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No.1 - 埼玉りそな産業経済振興財団

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No.1 - 埼玉りそな産業経済振興財団
11
月
Nov.2012
No.107
彩論 公益財団法人 埼玉県芸術文化振興財団 理事長 竹内 文則 氏— —————
ズームアップ 株式会社 丸和運輸機関— —————
2
地域研究レポート 下水道のゆくえ— —————
5
調査 埼玉県における産業動向と見通し— —————
9
最近の環境問題を考える 10
1
生産は弱含み、今後も弱含みが見込まれる
寄稿 埼玉県内企業のアセアンビジネスを支援します!— ————— 14
埼玉県アセアンビジネスサポートデスク 平成24年8月20日オープン
アンケート調査 埼玉県内企業の2012年夏のボーナス支給状況— ————— 15
県内経済の動き— ————— 17
月次経済指標— ————— 19
タウンスケープ— 狭山市 —————— 21
緑と健康で豊かな文化都市 狭山市
狭山市駅西口
(狭山市)
市町村経済データ— ——
企画
編集
公益財団法人
裏表紙
埼玉りそな産業経済振興財団
論
「 3・1 1 」が 覚 醒 さ せ た
新 生日本
公益財団法人 埼玉県芸術文化振興財団 理事長
竹内 文則 氏
とうとう
「失われた30年」という本まで出始
先し、特に企業・国家が真のリスクを取らなく
めた。メディアが紹介する日本の世界的競争
なった。マージンを抜き、コストカットに血道
力は、1990年以降右肩下がりを続けており、
を上げる一方、身内の利益には目を瞑る
「ムラ
昨今は各部門で 20位前後につければ良い方
と空気の似非ガバナンス」でお茶を濁してき
だ。一部人々は統治機構の改革以外に日本
た。リスクを直視せず安心を安売りした結果、
再生の策無しとして、
「 維新八策」政治に託そ
安全は安心に裏切られた。仕組みが巨大化
うとし始めている。一寸待ってほしい、制度・
し、技術が高度化し、経済がグローバル化す
仕組みの改革は、その前提として国民の意識
るとリスクは複雑・多様化する。真摯にリスク
改革が不可欠である。
「3・11東日本大震災・原
を直視し、トータルリスクマネジメントの必要
発事故」は、以下三点で日本人を覚醒させる
性を思い知った。
端緒になった。始まった意識改革を貫徹する
ことこそが新生日本への第一歩である。
第3は、
「 失われた 20年」世界の評価は真
逆だったことを当の日本人が思い知る契機に
第1は、
「 自助精神」の確立と共生社会の実
なった。
「 3・11」における日本国民・社会の尊
現だ。押し寄せる大津波、瞬時にまき散らさ
厳あふれる利他的行動、パニックが起きない
れた放射能、
「 未曾有の非常時」という現実
ほうがおかしい状況下の冷静、沈着な対応に
に直面させられた1 .2億人は覚醒した。
「日
世界は改めて驚嘆した。日本人が失ったと思
常」においては社会における自身の役割を確
った 20年間、世界は逆に日本人の精神・感性・
実に果たす「自助」が不可欠なことを思い知
道義力、自然との調和力をベースにしたジャ
る。
「 自助」があって相互にカバーしあう
「互
パニーズ・ウエイ・オブ・スタイル、芸術文化、ソ
助」が確認され、より広い地域社会で協力す
フトパワーを絶大に評価した。競争力基準に
る
「共助」に思いが至る。
「 公助
(国の役割)」
はないが世界が最重要視するこの指標でジャ
は最後の砦、闇雲に公助に頼らず「自分の国
パン・アズ・NO1を達成した。
は自分で守る」という安全保障の大原則を肝
欠落していたものを取り込み、
「日本の凄さ」
に銘じた。
「 自助」があって成り立つ共生社会
を更に磨く
「三つの意識改革」で新生日本は
こそが、非常時減災の原動力であることも認
歩み始めた。我々財団は、
「 さいたまから世界
知した。
に向けて日本の芸術文化を発信する」ことで、
第2は、トータルリスクマネジメントの重要
性である。戦後67年、経済性・効率性を最優
1 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
パブリック・ディプロマシー
(広報・文化外交)
の一役を任じ続けたい。
株式会社 丸和運輸機関
顧 客が本 業に徹することのできる 3 PLサービスを提 供 。
「 お客様 第一 義 」の 企業 理 念に基づいた物 流 改 革を推 進する
顧 客 企 業 か ら 物 流 の 仕 組 み を 一 括 して 受 託 する 3 P L 事 業 に いち 早く参入し 、成 長 を 続 け て き た
丸 和 運 輸 機 関 。ローコスト・オペレ ー ションを 推 進 する企 業 にとって、物 流 のフルアウトソー シング は
大 きな 魅 力 だ が 、そ の た め に は 請 け 負う 企 業 側 へ の 高 い 信 頼 が 必 要 だ 。同 社 は 、そ の 信 頼 を 得 る
ため の「 人 財」と企 業 文化 を育 て上 げ、成 長 を 続 け てきた 。
代表取締役社長
代表者
代表取締役社長 和佐見 勝
創業
昭和45
(1970)
年1月
設立
昭和48
(1973)
年8月
資本金
10 億40万4,000円
従業員数
8,200名
(グループ合計 パート・アルバイトを含む)
事業内容
サードパーティ・ロジスティクス
(3PL)
事業
(常温物流、低温食品物流、医薬・医療物流)
/ロジスティクスコンサルティング事業/情報システム開発・コンサルティング事業/
運輸事業(国内外、一般、特別積合 他)/倉庫事業・保管庫の賃貸および管理事業/
引っ越し、ピアノ運送事業/不動産の売買および賃貸業
所在地
〒342-8505 埼玉県吉川市あさひ桃太郎1-1-1
TEL 048 -991-1000 FAX 048 -991-1001
URL http://www.momotaro.co.jp
和佐見 勝 氏
物流は企業の活動を支える動脈であり、企業経
営にとってその重要性は極めて高い。そんな企業
経 営 理 念 は「 お 客 様 第 一 義 」
における物流の合理化システムを、第三者の立場
和佐見社長は昭和38
(1963)
年、10代のときに
で提供するのが 3 PL
(サードパーティ
・ロジスティク
青果の小売り・仲買業として独立。しかし、押し
ス)
。吉川市に本社を置く株式会社丸和運輸機関
てはならない連帯保証人の印を押して店を失う
は、顧客を小売業に特化した3 PL事業に進出し、
こととなり、昭和45年、手元に残ったトラック1台
「商物分離」による顧客企業の本業への専念や多
を活用して運輸業に転じた。しかし、設立当初
店舗展開を支援するシステムをつくりあげてきた。
はなかなか仕事を回してもらうことはできなかっ
「物流に関してはお客さまに一切投資はしてい
たという。
ただかないなど、お客さまの経営支援を徹底的
「何度も何度も断わられ続けるなかで、お客さ
に追求しています。私自身がもともと青果の小売
まがどのようなことを要望されているのかを学び、
業をしていたので、お客さまの要求や要望、どう
お客さまから運輸業のノウハウを教えてもらいま
したらお客さまが喜ぶかがよくわかっているから
した。2カ月半たって初めてお仕事をいただいた
です」
(和佐見勝社長)
ときは配達の途中に涙が止まらず、何回も停車し
物流を丸ごと請け負うためには、顧客企業か
ら信頼されるに足る技術や人材が必要となる。
ては目を拭って運転を続けました」
そのときの感謝の気持ちから生まれたのが同
それを可能にしたのが、社員の能力を高める教
社の経営理念である
「お客様第一義」。第一主義
育システムの整備、
そして同社が創業以来育て上
ではない。第一義とは仏法用語で、不変のもの、
げてきた企業文化「桃太郎文化」の浸透だった。
絶対変わらないものを指す。
埼玉りそな経済情報2012.11——
2
の業務の利益を回すなどしてなんとか対応しま
した。苦労しましたが、その間、流通のノウハウ
を蓄積していき、卸売業よりも、消費者に近い
小売業をパートナーにした、誰も考えてこなかっ
た仕組みを考えついたのです。これが、当社の
AZ-COM 3PL主導型ビジネスモデルです」
「
在 庫ゼロ・納 品10 0 %・検 品なし」
を提 案
本社/AZ-COM ロジスティクスセンターとトラック「桃太郎便」
顧客の立場に立ち、荷物を徹底的に大切にす
同社が 提供する3 PLサ ー ビス
「 AZ-COM」
は “5つのノン” をキーワードにしている。
「 Nonoperation
( 無 作 業)」
「 Non-assets
(無 資産)」
る和佐見社長の仕事振りは顧客に高く評価され
「 Non-investment
(無投資)」
「 Non- inventories
て需要は急増。わずか数年のうちに従業員と車
(在庫ゼロ)」
「 Non-claim
(クレームゼロ)」の 5つ
両が増え、昭和48年に株式会社丸和運輸機関
で、顧客企業に作業、資産、投資を一切要求せ
を設立することとなった。
ず、納品率100%を実現するものである。
3 P L 事 業 進 出 へ の 手 が かり
昭和63年頃、和佐見社長は、国が物流コスト
の低減を目指し、物流効率化を促進する法律を
計画していることを知った。
その最初の提案相手で、かつ成功例となった
のが、当時、店舗数の大幅な増加計画を進めて
いた大手ドラッグストアチェーンである。
「営業に行って、御社は店舗も物流センターも
在庫ゼロで結構です。検品も当社がいたします。
「物流改革を行う企業に無利子、無担保、無保
投資もいりません。御社は出店だけに専念してく
証で国が補助金を出すというので、さっそく当時
ださいと提案しました。とりあえず 1年間テストさ
の通産省
(現経済産業省)
取引流通課に出向き、
せてもらうことになりましたが、半年で勝負があ
実践者をやらせてほしいと申し込んだのです。な
りました。物流を、当社にフルアウトソーシングし
かなか相手にしてくれないなか、10カ月通い続け
ていただくことになったのです」
ました」
同社は現在、全国に事業所および関連会社を
やがて、通産省の担当者から、条件として同
持ち、常温物流、低温食品物流、医薬・医療物流
省が指導する小売業か卸売業を束ねることを提
を中心に幅広く3 PL事業を展開。特にスーパー
示される。和佐見社長は全国日用雑貨卸売商業
マーケットの低温食品物流センターのフルアウト
協同組合と話をまとめ、全国インテリジェント物
ソーシングをはじめ、宅配として注目を集めてい
流協議会を立ち上げて、全国の運輸業者に参加
るネットスーパー事業にも参入し、大手スーパー
を呼びかけた。しかし、この物流改革の結果は
の業務を受託している。
成功とは言えなかった。
「大赤字でした。結局、会員の赤字も私が肩
代わりすることになり、全国を飛び回って、本体
3 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
「
人 財」育 成 に 力 を入れる
物流を一括で請け負うには、優秀な人材が必
要である。同社は創業当初から人材育成に取り
組み、
売り上げの2%が教育費に充てられてきた。
「人の成長なくして企業の成長はありえません。
社員は会社の財産で、
『 人材』ではなく
『人財』だ
と私は言っています」
当初は、和佐見社長自身が、中小企業大学校
で学んだことをもとに、日曜日の朝5時から幹部
を集めての勉強会「早朝大学校」を開催。後に
は専門家も招いたこの勉強会により、利益が確
実に上がっていったという。平成10
(1998)年に
は丸和ロジスティクス大学を開校した。
「現場の現場力や営業力、そして組織管理能
力などを身につけるためのもので、社内外から優
れた講師を招いています。昨年からは特別講座
を設け12人1チームの2組のゼミナール方式をも
採用し、将来の100人の桃太郎
(経営者)づくり
に取り組んでいます」
丸和ロジスティクス大学の講義と研修会
中 国 に お ける 3 P L の 展 開
丸和運輸機関はアジア、特に中国をターゲット
にした3PLの海外展開も進めている。
「中国でロジスティクスが本格的になるのはこ
れからです。中国の常州市の常州公路から依頼
丸和ロジスティクス大学は中央職業能力開発
されて、3 PLの経営指導を行いましたが、その結
協会のビジネス・キャリア検定認定講座に認定さ
果、当社との合弁で新会社をつくることになりま
れており、将来的には学校法人化も構想されて
した。中国では、当社は資本を投下して利益を
いる。
得るのではなく、教育から始まって、物流センタ
「専門知識も大切ですが、その前にサービス業
ーの設計管理から稼働、そして稼働したら運営、
としてお客さまに接していくための道徳、倫理も
運用。それらの支援という形でビジネス展開して
必要です。当社がこれまでに築き上げてきた価
いきたいと考えています」
値観や行動規範をまとめた
『桃太郎文化』という
企業文化がそれにあたります」
同社では新入社員に対して、入社式の前に10
また、同社は昨年から北京交通大学へ助成金
を出しており、社員の短期留学も実施。中国から
の研修生の受け入れも積極的に行っている。
泊11日の桃太郎文化習得合宿研修会を実施。両
「ビジネスはまず相手に尽くすことが重要です。
親を大切にできない人は顧客を大切にできない
中国との関係でそれをやるのが、私たちの時代。
との考えのもと
「両親を大切にしてください」とい
そうやって信頼を培った中国の人たちと一緒に、
う話から始まり、
「 相手
(お客さま)の成長を命が
新しく本格的な利益確保をしていくのは次の時
けで助ける」という桃太郎文化を徹底的に教育
代の人たちだと思っているのです」
する。
外交では問題が山積みの中国との関係だが、
「入社式は父兄同伴です。研修会を経たわが
同社のようなビジネスにおける相互交流の活発
子の成長を見て、皆さんほんとうに喜んでくださ
化が、やがては日中関係そのものの発展に結び
います」
つくことを期待したい。
埼玉りそな経済情報2012.11——
4
地 域 研 究 レ ポ ート
下 水 道 の ゆ くえ
最 近 の 環 境 問 題 を 考 える 主席研究員
守屋 有
はじ め に
2012年8月、政府から下水道法等の一部を改
正する法案が提出された。
「 公共下水道の排水
のことがネックにもなっており、時代の流れと共
に様々な問題点が浮き彫りになってきている。ま
ず、公共下水道が抱える課題を整理してみよう。
地域によって普及率に格差
区域内でも、合併処理浄化槽により適切な汚水
マスのメリットを活かすためには、整備した大
処理が行われていれば、公共下水道への接続義
規模な施設が有効に活用されるよう、接続率の
務を免除する」ことが盛り込まれている。つまり、
向上が必要である。平成23年度の全国の下水道
公共下水道の排水区域内でも合併浄化槽によ
普及率は 75.1%であるが、人口の少ない地方都市
る汚水処理を認め、効率的で環境保全にも寄与
では普及率は低迷している。少子高齢化や過疎
する汚水処理を推進することをねらいとしている。
化の進行による人口減少などがその理由である。
この法案は 2006年にも提出された経緯があ
り、その際は種々の事情により廃案となっている
が、再度提出されたことから、その趣旨、方向性
は今後にとって重要であると考えてよいだろう。
消費税の導入やエネルギー問題における原発
の依存率など、
昨今の諸問題の中では一見地味な
地域によっては、下水道整備の想定規模を大
都市規模別下水道処理人口普及率
(H21年度末)
%
100
90
80
ものであり、
今まで整備を推進してきた公共下水道
30
について考察してみる。
法 案 の 背 景-公 共 下 水 道 は 様 々な
課 題 を 抱 えてい る
私たちが排出する汚水
(し尿+雑排水)
を処理
するための手段は2つある。一つは個人下水道とも
呼ばれる浄化槽であり、
もう一つは公共下水道だ。
83.6
88.9
80.3
下水道処理人口普及率
84.5
78.0
72.0
71.0
58.9
60
50
この法案の背景を探り、下水道の課題や今後
90.3
70
法案であるが、水環境としては大きな影響のある
の今後に大きな波紋を投げかける法律でもある。
汚水処理人口普及率
99.4 98.7
45.4
40
20
10
0
100万人以上 50∼100万人 30∼50万人 10∼30万人 5∼10万人
5万人未満
資料:国土交通省、環境省、農林水産省資料より作成
きく見積もって整備をしている場合もあり、利用
人口が減少してくると、財政的にも一層厳しい状
況となることが予想される。
膨大な維持管理コスト
処理施設は、都道府県の流域下水道クラスに
なると非常に大規模なものとなる。
都市部では公共下水道が広く普及しているが、
処理水を運ぶためのポンプやその処理で大
全国的に見るとまだまだ浄化槽も多数存在する。
電力が消費され、もしもの停電に備えて大型の
公共下水道は汚水を集約して処理するため、
緊急用自家発電装置も備えられている。処理場
効率的でマスのメリットがある。しかし、同時にそ
5 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
で使う大きな電力を発生させるため、自家発電
R
e
p
o
r
装置も巨大で、埼玉県の流域下水道処理場で
くなってきている。もともと日本の下水道は19世
は、自家発電装置の動力に F-4ファントム戦闘
紀の基準で設計されており、突発的な流量増加
機のジェットエンジンが使われているのを見て驚
の頻度上昇は計画で想定されていない。
(これは
いたことがある。
合流式が多いことにもよる)
私たちの排出する汚水をまとめて処理するに
実際のところ、1時間に50㎜、100㎜というよう
は、このように大がかりな施設が必要で、そのコ
な想定を超えた降雨があると、処理施設は対応
ストも非常に大きなものになる。国土交通省が
ができない。端的に言って、沈泥池
(貯留地)
が溢
平成15年度末に調査したところでは、その時点
れてしまうのである。そうかと言って、流入をスト
での下水道事業債の借入残高は 33兆円という
ップすれば街が冠水してしまう。やむを得ず、処
膨大な金額であった。これは、公営企業債の借
理をしない状態で放流をしてしまうしかないのだ。
入残高全体の約5割にあたる。その後も維持管
大量の雨水によって希釈されているとはいえ、処
理を中心としたコストは年々増加していると思わ
理しない水を河川等に放流することは、場合によ
れるが、その最たるものが下水道管である。
っては法律に抵触することにもなり、処理の現場
全国の下水道管は約43万㎞にも達するが、そ
では非常に悩ましい問題である。しかし、予測が
の耐用年数は 50年程度とされている。多くが高
難しい上に、短時間の集中的な流量の増加のた
度経済成長期に敷設されたもので、既に耐用年
めに大規模な貯留用の設備を備えるには大きな
数を超えたものが約1万㎞あり、10年後には 2 .9
コストが必要となる。
万㎞、20年後には 7.9万㎞になると見込まれてい
る。その改修は急務であるが、規模が大きく、財
政負担も大きくなっている。
個 人下 水 道とそ の 課 題
このように、公共下水道は集中処理によるメリ
例えば、名古屋市では耐久年数を超えた下水
ットはあるものの、そのマスの大きさがネックに
道管は全体の1割程度であるが、平成24年度予
もなっている。利用人口や気候の変動などに対
算で 783億円
(建設関連予算の約半分に相当す
処しようとすると大きな設備投資が必要であり、
る)
が下水道設備の修復に充てられている。
また経年変化による補修にも多額の資金が必
現在、多くの都市では公共下水道の整備が進
要なのである。
み、維持管理に移行している。今後、大都市を中
それに対して浄化槽は、個人レベルの小さな
心に中小の都市でも多大なコストがかかっていく
下水処理場と言えるものであり、実はわが国固有
ものと思われる。
の設備でもある。個別に処理するため、気候変
さらに懸念されているのが地震等への備えだ。
動による大量の雨水の流入はなく、公共下水道
千葉県浦安市では、東日本大震災により下水管
の大きな維持管理コストを考えると有効な設備
約24㎞に被害が発生し、復旧に1カ月を要してい
でもあるが、大きな課題も存在する。
る。老朽管の補修と同時に耐震化も進めたいと
まだ多い単独浄化槽、法定検査にも課題が
ころだが、ますます大きな財政負担が発生する。
気候変動への対応が困難
気候変動が進む中、現状の設備では近年の
集中豪雨などによる排水量の増加に対応できな
浄化槽は、糞尿のみを処理する単独浄化槽と
生活雑排水をいっしょに処理する合併処理浄化
槽があるが、現在でも単独浄化槽が多数残って
いる。
埼玉りそな経済情報2012.11——
6
t
単独浄化槽から合併処理浄化槽への転換に
らも1.5ポイントの増加にとどまっている。
努めるように定められているが、設置者からする
都道府県別では、岩手県
(88 .1%)、岐阜県
とコストがかかるため、なかなか進まない状況で
(84 .1%)、宮城県
(81 .8%)、岡山県
(79 .0%)、長
ある。環境省によると、平成21年度末における
崎県
(77.4%)などが高い受検率であるのに対し
浄化槽の基数は合計で 8 ,157,471所、うち単独
て、静岡県
(4 .7%)、大阪府
(5 .2%)、沖縄県
(5 .3
浄化槽が 5 ,170 ,659基で 63 .4%、合併処理浄化
%)、埼玉県
(5 .5%)、千葉県
(5 .9%)など受検率
槽は 2,986,812基、36.6%に留まっている。
が著しく低い府県もある。
そして、水質を維持するために法定の点検が
埼玉県は受検率が著しく低い数値となってい
定められているのだが、個人の設備であることも
るが、単独浄化槽の割合が多いことなどが要因
あり、法定の点検が十分には行われていないの
と思われる。
が実状である。
埼玉県における浄化槽設置基数の推移
全国の浄化槽の水質検査受検率
総設置基数
%
100
70
60
50
615,452
111,860
18.2
73
H13
627,541
123,921
19.7
69
H14
638,700
135,080
21.2
71
7条検査 浄化槽全数
H15
649,895
146,275
22.5
72
11条検査 合併処理浄化槽のみ
H16
662,486
158,866
24.0
72
11条検査 浄化槽全数
H17
675,026
171,406
25.4
55
H18
688,118
184,498
26.8
52
H19
616,351
180,902
29.4
52
H20
613,098
189,001
30.8
52
H21
611,574
196,675
32.2
46
H22
566,469
199,383
35.2
44
40
30
20
10
0
平成13
14
15
市町村数
H12
90
80
うち、合併処 合併処理浄化
理浄化槽
(基) 槽の割合
(%)
16
17
18
19
20
21年
資料:環境省
資料:埼玉県環境白書
単独浄化槽は、平成22年度でも367,086基、
浄化槽法第7条に基づく水質検査は、主に浄
全体の 65%を占めている。単独浄化槽は糞尿の
化槽の設置時に行うもので、平成21年度の受検
みを処理するもので、雑排水は素通りである。こ
率は 90 .8%と、9割以上が受検しており、平成20
れでは水質に大きな影響を与えてしまう。
年度に比べて0.9ポイント増加もしているようだ。
合併処理浄化槽も、一概に検査を受けていな
都道府県別では、大半の都道府県が 100%近
いから水質が悪いとはいえないが、個々の家庭
い受検率であり、埼玉県
(65 .4%)
、千葉県
(57.2
や事業所によって流入水質は様々であり、経年
%)
、神奈川県
(61.8%)
、
など受検率の低い県もあ
使用による機能劣化もあるから、検査に基づく
る。
(平成20年度に比べて埼玉県では26ポイント、
適切な清掃が行われないと、水質の汚濁につな
千葉県では12.7ポイントと大幅に増加している)
がってしまう恐れが高い。
一方、浄化槽法第11条に基づく定期検査は、
浄化槽の機能が正常に維持されているか否かを
判断するために、設置後、毎年1回行うことにな
埼 玉 県 の 公 共 下 水 道と 今後 の方向性
っているが、平成21年度における受検率は 28 .7
埼玉県の公共下水道は、埼玉県下水道公社が
%
(合併処理浄化槽のみでは 50.0%)
と非常に低
管轄する流域下水道
(9所の水循環センターとそ
い状況である。また、平成20年度に比べてどち
の管路)と21市町が持つ単独公共下水道で構
7 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
R
e
p
o
r
埼玉県における下水道普及率の推移
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
処理人口
(万人)
482
489
496
501
511
518
526
533
542
548
処理面積
(㎢)
551
564
575
586
599
608
622
633
644
654
処理人口普及率
(%)
69.6
70.4
71.0
71.6
72.9
73.5
74.5
75.2
76.1
76.7
処理面積整備率
(%)
14.5
14.9
15.1
15.4
15.8
16.0
16.4
16.7
16.9
17.2
整備状況
資料:埼玉県環境白書
成されている。全体の普及率は、平成22年度で
下水道については、人口減少等で利用率が低下
76.7%と、概ね全国水準並の数値である。
した場合、大きな財政負担になるとともに、気候
このうち、最も規模の大きい流域下水道9所
変動や地震への対応を考えるとさらに厳しい状
の処理人口は4 ,844 ,431人で、普及率は 79.4%だ
況と言わざるを得ない。公共下水道としての存続
が、市町の単独下水道の処理人口は 574 ,513人
も危ぶまれる事態さえ考えられる。
で 58.9%に留まっている。
さいたま市、川越市、所沢市などは 80~90%と
高いが、30~40%と普及率が低い市町も多く、今
下水道法の改正案は、こうしたことに対する国
の考え方
(国の財政支援を含め)
を示唆している
と考えてよいだろう。
後、少子高齢化や都市部への人口の流出が進む
公共下水道に携わる市町村、団体からは、
「せ
と普及率の向上は難しさを伴うと予想される。普
っかく整備した設備を有効に活用していくべき」、
及率が向上しない場合、施設
(処理施設及び管
「そのためには、利用料と国の補助で当たるべき」
路)
の通常の維持管理費用に加え、老朽化した下
との意見もあるが、すべてを公共下水道で対処
水管の補修や耐震工事、処理施設自体の補修等
するのは財政的に厳しいのも事実である。
も必要になることから、財政的な負担が増加する
こうした現状を考えると、公共下水道について
とともに利用料の増加
(住民負担)
も考えられる。
は、人口動態をしっかり見極め、地域の状況に応
大きな問題である老朽下水管については、規
じた整備・再編をしつつ、個人下水道
(浄化槽)
模の大きい流域下水道が最も管路が長く、総延
の水質を高めて共存・分散処理していくことも選
長は438㎞にも達する。最も古い荒川左岸南部事
択肢の一つと考えられる。
務所管轄の流域下水道は昭和47年に整備されて
浄化槽については、合併浄化槽への切替(ま
おり、既に40年が経過しようとしている。通常の
たは公共下水道への接続)を強力に推し進める
配管の寿命は概ね 50年と言われるので、あと10
とともに、定期検査の励行による水質の維持・向
年程度で寿命ということになる。その他について
上が必須である。
も20年程度で寿命となる施設が多い。当然であ
これらは利用者の経済負担を伴うが、下水道
るが、これらは、耐久年が経過する前から計画的
料金の支払いと同様である旨をよく周知し、汚水
に修繕を実施しなければならない。下水道公社
が河川等に排出されれば、その水を上水
(飲料
では H11に44億円、H16に 59 億円、H21には 71
水)として利用する際に浄化コストが増大し、結
億円の修繕費用が充てられており、今後大きく増
局経済面の支出が増えてしまうことなども理解
加すると推察される
(数値はH23下水道公社中期
を促すことが必要だろう。
経営計画より引用)
。そしてこれは、市町の単独公
共下水道でも同様の傾向にあると思われる。
こうしたことを考えると、特に市町の単独公共
行政のマネジメントとしては、こうした点も含
め、地域の人口や特性に見合った処理形態をも
う一度考えてみる必要があると言えそうだ。
埼玉りそな経済情報2012.11——
8
t
調 査 ◦
埼玉県における産業動向と見通し
生産は弱含み、先行きも弱含みが見込まれる
民間工事は、前年をやや上回る。福祉関連が
概況
中心だが、一部には工場や倉庫などの具体的
わが国経済は、世界景気の減速等を背景とし
て、回復には足踏みがみられる。生産は弱含ん
な引き合いがみられる。先行きは、消費税引き
上げ前の駆け込み需要に期待。
住宅は、マンション、戸建てとも、前年をやや上
でいる。
先行きは、当面は弱めの動きも見込まれる。
回る。先行きは、消費税引き上げ前の駆け込
埼玉県経済は、持ち直しの動きが一服し、生
み需要を見込む。
産は弱含みで推移している。聞き取り調査の結
●大型小売店販売は、夏場以降、比較的堅調だ
果は、7~9月期は、薄日が輸送機械、曇が一般
った個人消費に変調の兆しがみられ、百貨店・
機械、鉄鋼、建設、大型小売店、小雨が電気機
スーパーの売上はやや低調。先行きも、消費
械であった。
者の生活防衛意識の強まりから、やや弱含み
先行きは、海外経済の回復の遅れや、電気料
で推移。
金の値上げなどの影響から、下押し圧力が懸念
産業天気図
される。天気図は、一般機械、輸送機械で悪化
現状
(7〜9月)
を見込む。
調査期間:2012年9月
調査数 :各産業3~5社
主要産業の動向は、以下の通り。
●一 般機械の生産は、弱含んでいる。先行きは、
海外経済の回復の遅れを反映して、弱含みで
推移する可能性が高い。
●電 気機械の生産は、薄型TVの不振から、弱
含みで推移。先行きは、TVの不振が続き、弱
含み状態が続く。
●輸送機械はエコカー補助金の効果で7~9月は
生産・販売とも好調。先行きは、補助金終了に
今後
(10〜12月)
一般機械
電気機械
輸送機械
鉄 鋼
建 設
大型小売店
よる反動減で、弱含みに。
天気図の見方
●鉄鋼の生産は、総じて横ばい。
先行きは、消費税引き上げ前の駆け込み需要
が期待される。
●建 設は、前年をやや上回って推移。先行きは、
駆け込み需要に期待。
公共工事は、河川、橋梁、道路の改修・保守の
工事を中心に、前年並みを確保。先行きは、年
度を通じて前年並みを見込む。
9 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
晴
薄日
曇
小雨
主要産業の動向
(1)
一般機械 …弱含んでいる
一般機械の生産は、弱含んでいる。
雨
電機関連では、携帯電話の主流となったスマ
ートフォン向けや、再生可能エネルギーの固定価
いので、実態が把握しにくくなっている。」と指摘
する声があった。
格買取制度がスタートした太陽光発電向けなど
先行きについても、一般機械は、総じて輸出
では、生産好調な企業がみられるものの、地デ
依存度の高いものが多いことから、海外経済の
ジ対応への駆け込み需要の反動から、販売が落
回復の遅れを反映して、当面、生産は弱含みのま
ち込んでいる薄型TV向けは、依然、大幅な減少
ま推移する可能性が高いとみられる。
(2)
電気機械 …弱含みで推移
が続いている。
エコカー補助金の復活などを受けて、大幅に
7~9月期の生産は、自動車関連が順調に推移
増加していた自動車向けの生産は、9月のエコカ
したものの、薄型TVの不振が続いており、全体
ー補助金の予算消化に先んじて、減少に転じた。
では前年を下回り弱含みで推移した。
輸出がけん引する形で、比較的堅調に推移して
前年に地上デジタル放送への完全移行
(=地
きた工作機械も、欧州や中国など海外経済の減
デジ化)が終了したことなどから、薄型TVが引
速を受けて、夏場以降は受注が減少しているよ
き続き前年を下回って推移した。地デジ化の前倒
うだ。東日本大震災の復興需要に支えられ、底
し需要などで「今後5~10年間の需要を先食い
堅く推移する建設機械にも、資源国からの受注
しており、本格的な回復には時間がかかる」。そ
減少の影響が出始めている。金型については、
のため、各社とも、2台目、3台目の需要開拓のた
国内設備投資が低調ななか、海外進出に対応で
め、高付加価値製品
(スマートTVや有機EL な
きるだけの体力のない企業は、厳しい状況が続
ど)
の開発に力を入れていく方針。本格的な回復
いている。
が早期に見込めないとなると、新しいモデルに
ただし、抑制傾向にあるとされる国内設備投
資については、メーカーから、
「 近年、国内製造
業の廃業や倒産が相次いでおり、比較的良質な
対応する人や技術などの資源投入が疎かになり、
「日本の技術力の低下が心配される」など、TVを
取り巻く環境は厳しい。
中古工作機械等を市場で容易に入手できるよう
さらに、海外メーカーの技術力が向上してき
になってきている。設備投資自体は行われてい
ていること、海外製品との価格差が縮小してい
ても、統計上の数字に中古品の価格は含まれな
ることなどから、国内メーカーにとって、今以上
に世界の薄型TV関連市場から疎外される可能
一般機械の生産・在庫の推移
120
性が高い。
季節調整値
(2005年=100)
生産指数
白物家電は、今年度も引き続き省エネ意識が
在庫指数
100
強まったことから、堅調に推移した。ただ、一昨
80
年の猛暑、昨年の節電により、省エネ型のエア
60
コンや冷蔵庫の出荷が好調だったため、期待よ
40
りもやや下回ったようだ。複合機をはじめとする
OA機器は、欧州の債務危機を受けて、伸び悩ん
20
0
でいる。
2011年
Ⅰ期
資料:埼玉県
Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期
2012年
Ⅰ期
Ⅱ期
7月
一方、北米向けが好調な自動車関連が順調
で、収益面でも貢献している。リーマンショック
埼玉りそな経済情報2012.11——
10
以来購入を控えていた層が、積極的に購入して
前年実績を下回った。補助金終了前の駆け込み
いるようだ。さらに自動車1台当たりに使用され
需要は予想されていたほどは発生しなかったよ
る電子部品の点数も増加しており、順調に推移し
うだ。
ている。今後、国内ではエコカー補助金の終了、
先行きは、新車投入効果が期待されるものの、
海外では欧州や中国での販売減少などから、先
補助金終了による反動減は避けられず弱含みの
行きは弱含みの動きが見込まれる。
推移となると予想される。
為替については、78円前後と円高傾向が定着
トラック関連:トラックは高水準の生産が続い
しており、このままでは国内での製造は採算が
た。エコカー補助金(事業用)は 7月5日に終了し
合わず、海外での生産へシフトせざるを得ない。
たが反動減がさほど大きくなかったほか、大震
そのため、設備投資も、国内ではなく海外中心と
災からの復興需要に支えられている。過去の排
なっている。今後、欧州での債務危機や中国で
ガス規制導入時に販売されたトラックが、更新
の日本製品のボイコットの影響、為替レートの動
時期を迎えていることも追い風になっている。海
向などに注視していく必要がある。
外向けは一部に減速感があるが堅調に推移して
省エネ意識から、LED が節電製品として事業
所や一般家庭向けに増加している。ただ、大幅
いる。
先行きも高水準の生産が続くとみられるが、
に増加しているものの、売り上げに占めるウエイ
海外景気の減速もありやや弱含みでの推移とな
トは小さく、全体の収益の向上には結びついて
ると予想される。
いない。
部品メーカー:7~9月は乗用車・トラックとも完成
電気機械の生産・在庫の推移
車メーカーの生産が好調だったため、部品メーカ
110
ーの生産も増加が続いた。一部メーカー
(トラッ
季節調整値
(2005年=100)
生産指数
在庫指数
ク用部品)では、工場のフル稼働が続いたところ
100
もあった。東南アジアや中近東など海外向けの
トラックが好調なためだ。収益面では、最近の乗
90
用車の売れ筋は小型化・低価格化の傾向が強く、
80
部品メーカーには利幅が小さく収益は厳しい。
70
60
輸送機械の生産・在庫の推移
2011年
Ⅰ期
Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期
2012年
Ⅰ期
300
Ⅱ期
7月
資料:埼玉県
(3)
輸送機械 …先行きは弱含み
や新車投入の効果で、7~9月は生産・販売とも好
100
しかし、エコカー補助金が 9月21日に終了した
ことが響き、9月の新車販売台数は12カ月ぶりに
11 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
在庫指数
200
150
り、前年に比べ大幅増となった模様だ。
生産指数
250
乗用車:2011年12月に復活したエコカー補助金
調に推移した。昨年の大震災による反動増もあ
季節調整値
(2005年=100)
50
0
2011年
Ⅰ期
資料:埼玉県
Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期
2012年
Ⅰ期
Ⅱ期
7月
先行きは、完成車メーカーの生産が弱含むこと
から、部品メーカーの生産も下降するとみられる。
鉄鋼の生産・在庫の推移
100
季節調整値
(2005年=100)
生産指数
(4)
鉄鋼 …総じて横ばい
棒鋼の生産は、緩やかながら、持ち直してい
る。東日本大震災に伴う復興需要で、建設作業
在庫指数
90
員が不足したことなどから、若干遅れていた首
都圏の商業ビルプロジェクトが、秋口以降、少し
80
ずつ動き始めた。円高が続く為替相場や、欧州
をはじめとする海外経済の景気減速を受けて、
製造業の設備投資姿勢は依然慎重だが、病院・
老人ホーム・物流施設等の建設は、引き続き底堅
く推移している。
被災地以外での復興支援・住宅エコポイント
の予約受付が 7月で終了したこともあって、新設
住宅着工の動きは一段落しているものの、震災
対応を含めた土木事業を中心に、公共事業は比
較的堅調に推移している。
東京電力の電気料金引き上げ分に伴う電炉の
コスト増加については、販売価格への転嫁が思
うように進んでいないものの、原材料となるスク
ラップ価格の低下などで、なんとか、まかなわれ
ている状況のようだ。
鋳物の生産は、鉄鉱石や石炭の価格下落を受
けて、資源国における投資意欲が落ち込んでい
ることから、好調だった大型建設機械向けなど
の動きが止まっている。コークスなどの原材料コ
ストの低下には、プラス面もあるが、販売価格引
き下げ要請の強まりもあり、収益面は厳しい状
況が続いている。
先行きについては、2014年4月の消費税率引き
上げ前に、住宅取得の駆け込み需要が期待され
ることなどから、首都圏のマンション建設は当面堅
調に推移するとみられ、棒鋼の生産も比較的底堅
く推移しよう。一方、鋳物については、海外経済の
先行き不透明感解消に時間を要するとみられるこ
とから、生産は弱めに推移する可能性が高い。
70
2011年
Ⅰ期
Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期
2012年
Ⅰ期
Ⅱ期
7月
資料:埼玉県
(5)
建設…前年をやや上回る
建設は、前年をやや上回って推移し、底打ち
気配がみられる。公共工事は、県内での地域差
がみられるものの前年並みで、民間工事は前年
をやや上回って推移している。
公共工事:7~9月期は、引き続き、河川・橋梁・道
路などの改修や補修工事などが中心で前年並み
を確保。
学校の耐震化工事は、今夏でほぼ終了した。
「学校は終了したものの、役場や出先、公民館等
の耐震化工事は進んでおらず、それらの需要が
今後、顕在化する」と期待している。
2012年度下半期も、前年並みを確保できると
見込んでいる。公共工事は、受注できれば一定
の利益を確保することができることから、収益の
下支えとなっている。
民間工事:7~9月期の民間工事は、引き続き老
健・介護関連などの福祉施設が中心で推移して
いる。ここへきて、法人向けの工場や倉庫などの
案件に具体的な引き合いがみられ始めた。
業界では、職人不足を指摘する声が大きくなっ
ている。従来東北方面からの職人が、地元に残
り、県内では鉄筋工や型枠工などが不足してい
る。職人不足の原因は、若い人の参入が少なく、
職人が高齢化しリタイアするため、総数自体が
埼玉りそな経済情報2012.11——
12
減少傾向にある。職人不足のため、職人の手間
(6)
大型小売店販売 …やや低調
賃は上がっており、現在は通常の1.5倍程度に跳
百貨店:7~9月の百貨店の売上は、前年を下回っ
ね上がっている。
て推移した模様だ。7月前半は気温が低めの日
一方で、
「 職人不足は関東だけの問題であり、
が多く低調に推移したが、後半以降は気温が上
関西やその他では職人に余裕がある」。ただ、職
昇、猛暑日や晴れの日が多く、帽子や日傘等の
人を関東へ呼ぶとなると、コスト高要因となり、
雑貨や衣料品等の夏物商品が順調な動きを見せ
価格競争が厳しい中では、他地域から職人を受
た。一方、昨年は好調だった節電やクールビズ関
け入れることは難しい。
連商品の動きが良くなかったほか、残暑が長引
資材価格は、
震災地での復興の進捗状況によ
り、値上がりが懸念されていたが、足元は落ち着
いている。
10~12月期は、消費税引き上げ前の駆け込み
需要に期待しているものの、足元では具体的な
動きはみられない。
いたため秋物商品の出足が鈍かった。
また、今夏はセールの開始時期を遅らせるとこ
ろがあった。昨年に比べセール前の来店客数が
減ったため、食料品や中元等の売上に悪影響が
あったようだ。
このように足元ではやや低調な動きにあるが、
住宅:7~9月期は、戸建、マンションとも、前年が
先行きについても盛り上がりに欠けた展開にな
震災の影響により低水準だったこと、物件価格
るとみられる。消費税増税や社会保障の先行き
の値ごろ感などから、堅調に推移している。
不安、欧州債務危機など、消費意欲に影響する
展示場への来訪者は、物件毎に多少ばらつき
懸念材料が多いためだ。
がみられるものの、一次取得者の需要は根強い
スーパー:7~9月のスーパーの売上も前年割れと
とみられる。ただ、物件の購入に当たっては、今
なった。8月は猛暑日が多く衣料品等の夏物商品
まで以上に吟味し、たとえ当該物件が販売済と
が比較的堅調だったが、主力の食料品が苦戦し
なっても構わないというほど購入姿勢は慎重と
全般的に伸び悩んだ。昨年夏は節電関連商品の
なっている。
販売が好調だったが、今年はその反動で売れ行
今後は、政策効果
(住宅版エコポイント)の終
きが鈍かった。
了によるマイナス面もあるが、住宅の取得需要は
夏場以降、それまで比較的堅調だった個人消
引き続き強く、消費税引き上げ前の駆け込み需
費に変調の兆しがみられ、百貨店やスーパーの
要に期待する向きもある。
売上も低調となっている。
一方で、
「 今後、増税に対して軽減措置が施さ
客単価も下落したようだ。消費者の購買チャネ
れる」と見込み、影響は比較的軽微に留まると
ルは多様化しており、食料品等はコンビニやドラ
みる業者もいた。ただ、駆け込み需要は発生する
ッグストアとの競合、衣料品等はインターネット通
ものとして、各社ともその対策を講じている段階
販との競合が激しくなっているため値下げ圧力
である。例えば、
消費税引き上げ前に物件の引渡
が強い。
しができるように、新たに土地を購入する。駅周
先行きの売上も、やや弱含みで推移するとみ
辺などのマンション適地を所有している地主へ、
られる。景気が減速し、先行きの不透明感が強
優良物件では高利回りであることから、賃貸マン
くなっているため、消費者の節約や生活防衛意
ションの建設を積極的に営業している。
識が強まっているためだ。
13 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
寄稿
埼 玉 県 内 企 業 のアセ ア ンビ ジ ネ スを 支 援し ま す!
埼 玉 県 アセアンビ ジネスサ ポートデ スク 平 成 2 4 年 8 月 2 0 日オープ ン
埼玉県産業労働部企業立地課
長引くデフレや円高によりわが国経済は停滞
し、
さらに今後は人口減少・高齢化の進展などに
より国内需要の縮小が懸念されます。その一方
で、ベトナムやタイなどのアセアン諸国は着実な
経済成長を遂げており、生産拠点としての魅力
に加え、約6億人の人口を背景とした市場として
も注目を集めています。
こうしたビジネスチャンスにあふれるアセアン
に、1社でも多くの県内企業の皆様に進出してい
ただけるよう、埼玉県ではベトナム社会主義共
和国ハノイ市に
「埼玉県アセアンビジネスサポー
トデスク」を開設しました。
このデスクは、タイ・バンコク及びベトナム・ホ
ーチミンに配置しているアセアンビジネスコーデ
ィネーターとも協力しながら、アセアン進出に当
たって、乗り越えなければならない障壁や日本と
は異なる特有の課題・リスクの解決をお手伝い
します。是非ともご利用ください。
埼 玉 県 アセアンビジネスサポート
デ スクで 提 供 するサービ ス
常駐のアドバイザーが、ベトナムを中心とした
アセアンビジネスを支援します。
○貿易・投資相談
輸出入制度、各種規制、関税、現地法令など
に関する具体的な相談
○現地情報提供
社会経済状況、市場概況などの現地の生情
報の提供
○展示会出展支援
現地で開催される展示会、出展者の情報提供
○商談設定・アテンド
現地企業を訪問する際の日程調整、
アテンド等
○取引先発掘・紹介
企業リストの作成や、簡単な企業情報の提供
現 地専門家の紹介
専門的な知識・スキルを必要とする業務や長
期間にわたる個別の支援については、現地の専
門家を紹介します。
○現地人材発掘・紹介
現地採用に向けた優秀な人材の発掘、紹介
○企業信用調査
現地の取引先企業に関する信用調査
○営業代行
現地企業に対する営業から契約締結までの
業務代行
○翻訳サービス
契約関係の文
書、企業PR パン
フレット、各種情
報の翻訳
○トラブル対応
代 金 不 払 い、
債務不履行、知
的財産の侵害な
どのトラブル が
発 生した際にお
ける相談及びア
ドバイス
サポートデスク入居ビル
問合せ先
国内:
(財)
埼玉県産業振興公社
(埼玉国際ビジネスサポートセンター)
☎048 -647-4156
国外:埼玉県アセアンビジネスサポートデスク
サポートデスクを視察する上田知事
(右から 3番目)
☎+84 -4 -3941-6327
メール [email protected]
埼玉りそな経済情報2012.11——
14
アンケート調査
・・・・・・・・・
・ 埼玉県内企業の2012年夏のボーナス支給状況
2012年夏のボーナス支給状況について、県内企
2012年夏のボーナス支給実績の有無
業へのアンケート調査を実施した。結果は以下の通
りである。
対 象 企 業 数 929 社。 回 答 企 業 数 250 社。 回 答 率
26.9%。2012年7月中旬実施。
ボー ナス 支 給 実 績 の 有 無
2012年夏のボーナスの支給実績をたずねたと
ころ、
「 正社員・パートともに支給」と答えた企業
は全体の 51 .7%で、2011年夏の支給実績49 .8%
を1.9ポイント上回った。また、
「正社員のみ支給」
とした企業は 35.7%で、両方を合わせるとボーナ
スを支給するとした企業は 87.4%となった。
一方、
「支給しない」とする企業は12.6%となり、
前年実績の14 .3%から1 .7ポイント減少した。景
気の持ち直しを反映し、ボーナス支給状況つい
ては前年と比べ支給する企業が増えている。
業種別にみると、
「 正社員・パートともに支給」
と答えた企業は製造業では 65.3%、非製造業で
は42 .7%である。前年実績と比較すると、製造業
では 0 .7ポイントの増加、非製造業で 2 .4ポイン
トの増加となった。
また、
「 支給しない」は製造業で 10 .5%、非製
造業で 14.0%である。
「支給しない」を昨年実績
と比較すると製造業では 2 .0ポイントの減 少、
非製造業では 1 .4ポイントの減少といずれの業
種とも
「支給しない」とする企業の割合は減少
した。
リーマンショック後、
「 支給しない」とするとこ
ろが多くなっていたが
(2010年調査、17.1%)、徐々
合計
製造業
非製造業
正社員・パート
ともに支給
51.7
(49.8)
65.3
(64.6)
42.7
(40.3)
正社員のみ支給
35.7
(35.9)
24.2
(22.9)
43.4
(44.3)
支給しない
12.6
(14.3)
10.5
(12.5)
14.0
(15.4)
※
( )
内は 2011年実績
人員で割った、一人当たり支給額は419千円とな
り、前年実績の 411千円に比べ1 .9%の増加とな
った
(ボーナス支給実額を記入いただいた企業
178社を集計)。
前年に続き増加となったが、増加率は前年
の 2 .8%に比べ低下している。海外経済の減速
などもあり、景気の回復力が弱く、収益など経
営面でも厳しい状況にあるためとみられる。な
お、前年との比較で一人当たり支給額
(支給総
額を支給対象人員で割った金額 )の増減を社
数ベースでみると、増加した企業は 83 社、変わ
らない企業が 38 社、減少した企業は 57社であ
った。
業種別にみると、製造業では475千円と、前年
の 467千円から1 .7%の増加となった。非製造業
では388千円で前年の376千円から3.2%の増加
と非製造業での伸びが高い結果となった。
夏のボーナス一人 当たり 支 給 額( 前 年比 )の 推 移
夏のボーナス一人当たり支給額
(前年比)の推
移をみると、2009年夏にリーマンショッックを受
2012年夏のボーナス一人当たり支給額 (社、千円、%)
一人 当たりボーナス 支 給 額
2012年夏のボーナスの支給総額を支給対象
15 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
一人当たり支給額
企業数
にその割合は小さくなっておりボーナスを取り巻
く環境は若干ながら厳しさが和らいでいる。
(%)
(2012年)
2012年
2011年
全産業
178
419
411
1.9
製造業
72
475
467
1.7
106
388
376
3.2
非製造業
前年比
けた、輸出や生産の落ち込み、雇用環境の大幅
2012年夏のボーナス支給総額と対象人員(百万円、人、%)
な悪化などにより、前年比▲17.1%と大幅な減少
支給総額
2012年 2011年 前年比 2012年 2011年 前年比
となった。
その後、企業収益の改善や雇用調整が進んだ
こともあり、ボーナス支給を回復する動きがみら
れ、2012年まで3年連続の増加となった。ただ、
2011年以降、震災や円高、海外経済の減速など
支給対象人員
全産業
10,137
9,925
製造業
4,131
4,287
非製造業
6,006
5,638
2.1 24,175 24,162
▲3.6
8,699
0.1
9,183
▲5.3
6.5 15,476 14,979
3.3
企業を取り巻く経営環境は厳しい状況も続き、
景気の回復力も弱いことから増加率は徐々に低
▲5 .3%、非製造業で同+3 .3%と製造業での減
下してきている。
少が目立っている。
夏のボーナス一人当たり支給額
(前年比)
の推移
夏のボー ナス 支 給 総 額( 前 年 比 )の
推移
%
20
13.3
13.0
10
8.5
1.4
▲3.1
0
▲2.6
▲6.7
▲0.5
▲3.6
▲4.7
2.8
1.3
と、2009年夏に▲17.6%と大きな落ち込みとなっ
6.8
5.3
4.1
-10
夏のボーナス支給総額
(前年比)
の推移をみる
11
3.2
1.9 1.7
0.0
▲1.6
た後、今回調査で3期連続の増加となった。ただ、
増加率は年々低下している。
雇用・所得の先行きに対する不安感も依然強
▲7.2
いこともあり、この夏のボーナスの増加が消費を
持ち上げる力は弱いものとみられる。
(吉嶺暢嗣)
▲17.1
-20
ボーナス支給総額
(前年比)
の推移
%
20
-30
-40
全体
製造業
非製造業
2005
06
11.9
10
▲37.1
07
08
09
10
11
3.3 3.4 3.1
12 年
▲3.7 0.5
0
ボー ナス 支 給 総 額と支 給 人 員
アンケート回答企業の2012年夏のボーナス支
給総額は101億37百万円で、当該企業の前年実
1.4
0.9
2.4
6.5
2.1
▲0.6
▲1.8
▲2.0
▲5.8
7.0
5.6
3.5
3.2
▲3.6
▲5.5
▲6.5
-10
▲17.6
-20
績99億25百万円から2 .1%の増加となった。一
人当たり支給額同様、前年に続き増加となった
-30
が、増加率は低くなっている。
業種別の支給総額の前年比をみると、製造業
が▲3 .6%、非製造業が+6 .5%となった。支給
対象人員は全体では+0 .1%、製造業で前年比
-40
-50
全体
製造業
非製造業
2005
06
▲39.9
07
08
09
10
11
12 年
埼玉りそな経済情報2012.11——
16
県内経済の動き
概要 ● 埼玉県経済は、持ち直しの動きが一服している。
景気動向指数
景気は足踏み
7月の CI
(コンポジット・インデックス)は、先行指
数:64.3
(前月比▲2.6ポイント)、一致指数:55.3
(同
▲0 .6ポイント)、遅行指数:76 .7
( 同▲1 .1ポイント)
となった。
先行指数は 6カ月連続で下降した。
一致指数は4カ月連続の下落となった。基調判断
となる3カ月後方移動平均は、前月比▲1 .17ポイン
ト、2カ月連続で下降した。埼玉県は、景気の基調
判断を
「足踏み」としている。
遅行指数は 2カ月ぶりに下降した。
景気動向指数
110
2005年=100
先行指数
100
一致指数
遅行指数
90
80
70
60
50
40
30
2008
09
10
11
12
7月年月
資料:埼玉県(注)
網掛け部分は国の景気動向指数における景気後退期
個人消費
新車販売1年振りに減少
8月の大型小売店販売額は 818億円、前年比▲
2 .2%
(既存店)と5カ月連続で減少した。猛暑で夏
物商品に動きがあったが、食料品が低調だった。業
態別では百貨店
(同▲2 .4%)、スーパー
(同▲2 .2%)
とも減少した。新設店を含む全店ベースの販売額
も同▲0.8%と減少した。
9月の新車販売台数
(乗用車)は13 ,700台、前年
比▲11 .3%と1年ぶりに減少した。これはエコカー
補助金が 9月21日に終了したため。車種別では普
通乗用車が 6 ,296台
(同▲15 .5%)、小型乗用車が
7,404台
(同▲7.5%)。
住宅
3カ月ぶりに増加
8月の新設住宅着工戸数は 6 ,072戸、前年比+
18.0%と、3カ月ぶりに増加した。
利用関係別では、持家が 1 ,649戸
(前年比▲9 .5
%)
が減少したものの、貸家が 2,149戸
(同+10.4%)
、
分譲住宅が 2,269戸
(同+64.5%)
と増加した。
分譲住宅は、マンションが 995戸
(前年比+352 .3
%)
と5カ月ぶりに大幅に増加し、戸建が 1,270戸
(同
+9.6%)
と3カ月ぶりに増加した。
今後、中長期的には消費税引き上げ前の駆け込
み需要が見込まれる。
個人消費の推移
%
100
80
新車販売台数(乗用車)
・
前年比
60
大型小売店販売額(全店)
・
前年比(右目盛)
40
20
0
-20
-40
-60
大型小売店販売額(既存店)
・
前年比(右目盛)
2011/8 9
10 11 12 12/1
3
4
5
6
7
8
資料:関東経済産業局・日本自動車販売協会連合会
新設住宅着工戸数の推移
戸
7,000
6,000
前年比
(右目盛)
20
5,000
4,000
貸家
10
0
3,000
2,000
分譲
1,000
持家
0
%
40
30
給与
2011/8 9
-10
-20
10 11 12 12/1
資料:国土交通省
17 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
2
%
16
14
12
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
-10
9 年月
2
3
4
5
6
7
-30
8 年月
公共工事
横ばい
9月の公共工事の前払保証に対する請 負額は
320億円
(前年比▲3 .0%)
と、3カ月ぶりに減少した。
なお、4~9月期でみると、同+5 .9%と前年水準を上
回っている。
発注者別では、独立行政法人等
(前年比+6 .6%)
と増加したものの、国
(同▲11 .5%)、埼玉県
(同▲
21.4%)、市町村
(同▲12.1%)
が減少した。
公共工事は、前年度が低水準だったこともあり、
総じて横ばいで推移するとみられる。
弱含みの動き
7月の鉱工業生産指数
(季節調整値:2005年=
100)
をみると、生産指数は 86.2
(前月比+3.5%)
と4
カ月ぶりに増加したものの、弱含みの動きとなって
いる。
業種別では、輸送機械、プラスチック製品などが
減少したものの、化学、情報通信機械などが増加
した。
在庫指数は前月比+5 .1%の 95 .4と、乗用車を中
心とする輸送機械
(同+43.1%)
が大幅に増加した。
今後は、海外景気の減速や電気料金の値上げな
どの影響から、下押し圧力が懸念される。
雇用
億円
500
%
60
埼玉県前年比
(右目盛)
関東前年比
(右目盛)
400
50
40
30
300
件数は、前年比▲10.9%の 769件となった。
生産
前払保証に対する請負額の推移
有効求人倍率は0.59倍
8月の有効求人倍率
(季節調整値)は、前月から
20
10
200
0
-10
100
-20
-30
0
2011/9 10 11 12 12/1 2
3
4
5
6
7
8
9
-40
年月
資料:東日本建設業保証 関東:埼玉、
東京、
神奈川、
千葉、
茨城、
栃木、
群馬
鉱工業指数の推移
100
2005年=100
(季節調整値)
90
80
(予測)
70
60
50
生産指数
(埼玉)
在庫指数
(埼玉)
生産指数
(全国)
2011/7 8
9 10 11 12 12/1 2
3
4
5
6
7
8
9 10 年月
資料:経済産業省・埼玉県(注)予測は、鉱工業生産指数(全国)を製造工業生産予測指数で換算したもの。
有効求人倍率の推移
万人
15
埼玉県
(右目盛)
倍
0.9
全国
(右目盛)
0.01ポイント下降して、0.59倍となった。
有効求職者数は112 ,587人
(前年比▲7.8%)と、
27カ月連続で前年を下回っ たが、有効求人数は
0.8
10
0.7
63 ,250人
(同+6 .7%)と、28カ月連続で前年を上回
っている。新規求人倍率
(季節調整値)
は、前月から
有効求人倍率は、持ち直しの動きが一服してお
厳しい。
0.5
有効求職者数
有効求人数
0.01ポイント上昇して、0.97倍となっている。
り、その水準も低い。県内の雇用情勢は依然として
0.6
5
0
2011/8 9
10 11 12 12/1
2
3
4
5
6
7
0.4
8 年月
資料:埼玉労働局
埼玉りそな経済情報2012.11——
18
月
次
経
済
指
標
鉱工業生産指数
(季調値)
鉱工業在庫指数
(季調値)
埼玉県
埼玉県
全国
建築着工非居住用
全国
埼玉県
2005年=100 前月比(%)2005年=100 前月比(%)2005年=100 前月比(%)2005年=100 前月比(%) 1,000㎡
全国
前年比(%) 1,000㎡
前年比(%)
2008年
101.2
▲5.2
103.8
▲3.4
110.0
6.6
109.0
4.8
3,431
▲7.8
60,963
▲6.4
2009年
78.6
▲22.3
81.1
▲21.9
66.8
▲39.3
93.1
▲14.6
1,722
▲49.8
42,947
▲29.6
2010年
91.5
16.4
94.4
16.4
88.1
31.9
96.6
3.8
2,042
18.6
44,521
3.7
2011年
89.0
▲2.7
92.2
▲2.3
64.8
▲26.4
100.3
3.8
2,165
6.0
47,253
6.1
11年 7月
87.4
▲4.4
93.8
1.1
73.9
1.5
101.1
0.0
291
50.2
4,338
2.3
88.9
1.7
94.6
0.9
72.4
▲2.0
102.8
1.7
160
▲14.5
4,475
16.7
8月
9月
87.2
▲1.9
92.8
▲1.9
72.5
0.1
102.9
0.1
137
10.5
3,518
▲18.2
10月
86.7
▲0.6
94.5
1.8
71.1
▲1.9
103.8
0.9
154
2.6
3,951
3.0
11月
83.5
▲3.7
92.9
▲1.7
66.6
▲6.3
103.3
▲0.5
161
1.4
3,826
9.9
12月
93.4
11.9
95.0
2.3
59.1
▲11.3
101.5
▲1.7
201
▲4.4
3,731
▲14.2
12年 1月
93.6
0.2
95.9
0.9
65.5
10.8
103.6
2.1
224
150.8
3,883
8.3
95.7
2.2
94.4
▲1.6
72.0
9.9
103.1
▲0.5
130
▲17.5
3,510
11.6
2月
3月
97.0
1.4
95.6
1.3
94.5
31.3
107.5
4.3
198
▲2.2
3,674
▲9.7
4月
94.0
▲3.1
95.4
▲0.2
87.9
▲7.0
109.6
2.0
139
▲19.8
4,011
▲8.0
5月
90.1
▲4.1
92.2
▲3.4
87.9
0.0
108.8
▲0.7
335
50.4
4,036
5.1
6月
83.3
▲7.5
92.6
0.4
90.8
3.3
107.5
▲1.2
424
96.2
4,523
2.5
7月
86.2
3.5
91.7
▲1.0
95.2
5.1
8月
90.2
▲1.6
110.6
2.9
288
▲1.2
4,208
▲7.7
108.8
▲1.6
153
▲4.3
4,447
▲0.6
9月
資料出所
埼玉県
経済産業省
埼玉県
経済産業省
国土交通省
●鉱工業在庫指数の年の数値は年末値
新設住宅着工戸数
埼玉県
戸
所定外労働時間
(製造業)
全国
前年比
(%)
戸
埼玉県
前年比
(%)
時間
前年比
(%)
時間
埼玉県
全国
前年比
(%) 2010年=100 2010年=100
2008年
71,325
2009年
54,198
▲24.0
2010年
55,368
2.2
2011年
57,772
4.3
11年 7月
6,202
33.4
83,398
21.2
13.0
▲9.7
15.8
▲1.2
103.3
100.4
5,147
7.5
81,986
14.0
13.2
▲8.3
15.3
▲1.8
102.5
100.2
8月
10.3 1,093,519
常用雇用指数
全国
3.1
15.9
▲5.6
17.3
▲6.3
99.0
99.3
788,410
▲27.9
11.0
▲35.5
11.7
▲32.6
100.7
100.2
813,126
3.1
14.1
27.4
15.4
31.7
100.0
100.0
834,117
2.6
13.1
▲6.4
15.4
▲0.5
102.3
100.0
9月
4,380
▲16.3
64,206
▲10.8
12.9
▲10.3
16.1
0.6
102.5
100.2
10月
5,209
29.4
67,273
▲5.8
14.1
▲0.6
16.5
3.1
102.3
99.8
11月
5,228
9.5
72,635
▲0.3
14.4
▲1.5
16.3
0.0
101.7
100.1
12月
5,161
▲2.3
69,069
▲7.3
14.8
1.3
16.6
1.9
101.7
99.8
12年 1月
4,658
12.5
65,984
▲1.1
12.8
0.7
15.1
5,048
5.5
66,928
7.5
15.0
10.3
2月
1.2
102.9
99.6
2.0
102.1
99.5
3月
4,783
23.0
66,597
5.0
15.1
14.4
16.8
7.9
101.8
98.8
4月
4,105
▲11.0
73,647
10.3
15.1
27.1
16.5
16.6
102.6
100.1
5月
4,549
12.3
69,638
9.3
13.6
18.3
15.3
11.3
102.6
100.3
6月
4,642
▲6.6
72,566
▲0.2
13.5
10.8
16.0
3.8
103.5
100.2
7月
4,582
▲26.1
75,421
▲9.6
13.2
2.5
16.0
▲1.5
102.9
100.1
8月
6,072
18.0
77,500
▲5.5
15.3
▲2.8
9月
資料出所
国土交通省
●所定外労働時間、常用雇用指数はいずれも規模30人以上
19 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
埼玉県
厚生労働省
埼玉県
厚生労働省
月
次
有効求人倍率
(季調値)
埼玉県
全国
倍
倍
経
済
指
標
新規求人数
大型小売店販売額
埼玉県
人
全国
前年比
(%)
千人
埼玉県
前年比
(%)
億円
全国
前年比
(%)
億円
前年比
(%)
2008年
0.87
0.88
25,310
▲13.3
679
▲15.8
10,917
▲1.6
209,511
▲2.5
2009年
0.40
0.47
18,563
▲26.8
523
▲23.0
10,416
▲6.1
197,758
▲7.0
2010年
0.41
0.52
19,633
5.9
571
9.3
10,410
▲2.3
195,791
▲2.6
2011年
0.51
0.65
22,517
14.7
655
14.7
10,459
▲1.8
195,936
▲1.8
11年 7月
0.50
0.65
22,551
11.9
649
12.2
938
1.6
17,843
0.8
0.51
0.66
22,971
13.1
680
18.4
824
▲3.5
15,575
▲2.6
8月
9月
0.51
0.67
23,398
8.5
702
12.5
795
▲4.7
14,728
▲3.6
10月
0.51
0.68
25,338
11.9
719
11.8
859
▲1.8
16,057
▲1.4
11月
0.52
0.69
23,399
9.4
685
14.2
875
▲3.0
16,370
▲2.5
12月
0.52
0.71
20,004
5.5
597
14.4
1,100
0.1
20,910
▲0.3
12年 1月
0.54
0.73
26,470
8.9
744
12.4
902
▲0.8
17,426
▲1.0
0.56
0.75
26,251
12.8
773
16.3
782
1.3
14,659
0.2
2月
3月
0.58
0.76
23,891
14.2
765
15.2
870
4.4
16,032
5.1
4月
0.58
0.79
22,356
▲3.6
708
14.2
839
▲2.2
15,664
▲0.6
5月
0.58
0.81
23,275
15.0
727
24.5
852
▲2.3
15,753
▲0.8
6月
0.60
0.82
22,765
10.5
717
12.1
846
▲4.1
15,682
▲2.6
7月
0.60
0.83
23,367
3.6
732
12.8
889
▲6.2
17,123
▲4.4
8月
0.59
0.83
23,794
3.6
751
10.5
818
▲2.2
15,568
▲0.9
9月
資料出所
埼玉労働局 厚生労働省
埼玉労働局
厚生労働省
関東経済産業局
経済産業省
●大型小売店販売額は全店ベース、前年比は既存店ベース
新車販売台数
(乗用車)
埼玉県
前年比(%)
台
企業倒産
全国
台
消費者物価指数
埼玉県
全国
埼玉県
全国
前年比(%) 件数
(件) 負債額(百万円) 件数
(件) 負債額(百万円) 2010年=100 前年比(%)2010年=100 前年比(%)
2008年
159,299
▲5.8 2,800,664
▲5.2
586
144,150
15,646 12,291,953
102.1
1.2
102.1
1.4
2009年
146,611
▲8.0 2,640,312
▲5.7
636
153,345
15,480
6,930,074
101.0
▲1.1
100.7
▲1.4
2010年
161,858
10.4 2,927,602
10.9
573
111,207
13,321
7,160,773
100.0
▲1.0
100.0
▲0.7
2011年
129,169
▲20.2 2,386,036
▲18.5
563
70,551
12,734
3,592,920
99.9
▲0.1
99.7
▲0.3
11年 7月
10,668
▲37.2
215,265
▲30.0
50
5,823
1,081
220,912
100.1
0.6
99.7
0.2
8月
10,022
▲35.1
188,656
▲29.5
53
4,350
1,026
794,045
100.4
0.6
99.9
0.2
9月
15,454
▲2.6
280,379
0.8
48
3,954
1,001
212,312
100.2
0.3
99.9
0.0
10月
12,046
25.6
220,271
28.3
43
5,238
976
155,883
100.5
0.1
100.0
▲0.2
11月
12,549
24.9
221,048
23.9
46
3,808
1,095
187,675
99.6
▲0.4
99.4
▲0.5
12月
10,833
21.9
194,352
23.4
47
9,042
1,032
356,670
99.8
0.1
99.4
▲0.2
12年 1月
14,434
49.1
239,107
42.7
45
11,240
985
349,355
100.3
0.9
99.6
0.1
2月
17,277
35.0
301,791
33.1
48
6,640
1,038
631,263
100.4
0.9
99.8
0.3
3月
23,104
88.9
443,727
82.0
40
4,346
1,161
333,931
100.9
1.1
100.3
0.5
4月
9,873
100.0
187,036
92.6
51
5,300
1,004
228,959
100.6
0.8
100.4
0.1
5月
11,764
56.4
210,818
64.0
51
3,186
1,148
282,558
100..4
0.5
100.1
0.2
6月
15,113
44.9
282,804
39.8
48
7,893
975
181,601
100.0
0.1
99.6
▲0.2
7月
15,872
48.8
295,581
37.3
51
2,884
1,026
724,100
99.9
▲0.3
99.3
▲0.4
8月
11,088
10.6
205,012
8.7
36
4,870
967
216,634
99.9
▲0.5
99.4
▲0.4
9月
13,700
▲11.3
252,187
▲10.1
51
5,951
931
174,626
資料出所
日本自動車販売協会連合会
東京商工リサーチ
埼玉県
総務省
埼玉りそな経済情報2012.11——
20
● タウンスケープ
狭山市
緑と健 康 で 豊 かな 文化 都 市 狭 山 市
市 長 のメッ セ ー ジ
昭和29年7月に埼玉県内15番目の市として誕生し
た狭山市は、入間川の恵みにはぐくまれた緑豊かな住
宅都市として、また、県下有数の製造品出荷額を誇る
工業都市として着実に発展を遂げてまいりました。
平成24年7月、狭山市駅西口再開発事業が完成。
市民公募によってスカイテラスと名付けました。地域
の特色を生かしながら
「元気な狭山をみんなでつくる」
を合言葉に、市民の皆さんと一緒にまちづくりを進め
狭山市長
仲川 幸成 氏
はじ め に
狭山市は、首都圏40㎞圏内、埼玉県西部地域
ています。
お 茶 香るまち・狭 山
市名の由来である
「狭山茶」は「味の狭山茶」
に位置し、川越市、所沢市、入間市、飯能市、日
とたたえられる特産品。狭山市は入間市、所沢
高市に隣接する。市域の中央を南西から北東へ
市とともに狭山茶の主産地である。茶畑は、入曽・
と一級河川入間川が流れている。入間川を挟み、
堀兼地区に多く、茶畑が広がるのどかな風景は、
北西側に入間台地、南東側には武蔵野台地が広
「お茶香るまち・狭山」のシンボルといえる。
がり、武蔵野台地北西端を走る国道16号と、そ
狭山茶の歴史は鎌倉時代までさかのぼる。京
れに並行する西武新宿線を軸として市街地を形
都の高僧・明恵上人が、武蔵河越の地に栽植し
成している。
たのが始まりとされる。江戸時代、飲茶の習慣
都市公園整備は、市が力を注いできた事業の
が大衆化して生産が拡大されると、それまで河
一つ。自然そのままの森林とこども動物園やテ
越茶と呼ばれていた名称が現在のように狭山茶
ニスコートなどのスポーツ・レクリエーション施設
と呼ばれるようになった。
が点在する智光山公園、芝生と桜が見事な狭山
狭山茶の特色であるコク味は、寒冷な気候の
稲荷山公園、自然林に囲まれた堀兼・上赤坂公
ため越冬茶葉が自然に厚くなることや、他地が
園などが市民の憩いの場となっている。
年3~4回摘採するのに対して狭山茶では年2回
となることなどによる。また、仕上加工
(二次加工)
には古来より
「狭山火入れ」と称される独特の火
入れ技術が生かされている。
消費地の中の産地のため、製造直売型の店舗
が多いことも特徴。やぶきた、さやまかおり、ふく
みどりなどの優良品種で作られ、茶葉を使った
和菓子・洋菓子など商品開発も盛んに行われて
いる。学校給食にも、抹茶蒸しパンやさやまっ茶
プリンなど、産地ならではのメニューが登場し、
狭山稲荷山公園の「さやま大茶会」
21 —— 埼玉りそな経済情報2012.11
子どもたちの人気を集める。
季 節 を 彩 る風 物 詩
まちづくりの 新しい 拠 点
豊かな自然に恵まれた狭山市は、折々の催し
狭山市駅西口地区の再開発事業は、駅前広
も多彩だ。3月下旬から4月上旬にかけて、狭山
場、市民広場などの整備に続き、市民交流センタ
随一の桜の名所である狭山稲荷山公園では、約
ーがオープン。記念イベント“完成!狭山スカイテ
300本の桜が見頃となる。
ラス オープニングフェスタ―ふみだそう新た
4月29日に行われる
「狭山新茶と花いっぱいま
な一歩 元気・活気・熱気 ― ” で事業の完成を祝
つり」は、茶どころ狭山ならではの春のイベント。
った。多くの市民が集う駅前の立地を活かし、市
茶摘み体験や手揉み茶の実演、新茶や草花の
民の文化・交流活動や子育てへの支援、多彩な
販売などが行われる。
情報の発信基地としての期待がふくらむ。
6月中旬、智光山公園には約2 ,600株の花菖蒲
狭山元気プラザは、廃校になった狭山台北小
が咲き揃う。園内には都市緑化植物園をはじめ、
学校跡を利用。専用キャンパスを置く狭山元気大
わんぱくの森、桜の園、こども動物園、キャンプ
学は、概ね16歳からシニアまでの幅広い年代を対
場などもあり、四季折々に楽しめる。
象とする。コミュニティビジネスやボランティア活動、
8月初旬、狭山を代表する伝統の祭り、
「 入間
行政などとの協働に取り組む人材を育成する
「人
川七夕まつり」が狭山の夏を彩る。その始まりは
づくり」と、コーデ
江戸時代中期と伝えられ、七夕通り商店街を中
ィネート事業やイ
心に約1.5㎞の沿道が、約百本の竹飾りで埋めつ
ンキュベーション
くされる。風にゆれる竹飾りの下で、竹飾りコン
事 業 をとおして
クールや鼓笛隊パレード、民踊流し、阿波踊り大
学びの成果を地
会、夜の納涼花火大会など、盛りだくさんのイベ
域社会のなかで
ントでまちは祭り一色に染まる。
活 かす
「人を 活
11月初旬は、狭山稲荷山公園の「さやま大茶
かす仕組みづく
会」
。狭山で生まれた抹茶「明松」と玉露「伊利
り」を柱に、
「元気
麻路」に、友好交流都市・新潟県津南町の「竜ケ
な狭山をみんな
窪の水」を使った野点をはじめ、俳句や生け花、
でつくる」に取り
尺八や箏曲などの邦楽演奏も披露される。今年
組んでいる。
は11日
(日)
開催。是非ご来場いただきたい。
(宮澤謙介)
入間川七夕まつり
狭山市概要
人口 (平成24年9月1日現在)
155,856人
世帯数 (平成24年9月1日現在)
65,350世帯
平均年齢
(平成24年9月1日現在)
45.0歳
面積
49.04㎢
事業所数
(工業統計)
209所
製造品出荷額等
川越市
入間市
さいたま市
966店
商品販売額
所沢市
狭山市
主な交通機関
●西武鉄道新宿線 入曽駅・狭山市駅・新狭山駅
10,504.5億円
商店数 (商業統計)
池袋線 稲荷山公園駅
1,296.7億円
公共下水道普及率
93.7%
舗装率
63,6%
資料「埼玉県市町村勢概要
(平成24年3月)」他
●関越自動車道川越ICから市役所まで約8㎞
●首都圏中央連絡自動車道狭山日高ICから市役所まで約5㎞
埼玉りそな経済情報2012.11——
22
市町村別小学校数及び児童数
市町村名
学校数
児童数
(平成24年5月1日現在・速報値)
市町村名
学校数
児童数
前年差
市町村名
学校数
児童数
前年差
107
68,803
▲638
志 木 市
8
3,799
▲17
嵐 山 町
3
885
▲13
川 越 市
33
18,099
▲153
和 光 市
8
4,171
▲59
小 川 町
6
1,346
▲49
熊 谷 市
30
10,416
▲258
新 座 市
17
8,602
56
川 島 町
6
1,087
▲47
川 口 市
52
29,930
▲394
桶 川 市
7
3,989
▲68
吉 見 町
6
954
▲73
行 田 市
16
4,373
▲115
久 喜 市
23
7,681
▲59
鳩 山 町
3
628
▲10
秩 父 市
14
3,475
▲85
北 本 市
8
3,590
▲71
ときがわ町
3
504
▲41
所 沢 市
32
17,153
▲247
八 潮 市
10
4,604
▲13
横 瀬 町
1
510
▲15
飯 能 市
14
3,808
▲93
富士見市
11
5,776
▲114
皆 野 町
4
513
▲30
加 須 市
22
5,907
▲95
三 郷 市
19
6,725
▲174
長 瀞 町
2
407
▲21
本 庄 市
13
4,179
▲151
蓮 田 市
8
3,122
▲22
小鹿野町
4
645
▲18
東松山市
11
4,541
44
坂 戸 市
13
5,609
146
東秩父村
2
132
▲10
春日部 市
24
11,788
▲308
幸 手 市
9
2,456
▲26
美 里 町
3
581
▲43
狭 山 市
16
7,955
▲169
鶴 ヶ島 市
8
3,999
▲21
神 川 町
4
738
▲40
羽 生 市
11
2,949
▲95
日 高 市
6
3,198
45
上 里 町
5
1,976
▲29
鴻 巣 市
19
6,053
▲113
吉 川 市
7
4,372
▲12
寄 居 町
6
1,700
▲79
深 谷 市
19
8,190
▲106
ふじみ野市
13
6,009
▲116
宮 代 町
4
1,502
▲29
上 尾 市
22
12,505
▲358
市
726
354,993
▲4,852
白 岡 町
6
2,720
▲23
草 加 市
21
13,618
▲322
杉 戸 町
6
2,455
▲92
越 谷 市
30
17,880
▲454
伊 奈 町
4
3,197
118
松 伏 町
3
1,918
▲43
市
7
2,959
▲50
三 芳 町
5
2,341
18
町 村 計
95
30,271
▲564
戸 田 市
12
7,410
17
毛呂山町
4
1,770
▲41
入 間 市
16
8,119
▲79
越 生 町
2
594
▲7
朝 霞 市
10
7,181
▲105
滑 川 町
3
1,168
53
蕨
計
発行・株式会社埼玉りそな銀行 ●平成
さいたま市
11
月号
前年差
埼玉りそな 経 済 情 報
市町村経済データ
市町村計
821
385,264
▲5,416
年 月 日発行(毎月
24
11
1
資料:埼玉県「学校基本調査」
(注)
1.市町村名は調査時点
2.川口市は、旧鳩ヶ谷市分を含めた値
回 日発行・通巻 号 )
1
1
埼玉りそな経済情報 11月号 No.107
2012年11月1日発行
発 行
企 画・編 集
株式会社 埼玉りそな銀行
公益財団法人 埼玉りそな産業経済振興財団
〒330-0063 さいたま市浦和区高砂 2-9-15
Tel:048-824-1475 FAX:048-824-7821
ホームページアドレス http://www.sarfic.or.jp/
この冊子はエコマーク認定の
再生紙および環境調和型の植
物性インキを使用しています。
107
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