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スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査
2013 年第 14 号 (2013.10.10) スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査 ○ 旅行先について調べること、旅行前は「宿泊施設」 旅行中は「お昼ごはんの場所」が最も多い ○ SNS で最も「いいな」と思う旅行写真は、 男性:自然風景(82.0%) 、女性:食べ物や食事風景(76.9%) 男性は静的で対象が明確、女性は動的で人が主役の傾向 ○ 宿泊施設を選ぶときにインターネットの接続環境を「重視する」 人は 57.6%。最も重視するのは「Wi-fi が無料で使える」こと (株)JTB総合研究所(東京都千代田区 代表取締役社長 日比野健)は、 「旅行とスマートフォンの利用 と旅行消費に関する調査」を実施しました。当研究所では、生活者のライフスタイルや価値観が消費行動と旅行 に与える影響に関する調査分析を継続的に行っています。 ここ1年ほどの間にスマートフォンやタブレットの普及が加速し、これまでは旅行の前後に行うことが多かっ た現地情報の収集なども、気軽に旅行中にできるようになりました。また、SNS(Facebook や Twitter などの ソーシャルネットワークサービス)を通じ、体験したことをその場でリアルタイムに発信する行動も増えていま す。このような状況の中で、生活者はどのようにスマートフォンを日常、および旅行の場面で利用しているので しょうか。普段の生活、および旅行前・中におけるスマートフォンの活用実態について調査を行いました。 調査概要 ○方法:インターネットアンケート調査 ○対象:首都圏、名古屋圏、大阪圏に住み、過去1年以内に1回以上の旅行(日帰りも含める)をしたことがあ る 20 歳から 69 歳までの男女 1,000 名 ○期間:2013 年 9 月 20 日∼9 月 24 日 ~1~ 1. スマートフォンで最も利用する機能は、1位メール、2位 LINE。SNS は 47.7%が利用 女性は「コミュニケーション」 、男性は「情報収集」と、利用の仕方に違い スマートフォンでよく利用するもの(複数回答)はメール、電話、カメラ、情報検索などが挙げられま した。最も利用するもの(単一回答)を一つだけ選んでもらった結果では、メールが1位、LINE が2位と なりました。また、47.7%と半数近くの回答者が SNS をよく利用しています(図1) 。 男女別によく利用する機能(複数回答)をみてみると、女性は LINE やカメラ、ブログ、ゲームなどの 利用が多く、男性はニュースや動画投稿サイト、音楽の視聴などが高い割合を示しました(図2) 。どちら かというと、女性は「コミュニケーション」をとるための機能を利用し、男性は「情報収集」のための機能 を利用する傾向があるようです。 (図1) *よく利用するもの(複数回答) 、最も利用するもの(単一回答) スマートフォンで利用する機能 100% 96.7 92.9 よく利用するもの 81.1 76.9 80% 67.8 60% 40% 最も利用するもの 59.2 47.7 37.3 34.8 32.6 33.8 20% 11.7 11.7 0.8 18.3 5.3 9.7 0.5 3.8 18.1 16.0 13.5 13.1 9.0 0.2 0.4 0.2 0.5 1.3 4.00.7 1.2 0% JTB総合研究所 n=1030 (図2) (複数回答) スマートフォンで利用する主な機能(男女別) 100% 男性 女性 80% 60% 40% 20% 0% JTB総合研究所 n=1030 2. SNS でよく利用されるのは Facebook や Twitter。利用者の約半数が毎日2回以上アクセスする SNS を利用すると回答した 491 名の回答者に対し、 どの SNS を利用するかを聞いたところ (複数回答) 、 Facebook の利用者が最も多く 79.0%、次いで Twitter の 62.9%となりました。アクセス頻度は Twitter が 最も高く、利用者の半数以上の 53.7%が「1日2回以上」アクセスすると回答。Facebook でも「1日2回 以上」アクセスをしている人の割合は 45.8%と半数近くとなりました。また、短い文章で気軽につぶやける ~2~ Twitter では「毎日 10 回以上」 「空いた時間は常に」を合わせると 15.5%となり、かなり頻繁にアクセスを しています。 男女別にみると、Facebook や Twitter の利用率は男性の方が高く、アクセス頻度は女性の方が高い傾向 が見られました。一旦ユーザーになると、女性の方がヘビーユーザーとなる人が多いことがわかります(図 3,4,5) 。 (図3) (複数回答) 利用するSNS(男女別) 90% 79.0 80% 62.9 70% 60% 42.4 50% 男性 40% 女性 30% 14.9 20% 全体 9.2 2.2 10% 2.2 0% Facebook Twitter mixi その他 Google+ Instagram Pinterest JTB総合研究所 n=491 (図4) (単一回答) SNSへのアクセス頻度 空いた時間は常に 0% Facebook 毎日10回以上 10% 20% 5.4 3.6 Twitter 5.5 毎日4∼9回 30% 14.9 10.0 40% 毎日2∼3回 50% 21.9 16.5 毎日1回 60% 70% 2∼3日に1回かそれ以下 80% 28.6 21.7 90% 100% 25.5 21.0 25.2 Facebook n=388、twitter n=309 JTB総合研究所 (図5) (単一回答) SNSへのアクセス頻度 空いた時間は常に 毎日4∼9回 毎日1回 facebook 20% 男性 5.7 3.8 9.6 女性 5.0 3.4 Twitter 0% 男性 4.9 女性 6.3 JTB総合研究所 毎日10回以上 毎日2∼3回 2∼3日に1回かそれ以下 40% 23.9 21.2 8.8 11.8 60% 14.3 19.7 80% 25.4 31.6 19.6 25.1 24.2 19.8 18.1 100% 25.7 28.0 21.3 22.8 Facebook 男性n=209 女性n=179, Twitter 男性 n=182 女性n=127 ~3~ 3. 「いいな」と思ったり、情報共有したくなる投稿は「旅行中の写真」や「食べ物の写真」 。 最も「いいな」と思う旅行写真は、男性:自然風景(82.0%) 、女性:食べ物や食事風景(76.9%) Facebook でみる家族や友人からの投稿のうち、 「いいな」と思ったり、情報を他のユーザーと共有した いと思うもののトップは、 「旅行中の写真」75.5%と圧倒的。一方、Twitter も「旅行中の写真」はトップで はあるものの、Facebook ほど差は顕著ではなく、 「日常のつぶやき」も「旅行中の写真」と同程度に「い いな」と思ったり情報を共有したいものとして選択されています(図6) 。 最も回答者が多かった Facebook で投稿される「旅行中の写真」のうち、どんな写真をよいと思うかを 男女別に見てみると、男性は「自然風景」や「名所旧跡」 、 「交通機関」など静的な写真が比較的多いのに対 して、女性は「食べ物や食事風景」 「体験シーン」 「地元の名産品」 「投稿者本人が写った記念写真」の割合 が高い傾向でした。女性にとって、食べることと買い物することは魅力的な旅行のアイテムであることに加 え、食事風景や体験シーン、記念写真など、人が旅行を楽しんでいる姿に共感を感じることが多いと言える でしょう(図7) 。 (図6) (複数回答) 「いいな」と思ったり情報共有したくなる投稿 0% 20% 40% 旅行中の写真 60% 80% 75.5 43.7 食べ物の写真 本人や仲間との記念写真 37.2 42.8 15.5 53.9 40.2 41.4 日常のつぶやき 子供や家族の写真 34.3 13.6 32.7 29.8 27.8 イベント情報 動物の写真 17.8 22.7 24.3 19.6 22.7 17.8 普段あまり見ない変なこと 時事に関する話題 花の写真 スポーツの写真 ファッションの写真 現在の位置を示すチェックイン情報 6.5 7.2 特にない 12.0 17.5 11.3 14.7 11.7 12.4 20.7 4.4 4.2 2.3 1.0 ∼診断などの結果 その他 JTB総合研究所 Facebook(n=388) Twitter(n=309) (図7) (複数回答) facebookでいいねやシェアをしたくなる情報情報 (男女別) 79.2 男性 70.0 女性 64.5 52.2 全体 43.7 37.5 33.8 31.1 26.3 現地の人 交通機関、乗り物 投稿者が写ってい る記念写真 宿泊施設 地元の名産品 体験シーン 名所旧跡 JTB総合研究所 食べ物や食事風景 自然風景 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% n=293 ~4~ 4. 旅行を思い立ったきっかけは「家族や友人との会話」 旅行を思い立ったきっかけを旅行の同行者別にみると、家族や友人との旅行では、同行者との会話がき っかけとなっている割合が高くなりました。その他のきっかけとしては、テレビ番組、雑誌や旅行会社のパ ンフレット、宿泊施設、観光協会などのウェブサイトがほぼ同じ程度にあげられました。 一方、同行者がいない一人旅の場合には、街や観光協会などのウェブサイトや SNS でのやり取り、その 他の回答比率も高くなっています。その他の内訳として最も多かったのは、イベント情報。一人旅ではコン サート、スポーツ観戦など目的が定まった旅行も多いためと考えられます(図8) 。 (図8) (複数回答) 旅行しようと思い立ったきっかけ 0.0 20.0 友人や家族との会話 13.5 2.7 1.4 5.3 4.7 ガイドブック 4.9 3.7 3.4 街や観光協会のウェブサイト 宿泊施設のウェブサイト その他 JTB総合研究所 47.4 48.8 8.3 6.9 FacebookやTwitterなどの投稿 ややりとり 旅行会社や旅行情報のウェブ サイト 60.0 10.1 9.3 7.4 テレビや雑誌などの情報 旅行会社のパンフレット 40.0 7.3 9.3 4.7 4.9 4.9 5.4 8.7 6.5 4.1 4.1 2.4 家族と 友人と ひとりで 8.8 n=1030 5. 「旅行前」に調べることは「宿泊施設」 「観光施設」 「交通手段」 「旅行中」に調べることは「お昼ご飯の場所」 「交通手段」 「夕ご飯の場所」 旅行先に関して調べることを「旅行前」と「旅行中」で比較したところ、旅行前に調べることとしては、 宿泊施設(62.2%)が最も多く、観光施設(56.3%) 、交通手段(56.2%)がそれに続きました。 旅行中に調べることで最も多かったのは、 「お昼ご飯を食べる場所」 (36.3%) 。スマートフォンユーザー の 4 割以上は、旅行中にお昼ご飯を食べる場所を検索していることになります。交通手段(27.8%)や夕ご 飯を食べる場所(27.3%)なども旅行中に比較的検索が多いものとしてあげられました。一方、宿泊施設や 温泉などに関しては、旅行前における情報収集が中心で、旅行中はあまり検索されない傾向がみられました (図9) 。 勤労者、専業主婦(主夫) 、学生の別にみると、専業主婦(主夫)や学生は、勤労者に比べて「旅行前」 に昼ごはんを食べる場所や夕ご飯を食べる場所、買い物ができる場所などを調べる割合が高い傾向が見られ ました。時間がある分、旅行前から、しっかりと情報収集をしておきたい、ということかもしれません。ま た、専業主婦(主夫)は「旅行前」にほぼ情報収集を終え、 「旅行中」の情報収集はあまり多くないのに比 べ、学生は「旅行中」にも交通手段や夕ご飯を食べる場所、お茶ができる場所、お土産物を購入できる場所 など、積極的に情報収集をしているようです(表1) 。 男女別で違いが見られたのは、 「旅行前」における「お土産が購入できる場所」について。女性では旅行 前からお土産品の購入先まで調べているという回答者の割合が高くなりました(表2) 。 ~5~ (図9) (複数回答) 旅行先について調べたこと 0 宿泊施設 20 40 60 7.3 観光施設 56.3 21.7 交通手段 56.2 27.8 観光名所 50.7 22.8 お昼ご飯を食べる場所 夕ご飯を食べる場所 温泉 27.3 27.4 6.9 お土産品を購入できる場所 21 17.1 17.8 16.7 14.7 16 お茶ができる場所 ちょっとした飲食物を購入できる場所 旅行期間中に開催されているイベント 8 インターネット接続環境 6.1 現地発着ツアー 4.7 3.2 その他 JTB総合研究所 43.1 36.3 36.3 25.9 14.3 旅行前に調べたこと 13.4 旅行中に調べたこと 9.9 9.6 お酒を飲める場所 80 62.2 9.6 n=1030 [比率の差] (表1)旅行先について調べたこと(勤労者、専業主婦(主夫) 、学生の別) (複数回答) お昼ご飯 夕ご飯を サンプル 宿泊施設 観光施設 交通手段 観光名所 を食べる 食べる場 数 場所 所 (%) 旅行前 温泉 全体 全体 +10 ポイント +5 ポイント 全体 全体 -5 ポイント -10 ポイント 特別展や 現地での 祭りなど、 居酒屋な お土産品 ちょっとし インター お茶がで 旅行期間 現地発着 ど、お酒 を購入で た飲食物 ネット接 きる場所 中に開催 ツアー を飲める きる場所 を購入で 続環境 されてい 場所 きる場所 るイベント その他 全体 1030 62.2 56.3 56.2 50.7 43.1 36.3 27.4 25.9 17.1 16.7 16.0 14.3 13.4 9.9 3.2 勤労者 542 62.0 53.5 54.8 49.6 42.1 36.7 26.0 23.4 14.8 15.5 15.5 16.6 13.1 12.5 3.1 専業主婦(主夫) 222 63.5 63.5 52.7 53.2 48.2 38.7 29.3 34.2 22.5 22.1 17.1 7.7 11.7 4.5 4.1 学生 63 65.1 55.6 68.3 58.7 52.4 42.9 23.8 25.4 19.0 14.3 17.5 17.5 19.0 9.5 0.0 全体 1030 7.3 21.7 27.8 22.8 36.3 27.3 6.9 21.0 17.8 14.7 8.0 6.1 4.7 9.6 9.6 勤労者 542 7.4 21.2 28.4 21.8 37.6 29.7 6.6 17.5 17.9 13.7 7.6 7.2 5.0 10.1 9.6 専業主婦(主夫) 222 6.3 20.7 24.8 28.4 35.6 23.0 6.3 23.9 15.3 13.1 9.9 4.5 5.4 8.6 10.4 学生 63 11.1 27.0 38.1 25.4 36.5 36.5 6.3 33.3 30.2 30.2 7.9 7.9 3.2 15.9 3.2 旅行中 (表2)旅行先について調べたこと(男女別) お昼ご飯 夕ご飯を サンプル 宿泊施設 観光施設 交通手段 観光名所 を食べる 食べる場 数 所 場所 (%) 旅行前 旅行中 (複数回答) 温泉 特別展や 現地での 祭りなど、 居酒屋な ちょっとし お土産品 インター 旅行期間 お茶がで 現地発着 ど、お酒 た飲食物 を購入で ネット接 中に開催 きる場所 ツアー を飲める を購入で きる場所 続環境 されてい 場所 きる場所 るイベント その他 全体 1030 62.2 56.3 56.2 50.7 43.1 36.3 27.4 25.9 17.1 16.7 16.0 14.3 13.4 9.9 3.2 男性 515 63.5 56.5 54.0 48.7 41.0 35.5 29.7 20.0 14.0 14.4 13.6 18.8 11.8 13.2 3.5 女性 515 61.0 56.1 58.4 52.6 45.2 37.1 25.0 31.8 20.2 19.0 18.4 9.7 15.0 6.6 2.9 全体 1030 7.3 21.7 27.8 22.8 36.3 27.3 6.9 21.0 17.8 14.7 8.0 6.1 4.7 9.6 9.6 男性 515 7.4 21.2 25.4 21.7 36.1 27.0 8.0 19.8 15.9 14.2 6.4 7.4 4.5 11.3 9.7 女性 515 7.2 22.1 30.1 23.9 36.5 27.6 5.8 22.1 19.6 15.1 9.5 4.9 4.9 8.0 9.5 ~6~ 6. 男性は地図アプリ、女性は天気や乗換案内アプリも利用 直近の旅行で利用したアプリを聞いたところ、旅行に役立つアプリを利用している人の割合は全体の 42.3%となりました(図 10) 。男女別に利用したアプリをみると、男女共に地図アプリがトップになりまし たが、他のアプリに比べて男性の方が地図アプリの利用率が高い傾向が見られました。一方、女性は地図ア プリの利用率は男性より低く、天気や乗換案内アプリの利用率は男性より高くなっています(図 11)。 「話を聞かない男、地図が読めない女」という本がヒットしたように男女においては脳機能に差があるとも 言われていますが、利用するアプリに関し、そのような性差が影響を与える可能性があるのかもしれません。 最近では GPS 機能を利用し、地図アプリと連動して情報提供をするサービスも出てきていますが、女性 にもわかりやすいものに出来るかどうかが重要なキーポイントの一つとなりそうです。 (図 10) (単一回答) 旅行に役立つアプリの利用 旅行に役立つアプリを利用している 0% 20% 40% アプリを利用していない 60% 80% 全体 42.3 57.7 男性 43.7 56.3 女性 41.0 100% 59.0 JTB総合研究所 n=1030 (図 11) (複数回答) 旅行で利用するアプリ(男女別) 30% 男性 24.5 25% 女性 20% 15.7 15% 全体 14.1 13.8 10% 6.2 2.0 5% ガイドブックアプリ レストランガイドア プリ JTB総合研究所 ホテル宿泊予約ア プリ 乗換案内アプリ 天気アプリ 地図アプリ 0% n=293 7.57.6%が「宿泊施設を選ぶときにインターネットの接続環境を重視する」 。最も重視することは「Wi-fi が無料で使える」 (27.9%) 回答者の 57.6%は宿泊施設を選ぶときにインターネットの接続環境を重視しています。その内訳として 最も多かった回答は「無料で Wi-fi がつながること」 (27.9%) 。次いで「自分の部屋で Wi-fi がつながるこ と」 (16.7%) (図 12) 。男女別にみると、女性はインターネットの接続環境について、男性ほど重視しない 傾向があり、20 代女性では 52.4%、30 代女性では 62.1%が「重視しない」と回答しています(図 13)。女 ~7~ 性の場合はファミリーや友人など小グループで旅行をする場合が多いことから、宿泊施設においてインター ネットでコミュニケーションをとるより同行者との時間を楽しむ傾向があるのかもしれません。 ひとり旅の場合には、インターネット接続環境の重要性が増し、66.2%が重視しています。スマートフォ ンで写真や動画、ゲームなどを快適に楽しんだり、友達とリアルタイムにシェアするためには 3G、4G 回 線より安定した速度の速さを持つ Wi-fi の使い勝手が重視されるということでしょう(表3) 。 (図 12) (単一回答) 宿泊先を選ぶときに重視する接続環境 自分の部屋でWi-Fiがつながること 自分の部屋で有線LANがつながること 無料でWi-Fiがつながること 無料で有線LANがつながること Wi-Fiと有線LANの両方がつながること Wi-Fiの接続速度が速いこと 有線LANの接続速度が速いこと 重視しない 重視する, 57.6 自分の部屋でWi-Fi がつながること, 16.7 0% 10% 無料でWi-Fiがつな がること, 27.9 20% 30% 重視しない, 42.4 40% 50% 60% 70% 80% 90% JTB総合研究所 100% n=1030 (図 13) (単一回答) 宿泊先を選ぶ際のインターネット接続環境の重視度(性年代別) 宿を選ぶにあたり、インターネットの接続環境を重視する 宿を選ぶにあたり、インターネットの接続環境は重要ではない 全体 57.6 42.4 男性 29歳以下 57.3 42.7 男性 30代 61.2 男性 40代 38.8 57.3 男性 50代 42.7 72.8 男性 60才以上 27.2 70.9 女性 29歳以下 29.1 47.6 女性 30代 52.4 37.9 女性 40代 62.1 54.4 女性 50代 45.6 60.2 女性 60才以上 39.8 56.3 43.7 JTB総合研究所 n=1030 (表3)宿泊先を選ぶときに重視する接続環境(男女別、ひとり旅) (単一回答) 自分の部 Wi-Fiと有 自分の部 無料で 無料で有 屋で有線 線LANの サンプル 屋でWi-Fi Wi-Fiがつ 線LANが LANがつ 両方がつ 数 がつなが ながるこ つながる ながるこ ながるこ ること と こと と と Wi-Fiの 接続速度 が速いこ と 宿を選ぶ にあたり、 有線LAN インター の接続速 ネットの 度が速い 接続環境 こと は重要で はない 全体 1030 16.7 3.9 27.9 2.9 2.7 2.9 0.6 42.4 男性 515 19.4 5.4 28.7 3.1 3.5 2.5 1.2 36.1 女性 515 14.0 2.3 27.0 2.7 1.9 3.3 0.0 48.7 ひとりで 148 19.6 6.8 28.4 4.7 2.0 4.1 0.7 33.8 ~8~ 7. 42%が SNS やブログなどで自分の旅行経験を発信したことがある。20 代は 65.5%、30 代は 53.9% 自分自身の旅行に関する発信経験については、全体では 42.0%が SNS やブログなどを通じて「発信した ことがある」と回答しました。年代別にみると、年代が低くなるほど発信経験率は高く、20 代では約 65.5%、 30 代では 53.9%と半数以上に発信の経験がありました(図 14) 。 男女別では、男性の方が旅行についての発信経験はやや多く、43.9%でした(図 15) 。普段と旅行時にお ける発信頻度の違いを聞いてみると、全体で 46.7%の回答者は「変わらない」と答えていますが、35.8%は 「旅行時の方が多い」と回答しています。男女別では、女性の方が「普段の方が多い」と答えた割合が高い 傾向でした(男性:16.4%、女性 18.8%) (図 16) 。 (図 14) (単一回答) (図 15) 全体 旅行についての発信経験(年代別) 旅行についての発信経験(男女別) 発信したことがある 発信したことがある 発信したことはない 42.0 29歳以下 30代 発信したことはない 58.0 65.5 34.5 53.9 40代 (単一回答) 全体 42.0 58.0 男性 43.9 56.1 46.1 38.3 61.7 50代 27.2 72.8 60才以上 25.2 74.8 女性 n=1030 JTB総合研究所 (図 16) JTB総合研究所 40.2 59.8 n=1030 (単一回答) 旅行時における情報発信の頻度 普段の方が多い 0% 20% 変わらない 40% 旅行時の方が多い 60% 80% 全体 17.6 46.7 35.8 男性 16.4 47.8 35.8 女性 18.8 45.4 JTB総合研究所 100% 35.7 n=1030 8. まとめ 「通信利用動向調査」 (※)によれば、2013 年 1 月∼3 月時点のスマートフォンの世帯別の通信機器保有 状況は 50%弱と 1 年前の 29%と比較して大きく増加しました。今後もスマートフォンは増加の一途をたど ることが予想されます。また、インターネットに接続できる場所が広がる中、これまで「旅行前」に行って いた情報収集や、 「旅行後」に行っていた旅行体験の発信も、ますますリアルタイムに「旅行中」に行われ るようになることは想像に難くありません。旅行者の「旅行中」の情報収集活動のパターンや、求めること に沿った情報、例えば「食事ができる場所」 「ちょっとお茶ができる場所」や「交通手段」などの情報を、 わかりやすい形でタイムリーに提供することで、旅行者の利便性や満足度の向上に繋げることができるので はないでしょうか。 旅行先でインターネットの接続環境を重視する人は多く、特にこれから注目されるマーケットであるひ とり旅の旅行者で、より重視度が高い傾向も見られました。また、Wi-fi の接続環境を求めているのは日本 を訪問する外国人観光客も例外ではありません。今後増加する訪日外国人旅行者への対応を強化するために ~9~ も、宿泊施設だけでなく、様々な場所で Wi-fi の環境を整えるなど、スマートフォンを快適に利用できる環 境づくりが、今後はさらに重要度を増してくると考えられます。 インターネットを通じた情報発信・情報共有という観点からみると、自分自身の旅行経験を発信したこと がある人は半数近い 42.0%で、若い世代ではさらに高い割合を示しました。Facebook など SNS での投稿 で「いいな」と思うものでは、圧倒的に「旅行中の写真」という回答が多いことからも、旅行に関する情報 は、生活者にとって普段から興味を持って接することの一つであることがわかります。 旅行中の写真で「いいな」と思ったり情報共有したくなる写真については、男性の「自然風景」「名所旧 跡」 「交通機関」など静的で対象が明確な傾向に対して、女性は、 「体験シーン」 「食事風景」 「投稿者が写っ ている写真」と動的で人が主役であることが分かりました。写真は旅行商品の企画やアピールには重要な要 素ですが、誰の心を動かす商品にしたいかによって、写真や旅行企画そのものに工夫を凝らす余地はまだあ ると考えられます。また、面白い写真が撮れるスポットを特別に提供したり、シェアしやすいコンテンツや 環境を提供したり、といった個人が情報を発信する背中を押し、旅行者が訪れる地域の魅力を旅行者自身に 積極的に広めてもらう仕組みづくりも重要となりそうです。 近い将来、位置情報(GPS)の精度が高まり、利用環境も大きく変化することが想定されますが、イ ンバウンドを含む、旅行者のスマホの活用には目が離せません。 ※総務省 平成 24 年度版「通信利用動向調査」 (2013 年 6 月 14 日発表より) <お問い合わせ> (株)JTB総合研究所 調査・分析担当:早野陽子 03−3525−4550 (担当 早野・守屋・波潟) ~ 10 ~