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関税・外国為替等審議会 関税分科会 企画部会
資料2-1 アクセスコントロール等回避機器に係る水際規制の導入 平成22年11月17日 関税・外国為替等審議会 関税分科会 企画部会 財 務 省 関 税 局 1.現行制度の概要 (1)「アクセスコントロール等回避機器」について アクセスコントロールとは、視聴機器やゲーム機器においてコンテンツ(映 像やゲームソフト等)について正当に許諾を受けた者以外の者による視聴等 不正使用を制限する機能である。アクセスコントロールを無効化して、正当 な許諾を受けた者以外の者に対し視聴等を可能にする機器を「アクセスコン トロール等回避機器(注)」 (以下「回避機器」という。)という。その例とし ては、ゲーム機器において本来は使用することができない海賊版ソフトを使 用できるようにする「マジコン」等がある。 (注)なお、回避機器には、アクセスコントロールを回避する機器の他、コピーコントロ ールを回避する機器を含む。 (2)現行関税法における取扱いについて 現行関税法上、回避機器は、輸入禁止品(関税法第 69 条の 11 第1項)及 び輸出禁止品(関税法第 69 条の 2 第 1 項)とされていない。 2.背景及び改正の必要性 (1)近年のデジタル化・ネットワーク化の進展に伴い、DVD やゲームソフト等 の無断複製による使用等からコンテンツを保護するため、ソフト面及びハ ード面におけるアクセスコントロールが重要な技術となっている。このア クセスコントロールを回避することによって、本来は使用することができ ない海賊版ソフトの使用を助長する回避機器の流通の氾濫が問題となって おり、その供給源として特に海外から我が国への流入が指摘され、回避機 器に係る水際規制が求められている。 (2)「知的財産推進計画 2010」において、「アクセスコントロール回避規制の 強化」が施策に盛り込まれており、これを受け、経済産業省及び文部科学 省において検討が進められている。財務省においては、当該検討を踏まえ、 回避機器に係る水際規制の導入についての具体的な制度改革案を 2010 年度 中に得ることとされている。 3.検討内容 (1)経済産業省においては、本年9月より産業構造審議会において、不正競 争防止法の改正について検討を開始。現行不正競争防止法においては、ア - 1 - クセスコントロールを回避する機能のみを有する装置の提供行為等(輸出 入行為を含む)を民事規制しているところ、改正内容としては、提供行為 等(輸出入行為を含む)に対する刑事罰規定の導入等が検討されており、 2011 年 1 月を目処に検討結果をとりまとめる予定である。 (2)文部科学省においては、本年9月より文化審議会において、著作権法の 改正について検討を開始。現行著作権法においては、著作権等の対象外の 行為である視聴等を制限するアクセスコントロールの回避規制が規定され ていないことから、回避機器の現状の分析・評価を行うとともに、アクセ スコントロール回避規制の導入の適否も含め検討されており、2011 年 1 月 を目処に検討結果をとりまとめる予定である。 (3)知的財産侵害物品については、従来、輸出入禁止品として水際規制の強 化に取り組んでいるが、回避機器については、現行関税法上は輸出入禁止 品とはされていない。しかし、上記(1)不正競争防止法又は(2)著作 権法(注)において回避機器に係る国内規制が整備される場合には、他の 知的財産侵害物品同様、回避機器に係る水際規制を導入することが適当と 考えられる。 (注) 関税法上の知的財産侵害物品の水際規制においては、差止申立手続又は認定手続 が執られる際に、知的財産の権利者が特定されている必要がある。著作権法上アクセ スコントロール回避規制の導入の適否も含めて文部科学省において検討中であると ころ、同機器による侵害に対して差止めを請求できる者を特定することができる仕組 みが著作権法上併せて規定された場合には、同機器に係る関税法上の水際規制を導入 することが適当と考えられる。 4.論点 「知的財産推進計画 2010」を踏まえ、3. (1)不正競争防止法又は(2) 著作権法において回避機器にかかる国内規制が整備された場合には、回避機 器に係る水際規制として、回避機器を関税法上の輸出入禁止品に追加するこ ととしたいがどうか。 - 2 -