Comments
Description
Transcript
(8)市場拡大に向けた顧客選別に 関する一考察
【経営学論集第 83 集】自由論題 (8)市場拡大に向けた顧客選別に 関する一考察 ――生体(リクガメ)を事例として―― 札幌大学 岩 倉 由 貴 【キーワード】リクガメ(tortoises) 顧客選別(choosing customers) デ・マーケティ ング(demarketing) 顧客教育(customer education) 顧客を育てる(customer nurturing) 【要約】本稿の目的は,リクガメを事例にデ・マーケティングを手がかりに顧客選別活動を 整理すること,そして,ペット小売店における顧客選別を起点とした販売を整理し,顧客選 別が機能する条件を検討することにある。顧客選別活動は意思決定の主体により,①買い手 による買わない選択,②売り手による顧客選別,の大きく 2 つに分けられる。両者の関係性 を整理し,買い手が買わない選択をするためには売り手側による仕掛けづくりが行われてい ることを確認した。生体販売においては飼育に成功することが重要であるため,飼育に成功 する顧客の選別が行われているが,ペット小売店における顧客選別を起点とした販売を整理 し,顧客の選別においては,販売をしないことに重点を置くのではなく,情報提供や教育に より,見込み顧客を顧客(飼育初心者)へ,初心者を中・上級者へと進化させることを示し た。 1. はじめに わが国のペット産業は 1 兆円規模の巨大な産業に成長したが,犬猫では自治体の収容施 設における殺処分の問題,近年人気の高い外国産動物では遺棄・逸走による生態系の攪乱 が社会問題となっている。一般的な商品であれば購入後,廃棄や使用をやめることは可能 であるが,生き物という商品特性ゆえに廃棄すること,すなわち飼育放棄は結果として殺 処分や生態系の攪乱という問題を発生させる。このような問題をふまえ,筆者は生体販売 においては,「顧客を選ぶ」,すなわち,場合によっては販売しないことが重要であること を指摘し,犬とリクガメの事例を通してその有効性を検討してきた(1)。そして,生体販売 においては飼育者が飼育に成功することが重要であることから,飼育に成功する顧客の選 別が行われており,このことが市場の拡大につながることを明らかにした。 本稿では,リクガメを事例にデ・マーケティングを手がかりに顧客選別活動を整理する。 そして,ペット小売店における顧客選別を起点とした販売を整理し,顧客選別が機能する 条件を検討する。本稿の記述は筆者が行ったペット小売店へのインタビュー調査と爬虫類 (8)-1 を中心とした展示即売会における市場調査の記録が中心である(2)。 なお,リクガメを取り上げた理由は次の通りである。外国産動物による生態系の攪乱と いう問題を考慮し,日本国内で最も多く飼育されかつ輸入量が多いこと(3),およびカメ類 は交雑を起こしやすいこと(4)から爬虫類の代表としてカメを選択し,その中でもペットと して人気があり需要も多く(5),業者が取り扱いを増やしたいカメはリクガメが中心である (6) ことから,主にリクガメを取りあげることとした(7)。 本稿は以下の構成をとる。まず 2 章にて,先行研究と分析の視点を述べる。その後,こ れまで経営学の領域ではリクガメは扱われてこなかったことから,事例を考察する前に, 市場の成立と変化として市場の概要を 3 章で述べる。4 章では,顧客選別の 2 つのタイプ を挙げたうえで両者の関係性をみていく。5 章では,小売店における顧客選別を起点とし た販売を整理し,3 章での市場の考察をふまえ,6 章にて顧客選別が機能する条件を検討す る。 2.先行研究と分析の視点 本稿で対象とするカメに関連する先行研究としては,外来種の国内への定着状況を示す もの(8)や在来種や国内の生態系に与える影響(9)など外来種問題に関する研究,輸入の現状 と問題点を指摘する永戸の研究(2006),飼育者の意識調査を中心としたアンケート調査(10) などがある。販売実態に関しては,販売状況の調査から密輸の問題を指摘する亀岡・清野 (2005)の研究があり,このように,取引の違法性を指摘するものは,永戸(2006)も含 め,いくつか存在する。その他,飼育方法や生態に関する飼育方法や生態に関しては,飼 育本と呼ばれる多くの専門書や雑誌が存在する。以上のように,研究は蓄積されているが, 主に生態学の観点からの研究であり,カメを含む生体を対象とする研究は経営学では着目 されることはなかった。 本稿で焦点を当てている顧客選別の視点で捉えると,デ・マーケティングの考え方があ る。デ・マーケティングとは, 「顧客全般の,または一定クラスの顧客の需要を,一時的に または半永久的に抑制するマーケティング活動」である(11)。彼らは,「需要増を図る時と 同じく,需要を減少させる場合にもマーケティング志向は必要」であるとし,デ・マーケ ティングの方法として, 「一般的デ・マーケティング」 「選択的デ・マーケティング」 「表面 的デ・マーケティング」 「無意識のデ・マーケティング」の 4 つのタイプを提示している。 本稿では,4 つのタイプのうち,商品やサービスの提供が望ましくない顧客を選別する(12) 「選択的デ・マーケティング」に基づき,リクガメの販売における顧客選別活動を整理す る。以下で,実際の分析に入る前に,カメ市場の概要をみていく。 (8)-2 3.市場の成立と変化(13) 爬虫類業界は熱帯魚業界に付随して生まれた業界である。1980 年頃より始まった爬虫類 をペットとして飼育するという文化は,1990 年頃に飼育ブームを迎えて以降,飼育者数は 増加している。1997 年に日本初の爬虫類雑誌『ビバリウムガイド』が創刊され,新しい飼 育の知識や店舗情報が知られるようになり,市場に大きな影響を与えた。2000 年以降はイ ンターネットの普及や飼育機材の充実,生餌の普及,イベントの開催などを背景に,飼育 者の増加は加速している。 近年の傾向を見出すために,市場に大きな影響を与えた『ビバリウムガイド』創刊前と 比較すると,飼育者層およびニーズにおいて,大きな違いがみられる。まず飼育者層であ るが,以前はほぼ男性で,いわゆるマニアと言われる飼育者が中心の市場であった。これ に対し,近年では,従来のマニアに加え,若年層,特に女性層の拡大が目立つ(14)。次に, ニーズであるが,以前は大型種に対する人気が高く,大型種を小さいうちから育てること が飼育の中心であったが,近年は「小型,美しい,飼いやすい,繁殖できる」がキーワー ドであり,特に近年拡大した飼育者層はこれらを希望している。幼体が人気であることか ら小売店における販売個体の中心は幼体である。しかしながら,小さい頃には雌雄が分か りにくい種類もいること,また,家庭内での飼育・繁殖を念頭に入れる飼育者が増加して いるため,性成熟した個体である成体に対するニーズもある。種類にもよるが,単体で見 ればオスの方が人気があるが,オスに加えメスを購入する飼育者も多い。この傾向は一人 あたりの飼育頭数の増加につながっている。 現在,主にマニア層と若年層・女性層という 2 つの大きな飼育者層が存在しているが, 飼育においても違いがある。前者は飼育個体に一切名前を付けない。個体そのものが良く, 特定の種が好きで飼育するため,特定の種であればどの個体でも良いと考える。これに対 し,後者は名前を付け, 「この個体が良い」と指名買いをする。したがって,前者にとって はコレクションという位置づけであるのに対し,後者にとってはペットという位置づけで ある。 今後の市場の方向性としては,現在,ヨーロッパからの供給が安定していること,新規 飼育者が多数存在していること,飼育本ではリクガメが圧倒的に多いことなどの理由から 既に爬虫類の中では大きな市場ではあるが,業界全体としてはまだ小さいので今後もリク ガメ市場は拡大すると予想される。また,未だに生餌を苦手とする消費者も多いので,選 択肢がカメになる点も大きい。 (8)-3 4.意思決定の主体別による顧客選別活動 本章では,分析の視点で提示した顧客選別活動を詳しく見ていく。顧客選別活動は,意 思決定の主体により大きく 2 つに分類できる。1 つ目が意思決定の主体は販売業者である とするものである。これは顧客を選ぶという意思決定は販売業者である売り手によってな 図 1 顧客選別活動 されるという考え方である。2 つ目が意思決定の主体は顧客であるとするものである。こ れは購入の最終意思決定をするのは顧客であるということを意味する。そのため,買い手 が買わない選択をするためには売り手側からの何らかの仕掛けがあり,これにより,顧客 を選び,場合によっては販売しないという販売方法が機能すると考えられる。したがって, 売り手の行動が買い手の行動に影響を与えるというのが本稿の考え方である(図 1 参照)。 以下で,①買い手による買わない選択のケースを展示即売会と飼育雑誌での取り組みか ら,②売り手による顧客選別のケースを販売現場である小売店における対応からみていく。 ①買い手による買わない選択 展示即売会では,新規飼育者および既存の飼育者に向けて,飼育に必要な情報を提供し ている。例えば,関東地区最大の展示即売会である東京レプタイルズワールドでは,衝動 買いを防ぐために,新規飼育者のために「初めて買う人の為のブース」を設置し,大きさ や経費などを指導するとしている。また,講演会を連日実施することで正しい飼育情報を 発信していくとしている(15)。 次に飼育雑誌である。現在数多く発行されている飼育雑誌においては, 「飼育に向かない 動物である」に代表されるように,リクガメの飼育に対しては積極的な姿勢が見られない 文献が多くある。例えば,クリーパー編集部(2008)は,「リクガメは世界的に数の減っ ている動物で,自然保護の観点からは飼うべきではない生き物の最右翼ともいえる種類で す」と述べている(16)。また,安川(2008,p.67)は,「カメ類の中でもリクガメ科は特に 日本国内で飼育するには向かない種の多いグループである」と述べ,飼育や繁殖の難しさ を指摘する(17)。 (8)-4 ②売り手による顧客選別 爬虫類の飼育を始める動機には,ある程度の知識があり,選択した種が本当に好きで飼 育しようとする場合や,容姿や販売価格から衝動的に購入しようとする場合,投機的な理 由(例えば,今後入手困難になる,価格の上昇)などさまざまである(18)。飼育を希望する 動物に対して顧客が有する知識には差があることから,画一の販売方法や説明では不十分 である。 客観的な基準はあるものの,飼いやすい/飼いにくいは飼育者の飼育レベルや生活スタ イルなどによるため,ペット小売店では購入希望者の性格や飼育動物,生活スタイル,飼 育レベルなど,顧客に関する情報を収集している。そして,収集した情報に基づき,顧客 に合わせたアドバイスを提供するとともに,顧客を選別する。その結果,飼育困難である と判断した顧客が無理やり購入しようとする場合には,飼育の大変さを中心としたネガテ ィブ情報の提供による“売らない接客”を実践している(19)。また,新規飼育者が飼育が難 しい種を希望する場合,飼育に失敗しない希望種とは別の種を勧めるケースもある。 ①で挙げた方法は,顧客自身が飼えるかどうかを判断する基準として機能するとともに, 飼育の難しさゆえに“手軽に飼育できる動物である”という認識を変えることにつながる。 意思決定の主体は顧客であるが,これらの方法は顧客自らが買わない選択をするための売 り手側による仕掛けづくりと捉えられる。そして②は売り手による選別であると同時に, 情報提供することで顧客自らが買わない選択をする,あるいは希望種とは別の種を購入す るための仕掛けづくりにもなっている。 5.小売店における顧客選別を起点とした販売 図2 顧客選別を起点とした販売 顧客選別においては顧客の能動的な関わりが必要であ る。顧客との相互作用を通し,顧客の選別が行われるか らである。生体販売においては飼育に成功することが重 要であるため,新規飼育者が飼育が難しい種を希望する 場合,飼育に失敗しない希望種とは別の種を勧めるケー スもある。そこで,顧客が希望する種の販売を前提に, 顧客選別を起点とした小売店の販売を見ていくと,まず①販売しない,②販売する,の大 きく 2 つに分かれ,①はさらに (1)希望する種とは別の種を勧める,(2)現時点では販売し ない,に分かれる(図 2 参照)。それぞれの対応を見ていく。 (1)希望する種とは別の種を勧める:これは新規飼育者が飼育が難しい種を希望したケース である。ここでは販売しないという選択ではなく,飼育に失敗しにくい,いわゆる導入種 の飼育を勧めることから始まる。そして,飼育プロセスの中で顧客を教育し,飼育初心者 (8)-5 を中級者・上級者へと顧客を育てていく。 (2)現時点では販売しない:見込み顧客への情報提供と教育は,マーケティング・コミュニ ケーションが果たすべきタスクである(20)。Blattberg らによれば,顧客獲得には,顧客獲 得を取引として見る立場とプロセスとして見る立場の 2 つがあるが,プロセスとしてみる とその範囲は顧客の初回の購買だけでなく,その購買前後における非購買も含まれる(21)。 現段階では販売しないと判断した場合であっても,見込み顧客であれば販売する対象とし て顧客を位置づけることは可能であり,そのために情報提供と教育により顧客を育ててい く。 まとめると次のようになる。小売店における顧客選別を起点とした販売では,見込み顧 客を情報と教育により顧客(飼育初心者)にする。そして,さらなる情報提供と教育によ り,中・上級者,すなわち飼育が難しい種の飼育者へと進化させていく。このプロセスに おいて,小売店はエデュケーターとしての役割を果たすことになる(22)。 企業と顧客の関係性は時間の経過とともに変化するという点からみれば,顧客のライフ サイクルと近い。そこで,顧客のライフサイクルとの相違点を確認する。Blattberg らは, 顧客のライフサイクルとして,見込み顧客(23),初回購入者,初期リピート購入者,コア顧 客,離脱者の 5 つの段階を示し,それぞれの段階において採用されるマーケティング戦略 を提示している。顧客のライフサイクルにおいては,見込み顧客とは「まだ顧客になって いないが,将来の価値を期待できる顧客のこと」(24)をさす。本稿でいう見込み顧客とは, 図 2 でいうところの現時点では販売しないに該当する顧客であり,現時点で販売しても失 敗すると想定できる顧客である。したがって,現時点では顧客ではないという点では同じ である。そして顧客のライフサイクルにおいて見込み顧客を顧客,すなわち初回購入者に するには製品あるいはサービスの認知と初回購買を促すためのプロモーション活動がある のに対し (25),本稿では売り手による教育により顧客を進化させるという点で違いがある。 顧客との関係性の観点から整理すると,生体を売ることに重点を置くと,飼えない人に も販売する可能性は高くなる。そして飼育に失敗すると小売店と顧客の関係はここで終わ ってしまう。これに対し,顧客選別では飼えない人には販売せず,教育や情報提供により 飼えるようになってから販売するという売る前から潜在顧客と関係性を構築するもので, 上述の顧客獲得プロセスの考え方である。そして飼育している間もサポートし,飼育を成 功させ,次につなげていくという長期的な関係の構築を目指すものである。 6. 顧客選別が機能する 4 つの条件 2 章での考察をふまえ,本章ではリクガメを事例に顧客選別が機能する条件を検討する。 条件としては,以下の 4 つが考えられる。 (8)-6 ①商品価値が比較的長い:消費者のニーズをみると幼体へのニーズの方が高いが,繁殖が 飼育の目的の一つでもあるため成体へのニーズもあり,かつ寿命が長い。 ②将来にわたり市場規模の拡大が見込める:現在,ヨーロッパからの供給が安定している こと,新規飼育者が多数存在していること,飼育本ではリクガメが圧倒的に多いこと,な どの理由から今後も市場は拡大すると予想される。生体販売においては飼育者が飼育に失 敗すると飼育を止める傾向にある。したがって,飼育に失敗すれば市場規模の拡大の余地 はあるものの需要が拡大しないため,飼育に成功する飼育者を選別することが重要となる。 ③幅広い品揃え:顧客の飼育レベルに合わせた生体が提供できる程度の品揃えが必要であ る。特に,初心者でも飼いやすい導入種の存在は重要である。 ④専門的知識と顧客選別を受容する組織体制:顧客の選別には,生体に関する専門的知識 だけでなく,顧客のニーズや飼育経験,性格や生活スタイルを聞き出し,かつ飼育に成功 する顧客かどうかを判断することのできる能力が不可欠である。そして,販売志向ではな く,顧客志向の組織でなければ顧客選別は機能しないため,顧客選別を受容する組織が必 要である。 以上,顧客選別が機能する条件として 4 つ挙げた。しかしながら,顧客を選別するため には顧客に関する情報が不可欠である。したがって,顧客選別が機能するためには,顧客 の能動的な関わりが必要である。 7. おわりに 本稿では,飼育放棄の問題を背景に,リクガメを事例に顧客選別活動を整理し,顧客選 別が機能する条件を検討した。生体販売においては飼育に成功することが重要であるため, 飼育に成功する顧客の選別が行われている。本稿では,顧客の選別においては,販売をし ないことに重点を置くのではなく,情報提供や教育により,見込み顧客を顧客(飼育初心 者)へ,初心者を中・上級者へと進化させることを示した。 顧客選別とは,販売しないことに焦点を置くものではない。見込み顧客であれば教育や 情報提供により顧客にしていくという考え方であり,これにより顧客との関係性を構築し, 進化させていく考え方である。進化させるための情報の適切な提供タイミングや教育の内 容に関しては今後の課題としたい。 (1) 岩倉,2009;2012 (2) 本稿で使用したインタビュー調査をさせていただいた方は,爬虫類・両生類の専門家 A 氏とペット小売店のマネジ (3) 中央環境審議会,2005,p.141 ャーB 氏である(2011 年 10 月 26 日)。記して感謝申し上げる。 (4) 戸田・吉田,2005,p.141 (5) 永戸,2006,p.10 (6) 環境省,2003,p.74 (7) インタビュー調査からも,リクガメが人気であることが分かった。その理由としては,水換えの必要がなく,また 草食の種が多いため容易に餌が入手できるという飼育負担の少なさ,外観の美しさ,温和な性格,日本に存在しな (8)-7 いなど,商品特性によるものが大きいようである。 (8) 戸田・吉田,2005 (9) 矢部,2007 (10) (11) 佐藤,2005 Kotler and Levy,1971,邦訳 p.26 (12) 水越,2009,p.6 (13) ここでの記述は主にインタビュー調査の記録に基づく。 (14) その他,子どもの手が離れた 50 代後半~60 代の夫婦なども購入している。 (15) 東京レプタイルズワールド 2013 公式ホームページより (16) クリーパー編集部, 2008, p.74 (17) 安川は次のように述べている。 「リクガメ類全般にまで話を広げると,飼育者側が一定レベル以上の知識を持ち, 充分な設備投資をし,適度な飼育スペースを取り,かなり手間をかければリクガメ科の一部の種で飼育可能だとい うのが現状であり,それらができている人の中のでも,ごくごく一部の人だけが長期飼育や繁殖に成功しているに 過ぎない。」 (安川,2008,p.67) (18) (19) 日本動物保護管理協会編(2006),p.151 B 氏はインタビュー調査で次のように述べている。 「(飼育放棄は)想定して,想定して,ですね。あまりにも無理 やり飼おうとする人には,売らない接客をしてくださいとうちのスタッフにも言っています。あれも注意しなきゃ いけない,これも注意しなきゃいけない,これもしなきゃいけない,これもですよ,こんなに大変ですよっていう のを,わざと言う。それよりも,やっぱり売ったはいいけど結局返ってきて,お金を返すだとか,その労力と時間 の方が無駄なので。 」 (20) Lovelock and Wright, 1999,邦訳 p.274 (21) Blattberg et al.,2001,邦訳 p.40 (22) Lovelock and Wright,1999,邦訳 p.276 (23) 文献では見込み客となっているが,標記を統一するため見込み顧客とする。 (24) Blattberg et al.,2001,邦訳 p.16 (25) Blattberg et al.,2001,邦訳 p.22 および pp.160-162 参考文献 Blattberg, R.C., G. Getz and J.S. Thomas (2001) Consumer Equity : Building and Managing Relationships as Valuable Assets, Boston : Harvard Business School Press.(小川孔輔・小野譲司監訳『顧客資産のマネジメント ―カスタマー・エクイティの構築―』ダイヤモンド社,2002 年) Kotler, P. and S. Levy (1971) Demarketing, Yes, Demarketing, Harvard Business Review, 49 : 74-80.(丘雄二訳 「デ・マーケティング戦略―需給の適正バランスをコントロールする―」 『ハーバード・ビジネス・レビュー』2002 年 8 月号,24-33) Lovelock, C. and L. Wright (1999) Principles of Service Marketing and Management, Prentice-Hall,Inc. (小宮路雅 博監訳, 高畑泰・藤井大訳『サービス・マーケティング原理』白桃書房,2002 年) 岩倉由貴(2009)『ペットの流通システム―生体(犬)を事例として―』東北大学大学院経済学研究科学位請求論文 ―(2012) 「生体の販売戦略に関する一考察-カメを事例として―」『ヒトと動物の関係学会誌』31,57。 亀岡晶子・清野比咲子(2005)「日本における淡水ガメ・リクガメの市場調査」トラフィックイーストアジアジャパン。 http://www.trafficj.org/publication/TJ-livetortoise-2005.pdf(アクセス日:2013 年 1 月 4 日) 環境省(2003)『ペット動物販売実態調査報告書』 。 クリーパー編集部(2008) 「ペットとしてのリクガメの飼育と分類[飼育編]」『エクストラ・クリーパー』3,74-80。 佐藤忍(2005) 『爬虫両生類における外来種問題に関する意識調査と,その方法論的課題』放送大学大学院文化科学研 究科総合文化プログラム(環境システム科学群(修士論文)。 中央環境審議会(2003)『中央環境審議会野生生物部会第 3 回移入種対策小委員会会議録』 。 戸田光彦・吉田剛司(2005) 「爬虫類・両生類における外来種問題」『爬虫両棲類学会報』2,139-149。 永戸豊野(2006)「ペット輸入大国日本,特にカメ類の輸入について」『コミュニティ政策研究』8,5-24。 日本動物保護管理協会編(2006)『動物販売業のための顧客説明マニュアル』大成出版。 水越康介(2009)「ソーシャル・マーケティングにおけるデ・マーケティングの可能性」『首都大学大学院 Research Paper Series』62,1-10。 安川雄一郎(2005)「ペットとしてのリクガメの飼育と分類」『エクストラ・クリーパー』3, 49-73。 矢部隆(2007) 「アカミミガメ,カミツキガメ,クサガメ等の外来カメ類が引き起こす諸問題」 『日本の科学者』42(4), 13-17。 (8)-8