...

2013年度事業報告書

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

2013年度事業報告書
2013 年度
明星学苑事業報告書
(2013 年 4 月 1 日から 2014 年 3 月 31 日まで)
学校法人明星学苑
2014 年 5 月
2013 年度
明星学苑事業報告書
目
次
理事長あいさつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
Ⅰ.法人の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
建学の精神・教育方針・校訓・明星学苑がこれからも変わらず目指すもの・・・
2
各校の教育目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
各校の教育内容と教育方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
Action100 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
沿革
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
設置校および所在地・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
役員の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
評議員の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
学生数・生徒数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
教職員数の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
組織概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
Ⅱ.事業の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
2013 年度事業基本方針と進捗状況
法人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
明星大学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
いわき明星大学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
府中校(明星中学高等学校、明星小学校、明星幼稚園)・・・・・・・・・・37
卒業生の進路・就職状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
Ⅲ.財務の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
2013(平成 25)年度決算について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
経年推移比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55
財務比率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
学校法人の会計について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60
別添資料
1.学生生徒等在籍者数
2.資金収支計算書
3.消費収支計算書
4.貸借対照表
5.財産目録
6. 監査報告書
理事長あいさつ
「グローバル時代と明星教育」
理事長
吉田 元一
明星学苑は、2023(平成 35)年に、現在の明星中学高等学校の前身である明星実務学校
創立から数えて 100 周年を迎えます。本学苑は、来るべき 100 周年をめざし、新しい「明
星学苑ヴィジョン」を策定し、各設置校はこれに基づき、更なる発展に向けて新たな歩み
を始めております。また、100 周年に向けての経営プランである「Action100」は、明星学
苑の各設置校が教育機関としてのあるべき姿を教職員全員が意識しながら、心を合わせて
取り組むべきアクションプランを示しています。
さらに、将来的に少子化の趨勢が予見されている中で、明星学苑が今後とも選ばれる私
立学校であり続けるためにはどうあるべきかを全学的に検討していくための組織として、
「将来構想委員会」を設置し、検討を進めているところであります。
現在日本を取り巻く環境は時々刻々と変化していますが、大きな時代の潮流はグローバ
リゼーションの一層の進化になると思います。このような変化の時代に明星学苑は、「変
わらざるもの」と「変えていくもの」をしっかり認識対応し、人材育成、あるいは社会に
貢献する学問研究の場として社会の要請に応えてまいります。
明星の建学の精神は、
「和の精神のもと、世界に貢献する人を育成する」であります。
明星教育を受けた卒業生が、世界に貢献できる人材となるには、明星学苑で何を学ばせ
なければならないのか。これからの時代を生きる若者に、人格・教養を身につけさせる教
育はどうあるべきか。明星教育は、これらの視点に立ち、常に進化していかなければなり
ません。
これからも、明星学苑は、世界でも日本でも通用する人材を育成する学校であることを
めざしていきたいと思います。
1
Ⅰ.法人の概要
●建学の精神・教育方針・校訓・明星学苑がこれからも変わらず目指すもの●
<建学の精神>
「和の精神のもと、世界に貢献する人を育成する」
【教育方針】
【校訓】
健康、真面目、努力
1.人格接触による手塩にかける教育
2.凝念を通じて心の力を鍛える教育
3.実践躬行の体験教育
《明星学苑がこれからも変わらず目指すもの》
明星学苑は、建学の精神である「和の精神のもと 、世界に貢献する人を育成する」
ことをもって社会に寄与することをその使命とする。
そのために、学苑が設置する学校は、校訓「健康、真面目、努力」を旨とし、一人
ひとりの学生・生徒・児童・園児を大切にして徳育・知育・体育の調和を目指す
「人格接触による手塩にかける」教育を行い、着実に教育の成果を上げることに努め
る。
●各校の教育目標●
明星大学
いわき明星大学
明星中学高等学校
自己実現を目指し社会貢献ができる人の育成
全人教育に基づいた、地域社会に貢献できる人の育成
自律心を持った自立した人の育成
明星小学校
正直なよい子の育成
明星幼稚園
よい子の育成
2
●各校の教育内容と教育方法●
●現代社会に生きるものとして必要不可欠な基本的知識と技能の習得
●幅広い教養を身につけた自立する市民の育成
明星大学
●心と体の健康管理の教育
●高度専門職業人及び幅広い職業人の育成
●体験教育を通して生涯に亘る学習意欲を獲得し、自らの歴史を綴ることが
できるようにする教育
●大学で学ぶ意識を高める少人数・演習形式の初年次教育
●さまざまな学修歴をもつ学生に対応した効果的な基礎教育
いわき明星大学
●時代を見据え、地域に根ざし、体験を通して学ぶ専門教育
●専門を超えた探究心と充実した心身を育む教養教育
●きめ細かな個別指導と快適な自習環境の提供による学習支援
●凝念教育
●3ステージ制による6カ年一貫教育
明星中学高等学校
●文化等の違いを体験し、国際理解を深める教育
●地域社会との連携による教育(ボランティア活動等の体験教育)
●学苑設置校(幼・小・大)との連携とIT教育
●凝念教育
●五正道(正しく視る、正しく聴く、正しく考える、正しく言う、正しく行う)の実践
明星小学校
●豊かな心を育てる教育(心の教育、道徳・躾、体験学習、きめ細かな生活
指導等)
●確かな学力をつける教育(授業の充実、きめ細かな学習指導等)
●総合学園の特色を生かした教育
●「みなしずか」(凝念)の実践
●一人ひとりを大切にした保育
明星幼稚園
●体験を通して学ぶ
●年齢に応じた基本的生活習慣の確立
●総合学園の特色を生かした保育
※“凝念”とは、静座して目を閉じ、雑念を取り払い無念無想の境地に身を置くこと。
3
● Action100 ●
―学苑創立 100 周年を見据えたこれからの学苑事業の骨格づくり―
(1)学苑の使命を果たすために~「明星学苑 Action100」の目的~
明星学苑は、2013(平成 25)年に創立 90 周年を迎え、幼稚園から大学までを有する総
合学園としての新たな歩みを踏み出しました。
これに先立つ 2008(平成 20)年の創立 85 周年では、これからの学苑が目指すヴィジ
ョンと各学校の教育目標を明確に掲げました。翌 2009 年から各学校・各部門において、
学苑ヴィジョンの実現と教育目標の達成に向けての具体的な取り組みが進められていま
す。
今年から 9 年後の 2023(平成 35)年に学苑は創立 100 周年を迎えることになります。
しかしながら、18 歳以下の人口の一段の減少などにより学苑を取り巻く経営環境はさら
に厳しさを増していきます。その中で学苑は、
「和の精神のもと、世界に貢献する人を育
成する」という使命の達成に向けて、各学校が掲げる教育目標を着実に具現化すること
によって社会の信頼を勝ち得て、これからも学苑が存続していくための礎を確かなもの
としていかなければなりません。
「明星学苑 Action100」は、そのために学苑がこれから活動すべき基本方向を、事業
計画に反映させる指針としてまとめたものです。
(2)
「明星学苑 Action100」を構成する 6 つの柱
「明星学苑 Action100」では、中長期の学苑事業の基本方向として 6 つの柱を明確に
打ち立てています。それは、次のような学苑経営の分野から成っています。
①
創立 100 周年に向けた新しい明星学苑像づくり
~新しい明星学苑像の確立とブランド力の形成~
新しい明星学苑像の確立とは、将来に向けて明星学苑が社会的に存在すべきポジショ
ンを明確にすることです。その実現のために、建学の精神に基づく魅力ある学苑づくり
とともに、学苑の歴史の中で積み重ねられた人的ネットワークの活用とそれを基礎とし
たブランド力を高めていきます。2011 年に設立された将来構想委員会における学苑の
将来像づくりの検討を踏まえ、大学においては学部の改組改編等を進めてきました。
2013(平成 25)年は学苑創立 90 周年を迎え、10 月に記念式典を挙行し、100 周年へ向
けてのステップとしました。また、2014(平成 26)年は、明星大学が創立 50 周年を迎
えることとなり、様々な記念行事を予定しています。
今後さらに人的ネットワークの結びつきを強めるとともに、さらなる学苑像づくりを
進めることになります。
②
教育目標の達成
~ヴィジョンで提示した各学校の教育目標の達成を目指した教育内容と教育方法の推
進~
4
教育目標の達成は学苑の各学校に求められる使命です。そのためには、不断の自己
点検と自己評価によって、教育内容と教育方法を、教育目標に即した質の高いものへ
と高めていく必要があります。各学校は、それに向けての具体的な取り組みを行って
います。
③
責任と信頼に基づく学苑経営体制
~学苑の意思決定システムとコミュニケーションの高度化など~
学苑の経営が責任と信頼に基づくためには、意思決定の仕方や決定事項の遂行にお
いて透明性を高めるとともに、組織において的確かつ効率的なコミュニケーションを
行なうことが必要です。2013(平成 25)年は、意思決定システムの機能強化・整備や、
学苑諸規程の整備を行い、また、大学における学部の改組改編の進展等に伴って 2012
(平成 24)年に策定した次期中期事業計画・財務計画(2014~2018 年度)を見直しま
した。
④
学苑の基盤を支える人材の活性化
~教職員の適切な評価システムの導入など~
学苑において教職員がその個々の能力を発揮し高めていくことによって、学苑の運
営基盤をより強くすることが必要です。そのために、的確な人件費施策の実施や人件
費予算管理システムを確立し、また、適切な評価システムを導入・運営するとともに、
教育支援に寄与する職員の育成と能力開発、ワークライフバランスが可能となるよう
な教職員の勤務環境の整備などを進めます。2013(平成 25)年は、府中校の教員能力
開発支援制度に着手するとともに、人件費施策をさらに推進し、また、多様な雇用制
度のもと、それぞれの雇用形態に応じた勤務環境の整備を行いました。
⑤
運営基盤の整備
~中期財務計画に基づく無駄のないスリムな支出構造の実現、学苑運営の新しいあり
方と組織再編、学苑をつなぐ情報システムの基盤整備~
学苑経営の土台をより確固としたものとするために、財務、管理、情報の基盤整備
が必要です。そのために財務基盤では中期財務計画の策定、管理基盤では予算管理、
文書管理、固定資産管理体制の整備と調達手続きの透明化、そして情報基盤では学苑
内の業務、コミュニケーションをつなぐ情報システムの整備・最適化を進めます。2013
(平成 25)年は、次期中期財務計画(2014~2018 年度)の見直し、また、学苑の基幹
システムの運用の危機管理への対応を進めました。
⑥
キャンパス環境の整備
~施設設備の長期整備計画、現有資産の活用・整理など~
学苑はこれまで施設設備の拡大整備を進めてきましたが、今後はそれを教育事業の
推進に活かしていくためにキャンパス環境の維持、メンテナンスが必要です。施設設
備の長期整備計画、明星大学青梅キャンパスの有効活用、施設利用のルール化、遊休
資産の活用・整理などを進めます。2013(平成 25)年は、明星大学の改組改編に伴っ
5
て環境整備として新たな校舎建築に着工しました。
(3)
「明星学苑 Action100」6 つの柱の連動
「明星学苑 Action100」で重要なのは、6 つの柱それぞれが無関係に成り立っているの
ではなく、相互に密接に結びついて連動し、質を高めながら学苑全体の事業を構成する
という点です。
たとえば、教育目標の達成には、教育課程を充実し、その成果を出すための教育内容
や教育方法の質を高めなければなりませんが、それは学苑並びに各学校のヴィジョンを
反映したものでなければなりません。また、教育を実施する人材や組織、それを支える
基盤、教育事業の運営を円滑にするための環境整備などが必要です。人材の活性化も、
その目的は教育活動が活発化になって教育目標の達成に寄与するためのものであり、さ
らに新たな学苑像づくりやネットワークづくりに結びついていくものです。また、経営
体制や運営の基盤は人材の活性化がなければ働きは鈍くなりますし、キャンパス環境の
整理・活用は、教職員の能力発揮を促すような環境づくりでなければなりません。
したがって、それぞれの柱において、事業計画を策定し遂行しようとするときは常に
この 6 つの柱を視野に入れ、その連動や関係を保つものでなければなりません。そして、
それぞれが結びつきながら、
「和の精神のもと、世界に貢献する人を育成する」という学
苑の使命の達成に向けて進むことになります。
(4)これからの「明星学苑 Action100」
「明星学苑 Action100」は、2009(平成 21)年 7 月に理事会・評議員会において確認
された学苑経営の基本方向です。2010(平成 22)年度から、この「明星学苑 Action100」
に基づいて年度ごとの事業計画が策定されています。また、2011(平成 23)年度には 2007
(平成 19)年度から開始された 5 か年の中期事業計画が完了し、2012(平成 24)年度に
おいて、
「明星学苑 Action100」の遂行計画として、次期中期事業計画(2014~2018 年度)
の策定が行われました。今後は、この中期事業計画に基づいて事業を推進し、PDCA のサ
イクルを確立しながら「明星学苑 Action100」を深耕し、100 周年に向けた学苑経営の基
盤を固めていきます。
6
〔明星学苑 Action100 の概念図〕
●沿革●
1923(大正 12)年 明星実務学校創立
1927(昭和 2)年 財団法人明星中学校に改組
1948(昭和 23)年 明星高等学校開校
1949(昭和 24)年 明星幼稚園開園
1950(昭和 25)年 明星小学校開校
1951(昭和 26)年 学校法人明星学苑に組織変更
1954(昭和 29)年 明星中学校、高等学校に女子部開設
1964(昭和 39)年 明星大学開学 理工学部開設
1965(昭和 40)年 明星大学人文学部開設
1967(昭和 42)年 明星大学通信教育部開設
1971(昭和 46)年 明星大学大学院人文学研究科開設
1972(昭和 47)年 明星大学大学院理工学研究科開設
1987(昭和 62)年 いわき明星大学開学 理工学部、人文学部開設
1992(平成 4)年
明星大学青梅キャンパス開発、同キャンパスに情報学部、日本文化
学部開設
いわき明星大学大学院理工学研究科、人文学研究科開設
1998(平成 10)年 明星大学大学院情報学研究科開設
7
1999(平成 11)年 明星大学大学院人文学研究科通信課程開設
2001(平成 13)年 明星大学経済学部開設(人文学部経済学科を改組)
いわき明星大学理工学部を改組
2003(平成 15)年 明星中学校共学化開始
2005(平成 17)年 明星大学造形芸術学部開設(日本文化学部造形芸術学科を改組)及
び理工学部、人文学部、経済学部、情報学部、日本文化学部を改組
いわき明星大学科学技術学部開設(理工学部を改組)及び人文学部
を改組
2006(平成 18)年 明星大学大学院経済学研究科開設
明星高等学校共学化開始
2007(平成 19)年 いわき明星大学薬学部開設
2008(平成 20)年 明星学苑創立 85 周年記念式典挙行
2010(平成 22)年 明星大学教育学部開設及び理工学部、人文学部、日本文化学部を改組
いわき明星大学科学技術学部を改組
2012(平成 24)年 明星大学経営学部開設(経済学部経営学科を改組)
2013(平成 25)年 明星学苑創立 90 周年記念式典挙行
2014(平成 26)年 明星大学デザイン学部開設(造形芸術学部を改組)
明星大学大学院教育学研究科開設及び人文学研究科(通信教育)を
教育学研究科(通信教育)に名称変更
8
●設置校および所在地●
(2014 年 4 月 1 日現在)
■大学
明星大学
・日野校(東京都日野市程久保 2-1-1)
学
部:理工学部、人文学部、情報学部、経済学部、教育学部、経営学部、デザ
イン学部、通信教育部、日本文化学部(2010 年度より募集停止)
大学院:理工学研究科、人文学研究科、情報学研究科、経済学研究科、教育学研
究科、教育学研究科(通信教育)
・青梅校(東京都青梅市長淵 2-590)
学
部:造形芸術学部(2014 年度より募集停止)
いわき明星大学(福島県いわき市中央台飯野 5-5-1)
学
部:科学技術学部、人文学部、薬学部
大学院:理工学研究科、人文学研究科
■高等学校
明星高等学校(東京都府中市栄町 1-1)
■中学校
明星中学校 (東京都府中市栄町 1-1)
■小学校
明星小学校 (東京都府中市栄町 1-1)
■幼稚園
明星幼稚園 (東京都府中市栄町 1-1)
●役員の概要●
(2014 年 4 月1日現在、理事定数 11 名、現員 11 名、監事定数 2 名以上 3 名以内、現員 2 名)
理事(理事長)
吉 田
元 一
理事(副理事長・常任理事)小 川 哲 生
理事(常任理事) 山 村
侑 偀
理事(常任理事) 多司馬
茂
理事(常任理事) 近 藤
伊佐夫
理事(学長)
大 橋 有
弘
理事(学長)
山 崎
洋 次
理事(校長)
北 原 都美子
理事(非常勤)
大 室
容 一
理事(非常勤)
小 沢 伸
光
理事(非常勤)
菊 田
秀 次
監事(常勤)
清 瀬
正 雄
監事(非常勤)
佐 藤 浩
二
9
●評議員の概要●
(2014 年 4 月 1 日現在、評議員定数 23 名以上 25 名以内、現員 25 名)
〈1 号評議員〉
大
橋 有 弘
山 崎 洋 次
北 原
都美子
味 形
修
渡
邊 智恵子
蓮 池 和 夫
中 田
芳 幸
川 口 基一郎
大久保
明 朗
下 山 栄 子
〈2 号評議員〉
大
室 容 一
菊 田 秀 次
岸
本 正 一
小 沢 伸 光
〈3 号評議員〉
吉
田 元 一
小 川 哲 生
山 村
侑 偀
多司馬
茂
近
藤 伊佐夫
坂 本 秀 夫
林
洋 一
浜 田 寿 一
高
木 幹 夫
柴 崎 菊 恵
福 井
みどり
●学生数・生徒数●
(2013 年 5 月 1 日現在:学校法人基礎調査)
本法人が設置する各学校における過去 3 年間の学生・生徒数の在籍状況は別添資料1の
とおりです。
●教職員数の推移●
(各年度 5 月 1 日現在:学校法人基礎調査)
(単位:人)
2011 年度
2012 年度
2013 年度
専任
非常勤
専任
専任
非常勤
専任
専任
非常勤
専任
教育職員
教育職員
事務職員
教育職員
教育職員
事務職員
教育職員
教育職員
事務職員
明星大学
279
499
192
291
512
199
300
530
221
いわき明星大学
52
95
106
54
88
94
54
59
15
61
17
36
9
32
6
32
4
31
5
12
4
14
8
102
110
明星高等学校
58
12
明星中学校
39
10
明星小学校
27
8
明星幼稚園
12
4
法人本部
計
23
26
28
―
―
23
―
―
22
―
―
22
517
643
290
525
650
301
526
660
325
10
●組織概要●
法人組織および設置する 2014 年 4 月 1 日現在の各学校の組織は、以下のとおりです。
11
Ⅱ.事業の概要
●2013(平成 25)年度事業基本方針と進捗状況●
法
人
1.はじめに~「明星学苑 Action100」の推進に向けて~
学校法人明星学苑は、「世界に貢献する人を育成する」という建学の精神のもと、明星
大学、いわき明星大学、明星中学高等学校、明星小学校、明星幼稚園を擁する総合学園
であり、2009(平成 21)年度から学苑創立 100 周年に向けて学苑がこれからの使命を果
たしていくための事業の基本方針である「明星学苑 Action100」が始動しました。
2013(平成 25)年度は、この「明星学苑 Action100」に基づき、事業遂行の体制づく
りを進めました。
2.重点事業
~「明星学苑 Action100」に基づく事業推進~
(1)創立 100 周年に向けた新しい明星学苑像づくり
本学苑の建学の基本理念をしっかり継承しながら、現在および将来に向けた学苑
像を明らかにします。
この学苑像は、明星学苑の教育の基本である建学の精神を踏まえ、各学校の教育体
制のあり方、そこでの教育内容と教育方法の点検と改善、教育と教員の質の向上を不
断にはかり、地域を中心にした社会への貢献を果たしていこうという姿勢を明示し、
創立 100 周年に向けて新たに動き出すことを目指すものです。これはまた、学苑が学
生生徒・保護者に対して示す姿であると同時に、約束することでもあります。
2013(平成 25)年度は、2011(平成 23)年に設立された将来構想委員会における学
苑の将来像づくりの検討を踏まえ、大学においては学部の改組改編等を進めてきまし
た。
また、2013(平成 25)年は、学苑創立 90 周年を迎え、100 周年へ向けてのステップ
としました。
今後さらに人的ネットワークの結びつきを強めるとともに、さらなる学苑像づくり
を進めることになります。
新しい明星学苑像づくりの概要は次のとおりです。
・学苑の現在と将来のポジションの明確化―将来構想委員会から提出され理事会で
承認された将来構想計画に基づき、2013(平成 25)年は、明星大学ではデザイン
学部の設置届出書を提出し、2014(平成 26)年度に開設することとなりました。
いわき明星大学では既存の人文学部を改組改編して教養学部の設置届出の手続き
を進め、2015(平成 27)年度の開設を予定しています。いわき明星大学は、より
安定的な大学運営を行うため、2015(平成 27)年度は科学技術学部の学生募集を
12
停止し、教養学部と薬学部の 2 学部体制で新たなスタートラインに立つことにな
ります。また、府中校では、幼稚園が 2013(平成 25)年度から預かり保育を導入
し、小学校では 2014(平成 26)年度から放課後児童クラブ(明星っ子クラブ)を
実施することとし、保護者のニーズにより応える体制を整備しました。
・周年事業の推進―学苑創立 90 周年記念式典を 2013(平成 25)年 10 月に挙行しま
した。また、2014(平成 26)年は、明星大学が創立 50 周年を迎えることとなり、
様々な記念行事を予定しています。
・地域との連携とブランド力の強化―明星学苑同窓生ネットワーク推進本部の運営
のもと、同窓生のネットワーク形成の拡大構築を進めました。
(2)責任と信頼に基づく学苑経営体制の整備
2012(平成 24)年度は、学苑の安定的な経営に向けた次期中期事業計画・財務計画
(2014~2018 年度)を策定しました。2013(平成 25)年度は、大学における学部の改
組改編の進展等に伴って計画(2014~2018 年度)を見直しました。
また、経営能力とガバナンス機能をより高めるために法人の経営・執行体制の整備
強化を進めました。
責任と信頼に基づく経営体制の確立と整備の進行のための取り組みは次のとおりで
す。
・学苑の意思決定システムとコミュニケーションの高度化―2013(平成 25)年度は、
評議員会機能の強化として、構成員を見直し、併せて規程の整備を行いました。ま
た、法人における委員会の位置付けや役割を明確にしていく根拠として、法人の委
員会の設置を寄附行為施行細則に定め、今後の整備の基本としました。
平成 26 年度以降行うべき整備としては次の事項が挙げられます。
① 事業計画に基づく予算制度の充実―2014(平成 26)年度からの次期中期事業計
画を見直し、その計画に基づく PDCA サイクルの推進に向けて内容の整備
② 事務組織の再編整備―2014(平成 26)年度からの新たな体制としてのいわき明
星大学及び府中校の事務組織の再編による、より安定的な学校運営のための
体制整備。
③ リスク管理体制の整備―コンプライアンス管理体制、個人情報保護管理体制、
防災管理体制、危機管理体制、知的財産の保護・管理体制の構築又は強化に
向けた諸整備
(3)人材の活性化―学苑の基盤を支える人事制度の改善
・的確な人件費施策の実施及び人件費予算の管理システムの確立―計画に則った的
確な人件費施策を実施しました。また、多様な雇用制度のもと、それぞれの雇用
形態に応じた勤務環境の整備を行いました。
13
・人材の活性化を目指した適切な評価システムの導入・運営―府中校の学校力の向
上を実現するため、その教育力の源泉となる府中校教員の能力開発・育成を促す
仕組みとして「府中校教員能力開発支援制度」の構築に着手しました。
(4)運営基盤の整備
・財政基盤の整備―学苑の安定的経営に向け、次期中期財務計画(2014~2018 年度)
を策定し、また、安定的な資金運用、及び資金効率を高めて財務体質の強化を進
めました。
・管理基盤の整備―予算管理制度の安定的基盤の確立、及び文書管理体制や固定資
産管理の構築、調達手続きの透明化と運用の定着を進めました。
・情報基盤の整備―学苑の情報システム戦略の策定、また、既存システムに配慮し
つつ学苑の基幹システムの運用の危機管理への対応を進めました。
(5)キャンパス環境の整備
・地球温暖化対策の推進―改正省エネ法及び東京都環境確保条例への対応を進めまし
た。
・施設・資産の活用―遊休資産の整理を進めるとともに、2013(平成 25)年は、明星
大学の改組改編に伴って環境整備として新たな校舎建築に着工しました。
14
明星大学
1.基本方針
明星大学は、設置者である学校法人明星学苑の建学の精神に基づき「自己実現を目指
し、社会貢献ができる人の育成」を教育目標とし、
「教育の明星大学~学生活動を主体と
した教育の明星大学として、教育界に確固たる地位を築く」ことをヴィジョンとして掲
げ、学苑の高等教育機関として学部学科においては学士力の獲得、大学院においては高
度専門職業人や研究者の養成を柱に、以下の教育方針に基づき教育研究活動を展開して
います。
(明星大学の教育方針)
○
現代社会に生きるものとして必要不可欠な基本的知識と技能の習得
○
幅広い教養を身につけた自立する市民の育成
○
心と体の健康管理の教育
○
高度専門職業人及び幅広い職業人の育成
○
体験教育を通して生涯に亘る学習意欲を獲得し、自らの歴史を綴ることができる
ようにする教育
今年度の事業展開にあたっては、本学の教育研究活動を通して本学が永続的に存続出
来る基盤を確立していくために、2015(平成 27)年度までに達成すべきロードマップを
策定し、それに向けての活動を行いました。活動のベースとなるのは、2010(平成 22)年
度から全学展開している MI21 プロジェクト(Meisei Innovation for the 21st Century)
活動※に基づくものです。
※
MI21 プロジェクトは、中長期的な重点戦略(目標)間の関係を明らかにした、
「全学戦略マ
ップ」を基に、
「バランス・スコアカード」を活用し、各戦略の具体的な成果目標を定め、PDCA
サイクルを回しながら事業を展開する、全学的な取り組みです。
この取り組みは、2012 年度の文部科学省補助金事業「未来経営戦略推進経費(経営基盤強
化に貢献する先進的な取り組み)
」に採択されました。
2015(平成 27)年度に向けたロードマップに掲げた目標の現時点(平成 25 年度末)
の達成状況は次の通りです。
(1)進路決定率(目標:90%以上):
インターンシップ参加者数の増加、学内企業セミナーの機会拡大、教職員の連携
強化及び各種就職ガイダンス・講座などの支援体制を強化した結果、進路決定率は
全学で昨年度の 70.1%から 75.0%に、また、就職内定率も昨年度の 94.2%から 95.0%
と昨年度を上回ることができました。
(2)志願者数(目標:20,000 人以上):
オープンキャンパスの充実や高校ガイダンスへの積極参加による、受験生や進路
担当者との接触機会の拡大等や、「教育の明星大学」をアピールする広報活動の充実
15
などにより、本学の認知度向上を図った結果、スカラシップ入試を除く一般入試及
びセンター利用入試の志願者数は、昨年度の 15,621 人から 15,622 人に増加し、2010
(平成 22)年度の改組改編以降 5 年連続で増加しています。
(3)離籍率(目標:4.0%未満):
授業の質の向上や学生生活全般(学習面、経済面、精神面)への支援体制を充実
させた結果、全体では昨年度の 6.5%から 5.5%へと前年より 1.0%の改善が図られま
した。
(4)科学研究費補助金獲得額(目標:私学上位 50 位以内)
:
昨年度より、科研費応募に向けた啓発活動の強化や応募支援体制の充実を図った
ものの、2013(平成 25)年度の新規応募件数は 110 件から 94 件、交付額では約 8,300
万円から約 6,800 万円と前年比 20%減となり、私学の中では 101 位(昨年 89 位)で
した。
このため、科学研究費補助金の獲得にあたっては、教員の研究全体をコーディネ
ートする URA※を導入するなど、新たな研究支援体制の構築を図りました。
※
University Research Administrator の略です。大学等において、研究者とともに研究活動の
企画・マネジメント、研究成果活用促進を行うことにより、研究者の研究活動の活性化や研究開
発マネジメントの強化等を支える業務に従事する人材を指します。
(5)帰属収支差額比率(目標:収入超過率 5.0%以上)
:
今年度は、50 周年を契機とした積極的な募集活動や広報活動の充実、教育環境整
備のためのキャンパス開発等の一時的な支出が拡大した結果、2013(平成 25)年度
決算では-4.4%と昨年度の-1.9%を上回る支出超過となりました。
なお、
「学生生徒納付金」収入が 10,662 百万円から 11,202 百万円へと増加してい
るため、一時的な支出を除いた場合、帰属収支は均衡します。
また、今後は新たに策定した 2014(平成 26)年度から 2018(平成 30)年度まで
の中期財務計画に基づき、予算配分・執行の更なる適正化を図ります。
【上記ロードマップ達成状況の経年推移は、25~27 ページの「明星大学ロードマップ
2008(平成 20)~2013(平成 25)年度 経年推移表」を参照】
2.2013(平成 25)年度の重点課題
基本方針で示したロードマップ(達成目標)の実現に向け、以下の各事業を 2013(平
成 25)年度の重点事業として、特に注力して教育研究活動を展開しました。各事業の取
り組み状況は次のとおりです。
16
(1)経営基盤確立に向けた改組改編の推進
①改組改編の推進
2014(平成 26)年 4 月のデザイン学部及び教育学研究科の開設を目指し、2013(平
成 25)年 6 月文部科学省へ設置届出を行い、同 8 月文部科学省より正式に受理され、
2014(平成 26)年 4 月より順調に開学しています。
また、通学課程と併せて、通信制大学院人文学研究科も教育学研究科へと名称変更
の届出を行いました。
②効果的な学生募集活動の展開(志願者確保に向けた取り組み)
受験生や進路指導担当者に対して「教育の明星大学」や「体験教育」等、本学の特
色を直接アピールできる機会の拡大を図り、接触者数の拡大を図りました。
また、高校生への入試情報を提供するため、受験雑誌等への積極的な出稿やスマー
トフォン対応のホームページ新設、学部学科別の DM 発送等、学生募集活動を積極的に
展開しました。
・ 受験生接触者数
・ 女子志願者数
・ オープンキャンパス参加者数
・ 高等学校訪問数(延べ)
(昨年度)
(今年度)
45,415 人 →
61,931 人
4,925 人 →
5,722 人
11,600 人 →
11,700 人
412 校 →
677 校
【その他の取り組み】
・
大学案内を補完するための「るるぶ特別編集 明星大学」制作
・
女子学生をターゲットとするオープンキャンパスの案内広告として集英社
「Seventeen」7・9 月号への広告掲載 等
③通信教育課程の充実
勤務経験等の要件を条件として、科目等履修生として保育士資格が取得できる制度
や学校現場からのニーズの高い特別支援学校の教員免許取得に関して、新たに「免許
法認定通信教育」を設け、2014(平成 26)年度入学生からのから募集を開始しました。
(昨年度)
・ 通信教育部入学者数(正科生)
・ 通信教育部入学者数(科目等履修生)
・
入学説明会実施回数
(今年度)
1,970 人 →
2,120 人
881 人 →
1,006 人
52 回 →
62 回
(2)個別指導・支援体制の強化
①個別指導・支援体制の強化
全学的に学生支援体制を充実させるために、教職員間や関係部署間の情報共有を促
進し、学生への個別面談を通して、学生の修学意欲の向上を図り、離籍者の抑制に努
めました。
17
(昨年度)
・
離籍率【ロードマップ(3)】
6.5%
(今年度)
→
5.5%
②奨学金制度の充実
大学独自の奨学金として、「明星大学奨学金」「勤労奨学金」
「同窓会奨学金」
「スカ
ラシップ入試奨学金」「修学支援緊急奨学金」「児童福祉奨学金」等の奨学金事業を展
開し経済的支援を行いました。
また、オープンキャンパスや学内イベントにおける勤労奨学生の活躍を踏まえ、
「勤
労奨学金制度」の人数枠を拡大しました。
(昨年度)
・ 奨学金授与額
・
(今年度)
約 1 億 7 千万円 → 約 2 億 2 千万円
勤労奨学金制度人数
150 人 →
157 人
③学友会活動の活発化支援
部活動やサークル活動に参加する学生を拡大するため、入学式におけるクラブ紹介、
新入生勧誘期間の延長、学友会説明会回数の増加、オープンキャンパスにおける「ク
ラブ見学ツアー」などの取り組みを行いました。
(昨年度)
・ 学友会団体参加率
40%
(今年度)
→
47%
④保護者への積極的な情報提供による連携強化
学生カルテ、学習ポートフォリオ等を活用した学生の個別指導の内容や授業の出席
状況等の情報、また、学科のオリジナルサイトを通して、学部支援室等から保護者へ
の情報提供を行いました。
また、保護者の大学へのニーズを詳細に把握するため、保護者対象のアンケートの
実施や育星会※事務局と連携して育星会総会及び地区懇談会を開催しました。
※
学生の保護者で構成する会
(昨年度) (今年度)
・ 育星会地区懇談会参加世帯数
・ 育星会地区懇談会参加者数
728 世帯
→ 796 世帯
943 人
→ 1,081 人
(3)初年次教育・支援体制の充実
全学共通初年次教育の必修科目である「自立と体験1」の科目担当教員に対する授
業手法や教案理解に関する研修会の実施、授業運営に関する研修会の実施、授業運営
に関する情報交換の機会の充実を図ることで、単位修得率が向上しました。
(昨年度)
・「自立と体験1」単位修得率
91.0%
18
(今年度)
→
91.5%
(4)キャリア教育の充実と就職支援体制の強化
①キャリア教育の充実と全学的展開
昨年度から新たに設置した全学キャリア教育である「自立と体験3」
「自立と体験4」
では、教案及び教材の見直し等、科目の充実を図りました。
次年度以降、「自立と体験4」の履修者減少を鑑みて、学部学科での履修ガイダンス
での案内強化等、より多くの学生が受講するための取り組みを充実させます。
また、全学的キャリア教育体制を推進するため、キャリア教育担当の実務家教員(特
任教員)の所属を学部から明星教育センターへと変更を行いました。
(昨年度)
・
「自立と体験3」履修者数
(今年度)
208 人
→
235 人
・
「自立と体験3」単位修得率
83.4%
→
84.1%
・
「自立と体験4」履修者数
408 人
→
203 人
・
「自立と体験4」単位修得率
91.0%
→
91.5%
②就職支援体制の充実
キャリアセンターを中心に、企業との接触機会の拡大や新たな業種別、目的別の講
座・ガイダンスの開講等、就職支援体制の強化を図りました。
また、教職センターを中心に、教員採用試験対策として、これまで学年にかかわら
ず行っていた対策講座を、1・2 年生を対象とした教員採用試験スタートアップ講座を学
年ごとの目的別講座に変更し、また新たに理数系に特化した対策講座を実施する等、
教員採用試験対策講座を充実させました。
(昨年度)
・企業来訪・訪問件数
1,316 件
・インターンシップ参加者数(延べ)
・求人件数
(今年度)
→
467 人 →
1,533 件
778 人
5,125 件
→
5,981 件
・上場企業進路決定率
8.8%
→
13.3%
・教員採用試験名簿登載者数(5 月 1 日現在の届出)
32 人
→
90 人
【合同企業セミナー】
【出陣式】
19
(5)教育の質的転換に向けた取り組み
①教育の質的転換に向けた取り組み(人材養成の目的に沿った授業運営の実践)
昨年度に見直しを行った学部学科の「人材養成の目的」に基づく、より体系的な学
士課程教育を目指して、今年度はアドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、
ディプロマポリシーの見直しを行うとともに、教育課程の整合性について検証を進め
ました。
②科目のナンバーリング
現在、科目のナンバーリング作業を進めており、平成 26 年度以内には全ての作業が
終了する予定です。
③FD 活動の推進
全学的な FD 活動は、
「全学 FD 委員会」が企画・立案し、昨年度と同様に次のテーマ
で 2 回実施しました。
・ 7 月「アクティブラーニングによる授業実践」
・ 12 月「学生の主体的な取り組み報告」
また、部局別の FD 活動は学部長が中心となって企画・立案し、部局の専門性を考慮
したうえで、「授業改善」を主なテーマとして実施しました。
④授業アンケートの活用による教育の質の向上
「学生による授業アンケート」の結果を授業改善に効果的に活用するため、ICT を活
用したシステムを導入するとともに、アンケート項目の見直しを行いました。
ICT の導入により、科目ごとのアンケート項目の設定や、アンケート結果の即時集計
が可能となり、アンケートがより有効活用できるようになりました。
今後は、ICT を活用した「学生による授業アンケート」を学生に周知することで、回
答者数の増加を図ります。
(昨年度)
・対象授業数
3,485
・回答学生数(延べ)
93,447 人
(今年度)
→
4,116
→ 71,140 人
⑤大学院の充実と検討
各研究科・専攻の「人材養成の目的」を基に、教育課程の検証を行いながらアドミ
ッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーの見直しを行いまし
た。また、博士論文等の研究成果を広く社会に発信するため、学術機関リポジトリを
設置しました。
⑥ボランティア活動への支援体制の充実
ボランティアセンターが保有する活動分野別に整理されたボランティア募集情報や、
ボランティア団体の登録制度を通した学外のボランティア情報を学生に周知すること
で、学生のボランティア参加促進を図りました。
また、昨年度に引き続き「東日本大震災」の被災地におけるボランティア活動とし
20
て、いわき明星大学と合同ボランティア研修を実施し、いわき市内における復興支援
活動に 2 回参加しました。
なお、ボランティア活動と教育課程の連携を目的に、2014 年度入学者を対象とした
「ボランティア実践 1・2」の設置に向けた準備を進めました。
(昨年度) (今年度)
・ボランティア活動参加学生数
4,143 人
・学外ボランティア団体登録数
→ 4,944 人
97 件 →
112 件
【ボランティア活動】
2011 年 3 月に起きた「東日本大震災」
による被災地への組織的・継続的なボラ
ンティア活動を行っています。昨年は、
いわき明星大学と合同で、清掃活動や仮
設住宅への訪問等、2 回の支援活動を行
いました。
(写真は福島県いわき市フラワーセンタ
ーでのボランティアの様子)
(6)大学の国際化の推進
外国人留学生の受け入れ拡大のため、海外学術提携校の新規開拓や在日日本語学校
との指定校制度の拡大、本学教員の海外派遣、入学試験の出願資格に係る日本語能力
の見直し等、留学生受け入れに係る取り組みを強化しました。
併せて、外国人留学生への支援として、日本語記述力講座やリメディアル授業の実
施による日本語学習の支援や、留学生交流会や毎月行う個別面談など、個々の学生の
ニーズに即した支援を行いました。また、本学教員の海外派遣においては、日本語教
師としてタイ王国へ 1 名の派遣を行いました。
(昨年度) (今年度)
・海外学術交流提携校数
41 校
・留学生数【前期/後期】
25 人/40 人 →
・認定留学派遣学生【通年/前期/後期】
→
42 校
42 人/44 人
15 人/4 人/2 人 → 19 人/14 人/12 人
(7)新たな附属教育研究機関の設置
発達障害に関する社会的な要望に応えるため、附属教育研究機関として発達支援研
究センターを設置しました。平成 25 年度に設置準備を進め、平成 26 年度より本学の
附属教育研究機関として出発しました。これにより、本学は発達障害研究機関として
それに係る研究の充実を図るとともに、学内外へ発信することとなりました。
21
(8)自己点検評価活動の推進と情報公開体制の充実
①自己点検評価活動の推進
MI21 プロジェクト活動の充実を図るため、今年度は全学戦略マップ及び全学バラン
スコアカードの見直しを行うことで、より効率的なプロジェクト活動を推進しました。
また、新たな学生支援の構築の準備として、GPA、就職内定率、SPI との相関関係、
学力実態調査と入試結果の関係等、部署横断型の多角的な分析を行いました。
更に、今年度は学長の下に設置している「明星大学自己点検・自己評価基本方針策
定委員会」での方針に基づき、各部局で策定した改善計画を推進し、2014(平成 26)
年 7 月に大学基準協会へ提出する改善報告書の作成を進めました。
②情報公開体制の充実
2014(平成 26)年秋に本格稼働する大学ポートレートへ対応するため、掲載項目等
の検討に着手しました。
また、学内基本情報の共有化を図るため、「大学ファクトブック(仮称)」の作成や
学内基本情報の発信方法の検討に着手しました。
(9)地域に立脚した教育の推進
大学が持つ知財を広く地域社会に還元するために、50 周年記念事業と連携しながら、
より充実させた公開講座、学部学科のイベント、稀覯書展等を積極的に展開しました。
併せて、大学図書館の地域住民への開放も、今年度より開始しました。
また、社会貢献の一環として、地方自治体との包括協定締結に向けての協議を進め
ました。
(10)施設設備の充実
①改組改編等に伴う施設設備の充実
2010(平成 22)年度に開設した教育学部及び 2014(平成 26)年度開設のデザイン学
部の教育環境を整備・充実させるため、2015(平成 27)年 2 月竣工予定の新棟 32・33
号館の建設事業を進めています。
また、本学が保有する稀覯書や歴史的資料を学生や研究者及び地域社会に公開でき
る環境を整備するため、2014(平成 26)年 9 月の竣工を目指し資料図書館の改修事業
を進めています。
②教育環境を充実させるための施設・設備の整備
今年度、私立大学等教育研究活性化設備整備費補助金の採択により、学生の主体的
な学びを促すための ICT 環境を備えたラーニングコモンズを整備しました。
また、学生の教育環境の充実を目指し、学生の持つスマートフォン等の様々な端末
に対応するため、ネットワーク環境の整備を促進しました。
22
③クラブ活動の活性化のための環境整備
運動系クラブの学生支援の一環として、2014 年 2 月に学生寮を竣工しました。
④地球温暖化対策
地球温暖化対策として今年度は、大学施設の照明設備の LED 化を推進した結果、12
月末までで電気使用量を昨年度比で 95%に抑えることができました。
(11)大学運営基盤の充実に向けた組織改革の推進
①職員研修の充実
「仕事を通じて自分を育て、人を育てる職場環境」を基盤として、長期的視野にた
った体系的・継続的教育の取り組みを行っています。
今年度は、各課の課長が中心となり立案する「部署別 SD」の他に、管理職(課長)
を対象とした研修や勤務経験の短い教職員を対象とした教職共同研修等、職位や経験
年数に応じた職員研修を実施しました。
また、職員が大学院等へ進学する際の要件、及び経済的支援体制を整備し、より職
員がスキルの向上を図ることができる支援体制を確立しました。
(昨年度) (今年度)
・部署別 SD 開催件数
38 件 → 115 件
②現行業務の抜本的見直し
学生支援業務や戦略的業務の推進体制を充実させるため、現行業務の抜本的見直し
を推進しました。特に、通信教育部においては新たにコールセンターを設置し、これ
までのルーチンワーク業務の削減を積極的に行いました。見直しの結果、今年度は昨
年度比で 10.4%の時間外勤務時間の削減を達成しました。
③全学的なコンプライアンス体制の強化やリスク管理の強化
個人情報管理の一貫として、大学保有の個人情報の学外への不適切流出を回避する
ために、大学で使用する各種様式の見直しを行いました。
また、コンプライアンス体制の強化の一環として、新たに利益相反マネジメント体
制、安全保障輸出管理体制及び研究成果有体物に関する管理体制の整備を行いました。
(12)50 周年記念事業の推進
2014(平成 26)年度に創立 50 周年を迎えるにあたり、本学の社会的使命について見
直す節目ととらえ、ステークホルダーとのコミュニケーション活動を積極的に展開す
る機会と位置づけて、
「
『教育の明星大学』の具現化」
「教育環境や学生生活環境の充実」
「大学の知財の発信」を目的とした、各種事業を推進しました。
①公開講座
今年度は、4 つのテーマで計 7 日間に亘り公開講座を行いました。
・ 「夏季講座~『源氏物語』とその時代~」
(人文学日本文化学科)
23
・ 「秋季講座~『レ・ミゼラブル』とその時代~」
(人文学部日本文化学科)
・ 「中国経済の現状と課題」(経済学経済学科)
・
「子どもの育ちが危うい時代の子育てと教育とを考える」
(心理相談センター)
②稀覯書展
大学所蔵の文化的・歴史的価値の高い貴重書等を、50 周年記念事業の稀覯書展とし
て開催しました。
第 1 回:江戸時代の科学~明星大学所蔵資料が伝える学問の熱気
第 2 回:ダンテ『神曲』
第 3 回:デカルトの手紙、カントの手紙
第 4 回:Zipangu から Japan へ~『東方見聞録』から『日本誌』
第 5 回:刊行 400 年ガリレオ・ガリレイ『太陽の黒点についての手紙』展
第 6 回:シーボルトがみた日本の自然~江戸時代の博物学~
第 7 回:小泉八雲に描かれた日野、青梅~ほどくぼ小僧と雪女~
③学生参加プロジェクト
学生や教職員が、「教育の明星大学」を具現化するイベントを自ら企画し、開催しま
した。
・ MEISEI ROCK FESTIVAL 主催:軽音楽部・フォークソング部・Liberty Bell
④奨学金基金のための募金活動
明星大学では、
(1)日野校における新しい教育棟の建設(32・33 号館)、(2)奨学
金制度の充実及び留学生支援を目的に募金活動を行いました。募集期間は 2014 年 1 月
から 2016 年 3 月までとなります。
⑤大学の社会的認知度の向上(50 周年記念特別広報活動の推進)
本学の社会的認知度の向上及び「教育の明星大学」ブランドを確立するため、
「教育
の明星大学」をメインコピーとした 6 つの広告作品を制作し、日本経済、朝日、毎日、
読売、東京新聞等の他、週刊誌、女性誌等に出稿するとともに、社会的認知度の向上
のため、本学の歴史や教育方針とあわせて、大学創立 50 周年記念事業をマスコミやオ
ピニオンリーダーに紹介するイベントを開催しました。
【受賞広告賞】
・毎日新聞社主催:
『第 81 回毎日広告デザイン賞・第 3 部:広告主参加作品の部-
準部門賞(放送、教育)
』
・光文社主催:
『第 47 回読者がえらぶカラー広告コンクール(
「女性自身」広告賞)
』
24
明星大学 ロードマップ
2009(平成 21)~2013(平成 25)年度 経年推移表
・ロードマップ(1)
進路決定率
・ロードマップ(2)
志願者数
・ロードマップ(3)
離籍率(留年率)
・ロードマップ(4)
科学研究費応募件数
・ロードマップ(5)
帰属収支差額比率
25
ロードマップ(1)
進路決定率
※進路決定率=進路決定者数/卒業者数
ロードマップ(2)
※内定率=就職決定者数/就職希望者数
志願者数
26
ロードマップ(3)
離籍率(留年率)
ロードマップ(4)
科学研究費応募件数
ロードマップ(5)
帰属収支差額比率
27
いわき明星大学
1.基本方針
いわき明星大学は、
「全人教育に基づいた、地域社会に貢献できる人の育成」を教育目
標に掲げ、福島県いわき市において 21 世紀を担う人材の育成に努めてきました。
東日本大震災とそれに伴う原発事故の発生から 3 年が経過し、東北地方の被災地には
確実に復興の槌音が響いています。しかし、福島県およびいわき市をはじめとした各市
町村が、未だ原発事故の大きな影響を受け続けているのも事実です。流通業や建設業等
が明るい兆しを見せている一方で、農業や漁業、観光業等においては苦難が続いており、
本学においても福島県外やいわき地域外からの志願者の大幅な減少など学生募集も厳し
い状況が続いています。
このような状況の中、本学は 2013 年度にあらためて本学設立の原点に立ち返り、いわ
き地域が必要とする人材とは何かを明確に踏まえた上で、その人材養成を着実に行うこ
とを目指し、以下の基本方針を掲げて事業を行いました。
【2013 年事業における基本方針】
○地域の人材ニーズを把握し、それに適切に対応した人材養成の目標を明確にして取
り組みます。
○学生一人ひとりの個性を見極め、入学から卒業・就職まできめ細やかに支援・対応
します。
○地域に必要とされる大学として、地域との連携を強化し、地域復興のエンジンとな
る活動を展開します。
○志願者の確保に向け、高校との関係をさらに強化し、志願者が安心して入学できる
ように学修環境を充実させます。
2.重点事業
(1)改組改編の推進
①新たな学部学科体制
・大きく変化した大学を取り巻く環境に対応し、より地域のニーズに応える人材を養
成できるよう、2015(平成 27)年度の開設に向けて学部・学科構成の再編成を進め
ました。既存の科学技術学部を 2015(平成 27)年度から募集停止とし、人文学部を
教養学部地域教養学科に改組転換することで、地域に根ざし、出口像をしっかりと
見据えた実学的な教育を展開する準備を整えました。
②改組転換を契機とした教育の質的転換に向けた取り組み
・各学部学科の 3 つのポリシー(アドミッション・カリキュラム・ディプロマ)を、
全学の教学理念に沿った上で、カリキュラム名の変更等、内容に齟齬が無いよう再
28
整備しました。
・改組改編による教育課程の再編にあたり、より体系的に構築するため、カリキュラ
ムツリーに基づいた検討を進めました。
(2)人材養成の目標の明確化
①人材・能力養成の目標の設定
・地域に貢献する人材・能力養成の目標を、入学者受け入れ、教育課程編成、学位授
与のそれぞれの方針として示し、Web サイト等を利用して学内外に周知しました。
・地域の将来を担う人材を適切に養成するため、地域が必要とする人材や能力につい
て、企業等への調査を実施しました。関東及び東北地方を中心に 306 社の人事・採
用担当者を対象に調査を実施し、その分析結果から、本学の認知度、イメージ、ウ
ィークポイントを見出しました。このデータを人文学部改組改編に際しての基礎資
料として活用しました。
②職業人養成の目標の設定
・いわき市をはじめとした地域に貢献する職業人として、公務員(県庁 1 名、市役所 2
名、福島県警察 1 名、自衛隊 4 名)
、教員(講師 13 名)
、技術職、民間事業に携わる
人材のほか、地域医療の担い手となる薬剤師(33 名)を輩出しました。
③資格取得者の目標
・地域に有為な人材育成の成果指標として、公務員採用試験合格者数、TOEIC IP テス
トのスコアを設定し、公務員採用は 8 名、TOEIC IP スコアは最高点 660 点を達成し
た学生を輩出しました。
・薬学部において薬剤師国家試験合格率の全国平均以上を成果指標として設定し、学
生一人ひとりに対するきめ細かい教育によって、全国平均値 60.84%を上回る 66%
を達成しました。この合格率は、東北地方および北関東地方の薬科系大学の中では
第 2 位でした。
(3)大学の特色となる教育システムの構築
①初年次教育の充実と展開
・全学共通教育科目の「フレッシャーズセミナー」や「基礎演習」、「イグナイト教育
ステップ1A,1B」において、大学の講義の受講の仕方からレポートの作成方法、図
書館の利用方法などの学修方法を理解させ、さらには受動的学修から能動的学修へ
の転換ができるようにグループ学修やポートフォリオを導入した授業を実施しまし
た。
②キャリア教育の充実
・キャリア教育担当の客員教授 2 名を採用し、就職活動を開始する 3 年生の科目「キ
ャリアデザイン 3」において、就職活動の心構えや姿勢など従前当たり前として見過
29
ごされていたことの大切さなど基本的なことから指導しました。さらには、キャリ
アサポートグループで実施していた各種就職支援業務においても種々のアドバイス
を行い、より手厚い就職支援を実施することができました。
・就職に関する情報を学生の保護者と共有し、大学だけでなく家庭も含めてキャリア
サポートができる環境を作るため、大学独自の情報誌「就職定期便」を新規に作成
して年 3 回保護者宛に送付したほか、特設 Web サイトを活用した求人などの就職情
報の提供を行いました。
③地域との学修上での連携
・役所、消防、警察などの公共機関や地元の主要企業から講師等を招聘し、
「災害から
の復興」や「キャリアデザイン」など、地域と連携した講義を実施しました。
・就業体験を通じて学生と企業のマッチングを図る機会として、インターンシップ制
度を充実させ、89 人の学生が地域の仕事についての学び体験をしました。
【災害からの復興
※福島県警】
④授業アンケートの活用による教育の質の向上
・学生による授業アンケートを 553 科目(実験・演習科目、履修者少数科目を除く)
で実施し、前期、後期とも期末にアンケートを実施して次期開始前までに各教員へ
フィードバックを行いました。このことにより次期の授業改善を促し、教育の質の
向上に取り組みました。
⑤学生個別の指導・支援体制の強化
・学生情報を共有化するための学生カルテの試験運用、GPA 等の積極的な活用、全学部
における教員によるチューター制(全学生に対して担当教員を設けて対応する制度)
の導入などにより、学生一人ひとりの状況を把握し、習熟度や学生の状況に合わせ
たきめ細かい教育や指導を実施しました。GPA が基準値より低い学生についてはチュ
ーター、学科主任、学部長さらには保護者も交えた面談などを実施することで、大
学と家庭双方からの学修指導を実施しました。
(4)就職実績の向上
①就職活動に連動する地域との連携強化
・地域企業や同窓会組織と連携し、学生の就職活動の支援促進のため、定期的な情報
交換会等を開催する協議会の発足に向けて調査を行いました。
30
・教員採用実績の向上を図るため、地域の学校との協議会の設立や、採用試験対策や
教職全般の相談窓口として、平成 27 年度の設置を目指し、学修総合支援センター(仮
称)設立の準備を進めました。
②就職活動支援
・学生一人ひとりにマッチングした個別指導を充実させるため、就職担当窓口だけの
対応ではなく、ゼミや部活動等の担当教職員も一丸となって積極的な就職支援を行
いました。
・本学学生が無料で受講できる学内ダブルスクール「IMU ビジネスカレッジ」を、より
就職に直結する資格・技能の取得を目指す内容にするため、公務員・ビジネス講座
基礎編(42 名)
、公務員・ビジネス講座 実践編(8 名)
、簿記講座 3 級(48 名)
、
簿記講座
2 級(7 名)
、PC スキル講座 準 2 級(53 名)、PC スキル講座
2 級(10
名)秘書検定講座(44 名)
、TOEIC スコアアップ講座(9 名)に刷新して実施しまし
た。
【ビジネスカレッジ】
・教職員を対象に、学生就職支援ガイダンスとして、キャリアコンサルタントによる
昨今の就職環境講座、地元大手企業人事担当者による求める人材像講座やキャリア
教育の方向性を考えるワークセッションなどを実施しました。今後もさらにこのよ
うな企画を実施することで、教職協同による全学的な就職支援に取り組んでいきま
す。
(5)学生の大学における活動の活性化(学生支援の強化)
①学友会活動の活性化支援
・学友会活動の活性化のため、剣道部、硬式テニス部、少林寺拳法部、フラダンス愛
好会を指定強化部活動・愛好会に設定したほか、クラブハウスの修繕、改修を行い
ました。クラブハウスの外装も明るく鮮やかな色に一新し、課外活動環境の改善に
取り組みました。
・大学直轄の部活動として、吹奏楽団を新たに発足し、活動を特に強化しました。指
導者のもと楽団員のスキルアップを図る一方、市内外の高校・中学校の吹奏楽部と
の交流を深め、新聞社と共催したソロコンサートの開催など地域の吹奏楽の拠点と
31
して活動の幅を大きく広げました。平成 25 年度は、吹奏楽団関係の種々の企画によ
り、本学キャンパスに延べ 13,000 人以上の生徒、教員、保護者、一般市民を動員し
ました。
【フラダンス愛好会】
【吹奏楽団】※明星大学とのジョイントコンサート
②ボランティア活動への支援体制の充実
・いわき明星大学ボランティアセンターの活動を強化し、積極的な声かけにより、セ
ンター登録学生がより参加しやすい環境を整備しました。
(6)学生支援の強化
①経済的支援
・震災の影響によって経済的打撃が大きく、学習意欲がありながら大学での修学が困
難な状況となっている学生へ修学支援緊急奨学金による支援を継続しました。
・震災以外による原因でも、学習意欲がありながら経済的な理由などから大学での修
学が困難な状況となっている学生への支援を継続しました。
②スカラシップ入試等の実施
・薬学部においては、成績上位者の学費を減免するスカラシップ入試を実施し、4 名(う
ち編入 1 名)が全学免除、18 名が半額免除(うち編入 1 名)
、合計 22 名の入学手続
きがありました。
(7)志願者の確保
①志願者との接触機会の増加
・志願者数は、前年度から 5%増加(H25:428 名→H26:448 名)となりました。特に薬
学部においては薬剤師国家試験の合格実績を的確に伝えることで、本学薬学部の優
れた教育システムへの理解を進め、入学者数が 1.4 倍(H25:60 名→H26:83 名)に増
加しました。
・大学を体験するオープンキャンパスを最重要の入試広報イベントとして位置づけ、
より多くの高校生が来学しやすいよう、高校へのバス送迎および乗降場所を増加さ
せることにより、高校生来場者数を前年度より 1.25 倍増加させることができました。
32
また、募集対象エリアとなる主要都市で高校教員対象に実施していた大学説明会に
あわせ、高校生も参加できる出張オープンキャンパスを企画して、青森、秋田、盛
岡、仙台、山形、福島、郡山、会津若松、水戸、宇都宮の 10 市で実施しました。
・進学説明会等の会場ガイダンスで本学の魅力をより多くの受験生に伝えられるよう、
本学独自の媒体を参加者全員に配布する取り組み等、PR 策を強化しました。進学相
談会および高校内ガイダンスは、福島県および隣接県を重点地域と定め、実施回数
を前年度比で会場ガイダンスは 1.2 倍(H24:142 回→H25:176 回)
、高校内ガイダ
ンスは 1.1 倍(H24:273 回→H25:298 回)増加させました。
・高校への出張講義を 25 回、本学の教室で高校生に講義を提供する大学体験を磐城桜
が丘高校、いわき光洋高校、磐城農業高校の 3 校を対象に実施して、本学の教育に
触れてもらいました。
【オープンキャンパス】
②入試制度の見直し
・志願者層分析に基づき、より適切な入試制度を検討した結果を基に各種入学試験を
実施しました。大きな変更点としては、センター試験利用入試の時期を見直し、3 期
に分けて実施していた同入試を 2 期に統合しました。
③高大連携・高大接続の構築・充実
・高大連携校の拡大を進める一方、既に連携協定を結んでいる高校に対しては、各高
校の特色を活かした連携内容を検討し、出張授業や進路イベントへの協力、施設貸
出等において柔軟に対応する取り組みを行いました。
(8)教職員の能力向上と体制整備
①FD 活動の推進
・全学的な FD 活動として、今年度は初年度教育をキーワードに年間を通して取り組み
ました。年 2 回の全学 FD 研修会では、初年次教育の構築と実践や意義と役割、e ポ
ートフォリオの活用などについて、講演やグループワークによって理解を深めまし
た。研修会の出席率は 9 割を超えており、学内での FD 参加の意識は年々高まってき
ています。なお、欠席者については、当日のビデオを視聴した上で補習課題を提出
することとしました。
33
【FD・SD 研修会 (e ポートフォリオの活用) 2014 年 3 月実施】
②SD 活動の推進
・学外で実施される研修会に積極参加し、得た情報を学内にフィードバックすること
で、自身のプレゼンテーションスキルを向上させる取り組みを行いました。
・
「学生カルテ」
「危機管理マニュアル」
「学生面談」
「トラブル防止アラート」
「広報ツ
ール」といった問題について、課題解決に向けた職員のワーキンググループを設置
して、職員同士が相互に検討・説明する機会を増やし、問題解決能力およびコミュ
ニケーションスキルの向上を図りました。年度末には各ワーキンググループから報
告があり、関連業務の改善につなげることができました。
③業務効率化と事務組織の再整備
・各部署の業務内容を見直し、業務分掌を再整備しました。
・組織間でのワークシェアを推進し、業務に応じた臨時的な人員配置を実施して事務
組織一丸となって業務に取り組むことができる仕組みを作りました。
(9)全学的な情報共有と情報公開体制の整備
①学内基本情報の共有体制の整備
・各学科の持つ教育・研究面の強み・優位性を広報活動に活用できるよう、各学科に
広報担当教員を配置し、情報共有窓口として活動しました。
・学内イントラネット等を活用し、学内外で行われる各種活動を一元化して集約でき
る、全学的な情報共有システムを構築しました。
②社会への教育情報公開体制の整備
・学校教育法施行規則の一部改正に適切に対応し、教育情報を社会に対して公開する
体制整備を進めました。大学 Web サイトに情報公開のページとしてまとめ、情報を
広くわかりやすく公開するよう努めました。
・文部科学省が進めている大学ポートレートへ対応するため、広報部門である学長室
を中心に体制を整備しました。
34
(10)復興事業の推進及び地域連携の強化
①東日本大震災・原発事故からの早期復興
・福島第一原子力発電所事故の影響を継続調査し、行政および農業・漁業事業者等と
連携し、食品・土壌等の放射線について詳細な分析を引き続き行いました。分析結
果を公開し、食品の流通に安全・安心を確保できる役割を果たしました。
・化学的処理および植物・藻類を利用した技法の両面から土壌中の放射線量を軽減す
る研究を継続し、研究成果の利用を促進させました。
・震災の事実を記録し、後世に伝える資料とする震災アーカイブ事業を継続しました。
写真や物品等のほか、専門性の高いスタッフによる被災者へのヒアリングに基づい
た資料を収集し、さらに広く周知するため、写真家や各種団体等のゲストを招いた
トークセッションを 10 月と 2 月の 2 回開催しました。
・本学人文学部心理学科がいわき市と協働し、被災地におけるスクールカウンセリン
グ事業を継続・推進しました。
・ICT 技術を活用し、非常時における避難誘導や生活情報を市民に伝える技術研究を行
いました。
②地域の学校との協力体制の継続・推進
・環境意識の醸成をはじめ、再生可能エネルギー立地として次世代を担う人材を育成
するため、地域の小・中学校を中心に展開している環境エネルギー教育および防災
エネルギー教育を継続・発展して実施しました。
・原発事故警戒区域に立地する高等学校 3 校に対し、大学キャンパス内校舎を仮校舎
として利用できる高校サテライト事業を継続しました。
・楢葉町役場への建物貸与および楢葉町の幼児施設、小・中学校の仮設校舎用地とし
て本学所有地を活用する事業を継続しました。
③東日本国際大学との連携
・地域の大学が連携して実施する「いわき地域復興センター」事業を継続し、それぞ
れの大学が持つ知の資産を復興支援として活用しました。
④地域・企業とのコミュニケーション強化
・地域の小・中学校長の推薦のもとに、理系分野における優秀な人材に対して早期に
高度な化学実験等を体験することで、未来の科学者を育成する「いわきサイエンス
キッズアカデミー」事業を継続・推進しました。
・企業ニーズの把握と的確な情報提供のための接触回数を増やし関係を強化しました。
・企業や学生の希望やニーズを反映した、「学内合同企業セミナー」等のイベントを充
実させました。特に薬学部では学部完成年度を迎え、2 期目の卒業生が対象となった
こともあり、参加企業は全国規模に広がりました。
・同窓会組織との連携を通した企業とのコミュニケーション強化の準備を進めました。
35
いわき明星大学
※就職率=就職決定者数/就職希望者数
平成 25 年度 報告
※進路決定率=進路決定者数/卒業者数
36
※卒業者に占める就職率=就職決定者数/卒業者数
府中校(明星中学高等学校、明星小学校、明星幼稚園)
■府中校全体重要課題
府中校では、幼稚園から高等学校までの子どもたちの成長に対して、長期的な視野で見
通した教育活動を行っています。2013(平成 25)年度は、その総合学園としての取り組み
が一層の成果を生み出すように、1.府中校将来構想の具現化推進、2.府中校の積極的
PR 活動の推進、3.府中校の経営基盤の強化の3点を重要課題として活動しました。
1.府中校将来構想の具現化推進
(1)府中校一貫体制に向けた組織整備
校長・園長及び主要役職者で構成する「府中校連絡会議」を府中校の教育連携に関する
連絡調整機関として位置づけ、週1回 1 年間通して開催することで、情報の共有化を諮
るとともに府中校の年間行事やカリキュラムでの連携について検討し実施しています。
(2)府中校一貫体制に向けたビジョンの明確化
総合学園として教学間が互いに連携し合い、教育の内容の理解に勤め、内部進学者数
の増加のために教育公開を積極的に実施しました。その実施内容は以下のとおりです。
【幼稚園と小学校の連携】
①「にこにこの日」と名付けた連携プログラムを7回
実施(ジャンケン列車・輪になって・おもちゃ屋さ
ん・借り物ゲーム等)
②幼稚園在園児保護者対象説明会の実施
【小学校と中学校の連携】
①英語授業の実施者である英語科教員相互交流
②数学の中高教員の小学校への出前授業「ひらめき算
数」の実施(表裏パズル・油分け算・論理パズル・
魔方陣の解き方等)
③「わくわく理科実験」中学校内部受験希望生対象に中高理科室や明星大学青梅校で
実施
(ペルセウス流星群の観察・スタードームでの中秋の名月観察・理科実験)
④中学受験希望の在校児童および保護者対象説明会の実施
(入試問題にチャレンジ・多読多聴にチャレンジ)
(3)行程表による目標達成型の学校運営
グランドビジョンを共有して、年度別目標の具体的施策を着実に実行します。各校の
執行状況は学期単位・年間単位の成果分析を行い、課題解決に向けた継続的な取り組
みとなるように努めています。
37
2.府中校の積極的 PR 活動の推進
(1)府中校一貫体制の教育を特色とした広報活動の強化
府中校広報委員会により、府中校全体の広報戦略の策定と各校広報活動のサポート
を行うことで、より効果的な広報活動につながってきています。
ホームページのコンテンツ充実とメンテナンスの迅速化について検討を行っていま
す。またマスコミへの積極的な情報提供を行うべく努力しており、今後は併せて広報
活動の効果測定を行い活動の改善を図ります。
(2)明星ファミリーのロイヤリティ定着化と在校生保護者の満足度向上
府中校をご支援いただいている方々との連携活動や情報交換を大切にし、府中校の
活動にご理解をいただきながら信頼関係を深めることに努めました。
在校生保護者に対して府中校の教育方針をご理解いただくとともに、在校生保護者
のニーズを的確に把握して満足度の向上に努めています。
(3)総合学園としてのスケールメリットの活用
明星同窓会ネットワークを活用して卒業生への情報発信や交流機会を増やし、明星
ファミリーとしての一体感を醸成できるように今後も努めていきます。
(4)近隣地域とのコミュニケーションの推進
「近隣地域の清掃活動」
「挨拶運動の実施」等地域に貢献することができる取り組みを
児童・生徒とともに行ってきました。今後とも近隣地域の方々とのコミュニケーショ
ンを通じて府中校の教育活動に対する理解を深めていただけるようにさまざまな活動
を行ってまいります。
3.府中校の経営基盤の強化
(1)危機管理体制の確立
学校内における生徒の事故などへの対応をより強化するために、危機管理マニュア
ルの修正作業を開始しました。「府中校労働安全衛生委員会」の定例会を9回実施し、
教職員の労働環境の整備を進めています。
また、府中校においては、今までネットワーク上で府中校内の情報共有のみ行って
きましたが、今年度より利便性を重視し、大学・法人本部が使用しているポータル・
グループウエア等のソフト「insuite」のアカウントを取得し、本部や大学との情報の
共有化や業務の簡素化がはかられるようにしました。規程・通知等が電子上での管理
となるため、検索などが迅速になり業務の時間短縮が図ることが出来ています。
■明星中学高等学校
明星中学高等学校では、
(1)教科指導の強化、
(2)国際化教育の強化、
(3)生徒全体
の活動支援、
(4)大学進学実績の向上、
(5)志願者の確保に重点を置いて活動しました。
38
(1)教科指導の強化
①教育方法の充実強化
履修内容だけのシラバスではなく、6 ヵ年一貫教育のための到達目標並立型シラバス
の運用をし、高 3 でのゴールイメージを追考するために中 1 からの学習内容を実施、
シラバスの運用を有効化するために、各教科評価観点に基づいた段階的多枝的指導を
行うことが出来ました。
②自立した思考力と行動力を高める教育
教科内で指導法の共有や教材の共有などを充実し、組織授業力を向上させることを
目標に取り組んだ結果、外部の教科指導研究会への参加及び教科内での情報共有化へ
の動きが顕著となりました。また、到達目標並立型シラバスを遂行するにあたり、各
教科でオリジナル教材の開発を始めています。むこう数ヵ年以内の実施に向けて、教
科主任会・職員会議で発信した通り、具体的運用の第一段階に入ります。生徒の自学
習慣の質・量の向上を目指すための企画を立ち上げて、1st ステージの自学指導の流れ
を受けて、2nd ステージでは、能率手帳による自学管理の運用を本格実施し、有効活用
段階に入っています。
(2)国際化教育の強化
①国際的行事の充実
多読多聴の進化、充実を図るとともに、精読の学習も加えつつ、英語教育の成果を
上げることを目標に指導を行い、多読多聴における一定の効果を上げています。さら
に英語力とともに国際感覚を身につけた生
徒の育成を目指し、約 3 ヶ月間の短期留学
制度(ターム留学)を新たに設立。現在 5
名の生徒が制度を使って留学中です(4 月初
旬に帰国予定)
。また、横田基地内ハイスク
ールや、インターナショナルスクール(ASIJ)
などの在日国際機関との連携を図り、国内
で国際観を身につけさせ、海外への興味を
持たせる試みも継続して行っています。
(3)生徒全体の活動支援
①自立した生徒の育成
グループコミュニケーションの手法を使い、生徒の自主性の強化をし、エゴグラム
の A と CP の割合を上げ、責任感のある自立した生徒を育成いたします。現在の高 1 と
中 3 はエゴグラムの数値もよくなっており、学年と連携を更に深め目標数値に近づけ
たいと考えています。
39
②部活動の充実
文化部を中心とした部活の質の向上を目
標に、入学希望者がより興味・関心を抱く
ような魅力ある活動に努めた結果、文化部
が活性化し、入部率も良くなってきていま
す。
③リーダー生徒の推進
各委員会・中央委員会の活性化を目標と
してきたことで、リーダー研修も定期的に実施され、中央委員会のメンバーにも自覚
が出てきています。
(4)大学進学実績の向上
①GMARCH 延べ合格者の増加
中学において、基礎学力の充実とミニマムスタンダードの定着確認を目的とした振
り返りテストを学期ごとに実施。新たな達成目標として定着させることに努めてきま
した。その結果、昨年度の問題を改良し、教科ごとに難易度を修正して基礎学力の定
着度がよりわかりやすくなってきています。
学力向上を図るため、8 月に高 2,3 を対象に後期夏期講習を開講。予想を上回る受
講者を集めることが出来たため、来年度も継続して実施していきたいと考えます。合
宿勉強会については、時期や内容の改善を図ることを検討し、指導教員も増やした結
果、115 名(前年比+21 名)の参加者を集めることができました。
また、補助学習の講座内容、実施形態、指導教員を見直し、各学年間でバランスの
とれた指導ができるように検討した結果、学年を超えて指導を行う意欲ある教員が増
えました。今後は、高 2 の受講生を増やしていきたいと考えています。
(5)志願者の確保
①中学 4 クラス、高校 10 クラスの確保
今までは入試の内数になっていた帰国子女入試を立案し、1 月初旬に実施。明星小学
校学内進学者数を増やすべく、わくわく理科実験だけでなく、算数や国際教育などで
も小中の連携を強化し始めています。今年度の内部進学者は 71 名となりました。
7 月と 11 月の年 2 回中学校訪問を行い、高校入試の増加を図りました。7 月の訪問
では、ほぼ目標とする中学校を訪問し、アピールすることができました。6 月と 11 月
の年 2 回学習塾訪問では、入学入試、高校入試の増加を図り、6 月の訪問では、ほぼ目
標数を達成し、学習塾に対しアピールすることができました。
学校説明会は、質を向上させ、リピーターの増加を図り、入学希望者の増加を目標
に中学 7 回、高校 5 回の学校説明会を実施しました。また、私学協会や、進学塾が主
40
催する外部相談会へ参加し、明星に関心を持ってもらう人数を増やすことを目標に 23
の外部相談会に参加しました。
さらに今年度は雑誌などの広告だけでなく、WEB サイト掲載の充実を図りました。学
校説明会のアンケート分析では、HP を見ての参加者が多いことが判明。業者運営の WEB
サイトからの誘導の効果が見られますので、今後も有効活用をしていきます。
■明星小学校
明星小学校では、(1)確かな学力と豊かな心を身につけるための指導の実践、(2)教
育力・指導力・児童との対応力の強化、
(3)児童・保護者に対する支援体制の充実、
(4)
児童募集力の向上に重点を置いて活動しました。
(1)確かな学力と豊かな心を身につけるための指導の実践
①道徳・躾教育、マナー教育内容の充実
日々の凝念教育を通して集中力を養い、健康を維持し、生活規律の必要性を理解さ
せ、基本的生活習慣が身につく指導を実践しました。集団適応・自他理解・コミュニ
ケーション・対人関係などの人間関係能力の育成に力を入れています。指導部が中心
となり、道徳・躾教育・マナー教育の充実とマナーの向上にも努めています。
②体験教育(くぬぎの時間、宿泊学習、英語教育)の強化
くぬぎの時間については、検討委員会が中
心となり、テーマを決め、1 年生から 6 年生
までの系統性を考えた活動内容を一覧表に
し、全教員に提案。全体目標は、「学んだ力
を活用し、他の課題を解決する力を育てる」
(実践躬行、自ら判断する力をつける、正確
に伝える、感動し表現する力をつける、チャ
レンジの意欲)
、テーマは、
「育つ 育てる」
「自立と共生」を継続し、各学年、つけさ
せたい力(興味関心・実践力・解決力・表現力など)に向けて活動をしています。ま
た、宿泊的行事 1 年「きよさとの教室」
、2 年「緑の教室」、3 年「緑の教室」
、4 年「秋
の学校」、5 年「冬の学校」
、6 年「夏の学校」
「修学旅行」、また、各学年の校外学習あ
るいは、合同活動において、より体験を意識した内容を実施しています。
さらに英語では、6 年間の育成段階一覧表の作成、7 月から多読多聴を実施(シート
作成)
、英検対策の補習を実施、夏休みに明星大学の学生・台湾の小学生との交流活動
を実施(元気玉プロジェクト)
、小中高合同のレシテーションコンテストに参加、中高
と相互の授業参観・意見交換等を行っています。
体験として、7 月 5 日 3・4 年生児童、保護者を対象に、東京理科大学学長藤嶋昭先
生(光触媒の第一人者)をお招きしての講演会を開催。10 月 30 日、31 日に 5 年生を
対象に、大学からの紹介で、「ユメセン」を、10 月 31 日、11 月 1 日に 4 年生を対象に
41
大学との交流で「光る泥だんごづくり」を実施しました。
③基本的生活習慣の定着
各学年の「行動の状況」については、研究部を中心に、内容の確認、見直しを進め
ています。持ち物、生活指導のポイントの一覧表、めざす子ども像と育ちの評価の観
点一覧表については、指導部を中心に、内容の確認、見直しを進めています。指導に
ついては、校長、教頭、そして、指導部を中心に全教員により定着を目指しています。
豊かな心を育てるため、12 月 6 日に東日本大震災で被害に遭われた方をお招きして、
講演会(体験談)を開催しました。
④各教科の基礎・基本の定着、応用・発展の充実
教務部、研究部を中心にさまざまな試みを検討。毎日の漢字・計算、日記指導では、
基礎・基本の継続と反復で成果を上げています。また、毎週水曜日と金曜日の放課後
に実施している「めきめきスタディ」
(3 年生以上)
、その中には中学校と連携している
「ひらめき算数」があります。夏季休業中に行われる 5・6 年生対象のサマースクール
前期では平均 109 人、後期では平均 102 人が参加、基礎・基本コース、演習コース、
発展学習コースに分かれて、効果的な学習を展開しています。さらに。複数授業者に
よる T.T.(算数、体育、くぬぎの時間で実施)では、きめ細やか指導が発揮されてい
ます。児童の成果例として、各種コンクールに参加し、2 年生が「木の家・こんな家に
住みたい」作文コンクールで環境大臣賞、5 年生が全労済作文コンクールで銀賞、6 年
生年賀状コンクールで郵便大賞に入選しています。
(2)教育力・指導力・児童との対応力の強化
①授業力・専門性向上等指導方法の改善
研究部中心に学校全体の研究テーマ「確か
な学力を身につけるための授業の改善と充
実」を意識して、各教科、領域でテーマを決
め、それに向けて、日々研究しています。ま
た、授業研究を年数回行っています。2010
(平成 22)年度に続いての研究集録の発行
を予定しています(3 月発行予定)
。11 月 21
日(木)には、筑波大学附属小学校佐々木昭弘先生をお招きして、理科の授業研究(国
語、学級経営含む)を開催。年間数回、校長による主任研修会、教頭による若手研修
会も開催しています。さらに、財団法人日本私学教育研究所主催研修会、財団法人東
京都私学財団主催講座・セミナー、東初協主催の研修会、日私小連主催の研修会、筑
波大学附属小学校主催の研究会等の外部研修会への参加を積極的に促しています。研
究・研修においては、今後も引き続き意識改革を進めていきます。
42
②変化する社会への対応能力の育成
昨年度に引き続き、主に「21 世紀における私学教育とは」あるいは、現代社会にお
ける「保護者とのかかわり」「クレーム対応」
「多様な子どもにどうかかわるか」
「学校
力・教職員としての危機対応力」などの研修を研究部、指導部を中心に検討を行いま
した。また、教員の対応力強化のため、府中校広報委員会主催(株式会社ヒューマン・
リンク)の応酬トークスキル実践講座(7 月 30 日、31 日)
、生活文化局私学部主催「い
じめ防止対策推進法」(学校の対応)
(2 月 24 日)への参加に加え、事務職員の対応能
力向上のため、法人人事部主催(株式会社コアネット)の事務職員研修(8 月 7 日、8
日)に参加しました。さらに対応能力の育成のため、外部研修会への参加を積極的に
促しています(東初協主催の研修会、日私小連主催の研修会、財団法人東京都私学財
団主催講座・セミナー、財団法人日本私学教育研究所主催講座・セミナー、筑波大学
附属小学校主催の研究会等)。
(3)児童・保護者に対する支援体制の充実
①児童・保護者が抱える問題の解決支援
指導部を中心に、いじめ防止プログラムのアンケートを、全学年を対象に月1回実
施しました。また、教職員用として、
「いじめ・体罰防止マニュアル」の作成と見直し
を行いました。さらに、児童・保護者を対象にカウンセラーの講演も実施しています。
6 月 4 日には 6 年生対象に「心の健康~ストレスについて~」
、6 月 20 日には 5 年生対
象に「思春期の心と体」
、10 月 15 日には 4 年生対象に「思いやりについて」
、10 月 24
日には 3 年生対象に「ふわふわ言葉とちくちく言葉」という演題で開催しました。マ
イルームでは、内容によっては児童・保護者が抱える問題の解決支援を教員との連携
しながら行っています。また、学年あるいは学級懇談会を月 1 回程度開催し、学期に 1
回個人面談を行い、話し合いや情報交換の場としています。学校だより「笑顔」を月 1
回、学年・専科からは「学年通信」
「専科通信」
「月行事予定表」を月 1 回発行。これ
とは別に、1・2 年生は「週だより」を発行しています。
情報の共有を重視し、何かあれば、全職員で集まり話し合いをして、共通理解のも
と解決に向けて努力しています。
②安全教育・安心サービスの充実
4 月、1~3 年生対象に「バス乗車マナー教室」
(協力:京王バス)、1 年生対象に府中警察署
による「交通安全教室」、5 月、全児童・保護
者対象に府中警察署による「セーフティ教室」
「防災教室」を実施しました。また、教職員用
の「不審者への組織的対応マニュアル」の見直
しを行いました。9 月は、防災デーとして児童・
43
教職員全員で防災関係の学習・活動、保護者による引き取り訓練を行いました。
登校時の安全指導(府中、国分寺、正門付近)、下校時の安全指導(1 年生は、府中
駅、国分寺駅まで学年で引率、徒歩児童へは、自転車・徒歩による見回りを実施)を
継続しています。登下校の確認、学校からのメール配信 Hot Con Pass、登下校時の約
束等は継続しています。
現在、緊急対応用の弁当サービスを継続していますが、現在、さらに拡大できない
かを交渉中です。耐震工事(各教室のテレビ、DVD プレーヤーの固定、キャビネット壁
固定)、更衣室の窓ストッパー(落下防止)、昇降口靴箱のシート貼り及び怪我防止の
工事が完了しています。
放課後児童クラブ「明星っ子クラブ」については、2013(平成 25)年度半ばより検
討・具体化を開始し、施設設備を整備することにより、2014(平成 26)年 4 月より開
設します。2014(平成 26)年 3 月末現在の仮申し込み状況は、年間契約者が 4 名、随
時利用者が 87 名となっています。
(4)児童募集力の向上
①戦略的 PR 活動の推進
4 月 17 日幼児教室・塾(132 か所)
、幼稚園(408 か所)
、保育園・所(81 か所)に
リーフレット・学校案内(入試要項)・ポスター・挨拶文等を郵送しました。同時に、
訪問・電話による挨拶、並びに学校近隣店舗にポスター掲示の依頼を行いました。ま
た、幼児教室主催の会、私立小学校情報フェア、私立小学校合同説明会・相談会、東
京都私立学校展に参加し、
理英会模擬試験会場として施設貸出を年 4 回実施しました。
2013(平成 25)年度は、内部向けに学校説明会・授業公開を 1 回、体験授業を 1 回、
外部向けに学校説明会・授業公開を 3 回、19 時からの相談会・説明会を 1 回、体験授
業 2 回を実施しました。特に 2012(平成 24)年度に初めて実施した体験授業は、好評
だったため、2013(平成 25)年度は、回数を増やしました。
また、WEB・新聞・雑誌などさまざまな媒体へ広告を掲載し、京王バス協力によるギ
ャラリーバスは継続して実施しました。7 月 21 日、8 月 4 日には NHK の E テレ「テレ
ビスポーツ教室」で本校にて撮影が行われた番組が放送されました。2014(平成 26)
年 3 月には中央線沿線私立小学校合同相談会に参加し、複数の幼児教室・塾で明星コ
ースが新設されることとなりました。さらに現在、京王線沿線私立小学校相談会の話
が進んでいます。
②受験状況の分析と対策
内部(明星)幼稚園の受験者数は、年長園児数 88 名中 34 名あり、合格者数、入学
手続き完了者も 34 名となりました。外部(一般)の入試結果は、53 名の手続が完了し
ました。例年のように、志願者を幼児教室・塾、幼稚園・保育園(所)
、居住地等に分
類して、その傾向を検討しています。
44
■明星幼稚園
明星幼稚園では、(1)社会的ニーズ、保護者ニーズに応える保育の充実、(2)一人ひ
とりを大切にする保育の実践、(3)教育力・指導力の強化、(4)園児募集力の向上に重
点を置いて活動しました。
(1)社会的ニーズ、保護者ニーズに応える保育の充実
①預かり保育の定着と内容充実
預かり保育初年度にて、利用者の定着と内容の充実に努めてきました。また、実施
後に出てきた課題についても、2014(平成 26)年 4 月に完成する新施設への移行に向
けた計画と準備に活かすべく検討し、次年度に向けて取り組みを始めました。新施設
は 3 月に竣工し、内部の什器などの納品・設置も 3 月末までに完了しました。2013(平
成 25)年度は年間契約者が 18 名、随時利用者が 147 名となりました。2014(平成 26)
年 3 月末現在で、2014(平成 26)年度に利用希望をしている年間契約者は 23 名、随時
利用者は 15 名となっています。
②保護者支援システムの見直し
在園児の保護者も共働きなどの家庭
が増えてきているため、ニーズも多様化
してきています。そこで園行事やカリキ
ュラムの見直しを行い、保護者が参加し
やすい環境を整えるべく検討を開始し
ました。2014(平成 26)年度には現在、
土曜日に実施している誕生会を平日に
移動し、土曜日に保護者会や懇談会を実施できるよう年間計画を練っています。
③給食内容の充実・環境の整備
2013(平成 25)年度より給食を週 2 回実施しました。給食を提供してもらう業者と
も協議を行い、保育室で配膳できる温かいメニューや栄養面・色彩を考えた幼児食を
提供できるようしています。今後も食器の種類やメニューを増やすなど明星幼稚園な
らではの特色ある給食を検討していきます。
(2)一人ひとりを大切にする保育の実践
①個々の成長に応じた指導の実践
月案会議の中で、各学年・クラスの状況や園児の状況報告を行いました。緊急案件
については、都度、現場にて対応し共通理解を図りました。管理職が「すくすく」に
よる情報や教員からの報告を受けて、必要に応じてアドバイスをし、保護者対応を行
いました。
45
(3)教育力・指導力の強化
①教員の質の向上
一学期毎に 1 回園内研究会を行い、保育実
践上の疑問点・問題点等の課題と改善方法を
教員間で共通に理解した上で、さまざまな角
度から意見交換を行っています。預かり保育
導入後は、幼稚園がフル稼働しており、全教
員による集中的な話し合いの場がなかなか
設けられないことから、別途、外部研修施設による研修を実施することで全員のスキ
ルアップと情報共有を図っています。
(4)園児募集力の向上
①未就園児対象事業の充実
未就園児対象のひよこクラスを専任教諭全員が担当することで、明星幼稚園の保育
内容が「教員の顔が見える」生きた広報になってきました。今年度の明星祭では、初
めて入園相談ブースを開設し、ベテラン教員が希望者への説明・相談窓口を行いまし
た。全部で 35 組の相談者があり、明星幼稚園を選択する上での後押しになっていると
いう実感を得られました。また、公開保育を願書配布後の 10 月下旬に 1 回増やしたこ
とが、さらなる希望者増につながりました。
②明星小学校との連携強化
平均月 1 回、明星小学校とのふれあい活動「にこにこの日」を実施しています。園
児の保護者も参観も行い、特に保護者参加型の内容は好評でした。小学校と幼稚園の
教員間で連絡・親睦・情報共有の強化をして、よりよい活動内容を検討して実施して
いきたいと思います。
46
卒業生の進路・就職状況
■明星大学
1.就職・進学状況等
2013(平成 25)年度学部卒業生数は、1,601 名(9 月卒業生を含む)でした。その内大
学院進学者が 53 名、
就職希望者は 1,052 名。
就職決定者数は、999 名と就職決定率は 95.0%
(5 月 1 日現在)でした。
2.卒業・修了、学位授与数等の状況
学
部
学 科
等
学位授与者数
総合理工学科
理工学部
241
物理学科
4
化学科
4
機械システム工学科
4
電気電子システム工学科
6
建築学科
8
環境システム学科
9
機械工学科
1
電気工学科
0
計
85
人間社会学科
76
心理学科
学
人文学部
103
部
日本文化学科
77
福祉実践学科
30
心理・教育学科 心理学専修
9
心理・教育学科 教育学専修
8
計
経済学部
日本文化学部
教育学部
造形芸術学部
235
経営学科
143
情報学科
378
98
計
言語文化学科
98
14
計
教育学科
14
347
計
造形芸術学科
347
83
計
学部 合計
大学院
理工学研究科
388
経済学科
計
情報学部
277
国際コミュニケーション学科
83
1,585
物理学専攻博士前期課程
2
物理学専攻博士後期課程
0
化学専攻博士前期課程
4
47
化学専攻博士後期課程
1
機械工学専攻博士前期課程
3
機械工学専攻博士後期課程
0
電気工学専攻博士前期課程
1
電気工学専攻博士後期課程
0
建築・建設工学専攻博士前期課程
2
建築・建設工学専攻博士後期課程
0
環境システム学専攻博士前期課程
6
環境システム学専攻博士後期課程
1
(単位取得済退学者)
計
人文学研究科
20
英米文学専攻博士前期課程
3
英米文学専攻博士後期課程
0
社会学専攻博士前期課程
1
社会学専攻博士後期課程
0
心理学専攻博士前期課程
11
心理学専攻博士後期課程
2
(論文博士 2 名)
教育学専攻博士前期課程
2
教育学専攻博士後期課程
0
計
経済学研究科
情報学研究科
応用経済学専攻修士課程
計
19
7
7
情報学専攻博士前期課程
1
情報学専攻博士後期課程
0
計
1
大学院 合計
47
学部・大学院 総計
1,632
3.主な内定企業先(2013(平成 25)年度)
(理工)東日本旅客鉄道、関電工、関東電気保安協会、大成建設、前田道路、竹中
道路、東亜道路工業、オンワード樫山、トランスコスモス、セントラル警
備保障、日本ハウズイング、タマホーム、公立高等学校教諭、警視庁など
(人文)日本郵政、日本郵便、西武信用金庫、多摩信用金庫、日本通運、積水ハウ
ス、ヒューマントラスト、ベネッセスタイルケア、ニチイケアパレス、東
京都社会福祉事業団、公立小学校教諭、法務省、防衛省、東京都庁、警視
庁、神奈川県警察本部、横浜市役所など
(経済)四国銀行、日本郵便、損害保険ジャパン、伊藤園、文化シヤッター、鹿島
道路、船井総合研究所、綜合警備保障、最高裁判所、防衛省、東京消防庁、
八王子市役所など
(情報)日本郵政、日本郵便、チヨダ、アイレックス、警視庁など
48
(造形芸術)イオンファンタジー、アパグループ、カインズ、タマホーム、東京ア
ートなど
(教育)公立小学校教諭、公立中学校教諭、公立特別支援学校教諭、東京地下鉄、
埼玉県警察本部、茨城県警察本部、大田区役所など
■いわき明星大学
1.就職・進学状況等
2013(平成 25)年度卒業生総数は、365 名でした。その内、大学院等進学者が 8 名、
就職希望者数は 300 名。就職決定者数は 270 名となり、就職率は 90.0%(4 月 1 日現
在)でした。
2.卒業・修了、学位授与数等の状況
学
科学技術学部
学部
人文学部
部
学
科
等
学位授与者数
科学技術学科
117
心理学科
71
現代社会学科
63
表現文化学科
68
計
薬学部
薬学科(6年制)
46
合計
理工学研究科
大学院
人文学研究科
202
365
物質理学専攻修士課程
3
物理工学専攻修士課程
4
物質理工学専攻博士課程
0
計
7
日本文学専攻修士課程
0
日本文学専攻博士課程
0
英米文学専攻修士課程
0
社会学専攻修士課程
2
臨床心理学専攻修士課程
6
計
大学院 合計
学部・大学院
総計
8
15
380
3.主な内定先企業(2013(平成 25)年度)
薬学部の主な内定先は、学校法人医学アカデミー、株式会社インテリム、かしま病
院、カメイ株式会社、筑波大学附属病院、東北労災病院、福島労災病院、北海道大学
附属病院などです。
科学技術学部の主な内定先は、京西テクノス株式会社、クリナップ株式会社、常磐
共同火力株式会社、昭和アステック株式会社、東京電力株式会社、東北アヲハタ株式
会社、株式会社ミライト、株式会社ヨークベニマルなどです。
人文学部の主な内定先は、会津若松市役所、いわき市役所、クリナップ株式会社、
49
積水ハウス株式会社、株式会社大東銀行、株式会社ニトリ、福島県人事委員会、株式
会社みずほ銀行などです。
■明星中学高等学校
1.中学校卒業者の進学状況
2013 年度中学校卒業生総数 173 名。そのうち、明星高等学校進学者は 154 名、他校
進学者は 19 名。
2.高等学校卒業者の進学状況
2013 年度高等学校卒業生総数 302 名。そのうち、4年制大学現役進学者は 228 名、
短期大学進学者は 7 名、専門学校進学者は 19 名、進学準備他は 45 名、就職は 3 名。
3.主な合格実績大学(2013(平成 25)年度)
(国公立)筑波大学、鹿児島大学、都留文科大学
(私 立)早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、明治大学、
青山学院大学、中央大学、法政大学、学習院大学、日本大学、東洋大学、
駒澤大学、専修大学、北里大学、國學院大学、芝浦工業大学、
昭和薬科大学、白百合女子大、成蹊大学、成城大学、多摩大学、玉川大学、
帝京大学、東京経済大学、東京工科大学、東京電機大学、東京女子大学、
東京都市大学、東京農業大学、東京薬科大学、同志社大学、獨協大学、
日本女子大学、明治学院大学、明星大学、武蔵大学、立命館大学
■明星小学校
2013 年度卒業児童総数 110 名。そのうち、明星中学校進学者は 71 名、他校進学者は
39 名です。
■明星幼稚園
2013 年度卒業園児総数 89 名。そのうち、明星小学校進学者は 34 名、他校進学者は 55
名です。
50
Ⅲ.2013 年度財務の概要
2013(平成 25)年度決算について
※ 文部科学省により定められた「学校法人会計基準」に従い、学校法人の計算書類には、
次の 3 種類があります。
① 資金収支計算書
資金収支計算は、当該会計年度の諸活動に対応するすべての収入及び支出の内
容並びに当該関係年度における支払資金の収入及び支出のてん末を明らかにする
ために行うものです。
② 消費収支計算書
消費収支計算は、消費収入を当該会計年度の帰属収入(学校法人の負債となら
ない収入)から基本金に組み入れる額を控除して計算し、消費支出を当該会計年
度において消費する資産の取得価額及び用役の対価に基づいて計算して、消費収
入と消費支出を対照して行うものです。消費収入と消費支出の均衡の状態を明らか
にし、経営状況を表します。
③ 貸借対照表
貸借対照表は、当該会計年度末における資産・負債・基本金・消費収支差額の財政
状態を表すものです。
■資金収支計算書
資料:資金収支計算書(別添資料2)
収入について、学生生徒等納付金収入は対予算比 184 百万円の減少となりました。ま
た補助金収入については対予算比 9 百万円の減少となりました。
収入の部
科目
学生生徒等納付金収入
手数料収入
寄付金収入
補助金収入
資産運用収入
資産売却収入
事業収入
雑収入
借入金等収入
前受金収入
その他の収入
資金収入調整勘定
前年度繰越支払資金
収入の部合計
H25年度予算
14,556
392
34
2,288
337
4,173
147
218
0
2,698
916
▲ 3,115
9,842
32,486
(単位:百万円)
H25年度決算
差異
14,372
▲ 184
372
▲ 20
68
34
2,279
▲ 9
327
▲ 10
9,268
5,095
123
▲ 24
378
160
0
0
2,489
▲ 209
859
▲ 57
▲ 3,070
45
9,842
0
37,305
4,819
支出については人件費支出が対予算比 88 百万円の増加、教育研究経費支出および管理
経費支出については、それぞれ対予算比 360 百万円、240 百万円の減少となり、施設関係
支出については対予算比 188 百万円の減少、設備関係支出については対予算比 67 百万円
51
の減少となりました。
支出の部
科目
人件費支出
教育研究経費支出
管理経費支出
借入金等利息支出
借入金等返済支出
施設関係支出
設備関係支出
資産運用支出
その他の支出
予備費
資金支出調整勘定
次年度繰越支払資金
支出の部合計
H25年度予算
10,598
4,304
1,793
0
0
814
579
6,075
1,849
500
▲ 1,215
7,188
32,486
(単位:百万円)
H25年度決算
差異
10,686
88
3,944
▲ 360
1,553
▲ 240
0
0
0
0
626
▲ 188
512
▲ 67
12,300
6,225
1,846
▲ 3
0
▲ 500
▲ 1,554
▲ 339
7,392
204
37,305
4,819
収入及び支出の部合計は対予算比 4,819 百万円増加の 37,305 百万円となり、次年度繰
越支払資金は、対予算比 204 百万円増加の 7,392 百万円となりました。
■消費収支計算書
資料:消費収支計算書(別添資料3)
学生生徒等納付金、補助金、雑収入などの本学苑に帰属する帰属収入については 18,232
百万円となり対予算比 211 百万円の増加となりました。帰属収入から基本金組入額合計
を差し引いた消費収入の合計は、対予算比 419 百万円増加の 18,232 百万円となりました。
消費収入の部
科目
学生生徒等納付金
手数料
寄付金
補助金
資産運用収入
資産売却差額
事業収入
雑収入
帰属収入合計
基本金組入額合計
消費収入の部合計
H25年度予算
14,556
392
68
2,288
337
15
147
218
18,021
▲ 208
17,813
(単位:百万円)
H25年度決算
差異
14,372
▲ 184
372
▲ 20
113
45
2,279
▲ 9
327
▲ 10
269
254
123
▲ 24
378
160
18,232
211
0
208
18,232
419
人件費、教育研究経費および管理経費等の消費支出の合計については、20,279 百万円
となり、対予算比 667 百万円の減少となりました。この結果、消費収入から消費支出を
差し引いた消費収支については、2,047 百万円の消費支出超過となりました。これに、前
年度繰越消費支出超過額を合算し、基本金取崩額 1,350 百万円を差し引いた翌年度繰越
消費支出超過額は、18,256 百万円となりました。
52
消費支出の部
科目
人件費
教育研究経費
管理経費
借入金等利息
資産処分差額
徴収不能引当金繰入額
徴収不能額
予備費
消費支出の部合計
当年度消費収支差額
前年度繰越消費収支差額
基本金取崩額
翌年度繰越消費収支差額
H25年度予算
10,517
7,601
2,114
0
213
0
0
500
20,946
▲ 3,132
▲ 17,560
0
▲ 20,692
(単位:百万円)
H25年度決算
差異
10,702
185
7,224
▲ 377
1,990
▲ 124
0
0
362
149
0
0
0
0
0
▲ 500
20,279
▲ 667
▲ 2,047
1,085
▲ 17,560
0
1,350
1,350
▲ 18,256
2,436
■貸借対照表
資料:貸借対照表(別添資料4)
資産の総額は、129,686 百万円で、前年度と比較して 1,990 百万円(1.5%)の減少と
なりました。その内訳は、有形固定資産が 2,875 百万円(3.4%)減少して 82,793 百万円
となり、その他の固定資産が 2,089 百万円(7.1%)増加して 31,379 百万円となり、流
動資産が 1,204 百万円(7.2%)減少して 15,513 百万円となりました。
資産の部
科目
固定資産
有形固定資産
その他の固定資産
流動資産
資産の部合計
本年度末
114,172
82,793
31,379
15,513
129,686
(単位:百万円)
前年度末
増減
114,958
▲ 786
85,668
▲ 2,875
29,290
2,089
16,718
▲ 1,204
131,676
▲ 1,990
負債の総額は 7,445 百万円で、前年度末と比較して 57 百万円(0.8%)の増加となりま
した。 基本金は 140,497 百万円で、第1号基本金の取崩しを行ったこともあり前年度と
比較して 1,350 百万円の減少となりました。
負債の部
科目
固定負債
流動負債
負債の部合計
基本金の部
第1号基本金
第2号基本金
第3号基本金
第4号基本金
基本金の部合計
消費収支差額の部
消費収支差額の部合計
負債の部・基本金の部及び
消費収支差額の部合計
本年度末
3,090
4,355
7,445
(単位:百万円)
前年度末
増減
3,077
13
4,311
44
7,389
57
134,054
0
5,026
1,417
140,497
135,405
0
5,026
1,417
141,847
▲ 1,350
0
0
0
▲ 1,350
▲ 18,257
▲ 17,560
▲ 696
129,686
131,676
▲ 1,990
53
■財産目録
資料:財産目録(別添資料5)
本学苑の 2013 年度末時点の財産は、別添資料5のとおりです。
■監査報告
資料:監査報告書(別添資料6)
2013 年度の財産の状況および会計処理について、公認会計士の監査ならびに監事の監
査を別添資料6のとおり受けました。
54
経年推移比較
■資金収支の推移
資金収入及び資金支出は年度ごとにその規模(金額)が変動していますが、これは年
度ごとに学校の教育研究活動等の状況や資産運用における運用状況が変わることによる
ものです。次年度への繰越支払資金としては、施設設備の整備などに伴い減少が生じる
こともありますが、経営のための運用資金としては大きな影響はありません。
資金収入
資金支出
単位:百万円
60,000
50,000
43,724
その他の収入
48,184
前受金収入
40,420
40,000
単位:百万円
50,000
33,601
40,000
借入金等収入
33,641
30,533
雑収入
34,260
資産売却収入
20,000
10,000
借入金等返済支出
20,000
借入金等利息支出
管理経費支出
10,000
教育研究経費支出
寄付金収入
手数料収入
0
資産運用支出
施設関係支出
資産運用収入
補助金収入
32,472 31,467
設備関係支出
30,000
事業収入
30,000
その他の支出
35,891
人件費支出
0
学生生徒等納付金収入
科目
学生生徒等納付金収入
手数料収入
寄付金収入
補助金収入
資産運用収入
資産売却収入
事業収入
雑収入
借入金等収入
前受金収入
その他の収入
資金収入調整勘定
前年度繰越支払資金
資金収入合計
人件費支出
教育研究経費支出
管理経費支出
借入金等利息支出
借入金等返済支出
施設関係支出
設備関係支出
資産運用支出
その他の支出
資金支出調整勘定
次年度繰越支払資金
資金支出合計
H21年度
13,594
310
77
2,121
394
27,390
158
419
0
2,845
876
▲ 3,097
8,182
53,268
10,627
3,629
1,451
0
0
304
482
25,943
1,288
▲ 1,104
10,649
53,268
H22年度
13,979
343
40
2,222
337
11,432
148
849
0
2,781
1,471
▲ 3,706
10,649
40,544
11,946
3,329
1,277
0
0
719
379
15,062
1,548
▲ 992
7,276
40,544
H23年度
14,245
358
33
2,642
338
18,246
132
549
0
2,476
1,399
▲ 3,370
7,276
44,326
10,675
3,966
1,431
0
0
188
548
17,434
1,650
▲ 1,669
10,103
44,326
(単位:百万円)
H24年度
H25年度
14,071
14,372
376
372
36
68
2,453
2,279
350
327
12,130
9,268
130
123
376
378
0
0
2,607
2,489
1,113
859
▲ 2,839
▲ 3,070
10,103
9,842
40,905
37,305
10,557
10,686
3,466
3,944
1,419
1,553
1
0
0
0
282
626
356
512
14,348
12,300
2,043
1,846
▲ 1,409
▲ 1,554
9,842
7,392
40,905
37,305
【注】
・資金収入のグラフは上表の資金収入合計から資金収入調整勘定と前年度繰越支払資金を除いた金額。
・資金支出のグラフは上表の資金収入合計から資金支出調整勘定と次年度繰越支払資金を除いた金額。
55
■消費収支の推移
消費収支は、消費支出超過額が平成 24 年度には平成 21 年度からほぼ半減するなど改
善傾向にあります。平成 25 年度は施設設備の整備や周年事業経費など限定的な支出が発
生したため平成 24 年度より支出が増加しました。
消費収入(帰属収入)
20,000
17,158
18,021 18,352 17,941 18,232
消費支出
単位:百万円
単位:百万円
25,000
19,883
雑収入
15,000
21,131
20,014 19,504 20,279
20,000
徴収不能額
事業収入
10,000
資産処分差額
資産運用収入
借入金等利息
10,000
補助金
5,000
徴収不能引当金繰入額
15,000
資産売却差額
管理経費
寄付金
5,000
教育研究経費
手数料
0
科目
学生生徒等納付金
手数料
寄付金
補助金
資産運用収入
資産売却差額
事業収入
雑収入
帰属収入合計
基本金組入額合計
消費収入合計
人件費
教育研究経費
管理経費
借入金等利息
資産処分差額
徴収不能引当金繰入額
徴収不能額
消費支出合計
当年度消費収支差額
前年度繰越消費収支差額
基本金取崩額
翌年度繰越消費収支差額
H21年度
13,594
310
110
2,121
394
52
158
419
17,158
▲ 434
16,724
10,643
7,261
1,772
0
207
0
1
19,883
▲ 3,158
▲ 10,973
0
▲ 14,131
人件費
0
学生生徒等納付金
H22年度
13,979
343
85
2,222
338
58
148
849
18,021
▲ 238
17,783
11,870
7,486
1,722
0
55
0
0
21,131
▲ 3,348
▲ 14,131
0
▲ 17,480
H23年度
14,245
358
58
2,642
339
28
132
549
18,352
0
18,352
10,588
7,612
1,776
0
38
0
0
20,014
▲ 1,662
▲ 17,480
1,868
▲ 17,274
(単位:百万円)
H24年度
H25年度
14,071
14,372
376
372
78
113
2,453
2,279
350
327
108
269
130
123
376
378
17,941
18,232
0
0
17,941
18,232
10,529
10,702
6,888
7,224
1,851
1,990
1
0
236
362
0
0
0
0
19,504
20,279
▲ 1,564
▲ 2,047
▲ 17,274 ▲ 17,560
1,277
1,350
▲ 17,560 ▲ 18,257
【注】
・消費収入のグラフは上表の消費収入合計から基本金組入額合計を除いた金額。
56
■貸借対照表の推移
学校法人会計では、一般的に、施設設備への多額な投資などがあった場合、基本金組
入れ額が増大し、その結果、消費収入が減少するため消費支出超過となることがありま
す。翌年度繰越消費支出超過額があっても、そこでは基本金組入れという内部留保の充
実を行っていることになるため、直ちにバランス上での問題となるわけではありません。
貸借対照表においては、基本金と翌年度消費収入超過額(又は消費支出超過額)との合
計(純資産)で判断します。
貸借対照表
160,000
140,000
15,464
15,557
120,000
16,582
16,718
15,513
100,000
80,000
60,000
144,993
144,755
122,608
119,339
143,124
116,777
141,847
114,958
140,497
114,172
流動負債
40,000
固定負債
20,000
流動資産
▲ 17,560
▲ 18,257
H21年度
H22年度
科目
固定資産
流動資産
資産の部合計
固定負債
流動負債
負債の部合計
基本金の部合計
消費収支差額の部合計
負債の部・基本金の部及び
消費収支差額の部合計
H23年度
H24年度
H25年度
H21年度
122,608
15,464
138,072
3,236
4,213
7,449
144,755
▲ 14,131
H22年度
119,339
15,557
134,896
3,159
4,224
7,383
144,993
▲ 17,480
H23年度
116,777
16,582
133,358
3,130
4,378
7,507
143,124
▲ 17,274
138,072
134,896
133,358
57
固定資産
負債・基本金
▲ 17,274
資産
▲ 17,480
負債・基本金
▲ 14,131
資産
4,355
3,090
負債・基本金
4,311
3,077
資産
4,378
3,130
負債・基本金
4,224
3,159
資産
4,213
3,236
負債・基本金
資産
0
▲ 20,000
消費収支差
額
基本金
(単位:百万円)
H24年度
H25年度
114,958
114,172
16,718
15,513
131,676
129,686
3,077
3,090
4,311
4,355
7,389
7,445
141,847
140,497
▲ 17,560 ▲ 18,257
131,676
129,686
財務比率
■消費収支関係財務比率
帰属収支差額比率は全国平均を下回っており、人件費比率はや減価償却費比率は全国
平均より高い傾向にありますが、それらの低減施策を進めており、帰属収支差額比率も
それに伴い改善傾向にあります。
分類
比率名
算式
学納金比率
学納金÷帰属収入
収入構成はどう
なっているか
寄付金比率
寄付金÷帰属収入
補助金比率
補助金÷帰属収入
人件費比率
人件費÷帰属収入
支出構成は適切で
あるか
教育研究経費比率
教研費÷帰属収入
管理経費比率
管理経費÷帰属収入
減価償却費比率
減価償却額÷消費支出
収入と支出のバラン
スはとれているか
経営状況はどうか
消費収支比率
消費支出÷消費収入
帰属収支差額比率
(帰属収入-消費支出)÷帰属収入
評価
H21
年度
H22
年度
H23
年度
H24
年度
(単位:%)
H25
全国
年度
平均
―
79.2%
77.6%
77.6%
78.4%
78.8%
73.4%
△
0.6%
0.5%
0.3%
0.4%
0.6%
2.0%
△
12.4%
12.3%
14.4%
13.7%
12.5%
12.6%
▼
62.0%
65.9%
57.7%
58.7%
58.7%
52.8%
△
42.3%
41.5%
41.5%
38.4%
39.6%
31.2%
▼
10.3%
9.6%
9.7%
10.3%
10.9%
9.2%
―
19.9%
21.9%
20.2%
19.8%
18.2%
11.8%
▼
118.9%
118.8%
109.1%
108.7%
111.2%
107.9%
▲ 15.9% ▲ 17.3%
▲ 9.1%
▲ 8.7% ▲ 11.2%
4.8%
△
【注】
・全国平均の比率 (私立大学(医歯系法人除く)の H24 年度の平均値) と比率名の説明は、日本私立学校振興・共済
事業団編集「平成 25 年度版 今日の私学財政 大学・短期大学編 」 より引用。
・財務比率項目の印は、「△=高い値がよい ▼=低い値がよい ―=どちらともいえない」 を示している。
58
■貸借対照表関係財務比率
自己資金比率、流動比率とも全国平均を大きく上回っており、また、負債比率は全国
平均を大きく下回っており、財政状態としては良好な状態が続いていると言えます。
分類
自己資金は充実し
ているか
比率名
算式
※
自己資金構成比率
自己資金÷総資金※
基本金比率
基本金÷基本金要組入額※
負債に備える資産
が蓄積されている
長期資金で固定資
産は賄われている
負債の割合はどう
か
流動比率
流動資産÷流動負債
固定長期適合率
固定資産÷(自己資金+固定負債)
負債比率
総負債÷自己資金
総負債比率
総負債÷総資産
評価
H21
年度
H22
年度
H23
年度
H24
年度
(単位:%)
H25
全国
年度
平均
△
94.6%
94.5%
94.4%
94.4%
94.3%
87.2%
△
99.9%
99.9%
100.0%
100.0%
100.0%
97.1%
△
367.0%
368.3%
378.8%
387.8%
356.2%
237.1%
▼
91.6%
91.3%
90.5%
90.3%
91.1%
91.9%
▼
5.7%
5.8%
6.0%
5.9%
6.1%
14.7%
▼
5.4%
5.5%
5.6%
5.6%
5.7%
12.8%
【注】
・全国平均の比率 (私立大学(医歯系法人除く)の H24 年度の平均値) と比率名の説明は、日本私立学校振興・共済
事業団編集「平成 25 年度版 今日の私学財政 大学・短期大学編 」 より引用。
財務比率項目の印は、「△=高い値がよい ▼=低い値がよい ―=どちらともいえない」を示している。
※総資金=負債+基本金+消費収支差額
※自己資金=基本金+消費収支差額
※基本金要組入額=基本金+基本金未組入額
59
学校法人の会計について
■学校法人会計と企業会計の違いについて
学校法人会計と企業会計の大きな違いは、会計を行う目的です。企業の代表的な組織
形態である株式会社は、株主の出資によって設立されているため、株主に利益を配当す
るために、毎年利益を出す必要があります。
一方、学校法人は出資という概念はなく、寄付により設立されております。出資者と
いう外部の存在がいないため企業と異なり営利を目的としておりません。学校法人は教
育研究活動が目的であるという公益性の高さにより、長期的に安定した経営を行うこと
が求められます。そのため、教育内容に見合った適正な収入を確保出来ているか等、収
支の均衡の状況を表す必要があります。
学校会計
企業会計
目的
会計
教育研究
利益追求
収支会計
損益会計
■予算と決算について
学校法人会計は、営利目的ではなく、教育研究を遂行することが目的です。このため
一般の企業に比べ公共性が高く、学生の教育の場として安定した経営を維持していく必
要があります。学校の主要な収入源である学生生徒納付金は、学生生徒数が年度当初に
確定するため年度途中で大きく収入が増加することがありません。従って、年度途中に
おいて支出を増加させたとしても、収入の増加を図ることは通常は困難です。このよう
な特徴の中で、教育研究の遂行という目的を計画的に達成するために、予算が重要にな
ります。
決算書については、企業会計では予算との比較は公表しませんが、学校法人会計では
上述の考え方から予算を基準にし、「予算-決算」として公表しています。
■勘定科目について
学校法人会計における勘定科目とその内容は次の通りです。
(1)資金収支計算書の勘定科目
勘定科目名
内容
学生生徒等納付金収入
授業料、入学金、施設拡充費、実験実習料等の学生生徒より納入された収入
手数料収入
入学検定料、試験料収入、証明書発行等の手数料にかかわる収入
寄付金収入
寄贈者から贈与されたもので、補助金収入とならないもの(現物寄付を除く)
補助金収入
国または地方公共団体及びこれに準ずる団体(日本私立学校振興・共済事業団等)か
ら受入れた収入
資産運用収入
預金・有価証券等の利息・配当金、固定資産の賃貸収入等による収入
資産売却収入
不動産や有価証券等の売却にかかわる収入
事業収入
教育研究活動に付随して生じる補助活動事業、受託事業等による収入
雑収入
上記収入に当てはまらない収入(退職金財団等からの受入金収入が含まれます。)
借入金等収入
金融機関等からの借入等による収入
前受金収入
翌年度の諸活動に対応する収入(新入生の授業料や入学金等)
その他収入
各特定資産からの繰入、前期末未収入金、預り金、立替金回収等の収入
60
資金収入調整勘定
期末未収入金、前期末前受金が該当し、資金の実際の収支を該当年度の諸活動に対応
する収支に調整するための科目
人件費支出
教員人件費、職員人件費、役員報酬、退職金支給額
教育研究経費支出
教育研究活動に支出した経費
管理経費支出
総務・人事・経理業務や学生・生徒募集活動等、教育研究活動以外に支出した経費
借入金等利息支出
金融機関等からの借入金等に対する利息
借入金等返済支出
金融機関等からの借入金等に対する元本返済額
施設関係支出
土地、建物、構築物、建設仮勘定等の支出
設備関係支出
教育研究用機器備品、その他機器備品、図書、車両等の支出
資産運用支出
有価証券購入支出、特定資産への繰入支出等の支出
その他支出
前期末預り金、前期末未払金、仮払金、前払金等の支払支出
予備費
予算編成時において予期しない支出に対処するために設定している科目
資金支出調整勘定
期末未払金、前期末前払金が該当し、資金の実際の収支を該当年度の諸活動に対応す
る収支に調整するための科目
(2)消費収支計算書の勘定科目
勘定科目名
内容
学生生徒等納付金
資金収支計算書と同じ
手数料
資金収支計算書と同じ
寄付金
資金収支計算書と同じ
補助金
資金収支計算書と同じ
資産運用収入
資金収支計算書と同じ
資産売却差額
資産の売却価額が帳簿価額を越えた場合、その差額を消費収入に計上する科目
事業収入
資金収支計算書と同じ
雑収入
資金収支計算書と同じ
人件費
資金収支計算書と同じ(退職金支給額と退職給与引当金との差額を計上)
教育研究経費
資金収支計算書と同じ(減価償却額を計上)
管理経費
資金収支計算書と同じ(減価償却額を計上)
資産処分差額
資産の売却価額が帳簿価額を下回った場合、その差額を消費支出に計上する科目(除
却損や評価損を含む)
徴収不能引当繰入額
未収入金のうち徴収不能となる恐れの金額を見積り、引当金を設ける場合に消費支出
に計上する科目
予備費
資金収支計算書と同じ
(3)貸借対照表の勘定科目
勘定科目名
内容
有形固定資産
土地、建物、構築物、建設仮勘定、機器備品、図書、車両等
その他の固定資産
各引当特定資産、長期貸付金、長期保有の有価証券等
流動資産
現金預金、短期貸付金、前払金、短期保有の有価証券等
固定負債
長期借入金、退職給与引当金、長期未払金等
流動負債
短期借入金、未払金、前受金、預り金等
第 1 号基本金
学校法人が設立当初に取得した固定資産で教育の用に供されるものの価額又は新たな
学校の設置若しくは既設の学校の規模の拡大若しくは教育の充実向上のために取得し
た固定資産の価額
第 2 号基本金
学校法人が新たな学校の設置又は既設の学校の規模の拡大若しくは教育の充実向上の
ために将来取得する固定資産の取得に充てる金銭その他の資産の額
第 3 号基本金
基金として継続的に保持し、かつ、運用する金銭その他の資産の額
第 4 号基本金
恒常的に保持すべき資金として別に文部科学大臣が定める額
翌年度繰越消費収入
(支出)超過額
該当年度を含む過年度からの消費収支差額の累積額
以上
61
Fly UP