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大連 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング

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大連 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング
名城論叢
193
2009 年6月
大連 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の
現状と課題
――大連ソフトウェアパークに入居する日本向け BPO 関連企業の事例研究から――
大
前
智
文
はじめに―BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の概要―
1.大連 BPO 産業の概要―大連ソフトウェアパークの概要から―
2.大連 BPO 関連企業の事例研究
事例研究⑴
中国系 BPO 請負企業 A 社大連 BPO センター
1.A 社大連 BPO センターの概要
2.A 社大連 BPO センターの人材・労働環境について
事例研究⑵
米国系 B 銀行大連 BPO センター
1.B 銀行大連 BPO センターの概要
2.B 銀行大連 BPO センターの人材・労働環境について
事例研究⑶
日系 BPO 請負企業 C 社大連 BPO センター
1.C 社大連 BPO センターの概要
2.C 社大連 BPO センターの人材・労働環境について
事例研究⑷
日系 DTP 請負企業 D 社大連 DTP センター
1.D 社大連 DTP センターの概要
2.D 社大連 DTP センターの人材・労働環境について
3.大連 BPO 産業の現状と課題
⑴
日本向け BPO 産業の形態について
⑵
日本向け BPO 産業の人材環境について
⑶
日本向け BPO 産業の労働環境について
⑷
小括
4.大連 BPO 産業が日本に及ぼす影響について
はじめに―BPO(ビジネス・プロセス・ア
ウトソーシング)の概要―
務・経理・人事・データ入力等の業務の一部を
(1)
外部委託する「BPO (ビジネス・プロセス・ア
ウトソーシング)
」が積極的に利用されている。
欧米諸国では,1990 年代から 2000 年代にか
中国では,1990 年代から,自国産業の高度化
けて,コスト削減を目的として,自社のソフト
と多様化のための戦略として,ソフトウェア産
ウェア・システム開発を賃金の低廉な発展途上
業の育成に注力してきた。中国ソフトウェア産
国に立地する子会社・関連企業,専門請負企業
業は欧米諸国の外部委託を受注する形で発展
等に外部委託する「オフショア開発」
,
「ITO(イ
し,現在ではインドやフィリピンと並んで,世
ンフォメーション・テクノロジー・アウトソー
界的なソフトウェア産業の集積地が多数形成さ
シング)」が利用されてきた。また近年では,
れ,
「国家ソフトウェア産業基地 」や「ソフト
コールセンター・カスタマーセンター業務や総
ウェア輸出基地 」として機能している。また
(2)
(3)
194 第 10 巻
第1号
近年では,ソフトウェア産業の成立とともに,
対応による BPO の環境が整備・確立されつつ
「世界の工場」としてだけではなく「世界のオ
あり,日本向け BPO 産業として注目されてい
フィス」としての地位を確立するために,政府
る。2007 年時点では,すでに 2,500 社以上の日
主導の BPO 産業育成政策が展開されている。
本企業が中国において BPO を利用していると
2006 年から 2010 年を範囲とする第 11 次五カ
いう 。
(7)
年計画では,産業の高度化とサービス貿易の発
本研究では,このような日本向け BPO 産業
展を目標としており,2006 年には外国企業から
の集積地として成長・拡大を継続している中国
業務委託を積極的に受け入れる方針を定めた
遼寧省大連市郊外の大連ソフトウェアパーク
(4)
「千百十工程 (1110 プロジェクト)
」が立ち上
と,そこに入居する日本向け BPO 関連企業の
げられている。中国の ITO 産業と BPO 産業は
事例研究から,大連 BPO 産業の現状と課題,
成長・拡大を継続しており,2008 年第1四半期
日本に及ぼす影響について分析を試みる。
の中国国内における ITO・BPO 市場規模は,39
(5)
億 2,700 万元 (1元を 14 円として約 550 億
円)に達している。
1.大連 BPO 産業の概要―大連ソフト
ウェアパークの概要から―
経済産業省が 2008 年にまとめた『BPO 研究
会報告書』によると,日本では,東証一部上場
大連市は中国東北部遼寧省南端に位置する地
企業のうち 46%が BPO を利用しており,今後
方都市である。大連市には,1978 年の改革開放
も日本企業の BPO 需要は高まることが見込ま
以降の積極的な外資導入政策により,2007 年で
れている。これまで日本企業の業務委託先につ
は契約ベースで約 12,000 社以上(うち日系企
いては,その日本語という言語の制約から,日
業は約 3,500 社以上)の外資系企業が立地して
本国内で行うことが適切であると考えられてき
いる 。特に,大連市では 1990 年代から,大連
(6)
た 。しかし,近年では,中国において日本語
⑴
(8)
ソフトウェアパーク(以下「DLSP」とする)を
本研究では,経済産業省が 2008 年に公表した「総務・経理・人事業務における非コアな業務のビジネス・プロ
セスを外部へアウトソーシングすること」とする『BPO 研究会報告書』のなかの BPO の定義を参考としながら,
「非コアな業務のビジネス・プロセス」という定義は曖昧であることから「業務の一部」とし,BPO の代表的な
業務のひとつである「コールセンター・カスタマーセンター業務」を加えたものを BPO の定義とする。
⑵
北京,上海,西安,大連,成都,南京,杭州,済南,珠海,広州,長沙の 11 箇所が認定されている。
⑶
上海,西安,大連,天津,深センの5箇所が認定されている。
⑷ 「千百十工程(1110 プロジェクト)」とは,中国国内「10」箇所の業務受託基地を建設し,
『フォーチュン』誌が
定めるグローバル・トップ企業 500 社のうち「100」社から業務委託を受注し,国内「1,000」社の大型国際業務受
託企業を育成する計画である。
⑸
情報科技諮詢会社易観国際(Analysys International)が発表した「Analysys International Says China Offshore
Software Outsourcing Market Reached CNY 3.927 billion in Q1 2008」を参考とする。
⑹
日本企業における BPO は,労賃の比較的低廉な沖縄や北海道に立地する専門請負企業や子会社・関連企業に業
務委託する場合が多数を占めている。2008 年5月にコンピューターテレフォニーが実施した「全国自治体のコー
ルセンター向け助成支援制度およびセンター地方立地状況」調査によると,コールセンターが最も立地している
都道府県は沖縄県で 66 件,北海道で 55 件,福岡県で 36 件,宮城県が 28 件,長崎県で 20 件の順となっており,
以下は宮崎県,青森県,愛媛県,新潟県,秋田県,熊本県と続いている。
⑺
2007 年9月3日に放送された NHK スペシャル「人事も経理も中国へ」を参考とする。
大連 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の現状と課題(大前)195
中核とした情報通信・ハイテク産業の育成に注
企業の 90%以上が日本向けの業務を行ってお
力しており,その功績から中国唯一の「ソフト
り,これら企業の主な業務内容としては約 40%
ウェア産業国際化模範都市」
に認定されている。
がアプリケーション・ソフトウェア開発(IBM,
DLSP は大連市西部郊外の高新技術産業園区
ヒューレット・パッカード,NEC,SONY,アク
と学園地区にまたがる,情報通信・ハイテク産
センチュア,ベリングポイント,川崎重工,住
業を中心とした工業区である。DLSP は政府と
友電装,トライアル,Neusoft,華信,中軟,信
民間企業が共同開発する,
「官が助け,民が行な
雅達,海輝等),約 30%が BPO 業務(Neusoft,
う」方式のソフトウェアパークとして 1999 年
ジェンパクト,DELL,アクセンチュア,トラン
に創設されている。DLSP の管理・運営は民間
スコスモス,コクヨ,ソフトバンク・モバイル,
企業「大連ソフトウェアパーク株式会社」
によっ
SAP,信華等),約 10%が組込みソフト開発(パ
て行われており,このような開発・運営方式は
ナソニック,富士通デバイス,沖データ,エリ
中国では初めての試みである。DLSP は「火炬
クソン,オムロン,メタテクノ等)
,約 20%が製
計画(たいまつ計画)ソフトウェア産業基地」
,
品開発センターやモニターセンター等の業務
「国家ソフトウェア産業基地」
,
「ソフトウェア
(NTT コミュニケーション,日立造船,UEL
輸出基地」,「欧米向け中国ソフトウェア輸出工
等)となっている。また,これら企業では合計
程実験基地」としても認定され,中国の産業高
3万名以上の従業員が勤務している。
度化戦略の先鋒として国家的な支援を受けてお
このようなことから,DLSP は大連市におけ
り,入居企業に対する優遇政策も充実してい
る情報通信・ハイテク産業の中核拠点として,
(9)
る 。ま た,DLSP 内 に は,民 間 企 業 で あ る
また,それらを活用した BPO 産業の中心地と
Neusoft グループと DLSP と中国東北大学の共
しての機能を有している。
同出資による,中国最初の情報通信技術系の私
立単科大学として,東北大学 Neusoft 信息学院
(東北大学東軟情報大学)が設立されている。
2.大連 BPO 関連企業の事例研究
DLSP には情報通信関連企業を中心に 401 社
本事例研究は 2008 年7月 15 日から7月 17
(2008 年7月時点)が入居しており,そのうち
日までの期間に,名城大学大学院経済学研究科
36 社は『フォーチュン』誌が定めるグローバル・
教員4名と大学院生8名が大連に赴き,DLSP
トップ企業 500 社に名を連ねている。401 社の
管理・運営企業と BPO 関連企業に対して行っ
内訳として,日系企業は全体の約 26%(約 100
た イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を 基 に し て い る。大 連
社)の割合を占めており,日本以外の外資は約
BPO 産業を代表する BPO 関連企業として,少
42%(約 170 社),中国資本企業は残りの約 32%
数ではあるが,それぞれの資本形態,企業規模,
(約 130 社)となっている。DLSP に入居する
業務内容等が特徴的に異なっている4社(中国
⑻ 『大連統計年鑑 2007』の数値を参考とする。また,これは契約ベースの数値であるため,実際に設立され,稼動
している企業数とは異なる。
⑼
具体的な優遇政策として,企業所得税は企業設立から2年間は免除,利益が計上された年度から2年間は免税,
その後3年間は通常税率の 15%が半分の 7.5%に減率される。また,輸出向けハイテク製品・ソフトウェアに課
される増殖税の免除,輸出・輸入に課される関税の免除,技術譲渡や技術開発にかかわるコンサルティングやサー
ビスに課される営業税の免除,個人所得税の納付金額にかかわる控除対象の拡大等が挙げられる。人材導入政策
としては戸籍転入や就業・就労ビザの優先的発行を認めている。
196 第 10 巻
第1号
系最大手の A 社大連 BPO センター,米国系最
ゲームのパトロール等を行っている。このよう
大手の B 銀行大連 BPO センター,日系最大手
なバックオフィス・サポート業務については,
の C 社大連 BPO センター,日系で特色ある D
その需要が増加していることから,今後の拡充
社大連 DTP センター)を取り上げる。
が計画されている。
事例研究⑴
2.A 社大連 BPO センターの人材・労働環境
中国系 BPO 請負企業 A 社大連
BPO センター
について
1.A 社大連 BPO センターの概要
A 社大連 BPO センターには 500 名の従業員
A 社大連 BPO センターは,中国系資本とし
が在籍している。そのうち約 300 名はコールセ
ては最大規模のソフトウェア・ソリューション
ンター業務に,約 50 名がデータセンター業務
企業である A 社グループの BPO 部門である。
に,約 150 名がバックオフィス・サポート業務
A 社 BPO 部門では大連,瀋陽,成都の3都市
に従事している。今後も日本向け BPO 業務を
で BPO サービス拠点を展開しており,そのう
拡大し,2009 年までには従業員を 1,000 名規模
ち大連 BPO センターは日本向け BPO 拠点と
まで増加させる予定である。なお,A 社大連
して,2003 年に設立された。その業務はコール
BPO センターの離職率は平均して約 10%と
センター業務,データセンター業務,バックオ
なっており,1年間で約 50 名が離職している。
フィス・サポート業務に大別される。
A 社大連 BPO センターの勤務体系は,中国
コールセンター業務は 2005 年に開始され,
時間で午前9時から午後6時まで,途中1時間
2008 年現在ではヒューレット・パッカード専用
の昼休みがある。休日は日本にほぼ連動してお
の日本向けコールセンターが 300 名規模で運営
り,土日の週休2日に加え,日本の休日も休み
されている。また,2009 年には日系カメラメー
となる。ただし,中国の休日には出勤しなけれ
カー専用のコールセンターが開設される予定と
ばならない。また,通常の勤務に加えてトレー
なっている。
ニング時間が設定されており,1週間6時間の
データセンター業務では大連,瀋陽,成都の
日本語トレーニング(日本人従業員の場合は中
3拠点が相互にバックアップ拠点として機能し
国語トレーニングとなる)
,1ヶ月 12 時間の顧
ている。中国国内にはデータセンター業務を行
客対応トレーニングが課せられている。このよ
う企業は多数存在するが,その中でも A 社グ
うな日本語トレーニングを実施していても,日
ループは中国国内の通信回線事業者との優先的
本語の独特の表現方法やニュアンス,方言等ま
な接続が認められており,中国では最高水準の
でを十分に理解するためには数年かかるとい
サービス品質を確保しているという。このこと
う。
から,2008 年時点では日系企業十数社が契約・
入居している。
バックオフィス・サポート業務では,データ
A 社大連 BPO センターの給与体系として
は,「BPO 業界にあって平均的な毎月の基本給
与
(10)
」に加え,年一回の業績賞与がある。特に,
入力等の単純業務ではなく,情報収集・出店審
A 社大連 BPO センターが主要業務としている
査などの「WEB リサーチ・ラボ」やオンライン
コールセンター業務には高度な日本語会話能力
⑽
大連 BPO 産業の平均的な基本給与としては,コールセンター業務は月給約 4,000 元,バックオフィス・サポー
ト業務は月給約 2,000 元となっている。
大連 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の現状と課題(大前)197
や商品知識が求められることから,他の単純な
データ入力業務や数値計算業務等に比べるとや
や高い水準の給与となっているという。
2.B 銀行大連 BPO センターの人材環境につ
いて
B 銀行大連 BPO センターには約 500 名の従
人材確保については,A 社グループ情報系専
業員が在籍しており,そのうち約 80 名は日本
門学校の卒業生を優先的に採用している。ま
語による対応が可能となっている。日本人は約
た,日本人や日本への留学経験者も積極的に採
6名,日本に留学経験のある中国人は約 10 名
用している。そのための受け入れ体制として,
在 籍 し て い る。な お,B 銀 行 大 連 BPO セ ン
A 社大連 BPO センターでは日本人には労働ビ
ターでは,2009 年までに従業員を 1,000 名まで
ザ手続きと渡航手続きのサポートを,日本で学
増加させる予定である。
(11)
位を取得して帰国する中国人には档案 (とう
B 銀行大連 BPO センターの勤務体系として
あん)と戸籍の受入・管理を行っている。また,
は,日本側のスケジュールに連動しているため
日本での求人活動も積極的に行っている。
土曜と日曜の週休2日制,さらに日本の祝祭日
も休みとなる。また,夜勤業務はないが残業が
事例研究⑵
米国系 B 銀行大連 BPO センター
1.B 銀行大連 BPO センターの概要
あり,中国の休日である旧正月等にも出勤しな
ければならない。
B 銀行大連 BPO センターは,世界的金融機
B 銀行大連 BPO センターの給与体系として
関である B 銀行グループ向けの社内 BPO 業務
は,比較的簡易にできる業務では月給約 3,000
を担当している。その主要業務はバックアップ
元からはじまり,日本語能力や管理能力等が備
向けデータ処理,コールセンター・カスタマー
わるにつれて昇給していく。従業員のなかには
センター,ソフトウェア開発となっている。中
月給約 30,000 元の日本人も在籍しているとい
国国内には大連のほかに上海,広州,珠海に
う。従業員への給与はスキル・資格・職責・採
BPO 業務拠点が設立されている。B 銀行大連
用等を総合的に判断する B 銀行グループ内の
BPO センターは,2005 年に設立され,日本の
給与評価システムを基準としながら,特別に日
B 銀行グループに関連した個人・法人向け銀行
本語能力を重視して評価・算出している。日本
業務,消費者金融業務,クレジットカード業務
語能力が決定的に重要であることから,日本人
に関連したバックアップ用データ処理業務,カ
や日本への留学経験を持つ人材の獲得するため
(12)
,ソフトウェア開発業
に,日本での求人活動も積極的に行っている。
務を行っている。2009 年からは,証券業務に関
B 銀行大連 BPO センターでは,1年間で約
連したバックアップ業務も開始される予定であ
100 名の従業員が離職しており,その離職率と
る。
しては約 20%となっている。近年では,中国の
スタマーセンター業務
労働法の度重なる改正から労働・雇用条件が
日々変動しているが,B 銀行大連 BPO セン
⑾
中国共産党が管理する全人民の個人資料のこと。档案には先祖・家族の所属階級,本人の所属階級,戸籍,家族
構成,学歴,党歴,就職,結婚,言動,旅行歴,交友関係,犯罪歴など,生まれた時から現在までの個人情報の全
てが書き込まれている。共産党担当部局や档案管理の資格を持つ企業が厳重に管理し,本人であってもその内容
を知ることはできない。中国において档案を取り扱うことができる企業は限定されている。
⑿
日本国内の法律規制により日本向けコールセンター業務は行われていない。
198 第 10 巻
第1号
ターでは B 銀行グループの一角を担う企業と
で抑えられている。離職率を低下させる工夫と
しての社会的責任を重視しており,常に法律以
しては①日本語教育や技術教育,日本での業務
上の待遇を心がけているという。経営側は勤務
研修等の「辞めないメリット」の明示,②先輩
体系,給与体系とも平均的な日本向け BPO 請
による新人教育や相談制度,③研修直後に離職
負企業以上であると自負しているが,労働者側
する場合の研修費の返還契約等が挙げられる。
の高賃金な企業へ次々に移動していく傾向があ
C 社大連 BPO センターには日本人駐在員が
ることから,ある程度の離職は想定しているの
19 名在籍しており,各自が業務リーダーとなっ
だという。
ている。日本人社員は技術・業務指導として配
置されており,C 社大連 BPO センターの経営
事例研究⑶
日 系 BPO 請 負 企 業 C 社 大 連
に対する責任を負わない。近年では,自社のシ
BPO センター
ステム開発だけでなく,人事・会計・経理・レ
1.C 社大連 BPO センターの概要
C 社大連 BPO センターは,日本において
ポーティング等の BPO 業務も行っていること
から,日本人駐在員数は増加している。
ディスカウントストアーを展開する C 社のソ
現在の中国人社員の平均給与は新卒採用で月
フトウェア開発・BPO 部門である。C 社 BPO
給約 2,000 元,
技術職となると月給約 3,000 元,
部門は日系独資企業として煙台,青島,大連に
それ以上のリーダーや専門職となるとより高給
拠点を設立しているが,人材採用と事業運営の
になる。この場合の技術職には本格的なプログ
利便性から,現在では大連が中核的な拠点と
ラムやシステム設計の技術ではなく,BPO 業
なっている。
務に関する数値入力や日本語文章の作成という
C 社大連 BPO センターでは,C 社のソフト
日本語の素養と基本的なパソコン操作に関する
ウェア・システム開発に加え,C 社の総務・経
技術が要求されている。プログラムやシステム
理・人事・レポーティング等の BPO 業務を行っ
設計に携わる専門職の育成にも注力しており,
ている。これら実績から,今後は日本企業や日
そのための教育・研修プログラムも整備されて
系企業への BPO サービスの提供・販売を計画
いる。
している。C 社はゼロから中国のソフトウェ
ア・システム開発部門を立ち上げ,数年で自社
に関する BPO 業務だけでなく,他社へのソフ
トウェア・システムの外販や BPO サービスの
提供が可能になるまでに成長した日系 BPO 関
連企業である。
事例研究⑷
日 系 DTP 請 負 企 業 D 社 大 連
DTP センター
1.D 社大連 DTP センターの概要
D 社大連 DTP センターは 2006 年に設立さ
れた,日本向け DTP(デスクトップ・パブリッ
シング:卓上出版)業務,組版業務,人材派遣
2.C 社大連 BPO センターの人材・労働環境
について
C 社大連 BPO センターには約 700 名の従業
員が在籍している。離職する従業員は多く,
業務等を展開する日系独資企業である。D 社
本社は岡山にあり,東京には営業拠点が設置さ
れている。日本の D 社は営業活動全般を主要
業務としている。
2007 年までの離職率は平均約 10%となってい
D 社大連 DTP センターは中国の豊富な人材
る。しかし,近年では様々な工夫から離職率が
と低廉な人件費を活用することにより,日本で
安定してきており,2008 年では平均約4%にま
は実現不可能な DTP・組版事業の三交代制に
大連 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の現状と課題(大前)199
よる 24 時間営業を行い,日本の顧客から重宝
ているため,昼間勤務に比べ夜間勤務の従業員
がられている。その平均価格は日本の半額以下
の給与は高く設定されている。
に抑えられており,納期の面だけでなく価格の
人材の確保については能力別の昇給制度や福
面でも優位である。今後は現在の取引関係を維
利厚生の充実等が図られており,勤続のメリッ
持しつつ,新たな顧客の開拓が志向されている。
トを明示している。特に DTP・組版業務は「時
人材派遣については,日本向けに比較的単純
間に追われる」ため,家庭的な職場,円滑な人
な業務に従事する中国人スタッフを約3年間の
間関係等の働きやすい環境の整備には気を配っ
期限で派遣する業務を行っている。現在は,京
ているという。
都の印刷関連企業に約 30 名の中国人スタッフ
を派遣しているという。将来的には DTP・画
3.大連 BPO 産業の現状と課題
像処理,情報処理関係の専門知識を持つ中国人
技術者を日本に派遣することを計画している。
⑴
日本向け BPO 産業の形態について
DLSP に入居する日本向け BPO 関連企業は,
2.D 社大連 DTP センターの人材・労働環境
について
D 社大連 DTP センターの設立当初は,管理
事例研究にあるようにさまざまな業務形態で運
営されている。以下の図は DLSP における日
本向け BPO 業務の形態をあらわしている。
者を含めて3名しか在籍していなかったが,
専門的な BPO 請負企業が大連に日本向け
2008 年時点の従業員は 84 名にまで増加してい
BPO 拠点を設立し,日本企業との取引を行う
る。また,設立から現在までの離職者は4名と
ケースとして,①既存の BPO 請負企業が,
少ない。
BPO 業務のコスト削減を目的として大連に
D 社大連 DTP センターでは,新規採用の従
BPO 拠点を設立するケースと,②大連に立地
業員には業務の中で DTP・組版の作業内容を
する BPO 請負企業と各国企業が直接取引を行
習得させている。D 社大連 DTP センターが取
うケースがある。事例研究では A 社大連 BPO
り扱う DTP・組版の作業内容は比較的簡易に
センター,その他では IBM,アクセンチュア等
理解することができ,他のプログラミングやシ
の比較的大規模な BPO 請負企業がこれらケー
ステムエンジニアリング等の情報通信関連業務
スに該当する。これらケースでは,発注側の日
に比べて数ヶ月という比較的短期間に習得する
本企業は大連に現地法人を設立する必要はな
ことが可能となっている。しかし,日本語によ
く,簡便なコスト削減が可能となる。しかし,
る作業指示のやり取り,日本向け DTP・組版業
外国の他企業に自社業務の一部を委託すること
務に特有の様式・慣習等の理解・習得は比較的
から,セキュリティ管理の面で課題を残す。特
困難であるという。このため,優れた日本語能
に,日本企業が中国資本系 BPO 企業を利用す
力を有する人材を常時募集しているが,応募は
る場合は,自社情報の漏洩を防止するためにセ
少ない。
キュリティ管理者やセキュリティ管理部門を設
従 業 員 の 平 均 給 与 は,1 年 目 で は 月 給 約
置する場合がある。受注側の BPO 請負企業に
1,800 元,2年目以降は月給約 2,500 元以上と
とっては,このような取引相手との全般的な信
なっている。これは大連における情報通信関連
頼関係の構築や営業機能の強化が課題となる。
業種の中では平均的な給与水準である。なお
日本企業あるいは外資系企業が大連に自前の
D 社大連 DTP センターでは三交代制を採用し
BPO 拠点を設立し,自社業務の一部を外部委
200 第 10 巻
第1号
図1
大連ソフトウェアパークにおける日本向け BPO 業務の形態
※ DSLP 管理・運営企業へのインタビュー調査の際に受けたプレゼンテーションを
参考として筆者が作成
託しているケースとして,③日本企業あるいは
大連 DTP センターが該当する。これらケース
外資系企業が自前で大連に BPO 拠点を設立
では,大連 BPO 請負企業の利用を控えること
し,将来的には中国市場での BPO 請負業務の
によりコストは節約され,セキュリティの信頼
展開を視野に入れているケースと,④自前の
性 も 高 く な る。し か し,現 地 法 人 の 設 立 や
BPO 拠点に加えて大連の BPO 請負企業を利用
BPO 業務の立ち上げには困難が伴うことから,
するケースがある。事例研究では B 銀行大連
むしろ全体的なコストは増加してしまう危険性
BPO センター,C 社大連 BPO センター,D 社
がある。このため,BPO 請負企業の一部利用
大連 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の現状と課題(大前)201
やパートナー関係の構築から BPO 業務立ち上
本語教育の中心である大連外国語学院が機能し
げ時の困難を解消し,自身としても BPO 業務
ていることから,
大連には豊富に存在している。
やセキュリティ管理に携わることによって,今
このように大連の BPO 業務に携わる人材が豊
後の業務展開やセキュリティの課題を克服する
富であることは,大連 BPO 産業の最大の特徴
ケースも存在する。
であるとされてきた 。しかし,大連 BPO 関
(13)
BPO では委託・発注側に業務を管理・監督す
連企業の事例研究からは「専門学校や大学を卒
る必要が生じるため,業務管理部門を介した利
業した程度の水準では『完璧な日本語能力』に
用が主流となっている。また,重大な機密事項
は程遠い。やはり,日本人や日本に留学経験の
や顧客情報などを取り扱う場合には,強固なセ
ある中国人を積極的に採用したい。
」という企
キュリティ機能に加え,万が一の事態に備えた
業の本音が明らかとなっている。実際に日本語
法的な取り決めも必要となる。これらのコスト
による指示の内容等を完全に理解するために
や リ ス ク を 考 慮 す る と,現 時 点 で は 中 国 系
は,企業内部で半年から1年以上の教育・育成
BPO 関連企業には全幅の信頼がよせられてい
が必要である。また,中国では「品質の高い商
るわけではない。
品やサービスは,高価であって当然である」と
いう考えが一般的であり,
「よりよいものをよ
日本向け BPO 産業の人材環境について
り安価に」というような日本的な経営方針・理
DLSP 内には,情報通信技術系の私立単科大
念についても一から教育しなければならない。
学である東北大学 Neusoft 信息学院が設立され
日本向け BPO 産業に要求される日本語能力の
ており,ソフトウェア産業の基盤となる技術者
水準は非常に高く,そのような人材は不足して
の 教 育 が 行 わ れ て い る。ま た,東 北 大 学
いる。特に,
「ブリッジ・システムエンジニア」
Neusoft 信息学院以外にも,DLSP 周辺には複
と呼ばれる日本企業と中国 BPO 企業間の業務
数の大学(大連理工大学,大連海事大学等)が
の橋渡しをするような,語学力と総合的な業務
立地している。これら教育機関からは情報通信
管理やシステム開発能力の両方を有する人材は
技術に卓越した学生が毎年約 2,000 名規模で輩
慢性的に不足しているという 。
⑵
(14)
出されており,遼寧省全体では毎年約 10,000
日本語能力を有する人材の確保は,日本向け
名規模の情報通信関連技術者が誕生している。
BPO 関連企業の存続のための必要条件である
彼らは遼寧省近辺,あるいは大連市での就職を
ことから,その離職率の改善も課題である。事
希望する傾向が強く,DLSP には人材が豊富に
例研究にもあるように,比較的簡易で単純な
流入してくる。また,日本向け BPO 業務に欠
BPO 業務に就いている従業員の離職率は平均
かせない日本語能力を有する人材についても,
で約 10%となっている。中国人従業員には高
大連が 1905 年から 1945 年まで日本の租界地で
賃金な企業へ次々に移動していくという傾向が
あったという歴史的な背景や,中国における日
あるとはいえ,数年で従業員の大半が入れ替わ
⒀
2008 年7月 17 日に行われた名城大学経済学研究科調査団に対する DSLP 管理・運営企業によるプレゼンテー
ションを参考とする。
⒁
何徳倫氏が大連 BPO 企業の実情を記した『大連は燃えている―大連市のソフトウェア開発実情―』の中では,
「ブリッジ・システムエンジニア」が絶対的に不足していることを指摘している。また,海野惠一氏が記した『本
社も経理も中国へ―交通費伝票は中国で精算する―』の中でも,
「中国語と日本語を自在に操る人材」が相当数必
要であることを指摘している。
202 第 10 巻
第1号
るという状況は継続的な事業経営には好ましい
その周辺は日本語に親しい地域ではあるが,
環境であるとはいえない。
コールセンター業務には,日本人や日本への留
学経験者程度の日本語能力が要求される。日本
日本向け BPO 産業の労働環境について
人や留学経験者は高額な給与を要求することか
DLSP に入居する企業の勤務体系は,ほぼ日
ら,雇用1年目ではソフトウェア開発にかかわ
本時間や日本の勤務体系と連動している。ま
るプログラマーよりも高額な月給約 4,000 元
た,DLSP に入居する BPO 関連企業の給与体
(約5万6千円)
となっている。その反面,コー
系は業種,勤続年数等で細分されており,単純
ルセンター業務以外のシステム・ソフトウェア
なデータ入力業務等の最低給与水準は日本に比
開発や業務管理等の能力が備わっていなければ
⑶
(15)
べて大幅に下回っており
,
月給約 1,000 元
(1
給与水準の上昇は期待できない。
元を 14 円として約1万4千円)から約 1,500
元(約2万1千円)となっている。以下の表は
⑷ 小括
BPO 関連企業の大多数は,主要な取引先で
DLSP における BPO 業種別の平均的な給与水
ある日本企業のコスト削減を実現するための労
準をあらわしている。
単純な BPO 業務では,文章入力や数値入力
働集約的で低付加価値の BPO 業務に携わって
作業が中心となるので,その給与水準は低い。
いる。その内容としては,部分的かつ定型的な
BPO 業務担当で入社した後にシステム・ソフ
単純作業であり,従業員の労働する意欲,創造
トウェア開発や業務管理等の能力が備わると,
性,達成感等は乏しい。しかし,その業務とし
その給与水準は大幅に上昇する。
ては日本企業向けであることから,日本人と同
ソフトウェア・システム開発業務では,個人
水準の日本語能力や,完璧でミスのない作業内
のプログラミングやシステム開発に関する専門
容が要求されている。そして,これら BPO 業
的知識や能力が重視される。採用後1年間の給
務は日本人の平均的な初任給の4分の1から
与水準は毎月約 2,200 元(約3万円)と比較的
10 分の1という,薄給の状況下で行われてい
低いが,勤続によって専門知識・能力が備わる
る。このような BPO 産業の構造的課題は,
場合は,給与水準は上昇する。
徐々に表面化してきている人材不足という問題
コールセンター業務では,日本語能力が重視
によって裏付けられているものと推測される。
されることから,その給与水準は高い。大連と
このような構造的課題への対応として,多様
表1
大連ソフトウェアパークにおけるBPO業種別の平均的な毎月の給与水準
雇用年数
業務
1年目
2年目
単純なBPO業務
約1,000∼1,500元
条件付で昇給
ソフトウェア開発業務
約2,200元
約2,500∼3,000元
コールセンター業務
約4,000元
条件付で昇給
3∼5年目
5∼10年目
約4,000∼9,000元
約10,000∼15,000元
※DSLP管理・運営企業へのインタビュー調査の際に受けたプレゼンテーションを参考として筆者が作成
⒂
2008 年の厚生労働省による「平成 20 年賃金構造基本統計調査結果」では,2008 年調査時点の日本の大卒者初
任給は男女平均して約 19 万8千円である。
大連 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の現状と課題(大前)203
なバックオフィス・サポート業務の展開や,
マー
発展・拡大傾向をみせており,日本企業におい
ケティング業務,経営コンサルタント業務,税
てもその利用が進んでいる。しかし,これは同
務・会計,法務等の高付加価値で専門的な業務
時に,日本のサービス業部門あるいは企業内部
(16)
への対応が志向されている 。また,日本向け
管理部門における産業空洞化問題が進行してい
BPO 業務だけではなく,大連に近接するロシ
ることを意味しており,その対応については今
アや韓国向け BPO 業務を受注することも計画
後の課題となることが推測される。
されている。今後,大連 BPO 産業の自立的で
日本の製造業部門では,1980 年代から 90 年
継続的な発展・拡大を遂げるためには,BPO に
代にかけて,経済のグローバル化による国際的
対する信頼性の確立と大連 BPO 産業の構造的
競争の激化に対応するために,その生産拠点の
課題の解決が必要不可欠である。
海外進出・移転による生産体制の国際分業・下
(17)
請化が進められた
4.大連 BPO 産業が日本に及ぼす影響
について
。その結果,日本企業の生
産拠点は世界各地に設立され,国際市場におけ
る日本製品の競争力が維持されてきた。その一
方で,1991 年の「バブル崩壊」以降,日本の製
本研究の少数の事例研究からではあるが,大
造業部門の海外進出・移転による国内問題とし
連 BPO 産業が日本に及ぼす影響について分析
て,
「産業空洞化」が深刻化し始めた。この産業
を進める。
空洞化問題は,企業の体質強化を第一義的な目
トーマス・フリードマンの著書『フラット化
標とする「日本型経営」の中では見落とされて
する世界』では,大連ソフトウェアパークをひ
きた,利益を従業員・株主,または地域社会に
とつの具体例として,その理論が展開されてい
還元していく姿勢や,協力会社との協調関係の
る。トーマス・フリードマンは,情報通信技術
必要性を再認識する契機となった 。これは
の発展・普及から世界中の知的労働力が集合し,
「企業のあり方」
,あるいは「経済のあり方」と
共同作業する仕組みが構築されていることに着
して,現在でも解決されてない,むしろその深
目し,そのような世界では,対等な条件下で雇
刻度が増している問題のひとつである。
用を取り合うためにグローバルな個人間競争が
激化するとしている。
(18)
近年では,企業内部で不要だと判断された部
門のコストについては極限まで削減し,必要だ
本研究でみた大連 BPO 産業は,日本の製造
と判断された部門に経営資源を集中させる「選
業部門だけではなくサービス業部門,あるいは
択と集中」という経営手法・戦略が流行してい
企業の内部管理部門においても,その海外進
る。このような「選択と集中」という経営手法・
出・移 転 が 進 行 し て い る 好 例 で あ る。大 連
戦略の普遍性については,多様な「企業のあり
BPO 産業は,そのコスト削減機能から急速な
方」あるいは「経済のあり方」から疑問が残る。
⒃
岡田英治氏は「ソフト開発から BPO へ」の中で,ソフトウェア開発業務から多様な BPO 業務へ事業展開を進
める中国ソフトウェア企業を紹介している。
⒄ 『中小企業の海外進出―経済国際化への積極的対応―』には 1980 年代にかけて積極的に生産拠点を海外進出し,
国際的な生産ネットワークを構築しようとする日本の自動車産業,電機産業の事例が研究されている。
⒅
ソニーの創業者である盛田昭夫氏が 1990 年に記した『MADE IN JAPAN―わが体験的国際戦略―』における
アメリカの産業空洞化への問題提起と,1992 年に記した「『日本型経営』が危ない―『良いものを安く』が欧米に
批判される理由―」における企業のあり方についての考察を参考とする。
204 第 10 巻
第1号
大連 BPO 産業はこのような「選択と集中」の
コンピューターテレフォニー編「全国自治体のコール
受け皿として発展・拡大を継続してきたが,そ
センター誘致・進出状況」,『コンピューターテレ
れは同時に労働集約的で単純な低賃金労働とい
う構造的課題を抱える原因ともなった。
このように,大連 BPO 産業が日本に及ぼす
影響については,大連 BPO 産業によって日本
のサービス業部門あるいは企業内部管理部門の
移転・代替が推進される側面と,多様な「企業
のあり方」,
「経済のあり方」から,その傾向が
制限される側面とが混在している。
編「Analysys International Says China Offshore
Software Outsourcing Market Reached CNY
3.927 billion in Q1 2008」,情報科技諮詢会社易観
国際,2008.
大連市統計局編『大連統計年鑑 2007』,中国統計局,
2007.
滝沢菊太郎編『中小企業の海外進出―経済国際化への
積極的対応―』,有斐閣,1982.
トーマス・フリードマン著伏見威蕃訳『フラット化す
参考文献
る世界』上・下,日本経済新聞社,2006.
海野惠一『本社も経理も中国へ―交通費伝票は中国で
精算する―』,ダイヤモンド社,2008.
岡田英治「ソフト開発から BPO へ」,『ジェトロセン
サー』,vol. 57,no. 684
フォニー』,vol. 11,no. 10,リックテレコム,2008.
情報科技諮詢会社易観国際(Analysys International)
日本貿易振興機構,2007.
経済産業省 BPO 研究会編『BPO 研究会報告書』,経済
産業省,2008.
厚生労働省賃金福祉統計課編「平成 20 年賃金構造基
本統計調査結果」,厚生労働省,2008.
何徳倫『大連は燃えている―大連市のソフトウェア開
発実情―』,エスエスシー,2005.
盛田昭夫
Edwin. Reingold『MADE IN JAPAN―わ
が体験的国際戦略―』,朝日新聞社,1990.
盛田昭夫「『日本型経営』が危ない―『良いものを安く』
が欧米に批判される理由―」,
『文藝春秋』1992 年
2月号,文藝春秋,1992.
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