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東海再処理施設における C

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東海再処理施設における C
JNC TN8410 2001-021
東海再処理施設における C-14 の挙動
2001 年9月
核燃料サイクル開発機構
東海事業所
本資料の全部または一部を複写・複製・転載する場合は、下記にお問い合
わせください。
〒319−1184 茨城県那珂郡東海村村松4番地49
核燃料サイクル開発機構
技術展開部 技術協力課
Inquiries about copyright and reproduction should be addressed to:
Technical Cooperation Section,
Technology Management Division,
Japan Nuclear Cycle Development Institute
4-49 Muramatsu, Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki, 319-1184
Japan
© 核燃料サイクル開発機構
(Japan Nuclear Cycle Development Institute)
2001
JN C TN 84 10 2001-02 1
2 0 0 1
年 9 月
東海再処理施設における C-14 の挙動
永里 良彦*1、山口 俊哉*2、
藤田 秀人*3、大森 栄一*4
要 旨
原子力施設から放出される C-14 は,環境への蓄積及び食物連鎖を通じての内部被
ばくの観点から安全評価上重要な核種であり,東海再処理施設においては,平成3年
10 月から再処理施設から放出される放射性気体廃棄物に含まれる主要な核種として定
常的な測定を開始している。
一方,再処理施設内においては,C-14 の工程内での挙動を解明するため,文献調
査を行うとともに,実際の使用済燃料の再処理運転を通じて工程内での分配,挙動等
について調査を行った。
東海再処理施設における C-14 の挙動調査結果から得られた結果をまとめると,以
下のとおりである。
1. 使用済燃料のせん断処理により放出される C-14 はわずかであり,使用済燃料に
含まれる C-14 の大部分は,溶解処理に伴い発生する溶解オフガスとともに溶解
オフガス処理工程へ移行する。溶解オフガス処理工程へ移行した C-14 は,アル
カリ洗浄塔などで一部が捕獲されたのち,残りが主排気筒から放出される。主排
気筒からの C-14 の放出量は,使用済燃料処理1トンあたり約 4.1∼6.5GBq であっ
た。
2. 溶解オフガス処理工程及び槽類オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔で捕獲された
C-14 は,低放射性廃液貯槽に移行する。同貯槽への移行量は,使用済燃料処理
1トンあたり約 5.4∼9.6GBq であった。
3. 使用済燃料の処理に伴い主排気筒から放出された C-14 と,低放射性廃液貯槽へ
移行した C-14 の合計を再処理施設への C-14 の入量とすると,使用済燃料1トン
あたりの C-14 は約 11.9∼15.5GBq となった。また,この結果をもとに C-14 の
生成に寄与する照射前燃料中の窒素含有率を推定すると 15∼22ppm となった。
4. 低放射性廃液貯槽の廃液は,蒸発缶により蒸発濃縮され,この際,C-14 のほと
んどは低放射性の濃縮液へ移行する。
5. 平成6年度以降,ガラス固化技術開発施設の運転に伴い第二付属排気筒からの
C-14 の放出が確認されており,その放出量はガラス固化体1本を製造するにあ
たり約 0.6GBq であった。
*1:再処理センター処理部化学処理第一課
*2:再処理センター施設管理部施設保全第一課
*3:再処理センター品質保証室
*4:再処理センター技術部技術開発課
-i-
JNC TN8410 2001-021
Se pte m b er, 2 00 1
Behavior of carbon-14 in the Tokai Reprocessing Plant
Yoshihiko NAGASATO*1, Toshiya YAMAGUCHI*2, Hideto FUJITA*3, Eiichi OMORI*4
Abstract
Carbon-14 released from the nuclear facilities is an important radionuclide for the
safety assessment, because it tends to accumulate in environment through food chain
and has a significant impact to personal dose.
Carbon-14 has been monitored routinely as one of the main gaseous radionuclides
exhausted from the Tokai Reprocessing Plant (TRP) since October of 1991.
Furthermore, behavior of carbon-14 in TRP has been investigated through the
reprocessing operation and the literature survey.
This report describes the result of investigation about the behavior of carbon-14 in
TRP as followings.
1.
Only a very small amount of carbon-14 in the fuel was liberated into the shear offgas and most of it was liberated into the dissolver off-gas.
Part of the carbon-14
was trapped at the caustic scrubber installed in the off-gas treatment process, and
untrapped carbon-14 was released into the environment from the main stack.
Amount of carbon-14 released from the main stack was about 4.1∼6.5GBq every ton
of uranium reprocessed.
2.
Carbon-14 trapped at the caustic scrubbers installed in the dissolver off-gas and in
the vessel off-gas treatment process is transferred to the low active waste vessel.
Amount of carbon-14 transferred to the low active waste vessel was about 5.4∼
9.6GBq every ton of uranium reprocessed.
3.
The total amount of carbon-14 input to TRP was summed up to about 11.9∼15.5
GBq every ton of uranium reprocessed considering the released amount from the
main stack and the trapped amount in the off-gas treatment devices.
The amount
of nitrogen impurity in the initial fuel was calculated about 15∼22ppm of uranium
metal based on the measured carbon-14.
4.
The solution in the low active waste vessel is concentrated at the evaporator.
of the carbon-14 in the solution was transferred into concentrated solution.
5.
Tokai Vitrification Demonstration Facility (TVF) started to operate in 1994.
Since
then, carbon-14 has been measured in the second sub stack which exhausts the offgas from the TVF.
Amount of carbon-14 released from the second sub stack was
about 0.6GBq every package of vitrified product.
Most
*1: Dissolution and Clarification Section, Reprocessing Operation Division, Tokai
Reprocessing Center
*2: Facility Maintenance Section, Technical Services Division, Tokai Reprocessing
Center
*3: Quality Assurance Section, Tokai Reprocessing Center
*4: Technology Development Section, Technology Co-ordination Division, Tokai
Reprocessing Center
- ii -
目 次
1. はじめに........................................................................................1
2. C-14 の挙動等に係る一般的事項について ..........................................2
2.1 原子炉内での生成過程..............................................................2
2.2 燃料ペレット中の窒素不純物量 .................................................2
2.3 使用済燃料中の C-14 生成量の計算 ...........................................3
2.4 使用済燃料中の C-14 の存在形態 ..............................................3
2.5 オフガスからの C-14 の除去技術 ..............................................4
3. 東海再処理施設における C-14 の挙動調査 .........................................5
3.1 大気への放出実績....................................................................5
3.2 東海再処理施設における C-14 挙動調査の実施概要 .....................6
3.2.1 93-2 キャンペーンにおける調査 ........................................8
3.2.2 94-1 キャンペーンにおける調査 ........................................8
3.2.3 94-2 キャンペーンにおける調査 ........................................9
3.2.4 95-1 キャンペーンにおける調査 ........................................10
3.3 東海再処理施設における C-14 挙動調査の結果 ...........................12
3.4 窒素含有率について.................................................................15
4. C-14 の環境への放出に伴う線量当量への影響について .......................16
5. 東海再処理施設における C-14 の挙動の推定 ......................................17
6. おわりに........................................................................................18
7. 参考文献........................................................................................20
補足資料.........................................................................................24
- iii -
図 目 次
図2.1 燃焼度と C-14 生成量の関係..................................................21
図2.2 窒素含有率と C-14 生成量の関係 ...........................................21
図2.3 初期濃縮度と C-14 生成量の関係 ...........................................21
図2.4 分離精製工場における主要なオフガス処理工程 .............................22
図3.1 再処理施設における C-14 挙動調査結果 ..................................23
- iv -
表 目 次
表2.1 C-14 生成に係る反応断面積等 ...............................................2
表3.1 排気筒からの C-14 の放出実績(年度別) ..............................5
表3.2 再処理運転実績 ....................................................................7
表3.3 東海再処理施設への C-14 の入量 ...........................................13
表3.4 ガラス固化の運転実績及び C-14 の放出量 .................................13
表3.5 HAW 貯槽への C-14 の移行量 ...............................................14
表3.6 海洋放出廃液への C-14 の移行量 ...........................................14
表3.7 燃料中の窒素含有率の推定値 .................................................15
表3.8 小型試験設備における溶解試験の結果 .....................................15
-v-
1.はじめに
炭素の放射性同位体である C-14 は,半減期が約 5700 年と長く,156keV
のβ線のみを放出する放射性核種である。原子力施設から環境中に放出され
ると,半減期が長いことにより環境中に蓄積されていくとともに,光合成に
よって食物中に蓄積するため,食物連鎖を通して人体の内部被ばくに寄与す
る主要な核種として知られている。
C-14 は,考古学などにおいて年代測定に利用されているように天然にも
存在し,大気中の N-14 が宇宙線中の中性子と反応して生成される。その他
の生成としては,原子核実験による寄与と,原子力発電所,再処理施設等の
原子力施設からの寄与であるとされている。
東海再処理施設においては,海洋放出口の移設に伴い再処理施設設置承認
申請書を変更した際に(平成2年 12 月 27 日付け2安(核規)第 855 号),
再処理施設から放出される気体廃棄物に含まれる主要な核種に選定して環境
への影響を評価し,平成3年 10 月から定常的な測定を開始するとともに、
その結果については監督官庁等へ報告している。
また,C-14 の再処理工程内での挙動については,文献調査を行うととも
に,実際の使用済燃料の再処理運転を通じて調査を行ってきている。
本報告は,再処理施設における運転経験等から得られた知見をもとに,東
海再処理施設における C-14 の挙動について整理したものである。
1
2.C-14 の挙動等に係る一般的事項について
2.1 原子炉内での生成過程
原子力発電所からの C-14 の放出は,冷却水中の O-17,N-14 の誘導放射
化に起因するが,再処理施設に受入れる使用済燃料中に含まれる C-14 に関
しては,C-14 の生成反応として原子炉内での以下の3つの核反応
1)
が重要
であるとされている。
14
N (n , p ) 14C
17
O (n , α) 14C
13
C (n , γ) 14C
また,これらの反応の反応断面積及び N-14,O-17,C-13 の自然環境中
の存在比は表2.1のとおりである。
表2.1 C-14 生成に係る反応断面積等
核反応
N (n , p ) 14C
17
O (n , α) 14C
13
C (n , γ) 14C
14
断面積(barn)1)
1.48
0.183
0.001
存在比(%)
99.63
0.038
1.11
O-17 は燃料ペレット中に二酸化ウラン(UO2)の形で存在し,C-13 は構
造材や燃料ペレット中に不純物として存在する。また,N-14 は燃料製造過
程において不純物として混入する。これらが炉内での燃焼において誘導放射
化され C-14 が生成されるが,これらの核反応のうち,燃料中の存在比や核
反応の断面積から考慮すると,14N(n ,
p )14C,17O(n , α)14C の2
つの反応が,原子炉内での C-14 生成に主体的な役割を果たしていると考え
られている。
2.2 燃料ペレット中の窒素不純物量
「発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令」(昭和 40 年 6 月 15
日通商産業省令第 63 号,昭和 63 年 8 月 1 日同第 39 号改正)では,二酸化
ウラン燃料材中の窒素含有率はウランの含有量に対して 75ppm 以下として
いる。また,1985 年以降に燃料製造メーカがそれぞれ製造したペレットの
2
ロットごとに照射前燃料中の窒素含有量を調査した結果2)では,BWR(8×
8 型燃料),PWR(14×14 型,15×15 型及び 17×17 型燃料)のいずれの種
類の燃料も窒素含有率の平均値はほぼ 20ppm 以下となっている。
また,新型転換炉「ふげん」燃料である ATR-MOX 燃料については,「ふ
げん取替用プルトニウム燃料集合体核燃料物質計画書」に,窒素のペレット
不純物の制限値として 200ppm を設定している。
2.3 使用済燃料中の C-14 生成量の計算
使用済燃料中の C-14 の生成量について,照射前燃料中の窒素含有率を
75ppm として,東海再処理施設における設計基準燃料(炉型 PWR,燃焼度
28,000MWD/t,比出力 35MW/t,初期濃縮度 4wt%,冷却日数 180 日)を
対象に,燃焼計算コード ORIGEN2.13)(核データライブラリ:PWRUS(PWR 燃
料用)ライブラリ4))を用いて計算すると,ウラン1トンあたりの C-14 の生成
量は約 38GBq となる。このうち,14N(n , p )14C,17O(n , α)14C の
反応で生成する C-14 は,それぞれ約 36GB/t,約 2.5GBq であり,13C(n ,
γ) 14C の反応及び核分裂反応で生成する C-14 は,無視できる程度(約
4MBq/t)である。
また,C-14 の生成量に対する燃焼条件への依存性については,ORIGEN2.1
の計算結果から,以下のことがいえる。
⑴ 燃焼度にほぼ比例して増加する(図2.1参照)
。
⑵ 窒素含有率にほぼ比例して増加する(図2.2参照)
。
⑶ 初期濃縮度が増加すると減少する(図2.3参照)
。
⑷ 比出力依存性はない。
⑸ ATR-MOX 燃料は,同一の核分裂性物質量であれば,U-235 の含有
量が多い方が C-14 の生成量は増加する。
2.4 使用済燃料中の C-14 の存在形態
再処理施設からの気体廃棄物の放出に係る C-14 は,燃料ピンの気相部に
存在するものと,燃料ペレット中に保持されているものが考えられるが,燃
3
料ピンの気相部に存在する C-14 は非常に少ないことが報告5),6)されてい
る。また,燃料ペレット中に保持されている C-14 については,その化学形
態の詳細については不明な点があるが,ウラン酸化物中,または金属相中に
free element,または,わずかであるが金属カーバイドとして存在しており,
これらのほとんどは酸化雰囲気下の硝酸を用いた使用済燃料溶解時に,CO2
へ酸化されると考えられている1),5),6)。
2.5 オフガスからの C-14 の除去技術
オフガスから C-14 を除去する技術については,水酸化カルシウム溶液と
反応させて炭酸カルシウムとして直接固定化する方法や,水酸化ナトリウム
溶液に吸収させたのち,水酸化カルシウムにより C-14 を炭酸カルシウムと
して固定化するダブルアルカリプロセス法と呼ばれる方法等が紹介1)されて
いる。東海再処理施設においては,オフガスからの C-14 除去を目的とした
プロセス設計は行っていないが,主要なオフガス処理工程には水酸化ナトリ
ウム溶液を使用したアルカリ洗浄塔が設置されており,オフガスに含まれる
C-14 の一部は,結果的にこれらのアルカリ洗浄塔で水酸化ナトリウム溶液
との反応により,炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムとして溶液中に
存在するものと考えられる。
なお,東海再処理施設分離精製工場における主要なオフガス処理工程(図
2.4参照)は,せん断処理に伴い発生するオフガスを処理するせん断オフ
ガス処理工程,溶解処理に伴い発生するオフガスを処理する溶解オフガス処
理工程,高放射性廃液貯槽から発生するオフガスを処理する工程,及びこれ
ら以外のその他の塔槽類から発生するオフガスを処理する槽類オフガス処理
工程がある。これらの洗浄塔における C-14 の除染係数(DF=洗浄塔入口濃
度/洗浄塔出口濃度)については,CO2 を用いて実際の洗浄塔に対して
1/3∼1/10 のスケールで行ったコールド試験結果7),8)から推定すると,
溶解オフガス処理工程の洗浄塔で DF∼5,その他の洗浄塔で DF∼2程度と
考えられる。
4
3.東海再処理施設における C-14 の挙動調査
3.1 大気への放出実績
東海再処理施設からの環境(大気)への C-14 の放出量については,平成
3年 10 月から測定結果を監督官庁等へ報告
9)
しており,主排気筒,第一付
属排気筒及び第二付属排気筒からの放出実績は表3.1のとおりである。
表3.1 排気筒からの C-14 の放出実績(年度別)
主排気筒
(GBq)
H3
2.4×102(*1)
H4
5.4×102
H5
2.6×102
H6(*3)
5.1×102
H7
3.0×102
H8(*4)
2.6×102
H9
4.7
H10
N.D.
H11
N.D.
(*1)10 月以降のデータ,
年 度
第一付属排気筒 第二付属排気筒
(GBq)
(GBq)
9.9×101(*1)
−
2
2.4×10
−
5.7×10
−
2.9×102
9.7×10-1
2
1.4×10
1.0×101
1.9×102
2.2×101
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
再処理量
(tU)
81.7(*2)
71.0
37.0
95.7
51.4
71.5
0
0
0
(*2)平成 3 年度の処理量
(*3)平成 7 年 1 月 31 日よりガラス固化技術開発施設(TVF)において高放射性廃
液を用いた試験運転開始
(*4)平成 9 年 3 月 11 日の火災爆発事故によりアスファルト固化処理施設の運転を停止
上記の放出実績に係わる排気筒での C-14 の捕集
10)
は,モノエタノールア
ミン(MEA)を使用した CO2 捕集法により行い,化学形が CO2 以外の C-14
については,白金アルミナ触媒による酸化反応により CO2 として捕集してい
る。捕集条件は,MEA200 ㎖,サンプリングガス流量率 0.4_/分,サンプリ
ング期間 1 週間としている。また,C-14 の測定は液体シンチレーション計
測法により行っており,検出下限濃度は 4.0×10-5 Bq/㎤となっている。
5
3.2 東海再処理施設における C-14 挙動調査の実施概要
東海再処理施設においては,再処理工程内での C-14 の挙動を解明するた
め,実際の使用済燃料の再処理運転を通じて工程内での分配,挙動等に関す
る調査を行ってきており,平成2年度から予備調査を開始した。予備調査に
おいては,工程廃液中の C-14 の分析方法の開発,サンプリングポイントの
選定を行った上,オフガス洗浄廃液等の試験的分析による C-14 の主要な移
行ルート等に係るデータを採取した。
本報告では,平成5年度から平成7年度の再処理運転(93-2,94-1,942 及び 95-1 キャンペーン)中に実施した C-14 の挙動調査を中心にその概要
について述べる。なお,各キャンペーンにおける再処理運転実績を表 3.2
に示す。
6
表3.2 再処理運転実績
キャンペーン
(*1)
93-2
94-1
94-2
95-1
原子炉名
燃焼度
(MWD/t)
東京福島第一・3号機(B)
東京福島第一・4号機(B)
原電東海第二(B)
中部浜岡1号機(B)
東京福島第一・1号機(B)
東京福島第一・3号機(B)
原電敦賀第一(B)
中国島根1号機(B)
関西美浜1号機(P)
関西美浜1号機(P)
中国伊方1号機(P)
九州玄海1号機(P)
中部浜岡2号機(B)
東京福島第一・3号機(B)
東京福島第一・5号機(B)
東京福島第一・1号機(B)
東京福島第一・3号機(B)
原電東海第二(B)
中国島根1号機(B)
関西美浜3号機(大型) (P)
九州川内1号機(大型) (P)
関西美浜1号機(P)
中部浜岡1号機(B)
中国島根1号機(B)
東京福島第一・4号機(B)
動燃ふげん発電所(A)
四国伊方1号機(P)
関西美浜2号機(P)
東京福島第一・4号機(B)
東北女川1号機(B)
25,400∼32,000(平均 27,400)
26,200∼27,900(平均 27,100)
19,000∼30,500(平均 28,000)
19,700∼32,900(平均 26,300)
20,800∼30,100(平均 25,500)
5,800∼34,960(平均 18,900)
21,300∼22,000(平均 21,600)
30,000∼30,000(平均 30,000)
15,200∼18,800(平均 17,700)
14,300∼33,700(平均 25,700)
26,700∼28,800(平均 27,900)
22,400∼29,300(平均 27,400)
18,300∼29,500(平均 23,400)
25,200∼32,000(平均 27,200)
21,500∼28,700(平均 23,400)
20,400∼34,600(平均 27,800)
15,100∼31,600(平均 25,700)
22,400∼30,500(平均 28,000)
16,300∼30,900(平均 28,000)
17,600∼30,400(平均 24,000)
27,000∼28,700(平均 27,400)
17,700∼30,500(平均 24,700)
19,700∼32,900(平均 25,600)
16,200∼30,800(平均 28,000)
26,200∼26,900(平均 26,600)
5,500∼18,900(平均 10,900)
23,200∼29,900(平均 28,000)
10,900∼32,400(平均 25,300)
26,200∼26,900(平均 26,600)
13,100∼27,800(平均 18,300)
初期
濃縮度
(wt%)
3
3
2.7∼2.9
3∼3.1
2.2∼2.9
2.7
2.5
2.6
2.4
2.4∼3.2
3.3∼3.4
3.1∼3.4
2.3∼3.1
3
2.7
2.2∼2.9
3
2.7∼2.9
2.1∼2.9
3.3
3.4
2.4∼3.2
3∼3.1
2.1∼2.9
3
1.5∼1.9
3.3∼3.4
2.6∼3.5
3
2.3∼3
集合
体数
(体)
34
34
68
34
2
8
2
2
12
50
14
14
34
26
34
34
10
34
16
2
14
5
34
18
26
135
14
26
8
53
燃料
重量
(MTU)
5.9
5.8
12.6
5.9
0.4
1.4
0.4
0.3
4.0
16.8
5.6
5.6
6.3
4.5
6.3
6.0
1.7
6.1
2.8
0.9
6.4
1.7
5.9
3.1
4.5
20.7
5.6
10.2
1.4
9.6
(*1)各キャンペーンにおける処理期間(使用済燃料のせん断開始から,FP,Pu フ
ラッシュアウトまでの期間)及び再処理量は以下のとおりである。
93-2:平成 5 年 9 月 20∼12 月 4 日(約 36.7 トン)
94-1:平成 6 年 3 月 31 日∼6 月 29 日(約 38.7 トン)
94-2:平成 6 年 9 月 21 日∼12 月 5 日(約 31.8 トン)
95-1:平成 7 年 1 月 30 日∼6 月 18 日(約 61.0 トン)
7
3.2.1
93-2 キャンペーンにおける調査
93-2 キャンペーン期間は,平成5年9月 20 日から同年 12 月4日であり,
金属ウラン換算で約 36.7 トンの使用済燃料の再処理を行った。93-2 キャン
ペーンにおいては,予備調査の結果を受けて C-14 の工程内挙動について以
下の調査を行った。
⑴ オフガス洗浄液への移行量調査
せん断オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(244T20)及び溶解オフガス
処理工程のアルカリ洗浄塔(244T14)において各洗浄液へ移行した C-14
を調査するため,各アルカリ洗浄塔の中間貯槽(それぞれ 244V21 及び
244V15)内のアルカリ洗浄液中に含まれる C-14 を分析し,それぞれ使用
済燃料約 24.3 トン及び約 12.4 トン処理時のデータを採取した。
⑵ 低放射性廃液貯槽への移行量調査
溶解オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(244T14)及び槽類オフガス処
理工程のアルカリ洗浄塔(245T10)においてアルカリ洗浄廃液側へ移行し
た C-14 を評価するため,93-2 キャンペーン時に低放射性廃液貯槽に受入
れたアルカリ廃液(総量約 670 ㎥)を対象に C-14 の分析を行った。
⑶ せん断オフガス及び溶解オフガス中の C-14 調査
せん断オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(244T20)及び溶解オフガス
処理工程のアルカリ洗浄塔(244T14)通過後のオフガスに含まれる C-14
を調査するため,クリプトン回収技術開発施設において,各受入オフガス
中の C-14 の分析を行った。
3.2.2
94-1 キャンペーンにおける調査
94-1 キャンペーン期間は,平成6年3月 31 日から同年6月 29 日であり,
金属ウラン換算で約 38.7 トンの使用済燃料の再処理を行った。94-1 キャン
ペーンにおいては,C-14 の工程内挙動について以下の調査を行った。
⑴ オフガス洗浄液への移行量調査
溶解オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(244T14)のアルカリ洗浄液へ
8
の C-14 の移行量について追加調査するため,中間貯槽(244V15)内のア
ルカリ洗浄液中の C-14 を分析し,使用済燃料約 5.8 トン処理時のデータ
を採取した。
⑵ 低放射性廃液貯槽への移行量調査
低放射性廃液貯槽への C-14 の移行量について追加調査するため,94-1
キャンペーン時に低放射性廃液貯槽に受入れたアルカリ廃液(総量約 770
㎥)を対象に C-14 の分析を行った。
⑶ せん断オフガス及び溶解オフガス中の C-14 調査
せん断オフガス及び溶解オフガス中の C-14 について追加調査するため,
クリプトン回収技術開発施設における受入オフガス(せん断オフガス及び
溶解オフガス)中の C-14 を分析し,データを採取した。
⑷ 槽類オフガス中の C-14 調査
槽類オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(245T10)通過後のオフガスに
含まれる C-14 の分析を行った。
⑸ 酸吸収液への移行量調査
槽類オフガス処理工程への C-14 の移行ルートの確認のため,溶解オフ
ガス処理工程の酸吸収塔(244T11)の中間貯槽(244V12)において,酸
吸収液に含まれる C-14 を分析し,データを採取した。
⑹ 廃棄物処理場槽類換気系への移行量調査
低放射性廃液第一蒸発缶の運転に伴い C-14 が気相中に再放出される可
能性を調査するため, 気相中の C-14 の分析を行った。
⑺ 低放射性廃液第三蒸発缶濃縮液への移行量調査
低放射性廃液第三蒸発缶濃縮液への C-14 の移行量を調査するため,濃
縮液(総量約 50 ㎥)中の C-14 の分析を行った。
3.2.3
94-2 キャンペーンにおける調査
94-2 キャンペーン期間は,平成6年9月 21 日から同年 12 月5日であり,
金属ウラン換算で約 31.8 トンの使用済燃料の再処理を行った。94-2 キャン
ペーンにおいては,C-14 の工程内挙動について以下の調査を行った。
9
⑴ オフガス洗浄液への移行量調査
溶解オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(244T14)のアルカリ洗浄液へ
の C-14 の移行量について追加調査するため,中間貯槽(244V15)内のア
ルカリ洗浄液中の C-14 を分析し,94-2 キャンペーンを通してデータを採
取した。
⑵ 低放射性廃液貯槽への移行量調査
低放射性廃液貯槽への C-14 の移行量について追加調査するため,94-2
キャンペーン時に低放射性廃液貯槽に受入れたアルカリ廃液(総量約 740
㎥)を対象に C-14 の分析を行った。
⑶ 槽類オフガス中の C-14 調査
槽類オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(245T10)通過後のオフガスに
含まれる C-14 の分析を行った。
3.2.4
95-1 キャンペーンにおける調査
95-1 キャンペーン期間は,平成7年1月 30 日から同年6月 18 日であり,
金属ウラン換算で約 61.0 トンの使用済燃料の再処理を行った。95-1 キャン
ペーンにおいては,C-14 の工程内挙動について以下の調査を行った。
⑴ オフガス洗浄液への移行量調査
せん断オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(244T20)及び溶解オフガス
処理工程のアルカリ洗浄塔(244T14)のアルカリ洗浄液への C-14 の移行
量について追加調査するため,中間貯槽(それぞれ 244V21 及び 244V15)
内のアルカリ洗浄液に含まれる C-14 を分析し,それぞれ 95-1 キャンペ
ーンを通してデータを採取した。
⑵ 低放射性廃液貯槽への移行量調査
低放射性廃液貯槽への C-14 の移行量について追加調査するため,95-1
キャンペーン時に低放射性廃液貯槽に受入れたアルカリ廃液(総量約 1150
㎥)を対象に C-14 の分析を行った。
⑶ 酸吸収液への移行量調査
槽類オフガス処理工程への C-14 の移行ルートの再確認のため,溶解オ
10
フガス処理工程の酸吸収塔(244T11)の中間貯槽(244V12)においてサ
ンプリングし,酸吸収液に含まれる C-14 を分析し,データを採取した。
⑷ 低放射性廃液処理工程からのオフガスへの移行量調査
低放射性廃液第一蒸発缶及び低放射性廃液第三蒸発缶の運転に伴い C-14
が気相中に再放出される可能性を調査するため,廃棄物処理場槽類換気系
及び低放射性廃液処理工程からのオフガスの合流点2か所で C-14 のサン
プリングを行い,それぞれのデータを採取した。
⑸ 低放射性廃液第一蒸発缶濃縮液への移行量調査
低放射性廃液第一蒸発缶濃縮液への C-14 の移行量を調査するため,濃
縮液(総量約 10 ㎥)の分析を行った。
11
3.3 東海再処理施設における C-14 挙動調査の結果
東海再処理施設における C-14 の挙動調査結果等から,C-14 の工程内挙
動等について以下の知見が得られた(図3.1参照)。
⑴ 使用済燃料せん断処理に伴い発生するオフガスには,文献5),6)に示
されるように C-14 はほとんど含まれない。
⑵ 使用済燃料に含まれる C-14 の大部分は,溶解オフガス処理工程へ移行
し,アルカリ洗浄塔(244T14)で捕獲されたのち,残りは主排気筒から放
出される。アルカリ洗浄液側へ移行した C-14 は,中間貯槽(244V15)に
おける測定結果から使用済燃料処理1トンあたり約 5.0∼9.1GBq であった。
また,酸吸収塔(244T11)で捕獲された C-14 については,サンプリング・
分析の困難さから定量的な評価はなされていないが,中間貯槽(244V12)
における測定結果から C-14 の移行ルートのひとつであることを確認した。
⑶ 上記洗浄塔(244T14)で捕獲された C-14 は,低放射性廃液貯槽へ移行
する。低放射性廃液貯槽では,槽類オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔
(245T10)からの洗浄廃液も受入れており,低放射性廃液貯槽へ移行した
C-14 は,同貯槽における測定結果からキャンペーンあたり約 200 ∼
456GBq であった。これを各キャンペーンにおける再処理量から使用済燃
料処理1トンあたりに換算すると約 5.6∼9.6GBq であった。
⑷ 各キャンペーンにおける主排気筒からの C-14 の放出量は約 131∼
293GBq であった。これを各キャンペーンにおける再処理量から使用済燃
料処理1トン当たりに換算すると約 4.1∼6.5GBq であった。
⑸ 調査対象キャンペーンにおける主排気筒からの C-14 の放出量及び低放
射性廃液貯槽へ受入れた C-14 量を整理すると,表3.3のようになる。
これらの合計を再処理施設への C-14 の入量とすると,キャンペーンあた
りの C-14 の入量は約 348∼749GBq となり,各キャンペーンにおける再
処理量から使用済燃料処理1トンあたりに換算すると約 11.9∼15.5GBq
となった。また,主排気筒と低放射性廃液貯槽への C-14 の分配は約 3:7
∼6:4 であった。
12
表3.3 東海再処理施設への C-14 の入量
キャンペー
ン名
93-2
94-1
94-2
95-1
再処理量
(tU)
36.7
38.7
31.8
61.0
主排気筒からの放出量 低放射性廃液貯槽で
(GBq)
の測定量(GBq)
240
200
230
370
131
247
293
456
合 計
(GBq)
440
600
378
749
⑹ 低放射性廃液貯槽内のアルカリ廃液は,低放射性廃液第一蒸発缶へ送ら
れ蒸発濃縮されるが,蒸発濃縮処理により換気系(主排気筒)へ移行する
C-14 はわずかであり,ほとんどの C-14 は低放射性の濃縮液とともに低放
射性濃縮廃液貯槽へ移行する。また,低放射性廃液第一蒸発缶の凝縮液及
び酸回収工程の凝縮液は,低放射性廃液第三蒸発缶に送られ蒸発濃縮され
るが,蒸発濃縮により換気系(主排気筒)へ移行する C-14 及び濃縮液に
移行する C-14 はわずかであり,これらの凝縮液中には C-14 はほとんど
含まれていないと考えられる。
⑺ ガラス固化技術開発施設(TVF)は,平成7年1月 31 日より高放射性
廃液(HAW)を用いた試験運転を開始しており,ガラス固化運転に伴い第
一付属排気筒から C-14 の放出が確認されている。ガラス固化の運転実績
及び第二付属排気筒からの放出実績は表3.4のとおりであり,HAW に
含まれる C-14 の濃度は約 320∼680Bq/㎖と推定される。また,ガラス固
化体製造1本あたりの放出量は約 0.6GBq/本と推定される。
表3.4 ガラス固化の運転実績及び C-14 の放出量
C-14 放出 ガラス固化体製 HAW 処理量
量(GBq) 造本数(本)
(㎥)
H7.1/31∼3/1
0.97
2
3
H7.9/18∼10/27
10
20
17
H8.4/28∼6/10
11
20
16.2
H8.9/25∼11/6
11
20
16.1
運転期間
C-14 放出割合 HAW 中の C-14
(GBq/本) 濃度(GBq/㎥)
0.49
0.32
0.50
0.59
0.55
0.68
0.55
0.68
また,HAW 中の C-14 濃度を 700Bq/㎖とし,各キャンペーン中に発生
した HAW 液量から HAW 貯槽への C-14 の移行量を計算すると表3.5
のとおりであり,表3.3に示す再処理施設への入量に対して約3%程度
13
と推定される。
表3.5 HAW 貯槽への C-14 の移行量
キャンペーン名
(集計期間)
94-1
(H6.3 月∼7月)
94-2
(H6.9 月∼12 月)
95-1
(H7.1 月∼6 月)
HAW 発生量
(㎥)
C-14 移行量
(GBq)
移行割合
(%)
24.9
17
2.9
17.5
12
3.1
29.6
21
2.8
⑻ 低放射性濃縮廃液貯槽の低放射性の濃縮液は,平成 9 年 3 月まではアス
ファルト固化処理施設に送り処理されており,固化処理に伴い第一付属排
気筒から C-14 が放出されていた。アスファルト固化処理施設における C14 の調査結果として,固化前の前処理の段階における pH 調整によって第
一付属排気筒からの C-14 の放出量が変化することがわかっていたが,平
成9年3月の火災爆発事故以降,アスファルト固化処理施設の運転を停止
したため,これ以降,第一付属排気筒からの C-14 の放出は検出されてい
ない。
⑼ 海洋放出廃液中の C-14 については監督官庁への報告対象とはなってい
ないが,自主的な測定を行っており,これまでの測定結果において検出下
限値(2×10-3 Bq/㎖)を超えて検出されたことはない。海洋放出廃液中の
C-14 濃度を検出下限値(2×10-3 Bq/㎖)として各キャンペーンにおける
海洋放出液量から海洋放出された C-14 を計算すると表3.6のとおりで
あり,表3.3に示す再処理施設への入量に対して約 0.01%未満であった。
表3.6 海洋放出廃液への C-14 の移行量
キャンペーン名
(集計期間)
93-2
(H5.9/20∼12/31)
94-1
(H6.3/31∼7/31)
94-2
(H6.9/21∼12/31)
95-1
(H7.1/30∼6/30)
海洋放出廃液量
(㎥)
C-14 移行量
(GBq)
移行割合
(%)
23460
0.047
<0.01
27247
0.054
<0.009
22857
0.046
<0.01
35348
0.071
<0.009
14
3.4 窒素含有率について
上記3.3より,再処理施設への C-14 の入量は,使用済燃料1トンあた
り約 11.9∼15.5GBq である。また,調査対象期間に処理を行った使用済燃
料の燃焼度及び初期濃縮度の加重平均は表3.7のとおりであり,これらか
ら照射前燃料中の窒素含有率を推定すると約 15∼22ppm であり,文献2)
に示される窒素含有率と同等であった。
表3.7 燃料中の窒素含有率の推定値
キャンペーン
名
93-2
94-1
94-2
95-1
平均燃焼度
(MWD/t)
26,000
26,100
26,500
19,900
平均濃縮度
(wt%)
2.8
2.9
2.9
2.5
窒素含有率推定値
(ppm)
15
22
15
22
また,再処理施設の小型試験設備において,実際の使用済燃料のせん断片
を用いた溶解試験(ウラン重量として約 180g を用いた硝酸による溶解試験)
により,オフガス系へ移行した C-14 の測定 11)を行っている。測定結果は表
3.8のとおりであり,これらの結果及び試験に供した燃料仕様(燃焼度,
初期濃縮度)から燃料中の窒素含有率を推定すると最大でも 40ppm 未満で
あり,平均 20ppm 程度であった。
表3.8 小型試験設備における溶解試験の結果
試験 No
炉型
1
2
3
4
PWR
BWR
PWR
PWR
燃焼度
(MWD/t)
31,496
29,938
31,496
31,496
初期濃縮度
(wt%)
3.4
2.7
3.4
3.4
15
溶解時間
(h)
8
15
8
15
C-14 測定量
(GBq/t)
16.6
12.6
28.8
14.0
4.C-14 の環境への放出に伴う線量当量への影響について
C-14 の環境への放出に伴う影響については,海洋放出口の移設に伴い再
処理施設設置承認申請書を変更した際に(平成2年 12 月 27 日付け2安(核
規)第 855 号),再処理施設から放出される気体廃棄物に含まれる主要な核
種に C-14 を選定して評価している。
この海洋放出口の移設の際に行った気体廃棄物に起因する線量当量評価で
は,燃焼度 28,000MWD/t,比出力 35MW/t,冷却日数 180 日,初期濃縮度
4wt%の燃料を,1日 0.7 トン,年間 300 日処理することによって主排気筒
から放出される放射性物質の量を想定して評価を行っており,C-14 につい
ても同様の考え方に基づき,窒素含有率を UO2 重量あたり 75ppm とし,年
間放出量を 9.7×103GBq として評価を行っている。
一方、C-14 の挙動調査の結果から、使用済燃料中に含まれる C-14 は使用
済燃料1トンあたり約 11.9∼15.5GBq であり、これが全量放出されたとし
ても年間放出量は多くても約 3255GBq である。同様に、燃料中に含まれる
窒素含有率は、3.4 項に示すとおり多くても 40ppm 未満であり平均すると
20ppm 程度である。したがって、線量当量評価の際に用いた窒素含有率や
年間放出量は、かなり安全側の評価になっていることがわかる。
なお、気体廃棄物に起因する被ばく線量は、実効線量当量と組織線量当量
に区分されるが、実効線量当量ついては放射性雲からの外部被ばく,地表沈
着による外部被ばく,呼吸摂取による内部被ばく及び農・畜産物摂取による
内部被ばくを評価しており,このうち,C-14 は,農・畜産物摂取による内
部被ばくに対して約 78%の寄与があり,各経路からの合計値に対しては約
43%の寄与となっている。
また,農・畜産物摂取による内部被ばく以外の経路の実効線量当量及び皮
膚の組織線量当量への寄与はほとんどない。
16
5.東海再処理施設における C-14 の挙動の推定
東海再処理施設内での C-14 の挙動調査の結果等から,東海再処理施設に
おける C-14 の挙動は以下のとおりであると推定される。
再処理施設に受入れた使用済燃料は,前処理工程で燃料小片にせん断され,
濃縮ウラン溶解槽に装荷される。濃縮ウラン溶解槽では,硝酸を加え,沸騰
状態で燃料部分のみを浸出溶解する。この際,使用済燃料に含まれる C-14
の大部分は,溶解に伴い発生する溶解オフガスとともに CO2 として溶解オフ
ガス処理工程に送られる。溶解オフガス処理工程では,酸吸収塔(244T11),
アルカリ洗浄塔(244T14)による洗浄が行われ,ここで一部の C-14 は液相
側へ移行し,残りは主排気筒から放出される。
酸吸収塔(244T11)で酸吸収液に移行した C-14 は,酸回収工程において
再び気相側へ移行し,槽類オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(245T10)
で一部が液相側へ移行し,残りは主排気筒から放出される。
溶解オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(244T14)及び槽類オフガス処理
工程のアルカリ洗浄塔(245T10)からのアルカリ廃液は,低放射性廃液処
理工程に送られ,低放射性廃液第一蒸発缶により蒸発濃縮されるが,この際,
C-14 の大部分は低放射性の濃縮液とともに,低放射性濃縮廃液貯槽に貯留
される。なお,低放射性濃縮廃液貯槽の濃縮液は,平成 9 年 3 月まではアス
ファルト固化処理されており,それにより第一付属排気筒から C-14 が放出
されていた。
一方, 濃縮ウラン溶解槽で使用済燃料を溶解した溶液(溶解液)は,ろ過
したのち,分離精製工程において,ウラン,プルトニウム及び核分裂生成物
(FP)に分離される。このうち,FP を含む高放射性廃液は,高放射性廃液
蒸発缶により蒸発濃縮されたのち,高放射性廃液貯槽に送られ,最終的にガ
ラス固化技術開発施設において処理される。ガラス固化技術開発施設からの
排気は,第二付属排気筒から大気へ放出されており,この第二付属排気筒か
ら放出される気体廃棄物中に C-14 が検出されている事実を考慮すると,溶
解液には C-14 が一部残存していると予想される。なお,高放射性廃液への
移行量は,再処理施設への入量に対して約 3%程度と推定される。
17
6.おわりに
東海再処理施設においては,C-14 の工程での挙動を把握するため,文献
調査を行うとともに,実際の使用済燃料の再処理運転を通じて工程内での分
配,挙動等について調査を行った。
平成5年度から平成7年度の再処理運転中に実施した C-14 の挙動調査等
から得られた結果をまとめると,以下のとおりである。
⑴ 使用済燃料のせん断処理により放出される C-14 はわずかであり,使用
済燃料に含まれる C-14 の大部分は,溶解処理に伴い発生する溶解オフガ
スとともに溶解オフガス処理工程へ移行する。溶解オフガス処理工程へ移
行した C-14 は,酸吸収塔(244T11)及びアルカリ洗浄塔(244T14)で
一部が捕獲されたのち,残りが主排気筒から放出される。酸吸収塔
(244T11)で捕獲された C-14 は,酸回収工程で再び気相へ移行し,槽類
オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔(245T10)で一部が捕獲されたのち,
残りが主排気筒から放出される。これらにより主排気筒から放出される C14 は,使用済燃料処理1トンあたり約 4.1∼6.5GBq であった。
⑵ 上記のアルカリ洗浄塔(244T14 及び 245T10)で捕獲された C-14 は,
低放射性廃液貯槽に移行する。同貯槽への移行量は,使用済燃料処理1ト
ンあたり約 5.4∼9.6GBq であった。
⑶ 使用済燃料の処理に伴い主排気筒から放出された C-14 と,低放射性廃
液貯槽へ移行した C-14 の合計を再処理施設への C-14 の入量とすると,
使用済燃料1トンあたりの C-14 の量は約 11.9∼15.5GBq となった。また,
この結果をもとに C-14 の生成に寄与する照射前燃料中の窒素含有率を推
定すると 15∼22ppm となった。
⑷ 低放射性廃液貯槽の廃液は,低放射性廃液第一蒸発缶により蒸発濃縮さ
れ,この際,C-14 のほとんどは低放射性の濃縮液へ移行する。
⑸ 平成6年度以降,ガラス固化技術開発施設の運転に伴い第二付属排気筒
からの C-14 の放出が確認されており,その放出量は,ガラス固化体製造
1本あたり約 0.6GBq であった。また,高放射性廃液中に移行する C-14 は,
再処理施設への C-14 の入量に対して約3%程度であった。
18
⑹ 現状、東海再処理施設から環境へ放出される C-14 に起因する被ばく線
量は、照射前の軽水炉燃料中の窒素含有率を 75ppm として、設計基準燃
料(炉型 PWR,燃焼度 28,000MWD/t,比出力 35MW/t,初期濃縮度 4wt%,
冷却日数 180 日)中に含まれる C-14 を算出し(年間あたり 9700GBq)、
これが全量主排気筒から放出されるとして評価しているが、かなり安全側
の評価となっている。このため、これまで得られた知見を基に、改めて環
境評価に用いる C-14 量を設定するならば、補足資料に示すよう軽水炉燃
料に加えて新型転換炉燃料を再処理することを考慮しても、東海再処理施
設から環境へ放出される C-14 量は、年間 5100GBq(照射前の軽水炉燃料
中の窒素含有率は 40ppm に相当)を想定しておけば十分安全側といえる。
19
7.参考文献
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,1993 年 9 月(PNC
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20
C-14生成量(GBq/t)
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
20000
25000
30000
35000
燃焼度(MWD/t)
図2.1 燃焼度とC-14生成量の関係
C-14生成量(GBq/t)
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
0
10
20
30
40
50
60
70
窒素含有率(ppm)
図2.2 窒素含有率とC-14生成量の関係
C-14生成量(GBq/t)
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
2
2.5
3
3.5
初期濃縮度(wt%)
図2.3 初期濃縮度とC-14生成量の関係
21
4
22
フィルタ
ウラン脱硝
高放射性の
廃液貯蔵
酸吸収塔
洗浄塔
フィルタ
高放射性の
廃液濃縮
調整,分離第一,第二,
ウラン精製,酸回収,
ウラン濃縮,リワーク
プルトニウム貯蔵
燃料溶解
燃料せん断
フィルタ
フィルタ
フィルタ
フィルタ
(高放射性廃液系オフガス処理工程)
洗浄塔
(槽類オフガス処理工程)
洗浄塔
(溶解オフガス処理工程)
洗浄塔
(せん断オフガス処理工程)
洗浄塔
図2.4 分離精製工場における主要なオフガス処理工程
酸吸収塔
酸吸収塔
フィルタ
フィルタ
フィルタ
主排気筒
第二付属排気筒
HAW貯槽
HAW濃縮
(271E20)
酸回収塔
(271T30)
抽出器
低放射性廃液貯槽
(U314)
中間貯槽
(U312)
93-2
94-1
94-2
95-1
P2
低放射性廃液貯槽
(U313)
低放射性廃液第一蒸発缶
(U321)
第一付属排気筒
(図中の%表示は、低放射性廃液貯槽への移送量と主排気筒からの放出量の合計値(P1+P2)を100%として表示している)
94-1 130 GBq/Camp
94-2 80 GBq/Camp
95-1 145 GBq/Camp
濃縮液貯槽
海洋放出
<0.047 GBq/Camp ; <0.01%
<0.054 GBq/Camp ; <0.009%
<0.046 GBq/Camp ; <0.01%
<0.071 GBq/Camp ; <0.009%
95-1 0.4%
93-2
94-1
94-2
95-1
94-1 0.5%
主排気筒
93-2 240 GBq/Camp.; 55%
94-1 230 GBq/Camp.; 38%
94-2 131 GBq/Camp.; 34%
95-1 293 GBq/Camp ; 39%
P1
(Kr施設における測定)
94-1 5∼ 32%
低放射性廃液第三蒸発缶
(U326)
94-1 0.1%
95-1 0.4%
94-1 1.2∼6.5%
94-2 2.4∼11.8%
アスファルト固化処理施設
低放射性濃縮廃液貯槽
95-1 32∼41%
(Kr施設における測定)
93-2 6∼ 11%
(Kr施設における測定)
中間貯槽 93-2 5.0 GBq/t ; 41%
(244V15) 94-1 7.4 GBq/t ; 48%
94-2 5.3 GBq/t ; 45%
95-1 9.1 GBq/t ; 73%
アルカリ洗浄塔
(244T14)
中間貯槽
(275V20)
200 GBq/Camp ; 45%
370 GBq/Camp ; 62%
247 GBq/Camp ; 66%
456 GBq/Camp ; 61%
入量=(P1+P2値)
93-2 240+200=440 GBq (36.7t)--- 12.0 GBq/t
94-1 230+370=600 GBq (38.7t)--- 15.5 GBq/t
94-2 131+247=378 GBq (31.8t)--- 11.9 GBq/t
95-1 293+456=749 GBq (61.0t)--- 12.3 GBq/t
中間貯槽
酸回収
(U273)
中間貯槽
(275V10)
中間貯槽
(245V11)
アルカリ洗浄塔
(245T10)
中間貯槽 93-2 0.04 GBq/t ; 0.3%
(244V21)
95-1 0.04 GBq/t ; 0.3%
図3.1 再処理施設におけるC-14挙動調査結果
ガラス固化技術開発施設
0.97GBq/2本
10GBq/20本
11GBq/20本
11GBq/20本
94-1 17 GBq/Camp ; 2.9%
94-2 12 GBq/Camp ; 3.1%
95-1 21 GBq/Camp ; 2.8%
第二付属排気筒からの放出
実績からHAW中のC-14濃度
を求めると
約320 ~ 680 Bq/cc
HAW中のC-14濃度を700 Bq/cc
とし、この濃度に、Camp中に
発生した液量を乗じてCamp中
の移行量を求めた。
中間貯槽
(244V12)
酸吸収塔
(244T11)
94-1 0.16%
95-1 ∼0.9%
溶解槽
オフガスのフロー
廃液のフロー
せん断機
アルカリ洗浄塔
(244T20)
93-2 0.6%
補足資料
C-14 の放出量の設定について
1.はじめに
東海再処理施設では、照射前の軽水炉燃料中の窒素含有率を 75ppm とし
て、設計基準燃料(炉型 PWR,燃焼度 28,000MWD/t,比出力 35MW/t,
初期濃縮度 4wt%,冷却日数 180 日)中に含まれる C-14 を算出し(年間あ
たり 9700GBq)、これが全量主排気筒から放出されるとして評価している。
しかしながら、これまで運転経験等から得られた知見から、使用済燃料の再
処理により大気中や低放射性廃液中へ移行した C-14 を考慮しても使用済燃
料中に含まれる C-14 は使用済燃料1トンあたり 11∼16GBq 程度であり、年
間 210 トンの使用済燃料を処理し、処理した使用済燃料中に含まれる C-14 は
多くても 3400GBq 程度である。
このため、これまで得られた知見を基に、改めて環境評価に用いる C-14
量を設定するならば、どの程度の量が適切か以下に検討した。
2.設定方針
C-14 の放出量は,以下の方針で設定する。
⑴ 処理する使用済燃料
他の核種と同様,燃焼度 28000MWD/t,比出力 35MW/t,冷却期間 180
日,濃縮度 4wt%の燃料のみを1日 0.7 トン,年間 300 日処理する場合を
想定する。ただし,ATRMOX 燃料処理時の裕度を考慮する。
⑵ 燃料中の窒素含有率
軽水炉燃料中の窒素含有率は,東海再処理施設における C-14 の挙動調
査結果(30ppm 未満)1)及び燃料ペレットの分析データに係る文献(平均
20ppm 以下)2)を参考に, C-14 生成に係る初期ウラン濃縮度依存性等を
考慮して安全側に 40ppm に設定する。
また,ATRMOX 燃料中の窒素含有率については,タイプ A 燃料の東海
再処理施設での処理実績はあるが,UO2 燃料のような窒素含有率を推定で
24
きるデータ(1トン処理あたりの C-14 量の実測値等)は得られておらず,
また,燃料製造実績として平均 150ppm 以下というデータはあるが,公表
されたものではない。したがって,燃料製造仕様値(200ppm 未満)から
200ppm に設定する。
⑶ 放出源
これまでの東海再処理施設における C-14 の挙動調査結果から,再処理
施設における C-14 は,せん断,溶解処理等により主排気筒から放出され
るものと,オフガス処理工程のアルカリ洗浄塔で捕獲され,低放射性の濃
縮液に移行するものが主要なルートであることがわかっている。しかしな
がら、移行ルート上の装置,機器毎の C-14 の移行率等については,評価
するのに十分なデータは得られておらず,仮にこれらの機器における移行
率等を設定し,各排気筒からの放出量を推定する場合は,実際の入量に対
して過大な評価を与える可能性がある。このため、主排気筒,第一付属排
気筒,第二付属排気筒の各排気筒毎の C-14 の放出量の設定は行わず,こ
れらの排気筒からの合計として C-14 の放出量を設定する。
3.計算コード等
計算コード:ORIGEN2.1
核データライブラリ:PWRUS(PWR 燃料用)ライブラリ(軽水炉)
ATRMOX(MOX 燃料用)ライブラリ(ATR)
4.C-14 放出量の設定
軽水炉燃料に含まれる C-14 の計算値は約 22GBq/t となる。これまでの東
海再処理施設での処理実績等を考慮した現実的な評価として,初期濃縮度
2.5wt%,窒素含有率 20ppm,燃焼度 28GWD/t の条件での C-14 生成量の
計算値は約 17GBq/t となり,今回設定した C-14 インベントリは安全側の
設定となっている。
また,ATRMOX 燃料タイプ A 及びタイプ B に含まれる C-14 の計算値は,
それぞれ約 61GBq/t,約 63GBq/t となる。
25
ATRMOX 燃料を処理する場合の使用済燃料の年間処理量は、タイプ A 燃
料の処理量は,年間最大 10 トン,1日あたり最大 0.7 トンであり,この場
合の軽水炉燃料の処理量は年間最大 200 トンとなり、タイプ B 燃料の処理量
は,年間最大 10 トン,1日あたり最大 0.43 トンであり,この場合の軽水炉
燃料の処理量は年間最大 193 トンとなる。
上記の結果から,C-14 の年間放出量を推定すると,軽水炉燃料を 210 ト
ン処理する場合は約 4620GBq/年となる。また,ATRMOX 燃料を合わせて
処理する場合は,タイプ A 燃料を処理する時の C-14 の放出量は 5010GBq/
年となり、タイプB燃料を処理する時の C-14 の放出量は 4876GBq/年とな
る。
したがって,年間放出量としては,ATRMOX 燃料の処理も考慮にいれて,
5100GBq/年に設定する。
参考文献)
1)核燃料サイクル開発機構,「東海再処理施設の安全性に係る基本データの
確認」,平成11年2月(JNC TN8410 99-002)
2)日本原燃(株)ほか,「再処理施設における放射性核種の挙動」,JNFS,
R-91-001 改1,平成 8 年 4 月
26
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