函丸」が就航した
のは平成 25 年 4 月。新船の竣工式に併せて、大間のまちおこしグループ「あおぞら組」
が企画した就航記念のイベントは、県内外の多くの人を呼び寄せ、観光客を始め 500 人
を超える関係者が大間港に集結した。
大間町の取組の特徴としては、地元の若者など多くの住民を巻き込みつつ、しっかり
外へ情報発信していることが挙げられる。地元大間高校では、非公式ではあるが、まち
おこし活動を行う部活動があり、地元の行政やまちおこしグループと一緒に地元のイベ
ントに参加するだけでなく、函館のラジオ番組に出演してPRなども行っている。
また、平成 26 年 3 月には、津軽海峡を挟んだ青森と道南地域で、マグロのように元
気にチャレンジし続ける女子の集まり「マグロ女子会」が発足(発起人の1人が元あお
ぞら組組長)。下北や津軽、道南を巡る観光ツアーをそれぞれの地域で実施するなど、
独自の「おもてなし」で北海道新幹線開業を見据えた活動をしている。
(2)下北半島
(2)下北半島ジオパーク
下北半島ジオパーク構想
ジオパーク構想の
構想の取組(
取組(むつ市
むつ市)
むつ・下北地域の 5 市町村の首長と議長で構成される下北総合開発期成同盟会では、
平成 21 年度から、下北半島にある地質資源を保全し研究するとともに、地域振興など
へ活用することを目的とする「ジオパーク」について調査・検討してきた。
ジオパークとは「ジオ(地球、大地、地質など)」と「パーク(公園)」を組み合わせ
た言葉で、下北半島にはジオサイト(地質資源のある場所)となりえる場所が多くあり
ことから、日本ジオパークネットワーク加盟認定を目指し、講演会やガイドの養成など
様々な取組を行ってきたものの、平成 26 年度の加盟認定は見送られることとなった。
日本ジオパーク委員会からは、下北半島はジオパークの活動を進める上での素材が十
分にある地域だとされつつも、まだ地域住民の認識や理解が不十分であり、基本的なコ
ンセプトについて問題が存在するとの指摘があった。関係団体においては、今後も活動
を継続し、再申請を目指すとしていることから、指摘事項を踏まえ、基本的なコンセプ
トの再考と将来的な計画を立て、地域の活性化につなげていく必要がある。
(3)あおい
(3)あおい環
あおい環プロジェクト(
プロジェクト(Sai ツーリズム)
ツーリズム)の取組
あおい環プロジェクトは平成 24 年からスタートした「Sai ツーリズム構築推進プロ
ジェクト」の愛称である。佐井村には仏ヶ浦だけではなく、青森ヒバや北前船、三上剛
太郎など様々な資源があり、これらの資源を活用し、新たなツーリズムを提供していく
- 31 -
ことで産業の活性化を目指している。自分達の資源を改めて見直し、活用することで、
経済的・文化的に安心して住むことのできる佐井村にしようという考えが根底にあり、
特徴的な取組の1つには、佐井村特産であるわかめを活かした「わかめオーナー制度」
がある。オーナーになると現地でわかめの種付けから収穫体験までを体験でき、最後は
収穫されたわかめが届く仕組みとなっている。そのほか、伝統工芸である「裂き降り」
を活かし、地元のお母さん方から教わる「裂き織り体験」などのメニュー開発も行って
いる。
佐井村は、水平線に沈む夕陽が美しいとして知られており、この夕陽を活かした「夕
陽フォトコンテスト」の実施なども行っているほか、ホームページやフェイスブックの
運営など情報発信の部分でも大きな役割を担っている。
4.2.9 下北観光の
下北観光の課題点
(1) 交通環境の
交通環境の不十分さと
不十分さと広域
さと広域にまたがる
広域にまたがる観光資源
にまたがる観光資源
下北地域で鉄道が走っているのはむつ市のみであり、下北地域の観光には自動車が必
要不可欠であるが、道路環境は昔と比べると良くなったとはいえ、まだまだ良好とはい
えない状態である。バスの便数も少ないので、自家用車もしくはレンタカーを利用でき
ない観光客にとっては、更に移動が困難であるという問題がある。
そのような交通環境に加え、主要な観光資源が広域にまたがっているという問題があ
り、例えば、大間町から仏ヶ浦までは自動車で 1 時間を要し、仏ヶ浦からむつ市までは
約 2 時間を要する。そして、むつ市中心部から恐山までは約 30 分、むつ市から尻屋崎
までは約 45 分を要するなど、下北地域の主要な観光地を複数回る場合、多大な移動時
間が必要となる。
このように、下北観光においては、交通環境が良好とは言えないことに加え、観光資
源が広域にまたがっているという課題がある。一方で、広域にまたがる観光資源は、滞
在時間の延長につながるというメリットにもなり得るため、今後の取組によってはプラ
スの効果も期待できる。
(2) 地域内の
地域内の連携
通常観光客は、一度の観光旅行で一つの観光地を見るだけではなく、複数の観光地を
周遊して楽しむものである。
しかし、前段で述べたように、下北観光においては交通環境と観光資源が広域にまた
がる問題が下北地域内の周遊にとってのマイナスとなっていることから、観光客を地域
内で周遊させるための観光客への情報提供や観光地間の役割分担などを含め、各市町村
の連携した取組をさらに強めていく必要がある。
こうした中、平成 27 年 11 月に策定された下北圏域定住自立圏共生ビジョンでは、
「地
域医療体制の強化」
「地域公共交通整備の強化」
「交流人口の拡大」の 3 つの柱を掲げて
おり、日常生活圏を共有する市町村が、より力強い連携のもと、各市町村の独自性を互
いに尊重しながら圏域の発展に向けた取組を推進していくこととしている。
観光PRにおいては、観光資源が広域にまたがっているからこそ、市町村ごとにPR
を行うより、下北地域として一体となってPRを行う方が宣伝効果は大きいと考えられ
- 32 -
る。しかし、下北地域が一体となっての観光PRの事例は存在するものの、積極的に実
施されているとはいえない状態であった。
各市町村が機能的に連携していくために、域内観光のワンストップ窓口機能の必要性
については長年検討されてきたところであるが、平成 27 年 10 月 1 日、下北地域の 6 市
町村等で構成する下北観光協議会が一般社団法人化され、域内観光のワンストップ窓口
を目指すこととなった。
同法人は、ぐるりん下北観光ルートバス運行事業を引き継ぐだけでなく、平成 27 年
度末の北海道新幹線開業を見据えて個人客の誘客に力を入れていくこととしており、滞
在型旅行商品の企画・販売、宿泊先の手配、予約サイトの運営なども手がける予定であ
る。
(3) 宿泊施設等の
宿泊施設等の不足
海を隔てた函館市が有名観光地であることもあるが、下北地域は宿泊業を営む事業所
数が、対岸の函館地域と比較した場合、約 2 分の 1 と非常に少ないことがわかる。
函館地域の宿泊業を営む事業所は、約 85%が函館市と非常に偏って存在する一方で、
下北地域もむつ市に偏っているという点では似ているが、風間浦村にある下風呂温泉郷
など、一部有名な宿泊施設も所在している。
しかし、大手旅行エージェントに話を聞くと、旅行商品には旅行会社と契約を結んで
ある宿泊施設しか利用できないため、多くの旅行会社ではむつ市内にある 2 社しか利用
できていない状況にあるという。そのため、多くの旅行商品では下北に泊まらず、通過
してしまい、野辺地町や三沢市の宿泊施設を利用している。
このように、未だ団体旅行客の多い下北観光の課題としては、宿泊施設等の不足とい
う点も挙げられる。
図29 下北地域及び函館地域の事業所数(宿泊業)
(事業所数)
250
211
200
150
180
121
100
59
50
15
20
18
9
17
9
5
七飯町
鹿部町
0
下北地域 むつ市
大間町
東通村 風間浦村 佐井村 函館地域 函館市
北斗市
(備考)総務省統計局「平成 24 年経済センサス-活動調査」より作成
- 33 -
(参考)
参考)下北地域の
下北地域の交通網
下北半島の主要バス、航路、鉄道の路線図を以下に示す。
大間崎
下風呂
佐井
尻屋崎
⑯
⑤
⑥
⑮
恐山
②
⑦
⑩
福浦
⑪
⑨
仏ヶ浦
⑱
牛滝
⑫
⑲
③
①
④
⑧
⑬
⑭
脇野沢
⑰
【バス】
【航路】
①下北線(JRバス東北)
⑰ポーラスター(シィライン)
②むつ線(下北交通)
⑱夢の平成号(むつ市)
③泊線(下北交通)
④野辺地線(下北交通)
⑤むつ・佐井線(下北交通)
【鉄道】
⑥尻屋線(下北交通)
⑲JR大湊線(東日本旅客鉄道)
⑦尻労線(下北交通)
⑧むつ・青森線(下北交通)
⑨蒲野沢線(下北交通)
⑩大利線(下北交通)
⑪野牛線(下北交通)
⑫川内湯野川線(むつ車体工業)
⑬源籐城脇野沢線(脇野沢交通)
⑭九艘泊脇野沢線(脇野沢交通)
⑮大畑薬研線(デマンド乗合タクシー:大畑タクシー)
⑯ぐるりんしもきた観光ルートバス(下北観光協議会)
※
(ぐるりん下北号)、
(ぐるりん下北 Winter 号)
- 34 -
5. 青森~
青森~佐井航路を
佐井航路を中心とした
中心とした下北地域活性化
とした下北地域活性化に
下北地域活性化に向けた行動計画
けた行動計画
「青森~佐井航路改善計画(平成 23 年 1 月)」においても、経営改善策として経費の
検討は行っているが、運航主体であるシィライン(株)はすでに着目すべき経費について
は概ね削減しており、今後は運航収益を増加させる施策の具体化が必要となる。
青森~佐井航路は離島航路であり、地域住民のための航路ではあるが、今後更なる地
域住民の人口減少が予想されることから、もはや地域住民だけで多くの利用を促すのは
困難であり、地域住民のみならず、観光客の利用促進を図っていくこととする。
当取組方針では、北海道新幹線開業を契機とした交流人口の増加を念頭に置き、住民
ニーズに対応したサービスの提供を検討しつつ、観光客をターゲットとした利用促進策
を明記する。
5.1 青森
青森~
~佐井航路を
佐井航路を中心とした
中心とした下北地域活性化
とした下北地域活性化に
下北地域活性化に向けた行動計画
けた行動計画における
行動計画における目標
における目標
平成 30 年度(計画策定から 3 年後)における旅客運賃収入で 1,000 万円増(平成 24
年~26 年の 3 か年平均比)を目標とする。
<参考 1> シィライン(株)旅客運賃収入の推移
平成 24 年度旅客運賃収入
:
36,191,560 円
平成 25 年度旅客運賃収入
平成 26 年度旅客運賃収入
:
:
35,037,410 円
38,532,140 円
3 か年平均旅客運賃収入
:
36,587,037 円
<参考 2> 各補助金の状況
図30 青森~佐井航路における総収入の内訳
300
250
(百万円)
佐井村補助
むつ市補助
国補助
収入
総費用
200
185
190
25
21
150
17
40
196
18
100
57
91
44
28
H22
H23
60
42
50
補助金
59
245
26
235
126
93
108
50
H24
収入
0
52
44
H25
52
H26 (年度)
(備考)1.シィライン(株)決算資料及び聞き取りにより作成。
2.収入には運航収入の他、営業外収入等を含む。
3.総費用と収入の差額を国及びむつ市、佐井村の補助金で補てんしている。
4.県はシィライン(株)に対する市村の補助一部(1/2 上限)を市村に補助している。
- 35 -
5.2
5.2 目標の
目標の実現に
実現に向けた取組方針
けた取組方針
以下4つの柱を設定し、目標の実現に向けた利用促進策を明記する。
(1)観光客誘致
(1)観光客誘致の
観光客誘致の促進
(2)地元利用者
地元利用者の
(2)
地元利用者
の利用促進
(3)二次交通対策
(3)
二次交通対策
(4)広報
(4)広報・
広報・魅力度向上を
魅力度向上を通じたPR
じたPRの
PRの促進
(1)観光客誘致
(1)観光客誘致の
観光客誘致の促進
<施策例
施策例>
大規模イベントと
イベントと連携
連携したツアー
したツアー商品
商品の
大規模イベント
イベント開催時
開催時の
増便等の
①大規模
イベントと
連携
したツアー
商品
の開発・大規模
イベント
開催時
の増便等
の検討
【実施時期
実施時期】
時期】平成 28 年度上半期までに検討
主体】
【主体
】シィライン(株)
・ 主に県外観光客をターゲットとして、青森ねぶた祭、むつ市花火大会、田名部まつ
り、福浦歌舞伎等の大規模イベント時に、航路利用を含む下北半島周遊ツアー(団体)
の商品化や増便等を検討する。(ただし、欠航時の対応を考慮する必要あり)
・ 平成 28 年 7~9 月に行われる青森県・函館デスティネーションキャンペーン、大人
の休日倶楽部パス利用日を意識しながら、その時期に開催するイベントを絡めて商品
化を検討する。
②大手旅行代理店への
大手旅行代理店への営業活動
への営業活動
実施時期】
【実施時期
】平成 28 年度以降も継続実施
【主体】
主体】シィライン(株)、むつ湾内航路活性化推進会議
・ 航路を利用した旅行商品造成の働きかけを実施する。働きかけの実施に当たっては、
むつ湾内航路活性化推進会議の事業も活用する。
・
平成 27 年度末の北海道新幹線開業を見据え、むつ湾内航路活性化推進会議で作成
したモデルコースパンフレット等を活用し、道南と本県を周遊するようなコースを積
極的に提案、発信していく。
③津軽海峡フェリー
津軽海峡フェリー(
フェリー(特に大函丸)
大函丸)との連携
との連携
実施時期】
【実施時期
】平成 28 年度中に検討
主体】
【主体
】シィライン(株)、青森県交通政策課
・
平成 27 年度末の北海道新幹線開業を見据えた場合、道南地域から下北地域へ観光
客を誘導する唯一の交通手段となる大間~函館航路(大函丸)は、下北観光のキーと
なるため、運航会社である津軽海峡フェリー(株)と連携し、航路乗り継ぎ割引など
様々な企画等を検討する。(ただし、津軽海峡フェリーとの調整が必要)
・ 函館の旅行会社等では、津軽海峡フェリーと連携した道南及び下北を周遊できる旅
行パック商品を既に企画・販売していることから、このような会社等とも連携しなが
ら、津軽海峡圏を周遊する様々な商品を検討する。
- 36 -
④フリーパス利用者
フリーパス利用者を
利用者を対象とし
対象とした
とした周遊促進
実施時期】
【実施時期
】平成 28 年度、29 年度に実施
【主体】
主体】青森県交通政策課、シィライン(株)
・ 本県及び道南にある既存のフリーパス(津軽フリーパスやはこだて旅するパスポー
ト、ぐるりん下北観光ルートバス等)等の利用者を対象に、航路料金の一部助成を行
い、本県と道南の周遊を促す取組を検討する。
・ フリーパス利用者は、自家用車やレンタカーではなく公共交通機関を使って移動す
るため、車を積むことができないポーラスターとしては多くの利用客が見込めるター
ゲットとなり得る。
⑤外国人旅行者をターゲットとした
外国人旅行者をターゲットとした活動
をターゲットとした活動
実施時期】
【実施時期
】平成 28 年度上半期までに実施
【主体】
主体】むつ湾内航路活性化推進会議
・ 増加する外国人観光客をターゲットとした取組として、むつ湾内航路活性化推進会
議等の事業も活用しながら、外国語標記のパンフレットやチラシを作成する。
・ 県内で行われる海外旅行エージェントとの商談会も増えてきていることから、この
ような商談会に積極的に参加して商品造成を依頼する。
・ 近年、豪華客船などの大型クルーズ船が青森港に多く訪れていることから、オプシ
ョンツアー等で利用してもらえるように、多方面からのアプローチを行う。
(2)地元利用者の
地元利用者の利用促進
利用促進
施策例
<施策
例>
①青森県民向け
青森県民向け旅行商品の
旅行商品の開発
【実施時期】
実施時期】平成 28 年度中に検討
主体】
【主体
】シィライン(株)、青森県交通政策課
・ 県内旅行会社等と連携し、主に青森県民を対象とした航路利用による日帰り・1 泊
の旅行商品(団体)を商品化する。(ただし、欠航時の対応を考慮する必要あり)
②県内学校等への
県内学校等への船舶体験学習営業活動
への船舶体験学習営業活動
実施時期】
【実施時期
】平成 28 年度以降実施
【主体】
主体】シィライン(株)、各自治体
・ むつ湾内航路活性化推進会議では、県内の小中学校等を対象とした船舶体験学習支
援事業を行っているが、児童数の減少等に伴い利用する団体等が減ってきていること
から、県内学校に積極的に事業のPRを行い、併せて航路のPRも行っていく。
- 37 -
(3)二次交通対策
施策例>
<施策例
>
○地元旅行会社・
地元旅行会社・交通事業者等と
交通事業者等と連携した
連携した着地型旅行商品
した着地型旅行商品の
着地型旅行商品の開発・
開発・周遊型商品等の
周遊型商品等の造成
実施時期】
【実施時期
】平成 28 年度中に検討開始
【主体】
主体】シィライン(株)、下北観光協議会、地元自治体、交通事業者
・ ぐるりんしもきた観光ルートバスのような船の発着に接続する周遊型商品等の新た
な企画を、下北観光協議会や地元自治体、交通事業者が一緒になって検討する。
・ 平成 27 年 10 月 1 日から発足した一般社団法人下北観光協議会や、佐井村の地域お
こし協力隊が立ち上げた一般社団法人くるくる佐井村など、旅行業をもった地元旅行
会社と連携し、地元でしか体験できない着地型商品と航路を利用した商品を商品化す
る。
⇒ 2.3 でも取り上げたが、「下北線」及び「むつ・佐井線」ともに生活交通路線とし
ての補助対象路線となっていることや、青森~佐井航路も離島航路として補助を受け
て運航していることから、観光客向けに船の発着時間に接続させることは容易ではな
いが、ダイヤについては、次回改正時に向けてシィライン(株)及び交通事業者双方で
話し合っていく必要がある。
一方で、上記に記載したような地元旅行会社と連携し、佐井村や脇野沢が一つの目
的地となるような商品が新たにできることで、佐井や脇野沢に着いてからの二次交通
の弱さがカバーされ、さらには通過型ではない滞在型の旅行とすることが可能となる。
・ 地元旅行会社、タクシー事業者等と連携し、船の発着に接続する周遊バスの運行や
観光タクシーを利用した商品を開発することで二次交通の弱さがカバーできる。
(4)広報
(4)広報・
広報・魅力度向上を
魅力度向上を通じたPR
じたPRの
PRの促進
<施策例>
施策例>
運航情報の
提供・
ホームページの改良
①運航情報
の提供
・ホームページの
改良
【実施時期】
実施時期】平成 28 年度中に実施
主体】
【主体
】シィライン(株)
・ 当日の運航情報は早期に更新し、利用者のために翌日の運航見込みを知らせるなど
の工夫ができないかを検討する。
・ 観光ルートや他交通手段との接続など、更なる情報の充実を図る。
・ 現状のホームページは情報が探しにくく、必要な情報の検索が困難になっているこ
とから、情報の整理を検討する。
②船内での
船内での観光案内人設置
での観光案内人設置・
観光案内人設置・船内での
船内での販売員設置
での販売員設置
実施時期】
【実施時期
】平成 28 年度中に検討
【主体】
主体】シィライン(株)
・ 船員が要所ごとに船内でガイドを行うなど、各種観光案内の充実を図る。
・ 船内に販売員を設置し、特産品や土産品の販売を検討する。(むつ湾フェリー(株)
では、平成 27 年度から外ヶ浜町の業者と連携して実施)
- 38 -
③営業所の
営業所の特産品や
特産品や土産品販売店の
土産品販売店の売上増加となる
売上増加となる工夫
となる工夫
実施時期】
【実施時期
】平成 28 年度中に検討
【主体】
主体】シィライン(株)、各自治体
・ 魅力度向上のため、青森港や脇野沢港、佐井港における特産品や土産品の販売店の
売上増加となる工夫を検討する。
④青森~
青森~佐井航路活性化シンポジウム
佐井航路活性化シンポジウム開催
シンポジウム開催
【実施時期】
実施時期】平成 30 年度までに実施
主体】
【主体
】青森~佐井航路を中心とした下北地域活性化検討会
・ 厳しい現状を踏まえ、積極的に地域に情報を発信して住民の理解促進のための場所
として、学識者等を招いたシンポジウムの開催を検討する。
⑤行政等の
行政等の各種広報媒体を
各種広報媒体を活用した
活用したPR
したPR
実施時期】
【実施時期
】平成 28~30 年度に実施
主体】
【主体
】各自治体
・ シィライン(株)及び青森~佐井航路の認知度向上のため、自治体の各種広報媒体を
活用したPRを行う。
- 39 -
(参考)
参考)目標を
目標を達成するための
達成するための施策
するための施策
目標を
達成するための
するための施策
表 19 目標
を達成
するための
施策
施策名
大規模イベン
トと連携した
ツアー商品の
開発
大規模イベン
ト開催時の増
便等の検討
大手旅行代理
店への営業活
動
津軽海峡フェ
リー(特に大函
丸)との連携
フリーパス利
用者を対象と
した周遊促進
外国人旅行者
をターゲット
とした活動
青森県民向け
旅行商品の開
発
県内学校等へ
の船舶体験学
習営業活動
地元旅行会社
と連携した着
地型旅行商品
の開発
他機関と連携
した運賃割引
切符等の販売
運航情報の提
供
ホームページ
の改良
船内での観光
案内人配置
船内での販売
員配置
内容
・大規模イベント(青森県・函館デスティネ
ーションキャンペーン等)との連携による
企画切符、ツアー商品の開発の検討
・青森ねぶた祭、むつ市花火大会、田名部ま
つり、福浦歌舞伎等の大規模イベント時の
み増便の検討や湾内周遊等の実施
・むつ湾内航路活性化推進会議等の事業も活
用しながら大手旅行代理店への営業活動
を実施する。
・北海道新幹線開業を控え、道南地域から下
北への唯一の交通手段となる大間~函館
航路と連携した商品等を検討
・広域周遊観光の促進に向けたフリーパス利
用者等の利用促進
・外国語パンフレット・チラシの作成・配布
による外国人観光客の利用促進
・青森県民を対象に航路利用(往復、もしく
は、片道)による日帰り旅行、1 泊旅行の
商品化の検討
・地元小中学校への働きかけを強化し、船舶
体験学習としての利用促進を行う。
・地元旅行会社と連携し、佐井村や脇野沢が
1つの目的地となるような体験や宿泊を
伴った商品や、船の発着に接続する周遊バ
スや観光タクシー等とのセット商品等を
造成し、二次交通の弱さをカバーする。
・鉄道、バス、レンタカー、タクシー、仏ヶ
浦観光船等の交通機関との連携によるフ
リー切符の検討
・当日の運航情報や翌日の運航見込み等を知
らせる更なる工夫を検討
(自治体のホームページ等からリンクを貼
る等の工夫)
・観光ルート、他交通手段との接続等、情報
の充実に関する検討
・船内に旅先案内人等を配置し、船内からの
景観の案内(ガイド)、各種観光案内の実
施を検討
・船内に販売員を配置し、特産品、土産品の
販売の検討
- 40 -
実現
改善計画へ
可能性
の記載状況
○
記載
○
記載
○
新規
○
新規
○
新規
○
新規
○
記載
○
新規
○
新規
○
記載
○
記載
○
記載
○
記載
○
記載
備考
実現に至っていないが、
検討の余地がある。
青森市の花火大会開催時
に臨時便を運航してお
り、人気商品となってい
る。
モニターツアー等で実施
検討してきたものの、価
格が高い等の課題あり。
タクシーや観光遊覧船と
の連携は検討の余地あり
ホームページ等で提供し
ているもの、情報が遅い。
情報が探しにくいため、
HPの情報整理が必要
船員に要所でガイドとし
て活動してもらえれば可
能
むつ湾フェリー(株)では
H27 年度から実施。
表 19 目標を
目標を達成するための
達成するための施策
するための施策(
施策(続き)
施策名
営業所の特産
品や土産品販
売店の売上増
加となる工夫
青森~佐井航
路活性化シン
ポジウム開催
県内CM放送
によるPR
行政等の各種
広報媒体を活
用したPR
土産品、食事の
割引サービス
切符の販売
青森~佐井航
路 PR 用映像ソ
フト企画制作
内容
・青森港や佐井港における特産品や土産品の
販売の売上高増加の工夫(より分かりやす
く、目立つようにする等)
・航路活性化のための連携強化や理解促進の
ため学識者等を招いたシンポジウムの開
催の検討
・認知度向上のため、県内テレビ局と契約し、
航路PRに係るCMを作成する。
・認知度向上のため、自治体における各種広
報媒体を活用したPRを行う。
・下北地域の飲食店、土産品店と提携し、割
引を受けられる切符の企画、販売の検討
・船内や鉄道駅(青森駅、新青森駅)におい
て、主に観光客を対象とした航路情報や下
北地域の観光情報を紹介する映像を作成
し、放映することで航路の PR の検討
予 約 シ ス テ ム ・ホームページ上で予約手続きが可能となる
導入の検討
ようなホームページ改修の検討
船内限定の土
産品等の開発
・乗船しなければ購入できない限定品の開
発、販売における新商品の検討
物 流 業 者 等 を ・海産物等特産品輸送の利用促進に関する検
対象に効果的
討(船舶も保冷設備を完備(特産品の鮮度
な割引の検討
を保ったままで輸送が可能))
料金の見直し
・他交通機関を利用した際の料金を参考とし
つつ、収支に見合った料金の見直しや割引
料金の多様化についての検討
(小グループ・団体利用を目的とした運賃サ
ービスの実施、ポイント制の導入等による
高頻度利用者への運賃サービス向上、下北
地域住民限定の運賃割引切符の販売、高齢
者限定割引切符の販売、欠航時の乗船予定
客の次回利用時割引の導入等)
イ メ ー ジ キ ャ ・公募による航路イメージキャラクターを用
ラクターの公
いた航路の PR、親近感の向上、関連商品の
募・活用
開発の検討
船 内 ス ナ ッ ク ・船内に自動販売機を設置し、スナックや下
コーナーの設
北・青森銘菓等の販売の検討
置
ア ク セ ス 環 境 ・青森港、下北側の港から周辺観光地までの
の向上
送迎サービスの導入の検討(特に下北側の
港における他交通手段との接続改善)
- 41 -
実現
改善計画へ
可能性
の記載状況
○
記載
○
記載
○
新規
○
新規
概ね
完了
記載
概ね
完了
記載
概ね
完了
記載
△
記載
△
記載
△
記載
△
記載
備考
実施されているとは言い
難く、更なる工夫が必要
H22 年度に実施したもの
の、厳しい現状を踏まえ、
再検討の余地あり。
経費に見合った利用者増
加が図れるのか要検討
乗船券割引を実施済。
(更なる開拓の余地あり)
むつ湾内航路活性化推進
会議で映像を作成済。
ウィラートラベルと契約
したことで、ネット予約
は既に可能。
既に一部実施されている
(T シャツ等)ものがある
が、予算的に更なる商品
開発は厳しい。
シィライン(株)、浅虫温
泉、佐井漁協が社会実験
を実施(H20)
地域住民限定での割引は
できない。
認知度が向上してから検
討
コスト面で困難
△
記載
×
記載
青森港については既に実
施している
下北側の港は接続が課題
表 19 目標を
目標を達成するための
達成するための施策
するための施策(
施策(続き)
施策名
内容
利 便 性 の 高 い ・仏ヶ浦観光船との接続を考慮したダイヤ
運 航 ダ イ ヤ の ・新幹線、JR 奥羽本線や青い森鉄道との接続
検討
を考慮したダイヤ
・休日ダイヤ
・昼食時間を考慮したダイヤ
レ ン タ カ ー の ・脇野沢港、佐井港周辺でのレンタカー乗捨
サービス充実
や送迎、配車、引取等のサービス充実に努
め、利用者の利便性向上の検討
ツ ア ー デ ス ク ・船内にツアーデスク機能(パソコン、イン
環境整備
ターネット通信機器等)を設け、主に観光
旅行者を対象に、航路や下北地域観光に関
する情報の提供による船内サービス向上
の検討
実現
改善計画へ
可能性
の記載状況
×
記載
×
記載
×
記載
(備考)1.灰色の網掛けは、実現可能性の低いと考えられる施策。
2.橙色の網掛けは、概ね完了したと考えられる施策。
- 42 -
備考
佐井港、脇野沢港で接続
するバス路線は補助対象
路線となっており、船と
の接続は事実上困難であ
る。
脇野沢で H11~H14 まで実
施したが、利用は少なか
った。
スペースを設けることで
座席数が減る可能性があ
り、また新たな設備投資
等は厳しい。
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