Comments
Description
Transcript
伝統医学のグローバル診療 ガイ ドラインは可能か?
日東 医 誌 Kampo Med Vol. 57 No. 4 465-475, 2006 栗洋医字の広場 伝 統 医 学 の グ ロ ーバ ル診 療 ガ イ ドラ イ ン は 可 能 か? 元雄 良 治ab 津 谷 喜 一 郎cdef a日 本 東 洋 医学 会EBM特 b金 沢 医 科 大学 腫 瘍 治療 学, 石 川, 〒920-0293河 c日 本 東 洋 医学 会EBM特 別 委 員 会委 員 長 d日 本 東 洋 医学 会EBM特 別 委 員 会診 療 ガ イ ドラ イ ン ・タス ク フ ォー ス ・チ ェ ア eJLOM診 f東 別 委 員 会 診療 ガ イ ドライ ン ・タス ク フ ォー ス 委 員 北 郡 内灘 町大 学1-1 療 ガ イ ドライ ン ・ワ ー キ ン ググ ル ー プ ・チ ェア 京 大 学大 学 院 薬 学系 研 究 科 医 薬 政 策学, 東 京, 〒113一〇〇33文 京 区本 郷7ー3-1 Is it Possible to Develop Global Guidelines for Traditional Yoshiharu a b c d e f MOTOOab Kiichiro Clinical Practice Medicine? TSUTANIcde Member, Task Force on Clinical Practice Guidelines, Special Committee for EBM, Japanese Society of Oriental Medicine (JSOM) Department of Medical Oncology, Kanazawa Medical University, l-1 Daigaku, Uchinada, Ishikawa 920-0293, Japan Chairperson, Special Committee for EBM, JSOM Chair, Task Force on Clinical Practice Guidelines, Special Committee for EBM, JSOM Chair, Working Group on Clinical Practice Guidelines, Japanese Liaison of Oriental Medicine (JLOM) Department of Drug Policy and Management (DPM), Graduate School of Pharmaceutical Sciences, The University of Tokyo, 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-0033, Japan Abstract Since 2004, the World Health Organization Regional Office for the Western Pacific (WHO/WPRO) has been in the process of developing international clinical practice guidelines (CPU), for the use of traditional medicines. There are, however, major differences in the medical licensing, drug approval and health insurance systems among nations within this Region. Furthermore, there is yet not enough evidence to develop reliable CPU. It is highly possible that any such CPU could cause legal and administrative, as well as healthcare problems. Japan should approach this issue with caution. Key words: WHO, clinical practice guidelines, EBM 要旨 2004年 よ りWHOが 漢 方の 国際 的な 診療 ガ イ ドラ イ ンを 作成 しよ うとす る 動き が あ る。 しか し, 東 ア ジ アだ け を 見 て も, 医師 免許 制度 ・薬 剤承 認制 度 ・健 康保 険制 度 な どが異 な る上, エ ビデン スが まだ不 十分 な 段 階で, ユ一 ザー が不 明確 な 国際 的な ガイ ドラ イ ンを作 成 す る こ とは 困難 で あ る。 も し仮 にガ イ ドラ イ ンが で きた 場 合 には, 法 的 ・ 行 政 的 ・医療 的な 問題 を惹 起 する可 能性 が 高 く, 日本 と して は慎重 な 対応 が必 要 であ る。 キ ー ワ ー ド: WHO, 診 療 ガイ ドラ イ ン, EBM は じめ に 医 療機 能 評価 機 構 1990年 代 中 頃 か ら始 ま る, 世 界 的 な, エ ビ デ ンス Network に 基 づ く医 療(evidence-based 動 jcqhc.orjp/)で, 診 療 ガ イ ドラ イ ン(clinical practice guide- め た も の は, き の 中 で, lines: CPG)が medicine: EBM)の 作 成 さ れ て い る。 各 国 レ ベ ル で は, 医 療 行 政 機 関 や 学 会 な ど のNGOに よ って 作 成 され て い る。 日本 で も次 々 に 公 表 さ れ て い る。 厚 生 労 働 省 のEBM関 受 付: 連 事 業 の フ ァ ン ドに よ る も の は, 2005年12月26日, 受 理: 2006年4月14日 日本 ・医 療 情 報(Medical Distribution Service: Minds, Information http: //minds. ま た そ れ 以 外 も含 め て 網 羅 的 に集 東 邦 大 学 医 学 メ デ ィ ア セ ン タ ー(http: //www・mnc・toho一u.acjp/mmc/guideline/)で 見 る こ とが で き る。 一 方, グ ロ ー バ ルCPGを 作 成 す る 動 き も あ り, 一 般 に は 近 代 西 洋 医 学 に つ い て で あ る が, 世 界 保 健 465 466 日東医 誌 機 関 西 太 平 洋 地 域 事 務 局(WHO the Western Regional Pacific: WHO/WPRO)は, Kampo Office for 「エ ビ デ ンス Med vol. 57 No. 4, 2006 1.背 景 と経 緯 今 回 筆 者 らが 直 接 関 与 した 大 邸 と北 京 で の 会 議 へ に 基 づ く伝 統 医 学 の 診 療 ガ イ ドラ イ ン」 を 作 成 す る 到 る 背 景 と経 緯 を 記 す。 プ ロ ジ ェ ク ト を2004年 か ら 開 始 し た。 (1)2004年5月 こ こ で, 議 論 を 整 理 す る う え で, CPGの 定義 を の ソ ウル会 議 今 回 の 診 療 ガ イ ド ラ イ ン作 成 へ 向 け て の 最 初 の 会 あ げ て お こ う。 い くつ か あ る が そ の う ち で 代 表 的 な 議 は2004年5月27日 も の は, 米 国 の Institute of Medicine (10M)に 正 式 な 会 議 の タ イ トル は"Development も の で, 医 療 者 と患 者 「特 定 の 臨 床 状 況 の も と で, よる Guidelines on Evidence-based の 意 思 決 定 を 支 援 す る 目 的 で, 系 統 的 に 作 成 さ れ た あ る。Natural 文 書 」 で あ る1)2)。 Pharmacy, 本 稿 は, WHO/WPRO主 催 の2005年 の 「エ ビ デ ン ∼29日 に ソ ウ ル で 開 催 さ れ た。 Product of Treatment Traditional Medicine"で Reseafch Institute, College Seoul National University (SNU)とWHO/ WPROの 共 催 で あ る。 テ ン ポ ラ リ ー ア ドバ イ ザ ー・ ス に基 づ く伝 統 医 学 の 診 療 ガ イ ドラ イ ン作 成 に 関 す 13人, る 非 公 式 協 議 」 の 大 邸 と北 京 で の2つ 沢 医 科 大 学 の 山 口 宣 夫 氏 が 参 加 し た が, 加 に 基 づ き, そ の 背 景 と経 緯, の会議への参 会 議 の 内 容, さらに そ れ ら に 対 す る 著 者 ら の 分 析 と考 え を 述 べ る も の で あ る。 オ ブ ザ ー バ ー7人 WPROか う。2005年5月8日 ミ ッ ト会 議 」(The JLOM)は, 日本 側 の 体 制 を述 べ て お こ に 設 立 さ れ た 「日本 東 洋 医 学 サ Japan Liaison of Oriental Medicine: こ のWHOバVPROの, CPGプ ロジ ェク トを 含 め 複 数 の プ ロ ジ ェ ク トへ の 対 応 を1つ の 目的 と した も の で あ っ た。 し か し後 で 詳 述 す る2005年7 月6∼8日 のWHOハVPROの そ の 人選 は ら直 接 な さ れ た よ う で あ る。 (NFTR)と 全216頁 の 記 録 集 が あ り, こ れ か ら判 断 す る に む し ろ 本 会 議 の 内 容 はCPG に 関 す る 紹 介 と教 育 が 主 体 と思 わ れ る。 全27の 疾 患 リ ス トの 選 定 プ ロ セ ス で も あ ま り深 い 議 論 が な さ れ て い な い。 (2)2004年6月 ∼2005年3月 そ の 後, 韓 国 ・大 邸 で の 会 議 が 参 加 し た。 日本 か らは 金 こ の 会 で, 全27の 優 先 疾 患 の リス トが 作 成 さ れ た。 Note for the Record 本 稿 執 筆 に 当 た っ て, of の 日本 へ の 要 請 と対 応 こ の 全27の 疾 患 リ ス トのCPG作 本 か ら 各5人 成に日 推 薦 し て ほ し い と い う 要 請 がWPRO へ の 日本 か ら の 人 選 プ ロ セ ス の 段 階 で は, JLOMの か ら 日本 人 関 係 者 に 何 度 も送 られ て き た。 日 中韓 か 意 思 決 定 シ ス テ ム や運 営 シス テ ム は まだ整 っ て お ら ら疾 患 そ れ ぞ れ に 各5人 ず, ク トは 進 行 す る。 中 ・韓 で は す で に 人 選 が 終 っ て い こ の 会 議 へ の 参 加 者 は, JLOM診 療 ガ イ ドラ イ の 参 加 で 今 後 この プ ロジ ェ ン ・ワ ー キ ン グ グ ル ー プ 委 員 の 一 人 の 津 谷 が, る と い う も の で あ る。 そ こ で2004年8月30日 JLOMの6つ WPRO伝 統 医 学 諮 問 官 のDr.Choi 昇 勲)が 来 日 し た 折 に, た 上 で, の メ ンバ ー 組 織 の 長 に 連 絡 し 了 承 を 得 本 稿 作 成 の 元 雄 を 含 め た4人 がWHOテ ン Seung-Hoon (崔 日本 東 洋 医 学 会(Japan So- ポ ラ リー ア ドバ イ ザ ー と し て 参 加 し た もの で あ る。 ciety for Oriental Medicine: こ こ で4人 議 を持 ち, と は, 元 雄, 津 谷 の 他 に, 兵 頭 一 之 介(四 国 が ん セ ン タ ー 内 科 医 長, 消 化 器 内 科 教 授), 2005年10月 瀬 上 清 貴(厚 か ら筑波 大 学 生 労 働 省 参 事 官) で あ っ た。 の 北 京 で の 会 議 は, して 不 参 加 を表 明 し て い た。 今 後 の 展 開 に 懸 念 を 持 つ 日本 側 の 強 い 要 請 で, 日, 2005年11月14日 Structure"が JSOM)か らの 数 名 が 会 日本 と し て の 対 応 は 困 難 な 旨 を 伝 え た。 そ の 理 由 と し て は, ま ず, こ のWHOバVPROプ ロ ジ ェ ク トの 当 時 の 日 中 韓 の 主 た る 関 係 者 がCPG 作 成 の 困 難 さ や 方 法 論 を 理 解 して い な い こ と が 観 察 一 方, 2005年11月15∼17日 JLOMと に に"Small 3日 間 の 会 議 の 前 Forumon Process and 開 催 さ れ, 元 雄 は 個 人 の 資 格 で, WHO さ れ た。2004年5月 の ソ ウ ル 会 議 の 参 加 者 リ ス トを み る と, 具 体 的 なCPG作 成 に 関 係 した もの が 存 在 し な い。 例 え ば, 当 時 の プ ロ ジ ェ ク トの タ イ トル は "T reatment Guidelines on Evidence-based Traditional Medicine" で あ っ た。 意 味 不 明 の た め, エ ビデ ンス テ ン ポ ラ リ ー ア ドバ イ ザ ー と して 参 加 し, JLOMの に基 づ く診 療 ガ イ ドラ イ ン で あ る こ と を 明 確 に す る 考 え を説 明 し, ま た そ の 後 の3日 た め に, "Evidence-based し た。 間 の 会 議 に も参 加 Clinical Practice Guidelines" と修 正 す べ き こ と を伝 え た。 こ の プ ロ ジ ェ ク トを ス タ ー ト さ せ よ う と し た も の は, 世 界 的 にCPG作 成 日東 医誌 Kampo Med Vol. 57 No. 4, 2006 467 が な さ れ て い る か ら, 伝 統 医 学 の 領 域 で も作 ろ う と 述 べ た よ う に, 2005年5月8日 い う程 度 の 認 識 で あ っ た と推 測 さ れ た。 れ た。 ま た, 日本 東 洋 医 学 会 と し て も全27の 疾 患 そ れ ぞ れ に ふ さ わ し い 経 験 と力 量 を も っ た 者 が 各5名 いる JLOMは, 学 会, 1)日 3)日 にJLOMが 本 東 洋 医 学 会, 本 生 薬 学 会, 4)和 2)全 北 里 研 究 所 東 洋 医 学 総 合 研 究 所 ・WHO伝 れ て, 豊 富 な 人 材(CPG作 究 協 力 セ ン タ ー, 明 だ が)が い る 中 国 や 韓 国 と 日本 と は 状 況 が 違 う。 さ ら に, 当 初 の 関 係 者 はCPG作 成 の基本資 料 と 座 ・WHO伝 6)富 日本 鍼 灸 漢 医 薬 学 会, と は 考 え ら れ な か っ た。 中 医 師 や 韓 医 師 が 制 度 化 さ 成 に 適 切 か ど う か は不 設立 さ 5) 統 医学研 山大 学 医 学 部 和 漢 診療 学 講 統 医 学 研 究 協 力 セ ン タ ー, の6つ 関 か ら成 り立 つ。 そ の 目 的 は, 1)厚 の機 生 労 働 省 に伝 な る べ き もの の 存 在 を 知 ら な い こ と が 判 明 した。 そ 統 医 療 関 連 の セ ク シ ョ ン を 設 置 す る よ う に働 き か け こ で, AGREE る こ と, Instrument3)(2001), GRADE4)(2004), 応, 「診 療 ガ イ ド ラ イ ン作 成 の 手 順 」5)(ver.4.3, 2001) な ど をWPROに 送 り, CPGの 素 案 を作 る と され る 2)WHO関 連 の プ ロ ジ ェ ク トに 対 す る 対 で あ る。 前 者 は 従 来 か ら望 ま れ て き た も の で あ り, 後 者 は 今 回 のCPG作 成 だ け で な く伝 統 医 学 用 中 国 側 参 加 者 に こ れ らの 中 国 語 訳 を 作 る よ う に提 案 語 な ど の 標 準 化 の 作 業 に お い て も複 数 学 会 が 共 同 し した。 た 対 応 が 必 要 と な っ て い た。 (3)2005年3月 EBMコ の北 京 で の 中 国 人 を対 象 と した 2一 大 郎 会 議 ース 2005年3月29日 ∼3月31日 究 院 広 安 門 医 院 で "Training Drafts of Evidence-based Traditional Medicine" に, 北 京 の 中 国 中 医 研 Course for Developing Clinical Practice Guidelines on が 開 催 さ れ た。 対 象 は 中 医 学 を 専 門 と す る 中 国 人 医 師 で, 約80名 が 参 加 した。 中 国 の 北 京 大 学 と復 旦 大 学 に あ るEBMセ ン ター や 四 川 大 学 か ら の 西 洋 医 学 的 な 臨 床 疫 学 の 専 門 家, また 中 国 中医研 究 院情 報 研 究 所 や広 安 門 医 院 の 中医 学 の 了 解 を 得 て, 北 京 の 日 中 友 好 病 院 に 勤 務 す る 日本 人 看 護 師 に 依 頼 し, オ ブ ザ ー バ ー 参 加 して も ら っ た。 今 後 の 日本 側 の 対 応 の 参 考 とす る た め の 情 報 収 集 が 目 的 で あ る。 こ の コ ー ス はEBMの 基 礎 教 育 が 主 体 で, 先 に 送 っ た3つ に 韓 国 ・大 邸(Daegu)に お い て 開 催 さ れ, 一正 式 な 会 議 の タ イ トル は"2nd Infor- mal Consultation on Development Clinical Practice Guidelines on Traditional Medicine" で あ っ た。 な お, "2nd"と し た た め で あ る。 中 国3名, 日本4名, 韓 国7名, の た4人 で あ る。WHOか ホ テ ル 代 や 日 当(stipend)な (Daegu Hanyi Medical こ こ で, こ の"Informal Consultation" と い う形 式 時 に 使 う も の で, フ レキ シ ブ 声 が 多 か っ た との こ と で あ っ た。 が 不 明 確 で, 会 議 の 進行 方 法 や 報告 方 法 し ば し ば 問 題 を 引 き起 こ す もの で あ る。 本 プ ロ ジ ェ ク トの 問 題 点 は, 後 で も 述 べ る が こ の 会 議 の 形 式 に も あ る。 き そ の 後 もWPROか ら 日本 の 本 プ ロ ジ ェ ク トへ の 参 加 要 請 は 何 度 も な さ れ た。 そ れ が 複 数 の チ ャ ン ネ ル を 通 し て な さ れ た た め に 日 本 側 に 混 乱 が 生 じ た。 CPG作 支 払 う とい う 形 式 で 開 催 さ れ た。 ル な 運 営 が 出 来 る 反 面, 立へ向けての動 ど は, 大 邸 韓 医 科 大 学 University)が 中 国 側 参 加 者 か ら は 「困 難 な プ ロ ジ ェ ク トだ 」 との のJLOM設 計14名 の 出 席 者 ら は 旅 費 の み が 支 払 わ れ, は, 資 金 難 のWHOが ∼6月 な っ て い る の は, 2004年 5月 に ソ ウ ル で 開 催 さ れ た 会 議 を 第1回(1st)と 資 料 も一 部 中 国 語 化 さ れ て 使 わ れ て い た。 しか し, (4)2005年4月 of Evidence-based で あ っ た。 日本 か ら の 参 加 者 は 「は じめ に」 で 示 し 専 門 家 に よ っ て, 講 義 形 式 で 行 な わ れ た。 こ の コ ー ス にWPROの 2005年7月6∼8日 成 と い う の は, そ の プ ロ セ ス も重 要 で あ る 各 国 か ら 以 下 の よ う な 意 見 が 述 べ ら れ た。 (1)臨 床 試 験 につ い て 中 国 か ら は 国 家 臨 床 試 験 基 地(State Clinical Trial: SBDCT)に Base for Drug つ い て, 北 京 ・広 安 門 病 が, 作 成 さ れ た あ と は, 直 接 診 療 行 為 に 関 係 し て 来 院 で の 例 を 挙 げ て 説 明 さ れ た。 伝 統 医 学 的 症 候 学 の る もの で あ る。 し た が っ て, ア ウ トカ ム と し て の 臨 床 的 意 義, そ れ は個 人 が 対 応 す べ き性 格 の も の で は な く, な ん ら か の 権 威 を も っ た 支 持 母 体 が 必 要 と考 え られ た。 そ こ で 「は じ め に 」 に 医 学 と 医 療 シ ス テ ム に 適 し た Good (GCP)作 中 国 にお け る伝 統 Clinical Practice 成 の 試 み な ど が な さ れ て い た。 468 日東 医 誌 Kampo 日本 で は, 臨 床 試 験 を経 ず に148種 の 漢 方 製 剤 が 医 療 用 と し て 承 認 さ れ て い る。210処 厚 生省監修 方 を収 載 す る 『一 般 用 漢 方 処 方 の 手 引 き』(1976)に Med vol. 57 No. 4, 2006 Clinical Excellence)が 設 立 さ れ 質 の 高 いCPGを 行 し て い る こ と, CPG作 エ ス チ ョ ン(Research 発 成 に あ た っ て リサ ー チ ク Question: RQ)をPICO(Patient, 基 づ く も の で あ る が, 基 本 は 専 門 家 の 意 見 ・基 礎 研 Intervention, Comparison, 究 ・経 験 で あ る。 現 在, 表 現 す る こ と, 伝 統 医 学 の 経 済 分 析 は ま ず 臨 床 エ ビ 統 医 学, 臨 床 試 験 を 行 う場 合 は, 伝 近 代 医 学 を 問 わ ず publication bias を減 ら し, 試 験 参 加 者 を 保 護 す る 必 要 が あ る。 日本 で は 漢 方 薬 や 鍼灸 の ラ ン ダム化 比 較試 験 trolled Trial: RCT)な ど の デ ー タ ベ ー ス が 構築 さ れ つ い て, ア ウ トカ ム 評 価 項 目(エ 学 と伝 統 医 学 の エ ン ドポ イ ン トを 両 方 使 う こ と も あ る。 た と え ば, い る。 中 国 に あ る よ う な 漢 方 の 注 射 液 は 日本 に は な ン ドポ イ ン ト(primary く, 安 全 性 が 保 証 さ れ な い た め, エ ン ドポ イ ン ト(secondary 臨 床 試 験 の 実 施 が 認 め ら れ な い。 に Korean (ICH)のGCPを GCPが が ん の 場 合, 症 候 とQOLが endpoint)に, 一次エ 腫 瘍径 が二 次 endpoint)に な る。 こ れ に 生 存 期 間 を 加 え る。 さ ら に伝 統 医 学 的 診 断 に よ る 韓 国 で は, 日 米 欧 か ら な る International Conference on Harmonization ン ドポ イ ン ト)に 中国 で は西 洋 医学 の分 類 に基 づ い て西 洋 医 に 『漢 方 処 方 の エ ビ デ ン ス ・レ ポ ー ト』6)を 発 行 して まず倫 理委 員 会 で 枠組みで る こ と な どが 述 べ られ た。 ま た, 別 委 員 会 は2005年 Outcome)の デ ン ス が 弱 い た め に 困 難 で は あ る が, 今 後 重 要 で あ Con- て い る。 日本 東 洋 医 学 会EBM特 (Randomized and ベ ー ス に, 2001年 制 定 さ れ た。 こ れ を用 い た142の サ ブ グ ル ー プ 解 析 が 必 要 で あ る。 ま た 非 常 に 重 要 な 点 で あ る と し て, 日 本 か ら, WHO-CPGの ユ ー ザ ー は 誰 か(誰 臨 床 試 験 の う ち伝 統 医 学 に 関 す る も の は こ れ ま で わ 使 う の か)に つ い て 議 論 す べ きで あ る と提 案 さ れ た。 ず か に2件 中 国 はCPGを Korean の み で あ っ た。 国 内 の 関 連 部 局 と し て FDA(KFDA), 遺 伝 子 関 連 研 究 部, 厚 生 省 細 胞 研 究 部, 科 学 省 な どが あ る。 日本 か ら は, 伝 統 医 学 は 個 別 化 医 療 の 要 素 が あ る。 そ れ が す べ て で は な い が, これ を考慮 した研 究 デザ い か に 他 の 国 で 応 用 す る か, システ マ テ ィ ッ ク な 取 り組 み が 重 要 と し た。 韓 国 は 各 国 が 自 国 で まず よ く調 整 す る 必 要 が あ る, と した。 日本 は, 西 洋 医 学 を ベ ー ス と した 医 師 が 漢 方 薬 も使 う と い う 日本 の シ ス テ ム の 中 で は, 西 洋 医 師 が 日本 に お イ ン も必 要 で あ ろ う と発 言 した。 中 国 か ら は, 西 洋 け るWHO-CPGの 医 学 で は1つ 統 医 学 の み か ら な るCPGで の 治 療 法 を す べ て の 患 者 に 使 う が, 伝 が ガ イ ドライ ン を ユ ー ザ ー で あ る。 し た が っ て 伝 は, 日本 の ユ ー ザ ー は, 統 医 学 で は 同 じ薬 を す べ て の 患 者 に 出 す こ と は あ り 存 在 し な い な い し 限 定 さ れ た も の に な る と し た。 ま 得 な い。 例 え ば, たWHO一CPGの 1つ の 固 定 し た 治 療 法 と個 別 化 し た 治 療 法 と プ ラ セ ボ の3群 を比 較 す るデ ザ イ ン もあ る。 中 国 ・日 本 ・韓 国 以 外 の 国 に及 ぶ 可 能 性 も指 摘 さ れ た。 (3)文 日 本 か ら は 中 国 の 提 案 は, い わ ゆ る 「中 医 学 」 に ユ ー ザ ー は, 献 の質 評 価 につ い て 中 国 か ら, 各 種 研 究 デ ザ イ ン の 長 所 と 短 所 を考 慮 基 づ い た 診 断 体 系 で あ り, そ れ を エ ン ト リ ー ク ラ イ し, 単 一 の 方 法 論 に 頼 ら ず, テ リ ア に し た 臨 床 試 験 は, そ れ 以 外 の 東 ア ジ ア 伝 統 い に欠 点 を補 う よ う な方法 論 の組 み合 わせ が重 要 で 医 学 シ ス テ ム, 例 え ば 漢 方 医 学 を主 とす る 日本 で は あ る と さ れ た。RCTの 実 施 す る こ とや ま た そ の 結 果 を使 う こ と も困 難 で あ す る 全 般 的 な 考 察 が 必 要 で あ る。 と は い っ て も プ ラ る と指 摘 し た。 セ ボ 効 果 が 高 い 場 合 に は, 二 重 盲 検RCTが 以 上 の よ う に, 各 国 に お け る 伝 統 医 学 と, そ れ へ の 政 府 対 応 機 関 の 存 在 様 式 が 異 な り, 臨 床 試 験 へ の 限 界, バ ラ ン ス の 取 れ た, 互 エ ビデ ンスの 質 に関 必要 と な る。 韓 国 か ら は 次 の よ う な発 言 が あ っ た。 韓 国 と 日本 取 り組 み 方 と試 験 さ れ る 薬 品 に 大 き な差 が 見 ら れ る。 で は 同 じ処 方 名 で も投 与 量 が か な り異 な る こ と, 環 (2)診 境 因子 の ため に各 国 間 で 治療 効 果 に差 が 出 る可 能性 療 ガ イ ドラ イ ン の 内 容 エ ビ デ ン ス に 基 づ く伝 統 医 学 の 診 療 ガ イ ドラ イ ン (CPG)の 内 容 と構 造 に つ い て 議 論 さ れ た。 が ん と 眼科 疾 患 に関 す る原 案作 成 が 中 国 で進 行 中で あ る こ と, 英 国 で は, NICE(National Institutefor Health and が あ る。"enough power"と あ る 面, Cochrane Review い う表 現 は 定 義 が 難 しい。 が 十 分 な 「パ ワ ー 」 を与 え る と は い い 難 い。 医学 古 典 に お け る記 載 を どの よ うに評 価 す る か に 日東 医誌 つ い て 議 論 さ れ た。 米 国FDAが Kampo Med 植 物 由来薬 剤 に関 vol. 57 No. 4, 2006 469 具 体 的 な 作 業 手 順頁は 形 成 さ れ な い ま ま に 終 っ た。 す る 文 書 の 指 針 を2004年 に 出 し, 伝 統 医 薬 を 「新 薬 」 と し て 受 け 入 れ て い る こ と は 非 常 に 重 要 で あ る。11 の 医 学 古 典 が 韓 国 で 伝 統 薬 の 承 認 に 使 わ れ て い る が, 3.2005年10月 上 記, の 第2回JLOM会 議 大 邸 会 議 の 内 容 は 日本 に 伝 え られ た が, 日 そ の 明 確 な 基 準 は な い。 韓 国 で の 再 評 価 に は ど の よ 本 と し て は 不 満 足 な 内 容 で あ っ た。 特 に, 作 成 さ れ う な 種 類 の デ ー タ が 使 わ れ た の か?と るWHO-CPGの い う 日本 か ら ユ ーザ ーが 明確 で ない ことが問題 の 質 問 に対 し て は, 動 物 実 験 の デ ー タ で あ る と の 回 で あ り, そ れ を あ い ま い な ま ま 作 業 を 進 め る こ と に 答 で あ っ た。 は 問 題 が あ る。 そ の 後, WPROか 生 薬 の 安 全 性 の 検 証 は ど の よ う に し て い る の か? 品 質 管 理 は 難 しい は ず だ, 質 問 に 対 して, との韓 国 の 西 洋 医 学 者 の 韓 国 の 生 薬 学 研 究 者 はHPLC, finger- に 北 京 で が ん のCPG作 ら, 2005年11月 成 の た め に, 日 本 か ら5人 を選 ぶ よ う に と の 連 絡 が 入 っ た。 2005年10月21日 に 開 催 さ れ た 第2回JLOM会 議 prints な ど 通 常 の 西 洋 科 学 的 手 法 は す べ て 可 能 で あ で は, 本 件 が 議 題 と な り, 種 々 の 議 論 の あ と, JLOM る との 答 え で あ っ た。 と して は, 北 京 で の が ん の 会 議 へ 人 を 派 遣 し な い こ (4)エ と と な っ た。 た だ し情 報 収 集 の 必 要 が あ り, 個 人 で ビ デ ンス の grading system に つ い て 韓 国 か ら提 案 さ れ た grading system に つ い て, 国 か ら伝 統 医 学 の パ タ ー ン認 識 は grading 中 system に は 適 し て い な い で あ ろ う と さ れ た。韓 国 案 の grading 参 加 す る こ と は 構 わ な い と い う方 針 で, 種 々人 選 の 結 果, 元 雄 が 参 加 す る こ と と な っ た。 そ の 後, 日本 の 立 場 を よ り明 確 に す る た め に, 日 system は あ く ま で 伝 統 薬 の み の た め の も の で あ る と 本 と して こ の プ ロ ジ ェ ク トに 関 す る 考 え を ま と め て の こ と で あ っ た が, 文 書 化 す る こ と と な り, 「JLOM診 日本 か ら は, 西 洋 薬 と伝 統 薬 を 別 に と り扱 う こ と は 二 重 基 準(double 療 ガ イ ドラ イ ン ・ワ ー キ ン グ グ ル ー プ の 声 明 」 と し て, standard)に な り う る 危 険 性 が 指 摘 さ れ た。 古 典 の 記 載 を 取 込 む 学 会EBM特 こ と は 意 義 が あ る が, ォ ー ス の メ ン バ ー を主 と し て, 津 谷, そ の古 典 の 出版 年 とそ れ以 後 治 療 さ れ た 患 者 の 概 数 な ど も可 能 で あ れ ば 提 示 す べ 元 雄, き で あ ろ う。 有 効 性(efHcacy)と に 示 す。 安 全 性(safety) 日本 東 洋 医 別 委 員 会 診 療 ガ イ ドラ イ ン タ ス ク フ 大 澤 の5人 秋 葉, 兵 頭, の 名 前 で 文 書 が 作 成 さ れ た。 図1 は 一 緒 に 取 り扱 わ ず, 基 本 的 に は 別 の grading system に す るべ き で は な い か, と提 案 し た。 こ の 意 見 が 採 用 さ れ た。 さ ら に, 当 初 提 案 さ れ た"claSS"よ 世 界 で 用 い ら れ て い る"level"と りも い う用 語 を 使 う こ 4.2005年11月 の北京会議 2005年11月15日 ∼17日 に 北 京 で 開 催 さ れ た。 正 式 な 会 議 の タ イ トル は "First Informal と を 提 案 し, 了 承 さ れ た。 古 典 に 基 づ く grade と新 Development しい 文 献 に 基 づ く grade は 区 別 す べ き で あ る と い う lines on Traditional Medicine 意 見 が 多 か っ た。 論 のCPG作 全 体 と し て, 今 回 の 大 邸 会 議 で 作 成 さ れ た grading of Evidence-based そ の 前 日 の11月14日16: つ い て, さ れ た。WHOか 要 望 で Small Forum (1)Small 評 価 の 方 法 論 の た め の 総 合 ガ イ ド ラ イ ン」(2000) の grading も 参 午 後) 考 す る の が よ い で あ ろ う と さ れ た。 一方, こ の grad- WPRO伝 に お け る evidence と recommendation ing system はAHCPR(1993)とSIGN(1995)の 引 用 で あ り, そ の 後 の 世 界 的 動 向 を 反 映 したGRADE4) (2004)を 以 上, for Cancer" で あ る。 各 00か ら, 会 議 の 進 め 方 に と く に 日本 の 立 場 を 伝 え る 場 が 日 本 か ら の Forum と して 設 定 さ れ た。 on Process and Structure (2005.11.14 統 医 学 諮 問 官Dr.Choiか ら今 回3日 間の 構 造(struc- つ い て 議 論 す る こ と に な っ た の で, まず 日 本 か らの 意 見 を 述 べ て ほ し い との 開 会 の 挨 拶 が あ っ 使 うべ き だ と の 意 見 もあ っ た。 大 郎 の 会 議 は 種 々 意 見 が 出 さ れ, Clinical Practice Guide- 会 議 の 前 に, そ の プ ロ セ ス(process)と ture)に on 成 と して は こ の 癌 領 域 が 最 初 で あ る。 system の 案 は 叩 き台 と して は 妥 当 な も の で あ ろ う と ら 出 版 さ れ た 「伝 統 医 学 の 研 究 と Consultation 各 国 の制 度 な ど の 違 い は あ る 程 度 認 識 さ れ た が, 今 後, がん や 眼 科 領 域 を は じ め と し て27のCPG作 成 のた めの た。 日本 が 図1に プ の statement 示 すJLOMCPGワ (5人 の 署 名 入 り)を ーキ ング グルー 配 布 し読 み 上 470 日東 医誌 図1 JLOMCPGワ Kampo ー キ ン グ グ ル ー フ の声 明: WHO伝 Med vol. 57 No. 4, 2006 統 医 学 診 療 ガ イ ドラ イ ン作 成 フ ロ ジ ェ ク トに対 す る 日本 の 見 解 (2005.11.5) 日東 医 誌 Kampo Med vol. 57 No. 4, 2006 471 472 日東 医誌 げ, 解 説 し た。 ま たJLOMが Kampo Med 公 式 参 加 を見 合 わせ Vol. 57 No. 4, 2006 1日 目 は, 広 安 門 医 院8階 講 堂 に 午 前8時 半 に集 た こ と を 記 載 し た 漢 方 医 薬 新 聞(2005.10.15号)の 合 し, 全 員 が 漢 字 で サ イ ン の あ と資 料 を 受 け 取 っ た。 コ ピ ー も配 布 し た。 資 料 と い う の は, 肺 癌 の 中 医 学 的 診 断 ・治 療 の 教 科 以 下, そ の 後 の 議 論 を記 す。 書 の よ う な も の で, 韓 国 か ら以 下 の 意 見 が あ っ た。 伝 統 医 学 に quality and quantity で evidence が 少 な い と言 う が, 英 語 論 文 の 最 近 の 検 索 だ け で 伝 統 医 学 の evidence が 少 な い と い うの は 正 し い と は 言 え な い。 中 国 語 ・韓 国 語 の 文 献 に は 貴 重 な も の も あ り, こ れ ら を よ く調 べ る べ き で あ る。 こ の 意 見 に は, で あ る と さ れ た。 ま たRCTの く, 米 国NCIな トで, こ の 日午 前 中 の 発 表 ス ラ イ ドの ハ ン ドア ウ 日本 か ら の ス ラ イ ドは 入 っ て い な い。 発 表 は 以 下 の 順頁で 行 わ れ た。 1)WPRO伝 統 医 学 諮 問 官: WHO/WPROの 紹 介。 今 回 の 会議 の 目的 2)中 み が evidence で は な ど で は best case series プ ロ ジ ェ ク ト も 実 施 さ れ て い る。RCTの た の が, 中 国 も 同 調 し, 英 語 以 外 の 言 語 で 書 か れ た 文 献 も含 む 包 括 的 な検 索 が 必 要 中 国 語 と英 語 版 が あ っ た。 文 献 は す べ て 中 国 語 の 文 献 で あ っ た。 そ の あ と に 配 ら れ 国: 中 国 に お け る 中 医 学 的 が ん 治 療 の 実 際。 中 西 結 合。 康 莱 特 注 射 液 の 紹 介 3)日 結 果 に現 場 へ の 応 用 性 本: 前 日表 明 し た 日本 の 立 場 を ス ラ イ ドで 説明 が あ る の か も 疑 問 で あ る。 日本 で の 承 認 の ベ ー ス と 4)韓 国: Korean Oriental Medicine な っ た 「210処 方 」 も す べ てRCTで 5)ベ トナ ム: ベ トナ ム に お け る伝 統 医 学 に よ る 評価 され た わ け で は な い と さ れ た。 Dr.Choiか ら は, が ん 治 療 の 現 状: こ の informal (KOM)の 紹介 実 際 には 民 間 療 法 の レベ ル で consultation は 各 論 あ り, 通 常 の 医 療 に 取 り入 れ ら れ て い な い。 自 と し て の 領 域 別 と し て の 初 め て の 試 み で あ り, 探 索 分 の 家 族 に 漢 方 薬 を 中 心 と した 治 療 を 希 望 す る 的 な もの で あ る。 し か も今 回 が 第1回 人 は 少 な い。 わ ず か に in vitro で 実 験 的 な 研 究 で あ り, 決 し て 最 終 報 告 を ま と め る も の で は な い。CPGは 強制 的 な も の で は な く, 推 奨(recommendation)あ るい は 助 言(advice)で あ る。WHOのCPGが (ER)に 間 の 会 議 の 結 果 を 見 て, Evidence す る かCPGに は な い か?も 6)韓 出 たか ら と い っ て 必 ず し もす べ て そ れ を 採 用 す る 必 要 は 全 く な い。3日 が な さ れ て い る の み で あ る。 Report 国: Evidence-based grading system for tradi- tional herbal therapy. (3)CPG作 成 作 業(2005.11.15午 後) 中 国 が 議 長 と な り, ま ず 中 国 が 中 国 国 内 のCPG す る か を決 め て もい い の で 案 をWHOが し て 不 十 分 な らERで う プ ラ ン を 紹 介。 中 国 語 の 「ガ イ ド ラ イ ン」 を 英 訳 しCPGと い。 我 々 中 日 韓(CJK)は もよ terminology や acupuncture で 現 在 よ く協 力 で き て い る の で, こ のCPG もぜ ひ協 力 し て 進 め て 頂 き た い, project と の コ メ ン トが 承 認 し, 国 内 の 多 施 設 で 臨 床 試 験 を行 し た もの を さ ら に ス ラ イ ドに し て 解 説。 肺 気 虚 な ど の 中 医 学 的 診 断 に従 っ た 治 療 体 系 を 説 明。 化 学 療 法 や 放 射 線 療 法 と 漢 方 の 併 用 例 も解 説。 つ ぎ に議 長 が 「肺 癌 の 資 料 を1頁 あ っ た。 韓 国 の 放 射 線 腫 瘍 医 か ら は, 韓 国 で は 西 洋 医 師 に う 」 と発 言 した が, 目 か ら検 討 し よ 日本 は 即 座 に, 前 日 の フ ォ ー ラ も患 者 か ら伝 統 医 学 処 方 の こ と を尋 ね られ る こ と が ム の 通 り, こ の 会 は こ の 中 医 学 的 記 載 を逐 次 チ ェ ッ あ る。 む し ろ 使 っ て は い け な い 処 方 な ど を 示 して く ク す る 会 で は な く, 構造 化 抄 録(structured れ るCPGが SA)を 一 つ ひ とつ 検 討 す る 会 で あ る。各 clinicalques- CPG作 あ る と よ い, と の 発 言 が あ り, 日 本 は, 成 は 患 者 に も大 き な 影 響 を 与 え る の で, く tion (CQ)に abstract: 対 応 し て ど の よ う な 文 献 が あ り, そ の れ ぐれ も慎 重 に す べ きで あ る と追 加 し た。 しか し, SAを 中 国 か ら は, 推 奨 の な いCPGは の よ う な も の を 準 備 し て い な い こ とが 判 明 し た。 そ 使 用 者 に魅 力 的 で 提 示 し て ほ し い, と 提 言 し た。 結 局 中 国 は そ な く, 少 な く と も evidence の grade を 付 け た 推 奨 は こ で, す べ き で あ る と の 発 言 が あ っ た。 は 当 初 中 国 案 の 対 象 に他 の 肺 疾 患 が 含 ま れ て い な い (2)本 会 議 に お け る 各 国 の 発 表(2005.11.15午 2005年11月15日 に記 す。 前) ∼17日 が 本 会 議 で あ る。 以 後, 順頁 まず 肺 癌 の 定 義 を 明 確 に し よ う と し た。 こ れ か と い う懸 念 が あ っ た か ら で あ る。 西 洋 医 学 的 に 生 検 ・組 織 診 で 診 断 し て あ る 肺 癌 症 例 cases)を 対 象 に す る こ と を確 認 し た。 (biopsy-proven 日東 医誌 Kampo Med vol. 57 No. 4, 2006 473 韓 国 は, 今 回 の 中 国案 に は あ ま りに も多 くの処 方 容 が 秘 密 に な っ て い る ものが あ る。 他 の 国 の 参加 者 が 記 載 され てお り, 複 雑 す ぎる と指 摘 した。 また こ か らは, 内容 が 隠 され て い る よ う な薬 を ど うや って の よ うな case study の み で は全 く不 十 分 と。 さ ら に 承 認 で きる の か との質 問 多 数 あ り。 米 国NCIの (5)文 献 の検 討(2005.11.16午 ガ イ ドラ イ ンの よ う に西 洋 医 学 と同 じ 後) ス ター ト地 点 か ら始 め る必 要 が あ る と発 言 した。 こ 2日 目午 後 の 中 国 か らの議 長 は, す で に 日本 か ら こで 韓 国 の 外 科 医 が 発 言 した。 「自分 は 胃が ん を専 の漢 方 医薬 新 聞 に 目を通 してお り, ガ イ ドラ イ ン作 門 とす る外 科 医 で あ る が, 先 程 か らの議 論 をず っ と 成 の 困難 性 を語 り, 中 国側 もそ れ はあ る程 度 理解 し 聞 い て きて, 私 は次 の よ う に強 く訴 え た い。 我 々は て い る と も。伝 統 医 学 が 西 洋 医 学 と違 う こ と を理 解 現 時 点 で のCPG作 し, 今 回が 癌 領 域 で第1回 の 会議 だか ら何 が ベ ス ト 成 は き わ め て 困 難 で あ る と考 え な け れ ば な らな い。 各 国 の事 情 ・意 見 を もっ と尊 重 して ほ しい。 決 して急 ぐ必 要 は な い。 韓 国 で 胃 が ん のCPG作 成 に 関 与 した経 験 か ら も, 同 じ診 断 基 準 の方 法 な の か を議 論 して ほ しい と提 案 した。 副 議 長 の韓 国が こ れ まで の議 論 を ま とめ, とに か く今 回 の draft は根 本 的 に変 え な け れ ば な ら な い, で, 同 じ治療 方 法 で検 討 した デ ー タが必 要 で あ る。 診 断 は西 洋 医学 的 に きち ん と定 義 す べ きで あ る, 実 た とえ ば 各 国 で 肺 癌 のCPGが 際 の文 献 を見 せ て, み ん なで 解析 して み よ う, と提 すで にあ るはずで あ る。 も し伝 統 医 学 で もエ ビデ ンス が 十分 あ る な ら各 国 で そ れ らを取 り入 れ てCPGを 作 れ ば よ い。 各 国 案 した。 と こ ろ が 実 際 の 議 論 に入 る と, 中 国 が 中 国語 の で 小 委 員 会 を作 り, そ こで の デ ー タ を持 ち寄 っ て は CPG案 ど うか?も 付 け た。 前 日に続 いて 日本 は 中止 を提 案 し, 議長 も し真 の エ ビデ ンス が あ るな ら西 洋 医 で あ の 原 稿 を読 み 始 め, 逐 次 若 い 医 師 が 英 訳 を る 自分 で も患 者 に そ れ を 推 奨 す る で あ ろ う。CPG そ れ を了 承 した。 こ こで 韓 国 が 構 造 化 抄 録(strUC- を作 る な ら欧 米 で も使 え る よ う な高水 準 の もの を 目 tured abstract) table とは この よ う な もの で あ る と実 指 す べ き だ」。 例 を示 して説 明 した。 そ こで 中 国側 は 中 国語 で あ る しか し, 中 国 は こ のCPG案 は 中 国 国 内 で議 論 さ が, RCTを 行 っ た とい う論 文 の抄 録 と デ ー タの 記 れ, す で に 中医 学 の 専 門家 の 審査 を通過 して い る。 載 して あ る数 ペ ー ジ を コ ピー して 配布 した。 論 文 名 あ とは国 際 的 な専 門家 の 評 価 を待 ちた い と発 言 した。 が よ くわ か らな か っ たが, 非 小 細 胞 肺 癌223例 に化 の基 礎 に 学 療 法(シ ス プ ラチ ン+ナ ベ ル ビ ン)単 独 群 と 「 参 な っ た文 献 をい くつ か 紹 介 して も ら う こ と を決 定。 丹 」 とい う漢 方 薬 併 用 群 を比 較 し, 奏 効 率 が 有 意 に 今 後 の 予 定 を議 論 し, 中 国 か らCPG案 英 訳 は無 理 との こ とで, 中国 語 で もい い か ら と, 構 (P<0.05)高 か った とい う デ ー タで あ っ た。 これ 造 化 抄 録 の提 出 を要 請 した。 につ い て各 視 点 か ら議 論 され た。 韓 国 と中 国の 医 学 (4)広 安 門病 院腫 瘍 内 科 病 棟 の 見 学 と討 論 統 計 学 者 は, バ イ アス の有 無, 対 象 の選 択 規 準 な ど を質 問 した。 あ ま りに細 か く質 問 され る ので, 中国 (2005.11.16午 前) 2日 目午 前8時 半 に集 合 し, 広安 門病 院6階 に あ 側は 「 論 文 審 査 会」 の よ うだ と嘆 息 を漏 ら した。 し る計120床 の 腫 瘤 科(腫 瘍 内科)の 病 棟 を見 学 した。 か し, 日本 と韓 国 は, この よ うな検 討 をす るの が こ 病 院で はが ん の診 療 ・教 育 ・研 究 を行 っ て い る こ と の 会 議 だ, と強 調 した。 日本 は, こ れ を例 に して, が 紹 介 さ れ た。3例(甲 英 訳 した抄 録 を各 文献 につ い て準 備 して あ る もの と 状 腺 癌, 胃癌, 肺 癌)の 漢 方 薬 単 独 な い し抗 が ん剤 併 用 で の 著効 例 が 紹 介 され 思 って この 会議 に来 た の だ と発 言 した。 よ うや く, た。 と くに 漢 方 注 射 薬 に よ る転 移 性 肝 癌 の 消 失 が 中国 側 も少 し理 解 した よ うで あ っ た。 CTで 呈 示 され た と きに驚 きの声 が 上 が っ た。 見 学 後, 今 後 の こ とを討 論。 日本 は, この会 議 に 韓 国 は, 構 造 化抄 録 に基 づ くデ ー タ シー トの作 成 が 必 要 で, 各 国 か ら持 ち寄 っ たデ ー タ シー トを科学 日本 の正 式 参 加 を望 む な ら参 加 で きる条 件 を作 っ て 的 に評価 す る こ とか ら, 一 歩 一 歩 進 め る必 要 が あ る。 ほ しい, 少 な く と も Evidence Report (ER)/CPGに ガ イ ドラ イ ン作 成 とな る と少 な くと も5年 は か か る な らな い か と発 言 した。 今 日見 学 した よ うな漢 方 注 で あ ろ う, と。Grading system の 詳細 につ い て 中 国 射 液 は 日本 で は認 め られ ない と。 中 国 で は癌 領 域 で 側 が解 説書 の有 無 を尋 ね た と ころ, 韓 国 は米 国FDA は, 第1相 臨床 試 験 が 終 れ ば承認 され るが, 処 方 内 の ホ ー ム ペ ー ジ を参 照 して も らえ ば よい と回答 した。 474 日東 医 誌 (6)北 3日 京 会 議 の ま とめ(2005.11.17午 Kampo Med vol. 57 No. 4, 2006 の 連 絡 者 を 決 め て, そ の 人 を 介 し て 話 を step by step 前) 目 は 会 議 の ま とめ の 作 業 に 入 っ た。 で 進 め て い く こ と に な っ た。 日本 は ガ イ ド ラ イ ン作 成 の プ ロ ジ ェ ク トに お け る " evidence-based CPG"と い う名 前 に 最 後 ま で 抵 抗 し, 「昨 日 ま で の 討 論 で 合 意 さ れ た よ う に, 伝 統 医 5一 会 議 の 問 題 点 と 今 後 日本 と し て 北 京 会 議 へ の 正 式 な 参 加 を 見 送 っ た 背 学 の 国 際 的 ガ イ ド ラ イ ン は 危 険 で, 現 在 ほ ぼ 不 可 能 景 は 下 記 の ご と くで あ っ た。 に 近 い 状 態 で あ る。 も し 中 国 国 内 で 中 医 学 の ガ イ ド (1)「WHOが ラ イ ンが 早 急 に必 要 な ら 国 内 向 け に 作 れ ば よ い。 そ ン」 を 誰 が 使 う の か, の た め にWHOと の 医 療 専 門 職 の 免 許 制 度 や 医 薬 品 承 認 制 度 が 異 な り, WHO承 い う名 前 を 利 用 し な い で 頂 き た い。 認 の ガ イ ドラ イ ン の 重 さ を 認 識 し て ほ し い。 認 め る伝 統 医 学 の 診 療 ガ イ ドラ イ が 明 確 に な っ て い な い。 各 国 誰 が ユ ー ザ ー に な る の か に つ い て は, 単 に 伝 統 医 学 日本 側 は エ ビ デ ン ス に基 づ くガ イ ドラ イ ン作 成 とい の 臨 床 家 が 使 う, う 名 前 に は 納 得 し て い な い 」 と 伝 え た。 議 長 は, 制 度 が 厳 し く管 理 さ れ て い る 国 で は 十 分 で は な い。 evidence-based 日本 以 外 の 東 ア ジ ア で 流 通 し て い る 漢 方 薬 の 多 くは, にCPGが で あ る こ と が 前 提 で あ る の で, 名 前 入 っ て い る が, と に か くエ ビ デ ン ス 収 集 と す る の は 特 に 日本 の よ う に 医 療 そ の 有 効 性 と安 全 性 に お い て, 日本 の 厳 密 な承 認 制 と評 価 の た め の 一 歩 ず つ の プ ロ セ ス が 重 要 な こ と を 度 に は 適 合 し な い と考 え ら れ る。 日本 で 未 承 認 の 漢 強 調 し, 名 前 に つ い て は 後 日各 国 の 代 表 者 が 話 し合 方 薬 が, WHO一CPGに う こ と と し て, 今 回 の ま と め の 文 章 で は evidence- 個 人 輸 入 さ れ た り し て, 健 康 被 害 が 出 る よ う な事 態 based CPG は 断 じ て 避 け な け れ ば な ら な い。 した が っ て こ の よ project と い う名 前 で 終 りた い, と し た。 こ れ ま で の 討 論 で 中 国 側 も よ う や く理 解 し た よ う で あ る が, 英 語 の 抄 録 を 準 備 した り, デ ー タ シ ー ト 掲 載 さ れ て い る こ と を 理 由 に, う な 複 雑 で 難 しい 問 題 に つ い て は 実 際 の プ ロ ジ ェ ク ト を始 め る 前 の 準 備 段 階 に お い て, 注 意深 い調 査 と を作 成 す る の は 無 理 で あ る と 訴 え, 最 後 ま で 中 医 学 十 分 な 議 論 が な さ れ る 必 要 が あ る。 現 在 の 方 向 性 は 的 な観 点 を 忘 れ な い こ との 重 要 性 を強 調 し た。 す な 将 来 日本 に 法 的 お よ び行 政 的 に大 き な 問 題 を 引 き起 わ ち, こ す と考 え られ る。 中 医 学 で は, まず 中医 学 的診 断 とそ れ に基 づ く治 療 を 考 え る の が 基 本 で あ る。RCTは い し, 馴 染 まな こ れ ま で もそ の よ う な 研 究 は 少 な い と訴 え た。 (2)現 在 の 東 ア ジ アの伝 統 医 学分 野 にお け る情 報 は 質 ・量 と も 「エ ビ デ ン ス に 基 づ く」CPGを 作 成す 韓 国 は デ ー タ シ ー トの 作 成 が 先 決 で あ る と述 べ た。 る に は 十 分 で は な い。 ま たCPG作 議 長 は伝 統 医 学 の 考 えが重 要 で あ る こ とは 出席 者 全 資 源 も不 十 分 で あ る。JLOMと 員 が 知 っ て い る が, 必 要 性 を 理 解 し て い る が, 現 時 点 で ス タ ー トす る に 国 際 的 な ガ イ ドラ イ ン は 西 洋 医 成 の ための人 的 し て はCPG作 学 的 な 評 価 に も 耐 え る も の で な け れ ば な ら な い。 そ は 時 期 尚 早 で あ る。 各 国 で 西 洋 医 学 的CPG作 の た め の 方 法 論 を議 論 す る 必 要 が あ る, お け る経 験 を学 ぶ 必 要 が あ る。 と強 調 した。 韓 国 は 「我 々 は お 互 い の 違 い を よ う や く理 解 した, (3)各 国 で のCPG作 成 は 進 め て よ い が, ゴ ー ル は エ ビ デ ン ス を 明 ら か に し, 真 に よ い 治 療 方 WHO-CPGは 法 を 見 出 す こ と に あ る 」。中 国 は 今 回 のCPGの 医 学 に分 類 さ れ る 鍼 灸 に 関 す るWHOレ 目的 を す る た め に も何 ら か の ガ イ ドラ イ ン が 必 要 で あ る, positive と述 べ た。 韓 国 は 「韓 国 で は 中 国 で 使 わ れ て い る 漢 の 入 っ た レ ポ ー トで あ る た め, 方 薬 の 多 く を 使 え な い 」, 「伝 統 医 学 のCPGは 報 を 伝 え て い る と Lancet に批 判 さ れ た7)。 デ ー タ シ ー トに よ る 国際 的 な ポ ー トに 続 き, ホ メ オ パ シ ー homeopathy 医 学 の 特 徴 を生 か す べ きだ が, 成に 上 記 の よ う に 非 常 に 危 険 で あ る。 伝 統 が 不 明 確 だ と疑 問 を呈 し な が ら も, 中 国 で 臨 床 試 験 伝統 成の のWHOレ ポ ー トは data ば か り を 集 め た もの で あ り, バ イ ア ス ユ ーザ ー に誤 っ た情 こ の よ う に, 種 々 の 問 題 が あ るCPG作 成 は時期 解 析 が ま ず 必 要 で あ る 」, 「ガ イ ド ラ イ ン の ユ ー ザ ー 尚 早 と 考 え る。 しか しCPGで は 医 師 全 員 で あ っ て, 決 して 伝 統 医 学 の 臨 床 家 だ け レ ポ ー トと して エ ビ デ ン ス の 収 集 と 評 価 を 行 う こ と で は な い 」, 「英 語 の 構 造 化 抄 録 が 無 理 な と き は, に は 意 義 が あ る。 日 中韓 と も母 国 語 で い い か ら ま ず 構 造 化 抄 録 を 準 備 す る必 要 が あ る 」 との 意 見 が 表 明 さ れ た。 今 後 は 各 国 は な く, エ ビ デ ン ス 医 薬 品 の グ ロー バ リゼ ー シ ョ ンが 話題 に な って い る が8), 漢方薬のグローバリゼーションを推進しよ 日東 医誌 Kampo Med う とす る動 きを, 不 十 分 な エ ビ デ ンス の ま まWHO vol. 57 No. 4, 2006 2)中 手 法 を 用 い た 診 療 ガ イ ドラ イ 本補 完 代 替 医 療 学 会 誌, 2: 113-125(2005) 問 題 点 を会 議 の 最 後 に は少 しは理 解 した よ うで あ るが, 根 本 的 な と ころ 山 健 夫: EBMの ン: 日本 に お け る取 り組 み ・課 題 と展 望.日 が 後 押 しす る よ うな こ とは避 け るべ きで あ る。 中 国側 は伝 統 医 学 のCPGの 475 3) Appraisal of Guidelines, Research, and Evaluation in Europe (AGREE) Collaborative Group: Guideline de- で, 理 解 して い な い よ うに感 じ られ た。 velopment in Europe. An international comparison. Int J Technol Assess Health Care, 16: 1039-1049 (2000) おわ りに AGREE instrument- も し西 洋 医 学 的 に み て も評 価 で きる, 漢 方薬 を含 [http: /www. agreecollaboration. org/instrument/] む 診 療 ガ イ ドラ イ ンが 日本 に あ れ ば, 西 洋 医 学 しか 使 わ ない 医 師 で も漢方 薬 を患 者 に推 薦 す るで あ ろ う。 4) Group: Grading quality of evidence and strength of しか し, 実 際 に は 日本 にお い て まだ そ の よ うな エ ビ recommendations. デ ンス は 乏 し く6), まして東アジアで用いられてい 本 語 訳: る多 くの漢 方 薬 で 批判 に耐 え られ る もの は少 ない。 日本 が 参 加 しない伝 統 医 学 国 際 ガ イ ドラ イ ン作 成 津 谷 喜 一 郎, 328: 1490-1497, 中 山 健 夫, 2004〔 島 村 治 子, 治 療, 33: 1241-1254, 日 エ ビ 2005〕 5) http: //www. niph. go. jp/glgl-4.3rev. htm 6) 秋 葉 哲 生, 他(日 は あ り得 ず, 日本 を含 め た他 の 国 々 も積 極 的 に参 加 編: で きる よ うな条 件 が 揃 う こ と を望 み たい。 医 誌, 7) 文献 1) Field MJ, Lohr KN: Institute of Medicine. Clinical BMJ, デ ン ス の 質 と お 勧 め 度 の グ レ ー デ ィ ン グ. 薬 理 と こ の よ うな状 況 で 漢 方薬 に関 す る国 際 的 診 療 ガ イ ド ラ イ ンを性 急 に作 成 す る理 由 は見 当 た ら ない。 Atkins D, Best D, Briss PA, et al: GRADE Working 8) 本 東 洋 医 学 会EBM特 漢 方 治 療 に お け る エ ビ デ ン ス レ ポ ー ト. 日 東 56EBM別 刷 号(2005) McCarthy M: meopathy. Lancet, 白岩 別 委 員 会) 健, Critics slam 366: 川 島 今 日 子, Practice Guidelines: Directions for a New Program. ゼ ー シ ョ ン と薬: Washington DC: National Academy Press, 1990: 39 公 衆 衛 生, 69: draft WHO report on ho- 705-706(2005) 津 谷 喜 一 郎: グローバ リ 薬 に お け る も う ひ と つ の 「開 発 」. 908-913(2005)