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耳の弟子

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耳の弟子
2016 年度
科目区分
教養
科 目 名
担 当 者 名
音響論
高橋 世織、 弦巻 裕 ほか
科目分類
D群
選択
授業形態
講義
( コラボ )
単位数
配当年次
学期
講義型
校舎
2
3・4
後期
B1(3×5)
白山
履修
条件
特になし
授業
概要
20世紀前半からは、カメラとマイクロフォンに拠っても歴史が記述・蓄積されてきた。今後ますます映画や映像における聴覚的、触覚的エレメンツ
がことのほか重要となってこよう。本講では、台詞、声、音楽、効果音、ノイズなどの音響的要素に関連する分野を深く探求することになる。音響・
録音技術やその歴史や概観、最先端技術に関しては弦巻裕教授が担当し、声の文化史、1920年代後半サイレントからトーキーに替わって感覚
史的にどのような変容が、近代人のライフスタイルなどにもたらされたのかに関してモダニズム論の射程から、特に声の身体文化史を高橋が講述
する。3回ほどゲストスピーカーをによる講演・実演を予定。昨年度は録音技師の重鎮・紅谷 愃一氏を招聘して、今村昌平『人類学入門』を上映し
ながら自ら手がけた同録の手法等、録音技術を解説講演していただいた。また活動弁士の第一人者、澤登翠さんを招き、サイレント映画がライ
ブ・パフォーマンスであることを実感する実演をして頂いた。イマジカ(五反田)での録音協会セミナー参加も校外実習の一環として例年一度行っ
ている。
※ 外部講師の日程調整により、下記のローテーションは、秋口の初回までには確定し、掲示・アナウンスします。
到達
目標
映画は視覚表象文化の枠組だけで捉えるのは、不十分であり、偏っている場合もあることに気づき、より深い映像理解と創作面での
一助とする。
内 容
回数
授
業
計
画
1
(はじめに)「音響」とは何か。「音」と「響き」の違い。「影響」という言葉を巡って、「音響」文化史を略述(高橋)
2
響きとうなり、ノイズ、沈黙と間=余白、地球音響学者・寺田寅彦(漱石の弟子)の音響論(高橋)
3
耳の文化史について――声音(こわね)と声色(こわいろ)、声の肌理(きめ)(高橋)
4
今村昌平映画と音声収録の革新性について(ゲスト講師・紅谷愃一氏)
5
今村昌平映画の同録の技法を上映しながら、分析・解説(紅谷氏)
6
今村昌平映画の革新性を音響論から説き起こす(紅谷氏と弦巻との討議)
7
活弁(活動弁士)の歴史について(ゲスト講師・弁士=澤登翠氏)
8
活動弁士の実演(澤登氏)―稲垣浩監督・長谷川伸原作『瞼の母 番場の忠太郎 瞼の母』(1931)ライブパフォーマンス予定
9
活動弁士の実演と質疑応答(澤登翠)
10
録音技師等による、最新優秀作品の上映鑑賞。(イマジカの第一試写室での校外実習)
11
上映後の解説とスッタフ等の討議討論。(同上)
12
受講生からの質御応答とまとめ(同上)
13
マイクロフォンの技術史、録音技術・音響処理についての歴史と概論(弦巻)
14
弦巻裕が録音担当した近作をフィルム上映し、録音技術・音響処理についての具体的な工夫と体験を存分に語る(弦巻)
15
「音響から観る映画体験について」討議(弦巻+高橋)と受講生からの質疑応答
授業外
学習
普段の生活の中でも声や音響に関して敏感になり、耳を研ぎ澄ましておいて欲しい。俳優の声の肌理(きめ)に注目しながら観る。さ
まざまなコンサートホールなどに足繁く通い、生のライブの音を浴びるように聴くべし。
教科書
授業時に適宜、関連資料を配布する。
主要
参考書
紅谷 愃一著『日本映画のサウンドデザイン』(誠文堂新光社)他、適時必要なものを紹介する。
評価
方法
毎回のリアクションペーパーの提出・内容(50%)と、期末レポート(50%)で総合評価(3回欠席したら、原則として不可扱いとなる)
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